(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】周波数検知回路
(51)【国際特許分類】
H03L 7/089 20060101AFI20240209BHJP
H03K 5/00 20060101ALI20240209BHJP
H03L 7/08 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H03L7/089
H03K5/00 H
H03L7/08 107
(21)【出願番号】P 2019169650
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】バレンティン アブラムゾン
【審査官】石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-545403(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0141567(US,A1)
【文献】特開2016-021629(JP,A)
【文献】特開2001-358582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03L 1/00- 7/26
H03K 5/00- 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力を受信し、前記データ入力の切替に基づいて第1境界出力(edge output)を提供する切替検知器と、
前記第1境界出力を受信し、受信した前記第1境界出力を遅延させる第1遅延回路を含み、第2境界出力を生成する第1回路と、
前記第2境界出力を受信し、受信した前記第2境界出力を遅延させる第2遅延回路を含み、第3境界出力を生成する第2回路と、
組合せ論理回路とを含み、
前記組合せ論理回路は、
前記第1境界出力、前記第2境界出力および前記第3境界出力のうち、2つ以上の境界出力が高い値のとき、アップ出力(UP output)を出力し、
前記第1境界出力、前記第2境界出力および前記第3境界出力がすべて低い値のとき、ダウン出力(DOWN output)を生成する周波数検知回路。
【請求項2】
前記組合せ論理回路は、
ダウン論理回路(DOWN logic circuit)と、
アップ論理回路(UP logic circuit)とを含む、請求項1に記載の周波数検知回路。
【請求項3】
前記ダウン論理回路は、
第1入力、第2入力および第3入力を有するANDゲートと、
前記第1境界出力を受信し、前記第1入力と接続されている第1反転器と、
前記第2境界出力を受信し、前記第2入力と接続されている第2反転器と、
前記第3境界出力を受信し、前記第3入力と接続されている第3反転器とを含む、請求項
2に記載の周波数検知回路。
【請求項4】
前記アップ論理回路は、
第1入力、第2入力および第3入力を有するORゲートと、
前記第1境界出力および前記第2境界出力を受信し、前記ORゲートの第1入力に第1出力を供給する第1ANDゲートと、
前記第1境界出力および前記第3境界出力を受信し、前記ORゲートの第2入力に第2出力を供給する第2ANDゲートと、
前記第2境界出力および前記第3境界出力を受信し、前記ORゲートの第3入力に第3出力を供給する第3ANDゲートとを含む、請求項
2に記載の周波数検知回路。
【請求項5】
前記組合せ論理回路は、選択信号によって、位相検知モードと周波数検知モードとを切替える選択回路をさらに含む、請求項1に記載の周波数検知回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数検知回路、位相/周波数検知器回路、および周波数検知方法に関する。また、クロックおよびデータ復旧に用いられる周波数検知回路および周波数検知方法に関する。
【0002】
本出願は、2018年9月18日付で米国特許庁に出願した米国特許出願番号第62/732,942号を優先権主張し、ここに引用することによって、この出願の全体内容を本願に含む。
【背景技術】
【0003】
直列リンクは、チャネルを介して受信機と接続された送信機を含む。受信機は、一般に、入力データの位相と整列されたクロックを生成する回路を含む。
【0004】
図1は、入力データ信号に自己生成クロック(locally generated clock)を同期させる、従来のクロックおよびデータ復旧(clock and data recovery:CDR)回路を示す。
【0005】
図1を参照すれば、従来のCDRシステム100は、入力信号をサンプリングしてバンバン位相検知器120に伝送するデータおよび交差スライサ(data and crossing slicers)110を含む。バンバン位相検知器(bang-bang phase detector)120は、電圧制御発振器(voltage controlled oscillator:VCO)130が生成するクロックの位相が入力信号と同期するか、つまり、入力信号と同相(in-phase)であるかを決定する。バンバン位相検知器120は、3つの状態を有する。3つの状態は、位相が速い(early)状態、位相が遅い(late)状態、有用な情報がない(例えば、位相同期の可否を決定するのに必要なデータ切替がない)状態である。現在の状態に基づいて、バンバン位相検知器120は、アップ値(up value)またはダウン値(down value)を出力する。バンバン位相検知器120のアップ/ダウン信号(up and down signals)はチャージポンプ(charge pump)140に入力され、チャージポンプ140は、スイッチを動作させて、電圧制御発振器130の制御電圧を高くする、または、低くする。例えば、チャージポンプ140が受けた信号がアップ値のとき、チャージポンプ140は、電圧制御発振器130の制御電圧を高め、これによって生成されるクロックの周波数が高くなる。チャージポンプ140が受けた信号がダウン値のとき、チャージポンプ140は、電圧制御発振器130の制御電圧を低くし、これによって生成されるクロックの周波数が低くなる。
【0006】
位相を適切に固定するために、電圧制御発振器130は、データ速度(data rate)に近い周波数を有するクロックを生成する必要がある。これによって、周波数取得(frequency acquisition)回路150を用いて初期クロックを設定する。周波数取得回路150は、電圧制御発振器130から出力されるクロックを受信し、出力電圧を提供して、電圧制御発振器130が生成するクロック周波数を高くする、または、低くする。
【0007】
従来、周波数取得のための様々な方法が使用されている。例えば、周波数取得は、位相-周波数検知器(phase-frequency detector:PFD)、回転周波数検知器(rotational frequency detector)、または計数器ベースの周波数検知器(counter-based frequency detector)などを含む周波数取得回路を用いて、行われていた。しかし、このような従来の方法は、様々な課題がある。例えば、PFDはデジタルCDRに適合することが困難である。PFDと回転周波数検知器はいずれも、送信機から伝送される低周波信号(low-swing signals)で作動することが困難である。計数器ベースの周波数検知器は、例えば、過度に大きい空間が必要であり、過度に複雑な機能のための多重ビット計数器(multi-bit counter)と多様な算術演算を必要とするため、多重ビット周波数エラーを生成する可能性があった。
【0008】
また、例えば、従来は、CMOSに切替えられた後(例えば、スライサ後)に、多重ビット算術演算を用いることなく、入力データに作用する周波数取得方法が必要であった。
【0009】
