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特許7432833クリーン燃料電気マルチロータ飛行体のための統合マルチモード熱エネルギー伝達システム、方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】クリーン燃料電気マルチロータ飛行体のための統合マルチモード熱エネルギー伝達システム、方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B64D 27/24 20240101AFI20240209BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240209BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04007 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/0444 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/249 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20240209BHJP
   H01M 8/04992 20160101ALI20240209BHJP
【FI】
B64D27/24
B64C27/08
B64C13/18 D
H01M8/04007
H01M8/04701
H01M8/04746
H01M8/0432
H01M8/0444
H01M8/249
H01M8/00 A
H01M8/04858
H01M8/00 Z
H01M8/04313
H01M8/04694
H01M8/04992
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2021566547
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 US2020034075
(87)【国際公開番号】W WO2020242899
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】62/852,651
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516326391
【氏名又は名称】アラカイ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モリソン、ブライアン、ディー.
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163770(JP,A)
【文献】特開2010-182518(JP,A)
【文献】特表2008-521693(JP,A)
【文献】特開2019-035442(JP,A)
【文献】特開2013-062250(JP,A)
【文献】特開2011-100698(JP,A)
【文献】特開2007-179981(JP,A)
【文献】特開2000-025696(JP,A)
【文献】特開2018-176920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 27/24
B64C 27/08
B64C 13/18
H01M 8/04007
H01M 8/04701
H01M 8/04746
H01M 8/0432
H01M 8/0444
H01M 8/249
H01M 8/00
H01M 8/04858
H01M 8/04313
H01M 8/04694
H01M 8/04992
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムであって、
燃料を格納および輸送するよう構成される、1または複数の燃料電池モジュールと流体連通する燃料タンクを含む燃料供給サブシステムと、
複数の流体導管を用いて構成された熱交換器を含む熱エネルギーインタフェースサブシステムと、
1または複数のソースの1つ、または、1または複数の熱エネルギー移動先の1つとして機能するよう各々が構成される複数の熱エネルギーリザーバであって、
冷媒を格納および輸送するよう構成される、前記1または複数の燃料電池モジュールと流体連通する少なくとも1つのラジエータを含む発電サブシステムと、
ダクトならびに加熱および空調ユニットを含む加熱・換気・空調(HVAC)サブシステムを含む内部温度ゾーンと、
1または複数のベント、1または複数の排出口、および1または複数の排出ポートを含む外部温度ゾーンと、
熱力学動作条件を測定するよう構成される1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスと
を含む複数の熱エネルギーリザーバと、
1または複数の熱基準、および、測定された熱力学動作条件の比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、エネルギー伝達のための1または複数の優先度を含む温度調節プロトコルを算出するよう構成され、かつ、前記温度調節プロトコルに基づいて、オートパイロット制御ユニットによって指定された前記1または複数のソースから、前記オートパイロット制御ユニットによって指定された前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御するよう構成され、これにより、前記熱エネルギー伝達を通じて、前記1または複数のソースおよび前記1または複数の熱エネルギー移動先の両方において温度変化を発生させるコンピュータプロセッサを含む前記オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータユニットと
を備える統合システム。
【請求項2】
熱力学動作条件を測定することは、熱エネルギーの1または複数のソースに対応する第1の温度を測定し、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を評価することを含み、前記1または複数の熱基準は、動作パラメータ、警告パラメータ、機器設定、搭乗者制御設定、代替的なコンポーネント、代替的なゾーン、温度センサおよび外部参照情報から成る群から選択される1または複数の基準を含む、請求項1に記載の統合システム。
【請求項3】
前記1または複数のソースは、前記発電サブシステム、前記内部温度ゾーン、前記外部温度ゾーン、および前記燃料供給サブシステムから成る群から選択される、請求項1または2に記載の統合システム。
【請求項4】
前記1または複数の熱エネルギー移動先は、前記発電サブシステム、前記内部温度ゾーン、前記外部温度ゾーン、および前記燃料供給サブシステムから成る群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項5】
前記オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサは更に、前記温度調節プロトコルに基づいて、
HVACサブシステムを使用する、前記発電サブシステムを含む前記1または複数のソースから、前記内部温度ゾーンを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
少なくとも前記少なくとも1つのラジエータまたは前記1または複数の排出ポートを使用する、前記発電サブシステムを含む前記1または複数のソースから、前記外部温度ゾーンを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
前記熱交換器またはベーパライザを含む前記熱エネルギーインタフェースサブシステムを使用する、前記発電サブシステムを含む前記1または複数のソースから、前記燃料供給サブシステムを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
前記内部温度ゾーンにおける温度を低減するための、前記HVACサブシステムを使用する、前記内部温度ゾーンを含む前記1または複数のソースから、前記燃料供給サブシステムを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
1または複数のベントを使用する、前記外部温度ゾーンを含む前記1または複数のソースから、前記燃料供給サブシステムを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、ならびに、
それらの組み合わせを含む熱エネルギー伝達の量および分配を算出、選択および制御するよう構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項6】
前記燃料供給サブシステムは更に、気体水素(GH2)、液体水素(LH2)、液化石油ガス(LPG)から成る群から選択される燃料を格納および輸送するよう構成される、1または複数の燃料電池と流体連通する前記燃料タンクを含み、燃料供給サブシステムは更に、各々が前記燃料タンクに流体連通する、燃料ライン、チャージのための燃料補給接続、1または複数のベント、1または複数のバルブ、1または複数の圧力レギュレータ、ベーパライザ、ユニオン、および、前記熱交換器を含み、前記1または複数の温度検知デバイスまたは熱安全センサは、前記燃料供給サブシステムにおける気体の温度および濃度をモニタリングし、また、1または複数の圧力ゲージ、1または複数のレベルセンサ、1または複数の真空ゲージ、および、1または複数の温度センサを含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項7】
前記燃料タンクは更に、チタン、ポリマー、ステンレス鋼またはカーボンファイバエポキシシェルと、プラスチック、ポリマー、またはステンレス鋼ライナと、チタン、ポリマー、カーボンファイバ、またはステンレス鋼内側タンクと、両方のタンクの間の絶縁材料と、液体を気体形態に膨張するための膨張手段と、任意選択のタンク取り付け設備と、配管設備と、落下保護と、内側タンクと外側タンクとの間の低減された圧力を部分的に、またはほぼ真空に維持するための設備とを含み、水素の作動流体を前記燃料として使用するよう構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項8】
前記燃料タンクは更に、316Lステンレス鋼を含むボスを含み、ライナ材料は高密度ポリエチレン(HDPE)を含み、前記燃料タンクは、70MPaの動作圧力、および、105MPaの耐圧で、水素の作動流体を使用するよう構成され、シリンダ外径は530mmであり、外形長は2154mmであり、水量は244Lであり、重量は186kgである、請求項7に記載の統合システム。
【請求項9】
前記発電サブシステムは更に、
複数のモータおよびプロペラアセンブリを制御するよう構成される複数のモータコントローラに電圧および電流を供給する1または複数の燃料電池モジュールと、
ゼロ、1または複数のバッテリアレイと、
1または複数の回路基板と、
1または複数のプロセッサと、
1または複数のメモリと、
1または複数の電子コンポーネント、電気的接続、電気ワイヤと、
各電源と電気メインバスとの間の絶縁を提供する1または複数のダイオードまたは電界効果トランジスタ(FET、IGBT、またはSiC)と
を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項10】
前記複数のモータコントローラは、高電圧、高電流の空冷または液冷式コントローラである、請求項9に記載の統合システム。
【請求項11】
前記1または複数の燃料電池モジュールは更に、空気フィルタ、ブロワ、風量計、燃料送出アセンブリ、再循環ポンプ、冷媒ポンプ、燃料電池制御、センサ、エンドプレート、少なくとも1つのガス拡散層、少なくとも1つの膜電解質接合体、少なくとも1つのフローフィールドプレート、冷媒導管、接続、水素注入口、冷媒注入口、冷媒排出口、空気を前記1または複数の燃料電池モジュールに供給する1または複数の空気駆動型ターボチャージャまたはスーパーチャージャ、および、前記1または複数の燃料電池モジュールに接続されて流体連通して冷媒を輸送する冷媒導管を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項12】
前記1または複数の燃料電池モジュールは更に、1または複数の水素駆動型燃料電池を含み、各水素駆動燃料電池は、LH2温度で格納されている液体水素(LH2)から抽出された気体水素(GH2)によって燃料供給され、前記1または複数の燃料電池モジュールは、前記燃料タンクからの水素を前記空気における酸素と組み合わせて電圧および電流を供給する、請求項11に記載の統合システム。
【請求項13】
前記燃料タンクは更に、内側タンクおよび外側タンク、断熱包装材、前記内側タンクと前記外側タンクとの間の真空部分を含み、これにより、およそ10barまたは140psiの動作圧力を生成する、請求項12に記載の統合システム。
【請求項14】
前記熱エネルギーインタフェースサブシステムは、前記燃料を含む前記燃料供給サブシステムに接続し流体連通する第1流体導管と、ダクト、および、前記冷媒を含む空調ユニットまたはキャビン冷却サブシステムを含むHVACサブシステムを含む前記内部温度ゾーンに接続し流体連通する第2導管とに接続するよう構成される前記熱交換器またはベーパライザを含み、熱エネルギーは、伝導によって前記冷媒から伝導インタフェースを越えて前記燃料に伝達され、これにより、前記燃料を温め、前記冷媒を冷却し、前記1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスは更に燃料温度センサおよび冷媒温度センサを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項15】
マルチロータ飛行体の複数のモータコントローラによって制御される複数のモータおよびプロペラアセンブリへ電圧および電流を供給するよう構成される電力システムと、
前記複数のモータコントローラおよびアビオニクスサブシステムへの、供給された前記電圧および電流の分配をモニタリングおよび制御するための電力分配モニタリングおよび制御サブシステムであって、前記複数のモータコントローラは、1または複数のオートパイロット制御ユニットによって命令され、前記1または複数のオートパイロット制御ユニットは、前記複数のモータおよびプロペラアセンブリの各々についての電圧およびトルクまたは電流を制御する、電力分配モニタリングおよび制御サブシステムと、
前記1または複数のオートパイロット制御ユニットに有線または無線(RF)接続する、ソフトウェアを含むミッションプランニングコンピュータと、
前記マルチロータ飛行体からの、および、前記マルチロータ飛行体への衝突回避、交通、緊急検出および天気情報を前記ソフトウェアに提供する、無線接続または有線接続された放送型自動従属監視(ADSB)またはリモートIDユニットと、
シリアルRS232、コントローラエリアネットワーク(CAN)、イーサネット、アナログ電圧入力、アナログ電圧出力、モータ制御のためのパルス幅変調出力、組み込みまたはスタンドアロン空データコンピュータ、組み込みまたはスタンドアロン慣性測定デバイス、1または複数のクロス通信チャネルまたはネットワークから選択されるインタフェースの少なくとも1つを含むコンピュータおよび入出力インタフェースを含む、前記1または複数のオートパイロット制御ユニットと、
ローカル電流ストレージを提供するための対応する電圧のバッテリを有し、前記マルチロータ飛行体の一次電圧の少なくとも一部を、12V、24V、28V、またはアビオニクスおよび非モータ目的の他の標準電圧から成る群の1または複数を含む標準電圧にダウンシフトするよう構成されるDC-DCコンバータまたはスタータ/オルタネータと、
ピッチ、ロール、ヨー、スロットル、および他の所望の情報をシリアル回線上に組み合わせる手段であって、命令データの複数チャネルが、前記シリアル回線を通じて前記1または複数のオートパイロット制御ユニットに渡され、定期的または非定期的なレートで反復する複数のフレームにおいて制御情報がパッケージ化される、手段と、
前記複数のモータコントローラの各々への命令を生成する制御アルゴリズムを動作させ、マルチロータ飛行体の安定性を管理および維持し、フィードバックをモニタリングする前記1または複数のオートパイロット制御ユニットと
を更に備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項16】
前記ADSBまたはリモートIDユニットは、
ブロードキャストデータを近くの飛行体から受信し、前記マルチロータ飛行体の位置データを前記近くの飛行体にブロードキャストして、前記近くの飛行体に前記位置データを提供し、潜在的な衝突を回避すること、
気象データを受信してアビオニクスディスプレイシステム上に表示すること、
前記近くの飛行体との衝突を回避する、または、緊急手順を開始するためのアクションまたは命令を決定するために後に使用される所望の状態情報を前記1または複数のオートパイロット制御ユニットへ送信すること、
熱力学動作条件および熱基準、前記近くの飛行体の状態、搭乗する乗客の安全性、ならびに、飛行体の飛行および飛行リソースを監督する統括空域システムに従う利用可能な飛行経路ダイナミクスを含む前記マルチロータ飛行体の状態に基づいて、飛行経路最適化、衝突回避、脅威検出、および緊急手順のための計算を実行すること、ならびに、
冗長姿勢ベース飛行制御、冗長コンピュータ、冗長モータ制御、および少なくとも1つの投票部を使用して、マルチロータ飛行体安全エンベロープからの逸脱を防止すること
を行うように動作可能であり、前記計算が、前記マルチロータ飛行体安全エンベロープの超過、動作パラメータの超過、制御の喪失の検出、安定性の喪失の測定、搭乗者の安全性を維持できないこと、前記マルチロータ飛行体の飛行価値および機能を維持できないことのうち1または複数を含む是正不可能な状態を示すとき、前記統合システムは、前記マルチロータ飛行体の自動制御のためのアビオニクスおよび電子機器を使用して、前記複数のモータおよびプロペラアセンブリに干渉することなく、または、前記マルチロータ飛行体の搭乗者を危険に晒すことなく、前記マルチロータ飛行体を浮かせる、および/または、重力に逆らって、地上に低速で降下するための、前記複数のモータとプロペラアセンブリとの間に配備されたバリスティックエアフレームパラシュートのアクティブ化を少なくとも含む、緊急時に安全に降下するための手段の開始を含む緊急手順を実行する、請求項15に記載の統合システム。
【請求項17】
前記1または複数の温度検知デバイスまたは熱安全センサは、前記燃料供給サブシステムにおける気体の温度および濃度をモニタリングし、更に、前記1または複数の燃料電池モジュールおよび複数のモータコントローラを含み、前記1または複数の燃料電池モジュールおよび複数のモータコントローラは各々、CANバスを使用して、バルブ、ポンプ、またはそれらの組み合わせについて温度および他のパラメータを自己測定および報告し、前記オートパイロット制御ユニットに通知するよう構成され、流体を使用して冷却を増加または減少させることを可能にし、熱エネルギーは前記冷媒から伝達され、熱交換器はLH2を温め、別個のラジエータが廃熱を放散し、熱交換器およびラジエータの両方は、低温および高温のソースであり、これにより、ダクトおよび空調ユニットを含むHVACサブシステムを使用して、前記内部温度ゾーンにおけるキャビン環境プロセスのために、前記熱エネルギー伝達を通じて、前記1または複数のソースおよび前記1または複数の熱エネルギー移動先の両方における温度変化を発生させる、請求項1から16のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項18】
前記HVACサブシステムは更に、1または複数のキャビン温度センサ、二次作動流体の分配を制御する1または複数のファンと流体連通するダクト、液体水素または他の低温で格納された燃料に関する熱交換器と流体連通するダクト、ならびに、互いに流体連通する凝縮器、膨脹弁、蒸発器、コンプレッサ、導管を含み、前記空調ユニットの外部の前記二次作動流体に作用する少なくとも1つの前記空調ユニットを含む、請求項17に記載の統合システム。
【請求項19】
前記1または複数のオートパイロット制御ユニットは、前記1または複数の熱エネルギー移動先を含む異なる位置へ燃料および冷媒の流れを変更するようにバルブおよびポンプを動作させる命令を用いて、複数のモータコントローラおよび流体制御ユニットに命令する少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニットを含み、前記少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニットは、冗長ネットワークを通じて投票プロセスを通信する、請求項1から18のいずれか一項に記載の統合システム。
【請求項20】
マルチロータ飛行体における熱エネルギーを管理するための方法であって、
1または複数の温度検知デバイス、または、熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーの1または複数のソースに対応する第1の温度と、熱基準に対応する1または複数の追加の温度とを含む、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を測定する段階と、
オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサを使用して、少なくとも前記第1の温度と、熱基準に対応する前記1または複数の追加の温度とを比較して、比較結果を算出する段階と、
オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサ、および、前記比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、エネルギー伝達のための1または複数の優先度を含む温度調節プロトコルを算出する段階と、
前記温度調節プロトコルに基づいて、前記オートパイロット制御ユニットによって指定された前記1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御する段階であって、前記熱エネルギーの分配は、前記オートパイロット制御ユニットによって指定された1または複数の熱エネルギー移動先を含む、段階と、
マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムを使用して、前記1または複数のソースから前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達を実行し、これにより、前記熱エネルギー伝達を通じて、前記1または複数のソースと前記1または複数の熱エネルギー移動先との両方における温度変化を発生させる段階と
を備える方法。
【請求項21】
前記1または複数の熱基準は、代替的なコンポーネント、代替的なゾーン、動作パラメータ、警告パラメータ、機器設定、搭乗者制御設定および外部参照情報から成る群から選択される1または複数の基準を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記1または複数のソースおよび前記1または複数の熱エネルギー移動先は各々、発電サブシステム、燃料供給サブシステム、熱エネルギーインタフェース、内部温度ゾーンおよび外部温度ゾーンから成る群から選択される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記発電サブシステムは、電圧および電流を供給するよう構成される1または複数の燃料電池モジュールと、1または複数のバッテリアレイと、1または複数のモータコントローラと、1または複数のモータと、1または複数の回路基板と、1または複数のプロセッサと、1または複数の電子コンポーネントとから成る群から選択される1または複数のコンポーネントを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサは、前記温度調節プロトコルに基づいて、
HVACサブシステムを使用する、前記発電サブシステムを含む前記1または複数のソースから、前記内部温度ゾーンを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
少なくとも前記少なくとも1つのラジエータまたは前記1または複数の排出ポートを使用する、前記発電サブシステムを含む前記1または複数のソースから、前記外部温度ゾーンを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
熱交換器またはベーパライザを含む前記熱エネルギーインタフェースを使用する、前記発電サブシステムを含む前記1または複数のソースから、前記燃料供給サブシステムを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
前記内部温度ゾーンにおける温度を低減するための、前記HVACサブシステムを使用する、前記内部温度ゾーンを含む前記1または複数のソースから、前記燃料供給サブシステムを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、
1または複数のベントを使用する、前記外部温度ゾーンを含む前記1または複数のソースから、前記燃料供給サブシステムを含む前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、ならびに、
