(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】管理装置及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240209BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240209BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20240209BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2019224795
(22)【出願日】2019-12-12
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼上 斉
(72)【発明者】
【氏名】前畑 実
(72)【発明者】
【氏名】勝野 雅之
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102054(JP,A)
【文献】特開2018-049336(JP,A)
【文献】特開2009-097981(JP,A)
【文献】特開2018-206400(JP,A)
【文献】特開2018-113074(JP,A)
【文献】特開2017-204867(JP,A)
【文献】特開2014-222477(JP,A)
【文献】特開2009-271866(JP,A)
【文献】特開2016-045949(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107346504(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが予約して使用する車両に搭載された車載装置又は前記車両を使用するユーザの装置である利用者側装置との間で通信を行う管理装置であって、
前記ユーザによる前記車両の使用に際し、目的地を取得し、
前記目的地までの経路の途中において立ち寄り可能な周辺施設に関する情報を前記利用者側装置に対して送信するとともに、前記ユーザが当該周辺施設において下車する旨の操作が前記利用者側装置に対して行われた場合、前記ユーザの操作に応じて、前記車両の使用を継続する第1のモード、又は、前記車両の使用を終了して車両の使用を再予約する第2のモードの選択結果を示す情報を前記利用者側装置から取得
し、
前記第2のモードを示す選択結果を取得した場合に、再配車の予約を受け付けるための画面を前記利用者側装置に表示させる
管理装置。
【請求項2】
前記第1のモード及び前記第2のモードの各々を選択した場合に発生する費用を算出し、
前記費用を前記利用者側装置に表示させ、前記選択結果を示す情報を取得する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記再予約に係る車両が使用可能になるまでに要する待ち時間の目安となる情報を前記利用者側装置に表示させる
請求項
1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記ユーザが下車する旨の操作は、所定の周辺施設への立ち寄りに伴う操作であり、
前記第1のモード又は前記第2のモードを選択した場合に発生する費用は、前記周辺施設への立ち寄りに伴い発生する料金を含み、
当該料金の少なくとも一部を前記周辺施設が負担する旨の承認情報を前記周辺施設の装置から取得した場合、前記料金の少なくとも一部を前記周辺施設へ請求する決済処理を行う
請求項2、又は請求項2を引用する請求項
3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記ユーザが下車する旨の操作は、前記車両を駐車可能な駐車スペースを有する周辺施設への立ち寄りに伴う操作であり、
前記第2のモードが選択された場合に、前記再配車に係る車両を前記駐車スペースに待機させるように配車を要求する
請求項
1から4の何れか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記第1のモードが選択された場合、所定の時間の経過後に、前記第1のモードを継続するか否か前記ユーザの装置に問い合わせを送信する
請求項1から
5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
複数のユーザが予約して使用する車両に搭載された車載装置又は前記車両を使用するユーザの装置である利用者側装置との間で通信を行う管理装置が行う管理方法であって、
前記ユーザによる前記車両の使用に際し、目的地を取得し、
前記目的地までの経路の途中において立ち寄り可能な周辺施設に関する情報を前記利用者側装置に対して送信するとともに、前記ユーザが当該周辺施設において下車する旨の操作が前記利用者側装置に対して行われた場合、前記ユーザの操作に応じて、前記車両の使用を継続する第1のモード、又は、前記車両の使用を終了して車両の使用を再予約する第2のモードの選択結果を示す情報を前記利用者側装置から取得し、
前記第2のモードを示す選択結果を取得した場合に、再配車の予約を受け付けるための画面を前記利用者側装置に表示させる
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自律走行を行う自動運転モードを有し、運転者または乗車者の降車時に入力される自動運転車の降車後の振る舞いの設定を受け付けるための振る舞い設定受付手段と、その設定に基づいて降車後の振る舞いの実行を制御するための制御手段とを備える自動運転車が提案されていた(例えば、特許文献1)。本技術では、振る舞い設定受付手段は、降車後の振る舞いが運転者または乗車者の再乗車を伴うものである場合には、運転者または乗車者の再乗車時の認証用情報を前記設定情報の一部として取得して設定情報記憶部に記憶する。また、制御手段は、設定情報記憶部に記憶した認証用情報を用いて、運転者または乗車者の再乗車時の認証を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-113074号公報