上述した内容は、本発明の一実施形態の背景技術に対する理解のためのものであって、従来技術ではない情報を含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題の一つは、正確な周波数取得回路、および周波数検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、周波数検知回路システムおよび周波数検知方法を提示する。本発明の一実施形態による周波数検知回路は、データ入力を受信し、前記データ入力の切替に基づいて第1境界出力(edge output)を生成する切替検知器と、第2境界出力を生成する第1回路と、第3境界出力を生成する第2回路と、組合せ論理回路とを含む。本発明の一実施形態による組合せ論理回路は、前記第1境界出力、前記第2境界出力および前記第3境界出力のうち、2つ以上が高い値のとき、アップ出力(UP output)を出力し、前記第1境界出力、前記第2境界出力および前記第3境界出力がすべて低い値のとき、ダウン出力(DOWN output)を生成する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記第1回路は、第1遅延回路を含み、前記第2回路は、第2遅延回路を含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記組合せ論理回路は、ダウン論理回路(DOWN logic circuit)と、アップ論理回路(UP logic circuit)とを含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記ダウン論理回路は、第1入力、第2入力および第3入力を有するANDゲートと、前記第1境界出力を受信し、前記第1入力と接続されている第1反転器と、前記第2境界出力を受信し、前記第2入力と接続されている第2反転器と、前記第3境界出力を受信し、前記第3入力と接続されている第3反転器とを含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、前記アップ論理回路は、第1入力、第2入力および第3入力を有するORゲートと、前記第1境界出力および前記第2境界出力を受信し、前記ORゲートの第1入力に第1出力を供給する第1ANDゲートと、前記第1境界出力および前記第3境界出力を受信し、前記ORゲートの第2入力に第2出力を供給する第2ANDゲートと、前記第2境界出力および前記第3境界出力を受信し、前記ORゲートの第3入力に第3出力を供給する第3ANDゲートとを含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記組合せ論理回路は、選択信号によって、前記周波数検知器の動作を位相検知器に変換する選択回路をさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施形態による周波数検知方法は、データ入力をサンプリングして前記データ入力の奇数番目データサンプル(Dodd)を生成する段階と、前記データ入力をサンプリングして前記データ入力の奇数番目交差サンプル(Xodd)を生成する段階と、前記データ入力をサンプリングして前記データ入力の偶数番目データサンプル(Deven)を生成する段階と、前記データ入力をサンプリングして前記データ入力の偶数番目交差サンプル(Xeven)を生成する段階と、前記奇数番目データサンプル(Dodd)、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によってアップ奇数番目信号(UP odd signal)を生成する段階と、前記奇数番目データサンプル(Dodd)、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によってダウン奇数番目信号(DOWN odd signal)を生成する段階と、前記偶数番目データサンプル(Deven)、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によってアップ偶数番目信号(UP even signal)を生成する段階と、前記偶数番目データサンプル(Deven)、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によってダウン偶数番目信号(DOWN even signal)を生成する段階とを含む。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、前記奇数番目データサンプル(Dodd)、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によってアップ奇数番目信号を生成する段階は、前記奇数番目データサンプル(Dodd)および前記奇数番目交差サンプル(Xodd)によって奇数番目第1境界信号を決定する段階であって、前記奇数番目データサンプル(Dodd)と前記奇数番目交差サンプル(Xodd)とが互いに異なる値を有すると、前記奇数番目第1境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によって奇数番目第2境界信号を決定する段階であって、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)と前記偶数番目データサンプル(Deven)とが互いに異なる値を有すると、前記奇数番目第2境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記奇数番目1境界信号および前記奇数番目第2境界信号がすべて高い値のとき、前記アップ奇数番目信号を出力する段階とを含むことができる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、前記奇数番目データサンプル(Dodd)、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によってダウン奇数番目信号(DOWN odd signal)を生成する段階は、前記奇数番目データサンプル(Dodd)および前記奇数番目交差サンプル(Xodd)によって奇数番目第1境界信号を決定する段階であって、前記奇数番目データサンプル(Dodd)と前記奇数番目交差サンプル(Xodd)とが互いに異なる値を有すると、前記奇数番目第1境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によって奇数番目第2境界信号を決定する段階であって、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)と前記偶数番目データサンプル(Deven)とが互いに異なる値を有すると、前記奇数番目第2境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記奇数番目第1境界信号および前記奇数番目第2境界信号がすべて低い値のとき、前記ダウン奇数番目信号を出力する段階とを含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記偶数番目データサンプル(Deven)、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によってアップ偶数番目信号(UP even signal)を生成する段階は、前記偶数番目データサンプル(Deven)および前記偶数番目交差サンプル(Xeven)によって偶数番目第1境界信号を決定する段階であって、前記偶数番目データサンプル(Deven)と前記偶数番目交差サンプル(Xeven)とが互いに異なる値を有すると、前記偶数番目第1境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によって偶数番目第2境界信号を決定する段階であって、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)と前記奇数番目データサンプル(Dodd)とが互いに異なる値を有すると、前記偶数番目第2境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記偶数番目第1境界信号および前記偶数番目第2境界信号がすべて高い値のとき、前記アップ偶数番目信号を出力する段階とを含むことができる。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記偶数番目データサンプル(Deven)、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によってダウン偶数番目信号(DOWN even signal)を生成する段階は、前記偶数番目データサンプル(Deven)および前記偶数番目交差サンプル(Xeven)によって偶数番目第1境界信号を決定する段階であって、前記偶数番目データサンプル(Deven)と前記偶数番目交差サンプル(Xeven)とが互いに異なる値を有すると、前記偶数番目第1境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によって偶数番目第2境界信号を決定する段階であって、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)と前記奇数番目データサンプル(Dodd)とが互いに異なる値を有すると、前記偶数番目第2境界信号が高い値を有するようにする段階と、前記偶数番目第1境界信号および前記偶数番目第2境界信号がすべて低い値のとき、前記ダウン偶数番目信号を出力する段階とを含むことができる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、前記奇数番目データサンプル(Dodd)、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)を一時的に整列する段階をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、前記偶数番目データサンプル(Deven)、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)を一時的に整列する段階をさらに含んでもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記方法は、周波数検知モードを適用するためのモード選択信号を提供する段階をさらに含んでもよい。