それらの組み合わせを含む、前記1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配の選択および制御を実行する、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記発電サブシステムから前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の前記実行は、前記発電サブシステムのコンポーネントと流体連通する流体を使用して、熱または熱エネルギーを、熱エネルギー移動先に対応する異なる位置へ輸送し、これにより、前記1または複数のソースの前記温度または余剰熱エネルギーを低減することを含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーのソースに対応する第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を測定する前記段階は更に、燃料温度、燃料タンク温度、燃料電池温度、バッテリ温度、モータコントローラ温度、冷媒温度、ラジエータ温度、キャビン温度および外部空気温度から成る群から選択される1または複数を測定する段階を含む、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記温度は、ADSBもしくはリモートIDユニットまたはビークルディスプレイシステムへのインタフェースを使用して、レビューのために表示される、請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサ、および、前記比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、温度調節プロトコルを算出する段階は、
前記発電サブシステムが、前記内部温度ゾーンにおける設定温度より高い温度を有するかどうかを決定し、前記内部温度ゾーンにおける前記設定温度が設定最高温度を超過しているかどうかを決定する段階と、
前記発電サブシステムが、インタフェース設定温度より高い温度を有するかどうかを決定し、前記熱エネルギーインタフェースの温度がインタフェース最高温度を超過しているかどうかを決定する段階と、
前記発電サブシステムが前記外部温度ゾーンより高い温度を有するかどうかを決定する段階と、
前記外部温度ゾーンが前記燃料供給サブシステムより高い温度を有するかどうかを決定する段階と、
各決定に基づいて、熱移動先の優先順位付けを決定する段階と
を備える、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記温度調節プロトコルに基づいて、前記1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御する前記段階は更に、前記1または複数の熱エネルギー移動先を指示する段階を含み、前記温度調節プロトコルに基づいて、前記1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御する段階は更に、
前記発電サブシステムと前記内部温度ゾーンとの間の温度差を決定する段階と、
前記発電サブシステムと前記外部温度ゾーンとの間の温度差を決定する段階と、
前記発電サブシステムと前記燃料供給サブシステムとの間の温度差を決定する段階と、
前記燃料供給サブシステムと前記内部温度ゾーンとの間の温度差を決定する段階と、
前記外部温度ゾーンと前記燃料供給サブシステムとの間の温度差を決定する段階と、
最大値を超過しない各正の差に基づいて前記量および分配を調節し、それぞれの温度差に基づいて、1または複数の熱移動先の各々に比例的に割り当てる段階と
を含む、請求項22から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記内部温度ゾーンは更に、1または複数のパイロットまたは乗客を含むように設計されるキャビン環境に対応する内部温度排出口と、キャビン温度センサ、二次作動流体の分配を制御する1または複数のファンに流体連通するダクトを更に含む前記HVACサブシステムと、互いに流体連通する凝縮器、膨脹弁、蒸発器、コンプレッサ、導管を含み、空調ユニットの外部の前記二次作動流体に作用する少なくとも1つの前記空調ユニットとを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記外部温度ゾーンは更に、排出ポートまたはベントを含む外部温度排出口を含む、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
熱エネルギー/温度交換サブシステムの熱インタフェースは更に、伝導を含む熱力学を使用して、前記1または複数の熱交換器に流体連通する冷媒導管によって供給される冷媒から、熱交換器壁および熱交換器表面を越えて、前記1または複数の熱交換器に流体連通する燃料ラインによって供給される燃料へ熱または熱エネルギーを伝達するよう構成される1または複数の熱交換器を含み、前記冷媒および前記燃料は、互いから物理的に隔離された状態を維持する、請求項20から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記1または複数のソースから前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の前記実行は更に、バルブおよび冷媒ポンプを使用して前記燃料または前記冷媒の流体流を方向転換する段階を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記1または複数のソースから前記1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達を実行後、前記方法は、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーのソースに対応する第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を測定することを反復し、その後、前記1または複数のソースおよび前記1または複数の熱エネルギー移動先についての伝達後データを使用して、比較、算出、選択および制御、ならびに実行段階を実行し、前記マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を反復的に管理する、請求項20から33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年5月24日に出願された、同時係属中である米国仮特許出願第62/852,651号の優先権および利益を主張するものであり、すべての主題は両方の出願に共通である。上記仮特許出願の開示は、本明細書において、参照により全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、フルスケールのクリーン燃料電気駆動マルチロータ飛行体の設計、実装および動作のための統合マルチモード熱エネルギー伝達システム、方法および装置に関する。本発明は特に、燃料電池モジュールまたは電力の他の搭載ソースが、複数の電気モータを動作させるために使用される電気へ燃料を変換する、次世代エアモビリティ(AAM)飛行体を含む搭載燃料電池および/またはモータまたはジェネレータ駆動型電気(低エミッション、またはエミッション無し)マルチロータ飛行体に適用されるが、これに限定されない。測定の結果を使用してコンピュータモニタリングを通知することにより、方法およびシステムは、燃料供給システムおよび発電システムの両方に関する熱エネルギー不均衡および差分を含む副産物を使用して、異なる飛行体ゾーンからの熱を追加および除去し、飛行体機能および効率性、ならびにパイロットおよび乗客の快適性を改善し得る。マルチロータ飛行体は、リモート命令または移動先への予めプログラムルートのいずれかに従って、無人航空ビークル(UAV)またはドローンモードで操作され得るか、または、オペレータモードで操作され得る。
【背景技術】
【0003】
低減スケールのマルチロータ飛行体(場合によりマルチコプターと呼ばれる)は新しくないが、人間の乗客を運ぶ厳密性または要件について意図されないスケールモデルを低減してきた。それらは主に、玩具として、または、継続時間が限定された監視または空撮ミッションに使用され、動きは無線制御リモートによって制御される。すべてではないが、大部分はバッテリ駆動型である。例えば、米国特許出願第20120083945号は、具体的には、低減されたスケールのマルチコプターに関するが、FAA認証乗客輸送実装に必要な安全、構造、または冗長性の特徴に、また、フォールトトレランスおよび状態変数解析を有する実践的な乗客輸送ビークルを実装するのに必要なシステムのいずれか、および、搭載されて輸送される燃料からそれ自体の電力を生成する任意の方式を扱っていない。安全かつ確実に人間の乗客を運び、米国および外国の空域内において運行することが可能なフルスケール飛行体を提供するダイナミクスおよび完全性の要件は、以前の低減されたスケールモデルとは大幅に異なる。
【0004】
現代では、多くの個人が航空機で移動している。500マイルより遠い移動先の場合、伝統的に航空機がもっとも速く、かつ、乗客のマイルあたりの怪我の観点において、もっとも安全な移動方式である。しかしながら、米国には、約200のハブおよびスポーク空港のみが存在し、人口の大部分は空港から30分以上離れている。しかし、米国全体では、5,300を超える小さい制御塔付きの地域空港、および、19,000を超える、制御塔が小さいまたは無い小さい飛行場があり、人口の97%以上は、飛行場から15~30分以内に位置する。以前から多く指摘されているように、これは非常に利用率が低い能力である。
【0005】
21世紀において、発展している米国航空宇宙システム(NAS)の高度な技術を適用して、3次元の空域における、より分散された、非集中的な移動を可能にするための機会が利用可能であり、これは、既存のハブとスポークの空港システムの制限の多く、ならびに、2次元の州間ハイウェイおよび通勤用ハイウェイシステムの混雑とは無関係である。
【0006】
多くの大都市および都会エリアは、通勤の交通によって、ほぼ渋滞し、大動脈は既に容量に達しているか、または超えており、住宅および既存のビジネスは、拡張または更なる建設に対して、深刻な障害を提示している。「Life After Airliners」シリーズのプレゼンテーション(Life After Airliners VI, EAA AirVenture 2003, Oshkosh, WI. Aug 3, 2003, and Life After Airliners VII, EAA AirVenture 2004, Oshkosh, WI. Jul 30, 2004を参照された)において、NASAは、また、NASAのDr.Bruce Holmes(Small Aircraft Transportation System - A Vision for 21st Century Transportation Alternatives, Dr. Bruce J. Holmes, NASA Langley Research Center. 2002を参照されたい)は、短距離エアモビリティを提供するために、オンデマンドで運行する、非集約的で、分散型で、二点間かつスケーラブルな方式で、個人用エアビークル(PAV)の階層型統合に基づく航空の将来について主張した。そのようなシステムは、現在の集中型、集約型、ハブ‐スポークシステムではなく、21世紀の統合型空域、自動化および技術に大きく依存している。この階層型の構想の第1または最低階層は、小型の個人用エアモビリティビークルまたは飛行体であり、地上の交通の混雑または大容量の空港の利用可能性によって制限されることなく、人がある地点から任意の地点へ効率的かつ容易に移動することを可能にする。主な要件は、ビークル自動化、レーダ非搭載空域および塔が無い施設における動作、推進のためのグリーン技術、安全性および信頼性の増加、ならびに、米国航空宇宙システム(NAS)または海外の同等物における統合型動作のための経路途中の手順およびシステムを含む。NASAによって挙げられる最終的な目標は、自動化された自己運転飛行体、および、都市内交通のための非炭化水素駆動型飛行体を含む。NASAは、いずれ、将来の移動する全マイルのうち最大で45%が個人用エアビークルによるものとなると予測する。
【0007】
一般的に、動力付きビークルは、そのビークルが使用する何等かの動力システムから廃熱を放散する必要がある。飛行体、自動車、動力付き船舶および他のビークルは多くの場合、ラジエータを使用して、燃焼の廃熱を放散する。同様に、ビークルがモータ、バッテリ、燃料電池、または他の手段のうちどれを使用して推進、制御、操舵、またはビークルの移動のモニタリングをするかにかかわらず、これらのコンポーネントは、過熱を防止し適切な動作温度を維持するために管理されシステムから放散される必要がある過剰な熱を生成する。多くの場合、熱は、流体を使用して、過剰な熱を生成するコンポーネントから離れるように伝達される。これを行うための1つの方式は、天然の、または、冷却ファンを介して誘導される空気流である。これにより、加熱された空気をコンポーネントから、より低温の大気中へ移動させる。低減スケールのマルチロータ飛行体(場合によりマルチコプターと呼ばれる)は新しくないが、人間の乗客を運ぶ厳密性または要件について意図されないスケールモデルを低減してきた。それらは主に、玩具として、または、継続時間が限定された監視または空撮ミッションに使用され、動きは無線制御リモートによって制御される。結果として、これらのデバイスは一般的に、ラジエータ、流体(多くの場合、冷媒と呼ばれる)、冷却ファン、または、動力付き乗客輸送ビークルが一般に提供する冷却システムのためのモニタリングデバイスさえ有しない、基本的なヒートシンクまたはモータフレーム、および、コンピュータおよび他の一般的な電子機器と同一の方式で熱を放散するために表面積を増加させる鋳造または成形されたフィンを有するハウジングを含む、高度でない熱管理システムだけに依存する。燃料電池の場合、追加のより効率的な方法が利用可能である。当該方法において、燃料は、通常は約-450°Fで格納される液体水素であり、これにより、大量の過剰な熱を吸収するために使用できる大幅な負の温度差を提供する。同様に、燃料電池自体からの電力の生成中に生成される廃熱は、低温の気候において飛行体のキャビンを加熱するために使用され得る。これは、エンジン廃熱を使用して自動車が加熱されるのと同様の方式である。廃熱、および、低温流体のリザーバを両方使用することにより、システムの全体的な効率性、ならびに、幅広い範囲の異なる環境および条件に調節する能力が改善するが、様々な設定および条件において熱力学原理を実装するためには、より高度なシステムが必要である。
【0008】
一般的に、ヒートシンクは、熱エネルギーを高温のデバイスから低温の流体媒体へ伝達する。流体媒体は空気、水、冷媒または油であり得る。熱力学において、ヒートシンクは、温度を大幅に変更することなく、大量の熱または熱エネルギーを吸収できる熱リザーバまたは熱エネルギーリザーバとして定義される。例えば、大気または海洋はヒートシンクとして機能し得る。逆に、熱源は、温度の著しい変更を経ることなく、大量のエネルギーを供給できる熱リザーバまたは熱エネルギーリザーバとして定義される。電子機器のための実際のヒートシンクは、対流、放射および伝導によって熱を伝達するために、周囲より高い温度を有する必要がある。電子機器の電源は、完全には効率でなく、電気抵抗の影響を受けるので、デバイスの機能にとって有害であり得る余分な熱が生成される。したがって、ヒートシンクは多くの場合、熱を放散させるために設計に含まれる。
【0009】
ヒートシンクの原理は、熱伝導のフーリエの法則に従って動作する。すなわち、物体に温度勾配があるとき、熱は高温の領域から低温の領域へ伝達される。熱が伝導によって伝達される速度は、温度勾配と、熱が伝達される断面積との積に比例する。冷却状態のニュートンの法則では、物体の熱喪失(または冷却)の速度(伝導、対流、または放射のいずれによるものでもよい)は、物体とその周辺との間の温度差ΔTにおよそ比例する。したがって、ヒートシンクは、より低温の周辺環境に接触するとき、熱または熱エネルギーを、例えば、過剰な熱を生成する電子機器から、ヒートシンクの周囲に伝達し、過剰な熱を周囲の環境に渡し、これにより、電子機器を冷却する。
【0010】
逆に、ヒートポンプは、低温の空間から熱を吸収して、より温かい空間へ放出することによって、自発的な熱伝達の反対方向に熱エネルギーを移動させる。ヒートポンプは、少量の外部電力を使用して、エネルギーを熱源からヒートシンクへ伝達する機能を達成する。ヒートシンクは、電子または機械的デバイスによって生成された熱を流体媒体(多くの場合、空気または液体冷媒)に伝達して、熱をデバイスの遠くで放散させ、これにより、デバイスの温度を最適なレベルに調節することを可能にする受動的な熱交換器である。ヒートポンプは、機械的な機能、または、高温熱源を使用して、低温のソースの場所から、高温のヒートシンクの場所へ熱を移動させる機械またはデバイスである。ヒートポンプは、その目的がヒートシンクを温めることである場合、「ヒータ」として機能し得、または、目的が熱源を冷却することである場合、「冷却装置」として機能し得る。いずれの場合でも、動作原理は同一である。熱は、低温の場所から高温の場所へ伝達される。各々が大幅に異なる温度で動作する一連の異なるサブシステム、コンポーネントまたはゾーンを使用することにより、(伝導、対流、または放射などによって)熱伝達を実行するためにどの他の物体が十分に接触しているかに依存して、ヒートシンクとして加熱される、または、熱源として冷却される異なる物体との複数の異なる相互交換可能な関係を確立することが可能となる。冷却の必要がある物体を、物理的に連結することができない、加熱の必要がある物体に相互接続する1つの方式は、熱交換器および作動流体を使用することによるものである。一般に熱交換器として知られる流体熱回収装置は、1または複数の媒体の間で熱を伝達するデバイスである。媒体は、1つの包囲領域から別の包囲領域へ熱を伝達する。液体熱伝達は、熱交換器において使用されるもっとも一般的な媒体であり、気体媒体も異なる用途において使用される。流体(液体、気体および空気)は、包囲領域によって隔離され得るか、または熱交換器において直接接触し得る。この用途における流体は、従来の意味に従って、流れることが可能であり、かつ、力の作用を受けたときに形状を変更し得る液体または気体などの物質として定義される。流体の流れは、異なるソースから異なる移動先へ誘導され得、熱交換器が、互いから離れた様々な物体の熱伝達を実行することを可能にする。
【0011】
安全かつ確実に人間の乗客を運ぶことが可能なフルスケールの飛行体を提供するダイナミクスおよび完全性の要件は、低減スケールモデルのものとは大幅に異なる。そのようなビークルは、高い信頼性、安全性、簡潔性、および冗長性制御機能を有し、電力を生成するための能力が搭載され、高度なアビオニクスおよび飛行制御技法と組み合わされた、最先端の電気モータ、電子機器およびコンピュータ技術を必要とする。飛行体に搭載された、異なる位置に配置されているサブシステム、コンポーネントおよびゾーンの従来の冷却または加熱を提供するための追加の重量、電力または空間を消費することは、非効率な性能およびリソースの消費、より高いコスト、より大きい重量、ビークル構成の制限、ならびに不要なビークルコンポーネントの複雑性および冗長性を含む、複数の課題を提示する。
【発明の概要】
【0012】
必要な、または好ましい温度に物体を加熱または冷却するために追加のリソースを消費する代わりに既存の高温または低温リザーバを使用しながら、飛行体(次世代エアモビリティ飛行体を含む)の電子コンポーネントから熱を回収し、異なるサブシステム、コンポーネントおよびゾーンとの間で熱または熱エネルギーを選択的に伝達して、飛行体における加熱または冷却の必要性を動的に満たす際の効率性および有効性を改善するために、設計における熱交換器の有利な特徴を活用する、流体熱回収のための改善されたエネルギー伝達システム、方法および装置の必要性がある。更に、飛行体の飛行を正常に維持するべく、遵守する必要がある飛行パラメータによって要求されるビークルの体積および質量に対する制限に起因して、飛行体内において使用されるシステムの数、質量、およびサイズを限定しながら、発電システムから廃熱を同時に放散し、動力および電気システムの過熱を防止し、格納された液体水素燃料を、燃料電池および他の発電コンポーネントに供給するための気体水素燃料に効率的に変換し、搭乗者を快適な温度に維持する必要性がある。本発明は、他の望ましい特性に加えて、この必要性に対処する更なる解決手段に関する。具体的には、本発明は、水素などの燃料から電気を生成するためのシステムを含む軽量マルチロータ機体胴体と、軽量マルチロータ機体胴体または他のフレーム構造に取り付けられた電気リフトおよび推進システムと、各々がプロペラまたはロータを駆動するACまたはDCブラシレス電気モータの逆回転するペアと、ナビゲーションのための統合アビオニクスシステムと、モータを管理し、ビークル安定性を維持し、熱力学動作条件を制御するための冗長オートパイロットシステムと、ルートを予め計画し、オートパイロットを介して移動先までシステムに飛行させる、または、タブレットコンピュータの動きを通じて、推力、ピッチ、ロールおよびヨーを直接制御する能力をオペレータに提供するためのタブレットコンピュータベースのミッションプランニングおよびビークル制御システムと、交通および状況認識、気象ディスプレイ、ならびに警告を提供するためのADSBまたはADSBのような能力(リモートIDを含む)とを有するフルスケールの垂直離陸および着陸型の有人または無人マルチロータ飛行体における熱エネルギーを管理するための統合マルチモード熱エネルギー伝達システム、方法および装置に関する。本明細書において利用されるリモートIDは、連邦航空局(FAA)によって公布されたルールおよびプロトコルを遵守して、他の当事者によって受信され得る識別情報を提供するための、飛行中の無人飛行体システム(UAS)の能力を指す。ビークルはテールロータを有さず、ロータとも呼ばれる、直接接続された逆回転するプロペラのペアを駆動する小さい電気モータのペアによって揚力が提供される。モータの各ペア上の逆回転するプロペラを使用することにより、それが無ければ回転慣性によって発生するトルクを打ち消す。プログラムされた単一または冗長のデジタルオートパイロット制御ユニット(オートパイロットコンピュータ)、または、モータ管理コンピュータによる自動コンピュータモニタリングを含む制御システムおよびコンピュータモニタリングは、各モータコントローラおよびモータを制御して、ピッチ、バンク、ヨー、および上昇を発生させ、同時に、搭載された慣性センサを使用してビークル安定性を維持し、パイロットまたはルートプランニング用ソフトウェアが命令し得る飛行状態を制限し、意図しない急激なバンクもしくはピッチ、または、制御の喪失につながり得る他の潜在的に有害な行動からビークルを保護し、また、同時に、飛行体コンポーネントおよびゾーンの温度および熱伝達を測定、算出、および調節しながら、冷却システムおよび加熱システムパラメータ、バルブならびにポンプを制御して、モータ、燃料電池および他の重要なコンポーネントが動作パラメータを超過することから保護し、飛行中に搭乗者のために安全で快適な環境を提供する。測定の結果を使用してコンピュータモニタリングおよび制御を通知することにより、方法およびシステムは、燃料供給システムおよび発電システムの両方に関する熱エネルギー不均衡および差分を含む副産物を使用して、異なる飛行体ゾーンからの熱を追加および除去し、飛行体機能および効率性、ならびにパイロットおよび乗客の快適性を改善し得る。感知されたビークル状態についてのパラメータ値は、推奨されるビークル動作パラメータが超過しそうなときを検出するために使用される。ビークル状態測定からのフィードバックを使用してモータ制御命令を通知し、また、冗長オートパイロットコンピュータの間で投票することにより、方法およびシステムは、ビークルの動作の簡潔性、安定性、信頼性および安全性に寄与する。電圧および電流を生成するための1または複数の搭載された燃料電池モジュール、発電および過剰な熱または熱エネルギーの発生をモニタリングおよび制御するための電子機器、ならびに、各モータへの命令された電圧および電流を制御し、その性能(とりわけ、結果として生じるRPM、電流、トルクおよび温度などのメトリクスを含み得る)を測定するためのモータコントローラによって電力が提供される。燃料電池モジュール、モータ、モータコントローラ、バッテリ、回路基板および他の電子機器は、過剰な熱または廃熱を除去または放散する必要がある。液体水素は、気体状態に変換されるために、熱交換器を通じて温められる必要があり、その後、燃料電池に供給される。熱交換器は次に、燃料電池からの廃熱を冷却すること、および、温い天気において空調の代わりにキャビンを冷却することを助け得る。
【0013】
本発明は、オンデマンドの、広分散型二地点間21世紀エアモビリティシステムの1つの部品としての、フルスケールの、クリーンな燃料を用いる、電気マルチロータビークル、特に、フルスケールのマルチロータ飛行体(本明細書においてマルチロータ飛行体とも呼ばれる)、または、エアモビリティビークル、または、次世代エアモビリティ(AAM)飛行体のコア設計の部品に関する。明確性のために、本明細書における、マルチロータ飛行体に対する任意の言及は、AAM飛行体を含むがこれに限定されるものではない、上記のビークルのいずれか、またはすべてを含む。ビークルの動作は、連邦航空局によって識別されるようなクラスEまたはクラスG空域.における有視界飛行方式(VFR)の下で動作するときに、多くのオペレータにとって単純かつ魅力的であるので、大部分の通勤者の状況において、航空交通制御塔とのいかなる無線のやり取りも必要としない。他の場合において、ビークルは、米国、または、飛行体認証および動作を管轄する二国間協定を米国が維持する国を含む他の国の同等の規制における、VFRおよびIFR(計器飛行方式)およびパート135(aircraft for hire)動作における、他の空域.クラスにおいて動作し得る。