【文献】特開平10-255191号公報
【文献】特開2019-56597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばシェアカーのように、使用者が車両を使用する時間に応じて費用が発生する車両の使用態様がある。このような使用態様においては、使用者は、一時的に降車する場合、一時的な降車中も車両の使用を継続することもできるし、一旦車両を返却し、同一の又は別の車両を改めて予約することもできる。本発明は、複数の使用者が使用する車両の使用中に、使用者が降車する場合、使用者にとって利便性の低下を抑えつつ費用の支払いを削減し得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る管理装置は、複数のユーザが予約して使用する車両に搭載された車載装置又は車両を使用するユーザの装置である利用者側装置との間で通信を行う。また、管理装置は、ユーザによる車両の使用に際し、使用予定期間及び目的地の少なくともいずれかを取得し、記憶装置に予約情報として記憶させる使用管理部と、記憶装置に記憶されている使用予定期間の途中、又は目的地までの経路の途中において、ユーザが下車する旨の操作が利用者側装置に対して行われた場合、ユーザの操作に応じて、車両の使用を継続する第1のモード、又は、車両の使用を終了して車両の使用を再予約する第2のモードの選択結果を示す情報を利用者側装置から取得する選択取得部とを備える。
【0006】
このようにすれば、シェアカーやレンタカーのような車両の使用中に周辺の施設に立ち寄る場合、ユーザは、車両の使用を継続するか、車両の使用を終了して車両の使用を再予約するかを選択できる。したがって、ユーザにとっては、利便性の低下を抑えつつ費用の支払いを削減し得るといえる。
【0007】
また、第1のモード及び第2のモードの各々を選択した場合に発生する費用を算出する料金算出部をさらに備え、選択取得部は、算出された費用を利用者側装置に表示させ、選択結果を示す情報を取得するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、第1のモードと第2のモードについて費用の概算を確認した上でモードを選択できる。
【0008】
選択取得部は、記憶装置に記憶された予約情報に基づいて、再予約に係る車両が使用可能になるまでに要する待ち時間の目安となる情報を利用者側装置に表示させるようにしてもよい。このようにすれば、使用者はモードの選択を行う際または再予約を行う際に、配車日時の目安を知ることができる。
【0009】
また、選択取得部が、第2のモードを示す選択結果を取得した場合に、使用管理部は、再配車の予約を受け付けるための画面を利用者側装置に表示させるようにしてもよい。使用者は、周辺施設に立ち寄った後に使用する車両を予約することができる。なお、再配車の予約は、使用者の操作に基づいて任意のタイミングで要求するようにしてもよい。
【0010】
また、ユーザが下車する旨の操作は、所定の周辺施設への立ち寄りに伴う操作であり、第1のモード及び第2のモードの各々を選択した場合に発生する費用は、周辺施設への立ち寄りに伴い発生する料金を含み、当該料金の少なくとも一部を周辺施設が負担する旨の承認情報を周辺施設の装置から取得した場合、料金の少なくとも一部を周辺施設へ請求する決済処理を行う決済処理部をさらに備えるようにしてもよい。周辺施設側は、例えばユーザへの特典として、車両の使用に関して生じる費用の少なくとも一部を負担することができる。
【0011】
また、ユーザが下車する旨の操作は、シェアカー又はレンタカーを駐車可能な駐車スペースを有する周辺施設への立ち寄りに伴う操作であり、第2のモードが選択された場合に、使用管理部は、再配車に係るシェアカー又はレンタカーを駐車スペースに待機させるように配車を要求するようにしてもよい。立寄り先の施設にシェアカー又はレンタカーの駐車スペースがあれば、再配車をスムーズに行うことができる。
【0012】
また、第1のモードが選択された場合、所定の時間の経過後に、使用管理部は、第1のモードを継続するか否かユーザの装置に問い合わせを送信するようにしてもよい。周辺施設に立ち寄ったユーザが仮に車両の使用を継続していることを失念してしまうと、ユーザにとっては無駄な使用料が発生し、配車会社にとっては予定通りに所定の場所へ車両が返却されないおそれが生じる。リマインドするための問合せにより、このような問題が生じるのを抑制できる。
【0013】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、コンピュータが実行する方法、又はコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の使用者が使用する車両の使用中に、使用者が降車する場合、使用者にとって利便性の低下を抑えつつ費用の支払いを削減し得る技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシステムの利用シーンの一例を説明するための模式的な図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る配車予約処理の一例を示す処理フロー図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る配車予約処理の一例を示す処理フロー図である。
【
図6】
