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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】補助電力線を介した保守
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/54 20060101AFI20240209BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20240209BHJP
   B64F 5/40 20170101ALI20240209BHJP
【FI】
H04B3/54
B64D47/00
B64F5/40
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019140376
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2020058015
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】16/051,430
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェフィールド, グレゴリー エル.
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-262570(JP,A)
【文献】特表2003-534959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/76-3/44
H04B 3/50-3/60
H04B 7/00-7/015
B64B 1/00-1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00-5/60
B64G 1/00-99/00
B64U 10/00-80/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物上のユニット(120)から保守データを生成および送信する方法であって、
前記ユニット(120)に接続された補助電力線および前記乗り物内の主電力分配ユニットと前記ユニット(120)とを接続する主電力線のうちの一方によって前記ユニット(120)に電力供給することと、
前記ユニット(120)によって、前記保守データの少なくとも一部を変調して、少なくとも1つの変調された信号を生成することと、
前記ユニット(120)から、前記少なくとも1つの変調された信号を前記補助電力線で送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法が、前記ユニット(120)の少なくとも1つのプロセッサ(511、521、531)によって、前記乗り物が移動している通常動作モードの間に、前記ユニット(120)の動作電子装置(430)の前記保守データを取得することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記乗り物が移動している通常動作モードの間に、前記ユニット(120)の動作電子装置(430)の前記保守データを、前記ユニット(120)の少なくとも1つのメモリ(510、520、530)に保存することを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記保守データが、健全性管理(HM)データ、組み込みテスト(BIT)データ、組み込みテスト機器(BITE)データ、およびコンフィギュレーションデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記乗り物が、空の乗り物、陸の乗り物、および海の乗り物のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記保守データの前記少なくとも一部が、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相シフトキーイング(PSK)、2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、差分PSK(DPSK)、差分QPSK(DQPSK)、オフセットQPSK(OQPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、オーディオ周波数シフトキーイング(AFSK)、多重周波数シフトキーイング(MFSK)、デュアルトーン多重周波数(DTMF)、振幅シフトキーイング(ASK)、オンオフキーイング(OOK)、直交振幅変調(QAM)、連続位相変調最小シフトキーイング(CPMMSK)、ガウス最小シフトキーイング(GMSK)、連続位相周波数シフトキーイング(CPFSK)、直交周波数分割多重(OFDM)、トレリス符号化変調(TCM)、スペクトラム拡散技術、直接スペクトラム拡散(DSSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、および周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)のうちの1つの変調技術によって変調される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユニット(120)が、オンボード保守システムユニット(120a)、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット(120b)、飛行管理コンピュータ(120c)、およびアビオニクスユニット(120d、120e、120f)のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
乗り物上のユニット(120)から保守データを生成および送信するシステムであって、
前記ユニット(120)に接続された補助電力線と、
前記乗り物内の主電力分配ユニットと前記ユニット(120)とを接続する主電力線であって、前記ユニット(120)が、前記補助電力線および前記主電力線のうちの一方によって電力供給される、主電力線と、
前記保守データの少なくとも一部を変調して、少なくとも1つの変調された信号を生成し、前記ユニット(120)から前記補助電力線を介して前記少なくとも1つの変調された信号を送信する前記ユニット(120)と、
を備えるシステム。
【請求項9】
前記システムが、前記ユニット(120)の動作電子装置(430)の前記保守データを取得するための、前記ユニット(120)の少なくとも1つのプロセッサ(511、521、531)を、さらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、前記ユニット(120)の動作電子装置(430)の前記保守データを保存するための、前記ユニット(120)の少なくとも1つのメモリ(510、520、530)を、さらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記保守データが、健全性管理(HM)データ、組み込みテスト(BIT)データ、組み込みテスト機器(BITE)データ、およびコンフィギュレーションデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記HMデータ、前記BITデータ、前記BITEデータ、および前記コンフィギュレーションデータが、それぞれ、互いに異なる周波数帯域で変調される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記HMデータ、前記BITデータ、前記BITEデータ、および前記コンフィギュレーションデータが、それぞれ、互いに異なる変調技術を用いて変調される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記保守データの前記少なくとも一部が、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相シフトキーイング(PSK)、2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、差分PSK(DPSK)、差分QPSK(DQPSK)、オフセットQPSK(OQPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、オーディオ周波数シフトキーイング(AFSK)、多重周波数シフトキーイング(MFSK)、デュアルトーン多重周波数(DTMF)、振幅シフトキーイング(ASK)、オンオフキーイング(OOK)、直交振幅変調(QAM)、連続位相変調最小シフトキーイング(CPMMSK)、ガウス最小シフトキーイング(GMSK)、連続位相周波数シフトキーイング(CPFSK)、直交周波数分割多重(OFDM)、トレリス符号化変調(TCM)、スペクトラム拡散技術、直接スペクトラム拡散(DSSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、および周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)のうちの1つの変調技術によって変調される、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
