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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】電気式毛切断装置のアタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/42 20060101AFI20240209BHJP
   B26B 19/06 20060101ALI20240209BHJP
   B26B 19/20 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
B26B19/42
B26B19/06 C
B26B19/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020023726
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021126399
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】高野 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小川 仁志
(72)【発明者】
【氏名】側垣 智
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-117911(JP,A)
【文献】特開2008-012301(JP,A)
【文献】特開平08-000848(JP,A)
【文献】特開2003-181166(JP,A)
【文献】特開2008-136782(JP,A)
【文献】特開平11-057246(JP,A)
【文献】実開昭50-041771(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B19/00-19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃部を有する電気式毛切断装置に着脱可能に装着され、前記刃部の一方側を肌に当てて使用する第1の使用態様と、前記刃部の他方側を肌に当てて使用する第2の使用態様と、を選択することが可能な電気式毛切断装置のアタッチメントであって、
前記電気式毛切断装置に装着した状態で前記刃部の周囲に配置される櫛部を備え、
前記櫛部は、前記第1の使用態様を選択した場合に前記肌に接触する一方の肌当て面と、前記第2の使用態様を選択した場合に前記肌に接触する他方の肌当て面と、前記一方の肌当て面側および前記他方の肌当て面側に形成された起毛溝部と、を有し、先端側が先細りとなるように形成されている第1の櫛を備える、
電気式毛切断装置のアタッチメント。
【請求項2】
前記櫛部は、前記第1の使用態様を選択した場合に前記第1の櫛の一方の肌当て面とともに前記肌に接触する一方の肌当て面と、前記第2の使用態様を選択した場合に前記第1の櫛の他方の肌当て面とともに前記肌に接触する他方の肌当て面と、を有し、先端側が先細りとなるように形成されており、前記第1の使用態様を選択した場合には前記他方の肌当て面により起毛され、前記第2の使用態様を選択した場合には前記一方の肌当て面により起毛される第2の櫛をさらに備える、
請求項1に記載の電気式毛切断装置のアタッチメント。
【請求項3】
少なくとも1つの前記第1の櫛と複数の前記第2の櫛とが、2つの前記第2の櫛の間に1つ以上の前記第1の櫛が配置される組み合わせが1つ以上存在するように並設されている、
請求項2に記載の電気式毛切断装置のアタッチメント。
【請求項4】
前記櫛部には、前記組み合わせが複数連続して並置される部位が存在しており、
連続して並置される前記組み合わせにおいては、前記第2の櫛同士が隣り合わないように並設されている、
請求項3に記載の電気式毛切断装置のアタッチメント。
【請求項5】
前記櫛部の両端部には、使用時の毛の切断範囲を規定するための肌当て面を有し、前記櫛部を補強するための保護部材が形成されており、
前記保護部材は、輪郭形状が前記第2の櫛と略同一で、厚さが前記第2の櫛よりも厚い、
請求項2から4のうちいずれか1項に記載の電気式毛切断装置のアタッチメント。
【請求項6】
前記一方の肌当て面および前記他方の肌当て面は、前記刃部が有する可動刃の移動方向に沿って見たときに、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面であり、
前記一方の肌当て面側の起毛溝部は、前記一方の肌当て面の先端部に、内側に向けて凸形状に形成されており、
前記他方の肌当て面側の起毛溝部は、前記他方の肌当て面の先端部に、内側に向けて凸形状に形成されている、
請求項2から5のうちいずれか1項に記載の電気式毛切断装置のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気式毛切断装置のアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、次の特許文献1に開示されているように、電気式毛切断装置に装着可能なアタッチメントが提案されている。
【0003】
この特許文献1では、電気式毛切断装置にアタッチメントを装着させて、電気式毛切断装置の刃部の周囲にアタッチメントを配置させることで、肌に直接刃先を当てることなく安全に毛を切断することができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-117911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなアタッチメントを用いる場合、切断時に寝ている毛をより確実に起毛させられるようにするのが好ましい。
【0006】