図6は、表示された広告情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、モード選択画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ユーザが再配車モードを選択した場合に実行される再配車処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、再配車可能時刻を提示する画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、車両の使用料等の支払いを行う決済処理の一例を示す処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムの利用シーンの一例を説明するための模式的な図である。本実施形態において、ユーザは、例えばシェアカーやレンタカーのような、複数のユーザが予約して使用する車両200を利用するものとする。なお、車両200はいわゆる自動運転車であってもよい。また、利用者が予約した通り車両200に乗車できるよう、所定の時刻に所定の場所に車両200を手配する処理を、配車と呼ぶものとする。所定の場所は、例えば車両のために確保された駐車スペース2000であっても良い。また、カーシェアリングサービスやレンタカーサービスを提供する企業を、配車会社と呼ぶものとする。配車は、所定の場所にすでに駐車されている車両200を利用者のために確保しておくこと、自動運転車である車両200を所定の時刻までに所定の場所へ到着させること、例えば配車会社のスタッフの運転により車両200を所定の時刻までに所定の場所へ移動させること、他の利用者の運転により車両200を所定の時刻までに所定の場所へ返却させること等を含む。
【0017】
ユーザは、例えば車両の予約時に、使用予定期間又は目的地を登録するものとする。
図1の例において、実線の矢印は目的地600までの経路を表している。また、破線の矢印は、目的地600までの経路の途中で周辺の店舗などの周辺施設400へ立ち寄る場合の経路を表している。ユーザは、使用予定期間の途中や、目的地600までの経路の途中において車両の使用を終了(換言すれば、車両を乗り捨て)すると共に、再度予約してその後に同一の車両又は別の車両を使用することもできる。使用予定期間の途中や、目的地600までの経路の途中において車両の使用を終了することで、ユーザにとっては、使用料を節約し得る。一方、車両200が空いていなければ次の予約ができず、ユーザは所望のタイミングで使用を再開できないおそれもある。
【0018】
<システム構成>
図2は、実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。システム1は、利用者側装置2と、管理装置3と、周辺施設側装置4と、配車会社装置5とを含み、これらの装置がネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。利用者側装置2は、本システムの利用者が操作するスマートフォンやタブレット等のコンピュータである。利用者側装置2を介して、ユーザは車両の使用を予約したり、使用開始及び終了の手続きをしたりする。管理装置3は、使用予定期間の途中や、目的地までの経路の途中においてユーザが周辺の店舗などに立ち寄る場合に、使用を継続して車両を駐車場で待機させる待機モード、及び使用を一旦終了して再配車させる再配車モードを含む選択肢をユーザに提示する。なお、待機モードを本発明に係る第1のモードとも呼ぶ。また、再配車モードを本発明に係る第2のモードとも呼ぶ。このとき、管理装置3は、各モードを選択した場合に発生する費用を見積もり、利用者側装置2へ出力する。周辺施設側装置4は、店舗や観光地など、車両の走行中にユーザが立ち寄り得る場所の管理者などが使用するコンピュータである。周辺施設側装置4は、管理装置3と連携し、ユーザが乗車した車両が店舗などの周辺を通過する際に、利用者側装置2へ例えば広告を配信する。また、周辺施設側装置4は、ユーザに対し、駐車料金や商品代金、サービス料などの割引のような特典を提案するようにしてもよい。なお、1つの周辺施設側装置4は、複数の施設を統括して管理するものであってもよい。配車会社装置5は、配車会社がサービスを提供するための装置である。配
車会社装置5は、ユーザから車両の使用の予約を受けて配車させたり、使用の開始及び終了を管理したりする。ネットワーク6は、有線又は無線で接続される電気通信回線網であり、例えばインターネット網やいわゆるキャリア網を含む。
【0019】
図3は、システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3には、利用者側装置2と、管理装置3と、周辺施設側装置4とを示している。
【0020】
<利用者側装置>
利用者側装置2は、スマートフォンやタブレット、ラップトップPC(Personal Computer)等の一般的なモバイルコンピュータであり、通信インターフェース(I/F)21
と、記憶装置22と、入出力装置23と、プロセッサ24とを備えている。通信I/F21は、例えば通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク6を介して他のコンピュータと通信を行う。記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、及びHDD(Hard-Disk Drive)やSSD
(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)である。
