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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ガスメータ及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240209BHJP
   G01F 15/06 20220101ALI20240209BHJP
【FI】
G01F3/22 D
G01F15/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020007689
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021113788
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】越智 毅
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-300194(JP,A)
【文献】特開平08-327414(JP,A)
【文献】特開2016-176853(JP,A)
【文献】特開2000-155045(JP,A)
【文献】特開2017-133959(JP,A)
【文献】特開2009-162674(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208066(WO,A1)
【文献】特開2010-133769(JP,A)
【文献】特開2003-149028(JP,A)
【文献】特開2005-249532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00 - 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量センサにて検出されるガス流量の積算値を求める積算値演算部と、前記積算値を表示部に表示する表示制御部と、供給するガスの圧力値を検出する圧力センサとが備えられたガスメータであって、
前記表示部に表示するコード化画像として、ガスメータ設置時の設置用情報を含む設置用コード化画像を作成するコード化画像生成部、前記設置用情報を取得する設置用情報取得部、及び、ガスメータ識別管理情報を記憶する記憶部が備えられ、
前記積算値を前記表示部に表示するガス使用モードとガスメータ設置モードとに切換え自在なモード設定部が設けられ、
前記設置用情報として、ガスメータ設置前の前記積算値である設置前積算値、ガスメータ設置後の前記積算値である設置後積算値、ガスメータ設置後において前記圧力センサにて検出されている前記圧力値である設置後圧力値、及び、ガスメータ識別管理情報が含まれ、
前記設置用情報取得部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用情報取得部に設置開始指令が指令されると、ガスメータ設置前の前記積算値を前記設置前積算値として取得し、前記設置用情報取得部に設置完了指令が指令されると、ガスメータ設置後の前記積算値を前記設置後積算値として取得しかつガスメータ設置後の前記圧力値を前記設置後圧力値として取得するように構成され、
前記コード化画像生成部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用情報取得部にて取得された前記設置前積算値、前記設置後積算値、前記設置後圧力値、及び、前記記憶部に記憶された前記ガスメータ識別管理情報を用いて前記設置用コード化画像を作成するように構成され、
前記表示制御部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用コード化画像を前記表示部に表示するように構成されているガスメータ。
【請求項2】
記ガス使用モードにおいて、ガス供給遮断用の遮断弁を異常状態の検出に伴って遮断し且つ復帰スイッチによる復帰指令に基づいて前記遮断弁を開く弁制御部が設けられ、
前記ガスメータ設置モードにおいて、前記復帰スイッチが、前記設置開始指令及び前記設置完了指令を指令するように構成されている請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記設置用情報取得部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用情報取得部に前記設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の前記圧力値を前記設置後圧力値として取得し、かつ、前記コード化画像生成部が、前記コード化画像生成部に前記設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の前記設置後圧力値を含む前記設置用コード化画像を作成するように構成され、