そこで、本開示は、寝ている毛をより確実に起毛させることが可能な電気式毛切断装置のアタッチメントを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかる電気式毛切断装置のアタッチメントは、刃部を有する電気式毛切断装置に着脱可能に装着され、前記刃部の一方側を肌に当てて使用する第1の使用態様と、前記刃部の他方側を肌に当てて使用する第2の使用態様と、を選択することが可能である。この電気式毛切断装置のアタッチメントは、前記電気式毛切断装置に装着した状態で前記刃部の周囲に配置される櫛部を備える。そして、前記櫛部は、前記第1の使用態様を選択した場合に前記肌に接触する一方の肌当て面と、前記第2の使用態様を選択した場合に前記肌に接触する他方の肌当て面と、前記一方の肌当て面側および前記他方の肌当て面側に形成された起毛溝部と、を有する第1の櫛を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、寝ている毛をより確実に起毛させることが可能な電気式毛切断装置のアタッチメントを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態にかかる電気式毛切断装置を示す側面図。
図2】実施の形態にかかる電気式毛切断装置のカバーを外した状態を示す側面図。
図3】実施の形態にかかる刃ユニットを示す斜視図。
図4】実施の形態にかかる刃ユニットを分解して示す斜視図。
図5】実施の形態にかかる電気式毛切断装置の固定刃桟を肌に当てて使用する例を示す断面図。
図6】実施の形態にかかる電気式毛切断装置の可動刃桟を肌に当てて使用する例を示す断面図。
図7】電気式毛切断装置と、当該電気式毛切断装置に装着されていない状態のアタッチメントとを示す側面図。
図8】電気式毛切断装置にアタッチメントを装着させた状態を示す側面図。
図9】実施の形態にかかるアタッチメントを示す斜視図。
図10図8のA-A断面図。
図11図8のB-B断面図。
図12】アタッチメントを装着させた電気式毛切断装置の使用方法の一例を示す図。
図13】アタッチメントを装着させた電気式毛切断装置を第1の使用形態で用いた場合に毛が切断される様子を説明する図。
図14】アタッチメントを装着させた電気式毛切断装置を第2の使用形態で用いた場合に毛が切断される様子を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0011】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
また、以下の実施の形態では、電気式毛切断装置として、人または動物の体毛、毛髪である眉毛を主に切断するトリマーを例示する。
【0013】
ここで、本実施の形態では、トリマーのグリップ部の長手方向を上下方向Zとし、トリマーのグリップ部の幅方向を幅方向Yとし、上下方向Zおよび幅方向Yに直交する方向を前後方向Xとする。
【0014】
また、本実施の形態では、グリップ部のヘッド部が配置される側を上下方向の上方とし、グリップ部のスイッチ部が設けられている側を前後方向の前方とする。
【0015】
さらに、本実施の形態では、可動刃の直線往復方向(可動刃の往復摺動方向)を刃移動方向Wとする。
【0016】
(実施の形態)
本実施の形態にかかるトリマー(電気式毛切断装置)10は、図1図4に示すように、手で把持することが可能なグリップ部20と、刃ユニット40が設けられ、グリップ部20に支持されるヘッド部30と、を備えている。このトリマー10は、例えば、使用者等の眉毛Hを所望の長さにカットすることで、使用者等の眉毛Hを処理したり整えたりするための装置である。
【0017】
[トリマーの構成の一例]
次に、トリマー10の構成の一例を説明する。
【0018】
本実施の形態では、トリマー10は、合成樹脂製のハウジング11を備えており、このハウジング11は、複数の分割体を継ぎ合わせることで形成されている。そして、分割体を継ぎ合わせて形成したハウジング11の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。これら複数の分割体は、例えば、ねじを用いたり、分割体同士を嵌合させたりすることで継ぎ合わせることができる。
【0019】
本実施の形態では、ハウジング11の内部に形成される空洞内には、電気モータ(図示せず)、電気モータを駆動する電源部(図示せず)等が収容されている。さらに、ハウジング11の内部に形成される空洞内には、電気モータの回転運動を並進運動に変換する運動変換部60が収容されている。この運動変換部60としては、従来公知のものを用いることができる。本実施の形態では、後述するブッシュ43の駆動稈43aに接続されるアーム部61を備え、電気モータの回転運動をアーム部61の直線往復運動に変換する運動変換部60がハウジング11の内部に収容されている。
【0020】
また、上述したように、本実施の形態では、トリマー10は、グリップ部20およびヘッド部30を備えている。
【0021】
グリップ部20は、上下方向Zに細長い円筒状をしており、使用者が片手で把持することができる程度の大きさに形成されている。
【0022】
ヘッド部30は、グリップ部20の上下方向Zの上方に一体に連設されており、このヘッド部30には、眉毛(毛)Hを切断する機能を有する刃ユニット40が設けられている(図2参照)。本実施の形態では、刃ユニット40は、図5および図6に示すように、可動プレート(可動刃)45と固定プレート(固定刃)46とを互いに対向するように配置することで形成される刃部(電気式毛切断装置の刃)44を備えている。この刃部44は、可動プレート45の後述する可動刃桟452が固定プレート46の後述する固定刃桟462に対して刃移動方向Wに往復摺動するように構成されている。
【0023】
さらに、刃ユニット40は、図3および図4に示すように、刃部44が配置される合成樹脂製の基台部41を備えている。また、刃ユニット40は、固定プレート46に固定され、可動プレート45を固定プレート46側に押圧する押圧ばね42と、可動プレート45にヒートシールにより固定されたブッシュ43と、を備えている。
【0024】
基台部41は、刃ユニット40をグリップ部20に取り付けた状態で、ヘッド部30の外郭の一部をなす部材である(図2参照)。この基台部41には、固定プレート46を係合し、固定プレート46の基台部41からの抜けを抑制するフック部41aと、固定プレート46の位置ずれを抑制する位置決め突起41bと、押圧ばね42の位置ずれを抑制するリブ41cと、を備えている。
