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特許7432912駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置
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  • 特許-駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置 図1
  • 特許-駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置 図2
  • 特許-駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置 図3
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  • 特許-駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置 図6
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  • 特許-駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】駆動軸とバフホイールとの連結構造及び該連結構造を有する研磨装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 45/00 20060101AFI20240209BHJP
   B24B 55/06 20060101ALI20240209BHJP
   B24B 55/04 20060101ALI20240209BHJP
   B24B 29/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
B24B45/00 Z
B24B55/06
B24B55/04 Z
B24B29/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019156532
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021030406
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】591242449
【氏名又は名称】株式会社タクボ精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】田窪 定雄
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-066966(JP,U)
【文献】実開昭60-048970(JP,U)
【文献】特開平10-217120(JP,A)
【文献】特開2016-060035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 45/00
B24B 55/06
B24B 55/04
B24B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バフホイールと該バフホイールを回転させる駆動軸との連結構造に於いて、前記バフホイールは中心部に前記駆動軸と嵌合するカップリングを有し、該カップリングは前記駆動軸に嵌合する嵌合孔と、該嵌合孔を横断し、該嵌合孔の軸心と直交する連結ピンとを有し、前記駆動軸は先端部に前記連結ピンと嵌合可能なスリットが形成され、該スリットの終端位置のスリット壁面に前記駆動軸の駆動回転方向とは逆の方向に溝が刻設され、前記駆動軸と前記カップリングの嵌合により、前記連結ピンが前記スリットに挿入され、前記駆動軸の駆動回転により該駆動軸と前記カップリングとが相対回転し、前記連結ピンが前記溝に嵌合し、該嵌合により前記連結ピンの前記駆動軸の軸心方向の変位及び前記駆動軸に対する駆動回転方向の変位が拘束され、前記連結ピンを介して前記バフホイールと前記駆動軸とが連結される様構成された駆動軸とバフホイールとの連結構造。
【請求項2】
前記カップリングは、前記バフホイールの中心部の両面に設けられるワッシャと該ワッシャと前記バフホイールとを貫通する中空シャフトと該中空シャフトに螺着され、前記ワッシャ間に前記バフホイールを挾持する様に固着されるナットとによって構成され、前記連結ピンは前記中空シャフトに設けられた請求項1に記載の駆動軸とバフホイールとの連結構造。
【請求項3】
