(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】情報分析装置及び記憶媒体並びに情報分析プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240209BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240209BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2023540481
(86)(22)【出願日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 JP2023007219
(87)【国際公開番号】W WO2023163201
(87)【国際公開日】2023-08-31
【審査請求日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2022030518
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022030519
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022030520
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319010974
【氏名又は名称】ククレブ・アドバイザーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120075
【氏名又は名称】大山 浩明
(72)【発明者】
【氏名】宮寺 之裕
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039724(JP,A)
【文献】特開2007-233438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0172751(US,A1)
【文献】“CASESTUDY 戦略に効く不動産テック 案件発掘 CCReB AI/CCReB CREMa 企業の不動産売却ニーズ高精度で推,月刊プロパティマネジメント,綜合ユニコム,2021年06月01日,第22巻, 第6号,pp.32~33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の企業の経営情報を取得する情報取得部と、
前記経営情報から企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードが含まれる項目を前記経営情報の分析範囲として特定する分析範囲特定部と、
前記情報取得部で取得された前記企業それぞれの経営情報に含まれるキーワードのうち前記分析範囲で特定された項目にあるキーワードを抽出する分析部と、
前記分析部で抽出された前記企業の不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力する出力部と、を備え、
前記情報取得部は、取得した現在の経営情報よりも過去の経営情報も取得し、
前記分析部は、前記現在の経営情報と前記過去の経営情報における前記分析範囲特定部で特定された前記項目同士を比較し、前記現在の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出し、
前記出力部は、前記最新キーワードを他のキーワードよりも優先して前記キーワード表示欄に表示させる表示データを出力する
情報分析装置。
【請求項2】
前記キーワード表示欄は、前記不動産キーワードを含む第1キーワード表示欄と、前記企業を取り巻く環境のトレンドに関連性のあるホットキーワードを含む第2キーワード表示欄とを備え、
前記分析範囲特定部は、前記不動産キーワードの分析範囲として前記経営情報から前記不動産キーワードが含まれる項目を特定し、前記ホットキーワードの分析範囲として前記経営情報から前記ホットキーワードが含まれる項目を特定し、
前記分析部は、前記情報取得部で取得された経営情報に含まれるキーワードのうち、前記不動産キーワードの分析と前記ホットキーワードの分析とを別々に行い、それぞれの分析を行う際に、前記現在の経営情報と前記過去の経営情報における前記分析範囲特定部で特定された前記項目同士を比較し、前記現在の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出し、
前記出力部は、前記不動産キーワードの分析で抽出された前記最新キーワードを他のキーワードよりも優先して前記第1キーワード表示欄に表示させて、前記ホット
キーワードの分析で抽出された前記最新キーワードを他のキーワードよりも優先して前記第2キーワード表示欄に表示させる表示データを出力する
請求項1に記載の情報分析装置。
【請求項3】
前記ホットキーワードは、業界毎に関連づけられたホットキーワードを含み、
前記分析範囲特定部は、前記情報取得部で取得された経営情報の企業の業界に含まれる前記複数の企業の経営情報を分析範囲として特定し、
前記分析部は、前記分析範囲の経営情報からその業界に関連づけられたホットキーワードを分析して抽出する
請求項2に記載の情報分析装置。
【請求項4】
前記分析部は、
前記不動産キーワードの分析においては、特定された前記分析範囲におけるすべての前記不動産キーワードの総出現回数に対するそれぞれの前記不動産キーワードの出現回数割合の増加率をワードスコアとして算出し、
前記ホットキーワードの分析においては、特定された前記分析範囲におけるすべての前記ホットキーワードの総出現回数に対するそれぞれの前記ホットキーワードの出現回数割合の増加率をワードスコアとして算出し、
前記出力部は、前記第1キーワード表示欄と前記第2キーワード表示欄のそれぞれに表示させるキーワードを前記ワードスコアに応じて強調させた表示データを出力する
請求項3に記載の情報分析装置。
【請求項5】
前記分析部は、前記情報取得部で取得された経営情報に含まれる前記不動産キーワードと、前記過去の経営情報に含まれる前記不動産キーワードとを別々に抽出し、
前記出力部は、前記第1キーワード表示欄に、前記情報取得部で取得された経営情報に含まれる前記不動産キーワードとは別に、前記過去の経営情報に含まれる前記不動産キーワードも表示させる表示データを出力する
請求項4に記載の情報分析装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記複数の企業の不動産物件情報を取得するように構成され、
前記不動産物件情報から不動産物件の限定情報を特定する限定情報特定部を備え、
前記分析部は、前記情報取得部で取得された前記企業それぞれの不動産物件情報から前記限定情報を分析して抽出し、
前記出力部は、前記分析部で抽出された前記企業の前記限定情報を含む限定情報表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力する
請求項5に記載の情報分析装置。
【請求項7】
前記情報取得部は、企業の経営情報から少なくとも前記不動産物件の所在と用途と用途地域と規模とを含む不動産物件情報を取得し、
前記分析部は、前記経営情報の不動産物件情報から前記限定情報を分析して抽出する
請求項6に記載の情報分析装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記不動産物件の限定情報を含む需要情報を取得し、
前記分析部は、前記需要情報の不動産物件の限定情報と前記分析部で抽出された不動産の限定情報とを比較分析してマッチングスコアを算出し、
前記表示データは、前記マッチングスコアが高い順に前記限定情報を表示させるデータを含む
請求項7に記載の情報分析装置。
【請求項9】
前記情報取得部は、地図情報を取得し、
前記表示データは、前記マッチングスコアが所定値以上の不動産物件の限定情報を表示する限定情報表示欄と、前記地図情報からの地図とその地図上の不動産物件の位置に重ねて前記マッチングスコアを表示する地図情報表示欄とを含む
請求項8に記載の情報分析装置。
【請求項10】
前記表示データは、前記地図上に地域毎の不動産物件数を重ねた物件数表示欄と、前記限定情報の各項目の物件数を表示する限定情報物件数表示欄とを含む
請求項9に記載の情報分析装置。
【請求項11】
企業の不動産取引に関連性のある特定キーワードを記憶する
記憶部と、
前記情報取得部で取得された経営情報に前記特定キーワードが含まれるか否かを判定するキーワード判定部と、
前記キーワード判定部によって前記経営情報に前記特定キーワードが含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定する企業選定部と、を備え、
前記出力部は、前記企業選定部で選定された前記営業先企業候補を含む企業候補表示欄を表示させる表示データと、前記企業候補表示欄において特定された企業を強調表示すると共に、その特定された企業の前記個別情報を前記企業候補表示欄に並べて表示させる表示データを出力する
請求項1から請求項10の何れかに記載の情報分析装置。
【請求項12】
企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードを含む経営情報についての情報分析処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記情報分析処理は、
複数の企業の経営情報を取得するステップと、
前記経営情報から前記不動産キーワードが含まれる項目を前記経営情報の分析範囲
として特定するステップと、
取得された前記企業それぞれの経営情報に含まれるキーワードのうち
前記分析範囲で特定された項目にあるキーワードを抽出するステップと、
抽出された前記企業の前記不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力するステップと、を含
み、
前記経営情報を取得するステップでは、取得した現在の経営情報よりも過去の経営情報も取得し、
前記キーワードを分析するステップでは、前記現在の経営情報と前記過去の経営情報における前記分析範囲で特定された前記項目同士を比較し、前記現在の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出し、
前記表示データを出力するステップでは、前記最新キーワードを他のキーワードよりも優先して前記キーワード表示欄に表示させる表示データを出力する
記憶媒体。
【請求項13】
企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードを含む経営情報についての情報分析処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報分析処理は、
複数の企業の経営情報を取得するステップと、
前記経営情報から前記不動産キーワードが含まれる項目を前記経営情報の分析範囲として特定するステップと、
取得された前記企業それぞれの経営情報に含まれるキーワードのうち前記分析範囲で特定された項目にあるキーワードを抽出するステップと、
抽出された前記企業の前記不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力するステップと、を含み、
前記経営情報を取得するステップでは、取得した現在の経営情報よりも過去の経営情報も取得し、
前記キーワードを分析するステップでは、前記現在の経営情報と前記過去の経営情報における前記分析範
囲で特定された前記項目同士を比較し、前記現在の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出し、
前記表示データを出力するステップでは、前記最新キーワードを他のキーワードよりも優先して前記キーワード表示欄に表示させる表示データを出力する
情報分析プログラム。
【請求項14】
前記情報分析処理は、
複数の企業の不動産物件情報を取得するステップと、
前記不動産物件情報から不動産物件の限定情報を特定するステップと、
取得された前記企業それぞれの不動産物件情報から前記限定情報を分析して抽出するステップと、
抽出された前記限定情報を含む前記企業の限定情報表示欄を表示させる表示データをその企業の個別情報として出力するステップと、を含む
請求項13に記載の情報分析プログラム。
【請求項15】
前記情報分析処理は、
複数の企業の経営情報を取得するステップと、
取得された経営情報に、企業の不動産取引に関連性のある特定キーワードが含まれるか否かを判定するステップと、
前記経営情報に前記特定キーワードが含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定するステップと、
選定された前記営業先企業候補を含む企業候補表示欄を前記個別情報と共に表示させる表示データを出力するステップと、を含む
請求項13又は請求項14に記載の情報分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業の経営情報から不動産情報などを分析する情報分析装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、中期経営計画や有価証券報告書などの企業の経営情報を分析することで、不動産取引需要の可能性がありそうな企業をリスト表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、不動産取引需要の可能性が高い順に営業先企業候補をリスト表示できる画期的なものであるが、キーワードまでは表示されない。しかもその営業先の企業がどんな不動産活用に関心があり、そのホットな話題をキーワードで探すことは時間も手間もかかり容易ではない。このような事情を考慮して、本発明は、企業の経営情報や物件情報を分析することで得られるキーワードや特定の限定情報を見える化することによって、その企業の不動産活用動向を一目で把握できる情報分析装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の情報分析装置は、企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードを記憶する記憶部と、複数の企業の経営情報を取得する情報取得部と、経営情報の分析範囲を特定する分析範囲特定部と、情報取得部で取得された企業それぞれの経営情報に含まれるキーワードのうち不動産キーワードを分析範囲で分析して抽出する分析部と、分析部で抽出された企業の不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力する出力部とを備える。
【0006】
本態様の情報処理装置によれば、複数の企業の経営情報を取得し、企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードを、特定された経営情報の分析範囲で分析して抽出することで、例えばその企業がよく使うキーワードよりも特徴のあるキーワードの方を目立たせることができる。これにより、その経営情報から分かる企業の不動産活用の真の動向をキーワードで見える化できるので、不動産取引需要の可能性の高い企業における不動産活用動向を一目で把握できる。
【0007】
本発明の好適な態様において、記憶部は、企業を取り巻く環境のトレンドに関連性のあるホットキーワードを記憶し、分析部は、情報取得部で取得された経営情報に含まれるキーワードのうち、不動産キーワードとホットキーワードとを別々に分析して抽出し、キーワード表示欄は、分析部で抽出された不動産キーワードを含む第1キーワード表示欄と、ホットキーワードを含む第2キーワード表示欄と、を備える。本態様によれば、企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードとその企業の業界動向を示すホットキーワードとを表示することで、その企業の不動産活用動向とその業界を取り巻く環境トレンドを一目で把握できる。これにより、その企業がなぜその不動産活用動向なのかも分かりやすい。したがって、その企業の不動産活用動向をより深く理解できるので、その企業に深く響く営業戦略も立てやすくなる。