前記ユニット(120)が、オンボード保守システムユニット(120a)、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット(120b)、飛行管理コンピュータ(120c)、およびアビオニクスユニット(120d、120e、120f)のうちの1つである、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユニットの保守に関する。特に、本開示は、補助電力線を介した乗り物ユニットの保守に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、保守データは、様々な方法で乗り物ユニット(例えば、アビオニクスユニット)から取り出されている。例えば、乗り物(例えば、航空機)上のユニットを追跡するためにユニットから追跡データを取り出すには、通常、ユニット自体からネームプレートもしくはタグを物理的に読み取るか、または乗り物システム全体(例えば、全てのユニットを含む)を手続き的に起動して、個々のユニットに電子的にアクセスする。ユニットの健全性モニタリングデータにアクセスするには、通常、適切なテスト機器を使用してユニットからデータを取得するか、または対象のユニットを乗り物プラットフォームから引き出して、健全性関連の情報を取り出すための特別なオフボードテスト機器にユニットを接続する。ユニットの健全性インジケータの生成に関しては、既存のインフラストラクチャ内で利用可能な帯域幅が制限されているため、およびミッションクリティカルデータと同時に存在するためのコストにより、通常、この機能は存在しない。そのため、乗り物に搭載されたユニットから保守データを取り出すために現在使用されているこれらの従来の方法は、扱いにくく、および/または費用がかかる。
【0003】
したがって、乗り物に搭載されたユニットから保守データを取り出すための改善された簡素化された技術が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、補助電力線を介した保守のための方法、システム、および装置に関する。1つ以上の実施形態において、乗り物上のユニットから保守データを取り出す方法は、ユニットに接続された補助電力線またはユニットに接続された主電力線によってユニットに電力供給することを含む。この方法は、デジタルソースコントローラによって補助電力線を介してユニットから保守データを取り出すことを、さらに含む。
【0005】
1つ以上の実施形態において、この方法は、デジタルソースコントローラによって補助電力線に電力を供給することを、さらに含む。少なくとも1つの実施形態において、この方法は、ポータブル保守システムによって、補助電力線に電力を供給するようにデジタルソースコントローラに命令することを、さらに含む。いくつかの実施形態において、この方法は、遠隔保守システムによって、補助電力線に電力を供給するようにデジタルソースコントローラに命令することを、さらに含む。
【0006】
少なくとも1つの実施形態において、この方法は、乗り物によって主電力線に電力を供給することを、さらに含む。
【0007】
1つ以上の実施形態において、保守データは、組み込みテスト(BIT)データ、組み込みテスト機器(BITE)データ、健全性管理データ、コンフィギュレーションデータ、少なくとも1つのハードウェア(HW)部品番号、および/または少なくとも1つのソフトウェア(SW)バージョン番号を含む。
【0008】
少なくとも1つの実施形態において、ユニットは、オンボード保守システムユニット、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット、飛行管理コンピュータ、またはアビオニクスユニットである。
【0009】
1つ以上の実施形態において、デジタルソースコントローラによってユニットから保守データを取り出すことは、デジタルソースコントローラによって、ユニットへ保守データの問い合わせを行うことと、ユニットによって、補助電力線を介してデジタルソースコントローラに保守データを送信することと、を含む。いくつかの実施形態において、保守データは、電力線ブロードバンド(BPL)を使用することにより、補助電力線を介してユニットからデジタルソースコントローラに送信される。
【0010】
少なくとも1つの実施形態において、乗り物は、空の乗り物、陸の乗り物、または海の乗り物である。
【0011】
1つ以上の実施形態において、この方法は、ポータブル保守システムによって、デジタルソースコントローラから保守データを取り出すことを、さらに含む。いくつかの実施形態において、この方法は、遠隔保守システムによって、デジタルソースコントローラから保守データを取り出すことを、さらに含む。
【0012】
少なくとも1つの実施形態において、乗り物上のユニットから保守データを取り出すシステムは、ユニットに接続された補助電力線、およびユニットに接続された主電力線を備える。1つ以上の実施形態において、ユニットは、補助電力線または主電力線によって電力供給される。このシステムは、補助電力線を介してユニットから保守データを取り出すためのデジタルソースコントローラを、さらに備える。
【0013】
1つ以上の実施形態において、デジタルソースコントローラは、補助電力線に電力を供給するように動作可能である。少なくとも1つの実施形態において、ポータブル保守システムは、補助電力線に電力を供給するようにデジタルソースコントローラに命令するように、動作可能である。いくつかの実施形態において、遠隔保守システムは、補助電力線に電力を供給するようにデジタルソースコントローラに命令するように、動作可能である。1つ以上の実施形態において、乗り物は、主電力線に電力を供給する。
【0014】
少なくとも1つの実施形態において、乗り物上のユニットから保守データを生成および送信する方法は、ユニットに接続された補助電力線またはユニットに接続された主電力線によってユニットに電力供給することを含む。この方法は、ユニットの少なくとも1つの変調器によって、保守データの少なくとも一部を変調して、少なくとも1つの変調された信号を生成することを、さらに含む。さらに、この方法は、ユニットから、少なくとも1つの変調された信号を補助電力線で送信することを含む。
【0015】
1つ以上の実施形態において、この方法は、動作モードまたは保守モード中に、ユニットの少なくとも1つのプロセッサによって、ユニットの動作電子装置の保守データを取得することを、さらに含む。いくつかの実施形態において、この方法は、動作モードまたは保守モード中に、ユニットの少なくとも1つのメモリに、ユニットの動作電子装置の保守データを保存することを、さらに含む。
【0016】
少なくとも1つの実施形態において、保守データは、健全性管理(HM)データ、組み込みテスト(BIT)データ、組み込みテスト機器(BITE)データ、および/またはコンフィギュレーションデータを含む。1つ以上の実施形態において、HMデータ、BITデータ、BITEデータ、およびコンフィギュレーションデータはそれぞれ、互いに異なる周波数帯域で変調される。いくつかの実施形態において、HMデータ、BITデータ、BITEデータ、およびコンフィギュレーションデータはそれぞれ、互いに異なる変調技術を使用して変調される。
【0017】
1つ以上の実施形態において、乗り物は、空の乗り物、陸の乗り物、または海の乗り物のうちの1つである。
【0018】
少なくとも1つの実施形態において、保守データの少なくとも一部は、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相シフトキーイング(PSK)、2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、差分PSK(DPSK)、差分QPSK(DQPSK)、オフセットQPSK(OQPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、オーディオ周波数シフトキーイング(AFSK)、多重周波数シフトキーイング(MFSK)、デュアルトーン多重周波数(DTMF)、振幅シフトキーイング(ASK)、オンオフキーイング(OOK)、直交振幅変調(QAM)、連続位相変調最小シフトキーイング(CPMMSK)、ガウス最小シフトキーイング(GMSK)、連続位相周波数シフトキーイング(CPFSK)、直交周波数分割多重(OFDM)、トレリス符号化変調(TCM)、スペクトラム拡散技術、直接スペクトラム拡散(DSSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、または周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)の変調技術によって変調される。
【0019】
1つ以上の実施形態において、ユニットは、オンボード保守システムユニット、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット、飛行管理コンピュータ、またはアビオニクスユニットである。いくつかの実施形態において、アビオニクスユニットは、通信ユニット、航法ユニット、衝突防止ユニット、地形認識ユニット、フライトコントロールユニット、保守ユニット、フライトレコーダーユニット、気象ユニット、または機内エンターテインメントユニットである。
【0020】
少なくとも1つの実施形態において、乗り物上のユニットから保守データを生成および送信するシステムは、ユニットに接続された補助電力線、およびユニットに接続された主電力線を備える。1つ以上の実施形態において、ユニットは、補助電力線または主電力線によって電力供給される。このシステムは、補助電力線を介してユニットから送信される少なくとも1つの変調された信号を生成するために、保守データの少なくとも一部を変調する、ユニットの少なくとも1つの変調器を、さらに備える。
【0021】
1つ以上の実施形態において、システムは、ユニットの動作電子装置の保守データを取得するための、ユニットの少なくとも1つのプロセッサを、さらに備える。いくつかの実施形態において、システムは、ユニットの動作電子装置の保守データを保存するための、ユニットの少なくとも1つのメモリを、さらに備える。
【0022】