上半前部が開放された筐体と、該筐体に取付けられ、前記上半前部を開閉可能な透明な透明カバーと、前記筐体を上部室と下部室とに仕切る台座板と、前記下部室に設けられた駆動部と前記台座板より前記上部室に突出する軸支持ユニットとを有し、該軸支持ユニットより駆動軸が水平に突出し、該駆動軸は前記駆動部により回転され、又該駆動軸に請求項1又は請求項2の連結構造を介してバフホイールが連結され、前記透明カバーの前面には左右2箇所に、腕を挿入し眼鏡レンズの研磨を実行する為の挿入口が形成された研磨装置。
【請求項4】
前記台座板に排気口が設けられ、前記台座板には前記排気口と連通する排気ノズルが設けられ、該排気ノズルは集塵機の吸引ホースと連結可能である請求項3に記載の研磨装置。
【請求項5】
前記集塵機は市販の掃除機である請求項4に記載の研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼鏡レンズの周縁を研磨する研磨装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
眼鏡レンズは眼鏡フレームの枠形状に合せて荒削りされ、周縁には眼鏡フレームの溝に嵌合する様ヤゲンが形成される。更に、周縁は見栄えをよくする為仕上げ研磨される。
【0003】
仕上げ研磨の工程ではバフ研磨が行われる。バフ研磨では、布製のバフホイールに砥石粉(砥の粉)を塗布し、バフホイールを回転させて研磨が行われる。又、仕上げの工程に合わせて砥の粉は、粗い粒度から細かい粒度に変更されるが、砥の粉の変更に合せてバフホイールも変更する必要がある。
【0004】
従来の研磨装置では、回転シャフトにバフホイールを嵌合し、ボルト等の固着具を用いて回転シャフトに固定していたので、バフホイールの交換が面倒で時間が掛っていた。更に、研磨装置のバフホイールを収納する空間は、工具を用いて固着具を着脱する作業ができる広さを必要としていた。この為、研磨装置が大型化していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭60-48970号公報
【文献】特開2012-526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み、研磨装置に於けるバフホイールの交換が簡単に行えると共に研磨装置の小型化を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バフホイールと該バフホイールを回転させる駆動軸との連結構造に於いて、前記バフホイールは中心部に前記駆動軸と嵌合するカップリングを有し、該カップリングは前記駆動軸に嵌合する嵌合孔と、該嵌合孔を横断し、該嵌合孔の軸心と直交する連結ピンとを有し、前記駆動軸は先端部に前記連結ピンと嵌合可能なスリットが形成され、該スリットの終端位置に溝が刻設され、前記駆動軸と前記カップリングの嵌合により、前記連結ピンが前記スリットに挿入され、前記駆動軸と前記カップリングの相対回転により前記連結ピンが前記溝に嵌合し、前記バフホイールと前記駆動軸とが連結される様構成された駆動軸とバフホイールとの連結構造に係るものである。
【0008】
又本発明は、前記カップリングは、前記バフホイールの中心部の両面に設けられるワッシャと該ワッシャと前記バフホイールとを貫通する中空シャフトと該中空シャフトに螺着され、前記ワッシャ間に前記バフホイールを挾持する様に固着されるナットとによって構成され、前記連結ピンは前記中空シャフトに設けられた駆動軸とバフホイールとの連結構造に係るものである。
【0009】
又本発明は、上半前部が開放された筐体と、該筐体に取付けられ、前記上半前部を開閉可能な透明な透明カバーと、前記筐体を上部室と下部室とに仕切る台座板と、前記下部室に設けられた駆動部と前記台座板より前記上部室に突出する軸支持ユニットとを有し、該軸支持ユニットより駆動軸が水平に突出し、該駆動軸は前記駆動部により回転され、又該駆動軸に上記連結構造を介してバフホイールが連結され、前記透明カバーの前面には左右2箇所に腕挿入用の挿入口が形成された研磨装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記台座板に排気口が設けられ、前記台座板には前記排気口と連通する排気ノズルが設けられ、該排気ノズルは集塵機の吸引ホースと連結可能である研磨装置に係るものである。
【0011】
更に又本発明は、前記集塵機は市販の掃除機である研磨装置に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バフホイールと該バフホイールを回転させる駆動軸との連結構造に於いて、前記バフホイールは中心部に前記駆動軸と嵌合するカップリングを有し、該カップリングは前記駆動軸に嵌合する嵌合孔と、該嵌合孔を横断し、該嵌合孔の軸心と直交する連結ピンとを有し、前記駆動軸は先端部に前記連結ピンと嵌合可能なスリットが形成され、該スリットの終端位置に溝が刻設され、前記駆動軸と前記カップリングの嵌合により、前記連結ピンが前記スリットに挿入され、前記駆動軸と前記カップリングの相対回転により前記連結ピンが前記溝に嵌合し、前記バフホイールと前記駆動軸とが連結される様構成されたので、前記カップリングと前記駆動軸とを嵌合させるだけで前記バフホイールを前記駆動軸に装着でき、又前記カップリングを前記駆動軸から抜くだけで前記バフホイールの取外しが可能であり、前記バフホイール取付け取外し作業は極めて簡単である。