【0014】
乗客を安全に輸送するべく、システムは、加熱および空調のための乗客キャビン快適性システムを必要とする。しかしながら、鉛直離陸ビークルにおいて持ち上げられるすべてのポンドは貴重であり、そのため、システムは、各飛行において、余分なエネルギーまたは余分な燃料のいずれか、およびコンプレッサまたはヒータを運搬することを回避するために、すべての利用可能な廃熱および廃棄低温ソースの使用を最大化する必要がある。
【0015】
本発明は、LPG、CNG、水素、液体水素、または他の一般的な燃料などの燃料から電気を生成するためのシステムを含む軽量機体と、軽量マルチロータトラスに取り付けられた電気リフトおよび推進システムと、フレームまたは胴体構造と、各々がプロペラまたはロータを駆動するACまたはDCブラシレス電気モータの逆回転するペアと、ナビゲーションのための統合アビオニクスシステムと、モータを管理してビークル安定性を維持するための冗長オートパイロットシステムと、ルートを予め計画してオートパイロットを介して移動先までシステムに飛行させるか、または、タブレットコンピュータ、もしくは、一般には「ジョイスティック」またはサイドアームコントローラと呼ばれるコントロールの移動を通じて、推力、ピッチ、ロール、およびヨーを直接制御する能力をオペレータに提供するタブレットコンピュータベースのミッションプランニングおよびビークル制御システムと、トラフィックおよび状況認識、気象ディスプレイおよび衝突回避の警告を提供するためのADSBまたはADSBのような能力(リモートID)とを有するフルスケールの垂直離陸および着陸型マルチロータ飛行体のための熱エネルギー伝達システムに関する。電圧および電流をするための1または複数の搭載されたモータジェネレータ、または、電圧および電流を生成するための搭載された燃料電池、発電をモニタリングおよび制御するための電子機器、および、その性能(とりわけ、結果として生じるRPM、電流、トルクおよび温度などのメトリクスを含み得る)を測定するために各モータへの命令された電圧および電流を制御するためのモータコントローラによって電力が提供される。電力を生成する、または、液体燃料を格納して気体状態に変換することの副産物である熱エネルギーは、ビークルの乗客エリアの加熱および冷却を提供するために使用される。
【0016】
ビークルはテールロータを有さず、ロータとも呼ばれる、直接接続された逆回転するプロペラを各々駆動する小さい電気モータのペアによって揚力が提供される。モータの各ペア上の逆回転するプロペラを使用することにより、それが無ければ回転慣性によって発生するトルクを打ち消す。プログラムされた冗長なデジタルオートパイロットコンピュータによる自動コンピュータモニタリングは、ピッチ、バンク、ヨーおよび上昇を制御し、同時に、搭載された慣性センサを使用してビークル安定性を維持し、パイロットまたはルートプランニング用ソフトウェアが命令し得る飛行状態を制限し、意図しない急激なバンクまたはピッチ、または、制御の喪失につながり得る他の潜在的に有害な行動からビークルを保護する。感知されたビークル状態についてのパラメータ値は、推奨されるビークル動作パラメータが超過しそうなときを検出するために使用される。ビークル状態測定からのフィードバックを使用してモータ制御命令を通知し、また、冗長オートパイロットコンピュータの間で投票することにより、方法およびシステムは、ビークルの動作の簡潔性、安定性、信頼性および安全性に寄与する。動作パラメータが超過する、または、設定された許容可能な限定または安全性要素を超過する場合、緊急システムが起動され得る。
【0017】
このクラスのビークルの多くの使用の中には、通勤、ローカルでの移動、航空タクシー、ならびに、より複雑な従来の飛行体またはヘリコプターに必要なレベルのパイロットスキルをオペレータが必要としないレクリエーションを含む、次世代の個人用交通がある。この進化は、個人用エアビークル(PAV)またはエアモビリティビークル(AMV)と呼ばれる。ビークルはまた、法律の施行、国境警備、軍事的監視、緊急救助(災害復旧)、および商業ユーザに役立つ、航空監視、セキュリティおよび偵察、取り締まり、および、パッケージまたは補給品の配達に対する、自律または無人用途がある。
【0018】
ビークルは、(一般に「ジョイスティック」またはサイドアームコントローラと呼ばれるコントロールを使用する、または、スロットルおよびジョイスティック命令を模倣するタブレットコンピュータの動きを使用する)オペレータによる制御入力を受け付け、電気モータコントローラ、高度アビオニクスおよびGPS機器への命令を管理して、スカイディスプレイにおける場所、地形およびハイウェイ、ならびに、カジュアルなユーザでも簡単なデモンストレーション飛行の後にシステムを習得することが可能な、簡略化されたゲームのような制御システムを提供するための冗長オートパイロットコンピュータを装備している。タブレットコンピュータは、ミッションプランニングおよびビークル制御システム能力を提供することにより、ルートを予め計画し、オートパイロットを介して移動先までシステムに飛行させる、または、タブレットコンピュータ自体の動きを通じて、推力、ピッチ、ロールおよびヨーを手動制御する能力をオペレータに与える。制御入力は代替的に、鉛直離陸(プロペラRPMまたはトルク)制御のためのスロットル、ならびに、ピッチ(機首上げ/下げ角度)およびバンク(左または右への角度)制御のためのジョイスティック、または、ユーザの嗜好に応じて、1または複数の制御要素のうち、ピッチ、バンクおよび推力の要素を組み合わせるための多軸ジョイスティックを使用して行われ得る。オートパイロットまたはモータ管理コンピュータは、オペレータによる制御入力、または、オートパイロット方向を測定し、これを、知られている性能表または関連する計算に従って個別の電気モータのコントローラへの命令に変換し、その後、当該命令に対するモータの反応を監督し、ビークル状態データ(ピッチ、バンク、ヨー、ピッチレート、バンクレート、ヨーレート、垂直加速度、横方向加速度、長手方向加速、GPS速度、鉛直方向の速度、対気速度、および他の要素)をモニタリングして、ビークルの動作が所望のエンベロープ内に維持されることを確実にする。
【0019】
本発明の例示的実施形態によれば、マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムは、燃料を格納および輸送するよう構成される、1または複数の燃料電池モジュールに流体連通された燃料タンクを含む燃料供給サブシステムと、冷媒を格納および輸送するよう構成される、1または複数の燃料電池モジュールと流体連通する少なくとも1つのラジエータを含む発電サブシステムと、複数の流体導管、ダクトおよび加熱または空調ユニットを含む加熱・換気・空調(HVAC)サブシステムを含む内部温度ゾーン、1または複数のベントを含む外部温度ゾーン、1または複数の排出口、1または複数の排出ポートで構成される、熱交換器を含む熱エネルギーインタフェースサブシステムと、熱力学動作条件を測定するよう構成される1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスとを含む。オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータユニットは、1または複数の熱基準および測定された熱力学動作条件の比較結果に基づくアルゴリズムを使用してエネルギー伝達のための1または複数の優先度を含む温度調節プロトコルを算出するよう構成され、かつ、1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の量および分配を、温度調節プロトコルに基づいて選択および制御するよう構成されるコンピュータプロセッサを備える。
【0020】
本発明の態様によれば、熱力学動作条件の測定は、熱エネルギーの1または複数のソースに対応する第1の温度を測定し、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を評価することを含み得る。1または複数の熱基準は、動作パラメータ、警告パラメータ、機器設定、搭乗者制御設定、代替的なコンポーネント、代替的なゾーン、温度センサ、および外部参照情報かる成る群から選択される1または複数の基準を含み得る。1または複数のソースは、発電サブシステム、内部温度ゾーン、外部温度ゾーン、および燃料供給サブシステムから成る群から選択される。1または複数の熱エネルギー移動先は、発電サブシステム、内部温度ゾーン、外部温度ゾーンおよび燃料供給サブシステムから成る群から選択される。
【0021】
本発明の態様によれば、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサは更に、温度調節プロトコルに基づいて、HVACサブシステムを使用する、発電サブシステムを含む1または複数のソースから、内部温度ゾーンを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、少なくとも少なくとも1つのラジエータまたは1または複数の排出ポートを使用する、発電サブシステムを含む1または複数のソースから、外部温度ゾーンを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、熱交換器またはベーパライザを含む熱エネルギーインタフェースサブシステムを使用する、発電サブシステムを含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステムを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、内部温度ゾーンにおける温度を低減するための、HVACサブシステムを使用する、内部温度ゾーンを含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステムを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、1または複数のベントを使用する、外部温度ゾーンを含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステムを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、ならびに、それらの組み合わせを含む熱エネルギー伝達の量および分配を算出、選択および制御するよう構成され得る。
【0022】
本発明の態様によれば、燃料供給サブシステムは更に、気体水素(GH2)、液体水素(LH2)、液化石油ガス(LPG)から成る群から選択される燃料を格納および輸送するよう構成される1または複数の燃料電池と流体連通する燃料タンクを含み、燃料供給サブシステムは更に、各々が燃料タンクに流体連通する、燃料ライン、充電のための燃料補給接続、1または複数のベント、1または複数のバルブ、1または複数の圧力レギュレータ、ベーパライザ、ユニオン、および、熱交換器を含み、1または複数の温度検知デバイスまたは熱安全センサは、燃料供給サブシステムにおける気体の温度および濃度をモニタリングし、また、1または複数の圧力ゲージ、1または複数のレベルセンサ、1または複数の真空ゲージ、および、1または複数の温度センサを含み得る。燃料タンクは更に、チタン、ポリマー、ステンレス鋼またはカーボンファイバエポキシシェルと、プラスチック、ポリマー、またはステンレス鋼ライナと、チタン、ポリマー、カーボンファイバ、またはステンレス鋼内側タンクと、両方のタンクの間の絶縁材料と、液体を気体形態に膨張するための膨張手段と、任意選択のタンク取り付け設備と、配管設備と、落下保護と、内側タンクと外側タンクとの間の低減された圧力を部分的またはほぼ真空に維持するための設備とを含み得、水素の作動流体を燃料として使用するよう構成される。燃料タンクは更に、316Lステンレス鋼を含むボスを含み、ライナ材料は高密度ポリエチレン(HDPE)を含み、燃料タンクは、70MPaの動作圧力、および、105MPaの耐圧で、水素の作動流体を使用するよう構成され、シリンダ外径は530mmであり、外形長は2154mmであり、水量は244Lであり、重量は186kgである。
【0023】
本発明の態様によれば、発電サブシステムは更に、複数のモータおよびプロペラアセンブリを制御するよう構成される複数のモータコントローラに電圧および電流を供給する1または複数の燃料電池モジュールと、ゼロ、1または複数のバッテリアレイと、1または複数の回路基板と、1または複数のプロセッサと、1または複数のメモリと、1または複数の電子コンポーネント、電気的接続、電気ワイヤと、各電源と電気メインバスとの間の絶縁を提供する1または複数のダイオードまたは電界効果トランジスタ(FET、またはIGBT、またはSiC)とを備え得る。
【0024】
本発明の態様によれば、1または複数の燃料電池モジュールは更に、空気フィルタ、ブロワ、風量計、燃料送出アセンブリ、再循環ポンプ、冷媒ポンプ、燃料電池制御、センサ、エンドプレート、少なくとも1つのガス拡散層、少なくとも1つの膜電解質接合体、少なくとも1つのフローフィールドプレート、冷媒導管、接続、水素注入口、冷媒注入口、冷媒排出口、空気を1または複数の燃料電池モジュールに供給する1または複数の空気駆動型ターボチャージャまたはポンプまたはスーパーチャージャ、1または複数の燃料電池モジュールに接続されて流体連通して冷媒を輸送する冷媒導管とを含み得る。1または複数の燃料電池モジュールは更に、1または複数の水素駆動型燃料電池を含み得、各水素駆動燃料電池は、熱交換器を使用して気体状態まで温められた液体水素(LH2)から抽出された気体水素(GH2)によって燃料供給され、1または複数の燃料電池モジュールは、燃料タンクからの水素を空気と組み合わせ、当業者に知られている電気化学的プロセスに従って電圧および電流を供給する。燃料タンクは更に、内側タンクおよび外側タンク、断熱包装材、内側タンクと外側タンクとの間の真空部分とを含み得、これにより、およそ10barまたは140psiの動作圧力を生成する。バッテリサブシステムは、冷媒を輸送する冷媒導管と流体連通する高電圧バッテリアレイ、バッテリモニタリングおよび充電サブシステムを含み得る。
【0025】
本発明の態様によれば、統合システムは、1または複数の人間の搭乗者および/または貨物を輸送するためのサイズ、寸法および構成のフルスケールのマルチロータ飛行体システム内に取り付けられ得、配備され得、マルチロータ飛行体システムは、1または複数の人間の搭乗者および/または貨物と共に、ビークルの総重量をサポートする構造を有するマルチロータ機体胴体を含み、複数のモータおよびプロペラアセンブリがマルチロータ機体胴体に取り付られ、複数のモータおよびプロペラアセンブリの各々は、プロペラブレードの複数のペアを含み、複数のモータおよびプロペラアセンブリは、複数のモータコントローラに電気的に接続されて制御され、マルチロータ飛行体システムはまた、供給された電圧および電流を複数のモータコントローラに分配することをモニタリングおよび制御するための電力分配モニタリングおよび制御サブシステムを含む。複数のモータコントローラは、1または複数のオートパイロット制御ユニットによって命令され得、1または複数のオートパイロット制御ユニットは、複数のモータおよびプロペラアセンブリの各々について電圧およびトルクまたは電流を制御する。統合システムはアビオニクスシステムを含み得る。発電サブシステムは、電圧および電流を供給するよう構成され得、更に、飛行中でないときに、複数の高電流バッテリセルのバッテリ電圧、電流、充電およびステータスをモニタリングするよう構成されるバッテリ管理サブシステムの定期的な充電を必要とするマルチロータ機体胴体のモジュール式エンクロージャ内に取り付けられた複数の高電流バッテリセルと、J1772規格に従う、自動車電気ビークル再充電ステーションに適合する再充電システムとを含み得、複数の高電流バッテリセルは、マルチロータ飛行体のバッテリを元の場所、移動先、または、路肩EV充電ステーションで再充電するよう構成される。発電サブシステムは、マルチロータ飛行体システムのメイン供給電力の一部を使用して、DC-DCコンバータまたはスタータ-オルタネータを通じて、搭載されたアビオニクスに電力供給し得、これにより、搭載されたアビオニクスに電力供給するバッテリのための別個の充電器および充電ポートの必要性を緩和する。複数のモータコントローラは、高電圧、高電流の液冷コントローラまたは空冷コントローラであり得る。
【0026】
本発明の態様によれば、熱エネルギーインタフェースサブシステムは、燃料を含む燃料供給サブシステムに接続し流体連通する第1流体導管と、ダクト、および、冷媒を含む空調ユニットまたはキャビン冷却サブシステムを含む(HVAC)サブシステムを含む内部温度ゾーンに接続し流体連通する第2導管とに接続するよう構成される熱交換器またはベーパライザを含み、熱エネルギーは、伝導によって冷媒から伝導インタフェースを越えて燃料に伝達され、これにより、燃料を温めて冷媒を冷却し、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスは更に燃料温度センサおよび冷媒温度センサを含み得る。
【0027】
本発明の態様によれば、システムは更に、複数のモータコントローラによって制御される複数のモータおよびプロペラアセンブリに電圧および電流を供給するよう構成される電力システムを含み得る。システムは、供給された電圧および電流を複数のモータコントローラおよびアビオニクスサブシステムに分配することをモニタリングおよび制御するための電力分配モニタリングおよび制御サブシステムを含み得、複数のモータコントローラは、1または複数のオートパイロット制御ユニットによって命令され、1または複数のオートパイロット制御ユニットは、複数のモータおよびプロペラアセンブリの各々についての電圧またはトルクまたは電流を制御する。システムは、1または複数のオートパイロット制御ユニットに有線または無線(RF)接続される、ソフトウェアを含むミッションプランニングコンピュータと、マルチロータ飛行体への、および、マルチロータ飛行体からの衝突回避、交通、リモートID、緊急検出および天気情報をソフトウェアに提供する無線接続または有線接続された放送型自動従属監視(ADSB)ユニットとを含み得る。1または複数のオートパイロット制御ユニットは、シリアルRS232、コントローラエリアネットワーク(CAN)、イーサネット(登録商標)、アナログ電圧入力、アナログ電圧出力、モータ制御のためのパルス幅変調出力、組み込みまたはスタンドアロン空データコンピュータ、組み込みまたはスタンドアロン慣性測定デバイス、1または複数のクロス通信チャネルまたはネットワークから選択されるインタフェースの少なくとも1つを含むコンピュータおよび入出力インタフェースを含み得る。DC-DCコンバータまたはスタータ/オルタネータは、ローカル電流ストレージを提供するための対応する電圧のバッテリを用いて、マルチロータ飛行体システムの一次電圧の少なくとも一部を、12V、24V、28V、または、アビオニクスおよび非モータ目的の他の標準電圧から成る群の1または複数を含む標準電圧にダウンシフトするよう構成され得る。システムは、ピッチ、ロール、ヨー、スロットルおよび他の所望の情報をシリアル回線上に組み合わるための手段を含み得、命令データの複数のチャネルは、シリアル回線を通じて1または複数のオートパイロット制御ユニットに繋がり、制御情報は、定期的または非定期的なレートで反復する複数のフレームにパッケージ化される。1または複数のオートパイロット制御ユニットは、複数のモータコントローラの各々への制御アルゴリズム生成し、マルチロータ飛行体の安定性を管理および維持し、フィードバックをモニタリングする命令を動作させ得る。統合システムは、近くの飛行体からのブロードキャストデータを受信し、所望の状態情報を1または複数のオートパイロット制御ユニットへ送信して近くの飛行体との衝突を回避することであって、1または複数のオートパイロット制御ユニットは、近くの飛行体との衝突を回避する、または、緊急手順を開始するように命令するためのアクションを決定する、ことと、マルチロータ飛行体システムの位置データを近くの飛行体にブロードキャストして、近くの飛行体に、潜在的な衝突を回避するための位置情報を提供することと、気象データを受信し、気象データをアビオニクスディスプレイシステムに表示することと、熱力学動作条件および熱基準、近くの飛行体の状態、搭乗する乗客の安全性、および、米国航空宇宙システムまたは他の国の同等のシステムの下での利用可能な飛行経路ダイナミクスを含む、マルチロータ飛行体の状態に基づいて、飛行経路最適化、衝突回避、脅威検出および緊急手順のための計算を実行することと、冗長な姿勢ベースの飛行制御、冗長コンピュータ、冗長モータ制御、少なくとも1つ投票部を使用して、マルチロータ飛行体安全エンベロープからの逸脱を防止することを行うように動作可能であり得るADSBまたはリモートIDユニットを含み得る。マルチロータ飛行体安全エンベロープから成る群の1または複数を含む是正不可能な状態を超過すること、動作パラメータを超過すること、制御の喪失が検出されたこと、安定性の喪失が測定されたこと、搭乗者の安全性をシステムが維持していない、または維持できないこと、および、マルチロータ飛行体の飛行価値および機能をシステムが維持できないことを計算が示す場合、システムは、マルチロータ飛行体の自動制御のためのアビオニクス電子機器を使用して、複数のモータとプロペラアセンブリとの間に配備され得、複数のモータおよびプロペラアセンブリに干渉することなく、または、飛行体の搭乗者を危険に晒すことなく、飛行体を浮かせ、そうでなければ重力に逆らい、低速で地上に降下するために使用され得るバリスティックエアフレームパラシュートのアクティブ化を少なくとも含む、緊急の場合における安全に降下するための手段の開始を含む緊急手順を実行し得る。
【0028】
本発明の態様によれば、1または複数の温度検知デバイスまたは熱安全センサは、燃料供給サブシステムにおける気体の温度および濃度をモニタリングし得、更に、1または複数の燃料電池モジュールおよび複数のモータコントローラを含み得、1または複数の燃料電池モジュールおよび複数のモータコントローラは各々、CANバスを使用して、バルブ、ポンプ、またはそれらの組み合わせについて温度および他のパラメータを自己測定および報告し、オートパイロット制御ユニットに通知するよう構成され、流体を使用する冷却を増加または減少させることを可能にし、熱エネルギーは冷媒から伝達され、熱交換器はLH2を温め、別個のラジエータが廃熱を放散し、熱交換器およびラジエータの両方は、低温および高温のソースであり、これにより、ダクトおよび空調ユニットを含むHVACサブシステムを使用して、内部温度ゾーンにおけるキャビン環境プロセスのために、熱エネルギー伝達を通じて、1または複数のソースおよび1または複数の熱エネルギー移動先の両方における温度変化を生成する。
【0029】
本発明の態様によれば、統合システムは更に、発電サブシステム、内部温度ゾーン、外部温度ゾーン、および、燃料供給サブシステムのパフォーマンスメトリクスの状態についての情報をオペレータに表示するミッションディスプレイシステムと、タッチタブレットコンピュータまたはアビオニクスディスプレイシステム上で動作するソフトウェアを含むデュアルディスプレイシステムと、無線接続または有線接続された放送型自動従属監視(ADSB)ユニット、または、マルチロータ全電気飛行体システムへの天気情報、および、それからのデータをソフトウェアに提供するリモートIDユニットと、コンピュータ、および、シリアルRS232、コントローラエリアネットワーク(CAN)、イーサネット(登録商標)、アナログ電圧入力、アナログ電圧出力、モータ制御のためのパルス幅変調出力、組み込みまたはスタンドアロン空データコンピュータ、組み込みまたはスタンドアロン慣性測定デバイス、および1または複数のクロス通信チャネルまたはネットワークから選択されたインタフェースの少なくとも1つを含む入出力インタフェースを含む1または複数のオートパイロット制御ユニットと、ローカル電流ストレージを提供するための24Vまたは28Vバッテリを用いて、マルチロータ全電気飛行体システムの一次電圧の少なくとも一部を、アビオニクスおよび非モータ目的の24Vまたは28V規格のいずれかにダウンシフトするよう構成されるDC-DCコンバータまたはスタータ/オルタネータと、1または複数のオートパイロット制御ユニットへの有線または無線(RF)接続を有し、命令された推力を示す可変電圧またはポテンショメータ設定を提供する、タッチタブレットコンピュータまたはアビオニクスディスプレイシステム上で動作するソフトウェアを含むミッションコントローラタブレットコンピュータと、複数のモータコントローラの各々への命令を生成し、ビークル安定性、熱力学動作条件およびモニタリングフィードバックを管理および維持する制御アルゴリズムを動作させる1または複数のオートパイロット制御ユニットとを備え得る。
【0030】
本発明の態様によれば、マルチロータ飛行体システムのためのアビオニクスディスプレイシステムは、状態情報および気象データを受信してから状態情報および気象データをアビオニクスディスプレイシステム上に表示し、所望の状態情報を1または複数のオートパイロット制御ユニットへ送信して、マルチロータ飛行体システムの熱力学動作条件を管理するように動作可能であるADSBまたはリモートIDユニットへのインタフェースを含み得る。1または複数のオートパイロット制御ユニットは、マルチロータ飛行体システムのコンポーネント間の熱エネルギー伝達を実行することを命令するためのアクションを決定し、マルチロータ飛行体の状態、熱力学動作条件および熱基準に基づいて、飛行経路最適化および衝突回避のための計算を実行する。
