(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20240209BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240209BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H04L12/28 500D
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2019146855
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】古賀 義宏
(72)【発明者】
【氏名】早川 武
(72)【発明者】
【氏名】田中 敬一
(72)【発明者】
【氏名】城戸 清規
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-064867(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117194(WO,A1)
【文献】特開2016-177265(JP,A)
【文献】特開2017-146760(JP,A)
【文献】特開2016-012162(JP,A)
【文献】特開2016-057855(JP,A)
【文献】特開2005-107728(JP,A)
【文献】特開2003-009248(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0275914(US,A1)
【文献】特開2017-211821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置される制御システムであって、
移動端末から、無線通信によって前記移動端末の属性情報を取得する通信部と、
取得された前記移動端末の属性情報に基づく第一制御を実行する制御部と、
表示部及び音声出力部とを備え、
前記通信部は、さらに、前記移動端末から前記通信部までの距離を示す距離情報を前記移動端末から取得し、
前記第一制御は、前記距離情報によって定められる前記移動端末の移動方向に応じて異なる態様で情報を出力する制御であ
り、
前記制御部は、前記第一制御において、
前記移動方向が、前記通信部から遠ざかる方向への移動を示す場合に、前記音声出力部に音声を出力させることで前記情報を出力し、
前記移動方向が、前記通信部に近づく方向への移動を示す場合に、前記表示部に映像を表示させることで前記情報を出力する、
制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、取得された前記移動端末の属性情報に基づいて、前記移動端末に通知すべき情報があると判定した場合に、前記第一制御を実行する
請求項
1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記通信部は、前記建物に設置された機器と通信可能であり、
前記制御部は、前記移動端末の属性情報に基づく第二制御として、前記通信部を用いた前記機器の制御を実行する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記通信部は、
前記建物の外部に設置されたサーバと通信可能であり、
前記移動端末から、前記移動端末の識別子を前記移動端末の属性情報として取得し、
前記制御部は、前記移動端末の識別子が取得された場合に、前記移動端末の属性情報に基づく第二制御として、前記移動端末のユーザが前記建物内に位置することを通知するための通知情報を前記サーバに送信する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記通知情報を、前記移動端末以外の情報端末に送信する、
請求項
4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記移動端末の属性情報に基づく第二制御として、取得された前記移動端末の属性情報に紐付けられたコンテンツを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
前記通信部は、前記移動端末のユーザが前記移動端末の使用に際して設定する設定情報を、前記移動端末の属性情報として取得し、
前記制御部は、
前記設定情報に基づいて前記移動端末のユーザの属性情報を推定し、
推定した前記移動端末のユーザの属性情報に基づいて、コンテンツを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
前記通信部は、前記移動端末の機種情報を、前記移動端末の属性情報として取得し、
前記制御部は、
取得された前記機種情報に基づいて前記移動端末のユーザの属性情報を推定し、
推定した前記移動端末のユーザの属性情報に基づいて、コンテンツを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
前記通信部は、
複数の前記移動端末のそれぞれから無線通信によって当該移動端末の属性情報を取得し、
複数の前記移動端末のそれぞれから、無線通信によって当該移動端末から前記通信部までの距離を示す距離情報をさらに取得し、
前記制御部は、複数の前記移動端末のうち、前記距離情報によって定まる前記通信部の最も近くに位置する前記移動端末の属性情報に基づく制御を実行する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項10】
前記通信部は、
複数の前記移動端末のそれぞれから無線通信によって当該移動端末の属性情報を取得し、
複数の前記移動端末のそれぞれから、無線通信によって当該移動端末から前記通信部までの距離を示す距離情報をさらに取得し、
前記制御部は、複数の前記移動端末のうち、前記距離情報によって前記通信部に近づく方向へ移動していると推定される前記移動端末の属性情報に基づく制御を実行する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項11】
