(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム、並びにその方法
(51)【国際特許分類】
H04L 9/32 20060101AFI20240209BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240209BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20240209BHJP
【FI】
H04L9/32 200Z
G06Q50/10
G06Q30/0241
H04L9/32 200B
(21)【出願番号】P 2022191668
(22)【出願日】2022-11-30
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520420481
【氏名又は名称】天宿智能科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】王振軒
(72)【発明者】
【氏名】楊建民
(72)【発明者】
【氏名】苗華斌
【審査官】青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2022/0006642(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2210448(KR,B1)
【文献】国際公開第2021/132483(WO,A1)
【文献】特開2021-72116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0111068(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0372777(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0279305(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
G06Q 50/10
G06Q 30/0241
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システムであって、
ブロックチェーンネットワークのノードの1つとする製品発行ホストであって、前記ブロックチェーンネットワークにおいて非代替性トークン(Non Fungible Token,NFT)スマートコントラクトを広告するために用いられ、前記NFTスマートコントラクトは初期登録関数及び二次配信関数を含み、前記初期登録関数には製品発行公開鍵を格納し、且つ前記初期登録関数の実行前または実行時に、製品に対応する製品NFTの生成を許可する広告モジュールと、前記広告モジュールに接続され、前記製品の生成時に、前記製品の必要な情報を製品発行秘密鍵により製品暗号化コンテンツとして暗号化し、前記製品暗号化コンテンツ及び製品秘密鍵を前記製品または前記製品に対応する実体装置に埋め込み、前記必要な情報は製品公開鍵を含む生成モジュールと、をさらに含む製品発行ホストと、
前記ブロックチェーンネットワークのノードの1つとする初期登録ホストであって、前記製品の初期登録を実行する際に、前記製品または前記実体装置から前記製品暗号化コンテンツを取得して前記初期登録関数に転送し、前記初期登録関数を格納した前記製品発行公開鍵により前記製品暗号化コンテンツに対し復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得し、前記製品NFTが未生成である場合、前記製品に対応する前記製品NFTを生成し、且つ前記第一復号化コンテンツと前記必要な情報とが一致する場合、既に生成した前記製品NFTの所有権を前記初期登録ホストに移転して初期登録を完了するための初期登録ホストと、
前記ブロックチェーンネットワークのノードの1つとする二次配信送信端ホストであって、初期登録が既に完了した前記製品NFTに対し二次配信を行う際に、前記二次配信送信端ホストは前記二次配信関数を通知して配信する前記製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定し、前記二次配信受信端アドレスに基づいて二次配信受信端ホストに向けて配信暗号化コンテンツを提供するように要求するための二次配信送信端ホストと、
前記ブロックチェーンネットワークのノードの1つとする二次配信受信端ホストであって、前記製品または商品及び対応する前記実体装置を前記二次配信受信端ホストに配信した後、前記二次配信受信端ホストが自身の受信端秘密鍵及び獲得された前記製品秘密鍵により前記二次配信関数に予め設定されている正規メッセージに対し順に暗号化して前記配信暗号化コンテンツを生成し、且つ前記配信暗号化コンテンツを前記二次配信関数に転送し、前記二次配信関数が前記製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化して第二復号化コンテンツを獲得し、前記第二復号化コンテンツと前記正規メッセージとが一致すると共に前記配信タイムアウト時間を未超過である場合、前記配信条件を満たしていると見なし、前記製品NFTの所有権を前記二次配信受信端ホストに移転して前記製品と前記製品NFTの所有権との一致性を維持する二次配信受信端ホストと、を備えていることを特徴とする、
仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム。
【請求項2】
前記製品がデジタルコンテンツである場合、前記二次配信受信端ホストが前記デジタルコンテンツを複数のコンテンツフラグメントに分割することを許可し、前記コンテンツフラグメントのうちの何れか1つに対し分離及びオフサイト格納を行い、前記受信端公開鍵により分離した前記コンテンツフラグメントに対し暗号化を行って暗号化分離コンテンツを生成し、前記暗号化分離コンテンツを前記NFTスマートコントラクトに書き込み、再度二次配信を行う際に、前記製品NFTの所有者が前記暗号化分離コンテンツを復号化して還元し、或いは前記受信端公開鍵により新しい別の暗号化分離コンテンツとして暗号化することを特徴とする請求項1に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム。
【請求項3】
前記製品暗号化コンテンツ及び前記製品秘密鍵は、二次元コードに変換してから前記製品または前記製品に対応する前記実体装置に埋め込むか、或いは前記製品または前記製品に対応する前記実体装置に直接埋め込み、前記実体装置はスマートICカードまたはRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag,RFID Tag)であることを特徴とする請求項1に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム。
【請求項4】
前記第二復号化コンテンツと前記正規メッセージとが不一致であるか、前記配信タイムアウト時間を既に超過している場合、前記配信条件を満たしていないと見なし、且つ前記製品NFTの所有権に対する変更を禁止することを特徴とする請求項1に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム。
【請求項5】
前記製品は電子展示ケースまたは電子ショーケース(Showcase)により展示し、且つ前記電子展示ケースまたは前記電子ショーケースにより展示する前に、前記製品NFTの所有権と前記実体装置の前記製品秘密鍵とがマッチしているかどうかを検査することを特徴とする請求項1に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム。