【0031】
本発明の態様によれば、HVACサブシステムは更に、1または複数のキャビン温度センサ、二次作動流体の分配を制御する1または複数のファンと流体連通するダクト、液体水素または他の低温で格納された燃料に関する熱交換器と流体連通するダクト、ならびに、任意選択で、互いに流体連通する凝縮器、膨脹弁、蒸発器、コンプレッサ、導管を含み空調ユニットの外部の二次作動流体に作用する少なくとも1つの空調ユニットを含み得る。
【0032】
本発明の態様によれば、1または複数のオートパイロット、または、別個の制御ユニットは、燃料および冷媒の流れを、熱エネルギー移動先を含む異なる位置へ変更するようにバルブおよびポンプを動作させる命令のために、複数のモータコントローラおよび流体制御ユニットに命令する1または複数の冗長オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータ制御ユニットを含み得、1または複数の冗長オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータ制御ユニットは、単一または冗長ネットワークを通じて投票プロセスを通信する。
【0033】
本発明の例示的実施形態によれば、マルチロータ飛行体における熱エネルギーを管理するための方法は、1または複数の温度検知デバイス、または、熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーの1または複数のソースに対応する第1の温度と、熱基準に対応する1または複数の追加の温度とを含む、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を測定する段階と、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサを使用して、少なくとも第1の温度と、熱基準に対応する1または複数の追加の温度とを比較して、比較結果を算出する段階と、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサ、および、比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、エネルギー伝達のための1または複数の優先度を含む温度調節プロトコルを算出する段階と、温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御する段階であって、熱エネルギーの分配は1または複数の熱エネルギー移動先を含む、段階と、マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムを使用して、1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達を実行する段階とを備える。
【0034】
本発明の態様によれば、1または複数のソースおよび1または複数の熱エネルギー移動先は各々、発電サブシステム、燃料供給サブシステム、熱エネルギーインタフェース、内部温度ゾーンおよび外部温度ゾーンから成る群から選択され得る。
【0035】
本発明の態様によれば、1または複数の熱基準は、代替的なコンポーネント、代替的なゾーン、動作パラメータ、警告パラメータ、機器設定、搭乗者制御設定および外部参照情報から成る群から選択される1または複数の基準を含み得る。
【0036】
本発明の態様によれば、発電サブシステムは、電圧および電流を供給するよう構成される電圧および電流を供給するよう構成される1または複数の燃料電池モジュールと、1または複数のバッテリアレイと、1または複数のモータコントローラと、1または複数のモータと、1または複数の回路基板と、1または複数のプロセッサと、1または複数の電子コンポーネントとから成る群から選択される1または複数のコンポーネントを含み得る。
【0037】
本発明の態様によれば、オートパイロット制御ユニットコンピュータプロセッサは、温度調節プロトコルに基づいて、HVACサブシステムを使用する、発電サブシステムを含む1または複数のソースから、内部温度ゾーンを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、少なくとも少なくとも1つのラジエータまたは1または複数の排出ポートを使用する、発電サブシステムを含む1または複数のソースから、外部温度ゾーンを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、熱交換器またはベーパライザを含む熱エネルギーインタフェースサブシステムを使用する、発電サブシステムを含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステムを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、内部温度ゾーンにおける温度を低減するための、HVACサブシステムを使用する、内部温度ゾーンを含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステムを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、1または複数のベントを使用する、外部温度ゾーンを含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステムを含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、ならびに、それらの組み合わせを含む、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配の選択および制御を実行し得る。
【0038】
本発明の態様によれば、発電サブシステムから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の実行は、発電サブシステムのコンポーネントと流体連通する流体を使用して、熱または熱エネルギーを、熱エネルギー移動先に対応する異なる位置へ輸送し、これにより、1または複数のソースの温度または余剰熱エネルギーを低減することを含み得る。
【0039】
本発明の態様によれば、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーのソースに対応する第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を測定する段階は更に、燃料温度、燃料タンク温度、燃料電池温度、バッテリ温度、モータコントローラ温度、冷媒温度、ラジエータ温度、キャビン温度および外部空気温度から成る群から選択される1または複数を測定する段階を含み得る。温度は、レビューのために、アビオニクスまたは他のビークルディスプレイシステムのADSBまたはリモートIDユニットへのインタフェースを使用して表示され得る。
【0040】
本発明の態様によれば、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサ、および、比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、温度調節プロトコルを算出する段階は、発電サブシステムが、内部温度ゾーン設定温度より高い温度を有するかどうかを決定し、内部設定温度が設定最高温度を超過しているかどうかを決定する段階と、発電サブシステムが、インタフェース設定温度より高い温度を有するかどうかを決定し、熱エネルギーインタフェースサブシステム温度がインタフェース最高温度を超過しているかどうかを決定する段階と、発電サブシステムが外部温度ゾーンより高い温度を有するかどうかを決定する段階と、外部温度ゾーンが燃料供給サブシステムより高い温度を有するかどうかを決定する段階と、各決定に基づいて、熱移動先の優先順位付けを決定する段階とを含み得る。
【0041】
本発明の態様によれば、温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御する段階は更に、1または複数の熱エネルギー移動先を指示する段階を含み、温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御する段階は更に、発電サブシステムと内部温度ゾーンとの間の温度差を決定する段階と、発電サブシステムと外部温度ゾーンとの間の温度差を決定する段階と、発電サブシステムと燃料供給サブシステムとの間の温度差を決定する段階と、燃料供給サブシステムと内部温度ゾーンとの間の温度差を決定する段階と、外部温度ゾーンと燃料供給サブシステムとの間の温度差を決定する段階と、最大値を超過しない各正の差 に基づいて量および分配を調節し、それぞれの温度差に基づいて、1または複数の熱移動先の各々に比例的に割り当てる段階とを含み得る。
【0042】
本発明の態様によれば、内部温度ゾーンは更に、1または複数のパイロットまたは乗客を含むように設計されるキャビン環境に対応する内部温度排出口と、キャビン温度センサ、二次作動流体の分配を制御する1または複数のファンに流体連通するダクトを更に含むHVACサブシステムと、互いに流体連通する凝縮器、膨脹弁、蒸発器、コンプレッサ、導管を含み、空調ユニットの外部の二次作動流体に作用する少なくとも1つの空調ユニットとを含み得る。
【0043】
本発明の態様によれば、外部温度ゾーンは更に、排出ポートまたはベントを含む外部温度排出口を含み得る。
【0044】
本発明の態様によれば、熱エネルギー/温度交換サブシステムの熱インタフェースは更に、伝導を含む熱力学を使用して、1または複数の熱交換器に流体連通する冷媒導管によって供給される冷媒から、熱交換器壁および熱交換器表面を越えて、1または複数の熱交換器に流体連通する燃料ラインによって供給される燃料へ熱または熱エネルギーを伝達するよう構成される1または複数の熱交換器を含み、冷媒および燃料は、互いから物理的に隔離された状態を維持する。
【0045】
本発明の態様によれば、1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の実行は更に、バルブおよびポンプを使用して燃料または冷媒の流体流を方向転換することを含む。
【0046】
本発明の態様によれば、1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達を実行後、方法は、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーのソースに対応する第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を測定することを反復し、その後、1または複数のソースおよび1または複数の熱エネルギー移動先についての伝達後データを使用して、比較、算出、選択および制御、ならびに実行段階を実行し、マルチロータ飛行体における熱力学動作条件を反復的に管理する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下の本発明の説明は、添付図面を参照する。
図1-1】マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムおよび関連するコンポーネントを制御するロジックを含む、本発明を実践するためのシステムブロック図を示す。
図1-2】マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムおよび関連するコンポーネントを制御するロジックを含む、本発明を実践するためのシステムブロック図を示す。
図1-3】マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムおよび関連するコンポーネントを制御するロジックを含む、本発明を実践するためのシステムブロック図を示す。
図1-4】マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムおよび関連するコンポーネントを制御するロジックを含む、本発明を実践するためのシステムブロック図を示す。
図2】本発明のシステムの様々な制御インタフェースコンポーネントの電気およびシステム接続の例示的なシステム図を示す。
図3】フォールトトレラント、三重冗長投票制御および通信手段に着目した、より詳細なブロック図を示す。
図4】1つの例示的実施形態による、本発明を図示するフローチャートを示す。
図5】マルチロータ飛行体のための制御パネル、ゲージおよびセンサ出力の例を示す。
図6】本発明のシステムの様々な燃料供給、発電、およびモータ制御コンポーネントの電気およびシステム接続を示す。
図7】本発明の一実施形態による、マルチロータ飛行体のフレームからのカンチレバー型の6個のロータを有するマルチロータ飛行体の側面図および平面図を示し、燃料供給および発電サブシステムを収容する場所および区画を示す。
図8】マルチロータ飛行体のフレームおよびロータ直径間の空間から延在する、燃料供給および発電サブシステムを収容する位置および区画を示す2つの図を示す。
図9】マルチロータ飛行体内の燃料および発電サブシステムの例示的位置を示すマルチロータ飛行体のプロファイルダイアグラムを示す。
図10】マルチロータ飛行体の燃料および発電サブシステムのコンポーネントの例示的な空間要件を示す。
図11】マルチロータ飛行体内の燃料供給および発電サブシステムの代替的な例示的位置を示す図を示す。
図12】マルチロータ飛行体内の発電サブシステム熱伝達および交換コンポーネントの構成の例示的な図を示す。
図13】マルチロータ飛行体内の燃料電池の例示的な構成を示す。
図14】マルチロータ飛行体内の燃料電池の例示的なサブコンポーネントを示す。
図15】マルチロータ飛行体内の燃料電池の例示的な内部サブコンポーネントを示す。
図16】マルチロータ飛行体内の燃料供給システムコンポーネントの例示的なプロファイルダイアグラムを示す。
図17】マルチロータ飛行体内のキャビン、HVAC、燃料供給および電力システムの例示的位置を示すマルチロータ飛行体の例示的な図を示す。
図18】マルチロータ飛行体内のHVACサブシステムのコンポーネントおよび関連する搭乗者の例示的位置を示すマルチロータ飛行体の図を示す・
図19】マルチロータ飛行体内の燃料タンクおよび燃料供給サブシステムの例示的なサブコンポーネントを示す。
図20】マルチロータ飛行体内の燃料タンクおよび燃料供給サブシステムの例示的なサブコンポーネントを示す。
図21a】マルチロータ飛行体内の燃料タンクおよび燃料供給サブシステムのサブコンポーネントの例示的実施形態を示す。
図21b】マルチロータ飛行体内の燃料タンクおよび燃料供給サブシステムのサブコンポーネントの例示的実施形態を示す。
図22】燃料タンク、燃料電池、ラジエータ、熱交換器および空調コンポーネントの例示的な図を示す。
図23】燃料タンク、燃料電池、ラジエータ、熱交換器および空調コンポーネント、ならびに、コンポーネント間の熱伝達のための相互接続した導管の例示的な図を示す。
図24】1つの例示的実施形態による、本発明を図示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
全体的な理解を提供するべく、特定の例示的な実施形態をここで説明する。しかしながら、当業者であれば、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、他の好適な用途のためのシステムおよび方法を提供するために適合および修正され得ること、ならびに、本明細書に説明されるシステムおよび方法の範囲を逸脱することなく他の追加および修正が行われ得ることを理解するであろう。
【0049】
別段の定めが無い限り、図示される実施形態は、特定の実施形態の変動する詳細の例示的な特徴を提供するものとして理解され得る。別段の定めが無い限り、図の特徴、コンポーネント、モジュールおよび/または態様は、開示のシステムまたは方法から逸脱することなく、別の方式で組み合わされ、分離され、相互に交換され、および/または、並び替えられ得る。
【0050】
本発明の例示的な実施形態は、マルチロータ飛行体に使用されるマルチモード熱エネルギー伝達のための統合システムおよび関連する方法に関する。統合システムおよび関連する方法は、熱交換器の有利な特徴を活用する流体熱回収を提供し、飛行体電子コンポーネントを含む高エンタルピー状態(過剰な熱)から熱を回収し、異なるサブシステム、コンポーネントおよびゾーンの間で熱または熱エネルギーを選択的に伝達し、飛行体の一部を温める際の効率性および有効性を改善し、また、低エンタルピー状態(例えば液体水素燃料タンクを含む低温リソース)を使用して、熱または熱エネルギー伝達を提供し、飛行体の一部を冷却し、飛行体における加熱または冷却の必要性を動的に満たしながら、必要な、または好ましい温度に物体を加熱または冷却するために追加のリソースを消費する代わりに、既存の高温または低温リザーバを使用する。システムおよび方法は、システムおよび方法によって選択され得る複数の異なるセットの熱源および熱エネルギー移動先がある、適切に選択されたサブシステム、コンポーネントまたはゾーンからの熱伝達に基づいて、温度を上昇または下降させ、従来のシステムによって必要とされるような、ヒータまたは空調機を駆動するための追加のエネルギーの入力を必要とすることなく廃エネルギーを捕捉する熱伝達による様々な温度調節を達成する。統合システムは少なくとも、燃料を格納および輸送するよう構成される、1または複数の燃料電池モジュールに流体連通する燃料タンクを含む燃料供給サブシステムと、冷媒を格納および輸送するよう構成される1または複数の燃料電池モジュールに流体連通する少なくとも1つのラジエータを含む発電サブシステムと、複数の流体導管で構成された熱交換器を含む熱エネルギーインタフェースサブシステムと、ダクトおよび空調ユニットを含む、加熱、換気、および空調(HVAC)サブシステムを含む内部温度ゾーンと、1または複数のベント、1または複数の排出口、および1または複数の排出ポートを含む外部温度ゾーンと、熱力学動作条件を測定するよう構成される1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスと、1または複数の熱基準および測定された熱力学動作条件の比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、エネルギー伝達のための1または複数の優先度を含む温度調節プロトコルを算出するよう構成され、温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御するよう構成されるコンピュータプロセッサを含むオートパイロット制御ユニットとを備える。
【0051】
全体を通して同様の部品が同様の参照番号によって指定される図1-1から図24は、本発明による、流体熱交換器を含む流体熱回収のための方法、装置およびシステムの例示的実施形態または実施形態を図示する。図面に示される1または複数の例示的実施形態を参照して、本発明について記載するが、多くの代替形態が本発明を具体化することができることが理解されるべきである。当業者であれば、本発明の思想および範囲をなお維持するような方式で、要素または材料のサイズ、形状またはタイプなど、開示される実施形態のパラメータを変更する異なる方式をさらに理解するであろう。
【0052】
図1-1から図1-4は、本発明を実施するために採用され得るシステム100の1つのタイプをブロック図の形態で示す。ここで、1~5人用の個人用航空ビークル(PAV)または無人航空ビークル(UAV)は、一次フライトディスプレイ12、放送型自動従属監視B(ADSB)またはリモートID送信機/受信機14、通常は12に組み込まれるグローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、燃料ゲージ16、対気速度および鉛直方向の速度38を算出するためのエアデータコンピュータ、ミッション制御タブレットコンピュータ36、およびミッションプランニングソフトウェア34および冗長飛行コンピュータ(オートパイロットコンピュータ32とも呼ばれる)などの搭載機器を含み、これらはすべて、飛行体の動作および位置のいずれかをモニタリングするか、または、エンジンおよびジェネレータセットならびに燃料システムをモニタリングおよび制御して、高度、姿勢、地上速度、位置、地域の地形、推奨される飛行経路、気象データ、残りの燃料および飛行時間、モータ電圧および電流ステータス、意図される移動先、ならびに、正常で安全な飛行に必要な他の情報など、それらのシステムの動作および飛行体の状態データの様々な態様を表すディスプレイプレゼンテーションを提供する。エンジンおよびジェネレータセットは、電気を生成するために、容易に水素駆動型燃料電池サブシステムによって置き換えられ得、燃料電池サブシステムは、格納された水素を、圧縮空気と組み合わせて電気を生成し、副産物は水と熱だけである。これにより、エンジンまたはジェネレータセットまたは燃料電池18を形成する。エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18はまた、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18の効率性および/または性能を最適化するべく、燃料ポンプおよび冷却システム44、ならびに、エンジンスーパーチャージャ46を含み得る。当業者に理解されるように、エンジンおよびジェネレータセットはまた、高電圧バッテリアレイ、バッテリモニタリングおよびチャージャサブシステムから成るバッテリサブシステムによって置き換えられ得るが、そのような構成は、燃料電池ベースではない。本開示は、両方の種類の発電システム、および、格納エネルギーバッテリシステムに対処することを意図する。例示の目的で、本説明では、電気生成の燃料電池形態に着目する。
【0053】
ビークル状態(ピッチ、バンク、対気速度、鉛直方向の速度、および高度)は、a)a1)入力デバイスとしてのミッション制御タブレットコンピュータ36を使用して行われる物理的な動きおよび命令、a2)サイドアームコントローラを使用して行われる物理的な動きおよび命令、または、a3)地上リモートパイロットからのセキュアなデジタルもしくは戦術データリンクまたは無線チャネルを越えて送信される物理的な動きおよび命令、または、a4)自律モードをサポートするミッション制御タブレットコンピュータ36およびミッションプランニングソフトウェア34を使用して選択および予めプログラムされた、予め計画されたミッションルートのいずれかを使用することによってオペレータによって、または、b)ミッション制御タブレットコンピュータ36およびミッションプランニングソフトウェア34を使用して選択および予めプログラムされ、起動前に搭載型オートパイロットシステムにアップロードされた、予め計画されたミッションルートを使用してUAVモードにおいて命令される。ミッション制御タブレットコンピュータ36は、シリアル無線制御または同様のデータリンクを介して、指定されたルートまたは位置命令セットをオートパイロットコンピュータ32および投票部42へ送信し得る。その場合、オートパイロットは次に、その指定されたルートまたは位置命令セット(例えば、元の場所から移動先へ移動するルートを形成するための高度および位置のセット)を利用し得る。例示的実施形態に関与する機器およびプロトコルに応じて、例えば、10~30ミリ秒の「フレーム」内に含まれる1.0~2.0ミリ秒の間で変化するパルス幅によって表される、指定された命令情報を運搬するサーボ制御パルスの反復シリーズを使用して一連の命令が送信され得る。命令データの複数「チャネル」が各「フレーム」内に含まれ得る。ただし、各最大パルス幅は、次のチャネルのパルスが開始できる前に、出力無し(通常はゼロボルトまたは論理ゼロ)の期間を有する必要がある。このようにして、命令情報の複数のチャネルは、各フレーム内の単一シリアルパルスストリーム上に多重化される。フレーム内の各パルスのパラメータは、最小パルス幅、最大パルス幅、および定期的反復レートを有する。モータのRPMは、制御ワイヤに適用されるパルスの継続時間によって決定される。モータのRPMは、信号のデューティサイクルまたは反復レートによって決定されないが、指定されたパルスの継続時間によって決定されることに留意されたい。オートパイロットは、20msごとにパルスを参照することが予想され得るが、システム要件に応じて、より短くても、または、より長くてもよい。フレーム内の各チャネルのパルスの幅は、対応するモータが回転する速度を決定する。例えば、1.2msパルスより小さいものはいずれも、「モータオフ」または0RPMとして予めプログラムされ得、1.2msから最大2.0msの範囲の幅のパルスは、20%RPMから100%RPMのモータに比例して命令する。制御されるモータの物理的制約を考慮して、パルス幅と結果のモータRPMとの間の厳密な相関は、各システムのプログラムの機能である。別の実施形態によると、モータ命令は、オートパイロットからモータコントローラへデジタルで送信され得、イーサネット(登録商標)またはCAN(コントローラエリアネットワーク)など(これは、適用可能な多くの利用可能なデジタルデータバスの1つである)のデジタルデータバスを使用して、ステータスおよび/またはフィードバックがモータコントローラからオートパイロットへ返され得る。モデム(モジュレータ-デモジュレータ)は、データリンクデバイスペア内に黙示的に存在し得、その結果、ユーザはイーサネット(登録商標)またはCAN命令を送信し、モデムは、1または複数の無線チャネルを介する信頼できる送信および受信に好適なフォーマットに当該データを変換し、対のモデムは、オートパイロットシステム内の使用のために、受信ノードにおいて、そのフォーマットを元のイーサネット(登録商標)またはCAN命令に再び変換する。当業者によって理解されるように、タブレットまたは地上パイロットステーションとビークルとの間の無線データリンクを実装するために多くの可能な実施形態が利用可能であり、オートパイロット、モータコントローラ、ならびに、搭載型発電およびモータ制御システムを形成する燃料電池およびサポートデバイスの間でデータおよび命令を送信および受信するために、同じくらい多くの可能な実施形態が利用可能である。
