IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工メカトロシステムズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-給紙装置および製函機 図1
  • 特許-給紙装置および製函機 図2
  • 特許-給紙装置および製函機 図3
  • 特許-給紙装置および製函機 図4
  • 特許-給紙装置および製函機 図5
  • 特許-給紙装置および製函機 図6
  • 特許-給紙装置および製函機 図7
  • 特許-給紙装置および製函機 図8
  • 特許-給紙装置および製函機 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】給紙装置および製函機
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/06 20060101AFI20240209BHJP
   B65H 1/06 20060101ALI20240209BHJP
   B65H 1/14 20060101ALI20240209BHJP
   B31B 50/06 20170101ALI20240209BHJP
   B31B 100/00 20170101ALN20240209BHJP
   B31B 110/35 20170101ALN20240209BHJP
   B31B 120/30 20170101ALN20240209BHJP
【FI】
B65H3/06 350A
B65H1/06 A
B65H1/14 322A
B65H3/06 B
B31B50/06
B31B100:00
B31B110:35
B31B120:30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019203294
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021075362
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊折 信耶
(72)【発明者】
【氏名】黒川 和重
(72)【発明者】
【氏名】下羽坪 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保成
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/155533(WO,A1)
【文献】特許第6415993(JP,B2)
【文献】特開2016-050071(JP,A)
【文献】特開2019-112153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B31B 50/00-70/99
B31C 1/00-99/00
B31D 1/00-99/00
B31B 100/00
B31B 110/35
B31B 120/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの下面に接触してシートを供給可能な複数のホイールと、
前記複数のホイールの上縁より上方に位置する上昇位置と前記複数のホイールの上縁より下方に位置する下降位置とに昇降自在なグレートと、
駆動モータと、
前記駆動モータの一方向回転により前記グレートを前記上昇位置に上昇可能であると共に前記駆動モータの他方向回転により前記グレートを前記下降位置に下降可能な昇降装置と、
前記駆動モータを制御することで前記昇降装置による前記グレートの昇降量を調整可能な制御装置と、
前記制御装置に原点位置から前記上昇位置までの上限値と前記原点位置から前記下降位置までの下限値を入力する入力部と、
を備える給紙装置。
【請求項2】
前記下限値は、前記複数のホイールの摩耗量に基づいて設定される、
請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記駆動モータを制御することで前記昇降装置による前記グレートの前記下降位置を調整可能である、
請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記駆動モータを制御することで前記昇降装置による前記グレートの前記上昇位置を調整可能である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記昇降装置は、前記駆動モータの出力軸に連結される偏心軸を有し、前記偏心軸が一方向へ回転することで発生する直線運動量を前記グレートの上昇量に変換し、前記偏心軸が他方向へ回転することで発生する直線運動量を前記グレートの下降量に変換する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記偏心軸の一方向回転と他方向回転とを合わせた回動角度は、180度以内である、
請求項5に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記昇降装置は、前記偏心軸の回転運動により前記シートの供給方向に沿って移動する駆動ロッドと、L字形状をなして前記シートの供給方向に直交する水平方向に沿う軸を中心として回動自在であると共に一端部が前記駆動ロッドに連結されて他端部が前記グレートに連結される複数のリンク部材とを有する、
請求項6に記載の給紙装置。
【請求項8】
前記複数のホイールの側方に前記シートの側部に接触可能なサイドガイドが設けられ、前記制御装置は、前記複数のホイールへの前記シートの供給時に、前記駆動モータを制御することで前記昇降装置により前記グレートを前記サイドガイドの下端部より上方に昇降させる、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項9】