特徴、機能、および利点は、本開示の様々な実施形態において独立して達成することができ、またはさらに他の実施形態において組み合わせることができる。
【0023】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関連して、よりよく理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、乗り物上のユニットから保守データを取り出すための開示されたシステムを示す図である。
図1B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、乗り物上のユニットから保守データを取り出すための開示された方法を示すフローチャートである。
図2】乗り物のための従来のユニットの詳細を示す図である。
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態による、図1の開示されたシステムのユニットのうちの1つのユニットの詳細を示す図である。
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態による、図1の開示されたシステムのデジタルソースコントローラおよびユニットのうちの1つのユニットの詳細を示す図である。
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による、図1の開示されたシステムのユニットのうちの1つのユニットの詳細を示す図である。
図6A図6A図6Dは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、データロードモード、動作モード、保守モード、およびデータ取り出し中における、乗り物上のユニットを動作させるための開示された方法を示すフローチャートを、一緒に示す。
図6B図6A図6Dは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、データロードモード、動作モード、保守モード、およびデータ取り出し中における、乗り物上のユニットを動作させるための開示された方法を示すフローチャートを、一緒に示す。
図6C図6A図6Dは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、データロードモード、動作モード、保守モード、およびデータ取り出し中における、乗り物上のユニットを動作させるための開示された方法を示すフローチャートを、一緒に示す。
図6D図6A図6Dは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、データロードモード、動作モード、保守モード、およびデータ取り出し中における、乗り物上のユニットを動作させるための開示された方法を示すフローチャートを、一緒に示す。
図7】本開示の少なくとも1つの実施形態による、乗り物上のユニットから保守データを生成および送信するための開示された方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で開示される方法および装置は、補助電力線を介した保守のための動作システムを提供する。1つ以上の実施形態において、本開示のシステムは、保守活動(例えば、ユニットから保守データを取り出す)に関して所与の乗り物プラットフォーム(例えば、航空機)内に設置されたユニット(例えば、電子デバイス)へのアクセスが制限されている、またはアクセスできないという既存の問題に対する解決策を提供する。詳細には、開示されたシステムは、対象の全てのユニットに結合されたデジタルソースコントローラを使用して、ユニットから保守関連データを取り出すアーキテクチャを提供する。特定のユニットを診断する場合、デジタルソースコントローラは、ユニットから目的の情報を取り出すために、乗り物全体に電源を入れる必要がなく、単に特定の対象ユニットのみに電源を入れる能力を有する。
【0026】
開示された、補助電力線を介したマルチスペクトル保守システムは、全てのフェーズ(例えば、全ての飛行フェーズ、および航空機の電源を切った状態での飛行前/飛行後)において乗り物の全体的な健全性に自律的に応答する乗り物(例えば、航空機)の能力を提供する。詳細には、開示されたシステムは、保守の通信をセーフティ/ミッションクリティカルな通信から分離することによって、サポート可能性データ(例えば、診断、予測、保守性、テスト容易性、データロード、コンフィギュレーションマネジメントなど)への手頃なアクセスを増大させる。
【0027】
1つ以上の実施形態において、本開示は、開示されたマルチスペクトル通信ネットワーク内に従来のサポートインターフェース(例えば、RS(recommended standard)-232、RS-485、および/またはイーサネットインターフェース)を統合することにより、機器を取り外すことなくアビオニクスシステムをテストする方法を提供する。さらに、本開示は、航空機電力を介して対象ユニットに電源を入れることにより、または補助電力を使用して、個別のユニットに電源を入れることにより、ARINC(aeronautical radio incorporated)-615A規格への準拠を維持しながら、アビオニクスユニットにデータをロードするための、共通のインターコネクトソリューションを提供する。
【0028】
開示されたシステムで採用されているマルチスペクトルデジタルソースコレクタおよびネットワークコントローラは、マルチスペクトル通信とオンボード/オフボード通信との間の通信変換を提供し、さらにホストの健全性管理(例えば、状態基準管理、組み込みテスト管理、部品追跡など)機能(例えば、自己評価、使用状況と構成要素の追跡、リアルタイムの健全性情報、および予測される乗り物/システム/ユニット/構成要素の健全性)を提供する。
【0029】
少なくとも1つの実施形態において、開示されたシステムは、アビオニクスシステム全体の耐用年数を延ばし、航空機の可用性を高め、運用コストと維持コストを削減し、物流上の占有面積を削減し、「ゼロメンテナンス航空機」に対して想定されるような完全に統合された適応(例えば、自律)制御につながるのに役立つベース能力の向上を可能にすることにより、コストおよび性能上の利益を提供する。本開示は、ユニットからの保守データの取り出しに従来使用され、特定の保守位置でのみ利用可能な特別なテストステーションまたはテスト機器の必要性を排除する手段を、さらに提供する。
【0030】
以下の説明では、システムのより完全な説明を提供するために、多くの詳細が述べられている。しかし、開示されたシステムはこれらの特定の詳細なしで実施できることが、当業者には明らかであろう。その他の例では、システムを不必要に不明瞭にしないために、よく知られている特徴は、詳細に説明されていない。
【0031】
本開示の実施形態が、機能的および/または論理的構成要素ならびに様々な処理ステップに関して、本明細書で説明され得る。そのような構成要素は、指定された機能を実行するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア構成要素によって実現できることを、理解されたい。例えば、本開示の実施形態は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、または他の制御デバイスの制御下で様々な機能を実行することができる様々な集積回路構成要素(例えば、メモリ要素、デジタル信号処理要素、論理要素、ルックアップテーブルなど)を使用することができる。加えて、当業者は、本開示の実施形態が他の構成要素と共に実施され得ること、および本明細書で説明されるシステムが本開示の単に1つの例示的な実施形態にすぎないことを、認識するであろう。
【0032】
ユニットから保守データを取り出すこと、ならびにシステム(およびシステムの個々の動作構成要素)の他の機能的側面に関連する従来の技術および構成要素は、簡潔さのため、本明細書では詳細に説明されない場合がある。さらに、本明細書に含まれる様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表すことが意図されている。本開示の実施形態では、多くの代替的または追加の機能的関係または物理的接続が存在し得ることに、留意されたい。
【0033】
図1Aは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、乗り物上のユニット120から保守データを取り出すための開示されたシステムを示す図100である。この図では、システムは、マルチスペクトルデジタルソースコレクタおよびネットワークコントローラ(デジタルソースコントローラとも呼ばれる)110、複数のユニット120、および航空機主電力分配ユニット160を備えている。
【0034】
複数のユニット120は、乗り物(例えば、航空機)(図示せず)によって使用されるユニットである。図1Aのユニット120は、オンボード保守システムユニット120a、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット120b、飛行管理コンピュータ120c、およびアビオニクスユニット(例えば、飛行ユニット)120d、120e、120fを含むように、示されている。しかし、他の実施形態では、ユニット120は、示されているユニットのタイプ以外の異なるタイプのユニットであってもよいことに、留意されたい。1つ以上の実施形態において、例えば、アビオニクスユニット120d、120e、120fは、通信ユニット、航法ユニット、衝突防止ユニット、地形認識ユニット、フライトコントロールユニット、保守ユニット、フライトレコーダーユニット、気象ユニット、および機内エンターテインメントユニットを含むがこれらに限定されない様々な異なるタイプのアビオニクスユニットであってもよい。1つ以上の実施形態において、乗り物は、空の乗り物(例えば、航空機もしくは人工衛星)、陸の乗り物(例えば、トラックもしくは列車)、または海の乗り物(例えば、船舶もしくは潜水艦)であり得ることに、留意されたい。加えて、1つ以上の実施形態において、乗り物は、図1Aに示される6つのユニットよりも多いまたは少ないユニットを備えてもよい。