【0013】
又本発明によれば、上半前部が開放された筐体と、該筐体に取付けられ、前記上半前部を開閉可能な透明な透明カバーと、前記筐体を上部室と下部室とに仕切る台座板と、前記下部室に設けられた駆動部と前記台座板より前記上部室に突出する軸支持ユニットとを有し、該軸支持ユニットより駆動軸が水平に突出し、該駆動軸は前記駆動部により回転され、又該駆動軸に上記連結構造を介してバフホイールが連結され、前記透明カバーの前面には左右2箇所に腕挿入用の挿入口が形成されたので、研磨装置の主な構成が駆動部と軸支持ユニットのみとなり極めて簡単であり、更に上部室(作業空間)が透明カバーで密閉され、上部室は市販の集塵機によって除塵、排気されるので、集塵機を研磨装置に装備する必要がなく、小型、安価な構成とすることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係る研磨装置の外観図である。
図2】該研磨装置のカバーを開いた状態の外観図である。
図3】本実施例に係る回転軸とバフホイールとの連結構造を示す斜視図である。
図4】該バフホイールの分解斜視図である。
図5】(A)は該バフホイールの正面図、(B)は該バフホイールの断面図である。
図6】(A)は回転軸のスリット部の断面図、(B)はスリット部の側面図、(C)はカップリングをバフホイールに装着した状態の断面図である。
図7】スリット部の他の例を示し、(A)は回転軸のスリット部の断面図、(B)はスリット部の側面図である。
図8】スリット部の他の例を示し、(A)は回転軸のスリット部の断面図、(B)はスリット部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0016】
先ず、図1図2により本実施例に係る研磨装置の概略を説明する。
【0017】
筐体1は上半前部が開放され箱形状となっており、合成樹脂或はアルミ材料等の金属材料によりモールド成型、金属板等適宜な材料で板金成型等、適宜な材料により適宜な工法により製作することができる。
【0018】
前記筐体1内部は、台座板2により上部室3と下部室4の上下に仕切られている。該下部室4は密閉された空間となっており、該下部室4にはモータを含む駆動機構(図示せず)、該駆動機構の作動を制御する制御基板(図示せず)等が収納されている。
【0019】
前記筐体1には前記上半前部を覆う合成樹脂製の透明カバー5が蝶番6を介して取付けられている。前記透明カバー5は前記蝶番6を介して回転し、開いた状態では前記上部室3を開放し、閉じた状態では前記上部室3を画成する構造部材として機能する。
【0020】
前記透明カバー5と前記筐体1とが接する部分にはゴム材等によるシール部材(図示せず)が設けられる。尚、シール部材は前記透明カバー5に設けられても、前記筐体1に設けられてもよい。
【0021】
前記透明カバー5の前面には、左右の腕がそれぞれ挿入できる半円状の挿入口10が形成されている。前記挿入口10の周縁にはゴム、合成樹脂等弾力性を有する縁部材7が取付けられている。
【0022】
前記台座板2には上方に突出する軸支持ユニット8が設けられ、該軸支持ユニット8は前記台座板2に設けられたケース9と該ケース9から水平に突出する回転軸11、該回転軸11を回転自在に支持する軸受(図示せず)、前記回転軸11に嵌着されたプーリ(図示せず)とを有し、前記軸支持ユニット8は気密な構造となっている。
【0023】
前記プーリ(図示せず)は前記下部室4に設けられたモータ(図示せず)とベルト等により連結され、前記モータにより回転される様になっている。
【0024】
前記回転軸11にはバフホイール12が取付けられ、該バフホイール12は前記プーリ、前記回転軸11を介して前記モータ(図示せず)により回転される様になっている。従って、前記回転軸11は前記バフホイール12を回転駆動する駆動軸となっている。
【0025】
前記台座板2には排気口14が設けられ、又前記下部室4には該排気口14に連通する排気ダクト15が設けられている。前記下部室4に排気ノズル16が設けられ、該排気ノズル16は前記排気ダクト15と連通している。
【0026】
又、前記排気ノズル16は集塵機の吸引ホース(図示せず)と連結可能となっている。尚、集塵機としては、業務用掃除機、家庭用掃除機等の市販の掃除機でもよく、吸引ホースは掃除機に付属している吸引ホースでよい。
