(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】樹脂薄膜延伸装置
(51)【国際特許分類】
B29C 55/02 20060101AFI20240209BHJP
B29C 55/04 20060101ALI20240209BHJP
B29C 55/16 20060101ALI20240209BHJP
B29C 55/08 20060101ALI20240209BHJP
B29K 67/00 20060101ALN20240209BHJP
B29L 7/00 20060101ALN20240209BHJP
【FI】
B29C55/02
B29C55/04
B29C55/16
B29C55/08
B29K67:00
B29L7:00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019195874
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】10 2018 127 073.9
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510331593
【氏名又は名称】ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082049
【氏名又は名称】清水 敬一
(72)【発明者】
【氏名】アントン・ヴェッテマン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ウンターライナー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・アドラー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ザイベル
(72)【発明者】
【氏名】アンティモス・ジアポウリス
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507804(JP,A)
【文献】特開平03-087238(JP,A)
【文献】特開2002-144420(JP,A)
【文献】特開2002-219747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給側(3)から引出し方向(A)の出口側(5)に薄膜樹脂(F)を案内する延伸炉(1)を備え、
延伸炉(1)は、薄膜樹脂(F)が通過する処理炉(15)を備え、
処理炉(15)は、薄膜樹脂(F)の引出し方向(A)に連続して配置されて薄膜樹脂(F)が通過する分割された複数の処理領域(7; 7.1~7.5)を備え、
複数の処理領域(7; 7.1~7.5)の各々は、各処理領域(7; 7.1~7.5)に付属する処理室(9)を備え又は備えず、
処理領域(7)は、処理炉(15)を通過する薄膜樹脂(F)の上方に配置される上処理領域(7a)と、薄膜樹脂(F)の下方に配置される下処理領域(7b)とに分割され、
複数の処理領域(7)の各々に空気を供給しかつ各処理領域(7)から排気を導出する空気供給装置を備える薄膜延伸装置において、
処理領域(7)の空気供給装置は、
薄膜樹脂(F)の引出し方向(A)の最後の処理領域(7; 7.5)から吸引される排気を、薄膜樹脂(F)の引出し方向(A)の前段に配置される少なくとも2つの処理領域(7; 7.4, 7.3)に供給する処理領域(7)の通気装置を備え、
処理領域(7)の通気装置は、最後の処理領域(7; 7.5)から吸引される排気量の一部を、上流側の複数の処理領域(7; 7.4,7.3)の一方の処理領域のみに供給し、最後の処理領域(7; 7.5)から吸引される排気量の異なる部分を、上流側の複数の処理領域(7; 7.4,7.3)の他方の処理領域にのみ供給することを特徴とする樹脂薄膜延伸装置。
【請求項2】
処理領域(7)の通気装置は、最後の処理領域(7; 7.5)から吸引される排気を、最後の処理領域(7; 7.5)の前段に配置される2つより多い数の処理領域(7; 7.4, 7.3, 7.2)に供給し、排気を供給する処理領域(7; 7.4, 7.3, 7.2)から排気を付加的に吸引して、吸引する排気の比率に応じて同一の処理領域(7; 7.4, 7.3, 7.2)に空気を供給する請求項1に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項3】
処理領域(7)の通気装置は、単一の処理領域(7)から吸引する空気を、他の処理領域(7)に供給せず、外部に放出し又はある比率で同一の処理領域(7)からの導入空気に混合して、同一の処理領域(7)に還流する請求項1又は2に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項4】
新鮮空気の比率と、該当する処理領域(7)から吸引する排気との比率とを有する処理領域(7)への導入空気の質量比又は容量比を、新鮮空気、残留排気の0%~100%の種々の比率で還流制御装置により調節する請求項3に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項5】
少なくとも最後の処理領域(7)は、100%の空気交換を実施する冷却領域(CZ-3)を構成する空気供給装置(13)を備える請求項1~4の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項6】
空気供給装置(13)は、処理領域(7)の上処理領域(7a)内に空気を供給する第1の導入空気分岐導管(25a)に設けられる導入空気送風機(27a)と、処理領域(7)の下処理領域(7b)内に空気を供給する第2の導入空気分岐導管(25b)に設けられる導入空気送風機(27b)との少なくとも2つの導入空気送風機(27a, 27b)を備える請求項1~5の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項7】
空気供給装置(13)は、混合排気還流装置を備え、
混合排気還流装置は、100%流量まで新鮮空気を含むか又は新鮮空気のある比率に加えて、同一の処理領域(7)から取得するある比率の排気を含む比率で、処理領域(7)に供給する空気流量を調節する請求項1~6の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項8】
少なくともいくつかの空気供給装置(13)は、接続導管(49)を備え、
接続導管(49)は、同一の処理領域(7)内への導入空気導管(21)に、処理領域(7)からの排気導管(41)を接続し、導入空気導管(21)内の導入空気に混合する排気の比率を還流制御する制御可能な迂回路通過遮断装置を接続導管(49)に接続する請求項7に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項9】
少なくとも単一又は複数の処理領域(7)は、冷却領域(CZ-1, CZ-2, CZ-3)であり、
