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  • 特許-表面検査システム、装置、および方法 図1
  • 特許-表面検査システム、装置、および方法 図2A
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  • 特許-表面検査システム、装置、および方法 図3B
  • 特許-表面検査システム、装置、および方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】表面検査システム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20240209BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019045699
(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2019194570
(43)【公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】15/927,591
(32)【優先日】2018-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョージソン, ゲイリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】マッキーヴァー, キース エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラザフォード, ポール エス.
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-075618(JP,A)
【文献】特表2007-503582(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106769995(CN,A)
【文献】特開2016-014561(JP,A)
【文献】特開2016-041577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
21/17-21/61
21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面検査のための装置(100)であって、
表面(102)に結合された表面特徴部(104)に近接して前記表面(102)上に配置された表面層(106)を有する前記表面(102)に向けてエネルギーを放出するように配向されたテラヘルツエミッタ(108)と、
前記表面(102)によって反射された、前記テラヘルツエミッタ(108)からのテラヘルツエネルギーを受け取るように位置決めされ検出器(110)と、
前記検出器(110)と信号通信している計算デバイス(112)であって、前記検出器(110)からの信号を用いて前記表面特徴部(104)を検出するように構成されている計算デバイス(112)と、
を備え、
前記テラヘルツエミッタ(108)および前記検出器(110)が、ロボットアーム(202)のエンドエフェクタ(204)に結合され、前記検出器(110)は、前記テラヘルツエミッタ(108)よりも前記エンドエフェクタ(204)の径方向内側に位置決めされており、前記エンドエフェクタ(204)は、前記装置(100)、前記表面(102)および前記表面特徴部(104)のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分の上で回転させるように構成されている、装置(100)。
【請求項2】
前記計算デバイス(112)が、前記検出器(110)からの前記信号を用いて前記表面特徴部(104)の位置を特定するように構成されている、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記計算デバイス(112)が、前記検出器(110)からの前記信号を用いて前記表面特徴部(104)に近接した前記表面(102)の劣化部(302,304)を特定するように構成されている、請求項1または2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記検出器(110)からの前記信号が、
テラヘルツエネルギーが前記検出器(110)によって受け取られる位置、
前記テラヘルツエミッタ(108)から前記検出器(110)への前記テラヘルツエネルギーの飛行時間、
前記テラヘルツエネルギーの周波数の変化、
前記テラヘルツエネルギーの減衰、および
前記テラヘルツエネルギーの方向変化、
のうちの少なくとも1つを特定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記計算デバイス(112)が、前記表面特徴部(104)に近接した前記表面(102)の状態を決定するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
表面検査のためのシステム(200,300)であって、
ロボットアーム(202)と、
前記ロボットアーム(202)の処理端部に結合されたエンドエフェクタ(204)と、
前記エンドエフェクタ(204)に結合された表面検査のための装置(100)と、
を備え、前記装置(100)が、
表面特徴部(104)に近接して表面(102)上に配置された表面層(106)を有する前記表面(102)に向けてテラヘルツエネルギーを放出するように配向されたテラヘルツエミッタ(108)と、
前記表面(102)によって反射された、前記テラヘルツエミッタ(108)からの前記テラヘルツエネルギーを受け取るように位置決めされ、且つ前記テラヘルツエミッタ(108)よりも前記エンドエフェクタ(204)の径方向内側に位置決めされた検出器(110)と、
前記検出器(110)と信号通信している計算デバイス(112)であって、前記検出器(110)からの信号を用いて前記表面特徴部(104)を検出するように構成されている計算デバイス(112)と、
を備え、
前記エンドエフェクタ(204)は、前記装置(100)を回転させるように構成されている、システム。
【請求項7】
前記計算デバイス(112)が、表面検査のための前記装置(100)を前記表面特徴部(104)と位置合わせするように構成されている、請求項6に記載のシステム(200,300)。
【請求項8】
前記ロボットアーム(202)が、独立して位置決め可能な可動デバイスに取り付けられている、請求項6または7に記載のシステム(200,300)。
【請求項9】
表面検査のための方法(500)であって、
表面(102)上に配置された表面層(106)を有する前記表面(102)に対して表面検査のための装置(100)を位置決めすること(502)であって、前記装置(100)は、ロボットアーム(202)のエンドエフェクタ(204)に結合されているテラヘルツエミッタ(108)および検出器(110)を備え、前記検出器(110)は、前記テラヘルツエミッタ(108)よりも前記エンドエフェクタ(204)の径方向内側に位置決めされている、ことと、
前記装置(100)の回転中に前記テラヘルツエミッタ(108)からテラヘルツエネルギーを放出して(504)、前記表面層(106)を通って前記表面(102)に衝突させることと、
前記検出器を用いて、前記表面(102)から反射されたテラヘルツエネルギーを検出すること(506)と、
反射された前記テラヘルツエネルギーの分析に基づいて前記表面層(106)を通って前記表面(102)の表面特徴部(104)を検出すること(508)であって、前記表面(102)および前記表面特徴部(104)のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分の上で前記装置を回転させることによって、前記表面(102)の前記表面特徴部(104)を検出することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記表面特徴部(104)と位置合わせされるように表面検査のための前記装置(100)を再位置決めすることと、
前記表面特徴部(104)に近接した前記表面(102)の状態を検出することと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、部品の表面検査に関し、より詳細には、部品の非破壊表面検査に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物が古くなるにつれて、構造物の状態を評価するための定期的なチェックが、疲労点や摩耗点を特定するのに役立つ。試験が、技術者または他の訓練を受けた人による目視検査を通して実施されてもよい。スキャナを組み込んだ拡張されたシステムを使用して、検査を少なくとも部分的に自動化することによって検出を改善することができる。現行の目視および拡張された検査システムを使用して、下にある表面を検査するために、密封剤、接着剤、および他の表面層を貫くことは、困難であり、時には不可能であり得る。多くの場合、表面層は、強力な化学薬品の使用または手作業による労力をかけて除去しなければならない。そのような表面層の除去は、費用と時間がかかる可能性があり、検査後に表面層の再塗布を必要とすることがある。
【発明の概要】
【0003】
本出願の主題は、現在の技術水準に対応して、詳細には、表面検査のための従来のシステム、装置、および方法に関連する問題および不都合に対応して開発された。したがって、本出願の主題は、先行技術の上記の欠点の少なくともいくつかを克服する表面検査装置、システム、および方法を提供するために開発された。
【0004】