【0008】
本発明の好適な態様において、ホットキーワードは、業界毎に関連づけられたホットキーワードを含み、分析範囲特定部は、情報取得部で取得された経営情報の企業の業界に含まれる複数の企業の経営情報を分析範囲として特定し、分析部は、分析範囲の経営情報からその業界に関連づけられたホットキーワードを分析して抽出する。本態様によれば、ホットキーワードの分析範囲を、個々の企業の経営情報ではなく、その企業の業界に含まれる複数の企業の経営情報とすることで、その企業だけでなくその業界内の他の企業までを含む業界全体のホットキーワードを効率的に取得することができる。
【0009】
本発明の好適な態様において、分析範囲特定部は、過去の経営情報も分析範囲に含め、分析部は、情報取得部で取得された企業の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出し、出力部は、最新キーワードを他のキーワードよりも優先して表示させる表示データを出力する。本態様によれば、情報取得部で取得された企業の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出する。同じ企業の経営情報は同様のフォーマットで定期的に発行されることが多いので、同じ企業の過去の経営情報を利用することで、その企業の最新キーワードを効率的に抽出できるからである。また最新キーワードを他のキーワードよりも優先して表示させるので、例えばその企業で使われやすい用語よりも、最近使われ始めた特徴的な用語の方が目立つように表示させることが可能となる。これにより、その企業の不動産活用動向を一目で把握できるから、営業戦略も立てやすくなる。
【0010】
本発明の好適な態様において、分析部は、情報取得部で取得された経営情報に含まれる不動産キーワードと、過去の経営情報に含まれる不動産キーワードとを別々に抽出し、出力部は、第1キーワード表示欄に、情報取得部で取得された経営情報に含まれる不動産キーワードとは別に、過去の経営情報に含まれる不動産キーワードも表示させる表示データを出力する。本態様によれば、過去の不動産キーワードと最新の不動産キーワードとを比較できるので、その企業の不動産活用動向のトレンド変化も一目で分かるようになる。
【0011】
本発明の好適な態様において、情報取得部は、複数の企業の不動産物件情報を取得するように構成され、不動産物件情報から不動産物件の限定情報を特定する限定情報特定部を備え、分析部は、情報取得部で取得された企業それぞれの不動産物件情報から限定情報を分析して抽出し、出力部は、分析部で抽出された企業の限定情報を含む限定情報表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力する。本態様によれば、企業の不動産物件情報から特定された限定情報を分析して表示するから、個々の物件の多くの情報から特定の限定情報に絞りこんで表示させることができる。これによれば、特定の限定情報がその企業の個別情報として見える化されるので、より多くの情報を盛り込もうとする従来に比較して、真に必要な不動産物件を一目で見つけやすくできる。
【0012】
本発明の好適な態様において、情報取得部は、企業の経営情報から少なくとも不動産物件の所在と用途と用途地域と規模とを含む不動産物件情報を取得し、分析部は、経営情報の不動産物件情報から限定情報を分析して抽出する。本態様によれば、少なくとも不動産物件の所在と用途と用途地域と規模とを含む限定情報を分析して抽出するので、企業の不動産を探すユーザにとって必要最小限の重要な情報を見える化できる。
【0013】
本発明の好適な態様において、情報取得部は、不動産物件の限定情報を含む需要情報を取得し、分析部は、需要情報の不動産物件の限定情報と分析部で抽出された不動産の限定情報とを比較分析してマッチングスコアを算出し、表示データは、マッチングスコアが高い順に限定情報を表示させるデータを含む。本態様によれば、不動産物件の限定情報は企業の不動産物件を探すための必要最小限の情報であり、そのような少ない情報でマッチングを行うことができるので、より多くの情報とマッチングする場合に比較して、ニーズに合う不動産がマッチしやすい。これにより、ニーズに合う不動産を見つけやすくなる。
【0014】
本発明の好適な態様において、情報取得部は、地図情報を取得し、表示データは、マッチングスコアが所定値以上の不動産物件の限定情報を表示する限定情報表示欄と、地図情報からの地図とその地図上の不動産物件の位置に重ねてマッチングスコアを表示する地図情報表示欄とを含む。本態様によれば、当たりをつけた地域の具体的な限定情報表示欄とマッチングスコアが地図上に重ねられた地図情報表示欄が表示されるので、当たりをつけた地域でニーズにマッチした物件を一目で見つけやすくなる。
【0015】
本発明の好適な態様において、表示データは、地図上に地域毎の不動産物件数を重ねた物件数表示欄と、限定情報の各項目の物件数を表示する限定情報物件数表示欄とを含む。本態様によれば、地図上に地域毎の不動産物件数を重ねた物件数表示欄が表示されるので、地域ごとの不動産物件数が一目で分かる。しかも、限定情報物件数表示欄によれば、その内訳として限定情報の項目毎に物件数が分かるので、ニーズにマッチした企業不動産物件の当たりをつけやすい。
【0016】
本発明の好適な態様において、記憶部は、企業の不動産取引に関連性のある特定キーワードを記憶するように構成され、情報取得部で取得された経営情報に特定キーワードが含まれるか否かを判定するキーワード判定部と、キーワード判定部によって経営情報に特定キーワードが含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定する企業選定部とを備え、出力部は、企業選定部で選定された営業先企業候補を含む企業候補表示欄を表示させる表示データと、企業候補表示欄において特定された企業を強調表示すると共に、その特定された企業の個別情報を企業候補表示欄に並べて表示させる表示データを出力する。本態様によれば、企業の経営情報から不動産取引需要の可能性のある企業を営業先企業候補として表示すると共に、その企業の個別情報として不動産取引や不動産活用に関連性のあるキーワードまで見える化されるので、その企業の不動産の取引動向や活用動向など一目で分かり、その企業の不動産に対する営業戦略を立てやすくすることができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の記憶媒体は、企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードを含む経営情報についての情報分析処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、情報分析処理は、複数の企業の経営情報を取得するステップと、経営情報の分析範囲を特定するステップと、取得された企業それぞれの経営情報に含まれるキーワードのうち、不動産活用に関連性のある不動産キーワードを分析範囲で分析して抽出するステップと、抽出された企業の不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力するステップと、を含む。本態様の記憶媒体のプログラムをコンピュータで読み取って実行させることで本発明の情報分析処理を実行でき、コンピュータを情報分析装置として機能させることができる。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、企業の不動産活用に関連性のある不動産キーワードを含む経営情報についての情報分析処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、情報分析処理は、複数の企業の経営情報を取得するステップと、経営情報の分析範囲を特定するステップと、取得された企業それぞれの経営情報に含まれるキーワードのうち、不動産活用に関連性のある不動産キーワードを分析範囲で分析して抽出するステップと、抽出された企業の不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力するステップと、を含む。本態様のプログラムをコンピュータで読み取って実行させることで本発明の情報分析処理を実行でき、コンピュータを情報分析装置として機能させることができる。
【0019】
本発明のプログラムの好適な態様において、情報分析処理は、複数の企業の不動産物件情報を取得するステップと、不動産物件情報から不動産物件の限定情報を特定するステップと、取得された企業それぞれの不動産物件情報から限定情報を分析して抽出するステップと、抽出された限定情報を含む企業の限定情報表示欄を表示させる表示データをその企業の個別情報として出力するステップと、を含む。
【0020】
本発明のプログラムの好適な態様において、情報分析処理は、複数の企業の経営情報を取得するステップと、取得された経営情報に、企業の不動産取引に関連性のある特定キーワードが含まれるか否かを判定するステップと、経営情報に特定キーワードが含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定するステップと、選定された営業先企業候補を含む企業候補表示欄を個別情報と共に表示させる表示データを出力するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、企業の経営情報や物件情報を分析することで得られるキーワードや特定の限定情報を見える化することによって、その企業の不動産活用動向を一目で把握できるので、その企業の不動産に対する営業戦略を立てやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態の情報分析システムの構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態の情報分析システムの具体的構成例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態のキーワードデータベースの構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態のスコアデータベースの構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【
図6】第1実施形態の情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態のキーワード分析処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【
図9】第2実施形態のホットキーワードを記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
【
図10】第2実施形態のワードスコアを記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
【
図11】第3実施形態の情報分析装置の具体的構成例を示すブロック図である。
【
図12】第3実施形態の特定キーワードを記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
【
図13】第3実施形態の営業先スコアを記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
【
図14】第3実施形態の情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図15】第3実施形態の特定キーワード判定処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【
図17】第4実施形態の情報分析システムの具体的構成例を示すブロック図である。
【
図18】第4実施形態のキーワードデータベースの構成例を示す図である。
【
図19】第4実施形態のスコアデータベースの構成例を示す図である。
【
図20】第4実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【
図21】第4実施形態の情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図22】第4実施形態のマッチング分析処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図23】第5実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【
図24】第5実施形態の限定情報の具体例を示す図である。
【
図25】第5実施形態の情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。
【
図26】第6実施形態の情報分析装置の具体的構成例を示すブロック図である。
【
図27】第6実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【
図28】第7実施形態の情報分析装置の具体的構成例を示すブロック図である。
【
図29】第7実施形態の表示画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る情報分析システム100について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報分析システム100の構成を示す図である。
図1に示すように情報分析システム100は情報分析装置10と端末装置20とを備える。第1実施形態の情報分析装置10は、経営計画書などの経営情報から得られる不動産活用に関連性のある不動産キーワードを分析し、その分析結果を表示させる表示データを端末装置20に出力する(以下、この機能を「第1機能」とも称する)。ここでの情報分析装置10は、端末装置20をクライアントとするサーバコンピュータで構成する場合を例示する。
【0024】
情報分析装置10は、複数台で分散処理するように構成してもよく、また1台のサーバ装置に設けられた複数の仮想マシンによって構成してもよい。また、情報分析装置10は、パーソナルコンピュータで構成してもよく、クラウドサーバで構成してもよい。情報分析装置10と端末装置20とはインターネットなどのネットワークNを介して互いに通信可能に構成されている。
【0025】
情報分析装置10は、ネットワークNを介して外部の経営情報提供サーバ30と通信可能に構成されている。経営情報提供サーバ30は、経営計画書や有価証券報告書などの企業の経営情報を提供するサーバである。経営情報提供サーバ30は、企業のホームページなどで経営情報を提供するサーバでもよく、複数の企業の経営情報を提供する経営情報サイトなどを運営する事業者のサーバであってもよい。なお、ネットワークNは、情報分析装置10と端末装置20とを接続する企業内のイントラネットと、情報分析装置10と経営情報提供サーバ30とを接続するインターネットとで構成してもよい。
【0026】
端末装置20は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置20は、例えばスマートフォン、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータなどである。ネットワークNには複数の端末装置20が接続されていてもよい。
【0027】
図2は、第1実施形態に係る情報分析システム100の具体的構成例を示すブロック図である。
図2に示す情報分析装置10は、通信部11と制御部12と記憶部14とを備える。通信部11と制御部12と記憶部14とは、それぞれバスライン10Lに接続され、相互に情報(データ)のやり取りが可能である。