冷却領域(CZ-1, CZ-2, CZ-3)として作動する少なくとも単一又は複数の処理領域(7)を除く空気供給装置(13)は、新鮮空気を供給する第1の導入空気分岐導管(21a)と、制御蝶弁を介して少なくとも最後の処理領域(7.5)かつ/又は導入空気を放出する同一の処理領域(7)からの排気を供給する第2の導入空気分岐導管(21b)との2つの導入空気分岐導管(21a, 21b)を入口側に有し、
2つの導入空気分岐導管(21a, 21b)を通る導入空気の空気流量は、0%と100%との間で、一定流量を維持し又は一定流量とは20%未満だけ異なり、制御蝶弁を介して変更制御する請求項1~8の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項10】
通気装置は、薄膜樹脂(F)の引出し方向(A)に最後の処理領域(7)のみからの排気を、前段に配置される単一又は複数の処理領域(7)に供給する請求項1~9の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項11】
単一又は複数の処理領域(7)は、冷却領域(CZ-1, CZ-2, CZ-3)であり、
単一又は複数の冷却領域(CZ-1, CZ-2, CZ-3)は、部分的に自給エネルギで駆動される請求項1~10の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項12】
空気供給装置(13)は、処理領域(7)に供給する新鮮空気及び/又は混合排気を濾過する濾過装置(50)を備える請求項1~11の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項13】
送風機、加熱器及び/又は濾過装置なしで、少なくとも単一の最後の処理領域(7; 7.5)が形成される請求項1~12の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【請求項14】
複数の処理領域(7)の各々に空気を供給しかつ各処理領域(7)から排気を導出する空気供給装置(13)の処理領域(7)は、供給ノズルと排出開口部又は排出ノズルのみを備える請求項1~13の何れか1項に記載の樹脂薄膜延伸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載する樹脂薄膜延伸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
延伸装置は、特に樹脂薄膜(プラスチックフィルム)の形成に使用される。薄膜樹脂を横方向と縦方向に同時に延伸する所謂同時延伸装置が知られている。例えば、まず縦方向に薄膜樹脂を延伸し、その後横方向(又はその逆)に延伸する二連続延伸工程の所謂順次延伸装置も知られている。単純縦延伸装置と単純横延伸装置も知られている。
【0003】
既知の通り、薄膜樹脂の形成時に、延伸すべき長尺薄膜材料の対向する両端縁を把持する把持装置は、延伸すべき長尺材料の両側で周回するガイドレール上に走行可能に配置される。把持装置は、進入領域(例えば、延伸すべき樹脂薄膜の端縁を把持する領域)から延伸領域(案内レール上の対向する把持装置が、移送方向に対して横方向に互いに離間して移動する領域)を通じて順次排出領域に移動し、その後、帰路を通り再び進入領域を走行するが、薄膜樹脂は、延伸領域の後段に移動して、通常通り単一又は複数の処理領域(アニール領域、冷却領域)内で、例えば、更に所定の内部応力除去緩和処理かつ/又は後熱処理を受ける。
【0004】
本来の延伸工程前、延伸工程間及び延伸工程後に、薄膜樹脂は、各処理領域内で種々の加熱処理及び/又は冷却処理を受けなければならない。従って、延伸すべき長尺の薄膜樹脂は、連続して種々の処理領域(処理領域間の中立領域を通過することもある)を備える処理炉を通過する。処理領域内で形成すべき薄膜樹脂は、種々の熱処理を受けるため、延伸装置の処理炉空間内に常に新鮮な空気を供給しかつ汚染した空気を排出する処理炉空気供給装置も設ける必要がある。特に、供給する空気は、通常予熱されかつ濾過される。また、薄膜樹脂形成工程間に、樹脂薄膜から含有物質が蒸発して、不純物として空気中を浮遊し、例えば、有害物質として再び形成すべき樹脂薄膜の表面上に堆積することがあるため、処理炉又は各処理炉からの排気も排出しなければならない。例えば、延伸時及び樹脂薄膜の加熱時に、重合体の樹脂薄膜成分が有害物質になり、その後、薄膜樹脂の冷却工程間に凝縮して樹脂薄膜(他に、樹脂薄膜処理領域の内部空間内に配置される後述の多くの関連装置)上に沈着することもある。樹脂薄膜のこの種の不純物は、如何なる場合も望ましくない。
【0005】
従って、複数の処理領域に分割される複数の延伸装置用処理炉には、個別の空気供給装置が設けられる。処理炉に必要な新鮮空気供給量/排気循環装置数及び関連する必要な空気供給装置数が要請毎に変更される。次に、機械長手方向(MD方向)と機械横方向(TD方向)に延伸して、二軸延伸ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)薄膜を形成する典型的な処理炉の例を説明する。樹脂薄膜を形成する典型的な処理炉は、例えば5つ(又はそれ以上)の処理領域に分割される:
-延伸領域又は予熱延伸領域
-アニール領域
-第1の冷却領域
-第2の冷却領域
-第3の冷却領域及び
-場合により前記領域間の中立領域。
【0006】
例えば、各処理領域に空気供給装置を原則的に対応させて、延伸装置が、構築される。
【0007】
この種の空気供給装置は、例えば、導入空気領域と排気空気領域とを分割しかつ熱絶縁する金属板製筐体により構成される。多くの場合、供給すべき空気を処理する単一の導入空気領域のみを備え、露出する送風機により排気領域が、構成される。
【0008】
導入空気領域に、下記装置を設けることができる(必ずしも下記装置を設ける必要はない):
-濾過装置
-加熱装置
-冷却装置
-送風機
-質量流量測定装置
-他の検出装置及び駆動装置
【0009】
各空気供給装置に前記装置が設けられるが、設けなくてもよい。少なくとも各処理領域に更に他の装置を追加することもできる。
【0010】
既知の装置の排気領域は、実質的に送風機と質量流量測定装置とを備える。
【0011】
各供給装置内での導入空気と排気領域とを接続せずに、各処理炉室から不純物を確実に導出することができる。
【0012】
多くの換気構造では、延伸炉用の空気供給装置の周囲又は装置屋外の領域から空気を吸引する導入空気送風機が空気供給装置に設けられ、吸引する空気を濾過しかつその温度を調節して適切に前処理し、所定の温度に調節された空気は、導入空気送風機により延伸装置の該当する処理炉領域、即ち所定の処理領域に供給される。
【0013】
多くの公知の延伸装置に設けられる処理炉領域の各処理領域には、単位時間で比較的少量の新鮮空気又は導入空気が常時新たに供給され、適切量の空気が循環すると同時に、比較的少量の汚染空気が導出される。特に「予熱領域」、「延伸領域」及び「アニール領域」のみに、処理炉内の循環空気容量と比較して、10%の少流量導入空気のみを供給することができる。例えば、設けられる3個の冷却領域の第1と第2の冷却領域内には、多くの場合、より大きい流量の空気が新規に供給されるが、それでも、新規導入空気の容量比は、通常、処理炉内の循環空気容量の50%未満である。