【請求項6】
仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法であって、
製品発行ホスト、初期登録ホスト、二次配信送信端ホスト、及び二次配信受信端ホストをブロックチェーンネットワークのノードとして提供するステップと、
前記製品発行ホストが前記ブロックチェーンネットワーク上で非代替性トークン(Non Fungible Token,NFT)スマートコントラクトを広告し、前記NFTスマートコントラクトは初期登録関数及び二次配信関数を含み、前記初期登録関数には製品発行公開鍵を格納し、且つ前記初期登録関数の実行前または実行時に、製品に対応する製品NFTの生成を許可するステップと、
前記製品発行ホストが前記製品を生成する際に、前記製品の必要な情報を製品発行秘密鍵により製品暗号化コンテンツとして暗号化し、前記製品暗号化コンテンツ及び製品秘密鍵を前記製品または前記製品に対応する実体装置に埋め込み、前記必要な情報は製品公開鍵を含むステップと、
前記製品に対し初期登録を実行する場合、前記初期登録ホストが前記製品または前記実体装置から前記製品暗号化コンテンツを取得して前記初期登録関数に転送し、前記初期登録関数を格納した前記製品発行公開鍵により前記製品暗号化コンテンツに対し復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得し、前記製品NFTが未生成である場合、前記製品に対応する前記製品NFTを生成し、且つ前記第一復号化コンテンツと前記必要な情報とが一致した場合、既に生成した前記製品NFTの所有権を前記初期登録ホストに移転して初期登録を完了するステップと、
初期登録が既に完了した前記製品NFTに対し二次配信を行う際に、現在の前記製品NFTの所有者を前記二次配信送信端ホストと見なし、且つ前記二次配信関数を通知して配信する前記製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定し、前記二次配信受信端アドレスに基づいて前記二次配信受信端ホストに向けて配信暗号化コンテンツを提供するように要求するステップと、
前記製品または商品及び対応する前記実体装置を前記二次配信受信端ホストに配信した後、前記二次配信受信端ホストは自身の受信端秘密鍵及び獲得された前記製品秘密鍵により前記二次配信関数に予め設定されている正規メッセージに対し順に暗号化を行って前記配信暗号化コンテンツを生成し、且つ前記配信暗号化コンテンツを前記二次配信関数に転送し、前記二次配信関数を前記製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化して第二復号化コンテンツを獲得し、前記第二復号化コンテンツと前記正規メッセージとが一致すると共に前記配信タイムアウト時間を未超過である場合、前記配信条件を満たしていると見なし、前記製品NFTの所有権を前記二次配信受信端ホストに移転して前記製品と前記製品NFTの所有権との一致性を維持するステップと、を含むことを特徴とする、
仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法。
【請求項7】
前記製品がデジタルコンテンツである場合、前記二次配信受信端ホストが前記デジタルコンテンツを複数のコンテンツフラグメントに分割することを許可し、前記コンテンツフラグメントのうちの何れか1つに対し分離及びオフサイト格納を行い、前記受信端公開鍵により分離した前記コンテンツフラグメントに対し暗号化を行って暗号化分離コンテンツを生成し、前記暗号化分離コンテンツを前記NFTスマートコントラクトに書き込み、再度二次配信を行う際に、前記製品NFTの所有者が前記暗号化分離コンテンツを復号化して還元し、或いは前記受信端公開鍵により新しい別の暗号化分離コンテンツとして暗号化することを特徴とする請求項6に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法。
【請求項8】
前記製品暗号化コンテンツ及び前記製品秘密鍵はQRコード(登録商標)に変換してから前記製品または前記製品に対応する前記実体装置に埋め込むか、或いは前記製品または前記製品に対応する前記実体装置に直接埋め込み、前記実体装置はスマートICカードまたはRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag,RFID Tag)であることを特徴とする請求項6に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法。
【請求項9】
前記第二復号化コンテンツと前記正規メッセージとが不一致であるか、前記配信タイムアウト時間を既に超過している場合、前記配信条件を満たしていないと見なし、且つ前記製品NFTの所有権に対する変更を禁止することを特徴とする請求項6に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法。
【請求項10】
前記製品は電子展示ケースまたは電子ショーケース(Showcase)により展示し、且つ前記電子展示ケースまたは前記電子ショーケースにより展示する前に、前記製品NFTの所有権と前記実体装置の前記製品秘密鍵とがマッチしているかどうかを検査することを特徴とする請求項6に記載の仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発行(issuance)及び配信システム(delivery system)並びにその方法に関し、より詳しくは、仮想実体結合製品の非代替性トークン(Non-Fungible Token、NFT)と実体の初回発行及び二次配信システム、並びにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロックチェーン技術の普及及び勃興と発展に伴って、例えば、ビットコイン(登録商標)、イーサリアム(登録商標)のような代替性のトークン(Token)の他、NFTの応用も雨後の筍のように勃興し発展してきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的には、NFTはブロックチェーン上に格納されているデータ単位であり、一意性を有しているため、通常唯一無二の物品に適用され、例えば、美術品の所有権の証明に適用されている。実体製品及び対応するNFTが同時に存在する場合、これを「仮想実体結合製品」と見なす。「仮想」はデジタル化したNFTを示し、「実体」は実体製品を示す。所有権を移転(例えば、初回の販売、中古取引)する場合、実体とNFTの所有権とを一緒に移転する。しかしながら、実際に取引を行った後には実体とNFTの所有権とが不一致になることがよくあり、例えば、実体を既に配信しているのにNFTが一緒に移転されていない、NFTを既に移転しているのに実体が未配信である等があり、故に、仮想実体結合製品の実体と製品NFTの所有権とが不一致になっている問題があった。
【0004】