主記憶装置は、プロセッサ24が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ24の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ24が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置23は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置、モニタ等の出力装置、タッチパネルのような入出力装置等のユーザインターフェースである。プロセッサ24は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、プログ
ラムを実行することにより本実施形態に係る各処理を行う。
図3の例では、プロセッサ24内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ24は、例えば所定のプログラムを実行することにより、使用申請部241、立寄選択部242、位置情報送信部243及び決済処理部244として機能する。
【0021】
使用申請部241は、ユーザの操作に基づいて車両を予約するための処理を行ったり、車両の使用を開始及び終了するための処理を行う。処理は、通信I/F21を介し、管理装置3に対して行ってもよいし、配車会社装置5に対して行ってもよい。立寄選択部242は、ユーザが周辺の店舗などに立ち寄る場合に、使用を継続して車両を駐車場で待機させる待機モード、及び使用を一旦終了して再配車させる再配車モードをユーザに提示し、ユーザの選択を受け付ける。また、立寄選択部242は、選択されたモードを、通信I/F21を介して管理装置3へ通知する。位置情報送信部243は、使用者側装置2が存在する位置を示す情報を位置情報取得部26から取得し、例えば管理装置3へ送信する。決済処理部244は、管理装置3との間で決済を行う。
【0022】
位置情報取得部26は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機等のよう
なモジュールであり、所定の測位衛星からの信号を受信し、時刻、使用者側装置2が存在する緯度及び経度、海抜高度、測位に利用した衛星に関する情報等を出力する。また、位置情報取得部26は、例えば携帯電話の基地局からの信号やBLE(Bluetooth(登録商
標) Low Energy)等を利用したいわゆるビーコンからの信号を併用して、測位の精度を
向上させるものであってもよい。
【0023】
以上のような構成要素が、バス25を介して接続されている。
【0024】
<管理装置>
管理装置3は、サーバコンピュータ等の一般的なコンピュータであり、通信I/F31と、記憶装置32と、入出力装置33と、プロセッサ34とを備えている。通信I/F31は、例えばネットワークカードや通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク6を介して他のコンピュータと通信を行う。記憶装置32は、RAMやRO
M等の主記憶装置、及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサ34が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ34の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ34が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置33は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置及びモニタ等の出力装置、又はタッチパネルのような入出力装置のようなユーザインターフェースである。入出力装置33は、ユーザの操作に基づいて情報の入力を受け付けたり、ユーザに対して情報を出力したりする。プロセッサ34は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施形態に係る各処理を行う。管理装置3についても、プロセッサ34内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ34は、所定のプログラムを実行することにより、使用管理部341、料金算出部342、選択取得部343及び決済処理部344として機能する。
【0025】
使用管理部341は、ユーザによる車両の使用予定に関する情報を、通信I/F31を介して利用者側装置2又は配車会社装置5から受信し、記憶装置32に記憶させる。なお、使用管理部341が配車会社装置5に対し配車を要求するようにしてもよい。料金算出部342は、ユーザが周辺の店舗などに立ち寄る場合に、使用を継続して車両を駐車場で待機させる場合、及び使用を一旦終了して再配車させる場合に発生する費用を見積もり、通信I/F31を介して利用者側装置2へ出力する。選択取得部343は、上述した見積りを出力した後に、通信I/F31を介して利用者側装置2から、待機モード又は再配車モードのいずれかを選択した結果を取得する。決済処理部344は、周辺施設側装置4又は利用者側装置2との間で決済を行う。
【0026】
以上のような構成要素が、バス35を介して接続されている。
【0027】
<周辺施設側装置>