【0014】
従来では、残る第3の冷却領域には、導入空気送風機を設けず、炉送風機から処理炉空気供給装置を介して導入空気を単に吸引する限り、他の処理領域に対して第3の冷却(処理)領域には、通常異なる装置を設けていた。第3の冷却(処理)領域内では、処理炉空気供給装置により全空気量を供給し、薄膜樹脂に吹き付けて、排気送風機により全排気を外部に排出する100%の空気交換を行った。
【0015】
他の処理領域内の排気除去時に、適切な空気通路を通じて通常装置屋外に排気が排出される。熱回収用装置を設置しないため、排気中の熱エネルギは、廃熱になる。例えば、冷却すべき薄膜樹脂により熱エネルギが冷却領域内に供給されて、空気交換により冷却領域で加熱されるので、この種の構造は、冷却に多くのエネルギ量を必要とする。
【0016】
延伸装置での他の問題は、重合体又は例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)から遊離するオリゴマーにあり、処理炉内の延伸熱処理領域では、樹脂薄膜から遊離する炭化水素にある。冷却領域内の循環空気温度は、樹脂薄膜の温度よりも極めて低い。このため、冷却領域内でオリゴマーが凝縮して、白色粘着性の粉末状オリゴマーが処理炉全内面に堆積することがある。帰還する循環空気に含まれるオリゴマーは、冷却により凝縮して、処理炉全内面に堆積するため、処理炉内の導入空気からの低温の導入空気が戻されて、樹脂薄膜で加熱される循環空気と混合される箇所に凝縮物捕捉部が設けられる。樹脂薄膜から遊離して循環空気により伴送される汚染物質の再昇華又は凝縮による汚染のため、定期的に装置全体の作動を停止して、特に冷却領域を清掃しなければならない。
【0017】
オリゴマーによる汚染を防止する種々の方法が既に提案されている。オリゴマーを極力少量とする低分子物質のみを含む重合体樹脂材料を使用する薄膜樹脂の製造法が汚染防止法として試行されている。樹脂薄膜の形成時に、樹脂薄膜表面上に重合体から昇華するオリゴマーの堆積を回避し又は少なくとも減少する方法も試みられている。
【0018】
下記特許文献1は、横延伸領域かつ/又は融着領域内の個別領域内の分離壁近傍にエアカーテンを形成して、樹脂薄膜の移動方向下流に配置される側から、実質的にオリゴマーを含まない加熱空気を幅方向の樹脂薄膜の表面上に吹き付けて、空気供給領域の上流に設けられる引出し領域で加熱空気を回収する汚染防止法を提案する。
【0019】
下記特許文献2は、下記技術を提案する:
a)各処理領域内を循環する処理流体の一部を各処理領域から処理工程後段の処理領域に案内し、
b)処理炉を通過する薄膜樹脂の移送区間に対し並列に設けられる迂回路を通じて、処理工程後段の処理領域に処理流体を案内し、かつ、
c)各処理領域内に設置される熱交換器により温度を調整して供給される処理流体により、処理工程の樹脂薄膜の熱処理を処理領域内で行う。
【0020】
ある処理領域から樹脂薄膜の引出し方向(並流原理による)に次の処理領域内に案内する処理流体の一部とは無関係に、最後の処理領域から吸引する処理流体を、処理工程前段に接続される複数の処理領域内に供給し、特に、最後の処理領域から最後の1つ前の処理領域内及びその後最後の1つ前の処理領域から最後の2つ前の処理領域内に、「逆流原理」で更に供給する処理流体の逆流を実現すると、更なる改良が得られる。最後の処理領域から複数の過程を経て「逆流原理」により更に供給する処理流体の合流部分では、2種の流体を一体化して導出する取出し箇所を介して、「並流原理」により複数の処理領域に供給する処理流体を炉から導出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】独国特許公報第3616328号明細書
【文献】国際公開第2016/146383号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従って、本発明の課題は、特に、延伸炉内で加熱に要するエネルギ需要を極力低い水準に抑制し、しかも炉の各処理領域に必要な処理温度を達成できかつ同時に特に冷却領域内で、炉の各処理領域内の空気空間中のオリゴマーの堆積と凝縮を阻止し又は如何なる場合でも堆積と凝縮をより低減し又は少なくとも処理領域又は処理室内に堆積する凝縮物を顕著に削減する更に改良された延伸装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明では、請求項1に記載する特徴により前記課題を解決する。本発明の好適な実施の形態を下位請求項に記載する。
【0024】
本発明が提案する解決手段により、従来の解決法に比較して驚くべき著しい改良が得られる。
【0025】
本発明による解決法は、従来技術とは異なり、最後の処理領域から吸引する通常空気の処理流体を、延伸炉の処理工程前段に配置される少なくとも2つの処理領域に、特に段階供給形式ではなく、個別形式で導入する空気供給装置を提案する。
【0026】
換言すると、最後又は好ましくは最後の1つの処理領域から吸引する処理流体をまず最後の1つ前の処理領域に供給し、また更に1つ前の処理領域に供給するのではなく、例えば第3の冷却領域形式の最後の処理領域の炉内に供給される処理流体を取出し、通常吸引し、例えば、最後の1つ前の処理領域(例えば、第2の冷却領域形式)に吸引した処理流体の容量の一部を供給し、例えば、第1の冷却領域形式の、更に前に配置される処理領域の処理炉内部空間に処理流体の他の容量流量を供給する。
【0027】
本発明では、同様に最後の処理領域から取出す第3又は第4の流量比率も、比率に応じて他の処理領域に供給することもできる。
【0028】
換言すると、本発明では、最後の処理領域(例えば、第3の冷却領域)から空気を取出して、その前に配置される処理領域に、取出した空気を分配する。前段に配置される処理領域に別の新鮮空気を供給し、最後の処理領域から取出す排気を新鮮空気に付加的に混合して、他の処理領域に供給することも勿論可能である。
【0029】
各処理領域に対応する空気供給装置を設けて、各処理領域内で適切に処理される導入空気を処理炉の上処理領域と下処理領域に個別に供給して、樹脂薄膜の上側と下側との各処理空間内に適切な導入空気を吹き込むことが好ましい。
【0030】
本発明の実施の形態では、各処理領域に対し原則的に2つの空気供給装置を設けることができる。しかし、導入空気を適切に処理し、その後、処理炉内の上空間と下空間との各処理領域に導入空気を供給する単一の空気供給装置を使用することが好ましい。
【0031】
