(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】低温条件で保存された生物学的検体の移送を容易にする装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240209BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240209BHJP
G01S 13/78 20060101ALI20240209BHJP
C12M 1/00 20060101ALN20240209BHJP
【FI】
G01N35/02 C
G06K7/10 264
G06K7/10 240
G01S13/78
C12M1/00 A
(21)【出願番号】P 2022525678
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(86)【国際出願番号】 US2020057764
(87)【国際公開番号】W WO2021086983
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-27
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521084389
【氏名又は名称】ティーエムアールダブリュ ライフサイエンシーズ,インコーポレイテツド
【氏名又は名称原語表記】TMRW Life Sciences, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Hudson Street, Floor 6, New York, NY 10013 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ブレイア,ウィリアム,アラン
(72)【発明者】
【氏名】シャープ,ティモシー,アラン
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,アミット
(72)【発明者】
【氏名】ゴー,カスリン,ジョセフィン
(72)【発明者】
【氏名】ガルバリーニ,ウィリアム,ニコラス
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-521725(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0063287(US,A1)
【文献】特開2007-235905(JP,A)
【文献】特開2005-239366(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0076215(US,A1)
【文献】特開2005-009863(JP,A)
【文献】特開2004-028595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0084771(US,A1)
【文献】特開2015-019244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N35/00-37/00
G06K 7/00- 7/14
G01S 7/00- 7/42
13/00-13/95
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムであって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、1つ又は複数の寸法のセットを有する前記アンテナのアレイと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納する該プロセッサベースの制御システムであって、前記カセット内の前記位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該プロセッサベースの制御システムと、を含
み、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システム又は前記少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化する、問い合わせシステム。
【請求項2】
各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定する、請求項
1に記載の問い合わせシステム。
【請求項3】
各問い合わせに対して、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するために、前記プロセッサベース制御システムは、前記受信された応答信号についての前記各正規化されたRSSI値を互いに比較する、請求項
2に記載の問い合わせシステム。
【請求項4】
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムであって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、1つ又は複数の寸法のセットを有する前記アンテナのアレイと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納する該プロセッサベースの制御システムであって、前記カセット内の前記位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該プロセッサベースの制御システムと、を含み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各読み取り速度を互いに比較し、前記各読み取り速度は、各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる総回数を表す、問い合わせシステム。
【請求項5】
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムであって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、1つ又は複数の寸法のセットを有する前記アンテナのアレイと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納する該プロセッサベースの制御システムであって、前記カセット内の前記位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該プロセッサベースの制御システムと、を含み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各応答時間を互いに比較し、前記各応答時間は、前記各無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、問い合わせシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの無線機は、各問い合わせに対して、前記少なくとも1つの無線機が問い合わせサイクルの問い合わせ期間中に前記アンテナを駆動し、前記問い合わせサイクルの減衰期間及び受信期間中に前記アンテナを駆動せず、前記問い合わせ期間又は減衰期間中ではなく前記受信期間中に受信された応答信号を処理するように制御され、前記減衰期間が、前記アンテナの共振がしきい値未満に減衰することを可能にするのに十分に長い、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの無線機は、前記問い合わせ信号に対する応答について複数のアンテナを監視する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項8】
前記複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、前記少なくとも1つの無線機は、前記少なくとも2つのセットのアンテナのそれぞれから1つのアンテナを同時に駆動する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項9】
前記複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、各セット内の前記アンテナはそれぞれ2次元アレイに配置され、前記2次元アレイはそれぞれ寸法を有し、各2次元アレイの各寸法は他の1つの前記2次元アレイの対応する各寸法に一致し、前記少なくとも1つの無線機は前記2次元アレイを通って、定義された順序で、前記セット内の前記アンテナを順次駆動する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの無線機は、前記少なくとも2つのセット内の前記アンテナを互いに同時に駆動する、請求項
9に記載の問い合わせシステム。
【請求項11】
前記定義された順序は、任意の所与の時間に互いに同時並行して、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在駆動されているアンテナ間の距離を最大化する、請求項
9に記載の問い合わせシステム。
【請求項12】
前記定義された順序は任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在駆動されるアンテナ間の距離を固定する、請求項
9に記載の問い合わせシステム。
【請求項13】
前記複数のアンテナは、アンテナの2次元アレイに空間的に配列される、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項14】
前記カセット内の前記位置のアレイの前記寸法のセットは4位置×4位置であり、前記アンテナのアレイの前記寸法のセットは、7位置×7位置である、請求項
13に記載の問い合わせシステム。
【請求項15】
前記位置のアレイの前記寸法のセットは、前記アンテナのアレイの寸法のセットに一致する、請求項
13に記載の問い合わせシステム。
【請求項16】
前記カセットは外周を含み、前記アンテナのアレイに対して配置されたとき、前記カセット内の位置の各々は、前記アンテナのアレイの各アンテナと位置合わせされる、請求項
13に記載の問い合わせシステム。
【請求項17】
前記アンテナのアレイは、前記低温環境の外部にある、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムは、前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダが前記アンテナアレイ内の前記アンテナに対応する前記カセットの位置で予想される前記無線トランスポンダであるかどうかを決定する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項19】
前記無線トランスポンダが前記カセットの予想位置にないことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムが、予想しない状態の発生を示す信号を提供する、請求項
18に記載の問
い合
わせシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムは予想しない状態の発生を示す信号を提供するために、視覚的プロンプトを提示させる信号を提供する、請求項
19に記載の問い合わせシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムは予想しない状態の発生を示す信号を提供するために、ロボットに動きをさせる信号を提供する、請求項
19に記載の問い合わせシステム。
【請求項22】
前記無線トランスポンダが前記カセットの予想位置にあることに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムは、前記無線トランスポンダのうちの前記少なくとも1つのアイデンティティと、前記少なくとも1つのデータ構造内の前記カセット内の前記位置のアレイ内の前記各空間位置とを関連付ける前記マッピングを格納する、請求項
18に記載の問い合わせシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムは、前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダの位置をターゲットマップ内の位置と比較する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
【請求項24】
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムにおける操作方法であって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、前記アンテナのアレイは1つ以上の寸法のセットを有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを含み、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納し、前記カセット内の位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該ステップと
を含
み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、前記プロセッサベースの制御システム又は前記少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つによって前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化するステップを含む、方法。
【請求項25】
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、各問い合わせに対して、前記プロセッサベースの制御システムによって所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
各問い合わせに対して、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップは、前記受信された応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値を互いにプロセッサベースの制御システムによって比較するステップを含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムにおける操作方法であって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、前記アンテナのアレイは1つ以上の寸法のセットを有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを含み、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納し、前記カセット内の位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該ステップとを含み、
前記無線トランスポンダが応答している各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、前記プロセッサベースの制御システムによって、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各読み取り速度を互いに比較するステップをさらに含み、前記各読み取り速度は前記各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、方法。
【請求項28】
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムにおける操作方法であって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、前記アンテナのアレイは1つ以上の寸法のセットを有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを含み、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納し、前記カセット内の位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該ステップとを含み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、前記プロセッサベースの制御システムによって、応答する無線トランスポンダのそれぞれについての各応答時間を互いに比較するステップをさらに含み、前記各応答時間は各無線トランスポンダが最初に問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、方法。
【請求項29】
各問い合わせに対して、
問い合わせサイクルの問い合わせ期間中に前記少なくとも1つの無線機によって前記アンテナを駆動するステップと、
前記問い合わせサイクルの減衰期間中及び受信期間中に前記少なくとも1つの無線機によってアンテナを駆動しないステップと、
前記問い合わせ期間又は減衰期間中ではなく、前記受信期間中に受信された応答信号を処理するステップを更に含み、
前記減衰期間は、前記アンテナの共振がしきい値未満に減衰することを可能にするのに十分に長い、請求項
24に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの無線機によって、前記問い合わせ信号への応答のために複数のアンテナを監視するステップをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項31】
複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、前記少なくとも2つのセットのアンテナの各々から1つのアンテナを同時に駆動することをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項32】
複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、各セット内のアンテナはそれぞれ2次元アレイに配置され、前記2次元アレイはそれぞれ寸法を有し、各2次元アレイの前記各寸法は他の1つの前記2次元アレイの対応する各寸法に一致し、定義された順序で前記2次元アレイを通して前記セット内の前記アンテナを順次駆動するステップをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項33】
前記アンテナを駆動するステップは、前記少なくとも2つのセット内の前記アンテナを互いに同時に駆動するステップを含む、請求項
32に記載の方法。
【請求項34】
前記2次元アレイを通って定義された順序で前記セット内の前記アンテナを順次駆動するステップは、任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在互いに同時並行して駆動される前記アンテナ間の距離を最大化する定義された順序で前記アンテナを駆動するステップを含む、請求項
32に記載の方法。
【請求項35】
定義された順序で前記2次元アレイを通して前記セット内の前記アンテナを順次駆動するステップは、任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在互いに同時並行して駆動される前記アンテナ間の距離を固定する定義された順序で前記アンテナを駆動するステップを含む、請求項
32に記載の方法。
【請求項36】
前記各問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された無線トランスポンダが、前記アンテナアレイ内のアンテナに対応する前記カセットの位置に予想される無線トランスポンダであるかどうかを、前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムによって決定するステップをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項37】
前記無線トランスポンダが前記カセットの前記予想される位置にないことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムによって、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる、請求項
36に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムによって、予想しない状態の発生を示す信号を提供させることが、視覚的プロンプトを提示させることを含む、請求項
37に記載の方法。
【請求項39】
予想しない状態の発生を示す信号を提供させることは、ロボットに動きを生じさせる信号の生成を引き起こすことを含む、請求項
37に記載の方法。
【請求項40】
前記無線トランスポンダが、前記カセットの予想位置にあることに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムによって、前記無線トランスポンダのうちの前記少なくとも1つのアイデンティティと、前記少なくとも1つのデータ構造内の前記カセット内の前記位置のアレイ内の前記各空間位置とを関連付ける前記マッピングを格納する、請求項
36に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの制御システムによって、前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダの位置をターゲットマップ内の位置と比較するステップをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項42】
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間での検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムであって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイに空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイは一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる該システムと、を含み、
前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定
し、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、プロセッサベースの制御システム又は少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化する、するシステム。
【請求項43】
前記プロセッサベースの制御システムが、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定する前に、前記プロセッサベースの制御システムはさらに、前記検体容器の1つをそれに関連する前記無線トランスポンダとともに移送する元である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの一方の位置と、前記検体容器を移送する先である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置とを示すプロンプトを掲示させ、前記予想位置は前記検体容器が移送されるべき前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置である、請求項
42に記載のシステム。
【請求項44】
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ以上の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかをさらに決定し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こす、請求項
42に記載のシステム。
【請求項45】