建物に設置される制御システムが実行する制御方法であって、
移動端末から、無線通信によって前記移動端末の属性情報を取得し、
前記移動端末から前記制御システムまでの距離を示す距離情報を前記移動端末から取得し、
取得された前記移動端末の属性情報に基づく第一制御を実行し、
前記第一制御は、前記距離情報によって定められる前記移動端末の移動方向に応じて異なる態様で情報を出力する制御であ
り、
前記第一制御においては、
前記移動方向が、前記制御システムが備える通信部から遠ざかる方向への移動を示す場合に、前記制御システムが備える音声出力部に音声を出力させることで前記情報を出力し、
前記移動方向が、前記通信部に近づく方向への移動を示す場合に、前記制御システムが備える表示部に映像を表示させることで前記情報を出力する、
制御方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの建物に設置された機器の制御に関する様々な技術が提案されている。特許文献1には、ユーザが利用する端末から、操作対象機器の操作の指示を受け付けた際、当該端末が通信を確立している通信網の種別を判別し、その種別に応じて操作の実行の許否を判別する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、移動端末との無線通信を利用して機器の制御などを行うことができる制御システム、及び、制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る制御システムは、建物に設置される制御システムであって、移動端末から、無線通信によって前記移動端末の属性情報を取得する通信部と、取得された前記移動端末の属性情報に基づく制御を実行する制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、建物に設置される制御システムが実行する制御方法であって、移動端末から、無線通信によって前記移動端末の属性情報を取得し、取得された前記移動端末の属性情報に基づく制御を実行する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る制御システム及び制御方法は、移動端末との無線通信を利用して機器の制御などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る制御システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図3】
図3は、記憶部に記憶される登録情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、伝言メッセージがあることを示すアイコンを含むホーム画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る制御システムの動作例2のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、使用者層情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、高齢者向けのホーム画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る制御システムの動作例3のフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る制御システムの動作例4のフローチャートである。
【
図11】
図11は、機器の制御を提案するためのアイコンを含むホーム画面の一例である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る制御システムの動作例5のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[制御システムの構成]
まず、実施の形態1に係る制御システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
実施の形態に係る制御システム100は、建物80に設置されるシステムである。建物80は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅であるが、オフィスなどであってもよい。
【0014】
図1に示されるように、制御システム100は、制御装置10、第一携帯端末21、第二携帯端末22、車両30に搭載された車載端末31、空調機器41、屋内用照明機器42、屋外用照明機器43、及び、サーバ50を備える。以下、各構成要素について説明する。
【0015】
まず、制御装置10について説明する。制御装置10は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、建物80内に設置され、建物80に設置された機器(例えば、空調機器41、屋内用照明機器42、または、屋外用照明機器43など)の消費電力を管理する。また、制御装置10は、機器の状態取得、及び、建物80内(あるいは、建物80の敷地内)に設置された機器の制御などを行う。制御装置10は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。また、制御装置10は、インターホンシステムの親機などであってもよい。制御装置10は、具体的には、操作受付部11と、通信部12と、制御部13と、記憶部14と、表示部15と、音声出力部16と、音声入力部17とを備える。
【0016】
操作受付部11は、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェース装置である。操作受付部11は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、押しボタンなどのハードウェアキーによって実現されてもよい。
【0017】