【0025】
押圧ばね42は、可動プレート45を固定プレート46側に押圧することで、可動刃桟452と固定刃桟462とをより確実に摺接させるための部材である。この押圧ばね42は、フック部41aおよび位置決め突起41bに挿通される挿通孔42aと、リブ41cに挿通される位置決め孔42bと、固定プレート46が固定される固定片42cと、を備えている。本実施の形態では、挿通孔42aは、フック部41aおよび位置決め突起41bよりも大きくなるように形成されており、位置決め孔42bは、内径が位置決め突起41bの外径とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。したがって、位置決め孔42bに位置決め突起41bを挿通させることで、押圧ばね42の基台部41に対する位置決めがなされる。
【0026】
ブッシュ43は、可動プレート45に取り付けられる駆動連結部材である。このブッシュ43は、運動変換部60のアーム部61が接続される一対の駆動稈43aと、一対の駆動稈43aの間に形成される突起部43bと、を備えている。
【0027】
可動プレート45は、本体部451を備えている。この本体部451には、フック部41aおよび位置決め突起41bに挿通される挿通孔451aと、突起部43bが挿通される挿通孔451bと、一対の駆動稈43aがそれぞれ挿通される一対の挿通孔451cが形成されている。そして、突起部43bを挿通孔451bに挿通しつつ、一対の駆動稈43aを一対の挿通孔451cにそれぞれ挿通した状態で、ヒートシール加工を施すことでブッシュ43を可動プレート45に固定している。
【0028】
なお、本実施の形態では、挿通孔451aは、フック部41aおよび位置決め突起41bよりも大きくなるように形成されている。そして、挿通孔451aにフック部41aおよび位置決め突起41bを挿通した状態で、可動プレート45が基台部41に対して少なくとも刃移動方向Wに往復移動できるようにしている。
【0029】
また、可動プレート45は、本体部451の一端側に、刃移動方向Wに並設された複数の可動刃桟452と、隣り合う可動刃桟452の間に形成された複数の可動刃溝453と、を備えている。
【0030】
固定プレート46は、本体部461を備えている。この本体部461には、フック部41aに係合する係合孔461aと、位置決め突起41bに挿通される挿通孔461bが形成されている。そして、フック部41aを係合孔461aに係合させつつ、位置決め突起41bを挿通孔461bに挿通することで、固定プレート46が基台部41に固定されるようにしている。このとき、固定プレート46は、基台部41に対する刃移動方向Wへの相対移動が規制された状態で、基台部41に固定されている。
【0031】
また、固定プレート46は、本体部461の一端側に、刃移動方向Wに並設された複数の固定刃桟462と、隣り合う固定刃桟462の間に形成された複数の固定刃溝463と、を備えている。
【0032】
このような構成をした刃ユニット40は、例えば、下記に示す方法で組み立てることができる。なお、下記に示す方法は一例に過ぎず、刃ユニット40は、様々な方法で組み立てることができる。
【0033】
まず、押圧ばね42の挿通孔42aに、基台部41のフック部41aおよび位置決め突起41bを挿通させつつ、位置決め孔42bに位置決め突起41bを挿通させることで、押圧ばね42を基台部41に位置決めがなされた状態で取り付ける。
【0034】
次に、突起部43bを挿通孔451bに挿通しつつ、一対の駆動稈43aを一対の挿通孔451cにそれぞれ挿通した状態で、ヒートシール加工を施すことでブッシュ43を可動プレート45に一体化させる。なお、ブッシュ43を可動プレート45に一体化させたものを予め用意してから刃ユニット40を組み立てることも可能である。
【0035】
次に、ブッシュ43を一体化させた可動プレート45の挿通孔451aに基台部41のフック部41aおよび位置決め突起41bを挿通させることで、可動プレート45を押圧ばね42上に配置する。
【0036】
次に、固定プレート46の係合孔461aに基台部41のフック部41aを係合させつつ、挿通孔461bに位置決め突起41bを挿通することで、固定プレート46を基台部41に固定する。このとき、固定プレート46の根元側(固定刃桟462および固定刃溝463が形成される側とは反対側)の端部に押圧ばね42の固定片42cが固定されるようにする。
【0037】
こうすることで、図3に示す刃ユニット40が組み立てられる。
【0038】
そして、本実施の形態では、図3に示す刃ユニット40がグリップ部20に着脱可能に取り付けられている。なお、本実施の形態では、刃ユニット40をグリップ部20に取り付けた状態で、可動刃桟452および固定刃桟462が前後方向Xの前方に突出するようにしている。
【0039】
また、刃ユニット40は、ブッシュ43の駆動稈43aをアーム部61に接続させた状態でグリップ部20に取り付けられている。こうすることで、電気モータを駆動させた際に、アーム部61の刃移動方向Wへの往復動に連動して、可動プレート45が固定プレート46に対して刃移動方向Wに往復運動するようにしている。
【0040】
そして、刃ユニット40をグリップ部20に取り付けた状態で、固定プレート46側をカバー50で覆うことで、刃部44を有するヘッド部30が形成される。このとき、可動刃桟452および固定刃桟462の先端側がヘッド部30の外殻を構成するハウジング31から露出するようにしている。
【0041】
さらに、本実施の形態では、トリマー10は、刃移動方向(可動刃の往復摺動方向)Wと上下方向(グリップ部20の長手方向)とのなす角度θ1が鋭角となるように構成されている。この角度θ1は、トリマー10を用いて眉毛(毛)Hを切断するときの操作性に基づいて決められるものであり、45°以下とするのが好ましい。
【0042】