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落している前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかをさらに決定し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落しているとマーキングされた少なくとも1つの検体容器があると決定されたことに応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こす、請求項
42に記載のシステム。
【請求項46】
前記プロセッサベースの制御システムは、前記予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、前記予想しない状態の発生を示し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの少なくとも1つにおける前記検体容器の間違った位置及び正しい位置のうちの少なくとも1つを示す信号を提供させる、請求項
42~
45のいずれかに記載のシステム。
【請求項47】
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、各問い合わせに対して、プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定する、請求項
42に記載のシステム。
【請求項48】
所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するために、プロセッサベース制御システムは、受信された応答信号についての前記各正規化RSSI値を互いに比較する、請求項
47に記載のシステム。
【請求項49】
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間での検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムであって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイに空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイは一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる該システムと、を含み、
前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定し、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各読み取り速度を互いに比較し、前記各読み取り速度は前記各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、システム。
【請求項50】
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間での検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムであって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイに空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイは一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる該システムと、を含み、
前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定し、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムはさらに、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて、各応答時間を互いに比較し、前記各応答時間は、各無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、システム。
【請求項51】
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、前記プロセッサベースの制御システムは、視覚的なプロンプトを提示させる、請求項
42に記載のシステム。
【請求項52】
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、プロセッサベースの制御システムは、ロボットにロボットを動かす信号を提供させる、請求項
42に記載のシステム。
【請求項53】
前記無線トランスポンダ及び前記各検体容器は低温環境に保管され、前記アンテナの2次元アレイは前記低温環境の外部にある、請求項
42に記載のシステム。
【請求項54】
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間の検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムにおける操作方法であって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイ内に空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイが一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、前記アンテナのうちの1つ以上の範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを備え、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記プロセッサベースの制御システムが、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記プロセッサベースの制御システムによって、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に少なくとも部分的に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想される位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されるステップと、を含
み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮するために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化するステップを含む
、方法。
【請求項55】
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定する前に、前記検体容器の1つをそれに関連する前記無線トランスポンダとともに移送する元である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの一方の位置と、前記検体容器を移送する先である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置とを示すプロンプトを掲示させ、前記予想位置は前記検体容器が移送されるべき前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置である、請求項
54に記載の方法。
【請求項56】
前記プロセッサベースの制御システムによって、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの中の予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかを決定するステップと、
前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの中の予想しない位置にある前記無線トランスポンダのうちのそれぞれ1つによってマーキングされた少なくとも1つの検体容器が存在するという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こすステップと、とさらに含む、請求項
54に記載の方法
。
【請求項57】
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落している前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかを決定するステップと、
前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落しているとマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こすステップと、をさらに含む、請求項
54に記載の方法
。
【請求項58】
予想しない状態の発生を示す信号が提供させるステップは、前記予想しない状態の発生を示し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの少なくとも1つにおける前記検体容器の不正確な位置及び正確な位置のうちの少なくとも1つを示す信号を提供させるステップを含む、請求項
54~
57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかをするステップは、各問い合わせに対して、前記プロセッサベースの制御システムが所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップを含む、請求項
54に記載の方法。
【請求項60】
所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップが、前記受信された応答信号についての前記各正規化されたRSSI値を互いに比較するステップを含む、請求項
59に記載の方法。
【請求項61】
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間の検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムにおける操作方法であって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイ内に空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイが一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、前記アンテナのうちの1つ以上の範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを備え、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記プロセッサベースの制御システムが、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記プロセッサベースの制御システムによって、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に少なくとも部分的に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想される位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されるステップと、を含み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、応答する無線トランスポンダのそれぞれについての各読み取り速度を互いに比較するステップをさらに含み、前記各読み取り速度は前記各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、方法。
【請求項62】
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間の検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムにおける操作方法であって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイ内に空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイが一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、前記アンテナのうちの1つ以上の範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを備え、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記プロセッサベースの制御システムが、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記プロセッサベースの制御システムによって、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に少なくとも部分的に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想される位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されるステップと、を含み、
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各応答時間を互いに比較するステップをさらに含み、前記各応答時間は各無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、
方法。
【請求項63】
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるステップは、視覚的プロンプトを提示させるステップを含む、請求項
54に記載の方法。
【請求項64】
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるステップは、ロボットを移動させる信号をロボットに提供させるステップを含む、請求項
54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、典型的には固定又は静止している低温(又は、極低温/凍結/cryogenic)フリーザ(又は、冷蔵庫)(例えば、低温貯蔵タンク又は液体窒素槽)と、可搬型断熱キャリアとの間で生物学的検体(例えば、卵、精子、胚、他の生物学的組織)を移送し、保管された生物学的検体の識別及び取扱い中の証拠の保管連鎖を容易にするための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
低温保存(又は、極低温保存/凍結保存/cryopreservation)による細胞・組織の長期保存は、組織工学、不妊・生殖医療、再生医療、幹細胞、血液バンキング、動物株保存、臨床サンプル保存、移植医療、in vitro薬物検査など多分野で幅広い影響を与えている。これは、貯蔵デバイス(例えば、低温保存ストロー、低温保存チューブ、スティック又はスパチュラ)中又は上に含まれる生物学的検体又はサンプル(例えば、卵母細胞、胚、生検)が生物学的検体及び貯蔵デバイスを液体窒素などの物質中に置くことによって急速に冷却される、ガラス化のプロセスを含み得る。これは生物学的検体(例えば、分子レベルでのガラス構造)のガラス様凝固又はガラス状態をもたらし、これは細胞内及び細胞外氷の不在を維持し(例えば、細胞損傷及び/又は死を減少させる)、そして解凍の際に、解凍後の細胞生存率を改善する。生存性を確保するために、ガラス化された生物学的検体は次いで、液体窒素デュワー又は液体窒素を含む他の容器(これは摂氏マイナス190度の温度である)中に連続的に保存されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの生物学的検体がどのように保管され、識別され、管理され、在庫され、回収されているか等には、多くの懸念がある。
【0004】
例えば、各採取された胚は硬質検体ホルダー(例えば、胚ストロー、スティック又はスパチュラ)上に載せられる。管状検体ホルダーの場合、管は一方の端部で閉鎖(例えば、閉塞)され、他方の端部で開放されてもよい。胚を含むか又は保持する低温保存デバイス(例えば、検体ホルダー)は例えばガラス化を達成するために、約-190℃の温度の低温フリーザ(又は、冷蔵庫)中の液体窒素槽中に、生物学的物質を含む低温保存デバイスを投入することによって、可能な限り迅速に冷却される。より具体的には、複数の低温保存デバイスが液体窒素貯蔵タンク又はフリーザ内に配置するためにゴブレット内に配置される。ゴブレットは複数の低温保存装置が液体窒素中に吊るされるように、液体窒素貯蔵タンクに取り付けられる。適切なマーカーペンを使用して手動で書き込まれるか、又はカスタムプリンタを使用して印刷されるラベルが、ストロー及び/又はゴブレットに取り付けられる。このような標識は胚が採取された個体に対応する識別情報、及び他の適切な情報(例えば、低温保存デバイス番号、施術者番号など)を含み得る。
【0005】
生物学的検体へのアクセスは、通常の操作の間に必要とされる。例えば、特定の生物学的検体(単数又は複数)が手順(例えば、受精卵の移植)を実施するために必要とされ得る。生物学的検体が保存される低温フリーザ(又は、冷蔵庫)又は低温タンクからの低温保存デバイス及び関連する生物学的検体の回収は、回収された生物学的検体を非低温条件(例えば、マイナス190℃を超える温度に曝し、暴露の持続時間に依存して、生物学的検体を危険にさらす。生物学的検体の貯蔵方法(例えば、カセットに配列された凍結保存デバイス、積み重ねて配列されたカセット)のために、1つ以上の所望の生物学的検体の回収はしばしば、その時点で必要とされないさらなる生物学的検体の回収を必要とし、そのような危険にさらす。さらに、低温フリーザから意図された用途(例えば、受精、移植)の部位への生物学的検体の輸送は、生物学的検体を危険にさらす。
【0006】
これらの生物学的検体の貯蔵及び管理に関して、施設は液体窒素貯蔵タンクを維持し(例えば、必要に応じて液体窒素を再充填することによって)、貯蔵された生物学的検体の在庫を管理する(例えば、定期的なアカウンティングを実施することによって)ことが要求される人員を採用する。しかしながら、これらの生物学的検体の適切な保管に関する記録はほとんどない。例えば、ガラス化された生物学的検体又はサンプルのその後の同定又は他の取り扱いは、温度制御された貯蔵からの検体の除去及びサンプルの周囲温度への曝露を含み得、したがって、サンプルの生存能力を潜在的に危険にさらす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
したがって、生物学的検体(例えば、卵、精子、胚)を、通常大きくて重い装置でそれゆえ動かせない、液体窒素槽を保持する低温フリーザ又は貯蔵タンクと、可搬型断熱キャリアとの間で移送するための新しい装置及び方法を提供することが望ましい。また、保管された生物学的検体又はサンプルの識別と、取り扱い中の証拠の保管連鎖を容易にするための新しい装置及び方法を提供することが望ましい。
【0008】
システム及び方法は、貯蔵カセットとキャリアカセットとの間の検体容器(例えば、キャップ付きバイアル)の移送を容易にする。貯蔵カセットは低温フリーザに貯蔵されるように設計されているが、キャリアカセットは可搬型キャリアに一時的に貯蔵されるように設計されている。識別情報は、検体容器に搭載された無線トランスポンダから読み取られる。カセット内の検体容器の位置の視覚的マッピングが提供される。カセット内の検体容器の存在及び位置が確認され、不一致の警告が修正コマンドと共に提供される。検体容器及び特定の検体ホルダーの在庫が提供される。
【0009】
システムは、貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間での検体容器の移送を容易にするように動作可能であってよく、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされる。前記システムは、アンテナの2次元アレイに空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイは寸法(又は、ディメンジョンdimensions)のセットを有する該複数のアンテナと、前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発し、1つ又は複数のアンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機(又は、ラジオ/radio)と、前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの前記予想位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる該システムと、を含むと要約することができる。
【0010】
前記プロセッサベースの制御システムが、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定する前に、前記プロセッサベースの制御システムはさらに、前記検体容器の1つをそれに関連する前記無線トランスポンダとともに移送する元である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの一方の位置と、前記検体容器を移送する先である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置とを示すプロンプトを掲示させてもよく、前記予想位置は前記検体容器が移送されるべき前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置である。
【0011】
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ以上の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかをさらに決定し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させてもよい。
【0012】
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落している前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかをさらに決定し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落しているとマーキングされた少なくとも1つの検体容器があると決定されたことに応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる。前記プロセッサベースの制御システムは、前記予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、前記予想しない状態の発生を示し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの少なくとも1つにおける前記検体容器の正しくない位置及び正しい位置のうちの少なくとも1つを示す信号を提供させてもよい。
【0013】
前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、どの応答信号が、前記無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つから返信されたかを決定してもよい。
【0014】
無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、所与の問い合わせに応答して受信されたそれぞれの応答信号について、プロセッサベースの制御システム又は少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れる(又は、見積もる/補う/account for)ために、前記応答信号の受信信号強度を示すそれぞれの受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化してもよい。無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、各問い合わせに対して、プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に対するそれぞれの正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定してもよい。所与の問い合わせに応答して受信された応答信号についてのそれぞれの正規化RSSI値のどれが各問い合わせについて最大絶対値を有するかを決定するために、プロセッサベース制御システムは、受信された応答信号についてのそれぞれの正規化RSSI値を互いに比較してもよい。