周辺施設側装置4は、サーバコンピュータ等の一般的なコンピュータであり、通信I/F41と、記憶装置42と、入出力装置43と、プロセッサ44とを備えている。通信I/F41は、例えばネットワークカードや通信モジュールであり、所定のプロトコルに基づき、ネットワーク6を介して他のコンピュータと通信を行う。記憶装置42は、RAMやROM等の主記憶装置、及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、プロセッサ44が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ44の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ44が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。入出力装置43は、例えば、キーボード、マウス等の入力装置及びモニタ等の出力装置、又はタッチパネルのような入出力装置のようなユーザインターフェースである。入出力装置43は、ユーザの操作に基づいて情報の入力を受け付けたり、ユーザに対して情報を出力したりする。プロセッサ44は、CPU等の演算処理装置であり、プログラムを実行することにより本実施形態に係る各処理を行う。周辺施設側装置4についても、プロセッサ44内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ44は、所定のプログラムを実行することにより、広告配信部441、来客管理部442及び決済処理部443として機能する。
【0028】
広告配信部441は、店舗等の施設の周辺を通過する車両に関する情報を、通信I/F41を介して管理装置3から受信し、車両に乗車しているユーザの利用者側装置2に広告を配信する。広告は、割引クーポン等の特典を含むものであってもよい。来客管理部442は、ユーザの立ち寄り予定を管理する。来客管理部442は、例えば店舗等のシステムに予約を入れるようにしてもよい。決済処理部443は、管理装置3との間で決済を行う。
【0029】
以上のような構成要素が、バス45を介して接続されている。
【0030】
なお、配車会社装置5も、例えばサーバコンピュータ等の一般的なコンピュータである。配車会社装置5は、車両の使用に関してユーザの予約を受け付けたり、これに先立ち、任意の時刻や期間に任意の場所や地域において空いている車両が存在するか、データベースを検索して応答したりする。また、配車会社装置5は、ユーザが予約した日時に所定の場所へ車両を待機させておけるよう管理する処理を行う。例えば、配車会社装置5は、ユーザが予約した日時に所定の場所へ車両を待機させておけるよう、配車会社のスタッフに車両を移動させるよう指示する情報を出力したり、他のユーザに車両を返却させるよう指示する情報を出力したり、自動運転車両に対し移動するよう指示する情報を出力したりする。また、周辺施設は、シェアカーやレンタカーを駐車するための駐車スペースを有する施設であってもよい。
【0031】
<配車予約処理>
図4は、本実施形態に係る配車予約処理の一例を示す処理フロー図である。使用者側装置2の使用申請部241は、ユーザの操作に基づいて車両の予約処理を行う(
図4:S1)。本ステップでは、所定のアプリケーションプログラム又はウェブサイトに対してユーザが車両を予約するための情報を入力する。予約申請部241は、例えば、出発地、目的地、使用開始日時及び使用終了日時等の入力を受け、入力された情報を通信I/F21を介して管理装置3へ送信する。
【0032】
一方、管理装置3の使用管理部341は、使用者側装置2から情報を受信し、配車会社装置5に対して配車の予約処理を行う(
図4:S2)。本ステップでは、ユーザが車両を予約するために入力した出発地、目的地、使用開始日時及び使用終了日時等の情報を、配車会社装置5へ送信する。なお、予約処理は、使用者側装置2と配車会社装置5との間で行うようにしてもよいが、管理装置3にもユーザの出発地及び目的地を通知するものとする。
【0033】
また、配車会社装置5は、情報を受信し、ユーザに対して車両を手配する配車処理を行う(
図4:S3)。本ステップでは、例えば配車会社が管理する車両のうち、ユーザが希望する使用開始日時から使用終了日時までの期間に使用の予定がなく、出発地に存在する又は使用開始日時までに出発地に移動させることができる車両を抽出し、使用者側装置2のユーザが使用するために確保する。すなわち、当該車両について、例えば配車会社のデータベース上において、使用開始日時から使用終了日時までの期間を予約済みのステータスにして他のユーザに使用させないようにし、車両を使用開始日時までに出発地へ移動させるよう手配する。配車会社装置5は、管理装置3に対して予約が完了したことを通知するようにしてもよい。
【0034】
また、管理装置3の使用管理部341は、S2の後、予約に関する情報を周辺施設側装置4に送信する(
図4:S4)。なお、管理装置3は、複数の施設について、所在地を示す情報と、当該施設を管理する周辺施設側装置4に対する通信の宛先情報とを関連付けて予め記憶装置32に記憶しているものとする。また、周辺施設は、シェアカーを駐車可能な駐車スペースを有する施設であってもよい。本ステップでは、予約時にユーザが入力した出発地及び目的地に基づいて走行経路を予測し、走行経路の周辺に存在する施設を抽出する。例えば、走行経路上から施設の所在地までの距離や所要時間について、予め定められた閾値以下の施設が抽出される。複数の周辺施設が抽出された場合は、各々の周辺施設側装置4に情報を送信するようにしてもよい。また、予約に関する情報は、予約したユーザに関する情報を含むものであってもよい。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザの性別、年齢又は年代、商品等の購入履歴のように嗜好を推定するための情報等である。
【0035】
一方、周辺施設側装置4の広告配信部441は、予約に関する情報を受信すると(
図4:S5)、当該ユーザに対して広告を配信するか判断する(
図4:S6)。広告は、駐車料金や商品代金、サービス料、配車料金等の一部を値引きするクーポンの発行を含むものであってもよい。本ステップでは、広告配信部441は、例えばユーザに関する情報が所定の条件を満たす場合に広告を配信すると判断するようにしてもよいし、施設の周辺を通過するユーザにはすべて広告を配信すると判断するようにしてもよい。ユーザに関する情報が所定の条件を満たす場合とは、ユーザの性別、年代、推定される嗜好が所定の条件を満たす場合等である。広告を配信しないと判断された場合は、処理を終了する(図示せず)。