こうすることで、トリマー10を主操作方向である幅方向Yの一方向に移動させる場合の操作感と、幅方向Yの他方に移動させる場合の操作感との差を低減することができる。その結果、幅方向Yの一方側と他方側の両方向で、違和感なく使用することができるようになって、トリマー10の使い勝手をより向上させることができるようになる。
【0043】
具体的には、図5に示すように、刃部44の固定プレート(固定刃)46側を対象部位の一例である肌(肌面)Sに当てることにより眉毛(毛)Hをカットすることができるようにしている。
【0044】
また、図6に示すように、刃部44の可動プレート(可動刃)45側を対象部位の一例である肌(肌面)Sに当てることにより眉毛(毛)Hをカットすることもできるようにしている。
【0045】
また、本実施の形態では、ハウジング11には、トリマー10を動作させる(電源をオン・オフさせる)スライド式の操作スイッチ21が形成されている。なお、本実施の形態ではスイッチとしてスライド式の操作スイッチ21を例示したが、電源をオン・オフできるスイッチであれば押圧式やその他のスイッチであってもよい。
【0046】
本実施の形態では、操作スイッチ21は、グリップ部20の前面(正面:外面)20aに、上下方向Zにスライドできるように設けられている。具体的には、上下方向Zの下方側から上方側に向けて操作スイッチ21をスライドさせることで、トリマー10の電源がオフからオンに切り替えられるようになっている。また、上下方向Zの上方側から下方側に向けて操作スイッチ21をスライドさせることで、トリマー10の電源がオンからオフに切り替えられるようになっている。
【0047】
このように、本実施の形態では、操作スイッチ21を上方にスライドさせることで、トリマー10の電源がオフからオンに切り替わるようにしている。そして、トリマー10の電源がオフからオンに切り替わることで、電気モータが駆動して、電気モータの回転が運動変換部60によってアーム部61の直線往復運動に変換されることになる。そして、アーム部61が直線往復運動することで、可動プレート45が固定プレート46に対して直線往復運動することになる。そして、可動刃桟452が固定刃桟462に対して往復摺動し、固定刃溝463と可動刃溝453との間に導入された眉毛(毛)Hが、可動刃桟452と固定刃桟462とではさみ切断されるようにしている。
【0048】
なお、本実施の形態では、可動刃桟452は、固定刃桟462に対して平面密着させた状態で往復摺動するようにしている。すなわち、可動プレート45を固定プレート46に対して直線往復運動させた際に、可動プレート45および固定プレート46が摺接面P1で摺接するようにしている。
【0049】
また、本実施の形態では、トリマー10に、切断される眉毛(毛)Hの長さ(切断後の長さ)を調節するアタッチメント100が着脱可能に装着できるようになっている。
【0050】
[アタッチメントの構成の一例]
次に、アタッチメント100の構成の一例について説明する。
【0051】
アタッチメント100は、トリマー10に着脱可能に装着されて、固定刃桟462と可動刃桟452との間に導入される眉毛(毛)Hの長さ(切断後の長さ)を調節するものである。具体的には、図12に示すように、眉毛(毛)Hの外側から内側に向けてトリマー10に装着されたアタッチメント100を移動させることで、眉毛(毛)Hの長さ(切断後の長さ)を調節するものである。
【0052】
本実施の形態では、アタッチメント100は、トリマー10に対して、刃移動方向Wに相対移動させることで、トリマー10に装着されるように構成されている(図7および図8参照)。
【0053】
このアタッチメント100は、図9に示すように、刃部44を有するヘッド部30が挿入される挿入孔120が中央に形成された略環状の櫛部110を備えており、例えば、合成樹脂材料を用いて形成することができる。そして、ヘッド部30の上端を挿入孔120に挿入させてアタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、櫛部110が刃部44の周囲に配置されるようにしている。
【0054】
なお、アタッチメント100およびトリマー10には、互いに係合する係合部(図示せず)が形成されており、トリマー10に装着させたアタッチメント100が外れてしまうことをより確実に抑制できるようになっている。
【0055】
櫛部110は、一方向(刃移動方向W)に離間した状態で配置される複数の櫛130と、複数の櫛130を連結する連結部140と、を備えている。さらに、櫛部110は、櫛部110の刃移動方向Wの両端に配置され、櫛部110(アタッチメント100)の強度を高める(補強する)ための保護部材150を備えている。この保護部材150は、連結部140によって両側に配置された櫛130に連結されており、アタッチメント100を使用する際に、眉毛(毛)Hの切断範囲(刃移動方向Wの範囲)を規定するものである。
【0056】
上述したように、本実施の形態では、複数本の櫛130が刃移動方向Wに沿って離間配置された状態で並設されている。こうすることで、刃移動方向Wで隣り合う櫛130の間に、櫛130によって案内された眉毛(毛)Hを内側(固定刃桟462と可動刃桟452との間)に導入することが可能な導入孔160が形成されるようにしている。
【0057】
ここで、本実施の形態では、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、アタッチメント100には、刃部44の両側(固定刃桟462側および可動刃桟452側)から先端にかけて導入孔160が形成されるようにしている。
【0058】
そして、複数の櫛130には、固定刃桟462側を下方に位置させた状態で肌(肌面)Sに接触する一方の肌当て面130aと、可動刃桟452側を下方に位置させた状態で肌(肌面)Sに接触する他方の肌当て面130bと、が形成されるようにしている。
【0059】
また、保護部材150には、固定刃桟462側を下方に位置させた状態で肌(肌面)Sに接触する一方の肌当て面152aと、可動刃桟452側を下方に位置させた状態で肌(肌面)Sに接触する他方の肌当て面152bと、が形成されるようにしている。