【0015】
無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについてそれぞれの読み取り速度を互いに比較してもよく、前記それぞれの読み取り速度は、それぞれの無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる総回数を表す。無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて、それぞれの応答時間を互いに比較してもよく、前記それぞれの応答時間は、それぞれの無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す。
【0016】
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、前記プロセッサベースの制御システムは、視覚的なプロンプトを提示させてもよい。予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、プロセッサベースの制御システムは、ロボットにロボットを動かす信号を提供させてもよい。
【0017】
前記無線トランスポンダ及び前記それぞれの検体容器は低温環境に保存されてよく、前記2次元アレイのアンテナは前記低温環境の外部にある。
【0018】
問い合わせシステムは、それぞれの検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能であって、前記無線トランスポンダと前記それぞれの検体容器は低温環境に保管されている。前記問い合わせシステムは、アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、1つ又は複数の寸法のセットを有する前記アンテナのアレイと、前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所定の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、どの応答信号が、無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つから返信されたかを決定し、少なくとも1つのデータ構造に、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内のそれぞれの空間位置とを関連付けるマッピングを格納する該プロセッサベースの制御システムであって、前記カセット内の前記位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該プロセッサベースの制御システムと、を含むと要約され得る。
【0019】
所与の問い合わせに応答して受信されたそれぞれの応答信号について、前記無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システム又は前記少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示すそれぞれの受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化することができる。各問い合わせに対して、前記無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に対するそれぞれの正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定することができる。各問い合わせに対して、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号についてのそれぞれの正規化されたRSSI値のどれが最大の絶対値を有するかを決定するために、前記プロセッサベース制御システムは、前記受信された応答信号についてのそれぞれの正規化されたRSSI値を互いに比較することができる。前記無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについてそれぞれの読み取り速度を互いに比較することができ、前記それぞれの読み取り速度は、それぞれの無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる総回数を表す。前記無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについてそれぞれの応答時間を互いに比較することができ、前記それぞれの応答時間は、前記それぞれの無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す。
【0020】
少なくもいくつかの実装形態において、前記少なくとも1つの無線機は、各問い合わせに対して、前記少なくとも1つの無線機が問い合わせサイクルの問い合わせ期間中に前記アンテナを駆動し、前記問い合わせサイクルの減衰期間及び受信期間中に前記アンテナを駆動せず、前記問い合わせ期間又は減衰期間中ではなく前記受信期間中に受信された応答信号を処理し、前記減衰期間が、前記アンテナの共振がしきい値未満に減衰することを可能にするのに十分に長いように制御される。前記少なくとも1つの無線機は、前記問い合わせ信号に対する応答について複数のアンテナを監視することができ、例えば、複数のアンテナを同時又は順次監視するか、又は問い合わせ信号(例えば、パッシブRFIDトランスポンダに電力供給するための符号化された情報のない搬送波信号)を直近に発信したアンテナを除くすべてのアンテナを監視する。前記複数のアンテナは、少なくとも2つのセットのアンテナを含むことができ、前記少なくとも1つの無線機は前記少なくとも2つのセットのアンテナのそれぞれから1つのアンテナを同時に駆動する。
【0021】
前記複数のアンテナは、例えば、少なくとも2つのセットのアンテナを含み、各セット内の前記アンテナはそれぞれの2次元アレイに配置され、前記2次元アレイはそれぞれの寸法を有し、各2次元アレイのそれぞれの寸法は他の2次元アレイの対応するそれぞれの寸法に一致し、前記少なくとも1つの無線機は前記2次元アレイを通して、定義された順序で、前記セット内の前記アンテナを順次駆動する。前記少なくとも1つの無線機は、前記少なくとも2つのセット内の前記アンテナを互いに同時に駆動する。前記定義された順序は、任意の所与の時間に互いに同時に前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在駆動されているアンテナ間の距離を最大化するように選択され得る。前記定義された順序は、任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在駆動されるアンテナ間の距離を固定するように選択され得る。
【0022】
前記複数のアンテナは、アンテナの2次元アレイに空間的に配列され得る。例えば、前記カセット内の前記位置のアレイの寸法のセットは4位置×4位置であってよく、前記アンテナのアレイの寸法のセットは、7位置×7位置である。あるいは、前記位置のアレイの前記寸法のセットは、前記アンテナのアレイの前記寸法のセットに一致する。前記アンテナのアレイは、前記低温環境の外部にあってよい。
【0023】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、前記それぞれの問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダが前記アンテナアレイ内の前記アンテナに対応する前記カセットの位置で予想される前記無線トランスポンダであるかどうかを決定することができる。前記無線トランスポンダが前記カセットの予想位置にないことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、予想しない状態の発生を示す信号を提供する。
【0024】
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は予想しない状態の発生を示す信号を提供するために、視覚的プロンプトを提示させる信号を提供することができる。前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、予想しない状態の発生を示す信号を提供するために、ロボットに動きをさせる信号を提供することができる。前記無線トランスポンダが前記カセットの予想位置にあることに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、前記無線トランスポンダのうちの前記少なくとも1つのアイデンティティと、前記少なくとも1つのデータ構造内の前記カセット内の位置のアレイ内のそれぞれの空間位置とを関連付ける前記マッピングを保存することができる。前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、前記それぞれの問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダの位置を、ターゲットマップ内の位置と比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面において、同一の参照番号は、同様の要素又は作用を示す。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも一定の縮尺で描かれてはいない。例えば、さまざまな要素の形状及び角度は一定の縮尺で描かれず、これらの要素のいくつかは、図面を見やすくするために、随時適当に拡大及び配置されている。さらに、描かれた要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報も伝えることを意図しておらず、図面における認識を容易にするために単に選択されたものである。
【0026】
【
図1】
図1は少なくとも1つの例示された実施形態による、低温貯蔵システムの等角図であり、低温貯蔵システムは液体窒素槽を保持する低温フリーザ又は貯蔵タンクと可搬型断熱キャリアとの間の生物学的検体(例えば、卵、精子、胚)の移送を容易にするため、及び/又は保管された生物学的検体の識別及び取扱い中の証拠の保管連鎖を容易にするための移送システムを含むか、又は移送システムとインターフェースする。
【0027】
【
図2】複数の検体容器を保持する貯蔵カセットの等角図であり、それらの保管容器の態様をより良く示すために、検体容器のうちの2つを貯蔵カセットから取り外した状態である。
【0028】
【
図3】
図3は、少なくとも1つの図示された実施形態による、移送システムのリーダのアンテナアレイに対して位置決めされた複数のキャリアカセットを搬送又は保持する、可搬型断熱低温キャリアの等角図である
【0029】
【
図4】
図4は、少なくとも1つの実装による、プロセッサベースの移送システムの等角図である。
【0030】
【
図5】
図5A及び
図5Bは少なくとも1つの実施形態による、低温フリーザに保管することができる貯蔵カセット内の位置から、可搬型断熱キャリアに保管することができるキャリアカセット内の位置に、生物学的検体を保持する検体容器を移送する移送システムにおけるオペレーション方法(又は、動作方法/運用方法)を示す流れ図である。
【0031】
【
図6】
図6A及び6Bは少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を、可搬型断熱キャリアに保管することができるキャリアカセット内の位置から、低温フリーザに保管することができる貯蔵カセット内の位置に移送する移送システムにおけるオペレーション方法を示す流れ図である。
【0032】
【
図7】
図7は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースのタンク状態ウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0033】
【
図8】
図8は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第2の時点におけるユーザーインターフェースのタンク状態ウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0034】
【
図9】
図9は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第3の時点におけるユーザーインターフェースのタンク状態ウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0035】
【
図10】
図10は、少なくとも1つの実施形態による、貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で生物学的検体を保持する検体容器を移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用されるユーザーインターフェースのログインウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0036】
【
図11】
図11は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用されるユーザーインターフェースのパスワード入力ウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0037】
【
図12】
図12は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースのシステムチェックウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0038】
【
図13】
図13は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第2の時点におけるユーザーインターフェースのシステムチェックウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0039】
【
図14】
図14は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースのナビゲーションウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0040】
【
図15】
図15は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、第2の時点におけるユーザーインターフェースのナビゲーションウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0041】
【
図16】
図16は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、別の時点におけるユーザーインターフェースのナビゲーションウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0042】
【
図17】
図17は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、さらに別の時点でのユーザーインターフェースのナビゲーションウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0043】
【
図18】
図18は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースのチェックリストウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0044】
【
図19】
図19は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースのチェックリストウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0045】
【
図20】
図20は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用されるユーザーインターフェースのカセット配置プロンプトウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0046】
【
図21】
図21は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用されるユーザーインターフェースの処理ウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0047】
【
図22】
図22は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースの容器移送プロンプトウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0048】
【
図23】
図23は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第2の時点におけるユーザーインターフェースの容器移送プロンプトウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0049】
【
図24】
図24は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第3の時点におけるユーザーインターフェースの容器移送プロンプトウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0050】
【
図25】
図25は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第4の時点におけるユーザーインターフェースの容器移送プロンプトウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0051】
【
図26】
図26は、検体容器がカセットに戻されていないことの通知を提供する、少なくとも1つの図示された実施形態による、第5の時点における容器移送プロンプトウィンドウ2600を示すスクリーンプリントである。
【0052】
【
図27】
図27は、カセットを低温環境に戻すための警告及びカウントダウンタイマを有する、少なくとも1つの図示された実施形態による、容器移送プロンプトウィンドウ2700を示すスクリーンプリントである。
【0053】
【
図28】
図28は、少なくとも1つの例示された実施形態による、予想しない検体容器がカセットに戻されたという通知を伴う、容器移送プロンプトウィンドウ2800を示すスクリーンプリントである。
【0054】
【
図29】
図29は、不正確な検体容器がカセットから取り出されたという通知を伴う、少なくとも1つの例示された実施形態による、容器移送プロンプトウィンドウ2800を示すスクリーンプリントである。
【0055】
【
図30】
図30は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースの最終チェックリストウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0056】
【
図31】
図31は、少なくとも1つの実施態様による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションにおいて使用される、第2の時点におけるユーザーインターフェースの最終チェックリストウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【0057】
【
図32】
図32は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するために移送システムのオペレーションに使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースの在庫ウィンドウを示すスクリーンプリントである。
【発明を実施するための形態】
【0058】
種々の実施態様が正しく理解されるように、開示内容の詳細を以下に説明する。但し、当業者ならば、これら特定の細部の1つ又は2つ以上を欠いても、又は他の方法、他の構成部材、他の材料でも実施が可能であることは容易に理解するところであろう。他の例では、コンピュータシステム、アクチュエータシステム、及び/又は通信ネットワークに関連する周知の構造は実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、詳細には示されておらず、又は説明されていない。他の例では実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、1つ又は複数のオブジェクトなどの知覚データ及びボリュメトリック表現を生成するための周知のコンピュータビジョン方法及び技法は詳細には説明されていない。
【0059】
本明細書及び特許請求の範囲において理由が必要ない限り、用語”を有する(comprise)”及びその派生語(comprises、comprising)は確定していない包括的な意味、即ち、”含む(including)”であるとみなされるが、それに限定されるものではない
【0060】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明した特定の機能、構成、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書における表現”一実施形態における”又は”実施形態における”の全てが、必ずしも同様の実施形態について記載されてはいない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0061】
本明細書及び同時提出の特許請求の範囲で用いられているように、単数表現は内容が明確に定められていない限り、複数の存在を包含するものである。また、表現”又は”は一般に、内容が明確に定められていない限り、”及び/又は”を包含する意味で用いられる。
【0062】
発明の名称及び要約は便宜上のものであり、本発明の範囲を表すものではなく、又は実施形態を意味するものでもない。
【0063】
図1は、少なくとも1つの図示された実施形態による低温貯蔵システム100を示す。
【0064】
低温貯蔵システム100は多種多様な形態をとることができ、典型的には、例えば、約マイナス190℃以下の温度で液体窒素の槽に浸漬された低温環境で検体容器を貯蔵することができる低温貯蔵タンク又はフリーザ102を含む。低温貯蔵タンク又はフリーザ102は典型的には高度に断熱されており、真空及び/又は他の断熱材料を間に有するステンレス鋼の内壁及び外壁を含むことができる。
【0065】
図2に示すように、検体容器200(1つのみを示す)は、典型的には低温フリーザを介して長期間保管するために貯蔵カセット202(1つのみを示す)に保管される。各検体容器200はバイアル204(1つのみ示す)、キャップ206(1つのみ示す)、1つ又は複数の無線トランスポンダ(例えば、無線周波数識別(RFID)トランスポンダ)208(1つのみ示す)、細長い検体ホルダー209(例えば、ストロー、ロッド、スパチュラ)、及び任意選択で1つ又は複数の機械可読シンボル210(1つのみ示す)を含むことができる。検体容器200は例えば、生体組織の検体、例えば、卵、精子、又は胚を貯蔵する。検体容器の様々な実施形態が、2019年9月13日に出願された米国特許出願第62/900,281号、2019年7月31日に出願された米国特許出願第62/880,786号、2019年7月26日に出願された米国特許出願第62/879,160号、2018年10月5日に出願された米国特許出願第62/741,986号、及び2018年10月5日に出願された米国特許出願第62/741,998号に記載されている。