そこで、本発明者は上記の仮想実体結合製品の実体と製品NFTの所有権とが不一致になるという欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム、並びにその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システムが提供される。このシステムは、製品発行ホストと、初期登録ホストと、二次配信送信端ホストと、二次配信受信端ホストと、を含んで構成され、製品発行ホストはブロックチェーンネットワークのノードの1つとし、広告モジュール及び生成モジュールを備えている。前記広告モジュールはブロックチェーンネットワークにおいて非代替性トークン(Non Fungible Token, NFT)スマートコントラクトを広告し、NFTスマートコントラクトは初期登録関数及び二次配信関数を含む。前記初期登録関数には製品発行公開鍵を格納し、且つ初期登録関数の実行前または実行時に、製品に対応する製品NFTの生成を許可する。生成モジュールは広告モジュールに接続され、製品の生成時に、この製品の必要な情報を製品発行秘密鍵により製品暗号化コンテンツとして暗号化し、前記製品暗号化コンテンツ及び製品秘密鍵を製品または製品に対応する実体装置に埋め込むために用いられている。前記必要な情報は製品公開鍵を含む。次いで、前記初期登録ホストをブロックチェーンネットワークのノードの1つとし、製品に対し初期登録を実行する際に、製品または実体装置から前記製品暗号化コンテンツを取得して初期登録関数に転送し、初期登録関数が格納した製品発行公開鍵により製品暗号化コンテンツに対し復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得する。製品NFTが未生成である場合、製品に対応する製品NFTを生成し、且つ第一復号化コンテンツと必要な情報とが一致する場合、既に生成した製品NFTの所有権を初期登録ホストに移転して初期登録を完了する。二次配信送信端ホストはブロックチェーンネットワークのノードの1つとし、初期登録が既に完了した製品NFTに対し二次配信を行う際に、前記二次配信送信端ホストが二次配信関数を通知して配信する製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定し、二次配信受信端アドレスに基づいて二次配信受信端ホストに対し配信暗号化コンテンツを提供するように要求する。二次配信受信端ホストはブロックチェーンネットワークのノードの1つとし、製品または商品及び対応する実体装置を二次配信受信端ホストに配信した後、前記二次配信受信端ホストが自身の受信端秘密鍵及び獲得された製品秘密鍵により二次配信関数に予め設定されている正規メッセージに対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つ配信暗号化コンテンツを二次配信関数に転送し、二次配信関数を製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化を行って第二復号化コンテンツを獲得し、第二復号化コンテンツと正規メッセージとが一致すると共に配信タイムアウト時間を未超過である場合は配信条件を満たしていると見なし、製品NFTの所有権を二次配信受信端ホストに移転して製品と製品NFTの所有権との一致性を維持するために用いられている。
【0007】
また、本発明の他の実施態様によれば、仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法が提供される。この方法は、製品発行ホスト、初期登録ホスト、二次配信送信端ホスト、及び二次配信受信端ホストをブロックチェーンネットワークのノードとして提供するステップと、製品発行ホストがブロックチェーンネットワーク上で非代替性トークンスマートコントラクトを広告し、NFTスマートコントラクトは初期登録関数及び二次配信関数を含み、初期登録関数には製品発行公開鍵を格納し、且つ初期登録関数の実行前または実行時に、製品に対応する製品NFTの生成を許可するステップと、製品発行ホストが製品を生成する際に、製品の必要な情報を製品発行秘密鍵により製品暗号化コンテンツとして暗号化し、製品暗号化コンテンツ及び製品秘密鍵を製品または製品に対応する実体装置に埋め込み、必要な情報は製品公開鍵を含むステップと、製品に対し初期登録を実行する際に、前記初期登録ホストが製品または実体装置から製品暗号化コンテンツを取得して初期登録関数に転送し、初期登録関数を格納している製品発行公開鍵により製品暗号化コンテンツに対し復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得し、製品NFTが未生成である場合、製品に対応する製品NFTを生成し、且つ第一復号化コンテンツと必要な情報とが一致する場合、既に生成した製品NFTの所有権を初期登録ホストに移転して初期登録を完了するステップと、初期登録が既に完了した製品NFTに対し二次配信を行う際に、現在の製品NFTの所有者を二次配信送信端ホストと見なし、且つ二次配信関数を通知して配信する製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定し、二次配信受信端アドレスに基づいて二次配信受信端ホストに対し配信暗号化コンテンツを提供するように要求するステップと、製品または商品及び対応する実体装置を二次配信受信端ホストに配信した後、二次配信受信端ホストが自身の受信端秘密鍵及び獲得された製品秘密鍵により二次配信関数に予め設定されている正規メッセージに対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つ配信暗号化コンテンツを二次配信関数に転送し、二次配信関数を製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化して第二復号化コンテンツを獲得し、第二復号化コンテンツと正規メッセージとが一致すると共に配信タイムアウト時間を未超過である場合、配信条件を満たしていると見なし、製品NFTの所有権を二次配信受信端ホストに移転して製品と製品NFTの所有権との一致性を維持するステップと、を含む。
【0008】
上述のように、本発明のシステム及び方法は先行技術との相違点について、本発明はブロックチェーンネットワーク上でNFTスマートコントラクトを広告し、且つNFTスマートコントラクトの初期登録関数の実行前または実行時に対応する製品NFTを生成し、初期登録関数を実行して製品NFTの所有権を移転することを許可する。製品の中古取引を行う場合、二次配信送信端ホストが二次配信関数を実行して配信条件を設定すると共に二次配信受信端ホストに配信暗号化コンテンツを提供するように要求する。製品を配信すると共に配信暗号化コンテンツが配信条件を満たしている場合、製品NFTの所有権を移転する。
【0009】
上述の技術的手段により、本発明は仮想実体結合製品の実体と製品NFTの所有権との一致性を向上する技術的効果を達成している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例に係る仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システムを示すシステムブロック図である。
【
図2A】本発明の一実施例に係る仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法を示すフローチャートである。
【
図2B】本発明の一実施例に係る仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法を示すフローチャートである。
【
図3A】本発明のブロックチェーンネットワーク上で広告されたNFTスマートコントラクトに適用する概略図である。
【
図3B】本発明の製品を製造する際の製品の暗号化コンテンツと製品の秘密鍵の埋め込みに適用する概略図である。
【
図3C】本発明の初回登録の実行に適用する概略図である。
【
図3D】本発明の二次配信の実行に適用する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
まず、本発明に係る仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システム、並びにその方法について説明する前に、本発明において定義する名詞について説明する。