また、流量を調節する制御装置(例えば、最後の処理領域から導出される排気と新鮮空気との混合比率の制御)、濾過装置及び/又は様々な温度検出装置、圧力検出装置等を空気供給装置に搭載して、延伸装置全体の最適な制御を実施することが好ましい。前記利便性から明らかなように、本発明の本質的な利点は、特に最後の処理領域から導出され排気を前段に設けられる他の処理領域の新鮮空気として最終的に使用し又は使用できることにある。その場合に、特に最後の処理領域から導出される排気をまず前段に設けられる処理領域に供給するが、更に他の処理工程上前段に設けられる処理領域には、前段の前記処理領域のオリゴマーによる排気の顕著な汚染を確認できるオリゴマーを含む排気を勿論絶対に供給しない。
【0032】
更に、各処理領域の内部空間内に適切な循環空気を発生する循環空気発生装置の「軽量化」、即ち処理領域の内部空間内に従来設けられる付加的な循環空気発生装置を除去することが、特に好ましいことは明らかである。換言すると、本発明に使用する延伸炉の各処理領域内にはもはや送風機を設けない特徴がある。
【0033】
要約すると、本発明では、最適な空気の再使用又は分配を行う実質的な利点に加えて、2つの主要な下記効果を達成できる:
-従来の解決法に比べて、加熱エネルギ需要を著しく削減でき、かつ
-延伸炉内の汚染を顕著に改善できる。
【0034】
本発明の他の利点、詳細及び特徴は、本発明の実施の形態の図面に関する下記説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】従来公知の延伸装置の基本構造を略示する断面図
【
図2】各処理領域に対し導出又は吸引する排気、各処理領域に供給する導入空気と新鮮空気及び最後の処理領域から導出する排気を他の処理領域に導入する略示配管図
【
図4】
図2又は
図3の更に他の変形実施の形態を示す略示配管図
【
図5】本発明に使用する空気供給装置の具体的な配管図
【
図6】最後の処理領域からの排気を利用する空気供給装置の具体的な他の配管図
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、適切な延伸炉を備える本発明の樹脂薄膜延伸装置の構造の一部を示す。
【0037】
樹脂薄膜の形成時に、ノズル(例えば、幅広開口ノズル)から樹脂薄膜引出し装置の冷却ドラム上に溶融薄膜樹脂をまず押し出して冷却し、予備硬化する溶融物を樹脂薄膜引出し装置から引出し、その後、硬化した溶融物を本来の延伸装置に供給して、延伸装置終端の最後の処理領域から薄膜樹脂を排出した後に、例えば、巻取り装置を有する引出し工程に薄膜樹脂を供給することが、知られている。
【0038】
本来の延伸領域で長手方向と横方向に同時に樹脂薄膜を延伸する同時延伸装置を延伸装置に原則的に使用でき、別法として、例えば、最初に長手方向に薄膜樹脂を延伸し次に横方向に(又はその逆に)延伸する順次延伸装置も使用できる。延伸装置は、原則的に単純な横延伸装置でもよい。
【0039】
十分に硬化した薄膜樹脂は、最終的に冷却巻胴から延伸炉1に供給される。
図1は、供給側3から延伸炉1に薄膜樹脂Fを供給し、引出し方向A出口側5に薄膜樹脂Fを延伸炉1を通して移送する工程を表す薄膜樹脂Fの平面Eに対する垂直断面図を示す。
【0040】
図示の実施の形態では、延伸炉1は、薄膜樹脂(F)が通過する処理炉(15)を備え、処理炉(15)は、薄膜樹脂(F)の引出し方向(A)に連続的に分割して配置されて薄膜樹脂(F)が通過する複数の処理領域(7; 7.1~7.5)を有し、各処理領域7は、各処理領域(7; 7.1~7.5)に付属する処理室9を備え又は処理室9を備えない。単に炉1とも称する延伸炉は、少なくとも単一、2個又は一般的に複数の処理室9を有する複数の処理領域7を備える。
【0041】
図1に例示する延伸装置は、薄膜樹脂Fの供給側3から出口側5に向かって連続して配置される処理領域7を備える付属の延伸炉1を有する:
-予熱延伸領域7(又は単に付属の予熱領域のない延伸領域7)、延伸領域PS-SZも
図1に示す、
-延伸領域PS-SZに続き、通常所定の薄膜樹脂を処理しない
図1にNZ-1でも示す第1の中立領域7n内に、別体の導入空気装置又は排気装置を設ける必要はないが、アニール領域AZ形式の処理領域7、延伸工程終了後に、内部応力除去緩和処理等の薄膜樹脂の特殊な熱処理領域を設けることができる;アニール領域AZ(個々、複数又は全ての処理領域7も同様)を2個又は複数の処理室9に分割することができる。図示の実施の形態では、アニール領域7、AZは、参照符号AZ-1~AZ-9で示す9つの処理室9を有し、処理室AZ-2からAZ-7は、区分のみを示す。しかし、個別に予め選択可能な温度と予め設定される容量とを有する個別に調節可能な組成の空気流を供給できる個別の処理室9がアニール室9として個別に分割され、又は
図1に示すように、共通の空気供給装置13から共通の空気流を通常供給でき、共通の温度に加熱される空気流は、全アニール室9(AZ-1からAZ-9)に均一に供給される。
図1に示す処理室AZ-1~AZ-9内に設けられる単一又は複数の空気循環装置及び/又は加熱装置により、各アニール領域AZ-1~AZ-9内で該当するアニール領域9に適合可能な異なる空気処理及び空気加熱を実現することもできる(空気供給装置13の導入空気の温度に依存せずに、処理室AZ-1からAZ-9内を通常全て異なる温度に設定できる。異なる数のアニール室が設けられる。);
図1に示す延伸炉1では、アニール領域AZに続く中立領域、即ち第2の中立領域NZ-2を設けることができる。
-薄膜樹脂の引出し方向Aに3つの他の処理領域7、CZ-1, CZ-2, CZ-3が続く;
-冷却領域間に単一又は複数の中立領域を設けることができる。図示の実施の形態では、第2と第3の冷却領域CZ-2とCZ-3の間に第3の中立領域NZ-3が設けられる。
【0042】
図1に示す中立領域NZ-1, NZ-2及びNZ-3は、別体の空気供給装置が対応しない実際に単なる中立の中間領域である。
【0043】
単に原則的な例を
図1に示すに過ぎないことに注意すべきである。アニール領域9又は、より多い又はより少ない処理室9を備える中立領域NZ形式の、より多い又はより少ない処理領域7を設けて、原則的に全く異なる構成で延伸炉を構築もできる。その限りでは構成に制限はない。
【0044】
図1に示す実施の形態では、他の処理領域7内に同様に設けられる各空気供給装置13により各処理領域に適切な容量の導入空気流が供給され、特に容量のみならず、温度、場合により空気組成、圧力、流量等に関しても制御して、後述のように、各処理領域7から適切な容量の排気も導出される。
【0045】
予熱延伸領域PS-SZ、アニール領域AZ又は3個の冷却領域CZ-1, CZ-2, CZ-3に対応する各空気供給装置13を、単にLE-PSZ, LE-AZ, LE-CZ-1, LE-CZ-2又はLE-CZ-3と称する。
【0046】
適切な分岐装置(
図1に略示する)により、処理領域7及び処理領域7に伴う単一又は複数の処理室9に供給する導入空気を複数に分岐して、処理領域7内に空気供給装置13を構築し、最終的に、炉1を通過して案内する薄膜樹脂F上方の各処理領域7の上空間7a内に導入空気を供給すると同時に、薄膜樹脂Fの平面Eの下方に形成される処理領域7の下空間7b内にも導入空気を供給することができる。例えば、分岐導管14を通じて種々の処理室9に各空気供給装置13からの導入空気を供給でき(例えば、