【0066】
検体容器200は典型的には貯蔵カセット202に配列され、例えば、2次元アレイ(例えば、7×7、10×10、8×12、14×14)に配列される。貯蔵カセット202は、典型的には使用中、検体を回収するために取り外しが必要とされる短い期間を除外して(又は、予想して)、貯蔵カセットは低温フリーザ内に留まるので、低温フリーザの外側で使用することをほとんど考えずに設計される。貯蔵カセット202は、通常、低温貯蔵タンク又はフリーザ102内に垂直スタックで貯蔵され、垂直スタックはラックとも呼ばれる。貯蔵カセット202のスタック又はラックは、低温貯蔵タンク又はフリーザ102の中心軸を中心として、低温貯蔵タンク又はフリーザ102内に環状に配列されていてもよい。低温貯蔵タンク又はフリーザ102は、貯蔵カセット202のスタック又はラックが搬送されるターンテーブル又はコンベアをその内部に含むことができる。これにより、貯蔵カセット202のそれぞれのスタック又はラックを、配置又は取り外しのために、低温フリーザの開口部116と整列させることができる。
【0067】
図1に戻ると、低温貯蔵タンク又はフリーザ102は開口部116と、開口部116を選択的に開閉し、その外部から低温貯蔵タンク又はフリーザ102の内部へのアクセスをそれぞれ提供し、アクセスを防止し、外部から内部を気密封止して低温貯蔵タンク又はフリーザ102の内部の低温を維持するためのドア又はカバー118とを含む。貯蔵カセット202のスタック又はラックは、低温で貯蔵するために低温貯蔵タンク又はフリーザ102の内部に選択的に配置され、開口部を介して、使用するために低温貯蔵タンク又はフリーザ102の内部から取り出すことができる。幾つかの実装形態では、貯蔵カセット202のスタック又はラックが必要に応じて低温貯蔵タンク又はフリーザ102から手動で取り外され、低温貯蔵タンク又はフリーザ102に手動で置かれ、低温で検体を検体容器200内に貯蔵する。他の実施形態では、低温貯蔵システム100はピッカー又はエレベータ120を含み、必要に応じて貯蔵カセット202のスタック又はラックの選択されたものを低温貯蔵タンク又はフリーザ102から自動的に取り出し、検体容器200を備えた貯蔵カセット202を低温貯蔵タンク又はフリーザ102内に自動的に配置して検体容器200内の検体を低温で貯蔵する。低温貯蔵タンク又はフリーザ102の貯蔵及び検索機構(例えば、ターンテーブル、ピッカー又はエレベータ)は人間の動きを自動的に再現することができ、従って、ロボット又はロボットシステムとして称される。手動で動かされても、自動的に動かされても、典型的には、約マイナス190℃よりも高い温度(例えば、周囲室温又は約23℃)への検体の暴露を最小限にすることが重要である。
【0068】
移送システム122は、貯蔵カセット202からキャリアカセット及び/又はキャリアカセットが搬送される可搬型断熱低温キャリアへの検体容器200の移送を容易にすることができる。移送システム122は、低温貯蔵システム100の一部であってもよく、又は低温貯蔵システム100とインターフェースする別個のシステムとして提供されてもよい。例えば、移送システム122は従来の市販の低温自動貯蔵システム(例えば、Brooks Life Sciencesによって販売されているBistore III Cryo-190℃システム)とインターフェースすることができる。
【0069】
移送システム122は、それぞれの検体容器200、貯蔵カセット202、及び/又はキャリアカセット302(
図3)に物理的に関連付けられた1つ又は複数の無線トランスポンダから情報を読み取るように動作可能な1つ又は複数のリーダ124(
図1には1つだけが示されている)を含む。本明細書で詳細に説明するように、リーダ124は1つ又は複数のアンテナ、例えば、アンテナ126の2次元アレイと、1つ又は複数の送信機、受信機、トランシーバ(集合的に無線機)とを含むことができ、これらのアンテナに、問い合わせ信号を発信させ、問い合わせ信号に応答した応答信号を受信するように動作可能である。リーダ124は、RFIDリーダ又はインタロゲータの形態をとることができる。移送システム122は1つ又は複数の専用ユーザーインターフェース構成要素(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン)を含むことができ、又は低温貯蔵システム100のユーザーインターフェース構成要素、例えば、タッチスクリーンディスプレイ128を使用することができる。
【0070】
低温システム100の部分は、従来の設計のものであってもよい。例えば、低温貯蔵タンク又はフリーザ及び/又はピッカー又はエレベータは市販の自動貯蔵システム(例えば、Brooks Life Sciencesによって販売されているBistore III Cryo-190℃システム)の形態をとってもよい。低温システム100のいくつか、又はさらには全てが、本明細書に記載される構造及び方法を含んでもよく、したがって、出願人には従来のもの又は市販のものいずれであるかが知られていない。例えば、リーダ124を含む移送システム122は可搬型の断熱低温キャリア300(
図3、後述)と共に動作可能であり、また、貯蔵カセット202と、可搬型の断熱低温キャリア300によって保持されるキャリアカセット302a、302b(
図3、後述、総称して302)との間の検体容器200の移送を容易にするように動作可能である。また、例えば、移送システム122はピッカー又はエレベータ120を介して回収された貯蔵カセット202と、可搬型断熱低温キャリア300によって保持されたキャリアカセット302との間の移送を容易にするために、協働ロボット(co-robots)405(
図4、後述)を含むことができる(出願人には従来のもの又は市販のものいずれかであるか知られていない。)
【0071】
図3は、少なくとも1つの例示としての実施に従って、移送システム122のリーダ124のアンテナアレイ126に対して配置された複数のキャリアカセット302a、302b(2つを図示)を運ぶ、又は保持する可搬型の断熱低温キャリア300を示す。
【0072】
可搬型の断熱低温キャリア300は、カバーなしで示され、様々な特徴をより良く示すようにキャリアカセット302a、302bを取り外した状態で示される。使用時には可搬型断熱低温キャリア300がその内部に液体窒素槽を保持し、キャリアカセット302a、302bは可搬型断熱低温キャリア300の内部の液体窒素槽に少なくとも部分的に浸漬されて配置され、カバーは可搬型断熱低温キャリア300の上部の開口を閉じるように配置される。
【0073】
キャリアカセット302a、302bはそれぞれ、複数の位置303a、303b(各キャリアカセット302、302bに対して1つだけ示されている)を含み、それぞれの検体容器(例えば、レセプタクル、ホルダー、ウェル)を少なくとも部分的に受け入れることができ、2次元アレイにレイアウトすることができる。キャリアカセット302a、302bは、検体ホルダー上に保持された生物検体を熱的に保護するための一定の特徴を含んでもよく、これらの検体ホルダーは検体容器200内に位置し、検体容器は種々の位置304a、304b(図面での混乱をさけるため、キャリアカセットごとに1つだけ示されている)でキャリアカセット302a、302bに次いで保持される。例えば、各キャリアカセット302a、302bはプラスチックスリーブの有無にかかわらず、材料(例えば、アルミニウム)の熱伝導性ブロック及びエアロゲルを含む熱シャントを備えることができる。適切なキャリアカセット302a、302bは例えば、2019年9月13日に出願された米国特許出願第62/900,281号;2019年7月31日に出願された米国特許出願第62/880,786号;2019年7月26日に出願された米国特許出願第62/879,160号;2018年10月5日に出願された米国特許出願第62/741,986号;及び2018年10月5日に出願された米国特許出願第62/741,998号に記載されている。キャリアカセット302a、302bはしたがって、貯蔵カセット202(
図2)と設計が異なる。というのは、貯蔵カセット202が低温貯蔵タンク又はフリーザ102に貯蔵されるように設計されているからであり、従って、低温条件を延ばすための追加の特徴を必要としない。
【0074】
アンテナアレイ126及び/又はリーダ124は、プラットフォーム又はフレーム306によって支持されてもよい。プラットフォーム又はフレーム306はプラットフォーム又はフレーム306を低温貯蔵タンク又はフリーザ102の構造(例えば、縁部、取っ手)から吊り下げることを可能にするリップ308を有していてもよく、好適には、アンテナアレイ126及び/又はリーダ124を低温貯蔵タンク又はフリーザ102の近くに配置して間の移動を容易にすることができる。これはまた、プロセッサベースの移送システム122の低温貯蔵タンク又はフリーザ102への簡素化されたレトロフィット(又は、後付け)を有利に可能にする。あまり有利ではないが、プラットフォーム又はフレーム306は他の構造を介して低温貯蔵タンク又はフリーザ102に固定されてもよく、例えば、締結具(例えば、ボルト、ねじ、リベット)を介してそこに締結されるか、接着剤又はエポキシによってそこに接着されるか、又はんだ接合を介してそこにはんだ付けされ得る。
【0075】
図4は
図1の低温システム100のプロセッサベースの移送システム122、又はそれとインターフェースする移送システムを示しており、プロセッサベースの移送システム122は、自動化されているか手動であるかにかかわらず、貯蔵カセット202(
図2)とキャリアカセット302(
図3)との間の検体容器200(
図2)の移送を容易にする。貯蔵カセット202は低温フリーザ(例えば、タンク又はデュワー)に長期間貯蔵するように設計されており、典型的には大型で重い固定物である。キャリアカセット302は、持ち運び可能な形式で、一時的保管のために設計されている。適切なキャリアカセット302、及び、キャリアカセット302を担持し低温で低温材料を一時的に維持することができる可搬型の断熱低温キャリア300の例は、それと共に使用するための検体容器200と同様、2019年9月13日に出願された米国特許出願62/900,281、2019年7月31日に出願された米国特許出願62/880,786、2019年7月26日に出願された米国特許出願62/879,160、2018年10月5日に出願された米国特許出願62/741,986、及び2018年10月5日に出願された米国特許出願62/741,998に記載されている。
【0076】
プロセッサベースの移送システム122は1つ又は複数のリーダ400a~400e(5つを示し、まとめて400)、制御サブシステム402、及びユーザーインターフェースシステム404を含む。プロセッサベースの移送システム122は任意選択で、1つ又は複数のロボット、例えば、低温貯蔵システム100のピッカー又はエレベータ120(
図1)とインターフェースする1つ又は複数の協働ロボット405(1つだけが示されている)を含む。
【0077】
リーダ400は、様々な形態のいずれかをとることができる。例えば、プロセッサベースの移送システム122は、検体容器200(
図2)及び/又は移送カセット202(
図2)及び/又はキャリアカセット302(
図3)に物理的に関連付けられた無線トランスポンダ208(
図2)に記憶された情報を無線で読み取る1つ又は複数のリーダ400a~400dを含む。そのようなリーダ400a~400dはそれぞれ、本明細書では集合的かつ個別に無線機と呼ばれる、1つ又は複数の送信機、受信機、又はトランシーバを含む。そのようなリーダ400はそれぞれ、それぞれの無線機に通信可能に結合され、無線信号(例えば、問い合わせ信号)を発信し、及び/又は無線トランスポンダ208(
図2)から返された無線信号(例えば、応答信号)を受信するように動作可能な1つ又は複数のアンテナ401a~401d(それぞれについて1つのアンテナのみが呼び出され、描画の混乱を防止する)を含む。無線信号は、典型的には電磁スペクトルの無線周波数帯又はマイクロ波周波数帯にある。
【0078】
また、例えば、1つ又は複数のリーダ400e(すなわち、機械可読記号リーダ又はスキャナ)は、検体容器200(
図2)、移送カセット202(
図2)、及び/又はキャリアカセット302(
図3)によって運ばれ、上に印刷され、又は刻み込まれた、1つ又は複数の機械可読記号210(
図2)(例えば、1次元又はバーコード記号、2次元又はエリアコード記号)に格納又は符号化された情報を光学的に読み取ることができる。
【0079】
リーダ400a~400eはそれぞれ、1つ又は複数のプロセッサ、例えば、1つ又は複数のマイクロコントローラ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数の中央処理ユニット、1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ又は複数のグラフィックス処理ユニット(GPU)、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ又は複数のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)のうちの1つ又は複数を含むことができる。リーダ400a~400eはそれぞれ、1つ以上の非一時的記憶媒体、例えば、1つ以上の不揮発性記憶媒体、及び/又は複数の揮発性記憶媒体、例えば、1つ又は複数のリードオンリーメモリー(ROM)、1つ又は複数のランダムアクセスメモリ(RAM)、1つ又は複数のフラッシュメモリ、1つ又は複数の磁気ディスクドライブ、1つ又は複数の光ディスクドライブ、1つ又は複数のソリッドステートドライブ、1つ又は複数のキャッシュメモリ、及び/又は1つ又は複数のプロセッサの1つ又は複数のレジスタを含む。
【0080】
いくつかの実装形態では、プロセッサベースの移送システム122が、マッピング又はボックスリーダ400a及び関連するアンテナ401a、信号検体容器リーダ400b及び関連するアンテナ401b、カセット識別リーダ400c及び関連するアンテナ401c、ならびにバルクリーダ400d及び関連するアンテナ401dを含む。マッピング又はボックスリーダ400aはアンテナ401aの2次元アレイを含んでもよく、位置の2次元アレイの走査を可能にし、キャリアカセット302又は貯蔵カセット202の内容を問い合わせ又は監査するために使用することができる。マッピング又はボックスリーダ400a及び関連するアンテナアレイ401aは、例えば、移送システム122のリーダ124(
図1)及びアンテナアレイ126であってもよい。アンテナアレイ126は、例えば、プリント回路基板の一方の側に形成又は担持されてもよく、一方、プリント回路基板の場合には、様々な電気的又は電子的構成要素(例えば、インダクタ、抵抗器、コンデンサ)が他方の側に担持されてもよく、それによって、使用中に検体容器に面する実質的に平坦なプラナー面を提供し、それらの間の距離を最小化する(例えば、2mm以下)。信号検体容器リーダ400bは固定されていてもよく、又はより好ましくは手持ち式であってもよく、例えば検体容器200がキャリアカセット又は貯蔵カセット302、202のうちの1つからそれぞれ取り外されたときに、個々の検体容器200の無線トランスポンダ208(
図2)から情報を読み取るように動作可能である。カセット識別リーダ400cのアンテナ401cは例えば、キャリア又は貯蔵カセット302、202が1つ以上のステーション(例えば、移送システム122のリーダ124のアンテナアレイ126(
図1)上又はそこに配置される)に配置される場合に、キャリア又は貯蔵カセット302、202にそれぞれ物理的に関連付けられた(例えば、取り付けられた、又は固定された)無線トランスポンダ208からカセット識別子を読み取るように配置される。バルクリーダ400dは例えば、手持ち式であってもよく、キャリアカセット又は貯蔵カセット302、202のうちの1つによって保持されたすべての検体容器200のそれぞれの無線トランスポンダ208(
図2)から情報を読み取るように動作可能である。
【0081】
制御サブシステム402は1つ又は複数のプロセッサ406、例えば、1つ又は複数のマイクロコントローラ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数の中央処理装置、1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ又は複数のグラフィックス処理ユニット(GPU)、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は1つ又は複数のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)のうちの1つ又は複数を含むことができる。制御サブシステム402は1つ又は複数の不揮発性記憶媒体及び/又は1つ又は複数の揮発性記憶媒体、例えば、1つ又は複数のリードオンリーメモリー(ROM)410、1つ又は複数のランダムアクセスメモリ(RAM)412、1つ又は複数のFLASH(登録商標)メモリ、1つ又は複数の磁気ディスク414及び関連するドライブ416、1つ又は複数の光ディスクドライブ418及び関連するドライブ420、1つ又は複数のソリッドステートドライブ422、1つ又は複数のキャッシュメモリ、及び/又は1つ又は複数のプロセッサ406の1つ又は複数のレジスタのうちの1つ又は複数を含むシステムメモリ408を含んでもよい。制御サブシステム402はプロセッサを記憶媒体に通信可能に結合する1つ又は複数の通信チャネル424(例えば、バス)を含むことができる。制御サブシステム402は、制御サブシステム402と外部デバイス(例えば、ピッカー又はエレベータ120(
図1)を有するか又は有しない従来の低温冷蔵システムの専用制御システム)との間の通信を提供する、1つ又は複数の通信ポート、例えば、1つ又は複数の有線通信ポート426、無線通信ポート428(例えば、Wi-Fi及び/又はBluetooth無線機及び関連するアンテナ430、赤外線トランシーバ)を含むことができる。
【0082】
制御サブシステム402のプロセッサ406は例えば、1つ又は複数の非一時的記憶媒体によってプロセス実行可能命令として記憶された1つ又は複数のアルゴリズムを実行するためのロジックを実行するように動作可能である。適切なアルゴリズムは、本明細書に記載されている。プロセス実行可能命令は例えば、ROM410に記憶された基本入出力オペレーティングシステム(BIOS)432を含み得る。プロセス実行可能命令は例えば、実行中にRAM412に記憶されるオペレーティングシステム(OS)434を含み得る。プロセス実行可能命令は例えば、ユーザー情報を収集し、貯蔵カセットとキャリアカセットとの間の移送をマッピングし、検体容器がキャリア又は貯蔵カセット内の正しい位置にあることを検証し、そのための保管連鎖(chain-of-custody)の証拠を確立するためのロジックを提供する1つ又は複数のアプリケーションプログラム436、例えば、動作中にRAM412に格納されたアプリケーションプログラム(複数可)を含むことができる。プロセス実行可能命令は例えば、外部デバイスとの通信を提供するため、及び/又は協働ロボット405の動作を制御するために、1つ又は複数の他のプログラム又はモジュール438を含むことができ、これは、例えば、実行中にRAM412に格納することができる。1つ又は複数のデータ構造440は情報、例えば、特定のユーザーを識別し、特定の臨床医を識別し、特定の患者を識別し、特定の手順を識別し、特定の検体容器を識別し、特定の患者に特定の検体容器を関連付け、検体容器をそれぞれの貯蔵カセット及び/又はキャリアカセットにマッピングする情報を格納することができる。データ構造440は、データベース、データセット、レコード及びフィールド、テーブル、リンクされたリスト、ツリー、バイナリツリーなどを含む様々な形態をとることができる。データ構造440は例えば、実行中にRAM412に記憶することができる。
【0083】
制御サブシステム402のプロセッサ406はリーダ400a~400eから情報を受信し、任意選択でリーダ400a~400eのうちの1つ又は複数の動作を制御するように動作可能に(たとえば、有線、光、ワイヤレス、又は無線)通信可能に結合される。制御サブシステム402のプロセッサ406はまた、人間のユーザーがプロセッサベースの移送システム122と対話することを可能にするために、ユーザーインターフェースシステム404の1つ又は複数のユーザーインターフェース装置からユーザー入力を受信し、これにユーザー出力を提供するように動作可能である。
【0084】
ユーザーインターフェースシステム404は例えば、1つ以上のディスプレイスクリーン、1つ以上のタッチセンシティブディスプレイスクリーン442、1つ以上のスピーカ444、1つ以上のマイクロフォン446、1つ以上のキーボード448、1つ以上のポインタデバイス450(例えば、コンピュータマウス、トラックパッド、トラックボール)、1つ以上の触覚インターフェースのうちの1つ以上を含み得る。ユーザーインターフェース406は1つ以上の周辺インターフェース452a~452bを介して(例えば、有線、光、無線(wireless)、又は無線(radio))プロセッサと通信接続され、プロセッサ406にユーザー入力を提供し、ユーザーに提示されるプロセッサ406からの出力を受け取る。特に、プロセッサ406は例えばタッチスクリーンディスプレイ442を介して、プロセッサが、デバイスにユーザーインターフェース(例えば、グラフィカルユーザーインターフェース)を提示させるようにするプロセッサ実行可能命令を実行してもよい。本明細書では、様々なユーザーインターフェース要素が示され、説明される。
【0085】
少なくともいくつかの実施態様では、低温貯蔵システム100が既存の実験室機器、例えば、従来の検体容器(例えば、Brooks Life Sciencesから入手可能なFluidX(登録商標)24-Formatチューブ、FluidX(登録商標)48Format tubes FluidX(登録商標)96Formatチューブ)、又はプレートもしくはラック(例えば、5 1/4インチ×5 1/4インチプレートもしくはウェル、Vision plate(登録商標)96ウェルプレート、Vision plate(登録商標)24ウェルプレート、10×10Cryo Rackラック、Brooks Life Sciencesから入手可能な14×14Cryo Rackラック)で動作するように構成することができる。既存のラボ機器で動作するように低温貯蔵システム100を設計することは、構造及び動作に多くの制約を課す。例えば、アンテナの2次元アレイは、様々な利用可能なフォーマットでRFIDトランスポンダアレイにうまく問い合わせるように設計されなければならない。これは、RFIDトランスポンダからの応答信号を問い合わせ、受信するために使用されるアンテナのサイズ(例えば、コイルサイズ)に制限を設ける可能性がある。より小さなアンテナは典型的には範囲を減少させ、それは範囲の損失を補償するためにより高い送信電力を必要とし得る。これは、特に、無線トランスポンダのアンテナが極端に低い温度にさらされる場合、例えば、無線トランスポンダが液体窒素槽に浸漬され、リーダのアンテナが室温にある場合に当てはまる。また、従来の装置フォーマットによって指示される比較的近い間隔は問い合わせ中のクロストークの量を増加させることができ、この場合、1つのアンテナからの問い合わせ信号が複数の無線トランスポンダからの応答信号を励起し、引き出す。クロストークは例えば、従来の空間フォーマットによって規定される間隔に対応するためにアンテナサイズを小さくしなければならない場合など、送信電力の増加とともに増加することもある。既存の無線トランスポンダ及びリーダ(例えば、RFIDインテロゲータ又はRFIDリーダ)のユーザーはまた、構造及び/又は動作において、特定の収容がなされることを必要とし得る。例えば、RFIDリーダは、典型的には自動利得制御を採用する。
【0086】