【0027】
尚、図1図2中、13は照明ランプを示している。
【0028】
図3図8により、バフホイール連結機構について説明する。
【0029】
前記回転軸11は前記ケース9に設けられた軸受21により回転自在に支持される。前記回転軸11には先端側から該回転軸11の軸心上にスリット22が刻設されている。該スリット22は前記バフホイール12との連結に用いられる。該スリット22の形状については後述するが、前記スリット22の間口部分については面取加工されていることが好ましい。
【0030】
前記バフホイール12の中心にはカップリング24が取付けられる。
【0031】
該カップリング24は図4に見られる様に、前記回転軸11に嵌合する嵌合孔を有する中空シャフト25、該中空シャフト25に外嵌するワッシャ26,27、前記中空シャフト25に螺合するナット28から構成される。
【0032】
前記中空シャフト25は前記回転軸11に嵌合し、更に嵌合は前記中空シャフト25と前記回転軸11間の相対回転が抵抗なく実現される様になっている。又嵌合は、ガタツキのない嵌合とされる。
【0033】
前記中空シャフト25は前記バフホイール12の中心を該バフホイール12と同心に貫通する様に形成され、前記中空シャフト25の基端部にはフランジ25aが形成され、前記中空シャフト25の先端部には螺子部25bが刻設されている。
【0034】
前記中空シャフト25の基端部(前記軸支持ユニット8側の端部)には連結ピン29が前記中空シャフト25の嵌合孔を横切る様に設けられ、該連結ピン29の軸心は前記中空シャフト25の軸心と直交し、且つ前記中空シャフト25の直径に合致する。
【0035】
前記カップリング24の前記バフホイール12への取付けは、前記ワッシャ26を介在して前記中空シャフト25を前記バフホイール12に挿通し、前記ワッシャ27を前記中空シャフト25に外嵌し、前記ナット28を前記螺子部25bに螺着し、前記ナット28を締付けることで行われる。
【0036】
而して、前記ナット28の着脱で、前記カップリング24の前記バフホイール12への取付け、取外しは簡単に行える。
【0037】
尚、図示ではナット28として、丸ナットが示されているが、6角ナットを用いることも可能である。更に、前記フランジ25aに回止の為のスリットを刻設してもよく、或は前記フランジ25aに外周の2箇所を平行に面取りしてもよい。
【0038】
図5(A)、図5(B)は前記カップリング24を前記バフホイール12に取付けた状態を示している。
【0039】
前記カップリング24は前記回転軸11に嵌合し、前記カップリング24と前記回転軸11との間で生じる相対回転により、前記連結ピン29と前記中空シャフト25とが係合し、前記回転軸11と前記バフホイール12とが連結される。
【0040】
前記スリット22について図6(A)~図6(C)を参照して説明する。
【0041】
図6(A)は図6(B)のA-A矢視図、図6(B)は回転軸11先端部の部分図、図6(C)はカップリング24が装着されたバフホイール12の部分図を示している。
【0042】
該カップリング24は前記回転軸11の先端側から前記連結ピン29が前記スリット22に嵌合する様に挿入される。
【0043】
前記スリット22は前記連結ピン29が抵抗なく嵌合されるスリット幅とされ、好ましくはスリットを形成する面は円滑仕上げされるものとする。尚、前記連結ピン29に対して前記スリット22のスリット幅は多少の余裕があったとしても、前記回転軸11と前記中空シャフト25とが嵌合するので支障ない。
【0044】
前記スリット22の終端位置(前記連結ピン29が突当る位置で)で、前記スリット22の壁面22aに溝31を刻設する。該溝31は前記回転軸11の中心から外周に向って漸次深くなる様傾斜し、前記連結ピン29が前記回転軸11の軸心を中心に所要角度、例えば20゜回転可能となっている。又、前記溝31の最深部は前記連結ピン29の半径より深いことが好ましい。
【0045】
該溝31の溝幅は、前記連結ピン29の直径と等しくし、該連結ピン29が前記溝31にガタツキなく、且つ抵抗なく円滑に嵌合する溝幅とする。又、溝が刻設される方向は、前記回転軸11の駆動回転方向とは逆の方向に形成される。
【0046】
尚、前記溝31の回転角度は、20°に限らず適宜な角度でよい。前記回転軸11と前記カップリング24間で軸心方向の離反力が作用した場合に前記連結ピン29が前記溝31から外れなければよい。
【0047】
更に、前記溝31については、種々変更が可能であり、例えば、図7(A)、図7(B)に示される溝31′の様に、正逆方向に傾斜する溝31′を刻設してもよい。該溝31′,溝31′′の場合、回転軸11が正逆回転したいずれの場合も連結ピン29は該溝31′,31′′に嵌合する。