通信部12は、制御装置10が、第一携帯端末21、車載端末31、空調機器41、屋内用照明機器42、及び、屋外用照明機器43などと局所通信ネットワークを介して通信を行うための第一通信部12aを含む。第一通信部12aは、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第一通信部12aが行う通信の通信規格については特に限定されない。第一通信部12aは、通信相手の機器に応じて異なる通信規格で通信を行ってもよい。
【0018】
第一通信部12aは、少なくとも第一携帯端末21及び車載端末31とは近距離無線通信を行う。ここでの近距離無線通信は、広義の近距離無線通信を意味し、比較的通信距離の短い無線通信を意味する。近距離無線通信は、例えば、通信距離が数十メートル以内の無線通信である。第一通信部12aによって行われる近距離無線通信の通信規格は、具体的には、BLE(Blutooth(登録商標) Low Energy)であるが、Wi-Fi(登録商標)などであってもよい。近距離無線通信の通信規格は、制御システム100の専用通信規格などその他の通信規格であってもよい。
【0019】
また、通信部12は、制御装置10がサーバ50などとインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための第二通信部12bを含む。第二通信部12bは、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第二通信部12bが行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0020】
制御部13は、制御装置10に関する制御を行う。制御部13は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0021】
記憶部14は、制御部13が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部14は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0022】
表示部15は、制御部13の制御に基づいて画像を表示する。表示部15は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0023】
音声出力部16は、制御部13の制御に基づいて音声を出力する。音声出力部16は、例えば、スピーカなどによって実現される。
【0024】
音声入力部17は、ユーザの音声を取得する。音声入力部17は、例えば、マイクロフォンなどによって実現される。
【0025】
次に、第一携帯端末21、第二携帯端末22、及び、車載端末31について説明する。第一携帯端末21及び第二携帯端末22は、建物80に居住するユーザが使用する移動端末である。第一携帯端末21及び第二携帯端末22のそれぞれは、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。第一携帯端末21及び第二携帯端末22のそれぞれは、第一通信部12aと近距離無線通信を行うことも、広域通信ネットワーク70を介した通信を行うことも可能である。
図1では、第一携帯端末21は建物80の近傍または建物80内に位置して第一通信部12aと近距離無線通信を行い、第二携帯端末22は、建物80から離れた位置に存在し、広域通信ネットワーク70を介した通信を行うものとして図示されている。
【0026】
車載端末31は、建物80に居住するユーザが使用する車両30に搭載された移動端末である。車載端末31は、カーナビゲーションシステムまたはカーオーディオの一部として実現されてもよいし、カーナビゲーションシステム及びカーオーディオ専用端末であってもよい。車載端末31は、第一通信部12aと近距離無線通信を行うことができる。
【0027】
次に、空調機器41、屋内用照明機器42、及び、屋外用照明機器43について説明する。空調機器41、屋内用照明機器42、及び、屋外用照明機器43のそれぞれは、制御装置10の制御対象機器の一例であり、建物80に設置される。建物80に設置されるとは、建物80の敷地内に設置される場合を含む。
【0028】
空調機器41は、建物80内に設置され、制御装置10の第一通信部12aから送信される制御信号に基づいて建物80内の温度及び湿度を調整する。つまり、空調機器41は、建物80内の温度環境を制御する環境制御機器である。
【0029】
屋内用照明機器42は、建物80内に設置され、制御装置10の第一通信部12aから送信される制御信号に基づいて建物80内を照明する。つまり、屋内用照明機器42は、建物80内の光環境を制御する環境制御機器である。屋内用照明機器42は、具体的には、シーリングライト、ダウンライト、または、スポットライトなどであるが、屋内用照明機器42の具体的態様は特に限定されない。屋内用照明機器42は、調光機能及び調色機能を有している。
【0030】
屋外用照明機器43は、制御装置10の第一通信部12aから送信される制御信号に基づいて建物80の外を照明する。屋外用照明機器43は、建物80の外壁など、または、建物80の外であって建物80の敷地内に設置され、例えば、車庫から玄関までの領域を照明する。屋外用照明機器43は、具体的には、ダウンライト、スポットライト、または、ポールライトなどであるが、屋外用照明機器43の具体的態様は特に限定されない。屋外用照明機器43は、調光機能及び調色機能を有していてもよい。
【0031】
なお、制御装置10の制御対象機器は、空調機器41、屋内用照明機器42、または、屋外用照明機器43に限定されない。制御対象機器は、床暖房機器、電気自動車、蓄電池システム、燃料電池システム、ヒートポンプ式給湯機、または、太陽光発電システムなどであってもよい。制御対象機器は、窓または扉の開閉センサなどの防犯機器であってもよいし、火災報知器などの警報器であってもよい。制御システム100は、少なくとも1つの制御対象機器を備えていればよいが、制御対象機器を複数備えてもよい。
