(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】点灯装置、照明装置、及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240209BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20240209BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240209BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240209BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B45/345
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M10/44 P
H02J9/06 150
(21)【出願番号】P 2020108096
(22)【出願日】2020-06-23
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 敦士
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-138899(JP,U)
【文献】特開2017-208179(JP,A)
【文献】特開2009-183105(JP,A)
【文献】特開平03-176995(JP,A)
【文献】国際公開第2019/092400(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/105
H05B 45/345
H01M 10/48
H01M 10/44
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給される外部電力で電池を充電する充電回路と、
前記電池の放電電力で光源を点灯させる点灯回路と、
前記電池の電池電圧を検出する電圧検出回路と、
前記電池の電池温度を検出する温度検出回路と、を備え、
前記点灯回路は、前記外部電源の停電時において、
前記電池温度が放電温度範囲内であれば、前記電池電圧が第1電圧閾値未満になると、前記光源を消灯させ、
前記電池温度が放電温度範囲外であれば、前記電池電圧が第1電圧閾値より低い第2電圧閾値未満になると、前記光源を消灯させる
点灯装置。
【請求項2】
前記点灯回路は、前記光源の点灯時において、前記電池温度が前記放電温度範囲の最大値より高い使用上限温度を上回れば、前記光源を消灯させる
請求項1の点灯装置。
【請求項3】
前記充電回路は、前記外部電源の通電時において、前記電池温度が充電温度範囲外であれば、前記電池の充電を停止する
請求項1又は2の点灯装置。
【請求項4】
前記充電回路は、前記外部電源の通電時において、前記電池温度が前記充電温度範囲内であれば前記電池を充電し、前記電池温度が第1電池温度であるときの前記電池の充電電流を、前記電池温度が前記第1電池温度より高い第2電池温度であるときの前記電池の充電電流より大きくする
請求項3の点灯装置。
【請求項5】
前記点灯回路は、前記外部電源の通電時において、前記電池温度が強制点灯温度以上であれば、前記光源を点灯させる
請求項1乃至4のいずれか1つの点灯装置。
【請求項6】
前記点灯回路は、前記電池温度が前記強制点灯温度より高い所定温度を上回れば、前記光源を消灯させる
請求項5の点灯装置。
【請求項7】
前記点灯回路は、前記光源を点灯させているとき、前記電池温度の増加量が増加閾値以上になると、前記光源へ供給する電力を低減させる
請求項1乃至6のいずれか1つの点灯装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つの点灯装置と、
前記光源と、
前記電池と、を備える
照明装置。
【請求項9】
前記電池は、リチウムイオン電池である
請求項8の照明装置。
【請求項10】
請求項8又は9の照明装置と、
前記点灯装置、前記光源、及び前記電池の少なくとも1つが取り付けられる本体と、を備える
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置、照明装置、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の非常用照明器具は、発光ダイオードの点灯を制御する点灯ユニットを有する。点灯ユニットは、商用電源の供給時にバッテリを充電し、商用電源の遮断時にバッテリを電源として発光ダイオードを点灯させる充放電回路を備えている。点灯ユニットには、器具の周囲温度を検知する周囲温度検知手段が接続されている。
【0003】