本発明の前記の「実体(entity)」は物理(有形の、真実の世界)環境あるいは仮想現実(Virtual reality、VR)における製品/商品を指している。「仮想」は非代替性トークンを指している。本発明の前記「製品発行ホスト」は製品/商品の製造端または発行端が使用するホストを指している。「初期登録ホスト」は初回登録製品/商品が使用するホストを指している。「二次配信送信端ホスト」は製品/商品の中古取引(2回目以上の取引)を行う際に、売り主(現在の所有者)が使用するホストを指している。「二次配信受信端ホスト」は製品/商品の中古取引を行う際に、買い主が使用するホストを指し、前述の「二次」とは二次及びシーケンス(Sequence)の冪乗という解釈を含み、第二回目に限られない。また、本発明の前記「NFTスマートコントラクト」はブロックチェーンネットワーク上で広告(Deploy)し、トークン(Token)を処理するためのスマートコントラクト(Smart Contract)を指している。実際上、前記スマートコントラクトは既定の条件及び伝送する情報に基づいて実行命令を駆動するコンピュータープログラムを指し、具体的な例で言えば、前記スマートコントラクトは、例えば、Solidity、Serpent、LLL、EtherScript、Sidechain等のプログラム言語により記述し、各種異なる関数(Function)、イベント(Event)、パラメーター状態等を含む。「Ethereum」を例にすると、そのスマートコントラクトがコンパイルされた後にバイナリコード及びアプリケーションバイナリインタフェース(Application Binary Interface,ABI)を取得し、スマートコントラクトをブロックチェーンネットワークにブロードキャストし、マイナー(Miner)やバリデーター(Validator)がスマートコントラクトをブロックチェーンに送信すると共に対応するアドレスを取得し、ブロックチェーンを介して取引を完了させてスマートコントラクトを広告する。その後、各ノードはこのアドレスに基づいて対応するスマートコントラクトを実行し、且つ異なる命令によりブロックチェーン上でのスマートコントラクトの状態を改変し、イベントがトリガーされたかどうかを検出する。
【0013】
図1は本発明の一実施例に係る仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信システムを示すシステムブロック図である。このシステムは、製品発行ホスト110と、初期登録ホスト120と、二次配信送信端ホスト130と、二次配信受信端ホスト140と、を含んで構成される。
製品発行ホスト110はブロックチェーンネットワーク100のノードの1つとし、広告モジュール111及び生成モジュール112を備えている。前記広告モジュール111はブロックチェーンネットワーク100上でNFTスマートコントラクトを広告するために用いられ、このNFTスマートコントラクトは初期登録関数及び二次配信関数を含む。前記初期登録関数は製品発行公開鍵を格納するために用いられ、且つ初期登録関数の実行前または実行時に、製品に対応する製品NFTの生成を許可する。
一例を挙げると、製品発行ホスト110は製品を生成する際に対応する製品NFTを生成し、或いは、初期登録ホスト120が初期登録関数を実行する際に製品に対応するNFTを生成する。実際の実施においては、製品発行ホスト110は製品発行公開鍵及び製品発行秘密鍵を有し、且つNFTスマートコントラクトを広告する際に、製品発行公開鍵が初期登録関数中に格納される。こうすることで、NFTスマートコントラクトの広告が成功した後、ブロックチェーンネットワーク100中の各ノードのブロックチェーン上に初期登録関数及び二次配信関数を同時に含むNFTスマートコントラクトが存在し、且つ初期登録関数中には製品発行公開鍵を更に格納しており、図面と併せて後述する。
【0014】
生成モジュール112は広告モジュール111に接続され、製品を生成する際に、この製品の必要な情報を製品発行秘密鍵により製品暗号化コンテンツとして暗号化するために用いられ、且つこの製品に対応する製品NFTを生成し、前記製品暗号化コンテンツ及び製品秘密鍵を製品または製品に対応する実体装置に埋め込む。前記必要な情報は製品公開鍵を含む。
実際の実施においては、前記必要な情報はシリアル番号、ソルト値(salt)及び状態ブール値、またはその三者のうちの何れか1つを含む。一例を挙げると、必要な情報はJSON形式を使用して「{ “「製品公開鍵”:“A・・・”, “シリアル番号”:12345,“ソルト値”:“314hrti7135hi8h6i”,“状態ブール値”:1}」のように記録してもよく、且つ製品暗号化コンテンツとして暗号化して製品に埋め込み、例えば、二次元コードに変換してから製品に埋め込み、他人が製品暗号化コンテンツをスキャンして読み取るために提供する。或いは製品に対応する実体装置に直接埋め込み、例えば、スマートICカードやRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag,RFID Tag)に直接埋め込み、他人が製品暗号化コンテンツを検知して読み取るために提供する。実際上、他人が読み取った製品暗号化コンテンツは製品発行公開鍵により復号化し、JSON形式であり且つ状態ブール値が数値1である場合、有効なデータであると判断する。
【0015】
初期登録ホスト120はブロックチェーンネットワーク100のノードの1つとし、製品に対し初期登録を実行する際に、製品または実体装置から前記製品暗号化コンテンツを取得して初期登録関数に転送し、初期登録関数を格納した製品発行公開鍵により製品暗号化コンテンツに対し復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得し、製品NFTが未生成である場合、製品に対応する製品NFTを生成し、且つ第一復号化コンテンツと必要な情報とが一致する場合、製品NFTの所有権を初期登録ホスト120に移転して初期登録を完了する。
換言すれば、製品NFTが未生成である場合、NFTスマートコントラクト中に先に対応する製品NFTを生成し、且つ製品公開鍵をこの製品NFT中に格納し、製品NFTの所有権を初期登録ホスト120に設定する。製品NFTが初期登録関数の実行前に生成されている場合、製品NFTの生成フローチャートを再度実行する必要はない。
【0016】
二次配信送信端ホスト130はブロックチェーンネットワーク100のノードの1つとし、初期登録が既に完了した製品NFTに対し二次配信を行う際に、前記二次配信送信端ホスト130が二次配信関数に通知して配信する製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定し、二次配信受信端アドレスに基づいて二次配信受信端ホストに向けて配信暗号化コンテンツを提供するように要求する。
実際の実施においては、製品はまず複数回中古取引を行い、初期登録を行う際に、初期登録を行うホストを初期登録ホスト120と見なすと共に初期登録関数を実行して初期登録を完了し、対応する製品NFTを生成(発行)するか、製品NFTにその所有者を登記する。
【0017】
二次配信受信端ホスト140はブロックチェーンネットワーク100のノードの1つとし、製品または商品及び対応する実体装置を二次配信受信端ホスト140に配信した後、前記二次配信受信端ホスト140は自身の受信端秘密鍵及び獲得された製品秘密鍵により二次配信関数に予め設定されている正規メッセージに対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つ配信暗号化コンテンツを二次配信関数に転送し、二次配信関数を製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化して第二復号化コンテンツを獲得する。