【0036】
一方、広告を配信すると判断された場合は(S6:YES)、広告配信部441は広告を配信する旨を管理装置3へ通知する(
図4:S7)。本ステップでは、広告配信部441は、例えばユーザの識別情報と配信する広告の内容を表す情報とを、通信I/F41を介して管理装置3へ送信する。また、管理装置3の選択取得部343は、広告を配信する旨の情報を受信すると、通信I/F31を介して使用者側装置2へ広告情報を配信する(
図4:S8)。そして、使用者側装置2の立寄選択部242は、広告情報を受信する(
図4:S9)。また、S9の後、
図5の処理へ移行する。
【0037】
立寄選択部242は、受信した広告情報を入出力部23へ表示させる(
図5:S11)。本ステップでは、例えば
図6に示すような広告情報が表示される。
図6は、広告情報の一例を示す図である。
図6の例では、経路の周辺に存在する施設で使用できる特典の情報と、立ち寄るか否かを選択するためのボタンが表示されている。
【0038】
そして、立寄選択部242は、ユーザが立ち寄りを選択したか判断する(
図5:S12)。本ステップでは、例えば
図6に示した画面において立ち寄る旨のボタンがタップされた場合に、立ち寄りを選択したと判断する。立ち寄りが選択されなかった場合(図示せず)は、処理を終了する。立ち寄りを選択する操作は、本発明に係る「下車する旨の操作」に相当する。
【0039】
一方、立ち寄りが選択された場合(S12:YES)、立寄選択部242は、立ち寄りが選択された旨を通信I/F21を介して管理装置3へ通知する(
図5:S13)。そして、管理装置3の料金算出部342は、ユーザが周辺施設に立ち寄る間に車両の使用を継続して車両を駐車場で待機させる待機モード、と使用を一旦終了して再配車させる再配車モードとについて、発生する費用の見積りを算出する(
図5:S14)。なお、例えば周辺施設ごとに、立ち寄りに要する一般的な時間を予め記憶装置32に記憶させておくものとする。そして、本ステップでは立ち寄りに要する一般的な時間と車両の使用にかかる費用とを用いて、例えば駐車料金等、待機モードにおいて発生する費用や、待機中に発生する車両の使用料等、再配車モードにおいては節約できる費用、再配車の手続きに要する費用等がわかるような概算見積りを生成する。また、立ち寄る場所への再配車可能時刻(換言すれば、待ち時間の目安となる情報)をさらに求めるようにしてもよい。再配車可能時刻は、配車会社装置5に問い合わせることにより求めるようにしてもよい。
【0040】
そして、選択取得部343は、使用者側装置2に対し、待機モード又は再配車モードを選択させる要求を送信する(
図5:S15)。本ステップでは、選択取得部343は、S14において算出された概算見積りを含むモードの選択要求を、通信I/F31を介して使用者側装置2へ送信する。また、再配車可能時刻をさらに送信するようにしてもよい。
【0041】
一方、使用者側装置2の立寄選択部242は、要求を受信して入出力装置23に表示させ、ユーザから選択を受け付ける(
図5:S16)。本ステップでは、入出力装置23には、例えば
図7に示すような情報が表示される。
図7は、モード選択画面の一例を示す図
である。
図7の例では、待機モード又は再配車モードを選択させるためのボタンが表示され、ボタンにはそれぞれのモードにおいて発生する費用が表示されている。費用は、立ち寄りに伴い発生する料金を含み得る。なお、周辺施設側装置4が発行するクーポンによっては、再配車手数料の割引や、待機中の車両使用料の割引等の情報が表示されることもある。また、立寄選択部242は、入出力装置23を介してユーザの操作によるモードの選択を受け付ける。
【0042】
そして、立寄選択部242は、ユーザによる選択結果を、通信I/F21を介して管理装置3へ送信する(
図5:S17)。また、管理装置3の選択取得部343は、選択されたモードに関する情報を、通信I/F31を介して周辺施設側装置4へ送信する(
図5:S18)。本ステップでは、例えば概算見積りや、ユーザの到着予測時刻等を送信するようにしてもよい。そして、周辺施設側装置4の来客管理部442は、情報を受信し、ユーザの来訪をスケジューリングする処理を行う(
図5:S19)。本ステップでは、来客管理部442は、例えば
図3のS7において配信した広告において提案した特典をユーザの来訪時に適用するための処理を行う。例えば、ユーザに対し、駐車場料金の割引が適用される。また、周辺施設の業種によっては、ユーザのための座席が予約されるようにしてもよい。
【0043】
その後、来客管理部442は、通信I/F41を介して承認情報管理装置3へ送信する(
図5:S20)。管理装置3の使用管理部341は、承認情報を受信し(
図5:S21)、配車予約処理を完了する。なお、例えば使用者側装置2の位置情報送信部243は、継続的に位置情報取得部26から位置情報を取得し、管理装置3へ送信する。管理装置3は、使用者側装置2の存在する位置に基づいて、ユーザの周辺施設への立寄りを検知することができる。
【0044】
以上のような配車予約処理により、ユーザは車両の配車を予約すると共に、経路の周辺施設に関する情報を得ることができる。一般的に、周辺施設に立ち寄る場合においては、車両を待機させておく場合は速やかに使用を再開できるが、ユーザは待機中の使用料も支払うことになる。上述した実施形態によれば、待機モードと再配車モードについて費用の概算を確認した上でモードを選択できる。したがって、ユーザにとっては、利便性の低下を抑えつつ費用の支払いを削減し得るといえる。
【0045】
<再配車処理>