【0026】
本発明の一実施形態による位相/周波数検知器回路は、第1クロックによってデータ入力をサンプリングして奇数番目データサンプル(Dodd)を生成する第1スライサと、第2クロックによって前記データ入力をサンプリングして奇数番目交差サンプル(Xodd)を生成する第2スライサと、第3クロックによって前記データ入力をサンプリングして偶数番目データサンプル(Deven)を生成する第3スライサと、第4クロックによって前記データ入力をサンプリングして偶数番目交差サンプル(Xeven)を生成する第4スライサと、前記奇数番目データサンプル(Dodd)、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)を臨時に整列する第1データ整列回路と、前記偶数番目データサンプル(Deven)、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)を臨時に整列する第2データ整列回路と、組合せ論理回路とを含む。本発明の実施例による組合せ論理回路は、前記奇数番目データサンプル(Dodd)および前記奇数番目交差サンプル(Xodd)によって第1境界出力を生成し、前記奇数番目交差サンプル(Xodd)および前記偶数番目データサンプル(Deven)によって第2境界出力を生成し、前記偶数番目データサンプル(Deven)および前記偶数番目交差サンプル(Xeven)によって第3境界出力を生成し、前記偶数番目交差サンプル(Xeven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)によって第4境界出力を生成し、前記第1境界出力および前記第2境界出力がすべて高い値のとき、アップ奇数番目信号(UP odd signal)を生成し、前記第2境界出力および前記第2境界出力がすべて低い値のとき、ダウン奇数番目信号(DOWN odd signal)を生成し、前記第3境界出力および前記第4境界出力がすべて高い値のとき、アップ偶数番目信号(UP even signal)を生成し、前記第3境界出力および前記第4境界出力がすべて低い値のとき、ダウン偶数番目信号(DOWN even signal)を生成してもよい。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記組合せ論理回路は、選択信号によって、前記組合せ論理回路の動作が位相検知モードと周波数検知モードとの間を切替える選択回路を含むことができる。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、前記選択信号が前記位相検知モードを示すと、前記選択回路は、前記第2境界出力および前記第4境界出力の値を反転させることができる。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、前記選択回路は、前記第2境界出力および前記選択信号を受信する第1XOR(exclusive OR)ゲートと、前記第4境界出力および前記選択信号を受信する第2XORゲートとを含むことができる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、前記選択回路は、前記選択信号によって、前記偶数番目データサンプル(Deven)および前記奇数番目データサンプル(Dodd)を反転させることができる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記選択回路は、前記偶数番目データサンプル(Deven)および前記選択信号を受信する第1XOR(exclusive OR)ゲートと、前記奇数番目データサンプル(Dodd)および前記選択信号を受信する第2XORゲートとを含むことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施形態による周波数取得回路、および周波数検知方法は、正確に周波数を検知および取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来のクロックおよびデータ復旧(clock and data recovery:CDR)回路を示す。
【
図2A】本発明の一実施形態による切替検知器を示す。
【
図2B】本発明の一実施形態による
図2Aの切替検知器のタイミング図である。
【
図3】本発明の一実施形態による周波数検知器を示す。
【
図4A】本発明の一実施形態による周波数検知用組合せ論理回路を示す。
【
図4B】
図4Aの組合せ論理回路が本発明の一実施形態により周波数検知器に用いられる時の動作タイミング図である。
【
図5A】入力データ(Din)、自己生成データクロック(dclk)および自己生成交差クロック(xclk)の例を示す。
【
図5B】周波数検知器が用いる組合せ論理回路の実施形態を示す。
【
図6】本発明の一実施形態による周波数検知器を示す。
【
図7】本発明の一実施形態による周波数検知器の動作と奇数番目スライスを示すタイミング図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器(bang bang phase detector:BBPD)と統合された周波数検知器を有するクロックおよびデータ復旧回路を示す。
【
図9】本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せを示す。
【
図10】本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せを示す。
【
図11】本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器および周波数検知器の組合せの奇数番目データ出力を示す真理値表である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の概念とこれを達成する方法の要旨は、以下に示される詳細な説明と添付した図面により理解することができる。添付した図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明し、同一の部分については同一の図面符号を付した。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。このような実施形態を提供することによって、発明の詳細な説明が豊富になり、発明の様々な側面と特徴が当業者に示されると考える。したがって、例えば、当業者が本発明の多様な側面と特徴を理解するために必要でないと考えられる過程、装置、技術などに関する説明は省略される。特別な説明がない限り、図面と明細書全体にわたって同一の図面符号は同一の構成要素を指し、同一、または類似する説明を省略されることがある。図面において、部分、層、領域などは、理解の促進ために誇張されて描かれる。
【0035】
本発明の一実施形態は、クロックおよびデータ復旧(CDR)回路の効果的な周波数検知システムおよび周波数検知方法を含む。本発明の一実施形態によるシステムおよび周波数検知方法は、入力基準周波数(input reference frequency)を検知し、自己クロック(local clock)(例えば、1つ以上の発振器周波数)と比較する。例えば、本発明の一実施形態によれば、送信機は、受信機に周期的に学習類型(training pattern)を提供してもよい。学習類型は、自己クロックによって動作する1つ以上のスライサによってサンプリングされる。本発明の一実施形態による効率的な周波数検知器は、信号境界(edge)を検知し、組合せ論理回路と前の境界を用いて自己クロックの速度を増減する必要があることを示すアップ/ダウン信号出力を提供してもよい。
【0036】
図2Aは、本発明の一実施形態による切替検知器の一例を示す。
図2Bは、本発明の一実施形態による
図2Aの切替検知器のタイミング図である。
【0037】
図2Aおよび