【0035】
さらに、開示されたシステムの開示されたユニット120のそれぞれが、従来のユニットには見られないノード130を含むことに、留意されたい。ノード130の詳細については、図3図4、および図5の説明で論じる。
【0036】
さらに、図1Aでは、ユニット120は、主電力線を介して航空機主電力分配ユニット160に接続されるように示されている。主電力線は、通常の動作中の乗り物のユニット120に電力供給するために使用される乗り物内の主要な電力線である。乗り物の通常の動作中、航空機主電力分配ユニット160は、必要に応じて乗り物内のユニット120に電力を分配する。
【0037】
さらに図1Aでは、ユニット120は、セーフティ/ミッションクリティカルバスに接続されるように示されている。セーフティ/ミッションクリティカルバスは、ユニット120との間でセーフティおよび/またはミッションクリティカルなデータを通信するために使用される。
【0038】
加えて、デジタルソースコントローラ110が、補助電力線を介してユニット120に接続されるように示されている。デジタルソースコントローラ110は、乗り物内に収容されてもよいし、乗り物から離れた遠隔地に配置されてもよいことに、留意されたい。デジタルソースコントローラ110は、補助電力線を使用して、ユニット120に電力供給し、および/またはユニット120から保守データを収集することができる。
【0039】
さらに、デジタルソースコントローラ110は、ポータブル保守システム(例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォン)140に接続されるように示されている。いくつかの実施形態において、ポータブル保守システム140は、据え付けられていてもよい(例えば、サーバー)。ユーザは、ポータブル保守システム140を使用して、デジタルソースコントローラ110を制御し(例えば、コマンドを送信することにより)、デジタルソースコントローラ110を介してユニット120に電力供給し、デジタルソースコントローラ110を介してユニット120から保守データを取り出すことができる。図1Aは、有線でポータブル保守システム140に接続されたデジタルソースコントローラ110を示しているが、デジタルソースコントローラ110は、有線または無線でポータブル保守システム140に接続されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態において、デジタルソースコントローラ110は、保守データのセキュリティのためにファイアウォール170を介してポータブル保守システム140に接続される。
【0040】
加えて、デジタルソースコントローラ110は、乗り物から離れた遠隔地に位置する遠隔保守システム(例えば、コンピュータまたはサーバー)150に接続されているように示されている。ユーザは、遠隔保守システム150を使用して、デジタルソースコントローラ110を制御し(例えば、コマンドを送信することにより)、デジタルソースコントローラ110を介してユニット120に電力供給し、デジタルソースコントローラ110を介してユニット120から保守データを取り出すことができる。この図において、デジタルソースコントローラ110は、無線で遠隔保守システム150に接続されているように示されているが、デジタルソースコントローラ110は、有線または無線で遠隔保守システム150に接続されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態において、デジタルソースコントローラ110は、保守データのセキュリティのためにファイアウォール170を介して遠隔保守システム150に接続される。
【0041】
開示されたシステムの動作中、乗り物が通常に動作しているとき(例えば、航空機が飛行しているとき)、乗り物の航空機主電力分配ユニット160が、ユニット120の(通常動作モードにおける)動作の必要に応じて、主電力線を介してユニット120に電力を供給する。また、ユニット120が動作しているとき、ユニット120は、動作中のそれらの動作電子装置の保守データを収集する。この保守データは、ユニット120のノード130内に保存される。ユニット120による保守データの収集の詳細は、図5の説明において詳細に議論される。
【0042】
1つ以上の実施形態において、保守データは、健全性管理(HM)データ(例えば、ユニット120の動作モード中に記録された診断データまたは予測データ)、組み込みテスト(BIT)データ(例えば、動作モードでのユニット120の動作中にフェールしたレジスタに関するデータ)、組み込みテスト機器(BITE)データ(例えば、測定モード中のユニット120のテスト中に記録された測定データ)、および/またはコンフィギュレーションデータ(例えば、ユニット120の動作電子装置のコンフィギュレーションプロファイルであり、ユニット120のハードウェア(HW)部品番号と、ユニット120によって使用されるソフトウェアのソフトウェア(SW)バージョン番号を含むことができる)であり得る。
【0043】
ユーザは、デジタルソースコントローラ110を使用して、補助電力線を介してユニット120のノード130から保守データを取り出すことができる。ユーザは、デジタルソースコントローラ110を直接操作してもよいし、ならびに/またはポータブル保守システム140および/もしくは遠隔保守システム150によってデジタルソースコントローラ110を遠隔操作してもよい。
【0044】
乗り物が通常に動作しており、ユーザが特定のユニット120から保守データを取り出したい場合、ユーザは、ユーザが希望する特定の保守データを対象のユニット120に問い合わせるよう、デジタルソースコントローラ110に命令する。次に、デジタルソースコントローラ110は、補助電力線を介して対象のユニット120に要求信号を送信することにより、特定の保守データについてユニット120に問い合わせる。要求信号は、電力線ブロードバンド(BPL)技術を使用して、補助電力線を介して送信される。
【0045】
対象のユニット120が要求信号を受信した後、ユニット120は、要求された保守データを、BPL技術を使用して、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110にデータ信号で送信する。ユーザが、ポータブル保守システム140または遠隔保守システム150を介してデジタルソースコントローラ110を遠隔操作することにより保守データを要求した場合、デジタルソースコントローラ110は、保守データを、ユーザがデジタルソースコントローラ110に命令するために使用した特定のシステム(例えば、ポータブル保守システム140または遠隔保守システム150)に転送する。
【0046】
乗り物が通常に動作しておらず(例えば、航空機が着陸しており、飛行前または飛行後に電源が切られている)、ユーザが特定のユニット120から保守データを取り出したい場合、ユーザは、補助電力線を介してその特定のユニット120に電力供給するように、デジタルソースコントローラ110に命令する。1つ以上の実施形態において、デジタルソースコントローラ110は、それ自体が補助電力線に電力を供給する。いくつかの実施形態において、ユーザは、ポータブル保守システム140および/または遠隔保守システム150を使用して、デジタルソースコントローラ110に命令して、補助電力線に電力供給させる。
【0047】
次に、ユーザは、特定の所望の保守データについて対象のユニット120に問い合わせるようにデジタルソースコントローラ110に命令する。いくつかの実施形態において、ユーザは、ポータブル保守システム140および/または遠隔保守システム150を使用して、デジタルソースコントローラ110に命令して、所望の保守データについて対象のユニット120に問い合わせさせる。次に、デジタルソースコントローラ110は、補助電力線を介して対象のユニット120に要求信号を送信することにより、特定の保守データについてユニット120に問い合わせる。その時、要求信号は、BPL技術を使用して補助電力線を介して送信される。対象のユニット120が要求信号を受信した後、ユニット120は、要求された保守データを、BPL技術を使用して、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110にデータ信号で送信する。ユーザが、ポータブル保守システム140または遠隔保守システム150を介してデジタルソースコントローラ110を遠隔操作することにより保守データを要求した場合、デジタルソースコントローラ110は、保守データを、ユーザがデジタルソースコントローラ110に命令するために使用した特定のシステム(例えば、ポータブル保守システム140または遠隔保守システム150)に転送する。
【0048】
図1Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、乗り物上のユニットから保守データを取り出すための開示された方法190を示すフローチャートである。方法190の開始191において、乗り物(例えば、乗り物のバッテリー)は、乗り物の主電力線に電力を供給する192。さらに、デジタルソースコントローラは、補助電力線に電力を供給する193。次に、(ユニットに接続されている)補助電力線または(ユニットに接続されている)主電力線が、ユニットに電力供給する194。次に、デジタルソースコントローラが、補助電力線を介してユニットから保守データを取り出す195。次に、方法190が終了する196。