そして、点灯ユニットは、非常点灯時に、バッテリを電源とする発光ダイオードへの点灯電流を制御し、発光ダイオードを点灯させる。さらに、点灯ユニットは、発光ダイオードの光出力が予め決められた光出力となるように、周囲温度検知手段の検知に基づいて、バッテリを電源とする発光ダイオードへの点灯電流を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池(バッテリ)の容量は電池温度に依存し、電池温度が所定の温度範囲を外れると、電池容量は減少する。したがって、非常時に電池の放電電力を用いて光源を点灯させる照明器具では、電池温度が所定の温度範囲を外れると、光源を連続して点灯させることができる点灯時間が短くなる。
【0006】
本開示の目的は、電池温度が所定の温度範囲を外れても、電池の放電電力を用いた光源の点灯時間の減少を抑えることができる点灯装置、照明装置、及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る点灯装置は、充電回路と、点灯回路と、電圧検出回路と、温度検出回路と、を備える。前記充電回路は、外部電源から供給される外部電力で電池を充電する。前記点灯回路は、前記電池の放電電力で光源を点灯させる。前記電圧検出回路は、前記電池の電池電圧を検出する。前記温度検出回路は、前記電池の電池温度を検出する。前記点灯回路は、前記外部電源の停電時において、前記電池温度が放電温度範囲内であれば、前記電池電圧が第1電圧閾値未満になると、前記光源を消灯させ、前記電池温度が放電温度範囲外であれば、前記電池電圧が第1電圧閾値より低い第2電圧閾値未満になると、前記光源を消灯させる。
【0008】
本開示の一態様に係る照明装置は、上述の点灯装置と、前記光源と、前記電池と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る照明器具は、上述の照明装置と、前記点灯装置、前記光源、及び前記電池の少なくとも1つが取り付けられる本体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本開示は、電池温度が所定の温度範囲を外れても、電池の放電電力を用いた光源の点灯時間の減少を抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る点灯装置を備える照明装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の点灯装置が備える温度検出回路を示す回路図である。
【
図3】
図3は、同上の点灯装置の電池温度に基づく制御を説明するための図である。
【
図4】
図4は、同上の点灯装置の電池電圧に基づく制御を説明するための図である。
【
図5】
図5は、同上の点灯装置の負荷電流の特性を示す特性図である。
【
図6】
図6は、同上の点灯装置の充電電流の特性を示す特性図である。
【
図7】
図7は、同上の点灯装置の電池温度の変化を示すグラフである。
【
図8】
図8Aは、照明器具の上面図である。
図8Bは、照明器具の下面図である。
図8Cは、照明器具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施形態は、一般に点灯装置、照明装置、及び照明器具に関する。より詳細に、以下の実施形態は、電池の放電電力を用いて光源を点灯させる点灯装置、照明装置、及び照明器具に関する。
【0013】
実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(実施形態)
(1)照明装置の概略
図1は、本実施形態の点灯装置4を備える照明装置1のブロック構成を示す。照明装置1は、点灯装置4に加えて、光源2と、電池3と、を更に備える。
【0015】
光源2は、少なくとも1つの固体発光素子を備える。例えば、光源2は、複数の固体発光素子として、複数のLED(Light Emitting Diode)が直列接続されたLEDアレイを有する。なお、光源2は、固体発光素子としてLEDを有する構成に限らない。光源2は、例えば、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、又は半導体レーザダイオード(Laser Diode、LD)などの他の固体発光素子を有していてもよい。
【0016】
電池3は、充電可能な蓄電池(二次電池)であり、非常電源に相当する。本実施形態の電池3は、リチウムイオン電池である。電池3をリチウムイオン電池とすることで、電池3の小型化と大容量化とを両立させることができる。
【0017】
点灯装置4は、外部電源(例えば、商用の電力系統)9から供給される外部電力を用いて、電池3を充電する。また、点灯装置4は、電池3の放電電力を用いて、光源2を点灯させる。
【0018】
(2)点灯装置
(2.1)点灯装置の構成
点灯装置4は、