図2Bを参照すれば、本発明の一実施形態による切替検知器(transition detector)200は、入力データ信号が低い値から高い値に(例えば、論理ローから論理ハイに)、または高い値から低い値に(例えば、論理ハイから論理ローに)切替えられる時点を決定するのに用いられる。本発明の一実施形態によれば、切替検知器200は、d-フリップフロップ(d-flip flop)210と、排他的論理和(exclusive OR:XOR)220と、リタイマ(Retimer)230とを含むことができる。本発明の一実施形態によれば、d-フリップフロップ210は、データ信号(D)を受信し、遅延されたデータ信号(Q)を出力する。例えば、d-フリップフロップ210の遅延されたデータ信号(Q)は、1クロック周期、半クロック周期、四半クロック周期などの分だけ遅延される。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、リタイマ230は、(例えば、スライサからの)入力データ信号を受信し、受信した入力データ信号を自己クロックに同期化させることができる。例えば、リタイマ230も、自己クロックによって動作するd-フリップフロップを含むことができる。切替検知器200も、自己クロックによって動作し、自己クロックは受信したデータと同期しないことがあるので、リタイマ230は、切替検知器200の論理が正確に動作できるようにする。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、境界(例えば、データ信号の切替点)は、現在データ信号(D)と遅延されたデータ信号(Q)とを比較するXOR220によって検知される。例えば、
図2Bを参照すれば、Dが低い値から高い値に切替えられる時、第1境界が検知され、Dが高い値から低い値に切替えられる時、第2境界が検知され、このような動作が繰り替えされる。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態による周波数検知器を示す。
【0041】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による周波数検知器300は、最近の履歴(recent history)で発生した境界の数に基づいて入力信号の周波数を検知する。本発明の一実施形態によれば、周波数検知器300は、切替検知器(transition detector)310と、第1遅延回路(delay circuit)320と、第2遅延回路330と、組合せ論理回路(combinational logic circuit)340とを含む。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、第1および第2遅延回路320、330は、1クロックだけ遅延させる遅延回路であってもよい。しかし、他の実施形態によれば、第1および第2遅延回路320、330は、半クロックまたは四半クロックだけ遅延させることもできる。例えば、本発明の一実施形態によれば、第1および第2遅延回路320、330は、d-フリップフロップを含むことができるが、他の実施形態によれば、他の遅延回路を用いてもよい。本発明の一実施形態によれば、例えば、遅延回路を用いなくてもよい。例えば、詳細は後述するが、本発明の一実施形態によれば、多重位相-遷移クロックによってサンプリングされた信号を遅延回路の代わりに用いることができる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路340は、切替検知器310の出力(edge0)、第1遅延回路320の第1遅延境界(edge1)および第2遅延回路330の第2遅延境界(edge2)を受信する。例えば、第1遅延回路320は、切替検知器310の現在出力(current output)を受信し、切替検知器310の前の出力(previous output)(つまり、1周期前の出力)を出力する。これと同様に、第2遅延回路330は、第1遅延回路320の出力(つまり、切替検知器310の1周期前の出力]を受信し、第1遅延回路320の前の出力(previous output)(つまり、切替検知器310の2周期前の出力]を出力する。切替検知器310、第1遅延回路320および第2遅延回路330のそれぞれは、(例えば、電圧制御発振器からの)自己クロックによって動作してもよい。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路340は、以上のように説明された入力を用いることができ、単一ビット論理関数を用いて、現在生成された周波数(currently generated frequency)が目標値より低いか高いかを示すアップ/ダウン(UP and DOWN)出力を生成してもよい。本発明の一実施形態によれば、アップ/ダウン出力は、現在クロック(current clock)が正常であるか(correct)、データサンプリングが過速であるか(too fast)、それともデータサンプリングが低速であるか(too slow)を示すことができる。例えば、現在クロックが正常であれば、組合せ論理回路340は何も出力しない。現在クロックがデータを過度に速くサンプリングする場合、組合せ論理回路340がダウン(DOWN)出力を生成する。一方、現在クロックがデータを過度に遅くサンプリングする場合、組合せ論理回路340がアップ(UP)出力を生成する。したがって、周波数エラーは、1ビットアップ/ダウンストリーム(1-bit UP/DOWN streams)の平均として符号化される。
【0045】
図4Aは、本発明の一実施形態による周波数検知用組合せ論理回路の一例を示す。
図4Bは、
図4Aの組合せ論理回路が本発明の一実施形態により周波数検知器に用いられる時の動作タイミング図である。
【0046】
図4Aおよび
図4Bを参照すれば、本発明の一実施形態による組合せ論理回路400は、自己生成クロックが正常速度(correct speed)で動作するか否かを決定してもよい。例えば、送信機が自己クロックを設定するのに用いられる学習類型を伝送してもよい。本発明の一実施形態によれば、学習類型は、例えば、6クロック周期の長さであってもよい。本発明の一実施形態によれば、学習類型の周期は、ここで示されたクロック周期よりも長くてもよく、短くてもよい。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路400は、切替検知器の現在出力信号(current transition detector output signal)(edge0)、第1遅延信号(edge1)および第2遅延信号(edge2)を用いて、自己生成クロックが正常速度で動作する時点を決定してもよい。本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路400は、自己生成クロックが過速(too fast)および低速(too slow)で動作する時点を決定するダウン論理回路(DOWN logic circuit)410およびアップ論理回路(UP logic circuit)420を含む。例えば、組合せ論理回路400は、自己クロックが入力データストリームを過速でサンプリングすれば(つまり、クロックが過度に速ければ)、ダウン出力(DOWN output)を生成し、自己クロックが入力データストリームを低速でサンプリングすれば(つまり、クロックが過度に遅ければ)、アップ出力(UP output)を生成する。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、ダウン論理回路410は、例えば、入力値(edge0、edge1、and edge2)のうち高い値が1つもない時点を決定してもよい。このような決定は、デジタル論理ゲートの多様な組合せで行われる。例えば、本発明の一実施形態によるダウン論理回路410は、反転入力(inverted input)ANDゲートを含み、第1入力でedge0、第2入力でedge1、第3入力でedge2を受信する。したがって、edge0、edge1およびedge2のうちいずれも高い値でなければ、ANDゲートは、ハイ(high)出力を生成する。本発明の実施例によれば、同一の出力を生成する等価の他の論理回路が用いられてもよい。例えば、インバータ(inverter)とANDゲートを、NORゲートまたは等価の機能を有する他の論理ゲートに代替してもよい。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、アップ論理回路420は、例えば、入力値(edge0、edge1、edge2)のうち少なくとも2つが高い値である時点を決定してもよい。本発明の一実施形態によれば、アップ論理回路420は、第1ANDゲートと、第2ANDゲートと、第3ANDゲートと、ORゲートとを含む。本発明の一実施形態では、第1ANDゲートがedge0およびedge1を受信し、第2ANDゲートがedge1およびedge2を受信し、第3ANDゲートがedge0およびedge2を受信する。次に、ANDゲートのそれぞれの出力はORゲートに供給される。したがって、3つの入力値のうち2つが高い値であれば、アップ論理回路420は、ハイ出力(つまり、アップ出力)を生成してもよい。