表面検査のための装置が、本明細書に記載されている。 この装置は、テラヘルツエミッタ、検出器、および計算デバイスを含む。テラヘルツエミッタは、表面特徴部に近接して表面上に配置されている表面層を有する表面に向けてエネルギーを放出するように配向されている。検出器は、表面によって反射されたテラヘルツエミッタからのエネルギーを受け取るように位置決めされている。計算デバイスは、検出器と信号通信しており、検出器からの信号を使用して表面特徴部を検出するように構成されている。 この段落の上記主題は、本開示の実施例1を特徴付ける。
【0005】
計算デバイスは、検出器からの信号を用いて表面特徴部の位置を特定するように構成されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例2を特徴付け、実施例2は、上記実施例1による主題を、さらに含む。
【0006】
計算デバイスは、検出器からの信号を用いて表面特徴部に近接した劣化部を特定するように構成されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例3を特徴付け、実施例3は、上記実施例1または2のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0007】
検出器からの信号は、テラヘルツエネルギーが検出器によって受け取られる位置、テラヘルツエミッタから検出器へのエネルギーの飛行時間、エネルギーの周波数の変化、およびエネルギーの方向変化のうちの少なくとも1つを含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例4を特徴付け、実施例4は、上記実施例1から3のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0008】
テラヘルツエミッタは、単一のエミッタを含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例5を特徴付け、実施例5は、上記実施例1から4のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0009】
テラヘルツエミッタは、少なくとも2つのエミッタを含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例6を特徴付け、実施例6は、上記実施例1から5のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0010】
表面は、金属材料を含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例7を特徴付け、実施例7は、上記実施例1から6のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0011】
表面特徴部は、ファスナを含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例8を特徴付け、実施例8は、上記実施例1から7のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0012】
計算デバイスは、表面特徴部に近接した表面の状態を決定するように構成されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例9を特徴付け、実施例9は、上記実施例1から8のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0013】
テラヘルツエミッタおよび検出器のうちの少なくとも一方が、ロボットアームのエンドエフェクタに結合されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例10を特徴付け、実施例10は、上記実施例1から9のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0014】
テラヘルツエミッタおよび検出器のうちの少なくとも一方が、手動システムに結合されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例11を特徴付け、実施例11は、上記実施例1から10のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0015】
表面検査のためのシステムが、本明細書にさらに記載されている。このシステムは、ロボットアーム、エンドエフェクタ、および表面検査のための装置を含む。エンドエフェクタは、ロボットアームの処理端部に結合されている。表面検査のための装置は、エンドエフェクタに結合されている。装置は、テラヘルツエミッタ、検出器、および計算デバイスを含む。テラヘルツエミッタは、表面特徴部に近接して表面上に配置されている表面層を有する表面に向けてテラヘルツエネルギーを放出するように配向されている。検出器は、表面によって反射されたテラヘルツエミッタからのテラヘルツエネルギーを受け取るように位置決めされている。計算デバイスは、検出器と信号通信しており、検出器からの信号を使用して表面特徴部を検出するように構成されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例12を特徴付ける。
【0016】
計算デバイスは、表面検査のための装置を表面特徴部と位置合わせするように構成されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例13を特徴付け、実施例13は、上記実施例12の主題を、さらに含む。
【0017】
エンドエフェクタは、表面の検査中に表面検査のための装置を回転させるように構成されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例14を特徴付け、実施例14は、上記実施例12または13の主題を、さらに含む。
【0018】
ツールが、表面で動作を実行するように、エンドエフェクタに結合されている。この段落の上記主題は、本開示の実施例15を特徴付け、実施例15は、上記実施例12から14のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0019】
表面層は、密封剤、塗料、および接着剤のうちの少なくとも1つを含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例16を特徴付け、実施例16は、上記実施例12から15のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0020】
ロボットアームは、独立して位置決め可能な可動デバイスに取り付けられている。この段落の上記主題は、本開示の実施例17を特徴付け、実施例17は、上記実施例12から16のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0021】
表面検査のための方法が、本明細書にさらに記載されている。この方法は、表面上に配置された表面層を有する表面に対して表面検査のための装置を位置決めすることを含む。この方法は、表面層を通って表面に衝突するように、テラヘルツエネルギーを放出することを、さらに含む。この方法は、表面から反射されたテラヘルツエネルギーを検出することを、さらに含む。この方法は、反射されたテラヘルツエネルギーの分析に基づいて表面層を通って表面の表面特徴部を検出することを、さらに含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例18を特徴付ける。
【0022】
この方法は、表面特徴部と位置合わせされるように表面検査のための装置を再位置決めすることと、表面特徴部に近接した表面の状態を検出することとを、さらに含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例19を特徴付け、実施例19は、上記実施例18による主題を、さらに含む。
【0023】
表面特徴部は、ファスナを含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例20を特徴付け、実施例20は、上記実施例18または19のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0024】
この方法は、表面特徴部にツールを位置決めすることと、ツールを用いて動作を実行することとを、さらに含む。この段落の上記主題は、本開示の実施例21を特徴付け、実施例21は、上記実施例18から20のいずれか1つによる主題を、さらに含む。
【0025】
本開示の主題の説明された特徴、構造、利点、および/または特性は、1つ以上の実施形態および/または実施態様において任意の適切な方法で組み合わせられ得る。以下の説明では、本開示の主題の実施形態の完全な理解を伝えるために、多数の特定の詳細が提供される。当業者は、本開示の主題が、特定の実施形態または実施態様の特定の特徴、詳細、構成要素、材料、および/または方法のうちの1つ以上を用いずに実施され得ることを、認識するであろう。他の例では、追加の特徴および利点が、特定の実施形態および/または実施態様において認識され、これらは、全ての実施形態または実施態様に存在していなくてもよい。さらに、いくつかの例では、本開示の主題の態様を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造、材料、または動作が、詳細には示されていない、または記載されていない。本開示の主題の特徴および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または以下に記載されるように主題の実施によって知ることができる。