【0054】
各オートパイロットにおける受信機は、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、タブレットコンピュータまたは代替的な制御手段(この例では、ピッチ、バンクおよびヨーおよびRPMなどの制御入力を表するパルス幅のセット)からのチャネル命令に相関する受信されたチャネルパルスを、必要な出力に変換し、複数(この例では、6)のモータコントローラ24、モータ、およびプロペラ29の各々を制御し、命令されたビークルの動きを達成する。命令は、直接のワイヤによって、または、セキュアなRF(無線)信号を通じて、送信機と受信機との間で送信され得、RCフォーマットを使用し得る、または、イーサネット(登録商標)、CAN、または別の好適なプロトコルにおいて直接のデジタルデータを使用し得る。オートパイロットはまた、ピッチ、バンク角度、ヨー、加速など、他のビークル状態情報の測定を担当し、それ自体の内部センサおよび利用可能なデータを使用してビークル安定性の維持を担当する。
【0055】
オートパイロットと複数のモータコントローラ24との間の命令インタフェースは、1つの機器セットと別のものの間で変動し、可変DC電圧、可変抵抗、CAN、イーサネット(登録商標)、または他のシリアルネットワーク命令、RS232もしくは他のシリアルデータ命令、またはPWM(パルス幅変調)シリアルパルスストリーム、または、当業者に明らかである他のインタフェース規格などの、各モータコントローラ24への信号オプションを伴い得る。オートパイロットコンピュータ32内で動作する制御アルゴリズムは、必要な状態解析、比較を実行し、個別のモータコントローラ24への結果的な命令を生成し、結果的なビークル状態および安定性をモニタリングする。投票手段42は、3つのオートパイロットコンピュータ32のうちどの2つが合意しているかを決定し、適切なオートパイロットコンピュータ32出力を対応するモータコントローラ24に接続するための投票動作を自動的に実行する。冗長システムについては、三重冗長性は、あり得る障害を検出するための、入力の間の投票のもっとも一般的な手段であるが、他の冗長性のレベルもあり得、当業者にとって明らかである。
【0056】
好ましい制御実施形態において、命令されたビークルの動き、および、エンジンまたはモータRPM命令はまた、ジョイスティックおよびスロットルのペア(無線制御式の飛行体を制御するために使用されるものと同様である)によって、または、スロットルを含む従来のサイドアームコントローラのペアによっても具現化され得、ジョイスティック/サイドアームコントローラは、命令された動きを示す読み取り(ポテンショメータ、ホール効果センサ、または可変差動変圧器(RVDT))を提供し、これらは次に、適切なメッセージフォーマットに変換され、ネットワーク命令または信号によってオートパイロットコンピュータ32へ送信され得、これにより、複数のモータコントローラ、モータおよびプロペラ/ロータ29を制御するために使用される。サイドアームコントローラまたはジョイスティックはまた、「ステアリングホイール」、または、左右前後の動きが可能な制御ヨークにおいて具現化され得、2軸ジョイスティックまたは制御ヨークは、ピッチ命令(機首上げまたは機首下げ)およびバンク命令(左側を挙げる、または、左側を下げる)を示す単一またはデュアル冗長可変電圧またはポテンショメータ設定の2つの独立のセットを提供する。代替的に、ピッチおよびロールの動きの代わりに、オートパイロットはまた、「左に行く」、「右に行く」、「前に行く」、「後ろに行く」、「左ヨー」、または「右ヨー」命令を生成可能であり得、その間、オートパイロットは同時に、安定的な水平またはおよそ水平の状態でビークルを維持する。この後者の制御手段は、乗客にとって、より大きい快適性を提供する。なぜなら、翼が付いた飛行体などのエアビークルより、地上ベースのビークル(自動車など)の動きにより類似しているからである。
【0057】
好ましい実施形態における複数のモータおよびプロペラ29のモータは、飛行体モータとして動作可能であり、かつ、空冷または液冷される、またはその両方のブラシレス同期三相ACまたはDCモータである。
【0058】
システム動作の全体を通して、ビークルの制御および動作が、許容される飛行価値規格まで、人間の生命を保護するために要求される、必要な安全性、信頼性、性能および冗長性の手段を用いて実行される。
【0059】
ビークルを動作させるための電気エネルギーは、任意選択の高電流ダイオードまたはフィールド効果トランジスタ(FET)20および回路ブレーカ902(図2および図6においてより詳細に示される)を通じて、電圧および電流をモータコントローラ24に提供するエンジンジェネレータセットまたは燃料電池18から取得される。高電流コンタクタ904または同様のデバイスは、車のイグニッションスイッチと同様に、燃料電池18またはエンジンジェネレータを開始して電力を生成するために電圧をスタータ/ジェネレータ26に適用するビークルキースイッチ40の制御下で起動および解放される。例えば、高電流コンタクタ904は、基本的に、ビークルキースイッチ40によって制御され、かつ、電流がスタータ/ジェネレータ26へ流れることを可能にする大きい真空リレーであり得る。本発明の例示的実施形態によれば、スタータ/ジェネレータ26はまた、電力を飛行体のアビオニクスシステムに供給する。安定した電力が利用可能になると、モータコントローラ24の各々は個々に、RPMモードまたはトルクモードのいずれかでモータを制御することによって、所望の推力を達成するために必要な電圧および電流を管理し、各モータおよびプロペラ/ロータの組み合わせ28によって推力が生成されることを可能にする。ビークルあたりのモータコントローラ24およびモータ/プロペラの組み合わせ28の数は、ビークルのアーキテクチャ、所望の貨物(重量)、燃料容量、電気モータサイズ、重量、電力、およびビークル構造に応じて、4のように少なくてよく、16以上のように多くてもよい。有利なことに、複数の独立のモータコントローラ24およびモータを有するマルチロータビークルを実装することにより、より低い電流需要を有する、より小さいモータの使用を可能にし、それにより、燃料電池は、機能的航空ビークルの総重量で必要な電圧および電流を生成し得、一方で、十分な飛行継続時間を達成し、1または複数のモータまたはモータコントローラの障害が、オートパイロットによって補償されることを可能にし、当該障害時に安全な飛行および着陸の継続を可能にする。
【0060】
エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18は、搭載型の燃料貯蔵庫22によって燃料供給される。元の場所、移動先、または、路肩燃料補給ステーションにおいてマルチロータ飛行体のタンクを燃料補給する能力は、ビークルの有用性および通勤者による受け入れにとって重要である。有利なことに、燃料貯蔵庫タンクに燃料補給して、モータのためのエネルギーソースを置き換える能力は、時間を消費するプロセスであり得る、外部電気ソースからの再充電を必要とする従来のすべての電気ビークル(例えば、バッテリ動作式ビークル)によって要求されるダウンタイムを低減する。圧縮天然ガス(CNG)、液体石油ガス(LPG)、AvGas(典型的な航空燃料)および/または水素(燃料電池バージョン)から動作する変形が含まれる。当業者によって理解されるように、エンジンおよびジェネレータセットは、LPG、CNG、またはAvGas燃料によって駆動され得る、または、燃料電池18は、水素によって駆動され得る。従って、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18は、燃料から電気を生成して、電力をマルチロータ飛行体上のモータに提供し得る。有利なことに、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18の使用は、バッテリより重量効率が高く、既存のLiイオンバッテリより高いエネルギー密度を格納し、これにより、揚力を発生させるためにモータによって要求される仕事が低減する。さらに、水素または液体水素燃料セル、LPG、CNG、またはAvGasの使用は、燃料30が消費されるときの重量の低減に起因して、モータによって要求される仕事の量を低減する。
【0061】
すべての電気マルチロータビークルの性質に起因して、搭載型バッテリの再充電を容易にする外部レセプタクルを用いて、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18の代わりに搭載型高電圧バッテリおよび再充電サブシステムを運搬することも可能である。いくつかの例において、長時間の無人空中監視、セキュリティまたは他の用途のために、電気およびデータテザーの最後にビークルを動作させることも望ましいことがあり得る。この状況において、電力は、テザーケーブルを介して補充または提供され、制御情報は、本明細書に説明されるような搭載型システムによって、または、地上のコントローラによって動作される双方向有線またはブロードバンドまたは無線またはRFネットワークによって提供され得る。
【0062】
ビークルのアビオニクス12、14、16、32、34、36、38を動作させ、照明をサポートするための電力は、a)エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18によって駆動され電力をアビオニクスバッテリ27に提供する低電圧スタータ‐ジェネレータ26、または、b)アビオニクスバッテリ27にエネルギーを提供するDC-DCコンバータのいずれかによって提供される。DC-DCコンバータが使用される場合、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18によって生成された高電圧から電力を引き込み、より高い電圧(本実施形態において、通常300V DC~600V DC)を12V、24Vまたは28Vのいずれか、または他の電圧規格(いずれも、小さい飛行体システムにおいて通常使用される電圧である)にダウンコンバートする。ナビゲーション、ストローブおよび着陸灯は、26および27から電力を引き込み、米国および外国の空域規制の下で、安全性および夜間の動作のための必要な飛行体の照明を提供する。これらの補助的照明デバイスをシステム全体の一部として制御するために、好適な回路ブレーカ902およびスイッチ手段が提供される。これらの照明は一般に、発光ダイオード(LED)照明として実装され、CANまたは他のデジタルデータバス命令に応答して、1または複数のスイッチによって、または、データバス制御式スイッチのいずれかによって直接制御され得る。図1-1から図1-4に示されるようなCANまたはデータバス命令システムが採用される場合、複数の「ユーザエクスペリエンス」またはUXデバイスも採用され得、キャビン照明、座席照明、窓光、窓メッセージ、音声キャンセルまたは音声コクーン制御、外部表面照明、外部表面メッセージまたは広告、座席メッセージ、キャビン全体の乗客命令または飛行中のメッセージ、乗客重量感知、パーソナルデバイス(例えば、iPhone(登録商標)、タブレット、iPad(登録商標)、(または、Android(登録商標)、もしくは、市場における他の同等のデバイス、または同様の個人用デジタルデバイス)接続および充電、ならびに、キャビンまたはビークル内に追加され得る他の統合機能)など、ユーザエクスペリエンスの強化を提供する。
【0063】
複数のモータおよびプロペラ29のためのモータのペアは、(オートパイロットがRPMまたはトルクモードにおいてモータを制御しているかどうかによって決定される)異なるRPMまたはトルク設定で動作するように命令され、オートパイロット制御下で、わずかに異なる量の推力を生成することにより、安定した飛行姿勢を維持するためにオートパイロットの6軸の内蔵またはリモートの慣性センサからの位置フィードバックを使用して、ピッチモーメント、またはバンクモーメント、またはヨーモーメント、または、高度の変更、または、横方向の動き、または、長手方向の動き、または、同時に上記の任意の組み合わせを飛行体に与える。物理的な動きおよび動きの速度を評価するために各オートパイロットによってセンサデータが読み取られ、これらは、何の新しい動き命令が必要かを評価するために、すべての3次元における命令された動きと比較される。
【0064】
すべての飛行体がアビオニクス、計測またはコントローラまたはモータの同一の組み合わせを採用するわけではなく、一部の飛行体は、この組み合わせとは異なる機器を含むか、または、この組み合わせに対する追加の機器を含む。例えば、このサイズの一般的な航空飛行体において習慣的な通信または他の小さい補助アビオニクスにとって望ましいことがあり得る無線が示されていない。しかし、組み合わせが何であれ、機器のいくつかのセットは、オペレータから入力命令を受け付け、これらの入力命令を逆回転モータおよびプロペラ29のペアからの異なる推力量に変換することにより、プロペラロータ29を動作させる電気モータ28からのディファレンシャル推力を発生させるために異なる命令を使用して、飛行体のピッチ、バンク、ヨーおよび垂直方向の動き、または、飛行体の横方向および長手方向ならびに鉛直方向およびヨーの動きを発生させる。飛行体の現在の場所および意図される場所のアビオニクス、計測およびディスプレイと組み合わされるとき、機器のセットは、ビークルの内部にいる、または、データリンクを介して地上にいる、または、予め計画されたルートの割り当てを通じて自律的に動作させているオペレータが、飛行体を操作して、その意図された移動先へ容易かつ安全に誘導することを可能にする。
【0065】
オートパイロットコンピュータ32は、マイクロプロセッサベースの回路において具現化され、飛行体のデータバス、マルチチャネルサーボまたはネットワークコントローラ(入力)35および37、モータコントローラ(出力)24と通信すること、ならびに、慣性および姿勢測定を取得して安定性を維持することのために必要な様々なインタフェース回路を含む。これは、冗長モータ管理コンピュータの主要な特徴およびシステム全体に関連する投票を詳細に説明するブロック図を示す図2において更に詳細に説明される。さらに、オートパイロットコンピュータ32はまた、後の解析または再生のために、飛行体位置および性能の捕捉に典型的な、飛行体位置、飛行体状態データ、速度、高度、ピッチ角度、バンク角度、推力、場所および他のパラメータの自動記録または報告のために構成され得る。これらの要件を達成するべく、当該オートパイロットは、組み込み型エアデータコンピュータ(ADC)および組み込み型慣性測定センサを含むが、これらのデータはまた、小さい別個のスタンドアロンユニットから取得され得る。オートパイロットは、シングル、デュアル、クアッドまたは他のコントローラによって操作され得るが、信頼性および安全性の目的で、好ましい実施形態は、三重冗長オートパイロットを使用し、ユニットは、1または複数のネットワーク(信頼性および利用可能性のために2つが好ましい)を使用して、協働的な関係において、情報、決定および意図される命令を共有する。許容可能なガードバンドの外側の深刻な不一致の場合において、3つのユニットが存在すると想定すると、3票のうち2票は、命令がモータコントローラ24によって実装されると決定し、適切な命令が自動的に選択されたモータコントローラ24へ送信される。オペレータは通常、飛行中にコントローラ不一致を通知されないが、ユニットが更なる飛行後診断についてスケジューリングされ得るように、結果は記録される。
【0066】
ミッション制御タブレットコンピュータ36は通常、単一または二重冗長実装であり、各ミッション制御タブレットコンピュータ36は、同一のハードウェアおよびソフトウェア、ならびに、ユニットを「一次」または「バックアップ」として指定するスクリーンボタンを含む。一次ユニットは、障害が無い限り、すべての場合において使用され、これにより、オペレータ(存在する場合)は、タッチアイコンを通じて「バックアップ」ユニットを選択する必要があるか、または、オートパイロットが一次ユニットの障害を検出したときに、自動フェイルオーバは、バックアップユニットを選択する。公式の予めプログラムされたルートなしで動作するとき、ミッション制御タブレットコンピュータ36は、その内部動きセンサを使用して、オペレータの意図を評価し、所望の動き命令をオートパイロットへ送信する。ミッションプランニングコンピュータまたはタブレットなしで動作するとき、オートパイロットは、接続されたジョイスティックまたはサイドアームコントローラのペアから命令を受信する。UAVモードにおいて、または、有人自動モードにおいて、ミッションプランニングソフトウェア34は、飛行体が飛行するルート、移動先、および高度プロファイルを指定するために飛行前に使用され、その飛行についての飛行計画を形成する。飛行計画は、一次ミッション制御タブレットコンピュータ36に入力された場合、自動的に対応するオートパイロットへ送信され、オートパイロットは自動的に、それらとバックアップミッション制御タブレットコンピュータ36との間で飛行計画の詳細を相互入力し、その結果、各オートパイロットコンピュータ32およびミッション制御タブレットコンピュータ36は、同一のミッション命令および意図されたルートを保持する。一次タブレットに障害が生じた場合、バックアップタブレットは既に、同一の飛行の詳細を含み、オペレータのアクションまたは自動フェイルオーバのいずれかによって選択されたとき、飛行の制御を担当する。
【0067】
複数のモータおよびプロペラ29のモータ制御について、各高電流コントローラから、同期ACまたはDCブラシレスモータ各モータに接続する3つのフェーズがある。3つのフェーズのうち任意の2つの位置を逆にすると、モータは反対方向に動作する。代替的に、同一の効果を可能するソフトウェア設定がモータコントローラ24内にあるが、ハードワイヤされていることが好ましい。なぜなら、反対方向に動作する指定されたモータはまた、逆のピッチ(これはらは場合により、左手および右手ピッチ、または、プラー(通常)およびプッシャ(逆)ピッチプロペラと呼ばれる)のプロペラを有することにより複数のモータおよびプロペラ29を形成する必要があるからである。逆回転するペアにおいてモータを動作させることにより、そうでなければビークルを回転させようとする回転トルクを打ち消す。
【0068】
図示された実施形態において、本明細書に説明される動作解析および制御アルゴリズムは、搭載型オートパイロットコンピュータ32によって実行され、飛行経路および他の有用なデータはアビオニクスディスプレイ12上に提示される。本発明の様々な態様は、異なる分業で実施され得る。位置および制御命令のいくつかまたはすべては、原理的に、飛行体の外部で、地上機器において、飛行体と地上機器との間のブロードバンドまたは802.11Wi-Fi(登録商標)ネットワークまたは無線周波数(RF)データリンクまたは戦術データリンクを使用することによって実行され得る。
【0069】
図1-1から図1-4の例示的な実施形態について、スカイディスプレイにおけるハイウェイの表現は、例えば、ディスプレイ画面の奥に向かって消えるように見えるウィケットまたはゴールポストを含み得、これにより、飛行体がどこを飛行することを意図しているかを示す。ディスプレイグラフィックスおよび地形表現の他の組み合わせ、ならびに、可聴信号が、この情報または他の情報、および/または、警告をもっとも効果的な何等かの方式でオペレータに伝えるために使用され得る。例えば、グラフィックス描画または可聴メッセージの組み合わせは、飛行体が特定の予め定められた「巡航」または「意図」条件の外部に逸脱することを求められていることを示すために使用され得、一方、モータ管理コンピュータは、これらの意図された条件に違反しないように調節を行う。下で見られるように、「巡航」または「意図」条件内で飛行体を動作させることは、安全な飛行からの意図しない逸脱または離脱から飛行体およびオペレータを保護する目的を果たす。「空のハイウェイ」プレゼンテーションの目標は、オペレータが移動先を選択してから、タブレットコンピュータを入力デバイスとして使用して、規定の経路に沿ってって移動先へビークルを駆動または誘導することを可能にすることである。
【0070】
ADSBまたはリモートID能力と結合されたアビオニクスディスプレイシステムの組み合わせは、マルチロータ飛行体がブロードキャストデータを他の近くの飛行体から受信することを可能にし、これにより、マルチロータ飛行体が他の飛行体との近接遭遇を回避すること、自身の飛行体位置データをブロードキャストして他の協働する飛行体との近接遭遇を回避すること、パイロットに表示するための、および、マルチロータ飛行体内のアビオニクスディスプレイシステムによって使用されるための気象データを受信すること、空交通コントローラとのやり取りまたは通信の要件が少ない、または無いマルチロータ飛行体の動作を可能にすること、自身の飛行体状態、協働する飛行体状態、および、米国航空宇宙システムの下の利用可能な飛行経路ダイナミクスに基づいて飛行経路最適化のための計算を実行することによって、元の場所から移動先への最適または最適に近い飛行経路を達成することを可能にする。
【0071】
図2は、例示的実施形態のプロダクションバージョンシステム図を示す。プロダクションシステムは、モータおよびプロペラの組み合わせ28、プロペラ29、一次フライトディスプレイ12、放送型自動従属監視B(ADSB)またはリモートID送信機/受信機14、オートパイロットコンピュータ32、ミッション制御タブレットコンピュータ36、およびミッションプランニングソフトウェア34を含み得る。各場合において、ミッション制御タブレットコンピュータまたはサイドアームコントローラ36は、指定されたルートまたは位置命令セット、または達成されることが意図された動きをオートパイロットコンピュータ32および投票部42、モータコントローラ24およびエアデータコンピュータへ送信し、対気速度および鉛直方向の速度38を算出し得る。いくつかの実施形態において、燃料貯蔵庫22、アビオニクスバッテリ27、燃料ポンプおよび冷却システム44、エンジンスーパーチャージャ46、ならびにスタータ/オルタネータはも含まれ、モニタリングされ、制御され得る。任意のエンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18は、搭載型燃料30ストレージ22によって燃料供給され、燃料を使用して、マルチロータ飛行体のための電力のソースを生成する。これらのコンポーネントは、4D飛行管理と共に機能するように構成および統合され、最小限の入力からルートを自動生成および実行し、その結果、ユーザは、適切なルートを定義するための技能を必要としない。ユーザおよび環境のいずれも、安全な飛行エンベロープおよび動作条件からビークルを押し出さないように、フルエンベローププロテクションが開発および実装されてきた。エンベローププロテクションは、性能および安全性についての利用可能な最高の規格を組み込んだ、後方乱気流モデリング、気象データ、および、厳密に設計された冗長アルゴリズムを使用して開発された、搭乗者を保護するためのより安全なシステムを提供する。目標は、システムのいくつかの態様における障害が無い限り、または、あるまで、ビークルをその安全性エンベロープから押し出すことを、ビークル、人間のオペレータ/監督者/乗客、または、環境が行い得ないようにすることである。好ましい実施形態におけるモータ28は、飛行体モータとして動作可能な、空冷、液冷式、または両方である、ブラシレス同期三相ACまたはDCモータである。モータ28および燃料電池18は、過剰な熱または廃熱を、電気抵抗および摩擦を含む力から生成し、その結果、この熱は、管理および熱エネルギー伝達の対象となり得る。一実施形態において、モータ28は、燃料電池18とは別個の冷却ループまたは回路に接続される。別の実施形態によると、モータ28は、燃料電池18と共有された冷却ループまたは回路に接続される。
【0072】
システム1000は、少なくとも以下のシステムおよびコンポーネント、すなわち、1)飛行制御ハードウェア、2)飛行制御ソフトウェア、3)飛行制御テスト、4)モータ制御システム、5)モータ、および、6)燃料電池発電システムに関して、異常な条件の際に予測可能な挙動を発生させる、事前設計されたフォールトトレランスまたはグレースフルデグラデーションを実装する。
【0073】
飛行制御ハードウェアは、例えば、32ビットARMプロセッサを有するPixhawk飛行コントローラの冗長セットを含み得る。ビークルは、複数のPixhawk飛行コントローラで構成され得、一般に冗長性のためにビークル内部に少なくとも3つのPixhawkが配置される。各Pixhawkは、3つの加速度計、3つのジャイロ、3つの磁力計、2つの気圧計、および、少なくとも1つのGPSデバイスを含むが、ハードウェアおよびソフトウェアデバイスの厳密な組み合わせおよび構成は変動し得る。各Pixhawk内部のセンサ投票アルゴリズムは、各センサタイプからの最高値を選択し、スイッチオーバ、センサ障害を扱う。飛行制御ソフトウェアは、1)CADデータ、2)FEAデータ、および3)実際のプロペラ/モータ/モータコントローラ/燃料電池性能データ測定を使用して開発された、少なくとも1つのPIDスタイルのアルゴリズムを含む。
【0074】