【0049】
図2は、乗り物のための従来のユニット220の詳細を示す図200である。図2に示される従来のユニット220は、現在航空機に採用されている従来のユニットの詳細を示していることに、留意されたい。開示されたシステムによって使用される開示されたユニット120とは異なり、従来のユニット220は、通常、保守データの取り出しのために乗り物プラットフォームから取り外される必要がある。
【0050】
この図では、従来のユニット220は、組み込みテスト機器(BITE)メモリ240、組み込みテスト(BIT)メモリ250、およびデータロードメモリ260を含むように示されている。また、この図では、BITEメモリ240は、BITEバスコントローラ245を介してシリアルポート(例えば、RS232コネクタまたはRS485コネクタ)275に接続されるように示され、BITメモリ250は、BITバスコントローラ255を介してシリアルポート(例えば、RS232またはRS485コネクタ)270に接続されるように示され、データロードメモリ260は、データロードバスコントローラ265を介してコネクタ(例えば、ARINC600コネクタ)230に接続されるように示されている。また、この図では、専用のBITサポートポータブルまたはテストステーション機器205が、従来のユニット220のシリアルポート270に有線で接続され、専用のBITEサポートポータブルまたはテストステーション機器215が、従来のユニット220のシリアルポート275に有線で接続され、データローダ(例えば、ARINC645Aデータローダ)225が、従来のユニット220のコネクタ230に有線で接続されている。いくつかの実施形態では、データローダ225は、従来のユニット220のシリアルポート280にも有線で接続されている。
【0051】
従来のユニット220を通常に動作させる前に、従来のユニット220の動作電子装置(図示せず)のコンフィギュレーション(例えば、コンフィギュレーションプロファイル)が、従来のユニット220にロードされる。従来のユニット220の動作のデータロードモード中の従来のユニット220の動作中、従来のユニット220の動作電子装置(図示せず)のコンフィギュレーションが、データローダ225によってコネクタ230およびデータロードバスコントローラ265を介してデータロードメモリ260にロードされる。いくつかの実施形態では、コンフィギュレーションは、データローダ225によってシリアルポート280を介してデータロードメモリ260にロードされる。
【0052】
コンフィギュレーションがデータロードメモリ260にロードされた後、従来のユニット220のデータロードバスコントローラ265が、コンフィギュレーションに従って動作電子装置(図示せず)を構成する。動作電子装置がコンフィギュレーションに従って構成された後、従来のユニット220は、通常に動作する準備ができている。
【0053】
動作モード中の従来のユニット220の動作中、従来のユニット220の動作電子装置は、通常に動作する。動作電子装置が通常に動作している間、BITバスコントローラ255が、BITデータを取得し、次に、BITデータは、BITメモリ250に保存される。従来のユニット220が通常の動作を終了した後、従来のユニット220の保守モードが実行され得る。
【0054】
保守モード中の従来のユニット220の動作中、動作電子装置は通常に動作していないが、BITEバスコントローラ245が、動作電子装置でテストを実行し、テストからBITEデータを取得する。次に、BITEデータは、従来のユニット220のBITEメモリ240に保存される。
【0055】
BITEデータおよびBITデータが取得され、それぞれBITEメモリ240およびBITメモリ250に保存された後、検討および分析のためにBITEデータおよびBITデータを取り出すことが望まれる場合がある。BITEデータおよびBITデータの取り出しのために、1つ以上の実施形態において、従来のユニット220は、それがその内部に設置されているところの乗り物プラットフォームから取り外されて、専用のBITサポートポータブルまたはテストステーション機器205および専用のBITEサポートポータブルまたはテストステーション215に接続される。
【0056】
データ取り出し中、専用のBITサポートポータブルまたはテストステーション機器205が、BITデータメモリ250からBITデータを取り出し、専用のBITEポータブルまたはテストステーション機器215が、BITEメモリ240からBITEデータを取り出す。BITデータおよびBITEデータが取り出された後、従来のユニット220は、専用のBITEポータブルまたはテストステーション機器215および専用のBITサポートポータブルまたはテストステーション機器205から切り離される。次に、従来のユニット220は、通常の動作のために乗り物プラットフォームに再設置される。
【0057】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図1の開示されたシステムのユニット120のうちの1つのユニットの詳細を示す図300である。この図300は、開示されたユニット120の構成要素の簡略図であり、ユニット120の全ての構成要素を示してはいないことに、留意されたい(例えば、この図300は、ユニット120の動作電子装置を示していない)。
【0058】
この図では、ユニット120は、健全性管理(HM)メモリ370、BITEメモリ340、BITメモリ350、およびデータロードメモリ360を含むように示されている。HMメモリ370、BITEメモリ340、BITメモリ350、およびデータロードメモリ360は全て、コネクタ(例えば、ARINC600コネクタ)330に接続されたノード(例えば、保守(MX)ノード)130に接続されている。ユニット120のコネクタ330は、補助電力線に接続されている。そして、ユニット120は、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110に接続されている。デジタルソースコントローラ110は、補助電力線を介して、ユニット120から保守データ(HMデータ、BITデータ、およびBITEデータ)を取り出し、コンフィギュレーション(例えば、ユニット120の動作電子装置のコンフィギュレーションプロファイル)をユニット120にダウンロードすることができる。
【0059】
また、この図では、ノード130は、それぞれアナログフロントエンド電子装置(AFE)に接続されている、HM/BITコントローラおよびモデム345、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム355を含むように示されている。HM/BITコントローラおよびモデム345は、ユニット120の動作電子装置(図示せず)のHMデータおよびBITデータを取得し、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、ユニット120の動作電子装置(図示せず)のBITEデータおよびコンフィギュレーション(例えば、コンフィギュレーションプロファイル)を取得する。
【0060】
ユニット120に電力が供給されていないときに、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、BITEデータを取得して、動作電子装置のコンフィギュレーション(例えば、コンフィギュレーションプロファイル)をロードするように、依然として動作し得ることに、留意されたい。RFID電子装置380によって生成された安全制御信号(例えば、離散無線周波数識別(RFID)信号)375を使用して、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に、電源を入れるよう命令することができ、保守電源(Mx P/S)365を使用して、BITE/データロードコントローラおよびモデム355の動作のためにBITE/データロードコントローラおよびモデム355のみに電力供給することができる。ユニット120の動作に関する追加の詳細が、図5の説明において議論される。
【0061】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図1の開示されたシステムのデジタルソースコントローラ110およびユニット120のうちの1つのユニットの詳細を示す図400である。図400は、開示されたユニット120の構成要素の簡略図およびデジタルソースコントローラ110の構成要素の簡略図を示すことに、留意されたい。
【0062】
この図では、ユニット120は、動作電子装置430、ユニット120に電力供給するために使用されるユニット電源(P/S)450、保守データを含むデータを保存するために使用されるフラッシュメモリ440、およびノード(例えば、保守(MX)ノード)130を含むように示されている。ノード130は、それぞれアナログフロントエンド電子装置(AFE)に接続されている、HM/BITコントローラおよびモデム345、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム(例えば、保守コントローラおよびモデム)355を含むように示されている。HM/BITコントローラおよびモデム345は、ユニット120の動作電子装置430のHMデータおよびBITデータを取得し、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、ユニット120の動作電子装置430のBITEデータおよびコンフィギュレーション(例えば、コンフィギュレーションプロファイル)を取得する。ノードは、BITE/データロードコントローラおよびモデム355のみに電力供給するために使用できる保守電源(Mx P/S)365、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム355に、電源を入れるよう命令するために使用される安全制御信号(例えば、離散無線周波数識別(RFID)信号)375を生成するためのRFID電子装置380を、さらに含むように示されている。