【0026】
主題の利点が、より容易に理解され得るように、上で簡潔に記載された主題のより詳細な説明が、添付の図面に示される特定の実施形態を参照することによって提供される。これらの図面は主題の典型的な実施形態のみを描写し、したがってその範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解した上で、主題が、図面を使用してさらなる具体性および詳細を伴って記載および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の1つ以上の例による、表面検査のための装置のブロック図である。
図2A】本開示の1つ以上の例による、表面検査のためのシステムのブロック図である。
図2B】本開示の1つ以上の例による、図2Aのシステムの断面図のブロック図である。
図3A】本開示の1つ以上の例による、表面検査のためのシステムのブロック図である。
図3B】本開示の1つ以上の例による、図3Bのシステムの断面図のブロック図である。
図4】本開示の1つ以上の例による、ツールを動作させるためのシステムのブロック図である。
図5】本開示の1つ以上の例による、表面検査のための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書を通じて、「一実施形態」、「実施形態」、または同様の言い回しへの言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書を通じて、「一実施形態では」、「ある実施形態では」という表現、および類似の言い回しは、必ずしもそうではないが、全て、同じ実施形態を指すことがある。同様に、「実施態様」という用語の使用は、本開示の1つ以上の実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性を有する実施態様を意味するが、そうでないことを示す明示的な相互関係がない限り、実施態様は、1つ以上の実施形態と関連付けられてもよい。
【0029】
表面検査装置、システム、および方法に関する実施形態が、本明細書に記載されている。表面検査は、密封剤、接着剤の層、または表面に塗布された他の比較的厚い層などの表面層によって妨げられる可能性がある。いくつかの例では、塗料および他のコーティングなどのより薄い表面層が、検査を不明瞭にし、表面の亀裂、腐食、および他の劣化部を隠し得る。例えば、密封剤は、摩耗特性を改善し、美的特性を提供し、湿気、空気、化学物質などの浸透を低減し、他の様々な機能を提供するために、接合部、継ぎ目、ファスナ、および他の表面特徴部の近くに(例えば、その上に)塗布され得る。しかしながら、超音波システム、渦電流システムなどを用いた検査中、表面上に堆積された表面層は、腐食、亀裂、化学的損傷、漏れ、磨耗などの、表面または表面特徴部の劣化部の効果的な検査および識別を妨げる。
【0030】
本明細書に記載の実施形態は、テラヘルツ域で放出されるエネルギーを利用する。テラヘルツエネルギーが、表面に向けられる。表面層が、表面特徴部に近接して表面上に配置され得る。検出器が、テラヘルツエネルギーの少なくとも一部が表面によって反射されると、テラヘルツエネルギーを受け取るように、位置決めされ得る。検出器は、反射されたテラヘルツエネルギーに基づいて信号を生成し、その信号を計算デバイスに伝達することができる。計算デバイスは、検出器からの信号を用いて表面特徴部を検出することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、計算デバイスは、表面特徴部の位置を特定し、損傷または欠陥などの劣化部について表面特徴部の周りで検査を開始することができる。検出器からの信号は、表面特徴部の種類を特定するために、計算デバイスによって使用され得る。例えば、表面特徴部は、ファスナ、接合部、継ぎ目などであり得る。信号はまた、亀裂、腐食、磨耗、汚染などの表面の劣化部を検出するためにも使用され得る。テラヘルツエネルギーの少なくとも一部は、表面層を通過して、表面に衝突する。表面は、テラヘルツエネルギーを反射して表面層を通って戻し、反射したテラヘルツエネルギーの少なくとも一部は、検出器に衝突する。検出器は、反射されたエネルギーの特性に基づいて信号を生成する。計算デバイスは、信号を分析し、その特性を、表面状態、表面特徴部の種類または位置、表面または表面特徴部の劣化、表面層の厚さ、表面層の品質などの検出された状態と相関させる。
【0032】
追加の動作が、実行されてもよい。例えば、1つの動作は、エミッタおよび検出器を表面特徴部と位置合わせすることを含み得る。動作は、ツールの使用を含んでもよい。例えば、動作は、表面層をトリミングすること、表面層を交換すること、修理のために表面または表面特徴部を準備すること、修理を行うことなどを含むことができる。様々な図を参照して、さらなる詳細を以下に説明する。
【0033】
図1は、本開示の1つ以上の例による、表面検査のための装置100のブロック図である。図示の実施形態において、装置100は、表面102に対して位置決めされている。例えば、表面102は、車両または他の機械、建物または他の構造物、生物学的システム、または地質学的システムの表面であり得る。表面102は、滑らかであってもよく、または表面組織もしくは処理を有してもよい。表面102は、少なくとも部分的に天然材料または合成材料でできていてもよい。例えば、表面102は、金属、プラスチック、または複合材料である材料を含み得る。いくつかの実施形態では、表面102は、航空機の外側表面または内側表面である。例えば、表面102は、燃料タンクの内側表面であってもよい。
【0034】
表面102の図示の実施形態は、表面特徴部104を含む。表面特徴部104は、ファスナ、接合部、継ぎ目などであり得る。表面特徴部104は、表面102内に形成されてもよいし、表面102に結合されてもよいし、または表面102上に塗布されてもよい。いくつかの実施形態において、表面特徴部104は、関連する応力集中部を表面102上に形成する。応力集中部は、表面特徴部104において表面102内の応力を増大させる穴、スロット、付着部、溶接部などであり得る。いくつかの実施形態では、応力集中部の態様は、表面102の劣化(例えば、亀裂、腐食、疲労など)を促進または加速することがある。
【0035】
図示の実施形態では、表面層106が、表面特徴部104に近接して表面102上に配置されている。表面層106は、密封剤、接着剤、絶縁体、導体、ロック部、キャッチ部または磨耗保護物、または他の機能的もしくは美的媒介物もしくは機構を含み得る。図示の実施形態では、表面層106は、表面特徴部104を完全に取り囲んでいる。あるいは、表面層106は、表面特徴部104を部分的に取り囲んでもよい。例えば、表面層106は、表面特徴部104と表面102との結合部に配置されてもよい。
【0036】
いくつかの例では、表面層106は、密封剤であり、表面特徴部104は、ファスナであり、表面102は、燃料タンクの内側であり、燃料タンクの内側表面を定める。これらの例では、表面層106は、表面特徴部104の腐食を防ぎ、(例えば、表面特徴部104と表面102との間の継ぎ目を通って)表面102を通過する燃料の漏れを防ぐ。いくつかの例では、表面特徴部104は、表面102の2つの部分が接合される接合部または継ぎ目である。他の例では、表面特徴部104は、構造部材が表面102に接合される結合部である。
【0037】
図示の実施形態では、装置100は、テラヘルツエミッタ108、検出器110、および計算デバイス112を含む。テラヘルツエミッタ108は、テラヘルツエネルギーを表面102に向ける。テラヘルツエミッタ108は、入力信号に応答してテラヘルツエネルギーを発生させることができる。入力信号は、計算デバイス112または他の構成要素によって提供され得る。テラヘルツエミッタ108は、表面102、表面特徴部104、および表面層106のうちの少なくとも1つまでの距離閾値に達することに応答してテラヘルツエネルギーを供給することができる。テラヘルツエミッタ108は、テラヘルツエネルギーが向けられる方向を変えるために固定されるかまたは調整可能であり得る。テラヘルツエミッタ108からのテラヘルツエネルギーの少なくとも一部は、表面層106を通過し、表面102で反射し、装置100に向かって戻る。
【0038】
装置100は、検出器110を含む。検出器110は、表面102によって反射された、テラヘルツエミッタ108からのエネルギーを受け取るように位置決めされている。検出器110は、表面102から反射されたテラヘルツエネルギーを受け取って検出し、反射されたテラヘルツエネルギーに基づいて信号を生成する。検出器110は、単一の検出器または検出器の配列とすることができる。検出器110は、テラヘルツエミッタ108に結合されてもよい。検出器110は、テラヘルツエミッタ108がテラヘルツエネルギーを表面102に向けることを開始する時間に対応するテラヘルツエミッタ108の発射時間を記録することができる。他の計量値および考慮事項が、テラヘルツエミッタ108への接続を介して検出器110によって記録されてもよい。
【0039】
検出器110は、テラヘルツエミッタ108に対して移動するように構成されてもよい。例えば、検出器110は、表面102に対するテラヘルツエミッタ108の角度の変化に応じて表面102から反射されたエネルギーを受け取るための検出器110の移動を容易にするように、装置に取り付けることができる。検出器110は、表面102に対して平行に並進すること、表面102に対して直角に移動すること、および表面102に対して角度的に変位することのうちの少なくとも1つであるように調整可能であり得る。いくつかの例では、検出器110は、直接反射されたテラヘルツエネルギーを避けるように位置決めされ、表面特徴部104または表面102もしくは表面特徴部104の劣化部に対応する散乱されたテラヘルツエネルギーを受け取るように位置決めされてもよい。さらに、検出器110の利得または感度が、それに応じて調整されてもよい。