専用のモータコントローラによって制御される各モータを有するビークルの6個のモータについての例示的実施形態が示される。解析および意思決定のために、各モータの特徴/データを動作させる電気が制御され、投票システムに通信される。信号完全性を保護するために、インラインの光ファイバトランシーバを用いて、CAN、デジタルネットワークプロトコルを介して、オートパイロットとモータコントローラとの間のモータコントローラへの通信が(この実施形態において)発生する。この実施形態において、場合により「フライ・バイ・ライト」としても知られている光ファイバの使用は、ビークルの信頼性を増加させ、地上差分、電圧差分、電磁干渉、照明、電磁干渉の外部ソース(テレビまたはラジオの放送塔、空港レーダ、空中レーダ、および類似の潜在的な攪乱など)に対する任意の脆弱性を低減する。ネットワークおよび電気または光学もしくは無線媒体の他の例も可能である。モータ性能に関する測定されたパラメータは、モータ温度、IGBT温度、電圧、電流、トルクおよび分あたりの回転(RPM)を含む。これらのパラメータの値は、所与の大気、電力、およびピッチ条件下で予想される推力に相関する。
【0075】
燃料電池制御システムは、特定の使用構成に基づいて、様々な数の燃料電池、例えば、フォールトトレランスのために構成された3つの水素燃料電池のセットを有し得る。CANプロトコルを使用して、セルの動作および制御が可能にされ、管理されるが、多くの他のデータバスおよび制御技法が可能であり、当業者にとって明らかである。オートパイロット内に格納される1または複数の飛行制御アルゴリズムは、CANを介して燃料電池によって供給される電力を制御およびモニタリングする。三重モジュール式冗長オートパイロットは、任意の1つの燃料電池の減少を検出し、相互接続の形式を使用して残りの燃料電池を再構成することにより、燃料電池システムが、安全な降下および着陸を実行するように飛行体を動作させることを継続可能であることを確実にし得る。動作パラメータが著しい程度または予め設定された限界を超過するとき、または、安全着陸が危険にさらされるような緊急条件が存在するとき、統合緊急手順がアクティブ化され、ロータ間バリスティックエアフレームパラシュートの展開がトリガされる。
【0076】
図3は、より詳細なブロック図を示し、定性的な意思決定プロセスを実行するためのフォールトトレラントの三重冗長投票制御および通信手段を用いて実装される投票プロセスを示す。このリアルタイムシステムにおいて、1つの厳密な「正しい解答」は無いので、オートパイロットコンピュータ32は代わりに、飛行計画を相互入力することによって、飛行計画データ、および、飛行を動作させるための所望のパラメータを共有し、各々は、現在の飛行体状態および各ノードの健全性を定義するそれ自体の状態空間変数を測定する。各ノードは独立的に、(説明された実施形態におけるシリアルPWMフォーマットで)モータ制御出力314のセットを生成し、各ノードは、それ自体の内部健全性ステータスを評価する。健全性ステータス評価の結果はその後、どのオートパイロットが実際に複数のモータおよびプロペラ29のモータを制御するかを選択するために使用される。
【0077】
投票プロセスは以下のルールに従って誘導される。1)各メッセージの開始時に、各オートパイロットノード(AP)32は、内部健全性が良好であるときに「ノードOK」304をアサートする。各アップデート期間にメッセージが発生し、AP間の共有通信を提供する。2)内部の障害を検出した場合、または、内部ウォッチドッグタイマが満了した(AP障害が示す)場合、または、バックグラウンドの自己テストに失敗した場合、各APが「ノードOK」をディアサートする。3)各APの「ノードOK」信号は、1ショットの「ウォッチドッグ」タイマ306を再トリガするために、時間間隔あたり少なくとも1回パルスする必要がある。4)APの健全性ビットがパルスしない場合、ウォッチドッグがタイムアウトし、APが無効とみなされる。5)各APは、二重冗長、マルチトランスミッタバス310を介して他の2つのAPに接続する。これは、CANネットワーク、または、RS-422/423シリアルネットワーク、または、イーサネット(登録商標)ネットワーク、または、複数のノードが通信することを可能にする類似の手段であり得る。6)APは、どれがコックピット一次タブレットと通信するかに基づいて一次APはどれかを決定する。7)一次APは、飛行計画データまたは飛行命令を一次タブレットから受信する。8)APは、二重冗長ネットワーク310を使用して、それらの間で飛行計画データおよびウェイポイントデータを相互入力する。これにより、タブレットから受信されたかのように、各オートパイロット(AP)がミッションまたは命令パラメータを認識することを確実にする。9)コックピットにおいて、バックアップタブレットは、飛行計画データまたは飛行命令のコピーを相互入力されたAPから受信する。10)各APは次に、飛行体状態および命令された状態をモニタリングして、許容可能なトレランスまたはガードバンド範囲内において一次APが機能していることを確実にする。二重冗長ネットワーク310を使用して、結果がAP間で共有される。11)本実施形態において、PWMモータ制御シリアル信号314を使用してモータ出力命令が発行される。他の実施形態も説明されたが、ここでは詳細に扱わない。各APからの出力は、各モータコントローラ24に提示される前に投票部312に渡る。12)APがその健全性ビットまたは障害をディアサートしてそのウォッチドッグタイマを再トリガする場合、APは無効とみなされ、投票部312は自動的に異なるAPを選択し、投票テーブルに基づいて飛行を制御する。13)新しいAPは、ビークル状態の制御を担当し、前のようにモータ命令を投票部312へ発行する。14)各APは、そのコンパニオンAPについての健全性ステータス状態テーブルを維持する。APが通信に失敗する場合、動作不可能として記録される。残りのAPは、それらの状態テーブルをアップデートし、失敗した、または、失敗するAPからの入力をもはや受け付けない、または、予想しない。15)定性的解析も、現在は命令にないAPによってモニタリングされる。16)各APは、それ自体の状態テーブル+2つの他の状態テーブルおよび許容可能な逸脱テーブルを維持する。17)ネットワークマスタは、新しいフレームを定期的なレートで他のAPへ発行し、次に、その最新の状態データを公開する。18)各APは、メッセージフレームを参照した後、または、無効と宣言された後に、プログラマブル遅延内に、その結果を他のAPに公開する必要がある。19)メッセージフレームがプログラマブル遅延後に受信されない場合、ノード2は、ネットワークマスタの役割を担当し、メッセージをノード1へ送信してそのマスタの役割を終了する。システム動作または安全性の劣化無しでシステムが単一の障害を切り抜けることを可能にするべく、冗長通信システムが提供されることに留意されたい。単一より多くの障害は、緊急システム実装を開始し、緊急減速および降下システムは、障害の数および障害タイプに基づいて、ロータ間バリスティックパラシュートを解放するために起動され得る。
【0078】
多方向アナログスイッチ312は、1.OK、2.OK、および3.OKの状態をモニタリングし、これらの3つの信号を使用して、どのシリアル信号セット302を有効にするかを決定し、その結果、モータ制御メッセージ314は、制御ノードとモータコントローラ24との間で渡され得る。モータコントローラ24シリアルバスは典型的には、好ましい実施形態においてPWMパルストレインであるが、RS-232、CAN、または同様の通信手段など他のシリアル通信が使用され得る。好ましい実施形態において、PWMパルストレインが採用され、各チャネル上のPWMパルスの幅は、モータコントローラ24が達成するべきRPMのパーセントを指定するために使用される。これにより、制御ノードは、命令をネットワーク上の各モータコントローラ24に発行することが可能となる。図4は、本技法の一実施形態における投票および信号スイッチ機構の追加の詳細を提供し、3つのオートパイロットコンピュータからの複数(通常はモータあたり1つ+任意の他のサーボシステムの各々について1つ)の命令ストリーム出力が投票されて、各オートパイロットの内部健全性およびステータスのシステムの知識を使用して複数の命令ストリームの単一セットを生成し得る1つの方式を図示する。
【0079】
図4は、発明のいくつかの例示的実施形態が採用し得る測定解析調節制御アプローチを簡略化された形式で図示するフローチャートを示す。出力メッセージを介してAPを制御することによって開始されるときに定期的なシステムフレームのすべての「ティック」において、システムは定期的にルーチン400に入る。これが発生する頻度は、感知されるパラメータおよびビークルの飛行ダイナミクスにとって適切であるように選択され、いくつかの場合において、測定が異なれば頻度は異なり得る。しかし、簡潔性の目的で、頻度はそれらすべてについて同一であり、具体性の目的で、秒あたり、または25ミリ秒あたり40回、または、それより多い、もしくは、それより少ない頻度でオーバーサンプリングを適用する。
【0080】
図4におけるブロック402が示すように、システムは、プロペラRPM、モータ電圧、モータ電流、および(利用可能である場合)温度または類似の熱力学動作条件を含む、複数のモータおよびプロペラ29の各モータの性能を示す最初に様々なセンサ出力の測定結果を取得する。このシステムにおいて、そのような測定データは、各モータコントローラの24のシリアルデータバスを通じて容易にアクセスされ得、図示される実施形態は、様々な利用可能な測定結果のうち、この方式で取得され得るパラメータを選択する。
【0081】
このように取得されたモータデータを用いて、システムは様々な解析をブロック404で実行する。これは、各モータの推力、および、ビークルの揚力および姿勢に対する寄与を算出するために使用され得る。ブロック406は次に、タブレットスロットル命令またはスロットルレバーがオペレータによってどこに配置されたかを検出することによってスロットル命令を測定し、前のサンプルからの命令された推力の任意の変更に留意する。
【0082】
ブロック408は、電圧、引き込まれた電流、および、推定された残りの燃料30を測定する。このデータは次に、進行中のトリップまたはミッションについての残りの飛行時間の解析の一部として使用され、オペレータに利用可能となる。
【0083】
図4におけるブロック410が示すように、オートパイロットコンピュータ32は、空データセンサ、および、組み込みGPS受信機からデータを受信することによって取得されるGPSデータを含む、他の組み込まれた慣性センサおよび(任意選択で)他の搭載型センサからの飛行体測定結果の代表的な群を収集する。そのような測定結果は、対気速度、鉛直方向の速度、圧力高度、GPS高度、GPS緯度およびGPS経度、外部空気温度(OAT)、ピッチ角度、バンク角度、ヨー角度、ピッチレート、バンクレート、ヨーレート、長手方向加速、横方向加速度および垂直加速度を含み得る。パラメータのいくつかについて、システムが測定値を比較する、予め定められた限度がある。このデータは、熱力学動作条件を決定するために使用され得、オペレータにとって利用可能となる。これらは、値自体の限定、および/または、最後の読み取りからの、もしくは、過去の数回の読み取りのいくつかの平均からの、変更の量の限度であり得る。限度は、熱力学、コンポーネント、設定、パラメータ、および動作条件から取得される熱基準に関し得る。
【0084】
ブロック412は次に、タブレットまたはサイドアームユニットがオペレータによって空間中のどこに配置されたかを検出することによって、タブレット飛行コントローラ、または、サイドアームコントローラ命令を測定し、前のサンプルからの命令された位置の任意の変更に留意する。予め計画された(UAV)モードで動作している場合、ブロック412は、以前にオートパイロットにロードされた、予め計画されたミッションにおける次の必要な段階を評価する。
【0085】
ブロック414は次に、ビークル状態データおよびオペレータから命令されたデータをすべて取り込み、所望の動きに対応するのに必要なモータコントローラ24調節の意図されるマトリクスを算出する。ブロック416は次に、バックグラウンド健全性ステータステストを実行し、命令されたマトリクスをブロック418に渡す。バックグラウンド健全性ステータステストが失敗した場合、ブロック416はエラーを報告し、ブロック432において投票部312出力状態ビットを無効化する。テスト自体を実行できない場合、投票部312出力状態ビットは、パルスを中止し、外部ウォッチドッグは、コントローラの障害を宣言し、外部投票部312アクションを通じて別のものが引き継ぐことを可能にする。
【0086】
ブロック418は次に、命令の意図されるマトリクスを検討し、意図されるアクションが飛行体の安全マージン内にあるかどうかを評価する。例えば、モータコントローラ3が、特定の電流を出力するよう命令される場合、その電流は、この飛行体についての承認されたパフォーマンスメトリクス内にあるかどうか?ない場合、ブロック420は、モータコントローラ24命令のマトリクスを調節し、ビークル性能が調節された、または、制限されたことを示すインジケーションをディスプレイに提供する。
【0087】
同様に、ブロック422は、命令の意図されるマトリクスを検討し、電気システムおよび燃料タンクが、マージンを伴って、ミッションの全体的な成功を妥協することなく、ミッションを達成するのに十分な電力を含むかどうかを評価する。例えば、すべてのモータコントローラ24が、高度を増加させるために、より高い電流を出力するように命令されている場合、その電流が利用可能で、これは、ミッションの全体的な成功を妥協することなく実行できるか。できない場合、ブロック424は、モータコントローラ24命令のマトリクスに調節され、ビークル性能が調節または制限されたことを示すインジケーションをディスプレイに提供する。
【0088】
ブロック424は次に、ネットワークメッセージを発行し、アクションおよびステータスを他のオートパイロットノードに示す。
【0089】
ノードのアクションが、安全飛行エンベロープパラメータを飛行体が超過することを防止するのに十分な数のノードのステータスを是正すること、または、飛行安定性を維持することが可能でないと検出された場合、ブロック425は、緊急降下またはロータ間バリスティック機体または飛行体パラシュート展開を含み得る緊急手順を開始するための、および、正確性についてそれらの応答をモニタリングするための命令をモータコントローラ24に発行する。
【0090】
そうでなければ、ブロック426は、命令をモータコントローラ24に発行し、正確性についてそれらの応答をモニタリングする。
【0091】
ブロック428は次に、利用可能な飛行体性能および状態データをすべて捕捉し、アップデートサンプルを非揮発性データストレージデバイス(通常はフラッシュメモリデバイスまたは他の形態の永続データストレージ)に格納する時間であるかどうかを決定する。通常、サンプルは1秒あたり1回格納されるので、システムは、100ミリ秒のサンプル機会ごとにストレージ動作を実行する必要がない。
【0092】
ブロック430は次に、任意の必要なアップデートをオペレータディスプレイに提供し、全体のシーケンスが繰り返されるとき、次のティックまで待機することに戻る。
【0093】
ブロック436は、ビークル状態データのすべて、詳細には、様々な温度センサおよび熱エネルギーセンサから取得された、測定された温度状態または測定された熱エネルギー状態の形態の熱力学動作条件、および、オペレータから命令されたデータを取り込み、飛行体1000内の熱エネルギーの管理を改善するために必要な調節を算出する。ブロック438は、異なるビークルシステム間の熱エネルギーの伝達を実行して、廃熱を効率的に管理し、ビークル動作条件を維持し、ビークル状態データは、結果である調節された熱力学動作条件を反映するようにアップデートされる。ブロック418は次に、命令の意図されるマトリクスを検討し、意図されたアクションが飛行体1000の安全マージン内かどうかを評価する。ない場合、ブロック420は、命令に調節を加える。段階を戻り、ブロック430は次に、任意の必要なアップデートをオペレータディスプレイに提供し、全体のシーケンスが繰り返されるとき、次のティックまで待機することに戻る。
【0094】
飛行が完了したとき、オペレータまたはその保守整備士は、記録されたデータを利用して、様々なプレゼンテーションフォーマットで、それを表示または再生し得る。1つのアプローチは、搭載型ディスプレイ装置が、記録されたデータを取得し、様々なパラメータに適切な表示のスタイルを決定し、データの確認または再生(シミュレート)のために選択される図のリストをユーザに提供し、それらの図に従ってデータを表示するようプログラムされたコンピュータの形態をとる。しかしながら、図示された実施形態は、表示を提供するために地上の装置に依存しないが、これはまた、非搭載型または地上のディスプレイまたはリモートサーバシステムによって達成され得る。システムは、搭載型装置(データサーバ)がウェブページを準備および提供し、地上ディスプレイ装置が、所望のユーザインタフェースを提供するのに標準のウェブブラウザクライアントだけを必要とする、いわゆるクライアントサーバアプローチを利用して、それを行う。
【0095】
図5は、現在および予測される進路の情報をモニタリングおよび表示するために、ならびに、ナビゲーション、通信、および他の標準機能に関与するために使用される標準的アビオニクスの1つの配置の例を示す。ミッション制御タブレットコンピュータまたはサイドアームコントローラまたはジョイスティックは、ビークルの意図された経路を制御するために使用され、各ジョイスティックは、少なくとも2つの軸の動きを制御する。どのジョイスティックがどの機能を制御するかは、選択およびソフトウェア実装の問題である。1つの好ましい例として、左ジョイスティックは垂直方向の動き(高度)および関連する軸の周りの回転(ヨー)を制御し、右ジョイスティックは長手方向(前後)の進行および横方向(左右)の進行を制御する。他の選択および構成が可能であり、ビークルはまた、従来の飛行体の動きのピッチ、バンク、およびヨーを模倣するために制御され得る。各ジョイスティックまたはサイドアームコントローラは、一次ジョイスティックの障害の場合に使用され得る、小さい、冗長なユーザ入力デバイス(指先制御ボタンの形状からキャッスルハットコントローラと呼ばれる)を含む。ジョイスティックの障害の場合、キャッスルハットコントローラは、より大きいジョイスティックのプログラムされた挙動を厳密に模倣し、典型的な実施形態においてはCANを使用して、ジョイスティックがまだ動作しているかのように、オートパイロットに対して厳密に同一のセットの命令を生成する。
【0096】
図5は、気象データを示すために提供され得る一種のディスプレイプレゼンテーション12(下半分)および空データにおけるハイウェイ(上半分)を示す。ビークルのGPS対気速度(左上の鉛直バー)およびGPS高度(右上の鉛直バー)も示される。機首磁方位、バンクおよびピッチも表示12され、飛行体がどこにいるか、どのように動作しているか、どこへ向かっているかについての包括的な3次元表現をオペレータに提示する。他の画面16が、画面の下の部分に沿っている感圧式ボタンの列から選択され得る。ディスプレイプレゼンテーション12aは同様であるが、飛行経路に沿ってパイロットを誘導するための「ウィケット」が追加されている。画面の下半分は、搭載されている電力の量でビークルが容易に到達できる近くの着陸サイトを図示する。近い実装に関する例示的実施形態において、図1-1~図2は、このビークルおよびミッションに適合された利用可能なTSO'd(すなわちFAA承認)アビオニクスユニットの使用を示す。FAAまたは国際機関によって承認を受けた、より単純な形式のアビオニクス(簡略化ビークル動作またはSVOとして知られている)が導入され得る。ここで、当該ディスプレイは概念上、「タブレット」にインストールされて動作するソフトウェアパッケージ、または、Apple iPad(登録商標)と同様の簡略化コンピュータおよびディスプレイである。同一のディスプレイソフトウェアを実行する2つの同一のユニットを使用することにより、ユーザが複数の異なるディスプレイプレゼンテーションを構成しながら、飛行中に1つのディスプレイに障害が生じた場合でも完全な能力を有することを可能にする。これにより、ビークルの全体的な安全性および信頼性を強化する。
【0097】
図6および図1-1から図2は、一次フライトディスプレイ12、放送型自動従属監視B(ADSB)またはリモートID送信機/受信機14、対気速度および鉛直方向の速度を算出するためのエアデータコンピュータ38、ミッション制御タブレットコンピュータまたはサイドアームコントローラ(すなわちジョイスティック)36、および冗長オートパイロットコンピュータ32、ナビゲーション/ストローブ、着陸灯および内部照明のためのコントローラを含む、発明の例示的実施形態の制御インタフェースコンポーネントに関するコンポーネントおよびシステムの電気的接続性を示す。当業者であれば、それぞれ、コントローラおよび制御ナブストローブ/テイルストローブ照明、着陸灯、および内部照明であると理解するであろう。引き続き図6において、制御インタフェースコンポーネントはまた、8個のモータコントローラ24にコントローラを介して結合された冗長飛行コンピュータ(例えばオートパイロットコンピュータ32)を含む。本発明の例示的実施形態によれば、ミッション制御タブレットコンピュータ36は、シリアルデータリンクまたはジョイスティック36を使用してルートまたは位置命令セットをオートパイロットコンピュータ32に通信し得るか、または、実行されることが意図される動きを示すためにオペレータによって使用され得る。オートパイロットコンピュータ32は、ルートまたは位置命令セットに基づいて、1または複数のモータ命令を制御信号として投票部42に渡し得る。当業者であれば、オートパイロットコンピュータ32は、投票プロセス中に冗長通信ネットワーク818を通じて通信し得ることを理解するであろう。その後、投票部42は、本明細書において説明される投票プロセスに基づいて、どの信号をモータコントローラ24へ送信するかを決定し得る。
【0098】
格納または取得された飛行データ記録に関して、ブラウザベースの通信モードを提供することに加えて、搭載型記録システムも、1または複数の飛行からの格納されたデータが他の方式で読み取られることを可能にする。例えば、搭載型ストレージはまた、ウェブサーバインタフェースを使用して検討および/またはダウンロードされ得る、または、戦術データリンク、商用電気通信(すなわち4G、5G、もしくは同様のもの)、WiFi、もしくはIridiumなどの衛星(SatCom)サービスを使用して地上ステーションへ送信され得る。通常、必須ではないが、搭載型ストレージは、標準的な技法を採用することによって容易に読み取られる、カンマで区切られた、または、他の単純なファイルフォーマットのデータを含む。
【0099】
飛行データ記録ユニット内のメモリデバイスは通常、数千時間のデータ(場合によっては、飛行体のサービス履歴全体)を格納するのに十分な容量を有するので、保守担当者は、地上ベースのディスプレイを採用して、任意の異常を強調するインジケーションと共に、もっとも最近の飛行のデータだけでなく、もっとも最近の5回の飛行、前の10時間の飛行、最後のオーバーホールからのすべてのデータ、最後の200時間、または、サービス履歴全体など、前のデータのいくつかの選択も示し得る。
【0100】
調節できるモータおよびコントローラアイテムを測定、解析、表示および予測するための、ならびに、命令された動きが安全でビークルの能力内にあるかどうかを算出するための搭載型機器と結合された、マルチロータビークル動作および制御に対する本発明のアプローチは、この新規の飛行体設計の安全性および有用性を大幅に強化し、新人のオペレータがビークルの通常動作限度の外側で動作させることを試みる可能性を低減する。したがって、当技術分野において著しい前進を構成する。同様に、冗長なモータ容量、冗長な燃料電池能力で動作する、ならびに、本発明者が始めた三重冗長オートパイロットおよびフライ・バイ・ライト技法の使用によって動作するビークルの能力は、この新規の飛行体設計の安全性および有用性を大幅に強化し、システム障害、モータ障害、燃料電池障害、または、外部EMIまたは照明の干渉に起因する潜在的な事故の発生からオペレータまたは貨物を保護する。ビークルの安全な継続的動作および着陸を確実にするべく、モータ、コントローラまたはオートパイロットまたはタブレットまたはサイドアームコントローラの任意の単一の障害が管理および回避される設計される。
【0101】