【0028】
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置20との間や経営情報提供サーバ30との間で情報(データ)の送受信を行う。通信部11は、インターネットやイントラネットの通信インターフェースとして機能し、例えばTCP/IP、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)を用いた通信などが可能である。
【0029】
制御部12は、情報分析装置10全体を統括的に制御する。制御部12は、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路で構成される。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える。制御部12は、必要なプログラムをROMにロードし、RAMを作業領域としてそのプログラムを実行することで、各種の処理を行う。
【0030】
記憶部14は、制御部12で実行される後述の情報分析プログラム、その他の各種プログラムやこれらのプログラムによって使用されるデータを記憶する記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な有形の記憶媒体:a tangible storage medium)の例示である。記憶部14は、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置で構成される。記憶部14の構成はこれらに限られず、記憶部14をRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリで構成してもよい。例えば記憶部14をSSD(Solid State Drive)で構成することもできる。
【0031】
記憶部14は、プログラム記憶部141、企業情報データベース142(企業情報DB)、経営情報データベース143(経営情報DB)、キーワードデータベース144(キーワードDB)、スコアデータベース145(スコアDB)などを備える。
【0032】
プログラム記憶部141には、制御部12で実行される情報分析プログラム、その他の各種プログラムなどが記憶されている。制御部12は、プログラム記憶部141から必要なプログラムを読み出して各種の処理を実行する。
【0033】
企業情報データベース142は、上場企業の会社名、証券コード(銘柄コード)、上場市場(東京証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所など)などの企業情報を記憶する。その他、企業情報データベース142には、各企業への不動産取引の営業に役立つ情報を記憶できる。例えば資本金、業種、業態、従業員数、決算日、所在地などの企業基本情報を企業情報データベース142に記憶してもよい。
【0034】
経営情報データベース143は、情報分析装置10で分析処理を行う経営情報を企業毎に記憶する。経営情報としては、経営計画書(中期経営計画書など)、有価証券報告書、四半期報告書、決算説明会報告書など投資家向けのIR(Investor Relations)情報が挙げられる。なお、経営情報としては、IR情報に限られず、例えば企業のホームページなどで公開されている経営に関する情報も含まれる。
【0035】
キーワードデータベース144は、経営情報の分析に用いる不動産キーワードなどを記憶する。
図3は、キーワードデータベース144のデータテーブルの構成例を示す図である。
図3に示すように、キーワードデータベース144には、不動産キーワードFK1、FK2、・・・が記憶される。不動産キーワードは、企業の不動産活用に関連性のあるキーワードである。キーワードデータベース144には、複数の不動産キーワードが予め設定される。なお、キーワードデータベース144の構成は、
図3に示すものに限られない。
【0036】
しかしながら、アンケートやメールなどのテキスト分析では、例えば企業の活動動向や不動産などの資産活用といった企業の経営動向までは分からない。この点、中期経営計画や有価証券報告書などの企業の経営情報には、その企業の経営動向に関するキーワードも含まれるので、経営情報をテキスト分析すればよいとも考えられる。ところが、実際に不動産キーワードを抽出してみると、その企業やその業界でよく使われる用語(例えば「売上」などの一般的な用語)ばかりが目立ち、その期に特徴的な用語(例えば「インバウンド」などのホットな用語)が小さく目立たない場合が多いことが分かった。
【0037】
これは、例えば中期経営計画書や有価証券報告書のような経営情報では、企業によく使われる用語(例えば「売上」など)の方がその期に特徴的な用語(例えば「インバウンド」など)よりも出現回数が多くなる傾向があるからと考えられる。そうすると、一般的な用語の方が特徴的な用語よりも文字が大きくなってしまい、その期の不動産活動動向などをなかなか把握できないばかりか、動向を見誤ってしまう可能性も高くなる。このように、企業や業界によって使われやすい用語も異なるので、単に経営情報をキーワード分析するだけでは、その企業の不動産活用動向まで把握することは非常に難しい。
【0038】
試行錯誤しているうちに、このような企業や業界によって使われやすい用語は、過去の経営情報にも出現しているはずであること気づいた。特に中期経営計画書や有価証券報告書などは、年度ごとや期ごとに発行されるので、時系列に連続する経営情報である。そこで、この点に着目していろいろと分析してみたところ、確かに企業や業界によって使われやすい用語は、過去の経営情報にも頻繁に出現していることが分かった。
【0039】
そこで、第1実施形態ではこのような知見に基づいて、経営情報の分析範囲を特定できるようにすることで、例えば最新の経営情報だけでなく過去の経営情報まで分析範囲を特定できるようにする。これによれば、過去との比較分析で最新の経営情報のキーワードを分析できるので、例えば最新の経営情報で出現回数が多い用語でも、過去の経営情報に出現回数が多ければ、ワードスコアが低くなるようにすることもできる。これにより、例えば企業や業界によって毎期に使われやすい用語よりも、最近使われ始めた特徴的な用語の方が大きな文字で表示されるようにすることも可能となる。
【0040】
このように、分析範囲を特定して企業の経営情報をキーワード分析し、その企業の不動産活用動向に関連性のあるキーワードのうち特徴的なキーワードが目立つように見える化することで、不動産取引需要の可能性の高い企業における不動産活用動向を一目で把握できる。したがって、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、その企業への有力な不動産営業戦略を立てることができ、その企業の要望にあったプランを提示することで、営業成功率を高めることができる。
【0041】
不動産キーワードFK1、FK2、・・・は、企業の不動産活用の動向を把握できるようなキーワードであることが好ましい。例えば不動産キーワードとして、企業の不動産活用の動向(例えばどのような不動産があり、それをどのような用途で活用したいのか、売買や賃貸の可能性もあるのかなど、需要やその潜在需要も含む)が分かるキーワードが設定される。企業の不動産活用の動向が分かるようなキーワードを表示できれば、そのキーワードから企業の要望も予測できる。このような不動産キーワードFK1、FK2、・・・としては、例えば
図5に示すような「遊休」、「不動産」、「CR」、「需要」、「見込める」、「インバウンド」などが挙げられる。
【0042】
ところで、このような不動産キーワードを単に抽出するだけでは、どのキーワードに注目すれば不動産活用動向が予測できるのか非常に分かり難い。この点、アンケートやメールなどのテキスト分析では、出現回数をワードスコアとして、そのワードスコアに応じて文字の大きさや色を変えたりするテキストマイニングなどのキーワード分析手法もある。これなら、文字の大きさが大きいキーワードほど目立つので、不動産活用動向も把握しやすくなるとも考えられる。
【0043】
こうして特定された分析範囲で経営情報を分析して得られる不動産キーワードのワードスコアは、企業毎に関連付けられてスコアデータベース145に記憶される。
図4は、スコアデータベース145(スコアDB)を記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
図4のスコアデータベース145には、企業ID、企業名、分析範囲、不動産キーワード(不動産KW)、経営情報(中期経営計画書など)とそのキーワード出現回数(KW出現回数)などが企業毎に関連付けられて記憶される。なお、不動産キーワードのワードスコアを記憶するデータベースの構成は、
図4に示すものに限られない。
【0044】
図4は、分析範囲として経営情報P(n)と経営情報P(n-1)が特定されている場合を例示する。FK1、FK2、・・・はそれぞれ、
図3の不動産キーワード(不動産KW)である。CFK1(n)、CFK2(n)、・・・はそれぞれ、経営情報P(n)での不動産キーワードFK1、FK2、・・・の出現回数である。CFK1(n―1)、CFK2(n―1)、・・・はそれぞれ、経営情報P(n―1)での不動産キーワードFK1、FK2、・・・の出現回数である。WFK1、WFK2、・・・はそれぞれ、不動産キーワードFK1、FK2、・・・のワードスコアである。
【0045】
ワードスコアは、不動産キーワード毎に算出され、例えば企業の不動産活用動向としてのキーワード表示(文字の大きさなど)を決めるのに利用される。
図4のキーワード出現回数(KW出現回数)は、経営情報に含まれる不動産キーワード毎の出現回数であり、キーワード総出現回数(CFKt(n)等)はすべての不動産キーワードの出現回数の総和
である。
【0046】
ワードスコアは、特定された分析範囲の経営情報における不動産キーワードの出現回数に基づいて企業毎に算出される。したがって、本実施形態のワードスコアは、特定された分析範囲によって変わる。例えば特定された分析範囲がその企業の最新の経営情報だけであれば、その最新の経営情報に含まれる不動産キーワードそれぞれの出現回数がワードスコアになる。このとき、例えば出現回数に重み係数を掛け算した値をワードスコアとしてもよい。その場合、重み係数を調整することで、過去の経営情報にも出現回数が多い不動産キーワードのワードスコアが低くなるようにしてもよい。これにより、過去の経営情報でもよく使われている用語よりも、最新の経営情報の新しく特徴的な用語が目立つように見える化できる。
【0047】
例えばKF1をよく使われる用語「売上」としたときに、経営情報P(n―1)でのKF1の出現回数の割合が10%、経営情報P(n)でのKF1の出現回数の割合も10%であったとすると、(1)式からワードスコアWFK1は0%(=10/10―1×100)となる。他方、KF2を特徴的な用語「インバウンド」としたときに、経営情報P(n―1)でのKF2の出現回数の割合が1%程度だったのに対して、経営情報P(n)でのKF2の出現回数の割合が5%に増えたとすると、(1)式からワードスコアWFK1は400%(=5/1―1×100)となる。
【0048】
また、特定された分析範囲がその企業の最新の経営情報と過去の経営情報である場合は、不動産キーワードのそれぞれについて最新の経営情報での出現回数と過去の経営情報での出現回数に基づいてワードスコアを算出する。例えば
図4のように分析範囲が最新の経営情報P(n)とその直前の過去の経営情報P(n―1)の場合は、不動産キーワードのそれぞれについて最新の経営情報P(n)での出現回数と直前の経営情報P(n―1)での出現回数からワードスコアを算出する。
【0049】
この場合、例えばすべての不動産キーワードのキーワード総出現回数に対する出現回数の割合の増加率をワードスコアとしてもよい。これによれば、すべての不動産キーワードの出現回数に対する割合が大きいほど重要な用語と捉えることで、その重要度が直前の経営情報からどれだけ増えたかを示す「重要度の増加率」をワードスコアとして算出できる。
【0050】
具体的には例えば
図4の不動産キーワードFK1のワードスコアWFK1を例に挙げて説明する。最新の経営情報P(n)でのキーワード総出現回数に対する不動産キーワードFK1の出現回数の割合をRFK1(n)(=CFK1(n)/CFK1t(n))とし、直前の経営情報P(n―1)でのキーワード総出現回数に対する不動産キーワードFK1の出現回数の割合をRFK1(n―1)(=CFK1(n―1)/CFK1t(n―1))とすると、以下の数式(1)によりワードスコアWFK1を算出できる。
【0051】
WFK1=(RFK1(n)/RFK1(n―1)―1)×100
・・・(1)
【0052】
このような経営情報の分析結果を表示した表示画面SCK1の具体例を
図5に示す。
図5は、端末装置20に表示される表示画面SCK1の具体例を示す図である。表示画面SCK1には、キーワード表示欄KSが表示される。キーワード表示欄KSには企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードが表示される。
図5の不動産キーワードは、ワードスコアが高いほど、例えば文字の大きさが大きくなるように強調して表示される。
図5に示すように例えばワードスコアWFK2が400%のKF1「インバウンド」は大きな文字で表示されているのに対して、ワードスコアWFK1が0%のKF1「売上」は表示されていないことが分かる。こうして、過去にもよく使われるキーワード(例えば「売上」など)は表示されないようにすることができ、また重要度が急上昇している特徴的なキーワード(例えば「インバウンド」など)を他の文字よりも大きな文字で表すことができる。
【0053】
このように、最新の経営情報P(n)と直前の経営情報P(n―1)とを分析範囲として不動産キーワードのワードスコアを算出することで、例えば企業に使われやすい用語よりも、最近使われ始めた特徴的な用語の方が目立つように表示させることが可能となる。これにより、その企業の不動産活用動向を一目で把握できるから、営業戦略も立てやすくなる。例えば
図5では、「遊休」「不動産」「見込める」「インバウンド」などの文字が他の文字よりも大きく目立つように表示される。したがって、この企業は、インバウンドにより遊休不動産の活用が見込めると考えていることが一目でわかる。これにより、インバウンド需要に適したプランなど、その企業に響く可能性の高い営業戦略を立てることができる。
【0054】
なお、不動産キーワードの強調表示は
図5のように文字の大きさを変える場合に限られない。例えば強調表示として文字の字体や色などを変えるようにしてもよい。また、不動産キーワードの表示はワードクラウドのような表示に限られない。例えば不動産キーワードをリスト表示して、ワードスコアが高いほど上位になるように表示させるようにしてもよい。
【0055】
図2に示す制御部12は、情報取得部121と分析範囲特定部122と分析部124と出力部130とを備える。これら制御部12の各構成要素は、物理的な回路で構成してもよく、CPUが実行可能なプログラムで構成してもよい。制御部12の構成は、
図2に示す構成に限られない。
【0056】
情報取得部121は、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して複数の企業の経営情報を取得する。例えば情報取得部121は、経営情報提供サーバ30で運営される経営情報提供サイトをスクレイピングし、複数の企業の経営情報の文書データを取得する。情報取得部121は、特定の経営情報提供サイトを定期的にクローリングして様々な企業の経営情報の文書データを自動的に取得できる。
【0057】
情報取得部121は、取得した経営情報が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(PDF、XML、XBRLなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。XBRL(eXtensible Business Reporting Language)は、XML(eXtensible Markup Language)をベースにした報告書記述言語である。
【0058】
なお、別ルートで入手した経営情報の文書データを情報取得部121により経営情報データベース143に追加することもできる。具体的には情報取得部121は、端末装置20からのユーザ操作に応じて経営情報の文書データを受信し経営情報データベース143に追加する。これにより、例えば非上場企業の経営情報やや非公開の経営情報の文書データを入手した場合でも経営情報データベース143に追加できる。
【0059】
分析範囲特定部122は、経営情報の分析範囲を特定する。分析範囲特定部122は、端末装置20によるユーザからの指示で経営情報の分析範囲を特定する。例えばユーザは端末装置20を介して、中期経営計画書や有価証券報告書などからどの種類の経営情報を分析するか、どの年度又はどの期の経営情報を分析するかなど分析範囲として特定できる。さらに所望の年度や期の経営情報を分析範囲として特定できる。上述したように最新の経営情報とともに過去の経営情報も特定できる。
【0060】
分析部124は、情報取得部121で取得された企業それぞれの経営情報を分析範囲特定部122で特定された分析範囲で分析する。具体的には分析部124は、
図3のような不動産キーワードについて各経営情報での出現回数をカウントし、カウントした出現回数に基づいて算出したワードスコアをスコアデータベース145に記憶する。
【0061】
出力部130は、分析部124で抽出された企業の不動産キーワードを含むキーワード表示欄をその企業の個別情報として表示させる表示データを出力する。具体的には出力部130は、分析部124で算出されたワードスコアに応じて強調したキーワードを表示させるキーワード表示欄の表示データを生成し出力する。表示データは、通信部11を介して端末装置20に送信される。端末装置20は、表示データに基づいてキーワード表示欄を表示する。なお、表示データはWeb画面データであってもよい。具体的には情報分析装置10は、Web画面にキーワードを表示させる。端末装置20はそのWeb画面データを受信してブラウザに表示する。
【0062】
次に、端末装置20の構成例について
図2を参照しながら説明する。
図2に示す端末装置20は、通信部21と制御部22と記憶部24と入力部25と表示部26とを備える。通信部21と、制御部22と、記憶部24と、入力部25と、表示部26とは、それぞれバスライン20Lに接続され、相互に情報(データ)のやり取りが可能である。
【0063】
通信部21は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、情報分析装置10との間で情報(データ)の送受信を行う。通信部21は、インターネットやイントラネットの通信インターフェースとして機能し、例えばTCP/IP、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)を用いた通信などが可能である。
【0064】
制御部22は、端末装置20全体を統括的に制御する。制御部22は、MPU(Micro Processing Unit)などの集積回路で構成される。制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備える。制御部22は、必要なプログラムをROMにロードし、RAMを作業領域としてそのプログラムを実行することで、各種の処理を行う。
【0065】
記憶部24は、制御部22で実行される各種プログラムやこれらのプログラムによって使用されるデータを記憶する記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な有形の記憶媒体:a
tangible storage medium)の例示である。記憶部24は、制御部22で実行される各種プログラムやこれらのプログラムによって使用されるデータを記憶する。記憶部24は、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置で構成される。記憶部24の構成はこれらに限られず、記憶部24をRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリで構成してもよい。例えば記憶部24をSSD(Solid State Drive)で構成することもできる。
【0066】
入力部25は、キーボード及びマウスなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けて操作内容に対応した制御信号を制御部22へ送信する。入力部25は、タッチパネルを備えていてもよい。
【0067】
表示部26は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、制御部22からの指示に従って各種情報を表示する。制御部22は、情報分析装置10から通信部21を介して受信した表示データに基づいて営業先企業候補の企業リストを表示部26に表示する。
【0068】
次に、第1実施形態に係る情報分析装置10が行う第1機能による情報分析処理について
図6を参照しながら説明する。第1機能は、不動産活用に関連性のある不動産キーワードを利用して経営情報を分析することで企業の不動産活用動向を把握できるキーワード表示する機能である。
図6は、情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。情報分析処理は、制御部12(情報取得部121、分析範囲特定部122、分析部124、出力部130など)によってプログラム記憶部141から必要なプログラムが読み出されて実行される。
【0069】
先ず
図6に示すステップS110にて制御部12は、各企業の経営情報を取得する。具体的には情報取得部121が、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して各企業の経営情報の文書データを取得して経営情報データベース143に記憶する。情報取得部121は、取得した経営情報が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(テキストを含むPDF、XML、XBRLなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。
【0070】
次いでステップS120にて制御部12は、経営情報の分析範囲を特定する。具体的には、分析範囲特定部122が予め設定された情報に基づいて分析範囲を特定する。例えば上述したような最新の経営情報(直近の経営情報)とその直前の経営情報(過去の経営情報)とが分析範囲としてデフォルトで設定されている。なお、分析範囲の特定はデフォルトの設定に限られない。
【0071】
例えばユーザが端末装置20にて設定した分析範囲の特定情報を利用してもよい。その場合、例えば端末装置20において、最新の経営情報のみを分析範囲にするか、最新の経営情報と過去の経営情報を分析範囲にするかだけでなく、どの種類の経営情報を分析するか、どの年度又はどの期の経営情報を分析するかなど、分析範囲を自由に設定できるようにしてもよい。これによれば、情報取得部121が端末装置20からユーザが設定した分析範囲の特定情報を取得し、取得された特定情報から制御部12が分析範囲を設定する。分析範囲特定部122はその設定された情報に基づいて分析範囲を特定する。
【0072】
次いでステップS130にて制御部12は、キーワード分析処理を行う。具体的には分析部124が、情報取得部121で取得された経営情報のキーワード分析処理を行う。このキーワード分析処理は、特定された分析範囲の経営情報を対象に行う。情報取得部121で取得された経営情報が最新の経営情報として分析される。最新の経営情報だけでなく、過去の経営情報も分析範囲に特定されている場合には、制御部12が記憶部14からその企業の過去の経営情報を読み出してキーワード分析処理を行う。キーワード分析処理は例えば
図7に示すように行われる。
【0073】
図7は、キーワード分析処理の具体例を示すフローチャートである。キーワード分析処理では、先ずステップS131にて分析部124は、特定された分析範囲の経営情報の文書データから不動産キーワード(不動産KW)の出現回数をカウントする。次にステップS132にて、分析部124は、カウントした出現回数に基づいてワードスコアを算出し、スコアデータベース145に記憶する。このワードスコアがキーワード分析の分析結果となる。
【0074】
次に
図6に示すステップS130にて制御部12は、キーワード分析の分析結果を端末装置20に表示させる。具体的には出力部130が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、ワードスコアに応じて強調表示されたキーワードが表示される。例えば出力部130は、ワードスコアが高いほど文字を大きくなるように表示データを生成する。なお、ステップS140の処理は、端末装置20から表示リクエストを受信することで出力部130が実行するようにしてもよい。ステップS110~S140の処理は、端末装置20からのリクエストで実行される。また、ステップS110の処理は、特定の経営情報提供サイトの定期的なクローリングにより自動的に実行されるようにしてもよい。
【0075】
以上のような第1実施形態に係る情報分析装置10によれば、企業の経営情報を取得し、分析範囲を特定して経営情報をキーワード分析することで、例えばその企業がよく使うキーワードよりも特徴のあるキーワードの方を目立たせることができる。これにより、その経営情報から分かる企業の不動産活用の真の動向をキーワードで見える化できる。これにより、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、その企業への有力な不動産営業戦略を立てることができ、その企業の要望にあったプランを提示することで、営業成功率を高めることができる。しかも、その企業の不動産活用動向が一目で分かるようにキーワードを表示できるので、戦略立案にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、営業活動を効率化できる。
【0076】
なお、分析範囲特定部122が現在の経営情報だけでなく過去の経営情報も分析範囲に含めることで、分析部124は、情報取得部121で取得された企業の経営情報に含まれるキーワードのうち、その企業の過去の経営情報に含まれないキーワードを最新キーワードとして抽出する。同じ企業の経営情報は同様のフォーマットで定期的に発行されることが多いので、同じ企業の過去の経営情報を利用することで、その企業の最新キーワードを効率的に抽出できるからである。例えば現在と過去の経営情報としては、経営計画書や有価証券報告書などの経営情報全体を比較してもよく、特定の項目同士を比較してもよい。これができるのも、同じ企業であれば同じフォーマットで定期的に発行される場合が多い経営情報を利用する場合の本発明の特徴の一つである。これによれば、SNSやホームページなどから最新キーワードを抽出する場合に比較して、その企業の最新キーワードの抽出精度を大幅に向上できる。例えば経営情報の特定の項目を比較する場合、分析範囲特定部122は不動産キーワードが含まれる項目を検索し、検索された項目同士を比較するようにしてもよい。ここでの最新キーワードは、不動産キーワードでもよく、後述するホットキーワードであってもよい。上述した不動産キーワードの場合と同様の比較分析で、そのホットキーワードの最新キーワードも経営情報から抽出できる。ホットキーワードの場合は、上記不動産キーワードをホットキーワードに読み替えればよい。また出力部130は、最新キーワードを他のキーワードよりも優先して表示させる表示データを出力することもできる。これによれば、その経営情報において話題になっている最新キーワードを優先して表示(例えば表示順序を上げたり、強調表示したりなど)することができる。
【0077】
この場合、出力部130は、キーワードの出現回数に応じて文字の大きさを変え、最新キーワードを過去の経営情報に含まれるキーワードよりも文字を大きくして表示させる表示データを出力するようにしてもよい。これにより、最新キーワードが目立つようになるので、その経営情報で話題になっていることが一目でわかる。
【0078】
また、分析部124は、情報取得部121で取得された経営情報に含まれる不動産キーワードと、過去の経営情報に含まれる不動産キーワードとを別々に抽出し、出力部150は、第1キーワード表示欄KS1に、情報取得部121で取得された経営情報に含まれる不動産キーワードとは別に、過去の経営情報に含まれる不動産キーワードも表示させる表示データを出力するようにしてもよい。これによれば、過去の不動産キーワードと最新の不動産キーワードとを比較できるので、その企業の不動産活用動向のトレンド変化も一目で分かるようになる。
【0079】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。第1実施形態では、
図5に示すような企業の不動産活用動向を不動産キーワードで表示する第1機能について例示したが、第2実施形態では、
図8に示すようなその企業の業界の動向をホットキーワードで表示する第2機能について例示する。第2機能は、企業を取り巻く環境トレンドに関連性のあるホットキーワードを利用して経営情報を分析することで企業の業界動向を把握できるキーワード表示する機能である。ここでのホットキーワードは、企業を取り巻く環境トレンドに関連性のあるキーワードである。
【0080】
第2実施形態の分析部124は、情報取得部121で取得された経営情報に含まれるキーワードのうち、不動産キーワードとホットキーワードとを別々に分析して抽出する。第2実施形態のキーワード表示欄には、分析部124で抽出された不動産キーワードを含む第1キーワード表示欄KS1とホットキーワードを含む第2キーワード表示欄KS2とが含まれる。
【0081】
図8は、第2実施形態において端末装置20に表示される表示画面SCK2の具体例を示す図である。
図8では、
図5の企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードを含む第1キーワード表示欄KS1と、その企業の業界の動向を示すホットキーワードを含む第2キーワード表示欄KS2が並列に表示される。不動産キーワードと同様に、ホットキーワードについてもワードスコアに応じて文字の大きさを変えるように表示する。これによれば、企業の不動産活用動向だけでなく、その企業の業界の動向(環境トレンド)まで一目で分かるようになるので、その企業がなぜその不動産活用動向なのかも分かりやすい。これにより、その企業の不動産活用動向をより深く理解できるので、その企業に深く響く営業戦略も立てやすくなる。
【0082】
このような第2実施形態のキーワードデータベース144には、
図3に示すような不動産キーワード(不動産KW)だけでなく、
図9に示すようなホットキーワード(ホットKW)も記憶される。
図9は、ホットキーワードのデータテーブルの構成例を示す図である。
図9に示すように、キーワードデータベース144には、ホットキーワードFH1、FH2、・・・が記憶される。ホットキーワードは、企業を取り巻く環境トレンドに関連性のあるキーワードである。キーワードデータベース144には、複数のホットキーワードが記憶されている。ホットキーワードは、業界毎に分類されてキーワードデータベース144に記憶されていてもよい。なお、ホットキーワードのデータテーブルの構成は、
図9に示すものに限られない。
【0083】