図1のアニール領域AZに示す)、炉1を通して案内される薄膜樹脂F上方の各処理領域7の上空間9aに空気供給装置13からの導入空気の一部を供給し、各処理領域7の下空間9bに導入空気の他部を供給できる。例えば、空気供給装置13に対応するアニール領域AZから分岐導管16を通じて排気を導出しかつ/又は更に処理するが、この処理法は、後述する。空気供給装置13は、前記の構成により、予め適切に温度調節しかつ/又は処理した空気を処理領域7に供給し、各処理領域7及び/又は処理室9に対応する空気循環装置及び/又は加熱器により、付加的に各処理領域7又は処理室9内で個別に空気を調節することができる。
図1は、処理領域7又は処理室9内の適切な空気循環装置18及び付加的に処理領域7又は処理室9内に設けられる加熱器又は加熱装置20を示す。
【0047】
各空気循環装置18(例えば、送風機形式)に加熱器又は加熱装置20の何れかを対応することが好ましい。
【0048】
図1に示すアニール領域AZに使用する空気供給装置13は、全アニール領域AZ-1からAZ-9に使用する空気供給装置LE-AZを備え、図示の供給導管及び/又は分岐導管14を介して、導入空気は、炉1に設けられる9個の処理領域7に分割され、全処理室9からの排気は、多岐管及び/又は多岐導管16を通じて集合して外部に導出されかつ/又は各空気供給装置13に導出される。しかし、単一又は複数のアニール領域に対し、付加的な空気供給装置13を設置しかつ/又は例えば、該当するアニール領域からの排気を個別に外部に導出できる変形例でもよい。他の変形例も、可能である。
【0049】
図2は、本発明の延伸装置の機能表示と、空気の詳細な導入流路と排気流路を示す。
【0050】
本明細書での用語「循環空気」、「導入空気」又は例えば「排気」又は「空気供給装置」に関する用語「空気」は、延伸装置の循環可能な流体として使用される全気体流体を意味する。従って、用語「空気」は、空気とは異なる付加物質と気体成分を含み又は他の気体で構成され又は複数の気体で構成される上位概念「空気」に包含されない気体と媒体でもよい。
【0051】
図2は、
図1に一致して、3個の中立領域NZ-1からNZ-3(空気を供給せずかつ別体の樹脂薄膜処理装置と別体の空気供給装置13とが対応しない)を含む合計5個の処理領域を連続番号7.1(PS-SZ), 7.2(AZ), 7.3(CZ-1), 7.4(CZ-2)及び最後の7.5(CZ-3)で示す。
【0052】
延伸炉1を通して搬送される薄膜樹脂Fに伴送する処理領域7内の処理媒体(原則的に空気)を処理領域7から後続の処理領域7内に流動させない構造で、各処理領域7が原則的に構成される。樹脂薄膜が通過する入口開口と出口開口が各処理領域7に通常設けられ、例えば、処理領域7の内部空間から次の処理領域内への直接空気循環を極力減少するのに好適なある種のエアカーテンを形成する空気流装置が設けられる。処理領域7間(及び処理室9間)で発生するある程度の不適切な空気交換を阻止する必要がある。
【0053】
例えば、最後の2個の処理領域CZ-2とCZ-3との間に中立領域(NZ3)を接続して、連続する2個の処理領域7間に異なる中立領域NZを設けると、処理領域の分離と処理媒体の隔絶性能を更に改善できる。より多い又はより少ない冷却領域及びより多い又はより少ない他の処理領域及び/又は中立領域を(他の位置でも)設けて、図示とは異なる接続構造で冷却領域、処理領域及び/又は中立領域を原則的に接続することもできる。
【0054】
第3の冷却領域CZ-3に対応する空気供給装置13に供給される空気全量を薄膜樹脂Fに向かって噴出し、排気送風機形式の排気装置により全排気を最後の処理領域15nから吸引した後、外部に排出して、第3の冷却領域CZ-3(最後の処理領域7.5)内で100%の空気交換を行うことが好ましい。
【0055】
第3の冷却領域から導出される排気流量ALは、最も低比率の樹脂薄膜含有蒸気、通常、オリゴマーを含む最も汚染が少ない。搬送する薄膜樹脂に供給する空気により、最後の処理領域7.5から導出される排気を更に冷却しなければないが、薄膜樹脂から放出される熱により、循環空気とそれに混合する排気は、加熱されるため、最後の処理領域7.5から導出される排気の温度は、最後の処理領域7.5に供給される空気、所謂導入空気の温度より高い。
【0056】
薄膜樹脂の保有熱による加熱を利用して、前段(樹脂薄膜Fの引出し方向Aに対し逆方向)に接続される少なくとも2個の処理領域7、即ち
図2に示す最後の処理領域7.5の1個前7.4と、2個前の処理領域7.3とに、個別に分離して最も汚染の少ない排気が、供給される。
【0057】
図2の実施の形態では、最後の処理領域7.5(CZ-3)から吸引され又は流出する排気は、例えば、1個前の処理領域7.4、即ち処理領域CZ-2に40容量%まで供給される。最後の1個前の処理領域7.4は、他の処理領域7又は処理室9以外の別の新鮮空気を他の導入空気として含む。最後の1個前の処理領域7.4からの排気は、外部に排出されるので、更に使用されない。処理領域7.4から導出される排気又はその排気の少なくとも一部を代替的に再び処理領域7.4内に帰還することも無論可能である。
【0058】
最後の1個前の処理領域7.4(CZ-2)と最後の2個前の処理領域7.3(CZ-1)との間の流量比40%対60%を任意に調節することができる。例えば、最後の1個前の処理領域7.4への最後の冷却領域CZ-3からの排気流量割合を70%とし、最後の2個前の処理領域7.3への排気流量割合を30%に設定できる。理論的には、どの処理領域にも容量割合を供給しなくてもよく、各流量の合計を必ずしも100%にする必要はない。
【0059】
最後の処理領域7.5から吸引し又は流出する排気は、例えば、残る60%の割合で、最後の2個前の処理領域7.3、即ち処理領域CZ-1に供給される。
【0060】
例えば、前段に接続される処理領域7.4及び7.3に排気全体を100%まで分割する必要は必ずしもない。例えば、処理領域7.5からの排気の30%を処理領域7.4に使用し、30%を処理領域7.3に使用し、残りの40%を排気として空気供給装置13から分離移送(再使用せず)してもよい。
【0061】
図2~
図4は、最後の処理室7.5から導出する排気流量ALの中、非帰還流量AL-Rを空気供給装置13の上方に白抜き矢印で表す。前記の例では、例えば、最後の処理室7.5から導出する排気流量ALの残留流量40%を非帰還流量AL-Rとして空気供給装置13からの排出することを意味する。他の全実施の形態でも、同様の導出又は比較可能な再使用が可能である。
【0062】
本発明では、最後の処理領域7.5から導出する排気(100%流量)を任意の比率で最後の1個前の処理領域7.4と後の2個前の処理領域7.3に供給し又は少なくとも2つの前段に接続される処理領域に通常供給し、残りの任意流量の排気を空気供給装置13から排出することができる。最後の処理領域7.5から導出可能な非帰還流量AL-Rの残留流量比を0%に原則的に制限し、即ち、最後の処理領域7.5から導出する空気100%を、非帰還流量AL-Rの残留割合として空気供給装置13から排出せずに、前段に接続される少なくとも2個の処理領域の対応する空気供給装置13に任意の比率で供給する適用例も可能である。