図8は、ユーザが再配車モードを選択した場合に実行される再配車処理の一例を示す図である。再配車処理は、例えばユーザが周辺施設に到着して乗車していた車両を乗り捨てたとき等、ユーザが再配車モードを選択した後の任意のタイミングで行われる。使用者側装置2の使用申請部241は、ユーザの操作に基づいて再配車の申込みを行う(
図8:S31)。本ステップでは、例えば所定のアプリケーションプログラム又はウェブサイトに対してユーザが車両の再配車を予約するための情報を入力する。予約申請部241は、例えば、出発地、目的地、使用開始日時及び使用終了日時等の入力を受け、入力された情報を通信I/F21を介して管理装置3へ送信する。出発地には、立ち寄った周辺施設の場所を予め設定し、目的地には
図4のS1で入力された当初の目的地を予め設定しておくようにしてもよい。
【0046】
また、管理装置3の使用管理部341は、情報を受信すると、通信I/F31を介して配車会社装置4へ転送する(
図8:S32)。配車会社装置5は、情報を受信し、配車可能時刻の見積りを生成する(
図8:S33)。本ステップでは、例えば配車会社が管理する車両のうち、ユーザが希望する使用開始日時に近い時刻にユーザに対して配車できる車両をデータベースから抽出し、配車可能時刻を特定する。そして、配車会社装置5は、管理装置3へ配車可能時刻の見積もりを送信する(
図8:S34)。なお、車両は、使用終
了日時までの期間に使用の予定がなく、出発地に存在する又は使用開始日時までに出発地に移動させることができる車両が抽出される。
【0047】
また、管理装置3の使用管理部341は、情報を受信すると、通信I/F31を介して使用者側装置2へ転送する(
図8:S35)。そして、使用者側装置2の使用申請部241は、受信した情報を入出力装置23に出力させる(
図8:S36)。本ステップでは、例えば
図9に示すような情報が表示される。
図9は、再配車可能時刻を提示する画面の一例を示す図である。
図9の例では、出発地への配車可能時刻(換言すれば、待ち時間の目安となる情報)と、出発地や使用終了時刻といった条件を変更するためのメニューへ遷移するリンク「条件変更」と、予約するか否かを選択するためのボタンとが表示されている。
【0048】
そして、使用申請部241は、配車の確定を指示する操作がなされたか判断する(
図8:S37)。例えば、
図9に示した入出力部23において、ボタン「予約する」がタップされた場合、使用申請部241は、配車が確定されたと判断する。一方、ボタン「予約しない」がタップされた場合、使用申請部241は、配車がキャンセルされたと判断する。配車がキャンセルされた場合(図示せず)、再配車処理を終了する。
【0049】
一方、配車が確定された場合(S37:YES)、使用申請部241は、再配車を要求する情報を通信I/F21を介して管理装置3へ送信する。また、管理装置3の使用管理部341は、情報を受信すると、通信I/F31を介して配車会社装置5へ転送する(
図8:S39)。そして、配車会社装置5は、ユーザに対して車両を手配する配車処理を行う(
図8:S40)。配車処理は、
図4のS2と同様である。また、配車会社装置5は、管理装置3に対して配車の完了を通知する(
図8:S41)。また、管理装置3の使用管理部341は、情報を受信すると、通信I/F31を介して使用者側装置2へ転送する(
図8:S42)。そして、使用者側装置2の使用申請部241は、情報を受信し、入出力装置23に配車が完了した旨の情報を表示させる。
【0050】
以上のような再配車処理により、ユーザは立寄り地点で用事を済ませた後に乗車するための車両の配車を予約することができる。ユーザは、再配車に関して待ち時間の目安となる情報を知ることができるため、例えば立寄り時間を調整することで対処ができる。
【0051】
<決済処理>
図10は、車両の使用料等の支払いを行う決済処理の一例を示す処理フロー図である。決済処理は、ユーザが立ち寄りをした場合に、待機モードを選択したか再配車モードを選択したかに関わらず実行される。本実施形態においては、例えば、配車予約処理において周辺施設がユーザに割引等のクーポンを発行し、ユーザが周辺施設を訪問して割引を受けるための所定の要件を満たした場合に、周辺施設が費用の少なくとも一部を負担する。
【0052】
管理装置3の決済処理部344は、周辺施設の広告において費用負担に影響するクーポンを発行していた場合、費用に関する情報を周辺施設側装置4に送信する(
図10:S51)。本ステップでは、決済処理部344は、例えば周辺施設側が負担すべき金額と、何に対する請求かを表す名目とを含む情報を、通信I/F31を介して周辺施設側装置4へ送信する。本ステップで送信される情報は、請求金額について承認を求めるための情報である。
【0053】
一方、周辺施設側装置4の決済処理部443は、費用に関する情報を受信し(
図10:S52)、費用を承認するか判断する(
図10:S53)。本ステップでは、決済処理部443は、ユーザが当該周辺施設へ立ち寄った場合に費用の支払いを承認する。すなわち、周辺施設の経営者等が駐車料金や車両の使用料金の少なくとも一部を負担することにな
る。また、例えば、当該周辺施設において商品を購入することや、サービスの提供を受けることを特典付与の要件としていた場合は、決済処理部443は、さらに要件が満たされた場合に承認すると判断する。
【0054】
承認しないと判断された場合(図示せず)、例えば、決済処理部443はその旨の情報を管理装置3へ送信する。一方、承認すると判断された場合(S53:YES)、決済処理部443は承認する旨の情報を、通信I/F41を介して管理装置3へ送信する(
図10:S54)。
【0055】
また、管理装置3の決済処理部334は、承認する旨の情報を受信すると(
図10:S55)、費用を請求する旨の情報を周辺施設側装置4へ送信する(