【0050】
図4Bを参照すれば、本発明の一実施形態による組合せ論理回路400の動作を示すタイミング図が示されている。本発明の一実施形態によれば、周波数検知器は、学習信号(training signal)であるデータ信号が供給される。例えば、送信装置が周期的に学習信号または学習類型を送信して、受信機でクロックを同期化するのに役立てることができる。本発明の一実施形態によれば、学習信号を初期化期間に送ることができ、本発明の他の実施形態によれば、学習信号を周期的に送ることができる。例えば、表示装置の観点から、表示データの新しいフレームごとに学習信号を送信してもよい。図示の例では、受信した学習信号(D)が多様な時間の長さを有する複数のロー/ハイ出力を有することが示されている。しかし、学習信号は、ここで示された例に限定されず、周波数検知を行うことが可能な形態の信号であってもよい。例えば、学習類型は、周波数検知のための0と1の周期的な数列であってもよい。本発明の一実施形態によれば、
図4Aの周波数検知器は、000000111111の学習類型を有してもよく、以下に説明する周波数検知に用いられる学習類型は、010101010101の学習類型を有してもよい。
【0051】
図4Bに示すように、第1データ切替は、edge0の値を1クロック周期に高い値に切替えられるようにする。edge1の値は、前のクロック周期のedge0の値である。したがって、edge0が高い値に切替えられ、1クロック周期(例:自己クロック)の後にedge1の値が高い値に切替えられる。これと同様に、edge2の値は、2周期前のedge0の値(そして、1周期前のedge1の値)である。したがって、edge1の値が高い値に切替えられ、1クロック周期後(edge0が高い値に切替えられて2周期後)にedge2の値は低い値から高い値に切替えられる。7番目クロック周期には、edge0が低い値、edge1が低い値、edge2も低い値である。したがって、ダウン論理回路410は、自己クロックのデータサンプリングが過速であることを示すダウン出力を生成する。これと同様に、11番目クロック周期には、edge0、edge1およびedge2がすべて低い値である。したがって、ダウン論理回路410は、再びダウン出力を生成する。14番目クロック周期には、edge0およびedge2が2つとも高い値であり、これによって、アップ論理回路420は、自己クロックのデータサンプリング速度が低速であることを示すアップ出力を生成する。これと同様に、16番目クロック周期に、edge0とedge2の値がすべて高い値になり、アップ論理回路420が再びアップ信号を出力する。
【0052】
図5Aは、入力データ(Din)、自己生成データクロック(dclk)および自己生成交差クロック(xclk)の例を示す。
図5Bは、周波数検知器が用いる組合せ論理回路の本発明の一実施形態を示す。
【0053】
図5Aを参照すれば、本発明の一実施形態によるデータクロックは、交差クロック(crossing clock)を四半クロック周期だけ先立つことができる。本発明の一実施形態による周波数検知器は、データクロックおよび交差クロックの奇数番目および偶数番目境界(edge)を用いることができる。本発明の一実施形態によれば、周波数検知器は、1クロック周期と同一の周期を有する010101010101の学習類型によって動作してもよい。入力データは、データクロックおよび交差クロックの切替に合わせてサンプリングされる。例えば、データクロック(dclk)の第1切替点(例:アップまたは正の切替点)で入力データをサンプリングすることができ、サンプリングされたデータはDoddと表示する。交差クロック(xclk)の第1切替点(例:アップまたは正の切替点)でサンプリングされた入力データはXoddと表示する。データクロック(dclk)の第2切替点(例:ダウンまたは負の切替点)でサンプリングされた入力データはDevenと表示し、交差クロック(xclk)の第2切替点(例:ダウンまたは負の切替点)でサンプリングされた入力データはXevenと表示する。言い換えれば、奇数番目境界はアップ切替であり、偶数番目境界はダウン切替である。
【0054】
図5Bを参照すれば、本発明の一実施形態による組合せ論理回路は、例えば、edge0およびedge1の偶数番目および奇数番目切替を用いて、edge0およびedge1を決定する論理をさらに適用することによって、自己クロック周波数が正常であるかを決定してもよい。例えば、edge1は、Dodd XOR Xoddと同一であってもよく、edge0は、Xodd XOR Devenと同一であってもよい。境界信号(edge0およびedge1)を用いて、アップおよびダウン値(UP and DOWN values)を生成してもよい。例えば、本発明の一実施形態によれば、境界信号の値が同一の時、アップまたはダウン出力が提供される。例えば、edge0とedge1の2つとも論理的に0であれば、自己生成クロックは過速(つまり、高速)で動作するものであり、ダウン信号が生成される。これと同様に、edge0とedge1がすべて論理的に1であれば、自己生成クロックは低速で動作するものであり、アップ信号が生成される。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態による周波数検知を示す。
【0056】
図6を参照すれば、本発明の一実施形態による周波数検知器600は、1システムクロック周期と同一の周期を有する学習類型を用いることができる。本発明の一実施形態によれば、入力データ(Din)は、第1データクロック(dclkp)、第2データクロック(dclkn)、第1交差クロック(xclkp)および第2交差クロック(xclkn)の4つのクロックを用いてサンプリングされる。本発明の一実施形態によれば、各クロックは、90度だけ離れていてもよい。例えば、本発明の一実施形態によれば、第1データクロック(dclkp)は、dclkの正の切替に相当し、第2データクロック(dclkn)は、dclkの負の切替に相当してもよい。これと同様に、第1交差クロック(xclkp)は、xclkの正の切替に相当し、第2交差クロック(xclkn)は、xclkの負の切替に相当してもよい。本発明の一実施形態によれば、周波数検知器600は、入力データ信号(Din)をサンプリングするための1つ以上のデータスライサ610-616と接続される。例えば、データスライサ610-616は、入力データストリームを受信し、自己クロックのうちの1つによって動作する。例えば、第1データスライサ610は、第1データクロック(dclkp)によって動作することができ、第2データスライサ612は、第1交差クロック(xclkp)によって動作することができ、第3データスライサ614は、第2データクロック(dclkn)によって動作することができ、第4データスライサ616は、第2交差クロック(xclkn)によって動作してもよい。本発明の実施例によれば、第1データスライサ610は、第1データクロック(dclkp)の立ち上がりエッジに応じてデータをサンプリングし、Doddを出力することができ、第2データスライサ612は、第1交差クロック(xclkp)の立ち上がりエッジに応じてデータをサンプリングし、Xoddを出力することができ、第3データスライサ614は、第2データクロック(dclkn)の立ち上がりエッジに応じてデータをサンプリングし、Devenを出力することができ、第4データスライサ616は、第2交差クロック(xclkn)の立ち上がりエッジに応じてデータをサンプリングし、Xevenを出力してもよい。
【0057】
上述したように、クロックは、90度だけ離れている。例えば、本発明の一実施形態によれば、Doddは、Xoddより四半周期(つまり、90度)先立つことができ、Xoddは、Devenより四半周期先立つことができる。したがって、データ整列(Data align)回路620は、Doddを半周期だけ遅延させ、Xoddを四半周期だけ遅延させてDevenと整列されるようにしてもよい。これと同様に、データ整列(Data align)回路622は、Devenを半周期だけ遅延させ、Xevenを四半周期だけ遅延させてDoddと整列されるようにしてもよい。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、サンプリングおよび整列されたデータ(Dodd、Xodd、Deven、Xeven)は組合せ論理回路630に供給される。本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路630は、偶数番目および奇数番目アップ/ダウン信号(UP and DOWN signals)を生成する。例えば、
図5Aおよび