【0060】
このように、本実施の形態のアタッチメント100は、刃部44の一方側(固定刃桟462側)を肌Sに当てて使用する第1の使用態様と、刃部44の他方側(可動刃桟452側)を肌Sに当てて使用する第2の使用態様と、を選択できるように構成されている。
【0061】
すなわち、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、複数の櫛130および保護部材150の幅方向Yの両側に肌当て面が設けられるようにすることで、刃部44の両側で眉毛Hの長さ(切断後の長さ)を調節できるようにしている。
【0062】
こうすれば、アタッチメント100が装着されたトリマー10の操作性をより向上させたり、剃り効率をより向上させたりすることができるようになる。
【0063】
ここで、アタッチメント100を装着したトリマー10を使用した後の眉毛Hの長さ(切断後の長さ)は、肌当て面(平面)130a,130bからカットポイント(可動刃桟452および固定刃桟462の摺接面P1)までの距離で決まるものである。
【0064】
本実施の形態では、櫛130の内面側に、対になる係合突部130cが互いに対向するように形成されている。この係合突部130cは、アタッチメント100をトリマー10に装着する際に、ヘッド部30のハウジング31に形成された一対の係合溝31aにそれぞれ挿入されるものである。そして、係合突部130cを係合溝31aに係合させることで、アタッチメント100のヘッド部30に対する相対移動が抑制されるようにしている。こうすることで、肌当て面(平面)130a,130bからカットポイントまでの距離が所定の距離となるようにしている。
【0065】
なお、肌当て面(平面)130a,130bからカットポイントまでの距離を変えると、眉毛Hの長さ(切断後の長さ)も変化することになる。
【0066】
すなわち、肌当て面(平面)130a,130bからカットポイントまでの距離を変化させるようにすれば、眉毛Hの長さ(切断後の長さ)を所望の長さに設定することができるようになる。
【0067】
本実施の形態では、眉毛Hの長さ(切断後の長さ)を段階的に変化させることができるようにしている。
【0068】
具体的には、櫛130の内面側の3か所に、互いに対向して対になる係合突部130cが形成されており、それぞれの対になる係合突部130cが一対の係合溝31aとそれぞれ係合できるようになっている(図10参照)。
【0069】
そして、一対の係合溝31aに係合させる対になる係合突部130cを適宜選択することで、眉毛Hの長さ(切断後の長さ)を3種類の中から選択することができるようにしている。
【0070】
ところで、寝た毛を切断して所望の切断後の長さに揃えるためには、刃部44で切断する際に毛を起毛させた状態で切断する必要がある。
【0071】
そのため、本実施の形態では、櫛130および保護部材150を、頂部130c,152c側が先細りとなるように形成し、切断時に寝ている毛をより確実に起毛させることができるようにしている。
【0072】
具体的には、櫛部110は、一方の肌当て面130a,152aと他方の肌当て面130b,152bとのなす角度が鋭角となるように形成されている。この角度は、例えば、70°以下となるようにするのが好ましい。こうすることで、櫛130および保護部材150の肌当て面を、寝ている毛を起毛させる起毛部として機能させるようにしている。
【0073】
なお、本実施の形態では、櫛130および保護部材150は、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、摺接面P1の延長上に頂部130c,152cが位置するように形成されている(図10および図11参照)。こうすることで、第1の使用態様および第2の使用態様のいずれを選択した場合であっても、ほぼ同等の起毛力が得られるようにしている。
【0074】
しかしながら、本実施の形態のように、寝ている毛が比較的多い眉毛Hを切断して所望の長さに揃える場合には、眉毛Hを十分に起毛させることができず、切断後の長さを狙いの短さに揃えることが難しくなってしまう場合がある。
【0075】
このように、切断後の長さを狙いの短さに揃えることができない場合、同じ毛を何度も切断して狙いの短さに揃えなければならず、手間がかかってしまう。
【0076】
そこで、本実施の形態では、眉毛Hのように寝ている毛が比較的多い毛を切断する場合であっても、より確実に起毛させ、より素早く狙いの短さにカットすることができるようにしている。
【0077】
具体的には、櫛130が比較的起毛力の高い起毛櫛(第1の櫛)1310を備えるようにしている。
【0078】
本実施の形態では、起毛櫛(第1の櫛)1310は、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、ヘッド部30のハウジング31と対向するように配置される本体部1311を備えている。また、起毛櫛(第1の櫛)1310は、本体部1311に連設されて、使用時に眉毛Hを整毛させたりする整毛部1312を備えている。
【0079】
整毛部1312は、先端側が先細りとなるように形成されており、この整毛部1312の本体部1311側における刃部44の両側(幅方向Yの両側)には、刃移動方向Wに沿って見たときに、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面が形成されている。
【0080】
本実施の形態では、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面が、使用時に肌Sに接触する肌当て面となっている。具体的には、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、幅方向Yの一方側(固定刃桟462側)に位置する平坦面が、第1の使用態様を選択した場合に肌Sに接触する一方の肌当て面1312aとなっている(図13参照)。そして、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、幅方向Yの他方側(可動刃桟452側)に位置する平坦面が、第2の使用態様を選択した場合に肌Sに接触する他方の肌当て面1312bとなっている(図14参照)。