図1に示すように、フィルタ4a、コンバータ4b、定電圧回路4c、充電回路4d、第1制御電源回路4e、第2制御電源回路4f、点灯回路4g、電圧検出回路4h、温度検出回路4i、及び制御回路4jを備える。
【0019】
コンバータ4bは、外部電源(例えば、商用の電力系統)9からフィルタ4aを介して交流の入力電圧Viを供給され、交流の入力電圧Viを直流の第1中間電圧Vd1に変換する。コンバータ4bは、スイッチング電源回路であり、例えば絶縁型のフライバックコンバータなどで構成される。コンバータ4bが出力する直流の第1中間電圧Vd1は、外部電源9から供給される交流の入力電圧Viの実効値よりも低いことが好ましい。本実施形態の外部電源9は、100V系又は200V系の商用電力系統である。
【0020】
フィルタ4aは、外部電源9とコンバータ4bとの間の電路において、電流及び電圧に含まれる不要な周波数の成分(ノイズ、及び高調波成分など)を減衰させる。
【0021】
定電圧回路4cは、コンバータ4bが出力する直流の第1中間電圧Vd1を、直流の第2中間電圧Vd2に変換する。定電圧回路4cは、第2中間電圧Vd2の大きさを予め決められた一定値に制御する。
【0022】
充電回路4dは、定電圧回路4cから第2中間電圧Vd2を供給され、電池3へ充電電流Icを流すように構成されている。充電回路4dの動作は、制御回路4jによって制御される。
【0023】
第1制御電源回路4eは、定電圧回路4cが出力する第2中間電圧Vd2を、直流の第1制御電圧Vc1に変換する。第1制御電源回路4eは、スイッチング電源回路又はリニア電源回路で構成され、第2中間電圧Vd2を第1制御電圧Vc1に降圧することが好ましい。第1制御電源回路4eは、外部電源9が通電し、第2中間電圧Vd2が生成されているときに、第1制御電圧Vc1を生成する。第1制御電圧Vc1は、制御回路4jを動作させるために制御回路4jに供給される。すなわち、第1制御電圧Vc1は、外部電源9の通電時に制御回路4jを動作させるための制御電圧である。
【0024】
第2制御電源回路4fは、電池3の電圧である直流の電池電圧Vbを、直流の第2制御電圧Vc2に変換する。第2制御電源回路4fは、スイッチング電源回路又はリニア電源回路で構成され、電池電圧Vbを第2制御電圧Vc2に降圧することが好ましい。第2制御電圧Vc2は、制御回路4jを動作させるために制御回路4jに供給される。すなわち、第2制御電圧Vc2は、外部電源9の停電時に制御回路4jを動作させるための制御電圧である。
【0025】
なお、本実施形態では、上述の第1制御電圧Vc1及び第2制御電圧Vc2の各大きさは等しい。そこで、以降の説明では、制御回路4jの制御電圧として、第1制御電圧Vc1と第2制御電圧Vc2とを区別しないときは、制御電圧Vcと称す。
【0026】
点灯回路4gは、電池3の放電電力で光源2を点灯させるように構成されている。本実施形態では、点灯回路4gは、電池3から供給される直流電流を定電流化し、負荷電流Ioとして光源2に供給する。点灯回路4gの動作は、制御回路4jによって制御される。
【0027】
電圧検出回路4hは、電池電圧Vbを検出し、電池電圧Vbの検出結果を含む電圧検出信号Y1を制御回路4jへ出力する。例えば、電圧検出回路4hは、直列接続された複数の抵抗器を備えて、電池電圧Vbを複数の抵抗器によって分圧した分圧電圧を、電圧検出信号Y1として制御回路4jへ出力する。
【0028】
温度検出回路4iは、電池3の温度を電池温度Tbとして検出し、電池温度Tbの検出結果を含む温度検出信号Y2を制御回路4jへ出力する。温度検出回路4iの回路例を、
図2に示す。
図2の温度検出回路4iは、抵抗器R1とサーミスタ(thermistor)TH1との直列回路を備える。抵抗器R1とサーミスタTH1との直列回路の両端には、制御電圧Vc(第1制御電圧Vc1又は第2制御電圧Vc2)が印加され、抵抗器R1とサーミスタTH1との接続点の電圧が、温度検出信号Y2として制御回路4jへ出力される。
【0029】
制御回路4jは、電圧検出信号Y1及び温度検出信号Y2を入力され、充電回路4d及び点灯回路4gを制御する。制御回路4jは、コンピュータシステムを備えることが好ましい。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御回路4jの機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリにあらかじめ記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む一乃至複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、一つ以上のプロセッサ及び一つ以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む一乃至複数の電子回路で構成される。