前記表示制御部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記表示制御部に前記設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の前記設置用コード化画像を表示するように構成されている請求項2に記載のガスメータ。
【請求項4】
請求項3に記載のガスメータと、前記表示部に表示された前記コード化画像を読み取る読取部及び端末側表示部を備えた端末器とからなる管理システムであって、
前記端末器に、ガス漏洩の有無を判定する漏洩判定部が備えられ、
前記漏洩判定部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、先に前記読取部にて読み取られた前記設置用コード化画像に表示された前記設置後圧力値と、その後前記読取部にて読み取られた前記設置用コード化画像に表示された前記設置後圧力値との差により、ガス漏洩の有無を判定して、その判定結果を前記端末側表示部に表示するように構成されている管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量センサにて検出されるガス流量の積算値を求める積算値演算部と、前記積算値を表示部に表示する表示制御部と、供給するガスの圧力値を検出する圧力センサとが備えられたガスメータ、及び、当該ガスメータを管理する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガスメータの表示部は、種々の情報を表示できる液晶式等に構成されることが多く、積算値も数値情報として表示されている。
かかるガスメータの従来例として、積算値を表すバーコード(コード化画像)を表示部に表示して、ガス使用量を検針する検針員が、端末器にてバーコード(コード化画像)を読取ることにより、検針員の作業負担を軽減するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-142000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既設のガスメータを交換して新たなガスメータを設置する際や新たに建設された建物に新たなガスメータを設置する際等、ガスメータを設置する際には、設置用情報として、ガスメータ設置前の積算値である設置前積算値、ガスメータ設置後(ガスメータを受け渡す際)の積算値である設置後積算値、ガスメータ設置後におけるガス配管内の圧力に相当する設置後圧力値、及び、ガスメータ識別管理情報(メーター設置場所番号や製造番号等)を記録して、当該記録した情報を、ガスメータを管理する管理センターに届ける必要がある。
【0005】
従来では、設置作業員が、表示部に表示されている積算値を見ながら、設置前積算値や設置後積算値を記録用紙に手作業で記入し、ガスメータ等に添付されている識別表示具を見ながら、ガスメータ識別管理情報を記録用紙に手作業で記入し、また、圧力計等をガス配管に装着して、ガス配管内の圧力を計測しながら、その計測した圧力を設置後圧力値として記録用紙に手作業で記入する等、記録作業員が、目視にて確認しながら、設置用情報を記録用紙に手作業で記入するようにしていた。
ちなみに、記録した情報を管理センターに届ける際には、例えば、管理センターの管理制御部(コンピュータ)に対してキーボード操作等により、手作業で入力することが行われることになる。
【0006】
このため、ガスメータを設置する際において、手間の掛かる手作業にて設置用情報を記録用紙に記入することになる等に起因して、設置用情報を扱う作業が煩雑であり、しかも、記入ミス等により、設置用情報を正確に扱うことができなくなる虞があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、ガスメータを設置する際において、設置用情報を簡便にしかも適切に扱うことができるガスメータを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るガスメータは、流量センサにて検出されるガス流量の積算値を求める積算値演算部と、前記積算値を表示部に表示する表示制御部と、供給するガスの圧力値を検出する圧力センサとが備えられたものであって、その特徴構成は、前記表示部に表示するコード化画像として、ガスメータ設置時の設置用情報を含む設置用コード化画像を作成するコード化画像生成部、前記設置用情報を取得する設置用情報取得部、及び、ガスメータ識別管理情報を記憶する記憶部が備えられ、前記積算値を前記表示部に表示するガス使用モードとガスメータ設置モードとに切換え自在なモード設定部が設けられ、前記設置用情報として、ガスメータ設置前の前記積算値である設置前積算値、ガスメータ設置後の前記積算値である設置後積算値、ガスメータ設置後において前記圧力センサにて検出されている前記圧力値である設置後圧力値、及び、ガスメータ識別管理情報が含まれ、前記設置用情報取得部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用情報取得部に設置開始指令が指令されると、ガスメータ設置前の前記積算値を前記設置前積算値として取得し、前記設置用情報取得部に設置完了指令が指令されると、ガスメータ設置後の前記積算値を前記設置後積算値として取得しかつガスメータ設置後の前記圧力値を前記設置後圧力値として取得するように構成され、前記コード化画像生成部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用情報取得部にて取得された前記設置前積算値、前記設置後積算値、前記設置後圧力値、及び、前記記憶部に記憶された前記ガスメータ識別管理情報を用いて前記設置用コード化画像を作成するように構成され、前記表示制御部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用コード化画像を前記表示部に表示するように構成されている点にある。
【0009】
すなわち、ガスメータには積算値を前記表示部に表示するガス使用モードとガスメータ設置モードとに切換え自在なモード設定部が設けられており、ガスメータを設置する際には、ガスメータ設置モードに切換えた状態において、設置開始指令を指令することにより、その時点の積算値が設置前積算値として取得され、設置終了時点において、設置完了指令を指令することにより、その時点の積算値が設置後積算値として取得されかつその時点において圧力センサにて検出される圧力値が設置後圧力値として取得される。
ちなみに、設置開始指令や設置完了指令は、ガスメータに接続した設定器やガスメータが備えている遮断復帰用の復帰スイッチ等を用いて指令することができる。
【0010】
そして、取得された設置前積算値、設置後積算値、設置後圧力値、及び、記憶部に記憶されたガスメータ識別管理情報を用いて設置用コード化画像が作成され、作成された設置用コード化画像が表示部に表示されることになる。
尚、設置用コード化画像としては、二次元コード(例えば、QRコード(登録商標、以下同じ))を適用することができる。
【0011】
従って、ガスメータを設置する際の設置用情報を、コード化画像を読み取ることができる端末器を用いて、表示器に表示されている設置用コード化画像を読み取ることにより、端末器に入力できる。
【0012】
このように、設置開始指令や設置完了指令を指令しながら、設置用コード化画像を表示して、表示器に表示されている設置用コード化画像を端末器にて読み取ることにより、設置用情報を得ることができるから、手作業で記録用紙に記入する等の煩雑な作業を行うことを省略できるため、設置用情報を簡便にしかも適切に扱うことができる。
【0013】
ちなみに、端末器にて読取った設置用コード化画像は、そのままの状態で管理センターの制御部(コンピュータ)に入力して、管理センターの制御部(コンピュータ)にて、設置用コード化画像を解析するようにしてもよいが、端末器において設置用コード化画像を解析して設置用情報に変換し、その設置用情報を管理センターの制御部(コンピュータ)に入力するようにしてもよい。
【0014】
また、設置用コード化画像あるいはそれを解析した設置用情報を管理センターの制御部(コンピュータ)に入力する方法としては、ネットワーク等を用いて、端末器から管理センターの制御部(コンピュータ)に送信する、あるいは、端末器を管理センターの制御部(コンピュータ)に有線方式にて接続して送信するようにしてもよい。
【0015】
要するに、本発明のガスメータの特徴構成によれば、ガスメータを設置する際において、設置用情報を簡便にしかも適切に扱うことができる。
【0016】
本発明のガスメータの更なる特徴構成は、前記ガス使用モードにおいて、ガス供給遮断用の遮断弁を異常状態の検出に伴って遮断し且つ復帰スイッチによる復帰指令に基づいて前記遮断弁を開く弁制御部が設けられ、
前記ガスメータ設置モードにおいて、前記復帰スイッチが、前記設置開始指令及び前記設置完了指令を指令するように構成されている点にある。
【0017】
すなわち、ガス使用モードに切換えれば、積算値が表示部に表示されることになる。そして、このガス使用モードにおいては、地震が発生すること等に起因して大きく振動する状態になる、あるいは、ガス流量が極端に多くなる等の異常状態が検出されると、遮断弁が遮断されて安全性が確保されることになる。
