(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】多重管の構造および流路装置
(51)【国際特許分類】
F28D 7/10 20060101AFI20240209BHJP
F28F 1/06 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
F28D7/10 A
F28F1/06
(21)【出願番号】P 2019209122
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】593084144
【氏名又は名称】株式会社西山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145779
【氏名又は名称】吉澤 智秋
(72)【発明者】
【氏名】橘 紀伸
(72)【発明者】
【氏名】片野 伊佐雄
(72)【発明者】
【氏名】栗原 明夫
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-139466(JP,U)
【文献】特開2013-053804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 7/00-7/16
F28F 1/06
F24H 9/00
F16L 9/18-9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延在する内管(1)と、
前記軸方向に延在し、前記内管に前記軸方向と直交する径方向外側から嵌め合わされる複数の外管(4,5)と、
を備え、
少なくとも前記複数の外管により、前記内管の周方向に相互に区画される複数の第1通路(6)が構成され、
前記複数の第1通路のうち前記周方向で隣接する2つの第1通路は、軸方向一端側において互いに連結され、
前記2つの第1通路は、軸方向他端側において開口部(9、10)をそれぞれ有し、
前記軸方向に延在し、前記内管に管径方向外側から嵌め合わされ、かつ、前記外管に管径方向内側から嵌め合わされる複数の中央管(2,3)を備え、
少なくとも前記複数の中央管により第2通路(7)が構成され、
前記第2通路は、軸方向一端側において開口部(11)を有し,軸方向他端側において開口部(12)を有し、
複数の中央管は、第1中央管(2)と、前記第1中央管に前記径方向外側から嵌め合わさ
れる第2中央管(3)とを有し、
前記第1中央管は、前記内管に接するように径方向内側に凹入する凹部と、第2中央管に接するように径方向外側に凸出する凸部とが周方向に交互に配された波形に形成され、
複数の外管は、第1外管(4)と、前記第1外管に前記径方向外側から嵌め合わされる第2外管(5)と、を有し、
前記第1外管は、前記第2中央管に接するように径方向内側に凹入する凹部と、前記第2外管に接するように径方向外側に凸出する凸部とが周方向に交互に配された波形に形成さる、
多重管の構造。
【請求項2】
前記内管は、保護対象を通す管であり、
前記第1通路は、第1流体を通す通路であり、
前記第2通路は、第2流体を通す通路である、
請求項
1に記載の多重管の構造を備える、流路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重管の構造および流路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多重管の構造は、例えば、管軸方向に延在する内管と、内管に管径方向外側から嵌め合わされる外管と、内管と外管との間の隙間である流体が通る通路と、通路の管軸方向一端部に流体を外部から通路に出し入れするための一端側連結管と、通路の管軸方向他端部に流体を外部から通路に出し入れするための他端側連結管と、を有する(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
内管の内部に流体が通路に通されることで、内管と外管との間で熱交換することが可能となるため、例えば、内管の内部を熱から保護することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に係る多重管の構造においては、例えば、多重管の一端側を先端として、重管を所定の領域(例えば、高温環境)に挿入する場合に、一端側連結管が支障となって、所定の領域に挿入し難いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、所定の領域に容易に挿入することが可能な多重管の構造および流路装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る多重管の構造は、
軸方向に延在する内管(1)と、
前記軸方向に延在し、前記内管に前記軸方向と直交する径方向外側から嵌め合わされる複数の外管(4,5)と、
を備え、
少なくとも前記複数の外管により、前記内管の周方向に相互に区画される複数の第1通路(6)が構成され、
前記複数の第1通路のうち前記周方向で隣接する2つの第1通路は、軸方向一端側において互いに連結され、
前記2つの第1通路は、軸方向他端側において開口部(9、10)をそれぞれ有している。
【0008】
本発明に係る流路装置は、
上記内管は、保護対象を通す管であり、
上記第1通路は、第1流体を通す通路であり、