【0030】
制御回路4jは、外部電源9の停電を検出する停電検出機能を有する。本実施形態では、制御回路4jは、第1制御電圧Vc1を監視し、第1制御電圧Vc1が所定電圧以上であれば、外部電源9は通電状態であり、第1制御電圧Vc1が所定電圧未満であれば、外部電源9は停電状態であると判定する。なお、制御回路4jは、第1中間電圧Vd1又は第2中間電圧Vd2の大きさに基づいて、外部電源9の停電を検出してもよい。
【0031】
制御回路4jは、外部電源9が通電状態であれば、点灯回路4gの動作を停止し、充電回路4dを動作させる。また、制御回路4jは、外部電源9が停電状態であれば、充電回路4dの動作を停止し、点灯回路4gを動作させる。すなわち、点灯装置4は、外部電源9の通電時に、光源2を消灯させ、かつ、外部電源9から供給される外部電力を用いて電池3を充電する。また、点灯装置4は、外部電源9の停電時に、電池3の充電を停止し、電池3の放電電力によって光源2を点灯させる。
【0032】
(2.2)点灯装置の動作
電池3は、上述のように、外部電源9の通電時に充電され、外部電源9の停電時に放電する。電池3の電池温度Tbは、電池3の内部抵抗での電力損失による自己発熱、及び電池3の周囲温度などによって変動する。そして、電池3の劣化を抑え、かつ、電池3の安全性を確保するためには、電池温度Tbを管理する必要がある。
【0033】
そこで、制御回路4jは、
図3に示す放電温度範囲Wd及び充電温度範囲Wcの各データを予め記憶している。放電温度範囲Wdは、放電による電池3の劣化を抑え、かつ、電池3の安全性を十分に確保できる電池温度Tbの範囲であり、温度T11以上、かつ、温度T12以下の範囲である。充電温度範囲Wcは、充電による電池3の劣化を抑え、かつ、電池3の安全性を十分に確保できる電池温度Tbの範囲であり、温度T21以上、かつ、温度T22以下の範囲である。
図3では、温度T11は温度T21より低く、温度T12は温度T22より高い。例えば、温度T11を-20℃、温度T12を60℃、温度T21を0℃、温度T22を45℃とする。
【0034】
また、火災の発生時には、照明装置1の周囲の気温が上昇し、電池温度Tbも上昇する。そこで、制御回路4jは、
図3に示す強制点灯温度T3のデータを予め記憶している。強制点灯温度T3は、充電温度範囲Wcの最大値である温度T22より高い。
【0035】
また、電池3を使用することができる電池温度Tbの上限温度(使用上限温度)が予め決まっている。そこで、制御回路4jは、
図3に示す使用上限温度T4のデータを予め記憶しており、電池温度Tbが使用上限温度T4を上回ると、電池3の使用を停止させる。使用上限温度T4は、放電温度範囲Wdの最大値である温度T12、及び強制点灯温度T3より高い。
【0036】
さらに、制御回路4jは、電池電圧Vbと比較する閾値として、
図4に示す第1電圧閾値Vb21及び第2電圧閾値Vb22の各データを予め記憶している。第1電圧閾値Vb21は、第2電圧閾値Vb22より大きい。
【0037】
制御回路4jは、電圧検出信号Y1及び温度検出信号Y2を受け取り、電池温度Tbを上述の放電温度範囲Wd、充電温度範囲Wc、強制点灯温度T3、及び使用上限温度T4と比較し、電池電圧Vbを上述の第1電圧閾値Vb21、及び第2電圧閾値Vb22と比較する。そして、制御回路4jは、当該比較結果に基づいて、点灯回路4g及び充電回路4dを制御する。
【0038】
(2.2.1)外部電源の停電時における点灯装置の動作
制御回路4jは、外部電源9の停電時に、電池温度Tbを上述の放電温度範囲Wd、及び使用上限温度T4と比較し、電池電圧Vbを上述の第1電圧閾値Vb21、及び第2電圧閾値Vb22と比較する。そして、制御回路4jは、当該比較結果に基づいて、点灯回路4gを制御することで電池3の放電及び光源2の状態を制御する。
【0039】
具体的に、外部電源9の通電時に電池3は充電されているので、外部電源9が停電した直後の電池電圧Vbは、
図4の満充電電圧Vb1である。そして、制御回路4jが、点灯回路4gを動作させ、電池3の放電電力によって光源2を点灯させると、電池電圧Vbは、満充電電圧Vb1から徐々に低下する。制御回路4jは、電池電圧Vbが電圧閾値未満にまで低下すると、点灯回路4gの動作を停止させて(電池3の放電を停止させて)、光源2を消灯させる。
【0040】
本実施形態では、制御回路4jは、電池温度Tbに応じて電圧閾値を切り替える(
図3及び
図4参照)。
【0041】
制御回路4jは、電池温度Tbが放電温度範囲Wd内(温度T11以上、かつ、温度T12以下)であれば、電圧閾値を第1電圧閾値Vb21とする。そして、制御回路4jは、電池電圧Vbが第1電圧閾値Vb21未満にまで低下すると、点灯回路4gの動作を停止させて、光源2を消灯させる。
【0042】