【0063】
空気供給装置13を設置する建物室内、建物の外部又は供給導管から新鮮空気又は導入空気を他の処理領域7.1と7.2に別途供給し、処理領域7.1と7.2からの排気を、外側の装置建物の外部に導出することが好ましい。
【0064】
図3に示す実施の形態は、
図2とは異なり、例えば、最後の処理領域7.5からの一部排気流量を前段に配置される他の処理領域に供給する例を示し、空気供給装置13への適切な分割比を調節して、最後の処理領域7.5からの流量を3個の処理領域7に分割することができる。
【0065】
最後の処理領域7.5からの排気を供給する第3の処理領域7.2を、例えば、アニール領域AZとすることができる。
【0066】
前段に配置される他の処理炉にも、付加的又は代替的に排気を供給でき、
図4は、前段に配置される全処理領域8に、最後の処理領域7.5からの排気を部分的に割り当てる例を示す。
【0067】
前段の中間に配置される少なくとも1つの処理領域を省略して前段に配置される2個又は3個以上の処理領域に最後の処理領域からの排気を基本的に供給してもよい。換言すると、最後の処理領域7.5からの排気を処理領域7.4と7.2に供給できるが、その間に配置される処理領域7.3には供給されない。その意味で排気の供給法に制限はない。
【0068】
次に、空気供給装置13の具体的な構造の例を
図5について説明する。
【0069】
図5に示す空気供給装置13は、下記基本構造を備えることが好ましい:
導入空気導管21は、接続される処理領域7に空気を供給することができる。
【0070】
供給導管21は、入口側の分岐導管21aと21bとを有する。第1の分岐導管21aは、他の何れの処理領域7にも、導入空気を供給すべき同一の処理領域7にも由来しない純粋な新鮮空気、非汚染空気を供給する。
【0071】
図示の実施の形態では、第2の分岐導管21bは、冷却領域を構成する最後の冷却領域CZ-3である最後の処理領域7.5からの排気を供給する。
【0072】
第1及び第2の分岐導管21a, 21bに第1又は第2の制御弁23a又は23bを設け、第1又は第2の制御弁23a又は23bを各モータMにより駆動して、周囲からの純粋な新鮮空気と、第3の冷却領域CZ-3からの排気との混合比を調節することが好ましい。第1又は第2の制御弁23a又は23bは、例えば、ジャロジー蝶弁制御構造を備える。制御弁23a又は23bのジャロジー蝶弁は、0%から100%の範囲で開放角度を調節できる。逆向きに蝶弁を取り付けることが好ましい。排気分岐導管21b内に取り付けられる蝶弁は、新鮮空気導管内に接続される蝶弁を開放度に対応する比率で閉弁されるので、流量全体は常に等しく、100%である。
【0073】
別法として、第1の分岐導管21aから供給される新鮮空気及び/又は最後の処理領域7.5、即ち最後の冷却領域CZ-3から分岐導管21bを通じて供給される排気と、各処理領域への空気とを混合して、流量100%を達成できる。
【0074】
蝶弁の他に各蝶弁を駆動する付属の駆動装置を備えるモータMにより蝶弁を制御することができる。
【0075】
適切な混合比に調節される空気流は、空気供給装置13により導入空気導管21に案内され、通常比率50%対50%で最終的に第1及び第2の分岐導管25a, 25bに分流される。第1及び第2の分岐導管25a, 25bを通じて2つの同一流量が、特に夫々同一の処理領域7の上処理領域7aと下処理領域7bとに供給される。
【0076】
導入空気を案内する適切な送風機として設けられる導入空気送風機27aと27b(各モータMで駆動される)は、2つの導入空気分岐導管25a, 25bの各々に接続される。別法として、導入空気送風機又は付加的な導入空気送風機27を更に共通の導入空気導管21内に配置してもよい。
【0077】
共通の導入空気導管21内ではなく、2つの導入空気分岐導管25aと25bに導入空気の質量流量計を設けることが好ましい。質量流量計28aと28bは、導入空気送風機により移送される導入空気の質量と流量の測定と帰還流(閉ループ)制御に用いられる。装置操作プログラムにより、所望の導入空気流量を調節することができる。送風機回転数の帰還流制御により調節する流量を一定に維持できる。
【0078】
各分岐導管25a, 25bに対応する導入空気送風機27aと27bへの質量流量測定装置28a, 28bの適切な制御導線29aと29bを
図5に破線で示す。
【0079】
図5に示す各温度検出装置26aと26bは、各質量流量測定装置28a, 28bに対応する。
【0080】
対応する絞り制御弁30a, 30bに接続される各質量流量測定装置28a, 28bにより、質量流量が最適に測定される。導入空気分岐導管25a, 25b内の導入空気を処理領域7に導入する直前に、本来の処理領域7の極力近傍の導入空気導管21内に設けられる図示の温度検出装置31a又は31bにより導入空気の温度を測定して、測定した温度信号を最終的に制御装置に付与して、処理領域7内の温度を調節することが好ましい。導入空気が流入する処理領域7の入口の直前に温度検出装置31a又は31bが取り付けられ、帰還(閉ループ)制御管路を介して帰還流の温度も調整できる。温度検出装置31aは、処理領域7の上処理領域7a内に設けられる空気出口ノズルの導入空気の温度を測定するが、温度検出装置31bは、処理領域7の下処理領域7bに供給される導入空気の温度を測定する。
【0081】
導入空気の温度は、装置操作プログラムにより、駆動装置の表面上の2つの温度値の平均値のみが表示される。温度平均値に基づき、加熱出力帰還流(閉ループ)制御も行うことが好ましい。
【0082】
導入空気の温度を制御する所望の変更例では、他の変更法も可能である。加熱レジスタでの加熱出力を変更する代わりに、迂回路用蝶弁48の蝶弁位置により帰還流(閉ループ)導入空気の温度を制御できるが、その制御法は、後述する。
【0083】
温度検出装置31aと31bの制御導線32a, 32bも
図5に破線で示す。モータMは、制御導線32a, 32bを通じて駆動され、共通の導入空気導管21内の適切な熱交換器35は、モータMにより駆動される熱交換弁33により最終的に駆動される。例えば、熱交換器35内で循環する加熱流体は、温度300℃で熱交換器内に流入し、例えば、温度280℃で流出するとき、その温度差により、例えば、共通の導入空気導管21を通って流れる導入空気にエネルギ量150kWが放出される。
【0084】
この種の熱交換器では、新鮮空気と最後の処理領域に由来する排気との間の調節した比率の流量:例えば15,000m3/hで、導入空気を所定の他の処理領域に供給できる。例えば、60℃と170℃との間の温度に導入空気を調節できる。これは、圧力1,500Paでは、空気質量23,900kg/hから31,800kg/hに相当する。
【0085】
同一の空気供給装置13内に設けられる適切な排気導管41を通じて、導入空気流方向ZSとは逆の排気(吐出)方向ASに貫流させて、処理炉(処理領域7)から不要な排気を導出することが好ましい。