第二復号化コンテンツと正規メッセージとが一致すると共に配信タイムアウト時間(例えば、「2021/11/17 23:59:59」)を未超過である場合、配信条件を満たしていると見なし、この際、製品NFTの所有権を二次配信受信端ホスト140に移転して製品と製品NFTの所有権との一致性を維持する。実際の実施においては、前記正規メッセージは数値0、1、または他の文字列であり、二次配信関数または配信条件中に明確に定義する。前記配信タイムアウト時間は任意で指定する日時、時間、またはその両者の組み合わせである。また、第二復号化コンテンツと正規メッセージとが不一致である或いは配信タイムアウト時間を既に超過している場合、配信条件を満たしていないと見なし、且つ製品NFTの所有権に対する変更を禁止する。また、製品がデジタルコンテンツである場合、二次配信受信端ホスト140がデジタルコンテンツを複数のコンテンツフラグメントに分割することを許可し、これらコンテンツフラグメントのうちの何れか1つに対し分離及びオフサイト格納を行い、受信端公開鍵により分離したコンテンツフラグメントに対し暗号化を行って暗号化分離コンテンツを生成し、この暗号化分離コンテンツをNFTスマートコントラクトに書き込む。
二次配信を再度行う場合、製品NFTの所有者が暗号化分離コンテンツを復号化して還元し、或いは受信端公開鍵により新しい別の暗号化分離コンテンツとして暗号化する。具体的な例で言えば、二次配信受信端ホスト140が二次配信を完了するための公秘密鍵を含むため、実際には付加的な技術的効果を更に有している。即ち、仮想実体結合資産の仮想部分は製品NFT以外、デジタルアート、電子文書等の他のデジタルコンテンツを更に含む場合、現在の所有者(直近の取引を行った二次配信受信端ホスト140)がデジタルコンテンツに対し分割を行い、且つそのうちの一部分のコンテンツをオリジナルアクセス位置(サーバーに格納されているか、資産の実体部分かによらず)から分離し、オリジナルアクセス位置のデジタルコンテンツを不完全にすることができる。
次いで、受信端公開鍵により分離した前記部分的コンテンツに対し1つの暗号化分離コンテンツとして暗号化し、これをNFTスマートコントラクトに書き込み、製品NFTの属性とするか属性を更新する。次いで、次回の取引において、製品NFTの所有者、即ち、取引前の売り主(二次配信送信端ホスト130)または取引後の買い主(二次配信受信端ホスト140)が前記暗号化分離コンテンツを還元し、或いは受信端公開鍵により新しい暗号化分離コンテンツとして暗号化すると共に製品NFTの属性を更新する。
このフローチャートにより達成する技術的効果は、現在の製品NFTの所有者が秘密鍵を使用して前記暗号化分離コンテンツに対し復号化を行い、完全なデジタルコンテンツを獲得することで、NFT及び実体の二重の保障を達成する以上に、デジタルコンテンツに対し三重の安全保障効果を達成する。
【0018】
ちなみに、前記ブロックチェーンネットワーク100の各ノードの間では有線またはワイヤレス方式で伝送を行い、有線を例にすると、銅導線、同軸ケーブル、光ファイバー、ツイストペアケーブル、或いはそれらの類似物を伝送メディアとして使用する。ワイヤレスを例にすると、ワイヤレス電波、マイクロ波、赤外線、レーザー、或いはそれらの類似物を伝送メディアとして使用する。また、本発明の前記モジュール及び関数は全て様々な方式により実現し、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含み、例えば、幾つかの実施方式では、各関数はソフトウェア及びハードウェアまたはそのうちの1つを利用して実現する。このほか、本発明は部分的にまたは完全にハードウェアに基づいて実現し、例えば、システム中の1つまたは複数の関数が集積回路チップ、システムオンチップ(System on Chip,SoC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(Complex Programmable Logic Device,CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)等により実現する。
本発明はシステム、方法及び/またはコンピュータープログラムでもよい。コンピュータープログラムはコンピューター可読記憶媒体を含み、処理装置が本発明の各特性を実現するためのコンピューター可読プログラム命令がロードされ、コンピューター可読記憶媒体は命令実行装置が使用する命令を保持及び記憶する有形装置でもよい。コンピューター可読記憶媒体は電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置、または上述の適合する任意の組み合わせでもよいが、これらに制限されない。コンピューター可読記憶媒体の更に具体的な例(非網羅的な例)は、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、フロッピーディスク、及び上述の適合する任意の組み合わせを含む。ここで使用するコンピューター可読記憶媒体はワイヤレス電波や他の自由伝播する電磁波、波導または他の伝送メディアが伝播する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光信号)、或いは電線を介して伝送される電気信号のような瞬時信号自体と解釈すべきではない。また、ここで記載するコンピューター可読プログラム命令はコンピューター可読記憶媒体から各計算/処理装置にダウンロードし、或いは、例えば、インターネット、LAN、WAN、及び/または無線ネットワークのようなネットワークを通して外部のコンピューター装置や外部の記憶装置にダウンロードする。ネットワークは銅伝送ケーブル、光ファイバー伝送、ワイヤレス伝送、ルーター、ファイヤーウォール、スイッチングハブ、ハブ、及び/またはゲートウェイを含む。
各計算/処理装置のネットワークカードまたはネットワークインターフェースはネットワークからコンピューター可読プログラム命令を受信し、且つこのコンピューター可読プログラム命令を転送し、各計算/処理装置のコンピューター可読記憶媒体に記憶する。本発明の操作を実行するコンピュータープログラム命令はアセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード命令、ファームウェア命令、或いは1種類または多種類のプログラム言語の任意の組み合わせでコンパイルされたソースコードまたはオブジェクトコード(Object Code)でもよい。前記プログラム言語は、例えば、Common Lisp、Python、C++、Objective-C、Smalltalk、Delphi、Java、Swift、C#、Perl、Ruby、及びPHP等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び、例えば、C言語や類似するプログラミング言語のような従来の手続き型(Procedural)プログラミング言語を含む。
前記コンピュータープログラム命令はコンピューター上で完全に実行可能であり、コンピューター上で部分的に実行してもよく、一部をクライアント端のコンピューター上で1つの独立したソフトウェアとして実行し、他の一部を遠隔のコンピューター上で実行することもでき、或いは遠隔のコンピューターまたはサーバー上で完全に実行してもよい。
【0019】
図2Aと