【0063】
また、この図では、デジタルソースコントローラ110は、プロセッサ(例えば、保守プロセッサ)460、モデム470、アナログフロントエンド電子装置(AFE)、および電源(P/S)480を含むように示されている。デジタルソースコントローラ110は、ポータブル保守システム接続(有線であっても無線であってもよい)を介して、ポータブルまたは据え付けデータロードデバイス490およびポータブル(または据え付け)保守(MX)デバイス140に接続されている。加えて、デジタルソースコントローラ110は、補助電力線を介してユニット120に接続されている。
【0064】
操作中、ユーザは、デジタルソースコントローラ110と通信して直接に(例えば、ディスプレイ495に表示されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して)、または代わりに、コンフィギュレーションをユニット120にダウンロードするためのポータブルまたは据え付けデータロードデバイス490を介して遠隔で、もしくはユニット120から保守データを取り出すためのポータブル(または据え付け)保守デバイス140を介して遠隔で、デジタルソースコントローラ110を操作することができる。ユーザが、デジタルソースコントローラ110を遠隔操作するとき、デジタルソースコントローラ110の保守プロセッサ460が、ユーザからのコマンドを受信して処理する。例えば、ユーザが、特定の保守データ(例えば、BITデータ)を求めるコマンドをデジタルソースコントローラ110に送信すると、保守プロセッサ460が、そのコマンドを処理して、所望の保守データ(例えば、BITデータ)を求めてユニット120に送信されるべき問い合わせコマンド(例えば、要求コマンド)を生成する。次に、デジタルソースコントローラ110のモデム470が、問い合わせコマンドのための変調された要求信号を生成する。デジタルソースコントローラ110は、変調された要求信号を、補助電力線を介してユニット120に送信する。
【0065】
ユニット120が、変調された要求信号を受信した後、HM/BITコントローラおよびモデム345が、変調された要求信号を処理して、その特定の要求を決定する。次に、HM/BITコントローラおよびモデム345が、要求された保守データ(例えば、BITデータ)をメモリ(例えば、フラッシュメモリ440)から取り出し、要求された保守データ(例えば、BITデータ)を含む変調されたデータ信号を生成する。次に、ユニット120が、変調されたデータ信号を補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110に送信する。ユーザが、デジタルソースコントローラ110を遠隔操作している場合、デジタルソースコントローラ110は、要求された保守データ(例えば、BITデータ)を、ユーザがデジタルソースコントローラ110に命令するために使用した特定のシステム(例えば、ポータブル(または据え付け)保守デバイス140)に転送する。
【0066】
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図1の開示されたシステムのユニット120のうちの1つのユニットの詳細を示す図500である。詳細には、図500は、ユニット120のHM/BITコントローラおよびモデム345、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム355の詳細を示している。図500はユニット120のノード130を具体的に示していないが、ユニット120はノード130を含むことが理解されることに、留意されたい。
【0067】
この図では、ユニット120は、動作電子装置430、ユニット120に電力供給するために使用されるユニット電源(P/S)450、HM/BITコントローラおよびモデム345、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム355を含むように示されている。HM/BITコントローラおよびモデム345は、ユニット120の動作電子装置430のHMデータおよびBITデータを取得し、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、ユニット120の動作電子装置430のBITEデータおよびコンフィギュレーション(例えば、コンフィギュレーションプロファイル)を取得する。HM/BITコントローラおよびモデム345は、HMメモリ510、BITメモリ520、HMコントローラ511、BITコントローラ521、HMモデム512、およびBITモデム522を含むように示されている。そして、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、BITEメモリ530、データロードメモリ540、BITEコントローラ531、データロードコントローラ541、BITEモデム532、およびデータロードモデム(例えば、ARINC615Aモデム)542を含むように示されている。
【0068】
ユニット120は、BITE/データロードコントローラおよびモデム355のみに電力供給するために使用できる保守電源(Mx P/S)365、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム355に、電源を入れるよう命令するために使用される安全制御信号(例えば、離散無線周波数識別(RFID)信号)375を生成するためのRFID電子装置380を、さらに含むように示されている。
【0069】
ユニット120は、データロードモード、動作モード、保守モード、およびデータ取り出しモードである4つの異なるモードで動作するように動作可能である。これらの4つのモードにおけるユニット120の動作の詳細な説明は、以下の通りである。
【0070】
データロードモードでのユニット120の動作中、RFID電子装置380によって生成された安全制御信号375(例えば、離散信号)が、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に、電源を入れるように命令する。また、保守電源365が、コネクタ330を介してユニット120に接続された補助電力線によって得られる電力から、またはコネクタ330を介してユニット120に接続された主電力線によって得られる電力から、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に電力供給する。次に、ユニット120のデータロードモデム542が、変調されたコンフィギュレーション信号(例えば、動作電子装置430のコンフィギュレーションプロファイルを含む変調された信号)を補助電力線から受信する。いくつかの実施形態では、変調されたコンフィギュレーション信号は、特定の周波数帯域(例えば、70~200メガヘルツ(MHz))で送信され得ることに、留意されたい。次に、データロードモデム542は、変調されたコンフィギュレーション信号を復調して、コンフィギュレーションを決定する。次に、データロードメモリ540が、コンフィギュレーションを保存する。次に、データロードコントローラ541が、コンフィギュレーションに従って動作電子装置430を構成する。動作電子装置430が構成された後、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、もはや電力供給されない。
【0071】
動作モードでのユニット120の動作中、ユニット電源450が、コネクタ330を介してユニット120に接続された補助電力線によって得られる電力から、またはコネクタ330を介してユニット120に接続された主電力線によって得られる電力から、動作電子装置430ならびにHM/BITコントローラおよびモデム345に電力供給する。動作電子装置430に電力が供給された後、動作電子装置430は、通常に動作する。動作電子装置が通常に動作している間、HMコントローラ511が、動作電子装置430のHMデータを取得し、BITコントローラ521が、動作電子装置430のBITデータを取得する。次に、HMデータはHMメモリ510に保存され、BITデータもBITメモリ520に保存される。動作電子装置430が動作を終了した後、動作電子装置430は、もはや電力供給されない。
【0072】
保守モードでのユニット120の動作中、RFID電子装置380によって生成された安全制御信号375(例えば、離散信号)が、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に、電源を入れるように命令する。また、保守電源365が、コネクタ330を介してユニット120に接続された補助電力線によって得られる電力から、またはコネクタ330を介してユニット120に接続された主電力線によって得られる電力から、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に電力供給する。BITEコントローラ531が、動作電子装置430に対してテストを実行し、テスト中に動作電子装置430からBITEデータを取得する。次に、BITEデータは、BITEメモリ530に保存される。動作電子装置430のテストが完了した後、BITE/データロードコントローラおよびモデム355は、もはや電力供給されない。
【0073】