【0086】
処理室9又は処理領域7の上処理領域7aと下処理領域7bの排気は、排気導管41を通じて共通に吸引される。従って、処理領域の上処理領域7aと下処理領域7bとに接続される個別の2個の導管を吸引導管として必ずしも設ける必要はない。
【0087】
図5の排気導管41に設けられる排気送風機42は、モータMで駆動されて排気導管41を通る排気を排出する。
【0088】
排気送風機42の吸引方向前段に質量流量測定装置43が接続される。排気送風機42で移送される質量排気流の流量は、最終的に質量流量測定装置43で測定されて、帰還流(閉ループ)制御される。排気質量流は、2つの導入空気質量流の合計に相当する。排気質量流は、排気送風機回転数の帰還流(閉ループ)制御によって達成される。排気送風機の回転数補償値を装置操作プログラム内に入力し設定して、所望量、意図的に多量又は少量の排気を吸引することができる。
【0089】
質量流量測定装置43の流量絞り44を排気導管41に設けることができる。排気送風機42の回転数発生器を変更する質量流量測定装置43と排気送風機42とを接続する制御線45を破線で示す。質量流量測定装置43は、流量絞り44(ノズル)及び差圧-温度検出装置46を有する。
【0090】
導入空気導管21と排気空気導管41との間に接続導管49が迂回路として接続され、例えば、モータで駆動制御されるジャロジー蝶弁形態の蝶弁又は蝶弁制御48が接続導管49に設けられる。接続導管49の一端は、排気方向ASの排気導管41(排気送風機42の後段)に接続され、接続導管49の他端は、後濾過装置50を介して熱交換器35に接続される供給導管21に直接接続される。濾過装置50を通る導入空気の浄化又は所定の浄化を必要に応じて行い、昇華物質及びオリゴマーを少なくとも部分的に除去することができる。
【0091】
排気流量を調節するジャロジー蝶弁装置48を、排気方向ASの排気導管41の後段の接続導管49に設け、接続導管49を通る排気を外部に放出せずに、同一の通気装置内に付加的に再び供給することができる。換言すると、処理領域から排気導管41に流入する排気流量を質量流量測定装置43により測定して、接続導管49に排気を分岐する。処理領域から吸引する全排気流量を外部に放出しなければ、処理領域から得られる特定比率の流量を外部に放出する(質量流量測定装置53で放出する流量比を測定する)と共に、接続導管49に分岐して、他の比率の流量を再び同一の通気装置、即ち、同一の処理領域に帰還させて、ジャロジー制御蝶弁48により、前記比率に応じて帰還流量を調節(排気導管41の吸引側に設けられる質量流量測定装置53により、排気流量を制限する絞り55を駆動する)することができる。
【0092】
濾過装置50に対し並列に接続される圧力計数器51により、濾過装置50に発生する気流の圧力損失を測定できる。圧力計数器51では、圧力作動値(例えば、500Pa)を調節すできる。濾過装置50での圧力降下が圧力作動値に達すると、装置操作プログラムにより、警報信号「濾過装置交換」が表示される。警報信号表示は、交換が必要な程度に濾過物質で閉塞した濾過装置を意味する。
【0093】
最終的に有効な排出排気の容量質量流を測定する
図5に示す排気質量流量測定装置53(対応する温度検出装置53'を設けることが好ましい)は、空気供給装置13の出口側に設けられる。排気質量流量測定装置53でも、装置操作プログラムに最小流量値を設定できる。排気導管41には、迂回路用蝶弁55と、迂回路用蝶弁55を駆動する排気流量質量測定装置53とが接続され、装置操作プログラムにより排気流量質量測定装置53の最小流量値を0kg/hに設定すると、迂回路用蝶弁55を介して必要な量の排気を導入空気に混合して、加熱せずに、所望の導入空気温度を達成できる。例えば、流量値を4,000kg/hに調節すると、迂回路の接続導管49の流量が調節されて、所望量の排気が導出される。残留する迂回空気量の熱量が不十分なとき、不足する熱出力を熱交換器35から投入して、所望の導入空気温度が達成される。例えば、加熱導管35aに供給される加熱油を熱交換器35で熱交換した後、還流導管35bから加熱油が、再び還流される。
【0094】
新鮮空気は、第1の分岐導管21aを通じて空気供給装置13に供給され、最後の処理領域7.5からの排気は、第2の分岐導管21bを通じて空気供給装置13に供給され、同一の処理室からの排気は、接続導管49を通じて空気供給装置13に供給され、供給される空気と排気は、各比率に応じて、最終的に該当する処理室内に供給される空気の流量の温度が設定され又は決定される。新鮮空気、最後の処理室からの排気及び同一の処理室からの排気の適切な混合比による導入空気が、不最適な温度のとき、例えば、熱交換器(加熱制御器)35により、供給する導入空気を適切な温度に加熱し又は冷却して、所定の温度に適合させることができる。
【0095】
接続導管49に設けられるジャロジー蝶弁48により制御される空気流量は、本来排気が由来する同一の処理室内に戻され投入される。迂回路制御蝶弁55は、処理室に由来する流量(排気)のうち、最終的に外部に排出する流量と、接続導管49を通じて同一の処理室に戻す流量との比率を決定して、還流(閉ループ)制御を「支配」する。
【0096】
空気供給装置13の種々の制御装置を協働して制御して、流量を制御する電子制御装置(簡略化のため
図5での図示を省略する)に種々の制御装置を接続する適切な制御導線又は制御バス32cを含む制御導線32a, 32b, 32cを
図5に破線で示す。
図5に示す制御導線32a, 32b, 32cで接続される全操作装置を、共通にかつ並列に駆動し又は個別に適切に駆動することもできる。
図5に図示しない制御電子装置、特に専用の操作ソフトウェアにより、制御が行われる。
図5の制御導線又は制御バス32a, 32b, 32cを介して互いに接続される制御装置は、(例えば、電子制御装置又は内蔵する電子知能により)相互に「信号の送受信を行う」。-ある炉内温度が低過ぎるとき(例えば、温度検出装置31aと31bにより温度を確認できる)-、制御導線又は制御バス32a, 32b, 32cを通じて、熱交換器35を作動し又はまたジャロジー蝶弁48を適切に開弁・閉弁して、空気温度を制御し、不必要に熱交換器を駆動せず、電力、熱媒体油又はエネルギ全体を確実に節減することができる。質量流量測定装置53及び関連する迂回路用蝶弁55により、空気供給装置13から漏洩する所定の最小排気量を、予め調節し又は設定もできる。しかし、残りの容量比又は残留容量を同一の処理領域7に再び貫流することができる。
【0097】
空気供給装置13は、例えば、温度範囲80℃~180℃で変動しかつ導入空気よりも温度10℃~20℃高いことが好ましい排気を、単位時間当たり23,900kg/h~31,800kg/hの容量で処理領域7及び処理炉15から吸引できる。例えば、1,500Paの圧力では、最大で流量32,000m3/hの排気を炉から吸引することができる。
【0098】
従来の解決法と比較して、空気供給装置13から一連の利点が得られる。
【0099】