【0032】
次に、サーバ50について説明する。サーバ50は、制御装置10が第二携帯端末22への通知(後述)を行うために利用されるクラウドサーバである。サーバ50は、広域通信ネットワーク70を介して制御装置10、及び、第二携帯端末22と通信することができる。
【0033】
[動作例1]
次に、制御システム100の動作例1について説明する。
図2は、制御システム100の動作例1のシーケンス図である。動作例1では、建物80に居住する母親が第二携帯端末22を所持して外出しており、この母親の子供が第一携帯端末21を所持して建物80に向かっている(つまり、帰宅途中である)ものとして説明が行なわれる。
【0034】
第一携帯端末21は、第一携帯端末21の識別子を含むビーコン信号(言い換えれば、識別子を含むパケット)を送信している(S11)。この第一携帯端末21を所持している子供が外出先から建物80に近づくと、制御装置10の第一通信部12aはビーコン信号を受信することにより第一携帯端末21の識別子を取得することができる(S12)。
【0035】
ここで、制御装置10の記憶部14には、あらかじめ建物80に居住する複数のユーザそれぞれの携帯端末の識別子が登録されている。
図3は、記憶部14に記憶される登録情報の一例を示す図である。
【0036】
図3に示される登録情報においては、携帯端末の識別子と、制御の内容とが紐付けられている。制御部13は、記憶部14に記憶された登録情報を参照することにより、登録情報において、取得された識別子(例えば、
図3のID0001)に紐付けられた制御(制御の内容)を実行する(S13)。
【0037】
例えば、制御部13は、空調機器41を登録情報によって定められる設定にしたがって制御する(S14)。制御部13は、具体的には、第一通信部12aに空調機器41へ制御信号を送信させることにより、空調機器41に、登録情報によって定められる設定温度及び風量で送風させる。
【0038】
同様に、制御部13は、屋内用照明機器42を、登録情報によって定められる設定にしたがって制御する(S15)。制御部13は、具体的には、第一通信部12aに屋内用照明機器42へ制御信号を送信させることにより、屋内用照明機器42を、登録情報によって定められる調光比及び色温度で発光させる。なお、このように、あるトリガ(例えば、第一携帯端末21の識別子が取得されたこと)によって機能または用途が異なる複数の機器(例えば、空調機器41及び屋内用照明機器42)を一括して動作させる制御は、シーン制御とも記載される。
【0039】
また、制御部13は、登録情報において第一携帯端末21の識別子に紐付けられたホーム画面(つまり、子供があらかじめ登録した表示画面)を表示部15に表示させる。つまり、制御部13は、表示部15に、第一携帯端末21の識別子に紐付けられたコンテンツを表示させる(S16)。ここでのコンテンツは、広義のコンテンツであり、静止画または動画など、どのようなコンテンツであってもよい。
【0040】
このとき、記憶部14に第一携帯端末21の識別子に紐づけられた伝言メッセージ(例えば、母親から子供への伝言メッセージ)が録音されている場合には、伝言メッセージがあることを示すアイコンがホーム画面に重畳される。
図4は、伝言メッセージがあることを示すアイコンを含むホーム画面の一例を示す図である。このような画像が表示されているときに操作受付部11によって伝言メッセージの再生を指示する操作が受け付けられると、制御部13は、音声出力部16に伝言メッセージを再生させる(S17)。なお、母親から子供への伝言メッセージは、音声入力部17によって取得され、記憶部14に記憶されている。
【0041】
さらに、制御部13は、第一通信部12aが第一携帯端末21から識別子を取得したことを子供が帰宅したものとみなして、子供(第一携帯端末21のユーザ)が帰宅したことを通知するための通知情報を第二通信部12bにサーバ50へ送信させる(S18)。通知情報は、サーバ50によって中継されて第二携帯端末22によって受信される(S19)。第二携帯端末22は、通知情報を受信すると通知画面を表示する(S20)。この結果、第二携帯端末22のユーザである母親に第一携帯端末21の所有者である子供が帰宅したことが通知される。
図5は、通知画面の一例を示す図である。
図5の例では、子供が帰宅したことがプッシュ通知されているが、電子メールなどで通知されてもよい。つまり、通知情報は、電子メールなどであってもよい。
【0042】
以上説明したように、制御システム100は、第一携帯端末21から、近距離無線通信によって第一携帯端末21の識別子を取得し、取得された第一携帯端末21の識別子に基づく制御を実行する。制御システム100は、例えば、第一携帯端末21の識別子に基づく制御として、第一通信部12aを用いた、空調機器41及び屋内用照明機器42の制御を実行する。
【0043】
また、制御システム100は、第一携帯端末21の識別子に基づく制御として、第一携帯端末21の所有者が建物80内に位置することを通知するための通知情報をサーバ50に送信し、サーバ50は、通知情報を、第一携帯端末21以外の第二携帯端末22に送信する。
【0044】
また、制御システム100は、第一携帯端末21の識別子に基づく制御として、第一携帯端末21の識別子に紐付けられたコンテンツを表示部15に表示する。
【0045】
このように、動作例1では、制御システム100は、外出先からユーザが建物80に帰ってくると、当該ユーザがあらかじめ設定した制御(機器の制御、及び、コンテンツの表示制御など)を自動的に実行することができる。また、制御システム100は、外出先からユーザが建物80に帰ってくると、当該ユーザの帰宅を別のユーザに通知することができる。
【0046】
なお、第一携帯端末21の識別子に基づく制御として、ステップS14~ステップS18の処理が全て行われることは必須ではなく、少なくとも1つが行われればよい。
【0047】