図5Bに示された本発明の一実施形態と同様に、組合せ論理回路630は、2つの隣接したデータサンプリングが同一の時点を決定してもよい。例えば、組合せ論理回路630は、入力データストリーム(Din)の値が2つの連続境界に対して同一の時点を決定して境界信号(例えば、edge0_even/oddおよびedge1_even/odd)を生成し、境界を比較して自己クロックを調整すべきかを決定してもよい。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路630は、第1XOR632と、第2XOR634と、第3XOR636と、第4XOR638と、第1AND640と、第2AND642と、第3AND644と、第4AND646とを含む。本発明の実施例によれば、第1XOR632は、Dodd1およびXodd1を受信し、edge1_oddを出力し、第2XOR634は、Xodd1およびDeven1を受信し、edge0_oddを出力し、第3XOR636は、Deven2およびXeven2を受信し、edge1_evenを出力し、第4XOR638は、Xeven2およびDodd2を受信し、edge0_evenを出力する。本発明の一実施形態によれば、ANDゲート640-646は、edge0とedge1が2つとも論理値が高いか、低い時点を決定する。例えば、edge0とedge1が2つとも高ければ、アップ出力(UP output)を生成する。一方、edge0とedge1が2つとも低ければ、ダウン出力(DOWN output)を生成する。本発明の一実施形態によれば、第1AND640は、edge1_oddおよびedge0_oddを受信し、UP_oddを出力し、第2AND642は、反転したedge1_oddおよび反転したedge0_oddを受信し、DOWN_oddを出力する。これと同様に、第3AND644は、edge1_evenおよびedge0_evenを受信し、UP_evenを出力し、第4AND646は、反転したedge1_evenおよび反転したedge0_evenを受信し、DOWN_evenを出力する。前述したように、XORおよびANDゲート630-636、640-646は、機能的に等価の他の論理ゲートに代替されてもよい。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態による周波数検知器の動作と奇数番目スライスを示すタイミング図である。
【0061】
図7を参照すれば、本発明の一実施形態による周波数検知器は、学習類型を含むデータ信号(Din)を受信してもよい。本発明の一実施形態においては、例えば、奇数番目スライスの値を示す。したがって、edge1_oddおよびedge0_odd、次に、UP_oddおよびDOWN_oddを決定するための入力としてDodd、XoddおよびDevenを用いる。本発明の一実施形態によれば、第1データクロック(dclkp)によってDoddがサンプリングされ、第1交差クロック(xclkp)によってXoddがサンプリングされ、第2データクロック(dclkn)によってDevenがサンプリングされる。前述したように、第1データクロック(dclkp)、第1交差クロック(xclkp)および第2データクロック(dclkn)(および、図示を省略した第2交差クロック(xclkn))は、90度の位相差がある。本発明の一実施形態において、第1データクロック(dclkp)は、まず、第1データスライサ610が入力データストリーム(Din)をサンプリングするようにし、第1交差クロック(xclkp)は、次に、第2データスライサ612が入力データストリーム(Din)をサンプリングするようにし、第2データクロック(dclkn)は、3番目に、第3データスライサ614が入力データストリーム(Din)をサンプリングするようにする。次に、データ整列回路620を用いてDodd1、Xodd1およびDeven1を整列させることによって、次の処理に備える。
【0062】
本発明の一実施形態において、第1時刻t0に、Doddは低い値に下がるが、これは、データストリーム(Din)が低い値の時、第1データクロック(dclkp)が第1データスライサ610にデータストリーム(Din)をサンプリングさせるからである。一方、第1時刻t0に、XoddおよびDevenは2つとも高い値に切替えられるが、これは、データストリーム(Din)が高い値の時、第1交差クロック(xclkp)が第2データスライサ612にデータストリーム(Din)をサンプリングさせ、これと同様に、データストリーム(Din)が高い値の時、第2データクロック(dclkn)が第3データスライサ614にデータストリーム(Din)をサンプリングさせるからである。したがって、edge1_oddは高い値に切替えられ、edge0_oddは低い値に切替えられる(例えば、これは、edge1_oddがDodd XOR Xoddと同一であり、edge0_oddはXodd XOR Devenと同一であるからである)。edge1_oddが高い値であり、edge0_oddが低い値であるので、周波数エラーが検知されず、出力(UP_odd、DOWN_odd)はすべて低い値になり、これは、自己クロックが入力データストリーム(Din)の正常周波数を有していることを表す。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、自己クロックが過度に遅くて入力データストリーム(Din)のサンプリングが低速で(too slowly)行われる。例えば、時刻t1に、Doddは低い値であり得るが、これは、データストリーム(Din)が低い値の時、第1データクロック(dclkp)が第1データスライサ610にデータストリーム(Din)をサンプリングさせるからである。一方、Xoddは高い値であり得るが、これは、データストリーム(Din)が高い値の時、第1交差クロック(xclkp)が第2データスライサ612にデータストリーム(Din)をサンプリングさせるからである。この場合、Devenは低い値に切替えられ、これは、データストリーム(Din)が低い値の時、第2データクロック(dclkn)が第3データスライサ614にデータストリーム(Din)をサンプリングさせるからである。したがって、本発明の一実施形態によれば、edge1_oddとedge0_oddの値がすべて高く、UP_odd信号を出力して自己クロックの速度を高めることができる。一方、本発明の一実施形態によれば、自己クロックが過度に速く、入力データストリームのサンプリングが過速で(too quickly)行われる。例えば、時刻t2に、edge1_oddとedge0_oddがすべて低い値であり得るが、これは、Dodd、XoddおよびDevenがすべて低い値であるので、ダウン信号が生成されるからである。これと同様に、時刻t3に、DOWN_oddは再び高い値になり得、これは、edge1_oddとedge0_oddが再び低い値になるからである。時刻t2、t3にデータ切替がないということは、入力データストリーム(Din)の学習類型に比べてクロック周波数が過速であることを意味する。
【0064】
図8は、本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器(bang bang phase detector:BBPD)と統合された周波数検知器を有するクロックおよびデータ復旧回路を示す。
【0065】
図8を参照すれば、本発明の一実施形態によるクロックおよびデータ復旧回路(clock and data recovery circuit)800は、バンバン位相検知器820と、統合された周波数検知器830とを含んでもよい。本発明の一実施形態による周波数検知器830は、バンバン位相検知器820と類似して動作してもよい。例えば、バンバン位相検知器820および周波数検知器830は、自己クロックによって動作する1つ以上のスライサ(例えば、
図6を参照して前述したスライサ610-616)と接続される。本発明の一実施形態によれば、バンバン位相検知器820および周波数検知器830は、edge0とedge1によって動作してもよい。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、バンバン位相検知器820は、edge0とedge1がすべて低い値であれば、バンバン位相検知器820の出力が無くなる方式で動作する。バンバン位相検知器820は、edge1が低い値であり、edge0が高い値であれば、ダウン(DOWN)を出力する。一方、edge1が高い値であり、edge0が低い値であれば、バンバン位相検知器820は、アップ(UP)を出力する。したがって、本発明の一実施形態による周波数検知器830は、edge0が反転すると、バンバン位相検知器820と同一の方式で動作する。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、クロックおよびデータ復旧回路800は、位相/周波数選択回路835を含んでもよい。例えば、本発明の一実施形態によれば、位相/周波数選択回路835は、モード選択信号を受信するANDゲートを含んでもよい。モード選択信号は、例えば、周波数取得モードの比例制御経路855を動作しない状態にしてもよい。例えば、モード選択信号が(周波数取得モードを示す)低い値(LOW)のとき、周波数検知器830の出力で、積分器850だけを動作させ、モード選択信号が(位相取得/追跡モードを示す)高い値(HIGH)のとき、位相/周波数選択回路835の出力がバンバン位相検知器820の出力を追跡することで、比例制御経路855を動作させてもよい。このようにすることで、クロックおよびデータ復旧回路800は、(例えば、周波数検知器830を用いて動作する)周波数取得モード、または、(例えば、バンバン位相検知器820を用いて動作する]位相取得/追跡モードで動作するように設定されてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、クロックおよびデータ復旧回路800は、積分器850(例えば、チャージポンプ)とともに用いられ、バンバン位相検知器820が動作中に電圧制御発振器860に調整電圧を提供する減速器(decimator)840を含んでもよい。