そして、遮断弁の遮断状態において、ガスメータからのガスが供給される機器類やガスを供給する配管類等を点検した後に、復帰スイッチを操作して復帰指令を指令することにより、遮断弁を開くことができる。
【0018】
また、ガスメータ設置モードに切換えた状態においては、復帰スイッチを操作して設置開始指令及び設置完了指令を指令することにより、設置用コード化画像が作成され、作成された設置用コード化画像が表示部に表示されることになる。
【0019】
復帰スイッチは、ガスメータの前面部等、操作し易い箇所に設けられるものであるから、設置開始指令及び設置完了指令を簡便に指令できる。
つまり、ガスメータに設定器を接続して、当該設定器を用いて、設置開始指令及び設置完了指令を指令することもできるが、既設の復帰スイッチを用いることにより、設置開始指令及び設置完了指令を簡便に指令できる。
【0020】
尚、モード設定部に対して切換え指令を指令するにあたり、ガスメータに設定器を接続して、当該設定器を用いて切換え指令を指令してもよいが、例えば、復帰スイッチを長押しすることにより、切換え指令を指令するようにすれば、モード設定部に対する切換え指令を簡便に指令することができる。
【0021】
要するに、本発明のガスメータの更なる特徴構成によれば、遮断弁の復帰操作のために設けられることになる復帰スイッチを用いて、設置開始指令及び設置完了指令を簡便に指令できる。
【0022】
本発明のガスメータの更なる特徴構成は、前記設置用情報取得部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記設置用情報取得部に前記設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の前記圧力値を前記設置後圧力値として取得し、かつ、前記コード化画像生成部が、前記コード化画像生成部に前記設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の前記設置後圧力値を含む前記設置用コード化画像を作成するように構成され、
前記表示制御部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、前記表示制御部に前記設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の前記設置用コード化画像を表示するように構成されている点にある。
【0023】
すなわち、ガスメータの設置を一旦終了して、設置完了指令を指令した後において、再び設置完了指令を指令すれば、その指令時点の設置後圧力値を含む設置用コード化画像が作成されて、設置用コード化画像が表示部に表示されることになる。
【0024】
したがって、ガスメータの設置を終了して、設置完了指令を一旦指令した後において、諸々の状況に応じて、各部点検等を行なう必要が生じた場合等においても、再び設置完了指令を指令すれば、その指令時点の設置後圧力値を含む設置用コード化画像を作成して、設置用コード化画像を表示部に表示させることができるから、ガスメータの設置作業を諸々の状況に対処するように柔軟に行いながらも、設置用コード化画像を表示部に適切に表示させることができる。
【0025】
要するに、本発明のガスメータの更なる特徴構成によれば、ガスメータの設置作業を諸々の状況に対処するように柔軟に行いながらも、設置用コード化画像を表示部に適切に表示させることができる。
【0026】
本発明の管理システムは、上述のガスメータと、表示部に表示された前記コード化画像を読み取る読取部及び端末側表示部を備えた端末器とからなるものであって、その特徴構成は、
前記端末器に、ガス漏洩の有無を判定する漏洩判定部が備えられ、
前記漏洩判定部が、前記ガスメータ設置モードにおいて、先に前記読取部にて読み取られた前記設置用コード化画像に表示された前記設置後圧力値と、その後前記読取部にて読み取られた前記設置用コード化画像に表示された前記設置後圧力値との差により、ガス漏洩の有無を判定して、その判定結果を前記端末側表示部に表示するように構成されている点にある。
【0027】
すなわち、設置完了指令を指令することにより表示部に表示されたコード化画像を、端末器の読取部にて読取り、その後、設定時間(例えば、数分)が経過した後において、再び、設置完了指令を指令することによりコード化画像を表示部に表示させ、表示部に表示された当該コード化画像を、端末器の読取部にて読取るようにすれば、先に読取部にて読み取られた設置用コード化画像に表示された設置後圧力値と、その後、読取部にて読み取られた設置用コード化画像に表示された設置後圧力値との差により、ガス漏洩の有無が判定されて、その判定結果が、端末側表示部に表示されることになる。
【0028】