前記複数のホイールは、前記シートの搬送方向に沿って配置され、前記制御装置は、前記複数のホイールを個別に駆動回転可能であり、前記複数のホイールを駆動回転して前記シートを搬送するとき、搬送中の前記シートに対して非接触となった前記ホイールの駆動回転を停止する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の給紙装置。
【請求項10】
製函用シート材を供給する給紙部と、
前記製函用シート材に印刷を行う印刷部と、
前記製函用シート材に対して表面に罫線加工を行うと共に溝切り加工を行う排紙部と、
前記製函用シート材を折り畳んで端部を接合することで箱体を形成するフォルダグルア部と、
前記箱体を計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部とを備え、
前記給紙部として請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の給紙装置が適用される、製函機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、段ボールシートなどを送り出すための給紙装置、給紙装置を備える製函機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製函機は、段ボールシートを加工することで箱体(段ボール箱)を製造するものである。製函機は、給紙部と、印刷部と、排紙部と、ダイカット部と、フォルダグルア部と、カウンタエゼクタ部とから構成される。給紙部は、テーブル上に積み重ねられた段ボールシートを、一枚ずつ送り出して印刷部に送る。印刷部は、複数の印刷ユニットを有し、段ボールシートに印刷を行う。排紙部は、印刷された段ボールシートに折り線となる罫線を形成すると共に、フラップをなす溝や接合用の糊代片の加工を施す。ダイカット部は、罫線、溝、糊代片が形成された段ボールシートに、手穴等の打ち抜き加工を施す。フォルダグルア部は、段ボールシートを移動しながら、糊代片に糊を塗布して罫線に沿って折り畳み、糊代片を接合して扁平状の段ボール箱を製造する。カウンタエゼクタ部は、段ボール箱を積み重ね、所定数のバッチに仕分けして排出する。
【0003】
給紙部は、複数のホイールとグレートとを有する。多数の段ボールシートは、給紙テーブル上に積層される。複数のホイールとグレートは、給紙テーブルより搬送方向の下流側に配置される。複数のホイールおよびグレートの下流側にフロントガイドやフィードロールが配置される。グレートが下降位置にあるとき、ホイールがグレートよりわずかに上方に突出する。そのため、回転するホイールが給紙テーブル上の段ボールシートの下面に接触して送り出す。段ボールシートの先端部がフロントガイドを超えてフィードロールに到達すると、グレートが上昇位置に移動する。すると、グレートがホイールよりわずかに上方に位置する。そのため、ホイールが給紙テーブル上の次の段ボールシートの下面に接触せずに、段ボールシートの重なった送り出しが防止される。
【0004】
このような段ボールシートの給紙装置としては、例えば、下記引用文献1に記載されたものがある。引用文献1に記載された段ボールシートの給紙装置は、駆動モータの一方向の回転を運動変換機構により昇降部材(グレート)を昇降させるための運動に変換し、昇降部材を昇降させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6415993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホイールは、長期間の使用により摩耗が生じる。ホイールが摩耗すると、外径が小さくなり、グレートとの相対高さが変わってしまう。すると、グレートが下降位置に移動しても、ホイールの外周部をグレートより上方に位置させることができず、ホイールによる段ボールシートの送り出しができないおそれがある。そのため、ホイールの摩耗量に応じてグレートの下降位置を調整する必要がある。上述した従来の段ボールシートの給紙装置では、駆動モータを一方向に回転して所定の位置で停止することで、昇降部材(グレート)を上昇位置と下降位置に移動する。そのため、グレートの下降位置を調整することが困難であるという課題がある。
【0007】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、グレートの停止位置を容易に調整可能とする給紙装置および製函機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の給紙装置は、シートの下面に接触してシートを供給可能な複数のホイールと、前記複数のホイールの上縁より上方に位置する上昇位置と前記複数のホイールの上縁より下方に位置する下降位置とに昇降自在なグレートと、駆動モータと、前記駆動モータの一方向回転により前記グレートを前記上昇位置に上昇可能であると共に前記駆動モータの他方向回転により前記グレートを前記下降位置に下降可能な昇降装置と、前記駆動モータを制御することで前記昇降装置による前記グレートの昇降量を調整可能な制御装置と、を備える。
【0009】
また、本開示の製函機は、製函用シート材を供給する給紙部と、前記製函用シート材に印刷を行う印刷部と、前記製函用シート材に対して表面に罫線加工を行うと共に溝切り加工を行う排紙部と、前記製函用シート材を折り畳んで端部を接合することで箱体を形成するフォルダグルア部と、前記箱体を計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部とを備え、前記給紙部として前記給紙装置が適用される。
【発明の効果】
【0010】
本開示の給紙装置および製函機によれば、グレートの停止位置を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態の製函機を表す概略構成図である。