しかしながら、電池温度Tbが放電温度範囲Wd外(温度T11未満、又は、温度T12より高い)になると、電池温度Tbが放電温度範囲Wd内であるときに比べて、電池3の容量が減少する。この結果、電池温度Tbが放電温度範囲Wd外になると、電池温度Tbが放電温度範囲Wd内であるときに比べて、光源2の点灯時間が短くなってしまう。
【0043】
そこで、制御回路4jは、電池温度Tbが放電温度範囲Wd外(温度T11未満、又は、温度T12より高い)であれば、電圧閾値を第1電圧閾値Vb21より小さい第2電圧閾値Vb22とする。そして、制御回路4jは、電池電圧Vbが第2電圧閾値Vb22未満にまで低下すると、点灯回路4gの動作を停止させて、光源2を消灯させる。すなわち、制御回路4jは、電池温度Tbが放電温度範囲Wd外であれば、電池電圧Vbが第1電圧閾値Vb21未満になっても、電池電圧Vbが第2電圧閾値Vb22未満に低下するまでは、電池3を放電させて、光源2を点灯させる。したがって、点灯装置4は、電池温度Tbが所定の温度範囲(放電温度範囲Wd)を外れても、電池3の放電電力を用いた光源2の点灯時間の減少を抑えることができ、光源2の点灯時間を十分に確保できる。
【0044】
また、制御回路4jは、外部電源9の停電時に、電池温度Tbが使用上限温度T4を上回れば、点灯回路4gの動作を停止させて、光源2を消灯させる。すなわち、点灯装置4は、電池3の放電時に電池温度Tbが使用上限温度T4を上回れば、電池電圧Vbの大きさに関わらず、電池3の放電を停止させる。言い換えると、点灯回路4gは、外部電源9の停電時において、電池温度Tbが使用上限温度T4を上回れば、光源2を消灯させる。したがって、点灯装置4は、放電時における電池3の安全性を向上させることができる。なお、火災警報器が火災を検知した場合などでは、電池温度Tbが使用上限温度T4を上回ったとしても、光源2を点灯させ続けてもよい。
【0045】
また、制御回路4jは、光源2を点灯させるとき、光源2に供給する負荷電流Ioを電池温度Tbの大きさに応じて可変とするように、点灯回路4gを制御することが好ましい。
図5は、電池温度Tbと負荷電流Ioとの関係として、2つの特性Z1、Z2を例示している。特性Z1、Z2のそれぞれでは、電池温度Tbが電池温度Tb11であるときの負荷電流Ioが、電池温度Tbが電池温度Tb11より高い電池温度Tb12であるときの負荷電流Ioより大きくなる。実線の特性Z1では、電池温度Tbが上昇すると、負荷電流Ioが階段状に減少する。一点鎖線の特性Z2では、電池温度Tbが上昇すると、負荷電流Ioが直線状に減少する。なお、電池温度Tbと負荷電流Ioとの関係は、上述の特性Z1、Z2に限定されず、電池温度Tbが上昇すると、負荷電流Ioが曲線状に減少する特性、又は2段以上の階段状に減少する特性などであってもよい。
【0046】
(2.2.2)外部電源の通電時における点灯装置の動作
制御回路4jは、外部電源9の通電時に、電池温度Tbを上述の充電温度範囲Wc、強制点灯温度T3、及び使用上限温度T4と比較する。そして、制御回路4jは、当該比較結果に基づいて、充電回路4d及び点灯回路4gを制御することで、電池3の充電及び放電、並びに光源2の状態を制御する。
【0047】
具体的に、制御回路4jは、外部電源9の通電時において、電池温度Tbが充電温度範囲Wc内(温度T21以上、かつ、温度T22以下)であれば、充電回路4dを動作させて、外部電力を用いて電池3を充電する。また、制御回路4jは、外部電源9の通電時において、電池温度Tbが充電温度範囲Wc外(温度T21未満、又は、温度T22より高い)であれば、充電回路4dを停止させて、電池3の充電を停止させる。すなわち、充電回路4dは、外部電源9の通電時において、電池温度Tbが充電温度範囲Wc外であれば、電池3の充電を停止する。したがって、点灯装置4は、充電時における電池3の安全性を向上させることができる。
【0048】
また、制御回路4jは、外部電源9の通電時に電池3を充電するとき、電池温度Tbに応じて電池3の充電電流Icを可変とするように、充電回路4dを制御することが好ましい。
図6は、電池温度Tbと充電電流Icとの関係として、2つの特性Z11、Z12を例示している。特性Z11、Z12のそれぞれでは、電池温度Tbが第1電池温度Tb21であるときの充電電流Icが、電池温度Tbが第1電池温度Tb21より高い第2電池温度Tb22であるときの充電電流Icより大きくなる。実線の特性Z11では、電池温度Tbが上昇すると、充電電流Icが階段状に減少する。一点鎖線の特性Z2では、電池温度Tbが上昇すると、充電電流Icが直線状に減少する。なお、電池温度Tbと充電電流Icとの関係は、上述の特性Z11、Z12に限定されず、電池温度Tbが上昇すると、充電電流Icが曲線状に減少する特性、又は2段以上の階段状に減少する特性などであってもよい。したがって、点灯装置4は、充電時における電池3の安全性をより向上させることができる。