したがって、ガスメータの設置完了後において、ガス漏れの有無を確認できるから、万が一ガス漏れがあった場合には、ガス配管類を点検する等のメンテナンス作業を行いながら、ガス漏れの無い状態にする等、ガスメータをガス漏れの無い状態に適切に設置することができる。
【0029】
要するに、本発明の管理システムの特徴構成によれば、ガスメータをガス漏れの無い状態に適切に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ガスメータの正面図である。
図2】ガスメータの制御構成を示すブロック図である。
図3】端末器の制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスメータの全体構成)
図1に示すように、ガスメータGMは、ガス供給口1及びガス排出口2を有するケーシングCを備え、ケーシングCの内部には、ガス供給口1からガス排出口2に至るガス通路(図示せず)が設けられ、ケーシングCの前面部には、液晶式の表示部Mが設けられている。
【0032】
ガス通路には、ガスの流量を検出する超音波式流量センサ等にて構成される流量センサ3(図2参照)、及び、ガス通路を通して供給するガスの圧力値を検出する圧力センサ4(図2参照)が設けられている。
そして、流量センサ3にて検出されるガス流量の積算値Sが求められて、当該積算値Sが表示部Mに表示されるように構成されている。
【0033】
また、ガス通路における流量センサ3の設置箇所よりも上流側箇所には、当該ガス通路を遮断してガス供給を遮断する電磁弁式の遮断弁5(図2参照)が設けられている。
そして、感震センサ6(図2参照)にて設定強度以上の振動が検出された場合、あるいは、圧力センサ4にてガス通路の内部圧が異常に低くなることが検出される場合等の異常状態が判定されると、遮断弁5が閉じ制御(遮断制御)されるように構成されている。
【0034】
表示部Mには、コード化画像Z(QRコード(登録商標、以下同じ))として、ガスメータ設置時の設置用情報を含む設置用コード化画像Zsが表示されるように構成されている。
そして、スマートフォン、タブレット等の携帯式の端末器T(図3参照)が、表示部Mに表示されたコード化画像Zを読み取るように構成されている。
つまり、ガスメータGMと端末器Tとから管理システムが構成されている。
【0035】
(ガスメータの制御構成)
図2に示すように、ケーシングCの内部には、ガスメータGMの作動を制御する制御部H及び記憶部7が設けられている。
記憶部7には、ガスメータGMの製造番号や設置場所番号等のガスメータ識別管理情報が予め記憶されている。
制御部Hが、流量センサ3にて検出されるガス流量の積算値Sを求める積算値演算部8、当該積算値演算部8にて求められた積算値Sを表示させる等、表示部Mの表示を制御する表示制御部9、上述の異常状態を判定する異常判定部10、当該異常判定部10の判定結果に基づいて遮断弁5を閉じ制御(遮断制御)する弁制御部11として機能するように構成されている。
【0036】
弁制御部11は、遮断弁5を閉じ制御(遮断制御)した状態において、押し釦式の復帰スイッチW(図1参照)の押し操作により復帰指令が指令されると、遮断弁5を開き制御するように構成されている。
尚、弁制御部11は、復帰指令が指令された際に、圧力センサ4にて検出される圧力値が正常範囲の場合には、遮断弁5を開き制御し、圧力センサ4にて検出される圧力値が正常範囲よりも低い等の異常の場合には、遮断弁5を閉じ状態(遮断状態)に維持するように構成されている。
【0037】
また、制御部Hが、積算値Sを表示部Mに表示するガス使用モードとガスメータ設置モードとに切換え自在なモード設定部12として機能するように構成されている。
本実施形態においては、ガス使用モード及びガスメータ設置モードのいずれにおいても、表示制御部9が積算値Sを表示部Mに表示させるように構成されている。
また、ガス使用モードにおいて、弁制御部11が遮断弁5の開閉制御を実行するように構成されている。
【0038】
本実施形態においては、復帰スイッチWを長押し操作する(数秒間押し操作する)ことにより、ガス使用モードとガスメータ設置モードとを切換え操作できるように構成されている。
ちなみに、図1に示すように、表示部Mにはモード表示域Bが設けられており、ガスメータ設置モードにおいては、「N」が表示され、ガス使用モードにおいては、図示を省略するが、「D」が表示されるように構成されている。
【0039】
そして、ガスメータ設置モードにおいては、図1に示すように、表示部Mに、コード化画像Zとして、ガスメータ設置時の設置用情報を含む設置用コード化画像Zsが表示される。
また、ガス使用モードにおいては、図示は省略するが、表示部Mに、コード化画像Zとして、積算値S及びガスメータ識別管理情報を含む検針用コード化画像が表示されるように構成されている。つまり、検針員が検針用コード化画像を携帯する検針用端末にて読み取ることにより、検針作業を行える。