図2図2は、本実施形態の給紙部を表す平面概略図である。
図3図3は、給紙部を表す側面概略図である。
図4図4は、グレート装置を表す概略図である。
図5図5は、グレート装置の作動を説明するための概略図である。
図6図6は、偏心軸の回動角度に対する駆動ロッドの移動量を表すグラフである。
図7図7は、偏心軸の回動角度に対するグレートの昇降量を表すグラフである。
図8図8は、グレート装置の操作画面を表す概略図である。
図9図9は、段ボールシートの搬送時におけるホイール本体の制御を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
【0013】
[製函機]
図1は、本実施形態の製函機を表す概略構成図である。なお、以下の説明では、段ボールシートの搬送方向における前後方向をX方向、段ボールシートの搬送方向における前後方向(X方向)に直交する水平方向をY方向(段ボールシートの幅方向)、段ボールシートの搬送方向における前後方向(X方向)に直交する鉛直方向(段ボールシートの厚さ方向)をZ方向として説明する。
【0014】
本実施形態において、図1に示すように、製函機10は、段ボールシートSを加工することで段ボール箱(製函用シート材)Bを製造する。製函機10は、給紙部(給紙装置)11と、印刷部12と、排紙部13と、ダイカット部14と、フォルダグルア部15と、カウンタエゼクタ部16とを備える。給紙部11と、印刷部12と、排紙部13と、ダイカット部14と、フォルダグルア部15と、カウンタエゼクタ部16は、段ボールシートSおよび段ボール箱Bを搬送する方向(X方向)に沿って直線状をなして配置される。
【0015】
給紙部11は、板状の段ボールシートSが順次搬入されることで、段ボールシートSが多数積載される。給紙部11は、段ボールシートSを一枚ずつ送り出し、一定の速度で印刷部12に供給する。印刷部12は、段ボールシートSの表面に多色刷り(本実施形態では、4色刷り)を行う。印刷部12は、4個の印刷ユニット12A,12B,12C,12Dが直列をなして配置される。印刷ユニット12A,12B,12C,12Dは、段ボールシートSの表面に4種類のインキ色を使用して印刷を行う。排紙部13は、段ボールシートSに対して、罫線加工を施すと共に、溝切り加工を施す。
【0016】
ダイカット部14は、段ボールシートSに対して、手穴等の打ち抜き加工を施す。フォルダグルア部15は、段ボールシートSを搬送方向に移動させながら折り畳み、幅方向の両端部を接合して扁平状の段ボール箱Bを形成する。カウンタエゼクタ部16は、フォルダグルア部15により製造された段ボール箱Bを計数しながら積み重ねた後、所定数のバッチに仕分けして排出する。
【0017】
〔給紙部〕
ここで、給紙部11について詳細に説明する。図2は、本実施形態の給紙部を表す平面概略図、図3は、給紙部を表す側面概略図である。なお、図2は、天井部の一部とグレートの一部を切り欠くことで、複数のホイールを実線で表している。また、図3は、グレートを二点鎖線で表している。
【0018】
給紙部11は、搬送部21と、フィードロール22とを備え、搬送部21の段ボールシートSの搬送方向(X方向)下流側にフィードロール22が配置される。
【0019】
搬送部21は、フロントガイド31と、バックストップ32と、サイドガイド33と、給紙テーブル34と、ホイール集合体35と、サクション部36と、グレート装置37とを備える。
【0020】
搬送部21は、前工程の搬送装置(図示略)から段ボールシートSが搬入される。搬送部21は、X方向の下流側にフロントガイド31が配置され、X方向の上流側にバックストップ32が配置される。サイドガイド33は、フロントガイド31とバックストップ32との間で、Y方向の両側に配置される。給紙テーブル34とホイール集合体35とサクション部36は、フロントガイド31とバックストップ32との間で、左右のサイドガイド33の間に配置される。
【0021】
フロントガイド31は、搬入された段ボールシートSの先端部が当接する。バックストップ32は、搬入されてフロントガイド31に当接した段ボールシートSの後端部が当接する。段ボールシートSは、前後の端部がフロントガイド31とバックストップ32に案内されて給紙テーブル34上に落下することで、X方向の位置が揃えられる。また、左右のサイドガイド33は、段ボールシートSの左右の側部が当接する。段ボールシートSは、左右の側部が左右のサイドガイド33に案内されて給紙テーブル34上に落下することで、Y方向の位置が揃えられる。すなわち、段ボールシートSは、フロントガイド31とバックストップ32とサイドガイド33に案内されながら落下することで、給紙テーブル34上に順次積み重ねられる。
【0022】
ホイール集合体35とサクション部36とグレート装置37は、給紙テーブル34よりX方向の下流側に配置される。ホイール集合体35とサクション部36とグレート装置37は、給紙テーブル34上に積み重ねられた最下位置の段ボールシートSの下方に配置される。サクション部36は、Y方向に沿って直列に複数(本実施形態では、8個)のサクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hが配置される。サクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hは、ダクト42を介して吸引ブロア43に接続される。吸引ブロア43を駆動すると、ダクト42を介してサクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hに吸引力を作用させることができる。
【0023】
サクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hは、内部にホイール集合体35が配置される。ホイール集合体35は、X方向に沿って複数列(本実施形態では、5列)のホイール44a,44b,44c,44d,44eが並べられて収容される。ホイール44a,44b,44c,44d,44eは、同様の構成をなし、回転軸45に複数のホイール本体46が固定されて構成される。ホイール44a,44b,44c,44d,44eは、各ホイール本体46がX方向に沿うと共に、Y方向にずれて配置される。
【0024】
回転軸45は、Y方向に沿って配置され、サクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hの各側壁を貫通し、各端部が回転自在に支持される。複数のホイール本体46は、回転軸45にY方向に所定間隔を空けて固定される。複数のホイール本体46は、給紙テーブル34の上面よりもZ方向の上方にわずかに突出する。ホイール44a,44b,44c,44d,44eは、複数のホイール本体46がY方向にずれて配置される。ここで、ホイール44a,44c,44eは、各ホイール本体46がY方向の同位置に配置され、ホイール44b,44dは、各ホイール本体46がY方向の同位置に配置される。そして、ホイール44a,44c,44eとホイール44b,44dは、各ホイール本体46が、Y方向に所定ピッチだけずれて配置される。すなわち、複数のホイール本体46は、千鳥格子状に配置される。
【0025】
ホイール44a,44b,44c,44d,44eは、動力伝達機構47a,47b,47c,47d,47eを介してそれぞれ駆動モータ48a,48b,48c,48d,48eが連結される。駆動モータ48a,48b,48c,48d,48eは、サーボモータである。駆動モータ48a,48b,48c,48d,48eを駆動すると、動力伝達機構47a,47b,47c,47d,47eを介してホイール44a,44b,44c,44d,44eを同期して回転することができる。また、駆動モータ48a,48b,48c,48d,48eを駆動制御することでホイール44a,44b,44c,44d,44eを同期して間欠的に回転することができる。
【0026】
グレート装置37は、グレート49を有する。グレート49は、サクション部36におけるサクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hおよびホイール集合体35におけるホイール44a,44b,44c,44d,44eの上方に配置される。グレート49は、複数の開口部50が形成された格子形状のテーブルである。グレート49は、複数の開口部50が複数のホイール本体46に対向した上方位置に形成される。各ホイール本体46は、外周部の一部がグレート49の開口部50からZ方向の上方に突出可能である。グレート49は、後述する昇降装置82(図4参照)により上昇位置と下降位置に昇降自在である。ここで、グレート49の上昇位置とは、上面が各ホイール本体46の外周部における上縁よりも上方にある位置である。グレート49の下降位置とは、上面が各ホイール本体46の外周部における上縁よりも下方にある位置である。
【0027】
グレート49が上昇位置にあるとき、各ホイール本体46は、上縁がグレート49の上面より下方に位置する。このとき、各ホイール本体46は、段ボールシートSの下面から下方に離間する。一方、グレート49が下降位置にあるとき、各ホイール本体46は、上縁が開口部50を通してグレート49の上面より上方に突出して位置する。このとき、各ホイール本体46は、段ボールシートSの下面に接触可能である。
【0028】
そのため、駆動モータ48a,48b,48c,48d,48eを駆動すると、ホイール集合体35のホイール44a,44b,44c,44d,44eが同期して回転する。吸引ブロア43を駆動すると、サクションボックス41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41hに吸引力が作用する。この状態で、グレート49が下降位置に移動すると、各ホイール本体46が給紙テーブル34上の最下位置にある段ボールシートSの下面に接触する。このとき、段ボールシートSは、下面に吸引力が作用して各ホイール本体46との摩擦抵抗が増加する。すると、段ボールシートSは、回転する複数のホイール本体46によりフロントガイド31の下方に形成された隙間から下流側へ供給される。
【0029】
フィードロール22は、上フィードロール22aと、下フィードロール22bとを備える。フィードロール22は、フロントガイド31よりX方向の下流側に配置される。下フィードロール22bは、動力伝達機構51を介して駆動モータ52が連結される。駆動モータ52を駆動すると、動力伝達機構51を介して下フィードロール22bを回転することができる。上フィードロール22aは、下フィードロール22bの上方に対向して配置される。上フィードロール22aは、下フィードロール22bにより搬送される段ボールシートSに連れ回りする。
【0030】
そのため、駆動モータ52を駆動すると、下フィードロール22bが回転する。すると、搬送部21から供給された段ボールシートSは、上フィードロール22aと下フィードロール22bにより上下に挟持され、下流側の印刷部12(図1参照)に向けて供給される。
【0031】
[グレート装置]
以下、グレート装置37について詳細に説明する。図4は、グレート装置を表す概略図、図5は、グレート装置の作動を説明するための概略図である。
【0032】
図4に示すように、グレート装置37は、グレート49と、駆動モータ81と、昇降装置82と、制御装置83とを備える。
【0033】