また、動作例1では、制御装置10の第一通信部12aは第一携帯端末21が発するビーコン信号を受信することにより第一携帯端末21の識別子を取得したが、車載端末31が発するビーコン信号を受信することにより車載端末31の識別子を取得してもよい。
【0048】
この場合、制御部13は、記憶部14に記憶された登録情報を参照することにより、登録情報において、取得された車載端末31の識別子(例えば、
図3のID000
1)に紐付けられた制御(制御の内容)を実行する。制御部13は、例えば、第一通信部12aに屋外用照明機器43へ制御信号を送信させることにより、屋外用照明機器43に車庫から玄関までの領域を照明させる。つまり、制御システム100は、車両30が建物80の車庫に戻ってくると、車庫から玄関までの領域を自動的に照明することができる。
【0049】
[動作例2]
上記動作例1における携帯端末の識別子は、携帯端末の属性情報の一例である。携帯端末の属性情報とは、携帯端末に備わっている固有の性質または特徴などを示す情報である。制御装置10は、識別子以外の携帯端末の属性情報として、携帯端末の機種情報または設定情報を取得し、これらの情報に基づく制御を行ってもよい。機種情報は、例えば、携帯端末の機種番号(品番)を示す情報である。設定情報は、例えば、携帯端末に表示される文字サイズの設定、音量の設定などの携帯端末の使用に際して設定される情報である。
【0050】
以下、このような制御システム100の動作例2について説明する。
図6は、制御システム100の動作例2のシーケンス図である。
【0051】
第一携帯端末21は、第一携帯端末21の機種情報または設定情報を含むビーコン信号を送信している(S21)。この第一携帯端末21を所持しているユーザが建物80に近づくと、制御装置10の第一通信部12aはビーコン信号を受信することにより第一携帯端末21の機種情報または設定情報を取得することができる(S22)。
【0052】
制御部13は、取得された第一携帯端末21の機種情報または設定情報に基づいて、第一携帯端末21のユーザの属性情報を推定する(S23)。ユーザの属性情報とは、ユーザに備わっている固有の性質または特徴などを示す情報である。
【0053】
ステップS22において第一携帯端末21の機種情報が取得される場合、制御部13は、例えば、記憶部14に記憶された、携帯端末の機種と当該機種の携帯端末を使用している可能性が高い年齢層及び性別とが対応付けられた使用者層情報を参照し、取得された機種情報に紐づけられた年齢層及び性別をユーザの属性情報として推定する。
図7は、使用者層情報の一例を示す図である。
【0054】
また、ステップS22において第一携帯端末21の設定情報が取得される場合、制御部13は、例えば、設定情報に含まれる文字サイズ情報が示す文字の大きさが大きいほど、第一携帯端末21のユーザの年齢層が高いと推定する。制御部13は、設定情報を入力として属性情報を出力する、あらかじめ構築された機械学習モデルなどを用いてユーザの属性情報を推定してもよい。
【0055】
なお、設定情報にユーザの属性情報(年齢、性別など)が含まれる場合には、制御部13は、設定情報に含まれるユーザの属性情報から直接的にユーザの属性情報を特定(推定)することができる。また、設定情報にディスプレイ設定情報が含まれ、ディスプレイ設定情報から色覚異常のユーザ用のカラーフィルタが設定されているか否かを特定できるような場合には、制御部13は、ユーザの属性情報として当該ユーザの色覚異常の有無を推定することができる。
【0056】
次に、制御部13は、推定したユーザの属性情報に基づいて、コンテンツを表示部15に表示させる(S24)。コンテンツは、例えば、ホーム画面である。制御部13は、具体的には、ユーザの属性情報(年齢、性別、色覚異常の有無)などに応じてあらかじめ準備された複数種類のホーム画面の中から、推定したユーザの属性情報に対応するホーム画面を選択し、表示部15に表示させる。
【0057】
複数種類のホーム画面は、例えば、文字の大きさ、フォント、背景の色味などが互いに異なる。
図8に示されるように、高齢者向けのホーム画面は、若者向けのホーム画面(例えば、
図4)よりも高齢者が見やすいように文字が大きく太く表示される。
図8は、高齢者向けのホーム画面の一例を示す図である。なお、高齢者向けのホーム画面では、高齢者が見やすいように文字のエッジが強調されてもよい。
【0058】
また、ホーム画面が表示されているときに操作受付部11が所定の操作を受け付けることで、音声出力部16から音声が出力される場合がある。例えば、動作例1で説明した伝言メッセージの再生などである。このような場合の音声についても、推定したユーザの属性情報に基づいて変更されてもよい。例えば、高齢者向けの音声は、若者向けの音声よりも再生スピードが遅く、音量が大きく、聞き取りやすい音程に調整される。
【0059】
以上説明したように、制御システム100は、第一携帯端末21の機種情報または設定情報に基づいて、ユーザがどのような人物であるかを推定し、ユーザの人物像に適していると考えられるコンテンツの表示、または、音声の出力を行うことができる。
【0060】
なお、動作例2では、機種情報は、設定情報とは別の情報として説明されたが、機種情報は設定情報に含まれてもよい。例えば、動作例2において、機種情報を含む設定情報に基づいてユーザの属性情報が推定されてもよい。
【0061】
[動作例3]
動作例1または動作例2では、第一携帯端末21から送信されるビーコン信号を制御装置10が受信し始めたことを第一携帯端末21のユーザの帰宅であるとみなして機器の制御などが行われた。ここで、制御装置10は、第一携帯端末21の識別子を含むビーコン信号の受信が所定期間以上継続している場合には、建物80内に第一携帯端末21のユーザが滞在しているとみなすことができる。つまり、制御装置10は、どの携帯端末のユーザが建物80内に滞在しているかを推定することができる。
【0062】
さらに、第一携帯端末21は、制御装置10の第一通信部12aからの電波の受信信号強度に基づいて第一携帯端末21から制御装置10(第一通信部12a)までの距離を示す距離情報を生成し、距離情報を含むビーコン信号を制御装置10に送信することができる。