従来の解決法に対して、空気供給装置13の処理炉15の構造を変更できる第1の利点がある。本発明では、処理炉15は、処理領域(及び内部の処理室)7を備えるが、送風機及び/又は加熱器及び/又は濾過装置を処理炉内部空間内に設けない特徴がある。各処理領域7に対応する空気供給装置13内にのみ、前記装置(送風機及び/又は加熱器及び/又は濾過装置)が配置される。空気の供給ノズル、排出開口部又は排出ノズル及び/又は接続される捕集通路のみが、本来の処理領域7内に設けられる。
【0100】
前記構造により、炉の清掃に著しい改善が得られる。
【0101】
炉内に従来通常設けられる複数の装置を省略できかつ空気供給装置13内に複数の装置を設け又は移動するので、もはや炉内に不要な装置にオリゴマーが堆積又は凝縮しない利点が生ずる。従って、もはや処理空間内に設けられない装置に凝縮物が堆積する。
【0102】
炉内から空気供給装置13への濾過装置の移動に伴い、濾過装置への接近が容易になり、しかも導入空気を一括して単一の濾過装置に案内するので、従来の解決法に比較して、濾過装置を交換する保守作業の手間を著しく軽減できる。
【0103】
各処理炉内で従来使用した大型の特殊な濾過装置を、処理炉内には省略できる第2の利点もある。空気供給装置内に収容する濾過装置には、廉価な標準型を使用できるので、濾過装置の価格を半値に削減できる。
【0104】
本発明では、延伸炉の駆動に要する加熱エネルギを著しく減少できる。特に、純粋に薄膜樹脂が帯びる熱により冷却領域を駆動することができる。
【0105】
本発明では、処理工程上前段に配置される少なくとも2つの処理領域又は処理炉の導入空気内に最後の処理領域7(排気は最も清浄である)のみの排気を迂回路となる接続導管49介して好適に還流する空気供給装置13を提案する。還流する空気が含有するエネルギ量を実際に完全に再利用できる。
【0106】
各処理領域から排気を100%完全に放出せず、部分的に制御して予め選択可能な容量比率で空気供給装置13に還流することを提案できる。特に、汚染の少ない処理領域からの排気を還流するときにも、エネルギを節減することができる。
【0107】
また、各処理領域内の汚染率が減少して、炉の浄化状態が改善される。空気供給装置13に大直径の排気導管41を設けると、各処理領域内の空気流量の増大により、実際に全冷却領域内で100%の空気交換を達成できる利点も生ずる。
【0108】
また、還流(閉ループ)制御可能な迂回路用蝶弁55により、所定の処理領域の予め選択できる好適な比率の排気を、供給する新鮮空気に再び配合することができる。
【0109】
処理領域の上空間と下空間とに夫々対応する2つの好適な導入空気送風機を各空気供給装置(13)に設けることによる改良も得られる。
【0110】
また、ノズルを介してのみ導入空気を処理領域(及び処理室)内に供給するので、所謂「凝縮物溜」も回避される(低温オリゴマーを含む暖かい循環空気への新鮮空気の混合時に、凝縮物が発生する)。処理領域内ではなく、各空気供給装置内で導入空気を混合するからである。濾過装置自体に凝縮物溜を設けるので、濾過装置で迅速に捕捉されるオリゴマーは、もはや他の装置内に堆積しない。
【0111】
本発明の実施の形態では、絞り蝶弁又は所謂ジャロジー蝶弁を使用することが、特に好ましいことが判明した。特に手動又は自動でかつ適切な工程制御装置により、周囲からの新鮮空気と、汚染の少ない処理領域からの排気との間の吸引比率を最適に調節することができる。
【0112】
薄い薄膜樹脂、厚い薄膜樹脂等の種々の薄膜樹脂を形成する種々の延伸装置に、前記装置を使用できる。また、前記装置は、薄膜樹脂の形成と延伸にも適し、薄膜樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BOPET)薄膜樹脂の形成に、種々の材料を含む。
【0113】
本発明の薄膜樹脂延伸装置により、種々の利点を実現できる。利点の1つは、最適な空気再使用又は空気分配により、下記改良善を得ることができる。
1.加熱エネルギ需要量の削減
2.炉内の汚染改善
【0114】
また、1つ又は複数の下記視点が重要である:
a)冷却領域(CZ-1, CZ-2, CZ-3)から処理領域7内の空気を完全に吸引し、かつ/又は
b)濾過装置50前段で新鮮空気及び/又はCZ-3空気に前記空気の一部を混合し、かつ/又は
c)混合する清浄空気(濾過装置で不純物/オリゴマーを除去した空気)を再び処理領域内に供給する。混合比により各処理領域に必要な温度を還流制御して、加熱出力エネルギを節減できる。
【0115】
図6の図示の実施の形態では、3つの冷却領域の最後に設けられる処理領域7.5、即ち冷却領域CZ-3に空気供給装置13を原則的に設けることができる。他の処理領域7.1~7.4にも冷却領域が設けられる。薄膜樹脂の引出し方向後段の処理領域からの排気を受けない最後の処理領域7.5の空気供給装置13を、前段の処理領域7.1~7.4の空気供給装置13の軽減版で勿論簡略化して形成できる。
【0116】
図6は、最後の処理領域7.5用に設けられる好適な空気供給装置13を示す。図示の装置には、
図5に示す装置と同一の参照符号を付す。
図6の実施の形態では、いくつかの装置が除去される。即ち:
【0117】
1)
図6の変形実施の形態では、新鮮空気を供給する単一の供給導管21のみを最後の処理領域に設ける;後段の処理室からの排気を供給する
図5に示す分岐導管21bを省略する。最後の処理領域7に続く更に後段の処理領域は、設けられない。同じ理由で、最後の処理室7の空気供給装置13を駆動する
図5の制御弁23a, 23bも不要であり、
図6では省略する。
【0118】
2)本実施の形態でも、前段に配置される複数の処理領域に最後の処理室7.5からの排気を100%まで放出せず、かつ/又は空気供給装置13から白抜き矢印の非帰還流量AL-Rの排気として放出する必要はなく、この流量比率の少なくとも一部を同一の最後の処理領域7.5に戻すことができる。モータMで駆動されるジャロジー蝶弁48を設けた接続導管49を通じて、最後の処理室7.5からの排気の帰還容量比を同時に調節して、供給導管21を通じて供給される新鮮空気に帰還容量比の排気に加えて、同一の最後の処理室7.5に供給することができる。
【0119】
3)
図5に示す温度検出装置53'を備える排気質量流量測定装置53と、迂回路用蝶弁55による制御装置を、
図6では省略する。
図6では、最少量の排気を排出する還流(閉ループ)を制御しないことが好ましい。白抜き矢印の非帰還流量AL-Rの他の残留比率を空気供給装置13全体から導出しない-図示のように-限り、前段に配置される複数の処理領域に残留する排気流又は排気流残部を供給する(接続導管49を通じて排気容量の一部を同一の最後の処理室内に戻す)容量比率を定める。しかし、流量を同時に帰還(閉ループ)制御する好適な迂回路用蝶弁55と、温度検出装置53'とを備える付加的な排気質量流量測定装置53を排気導管41に設けることができる。
【0120】
また、例えば、ジャロジー蝶弁、絞り弁等の前記流量制御装置の代わりに、同一の機能の帰還管路又は帰還制御装置を使用することができる。