グレート49は、前述したように、複数の開口部50(図2参照)を有する。グレート49は、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eの各ホイール本体46の上縁より上方に位置する上昇位置と、各ホイール本体46の上縁より下方に位置する下降位置とに昇降自在である。駆動モータ81は、サーボモータである。昇降装置82は、駆動モータ81の一方向回転によりグレート49を上昇位置に上昇可能であると共に、駆動モータ81の他方向回転によりグレート49を下降位置に下降可能である。制御装置83は、駆動モータ81を制御することでグレート49を上昇位置と下降位置との間で昇降可能であると共に、昇降装置82によるグレート49の昇降量を調整可能である。
【0034】
昇降装置82は、偏心軸91と、駆動ロッド92と、複数(本実施形態では、2個)のリンク部材93とを有する。グレート49は、下面部に複数(本実施形態では、2個)の連結ロッド101が固定される。連結ロッド101は、Z方向に沿って配置され、上端部がグレート49の下面に固定される。駆動ロッド92は、X方向に沿って配置される。駆動ロッド92は、基端部92aの取付孔に偏心軸91が嵌合して連結される。偏心軸91は、回転軸部91aの外周部に偏心部91bが一体に形成されて構成される。偏心軸91は、駆動モータ81の出力軸が連結される。偏心軸91は、駆動モータ81の出力軸と一体回転する。なお、駆動モータ81の出力軸と偏心軸91との間に減速機構などを介在させてもよい。
【0035】
2個のリンク部材93は、グレート49と駆動ロッド92との間に介装される。各リンク部材93は、側面視がL字形状である。各リンク部材93は、同形状をなしX方向に所定間隔を空けて配置される。各リンク部材93は、下方に延出する第1アーム部93aと、側方に延出する第2アーム部93bとを有する。各リンク部材93は、Y方向に沿う支持軸102により、例えば、サクション部36(図3参照)に回動自在に支持される。各リンク部材93は、第1アーム部93aが駆動ロッド92の他端部92bに連結軸103により回動自在に支持される。各リンク部材93は、第2アーム部93bが連結ロッド101の下端部に連結軸104により回動自在に支持される。
【0036】
そのため、駆動モータ81を駆動すると、偏心軸91が回動し、駆動ロッド92は、偏心軸91の偏心量EだけX方向に移動する。このとき、駆動モータ81により偏心軸91が回転することで発生する駆動ロッド92の直線運動量が各リンク部材93によりグレート49の昇降量に変換され、グレート49が昇降する。すなわち、図4に表す状態は、グレート49が上昇位置に位置する状態である。グレート49が上昇位置にあるとき、グレート49の上面が複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eにおける各ホイール本体46の上縁より上方に位置する。
【0037】
この状態から駆動モータ81により偏心軸91をA方向(他方向)に180度回動する。すると、駆動ロッド92が偏心軸91の偏心量EだけX方向の一方(図4の右方)に移動する。駆動ロッド92がX方向の一方に移動すると、各リンク部材93は、支持軸102を中心として、図4にて所定角度だけ反時計回り方向に回動する。各リンク部材93が反時計回り方向に回動すると、図5に示すように、各連結ロッド101を介してグレート49が下降位置まで下降する。図5に表す状態は、グレート49が下降位置に位置する状態である。グレート49が下降位置にあるとき、グレート49の上面が複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eにおける各ホイール本体46の上縁より下方に位置する。
【0038】
一方、この状態から駆動モータ81により偏心軸91をB方向(一方向)に180度回動する。すると、駆動ロッド92が偏心軸91の偏心量EだけX方向の他方(図5の左方)に移動する。駆動ロッド92がX方向の他方に移動すると、各リンク部材93は、支持軸102を中心として、図5にて所定角度だけ時計回り方向に回動する。各リンク部材93が時計回り方向に回動すると、図4に示すように、各連結ロッド101を介してグレート49が上昇位置まで上昇する。図4に表す状態は、グレート49が上昇位置に位置する状態である。
【0039】
図6は、偏心軸の回動角度に対する駆動ロッドの移動量を表すグラフである。図4および図6に示すように、偏心軸91が1回転(360度)するとき、偏心軸91の回動角度と駆動ロッド92の移動量は、図6に示すものとなる。本実施形態にて、制御装置83は、駆動モータ81を駆動制御し、昇降装置82により、偏心軸91を一方向(B方向)へ回転することで発生する直線運動量をグレート49の上昇量に変換し、偏心軸91を他方向(A方向)へ回転することで発生する直線運動量を前記グレートの下降量に変換する。すなわち、偏心軸91の偏心量Eが規定されていることから、偏心軸91が回動角度α=180度の範囲で回動するとき、駆動ロッド92の移動量が最大の偏心量2Eとなる。
【0040】
図7は、偏心軸の回動角度に対するグレートの昇降量を表すグラフである。図4および図7に示すように、偏心軸91の回転運動により発生するX方向の直線運動量(2E)がグレート49の昇降量に変換されることから、偏心軸91が回動角度α=180度の範囲で回動するとき、グレート49の最大昇降量は、偏心量2Eに相当するMとなる。
【0041】
グレート49がZ方向に沿って昇降するときの原点位置Oを、例えば、グレート49の上面と複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eにおける各ホイール本体46の上縁とが一致した位置とし、このときの偏心軸91の回動角度をNとする。そして、グレート49が最大上昇位置に位置したときの偏心軸91の回動角度をN1とし、グレート49が最大下降位置に位置したときの偏心軸91の回動角度をN2とする。すると、偏心軸91の回動角度N1で、グレート49が最大上昇位置に位置したときの原点位置Oからの上昇量がM1となる。また、偏心軸91の回動角度N2で、グレート49が最大下降位置に位置したときの原点位置Oからの下降量がM2となる。