ここでのホットキーワードFH1、FH2、・・・は、企業を取り巻く環境トレンドに関連性のあるキーワードを含むことが好ましい。例えばホットキーワードとしては、いま業界や世の中で話題になっているキーワードのように、業界の動向が分かるようなキーワードが設定される。業界や世の中の動向が分かるようなホットキーワードを表示できれば、そのホットキーワードから営業先の企業を取りまく環境まで把握できる。このようなホットキーワードFH1、FH2、・・・としては、例えば
図8に示すような「東京五輪」、「経営基盤」、「先行き」、「不透明」、「多角化」などが挙げられる。
【0084】
ところで、このようなホットキーワードを単に抽出するだけでは、どのキーワードに注目すれば業界や世の中の動向を把握できるのか非常に分かり難い。というのも、経営情報からその企業を取り巻く環境トレンドを示すようなホットキーワードは、上述した不動産キーワードと同様に、よく使われる用語ばかりが目立ち、特徴的な用語が小さく目立たない場合が多いからである。
【0085】
そこで、ホットキーワードにおいても、経営情報の分析範囲を特定できるようにすることで、例えば最新の経営情報だけでなく過去の経営情報まで分析範囲を特定できるようにする。これによれば、過去との比較で最新の経営情報のキーワードを分析できるので、例えば最新の経営情報で出現回数が多い用語でも、過去の経営情報に出現回数が多ければ、ワードスコアが低くなるようにすることもできる。これにより、例えば企業や業界によって毎期に使われやすい用語よりも、最近使われ始めた特徴的な用語の方が大きな文字で表示されるようにすることも可能となる。
【0086】
このように、分析範囲を特定して企業の経営情報をキーワード分析し、企業を取り巻く環境トレンドに関連性のあるキーワードのうち特徴的なキーワードが目立つように見える化することで、その企業や業界を取り巻く環境トレンドを把握しやすくなり、営業戦略も立てやすくなる。
【0087】
こうして特定された分析範囲で経営情報を分析して得られるホットキーワードのワードスコアは、業界毎に関連付けられてスコアデータベース145に記憶される。第2実施形態のスコアデータベース145には、
図4に示すような企業毎のデータテーブルの他に、
図10に示すような業界毎のデータテーブルが記憶される。
【0088】
図10は、ホットキーワードのワードスコアを記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
図10が
図4と異なるのは、
図4では企業毎に不動産キーワードとそのワードスコアが記憶されるのに対して、
図10では業界毎にホットキーワードとそのワードスコアが記憶される点である。
図10のスコアデータベース145には、業界ID、業界名、分析範囲、ホットキーワード(ホットKW)、経営情報(中期経営計画書など)とそのキーワード出現回数(KW出現回数)などが業界毎に関連付けられて記憶される。なお、ホットキーワードのワードスコアを記憶するデータテーブルの構成は、図に示すものに限られない。
【0089】
図10は、分析範囲として経営情報P(n)と経営情報P(n-1)が特定されている場合を例示する。FH1、FH2、・・・はそれぞれ、
図9のホットキーワード(ホットKW)である。CHK1(n)、CHK2(n)、・・・はそれぞれ、経営情報P(n)でのホットキーワードFH1、FH2、・・・の出現回数である。CHK1(n―1)、CHK2(n―1)、・・・はそれぞれ、経営情報P(n―1)でのホットキーワードFH1、FH2、・・・の出現回数である。WHK1、WHK2、・・・はそれぞれ、ホットキーワードFH1、FH2、・・・のワードスコアである。
【0090】
ワードスコアは、ホットキーワード毎に算出され、例えば業界の動向としてのキーワード表示(文字の大きさなど)を決めるのに利用される。
図10のキーワード出現回数(KW出現回数)は、経営情報に含まれるホットキーワード毎の出現回数であり、キーワード総出現回数(CFKt(n)等)はすべてのホットキーワードの出現回数の総和である。
【0091】
ワードスコアは、特定された分析範囲の経営情報におけるホットキーワードの出現回数に基づいて業界毎に算出される。第1実施形態の分析範囲は企業毎の経営情報であるのに対して、第2実施形態の分析範囲は業界毎の経営情報、すなわちその業界に含まれる複数の企業の経営情報である点で相違する。第2実施形態の分析部124は、その分析範囲の経営情報からその業界に関連づけられたホットキーワードを分析して抽出する。このように、ホットキーワードの分析範囲を、個々の企業の経営情報ではなく、その企業の業界に含まれる複数の企業の経営情報とすることで、その企業だけでなくその業界内の他の企業までを含む業界全体のホットキーワードを効率的に取得することができる。
【0092】
第2実施形態のワードスコアも第1実施形態と同様に、特定された分析範囲によって変わる。例えば特定された分析範囲がその業界の最新の経営情報だけであれば、その最新の経営情報に含まれるホットキーワードそれぞれの出現回数がワードスコアになる。このとき、例えば出現回数に重み係数を掛け算した値をワードスコアとしてもよい。その場合、重み係数を調整することで、過去の経営情報にも出現回数が多いホットキーワードのワードスコアが低くなるようにしてもよい。これにより、過去の経営情報でもよく使われている用語よりも、最新の経営情報の新しく特徴的な用語が目立つように見える化できる。
【0093】
また、特定された分析範囲がその企業の最新の経営情報と過去の経営情報である場合は、ホットキーワードのそれぞれについて最新の経営情報での出現回数と過去の経営情報での出現回数に基づいてワードスコアを算出する。例えば
図4のように分析範囲が最新の経営情報P(n)とその直前の過去の経営情報P(n―1)の場合は、ホットキーワードのそれぞれについて最新の経営情報P(n)での出現回数と直前の経営情報P(n―1)での出現回数からワードスコアを算出する。
【0094】
この場合、例えばすべてのホットキーワードのキーワード総出現回数に対する出現回数の割合の増加率をワードスコアとしてもよい。これによれば、すべてのホットキーワードの出現回数に対する割合が大きいほど重要な用語と捉えることで、その重要度が直前の経営情報からどれだけ増えたかを示す「重要度の増加率」をワードスコアとして算出できる。
【0095】
具体的には例えば
図10のホットキーワードFHK1のワードスコアWHK1を例に挙げて説明する。最新の経営情報P(n)でのキーワード総出現回数に対するホットキーワードFHK1の出現回数の割合をRHK1(n)(=CHK1(n)/CHK1t(n))とし、直前の経営情報P(n―1)でのキーワード総出現回数に対するホットキーワードFH1の出現回数の割合をRHK1(n―1)(=CHK1(n―1)/CHK1t(n―1))とすると、以下の数式(2)によりワードスコアWHK1を算出できる。
【0096】
WHK1=(RHK1(n)/RHK1(n―1)―1)×100
・・・(2)
【0097】
こうして、ワードスコアWHK1、WHK2、・・・を算出し、その分析結果を表示した表示画面SCK2の具体例を
図8に示す。
図8は、第2実施形態の表示画面SCK2の具体例を示す図である。
図8の表示画面SCK2には、キーワード表示欄KSが表示される。キーワード表示欄KSは第1キーワード表示欄KS1と第2キーワード表示欄KS2とを備える。第1キーワード表示欄KS1には、企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードが表示され、第2キーワード表示欄KS2には、業界の動向を示すホットキーワードが表示される。
図8のホットキーワードは、不動産キーワードと同様に、ワードスコアが高いほど、例えば文字の大きさが大きくなるように強調して表示される。
【0098】
図8に示すように第1キーワード表示欄KS1と第2キーワード表示欄KS2は表示画面SCK2に対して横に並べて配置される。なお、第1キーワード表示欄KS1と第2キーワード表示欄KS2の配置位置は図示した場合に限られず、例えば縦に並べて配置してもよい。このように、企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードとその企業の業界動向を示すホットキーワードとを並べて表示することで、その企業の不動産活用動向とその業界を取り巻く環境トレンドを一目で把握できる。これにより、その企業がなぜその不動産活用動向なのかも分かりやすい。例えば
図8の第2キーワード表示欄KS2では、業界の動向に「東京五輪」の文字が大きくなっているので、なぜ第1キーワード表示欄KS1の企業の「インバウンド」の文字が大きくなっているかとの理由も理解しやすい。したがって、その企業の不動産活用動向をより深く理解できるので、その企業に深く響く営業戦略も立てやすくなる。
【0099】
ホットキーワードの強調表示は、
図8のように文字の大きさを変える場合に限られない。例えば強調表示として文字の字体や色などを変えるようにしてもよい。また、ホットキーワードの表示はこれに限られない。例えばホットキーワードをリスト表示して、ワードスコアが高いほど上位になるように表示させるようにしてもよい。
【0100】
なお、第2実施形態が行う第2機能による情報分析処理は、
図6及び
図7と同様である。
図6及び
図7においては、不動産キーワードをホットキーワードに読み替えるなど、適宜読み替えを行うことで
図6及び
図7の処理が第2実施形態にも適用できる。
図6及び
図7の処理の適用にあたり、第2実施形態の分析範囲は、上述したように業界毎の経営情報、すなわち業界の複数の企業の経営情報になる。
【0101】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、複数の企業の経営情報を分析することで、不動産取引の可能性の高い企業を選定した営業先企業候補リストを端末装置20に表示させる第3機能について例示する。第3機能は、不動産取引に関連性のある特定キーワードを利用して経営情報を分析することで営業先企業候補をリスト表示する機能である。これによれば、その営業先企業候補リストに挙げられた企業のうち、カーソルを合わせたりクリックしたりして特定された企業の個別情報(その企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードや業界動向を示すホットキーワードなど)を端末装置20の同じ表示画面に表示させるようにすることができる。
【0102】
このような第3実施形態の情報分析装置10について図面を参照しながら説明する。
図11は、第3実施形態の情報分析装置の具体的構成例を示すブロック図である。
図11において、
図2と異なるのは、制御部12にキーワード判定部126と企業選定部128を設けた点である。第3実施形態のキーワードデータベース144(キーワードDB)には、特定キーワードと重み係数が記憶される。
【0103】
図12は、特定キーワードを記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。ここでの特定キーワードは、不動産取引に関連性のあるキーワードであり、不動産の取引需要のありそうな営業先企業候補を選定するために利用される。例えば特定キーワードは、不動産取引需要(例えば不動産の売買や賃貸などの需要やその潜在需要も含む)のある企業の経営情報に含まれる可能性のあるキーワードを設定することで、営業成功率の高い企業を選定できる。
【0104】
このような特定キーワードとしては、例えば企業の不動産取引の動向を予測するための「動向予測キーワード」、不動産流動化の必要性を理解してもらいやすい役員などがいる企業を探し出すための「キーマンキーワード」、不動産取引需要のありそうな不動産や不動産設備を所有する企業を探し出すための「設備状況キーワード」などが挙げられる。
【0105】
図12では、複数の特定キーワードが複数のキーワードグループGA1、GA2、・・・に分けられ、各キーワードグループGA1、GA2、・・・に重み係数WA1、WA2、・・・が関連付けられて記憶される。キーワードグループGA1、GA2、・・・は、例えば資産の効率化などに関連する「効率化系キーワード」、財務の改善などに関連する「財務系キーワード」などが挙げられる。「効率化系キーワード」には例えば上述した「資産効率化」などの特定キーワードが含まれる。「財務系キーワード」には例えば上述した「有利子負債削減」などが含まれる。これらのキーワードグループ毎に重み係数を設定することで、不動産取引に関連する企業経営上の特徴に応じて重み係数を関連づけることができる。
【0106】
例えばキーワードグループGA1の重み係数はWA1であり、キーワードグループGA2の重み係数はWA2である。例えば経営情報にキーワードグループGA2の特定キーワードが出現する場合の方が、キーワードグループGA1の特定キーワードが出現する場合よりも営業成功の可能性が高い場合には、重み係数WA2が重み係数はWA1よりも大きくなるように設定される。これにより、不動産取引に関連する企業経営の見知から不動産取引に対する関心の高さを反映させた経営情報の分析が可能となるので、営業先として有力な企業が選定されやすくなる。
【0107】
スコアデータベース145は、企業毎に各経営情報に関連づけられた特定キーワードの出現回数と営業先スコア(指標値)を記憶する。営業先スコアは、経営情報毎に算出され、例えばアプローチ情報として営業先企業候補の選定や表示順序を決めるのに利用される。営業先スコアは、各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数と重み係数とに基づいて算出される。具体的には、キーワードグループ毎に特定キーワードの出現回数から得られるワードヒット情報と重み係数から営業先スコアが算出される。ワードヒット情報は、キーワードグループ毎に、そのキーワードグループに含まれる各特定キーワードがどのくらい経営情報に含まれたか(ヒットしたか)の指標となる情報である。ワードヒット情報によれば、経営情報にどのキーワードグループの特定キーワードがどのくらい出現したかが分かる。
【0108】
ワードヒット情報としては、例えばキーワードグループに含まれるすべての特定キーワードの出現回数の総和である。ただし、これに限られず、例えばキーワードグループに含まれる特定キーワードのうちの1つでも経営情報に含まれれば、ワードヒット情報を1(ヒット)にするようにしてもよい。また、キーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数を正規化又は標準化した数値をワードヒット情報としてもよい。
【0109】
このように各キーワードグループのワードヒット情報と重み係数で営業先スコアを算出することで、経営情報にどのキーワードグループの特定キーワードがどのくらい出現したかによって営業先スコアが変わるようにすることができる。この点で、営業先スコアは特定キーワードのワードカバー率とも解することができる。このような営業先スコアの高い順に営業先企業候補をリストアップすることで、営業成功の可能性の高い順に企業リストを表示できる。
【0110】
ここで、このような営業先スコアを記憶するデータテーブルの構成例について
図13を参照しながら説明する。
図13のデータテーブルは、スコアデータベース145に記憶される。経営情報としてA社の経営計画書を取得して
図12の特定キーワードで分析した場合を例に挙げる。なお、営業先スコアを記憶するデータテーブルの構成は、
図13に示すものに限られない。
【0111】
図13のデータテーブルには、A社の経営計画書を分析する特定キーワード(特定KW)の出現回数HA11、HA12、・・・と営業先スコアSaを記憶する。
図13のデータテーブルには、企業ID、経営情報の種類、企業名などの経営計画書の基本情報、経営情報の分析に使用されたキーワードグループ、重み係数、特定キーワードなどの情報を記憶する。
【0112】