上記第2通路は、第2流体を通す通路である。
【発明の効果】
【0009】
本発明における多重管の構造によれば、所定の領域に容易に挿入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る多重管の構造の側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る多重管の構造の軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の第1の実施形態に係る多重管の構造について
図1および
図2を参照して説明する。ここで、多重管の構造とは、複数の管が互いに重なるように嵌め合わされる構造において、重なり方向で隣接する複数の管を組み合わせる構造をいう。本発明の実施形態では、五つの管が互いに重なるように嵌め合わされた多重管の構造について説明する。以下の説明において、管の軸に沿う方向を「軸方向」または「管軸方向」といい、管の軸に対して直交する方向を「径方向」または「重なり方向」といい、管の軸から径方向に離れる方向を「径方向外側」、管の軸から径方向に近づく方向を「径方向内側」という。
【0012】
図1は、多重管の構造の軸方向一端側から見た側面図である。
図2は、多重管の構造の軸方向断面図である。
図1および
図2に示すように、五重管の構造は、内管1、第1中央管2、第2中央管3、第1外管4、および、第2外管5を有している。
【0013】
図1に示すように、内管1、第1中央管2、第2中央管3、第1外管4、および、第2外管5は、径方向で互いに重なるように嵌め合わされている。
【0014】
内管1は、保護対象(例えば、光ファイバー・内視鏡等)を通す管である。内管1は、軸方向に延在している。内管1は、円形断面形状の管である。内管1の軸方向一端(
図2における左端)の開口部は、耐熱ガラス16により塞がれている。保護対象(例えば、光ファイバー・内視鏡等)は、内管1の軸方向他端側(
図2における右端側)から内管1の内部に挿入される。
【0015】
第1中央管2は、
図1および
図2に示すように、径方向において内管1と第2中央管3との間に配置されている。第1中央管2は、軸方向に延在している。第1中央管2は、
図1に示すように、管の周方向に波形に山部(凸部ともいう)と谷部(凹部ともいう)を周方向に波形に山部と谷部とを交互に配することにより波形に形成されている。山部及び谷部は同数であって、周方向に等間隔で2個以上設けられている。山部及び谷部の数は4から6個(この実施形態では6個)であることが好ましい。山部は管の周壁を径方向外方向に突出させることにより周方向に等間隔に6カ所で第2中央管3に接するように形成されている。谷部は管の周壁を径方向内方向に凹ませることにより管の周方向に等間隔に6ヵ所で内管1に接するように形成されている。
【0016】
前述の通り、山部及び谷部の数は4から6個が好ましいが、個数が多いほど、熱交換時の伝熱効果を向上させ、曲げ剛性やねじり剛性を上げることが可能となることから山部及び谷部の数は2から10個(葉ともいう)でもよい。
【0017】
第2中央管3は、
図1および
図2に示すように、第1中央管2の径方向外側に配置されている。第2中央管3は、軸方向に延在している。第2中央管3は、円形断面形状の管である。
【0018】
第1外管4は、径方向において第2中央管3と第2外管5との間に配置されている。第1外管4は、軸方向に延在している。第1外管4は、
図1に示すように、管の周方向に波形に山部と谷部を周方向に波形に山部(凸部ともいう)と谷部(凹部ともいう)とを交互に配することにより波形に形成されている。山部及び谷部は同数であって、周方向に等間隔で2個以上設けられている。第1中央管2と同様に、山部及び谷部の数は2から15個であることが好ましく4から6個(この実施形態では6個)であることがより好ましい。山部は管の周壁を径方向外方向に突出させることにより周方向に等間隔に6カ所で第2外管5に接するように形成されている。谷部は管の周壁を径方向内方向に凹ませることにより管の周方向に等間隔に6ヵ所で第2中央管3に接するように形成されている。
【0019】
第2外管5は、第1外管4の径方向外側に配置されている。第2外管5は、軸方向に延在している。第2外管5は、円形断面形状の管である。
【0020】
第2外管5は、五つの管の中で、最も径方向外側に位置する。これにより、第2外管5は、その使用態様においては、所定の領域(例えば、高温環境)と接することとなる。
【0021】
第2中央管3と第2外管5との間の隙間は、第1通路6になっている。第1通路6は、
図1に示すように、第1外管4によって仕切られることで、換言すれば、第1外管4の山部が径方向外側の第2外管5に接し、第1外管4の谷部が径方向内側の第2中央管3に接することで、外側第1通路6と内側第1通路6に分かれる。外側第1通路6は、第1外管4と第2外管5との間の隙間にできる通路である。内側第1通路6は、第1外管4と第2中央管3との間の隙間にできる通路である。
【0022】
内管1と第2中央管3との間の隙間は、第2通路7となっている。第2通路7は、