【0081】
さらに、本実施の形態では、先細りとなる起毛櫛(第1の櫛)1310の先端部をさらに細くすることで、寝ている毛が多い眉毛Hの起毛性をより高めることができるようにしている。
【0082】
具体的には、整毛部1312が、一方の肌当て面1312aの先端に連設されるように形成された起毛溝1312dと、他方の肌当て面1312bの先端に連設されるように形成された起毛溝1312cと、を備えるようにしている。
【0083】
本実施の形態では、一方の肌当て面1312aの先端側には、内側に向けて凸となる起毛溝1312dが一方の肌当て面1312aの先端に連設されるように形成されている。また、他方の肌当て面1312bの先端側にも、内側に向けて凸となる起毛溝1312cが他方の肌当て面1312bの先端に連設されるように形成されている。
【0084】
そして、起毛溝1312dの先端と起毛溝1312cの先端とが頂部1312eにより連結されるようにしている。
【0085】
このように、本実施の形態では、整毛部1312は、先端が抉られたような形状をしており、この先端側の抉られた部分で寝ている毛(眉毛H)を掬い上げるようにすることで、寝ている毛(眉毛H)を起毛させるようにしている。
【0086】
具体的には、第1の使用態様を選択し、一方の肌当て面1312aを肌Sに接触させたときには、他方の肌当て面1312bの先端に連設されるように形成された起毛溝1312cを、寝ている毛を起毛させる起毛部として機能させるようにしている(図13参照)。
【0087】
一方、第2の使用態様を選択し、他方の肌当て面1312bを肌Sに接触させたときには、一方の肌当て面1312aの先端に連設されるように形成された起毛溝1312dを、寝ている毛を起毛させる起毛部として機能させるようにしている(図14参照)。
【0088】
このように、起毛櫛(第1の櫛)1310を画成する幅方向Yの両側の面は、いずれも、起毛部としての機能を持たせたり、肌当て部としての機能を持たせたりすることができるように構成されている。
【0089】
こうすることで、刃部44の両側の起毛力をより向上させることができるようにしている。
【0090】
ただし、複数の櫛130の全てを起毛櫛(第1の櫛)1310とすると、刃部44の両側に起毛溝1312c,1312dが形成されているため、アタッチメント100を使用する際に肌Sが起毛溝1312c,1312d内に食い込みすぎてしまう場合がある。このように、肌Sが起毛溝1312c,1312d内に食い込みすぎてしまうと、肌Sからカットポイントまでの距離が場所によって変化してしまい、眉毛Hの長さ(切断後の長さ)が不均一になってしまう場合がある。
【0091】
そこで、本実施の形態では、櫛130が、起毛櫛(第1の櫛)1310よりも起毛力が低く、主に肌当てとしての機能を有する肌当て櫛(第2の櫛)1320も備えるようにし、肌Sの起毛溝1312c,1312d内への食い込みすぎを抑制できるようにした。
【0092】
すなわち、起毛と肌当ての2つの機能を持つ起毛櫛(第1の櫛)1310と、刈高さを狙いの高さに揃えるための肌当て面としての機能を持たせた肌当て櫛(第2の櫛)1320とを混在させたものを複数の櫛130としている。
【0093】
本実施の形態では、肌当て櫛(第2の櫛)1320は、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、ヘッド部30のハウジング31と対向するように配置される本体部1321を備えている。また、肌当て櫛(第2の櫛)1320は、本体部1321に連設されて、使用時に眉毛Hを整毛させたりする整毛部1322を備えている。
【0094】
整毛部1322は、先端側が先細りとなるように形成されており、この整毛部1322の本体部1321側における刃部44の両側(幅方向Yの両側)には、刃移動方向Wに沿って見たときに、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面が形成されている。
【0095】
本実施の形態では、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面が、使用時に肌Sに接触する肌当て面となっている。具体的には、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、幅方向Yの一方側(固定刃桟462側)に位置する平坦面が、第1の使用態様を選択した場合に肌Sに接触する一方の肌当て面1322aとなっている(図13参照)。また、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、幅方向Yの他方側(可動刃桟452側)に位置する平坦面が、第2の使用態様を選択した場合に肌Sに接触する他方の肌当て面1322bとなっている(図14参照)。
【0096】
なお、第1の使用態様を選択した場合には、他方の肌当て面1322bが、起毛櫛(第1の櫛)1310よりも低い起毛力で眉毛Hを起毛するようになっている。また、第2の使用態様を選択した場合には、一方の肌当て面1322aが、起毛櫛(第1の櫛)1310よりも低い起毛力で眉毛Hを起毛するようになっている。
【0097】
そして、一方の肌当て面1322aの先端と他方の肌当て面1322bの先端とが頂部1322cにより連結されるようにしている。
【0098】
このように、本実施の形態では、肌当て櫛(第2の櫛)1320の整毛部1322には、起毛溝が形成されていない。したがって、肌当て櫛(第2の櫛)1320は、刃移動方向Wに沿って見たときの輪郭形状が、起毛櫛(第1の櫛)1310の輪郭形状とは異なっている。
【0099】
また、本実施の形態では、保護部材150の輪郭形状(刃移動方向Wに沿って見たときの輪郭形状)が、肌当て櫛(第2の櫛)1320の輪郭形状と略同一となっている。
【0100】