図6はまた、本発明のシステムの様々なモータ制御コンポーネントの電気およびシステム接続、ならびに、マルチロータ飛行体の例示的な燃料システム900を示す。電気的接続性は、(対応する複数のモータおよびプロペラ29の)6個のモータおよびプロペラアセンブリ28と、モータおよびプロペラの組み合わせに電力を供給するのに必要な電気コンポーネントを含む。高電流コンタクタ904は、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18を開始するためにスタータ/ジェネレータ26に電圧を適用するビークルキースイッチ40の制御下で係合および係合解除される。本発明の例示的実施形態によれば、イグニッション後、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18(例えば、1または複数の水素駆動型燃料電池または水素燃料モータ)は、(複数のモータおよびプロペラ29の)6個のモータおよびプロペラアセンブリ28に電力供給するための電気を生成する。電力分配および回路ブレーカ902サブシステムは、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18から生成された電圧および電流を複数のモータコントローラ24へ分配することを自律的にモニタリングおよび制御する。当業者であれば理解できるように、回路ブレーカ902は、過負荷または短絡回路の結果として生じる損傷からモータコントローラ24の各々を保護するように設計される。さらに、電気的接続性および燃料システム900は、ダイオードまたはFET20を含み、各電源と電気メインバスならびにエンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18との間の絶縁を提供する。ダイオードまたはFET20はまた、2つのソースからの電流を共に電気メインバスにダイオードORするという点で、フェイルセーフ回路の一部である。例えば、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18のペアの1つに障害が生じた場合、ダイオードまたはFET20は、今では唯一の残った電流ソースによって提供される電流が、すべてのモータコントローラ24に公平に共有され分散されることを可能にする。そのような場合は、システム障害を明確に構成し、オートパイロットコンピュータ32は、それに従って、可能な限り安全に飛行体を着陸させるように応答する。有利なことに、ダイオードまたはFET20は、残りの電流を共有することによって、システムがそのモータの半分を失わないようにする。さらに、ダイオードまたはFET20はまた、個々に有効化されるので、1つのモータで障害が発生した、または劣化が生じた場合、(複数のモータおよびプロペラ29、例えば逆回転するペアの)適切なモータおよびプロペラの組み合わせ28が無効化される。例えば、ダイオードまたはFET20は、(複数のモータおよびプロペラ29の)適切なモータおよびプロペラの組み合わせ28が、そのペアをスイッチオフして、不均衡な推力を回避するために、有効な電流を無効化する。本発明の例示的実施形態によれば、(複数のモータおよびプロペラ29の)6個のモータおよびプロペラの組み合わせ28は各々、モータおよびプロペラを含み、6個のモータおよびプロペラの組み合わせの6個のモータの独立した移動を制御するモータコントローラ24に接続される。当業者であれば理解できるように、電気的接続性および燃料システム900は、6、8、10、12、14、16、または、(複数のモータおよびプロペラ29の)より独立したモータコントローラ24ならびにモータおよびプロペラアセンブリ28を使用して実装され得る。
【0102】
引き続き図6において、電気的接続性および燃料供給サブシステム900はまた、冗長バッテリモジュールシステム、ならびに、DC充電システムのコンポーネントを示す。電気的接続性および燃料供給サブシステム900は、燃料貯蔵庫22、アビオニクスバッテリ27、燃料ポンプおよび冷却システム44、エンジンスーパーチャージャ46、ならびにスタータ/オルタネータを含む。エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18は、搭載型燃料30ストレージ22によって供給され、燃料を使用して、モータおよびプロペラの組み合わせ28のための電力のソースを生成する。当業者であれば理解できるように、エンジンおよびジェネレータセットまたは燃料電池18は、1または複数の水素駆動型燃料電池または水素燃料モータを含み得、各エンジンは、圧縮天然ガス(CNG)、液化石油ガス(LPG)、または航空標準燃料30(avgas)によって燃料供給され得、各燃料電池は、液体水素、水素または他の好適な気体燃料30、複数のモータおよびプロペラ29によって駆動される。
【0103】
図2および図6は共に、発電サブシステム600、内部温度ゾーン52、外部温度ゾーン54、および燃料供給サブシステム900のパフォーマンスメトリクスの状態についての情報をオペレータに表示するミッションディスプレイシステムと、発電サブシステム600、内部温度ゾーン52、外部温度ゾーン54、および燃料供給サブシステム900に関する詳細なモニタリング、制御およびフィードバックを提供する、タッチタブレットコンピュータ上で動作するソフトウェアを含むデュアルディスプレイシステム、または、タッチタブレットコンピュータ上で動作するソフトウェアを含むアビオニクスディスプレイシステム、または、1または複数のオートパイロット制御ユニットに有線または無線(RF)接続されたアビオニクスディスプレイシステムとを含む統合システム100を示す。
【0104】
図7は、細長サポートアーム1008および飛行体ボディ1020を含む、本発明の一実施形態による飛行体1000の例を示す。図8は、図7に示される飛行体1000の別の図を示す。本発明の例示的実施形態によれば、複数の電気モータ28は、細長サポートアーム1008によってサポートされ、飛行体1000が上昇するとき、細長サポートアーム1008は、(サスペンションにおいて)飛行体1000自体をサポートする。図7は、本発明の一実施形態による、マルチロータ飛行体1020のフレームからのカンチレバー型の6個のロータ(プロペラ29)を有するマルチロータ飛行体1000の側面図および平面図を示し、プロペラ29が明確に示される、複数のモータ28およびプロペラ29アセンブリをサポートする細長サポートアーム1008が取り付けられる機体胴体1020の場所を示す。
【0105】
図8は、マルチロータ飛行体機体胴体1020のフレームから延在するプロペラ29のアレイ、および、およそ環状の構成を有する細長サポートアーム1008の位置を示す2つの図を示す。
【0106】
図9は、マルチロータ飛行体1000内の燃料供給900および発電サブシステム600の例示的位置を示す、例示的なマルチロータ飛行体1000のプロファイルダイアグラムを示す。熱力学動作条件を測定することは、熱エネルギーの1または複数のソースに対応する第1の温度を測定し、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を評価することを含み、1または複数の熱基準は、動作パラメータ、警告パラメータ、機器設定、搭乗者制御設定、代替的なコンポーネント、代替的なゾーン、温度センサおよび外部参照情報から成る群から選択される1または複数の参照を含む。1または複数のソースは、発電サブシステム600、内部温度ゾーン52、外部温度ゾーン54および燃料供給サブシステム900から成る群から選択される。1または複数の熱エネルギー移動先は、発電サブシステム600、内部温度ゾーン52、外部温度ゾーン54および燃料供給サブシステム900から成る群から選択される。一実施形態において、燃料電池制御システムは、6個のモータ28および3個の燃料電池モジュール18を含み、各2つのモータ28ペアごとに1個の燃料電池がある。燃料電池モジュール18は、モニタリング、ソースコードのレベルA解析、および、1つの燃料電池の障害の場合における少なくとも1つのクロスオーバスイッチを有する、三重モジュール型冗長オートパイロットである。
【0107】
図10は、マルチロータ飛行体1000の燃料供給および発電サブシステム600のコンポーネントについての例示的な空間要件を示す。図11は、マルチロータ飛行体1000内の燃料供給および発電サブシステム600sの代替的な例示的位置を示す図を示す。
【0108】
図12は、マルチロータ飛行体1000内の発電サブシステム600熱伝達および熱交換コンポーネントの構成の例示的な図を示す。いくつかの実施形態において、燃料タンク22、アビオニクスバッテリ27、燃料ポンプ74および冷却システム44、スーパーチャージャ46、ラジエータ60も制御され得る(モニタリングを含む)。任意の燃料電池モジュール18は、搭載型燃料タンク22によって燃料供給され、燃料30を使用して、マルチロータ飛行体1000のための電力のソースを生成する。これらのコンポーネントは、4D飛行管理と共に機能するように構成および統合される。
【0109】
発電サブシステム600は、特定の使用構成、例えば、水素燃料電池のセットに基づいて様々な数の燃料電池を有し得る。電池の動作および制御は、CANプロトコルまたは類似のデータバスもしくはネットワークもしくは無線もしくは他の通信意味を介して可能となる。飛行制御アルゴリズムは、CANを介して燃料電池によって供給される電力を調整およびモニタリングする。
【0110】
図13図14および図15は、マルチロータ飛行体1000内の燃料電池モジュール18の例示的なサブコンポーネントを示す。1または複数の燃料電池モジュール18は、空気フィルタ18f、ブロワ18f、風量計18f、燃料送出アセンブリ73、再循環ポンプ77、冷媒ポンプ76、燃料電池制御18e、センサ、エンドプレート18a、少なくとも1つのガス拡散層18b、少なくとも1つの膜電解質接合体18c、少なくとも1つのフローフィールドプレート18d、冷媒導管84、接続、水素注入口82、冷媒注入口78、冷媒排出口79、空気を1または複数の燃料電池モジュール18に供給する1または複数の空気駆動型ターボチャージャ46、ならびに、1または複数の燃料電池モジュール18に接続および流体連通して冷媒31を輸送する冷媒導管84を含む。1または複数の燃料電池モジュール18は更に、1または複数の水素駆動型燃料電池を含み得、各水素駆動燃料電池は、LH2温度で格納される気体水素(GH2)または液体水素(LH2)によって燃料供給され、1または複数の燃料電池モジュール18は、燃料タンク22からの水素を空気中の酸素と組み合わせ、電圧および電流を供給する。燃料電池容器および配管は、関連する圧力および温度についてのASMEコードおよびDOTコードに沿って設計される。
【0111】
一実施形態において、航空燃料電池モジュール18は、統合マニフォールド、統合ワイヤハーネス、統合電子機器および制御を含む、部品数を低減するように構成された多機能スタックエンドプレートを含み、スタックエンドプレートは、特定の配管およびフィッティングを不要にし、部品の容易な検査および交換を可能にし、改善された信頼性と、質量、体積およびノイズの大幅な低減と、二重壁防護の低減とをもたらす。統合電子機器および制御は、燃料電池モジュール18のための温度センサまたは熱エネルギーセンサとして動作し得、また、燃料電池モジュール18の熱伝達インフラストラクチャアーキテクチャに統合され得、それにより、動作によって生成された過剰な熱はまた、電子機器および制御から遠くに伝達され、より効率的な動作を促進し、過熱を低減し得る。航空燃料電池モジュール18は更に、重量の低減、容積出力密度の増加、非常に高い耐振動性、性能および燃料効率性の改善、耐久性の増加、ならびにそれらの組み合わせのためにスタックが最適化された航空宇宙軽量金属燃料電池コンポーネントから構成され得る。例示的実施形態において、燃料電池モジュール18は、10000時間以上の設計寿命で、72×12×24インチ(L×H×W)の寸法、および、120kg未満の質量の構成で120kWの電力を生成し得る。各モジュールの動作の向きは、ロール、ピッチおよびヨー、ならびに、二重壁防護、衝撃および振動システムトレランスの低減に対応する。図15は更に、燃料電池モジュール18内の例示的なサブコンポーネントを示し、水素フローフィールドプレートおよび酸素フローフィールドプレート18d、裏打ち層および触媒を有する膜電解質接合体18cのプロトン交換膜の各側におけるアノードおよびカソード体積の構成、ならびに、結果として生じる水素、酸素、および冷媒のフローベクトルを示す。
【0112】
図16は、パイロットおよび乗客を収容するキャビン環境を含む内部温度ゾーン52とはファイアウォール99の反対側に配置される、発電サブシステム600コンポーネントに関連する、マルチロータ飛行体1000内の燃料供給サブシステム900コンポーネントの例示的なプロファイルダイアグラムを示す。図17は、マルチロータ飛行体1000の機体胴体1020内に取り付けられ、ファイアウォール99によって分離される、キャビン、HVACサブシステム61、燃料供給サブシステム900、および発電サブシステム600の例示的位置を示す、マルチロータ飛行体1000の追加的な例の図を示す。燃料タンク22と乗客キャビンとの間のファイアウォール99は、FARパート27.1191に沿った要件を満たすように設計される。図18は、パイロット、乗客または搭乗者に関連する、マルチロータ飛行体1000内のHVACサブシステム61のコンポーネントの例示的位置を示すマルチロータ飛行体1000の図を示す。HVACサブシステム61は更に、キャビン温度センサ、二次作動流体の分配を制御する1または複数のファン68と流体連通するダクト81、ならびに、互いに流体連通する、凝縮器、膨脹弁88、蒸発器、コンプレッサ、導管を含み、空調ユニット62の外部の二次作動流体に作用する少なくとも1つの空調ユニット62を含む。
【0113】
図19図20図21aおよび図21bは、マルチロータ飛行体1000内の燃料タンク22および燃料供給サブシステム900の例示的なサブコンポーネントを示し、燃料タンク22は更に、チタン、ポリマー、ステンレス鋼またはカーボンファイバエポキシシェルまたはステンレス鋼または他のロバストシェル22c、プラスチックまたは金属ライナ22b、金属インタフェース、衝突/落下保護を含み、関連する圧力および温度についてASMEコードおよびDOTコードに沿って設計された燃料ライン85、容器および配管85を用いて、水素の作動流体を燃料30として使用するよう構成される。一般的に、熱力学システムにおいて、作動流体は、エネルギーを吸収または送信する、または、機械もしくは熱エンジンを作動させる液体または気体である。本発明において、作動流体は、液体または気体状態の燃料、冷媒31、加圧または高温空気を含み得る。燃料タンク22は、コンポーネント/機械区画から外部温度ゾーン54へのベント64を含むように設計され、タンクの破裂無く50ftの落下を提供する設計で設置される。燃料タンク22のヘッド側は、燃料タンク22の動作のための複数のバルブ88および計器22aを含む。一実施形態において、燃料タンク22のヘッド側は、LH2燃料補給ポート(燃料伝達結合58の雌部品)を含む篏合部品A;3/8"B(ベント64)、1/4"(PT)、1/4"(PG&PC)、フィードスルー、真空ポート、真空ゲージ、正方形ポート、1/4"センサ(液体検出)を含む篏合部品B;少なくとも1つの1インチユニオン86(熱交換器57とのインタフェース)および1/2"安全性バルブ88を含む篏合部品C22aを含む。液体水素貯蔵サブシステムおよび燃料タンク22は、チャージのための少なくとも1つの燃料伝達カップリング58、チャージのための1barベント64、自己圧力上昇ユニット、少なくとも2つの安全性リリーフバルブ88、GH2加熱コンポーネント、熱交換器57にルーティングする、または、そうでなければ、燃料電池冷媒31水のための流体導管と接触する容器および配管を採用し得る。燃料タンク22はまた、レベルセンサ(高容量)を含み、規制要件を満たし得る。図21aおよび図21bは更に、落下および衝突保護を提供するための燃料タンク22のコンポーネントを格納するために使用されるチタン、ポリマーまたはカーボンファイバエポキシシェルもしくはステンレス鋼シェル22c材料の2つの異なる例示的実施形態を示す。別の実施形態によると、LH2燃料タンク22は、内側タンク22b、断熱包装材、内側タンクと外側タンクとの間の真空部分、および、遥かに低い動作圧力、通常はおよそ10barまたは140psi(GH2は通常、遥かに高い圧力で実行する)を含み得る。燃料タンク22はまた、コネクタ、レギュレータおよび類似のコンポーネントのための更なる落下および衝突保護を提供するために少なくとも1つの保護リングを装備し得る。例示的実施形態において、燃料供給サブシステム900は更に、燃料タンク22に液体水素(LH2)を記載の量まで充填し安全に格納するために使用されるLH2チャージライン58を含む。ここで、圧力センサ、圧力安全性バルブ、圧力ゲージ、圧力レギュレータ、および1または複数の圧力上昇ユニットは、燃料タンク22の環境をモニタリング、制御および調節し、燃料を適切な温度および状態に維持し、LH2ディスチャージライン22aを使用して供給される(例示的な燃料電池18を有する)発電サブシステム600に効率的に燃料補給し、燃料は、1または複数の熱交換器57を含む追加の手段によって調節される。移動中の燃料の継続的な供給を維持し、かつ、燃料安全性を管理するべく、揮発性気体はベーパライザ72および1または複数のGH2ベント接続を通り、外部環境へ排出され得る。追加のコンポーネントは、少なくとも1つの真空センサおよびポート、ならびにレベルセンサフィードスルーを含む。燃料供給サブシステム900は更に、(例示的な燃料電池18)を有する発電サブシステム600に供給するために適切な方式で冷媒導管を通る冷媒の流れをモニタリング、誘導、変更、および調節するために使用される、圧力トランスミッタ、レベルセンサ、冷媒循環ポンプ、および圧力レギュレータソレノイドバルブを含むがこれらに限定されるものではない様々なコンポーネントを含む。一実施形態において、燃料は、(例示的な燃料電池18を有する)発電サブシステム600からの別個の冷媒(例えば、熱交換器57と流体連通する)によって提供され得、別の実施形態によると、燃料供給サブシステム900は、冷媒を輸送する冷媒導管を含む冷却ループまたは回路を(例示的な燃料電池18を有する)発電サブシステム600と共有し、追加の実施形態において、燃料供給サブシステム900は、熱伝導接触、または、例えば1または複数の熱交換器57による間接的接触のいずれかを介して、(例示的な燃料電池18を有する)発電サブシステム600を含む様々なコンポーネントの冷媒導管として機能する燃料ラインを含み得る。
【0114】
図22は、発電サブシステム600のもっとも基本的なコンポーネントと共に、燃料タンク22、燃料電池、ラジエータ60、熱交換器57および空調コンポーネントを含む燃料供給サブシステム900の例示的な図を示す。統合システム100燃料供給サブシステム900は更に、気体水素(GH2)、液体水素(LH2)、液化石油ガス(LPG)から成る群から選択される燃料を格納および輸送するよう構成される、1または複数の燃料電池と流体連通する燃料タンク22を含み、燃料供給サブシステム900は更に、燃料ライン、少なくとも1つの燃料供給カップリング、チャージのための58の燃料補給接続、1または複数のベント64、1または複数のバルブ88、1または複数の圧力レギュレータ、ベーパライザ72、ユニオン86、および、熱交換器57を含み、その各々は、燃料タンク22と流体連通し、1または複数の温度検知デバイスまたは熱安全センサは、燃料供給サブシステム900における気体の温度および濃度をモニタリングし、また、1または複数の圧力ゲージ、1または複数のレベルセンサ、1または複数の真空ゲージおよび1または複数の温度センサを含む。オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサは更に、サブシステムのコンポーネントを動作させ、温度調節プロトコルに基づいて、HVACサブシステム61を使用する、発電サブシステム600を含む1または複数のソースから、内部温度ゾーン52を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、少なくとも1つのラジエータ60または1または複数の排出ポート66を少なくとも使用する、発電サブシステム600を含む1または複数のソースから、外部温度ゾーン54を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、熱交換器57またはベーパライザ72を含む熱エネルギーインタフェースサブシステム56を使用する、発電サブシステム600を含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステム900を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、内部温度ゾーン52の温度を低減するための、HVACサブシステム61を使用する、内部温度ゾーン52を含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステム900を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、1または複数のベント64を使用する、外部温度ゾーン54を含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステム900を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、および、これらの組み合わせを含む、熱エネルギー伝達の量および分配を算出、選択、および制御するよう構成される。図18は、圧力上昇ユニット、LH2AltPort、燃料補給ポート、スイッチコンタクトを有する圧力ゲージ、圧力変換/水平/真空ゲージ/圧力レギュレータ、LH2をGH2に変換するためのベーパライザ72、篏合部品A:LH2燃料補給ポート(雌燃料伝達カップリング58)、篏合部品B、3/8"B(ベント64)、篏合部品C1"ユニオン86(熱交換器57を有するインタフェース)と共に、LH2400L燃料タンク22を示す。少なくとも1つのラジエータ60、冷媒排出口、例示的な燃料電池モジュール18、冷媒注入口78、空気流感知および調節、ならびに冷媒(冷却水循環)ポンプ76も示される。図18に示される熱エネルギーインタフェースサブシステム56は、燃料30を含む燃料供給サブシステム900に接続され流体連通する第1流体導管、および、冷媒31を含む発電サブシステム600に接続され流体連通する第2導管に接続するよう構成される熱交換器57またはベーパライザ72を含み、熱エネルギーは、冷媒31から、伝導によって伝導インタフェースを越えて、燃料30へ伝達され、これにより、燃料30を温め、冷媒31を冷却し、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスは更に、燃料温度センサおよび冷媒温度センサを含む。
【0115】
図23は、燃料タンク22、燃料電池、ラジエータ60、熱交換器57、および空調コンポーネント、ならびに、コンポーネント間の熱伝達のための相互接続された導管の例示的な図を示す。一実施形態において、冷却システムは、熱伝達による燃料電池モジュール18、モータ28、モータコントローラ24、および電子機器の冷却のために構成された5つの熱交換器57を含む。熱交換器57は各々、管、ユニオン86(LH2タンク側)、真空ポート/フィードスルーおよびベント64を含む。ベーパライザ72は、導管85、配管85または管85によって熱交換器57に相互接続され得る、または、冷媒導管84を接触させることによって、それ自体で熱交換器57として機能し得る。一実施形態において、熱交換器57は更に、軽量アルミニウム熱交換器57を含み得る。本発明は、熱伝導、熱力学および流体ダイナミクスに関する異なる原理を実装することによって、より効率的にエネルギー/熱を1つの流体から別の流体へ伝達するための小型の流体熱交換器57を使用する。流体熱交換器57は、通常冷媒導管84および燃料ライン85の内部を流れる高温および/または熱流体を使用する。熱エネルギーは、冷媒導管84において、システムを流れるにつれて、流体(冷媒31)からの対流によって伝達され、移動する流体は、異なる温度の表面を有する流体導管/冷媒導管84の内壁と接触し、分子の動きは、対流を通じてユニット表面あたりの熱伝達を確立する。次に、熱伝導の熱は、より高温からより低温のボディへ自発的に流れるので、熱エネルギーは、熱交換器57ボディ内の2つのコンポーネント間の物理的接触のエリアを通じて、より温かい流体導管/冷媒導管84から、より冷たい燃料流管85/燃料導管85/燃料ライン85へ伝達される。熱エネルギーは次に、燃料流管85/燃料導管85/燃料ライン85の内壁の表面積を接触させることによって、再び対流によって、インフロー管85/燃料導管85/燃料ライン85の内壁から、流れる燃料ライン85における流体へ伝達される。熱交換器57は、3つの標準的な流れ分類、すなわち、並列フロー(2つの媒体が同一の端から熱交換器57に入り、互いに並列に進み、同一の方向に流れる)、カウンターフロー(2つの媒体が反対の端から熱交換器57に入り、異なる方向に流れる)、およびクロスフロー(2つの媒体が熱交換器57を通じて互いに垂直に進む)を含むのものであり得る。熱交換器57は、シェルおよび管、プレート、フィン、螺旋、および、当該タイプの組み合わせであり得る。シェルおよび管の熱交換器57は、内部に管の束を有するシェルまたは大型圧力容器を含む。1つの流体は、管を囲むシェルを通って流れ、別の流体は、2つの流体の間で熱を伝達するために管を通って流れる。プレート熱交換器57は、2つの流体の間でより速く熱伝達するために、より広い面積にわたって流体を拡散させるための、より大きい表面積を有する金属プレートを含む。フィン熱交換器57は、複数の層の波形の材料を使用して、流体間で熱を伝達する。螺旋の熱交換器57は、互いに並列なコイルまたはヘリカル状の管設計であり、2つの流体は、カウンターカレント流において流れる。熱交換器57ボディ、管、配管、ライン、および導管は、銅、ステンレス鋼、および合金ならびにそれらの組み合わせの1つを含み得る第1伝導材料、ならびに、銅、ステンレス鋼、および合金およびそれらの組み合わせも含み得る第2伝導材料を含み得る。第1開放端の流体熱交換器57は、配管フィッティング86、または、ろう着、溶接、もしくははんだなど、スレッドおよび接続86を含むがこれらに限定されるものではない、配管を接続する任意の知られている方法を使用して、流体熱交換器57の第1端に注ぎ込む、または、そうでなければ接続されている冷媒導管84に接続および流体連通し得る。第2開放端は、配管を接続する任意の知られている方法を使用して、流体(冷媒31)を、発電サブシステム600(および、例えば、その中の燃料電池モジュール18、バッテリセル27、またはコントローラ)、外部温度ゾーン54、および、特に、ラジエータ60を含む他のサブシステムへ輸送する第2冷媒導管84に接続および流体連通される。流体熱交換器57の第3開放端は、インフロー管85/燃料導管85/燃料ライン85に接続および流体連通され得る。流体インフロー管の他の開放端であり得る、流体熱交換器57の第4開放端は、管を接続する任意の知られている方法を使用して、インフロー管85/燃料導管85/燃料ライン85に接続および流体連通され、それにより、流体熱交換器57は、燃料供給サブシステム900、発電サブシステム600、内部温度ゾーン52、または外部温度ゾーン54に流れ込む、または、それらから流れ出す流体導管、冷媒導管84、配管、燃料ライン85のセクションを置き換え、交換器を通って流れる流体から熱を再補足し、その熱を、交換器を通って流れる入ってくる流体に伝達し得る。