【0040】
装置100の図示の実施形態は、計算デバイス112を含む。計算デバイス112は、検出器110から信号を受信してテラヘルツエネルギーの変化を検出するように、検出器110に結合されている。テラヘルツエネルギーの変化は、テラヘルツエネルギーが受け取られる検出器110における位置、テラヘルツエミッタ108から検出器110へのテラヘルツエネルギーの飛行時間、テラヘルツエネルギーの周波数シフトまたは位相の変化、テラヘルツエネルギーの減衰、テラヘルツエネルギーの散乱などを含み得る。これらの検出された特性のそれぞれが、表面102、表面特徴部104、および表面層106のうちの少なくとも1つに関する1つ以上の潜在的な条件または計量値に対応し得る。いくつかの例では、テラヘルツエネルギーの変化の組み合わせは、表面102、表面特徴部104、および表面層106のうちの少なくとも1つの特性を示す。
【0041】
計算デバイス112は、検出器110から信号を受信するように示されているが、計算デバイス112は、検出器110に戻り信号を送信してもよい。さらに、計算デバイス112は、テラヘルツエミッタ108との一方向または双方向通信を含み得る。いくつかの実施形態では、計算デバイス112は、テラヘルツエミッタ108の少なくとも1つの動作を制御する。例えば、計算デバイス112は、テラヘルツエネルギーを較正すること、テラヘルツエミッタ108の位置合わせを調整すること、テラヘルツエネルギーを発射するタイミングを調整することなどのために、テラヘルツエミッタ108と通信し得る。
【0042】
図示の実施形態では、計算デバイス112は、検出器110およびテラヘルツエミッタ108の比較的近くに示されている。しかしながら、本明細書に提供される図は、特定の縮尺を有すると解釈されるべきではない。計算デバイス112は、装置100内で検出器110およびテラヘルツエミッタ108の近くに位置決めされてもよい。あるいは、計算デバイス112は、検出器110およびテラヘルツエミッタ108から遠くに位置決めされてもよい。いくつかの例では、計算デバイス112を検出器110およびテラヘルツエミッタ108の近くに位置決めすることは、より携帯性の高い装置100およびより小さい全体のパッケージサイズをもたらす。他の例では、計算デバイス112を検出器110およびテラヘルツエミッタ108から遠くに位置決めすることは、表面102の近くの装置100のサイズを縮小し、装置100が、接近するのがより難しい領域またはより狭い空間的制約を有する領域を検査することを、可能にし得る。
【0043】
単一の計算デバイス112が示されているが、実施形態は、装置100内の同じまたは異なる位置に配置された2つ以上の計算デバイス112を含み得る。例えば、テラヘルツエミッタ108および検出器110のそれぞれが、専用の計算デバイス112を有していてもよい。いくつかの実施形態では、計算デバイス112は、装置100の外部のシステムと通信する。例えば、計算デバイス112は、ネットワークと通信することができる。ネットワークは、装置100を位置決めするための制御デバイスなどの他の計算デバイスを含むことができる。
【0044】
計算デバイス112は、表面102のマップ、モデル、または他の描写を生成および格納することのうちの少なくとも1つを行い得る。表面102の描写は、検出器110からの信号に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、計算デバイス112は、表面102のマップまたはモデルを格納し、検出器110からの信号に基づいてマップまたはモデルを更新または検証する。計算デバイス112は、装置100の他の構成要素または装置100の外部の1つ以上のソースから入力を受け取ることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、計算デバイス112は、1つ以上の計算デバイス、1つ以上のデータネットワーク、および1つ以上のサーバを含む。特定の数のテラヘルツエミッタ108、検出器110、および計算デバイス214が、図1の装置100に示されているけれども、当業者は、この開示に照らして、任意の数の各構成要素が装置100に含まれ得ることを、認めるであろう。
【0046】
装置100の計算デバイス112は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セキュリティシステム、スマートウォッチ、トラッカー、または他のウェアラブルデバイス、光学ヘッドマウントディスプレイ(例えば、バーチャルリアリティヘッドセット、スマートグラスなど)、近接センサ、圧力センサ、温度センサ、画像センサ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、またはプロセッサを含む別の計算デバイス(例えば、中央処理装置(「CPU」)、プロセッサコア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)または他のプログラマブルロジック、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、コントローラ、マイクロコントローラ、および/または他の半導体集積回路装置)、揮発性メモリ、および/または不揮発性記憶媒体のうちの1つ以上を含み得る。
【0047】
特定の実施形態では、1つ以上の装置100における複数の計算デバイス112は、1つ以上の他の計算デバイス112と通信可能に結合されている。計算デバイス112は、様々なプログラム、プログラムコード、アプリケーション、命令、機能などを実行するように構成されたプロセッサ、プロセッサコアなどを含むことができる。
【0048】
様々な実施形態において、装置100の構成要素は、ハードウェア機器として具体化されてもよい。特定の実施形態では、装置100は、ハンドヘルドデバイス、ロボットエンドエフェクタ、または有線接続(例えば、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)接続)もしくは無線接続(例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信(「NFC」)など)のいずれかによる、デバイス、ラップトップコンピュータ、サーバ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、検査システムなどと通信する他のハードウェア機器デバイス(例えば、ツールヘッド、ネットワーク機器など)、電子ディスプレイデバイス(例えば、HDMIポート、DisplayPortポート、Mini DisplayPortポート、VGAポート、DVIポートなどを使用するテレビまたはモニタ)に取り付けられる他のハードウェア機器デバイス、および/または同様のものなどのハードウェアデバイスを含み得る。装置100のハードウェア機器は、電力インターフェース、有線および/もしくは無線ネットワークインターフェース、ディスプレイに取り付けられるグラフィカルインターフェース、ならびに/または装置100の構成要素に関して本明細書に記載の機能を実行するように構成された、後述する半導体集積回路装置を含み得る。
【0049】
計算デバイス112または装置100の他の構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)または他のプログラマブルロジック、FPGAまたは他のプログラマブルロジック用ファームウェア、マイクロコントローラ上で実行するためのマイクロコード、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プロセッサ、プロセッサコアなどの半導体集積回路装置(例えば、1つ以上のチップ、ダイ、または他のディスクリートロジックハードウェア)などを含み得る。一実施形態では、計算デバイス112は、1つ以上の電線または接続部(例えば、揮発性メモリ、不揮発性記憶媒体、ネットワークインターフェース、周辺デバイス、グラフィック/ディスプレイインターフェースなどへの)を有するプリント回路基板上に取り付けることができる。ハードウェア機器は、(例えば、プリント回路基板などの1つ以上の電線と通信して)データを送受信するように構成された1つ以上のピン、パッド、または他の電気接続部、ならびに装置100の様々な機能を実行するように構成された1つ以上のハードウェア回路および/または他の電気回路を含むことができる。
【0050】
特定の実施形態において、半導体集積回路装置または装置100の他のハードウェア機器は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、ダイナミックRAM(「DRAM」)、キャッシュなどを含み得るがこれに限定されない1つ以上の揮発性メモリ媒体を含み、かつ/またはそれに通信可能に結合される。一実施形態では、半導体集積回路装置または装置100の他のハードウェア機器は、NANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリ、ナノランダムアクセスメモリ(ナノRAMまたはNRAM)、ナノ結晶ワイヤベースメモリ、シリコン酸化物ベースのサブ10ナノメートルプロセスメモリ、グラフェンメモリ、シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン(「SONOS」)、抵抗変化型RAM(「RRAM」)、プログラマブルメタライゼーションセル(「PMC」)、導電性ブリッジRAM(「CBRAM」)、磁気抵抗RAM(「MRAM」)、ダイナミックRAM(「DRAM」)、相変化RAM(「PRAM」または「PCM」)、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスク、テープ)、光記憶媒体などを含み得るがこれらに限定されない1つ以上の不揮発性メモリ媒体を含み、かつ/またはそれに通信可能に結合される。