すなわち、保護部材150は、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、ヘッド部30のハウジング31と対向するように配置される本体部151を備えている。また、保護部材150は、本体部151に連設されて、使用時に眉毛Hを整毛させたりする整毛部152を備えている。
【0101】
整毛部152は、先端側が先細りとなるように形成されており、この整毛部152の本体部151側における刃部44の両側(幅方向Yの両側)には、刃移動方向Wに沿って見たときに、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面が形成されている。
【0102】
本実施の形態では、先端側かつ内側に向けて傾斜する平坦面が、使用時に肌Sに接触し、切断範囲を規定する肌当て面となっている。具体的には、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、幅方向Yの一方側(固定刃桟462側)に位置する平坦面が、第1の使用態様を選択した場合に肌Sに接触する一方の肌当て面152aとなっている。そして、アタッチメント100をトリマー10に装着した状態で、幅方向Yの他方側(可動刃桟452側)に位置する平坦面が、第2の使用態様を選択した場合に肌Sに接触する他方の肌当て面152bとなっている。
【0103】
そして、一方の肌当て面152aの先端と他方の肌当て面152bの先端とが頂部152cにより連結されている。
【0104】
上述したように、保護部材150は、櫛部110(アタッチメント100)の強度を高める(補強する)ための部材である。そのため、本実施の形態では、保護部材150は、厚さ(刃移動方向Wの幅)が、肌当て櫛(第2の櫛)1320の厚さ(刃移動方向Wの幅)よりも厚くなるように形成されている。
【0105】
なお、本実施の形態では、起毛櫛(第1の櫛)1310の厚さ(刃移動方向Wの幅)と肌当て櫛(第2の櫛)1320の厚さ(刃移動方向Wの幅)はほぼ同一となっている。そのため、保護部材150の厚さ(刃移動方向Wの幅)は、起毛櫛(第1の櫛)1310の厚さ(刃移動方向Wの幅)よりも厚くなっている。
【0106】
そして、このような保護部材150を櫛部110の刃移動方向Wの両端に配置することで、この一対の保護部材150によって、アタッチメント100を使用する際の眉毛(毛)Hの切断範囲(刃移動方向Wの範囲)が規定されるようにしている。
【0107】
さらに、本実施の形態では、起毛櫛(第1の櫛)1310の一方の肌当て面1312a、肌当て櫛(第2の櫛)1320の一方の肌当て面1322aおよび保護部材150の一方の肌当て面152aが略面一となっている。
【0108】
同様に、起毛櫛(第1の櫛)1310の他方の肌当て面1312b、肌当て櫛(第2の櫛)1320の他方の肌当て面1322bおよび保護部材150の他方の肌当て面152bが略面一となっている。
【0109】
したがって、第1の使用態様を選択した場合、一方の肌当て面1321a,1322a,152aが肌Sに接触し、第2の使用態様を選択した場合、他方の肌当て面1321b,1322b,152bが肌Sに接触することになる。
【0110】
このとき、起毛櫛(第1の櫛)1310による起毛力を向上させるためには、櫛部110の2か所(2つの肌当て面)を肌Sに当てる必要がある。すなわち、2つの肌当て面の間に起毛櫛(第1の櫛)1310を存在させるようにする必要がある。
【0111】
そこで、本実施の形態では、2つの肌当て櫛(第2の櫛)1320の間に1つ以上の起毛櫛(第1の櫛)1310が配置される組み合わせCが1つ以上存在するように、2種類の櫛を並設させている(図9参照)。
【0112】
すなわち、少なくとも1つの起毛櫛(第1の櫛)1310と複数の肌当て櫛(第2の櫛)1320とが、2つの肌当て櫛1320の間に1つ以上の起毛櫛1310が配置される組み合わせCが1つ以上存在するように並設されるようにしている。
【0113】
本実施の形態では、2つの肌当て櫛(第2の櫛)1320の間に1つ以上の起毛櫛(第1の櫛)1310が配置される組み合わせCが2つ存在するようにしている。
【0114】
具体的には、図9に示すように、刃移動方向Wの上端(保護部材150と隣り合う位置)に、肌当て櫛(第2の櫛)1320を配置している。そして、上端に配置された肌当て櫛(第2の櫛)1320の下側には、2つの起毛櫛(第1の櫛)1310が連続して並置されており、さらにその下側に1つの肌当て櫛(第2の櫛)1320が配置されている。そして、このような組み合わせCが2つ連続して並置されている。
【0115】
このとき、上下両隣に起毛櫛(第1の櫛)1310が配置される肌当て櫛(第2の櫛)1320が、刃移動方向Wの一方側の組み合わせCと他方側の組み合わせCとを兼ねるようにしている。
【0116】
そして、起毛櫛(第1の櫛)1310および肌当て櫛(第2の櫛)1320を上述のように配置すれば、連続して並置される2つの組み合わせCにおいて、肌当て櫛(第2の櫛)1320同士が刃移動方向Wで隣り合わないようにすることができる。すなわち、肌当て櫛(第2の櫛)1320同士が刃移動方向Wで一部隣り合わないようにすることができる。
【0117】
こうすれば、2か所(2つの肌当て櫛1320)を肌Sに当てた状態で、その間に存在する起毛櫛(第1の櫛)1310によって寝ている毛を起毛させるようになるため、起毛櫛(第1の櫛)1310による起毛効率をより向上させることが可能となる。
【0118】
また、起毛櫛(第1の櫛)1310を介して隣り合う2つの肌当て櫛(第2の櫛)1320間の距離は、起毛効果を奏しつつ眉が食い込まない程度の距離となるようにするのが好ましい。
【0119】
具体的には、起毛櫛(第1の櫛)1310を介して隣り合う2つの肌当て櫛(第2の櫛)1320間の距離が5.0mm以下となるようにするのが好ましい。起毛櫛1310を介して隣り合う2つの肌当て櫛1320間の距離が5.0mmよりも大きくなると、2つの肌当て櫛1320の間または起毛櫛1310の起毛溝内に眉(肌S)が食い込んでしまうためである。
【0120】
本実施の形態では、起毛櫛(第1の櫛)1310を介して隣り合う2つの肌当て櫛(第2の櫛)1320間の距離を約1.7mm程度としている。