データ取り出しモードでのユニット120の動作中、HMデータおよびBITデータの取り出しのために、ユニット電源450は、コネクタ330を介してユニット120に接続された補助電力線によって得られる電力から、またはコネクタ330を介してユニット120に接続された主電力線によって得られる電力から、HM/BITコントローラおよびモデム345に電力供給する。次に、ユニット120のBITモデム522が、変調された要求信号(例えば、動作電子装置430のBITデータに対する要求を含む変調された信号)を、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110から受信する。さらに、ユニット120のHMモデム512が、変調された要求信号(例えば、動作電子装置430のHMデータに対する要求を含む変調された信号)を、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110から受信する。いくつかの実施形態では、BITデータに対する変調された要求信号は、特定の周波数帯域(例えば、32~48MHz)で送信され、HMデータに対する変調された要求信号は、異なる特定の周波数帯域(例えば、12~28MHz)で送信され得ることに、留意されたい。
【0074】
次に、BITモデム522が、BITデータに対する変調された要求信号を復調して、その特定の要求を決定し、HMモデム512が、HMデータに対する変調された要求信号を復調して、その特定の要求を決定する。次に、BITコントローラ521が、要求されたBITデータをBITメモリ520から取り出し、HMコントローラ511が、要求されたHMデータをHMメモリ510から取り出す。次に、BITモデム522が、要求されたBITデータを含む変調されたBITデータ信号を生成し、HMモデム512が、要求されたHMデータを含む変調されたHMデータ信号を生成する。いくつかの実施形態では、変調されたBITデータ信号は、特定の周波数帯域(例えば、32~48MHz)で送信され、変調されたHMデータ信号は、異なる特定の周波数帯域(例えば、12~28MHz)で送信され得ることに、留意されたい。次に、ユニット120は、変調されたBITデータ信号および変調されたHMデータ信号を、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110に送信する。
【0075】
また、データ取り出しモード中、BITEデータの取り出しのために、RFID電子装置380によって生成された安全制御信号375(例えば、離散信号)が、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に、電源を入れるように命令する。また、保守電源365が、コネクタ330を介してユニット120に接続された補助電力線によって得られる電力から、またはコネクタ330を介してユニット120に接続された主電力線によって得られる電力から、BITE/データロードコントローラおよびモデム355に電力供給する。次いで、ユニット120のBITEモデム532が、変調された要求信号(例えば、動作電子装置430のBITEデータに対する要求を含む変調された信号)を、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110から受信する。1つ以上の実施形態では、BITEデータに対する変調された要求信号は、特定の周波数帯域(例えば、52~68MHz)で送信され得る。
【0076】
次に、BITEモデム532が、BITEデータに対する変調された要求信号を復調して、その特定の要求を決定する。次に、BITEコントローラ531が、要求されたBITEデータをBITEメモリ530から取り出す。次に、BITEモデム532が、要求されたBITEデータを含む変調されたBITEデータ信号を生成する。いくつかの実施形態では、変調されたBITEデータ信号は、特定の周波数帯域(例えば、52~68MHz)で送信され得ることに、留意されたい。次に、ユニット120は、変調されたBITEデータ信号を、補助電力線を介してデジタルソースコントローラ110に送信する。
【0077】
要求された全ての保守データ(例えば、BITデータ、HMデータ、およびBITEデータ)が、ユニット120からデジタルソースコントローラ110に送信された後、HM/BITコントローラおよびモデム345、ならびにBITE/データロードコントローラおよびモデム355は、もはや電力供給されない。
【0078】
加えて、1つ以上の実施形態において、異なる変調信号はそれぞれ、様々な異なる変調技術を使用して生成され得ることに、留意されたい。様々な変調信号を生成するために使用され得る様々な変調技術には、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相シフトキーイング(PSK)、2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、差分PSK(DPSK)、差分QPSK(DQPSK)、オフセットQPSK(OQPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、オーディオ周波数シフトキーイング(AFSK)、多重周波数シフトキーイング(MFSK)、デュアルトーン多重周波数(DTMF)、振幅シフトキーイング(ASK)、オンオフキーイング(OOK)、直交振幅変調(QAM)、連続位相変調最小シフトキーイング(CPMMSK)、ガウス最小シフトキーイング(GMSK)、連続位相周波数シフトキーイング(CPFSK)、直交周波数分割多重(OFDM)、トレリス符号化変調(TCM)、スペクトラム拡散技術、直接スペクトラム拡散(DSSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、および周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
図6A図6Dは一緒に、本開示の少なくとも1つの実施形態による、データロードモード602、動作モード614、保守モード630、およびデータ取り出し644中において、乗り物上のユニットを動作させるための開示された方法を示すフローチャートを示す。方法の開始で600、データロードモード中に602、安全制御信号が、ユニット内の組み込みテスト機器(BITE)電子装置およびデータロード電子装置に、電源を入れるよう命令する604。次に、データロードモード中に、BITE電子装置およびデータロード電子装置は、ユニットに接続された主電力線またはユニットに接続された補助電力線によって電力供給される606。次に、データロードモード中に、ユニットの動作電子装置のコンフィギュレーションが、データロード電子装置のデータロードメモリにロードされる608。次に、データロードモード中に、データロード電子装置のデータロードコントローラが、コンフィギュレーションに従ってユニットの動作電子装置を構成する610。動作電子装置が構成された後、BITE電子装置およびデータロード電子装置の電力供給が、停止される612。
【0080】
動作モード中に614、ユニット内の健全性管理(HM)電子装置および組み込みテスト(BIT)電子装置は、ユニットに接続された主電力線またはユニットに接続された補助電力線によって電力供給される616。次に、動作モード中に、動作電子装置が、動作する618。動作モード中に、HM電子装置のHMコントローラが、ユニットが動作している間のユニットの動作電子装置のHMデータを取得する620。次に、動作モード中に、HMデータが、HM電子装置のHMメモリに保存される622。動作モード中に、BIT電子装置のBITコントローラが、ユニットが動作している間のユニットの動作電子装置のBITデータを取得する624。次に、動作モード中に、BITデータが、BIT電子装置のBITメモリに保存される626。動作電子装置が動作を終了した後、HM電子装置およびBIT電子装置の電力供給が、停止される628。
【0081】
保守モード中に630、安全制御信号が、ユニット内のBITE電子装置およびデータロード電子装置に、電源を入れるよう命令する632。次に、保守モード中に、BITE電子装置およびデータロード電子装置は、ユニットに接続された主電力線またはユニットに接続された補助電力線によって電力供給される634。次に、保守モード中に、BITE電子装置のBITEコントローラが、ユニットの動作電子装置をテストする636。次に、保守モード中に、BITE電子装置のBITEコントローラは、動作電子装置がテストされている間のユニットの動作電子装置のBITEデータを取得する638。次に、保守モード中に、BITEデータが、BITE電子装置のBITEメモリに保存される640。動作電子装置がテストされた後、BITE電子装置およびデータロード電子装置の電力供給が、停止される642。
【0082】
データ取り出し中に644、ユニット内のHM電子装置およびBIT電子装置は、ユニットに接続された主電力線またはユニットに接続された補助電力線によって電力供給される646。次に、デジタルソースコントローラが、補助電力線を介してHMメモリからHMデータを取り出す648。さらに、デジタルソースコントローラは、補助電力線を介してBITメモリからBITデータを取り出す650。安全制御信号が、ユニット内のBITE電子装置およびデータロード電子装置に、電源を入れるよう命令する652。次に、BITE電子装置およびデータロード電子装置は、ユニットに接続された主電力線またはユニットに接続された補助電力線によって電力供給される654。次に、デジタルソースコントローラが、補助電力線を介してBITEメモリからBITEデータを取り出す656。次に、方法が終了する658。
【0083】
図7は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、乗り物上のユニットから保守データを生成および送信するための開示された方法700を示すフローチャートである。方法700の開始710で、ユニットは、ユニットに接続された補助電力線またはユニットに接続された主電力線によって電力供給される720。少なくとも1つの変調器が、保守データの少なくとも一部を変調して、少なくとも1つの変調された信号を生成する730。次に、少なくとも1つの変調された信号が、補助電力線でユニットから送信される740。次に、方法700が終了する750。