【0051】
いくつかの実施形態では、装置100は、データネットワークを介してデータを通信する。一実施形態では、データネットワークは、デジタル通信を送信するデジタル通信ネットワークを含む。データネットワークは、無線ネットワーク、例えば、無線セルラーネットワーク、ローカル無線ネットワーク、例えば、Wi-Fiネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、近距離無線通信(「NFC」)ネットワーク、アドホックネットワーク、などを含むことができる。データネットワークは、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ストレージエリアネットワーク(「SAN」)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、光ファイバネットワーク、インターネット、または他のデジタル通信ネットワークを含むことができる。データネットワークは、2つ以上のネットワークを含んでもよい。データネットワークは、1つ以上のサーバ、ルータ、スイッチ、および/または他のネットワーキング機器を含むことができる。データネットワークはまた、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、不揮発性メモリ、RAMなどの1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0052】
無線接続は、携帯電話ネットワークでもよい。無線接続はまた、米国電気電子技術者協会(「IEEE」)802.11規格のうちのいずれか1つに基づくWi-Fiネットワークを使用してもよい。あるいは、無線接続は、ブルートゥース(登録商標)接続でもよい。さらに、無線接続は、国際標準化機構(「ISO」)、国際電気標準会議(「IEC」)、米国材料試験協会(登録商標)(ASTM(登録商標))、DASH7(商標)Alliance、およびEPCGlobal(商標)によって制定されたRFID規格を含む無線周波数識別(「RFID」)通信を使用することができる。
【0053】
あるいは、無線接続は、IEEE802規格に基づくZigBee(登録商標)接続を使用してもよい。一実施形態では、無線接続は、Sigma Designs(登録商標)によって設計されたZ-Wave(登録商標)接続を使用する。あるいは、無線接続は、カナダのコクランにあるDynastream(登録商標)Innovations Inc.によって定められているANT(登録商標)および/またはANT+(登録商標)接続を使用してもよい。
【0054】
無線接続は、赤外線データ協会(登録商標)(「IrDA」(登録商標))によって定められている赤外線物理層規格(「IrPHY」)に少なくとも準拠する接続を含む赤外線接続であってもよい。あるいは、無線接続は、携帯電話ネットワーク通信でもよい。全ての規格および/または接続様式は、本出願の出願日における規格および/または接続様式の最新バージョンおよびリビジョンを含む。
【0055】
一実施形態では、1つ以上のサーバは、ブレードサーバ、メインフレームサーバ、タワーサーバ、ラックサーバなどとして具体化することができる。1つ以上のサーバは、メールサーバ、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、FTPサーバ、メディアサーバ、データサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバ、仮想サーバなどとして構成することができる。1つ以上のサーバは、データネットワークを介して1つ以上の計算デバイス112と通信可能に結合(たとえばネットワーク)されてもよい。1つ以上のサーバは、計算デバイス112に関連付けられているデータを格納することができる。
【0056】
図2Aは、本開示の1つ以上の例による、表面検査のためのシステム200のブロック図である。図示の実施形態は、ロボットアーム202を含む。図示の実施形態はまた、ロボットアーム202の処理端部に結合されたエンドエフェクタ204を含む。エンドエフェクタ204は、装置100を含む。ロボットアーム202は、装置100をロボットアーム202に対して固定するようにエンドエフェクタ204に結合するように構成されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、装置100は、上で説明され図1に示された装置100と同じまたは類似のものである。装置100の図示の実施形態は、テラヘルツエミッタ108および検出器110を含む。図示の実施形態では、ロボットアーム202は、装置100を検査されるべき表面102の部分と位置合わせするように、エンドエフェクタ204を位置決めする。装置100は、表面102に対応する表面特徴部104を見つけるために使用されてもよい。図示の実施形態では、表面特徴部104は、ファスナである。テラヘルツエミッタ108が、表面特徴部104および/または表面102に向かってテラヘルツエネルギーを放出し、反射されたテラヘルツエネルギーを検出器110で受け取る。
【0058】
一例では、検出器110が、表面特徴部104を特定する反射されたテラヘルツエネルギーを受け取るまで、ロボットアーム202が、エンドエフェクタ204の位置を調整する。ロボットアーム202は、可動プラットフォームに結合されてもよい。例えば、可動プラットフォームは、ローバー、ウォーカー、ダイバー、およびクアッドコプターなどの空中プラットフォームのうちの少なくとも1つを含むことができる。可動プラットフォームは、少なくとも部分的に手動で操作されてもよいし、または自動化されてもよい。
【0059】
ロボットアーム202によるエンドエフェクタ204の位置の調整は、ラスタまたは他のパターンなどの事前にプログラムされたまたは動的な探索経路に対応してもよい。いくつかの例では、ロボットアーム202は、エンドエフェクタ204の位置を調整して、表面特徴部104の縁部を見つけることによって表面特徴部104の位置を決定する。表面特徴部104の縁部は、図2Aに示すように、ファスナの縁部であってもよい。
【0060】
図示の実施形態では、表面特徴部104は、二次的表面特徴部206を含む。例えば、表面特徴部104は、ファスナであってもよく、二次的表面特徴部206は、ワッシャー、ナット、カラーなどの対応する構造であってもよい。装置100は、二次的特徴部206を、表面特徴部104とは別のものとして、または表面特徴部104の構成要素として識別することができる。
【0061】
図示の実施形態では、装置100は、エンドエフェクタ204の中心からずれている。いくつかの実施形態では、中心から外れた装置100の位置によって、エンドエフェクタ204を回転させて、表面特徴部104の検出または表面102の他の検査のために装置100の構成要素を位置決めすることが可能になる。例えば、テラヘルツエネルギーは、反射を経て検出器110で受け取られるので、テラヘルツエミッタ108および検出器110を表面102、表面特徴部104、および表面層106に対していくつかの相対的な配置で位置決めすることで、より正確な、または完全な検査が可能になる。
【0062】
図2Bは、図2Aのシステム200の断面図のブロック図である。図示の実施形態は、図2Aの図から90°の向きにある、図2Aの断面A-A208でのシステム200を示す。いくつかの実施形態では、ロボットアーム202およびエンドエフェクタのうちの少なくとも1つが、表面特徴部104を見つけて、表面特徴部104の縁部、中心部、または他の幾何学的形状を識別するために、複数の探索パターンのうちの1つ以上のパターンで移動され得る。例えば、表面特徴部104がファスナである場合、ロボットアーム202は、表面特徴部104を検出するため、または表面層106内の表面特徴部104の縁部または中心部を識別するために、表面102の少なくとも一部分に沿ってラスタ移動してもよい。
【0063】
図示のシステム200は、3-Dモデラ、レーザ画像検出と測距(LIDAR)、構造化光、または表面102、表面特徴部104、および表面層106のうちの少なくとも1つを検出するための、他の光学的、熱的、音響的、もしくはインピーダンスに基づくシステムなどの他のシステムと結合されてもよい。表面特徴部104に対応する可能性が高い表面102または表面層106の候補部分が検出されると、テラヘルツエミッタ108および検出器110が、非破壊検査を実行するように位置決めされ得る。検査の完了に応答して、ロボットアーム202は、エンドエフェクタ204を次の検査の位置に位置決めする、または次の検査の位置を決定するために位置決めすることができる。
【0064】