図13の出現回数HA11は、キーワードグループ(KWグループ)GA1の特定キーワードKA11の出現回数であり、出現回数HA21は、キーワードグループGA2の特定キーワードKA21の出現回数である。
図13における各キーワードグループのワードヒット情報は、例えばそのキーワードグループに含まれる各特定キーワードの出現回数の総和である。例えばHGA1は、キーワードグループGA1の特定キーワードの出現回数HA11、HA12、・・・をすべて足し算したものである。
図13のキーワードグループがn個の場合、そのワードヒット情報HGA1~HGAnと重み係数WA1~WAnから営業先スコアSaは下記数式(3)で表すことができる。ただし、営業先スコアSaの算出式は、下記数式(3)に限られない。
【0113】
Sa=HGA1×WA1+HGA2×WA2+・・・+HGAn×WAn
・・・(3)
【0114】
各キーワードグループの重み係数は、自由に設定できる。例えば熟練営業マンが自らの経験に基づいて重み係数を予め設定することで、不動産取引需要の可能性の高い有力な営業先企業の経営情報ほど営業先スコアが高くなるようにすることができる。上述したように第3実施形態では共通の特徴に応じて特定キーワードをグループ分けして重み係数を予め設定することので、企業経営の考え方の特徴や重要度を経営情報の営業先スコアに反映させることができる。これにより、不動産取引需要の可能性に応じた営業先スコアを取得できる。
【0115】
図11に示すように第3実施形態のキーワード判定部126は、情報取得部121で取得された経営情報に、キーワードデータベース144の特定キーワードが含まれるか否かを判定する特定キーワード判定を行い、経営情報の分析結果として営業先スコアを取得する。キーワード判定部126は、経営情報データベース143から経営情報の文書データを読み出して特定キーワード判定を行う。キーワード判定部126は、情報取得部121で取得された経営情報毎に特定キーワード判定を行って各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数をカウントし、カウントされた出現回数をスコアデータベース145に記憶する。
【0116】
キーワード判定部126は、特定キーワード判定による経営情報の分析結果として営業先スコアを取得する。具体的にはキーワード判定部126は、各キーワードグループにおける特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいて経営情報から営業先スコアを算出して取得する。キーワード判定部126は、取得した営業先スコアを経営情報に関連づけてスコアデータベース145に記憶する。
【0117】
企業選定部128は、キーワード判定部126によって経営情報に特定キーワードが含まれると判定された企業を営業先企業候補として選定する。営業先企業候補の選定には、上述した経営情報の営業先スコアが利用される。例えば企業選定部128は、スコアデータベース145に記憶された経営情報の営業先スコアが所定の閾値以上の企業を営業先企業候補として選定する。これによれば、上記所定の閾値を調整することで、営業先企業候補の数を調整できるので、例えば営業先スコアが低い営業先企業候補が多くなりすぎることを抑制できる。
【0118】
特定キーワードが1つも含まれない経営情報は、特定キーワードの出現回数がゼロなので営業先スコアもゼロになる。特定キーワードが1つでも含まれる経営情報の営業先スコアは1以上になる。そこで、営業先企業候補が少ない場合は、例えば経営情報の営業先スコアが閾値1以上の企業を営業先企業候補として選定するようにしてもよい。これにより、特定キーワードが1つでも含まれる企業を営業先企業候補として選定できるので、営業先企業候補を増やすことができる。
【0119】
出力部130は、企業選定部128で選定された営業先企業候補の企業リストを表示させる表示データを生成して出力する。出力部130は、経営情報の営業先スコアの高い順に企業リストを表示させる表示データを生成し出力する。表示データは、通信部11を介して端末装置20に送信される。端末装置20は、表示データに基づいて営業先企業候補の企業リストを表示する。なお、表示データはWeb画面データであってもよい。具体的には情報分析装置10は、Web画面に営業先企業候補をリスト表示させる。端末装置20はそのWeb画面データを受信してブラウザに表示する。
【0120】
次に、第3実施形態に係る情報分析装置10が行う第3機能による情報分析処理について
図14を参照しながら説明する。
図14は、情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。情報分析処理は、制御部12(情報取得部121、キーワード判定部126、企業選定部128、出力部130など)によってプログラム記憶部141から情報分析プログラムなどの必要なプログラムが読み出されて実行される。
【0121】
先ず
図14に示すステップS210にて制御部12は、各企業の経営情報を取得する。このステップS210は、
図6のステップS110の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。次いでステップS220にて制御部12は、情報取得部121で取得された経営情報の文書データのそれぞれについて特定キーワード判定を行う。特定キーワード判定では、各キーワードグループの特定キーワードが経営情報の文書データに含まれるか否かが判断され、特定キーワードの出現回数とその経営情報の営業先スコアが取得される。特定キーワード判定は、例えば
図15に示すように行われる。
【0122】
図15は、特定キーワード判定処理の具体例を示す図である。
図15に示すステップS221にて制御部12は、キーワードグループ毎に各特定キーワード(特定KW)の出現回数を取得する。具体的にはキーワード判定部126が、経営情報データベース143の経営情報の文書データを読み出して、その文書データにキーワードデータベース144にキーワードグループ毎に関連づけられた特定キーワードが含まれるか否かを判定し、特定キーワードの出現回数をカウントする。キーワード判定部126は、カウントされた出現回数を当該経営情報に関連づけてスコアデータベース145に記憶する。
【0123】
次にステップS222にて制御部12は、経営情報に関連づけられた特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいて当該経営情報の営業先スコアを算出する。具体的にはキーワード判定部126が、キーワードグループ毎に特定キーワードの出現回数から得られるワードヒット情報と重み係数から営業先スコアを算出し、当該経営情報に関連づけてスコアデータベース145に記憶する。ステップS222の営業先スコアの算出は、情報取得部121で取得したすべての経営情報の文書データについて行う。この営業先スコアが特定キーワード判定による経営情報の分析結果となる。
【0124】
次に
図14に示すステップS230にて制御部12は、特定キーワード判定による経営情報の分析結果から営業先企業候補を選定する。具体的には企業選定部128が、スコアデータベース145に記憶された経営情報の営業先スコアが所定の閾値以上の企業を営業先企業候補として選定する。なお、ステップS230の処理は、スコアデータベース145に記憶されたすべての企業について最新の経営情報の営業先スコアを対象にして行われる。これにより、常に最新の経営情報から営業先企業候補を選定できる。
【0125】
次にステップS240にて制御部12は、ステップS230で選定された企業を端末装置20に表示させる。具体的には出力部130が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、企業選定部128で選定された企業リストを端末装置20にアプローチ情報として表示させる。例えば出力部130は、選定された企業が営業先スコアの高い順に上位に表示されるように企業候補表示欄LSを表示させる表示データを生成し出力する。なお、ステップS240の処理は、端末装置20からアプローチ情報の表示リクエストを受信することで出力部130が実行するようにしてもよい。他方、ステップS210~ステップS230の処理は、特定の経営情報提供サイトの定期的なクローリングにより自動的に実行されるようにしてもよく、端末装置20からのリクエストで実行されるようにしてもよい。
【0126】
ここで、端末装置20の表示部26に表示される表示画面SCK3の具体例を
図16に示す。
図16は、第3実施形態の表示画面SCK3の具体例を示す図である。表示画面SCK3には企業候補表示欄LSとキーワード表示欄KSが表示され、キーワード表示欄KSには第1キーワード表示欄KS1と第2キーワード表示欄KS2が表示される。第1キーワード表示欄KS1には、企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードが表示され、第2キーワード表示欄KS2には、業界の動向を示すホットキーワードが表示される。
【0127】
図16では、表示画面SCK3を正面から見て、左側に企業候補表示欄LSが配置され、右側にキーワード表示欄KSが配置される。第1キーワード表示欄KS1と第2キーワード表示欄KS2は縦に並べて表示される。なお、企業候補表示欄LSと第1キーワード表示欄KS1と第2キーワード表示欄KS2の配置位置は図示した場合に限られず、どのような配置にしてもよい。
【0128】
企業候補表示欄LSには、営業先企業候補リストがアプローチ情報として表示される。この営業先企業候補リストでは、スコアが高い企業ほど上位に表示される。これにより、営業成功の可能性が高い企業ほど上位に表示できる。企業候補表示欄LSには、企業候補の件数(例えば80件見つかりました)、ページ切り替えボタンなどが表示される。リストに表示される個々の企業表示欄LS1には、例えば「日付」、「企業名」、「営業先スコア」などが表示される。なお、表示項目は、図示するものに限られず、例えば、「株式コード」、「上場市場」、「資本金」、「業種」、「業態」、「従業員数」、「決算日」、「所在地」、「営業情報」、「備考」などの項目を追加してもよい。また、検索期間の項目を設けてその項目に期間を入力可能とし、入力した期間内の経営情報の分析で選択された企業に絞り込んで表示できるようにしてもよい。
【0129】
第3実施形態の出力部130は、
図16に示すように企業候補表示欄LSにおいて特定された営業先企業候補を強調表示すると共に、その特定された営業先企業候補の個別情報(その企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードなど)を企業候補表示欄LSに並べて表示させる表示データを生成し出力する。これによれば、例えば企業候補表示欄LSにリスト表示される何れかの企業をクリックしたり、カーソルを合わせたりすることで企業が特定され、その特定された企業の個別情報が企業候補表示欄LSに並べて表示される。
【0130】
具体的には
図16の個々の企業表示欄LS1(個別企業表示枠)はそれぞれボタンになっていて、入力部25のマウスなどで企業表示欄LS1がクリックされるとその企業が特定され、その企業が強調表示(色の変更、網掛、字体変更など)される。さらに、その企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードが第1キーワード表示欄KS1に表示されると共に、その企業の業界の動向を示すホットキーワードが第2キーワード表示欄KS2に表示される。
図16は、個々の企業表示欄LS1の一番上にあるA社がクリックされた場合の表示例なので、第1キーワード表示欄KS1にはA社の不動産活用動向を示す不動産キーワードが表示され、第2キーワード表示欄KS2にはA社の業界の動向を示すホットキーワードが表示される。
図16でも、不動産キーワードとホットキーワードはそれぞれ、ワードスコアが高いものほど、例えば文字の大きさが大きくなるように強調して表示される。文字の位置や色はランダムでもよく、また共起の大きいほど近くなるようにしてもよい。
【0131】
そして、
図16の表示画面SCK3の営業先企業候補のうち、B社がクリックされると、第1キーワード表示欄KS1にはB社の不動産活用動向を示す不動産キーワードが表示され、第2キーワード表示欄KS2にはB社の業界の動向を示すホットキーワードが表示される。なお、
図16に示すように表示画面SCK3には「お問い合わせ」ボタンを表示してもよい。これにより、営業先企業候補リスト、不動産キーワード、ホットキーワードなどが表示される表示画面と同じ画面で、そのまま企業やその不動産の情報や企業についての問合せまで行うことができるようになる。
【0132】
このような第3実施形態によれば、不動産取引の可能性が高い営業先企業候補がリストアップされるだけなく、それぞれの企業のキーワード分析情報が並べて表示される。これにより、企業の経営情報から不動産取引需要の可能性のある企業が営業先企業候補として表示されると共に、その企業の個別情報として不動産取引や不動産活用に関連性のあるキーワードまで見える化されるので、その企業の不動産の取引動向や活用動向など一目で分かり、その企業の不動産に対する営業戦略を立てやすくすることができる。しかも、営業先企業候補を特定すればその企業の個別情報が表示される。具体的には営業先企業候補の企業を次々とクリックすれば、その企業の不動産の取引動向や活用動向に関連性のあるキーワードを次々と見ることができるので、所望の営業先企業を探しやすくなる。
【0133】
なお、第3実施形態の特定キーワード判定処理(
図14のステップS220)では、経営情報の文書データに含まれる特定キーワードの出現回数と重み係数に基づいて営業先スコアを算出する場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば機械学習や人工知能(AI:Artificial Intelligence)によって学習された学習済みモデルによって営業先スコアを取得するようにしてもよい。
【0134】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について説明する。第1実施形態では第1機能により企業の不動産活動動向を示すキーワードをその企業の個別情報として表示する場合を例示した。第4実施形態では第4機能により、
図14に示すように、営業先企業候補リストと共にそれらの企業の不動産物件の限定情報や地図情報までその企業の個別情報として表示する場合を例示する。
【0135】
第4機能は、企業の経営情報にある不動産の物件情報を特定の限定情報に絞って分析し、その限定情報や地図情報を表示させる機能である。ここでの「限定情報」は、企業の不動産物件を探すための必要最小限の情報である。
【0136】
図17は、第4実施形態の情報分析システム100の具体的構成例を示すブロック図である。
図17の情報分析装置10が
図2と異なるのは、制御部12に分析範囲特定部122の代わりに限定情報特定部123を設けた点と、記憶部14に需要情報データベース146(需要情報DB)と地図情報データベース147(地図情報DB)を設けた点である。
【0137】
ところで、従来より、不動産物件の情報を表示する場合、できるだけ多くの幅広い需要にマッチする物件を探せるように、できるだけ多くの情報を表示することが行われている。しかしながら、各物件についての情報が多いほど、真に必要な不動産を見つけるのは難しい。特に企業が所有する企業不動産を探すために必要な情報は限られているので、多くの情報が表示されるほど、探している物件を見つけるのは難しくなる。しかも、不動産情報の供給者によって入力された情報に限られる場合には、入力がない不動産情報については知ることもできない。
【0138】