低温貯蔵システム100は、アンテナの2次元アレイ内に空間的にアレイ化された複数のアンテナを備え、アンテナの2次元アレイは寸法又はオーダー(又は、次数、orders)のセット(例えば、2x2、3x3、5x5、4x6、7x7、9x9、8x12)を有する。1つ又は複数の無線機は無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、1つ又は複数のアンテナの範囲内の無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するために、アンテナを駆動するように通信可能に結合される。例えば、種々のアンテナに多重化された単一の無線が存在してもよい。あるいは、アンテナごとに1つの無線があってもよい。あるいは、アンテナが、例えば4つのセットのようなセットにグループ化され、セットに無線機1つ、各セットのアンテナに多重化された1つの無線機が使用されてもよい。ある場合には無線機は送信機であり、ある場合には無線機は受信機であり、さらに他の場合には無線機はトランシーバである。プロセッサベースの制御システムは、無線機に通信可能に結合される。プロセッサベースの制御システムは所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの予想される位置に配置されているかどうかを決定する。無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの予想位置に位置していないという決定に応答して、プロセッサベースの制御システムは予想しない状態の発生を示す信号を提供させる。予想しない状態の発生を示す信号が提供されるようにするために、プロセッサベースの制御システムは視覚的プロンプトが提示されるようにし、及び/又はロボットに移動を行わせる信号がロボットに提供されるようにすることができる。
【0087】
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、プロセッサベースの制御システムは、どの応答信号が、無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つから返信されたかを決定することができる。例えば、所与の問い合わせに応答して受信される各応答信号について、プロセッサベースの制御システム又は少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、応答信号の受信信号強度を示すそれぞれの受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化して、少なくとも1つの無線機によって導入される任意の自動利得調整を考慮に入れることができる。例えば、各問い合わせに対して、プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に対するそれぞれの正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定する。所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に対するそれぞれの正規化されたRSSI値のうちのどれが各問い合わせに対して最大の絶対値を有するかを決定するために、プロセッサベースの制御システムは、受信された応答信号に対するそれぞれの正規化されたRSSI値を相互に比較することができる。
【0088】
無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムはさらに、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて、それぞれの無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、それぞれの読み取り速度を互いに比較することができる。無線トランスポンダが応答しているそれぞれの問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムは加えて又は代替的に、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて、それぞれの無線トランスポンダが最初に問い合わせに応答するのに要する時間を表す、それぞれの応答時間を互いに比較することができる。
【0089】
プロセッサベースの制御システムは無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定する前に、プロセッサベースの制御システムはさらに、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの、それに関連する無線トランスポンダと共に検体容器のうちの1つを移送する元の位置と、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの他方の、検体容器を移送する先の位置とを示すプロンプトを提示させてもよく、上記予想位置は検体容器が移送される予定の貯蔵カセット又は移送カセットのうちの他方の位置である。
【0090】
プロセッサベースの制御システムはさらに、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの予想しない位置に無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかを決定し、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つの予想しない位置に無線トランスポンダのそれぞれ1つによってマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させることができる。
【0091】
プロセッサベースの制御システムはさらに、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つから欠落している無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかを決定し、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの1つから欠落しているとマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させることができる。予想しない状態の発生を示す信号が提供されるようにするために、プロセッサベースの制御システムは予想しない状態の発生を示し、貯蔵カセット又は移送カセットのうちの少なくとも1つにおける検体容器の不正確な位置及び正確な位置のうちの少なくとも1つを示す信号を提示させることができる。
【0092】
加えて、速度は、典型的には商業運転にとって重要である。速度を上げるために、アンテナは複数のセットにグループ化されてもよく、これらのセットは互いに並列に動作する。例えば、8×12アレイとして配置される、アンテナ96の2次元アレイはA、B、C、Dと名付けた、2次元アレイの4つの象限に対応する4つのセット(例えば、左上象限のAで始まり時計回りに配置されるセットA、B、C、D)にグループ化されてもよい。各象限内の位置は、行と列を表す整数のペアで表すことができる。動作中、第1のセットAの第1のアンテナ1,1、第2のセットBの第1のアンテナ1,1、第3のセットCの第1のアンテナ1,1、及び第4のセットDの第1のアンテナ1,1は第1の問い合わせサイクル中にそれぞれの問い合わせ信号(例えば、搬送波)を同時に送信するように動作され得る。第1のセットA、第2のセットB、第3のセットC、及び第4のセットDの他のアンテナは、第1の問い合わせサイクルの一部として応答信号について監視されてもよい。続いて、第1のセットAの第2のアンテナ1,2、第2のセットBの第2のアンテナ1,2、第3のセットCの第2のアンテナ1,2、及び第4のセットDの第2のアンテナ1,2は第2の問い合わせサイクル中にそれぞれの問い合わせ信号(例えば、搬送波)を同時に送信するように動作され得る。第1のセットA、第2のセットB、第3のセットC、及び第4のセットDの他のアンテナは、第2の問い合わせサイクルの一部として応答信号について監視されてもよい。その後の問い合わせサイクルは、セットの残りのアンテナを循環してもよく、各セットからのアンテナのうちの1つを動作させて、現在互いに問い合わせを送信する。いくつかの実装形態では、動作が任意の2つのセットの送信アンテナ間に固定された距離が存在することをもたらし得る。例えば、任意の所与の問い合わせサイクルの間、1つのセット内の送信アンテナは、それ自身のセット内において、他のセット内における他の送信アンテナの相対位置と同じ相対位置にあってもよい。これは、各セットの送信アンテナの行/列ペアが各問い合わせサイクル中に互いに一致する、上述の動作と同様である。代替的に、動作は任意の所与の問い合わせサイクル中に、同時送信アンテナ間に達成可能な最大距離が存在する結果となり得る。例えば、第1のセットAの第1のアンテナ1,1、第2のセットBの第6のアンテナ1,6、第3のセットCの第19のアンテナ4,1、及び第4のセットDの第24のアンテナ4,6は第1の問い合わせサイクルにおいてそれぞれの問い合わせ信号(例えば、搬送波)を同時に送信するように動作され得る。したがって、2次元アレイの対向する4隅にあるアンテナは、第1の問い合わせサイクルの間に、問い合わせ信号を同時に送信する。その後の問い合わせサイクルの間、各セットA、B、C、D内のアンテナは互いに一致する順序でステップスルーされてもよく、例えば、ある行に沿って連続的にアンテナから問い合わせ信号を送信し、続けて、次の行から連続的に送信するなどである。
【0093】
4つのセットが記載されているが、任意の数のセットのアンテナを採用することができる。アンテナ起動の2つのパターンが記載されているが、他のパターンを採用してもよい。また、概して、応答信号を監視するために、直近に(most recently)問い合わせ信号を発信したアンテナを除くすべてのアンテナを使用するものとして説明したが、他のアプローチを使用することもできる。例えば、問い合わせ信号を直近に発信したアンテナを含めて、全てのアンテナを監視することができる。そのような実装形態では、典型的には応答信号の検出を可能にするように、送信アンテナ内の共振が十分に減衰することを可能にするために、遅延が採用されるであろう。あるいは、応答信号を監視するために、アンテナのうちの選択された1つ又は選択されたものみが採用されてもよい。例えば、幾つかの実装形態では、応答信号の受信について、典型的には遅延時間の後に、問い合わせ信号を最後に送信したアンテナのみが監視される。
【0094】
図5A及び
図5Bは少なくとも1つの例示の実装形態による、低温フリーザ102内に格納可能な貯蔵カセット202(
図2)から、可搬型断熱低温キャリア300(
図3)内に格納可能なキャリアカセット302(
図3)に、検体容器200(
図2)を移送する操作方法500を示す。
【0095】
方法500は502で開始する。例えば、本方法は、プロセッサベースの移送システム122又はその構成要素の電源投入に応答して、リーダにおけるキャリアカセットの検出、ユーザー入力の受信、又は呼び出しルーチン又はプログラムからの呼び出しに応答して開始することができる。
【0096】
503において、プロセッサベース移送システム122はユーザー識別情報を受信し、検証し、記憶する。ユーザー識別情報は様々な形態、例えば、ユーザー識別子、パスワード又はパスフレーズ、及び/又は生体データ(例えば、デジタル指紋、デジタル虹彩スキャン、顔の特徴)をとることができる。
【0097】
504において、プロセッサベース移送システム122は識別情報を受信する。識別情報は例えば、ユーザーインターフェースを介したユーザー入力として、又は、別のシステム、例えば、臨床手順管理プロセッサベースのシステムからの情報の電子的転送として受信されてもよい。識別情報は例えば、患者名、一意の患者識別子、患者の出生のデータ、処置タイプ又は一意の処置識別子、検体容器識別子、及び/又は検体識別子を含むことができる。
【0098】
506において、プロセッサベースの移送システム122は、回収されるべき1つ又は複数の検体容器を保持する貯蔵カセットを決定する。例えば、1つ又は複数の検体容器は、所与の患者に対する所与の処置において使用される生物学的検体又は組織を保持し得る。プロセッサベースの移送システムは例えば、識別情報を使用してデータ構造を問い合わせることができる。
【0099】
508において、プロセッサベースの移送システム122は、貯蔵カセット内の識別された検体容器の1つ又は複数の位置を決定する。プロセッサベースの移送システムは例えば、識別情報を使用してデータ構造を問い合わせることができる。
【0100】
510において、プロセッサベースの移送システム122は、貯蔵カセットから移送された検体容器を保持するためのキャリアカセットの位置を決定する。プロセッサベースの移送システムは例えば、識別情報を使用してデータ構造を問い合わせることができる。
【0101】
512において、プロセッサベース移送システム122は、キャリア環境の状態を確認するためのクエリ(又は、質問)の提示を引き起こす。クエリは、ユーザーインターフェースを介して視覚的又は聴覚的に提示することができる。クエリは、キャリアが準備できていること、キャリア内に適切な流体(例えば、液体窒素)があること、及び流体が適切に冷たい(例えば、約190℃以下)ことをユーザーが確認する要求を含むことができる。
【0102】
514において、プロセッサベースの移送システム122は、キャリア環境の状態を示す情報を受信する。情報は例えば、ユーザーインターフェースを介して受信されてもよい。
【0103】
任意選択で、516において、プロセッサベースの移送システム122は、1つ又は複数の状態が1つ又は複数のしきい値を満たすことを検証する。例えば、ユーザーは、しきい値レベル及び/又はしきい値温度と比較することができる、流体レベル及び/又は流体の温度を入力することができる。
【0104】
518において、プロセッサベースの移送システム122は、1つ又は複数のコマンドを送信して、貯蔵カセットの選択位置からキャリアカセットの選択位置へ検体容器を移送させる。手動移送の場合、コマンドは、ユーザーインターフェースを介してプロンプトとしてユーザーに提示されてもよい。自動化された移送の場合、コマンドは、ロボット又は他の機械的搬送による実行のための動作計画の形態とすることができる。
【0105】
520において、プロセッサベースの移送システム122は、移送の確認を受信する。確認は、ユーザーインターフェースを介してユーザーから受け取ることができる。代替的に、確認は一連の動作が完了したことを示す、プロセッサベースのシステム、例えば、ロボットから来てもよい。
【0106】
522において、プロセッサベースの移送システム122は、キャリアカセットに問い合わせる。例えば、リーダはキャリアカセット内の各位置に順次問い合わせを行い、どの位置が無線トランスポンダタグ付き検体容器を有するか、さらには検体容器を有する各位置における各検体容器のアイデンティティを決定することができる。このようなものは、例えば、RFIDリーダ又は質問機を介して、キャリアカセットのそれぞれの位置と位置合わせされる(be in registration with)ように配置されたアンテナの2次元アレイを用いて実施されてもよい。
【0107】
524において、プロセッサベースの移送システム122は、移送された検体容器がキャリアカセット内の正しい位置にあるかどうかを決定する。プロセッサベースの移送システム122は、データ構造に問い合わせて、検体容器を有すると想定されるキャリアカセットの各位置について、その位置にあると想定される検体容器のアイデンティティを決定することができる。プロセッサベースの移送システム122は、問い合わせによって決定された実際のマッピングを、意図されたマッピングと比較して、各検体容器が正しい位置にあることを検証し、正しくない位置にある検体容器を識別し、以下に説明するように、欠落した検体容器及び/又はキャリアカセット内にあるべきでない検体容器を識別する。
【0108】
524において、移送された検体容器がキャリアカセット内の正しい位置にないと決定された場合、プロセッサベースの移送システム122は、どの特定のエラーが発生したかを決定しようと試みる。例えば、526において、プロセッサベースの移送システム122は、移送された検体容器がキャリアカセット内に存在するかどうかを決定する。526で、移送された検体容器がキャリアカセット内に存在しないと決定された場合、528で、プロセッサベースの移送システム122はユーザーインターフェースに、貯蔵カセットからキャリアカセットに検体容器を移送し、貯蔵カセット及びキャリアカセット内の特定の位置を識別するプロンプトを提示させ、制御は520に戻り、移送が完了したという確認の受信を待つ。あるいは、プロセッサベースの移送システム122が検体容器の移送を実施するための命令をロボットに提供する。526において、移送された検体容器がキャリアカセット内に存在すると決定された場合、530において、プロセッサベースのシステム122はユーザーインターフェースに、検体容器が移動されるべき位置(移動元)及び検体容器が移動されるべき位置(移動元)の識別を含む、キャリアカセット内の正しい位置に検体容器を移動させるための通知又はプロンプトを提示させる。次に、制御は、520において、移送が完了したという確認の受信を待つために戻る。
【0109】
524において、移送された検体容器がキャリアカセット内の正しい位置にあると決定された場合、任意選択で532において、プロセッサベースの移送システム122は、キャリアカセット内に正しくない検体容器が存在するかどうかを決定する。532において、キャリアカセット内に正しくない検体容器が存在すると決定された場合、534において、プロセッサベースの移送システム122はユーザーインターフェースに、キャリアカセット内に正しくない検体容器が存在し、正しくない位置を識別するという通知を提示させる。次に、制御は、520において、移送が完了したという確認の受信を待つために戻る。532において、キャリアカセット内に正しくない検体容器が存在しないと決定された場合、制御は536に移る。
【0110】
536において、プロセッサベース移送システム122は、移送を反映するようにデータ構造を更新する。データ構造は例えば、データベース、テーブル、ツリー構造又はリンクされたリストの形態をとることができる。
【0111】
538において、プロセッサベースの移送システム122は、好ましくは不正開封防止形式(in a tamper proof or tamper evident form)で、保管連鎖の証拠を記憶する。権原連鎖の証拠は例えば、ブロックチェーン形式で記憶されてもよい。
【0112】
方法500は例えば、再び呼び出されるまで、540で終了する。
【0113】
図6A及び
図6Bは少なくとも1つの例示としての実装形態による、検体容器200(
図2)を、可搬型断熱低温キャリア300(
図3)内に格納可能なキャリアカセット302(
図3)から、低温フリーザ102内に格納するための貯蔵カセット302(
図3)に移送する操作の方法600を示す。
【0114】
方法600は602で開始する。例えば、本方法は、プロセッサベースの移送システム122又はその構成要素の電源投入に応答して、リーダにおけるキャリアカセットの検出、ユーザー入力の受信、又は呼び出しルーチン又はプログラムからの呼び出しに応答して開始することができる。
【0115】
603において、プロセッサベース移送システム122はユーザー識別情報を受信し、検証し、記憶する。ユーザー識別情報は様々な形態、例えば、ユーザー識別子、パスワード又はパスフレーズ、及び/又は生体データ(例えば、デジタル指紋、デジタル虹彩スキャン、顔の特徴)をとることができる。
【0116】
604において、プロセッサベース移送システム122は識別情報を受信する。識別情報は例えば、ユーザーインターフェースを介したユーザー入力として、又は、別のシステム、例えば、臨床手順管理プロセッサベースのシステムからの情報の電子的転送として受信されてもよい。識別情報は例えば、患者名、一意の患者識別子、患者の出生のデータ、処置タイプ又は一意の処置識別子、検体容器識別子、及び/又は検体識別子を含むことができる。
【0117】
606において、プロセッサベースの移送システム122は、どのキャリアカセットが低温フリーザに保管されるべき1つ以上の検体容器を保持するかを決定する。例えば、1つ又は複数の検体容器は、所与の患者に対する所与の処置から収集された生物学的検体又は組織を保持し得る。プロセッサベースの移送システム122は例えば、識別情報を使用してデータ構造を問い合わせることができる。
【0118】
608において、プロセッサベースの移送システム122は、キャリアカセット内の識別された検体容器の1つ又は複数の位置を決定する。プロセッサベースの移送システム122は例えば、識別情報を使用してデータ構造を問い合わせることができる。
【0119】
610において、プロセッサベースの移送システム122はキャリアカセットから移送された検体容器を保持するために、貯蔵カセットの位置を決定する。プロセッサベースの移送システム122は例えば、識別情報を使用してデータ構造を問い合わせることができる。
【0120】
612において、プロセッサベースの移送システム122はキャリアカセットの選択位置からキャリアカセットの選択位置に、検体容器の移送を引き起こすための1つ又は複数のコマンドを送信する。手動移送の場合、コマンドは、ユーザーインターフェースを介してプロンプトとしてユーザーに提示されてもよい。自動化された移送の場合、コマンドは、ロボット又は他の機械的搬送による実行のための動作計画の形態とすることができる。
【0121】
614において、プロセッサベース移送システム122は、移送の確認を受信する。確認は、ユーザーインターフェースを介してユーザーから受け取ることができる。代替的に、確認は一連の動作が完了したことを示す、プロセッサベースのシステム、例えば、ロボットから来てもよい。
【0122】
任意選択で、616において、プロセッサベースの移送システム122は、貯蔵カセットに問い合わせる。例えば、リーダは貯蔵カセット内の各位置に順次問い合わせを行い、どの位置が無線トランスポンダタグ付き検体容器を有するか、さらには検体容器を有する各位置における各検体容器のアイデンティティを決定することができる。このようなものは、例えば、RFIDリーダ又は質問機を介して、キャリアカセットのそれぞれの位置と位置合わせされる(be in registration with)ように配置されたアンテナの2次元アレイを用いて実施されてもよい。
【0123】
任意選択で、618において、プロセッサベースの移送システム122は、移送された検体容器が貯蔵カセット内の正しい位置にあるかどうかを決定する。プロセッサベースの移送システム122は、データ構造に問い合わせて、検体容器を有すると想定される貯蔵カセットの各位置について、その位置にあると想定される検体容器のアイデンティティを決定することができる。プロセッサベースの移送システム122は問い合わせによって決定された実際のマッピングを、意図されたマッピングと比較して、各検体容器が正しい位置にあることを検証し、正しくない位置にある検体容器を識別し、以下に説明するように、欠落した検体容器及び/又は貯蔵カセット内にあるべきでない検体容器を識別する。
【0124】
618において、移送された検体容器が貯蔵カセット内の正しい位置にないと決定された場合、620において、プロセッサベースの移送システム122は、移送された検体容器が貯蔵カセット内に存在するかどうかを決定する。620において、移送された検体容器が貯蔵カセット内に存在しないと決定された場合、622において、プロセッサベースの移送システム122はユーザーインターフェースに、キャリアカセットから貯蔵カセットに検体容器を移送するためのプロンプトを提示させ、キャリアカセット及び貯蔵カセット内の特定の位置を識別させる。あるいは、プロセッサベースの移送システム122が検体容器の移送を実施するための命令をロボットに提供する。次に、制御は614で移送が完了したという確認の受信を待つために戻る。620において、移送された検体容器が貯蔵カセット内に存在すると決定された場合、624において、プロセッサベースのシステム122はユーザーインターフェースに、検体容器が移動されるべき元の位置及び検体容器が移動されるべき先の位置の識別を含む、貯蔵カセット内の正しい位置に検体容器を移動させるための通知又はプロンプトを提示させる。次に、制御は614で移送が完了したという確認の受信を待つために戻る。
【0125】