図2Bは本発明の一実施例に係る仮想実体結合製品の非代替性トークンと実体の初回発行及び二次配信方法を示すフローチャートである。製品発行ホスト110、初期登録ホスト120、二次配信送信端ホスト130、及び二次配信受信端ホスト140をブロックチェーンネットワーク100のノードとして提供するステップと(ステップ210参照)、製品発行ホスト110がブロックチェーンネットワーク100上でNFTスマートコントラクトを広告し、このNFTスマートコントラクトは初期登録関数及び二次配信関数を含み、初期登録関数には製品発行公開鍵を格納するステップと(ステップ220参照)、製品発行ホスト110が製品を生成する際に、製品の必要な情報を製品発行秘密鍵により製品暗号化コンテンツとして暗号化し、且つ製品に対応する製品NFTを生成し、製品暗号化コンテンツ及び製品秘密鍵を製品または製品に対応する実体装置に埋め込み、必要な情報は製品公開鍵を含むステップと(ステップ230参照)、製品に対し初期登録を実行する際に、前記初期登録ホスト120が製品または実体装置から製品暗号化コンテンツを取得して初期登録関数に転送し、初期登録関数を格納した製品発行公開鍵により製品暗号化コンテンツの復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得し、且つ第一復号化コンテンツと必要な情報とが一致する場合、製品NFTの所有権を初期登録ホスト120に移転して初期登録を完了するステップと(ステップ240参照)、初期登録が既に完了した製品NFTに対し二次配信を行う際に、現在の製品NFTの所有者を二次配信送信端ホスト130と見なし、且つ二次配信関数に通知して配信する製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定し、二次配信受信端アドレスに基づいて二次配信受信端ホスト140に向けて配信暗号化コンテンツを提供するように要求するステップと(ステップ250参照)、製品または商品及び対応する実体装置を二次配信受信端ホスト140に配信した後、二次配信受信端ホスト140は自身の受信端秘密鍵及び獲得された製品秘密鍵により二次配信関数に予め設定されている正規メッセージに対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つ配信暗号化コンテンツを二次配信関数に転送し、二次配信関数を製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化して第二復号化コンテンツを獲得し、第二復号化コンテンツと正規メッセージとが一致すると共に配信タイムアウト時間を未超過である場合、配信条件を満たしていると見なし、製品NFTの所有権を二次配信受信端ホスト140に移転して製品と製品NFTの所有権との一致性を維持するステップと(ステップ260参照)、を含む。
こうすることで、ブロックチェーンネットワーク100を介してNFTスマートコントラクトを広告し、且つNFTスマートコントラクトの初期登録関数の実行前または実行時に、対応する製品NFTを生成し、初期登録関数が製品NFTの所有権を移転することを許可する。製品の中古取引を行う場合、二次配信送信端ホスト130が二次配信関数を実行して配信条件を設定すると共に二次配信受信端ホスト140に配信暗号化コンテンツを提供するように要求する。製品を配信すると共に配信暗号化コンテンツが配信条件を満たしている場合、前記製品NFTの所有権を移転する。
【0020】
次に、
図3A~
図3Dを参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図3Aは本発明のブロックチェーンネットワーク上で広告されたNFTスマートコントラクトに適用する概略図である。実際の実施においては、製品発行ホスト110がブロックチェーンネットワーク100上でのNFTスマートコントラクト301の広告を成功した場合、各ノードのブロックチェーン300上に初期登録関数310及び二次配信関数320のNFTスマートコントラクト301を含み、初期登録関数310は製品発行公開鍵311を含む。
【0021】
図3Bは本発明の製品を製造する際の製品の暗号化コンテンツと製品の秘密鍵の埋め込みに適用する概略図である。発行端が製品(即ち、仮想実体結合製品)を生成する際に、製品発行ホスト110が製品の必要な情報410を製品発行秘密鍵420により製品暗号化コンテンツ430として暗号化し、且つ製品に対応する製品NFTを生成し、製品暗号化コンテンツ430及び製品秘密鍵440を製品または製品に対応する実体装置450に埋め込む。前記必要な情報は製品公開鍵を含む。
一例を挙げると、仮に製品が美術品である場合、美術品を破壊しないようにするため、製品暗号化コンテンツ430及び製品秘密鍵440を美術品に対応する実体装置に埋め込み、例えば、チップカードに埋め込む。仮に製品が電子製品である場合、製品暗号化コンテンツ430及び製品秘密鍵440を電子製品に直接埋め込み、例えば、コンパクトディスクリードオンリメモリに書き込む或いは電子方式で電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)や類似物に書き込む等を行うことで埋め込みを実現する。
【0022】
図3Cは本発明の初回登録の実行に適用する概略図である。実際の実施においては、初期登録は初回登録とも言い、買い主が発行主から製品または製品に対応する実体装置450を取得すると、買い主が初期登録ホスト120により製品暗号化コンテンツ430及び製品秘密鍵440を読み取り、且つ製品暗号化コンテンツ430を初期登録関数310に転送し、初期登録関数310を格納した製品発行公開鍵311により製品暗号化コンテンツ430に対し復号化を行って第一復号化コンテンツを獲得し、且つ第一復号化コンテンツと必要な情報410とが一致する場合、製品NFT510の所有権を初期登録ホスト120に移転して初期登録を完了する。
【0023】
図3Dは本発明の二次配信の実行に適用する概略図である。実際の実施においては、二次配信は中古製品移転とも言い、既に登録している製品に対し二次配信を行う場合、現在の製品の所有者は二次配信送信端ホスト610により二次配信関数320に通知して配信条件を設定し、即ち、配信する製品NFT、二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を配信条件として指定する。次いで、二次配信送信端ホスト610が二次配信受信端アドレスに基づいて二次配信受信端ホスト620に向けて配信暗号化コンテンツを提供するように要求する。
現在の製品の所有者が製品または製品に対応する実体装置450を買い主に確実に配信する際に、買い主は二次配信受信端ホスト620を介して自身の受信端秘密鍵及び獲得された製品秘密鍵440により二次配信関数320に設定されている正規メッセージに対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つこの配信暗号化コンテンツを二次配信関数320に転送し(応答配信条件と見なす)、二次配信関数320を製品公開鍵及び受信端公開鍵により順に復号化を行って第二復号化コンテンツを獲得する。
第二復号化コンテンツと正規メッセージとが一致すると共に配信タイムアウト時間を未超過である場合、配信条件を満たしていると見なし、製品NFT510の所有権を二次配信受信端ホスト620に移転して製品と製品NFTの所有権との一致性を維持する。
【0024】
仮に美術品発行会社が発行する製品がデジタル美術品である場合、製品の発行時に対応する製品NFTが既に構築されており、即ち、前記初期登録関数を実行する前の状況における全体的なフローチャートは以下の通りである。
一、美術品発行会社は製品発行ホスト110により美術品NFTコントラクト(即ち、NFTスマートコントラクト)をデプロイし(或いは広告という)、このコントラクトは NFTの基本機能(美術品の所有者を記録する等)を備えているほか、初期登録関数を更に含み、ここでは、美術品発行会社公開鍵(即ち、製品発行公開鍵)及び二次配信関数を含む。