【0116】
図24は、マルチロータ飛行体1000における熱エネルギーを管理するための方法700の1つの例示的実施形態による、本発明を図示するフローチャートを示す。方法700は、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、マルチロータ飛行体1000における熱力学動作条件を測定する段階を含み、当該条件は、段階702において、熱エネルギーの1または複数のソースに対応する第1の温度を含み、段階704において、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む。方法の段階は更に、段階706において、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサを使用して、少なくとも第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を比較して、比較結果を算出する段階を含む。段階708において、方法は、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサおよび比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、エネルギー伝達の1または複数の優先度を含む温度調節プロトコルを算出する。温度調節プロトコル優先度は、仕様によって予め定められ得るか、または、現在の動作条件に基づいて動的に算出および調節され得る。制御ユニットまたはプロセッサは、段階710において、選択を実行し、段階712において、温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を制御し(熱エネルギーの分配は、1または複数の熱エネルギー移動先を含む)、段階714において、マルチモード熱エネルギー伝達のための統合システム100を使用して、1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達を実行する。1または複数のソースおよび1または複数の熱エネルギー移動先は各々、発電サブシステム600、燃料供給サブシステム900、熱エネルギーインタフェース、内部温度ゾーン52、および外部温度ゾーン54から成る群から選択され得る。例えば、一例において、内部温度ゾーン52は、ソースとして機能し得るが、別の例では、複数の熱エネルギー移動先の1つとして機能し得る。さらに、1または複数の熱基準は、代替的なコンポーネント、代替的なゾーン、動作パラメータ、警告パラメータ、機器設定、搭乗者制御設定および外部参照情報から成る群から選択される1または複数の基準を含む。例えば、熱基準は、製造者によって規定される最大冷媒温度または燃料電池最大安全動作温度であり得る。熱基準および他のパラメータは、特定のサブシステムに限定されないことがあり得、サブシステムの別個のコンポーネント、例えば、個別の燃料電池18、燃料電池モジュール18、またはモータコントローラ24の動作温度に延長し得る。同様に、統合システム100は、特定の問題または異常を是正または解決するように機能し得るソースまたは熱エネルギー移動先として特定または別個のコンポーネントを対象とし得る。発電サブシステム600は、電圧および電流を供給するよう構成される1または複数の燃料電池モジュール18、1または複数のバッテリセル27、1または複数のモータコントローラ24、1または複数のモータ28、1または複数の回路基板、1または複数のプロセッサ、および、1または複数の電子コンポーネントから成る群から選択される1または複数のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントはすべて、ソースとして共に扱われ得るか、または、個々に測定され熱伝達関係またはプロトコルに組み込まれ得る(個別の燃料電池に関して、ADSBまたはリモートIDユニットへのインタフェースを使用して、温度がレビューのために表示される図5を参照されたい)。オートパイロット制御ユニットコンピュータプロセッサは、全体のサブシステムまたはそれらの別個のコンポーネントから、温度調節プロトコルに基づいて、熱エネルギー伝達の量および分配の選択および制御を実行し、これにより、熱または熱エネルギーを伝達するランク、順、またはタイミング、熱または熱エネルギーを伝達するための比率、割合、または比、熱または熱エネルギーを伝達するための依存関係、または、それらの組み合わせを提供し得る。1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配は、段階712aにおける、HVACサブシステム61を使用する、発電サブシステム600を含む1または複数のソースから、内部温度ゾーン52を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、段階712bにおける、少なくとも1つのラジエータ60または1または複数の排出ポート66を少なくとも使用する、発電サブシステム600を含む1または複数のソースから、外部温度ゾーン54を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、段階712cにおける、熱交換器57またはベーパライザ72を含む、発電サブシステム600を含む1または複数のソースから、熱エネルギーインタフェースサブシステム56を使用する、燃料供給サブシステム900を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、段階712dにおける、内部温度ゾーン52の温度を低減するための、HVACサブシステム61を使用する、内部温度ゾーン52を含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステム900を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達、段階712eにおける、1または複数のベント64を使用する、外部温度ゾーン54を含む1または複数のソースから、燃料供給サブシステム900を含む1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の量および分配、ならびに、それらの組み合わせを含み得る。
【0117】
オートパイロット制御ユニットコンピュータプロセッサを使用する、発電サブシステム600から1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の実行は、発電サブシステム600のコンポーネントに流体連通する流体を使用して、熱または熱エネルギーを、熱エネルギー移動先に対応する異なる位置へ輸送し、これにより、1または複数のソースの温度または余剰熱エネルギーを低減することを含み得る。これを達成するべく、プロセッサは、ソースおよび熱エネルギー移動先のペアを選択し、格納されたペアについてのルーティングデータを取得してから、適切なバルブ88、レギュレータ、導管、およびコンポーネントをアクティブ化、作動、または調節して、飛行体1000を通じて作動流体を送り、流体の流れをソースから1または複数の熱エネルギー移動先へ誘導する。いくつかの例において、流体伝達は、熱エネルギー伝達を実行するためにソースと熱エネルギー移動先との間の物理的接触が直接開始または調節され得る近接性に起因して必要ないことがあり得る。例えば、温度調節プロトコルが、燃料電池モジュール18が廃熱の放散および伝達を必要とすることを示す場合、プロセッサは、燃料供給サブシステム900を熱エネルギー移動先として選択し得、プロセッサは、その燃料電池モジュール18に接続され流体連通される冷媒導管84に流体連通される冷媒ポンプ76および適切なバルブ88を作動させ(その結果、冷媒31は、熱交換器57につながるルートに沿って、冷媒導管84および配管84を通って燃料電池モジュール18から移動する)、次に、燃料ライン85におけるポンプおよびバルブ88を同様に作動させ、それにより、冷媒31および燃料30は、プロセッサによってアクティブ化された熱交換器57の別個の導管を通じて流れ、同時に、熱または熱エネルギーが、より高温の冷媒31から、熱交換器57の導管、壁およびボディを越えて、より低温の燃料30へ伝達され、これにより、燃料電池モジュール18ソースの温度を低減し、燃料30、または、より一般的には燃料供給サブシステム900の温度を増加させる。1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達の実行は更に、バルブ88および冷媒ポンプ76を使用して、燃料30または冷媒31の流体流を方向転換することを含み得、冷媒31は水および添加物(不凍液など)を含み得る。プロセッサが燃料電池モジュール18の測定を継続するにつれて、プロセッサは、流れを他の熱エネルギー移動先へ方向転換し、または、熱交換器57への流れを低減し、または、熱交換器57への流れを停止して、異なる熱エネルギー移動先へ流れの向きを変え得る。複数のプロセッサは、共に動作して、エネルギー伝達タスクを達成するために異なる機能を実行し得る。統合システム100は、コンポーネント、ゾーン、およびサブシステムを反復的または継続的に測定し、設計および動作条件パラメータを満たすように飛行体1000のエネルギー伝達および温度性能を常に調節する。1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーのソースに対応する第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む、マルチロータ飛行体1000における熱力学動作条件を測定することは更に、燃料温度、燃料タンク温度、燃料電池、または燃料電池モジュール温度、バッテリ温度、モータコントローラ温度、冷媒温度またはピークコントローラ温度、モータ温度、またはピークモータ温度、または総計モータ温度、ラジエータ60温度、キャビン温度、および外部空気温度から成る群から選択される1または複数を測定することを含む。
【0118】
温度調節プロトコルは、オートパイロット制御ユニットまたはコンピュータプロセッサ、および、比較結果に基づくアルゴリズムを使用して、例示的な方法700および統合システム100によって算出され得る。そのような温度調節プロトコルは、発電サブシステム600が、内部温度ゾーン52設定温度より高い温度を有するかどうかを決定し、内部設定温度が設定最高温度を超過するかどうかを決定すること、発電サブシステム600がインタフェース設定温度より高い温度を有するかどうかを決定し、熱エネルギーインタフェースサブシステム56温度がインタフェース最高温度を超過するかどうかを決定すること、発電サブシステム600が外部温度ゾーン54より高い温度を有するかどうかを決定すること、外部温度ゾーン54が燃料供給サブシステム900より高い温度を有するかどうかを決定すること、および、各決定に基づいて熱移動先の優先順位付けを決定することを含み得る。温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御することは更に、1または複数の熱エネルギー移動先を指示することを含み、温度調節プロトコルに基づいて、1または複数のソースからの熱エネルギー伝達の量および分配を選択および制御することは更に、発電サブシステム600と内部温度ゾーン52との間の温度の差を決定すること、発電サブシステム600と外部温度ゾーン54との間の温度の差を決定すること、発電サブシステム600と燃料供給サブシステム900との間の温度の差を決定すること、燃料供給サブシステム900と内部温度ゾーン52との間の温度の差を決定すること、外部温度ゾーン54と燃料供給サブシステム900との間の温度の差を決定すること、最大値を超過しないソースと移動先との間の各正の絶対値の差に基づいて、量および分配を調節し、それぞれの温度差に基づいて、1または複数の熱移動先の各々に比例的に割り当てることを含む。プロセッサは、システムに問い合わせ、後の算出、計算、優先度、プロトコルおよび割り当てを決定する一連の質問への回答を決定する。例えば、発電サブシステム600は内部温度ゾーン52設定温度より高温か?内部温度ゾーン52は設定最大温度より上か?発電サブシステム600はインタフェース設定温度より高温か?発電サブシステム600はインタフェース最大温度より高温か?内部温度ゾーン52は外部温度ゾーン54より高温か?発電サブシステム600は外部温度ゾーン54より高温か?内部温度ゾーン52は燃料供給サブシステム900より高温か?内部温度ゾーン52は設定最低値より低温か?外部温度ゾーン54は燃料供給サブシステム900より高温か?例えば、外部温度ゾーンと発電サブシステム600との間の温度差が無視できるが、発電サブシステム600と燃料供給サブシステム900との間の温度差が大きいままである場合、発電サブシステム600ソースのペアから燃料供給サブシステム900熱エネルギー移動先への伝達は、ソースと移動先との関係の相対的または絶対的な差に基づいて、発電サブシステム600および外部温度ゾーン54のペアより高い優先度を受ける。
【0119】
潜在的なソースおよび移動先のコンポーネントを考慮して、内部温度ゾーン52は更に、1または複数のパイロットまたは乗客を含むように設計されたキャビン環境に対応する内部温度排出口と、キャビン温度センサ、二次作動流体の分配を制御する1または複数のファン68に流体連通するダクト81を更に含むHVACサブシステム61と、互いに流体連通する凝縮器、蒸発器、膨脹弁88、キャピラリ管、コンプレッサ、または、タービンなどの仕事抽出デバイス、導管を含み、空調ユニット62の外部にある二次作動流体(空気)に作用する少なくとも1つの空調ユニット62とを含み得る。このようにして、飛行体1000キャビンまたはサブゾーン温度が、乗客によって調節され得、キャビン温度が動作温度を超過するとき、内部温度ゾーン52は、ソースとして機能し得、燃料供給サブシステム900は、熱エネルギー移動先として機能し得、空調ユニット62およびファン68を使用してキャビン温度を下げ燃料または燃料供給サブシステム900温度を増加する熱伝達を実行し、これにより、追加のエネルギーの消費無しで、性能の改善のために、複数のサブシステムを効率的に調節する。温められた液体水素燃料30の格納された低エンタルピー状態を使用して、燃料電池モジュール18における使用のために気体に変換し、燃料電池モジュール18、また、夏/高温の月におけるキャビンからの廃熱を冷却することは、別個の空調を使用するより効率的である。同様に、燃料電池からの廃熱は、デバイスを追加する、または、加熱ユニット上の追加のリソースを消費する必要無く、冬/低温の月においてキャビンを加熱するために使用され得る。同様に、外部温度ゾーン54は更に、1または複数のラジエータ60および1または複数のファン68に連結され得る排出ポート66またはベント64を含む外部温度排出口を含み得る。プロセッサは、外部温度ゾーンを燃料電池モジュール18ソースの熱エネルギー移動先として設定し得るが、ラジエータ60または冷媒温度が通常または安全動作限定温度を超過することを開始した場合、プロセッサは、温度分配プロトコルおよび優先度を再調整し得、熱交換器57への追加の冷媒31の流れを作動させ、燃料供給サブシステム900を追加の熱エネルギー移動先として追加し、これにより、ラジエータ60に必要な冷却負荷を低減し、更に、燃料電池モジュール18ソースの温度を低減し、そのソースを改善された動作温度にする。
【0120】
熱エネルギー/温度交換サブシステムの熱インタフェースは、飛行体1000上で離れて配置される複数のサブシステムおよびコンポーネントを相互接続し、作動流体を使用して様々な移動先への伝達のための熱および熱エネルギーの輸送を容易にするために重要である。熱インタフェースは更に、伝導を含む熱力学を使用して、1または複数の熱交換器57に流体連通される冷媒導管84によって供給される冷媒31から、熱交換器57壁および熱交換器57表面を越えて、1または複数の熱交換器57に流体連通する燃料ライン85によって供給される燃料30へ熱または熱エネルギーを伝達するよう構成される1または複数の熱交換器57を含み、冷媒31および燃料30は、互いに物理的に隔離された状態を維持する。
【0121】
1または複数のソースから1または複数の熱エネルギー移動先への熱エネルギー伝達を実行後、例の方法は、1または複数の温度検知デバイスまたは熱エネルギー検知デバイスを使用して、熱エネルギーのソースに対応する第1の温度、および、熱基準に対応する1または複数の追加の温度を含む、マルチロータ飛行体1000における熱力学動作条件を測定することを反復し、その後、1または複数のソースおよび1または複数の熱エネルギー移動先についての伝達後データを使用して、比較、算出、選択および制御、ならびに実行段階を実行し、マルチロータ飛行体1000における熱力学動作条件を反復的に管理する。
【0122】
本明細書において説明される方法700およびシステム100は、特定の飛行体1000またはハードウェアまたはソフトウェア構成に限定されるものではなく、多くの飛行体または動作環境における適用可能性があり得る。例えば、本明細書に説明されるアルゴリズムは、ハードウェアまたはソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装され得る。方法およびシステムは、1または複数のコンピュータプログラムにおいて実装され得、コンピュータプログラムは、1または複数のプロセッサ実行可能命令を含むと理解され得る。コンピュータプログラムは、1または複数のプログラマブルプロセッサ上で実行し得、プロセッサによって読み取り可能な1または複数のストレージ媒体(揮発性および不揮発性メモリおよび/またはストレージ要素を含む)、1または複数の入力デバイス、および/または、1または複数の出力デバイスに格納され得る。したがって、プロセッサは1または複数の入力デバイスにアクセスして入力データを取得し得、1または複数の出力デバイスにアクセスして出力データを通信し得る。入力および/または出力デバイスは、ミッション制御タブレットコンピュータ36、ミッションプランニングソフトウェア34プログラム、スロットルペダル、サイドアームコントローラ、ヨークまたは制御ハンドル、または、プロセッサによってアクセス可能な他の動きを指示するデバイスのうち1または複数を含み得、そのような上記の例は、網羅的でなく、限定ではなく例示の目的である。
【0123】
コンピュータプログラムは好ましくは、コンピュータシステムと通信するために、1または複数の高水準手続き型またはオブジェクト指向プログラミング言語を使用して実装される。しかしながら、プログラムは、所望される場合、アセンブラまたは機械語で実装され得る。言語はコンパイルまたは解釈され得る。
【0124】
本明細書において説明される方法700およびシステム100は、特定の飛行体またはハードウェアまたはソフトウェア構成に限定されるものではなく、多くの飛行体または動作環境における適用可能性があり得る。例えば、本明細書に説明されるアルゴリズムは、ハードウェアまたはソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせで実装され得る。方法およびシステムは、1または複数のコンピュータプログラムにおいて実装され得、コンピュータプログラムは、1または複数のプロセッサ実行可能命令を含むと理解され得る。コンピュータプログラムは、1または複数のプログラマブルプロセッサ上で実行し得、プロセッサによって読み取り可能な1または複数のストレージ媒体(揮発性および不揮発性メモリおよび/またはストレージ要素を含む)、1または複数の入力デバイス、および/または、1または複数の出力デバイスに格納され得る。したがって、プロセッサは1または複数の入力デバイスにアクセスして入力データを取得し得、1または複数の出力デバイスにアクセスして出力データを通信し得る。入力および/または出力デバイスは、ミッション制御タブレットコンピュータ36、ミッションプランニングソフトウェア34プログラム、スロットルペダル、サイドアームコントローラ、ヨークまたは制御ハンドル、または、本明細書に提供されるプロセッサによってアクセス可能な他の動きを指示するデバイスのうち1または複数を含み得、そのような上記の例は、網羅的でなく、限定ではなく例示の目的である。
【0125】
コンピュータプログラムは好ましくは、コンピュータシステムと通信するために、1または複数の高水準手続き型またはオブジェクト指向プログラミング言語を使用して実装される。しかしながら、プログラムは、所望される場合、アセンブラまたは機械語で実装され得る。言語はコンパイルまたは解釈され得る。
【0126】
したがって、本明細書に提供されるプロセッサは、いくつかの実施形態において、ネットワークまたは通信環境において独立に動作され得る3つの同一のデバイスに組み込まれ得、ネットワークは例えば、イーサネット(登録商標)などのローカルエリアネットワーク(LAN)、または、RS232もしくはCANなどのシリアルネットワークを含み得る。ネットワークは、有線、無線RF、またはブロードバンド、または、これらの組み合わせであり得、1または複数の通信プロトコルを使用して、異なるプロセッサ間の通信を容易にし得る。プロセッサは、分散処理のために構成され得、いくつかの実施形態において、必要に応じてクライアントサーバモデルを利用し得る。従って、方法およびシステムは、複数のプロセッサおよび/またはプロセッサデバイスを利用して、必要なアルゴリズムを実行し、適切なビークル命令を決定し得、3つのユニットにおいて実装される場合、3つのユニットは、それらの間で投票し、講じられるべきアクションについて、3分の2の合意に到着し得る。当業者であれば理解するように、投票はまた、別の複数(例えば、1、2、3、4、5、6など)のユニットを使用して実行され得る。例えば、投票は、他のシステム状態情報を使用して、偶数のユニットが同意しないときに生じ得る任意の同点を壊し得、それにより、システムは、動作のための許容可能なレベルの安全性を提供する合意に到達する。
【0127】
プレゼンテーションを表示するためのプロセッサを内蔵するデバイスまたはコンピュータシステムは、例えば、ディスプレイを有するパーソナルコンピュータ、ワークステーション(例えば、Sun、HP)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)またはiPadなどのタブレット、または、本明細書において提供されるように動作し得るプロセッサと通信可能な別のデバイスを含み得る。従って、本明細書において提供されるデバイスは、網羅的でなく、限定ではなく例示のために提供される。
【0128】
「プロセッサ」または「プロセッサ」の言及は、スタンドアロンjおよび/または分散環境において通信し得る1または複数のプロセッサを含むと理解され得、したがって、有線または無線通信を介して他のプロセッサと通信するよう構成され得、そのような1または複数のプロセッサは、類似または異なるデバイスであり得る1または複数のプロセッサ制御デバイス上で動作するよう構成され得る。更に、メモリへの言及は、別段の定めが無い限り、プロセッサ制御デバイスの内部にあり、プロセッサ制御デバイスの外部にあり得、様々な通信プロトコルを使用して有線または無線ネットワークを介してアクセスされ得る、1または複数のプロセッサ可読およびアクセス可能メモリ要素および/またはコンポーネントを含み得、別段の定めが無い限り、外部および内部メモリデバイスの組み合わせを含むように配置され得、そのようなメモリは、用途に基づいて、連続的、および/または、分割され得る。ネットワークへの言及は、別段の定めが無い限り、1または複数のネットワーク、イントラネットおよび/またはインターネットを含み得る。
【0129】
方法およびシステムは、特定の実施形態に関して説明されたが、それらはそのように限定されない。例えば、方法およびシステムは、6、8、10、12、14、16、またはより多くの独立のモータコントローラ24およびモータ28を有する様々なマルチロータビークルに適用され得、それにより、異なる量の揚力、ひいては、貨物および動作能力を提供する。システムは、オペレータの制御下で操作され得る、または、地上からのネットワークもしくはデータリンクを介して操作され得る。ビークルは、搭載型バッテリセル27ストレージ容量を用いて単独で操作され得る、または、搭載型モータジェネレータもしくは他の再充電ソースによって強化された容量を有し得る、または、更には、エネルギーを飛行体に提供する目的で、テザーまたはアンビリカルケーブルの端で操作され得る。上の教示を参照すれば、多くの修正および変形が明らかとなり得る。本明細書に説明および図示される部品の詳細、材料および配置における多くの追加の変更が当業者によって行われ得る。
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