【0049】
また、制御回路4jは、外部電源9の通電時には、基本的に光源2を消灯させるように点灯回路4gを制御する。しかしながら、火災の発生時などには、外部電源9が停電することなく、通電状態を維持することがある。そこで、制御回路4jは、火災の発生時には、点灯回路4gを動作させて、光源2を強制点灯させる。具体的に、火災の発生時には、照明装置1の周囲の気温が上昇し、電池温度Tbも上昇する。そこで、制御回路4jは、外部電源9が通電状態であっても、電池温度Tbが強制点灯温度T3以上になれば、点灯回路4gを動作させて、光源2を強制点灯させる。すなわち、点灯回路4gは、外部電源9の通電時において、電池温度Tbが強制点灯温度T3以上であれば、光源2を強制点灯させる。なお、強制点灯温度T3は、充電温度範囲Wcの高温側の温度T22より高く、使用上限温度T4より低い値に予め設定されている(
図3参照)。
【0050】
したがって、点灯装置4は、外部電源9が通電していても、火災発生時には光源2を点灯させることができる。また、点灯装置4は、電池温度Tbを検出する温度検出回路4iを火災検出回路としても兼用するので、構成を簡略化できる。
【0051】
制御回路4jは、上述のように光源2を強制点灯させているときに、電池温度Tbが更に上昇して使用上限温度T4を上回れば、点灯回路4gの動作を停止させて、光源2を消灯させる。すなわち、点灯回路4gは、電池温度Tbが強制点灯温度T3より高い所定温度(使用上限温度T4)を上回れば、光源2を消灯させる。したがって、点灯装置4は、放電時における電池3の安全性を向上させることができる。なお、火災警報器が火災を検知した場合などでは、電池温度Tbが使用上限温度T4を上回ったとしても、光源2を点灯させ続けてもよい。
【0052】
また、制御回路4jは、光源2を点灯させているとき、電池温度Tbの増加量ΔTbが増加閾値以上になると、光源2に供給する負荷電流Ioを低減するように、点灯回路4gを制御することが好ましい。
【0053】
図7は、停電時に光源2を点灯させたときの電池温度Tbの変化の一例を示す。点灯回路4gが時刻t1に負荷電流Ioの出力を開始すると、電池温度Tbは、周囲温度Tb31から自己発熱によって徐々に増加する。そして、時刻t1から時間X1が経過した時刻t2において、電池温度Tbは飽和温度Tb32に達する。この場合、電池温度Tbの増加量ΔTbは、(Tb32-Tb31)/X1となる。例えば、周囲温度Tb31=20℃、飽和温度Tb32=40℃、時間X1=4~5時間である。時間X1を4時間とすると、通常の増加量ΔTbは、5℃/時間(=(40-20)/4)となる。
【0054】
一方、火災の発生時には、電池温度Tbは、通常時に比べて急速に上昇する。そこで、制御回路4jは、増加閾値を予め記憶し、停電時に光源2を点灯させているときに増加量ΔTbが増加閾値以上になると、光源2に供給する負荷電流Ioを低減するように、点灯回路4gを制御する。すなわち、点灯回路4gは、光源2を点灯させているとき、電池温度Tbの増加量ΔTbが増加閾値以上になると、光源2へ供給する電力を低減させる。なお、増加閾値は、通常時の増加量ΔTbの10倍程度の値とすることが好ましい。
【0055】
火災の発生時などのように、電池温度Tbが急速に上昇すると、電池3の容量が急速に減少する。そこで上述のように、点灯装置4は、電池温度Tbが急速に上昇すると、光源2に供給する負荷電流Ioを低減させることで、電池3の放電電力を用いた光源2の点灯時間をより長くすることができ、光源2の点灯時間を十分に確保できる。
【0056】
また、制御回路4jは、外部電源9の通電時に光源2を消灯させているときに、電池温度Tbの増加量ΔTbに基づいて、火災の発生を検出してもよい。具体的に、制御回路4jは、外部電源9の通電時に光源2を消灯させているときに、電池温度Tbの増加量ΔTbが増加閾値以上になると、火災の発生を検出する。制御回路4jは、火災の発生時には、点灯回路4gを動作させて、光源2を強制点灯させる。したがって、点灯装置4は、外部電源9が通電していても、火災発生時には光源2を点灯させることができる。また、点灯装置4は、電池温度Tbを検出する温度検出回路4iを火災検出回路としても兼用するので、構成を簡略化できる。
【0057】
(3)照明器具の構造
図8A~
図8Cに示す照明器具E1は、集合住宅の各住戸、戸建て住宅、オフィスビル、及び商業施設などの建物に設置された電池内蔵型の防災照明器具であり、建物の屋内の天井に設けられた埋込孔に埋め込まれる、埋込型の非常灯である。ただし、照明器具は埋込型の非常灯に限定されない。照明器具は、天井に直付けされる露出型の非常灯であってもよいし、誘導灯などの非常灯以外の防災照明器具であってもかまわない。
【0058】
以下、光源2、電池3、及び点灯装置4を備える照明器具E1の構造の一例について、
図8A~