図10:S56)。本ステップでは、決済処理部334は、承認された金額について、所定のフォーマットで費用を請求するための情報を生成し、通信I/F31を介して周辺施設側装置4へ送信する。
【0056】
周辺施設側装置4の決済処理部443は、費用を請求する旨の情報を受信し(
図10:S57)、決済処理を行う(
図10:S58)。本ステップでは、決済処理部443は、例えば周辺施設の勘定系システムと連携し、支払いが行われるようにデータを更新する。また、決済処理部443は、支払いが行われるように経理担当者にあてたメッセージを送信するようにしてもよい。また、管理装置3の決済処理部344は、例えば周辺施設側装置4からの入金を確認し、記憶装置32に記憶される会計情報を更新する。以上で、管理装置3と周辺施設側装置4との決済処理を完了する。
【0057】
また、ユーザが車両の使用を終了した後に、管理装置3の決済処理部344は、使用者側装置2に対しても費用を請求する旨の情報を送信する(
図10:S60)。本ステップでは、決済処理部344は、ユーザによる車両の使用に対して規定された料金から、周辺施設側装置4によって発行されたクーポンの使用により減額すべき金額を減額し、ユーザに対する請求金額を算出する。また、費用を請求する旨の情報は、費用の内訳を表す情報を含むものであってもよい。
【0058】
一方、利用者側装置2の決済処理部244は、費用を請求する旨の情報を受信し(
図10:S61)、決済処理を行う(
図10:S62)。本ステップでは、決済処理部244は、入出力装置23を介してユーザによる支払いの操作を受け付け、例えば予め登録されているクレジットカード等のキャッシュレス決済手段を利用して決済を行う。また、管理装置3の決済処理部344は、ユーザからの入金を確認し、記憶装置32に記憶される会計情報を更新する。以上で、管理装置3と使用者側装置2との決済処理を完了する。
【0059】
以上のような決済処理によれば、周辺施設側装置4が広告において提案した特典を付与した内容で決済処理を行うことができる。周辺施設側としては、ユーザによる車両の使用に関し一部の費用を負担することにより来客の機会を得ることができる。
【0060】
<変形例>
図4の例ではS2及びS3において配車の予約を行ったが、配車会社装置5は、
図5のS17においてモードが選択された後に配車を確定させるようにしてもよい。
【0061】
また、周辺施設側装置4は、ユーザが車両の走行を開始させた後に、
図4のS5以降の処理を開始してもよい。すなわち、車両の走行中に使用者側装置2へ広告が配信される。また、上述した実施形態では、車両の予約時にユーザが目的地を入力し、
図4のS4において管理装置3は経路の周辺に存在する施設を抽出するものとして説明したが、目的地を入力させなくてもよい。この場合は、管理装置3は、ユーザが車両の走行を開始させた後
に、以降の走行経路を予測し、車両が進行する方面に存在する周辺施設を抽出するようにしてもよい。
【0062】
また、利用者側装置2における待機モード又は再配車モードの選択は、例えば所定の周辺施設への車両の駐車をトリガーとして実行させるようにしてもよい。すなわち、管理装置3又は配車会社装置5が、予約時に入力された使用予定期間の途中において、遠隔で管理される車両が駐車されたことを検知した場合、
図5のS14からS18の処理を実行する。このような例では、周辺施設側装置によるクーポン等の発行はなされていないが、ユーザは、自発的に周辺施設に立ち寄った場合にも、待機モードと再配車モードについて費用の概算を確認した上でモードを選択できるようになる。
【0063】
また、ユーザが待機モードを選択した場合において、管理装置3は利用者側装置2に対し、所定の間隔を空けて継続的に待機モードを継続するかを問い合わせるリマインダを送信するようにしてもよい。周辺施設に立ち寄ったユーザが仮に車両の使用を継続していることを失念してしまうと、ユーザにとっては無駄な使用料が発生し、配車会社にとっては予定通りに所定の場所へ車両が返却されないおそれが生じる。リマインダにより、このような問題が生じるのを抑制できる。
【0064】
また、配車会社装置5又は管理装置3は、再配車に対しユーザが追加の費用を支払うことで、配車に要する時間を短縮するサービスを提供するようにしてもよい。配車会社装置は、例えば他のユーザの予約に影響のない範囲で特定のユーザに対する配車を繰り上げる処理を行えば、ユーザにとっても配車会社にとっても利益になる。
【0065】
図2及び
図3に示したシステム及び装置の構成は一例であり、周辺施設側装置4や配車会社装置5の機能の少なくとも一部を管理装置3が備えるようにしてもよい。利用者側装置2の機能の少なくとも一部は、例えばカーナビゲーションシステム等の車載装置が備えるものであってもよい。また、図示した機能の少なくとも一部を複数の装置で分担して実行したり、複数の装置で並列に実行してもよい。同様に、処理フローに示した処理は、結果が変わらない範囲で、順序を入れ替えて実行したり、並列に実行してもよい。
【0066】
また、本発明は、上述した処理方法を実行するコンピュータプログラム、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。当該記録媒体をコンピュータに読み込ませ、記録されているプログラム実行させることにより、上述の処理が可能となる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。
【符号の説明】
【0067】
2 利用者側装置
241 使用申請部
242 立寄選択部
243 位置情報送信部
244 決済処理部
26 位置情報取得部
3 管理装置
341 使用管理部
342 料金算出部
343 選択取得部
344 決済処理部
4 立寄地点側装置
441 広告配信部
442 来客管理部
443 決済処理部
5 配車会社装置