618で、移送された検体容器が貯蔵カセット内の正しい位置にあると決定された場合、任意選択で、626で、プロセッサベースの移送システム122は、貯蔵カセット内に正しくない検体容器が存在するかどうかを決定する。620において、貯蔵カセット内に正しくない検体容器が存在すると決定された場合、628において、プロセッサベースの移送システム122はユーザーインターフェースに、貯蔵カセット内に正しくない検体容器が存在し、正しくない位置を識別するという通知を提示させる。次に、制御は614で移送が完了したという確認の受信を待つために戻る。620において、貯蔵カセット内に正しくない検体容器が存在しないと決定された場合、制御は630に移る。
【0126】
630において、プロセッサベース移送システム122は、移送を反映するようにデータ構造を更新する。データ構造は例えば、データベース、テーブル、ツリー構造又はリンクされたリストの形態をとることができる。
【0127】
632で、プロセッサベースの移送システム122は、好ましくは不正開封防止形式(in a tamper proof or tamper evident form)で、保管連鎖の証拠を記憶する。権原連鎖の証拠は例えば、ブロックチェーン形式で記憶されてもよい。
【0128】
方法600は例えば、再び呼び出されるまで、634で終了する。
【0129】
図7~
図32は、プロセスベースの移送システム122の動作を容易にするための例示的なユーザーインターフェースを示す。これは、無線トランスポンダ及び/又は機械可読シンボルでマーキングされた検体容器に格納される検体ホルダー又は「凍結装置(又は、低温装置/cryodevice)」上に保持された検体を格納し、回収し、在庫管理するように動作可能なバックエンドシステムと考えることができる。これらの検体容器は1つ又は複数のサンプルホルダーを保持することができ、一般に、特定の患者に論理的に関連付けられる。検体容器は、低温フリーザに保管するための貯蔵カセットと、例えば検体を患者との間で移送するために使用される可搬型断熱キャリアに格納するためのキャリアカセットとの間で移送可能である。
【0130】
図7は、少なくとも1つの例示としての実施に従って、最初に、低温ロボットシステムのためのユーザーインターフェースのタンク状態ウィンドウ700を示し、タンク状態ウィンドウ700は低温タンク(例えば、低温デュワー)のステータスを提供する。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、タンク状態ウィンドウ700の提示を引き起こす。
【0131】
タンク状態ウィンドウ700は監視されているタンク702を識別し、液体窒素槽の温度704、液体窒素槽のレベル706を示す。タンク状態ウィンドウ700はまた、例えば、メッセージ(例えば、「Everything is safe(すべて安全です)」)708、グラフィカルインジケータ(例えば、単語safe(安全)によるチェックマーク)710a、710b、及び色(例えば、緑色)712を介して、温度及びレベルの両方が許容可能な条件内にあるという1つ又は複数の指示を提供する。タンク状態ウィンドウ700は例えば、デフォルトウィンドウとして、例えば、さもなければユーザーインターフェースと対話しない場合には「スクリーンセーバー」ウィンドウとして提示されてもよい。さらに、又は代替的に、タンク状態ウィンドウ700は他の時間に、例えば、初期化又は状態チェックの実行に応答して提示されてもよい。タンク状態ウィンドウ700は例えば、連続的に、又は特定の条件(例えば、1つ又は複数の定義された閾値を上回る温度、1つ又は複数の定義された閾値を下回る流体)の発生に応答して警告として提示されてもよい。さらに、1つ又は複数の警告が例えば、テキストメッセージ、電子メール等を介して発行されてもよい。
【0132】
図8は別の時刻における低温ロボットシステムのためのユーザーインターフェースの
図7のタンク状態ウィンドウ800を示し、タンク状態ウィンドウ800は少なくとも1つの例示的な実装形態に従って、低温タンク(例えば、低温デュワー)の状態を提供する。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、タンク状態ウィンドウ800の提示を引き起こす。
【0133】
タンク状態ウィンドウ800は監視されているタンク802を識別し、液体窒素槽の温度804、液体窒素槽のレベル806を示す。タンク状態ウィンドウ800はまた、温度及びレベルの両方が例えば、メッセージ(例えば、「警告!直ちに注意が必要です」)808、グラフィカルインジケータ(例えば、感嘆符及び警告という単語)810a、810b、及び色(例えば、黄色)812を介して、限界状態に近づいているか、又は限界状態にあるという1つ又は複数の指示を提供する。特に、
図8のタンク状態ウィンドウ800は低温タンク又は槽内の状態が劣化している(例えば、温度が第1の温度閾値に近づいているか、又は流体のレベルが第1の流体レベル閾値に近づいているか、又は第1の流体レベル閾値である)ことに関する第1のレベルの警告を提供する。タンク状態ウィンドウ800は例えば、デフォルトウィンドウとして、例えば、さもなければユーザーインターフェースと対話しない場合には「スクリーンセーバー」ウィンドウとして提示されてもよい。タンク状態ウィンドウ800は例えば、連続的に、又は特定の条件(例えば、1つ又は複数の定義された閾値を上回る温度、1つ又は複数の定義された閾値を下回る流体)の発生に応答して警告として提示されてもよい。さらに、1つ又は複数の警告が例えば、テキストメッセージ、電子メール等を介して発行されてもよい。
【0134】
図9はさらに別の時刻における低温ロボットシステムのユーザーインターフェースのタンク状態ウィンドウ900を示し、タンク状態ウィンドウ900は、少なくとも1つの例示としての実装形態による、低温タンク(例えば低温デュワー)のステータスを提供する。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、タンク状態ウィンドウ900の提示を引き起こす。
【0135】
タンク状態ウィンドウ900は監視されているタンク902を識別し、液体窒素槽の温度904、液体窒素槽のレベル906を示す。タンク状態ウィンドウ900はまた、例えば、メッセージ(例えば、「警告!直ちに行動してください!」)908、グラフィカルインジケータ(例えば、感嘆符及び警告という単語)910a、910b、及び色(例えば、赤)912を介して、温度及びレベルの両方が許容可能な条件以下であるという1つ又は複数の指示を提供する。特に、
図9のタンク状態ウィンドウ900は低温タンク又は槽内の状態が悪化する(例えば、温度が第2の温度閾値に近づいているか、又は流体のレベルが第2の流体レベル閾値に近づいているか、又は第2の流体レベル閾値にある)ことに関して、第1のレベルよりも深刻な第2のレベルの警告を提供する。タンク状態ウィンドウ900は例えば、さもなければユーザーインターフェースと対話しないとき、「スクリーンセーバー」ウィンドウとして、デフォルトウィンドウとして提示されてもよい。タンク状態ウィンドウ900は例えば、連続的に、又は特定の条件(例えば、1つ又は複数の定義された閾値を上回る温度、1つ又は複数の定義された閾値を下回る流体)の発生に応答して警告として提示されてもよい。さらに、1つ又は複数の警告が例えば、テキストメッセージ、電子メール等を介して発行されてもよい。
【0136】
図10は、少なくとも1つの図示された実装形態による、ログインウィンドウ1000を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介してログインウィンドウ1000の提示を引き起こす。
【0137】
ログインウィンドウ1000は、ユーザー又はオペレータが複数のユーザー選択可能なユーザー識別アイコン1002a、1002b(2つのみを示す)のうちの対応する1つを選択することによって、自身を識別することを可能にする。この場合、Stanleyという名前のユーザー(Stanと呼ばれる)が選択されていることが示される。
【0138】
図11は、少なくとも1つの図示された実装形態による、パスワード入力ウィンドウ1100を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、表示モニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェース装置を介してパスワード入力ウィンドウ1100の提示を引き起こす。
【0139】
パスワード入力ウィンドウ1100は、ログインウィンドウからユーザー識別アイコンの1つを選択することに応答して表示される。パスワード入力ウィンドウ1100は、ユーザーがパスワード又はパスフレーズを入力することができるフィールド1102を有する。ユーザー選択可能な送信アイコン1104の選択による入力時に、プロセッサベースのシステムは、特定の識別されたユーザーに対し入力されたパスワード又はパスフレーズを検証する。図示されている実装形態では、入力されたパスワード又はパスフレーズが正しくないことを示すエラー通知が提示され、ユーザーにパスワード又はパスフレーズの再入力を促す。
【0140】
図12は、少なくとも1つの例示された実施形態による、第1の時間におけるシステムチェックウィンドウ1200を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、システムチェックウィンドウ1200の提示を引き起こす。
【0141】
システムチェックウィンドウ1200は、システムチェック手順の間及び/又は終了時に表示されてもよい。システムチェック手順は、システムに正常にログインしたユーザーに応じて実行される場合がある。
【0142】
システムチェックの実行は動作のいくつかの態様のそれぞれが、定義されたパラメータ内にあることの確認を含むことができる。例えば、プロセッサベースのシステムはリーダ、例えば、無線トランスポンダ(例えば、無線周波数識別(RFID))リーダ又は質問機がオンラインであり、無線トランスポンダを読み取る又は質問するように動作可能であることを確認することができる。また、例えば、プロセッサベースのシステムは自動化された構成要素又はシステム(例えば、ロボットコンピュータ)がオンラインであることを確認し得る。また、例えば、プロセッサベースのシステムはリーダ、例えば、光学又は機械可読記号(例えば、1次元又はバーコード記号;2次元記号)リーダ(例えば、スキャナ、イメージャ)がオンラインであり、光学又は機械可読記号を読み取るように動作可能であることを確認することができる。また、例えば、プロセッサベースのシステムは低温タンク又は槽が最適である(例えば、温度が規定温度未満、レベルが規定高さを超える)ことを確認することができる。また、例えば、プロセッサベースのシステムは通信接続(例えば、インターネット)が存在し、動作可能であることを確認することができる。また、例えば、プロセッサベースのシステムはシステムがクラウドベースのシステム(例えば、TMRWクラウドオンライン)に通信可能に結合されていることを確認してもよい。特に、システムチェックウィンドウ1200は、無線リーダが位置決めされオンライン状態1202a、自動化オンライン状態1202b、光学リーダ利用可能状態1202c、最適な(例えば、温度、流体レベル)フリーザータンク状態1202d、インターネット又は他の通信チャネルに接続され利用可能な状態1202e、及び/又はクラウドベースのリソース利用可能状態1202fに関する状態表示を提示することができる。状態表示は例えば、それぞれのリソースの状態が作動可能であることを示すチェックマーク又は他の記号と、それぞれのリソースの状態が作動不能であることを示すX又は他の記号、あるいは、それぞれのリソースの状態がまだチェックされていることを表す回転するインジケータを含むことができる。
【0143】
図13は、少なくとも1つの例示された実施形態による、第2の時間におけるシステムチェックウィンドウ1300を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、システムチェックウィンドウ1300の提示を引き起こす。
【0144】
システムチェックウィンドウ1300はシステムチェックウィンドウ1200と同様であるが、図示の例では自動化されたコンポーネント又はシステム(例えば、ロボットコンピュータ)の状態がオンラインではなく動作可能でないとして(例えば、X及び色によって)示される1302b、ならびにエラー状態及びエラー状態を解決するためのリソースに関する情報を提供するポップアップメッセージ1302を介して、障害の表示を提供する。
【0145】
図14及び
図15は、少なくとも1つの例示された実装形態による、2つの異なる時点におけるナビゲーションウィンドウ1400、1500をそれぞれ示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、ナビゲーションウィンドウ1400、1500の提示を引き起こす。
【0146】
ナビゲーションウィンドウ1400、1500はユーザーインターフェース(例えば、ユーザーが選択可能なアイコン、ユーザーが選択可能なタブ、ユーザーが選択可能なプルダウンメニュー)を提供し、これを介して、ユーザーは、実施すべきアクション又はワークフローのタイプを示すことができる。例えば、ユーザーインターフェースは、それぞれのユーザーに関連する第1のユーザー選択可能タブ1402、1502と、それぞれの病院(又は、クライアントclinic/client)に関連する第2のユーザー選択可能タブ1404、1504とを含んでもよい。第1及び第2のユーザー選択可能タブ1402、1404、1502、1504のそれぞれは、完了を必要とし、チャート1506(
図15)のリストとして提示することができる、ユーザー又は診療所(又は、クライアント)にそれぞれ割り当てられた未処理のアクション項目又はワークフローのそれぞれのセットに関連付けることができる。
【0147】
ナビゲーションウィンドウ1400、1500は例えば、未処理の(すなわち、未完了のアクション項目又はワークフロー)アクション項目又はワークフローが存在する場合に、1つ又は複数のアクション項目又はワークフロー1506(
図15)を列挙するなど、完了を必要とする未処理の項目又はワークフローがユーザーに割り当てられているかどうかの指示を提供することができる。
図14に示すように、未処理のアクション項目又はワークフローがない場合、ナビゲーションウィンドウ1400は、未処理のアクション項目又はワークフローがないことを示す適切なメッセージ1406を提供することができる。
図15に示すように、リスト又はチャート1506内の各未処理のアクションアイテム又はワークフローについて、ナビゲーションウィンドウ1500は例えば、対応する列に、患者1506aに対する処置のために設定された時間、患者名1506b、患者1506cに対する識別番号、患者生年月日1506d、及び/又は患者に対して実行されるべき処置の識別1506eを提示することができる。処置の識別は実行されるべき処置のタイプ(例えば、凍結胚移植(FET)、卵凍結、精子凍結)のテキスト記述であってもよく、及び/又は識別子、例えば、処置の特定のインスタンスを一意に識別する一意の識別子であってもよい。
【0148】
未処理項目又はワークフローの選択時に、ユーザーは選択された未処理項目又はワークフローと共に前進するために、継続ユーザー選択可能アイコン1408、1508を選択することができる。
【0149】
図16は、少なくとも1つの例示された実装形態による、別の時間におけるナビゲーションウィンドウ1600を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、ナビゲーションウィンドウ1600の提示を引き起こす。
【0150】
ナビゲーションウィンドウ1600はナビゲーションウィンドウ1400、1500(
図14及び
図15)と同様であってもよいが、異なる情報が表されており、場合によっては同様の構造のナビゲーションウィンドウ1400、1500(
図14及び
図15)からの同じ参照番号を使用する。
【0151】
未処理のアイテム又はワークフローの選択(例えば、リスト又はテーブル1506自体の行の選択、又はリスト又はテーブル1506の行に空間的に関連付けられたラジオボタンの選択)に応答して、ナビゲーションウィンドウ1600は、使用される特定の低温タンクと、現在実行されているソフトウェアのバージョンを示すバージョン番号とを示す、例えばその上に重ねられたダイアログボックス1610を含むことができる。
【0152】
図17は、少なくとも1つの例示された実装形態による、さらに別の時間におけるナビゲーションウィンドウ1700を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、ナビゲーションウィンドウ1700の提示を引き起こす。
【0153】
ナビゲーションウィンドウ1700はナビゲーションウィンドウ1400、1500、1600(
図14、15、及び16)と同様であってもよいが、異なる情報が表されており、いくつかの例では同様の構造についてナビゲーションウィンドウ1400、1500(
図14及び15)からの同じ参照番号を使用する。
【0154】
特に、ナビゲーションウィンドウ1700はユーザーが選択可能なサインアウトアイコン1712を提供することができ、その選択は、ユーザーをシステムからログアウトさせる。ログインするユーザーの検証を含む、システムの使用に対する制御は、システム及びプロセスの完全性を保護するために特に有利であり得る。図示された実装はユーザー名及びパスワード又はパスフレーズの形式でユーザークレデンシャルを使用するが、プロセッサベースのシステムは生体認証ユーザークレデンシャル(例えば、指紋認識、虹彩認識、顔認識)及び他のアイデンティティ検証技術(例えば、2要素認証、物理トークン、ファームウェアトークン、ソフトウェアトークン)を含む他のユーザークレデンシャルを追加的又は代替的に使用してもよい。
【0155】
図18及び
図19は、少なくとも1つの図示された実施形態による、2つの異なる時点におけるチェックリストウィンドウ1800、1900をそれぞれ示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、チェックリストウィンドウ1800、1900の提示を引き起こす。
【0156】
チェックリストウィンドウ1800、1900は、処置の一部として確認又は実行されるワークフローの一部でそれぞれの動作項目又は確認に対応するユーザー選択可能アイコンのセットを提供する。これらのアクション又はワークフローは胚学の分野に特有であり得、特に、胚学者によって実行されるタスクであり得る。チェックリストウィンドウ1800、1900は、ユーザーが各アクションアイテム又は確認が完了したことを肯定的に確認することを要求する。動作項目又は確認及び関連するユーザー選択可能アイコンは例えば、個人用保護具(例えば、着用される手袋、着用される眼保護、着用される外科用マスク)が定位置1802aにあること、試薬が入手可能であり、使用の準備ができていること1802b、携帯用断熱キャリア内の低温槽(すなわち、クライオバス)が十分な流体(例えば、液体窒素)を有し、かつ/又は十分に冷たい温度1802cであること、及び/又は携帯用キャリア及び/又はキャリアカセットが規定温度1802d以下であることを含むことができる。ユーザー選択可能なアイコン1802a~1802dは、テキスト記述自体の本文、行、及び/又はテキスト記述又は行に空間的に関連するラジオボタンの形式をとることができる。
【0157】
具体的には、
図18は、保護具が所定の位置にあることを示す対応するユーザー選択可能アイコンをユーザーが選択した後に、確認されたと識別された第1のアイテム1802a(例えば、チェックマーク及び緑色)を示す。
図19は、ユーザーが各アクション項目又は確認が完了したことを示す対応するユーザー選択可能アイコンを選択した後に、確認されていると識別された項目1802a01802d(例えば、チェックマーク及び緑色)のすべてを示す。
【0158】
すべての項目が確認されると、「開始」ユーザー選択可能アイコン1804が選択可能になる。「開始」ユーザー選択可能アイコン1804の選択に応答して、プロセッサベースのサブシステムはアクション項目又は確認のそれぞれが完了したことをユーザーが示した証拠を提供する電子監査証跡を作成し、貯蔵カセットとキャリアカセットとの間の移送を検証する方向に移動する。低温システム100又はその一部(例えば、プロセッサベースのサブシステム)は現在選択されている処理又は順序のために、低温槽又はタンクから又はそこへのキャリア(例えば、カセット)及び/又は容器(例えば、バイアル)の処理移動を開始する。「キャンセル」ユーザー選択可能アイコン1806の選択に応答して、プロセッサベースのサブシステムは現在選択されている手続きの処理を停止し、ナビゲーションウィンドウ1400、150、1600、1700に戻る。
【0159】
図20は、少なくとも1つの図示された実施形態による、カセット配置プロンプトウィンドウ2000を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、カセット配置プロンプトウィンドウ2000の提示を引き起こす。
【0160】
カセット配置プロンプト2000ウィンドウはユーザーにカセットを移動させるように促すか、又はカセットを低温槽又はタンクからリーダ、例えば、アンテナの2次元アレイを使用して、無線トランスポンダ(例えば、RFIDトランスポンダ)から、例えば、各々がそれぞれの容器(例えば、バイアル、キャップ、及び/又は検体ホルダー又はストロー)に物理的に結合された複数の無線トランスポンダの各々から識別子を読み取るリーダに移動させるために使用される。いくつかの実装形態では、無線トランスポンダがさらに、カセット又は他のキャリア、及び/又は低温槽又はタンクに物理的に関連付けられてもよい。少なくとも幾つかの実装形態では、低温システム100が低温槽又はタンクからリーダにカセットを自律的に回収し、回収されたカセットをリーダのアンテナアレイに対して位置決めするように動作可能なロボット付属物を含んでもよい。
【0161】
ユーザーが選択可能なアイコン、例えば上向きの矢印及び/又は関連するテキスト2002の選択に応答して、プロセッサベースのサブシステムはカセットを読み込ませる。すなわち、プロセッサベースのサブシステムはリーダの送信機、トランシーバ、又は無線機に、1つ又は複数のアンテナ(たとえば、アンテナの2次元アレイのアンテナ)を介して問い合わせ信号を送信させる。プロセッサベースのサブシステムはリーダの受信機、トランシーバ、又は無線機に、無線トランスポンダ(たとえば、RFIDトランスポンダ)から返され、1つ又は複数のアンテナ(たとえば、アンテナの2次元アレイのアンテナ)を介して受信された応答信号(たとえば、一意の識別子を符号化する後方散乱信号)を受信させ、処理させることができる。プロセッサベースのサブシステムは例えば、リーダの送信機、トランシーバ、又は無線機に、例えば、問い合わせサイクル中の定義された問い合わせ期間の間、アンテナの2次元アレイのアンテナの各々から問い合わせ信号を連続的に送信させることができる。プロセッサベースのサブシステムは例えば、リーダの受信機、トランシーバ、又は無線機に、例えば、問い合わせサイクル中の定義された受信期間の間、アンテナの2次元アレイのアンテナのすべて又は選択されたアンテナからの戻り信号をリッスン(listen)させることができる。少なくとも1つの実装形態では、プロセッサベースのサブシステムが受信機、トランシーバ、又は無線機に、問い合わせ信号を直近に送信したアンテナ以外のアンテナのうちの1つ、複数、又はすべてをリッスンさせ、それによって、送信アンテナにおける共振が受信に干渉することを有利に防止し、場合によっては送信と受信の検出との間の時間の長さを低減させることができる。
【0162】
図21は、少なくとも1つの例示された実施形態による処理ウィンドウ2100を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、処理ウィンドウ2100の提示を引き起こす。
【0163】
処理ウィンドウ2100は例えば、情報を処理する(例えば、カセット内の容器に物理的に結合された無線トランスポンダから識別子を読み取る)など、低温システム100が現在ビジーであるという視覚的表示2102をユーザーに提供する。したがって、ユーザーは、低温システム100がユーザーによるいかなる入力又は他のアクションも現在待っていないことを知る。
【0164】
図22は、少なくとも1つの例示された実施形態による、第1の時点における容器移送プロンプトウィンドウ2200を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2200の提示を引き起こす。