図3Aは、本開示の1つ以上の例による、表面検査のためのシステム300のブロック図である。図示の実施形態は、テラヘルツエネルギーを表面102に向けるように位置決めされた少なくとも2つのテラヘルツエミッタ108を含む。いくつかの実施形態では、システム300は、表面102上の表面特徴部104の位置を検出することができる。次いで、システム300は、表面特徴部104に近接した表面102の部分を検査するように位置決めされ得る。この相対的な配置で、テラヘルツエミッタ108からのテラヘルツエネルギーが、表面特徴部104に近接した表面102に向けられて、亀裂302、腐食304、または他の劣化について表面102を検査することができる。少なくとも2つのテラヘルツエミッタ108は、表面102上の同じ位置もしくは領域にテラヘルツエネルギーを向けるように、または表面102の異なる部分もしくは領域にエネルギーを向けるように位置決めされ得る。これにより、解像度もしくは検査速度を上げることができ、または表面102の劣化を検出するための比較分析を行うことができる。
【0065】
図示のように装置100を回転させて、表面102上におけるテラヘルツエネルギーのさらなる衝突角度を与えることができる。図示の実施形態は、反時計回りの回転を有するものとして示されている。しかしながら、他の実施形態は、時計回りの回転または可変方向転換を含む。装置100は、表面102に対して平行に保持されてもよく、または検査中、表面102に対してある角度で変位されてもよい。
【0066】
装置100の回転は、表面102および表面特徴部104の少なくとも一方の少なくとも一部分に対応するリング画像の作成を容易にし得る。リング画像は、検査された部分の状態を表す二次元画像または三次元画像とすることができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つのテラヘルツエミッタ108は、単一の検出器110に対応する。少なくとも2つのテラヘルツエミッタ108はそれぞれ、関連付けられた検出器110に対応し得る。他の実施形態では、任意の数のテラヘルツエミッタ108が、任意の数の検出器108に対応し得る。テラヘルツエミッタ108によって放出されたテラヘルツエネルギーは、表面層106、表面102、または亀裂302もしくは腐食304などの表面の劣化によって散乱、反射、またはその他の影響を受ける可能性がある。テラヘルツエネルギーの一部は、偏向または方向を変えられて、検出器110に届かない可能性がある。検出器110に到達するエネルギーを分析して、表面102、表面層106、表面特徴部104、亀裂302、および腐食304のうちの少なくとも1つについての、1つ以上の特性を特定する。
【0068】
図3Bは、本開示の1つ以上の例による、図3Bのシステムの断面図のブロック図である。図示の実施形態は、断面A-Aに沿うように約90°回転させた図3Aのシステム300の図を示す。示されるように、テラヘルツエミッタ108は、表面特徴部104に近接した表面102にテラヘルツエネルギーを向けて、亀裂302を検査する。ロボットアーム202およびエンドエフェクタ204の少なくとも一方が、検査中にテラヘルツエミッタ108および検出器110を回転または再位置決めしてもよい。
【0069】
一例では、システム300は、表面特徴部104、および亀裂302、腐食304、または他の劣化部のうちの少なくとも1つを検出するために第1の検査プロセスを実行することができる。表面特徴部104および劣化部のうちの少なくとも1つの検出に応答して、システム300は、劣化部を検査するために第2の検査プロセスに移行して、劣化部のタイプ、劣化部のサイズ計量値、劣化部の位置、または劣化部もしくは劣化部に関連する表面102もしくは表面特徴部104の他の特性のうちの少なくとも1つを決定することができる。
【0070】
図4は、本開示の1つ以上の例による、ツール402を動作させるためのシステム400のブロック図である。図示の実施形態では、ツール402は、ロボットアーム202に結合されているエンドエフェクタ204に結合されている。エンドエフェクタ204は、ツール402に固有のものでもよく、または上述のテラヘルツエミッタ108および検出器110などの他の構成要素を扱うことができる汎用エンドエフェクタでもよい。いくつかの実施形態では、ロボットアーム202は、位置決めデバイスに結合または取り付けられている。位置決めデバイスは、可動プラットフォームを含むことができる。可動プラットフォームは、ロボットアーム202自体の作動とは別の位置決め動作でロボットアームを位置決めするための1つ以上の自由度を有することができる。可動プラットフォームは、レールガイドプラットフォームまたはケーブルガイドプラットフォームのように、動きが制限されている場合もある。可動プラットフォームは、ローバー、クローラ、潜水艇、または空中プラットフォーム(例えば、クワッドコプター)のように、自由に動くことができる場合もある。可動デバイスまたはプラットフォームは、表面102を検査するために、独立してまたはロボットアーム202と関連して位置決めされる。
【0071】
上述のように、装置100のテラヘルツエミッタ108および検出器110を使用して、表面特徴部104の位置を決定することができる。表面特徴部104の位置が決定されると、システム400は、表面特徴部104と位置合わせされて、動作を実行することができる。図示の実施形態では、ツール402は、トリミング動作を実行するように構成されたトリミングツールである。図示の実施形態では、トリミングツール402は、表面層106をトリミングするためのトリミング動作を実行した。表面層106をトリムバックすることにより、表面特徴部104における表面層106の密封、絶縁、保護、または他の利点を失うことなく、亀裂302または腐食304のさらなる検査、処理、または修理を容易にすることができる。ツール402の一例が、トリミングツールとして説明されているが、ツール402は、他の動作のためのツールであってもよい。例えば、ツール402は、表面102、表面特徴部104、または表面層106の統一性を試験するためのツールであってもよい。ツール402は、表面層106を完全に除去するためのツールであってもよい。ツール402は、熱的、化学的、電気的、または機械的動作を通して表面層106をリフレッシュするためのツールであってもよい。ツール402は、表面102または表面特徴部104とインターフェースするためのツールであってもよい。例えば、ツール402は、表面特徴部104および二次的表面特徴部206の少なくとも一方を締め付ける、再位置決めする、または除去するために、二次的表面特徴部206とインターフェースすることができる。他のツールが、他の動作を実行するために使用されてもよい。
【0072】
図5は、本開示の1つ以上の例による、表面検査のための方法500のフロー図である。方法500が、開始され、表面102上に配置された表面層106を有する表面102に対して表面検査のための装置を位置決めする502。いくつかの実施形態では、表面検査のための装置を位置決めすること502は、結合されたデバイスを作動させる、移動させる、または動作させることを含む。例えば、装置を位置決めすること502は、ロボットアーム202を動作させる(例えば、移動させる)こと、またはローバー、クローラ、ダイバー、空中デバイス、またはその他のプラットフォームなどの可動もしくは固定プラットフォームであり得る、またはそれらの構成要素であり得る別の位置決めシステムを動作させる(例えば、移動させる)ことを含み得る。
【0073】
方法500は、特定の実施形態において、表面層106を通って表面102に衝突するように、テラヘルツエネルギーを放出する504。方法500は、いくつかの実施形態において、表面102から反射されたテラヘルツエネルギーを検出する506。方法500は、本明細書に記載の実施形態において、反射されたテラヘルツエネルギーの分析に基づいて表面層106を通って表面102の表面特徴部104を検出し508、方法500は終了する。
【0074】
上の説明では、「上方に」、「下方に」、「上部の」、「下部の」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「の上に」、「の下に」などの特定の用語が、使用されていることがある。これらの用語は、相対的な関係を扱う際に、説明が明確になるように、該当する場合に、使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または方向を意味するものではない。例えば、ある物体に関して、「上の」表面は、単に物体をひっくり返すことによって、「下の」表面になることができる。それにもかかわらず、それはなお同じ物体である。さらに、用語「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、およびそれらの変形は、他に明示的に指定されていない限り、「含むがこれに限定されない」を意味する。列挙された項目リストは、他に明示的に指定されていない限り、いずれの項目も、または全ての項目が相互に排他的および/または相互に包含的であることを意味するものではない。また、用語「a」、「an」、および「the」は、他に明示的に指定されていない限り、「1つ以上」を指す。さらに、「複数」という用語は、「少なくとも2つ」と定義することができる。
【0075】
さらに、本明細書において、ある要素が別の要素に「結合」している例は、直接的および間接的な結合を含むことができる。直接的な結合は、ある要素が別の要素と接触して結合されていることとして、定義することができる。間接的な結合は、互いに直接接触していないが、結合された要素の間に1つ以上の追加の要素を有する、2つの要素の間の結合として、定義することができる。さらに、本明細書で使用される場合、ある要素を別の要素に固定することは、直接的な固定および間接的な固定を含むことができる。さらに、本明細書で使用される場合、「隣接する」は、必ずしも接触を意味しない。例えば、ある要素は、接触することなく、別の要素に隣接することができる。