そこで、第4機能では、企業の経営情報にある不動産の物件情報を特定の限定情報に絞って取得し、端末装置20に表示させる。これにより、所望の企業不動産を探すのに必要な情報が一目で分かり、真に必要な企業不動産を見つけやすくできる。ここでの「限定情報」は、企業の不動産物件を探すための必要最小限の情報である。このような「限定情報」としては少なくとも不動産物件の「所在」、「用途」、「用途地域」、「土地の規模」、「建物の規模」などが挙げられる。「所在」は、少なくとも都道府県と市区町村の情報があることが好ましい。「用途」は、「工場」や「倉庫」などの不動産の用途(アセット)である。「規模」は、「土地の規模」と「建物の規模」の情報があることが好ましい。これらは、企業の不動産を探すユーザにとって必要最小限の重要な情報である。
【0139】
ここでの「用途地域」は、建物の用途や建ぺい率、容積率などを規制する地域を言う。「用途地域」は、住居系・商業系・工業系を合わせて13種類ある。例えば工業系では、「工場地域」、「準工場地域」、「工業専用地域」などがある。「工業地域」は主として工業の利便を増進するため定める地域であり、「準工業地域」は主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域である。「工業専用地域」は工業の利便を増進するための地域である。このように「用途地域」は、その不動産にどのような規制があるかどうかを確認するためにも重要な情報である。
【0140】
経営情報の分析に用いる限定情報キーワードはキーワードデータベース144に記憶される。限定情報キーワードは、特定の限定情報を経営情報から取得するために利用されるキーワードである。
図18は、限定情報キーワードを記憶するのデータテーブルの構成例を示す図である。
図18のデータテーブルには、特定の限定情報キーワード限定情報キーワードLK1、LK2、・・・が予め設定される。なお、キーワードデータベース144の構成は、
図18に示すものに限られない。
【0141】
限定情報キーワードは、上述した特定の限定情報を経営情報から取得できるキーワードであることが好ましい。例えば限定情報キーワードとしては、「所在」、「用途」、「用途地域」、「規模」などが挙げられる。「所在」は、少なくとも都道府県と市区町村を取得するためのキーワードであり、「用途」は、「工場」や「倉庫」などの不動産の用途を取得するためのキーワードである。「規模」は、「土地の規模」と「建物の規模」に分けることが好ましい。これにより、土地の規模と建物の規模に分けて規模の情報を取得できる。「用途地域」は、上記のような不動産の「用途地域」の種類を取得するためのキーワードである。
【0142】
第4実施形態では、企業の経営情報をキーワード分析することで、経営情報から不動産物件の限定情報キーワードを含む記載欄を見つけて、その記載欄から限定情報の内容を取得する。なお、限定情報を取得するのに、必ずしも限定情報キーワードを利用しなくてもよい。有価証券報告書のように不動産物件の限定情報の記載欄が予め分かっている場合には、その記載欄から限定情報の内容を取得できる。また、限定情報の項目は、情報分析装置10の設定や端末装置20からの操作によって変更や追加ができるようにしてもよい。変更や追加がされた項目に応じて限定情報キーワードも変更や追加ができる。
【0143】
経営情報から取得した不動産物件の限定情報は、企業情報データベース142(企業情報DB)に企業毎に記憶される。企業情報データベース142には、経営情報から取得した不動産物件の限定情報だけではなく、端末装置20から入力された不動産物件の限定情報を記憶してもよい。これによれば、不動産物件を提供したいユーザが端末装置20から入力することもできる。この場合、情報分析装置10は、端末装置20から入力された限定情報を受信すると、企業情報データベース142に記憶する。なお、不動産物件の限定情報は、企業情報データベース142に記憶する場合に限られない。例えば記憶部14に図示しない物件情報データベース(物件情報DB)を別途設けて、不動産物件の限定情報を記憶するようにしてもよい。
【0144】
需要情報データベース146は、企業の不動産を探しているユーザの需要情報が記憶される。需要情報には、ユーザが探している不動産物件の限定情報(ニーズ)が含まれる。なお、需要情報データベース146には、ユーザの氏名、企業、メールアドレス、パスワードなどの登録情報を記憶させるようにしてもよい。不動産物件を探しているユーザは端末装置20から登録情報を入力して登録することで、企業の不動産物件を検索できるようになる。企業の不動産物件を検索する場合には、探している不動産物件について所望の限定情報を端末装置20から入力する。情報取得部121は、不動産物件を探しているユーザからの限定情報を端末装置20から受信すると、不動産物件の限定情報を含む需要情報を需要情報データベース146に記憶する。
【0145】
スコアデータベース145は、マッチング分析処理で得られるマッチングスコア(指標値)を記憶する。
図19は、スコアデータベース145を記憶するデータテーブルの構成例を示す図である。
図19のスコアデータベース145には、企業ID、企業名、経営情報の種類、物件(不動産物件)、位置情報(不動産の位置情報)、限定情報キーワード(限定情報KW)、とそのキーワード出現回数(KW出現回数)などが企業毎に関連付けられて記憶される。なお、マッチングスコアを記憶するデータベースの構成は、
図19に示すものに限られない。
【0146】
図19の物件L1、L2、・・・は、各物件を識別するための物件IDである。位置情報GL1、GL2、・・・は、GPS情報である。取得した限定情報のうち物件の「所在」情報からネットワークNを介してGPS情報を取得する。
図4の限定情報キーワードLK1、LK2、・・・は、
図18の限定情報キーワードであり、その内容がXL11、XL、・・・である。例えば
図20では不動産物件の限定情報が5個のみの場合であり、LK1が「所在」、LK2が「用途」、LK3が「用途地域」、LK4が「土地の規模」、LK5が「建物の規模」である。一番上の物件をL1とすれば、限定情報の内容は、XL11が「東京都○○区」、XL12が「工場」、XL13が「工場」、XL14が「2000坪」、XL15が「4000坪」である。XL13「工場」は用途地域の種類であり、「工場地域」のことである。2番目の物件L2の「準工業」は、「準工業地域」のことである。
【0147】
図4の評価MSLは、個々の限定情報の評価であり、マッチング分析処理で用いられる。マッチング分析処理では、不動産物件を探しているユーザからの限定情報と、企業の不動産物件の限定情報とを比較分析し、個々の限定情報がマッチする場合は評価を「1」、マッチしない場合は評価を「0」とする。
図4のMSL1は物件L1のマッチングスコアであり、MSL2は物件L2のマッチングスコアである。例えば物件L1のマッチングスコアMSL1は、すべての限定情報がマッチした場合の個数をMAとし、マッチした限定情報の個数をMBとすれば、下記数式(4)のように算出される。
【0148】
MSL1=(MB/MA)×100
…(4)
【0149】
図20の限定情報は全部で5個なので、1個マッチすると20%、2個マッチすると40%、3個マッチすると60%、4個マッチすると80%、5個すべてマッチすると100%となる。なお、マッチングスコアの算出方法は、上記に限定されない。
【0150】
図17の地図情報データベース147は、地図情報を記憶する。地図情報データベース147の地図情報は、物件の所在に基づいて外部の地図サーバ(図示略)からネットワークNを介して取得したものであってもよく、予め地図情報データベース147に記憶しておいてもよい。例えば
図20に示すように物件の所在を地図上に表示する場合には、その物件のGPS情報に基づく地図上の位置にその物件のマッチングスコアの数字を重ねて表示するようにしてもよい。
【0151】
このような経営情報から取得した不動産物件の限定情報を表示した表示画面SDK1の具体例を
図20に示す。
図20は、端末装置20に表示される表示画面SDK1の具体例を示す図である。表示画面SDK1には、限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMとが表示される。限定情報表示欄BLには、マッチングスコアが所定値以上の企業の不動産物件のリストが限定情報と共に表示される。不動産物件は、マッチングスコアが高い順ほど上位に表示される。
図20は不動産物件の限定情報が5個のみの場合であり、5個の項目は「所在」、「用途」、「用途地域」、「土地の規模」、「建物の規模」である。地図情報表示欄BMには、地図情報からの地図と、その地図上の不動産物件の位置に重ねられたマッチングスコアが表示される。
【0152】
図20に示すように限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMは表示画面SDK2に対して横に並べて配置される。なお、限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMの配置位置は図示した場合に限られず、例えば縦に並べて配置してもよい。このように、限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMとを並べて表示することで、その企業の不動産物件の情報が非常に見やすく分かり易い。これは物件の情報が必要最小限の限定情報(
図20では5個のみ)に絞り込まれているからであり、多くの情報を表示する場合に比較して非常に見やすくなる。また、マッチングスコアを地図上の所在地に重ねて表示することで、限定情報と見比べることができるので、ニーズにマッチした物件が一目で探せる。
【0153】
第4実施形態の情報取得部121は、端末装置20から不動産物件の限定情報を含む需要情報を取得して、需要情報データベース146に記憶する。また情報取得部121は、ユーザの氏名、企業、メールアドレス、パスワードなどの登録情報を取得して、需要情報データベース146に記憶する。また、情報取得部121は、限定情報から得られる物件の所在に基づいてその所在を含む地図情報を取得する。情報取得部121は、外部の地図サーバ(図示略)からネットワークNを介して地図情報を取得する。
【0154】
限定情報特定部123は、経営情報の不動産物件情報から限定情報を特定する。具体的には限定情報特定部123は、限定情報キーワードに基づいて経営情報の不動産物件情報から限定情報の記載欄を特定する。なお、不動産物件の限定情報の項目は、端末装置20によるユーザからの指示で変更できるようにしてもよい。
【0155】
分析部124は、それぞれの企業の経営情報の不動産物件情報から限定情報を分析して抽出する。具体的には、限定情報特定部123で特定された限定情報の記載欄から限定情報の内容を分析して抽出する。なお、有価証券報告書のように不動産物件情報の記載欄が予め分かっている経営情報では、分析部124はその不動産情報の記載欄から限定情報の内容を取得するようにしてもよい。
【0156】
分析部124は、マッチングスコアを算出するマッチング分析処理を行う。マッチング分析処理は、不動産物件を探しているユーザからの限定情報と、企業の不動産物件の限定情報とを比較分析し、その結果に基づいてマッチングスコアを算出する。分析部124は、算出したマッチングスコアをスコアデータベース145に記憶する。
【0157】
出力部130は、分析部124で抽出された限定情報と共に物件リストとマッチングスコアを含む限定情報表示欄をその企業の個別情報として表示する表示データを生成し出力する。表示データには、物件のGPS情報に基づく地図上の位置に分析部124で算出されたその物件のマッチングスコアの数字を重ねて表示する地図情報表示欄も含まれる。表示データは、通信部11を介して端末装置20に送信される。端末装置20は、表示データに基づいてキーワードを表示する。なお、表示データはWeb画面データであってもよい。具体的には情報分析装置10は、Web画面にキーワードを表示させる。端末装置20はそのWeb画面データを受信してブラウザに表示する。
【0158】
次に、第4実施形態に係る情報分析装置10が行う情報分析処理について
図21を参照しながら説明する。
図21は、情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。情報分析処理は、制御部12(情報取得部121、限定情報特定部123、分析部124、出力部130など)によってプログラム記憶部141から情報分析プログラムなどの必要なプログラムが読み出されて実行される。
【0159】
先ず
図21に示すステップS110にて制御部12は、各企業の経営情報を取得する。具体的には情報取得部121が、経営情報提供サーバ30から通信部11を介して各企業の経営情報の文書データを取得して経営情報データベース143に記憶する。情報取得部121は、取得した経営情報が文字列検索(テキスト検索)できる文書データ(テキストを含むPDF、XML、XBRLなど)の場合はそのまま経営情報データベース143に記憶し、文字列検索できない文書データ(文書が画像として取り込まれたPDFなど)の場合は文字列検索できるデータに変換して経営情報データベース143に記憶する。
【0160】
次いでステップS120にて制御部12は、情報取得部121で取得した経営情報から不動産物件の限定情報を特定する。具体的には限定情報特定部123が、経営情報の不動産物件情報から限定情報を特定する。例えば限定情報特定部123は、限定情報キーワードに基づいて経営情報の不動産物件情報から限定情報の記載欄を特定する。
【0161】
次にステップS130にて制御部12は、情報取得部121で取得した経営情報から不動産物件の限定情報を分析して抽出する。具体的には分析部124が、限定情報特定部123で特定された限定情報の記載欄から限定情報の内容を分析して抽出し、企業情報データベース142に記憶する。
【0162】
次いでステップS140にて制御部12は、マッチング分析処理を行う。具体的には分析部124が、ユーザの需要情報に含まれる不動産物件の限定情報と、企業情報データベース142に記憶された企業の不動産物件の限定情報との比較分析し、その結果に基づいてマッチングスコアを算出する。マッチング分析処理は例えば
図22に示すように行われる。
【0163】
図22は、マッチング分析処理の具体例を示すフローチャートである。マッチング分析処理では、先ずステップS141にて情報取得部121が、端末装置20から不動産物件の限定情報を含む需要情報を取得して、需要情報データベース146に記憶する。次にステップS142にて需要情報に含まれる不動産物件の限定情報(ニーズ)に基づいてマッチングスコアを算出する。具体的には分析部124が、需要情報に含まれる不動産物件の限定情報と、企業情報データベース142に記憶企業の不動産物件の限定情報とを比較分析して、マッチングスコアを算出し、スコアデータベース145に記憶する。このマッチングスコアがマッチング分析の分析結果になる。
【0164】
次に
図21に示すステップS150にて制御部12は、マッチング分析の分析結果を端末装置20に表示させる。具体的には出力部130が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、
図20に示すようにマッチングスコアが限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMに表示される。具体的には出力部130は、分析部124で抽出された限定情報と共に物件リストを表示させる限定情報表示欄BLと、物件のGPS情報に基づく地図上の位置に分析部124で算出されたその物件のマッチングスコアの数字を重ねて表示する地図情報表示欄BMとを含む表示データを生成し出力する。ステップS110~S150の処理は、端末装置20からのリクエストで実行される。また、ステップS110~S130の処理は、特定の経営情報提供サイトの定期的なクローリングにより自動的に実行されるようにしてもよい。
【0165】