【0063】
ここで、ユーザが建物80内に滞在しているときに、制御装置10からユーザへ通知を行うようなシチュエーションが考えられる。以下では、このようなシチュエーションにおいて、距離情報に基づいて通知の態様を変更する動作例3について説明する。
図9は、制御システム100の動作例3のフローチャートである。
【0064】
上述のように、第一携帯端末21は、第一携帯端末21の識別子を含むビーコン信号を送信している。制御装置10の第一通信部12aは、ビーコン信号を受信することにより(S31)、第一携帯端末21の識別子及び距離情報を取得することができる(S32)。
【0065】
制御装置10の制御部13は、第一携帯端末21のユーザに通知すべき情報の有無を判定する(S33)。例えば、制御部13は、登録情報を参照することにより、第一携帯端末21の識別子に紐づけられた伝言メッセージがあるか否かを判定する。第一携帯端末21のユーザに通知すべき情報が無いと判定された場合(S33でNo)、動作は終了となる。
【0066】
第一携帯端末21のユーザに通知すべき情報があると判定された場合(S33でYes)、制御部13は、取得した距離情報に基づいて移動方向を判定する(S34)。制御部13は、所定期間の間に取得した距離情報が示す距離が増加する場合、第一携帯端末21が制御装置10までの距離が長くなる第一方向に移動していると判定する(S34で第一方向)。この場合、第一携帯端末21のユーザは制御装置10が備える表示部15のほうを見ていない可能性が高いため、制御部13は、音声によって伝言メッセージがあることを通知する(S35)。制御部13は、具体的には、音声出力部16に音声を出力させる。このとき、表示部15に表示される映像による通知は行われない。
【0067】
一方、制御部13は、所定期間の間に取得した距離情報が示す距離が減少する場合、第一携帯端末21が制御装置10までの距離が短くなる第二方向に移動していると判定する(S34で第二方向)。この場合、第一携帯端末21のユーザの視界に制御装置10の表示部15が入る可能性が高いことから、制御部13は、映像によって伝言メッセージがあることを通知する(S36)。制御部13は、具体的には、表示部15に映像を表示させる。このとき、音声出力部16によって出力される音声による通知は行われないが、行われてもよい。
【0068】
以上説明したように、動作例3では、第一通信部12aは、さらに、第一携帯端末21から第一通信部12aまでの距離を示す距離情報を第一携帯端末21から取得し、制御部13によって行われる通知制御(第一携帯端末21の識別子に基づく制御の一例)は、取得された距離情報に基づいて定められる第一携帯端末21の移動方向に応じて異なる。
【0069】
制御部13は、具体的には、移動方向が、第一通信部12aから遠ざかる方向への移動を示す場合に、通知制御として、音声出力部16に音声を出力させ、移動方向が、第一通信部12aに近づく方向への移動を示す場合に、通知制御として、表示部15に映像を表示させる。
【0070】
このように、動作例3では、制御システム100は、通知態様をユーザの移動方向に応じて適応的に変更することができる。
【0071】
[動作例4]
制御装置10は、複数の携帯端末のそれぞれからのビーコン信号の受信が所定期間以上継続している場合には、建物80内に複数のユーザが滞在しているとみなすことができる。上述の動作例1では、登録情報(
図3)に示されるように、ユーザ(つまり、携帯端末の識別子)ごとに当該ユーザの好みのホーム画面が表示されたが、建物80内に複数のユーザが滞在していると考えられる場合にどのユーザ用のホーム画面を表示するかについては検討の余地がある。以下では、建物80内に複数のユーザが滞在しているときに、距離情報に基づいて機器を制御する動作例4について説明する。
図10は、制御システム100の動作例4のフローチャートである。
【0072】
複数のユーザのそれぞれが携帯端末を所持し、建物80内に滞在している場合、複数の携帯端末のそれぞれは、当該携帯端末の識別子を含むビーコン信号を送信している。制御装置10の第一通信部12aは複数の携帯端末のそれぞれからのビーコン信号を受信することにより(S41)、複数の携帯端末のそれぞれについての識別子及び距離情報を取得することができる(S42)。
【0073】
制御装置10の制御部13は、取得された複数の携帯端末のそれぞれについての識別子及び距離情報に基づいて、第一通信部12aの最も近くに位置する携帯端末の識別子を特定する(S43)。そして、制御部13は、記憶部14に記憶された登録情報を参照することにより、登録情報において、特定された識別子に紐付けられたホーム画面を表示部15に表示させる(S44)。なお、ステップS44では、ホーム画面の表示制御(言い換えれば、コンテンツの表示制御)に代えて、または、ホーム画面の表示制御に加えて、特定された識別子に紐づけられた機器の制御などが行われてもよい。
【0074】
ところで、登録情報(
図3)に示されるように、複数のユーザのそれぞれが異なる設定で機器を制御することを希望している場合、建物80内に複数のユーザが滞在しているときにどのユーザの設定を採用して機器を制御するかについては検討の余地がある。そこで、ステップS44において表示されるホーム画面においては、複数のユーザの希望を考慮した機器の制御が提案されてもよい。
図11は、機器の制御を提案するためのアイコンを含むホーム画面の一例である。
【0075】
例えば、空調機器41の制御が提案される場合、提案される空調機器41の設定温度は、建物80内にいると推定される複数のユーザのそれぞれの設定温度の平均温度であり、制御部13は、登録情報を参照することでこのような平均温度を算出することができる。なお、ステップS44では、単一の機器の制御ではなく、シーン制御が提案されてもよい。
【0076】