図1に示すように、第1中央管2によって仕切られることで、換言すれば、第1中央管2の山部が径方向外側の第2中央管3に接し、第1中央管2の谷部が径方向内側の内管1に接することで、外側第2通路7と内側第2通路7に分かれる。外側第2通路7は、第1中央管2と第2中央管3との間の隙間にできる通路である。内側第2通路7は、第1中央管2と内管1との間の隙間にできる通路である。
【0023】
第1通路6は、軸方向一端側(
図2における左端側)において環状板8aによって軸方向一端側から閉ざされている。周方向で隣接する外側第1通路6および内側第1通路6は、軸方向一端側において連絡部8を介して互いに連結している。連絡部8は、第1外管4の軸方向一端部を軸方向他端部側(
図2における右側)へ切り欠いた切り欠き部である。切り欠き部は、第1外管4の山部と谷部との間の中間部である斜面部に設けられる。
【0024】
外側第1通路6は、軸方向他端側(
図2における右端側)において軸方向他端側へ開放された開口部9を有している。開口部9は、中継管13aを介して連結管13に通じている。
【0025】
内側第1通路6は、軸方向他端側(
図2における右端側)において軸方向他端側へ開放された開口部10を有している。開口部10は、中継管14aを介して連結管14に通じている。
【0026】
第2通路7は、軸方向一端側(
図2における左端側)において軸方向一端側へ開放された開口部11を有している。第2通路7は、軸方向他端側(
図2における右端側)において軸方向他端側へ開放された開口部12を有している。開口部12は、中継管15aを介して連結管15に通じている。
【0027】
本実施の形態における流路装置は、上記の多重管の構造を備える。流路装置においては、内管1は、保護対象を通す管である。第1通路6は、第1流体(冷却液、例えば、水)を通す通路である。第2通路7は、第2流体(例えば、空気)を通す通路である。流路装置における多重管の構造の使用環境は、所定の領域(例えば、高温環境)に挿入されて用いられる。
【0028】
次に、多重管の製造方法の一例について説明する。
【0029】
多重管の材料として、例えば、銅、アルミニウム、黄銅、タングステン鋼、ステンレス鋼、クロム鋼、マンガン鋼、炭素鋼のような熱伝導率の高い材料の管や、高温環境に耐えられる金属製の管が用いられる。
【0030】
金属製の管の直径及び厚さは所定の領域(例えば、高温環境)に応じて異なる。一例としては、第2外管5は直径約30[mm]、内管1には直径約10[mm]の金属製の管が用いられる。また、各金属製の管の厚さは、0.5[mm]から1.2[mm]が用いられる。
【0031】
各管の製造方法の一例として、金型(ダイス)で形成された先細の穴に金属管を通して引き抜くことにより、所定の断面形状に成形される引き抜き加工が用いられる。
【0032】
次に、本発明の実施形態に係る多重管の作用および効果について説明する。
【0033】
上記実施の形態における多重管によれば、軸方向に延在する内管1と、軸方向に延在し、内管1に軸方向と直交する径方向外側から嵌め合わされる第1外管4および第2外管5と、を備え、少なくとも第1外管4および第2外管5により、内管1の周方向に相互に区画される複数の第1通路6が構成され、複数の第1通路6のうち周方向で隣接する外側第1通路6および内側第1通路6は、軸方向一端側において互いに連結され、外側第1通路6および内側第1通路6は、軸方向他端側において開口部9、10をそれぞれ有している。これにより、多重管を、軸方向一端側を先端として所定の領域(例えば、高温環境)に挿入する場合、連結管13、連結管14、連結管15が軸方向他端側にのみ配置されていることから、これらの連結管13,14,15が支障になって所定の領域に挿入し難いといった課題を解決できる。また、内管1とその径方向外側の第1流体との間の熱交換により、多重管が挿入される所定の領域が高温環境であっても内管1の内部を一定以下の温度に保つことができ、内管1に通される保護対象を熱から保護できる。
【0034】
また、上記実施の形態における多重管によれば、軸方向に延在し、内管1に管径方向外側から嵌め合わされ、かつ、第1外管4に管径方向内側から嵌め合わされる第1中央管2および第2中央管3を備え、第2中央管3により第2通路7が構成され、第2通路7は、軸方向両側において開口部11,12を有している。これにより、内管1とその径方向外側の第2流体との間の熱交換により、および、第2流体とその径方向外側の第1流体との間の熱交換により、多重管が挿入される所定の領域が高温環境であっても内管1の内部を一定以下の温度に保つことができ、内管1に通される保護対象を熱から保護できる。また、第1中央管2および第2中央管3を備えることで、所定の領域(例えば、高温環境)から内管1を径方向でより離間させることができるため、内管1に通される保護対象を高温環境からより保護することが可能となる。また、第2通路7に第2流体(例えば空気)を流すことにより、耐熱ガラスへの熱影響(発生ガスや粉塵等)の保護対象を高温環境からさらに保護することが可能となる。
【0035】
また、上記実施の形態における多重管によれば、多重管の断面二次モーメントは、多重管を単に嵌め合わせたときと比べて、第1外管4と第1中央管2に山部及び谷部を設けることにより増加するため、曲げ剛性、ねじり剛性を上げることが可能となる。
【0036】
また、上記実施の形態における多重管によれば、第1外管4と第1中央管2の山部をそれぞれ第2外管5と第2中央管3に当接させ、谷部をそれぞれ第2中央管3と内管1に当接させることにより、多重管に対して軸方向に外力を作用させたとき、当接させた部分に摩擦力が発生するため、その外力に十分な力で対抗することが可能となる。