【0040】
(設置用コード化画像Zsの表示の詳細)
制御部Hが、表示部Mに表示するコード化画像Zとして、ガスメータ設置時の設置用情報を含む設置用コード化画像Zsを作成するコード化画像生成部13、設置用情報を取得する設置用情報取得部14として機能するように構成されている。
【0041】
設置用情報には、ガスメータ設置前の積算値である設置前積算値、ガスメータ設置後の積算値である設置後積算値、ガスメータ設置後において圧力センサ4にて検出されている圧力値である設置後圧力値、及び、記憶部7に記憶されているガスメータ識別管理情報が含まれている。
【0042】
設置用情報取得部14が、ガスメータ設置モードに切換えた後において、設置開始指令が指令されると、その時点の積算値Sを設置前積算値として取得し、設置完了指令が指令されると、その時点の積算値Sを設置後積算値として取得しかつその時点の圧力値を設置後圧力値として取得するように構成されている。
コード化画像生成部13が、設置用情報取得部14にて取得された設置前積算値、設置後積算値、設置後圧力値、及び、記憶部7に記憶されたガスメータ識別管理情報を用いて設置用コード化画像Zsを作成するように構成されている。
【0043】
そして、表示制御部9が、図1に示すように、設置用コード化画像Zsを表示部Mに表示するように構成されている。
尚、本実施形態においては、上述の如く、ガスメータ設置モードにおいても、積算値Sが表示部Mに表示されるように構成されている。
【0044】
また、本実施形態においては、ガスメータ設置モードにおいて、復帰スイッチWが、設置開始指令及び設置完了指令を指令するように構成されている。
つまり、ガスメータ設置モードにおいて、最初に、復帰スイッチWを、長押しすることなく、短く押し操作(1秒程度押し操作)することにより、設置開始指令が指令され、その後、復帰スイッチWを、長押しすることなく、再び短く押し操作することにより、設置完了指令が指令されるように構成されている。
【0045】
そして、設置用情報取得部14が、上述の如く、設置開始指令が指令されると、その時点の積算値Sを設置前積算値として取得し、設置完了指令が指令されると、その時点の積算値Sを設置後積算値として取得しかつその時点の圧力値を設置後圧力値として取得することになる。
【0046】
また、設置用情報取得部14が、設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の圧力値を設置後圧力値として取得し、かつ、コード化画像生成部13が、設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の設置後圧力値を含む設置用コード化画像Zsを作成するように構成されている。
つまり、ガスメータ設置モードにおいて、復帰スイッチWを、長押しすることなく、短く押し操作することが、複数回行われると、その押し操作毎に、設置完了指令が指令されて、コード化画像生成部13が、設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の設置後圧力値を含む設置用コード化画像Zsを作成することになる。
【0047】
そして、表示制御部9が、設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の設置用コード化画像Zsを表示部Mに表示するように構成されている。
【0048】
(端末器の詳細)
図3に示すように、端末器Tは、表示部Mに表示されたコード化画像Zを読み取る読取部16、端末側表示部17、端末側制御部D、各種情報を入力する入力部18を備えている。
端末側制御部Dが、コード化画像Zを解析して設置用情報に変換するコード変換部19、当該コード変換部19の変換結果を利用して漏洩を判定する漏洩判定部20、コード変換部19にて変換された設置用情報や漏洩判定部20の判定結果等を端末側表示部17に表示させる端末表示制御部21、コード変換部19にて変換された設置用情報や漏洩判定部20の判定結果等を記憶する端末記憶部22、当該端末記憶部22に記憶された情報を管理センターの制御部(コンピュータ)に送信する通信制御部23として機能するように構成されている。
【0049】
つまり、端末側制御部Dには、ガスメータGMを管理するためのアプリケーションソフトが入力されている。
このアプリケーションソフトは、コード変換部19にて変換された設置用情報を端末側表示部17に表示させること、漏洩判定部20にてガス漏洩の有無を判定して、その判定結果を端末側表示部17に表示させること、コード変換部19にて変換された設置用情報やガス漏洩の有無の判定結果を端末記憶部22に記憶させること、端末記憶部22に記憶されている情報を管理センターの制御部(コンピュータ)に送信すること等の各種制御作動を、入力部18の入力指令に基づいて実行するソフトウェアである。