【0069】
図9は、本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せを示す。バンバン位相検知器と周波数検知器との組合せは、バンバン位相検知器と周波数検知器とを組合せた回路と呼んでもよい。本明細書等において、バンバン位相検知器と周波数検知器と統合された周波数検知器、バンバン位相検知器と統合された周波数検知器を有するクロックおよびデータ復旧回路、または、バンバン位相検知器と周波数検知器とを組合せた回路は、位相/周波数検知器回路と呼んでもよい。
【0070】
図9を参照すれば、本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ(以下、「検知器組合せ」という)900は、モード選択信号によって、周波数検知モードと位相検知モードとの間を切替えることができる。本発明の一実施形態によれば、モード選択信号は、XORゲートをトグル(toggle)して、検知器組合せ900がバンバン位相検知器または周波数検知器として動作する時間を選択してもよい。例えば、バンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ900は、上述した周波数検知器600と同一であるか、類似の部分を多く含む。例えば、バンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ900は、第1データクロック(dclkp)、第1交差クロック(xclkp)、第2データクロック(dclkn)および第2交差クロック(xclkn)などのクロックによって動作するスライサ910-916を含む。本発明の一実施形態によれば、データ整列(Data align)回路920、922は、スライサ910-916の出力の位相を整列する。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路930は、位相検知モードおよび周波数検知モードの2つともにおいて、偶数番目および奇数番目アップ/ダウン信号(UP and DOWN signals)を生成する。例えば、
図6を参照して説明した本発明の一実施形態と類似して、組合せ論理回路930は、2つの隣接したDinサンプルが同一の時または略同一の時を決定し、edge1_odd/edge1_evenおよびedge0_odd/edge0_even信号を生成してもよく、モードに応じて、edge0の値が反転してもよい。例えば、BBPDモードがイネーブルであれば、(例えば、XORゲートを用いて)edge0の値を反転させてもよい。本発明の一実施形態によれば、
図6に示した本発明の一実施形態と同様に、組合せ論理回路930は、第1XOR932と、第2XOR934と、第3XOR936と、第4XOR938と、第1AND940と、第2AND942と、第3AND944と、第4AND946とを含む。本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路930はまた、モード選択信号によって、BBPDと周波数検知モードとの間を切替えるための1つ以上の選択回路948、950を含む。例えば、本発明の一実施形態によれば、選択回路948、950は、第5XOR948および第6XOR950を含むことができ、第5XOR948および第6XOR950それぞれは、モード選択信号を受信し、それによってedge0_even/odd値を反転させる。
【0072】
例えば、本発明の一実施形態によれば、第5XOR948は、edge0_odd信号およびモード選択信号を受信し、第1AND940および第2AND942に出力を提供してもよい。これと同様に、第6XOR950は、edge0_even信号およびモード選択信号を受信し、第3AND944および第4AND946に出力を提供してもよい。したがって、モード選択信号を用いて、検知器組合せ900の動作をバンバン位相検知器または周波数検知器の間でトグルするようにしてもよい。
【0073】
図10は、本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せを示す。
【0074】
図10を参照すれば、本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ(以下、「検知器組合せ」という)1000は、モード選択信号によって、周波数検知モードと位相検知モードとの間を切替えることができる。本発明の一実施形態によれば、モード選択信号は、XORゲートをトグル(toggle)して、検知器組合せ1000がバンバン位相検知器または周波数検知器として動作する時間を選択してもよい。例えば、検知器組合せ1000は、上述した周波数検知器600およびバンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ900と同一であるか、類似の部分を多く含む。例えば、バンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ1000は、第1データクロック(dclkp)、第1交差クロック(xclkp)、第2データクロック(dclkn)および第2交差クロック(xclkn)などのクロックによって動作するスライサ1010-1016を含む。本発明の一実施形態によれば、データ整列(Data align)回路1020、1022は、スライサ1010-1016の出力の位相を整列する。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路1030は、偶数番目および奇数番目アップ/ダウン信号(UP and DOWN signals)を生成する。例えば、
図6を参照して説明した本発明の一実施形態と類似して、組合せ論理回路1030は、2つの隣接したDinサンプルが同一の時点を決定してもよく、モードに応じて、XORゲート1040、1042、1034、1036を用いる前に、DevenおよびDodd値を反転させてもよい。第7XOR1052および第8XOR1054は、BBPDモードでDeven1およびDodd2の値を通過させ、周波数検知モードでDeven1およびDodd2の値を反転させる。
【0076】
本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路1030は、第1XOR1032と、第2XOR1034と、第3XOR1036と、第4XOR1038と、第5XOR1040と、第6XOR1042と、第1AND1044と、第2AND1046と、第3AND1048と、第4AND1050とを含む。上述したように、本発明の一実施形態によれば、組合せ論理回路1030はまた、モード選択信号によって、BBPDと周波数検知モードとの間を切替えるための第7XOR1052および第8XOR1054を含む。
【0077】
例えば、本発明の一実施形態によれば、第7XOR1052は、Deven1信号およびモード選択信号(例えば、反転したモード選択信号)を受信し、第2XOR1034および第3XOR1036に出力を提供してもよい。これと同様に、第8XOR1054は、Dodd2信号およびモード選択信号(例えば、反転したモード選択信号)を受信し、第5XOR1040および第6XOR1042に出力を提供してもよい。本発明の一実施形態によれば、第1AND1044は、第1XOR1032および第3XOR1036の出力を受信し、第2AND1046は、第2XOR1034および第3XOR1036の出力を受信し、第3AND1048は第4XOR1038および第6XOR1042の出力を受信し、第4AND1050は、第5XOR1040および第6XOR1042の出力を受信する。
【0078】