【0121】
なお、本実施の形態では、眉毛Hを切断するトリマー10を例示したため、起毛櫛(第1の櫛)1310を介して隣り合う2つの肌当て櫛(第2の櫛)1320間の距離を眉が食い込まない程度の距離としている。しかしながら、この距離は、電気式毛切断装置の用途に応じて適宜設定することができるものである。
【0122】
[作用・効果]
以下では、上記実施の形態で示した電気式毛切断装置のアタッチメントの特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0123】
(1) 上記実施の形態で示した電気式毛切断装置のアタッチメントは、刃部を有する電気式毛切断装置に着脱可能に装着されるものである。そして、この電気式毛切断装置のアタッチメントは、刃部の一方側を肌に当てて使用する第1の使用態様と、刃部の他方側を肌に当てて使用する第2の使用態様と、を選択することが可能となるように構成されている。上記実施の形態で示した電気式毛切断装置のアタッチメントは、電気式毛切断装置に装着した状態で刃部の周囲に配置される櫛部を備えている。そして、櫛部は、第1の使用態様を選択した場合に肌に接触する一方の肌当て面と、第2の使用態様を選択した場合に肌に接触する他方の肌当て面と、一方の肌当て面側および他方の肌当て面側に形成された起毛溝部と、を有する第1の櫛を備えている。
【0124】
このように、電気式毛切断装置の刃部を囲うようにアタッチメントを装着することで、より安全に毛を切断することができるようになる。
【0125】
そして、櫛部が両側に起毛溝が形成された第1の櫛を備えているため、第1の使用態様および第2の使用態様のいずれを選択した場合であっても、寝ている毛をより確実に起毛させることができるようになる。
【0126】
その結果、所望の長さとなるまで何度も同じ毛を切断する必要がなくなり、毛をより素早く所望の長さに切断することができるようになる。また、毛の切断長さをより均一の長さとすることが可能となるため、切断後の毛の仕上がりをよりよくすることができる。
【0127】
(2) また、上記(1)の電気式毛切断装置のアタッチメントにおいて、櫛部が、第1の使用態様を選択した場合に肌に接触する一方の肌当て面と、第2の使用態様を選択した場合に肌に接触する他方の肌当て面と、を有する第2の櫛をさらに備えてもよい。そして、第1の使用態様を選択した場合には他方の肌当て面により起毛され、第2の使用態様を選択した場合には一方の肌当て面により起毛されるようにしてもよい。
【0128】
こうすれば、起毛力が高められた櫛(第1の櫛)と、主として肌当てのために用いられる櫛(第2の櫛)とが混在することになるため、起毛効果の低下を抑制しつつ、肌が起毛溝内に食い込みすぎてしまうことを抑制することが可能となる。その結果、寝ている毛をより確実に起毛させることができる上、毛の切断長さをより均一の長さとすることが可能となる。
【0129】
(3) また、上記(2)の電気式毛切断装置のアタッチメントにおいて、少なくとも1つの第1の櫛と複数の第2の櫛とが、2つの第2の櫛の間に1つ以上の第1の櫛が配置される組み合わせが1つ以上存在するように並設されていてもよい。
【0130】
こうすれば、肌が起毛溝内に食い込みすぎてしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0131】
(4) また、上記(3)の電気式毛切断装置のアタッチメントにおいて、櫛部には、2つの第2の櫛の間に1つ以上の第1の櫛が配置される組み合わせが複数連続して並置される部位が存在していてもよい。そして、連続して並置される組み合わせにおいては、第2の櫛同士が隣り合わないように並設されていてもよい。
【0132】
こうすれば、連続して並置される組み合わせの中に、主として肌当てのために用いられる櫛(第2の櫛)が連続して配置されてしまうことがなくなるため、起毛力が低下してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0133】
(5) また、上記(2)から(4)のうちいずれか1つの電気式毛切断装置のアタッチメントにおいて、櫛部の両端部に、使用時の毛の切断範囲を規定するための肌当て面を有し、櫛部を補強するための保護部材が形成されていてもよい。そして、保護部材を、輪郭形状が第2の櫛と略同一で、厚さが第2の櫛よりも厚くなるように形成してもよい。
【0134】
こうすれば、使用時の毛の切断範囲を規定するための肌当て面を有する保護部材によって櫛部の強度を向上させることができ、外部からの衝撃や落下衝撃などでアタッチメントが破損してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0135】
[その他]
以上、本開示にかかる電気式毛切断装置のアタッチメントの内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0136】
例えば、2つの第2の櫛の間に1つ以上の第1の櫛が配置される組み合わせが一部のみに存在する櫛部とすることも可能である。
【0137】
また、連結部や保護部材、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0138】
以上のように、本開示にかかる電気式毛切断装置のアタッチメントは、寝ている毛をより確実に起毛させることが可能となるので、家庭用および業務用をはじめとする各種の電気式毛切断装置のアタッチメントに利用できる。
【符号の説明】
【0139】
10 トリマー(電気式毛切断装置)
44 刃部
100 アタッチメント
110 櫛部
1310 第1の櫛
1312a 一方の肌当て面
1312b 他方の肌当て面
1312c 起毛溝
1312d 起毛溝
1320 第2の櫛
1322a 一方の肌当て面
1322b 他方の肌当て面
150 保護部材
C 第1の櫛と第2の櫛との組
H 眉毛(毛)
S 肌

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14