以上のような第4実施形態に係る情報分析装置10によれば、企業の不動産物件情報から特定された限定情報を分析して表示するから、個々の物件の多くの情報から特定の限定情報に絞りこんで表示させることができる。これによれば、特定の限定情報がその企業の個別情報として見える化されるので、より多くの情報を盛り込もうとする従来に比較して、真に必要な不動産物件を一目で見つけやすくできる。また不動産物件の限定情報は企業の不動産物件を探すための必要最小限の情報であり、そのような少ない情報でマッチングを行うことができるので、より多くの情報とマッチングする場合に比較して、ニーズに合う不動産がマッチしやすい。これにより、ニーズに合う不動産を見つけやすくなる。
【0166】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について説明する。第4実施形態では、
図20に示すような企業の不動産物件の限定情報を表示する第4機能について例示したが、第5実施形態では、第4機能の変形例として
図23に示すような地域の不動産物件の限定情報までその企業の個別情報として表示する場合を例示する。
【0167】
図23は、第5実施形態において端末装置20に表示される表示画面SDK2の具体例を示す図である。
図23では、
図20の限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMが正面から見て右側に、縦に並べて表示される。
図23では、地図上に地域毎の不動産物件数を重ねた物件数表示欄BC1が表示される。
図23の不動産物件数をクリックすると、限定情報物件数表示欄BC2が表示される。物件数表示欄BC1によれば、地域ごとの不動産物件数が一目で分かる。しかも、限定情報物件数表示欄BC2によれば、その内訳として限定情報の項目毎に物件数が分かるので、ニーズにマッチした物件の当たりをつけやすい。
【0168】
図23では、神奈川県○○の地域にある300件(太丸部分)をクリックした場合である。
図23の限定情報物件数表示欄BC2には、神奈川県○○の地域の物件数300件だけでなく、その内訳として限定情報の項目毎の物件数(土地200件、建物30件、工場20件、倉庫50件)が表示される。これらのうちマッチングスコアが所定値以上の物件リストが限定情報表示欄BLに表示され、その物件の地図情報が地図情報表示欄BMに表示される。これによれば、当たりをつけた地域の具体的な限定情報表示欄とマッチングスコアが地図上に重ねられた地図情報表示欄が表示されるので、当たりをつけた地域でニーズにマッチした物件を一目で見つけやすくなる。
【0169】
このような第5実施形態のキーワードデータベース144には、
図18に示すような限定情報キーワードだけでなく、
図24に示すような地域毎に関連付けられた限定情報キーワードとその物件数が記憶される。
図24は、第5実施形態の限定情報のデータテーブルの構成例を示す図である。
図24にはその地域の物件数の総数である地域物件数も記憶される。例えば
図24のデータテーブルによれば、東京都○○の地域では、限定情報キーワードLK1の物件数はLA1であり、限定情報キーワードLK2の物件数はLA2である。地域物件数LGA1は、東京都○○の地域における個々の限定情報の物件数の総数である。
【0170】
このような第5実施形態の情報分析装置10が行う情報分析処理について図面を参照しながら説明する。
図25は、第5実施形態の情報分析処理の具体例を示すフローチャートである。
図25の情報分析処理において、ステップS161~ステップS163の処理はそれぞれ、ステップS110~ステップS130の処理と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
図25の情報分析処理では、ステップS161~ステップS163の処理を、地域を特定して行うことによって、その地域にある企業の経営情報から不動産の限定情報を取得する。なお、第4実施形態と同様に、不動産物件を提供したいユーザが端末装置20から入力した限定情報を受信して取得するようにしてもよい。
【0171】
そして、ステップS164にて制御部12は、特定の地域の分析処理が終了したか否かを判断し、分析処理が終了と判断した場合はステップS165にて制御部12は、その地域の地図情報を取得する。次いでステップS166にて制御部12は、地図上に地域毎の不動産物件数を重ね、ステップS167にてその分析結果を端末装置20に表示させる。具体的には、出力部130が、表示データを生成して端末装置20に送信することで、
図23に示すように地図上に地域毎の不動産物件数を重ねられた物件数表示欄BC1が表示される。
【0172】
このような第5実施形態によれば、
図23に示すような地図上に地域毎の不動産物件数を重ねた物件数表示欄が表示されるので、地域ごとの不動産物件数が一目で分かる。しかも、限定情報物件数表示欄BC2によれば、その内訳として限定情報の項目毎に物件数が分かるので、ニーズにマッチした企業不動産物件の当たりをつけやすい。
【0173】
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態では、複数の企業の経営情報を分析することで、不動産取引の可能性の高い企業を選定した営業先企業候補リストを端末装置20に表示させる第3機能を、上記第4機能に組み合わせる場合を例示する。これによれば、その営業先企業候補リストに挙げられた企業のうち、カーソルを合わせたりクリックしたりして特定された企業の個別情報(その企業の不動産物件情報の限定情報や地図情報など)を端末装置20の同じ表示画面に表示させるようにすることができる。
【0174】
このような第6実施形態の情報分析装置10について図面を参照しながら説明する。
図26は、第6実施形態の情報分析装置の具体的構成例を示すブロック図である。
図26において、
図17と異なるのは、制御部12にキーワード判定部126と企業選定部128を設けた点である。第6実施形態のキーワードデータベース144(キーワードDB)には、特定キーワードと重み係数が記憶される。なお、これらの構成については、
図11と同様であるため、詳細な説明を省略する。第6実施形態が行う第3機能による情報分析処理は
図14及び
図15と同様であり、第4機能による情報分析処理は
図21及び
図22と同様である。
【0175】
第6実施形態において、端末装置20の表示部26に表示される表示画面SDK3の具体例を
図27に示す。
図27は、第6実施形態の表示画面SDK3の具体例を示す図である。表示画面SDK3には、企業候補表示欄LSと限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMとが表示される。限定情報表示欄BLには、企業の不動産物件情報として限定情報とマッチングスコアが表示される。地図情報表示欄BMには、限定情報表示欄BLに表示された物件の地図情報が表示される。
【0176】
図27では、表示画面SDK3を正面から見て、左側に企業候補表示欄LSが配置され、右側に限定情報表示欄BL及び地図情報表示欄BMが配置される。限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMとは縦に並べて表示される。なお、企業候補表示欄LSと限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMの配置位置は図示した場合に限られず、どのような配置にしてもよい。
【0177】
企業候補表示欄LSには、営業先企業候補リストがアプローチ情報として表示される。この営業先企業候補リストでは、スコアが高い企業ほど上位に表示される。これにより、営業成功の可能性が高い企業ほど上位に表示できる。企業候補表示欄LSには、企業候補の件数(例えば80件見つかりました)、ページ切り替えボタンなどが表示される。リストに表示される個々の企業表示欄LS1には、例えば「日付」、「企業名」、「営業先スコア」などが表示される。なお、表示項目は、図示するものに限られず、例えば、「株式コード」、「上場市場」、「資本金」、「業種」、「業態」、「従業員数」、「決算日」、「所在地」、「営業情報」、「備考」などの項目を追加してもよい。また、検索期間の項目を設けてその項目に期間を入力可能とし、入力した期間内の経営情報の分析で選択された企業に絞り込んで表示できるようにしてもよい。
【0178】
第6実施形態の出力部130は、
図27に示すように企業候補表示欄LSにおいて特定された営業先企業候補を強調表示すると共に、その特定された営業先企業候補の個別情報(その企業の不動産物件情報の限定情報や地図情報など)を企業候補表示欄LSに並べて表示させる表示データを生成し出力する。これによれば、例えば企業候補表示欄LSにリスト表示される何れかの企業をクリックしたり、カーソルを合わせたりすることで企業が特定され、その特定された企業の個別情報が企業候補表示欄LSに並べて表示される。
【0179】
具体的には
図27の個々の企業表示欄LS1(個別企業表示枠)はそれぞれボタンになっていて、入力部25のマウスなどで企業表示欄LS1がクリックされると、その企業の所有する不動産物件の限定情報とマッチングスコアが限定情報表示欄BLに表示されると共に、その物件の地図情報が地図情報表示欄BMに表示される。
図27は、個々の企業表示欄LS1の一番上にあるA社がクリックされた場合の表示例なので、限定情報表示欄BLにはA社の不動産物件情報として限定情報とマッチングスコアが表示され、その物件の地図情報が地図情報表示欄BMに表示される。
【0180】
そして、
図27の表示画面SDK3の営業先企業候補のうち、B社がクリックされるとそのB社が特定され、そのB社が強調表示(色の変更、網掛、字体変更など)される。さらに、限定情報表示欄BLにはB社の不動産物件情報として限定情報とマッチングスコアが表示され、その物件の地図情報が地図情報表示欄BMに表示される。なお、
図27に示すように表示画面SDK3には「お問い合わせ」ボタンを表示してもよい。これにより、営業先企業候補リスト、不動産物件の限定情報、地図情報などが表示される表示画面と同じ画面で、そのまま企業やその不動産の情報や企業についての問合せまで行うことができるようになる。
【0181】
このような第6実施形態によれば、不動産取引の可能性が高い営業先企業候補がリストアップされるだけなく、それぞれの企業の不動産物件の限定情報とマッチングスコアとその地図情報が並べて表示される。これにより、企業の経営情報から不動産取引需要の可能性のある企業を営業先企業候補として表示されると共に、その企業の個別情報として不動産物件情報として限定情報とマッチングスコアまで見える化されるので、最小限必要な物件情報が一目で分かり、所望の企業不動産を所有する企業を見つけやすくなる。しかも、営業先企業候補を特定すればその企業の個別情報が表示される。具体的には営業先企業候補の企業を次々とクリックすれば、その企業が所有する不動産物件の限定情報を次々と見ることができるので、所望の営業先企業を探しやすくなり、その営業先企業への営業戦略も立てやすくなる。
【0182】
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態について説明する。第7実施形態では、不動産取引に関連性のある特定キーワードを利用して経営情報を分析することで営業先企業候補をリスト表示する第3機能を、上記第1機能と上記第4機能に組み合わせる場合を例示する。これによれば、その営業先企業候補リストに挙げられた企業のうち、カーソルを合わせたりクリックしたりして特定された企業の個別情報(その企業の不動産活用動向を示す不動産キーワードや業界動向を示すホットキーワード、さらにその企業の不動産物件情報の限定情報や地図情報まで)を端末装置20の同じ表示画面に表示させるようにすることができる。
【0183】
図20は、第7実施形態の情報分析装置の具体的構成例を示すブロック図である。
図20の情報分析装置10が
図15と異なるのは、制御部12に限定情報特定部123だけでなく、分析範囲特定部122も設けた点である。
【0184】
図21は、第7実施形態の表示画面SDK4の具体例を示す図である。表示画面SDK4には、企業候補表示欄LSと限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMと第1キーワード表示欄KS1とが表示される。これによれば、企業候補表示欄LSに営業先企業候補リストが表示され、その企業の不動産物件の限定情報と地図情報が限定情報表示欄BLと地図情報表示欄BMに表示され、さらにその企業の不動産活用動向を把握するキーワードが第1キーワード表示欄KS1に表示される。
【0185】
これによれば、営業先企業候補リストに表示された不動産取引需要の可能性が高い企業が所有する不動産物件の限定情報とマッチングスコア、さらにその企業の不動産活用動向まで一目で把握できる。したがって、熟練営業マンの経験と勘に頼らなくても、その企業への有力な不動産営業戦略を立てることができ、その企業の要望にあったプランを提示することで、営業成功率を高めることができる。しかも、その企業の不動産活用動向が一目で分かるようにキーワードを表示できるので、戦略立案にかかる時間と手間を大幅に省くことができ、営業活動を効率化できる。
【0186】
なお、第1機能乃至第4機能以外にも外部機能をリンクするようにしてもよい。例えば
図21には、地図情報表示欄BMに外部機能のリンクのバナー(土地汚染レポート)を貼っている。このバナーをクリックすることにより、土地汚染レポートを提供する外部サービスのサイトが開くようにしてもよい。なお、土地汚染レポート以外でも、都市計画等に係る情報、空中写真変遷、ハザードマップなどの外部サービスへのリンクのバナーを貼るようにしてもよい。これにより、さらにサービスを広げることができる。
【0187】
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、各種の応用・変形が可能である。また、これらの変形の態様および上述した各実施形態は、任意に選択された一または複数を適宜組み合わせることも可能である。また当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0188】
上記第1実施形態乃至第7実施形態において、複数の企業の経営情報を分析して得られる情報を表示する複数の機能(第1機能乃至第4機能)を例示したが、これらの第1機能乃至第4機能は、任意に選択された一または複数を適宜組合せて、同じ表示画面に表示させることが可能である。上述した各実施形態での組合せの他にも、例えば不動産キーワードを表示する第1機能やホットキーワードを表示する第2機能を、その企業が所有する不動産物件の限定情報を表示する第4機能に組合せて同じ表示画面に表示することもできる。これらの組合せによれば、企業の個別情報としてその企業が所有する不動産物件の限定情報と同じ表示画面に、その企業の不動産キーワードや業界のホットキーワードが表示され、その不動産物件の取引動向や活用動向なども一目で予測できるので、その企業への営業戦略も立て易くなる。
【符号の説明】
【0189】
10…情報分析装置、11…通信部、12…制御部、14…記憶部、20…端末装置、21…通信部、22…制御部、24…記憶部、25…入力部、26…表示部、30…経営情報提供サーバ、100…情報分析システム、121…情報取得部、122…分析範囲特定部、123…限定情報特定部、124…分析部、126…キーワード判定部、128…企業選定部、130…出力部、141…プログラム記憶部、142…企業情報データベース、143…経営情報データベース、144…キーワードデータベース、145…スコアデータベース、146…需要情報データベース、147…地図情報データベース、150…出力部、KS…キーワード表示欄、KS1…第1キーワード表示欄、KS2…第2キーワード表示欄、BC1…物件数表示欄、BC2…限定情報物件数表示欄、BL…限定情報表示欄、BM…地図情報表示欄、LS…企業候補表示欄、LS1…企業表示欄、N…ネットワーク。