【0076】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」という語句は、項目のリストとともに使用される場合、リストの項目のうちの1つ以上の項目の種々の組み合わせが使用されてもよく、かつリストの項目のうちの1つのみが必要とされればよいことを意味する。項目は、特定の物体、物事、またはカテゴリであってよい。言い換えれば、「少なくとも1つ」は、任意の組合せの項目または任意の数の項目が、リストから使用されてよいが、リストの項目の全てが必要とされなくてもよいことを意味する。例えば、「項目A、項目B、および項目Cの少なくとも1つ」は、項目A;項目Aと項目B;項目B;項目Aと項目Bと項目C;または項目Bと項目Cを意味することができる。場合によっては、「項目A、項目B、および項目Cの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、項目Aが2個、項目Bが1個、および項目Cが10個;項目Bが4個と項目Cが7個;または他の何らかの適切な組み合わせを意味することができる。
【0077】
他に指示がない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書において単にラベルとして使用され、これらの用語が参照する項目に順序的、位置的、または階層的な要件を課すことを意図しない。さらに、例えば「第2の」項目への言及は、例えば「第1の」もしくはより低い番号の項目、および/または例えば「第3の」もしくはより高い番号の項目の存在を必要としないし、または排除もしない。
【0078】
本明細書で使用される場合、指定された機能を実行するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、さらなる変更の後に指定された機能を実行する可能性を単に有するのではなく、実際に、何の変更もなしに指定された機能を実行することができる。言い換えれば、指定された機能を実行するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、指定された機能を実行する目的で、特に選択され、作製され、実施され、利用され、プログラムされ、および/または設計されている。本明細書で使用される場合、「構成された」は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアがさらなる変更なしに指定された機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアの現在の特性を示す。この開示の目的のためには、ある特定の機能を実行するように「構成された」と記載されているシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、またはハードウェアは、追加的または代替的に、その機能を実行するように「適合された」および/または「動作可能である」と記載されてもよい。
【0079】
本明細書に含まれる概略フローチャート図は、一般的に、論理フローチャート図として示されている。したがって、示された順序およびラベル付けされたステップは、提示された方法の一実施形態を示す。例示された方法の1つ以上のステップまたはその一部と、機能、論理、または効果が同等である他のステップおよび方法が、考えられてもよい。さらに、使用されているフォーマットおよび記号は、方法の論理的ステップを説明するために提供されており、方法の範囲を限定するものではないと理解される。フローチャート図には、様々な矢印の種類および線の種類が使用されていることがあるが、対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際、いくつかの矢印または他の連結物が、方法の論理的なフローのみを示すために、使用されることがある。例えば、矢印は、図示された方法の列挙されたステップの間の、明示されていない持続時間の待機期間または監視期間を示すことがある。さらに、ある特定の方法が行われる順序は、示されている対応するステップの順序に厳密に従うこともあれば、従わないこともある。
【0080】
様々なモジュールの実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書で「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と総称して呼ぶことができるソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形を取ることができる。さらに、実施形態は、以下でコードと呼ばれる、機械可読コード、コンピュータ可読コード、および/またはプログラムコードを格納する1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイスに組み込まれたプログラム製品の形をとることができる。記憶デバイスは、有形、非一時的、および/または非伝送であり得る。記憶デバイスは、信号を具現化していなくてもよい。特定の実施形態では、記憶デバイスは、コードにアクセスするための信号のみを使用する。
【0081】
モジュールは、カスタム超大規模集積(VLSI)回路またはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、または他のディスクリート部品などの既製の半導体を含むハードウェア回路として実装することができる。モジュールはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスに実装されてもよい。
【0082】
モジュールはまた、様々な種類のプロセッサによる実行のためにコードおよび/またはソフトウェアに実装されてもよい。識別されたコードのモジュールは、例えばオブジェクト、プロシージャ、または関数として体系付けられ得る実行可能コードの1つ以上の物理的ブロックまたは論理的ブロックを、例えば、含み得る。それにもかかわらず、識別されたモジュールの実行可能コードは、物理的に一緒に配置される必要はなく、論理的に結合されると、モジュールを構成し、モジュールのための述べられた目的を達成する、異なる場所に格納された異なる命令を含むことができる。
【0083】
実際、コードのモジュールは、単一の命令、または多くの命令であり得、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラムの間で、いくつかのメモリデバイスにわたって分散すらされてもよい。同様に、運用データが、本明細書においてモジュール内に識別および例示されてもよく、任意の適切な形で具現化され、任意の適切な種類のデータ構造内に体系付けられてもよい。運用データは、単一のデータセットとして収集されてもよく、または異なるコンピュータ可読記憶デバイスを含む異なる場所に分散されてもよい。モジュールまたはモジュールの一部が、ソフトウェアに実装される場合、ソフトウェア部分は、1つ以上のコンピュータ可読記憶デバイスに格納される。
【0084】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが、モジュールによって利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コードを格納する記憶デバイスであってもよい。記憶デバイスは、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、ホログラフィック、マイクロメカニカル、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、あるいはこれらの任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0085】
記憶デバイスのより具体的な例(網羅的ではないリスト)には、以下のものが含まれる:1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせ。本明細書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用されるまたはそれらに関連して使用するためのプログラムを含むまたは格納することができる任意の有形の媒体とすることができる。
【0086】
実施形態のための動作を実行するためのコードは、Python、Ruby、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語、および/またはアセンブリ言語などの機械語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、スタンドアローンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で、実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または外部コンピュータへ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)接続がなされてもよい。
【0087】
本主題は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。記載された実施形態は、すべての点において、例示的なものにすぎず、限定的なものではないと、みなされるべきである。特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に入るすべての変更は、特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0088】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0089】
条項1.