【0084】
特定の実施形態を示し説明してきたが、上記の説明はこれらの実施形態の範囲を限定することを意図していないことを、理解されたい。本明細書では、本発明の多くの態様の実施形態および変形例を開示および説明してきたが、そのような開示は、説明および例示のみを目的として提供されている。したがって、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができる。
【0085】
上記の方法が、特定の順序で発生する特定のイベントを示す場合、本開示の利益を有する当業者は、順序が変更されてもよく、そのような変更が本開示の変形例に従うことを、認めるであろう。さらに、方法の一部が、可能であれば並列プロセスで同時に実行されてもよいし、順次に実行されてもよい。さらに、方法のより多くの部分またはより少ない部分が、実行されてもよい。
【0086】
さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0087】
条項1.乗り物上のユニット(120)から保守データを生成および送信する方法であって、
ユニット(120)に接続された補助電力線またはユニット(120)に接続された主電力線のうちの一方によってユニット(120)に電力供給することと、
ユニット(120)によって、保守データの少なくとも一部を変調して、少なくとも1つの変調された信号を生成することと、
ユニット(120)から、少なくとも1つの変調された信号を補助電力線で送信することと、
を含む方法。
【0088】
条項2.方法が、ユニット(120)の少なくとも1つのプロセッサ(511、521、531)によって、動作モードまたは保守モードのうちの少なくとも一方の間に、ユニット(120)の動作電子装置(430)の保守データを取得することを、さらに含む、条項1の方法。
【0089】
条項3.方法が、動作モードまたは保守モードのうちの少なくとも一方の間に、ユニット(120)の動作電子装置(430)の保守データを、ユニット(120)の少なくとも1つのメモリ(510、520、530)に保存することを、さらに含む、条項1の方法。
【0090】
条項4.保守データが、健全性管理(HM)データ、組み込みテスト(BIT)データ、組み込みテスト機器(BITE)データ、またはコンフィギュレーションデータのうちの少なくとも1つを含む、条項1の方法。
【0091】
条項5.HMデータ、BITデータ、BITEデータ、およびコンフィギュレーションデータが、それぞれ、互いに異なる周波数帯域で変調される、条項4の方法。
【0092】
条項6.HMデータ、BITデータ、BITEデータ、およびコンフィギュレーションデータが、それぞれ、互いに異なる変調技術を用いて変調される、条項4の方法。
【0093】
条項7.乗り物が、空の乗り物、陸の乗り物、または海の乗り物のうちの1つである、条項1の方法。
【0094】
条項8.保守データの少なくとも一部が、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相シフトキーイング(PSK)、2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、差分PSK(DPSK)、差分QPSK(DQPSK)、オフセットQPSK(OQPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、オーディオ周波数シフトキーイング(AFSK)、多重周波数シフトキーイング(MFSK)、デュアルトーン多重周波数(DTMF)、振幅シフトキーイング(ASK)、オンオフキーイング(OOK)、直交振幅変調(QAM)、連続位相変調最小シフトキーイング(CPMMSK)、ガウス最小シフトキーイング(GMSK)、連続位相周波数シフトキーイング(CPFSK)、直交周波数分割多重(OFDM)、トレリス符号化変調(TCM)、スペクトラム拡散技術、直接スペクトラム拡散(DSSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、または周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)のうちの1つの変調技術によって変調される、条項1の方法。
【0095】
条項9.ユニット(120)が、オンボード保守システムユニット(120a)、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット(120b)、飛行管理コンピュータ(120c)、またはアビオニクスユニット(120d、120e、120f)のうちの1つである、条項1の方法。
【0096】
条項10.アビオニクスユニット(120d、120e、120f)が、通信ユニット、航法ユニット、衝突防止ユニット、地形認識ユニット、フライトコントロールユニット、保守ユニット、フライトレコーダーユニット、気象ユニット、または機内エンターテインメントユニットのうちの1つである、条項9の方法。
【0097】
条項11.乗り物上のユニット(120)から保守データを生成および送信するシステムであって、システムが、
ユニット(120)に接続された補助電力線と、
ユニット(120)に接続された主電力線と、を備え、
ユニット(120)が、補助電力線または主電力線のうちの一方によって電力供給され、システムが、
保守データの少なくとも一部を変調して、少なくとも1つの変調された信号を生成し、ユニット(120)から補助電力線を介して少なくとも1つの変調された信号を送信するユニット(120)を、さらに備える、システム。
【0098】
条項12.システムが、ユニット(120)の動作電子装置(430)の保守データを取得するための、ユニット(120)の少なくとも1つのプロセッサ(511、521、531)を、さらに備える、条項11のシステム。
【0099】
条項13.システムが、ユニット(120)の動作電子装置(430)の保守データを保存するための、ユニット(120)の少なくとも1つのメモリ(510、520、530)を、さらに備える、条項11のシステム。
【0100】
条項14.保守データが、健全性管理(HM)データ、組み込みテスト(BIT)データ、組み込みテスト機器(BITE)データ、またはコンフィギュレーションデータのうちの少なくとも1つを含む、条項11のシステム。
【0101】
条項15.HMデータ、BITデータ、BITEデータ、およびコンフィギュレーションデータが、それぞれ、互いに異なる周波数帯域で変調される、条項14のシステム。
【0102】
条項16.HMデータ、BITデータ、BITEデータ、およびコンフィギュレーションデータが、それぞれ、互いに異なる変調技術を用いて変調される、条項14のシステム。
【0103】
条項17.乗り物が、空の乗り物、陸の乗り物、または海の乗り物のうちの1つである、条項11のシステム。
【0104】
条項18.保守データの少なくとも一部が、周波数変調(FM)、振幅変調(AM)、位相シフトキーイング(PSK)、2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、差分PSK(DPSK)、差分QPSK(DQPSK)、オフセットQPSK(OQPSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、オーディオ周波数シフトキーイング(AFSK)、多重周波数シフトキーイング(MFSK)、デュアルトーン多重周波数(DTMF)、振幅シフトキーイング(ASK)、オンオフキーイング(OOK)、直交振幅変調(QAM)、連続位相変調最小シフトキーイング(CPMMSK)、ガウス最小シフトキーイング(GMSK)、連続位相周波数シフトキーイング(CPFSK)、直交周波数分割多重(OFDM)、トレリス符号化変調(TCM)、スペクトラム拡散技術、直接スペクトラム拡散(DSSS)、チャープスペクトラム拡散(CSS)、または周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)のうちの1つの変調技術によって変調される、条項11のシステム。
【0105】
条項19.ユニット(120)が、オンボード保守システムユニット(120a)、セーフティ/ミッションクリティカルシステムネットワークユニット(120b)、飛行管理コンピュータ(120c)、またはアビオニクスユニット(120d、120e、120f)のうちの1つである、条項11のシステム。
【0106】
条項20.アビオニクスユニット(120d、120e、120f)が、通信ユニット、航法ユニット、衝突防止ユニット、地形認識ユニット、フライトコントロールユニット、保守ユニット、フライトレコーダーユニット、気象ユニット、または機内エンターテインメントユニットのうちの1つである、条項19のシステム。
【0107】
したがって、実施形態は、特許請求の範囲内に含まれ得る代替形態、修正形態、および等価物を例示することを意図している。
【0108】
特定の例示的な実施形態および方法が本明細書に開示されたが、開示された技術の真の意図および範囲から逸脱することなく、そのような実施形態および方法の変形および修正を行うことができることが、前述の開示から当業者には明らかであり得る。開示された技術の他の多くの例が存在し、各々は詳細事項のみが他のものと異なる。したがって、開示された技術は、添付の特許請求の範囲ならびに適用法の規定および原理によって要求される範囲にのみ限定されることが、意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7