なお、この場合のホーム画面は、機器を制御するための制御画面として機能し、操作受付部11がアイコンへの操作を受け付けると提案された機器の制御が実行される。
【0077】
以上説明したように、動作例4では、第一通信部12aは、複数の携帯端末のそれぞれから当該携帯端末の識別子を取得し、複数の携帯端末のそれぞれから、当該携帯端末から第一通信部12aまでの距離を示す距離情報を取得する。制御部13は、複数の携帯端末のうち、距離情報によって定まる第一通信部12aの最も近くに位置する携帯端末の識別子に基づく制御を実行する。制御部13は、例えば、第一通信部12aの最も近くに位置する携帯端末の識別子に紐づけられたホーム画面を表示部15に表示させる。
【0078】
このように、動作例4では、制御システム100は、建物80内に複数のユーザがいる場合に、第一通信部12aの最も近くに位置する携帯端末のユーザ(つまり、制御装置10を操作する可能性が高いユーザ)が希望するホーム画面を表示することができる。
【0079】
なお、制御部13は、複数の携帯端末のうち、距離情報によって定まる第一通信部12aから最も遠くに位置する携帯端末の識別子に基づく制御を実行してもよい。
【0080】
[動作例5]
以下では、建物80内に複数のユーザが滞在しているときに、距離情報に基づいて機器を制御する動作例5について説明する。
図12は、制御システム100の動作例5のフローチャートである。
【0081】
複数のユーザのそれぞれが携帯端末を所持し、建物80内に滞在している場合、複数の携帯端末のそれぞれは、当該携帯端末の識別子を含むビーコン信号を送信している。制御装置10の第一通信部12aは複数の携帯端末のそれぞれからのビーコン信号を受信することにより(S51)、複数の携帯端末のそれぞれについての識別子及び距離情報を取得することができる(S52)。
【0082】
制御装置10の制御部13は、取得された複数の携帯端末のそれぞれについての識別子及び距離情報に基づいて、第一通信部12aに近づく方向に移動している携帯端末の識別子を特定する(S53)。そして、制御部13は、記憶部14に記憶された登録情報を参照することにより、登録情報において、特定された識別子に紐付けられたホーム画面を表示部15に表示させる(S54)。なお、ステップS54では、ホーム画面の表示制御(言い換えれば、コンテンツの表示制御)に代えて、または、ホーム画面の表示制御に加えて、特定された識別子に紐づけられた機器の制御などが行われてもよい。
【0083】
以上説明したように、動作例5では、第一通信部12aは、複数の携帯端末のそれぞれから当該携帯端末の識別子を取得し、複数の携帯端末のそれぞれから、当該携帯端末から第一通信部12aまでの距離を示す距離情報を取得する。制御部13は、複数の携帯端末のうち、距離情報によって第一通信部12aに近づく方向へ移動していると推定される携帯端末の識別子に基づく制御を実行する。制御部13は、例えば、第一通信部12aに近づく方向へ移動していると推定される携帯端末の識別子に紐づけられたホーム画面を表示部15に表示させる。
【0084】
このように、動作例5では、制御システム100は、建物80内に複数のユーザがいる場合に、第一通信部12aに近づく方向へ移動していると推定される携帯端末のユーザ(つまり、制御装置10を操作する可能性が高いユーザ)が希望するホーム画面を表示することができる。
【0085】
なお、制御部13は、複数の携帯端末のうち、距離情報によって第一通信部12aから遠ざかる方向へ移動していると推定される携帯端末の識別子に基づく制御を実行してもよい。
【0086】
また、動作例4と動作例5は適宜組み合わされてもよい。制御部13は、例えば、第一通信部12aに近づく方向へ移動していると推定される携帯端末が複数台ある場合には、これら複数台のうち最も第一通信部12aの近くに位置すると推定される携帯端末の識別子に基づく制御を実行してもよい。また、動作例5において、動作例4のように機器の制御が提案されてもよい。
【0087】
[効果等]
以上説明したように、制御システム100は、建物80に設置される制御システムである。制御システム100は、移動端末から、無線通信によって移動端末の属性情報を取得する通信部12と、取得された移動端末の属性情報に基づく制御を実行する制御部13とを備える。上記実施の形態では、移動端末は、人に所持されることで人とともに移動する第一携帯端末、または、車両30に搭載されて車両とともに移動する車載端末31である。上記実施の形態では、移動端末の属性情報は、移動端末の識別子、移動端末の設定情報、または、移動端末の機種情報などである。
【0088】
このような制御システム100は、移動端末の属性情報に基づいて、移動端末ごとに異なる制御を行うことができる。
【0089】
また、動作例1では、通信部12は、建物80に設置された機器と通信可能であり、制御部13は、移動端末の属性情報に基づく制御として、通信部12を用いた機器の制御を実行する。このような制御は、動作例1のステップS14及びS15などに相当する。
【0090】
このような制御システム100は、移動端末の属性情報に基づいて、移動端末ごとに異なる機器制御を行うことができる。
【0091】
また、動作例1では、通信部12は、建物80の外部に設置されたサーバ50と通信可能であり、移動端末から、移動端末の識別子を移動端末の属性情報として取得する。制御部13は、移動端末の識別子が取得された場合に、移動端末の属性情報に基づく制御として、移動端末のユーザが建物80内に位置することを通知するための通知情報をサーバ50に送信する。このような制御は、動作例1のステップS18などに相当する。
【0092】
このような制御システム100は、移動端末の識別子に基づいて、移動端末のユーザが建物80内に位置することを通知することができる。
【0093】
また、動作例1のステップS19では、サーバ50は、通知情報を、移動端末以外の情報端末に送信する。上記実施の形態では、情報端末は、第二携帯端末22であある。
【0094】
このような制御システム100は、移動端末の識別子に基づいて、移動端末のユーザが建物80内に位置することを、情報端末のユーザに通知することができる。