図8Cを参照して説明する。本実施形態に係る照明器具E1は、例えば、天井材や壁材などの造営材に取り付けられており、停電時に避難用の通路などに照明光を照射する。
【0059】
照明器具E1は、
図8A~
図8Cに示すように、本体10と、カバー11と、一対の支持具12とを備える。
【0060】
本体10は、
図8A及び
図8Bに示すように、1つの底面(下面)が開口した有底円筒状に形成されている。本体10の側面に一対の支持具12が取り付けられている。本体10の下端には、外向きに突出する円環状のフランジ100が形成されている。
【0061】
一対の支持具12は、
図8A~
図8Cに示すように、長尺の板ばね状に形成されている。各支持具12は、長手方向の一端部で本体10の側面に固定され、かつ、長手方向の他端部が本体10の底面(上面)に近付く向き(上向き)にたわみ可能に構成されている。つまり、本体10は、天井に設けられた埋込孔内に挿入される一対の支持具12と、本体10の下端面に設けられているフランジ100との間で天井材を挟み込むようにして天井材に支持される。
【0062】
カバー11は、
図8A~
図8Cに示すように、本体10のフランジ100の外径よりも大きい円盤状に形成されている。
図8Bに示すように、カバー11の中央には、円形の窓孔110が設けられている。窓孔110には、光源ユニット2Uのレンズ21が貫通している。カバー11は、一対の取付ばねが取り付けられている。カバー11は、
図8Cに示すように、一対の取付ばねにより、本体10の底面を閉塞する状態で本体10に保持される。
【0063】
本体10には、光源2、電池3、及び点灯装置4(
図1参照)が取り付けられている。より詳細には、
図8Bに示すように、光源ユニット2U、電池ユニット3U、及び点灯ユニット4Uは、本体10内に収容されている。ただし、電池ユニット3Uは、本体10の底面の開口を通して抜き差し可能に本体10内に収容されている。
【0064】
光源ユニット2Uは、
図8Bに示すように、LEDモジュール20及びレンズ21を備える。LEDモジュール20は、光源2(
図1参照)が実装された基板を有し、順方向に電圧が印加されることにより、白色、昼白色又は昼光色などの白色系の照明光を放射する。レンズ21は、LEDモジュール20の前方(下方)に配置され、LEDモジュール20から放射される光を集める。
【0065】
図8Bに示す電池ユニット3Uは、複数の素電池を含む電池3(
図1参照)と、電池3を収容する電池ケースとを有する。電池3は、例えば、リチウムイオン電池である。電池ケースは、合成樹脂などの電気絶縁性を有する材料で箱形に形成されており、複数の素電池を内部に収容する。
【0066】
図8Bに示す点灯ユニット4Uは、点灯装置4(
図1参照)を有する。
【0067】
(4)変形例
照明器具は、
図8A~
図8Cの照明器具E1のような光源2、電池3、及び点灯装置4を1つの本体10に収容した電池内蔵型の防災照明器具に限定されない。照明器具は、光源2及び点灯装置4と電池3とを別体に構成し、点灯装置4は、当該建物に設置されている電池3から電源供給を受けて光源2を非常点灯させる電源別置型の防災照明器具であってもよい。また、制御回路4jを本体から分離し、制御回路4jは、複数の照明器具のそれぞれの電池3の充電及び放電、並びに光源2の点灯及び消灯を制御してもよい。この場合、制御回路4jは、建物毎又は建物のフロア毎に設置されることが好ましい。
【0068】
また、電池3は、特定の種類の二次電池に限定されず、例えばニッケル・水素電池、又はニッケル・カドミウム電池であってもよい。
【0069】
また、点灯装置4は、フィルタ4a、コンバータ4b、定電圧回路4c、充電回路4d、第1制御電源回路4e、第2制御電源回路4f、点灯回路4g、電圧検出回路4h、温度検出回路4i、及び制御回路4jなどの各回路を有する。点灯装置4は、上述の各回路を1つの装置に含む構成、及び複数の装置に各回路を分散させる構成のいずれであってもよい。
【0070】
(5)まとめ
上述の実施形態に係る第1の態様の点灯装置(4)は、充電回路(4d)と、点灯回路(4g)と、電圧検出回路(4h)と、温度検出回路(4i)と、を備える。充電回路(4d)は、外部電源(9)から供給される外部電力で電池(3)を充電する。点灯回路(4g)は、電池(3)の放電電力で光源(2)を点灯させる。電圧検出回路(4h)は、電池(3)の電池電圧(Vb)を検出する。温度検出回路(4i)は、電池(3)の電池温度(Tb)を検出する。点灯回路(4g)は、外部電源(9)の停電時において、電池温度(Tb)が放電温度範囲(Wd)内であれば、電池電圧(Vb)が第1電圧閾値(Vb21)未満になると、光源(2)を消灯させる。点灯回路(4g)は、外部電源(9)の停電時において、電池温度(Tb)が放電温度範囲(Wd)外であれば、電池電圧(Vb)が第1電圧閾値(Vb21)より低い第2電圧閾値(Vb22)未満になると、光源(2)を消灯させる。