【0050】
尚、端末記憶部22に記憶された情報を管理センターの制御部(コンピュータ)に送信する方法として、ネットワーク等を用いて、端末器Tから管理センターの制御部(コンピュータ)に送信する、あるいは、端末器Tを管理センターの制御部(コンピュータ)に有線方式にて接続して送信するようにしてもよい。
【0051】
漏洩判定部20は、先に読取部16にて読み取られた設置用コード化画像Zsに表示された設置後圧力値と、その後、設定時間(例えば2分)経過したときに、読取部16にて読み取られた設置用コード化画像Zsに表示された設置後圧力値との差により、ガス漏洩の有無を判定して、その判定結果を端末側表示部17に表示するように構成されている。
【0052】
つまり、漏洩判定部20によりガス漏洩の有無を判定する際には、ガスメータ設置モードにおいて、設置完了指令が指令されることにより表示部Mに表示された設置用コード化画像Zsを読取り、その後、設定時間(数分、例えば2分)が経過したときに、設置完了指令が指令されることにより設置用コード化画像Zsを表示部Mに表示させ、当該表示された設置用コード化画像Zsを読取ることにより、先に読み取られた設置用コード化画像Zsに表示された設置後圧力値と後で読み取られた設置用コード化画像Zsに表示された設置後圧力値との差を求めることになる。
そして、その差が設定値以上であるときには、ガス漏洩が有ると判定され、その差が設定値未満であるときには、ガス漏洩が無いと判定されることになる。
【0053】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、端末器Tにてガス漏洩の有無を判定する形態の管理システムを例示したが、ガス漏洩の有無の判定を行わずに、読取部16にて読み取られた設置用コード化画像Zsを管理センターの制御部(コンピュータ)に送信する形態の管理システムを構成する形態で実施してもよい。
【0054】
(2)上記実施形態においては、ガス使用モードにおいて、コード化画像Zとして、積算値S及びガスメータ識別管理情報を含む検針用コード化画像を表示させる場合を例示したが、検針用コード化画像の表示を省略する形態で実施してもよい。
【0055】
(3)上記実施形態では、コード化画像Zとして、設置用コード化画像Zs及び検針用コード化画像を表示させる場合を例示したが、その他のコード化画像Zを表示させるようにしてもよい。
例えば、メンテナンスを行う際に、メンテナンス要員等により、メンテナンス用内部情報の表示指令が指令されると、メンテナンス用内部情報をコード化画像Zとして表示させるようにしてもよい。
メンテナンス用内部情報とは、積算値、ガスメータ識別管理情報、漏洩遮断情報、感震遮断情報、口火登録情報等の各種登録情報等を含む情報である。
【0056】
尚、メンテンナンスを行う際に、例えば、メンテナンスモードに切換えて、ガスメータ設置モードと同様に、設置用情報取得部14が、設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の圧力値を設置後圧力値として取得し、かつ、コード化画像生成部13が、設置完了指令が指令される毎に、その指令時点の設置後圧力値を含む設置用コード化画像Zsを作成するように構成する。
そして、端末器Tの漏洩判定部20にて、ガス漏洩の有無を判定させるようにしてもよい。
【0057】
また、旧ガスメータを新ガスメータに交換する際に、旧ガスメータに交換用内部情報の表示指令が指令されると、旧ガスメータの交換用内部情報をコード化画像Zとして表示させるようにしてもよい。
交換用内部情報とは、積算値、ガスメータ識別管理情報、口火登録情報等の各種登録情報等を含む情報である。
【0058】
(4)上記実施形態では、コード化画像Zとして、QRコード(登録商標)を例示したが、コード化画像Zとしては、その他の形式の2次元コードやバーコードを適用できるものである。
【0059】
(5)上記実施形態では、復帰スイッチWを、モードの切換え指令、設置開始指令、設置完了指令等を指令する手動操作式の入力部として利用する場合を例示したが、制御部Hに接続する設定器を用いて、各種の指令を指令するようにしてもよい。
【0060】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
3 流量センサ
4 圧力センサ
7 記憶部
8 積算値演算部
9 表示制御部
11 弁制御部
12 モード設定部
13 コード化画像生成部
14 設置用情報取得部
16 読取部
20 漏洩判定部
S 積算値
T 端末器
W 復帰スイッチ
Z コード化画像
Zs 設置用コード化画像
図1
図2
図3