二、美術品発行会社がデジタル美術品の初期登録の準備をする際に必要なデータ(即ち、必要な情報410)は、美術品の公開鍵(即ち、製品公開鍵)を含む。次いで、製品発行ホスト110が美術品発行会社の秘密鍵(即ち、製品発行秘密鍵420)により登録の必要な情報410を美術品暗号化コンテンツ(即ち、製品暗号化コンテンツ430)として暗号化し、美術品NFT(即ち、製品NFT)を発行し、且つその中に美術品公開鍵を記録し、各デジタル美術品のために実体チップカードを製作し、付加情報を書き込み、即ち、美術品暗号化コンテンツ及び美術品秘密鍵を書き込み、即ち、製品暗号化コンテンツ430及び製品秘密鍵440とする。
三、美術品製品を購入した所有者が、美術品実体チップカードを取得すると共に美術品の初期登録が行われていない状況においては、初期登録端と見なし、且つ初期登録ホスト120により、美術品会社が提供する読み取りツール及びシステムを使用して実体チップカードから美術品暗号化コンテンツを取得し、且つ給美術品NFTコントラクトの初期登録関数を提供し、美術品初期登録を行う。前記初期登録関数は美術品発行会社公開鍵を使用してコンテンツを復号化すると共に美術品発行会社の規定を満たしているかどうかを検証し、即ち、有効美術品公開鍵が初期登録が行われないまま配信された美術品NFTの公開鍵に適合する。検証が成功した場合、美術品NFTの所有権を初期登録ホスト120に設定し、即ち、美術品実体チップカードの所有者である。実際上、美術品発行会社が美術品NFT及び実体チップカードを組み合わせ、電子展示ケース/ショーケース(Showcase)を製作し、デジタル美術品はこの展示ケース/ショーケースのみにより展示され、且つ展示前に美術品NFTの所有者の身元を検査し(例えば、所有権を有しているかどうか検査しする)、実体チップカードが正確な美術品秘密鍵を有しているかどうか検査し、美術品NFT及び美術品実体の二重検証効果を達成する。実体が盗難にあったり、NFTを保有するウォレットが盗難にあっても盗品が表示されず、且つ他の部分を欠失しているため再度転売することができない。
四、美術品NFTが収蔵及び取引の性質を備えているため、中古取引が行われる可能性がある。仮にデジタル美術品NFTに対し二次配信を行う場合、まず現在の美術品の所有者(1つ前のステップの初期登録端、または複数回二次配信を行った美術品の最終所有者)が二次配信関数を通知し、配信する美術品NFT、美術品の買い主である二次配信受信端ホストアドレス、及び配信タイムアウト時間を指定し、且つ配信条件を構築する。この配信条件により二次配信受信端ホスト620に配信暗号化コンテンツを提供するように要求し、且つ受信端公開鍵及び美術品公開鍵により配信暗号化コンテンツに対し順に復号化を行い、復号化結果は二次配信関数に明確に定義すると共に規定の結果は、例えば、「market」という文字列になる。
五、二次配信の受信端は美術品実体を受け取った後、自身が本来所有している受信端秘密鍵及び美術品の実体チップカードから取得した美術品秘密鍵を使用し、二次配信関数が規定した「market」に対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つこの配信暗号化コンテンツを二次配信関数に提供し、美術品NFTに対する配信条件とする。二次配信関数の検証をパスした場合、復号化後に「market」を取得し、美術品NFTは受信端に配信され、美術品の実体とNFT所有権との一致性が維持される。
六、この規定に基づいて発行するデジタル美術品NFTは、実体が紐付けられて検査される効果以外、同じシステム及び方法の二次配信フローチャートがウォレットのバックアップにも適用され、所有者がウォレットを遺失するのを防止する効果を有し、実施方法は以下の通りである。
1.美術品NFTの所有者の第一ウォレットを二次配信発送端とする。同じ所有者の第二ウォレットを二次配信受信端とする。
2.第一ウォレットから二次配信を開始し、第二ウォレットを受信端に指定し、現在の時点から時間的に離れた未来時間(例えば、2021年12月15日23時59分59秒)を配信期限切れ時間として準備し、且つステップ四と同じ配信条件を設定する。
3.所有者が第一ウォレットを遺失したりアクセス不能になった場合、実体チップカードが尚も所有者自身の手元にあれば、所有者は第二ウォレット及び所有している実体チップカードを使用し、ステップ五と同じく自身に第二配信を行うことで第二ウォレットを操作することが可能となる。第一ウォレットを遺失しても美術品NFTを取り戻す効果を達成する。
4.第一ウォレットのコンテンツがハッカーにより盗難され、遺失したわけではない場合、美術品の実体チップカードが手元にないため、第一ウォレットにアクセス可能なハッカーでも美術品NFTを移転することができない。この場合、所有者は美術品NFTをコンテンツが盗難されていない他の第二ウォレットに移転することができ、美術品NFT及び実体の所有権を二重に保全する効果を達成する。
【0025】
ここで留意すべき点は、美術品がデジタルアートであり、且つデジタルコンテンツがギャラリーサーバーに存在する場合、例えば、電子ショーケース(Showcase)のような専用の展示ケースに展示される。二次配信受信端が作品を受信した後、二次配信受信端ホスト620がデジタルアートを部分に分割し、分割した部分のコンテンツを受信端公開鍵により暗号化した後に暗号化分離コンテンツとし、且つNFTスマートコントラクトに書き込み、美術品NFTの属性とするか属性を更新し、ギャラリーサーバーのデジタルコンテンツを部分的なコンテンツを分離した後の不完全なバージョンとして更新する。専用展示ケースにデジタルアートを展示する場合、前述のチップカード及びNFTの所有権を検査する以外、二次受信端(即ち、現在の所有者)がNFTスマートコントラクト中に格納されている美術品NFTの暗号化分離コンテンツを復号化し、ギャラリーサーバーの不完全なバージョンと復号化後の分離コンテンツとを併合し、完全なデジタルアートとして回復して展示する。
【0026】
次いで、製品がトレーディングカード(Trading Card)である例を挙げ、この例では初期登録関数を実行する際に、トレーディングカードに対応する製品NFTを生成する。整理したフローチャートは以下の通りである。
一、トレーディングカード発行会社がトレーディングカードNFTコントラクト(即ち、NFTスマートコントラクト)をデプロイし、このコントラクトはNFTの基本機能(トレーディングカードの所有者を記録する等)を備えている以外、初期登録関数を更に含み、トレーディングカード発行会社公開鍵(即ち、製品発行公開鍵)及び二次配信関数を含む。
二、トレーディングカード発行会社がトレーディングカードを発行すると同時に、トレーディングカードの初期登録を行う際に必要となる必要な情報(即ち、必要な情報410)を準備し、これはトレーディングカードの公開鍵(即ち、製品公開鍵)を含み、有効文字列が「0」かどうか検証する。トレーディングカード発行会社秘密鍵(即ち、製品発行秘密鍵420)により登録に必要な情報を暗号化し、登録暗号化コンテンツ(即ち、製品暗号化コンテンツ430)とする。また、各トレーディングカード上に二次元コード(例えば、QR code(登録商標))方式で登録暗号化コンテンツ及びトレーディングカード秘密鍵のような付加情報を印刷する。