【0165】
容器移送プロンプトウィンドウ2200は貯蔵カセットの各位置(例えば、アレイで2次元に配列された円)2204a、2204b、2204c(3つだけ示す)の視覚的表現を含む、貯蔵カセット2202の視覚的表現を含み、同様に、貯蔵カセットの、検体容器で占有されている(例えば、2次元アレイで第1の色又は暗い円2204a)位置や、占有されていない(例えば、2次元アレイで第2の色又は明るい円2204b)位置の視覚的表現を含む。容器移送プロンプトウィンドウ2200はまた、貯蔵カセット内の位置、従って、検体容器、すなわち、貯蔵カセットからキャリアカセットへの現在の移送の対象(例えば、アレイ2204cにおける2次元の暗丸と明丸の中間の第3色又は中間の)の視覚的表現を含むことができる。
【0166】
容器移送プロンプトウィンドウ2200はキャリアカセットの各位置(例えば、アレイ状に2次元配列された円)2008a、2008b(2つだけ示す)の視覚的表現と、キャリアカセットの、検体容器で占有されている(例えば、アレイ状に2次元配列された第1の色又は暗い円)位置や、占有されていない(例えば、2次元配列の第2の色又は明るい円2008a)位置の視覚的表現と、を含むキャリアカセット2006の視覚的表現を含む。容器移送プロンプトウィンドウ2200はまた、キャリアカセット内の位置、従って、検体容器、すなわち、貯蔵カセットからキャリアカセットへの現在の移送の対象である(例えば、2次元配列の第3色又は暗い円2008bと明るい円の間の中間色)視覚的表現を含むことができる。
【0167】
容器移送プロンプトウィンドウ2200はプロンプト2010と、現在の移送の視覚的表現とを含み、例えば、移送の方向(例えば、片矢印)2012、移送されている検体容器の識別(例えば、容器識別子、患者名、患者固有識別子、及び患者生年月日を有するダイアログボックス2014)、及び/又は移送を記述する記述(例えば、貯蔵カセット内の位置及びキャリアカセット内の位置のテキスト記述)を示す。
【0168】
ユーザー選択可能アイコン「次(NEXT)」2016の選択は例えば、検体容器が貯蔵カセット内の1つの位置からキャリアカセット内の1つの位置に手動で移送されたときに、促された(prompted)移送が完了したことを示すものとみなされる。ユーザーが選択可能な「次」アイコンの選択に応答して、プロセッサベースのシステムは正しい検体容器が貯蔵カセットからキャリアカセット内の正しい位置に移動されたことを確認するために、貯蔵カセット及び/又はキャリアカセットの位置をスキャンするか、又はリーダにスキャンさせてもよい。プロセッサベースの移送システムは移送されることが識別された追加の検体容器があるかどうかを決定し、それらの追加の検体容器の移送を促すことができる。追加の移送が行われる場合、プロセッサベースのシステムは次の検体容器があれば次の容器に移動する、例えば、次の容器移送プロンプトウィンドウ2400に移動する。図面で使用される「ビーコン」という用語は施設(例えば、診療所、保管施設)によって使用される他のすべての検体容器から各検体容器を一意に識別するために使用することができる一意の識別子を符号化する無線トランスポンダを有する検体容器を指すことに留意されたい。また、本明細書及び図面で使用される「凍結装置」という用語は通常、ストロー、ロッド、又はスパチュラの形態で、検体に物理的に接触し、保管のために検体容器のバイアルの内部に位置する検体ホルダーを指すことにも留意されたい。また、本明細書及び図において使用される用語「カセット」はそれぞれの検体ホルダーを保持するようにサイズ及び寸法決めされた一組のレシーバ(例えば、開口部、開口)を有する構造(例えば、トレイ、フレーム)を指し、レシーバは通常、2次元検体アレイに配置されることに留意されたい。本明細書及び図面で使用される「ロボットカセット」という用語は典型的にはロボット記憶及び検索機構(例えば、ターンテーブル、ピッカー又はエレベータ)を採用し、従って、ロボットとして称される低温フリーザと共に使用するように設計されたカセットを指すことにさらに留意されたい。
【0169】
図23は、少なくとも1つの例示された実施形態による、第2の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2300を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2300の提示を引き起こす。
【0170】
容器移送プロンプトウィンドウ2300は容器移送プロンプトウィンドウ2200と同様であるが、異なる検体容器の移送に基づく異なる情報を表示する。同一の参照番号は、同一又は類似の構造を指す。
【0171】
図24は、少なくとも1つの図示された実施形態による、第1又は第2の時間とは異なる第3の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2400を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウの提示を引き起こす。
【0172】
図24の容器移送プロンプトウィンドウ2400は
図22及び23の容器移送プロンプトウィンドウ2200、2300に密接に似ているが、代わりに、キャリアカセット内の位置から貯蔵カセット内の位置への検体容器の移送の視覚的表示を提供する。それらの間の同一又は類似の構造は、同一の参照番号で識別される。
【0173】
容器移送プロンプトウィンドウ2400は現在の移送の視覚的表現、例えば、移送の方向(例えば、片側矢印)2412、移送されている検体容器の識別(例えば、検体容器識別子、患者名、患者固有識別子、及び生年月日を有するダイアログボックス2414)、検体容器の内容物(例えば、3つの別個の検体ホルダー(例えば、スパチュラ、ストロー)の固有識別子)、検体容器内のこれらの検体ホルダーのアイコン表現2408a、及び/又は移送を記述する記述(例えば、貯蔵カセット内の位置及びキャリアカセット内の位置のテキスト記述)2010を含む。場合によっては、検体容器内の特定の検体ホルダー2408aの表示、ならびにそれらの特定の検体ホルダーに関する情報を省略することができる。
【0174】
図25は、少なくとも1つの図示された実施形態による、第1、第2、又は第3の時間とは異なる第4の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2500を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2500の提示を引き起こす。
【0175】
図25の容器移送プロンプトウィンドウ2500は
図22、
図23、及び
図24の容器移送プロンプトウィンドウ2200、2300、2400にそれぞれ非常に似ており、それらの間の類似又は同一の構造には同一の参照番号が使用されている。容器移送プロンプトウィンドウ2500は「準備完了(ready)」ユーザー選択可能アイコンをさらに含み、これにより、ユーザーは移送動作が完了したとき、例えば、検体容器がキャリアカセット内の1つの位置から貯蔵カセット内の位置に手動で移送されたときを示すことができる。ユーザーが選択可能な準備完了(ready)アイコンの選択に応答して、プロセッサベースの移送システム122は正しい検体容器が貯蔵カセットからキャリアカセット内の正しい位置に移動されたことを確認するために、貯蔵カセット及び/又はキャリアカセットの位置をスキャンするか、又はリーダにスキャンさせてもよい。プロセッサベースの移送システム122は移送されることが識別された追加の検体容器があるかどうかを決定し、それらの追加の検体容器の移送を促すことができる。
【0176】
図26は、少なくとも1つの図示された実施形態による、第1、第2、第3、又は第4の時間とは異なる第5の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2600を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2600の提示を引き起こす。
【0177】
図26の容器移送プロンプトウィンドウ2600は
図22、
図23、
図24、及び
図25の容器移送プロンプトウィンドウ2200、2300、2400、2500にそれぞれ非常に似ており、それらの間の類似又は同一の構造には同一の参照番号が使用されている。容器移送プロンプトウィンドウ2600は、特定の移送の検体容器がカセットに戻されていないことを示すダイアログボックス2602をさらに含む。ダイアログボックス2602は、移送が完了したことを示す「継続(continue)」ユーザー選択可能アイコン2604選択を含んでもよい。ダイアログボックス2602はユーザーが選択可能な「中止(cancel)」アイコン2606の選択を含み、その選択は、移送トランザクションを中止する必要があることを示す。
【0178】
図27は、少なくとも1つの図示された実施形態による、第1、第2、第3、第4、又は第5の時間とは異なる第6の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2700を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2700の提示を引き起こす。
【0179】
図27の容器移送プロンプトウィンドウ2700は
図22、
図23、
図24、
図25、及び
図26の容器移送プロンプトウィンドウ2200、2300、2400、2500、2600にそれぞれ非常に似ており、それらの間の類似又は同一の構造には同一の参照番号が使用されている。容器移送プロンプトウィンドウ2700は、カセットを低温フリーザに戻す時間が切れていることを示すダイアログボックス2702をさらに含む。プロセッサベースのシステムは貯蔵カセットが低温環境から外れたままである時間を追跡し、警告を提供し、カウントダウンタイマ及び様々な警告を視覚的に表示して、検体が長時間にわたって周囲温度に曝されるのを防止することができる。
【0180】
図28は、少なくとも1つの図示された実施形態による、第1、第2、第3、第4、第5、又は第6の時間とは異なる第7の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2800を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2800の提示を引き起こす。
【0181】
図28の容器移送プロンプトウィンドウ2800は
図22、
図23、
図24、
図25、
図26、及び
図27の容器移送プロンプトウィンドウ2200、2300、2400、2500、2600、2700にそれぞれ非常に似ており、それらの間の類似又は同一の構造には同一の参照番号が使用されている。容器移送プロンプトウィンドウ2800は、予想しない検体容器がカセットに戻されたことを示すダイアログボックス2802をさらに含む。
【0182】
図29は、少なくとも1つの図示された実施形態による、第1、第2、第3、第4、第5、第6、又は第7の時間とは異なる第7の時間における容器移送プロンプトウィンドウ2900を示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、容器移送プロンプトウィンドウ2900の提示を引き起こす。
【0183】
図29の容器移送プロンプトウィンドウ2900は
図22、
図23、
図24、
図25、
図26、
図27及び
図28の容器移送プロンプトウィンドウ2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800にそれぞれ非常に類似しており、それらの間の類似又は同一の構造には同一の参照番号が使用されている。容器移送プロンプトウィンドウ2900は、正しくない検体容器がカセットから取り出されたことを示すダイアログボックス2902をさらに含む。
【0184】
図30及び
図31は、少なくとも1つの例示された実施形態による、2つの異なる時点における最終チェックリストウィンドウ3000、3100をそれぞれ示す。低温システム100のプロセッサベースの移送システム122は、ディスプレイモニタ、ヘッドアップディスプレイ、又は他のユーザーインターフェースデバイスを介して、最終チェックリストウィンドウ3000、3100の提示を引き起こす。
【0185】
最終チェックリストウィンドウ3000、3100は、処理の一部として確認又は実行されるワークフローの一部でそれぞれの動作項目又は確認に対応するユーザー選択可能アイコンのセットを提供する。最終チェックリストウィンドウ3000、3100は、ユーザーが各アクション項目又は確認が完了したことを肯定的に確認することを要求する。動作項目又は確認は例えば、すべての検体が戻されたことを確認すること、低温槽又はタンクに検体がないこと、及び/又はすべての貯蔵カセット又は他のキャリアがロボットに戻されたことを含むことができる。
【0186】
具体的には、
図30は、すべての検体が返却されたことを示す対応するユーザー選択可能アイコンをユーザーが選択した後に、すべての検体容器が戻されたことが確認されたと識別されたことを示す第1の項目3002a(例えば、チェックマーク及び緑色)を示す。また、
図30は、可搬型断熱キャリア内のクライオバスに検体容器がなく、検体容器が戻されたことがまだ確認されていないと識別されたことを示す第2の項目3002b(例えば、黒丸及び黄色)を示す。
図30はまた、全ての貯蔵カセットが低温フリーザに戻されたことがまだ確認されていないと識別されたことを示す第3の項目30002c(例えば、黒丸及び黄色)を示す。
図31はユーザーが各アクション項目又は確認が完了したことを示す対応するユーザー選択可能アイコンを選択した後に、すべての項目が確認されていると識別されたこと3002a、3002b、3002c(例えば、チェックマーク及び緑色)のすべてを示す。
【0187】
すべてのアイテムが確認されたと識別されると、サインアウトのユーザー選択可能アイコン3004が選択可能になる。サインアウトのユーザー選択可能アイコン3004の選択に応答して、プロセッサベースのサブシステムはユーザーのためのセッションを終了し、ユーザーが新しいセッションを開始するためにサインインすることを要求する。ユーザー選択可能アイコン作業指示へ戻る3006の選択に応答して、プロセッサベースのサブシステムは現在選択されている処理を完了し、ナビゲーションウィンドウ1400、2500、1600、1700などに戻る。
【0188】
図32は、少なくとも1つの実施形態による、生物学的検体を保持する検体容器を貯蔵カセットとキャリアカセットとの間で移送するための移送システムの操作において使用される、第1の時点におけるユーザーインターフェースの在庫ウィンドウ3200を示す。
【0189】
在庫ウィンドウ3200は、ユーザーが各検体容器の内容物を表す情報を検査し、更新することを可能にする。例えば、
図32に示す在庫ウィンドウ3200は、一意の識別子54-53を有する検体容器の在庫を示す。在庫ウィンドウ3200は例えば、検体容器の固有の識別子3202、患者名3204、患者固有の識別子3206、及び検体容器が割り当てられている(例えば、患者又は患者からの生物学的組織を含む)患者の生年月日3208を含む、検体容器識別情報を提供する。
【0190】
在庫ウィンドウ3200は例えば、リスト又はチャート3210として、選択された容器の内容の一覧表を提供する。リスト又はチャート3210は例えば、選択された検体容器に格納された各検体ホルダー又は「凍結装置」のための行3212(1つだけ呼び出されている)を含むことができる。リスト又はチャート3210は例えば、選択された検体容器に格納された検体ホルダー又は「凍結装置」に関する情報を有する複数の列を含むことができる。例えば、検体ホルダー又は「凍結装置」の各々について、リスト又はチャート3210は、検体ホルダー又は凍結装置固有識別子3214、検体3216の日付、及び検体のタイプ3218、ならびに未変更の3220、消費された3222、及び廃棄された3224を含む検体状態のユーザー選択可能カテゴリを含むことができる。例えば、プロンプト3226に応答して、ユーザーが選択可能なカテゴリを選択すると(例えば、ラジオボタンユーザーインターフェース構成要素を介して)、プロセッサベースのシステムは、それぞれの検体ホルダー又は凍結装置によって運ばれる検体に関する情報を更新する。
【0191】
在庫ウィンドウ3200はまた、選択された検体ホルダー又は凍結装置がカセット内のどこに配置されているかの表示(例えば、正方形によって囲まれた暗い円3230)を含むカセット3228(例えば、貯蔵カセット、キャリアカセット)の視覚的表示を提供してもよい。
【0192】
在庫ウィンドウ3200はまた、ユーザー選択可能な「次のビーコン(next beacon)」アイコン3232を有してもよく、その選択はユーザーが現在選択されている検体ホルダー又は凍結装置に関する情報の検査及び/又は更新を終了し、別の検体ホルダー又は凍結装置を選択する準備ができていることを示す。
【0193】
上述の様々な実装及び実施形態は、さらなる実装及び実施形態を提供するために組み合わせることができる。2019年10月29日に出願された米国特許出願第62/927,566号、2019年9月13日に出願された米国特許出願第62/900,281号、2019年7月31日に出願された米国特許出願第62/880,786号、2019年7月26日に出願された米国特許出願第62/879,160号、2018年10月5日に出願された米国特許出願第62/741,986号、及び2018年10月5日に出願された米国特許出願第62/741,998号を含むがこれらに限定されない、本明細書に言及され、かつ/又は出願データシートに列挙された共通に譲渡された米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許出願、及び/又は外国特許出願のすべてはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。上記の詳細説明に照らして、上記の及び他の変形がそれらの実施形態に対して行われることが可能である。
【0194】
一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語が特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態及び実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに、すべての可能な実施形態及び実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
<請求項1>
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムであって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、1つ又は複数の寸法のセットを有する前記アンテナのアレイと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納する該プロセッサベースの制御システムであって、前記カセット内の前記位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該プロセッサベースの制御システムと、を含む、問い合わせシステム。
<請求項2>
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システム又は前記少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項3>
各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定する、請求項2に記載の問い合わせシステム。
<請求項4>
各問い合わせに対して、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するために、前記プロセッサベース制御システムは、前記受信された応答信号についての前記各正規化されたRSSI値を互いに比較する、請求項3に記載の問い合わせシステム。
<請求項5>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各読み取り速度を互いに比較し、前記各読み取り速度は、各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる総回数を表す、請求項1~4のいずれかに記載の問い合わせシステム。
<請求項6>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、前記プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各応答時間を互いに比較し、前記各応答時間は、前記各無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、請求項1~4のいずれかに記載の問い合わせシステム。
<請求項7>
前記少なくとも1つの無線機は、各問い合わせに対して、前記少なくとも1つの無線機が問い合わせサイクルの問い合わせ期間中に前記アンテナを駆動し、前記問い合わせサイクルの減衰期間及び受信期間中に前記アンテナを駆動せず、前記問い合わせ期間又は減衰期間中ではなく前記受信期間中に受信された応答信号を処理するように制御され、前記減衰期間が、前記アンテナの共振がしきい値未満に減衰することを可能にするのに十分に長い、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項8>
前記少なくとも1つの無線機は、前記問い合わせ信号に対する応答について複数のアンテナを監視する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項9>
前記複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、前記少なくとも1つの無線機は、前記少なくとも2つのセットのアンテナのそれぞれから1つのアンテナを同時に駆動する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項10>
前記複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、各セット内の前記アンテナはそれぞれ2次元アレイに配置され、前記2次元アレイはそれぞれ寸法を有し、各2次元アレイの各寸法は他の2次元アレイの対応する各寸法に一致し、前記少なくとも1つの無線機は前記2次元アレイを通って、定義された順序で、前記セット内の前記アンテナを順次駆動する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項11>
前記少なくとも1つの無線機は、前記少なくとも2つのセット内の前記アンテナを互いに同時に駆動する、請求項10に記載の問い合わせシステム。
<請求項12>
前記定義された順序は、任意の所与の時間に互いに同時並行して、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在駆動されているアンテナ間の距離を最大化する、請求項10に記載の問い合わせシステム。
<請求項13>
前記定義された順序は任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在駆動されるアンテナ間の距離を固定する、請求項10に記載の問い合わせシステム。
<請求項14>
前記複数のアンテナは、アンテナの2次元アレイに空間的に配列される、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項15>
前記カセット内の前記位置のアレイの前記寸法のセットは4位置×4位置であり、前記アンテナのアレイの前記寸法のセットは、7位置×7位置である、請求項14に記載の問い合わせシステム。
<請求項16>
前記位置のアレイの前記寸法のセットは、前記アンテナのアレイの寸法のセットに一致する、請求項14に記載の問い合わせシステム。
<請求項17>
前記カセットは外周を含み、前記アンテナのアレイに対して配置されたとき、前記カセット内の位置の各々は、前記アンテナのアレイの各アンテナと位置合わせされる、請求項14に記載の問い合わせシステム。
<請求項18>
前記アンテナのアレイは、前記低温環境の外部にある、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項19>