表面検査のための装置(100)であって、
表面(102)に結合された表面特徴部(104)に近接して表面(102)上に配置された表面層(106)を有する表面(102)に向けてエネルギーを放出するように配向されたテラヘルツエミッタ(108)と、
表面(102)によって反射されるテラヘルツエミッタ(108)からのテラヘルツエネルギーを受け取るように位置決めされた検出器(110)と、
検出器(110)と信号受信通信している計算デバイス(112)であって、検出器(110)からの信号を用いて表面特徴部(104)を検出するように構成されている計算デバイス(112)と、を備える装置。
【0090】
条項2.
計算デバイス(112)が、検出器(110)からの信号を用いて表面特徴部(104)の位置を特定するように構成されている、条項1に記載の装置(100)。
【0091】
条項3.
計算デバイス(112)が、検出器(110)からの信号を用いて表面特徴部(104)に近接した表面(102)の劣化部(302,304)を特定するように構成されている、条項1から2のいずれかに記載の装置(100)。
【0092】
条項4.
検出器(110)からの信号が、
テラヘルツエネルギーが検出器(110)によって受け取られる位置、
テラヘルツエミッタ(108)から検出器(110)へのテラヘルツエネルギーの飛行時間、
テラヘルツエネルギーの周波数の変化、
テラヘルツエネルギーの減衰、および
テラヘルツエネルギーの方向変化、のうちの少なくとも1つを特定する、条項1から3のいずれかに記載の装置(100)。
【0093】
条項5.
テラヘルツエミッタ(108)が、単一のエミッタ(108)を含む、条項1から4のいずれかに記載の装置(100)。
【0094】
条項6.
テラヘルツエミッタ(108)が、少なくとも2つのエミッタ(108)を含む、条項1から5のいずれかに記載の装置(100)。
【0095】
条項7.
表面(102)が、金属材料を含む、条項1から6のいずれかに記載の装置(100)。
【0096】
条項8.
表面特徴部(104)が、ファスナを含む、条項1から7のいずれかに記載の装置(100)。
【0097】
条項9.
計算デバイス(112)が、表面特徴部(104)に近接した表面(102)の状態を決定するように構成されている、条項1から8のいずれかに記載の装置(100)。
【0098】
条項10.
テラヘルツエミッタ(108)および検出器(110)のうちの少なくとも1つが、ロボットアーム(202)のエンドエフェクタ(204)に結合されている、条項1から9のいずれかに記載の装置(100)。
【0099】
条項11.
テラヘルツエミッタ(108)および検出器(110)のうちの少なくとも1つが、手動システムに結合されている、条項1から10のいずれかに記載の装置(100)。
【0100】
条項12.
表面検査のためのシステム(200,300)であって、
ロボットアーム(202)と、
ロボットアーム(202)の処理端部に結合されたエンドエフェクタ(204)と、
エンドエフェクタ(204)に結合された表面検査のための装置(100)であって、
表面特徴部(104)に近接して表面(102)上に配置された表面層(106)を有する表面(102)に向けてテラヘルツエネルギーを放出するように配向されたテラヘルツエミッタ(108)と、
表面(102)によって反射されるテラヘルツエミッタ(108)からのテラヘルツエネルギーを受け取るように位置決めされた検出器(110)と、を備える装置(100)と、
検出器(110)と信号通信している計算デバイス(112)であって、検出器(110)からの信号を用いて表面特徴部(104)を検出するように構成されている計算デバイス(112)と、を備えるシステム。
【0101】
条項13.
計算デバイス(112)が、表面検査のための装置(100)を表面特徴部(104)と位置合わせするように構成されている、条項12に記載のシステム(200,300)。
【0102】
条項14.
エンドエフェクタ(204)が、表面(102)の検査中に表面検査のための装置(100)を回転させるように構成されている、条項12から13のいずれかに記載のシステム(200,300)。
【0103】
条項15.
表面(102)で動作を実行するためにエンドエフェクタに結合されたツール(402)をさらに備える、条項12から14のいずれかに記載のシステム(200,300)。
【0104】
条項16.
表面層(106)が、密封剤、塗料、および接着剤のうちの少なくとも1つを含む、条項12から15のいずれかに記載のシステム(200,300)。
【0105】
条項17.
ロボットアーム(202)が、独立して位置決め可能な可動デバイスに取り付けられている、条項12から16のいずれかに記載のシステム(200,300)。
【0106】
条項18.
表面検査のための方法(500)であって、
表面(102)上に配置された表面層(106)を有する表面(102)に対して表面検査のための装置(100)を位置決めすること(502)と、
表面層(106)を通って表面(102)に衝突するように、テラヘルツエネルギーを放出すること(504)と、
表面(102)から反射されたテラヘルツエネルギーを検出すること(506)と、
反射されたテラヘルツエネルギーの分析に基づいて表面層(106)を通って表面(102)の表面特徴部(104)を検出すること(508)と、を含む方法。
【0107】
条項19.
表面特徴部(104)と位置合わせされるように表面検査のための装置(100)を再位置決めすることと、
表面特徴部(104)に近接した表面(102)の状態を検出することと、をさらに含む、条項18に記載の方法(500)。
【0108】
条項20.
表面特徴部(104)が、ファスナを含む、条項18から19のいずれかに記載の方法(500)。
【0109】
条項21.
表面特徴部(104)にツール(402)を位置決めすることと、
ツール(402)を用いて動作を実行することと、をさらに含む、条項18から20のいずれかに記載の方法(500)。

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5