【0095】
また、動作例1では、制御システム100は、さらに、表示部15を備える。制御部13は、移動端末の属性情報に基づく制御として、取得された移動端末の属性情報に紐付けられたコンテンツを表示部15に表示させる。このような制御は、動作例1のステップS16などに相当する。
【0096】
このような制御システム100は、移動端末の属性情報に基づいて、コンテンツを表示することができる。
【0097】
また、動作例2では、制御システム100は、さらに、表示部15を備える。通信部12は、移動端末のユーザが移動端末の使用に際して設定する設定情報を、移動端末の属性情報として取得する。制御部13は、設定情報に基づいて移動端末のユーザの属性情報を推定し、推定した移動端末のユーザの属性情報に基づいて、コンテンツを表示部15に表示させる。
【0098】
このような制御システム100は、移動端末の設定情報に基づいて、ユーザの属性情報に応じたコンテンツを表示することができる。
【0099】
また、動作例2では、制御システム100は、さらに、表示部15を備える。通信部12は、移動端末の機種情報を、移動端末の属性情報として取得する。制御部13は、取得された機種情報に基づいて移動端末のユーザの属性情報を推定し、推定した移動端末のユーザの属性情報に基づいて、コンテンツを表示部15に表示させる。
【0100】
このような制御システム100は、移動端末の機種情報に基づいて、ユーザの属性情報に応じたコンテンツを表示することができる。
【0101】
また、動作例3では、通信部12は、さらに、移動端末から通信部12までの距離を示す距離情報を移動端末から取得する。制御部13によって行われる移動端末の属性情報に基づく制御は、取得された距離情報に基づいて定められる移動端末の移動方向に応じて異なる。
【0102】
このような制御システム100は、移動端末の移動方向に基づいて、移動端末の属性情報に基づく制御の内容を異ならせることができる。
【0103】
また、動作例3では、制御システム100は、さらに、表示部15及び音声出力部16を備える。制御部13は、移動方向が、通信部12から遠ざかる方向への移動を示す場合に、移動端末の属性情報に基づく制御として、音声出力部16に音声を出力させる。制御部13は、移動方向が、通信部12に近づく方向への移動を示す場合に、移動端末の属性情報に基づく制御として、表示部15に映像を表示させる。
【0104】
このような制御システム100は、移動端末の移動方向に基づいて、音声の出力と映像の表示とを切り替えることができる。
【0105】
また、動作例4では、通信部12は、複数の移動端末のそれぞれから無線通信によって当該移動端末の属性情報を取得し、複数の移動端末のそれぞれから、無線通信によって当該移動端末から通信部12までの距離を示す距離情報をさらに取得する。制御部13は、複数の移動端末のうち、距離情報によって定まる通信部12の最も近くに位置する移動端末の属性情報に基づく制御を実行する。
【0106】
このような制御システム100は、複数の移動端末のそれぞれが建物80の近くにいる(つまり、複数のユーザが建物80の近くにいる)場合に、通信部12の最も近くに位置する移動端末の属性情報に基づく制御を実行することができる。
【0107】
また、動作例5では、通信部12は、複数の移動端末のそれぞれから無線通信によって当該移動端末の属性情報を取得し、複数の移動端末のそれぞれから、無線通信によって当該移動端末から通信部12までの距離を示す距離情報をさらに取得する。制御部13は、複数の移動端末のうち、距離情報によって通信部12に近づく方向へ移動していると推定される移動端末の属性情報に基づく制御を実行する。
【0108】
このような制御システム100は、複数の移動端末のそれぞれが建物80の近くにいる(つまり、複数のユーザが建物80の近くにいる)場合に、通信部12に近づく方向へ移動していると推定される移動端末の属性情報に基づく制御を実行することができる。
【0109】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
例えば、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置によって実現されてもよい。制御システムが複数の装置によって実現される場合、各システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0111】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。また、上記実施の形態で説明された情報の伝達経路は、シーケンス図に示される伝達経路に限定されない。例えば、上記実施の形態では、制御装置から第二携帯端末にサーバを介さずに通知情報が送信されてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0114】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0115】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0116】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る制御装置またはこれに相当する制御システムとして実現されてもよい。また、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0117】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
12 通信部
13 制御部
15 表示部
16 音声出力部
21 第一携帯端末(移動端末)
22 第二携帯端末(情報端末)
31 車載端末(移動端末)
41 空調機器
42 屋内用照明機器
43 屋外用照明機器
50 サーバ
80 建物
100 制御システム