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダが前記アンテナアレイ内の前記アンテナに対応する前記カセットの位置で予想される前記無線トランスポンダであるかどうかを決定する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項20>
前記無線トランスポンダが前記カセットの予想位置にないことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置が、予想しない状態の発生を示す信号を提供する、請求項19に記載の問合せシステム。
<請求項21>
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は予想しない状態の発生を示す信号を提供するために、視覚的プロンプトを提示させる信号を提供する、請求項20に記載の問い合わせシステム。
<請求項22>
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は予想しない状態の発生を示す信号を提供するために、ロボットに動きをさせる信号を提供する、請求項20に記載の問い合わせシステム。
<請求項23>
前記無線トランスポンダが前記カセットの予想位置にあることに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、前記無線トランスポンダのうちの前記少なくとも1つのアイデンティティと、前記少なくとも1つのデータ構造内の前記カセット内の前記位置のアレイ内の前記各空間位置とを関連付ける前記マッピングを格納する、請求項19に記載の問い合わせシステム。
<請求項24>
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置は、前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダの位置をターゲットマップ内の位置と比較する、請求項1に記載の問い合わせシステム。
<請求項25>
各検体容器に物理的に関連付けられた無線トランスポンダに問い合わせるように動作可能な問い合わせシステムにおける操作方法であって、前記無線トランスポンダと前記各検体容器は低温環境に保管されており、前記問い合わせシステムは、
アンテナのアレイに空間的に配列された複数のアンテナであって、前記アンテナのアレイは1つ以上の寸法のセットを有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して、前記低温環境内の前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを含み、前記方法は、
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つのアイデンティティとカセット内の位置のアレイ内の各空間位置とを関連付けるマッピングを少なくとも1つのデータ構造に格納し、前記カセット内の位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、
前記カセット内の前記位置のアレイは1つ又は複数の寸法のセットを有し、前記カセット内の前記位置のアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットは、前記アンテナのアレイの1つ又は複数の寸法の前記セットの対応する寸法に等しいか、又はそれ未満である、該ステップと含む方法。
<請求項26>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、前記プロセッサベースの制御システム又は前記少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つによって前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化するステップを含む、請求項25に記載の方法。
<請求項27>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、各問い合わせに対して、前記プロセッサベースの制御システムによって所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップを含む、請求項26に記載の方法。
<請求項28>
各問い合わせに対して、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップは、前記受信された応答信号に対する各正規化されたRSSI値を互いにプロセッサベースの制御システムによって比較するステップを含む、請求項27に記載の方法。
<請求項29>
前記無線トランスポンダが応答している各問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、前記プロセッサベースの制御システムによって、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各読み取り速度を互いに比較するステップをさらに含み、前記各読み取り速度は前記各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、請求項25~27のいずれかに記載の方法。
<請求項30>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、前記プロセッサベースの制御システムによって、応答する無線トランスポンダのそれぞれについての各応答時間を互いに比較するステップをさらに含み、前記各応答時間は各無線トランスポンダが最初に問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、請求項27~29のいずれかに記載の方法。
<請求項31>
各問い合わせに対して、
問い合わせサイクルの問い合わせ期間中に前記少なくとも1つの無線機によって前記アンテナを駆動するステップと、
前記問い合わせサイクルの減衰期間中及び受信期間中に前記少なくとも1つの無線機によってアンテナを駆動しないステップと、
前記問い合わせ期間又は減衰期間中ではなく、前記受信期間中に受信された応答信号を処理するステップを更に含み、
前記減衰期間は、前記アンテナの共振がしきい値未満に減衰することを可能にするのに十分に長い、請求項25に記載の方法。
<請求項32>
前記少なくとも1つの無線機によって、前記問い合わせ信号への応答のために複数のアンテナを監視するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
<請求項33>
複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、前記少なくとも2つのセットのアンテナの各々から1つのアンテナを同時に駆動することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
<請求項34>
複数のアンテナは少なくとも2つのセットのアンテナを含み、各セット内のアンテナはそれぞれ2次元アレイに配置され、前記2次元アレイはそれぞれ寸法を有し、各2次元アレイの前記各寸法は他の2次元アレイの対応する各寸法に一致し、定義された順序で前記2次元アレイを通して前記セット内の前記アンテナを順次駆動するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
<請求項35>
前記アンテナを駆動するステップは、前記少なくとも2つのセット内の前記アンテナを互いに同時に駆動するステップを含む、請求項34に記載の方法。
<請求項36>
前記2次元アレイを通って定義された順序で前記セット内の前記アンテナを順次駆動するステップは、任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在互いに同時並行して駆動される前記アンテナ間の距離を最大化する定義された順序で前記アンテナを駆動するステップを含む、請求項34に記載の方法。
<請求項37>
定義された順序で前記2次元アレイを通して前記セット内の前記アンテナを順次駆動するステップは、任意の所与の時間に、前記アンテナのセットのそれぞれにおいて現在互いに同時並行して駆動される前記アンテナ間の距離を固定する定義された順序で前記アンテナを駆動するステップを含む、請求項34に記載の方法。
<請求項38>
前記各問い合わせ信号を発信したアンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された無線トランスポンダが、前記アンテナアレイ内のアンテナに対応する前記カセットの位置に予想される無線トランスポンダであるかどうかを、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置によって決定するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
<請求項39>
前記無線トランスポンダが前記カセットの前記予想される位置にないことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置によって、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる、請求項38に記載の方法。
<請求項40>
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置によって、予想しない状態の発生を示す信号を提供させることが、視覚的プロンプトを提示させることを含む、請求項39に記載の方法。
<請求項41>
予想しない状態の発生を示す信号を提供させることは、ロボットに動きを生じさせる信号の生成を引き起こすことを含む、請求項39に記載の方法。
<請求項42>
前記無線トランスポンダが、前記カセットの予想位置にあることに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置によって、前記無線トランスポンダのうちの前記少なくとも1つのアイデンティティと、前記少なくとも1つのデータ構造内の前記カセット内の前記位置のアレイ内の前記各空間位置とを関連付ける前記マッピングを格納する、請求項38に記載の方法。
<請求項43>
前記少なくとも1つのプロセッサベースの装置によって、前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダであると決定された前記無線トランスポンダの位置をターゲットマップ内の位置と比較するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
<請求項44>
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間での検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムであって、前記検体容器はワイヤレストランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイに空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイは一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダに問い合わせるための問い合わせ信号を発信して、1つ又は複数の前記アンテナの範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムであって、前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定し、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号を提供させる該システムと、を含むシステム。
<請求項45>
前記プロセッサベースの制御システムが、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置しているかどうかを決定する前に、前記プロセッサベースの制御システムはさらに、前記検体容器の1つをそれに関連する前記無線トランスポンダとともに移送する元である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの一方の位置と、前記検体容器を移送する先である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置とを示すプロンプトを掲示させ、前記予想位置は前記検体容器が移送されるべき前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置である、請求項44に記載のシステム。
<請求項46>
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ以上の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかをさらに決定し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こす、請求項44に記載のシステム。
<請求項47>
前記プロセッサベースの制御システムは、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落している前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかをさらに決定し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落しているとマーキングされた少なくとも1つの検体容器があると決定されたことに応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こす、請求項44に記載のシステム。
<請求項48>
前記プロセッサベースの制御システムは、前記予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、前記予想しない状態の発生を示し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの少なくとも1つにおける前記検体容器の間違った位置及び正しい位置のうちの少なくとも1つを示す信号を提供させる、請求項44~47のいずれかに記載のシステム。
<請求項49>
前記プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、どの応答信号が、前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定する、請求項44~47のいずれかに記載のシステム。
<請求項50>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、プロセッサベースの制御システム又は少なくとも1つの無線機のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮に入れるために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化する、請求項49に記載のシステム。
<請求項51>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、各問い合わせに対して、プロセッサベースの制御システムは、所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定する、請求項50に記載のシステム。
<請求項52>
所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するために、プロセッサベース制御システムは、受信された応答信号についての各正規化RSSI値を互いに比較する、請求項51に記載のシステム。
<請求項53>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各読み取り速度を互いに比較し、前記各読み取り速度は前記各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、請求項49に記載のシステム。
<請求項54>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するために、プロセッサベースの制御システムは応答する無線トランスポンダのそれぞれについて、各応答時間を互いに比較し、前記各応答時間は、各無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、請求項49に記載のシステム。
<請求項55>
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、前記プロセッサベースの制御システムは、視覚的なプロンプトを提示させる、請求項44に記載のシステム。
<請求項56>
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるために、プロセッサベースの制御システムは、ロボットにロボットを動かす信号を提供させる、請求項44に記載のシステム。
<請求項57>
前記無線トランスポンダ及び前記各検体容器は低温環境に保管され、前記アンテナの2次元アレイは前記低温環境の外部にある、請求項44に記載のシステム。
<請求項58>
貯蔵カセット内の位置と移送カセット内の位置との間の検体容器の移送を容易にするように動作可能なシステムにおける操作方法であって、前記検体容器は無線トランスポンダでマーキングされており、前記システムは、
アンテナの2次元アレイ内に空間的にアレイ化された複数のアンテナであって、前記アンテナの2次元アレイが一セットの寸法を有する、該複数のアンテナと、
前記アンテナを駆動して前記無線トランスポンダを問い合わせるための問い合わせ信号を発信し、前記アンテナのうちの1つ以上の範囲内の前記無線トランスポンダのいずれかから応答信号を受信するように通信可能に結合された少なくとも1つの無線機と、
前記少なくとも1つの無線機に通信可能に結合されたプロセッサベースの制御システムを備え、前記方法は、
前記プロセッサベースの制御システムによって、所与の問い合わせに応答して受信された応答信号に少なくとも部分的に基づいて、前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定するステップと、
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの前記予想される位置に位置していないという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されるステップと、を含む該方法。
<請求項59>
前記無線トランスポンダのうちの少なくとも1つが、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの予想位置に位置するかどうかを決定する前に、前記検体容器の1つをそれに関連する前記無線トランスポンダとともに移送する元である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの一方の位置と、前記検体容器を移送する先である、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置とを示すプロンプトを掲示させ、前記予想位置は前記検体容器が移送されるべき前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの他方の位置である、請求項58に記載の方法。
<請求項60>
プロセッサベースの制御システムによって、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの中の予想しない位置に前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかを決定するステップと、
前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つの中の予想しない位置にある前記無線トランスポンダのうちのそれぞれ1つによってマーキングされた少なくとも1つの検体容器が存在するという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こすステップと、とさらに含む、請求項58に記載の方法
<請求項61>
プロセッサベースの制御システムは、1つ又は複数の問い合わせに応答して受信された応答信号に基づいて、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落している前記無線トランスポンダのそれぞれによってマーキングされた検体容器があるかどうかを決定するステップと、
前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの1つから欠落しているとマーキングされた少なくとも1つの検体容器があるという決定に応答して、予想しない状態の発生を示す信号が提供されることを引き起こすステップと、をさらに含む、請求項58に記載の方法.
<請求項62>
予想しない状態の発生を示す信号が提供させるステップは、前記予想しない状態の発生を示し、前記貯蔵カセット又は前記移送カセットのうちの少なくとも1つにおける前記検体容器の不正確な位置及び正確な位置のうちの少なくとも1つを示す信号を提供させるステップを含む、請求項58~61のいずれかに記載の方法。
<請求項63>
所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、プロセッサベースの制御システムが前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップをさらに含む、請求項58~61のいずれかに記載の方法。
<請求項64>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、所与の問い合わせに応答して受信された各応答信号について、前記少なくとも1つの無線機によって導入された任意の自動利得調整を考慮するために、前記応答信号の受信信号強度を示す各受信信号強度インジケータ(RSSI)値を正規化するステップを含む、請求項63に記載の方法。
<請求項65>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかをするステップは、各問い合わせに対して、前記プロセッサベースの制御システムが所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップを含む、請求項64に記載の方法。
<請求項66>
所与の問い合わせに応答して受信された前記応答信号に対する前記各正規化されたRSSI値のうちのどれが最大の絶対値を有するかを決定するステップが、前記受信された応答信号についての各正規化されたRSSI値を互いに比較するステップを含む、請求項65に記載の方法。
<請求項67>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、応答する無線トランスポンダのそれぞれについての各読み取り速度を互いに比較するステップをさらに含み、前記各読み取り速度は前記各無線トランスポンダが単位時間当たりに読み取られる合計回数を表す、請求項63に記載の方法。
<請求項68>
前記無線トランスポンダが応答している前記各問い合わせ信号を発信した前記アンテナに最も近い無線トランスポンダである前記無線トランスポンダのうちの1つからどの応答信号が返信されたかを決定するステップは、応答する無線トランスポンダのそれぞれについて各応答時間を互いに比較するステップをさらに含み、前記各応答時間は各無線トランスポンダが最初に前記問い合わせに応答するのに要する時間量を表す、請求項63に記載のシステム。
<請求項69>
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるステップは、視覚的プロンプトを提示させるステップを含む、請求項58に記載の方法。
<請求項70>
予想しない状態の発生を示す信号を提供させるステップは、ロボットを移動させる信号をロボットに提供させるステップを含む、請求項58に記載の方法。