三、トレーディングカード製品を購入した所有者が、トレーディングカード実体を取得すると共にトレーディングカードの初期登録が行われていない状況において、初期登録端とし、トレーディングカード会社が提供するスキャンアプリケーションプログラムを使用してトレーディングカード上のQR codeから登録暗号化コンテンツを取得し、且つトレーディングカードNFTコントラクトの初期登録関数に提供し、トレーディングカードの初期登録を行う。初期登録関数はトレーディングカード発行会社公開鍵を使用してコンテンツを復号化すると共にトレーディングカード発行会社の規定を満たしているかどうか検証し、即ち、有効文字列が「0」かどうか検証する。検証が成功した場合、コントラクト中にトレーディングカードNFT(即ち、製品NFT)を生成し、トレーディングカードの公開鍵をこのトレーディングカードNFTに登録し、且つこのトレーディングカードNFTの所有権を初期登録ホスト120に設定し、即ち、トレーディングカードの所有者である。
四、トレーディングカードは収集及び交換の性質も有するため、中古取引が行われる。既に初期登録を行ったトレーディングカードに対し中古取引を行う場合、まず二次配信送信端ホスト(現在のトレーディングカード所有者、1つ前のステップの初期登録端、或いは複数回中古取引を行ったトレーディングカードの最終所有者)が二次配信関数を通知し、配信するトレーディングカードNFT、トレーディングカードの買い主である二次配信受信端ホストアドレス、及び配信タイムアウト時間を指定し、且つ配信条件を構築する。配信条件は二次配信受信端に配信暗号化コンテンツを提供するように要求し、且つ受信端公開鍵及びトレーディングカード公開鍵により配信暗号化コンテンツに対し順に復号化を行い、復号化結果は二次配信関数に明確に定義すると共に規定の結果は「1」となる。
五、二次配信の受信端はトレーディングカードの実体を受け取った後、二次配信受信端ホストが自身が本来所有する受信端秘密鍵を使用してトレーディングカード上の二次元 codeから取得したトレーディングカード秘密鍵により二次配信関数が規定した「1」に対し順に暗号化を行い、配信暗号化コンテンツを生成し、且つ配信暗号化コンテンツを二次配信関数に提供し、トレーディングカードNFTに対する配信条件とする。二次配信関数の検証をパスした場合、復号化後に「1」を取得し、トレーディングカードNFTが受信端に配信され、トレーディングカードの実体とNFT所有権とが一致性を維持する。
【0027】
最後に、電子製品(例えば、家電製品)を例にすると、この例では、同様に初期登録関数を実行する際に、電子製品に対応する製品NFTを生成し、全体的なフローチャートは以下の通りである。
一、ノートパソコン製造メーカーがノートパソコンNFTコントラクト(即ち、NFTスマートコントラクト)をデプロイし、このコントラクトはNFTの基本機能(ノートパソコンの所有者を記録する等)を備えている以外、初期登録関数を更に含み、ノートパソコン製造メーカー公開鍵(即ち、製品発行公開鍵)及び二次配信関数を含む。
二、ノートパソコン製造メーカーがノートパソコンを製造すると同時に、このノートパソコンの初期登録を行うために必要とする必要な情報(即ち、必要な情報410)を準備し、これはノートパソコンの公開鍵(即ち、製品公開鍵)を含み、有効標記が「status:True」であるか検証し、これは例えば、JSON形式の「{“key”:”AAAAE2・・・,”status”:1}」である。ノートパソコン製造メーカー秘密鍵(即ち、製品発行秘密鍵420)により登録に必要な情報を暗号化し、登録暗号化コンテンツ(即ち、製品暗号化コンテンツ430)とする。ノートパソコンによりROMに書き込む等の変更不可能な形式で登録暗号化コンテンツ及びノートパソコン秘密鍵を書き込む。
三、ノートパソコンを購入する終端所有者が、ノートパソコンを取得すると共にノートパソコンが初期登録が行われていない状況において、初期登録端とし、ノートパソコン製造メーカーのファームウェアまたはシステムを使用してノートパソコンのROMから登録暗号化コンテンツを取得し、且つノートパソコンNFTコントラクトの初期登録関数に提供し、ノートパソコンの初期登録を行う。初期登録関数はノートパソコン製造メーカー公開鍵を使用してコンテンツを復号化すると共にノートパソコン製造メーカーの規定を満たすかどうか検証し、即ち、JSONが「status:”1”」を含むかどうか解析する。検証が成功した場合、コントラクト中にノートパソコンNFT(即ち、製品NFT)を生成し、ノートパソコンの公開鍵「tbml・・・・・・=」をこのノートパソコンNFTに登録し、且つ前記ノートパソコンNFTの所有権を初期登録ホストに設定し、即ち、ノートパソコンの所有者である。このノートパソコン製造メーカーが前記ノートパソコンNFTをファームウェアの更新または他のオンラインサービスを提供するための根拠とし、或いは保証条件や時間の記録等として登録する。
四、ノートパソコンは中古取引が行われる可能性がある。既に初期登録が行われたノートパソコンに対し中古取引を行う場合、まず二次配信送信端ホスト(現在のノートパソコン所有者、1つ前のステップの初期登録端、或いは複数回二次配信を行ったノートパソコンの最終所有者)がノートパソコン製造メーカーのファームウェアまたはシステムを使用して二次配信関数を通知し、配信するノートパソコンNFT、ノートパソコン買い主である二次配信受信端アドレス、及び配信タイムアウト時間を指定し、且つ配信条件を構築する。配信条件は受信端に配信暗号化コンテンツを提供するように要求し、且つ受信端公開鍵及びノートパソコン公開鍵により配信暗号化コンテンツに対し順に復号化を行い、復号化結果は二次配信関数に明確に定義すると共に規定の結果は「json {”transfer”:1}」となる。
五、二次配信の受信端がノートパソコンを受け取った後、ノートパソコン製造メーカーのファームウェアまたはシステムを使用し、二次配信受信端ホスト自身が本来所有する受信端秘密鍵及びノートパソコンROMから取得したノートパソコン秘密鍵により二次配信関数が規定した{”transfer”:1}に対し順に暗号化を行って配信暗号化コンテンツを生成し、且つ前記配信暗号化コンテンツを二次配信関数に提供し、前記ノートパソコンNFTに対する配信条件とする。二次配信関数の検証をパスした場合、復号化後にjson {”transfer”:1}を取得し、ノートパソコンNFT が受信端に配信され、ノートパソコンの実体とNFT所有権とが一致性を維持する。新しいノートパソコンの所有者は前記ノートパソコンNFTを根拠とし、ノートパソコンに関連する更新、オンラインサービス等の各種ソフトウェア及びハードウェアを使用する権益のような各種権益を継続的に使用し、その状況はハードウェアのサービス授権に紐付けられる。
【0028】
以上を総合すると、本発明の先行技術との相違点は、ブロックチェーンネットワークを介してNFTスマートコントラクトを広告し、且つNFTスマートコントラクトの初期登録関数の実行前または実行時に、対応する製品NFTを生成し、初期登録関数が製品NFTの所有権の移転を実行することを許可する点である。
製品の中古取引を行う場合、二次配信送信端ホストは二次配信関数を実行して配信条件を設定すると共に二次配信受信端ホストに配信暗号化コンテンツを提供するように要求する。製品を配信すると共に配信暗号化コンテンツが配信条件を満たしている場合、製品NFTの所有権を移転する。この技術的手段により先行技術に存在する問題を解決し、仮想実体結合製品の実体と製品NFTの所有権との一致性を向上する技術的効果を達成する。
【0029】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0030】
100 ブロックチェーンネットワーク
110 製品発行ホスト
111 広告モジュール
112 生成モジュール
120 初期登録ホスト
130 二次配信送信端ホスト
140 二次配信受信端ホスト
300 ブロックチェーン
310 初期登録関数
311 製品発行公開鍵
320 二次配信関数
410 必要な情報
420 製品発行秘密鍵
430 製品暗号化コンテンツ
450 製品または製品に対応する実体装置
610 二次配信送信端ホスト
620 二次配信受信端ホスト