【0071】
上述の点灯装置(4)は、電池温度(Tb)が所定の温度範囲(Wd)を外れても、電池(3)の放電電力を用いた光源(2)の点灯時間の減少を抑えることができる。
【0072】
また、実施形態に係る第2の態様の点灯装置(4)では、第1の態様において、点灯回路(4g)は、光源(2)の点灯時において、電池温度(Tb)が放電温度範囲(Wd)の最大値(T12)より高い使用上限温度(T4)を上回れば、光源(2)を消灯させることが好ましい。
【0073】
上述の点灯装置(4)は、放電時における電池(3)の安全性を向上させることができる。
【0074】
また、実施形態に係る第3の態様の点灯装置(4)では、第1又は第2の態様において、充電回路(4d)は、外部電源(9)の通電時において、電池温度(Tb)が充電温度範囲(Wc)外であれば、電池(3)の充電を停止することが好ましい。
【0075】
上述の点灯装置(4)は、充電時における電池(3)の安全性を向上させることができる。
【0076】
また、実施形態に係る第4の態様の点灯装置(4)では、第3の態様において、充電回路(4d)は、外部電源(9)の通電時において、電池温度(Tb)が充電温度範囲(Wc)内であれば電池(3)を充電し、電池温度(Tb)が第1電池温度(Tb21)であるときの電池(3)の充電電流(Ic)を、電池温度(Tb)が第1電池温度(Tb21)より高い第2電池温度(Tb22)であるときの電池(3)の充電電流(Ic)より大きくすることが好ましい。
【0077】
上述の点灯装置(4)は、充電時における電池(3)の安全性をより向上させることができる。
【0078】
また、実施形態に係る第5の態様の点灯装置(4)では、第1乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、点灯回路(4g)は、外部電源(9)の通電時において、電池温度(Tb)が強制点灯温度(T3)以上であれば、光源(2)を点灯させることが好ましい。
【0079】
上述の点灯装置(4)は、外部電源(9)が通電していても、火災発生時には光源(2)を点灯させることができる。また、点灯装置(4)は、電池温度(Tb)を検出する温度検出回路(4i)を火災検出回路としても兼用するので、構成を簡略化できる。
【0080】
また、実施形態に係る第6の態様の点灯装置(4)では、第5の態様において、点灯回路(4g)は、電池温度(Tb)が強制点灯温度(T3)より高い所定温度(T4)を上回れば、光源(2)を消灯させることが好ましい。
【0081】
上述の点灯装置(4)は、放電時における電池(3)の安全性を向上させることができる。
【0082】
また、実施形態に係る第7の態様の点灯装置(4)では、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、点灯回路(4g)は、光源(2)を点灯させているとき、電池温度(Tb)の増加量(ΔTb)が増加閾値以上になると、光源(2)へ供給する電力を低減させることが好ましい。
【0083】
上述の点灯装置(4)は、電池(3)の放電電力を用いた光源(2)の点灯時間をより長くすることができ、光源(2)の点灯時間を十分に確保できる。
【0084】
また、実施形態に係る第8の態様の照明装置(1)は、第1乃至第7の態様のいずれか1つの点灯装置(4)と、光源(2)と、電池(3)と、を備える。
【0085】
上述の照明装置(1)は、電池温度(Tb)が所定の温度範囲(Wd)を外れても、電池(3)の放電電力を用いた光源(2)の点灯時間の減少を抑えることができる。
【0086】
また、実施形態に係る第9の態様の照明装置(1)では、第8の態様において、電池(3)は、リチウムイオン電池であることが好ましい。
【0087】
上述の照明装置(1)は、電池(3)の小型化と大容量化とを両立させることができる。
【0088】
また、実施形態に係る第10の態様の照明器具(E1)は、第8又は第9の態様の照明装置(1)と、点灯装置(4)、光源(2)、及び電池(3)の少なくとも1つが取り付けられる本体(10)と、を備える。
【0089】
上述の照明器具(E1)は、電池温度(Tb)が所定の温度範囲(Wd)を外れても、電池(3)の放電電力を用いた光源(2)の点灯時間の減少を抑えることができる。
【符号の説明】
【0090】
E1 照明器具
1 照明装置
2 光源
3 電池
4 点灯装置
4d 充電回路
4g 点灯回路
4h 電圧検出回路
4i 温度検出回路
9 外部電源
Vb 電池電圧
Vb21 第1電圧閾値
Vb22 第2電圧閾値
Wd 放電温度範囲
Wc 充電温度範囲
Tb 電池温度
T3 強制点灯温度
T4 使用上限温度(所定温度)
T12 放電温度範囲の最大値
Tb21 第1電池温度
Tb22 第2電池温度
Ic 充電電流
ΔTb 増加量