【0037】
また、上記実施の形態における多重管によれば、多重管の断面積は、第1外管4と第1中央管2に山部及び谷部を設けることにより増加するため、弾性率を上げることが可能となる。それにより、軸方向の大きな圧縮力や引っ張り力に対して十分に対抗することが可能な多重管となる
【0038】
また、上記実施の形態における多重管によれば、外側第1通路6の開口部9は、中継管13aを介して連結管13と繋がっているため、連結管13を通った第1流体は外側第1通路6を通り軸方向一端側における連絡部8に流れて、軸方向一端側における連絡部8で折返し内側第1通路6を通って開口部10から中継管14aを介して連結管14へ排出される。
【0039】
また、上記実施の形態における多重管によれば、第2通路7の開口部12は、中継管15aを介して連結管15と繋がっているため、連結管15を通った第2流体(例えば空気)は、外側及び内側第2通路7を通り軸方向一端側に流れて軸方向一端側の開口部11より外部に排出される。
【0040】
また、上記実施の形態における多重管によれば、第1外管4と第1中央管2の山部をそれぞれ第2外管5と第2中央管3に当接させ、谷部をそれぞれ第2中央管3と内管1に当接させる。これにより、第1通路6または第2通路7は、単に嵌め合わされている多重管と比べてその剛性を上げることが可能となる。また、多重管の外から伝わる振動等、あるいは、多重管の内部で生じる振動等による異音の発生を防止し、内管1の保護対象(光ファイバー・内視鏡等)の保護が可能となる。
【0041】
また、上記実施の形態における多重管によれば、第1通路6または第2通路7は、外部の温度がより高温となった場合でも、通路の間隙を大きくすることや連結管13、連結管14の第1流体(例えば、水)や第2流体(例えば空気)の流量を多くする等により、内管1の内部温度を制御できる。
【0042】
また、上記実施の形態における多重管によれば、軸方向一端側における連絡部8は、軸方向他端側においては、第1流体が連結管13を通して第1通路6に挿入でき、軸方向一端側における連絡部8まで流れた後折り返して連結管14を通して排出されることで、第1流体は第1通路6を循環できる。
【0043】
次に、本発明の実施形態に係る多重管の変形例について説明する。
【0044】
上記実施の形態においては、第1外管4の山部および谷部は軸方向に延在している。また、第1中央管2の山部および谷部は軸方向に延在している。これに対して、変形例においては、第1外管4の山部および谷部は軸回りにねじれるように螺旋状にカーブして形成される。また、第1中央管2の山部および谷部は軸回りにねじれるように螺旋状にカーブして形成される。
【0045】
変形例においては、第1外管4と第1中央管2とが山部及び谷部が螺旋状にカーブすることにより、山部および谷部に沿って流れる第1流体、第2流体の流れもカーブする。このとき、第1流体、第2流体はカーブの外側の領域に集まるように流れるため、カーブの内側の領域で第1流体、第2流体に乱流が発生しやすくなる。ねじれる角度(ねじれ角)は、媒体の乱流が発生する角度から流れに支障を来す角度の範囲の間であればどのような角度であってもよい。ねじれ角の一例としては2度から45度であることが好ましい。ここで、ねじれ角とは、山部の頂または谷部の底の螺旋と、その上の一点を通る軸に平行な直線とがなす角である。
【0046】
変形例においては、第2外管5の外径を大きくすることなく、周壁を長くするために、第1中央管2や第1外管4に山部及び谷部を設けることによって、流路を確保し、第1流体と第1外管4、第2流体と第1中央管2とが接触する面積を広くすることができる。さらに第1外管4の谷部を第2中央管3に当接させることで熱伝導により、熱が伝わり、第1外管4と第2中央管3との熱交換を効果的に行うことが可能となる。また、第1中央管2の谷部を内管1に当接させることにより、熱が伝わりやすくなり第1中央管2と内管1の熱交換を効果的に行うことが可能となる。
【0047】
さらに、変形例においては、第1外管4と第1中央管2の山部及び谷部を螺旋状にカーブするように形成する場合には、第1通路6に第1流体を流し、第2通路7に第2流体を流した場合、流れに乱流を発生させやすくできる。媒体の乱流によって、熱移動が活発に行われることとなり、第1流体と第2流体との熱交換を効果的に行うことが可能となることで内管1の内部温度を低く保持できる。
【0048】
なお、上記実施形態および変形例では、第1通路6に第1流体(例えば水)を流し、第2通路7に第2流体(例えば空気)を流したが、多重管の用途に応じて、他の異なる流体をそれぞれ流してもよい。又、螺旋状に変形させることで長手方向(全長)において、外部からの応力に均一に耐えられる。
【0049】
以上説明した実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 内管 2 第1中央管 3 第2中央管 4 第1外管 5 第2外管
6 第1通路 7 第2通路 8 連絡部 8a 環状板 9 開口部
10 開口部 11 開口部 12 開口部 13 連結管 13a 中継管
14 連結管 14a 中継管 15 連結管 15a 中継管 16 耐熱ガラス