【0048】
更に、図8(A)、図8(B)に示される様に、前記スリット22の前記壁面22aに前記スリット22の前記壁面22aと平行な溝31′′を刻設してもよい。
【0049】
図6図8に示されるいずれの溝31,31′,31′′の場合も、該溝31,31′,31′′と前記連結ピン29間で多少の隙間があったとしても、前記カップリング24と前記回転軸11とはガタツキなく嵌合しているので、前記カップリング24と前記回転軸11間の相対回転で、前記連結ピン29は前記回転軸11に対して同心で前記カップリング24と一体で回転し、前記溝31に嵌合する。
【0050】
前記溝31′,31′′の場合、回転軸11が正逆回転したいずれの場合も連結ピン29は該溝31′,31′′に嵌合する。
【0051】
前記連結ピン29が前記溝31,31′,31′′に嵌合することで、前記連結ピン29の前記回転軸11の軸心方向の変位が拘束され、前記回転軸11と前記カップリング24の連結が実現される。
【0052】
前記回転軸11の回転力は前記連結ピン29を介して前記カップリング24に伝達され、前記バフホイール12は前記回転軸11によって回転される。又、前記連結ピン29と前記溝31との嵌合により、前記連結ピン29と前記カップリング24間の軸心方向の変位が拘束されるので、前記バフホイール12が回転中に外れることはない。
【0053】
次に、本実施例に係る研磨装置の作用について説明する。
【0054】
本実施例に於いて、前記バフホイール12には予め前記カップリング24を装着しておく。
【0055】
尚、前記カップリング24は、研磨作業時に前記バフホイール12にその都度装着してもよいし、或は前記カップリング24を複数準備し、研磨作業に必要とされるバフホイール12に予め装着してもよい。
【0056】
研削作業の準備として、前記排気ノズル16に掃除機の吸引ホースを接続する。
前記透明カバー5を開け、前記軸支持ユニット8を露出させ、作業空間を確保した状態で、前記カップリング24を前記回転軸11に嵌める。
【0057】
尚、前記バフホイール12に砥の粉を塗布するのは、前記バフホイール12を嵌める前、嵌めた後のいずれでもよい。
【0058】
尚、研磨作業で、必要ならば、前記照明ランプ13を点灯する。
【0059】
前記透明カバー5を閉じ、モータにより前記バフホイール12を回転させ、前記排気ノズル16より排気した状態で左右の腕を前記挿入口10から挿入し、眼鏡レンズの周面を前記バフホイール12の周面に当接し、レンズを回転させながらレンズ周面の研磨を実行する。
【0060】
研磨中は、前記研磨装置の内部は略密閉され、更に前記上部室3は吸引排気されているので、粉塵の飛散が防止される。
【0061】
研磨を実行中は前記バフホイール12に研磨による摩擦抵抗が作用するので、前記回転軸11と前記カップリング24間の相対変位が維持され、前記連結ピン29の前記溝31に対する嵌合により前記バフホイール12の前記回転軸11に対する嵌合が保持される。
【0062】
精細研磨を行う場合は、砥の粉を微細粒度に変えて研磨を実行する。前記透明カバー5を開け、前記バフホイール12を取外す。取外し作業は、該バフホイール12を前記回転軸11の回転方向に少し回転させ、前記バフホイール12を抜取るだけで簡単に外すことができる。
【0063】
粒度の小さい砥の粉が塗布されたバフホイール12を前記回転軸11に取付け、前記透明カバー5を閉じ、更に研磨を続行する。研磨の仕上げ状態を向上させたい場合は、砥の粉の粒度を順次細かくして研磨作業を繰返し行う。
【0064】
上記した様に、本実施例では前記透明カバー5を開けることで十分な作業空間が確保できる。従って、研磨装置の小型化が可能である。而も、工具を用いることなく、前記回転軸11対する前記バフホイール12の抜差し動作だけで、簡単にバフホイール12の交換が行える。従って、作業性が向上する。
【0065】
更に、市販の掃除機を集塵機として使用できるので、研磨装置に集塵機を装備する必要がなく、研磨装置を安価に製作できると共に装置の簡略化、小型化が図れ、卓上型研磨装置として製作が可能である。
【0066】
而して、本実施例では小型で簡単に移動設置可能で、粉塵の飛散を防止できる卓上型の研磨装置の提供が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 筐体
2 台座板
3 上部室
4 下部室
5 透明カバー
8 軸支持ユニット
10 挿入口
11 回転軸
12 バフホイール
13 照明ランプ
14 排気口
15 排気ダクト
16 排気ノズル
24 カップリング
25 中空シャフト
28 ナット
29 連結ピン
31 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8