本発明の一実施形態によれば、第3XOR1036は、Dodd1信号および第7XOR1052の出力を受信する。第6XOR1042は、Deven2信号および第8XOR1054の出力を受信する。
【0079】
図11は、本発明の一実施形態によるバンバン位相検知器および周波数検知器の組合せの奇数番目データ出力を示す真理値表である。偶数番目データに対する真理値表も同様に生成できることは当業者に自明である。
【0080】
図11を参照すれば、本発明の一実施形態によれば、バンバン位相検知器および周波数検知器は、バンバン位相検知器(BBPD)モードまたは周波数検知器モードで動作してもよい。本発明の一実施形態において、“1”は論理ハイ(logic HIGH)出力を示し、“0”は論理ロー(logic LOW)出力を示す。例えば、周波数検知器モードで動作する時には、Dodd、Xodd、Devenがすべて0であれば、edge0とedge1も0になり、DN出力は1になる、つまり、アサート(asserted)されてもよく、BBPDとして動作する時には、同一の入力でも、DN出力は0になってもよい。
【0081】
上記で多様な実施形態に関する説明を提供するために様々な条件が特定されてもよく、このような特定の条件またはこれと同等の条件が特定されなくてもよい。また、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、ここで説明した2つ以上の実施形態を適宜組み合わせてもよい。また、これとは異なり、本発明の属する技術分野で公知である構造および装置は、様々な実施形態が不必要に不明瞭になることを避けるため、例えばブロック図として示され、詳細な説明は省略される。
【0082】
本発明の一実施形態において、部分、層、領域、成分などが、他の部分、層、領域、成分の「上に」あるか、「接続されて」いると記載する場合、「直に」上にあるか、または「直接」接続されている場合のみならず、それぞれの間に他の部分、層、領域、成分などがさらに介在している場合も含んでもよい。また、「真上に」あるか、「直接接続」されていると記載されている場合、それぞれの間に他の部分がないことを意味する。一方、成分間の関係を示す他の表現、例えば、「間」、「間に直に」、「隣接」、「直に隣接」なども同様に解釈される。また、ある部分または層が異なる2つの部分または層の「間」にあると表現した時、2層の間に当該層だけがあってもよく、1つ以上の他の層がさらにあってもよい。
【0083】
本明細書等において使用された用語は、特定の実施形態を説明する目的で使用するに過ぎず、本発明を限定しようとするものではない。また、数を特に言及しなければ、単数または複数の場合をすべて含む。ある特徴、段階、動作、部分、成分などを「含む」という表現は、当該部分以外に、他の特徴、段階、動作、部分、成分なども包含できることを意味する。「および/または」という表現は、挙げられたものの1つまたはそれ以上のすべての組合せを含む。
【0084】
本明細書等において、例えば、「実質的に」、「約」、「大体」およびこれと類似する表現は、近似を示す表現に過ぎず、「程度」を表すのではなく、本発明の属する技術分野で公知である測定値または計算値の固有の誤差を説明するために使用される。「約」や「大体」という表現は、言及した値とその値に対する許容可能な誤差範囲内の平均を含むものであって、当該測定値と特定量の測定に関連する誤差(例:測定システムの限界)を考慮して当業者が決定してもよい。例えば、「約」は、1つ以上の標準偏差または当該値の±30%、20%、10%、5%以内を意味してもよい。本発明の一実施形態を説明する時に使用する「できる」という表現は、「本発明の1つ以上の実施形態」に適用可能であることを意味する。「使用」、「利用」などは、これと類似の他の表現とともに類似の意味で使用される。
【0085】
特定の実施形態を異なる形態で実現する場合、特定のプロセスの順序が説明した順序と異なっていてもよい。例えば、連続して実行すると説明した2つのプロセスを同時にまたは説明した順序と逆に実行することもできる。
【0086】
本明細書等において、本発明の一つ以上の実施形態を、本発明の一実施形態の図式的な構造および/または中間構造を示す断面図を参照して様々な実施形態について説明した。図示された形状は、例えば、製造技術および/または許容誤差によって多様に変更または変化可能である。また、本明細書等において記載された特定の構造または機能に関する説明は、本発明の概念を例示する実施形態を説明しているに過ぎず、特定の形態に限定されるものではない。例えば、製造方法による形状の変化も含むと解釈しなければならない。例えば、注入領域の形状を長方形で例示したとしても、注入領域の形状は、一般的に、丸みをおびていてもよく、曲がっていてもよく、注入濃度は、注入領域と非注入領域との境界で二進的に急激に変化するのではなく、濃度勾配をなしつつ徐々に変化しうる。これと同様に、注入で埋没領域を形成する場合、注入の起きる表面と埋没領域との間の領域にも粒子またはイオンが注入されうる。そのため、図面に示した領域の形状は概略的なものであって、実際の形状を示したものではなく、その形状に限定しようとするものでもない。
【0087】
本発明の一実施形態により説明した回路、方法などを含む電子装置、電気装置および/または他の関連装置または部分は、適切なハードウェア、ファームウェア(例:応用注文型集積回路)、ソフトウェアまたはこれらを組合せて実装してもよい。例えば、これら装置の様々な構成要素を1つの集積回路チップに実装してもよく、互いに異なる集積回路チップに実装してもよい。また、これら装置の様々な構成要素を可撓性印刷回路フィルム、テープキャリアパッケージ(TCP:tape carrier package)、印刷回路基板などに実装してもよく、1つの基板上に実装してもよい。さらに、これら装置の様々な構成要素は、ここで説明した様々な機能を行うためにコンピュータプログラム命令を実行し、他のシステム要素と相互作用する1つ以上のコンピュータ装置内にある1つ以上のプロセッサで実行されうるプロセスまたはスレッド(thread)であってもよい。コンピュータプログラム命令は、RAM(random access memory)などの標準メモリ装置を用いるコンピュータ装置に実装されたメモリに保存される。それだけでなく、当業者は、本発明の一実施形態の概念と範囲を逸脱することなく様々なコンピュータ装置の機能を1つのコンピュータ装置に結合すること、または統合すること、特定のコンピュータ装置の機能を1つ以上の他のコンピュータ装置に分散することもできる。
【0088】
また、特別な言及がない限り、本明細書等で使用する(技術的、科学的用語を含む)すべての用語は、本発明の属する技術分野における当業者が知っているものと同一の意味を有している。一般に使用される、例えば、辞書に定義された用語などの用語は、関連技術分野および/または本明細書等における意味と一致する意味を有すると解釈し、本明細書等で明示しない限り、理想的または過度に厳しい意味で解釈されてはならない。
【0089】
以上で説明したものは、本発明の一実施形態であり、ここで説明されたものに限定されない。本明細書等において、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、当業者であれば、本明細書等において、説明された実施形態で提示した新たな内容と効果を実質的に逸脱しない範囲で各実施形態を変化させることができる。したがって、あらゆる変形または変化は、本発明の範囲である特許請求の範囲に含まれる。特許請求の範囲の機能的な表現は、本明細書等において言及した機能を行う構造とその構造的等価物および等価構造物を含むためのものである。以上の説明は、本発明の実施形態に関するものであり、特定の実施形態に限定されず、本明細書等において説明された実施形態の変形および類似の実施形態も、本発明の特許請求の範囲に属するものある。本発明は、特許請求の範囲によって定義され、等価物もここに含まれる。
【符号の説明】
【0090】
110:データおよび交差スライサ
120、820:バンバン位相検知器
130、860:電圧制御発振器
140:チャージポンプ
150:周波数取得回路
200、310:切替検知器
210:d-フリップフロップ
220、632、634、636、638、932、934、936、938、948、950:排他的論理和(XOR)
230:リタイマ
300、600、830:周波数検知器
320、330:遅延回路
340、400、630、930:組合せ論理回路
410:ダウン論理回路
420:アップ論理回路
610、612、614、616:データスライサ
620、622、920、922:データ整列回路
640、642、644、646、940、942、944、946:AND
800:クロックおよびデータ復旧回路
835:位相/周波数選択回路
840:減速器
850:積分器
855:比例制御経路
900:バンバン位相検知器と周波数検知器との組合せ