【0042】
ところで、ホイール44a,44b,44c,44d,44eを構成する各ホイール本体46は、長期間の使用により摩耗が生じる。ホイール本体46が摩耗すると、外径が小さくなり、グレート49との相対高さが変わってしまう。そのため、ホイール本体46の摩耗量に応じて少なくともグレート49の下降位置を調整する必要がある。
【0043】
本実施形態にて、グレート49がホイール本体46の上縁より上方に位置する上昇位置を、偏心軸91が原点位置Oである回動角度Nから一方向側に回動角度N1だけ回動し、グレート49が上昇量M1だけ上昇した位置に設定する。また、グレート49がホイール本体46の上縁より下方に位置する下降位置を、偏心軸91が原点位置Oである回動角度Nから他方向側に回動角度N3だけ回動し、グレート49が下降量M3だけ下降した位置に設定する。ここで、偏心軸91の回動角度N3は、回動角度N2より小さい角度であり、グレート49の下降量M3は、下降量M2より小さい量であり、下降量M2と下降量M3との差は、下降量M4である。
【0044】
そのため、偏心軸91は、最大の回動角度αが180度であるが、グレート49が上昇位置と下降位置との間で昇降するための回動角度αを、回動角度N1から回動角度N3までに設定し、例えば、150度とする。回動角度N3から回動角度N2までの回動角度は、下降量M2から下降量M3を減算した下降量M4である。すなわち、下降量M4がグレート49の下降位置を調整するための調整量となる。制御装置83は、駆動モータ81を制御し、偏心軸91の他方向側での停止位置を回動角度N3と回動角度N2との間で調整する、すると、昇降装置82によるグレート49の下降量を、下降量M4の範囲内で調整することができる。つまり、ホイール本体46の摩耗量に基づいて偏心軸91の回転停止位置を回動角度N3と回動角度N2との間で設定し、昇降装置82によるグレート49の下降量を下降量M4の範囲内で調整する。
【0045】
すなわち、ホイール本体46が摩耗していないとき、グレート49の上昇位置は、偏心軸91が一方向に回動角度N1まで回動することで上昇量M1だけ上昇した位置である。また、グレート49の下降位置は、偏心軸91が他方向に回動角度N3まで回動することで下降量M3だけ下降した位置である。長期間の使用によりホイール本体46が摩耗すると、グレート49の下降位置を調整する。例えば、グレート49の下降位置を、偏心軸91が他方向に回動角度N3より所定角度だけ大きく回動することで、下降量M3に所定量mを増加させた下降量M3+mだけ下降した位置に変更する。なお、このとき、グレート49の上昇位置を変更してもよい。すなわち、グレート49の上昇量にて、グレート49の下降量と同様に、グレート49の上昇位置を調整するための調整量を確保してもよい。
【0046】
図8は、グレート装置の操作画面を表す概略図である。図4に示すように、制御装置83にグレート49の原点位置から上昇位置までの上限値と下降位置までの下限値を入力する操作装置(入力部)111が設けられる。操作装置111は、図8に示すように、入力画面112が設定される。ここで、切ボタン113は、調整モードの終了スイッチであり、入ボタン114は、調整モードの開始スイッチである。また、表示部115は、原点位置からのグレート上限(上昇位置)までの距離であり、減算ボタン116と加算ボタン117により変更可能である。一方、表示部118は、原点位置からのグレート下限(下降位置)までの距離であり、減算ボタン119と加算ボタン120により変更可能である。作業者は、調整モードの入ボタン114を操作し、減算ボタン116と加算ボタン117を操作することで、表示部115に表示されたグレート上限を設定する。また、減算ボタン119と加算ボタン120を操作することで、表示部118に表示されたグレート下限を設定する。
【0047】
また、図3および図4に示すように、制御装置83は、前工程の搬送装置から搬送部21に段ボールシートSが搬入されるとき、駆動モータ81を駆動制御することで昇降装置82によりグレート49をサイドガイド33の下端部より上方に昇降させる。搬送部21に搬入される段ボールシートSは、フロントガイド31とバックストップ32によりX方向の位置決めがなされ、サイドガイド33によりY方向の位置決めがなされる。このとき、サイドガイド33の下端部と給紙テーブル34の上面との間に隙間ができることから、搬送部21に搬入される段ボールシートSがサイドガイド33の下端部と給紙テーブル34の上面との間に隙間から側方にずれやすい。そのため、搬送部21に段ボールシートSが搬入されるとき、制御装置83は、駆動モータ81を駆動制御することで、昇降装置82によりグレート49をサイドガイド33の下端部より上方に昇降させる。すると、段ボールシートSは、グレート49の上面に到達したとき、左右の側部がサイドガイド33に適正に当接してY方向の位置決めがなされる。なお、制御装置83は、搬送部21に段ボールシートSが搬入された後、駆動モータ81を駆動制御することで、昇降装置82によりグレート49を適正位置に下降させる。
【0048】
図9は、段ボールシートの搬送時におけるホイール本体の制御を説明するための概略図である。図9に示すように、制御装置83は、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eを駆動回転して段ボールシートSを搬送するとき、搬送中の段ボールシートSに対して非接触となったホイール44a,44b,44c,44d,44eの駆動回転を停止する。
【0049】
すなわち、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eが駆動回転すると、最下位置にある段ボールシートS1の下面に接触し、段ボールシートS1をフロントガイド31の下方から送り出す。このとき、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eは、段ボールシートS1を送り出すにつれて、上流側のホイール44a,44bが非接触状態となる。一方で、最下位置にある段ボールシートS1が送り出すにつれて、段ボールシートS1の上方に位置する段ボールシートS2の上流側端部が垂れ下がる。すると、段ボールシートS2は、下面に駆動回転するホイール44a,44bが接触する。段ボールシートS2は、下流側に端部がフロントガイド31に当接して停止しているため、停止している段ボールシートS2に駆動回転するホイール44a,44bが接触することで、段ボールシートS2に傷が付いたり、送り出されそうになってフロントガイド31で詰まったりするおそれがある。特に、薄い段ボールシートS、搬送方向に長い段ボールシートS、柔らかめの段ボールシートS場合に、この現象が顕著となる。
【0050】
制御装置83は、駆動モータ48a,48b,48c,48d,48eにより複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eを個別に駆動回転可能である。そのため、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eが駆動回転して段ボールシートS1を搬送するとき、段ボールシートS1に対して非接触となった上流側のホイールから順に、ホイール44a,44b,44c,44d,44eと駆動回転を停止する。そのため、段ボールシートS1の上方に位置する段ボールシートS2の上流側端部が垂れ下がり、下面にホイール44a,44bが接触しても、ホイール44a,44bが停止していることから、段ボールシートS2の損傷などが防止される。なお、段ボールシートS1に対して非接触となった上流側のホイールから順に駆動回転を停止するとしたが、駆動回転を停止するホイールの数やタイミングはこれに限定されるものではない。例えば、グレート49の昇降タイミングによっては、ホイール44a,44bのみ段ボールシートS1と非接触となった順に駆動回転を停止させ、グレート49が上昇した後はホイール44c,44d,44eの駆動回転を同時に停止させてもよい。また、段ボールシートS1の搬送方向やサイズによって、適宜駆動回転を停止するホイールを選択してもよい。
【0051】
なお、ホイール本体46の摩耗量は、ホイール本体46が摩耗していないときと摩耗したときのグレート49の上面からホイール本体46の外周部における上縁までの距離の差とすることができる。ホイール本体46外周部における上縁までの距離は、図示しないセンサによる直径の測定など、公知の方法で測定した値としてよい。また、ホイール本体46外周部における上縁までの距離は、ホイール本体46の使用期間から推算してもよい。そして、算出した摩耗量に適した下限値は、予め実験などにより導き出しておけばよい。
【0052】
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る給紙装置は、段ボールシートSの下面に接触して段ボールシートSを供給可能な複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eと、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eの上縁より上方に位置する上昇位置と複数のホイールの上縁より下方に位置する下降位置とに昇降自在なグレート49と、駆動モータ81と、駆動モータ81の一方向回転によりグレート49を上昇位置に上昇可能であると共に駆動モータ81の他方向回転によりグレート49を下降位置に下降可能な昇降装置82と、駆動モータ81を制御することで昇降装置82によるグレート49の昇降量を調整可能な制御装置83とを備える。
【0053】
第1の態様に係る給紙装置は、制御装置83が駆動モータ81を一方向回転することでグレート49を上昇位置に上昇することができ、駆動モータ81を他方向回転することでグレート49を下降位置に下降することができる。また、制御装置83は、駆動モータ81を制御することで昇降装置82によるグレート49の昇降量を調整することができる。そのため、必要に応じて、グレート49の上昇位置と下降位置を調整することができ、グレートの停止位置を容易に調整することができる。
【0054】
第2の態様に係る給紙装置は、制御装置83は、駆動モータ81を制御することで昇降装置82によるグレート49の下降位置を調整可能である。これにより、複数のホイール本体46の上縁より下方に位置するグレート49の下降位置を調整することができ、段ボールシートSの下面と複数のホイール本体46の外周部とを適正に接触させることができ、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eにより段ボールシートSを安定して供給することができる。
【0055】
第3の態様に係る給紙装置は、制御装置83に原点位置から上昇位置までの上限値と原点位置から下降位置までの下限値を入力する操作装置(入力部)111を設ける。これにより、作業者は、操作装置111により上限値と下限値を入力することで、グレート49の上昇位置と下降位置を容易に設定することができる。
【0056】
第4の態様に係る給紙装置は、下限値は、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eの摩耗量に基づいて設定される。これにより、長期間の使用により複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eにおける各ホイール本体46が摩耗しても、下限値を変更することで、グレート49と複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eの上縁との位置関係を良好に維持することができる。そのため、ホイール本体46の交換時期を延長することで、給紙部11の寿命を延長することができる。
【0057】
第5の態様に係る給紙装置は、昇降装置82として、駆動モータ81の出力軸に連結される偏心軸91を設け、偏心軸91が一方向へ回転することで発生する直線運動量をグレート49の上昇量に変換し、偏心軸91が他方向へ回転することで発生する直線運動量をグレート49の下降量に変換する。これにより、駆動モータ81による偏心軸91の一方向回転によりグレート49を上昇させ、偏心軸91の他方向回転によりグレート49を下降させることとなり、構造の簡素化を図ることができる。
【0058】
第5の態様に係る給紙装置は、偏心軸91の一方向回転と他方向回転とを合わせた回動角度は、180度以内である。これにより、偏心軸91の回転領域を少なくしてグレート49の迅速な昇降動作を維持することができる。
【0059】
第7の態様に係る給紙装置は、昇降装置82は、偏心軸91の回転運動により段ボールシートSの供給方向に沿って移動する駆動ロッド92と、L字形状をなして段ボールシートSの供給方向に直交する水平方向に沿う支持軸102を中心として回動自在であると共に一端部が駆動ロッド92に連結されて他端部がグレート49に連結される複数のリンク部材93とを有する。これにより、簡単な構成により容易にグレート49を上昇位置と下降位置に昇降させることができる。
【0060】
第8の態様に係る給紙装置は、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eの側方に段ボールシートSの側部に接触可能なサイドガイド33を設け、制御装置83は、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eへの段ボールシートSの供給時に、駆動モータ81を制御することで昇降装置82によりグレート49をサイドガイド33の下端部より上方に昇降させる。これにより、搬送部21に段ボールシートSが搬入されるとき、グレート49の上面に到達した段ボールシートSは、左右の側部がサイドガイド33に適正に当接してY方向の位置決めを行うことができる。
【0061】
第9の態様に係る給紙装置は、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eが段ボールシートS(S1,S2)の搬送方向に沿って配置され、制御装置83が複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eを個別に駆動回転可能であり、複数のホイール44a,44b,44c,44d,44eを駆動回転して段ボールシートS1を搬送するとき、搬送中の段ボールシートS1に対して非接触となったホイール44a,44b,44c,44d,44eの駆動回転を停止する。これにより、搬送中の段ボールシートS1の上方に位置する段ボールシートS2は、停止しているホイール44a,44b,44c,44d,44eと接触することとなり、段ボールシートS2の損傷などを防止することができる。
【0062】
第10の態様に係る製函機は、段ボールシートSを供給する給紙部11と、段ボールシートSに印刷を行う印刷部12と、段ボールシートSに対して表面に罫線加工を行うと共に溝切り加工を行う排紙部13と、段ボールシートSを折り畳んで端部を接合することで箱体を形成するフォルダグルア部15と、段ボール箱Bを計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部16とを備える。これにより、給紙部11にて、制御装置83は、駆動モータ81を制御することで昇降装置82によるグレート49の昇降量を調整することができる。そのため、必要に応じて、グレート49の上昇位置と下降位置を調整することができ、グレート49の停止位置を容易に調整することができる。
【0063】
なお、上述した実施形態では、昇降装置82を、偏心軸91と駆動ロッド92とリンク部材93とから構成したが、この構成に限定されるものではない。また、グレート装置37におけるグレート49の形状も実施形態に記載した形状に限定されるものではない。
【0064】
また、上述した実施形態では、給紙部11、印刷部12、排紙部13、ダイカット部14、フォルダグルア部15と、カウンタエゼクタ部16により製函機10を構成したが、段ボールシートSに手穴が不要な場合には、ダイカット部14をなくして構成してもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 製函機
11 給紙部(給紙装置)
12 印刷部
13 排紙部
14 ダイカット部
15 フォルダグルア部
16 カウンタエゼクタ部
21 搬送部
22 フィードロール
22a 上フィードロール
22b 下フィードロール
31 フロントガイド
32 バックストップ
33 サイドガイド
34 給紙テーブル
35 ホイール集合体
36 サクション部
37 グレート装置
41a,41b,41c,41d,41e,41f,41g,41h サクションボックス
42 ダクト
43 吸引ブロア
44a,44b,44c,44d,44e ホイール
45 回転軸
46 ホイール本体
47a,47b,47c,47d,47e 動力伝達機構
48a,48b,48c,48d,48e 駆動モータ
49 グレート
51 動力伝達機構
52 駆動モータ
81 駆動モータ
82 昇降装置
83 制御装置
91 偏心軸
92 駆動ロッド
93 リンク部材
101 連結ロッド
102 支持軸
103,104 連結軸
111 操作装置(入力部)
E 偏心量
O 原点位置
N,N1,N2,N3 回動角度
M1 上昇量
M2,M3,M4 下降量
S,S1,S2 段ボールシート
B 段ボール箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9