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特許7433080引き出し可能タイプの改善された固体スイッチングデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】引き出し可能タイプの改善された固体スイッチングデバイス
(51)【国際特許分類】
   H02B 11/04 20060101AFI20240209BHJP
   H02B 11/02 20060101ALI20240209BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H02B11/04 B
H02B11/02 C
H03K17/00 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020028488
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2020162408
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】19164833.6
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508161584
【氏名又は名称】エービービー・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】ABB S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Vittor Pisani, 16, I-20124, MILANO, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】ベルガミーニ アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ミヌティ マッテオ
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-222459(JP,A)
【文献】特開2013-005067(JP,A)
【文献】特表2017-511973(JP,A)
【文献】特開2012-130120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/029153(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/207610(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 11/04
H02B 11/02
H03K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングユニットと支持フレームとを備え、
前記スイッチングユニットは、1つ以上の電極を有し、それに沿って線電流が循環できる電極ごとの第1電力接点および第2電力接点と、前記第1および第2電力接点に電気的に接続され前記線電流の流れを許可または遮断するために導通状態または阻止状態に切り替え可能な1つ以上の固体スイッチとを備え、
前記支持フレームは、支持構造体に固定されるように構成され、電極ごとに、それに沿って前記線電流が循環できる第3電力接点および第4電力接点を備え、
前記スイッチングユニットは、作動中に、前記支持フレームに対して、挿入位置と引き出し位置との間で可逆的に移動可能であり、
前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるときには、前記第1電力接点および前記第2電力接点は、それぞれ前記第3電力接点および前記第4電力接点に結合され、
前記スイッチングユニットが前記引き出し位置にあるときには、前記第1電力接点および前記第2電力接点は、それぞれ前記第3電力接点および前記第4電力接点から分離され、
前記スイッチングユニットは、電極ごとに、少なくとも第1液圧コネクタおよび第2液圧コネクタを備え、それらに沿って、前記固体スイッチにより生成された熱を除去するための冷却流体が循環することができ、
前記支持フレームは、少なくとも第3液圧コネクタおよび第4液圧コネクタを備え、それらに沿って前記冷却流体が循環することができ、
前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるときには、前記第1液圧コネクタおよび前記第2液圧コネクタは、それぞれ前記第3液圧コネクタおよび前記第4液圧コネクタと連結され、
前記スイッチングユニットが前記引き出し位置にあるときには、前記第1液圧コネクタおよび前記第2液圧コネクタは、それぞれ前記第3液圧コネクタおよび前記第4液圧コネクタから分離されることを特徴とするスイッチングデバイス。
【請求項2】
前記第1液圧コネクタ、第2液圧コネクタ、第3液圧コネクタおよび第4液圧コネクタは、それぞれ第1通路、第2通路、第3通路、および第4通路を前記冷却流体用に備えると共に、それぞれ前記第1通路、第2通路、第3通路および第4通路と作動的に結合する第1バルブ手段、第2バルブ手段、第3バルブ手段および第4バルブ手段を備え、前記第1バルブ手段、第2バルブ手段、第3バルブ手段および第4バルブ手段は、前記冷却流体が第1通路、第2通路、第3通路および第4通路に沿って流れることを許可するか、又は第1通路、第2通路、第3通路および第4通路を遮断するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチングデバイス。
【請求項3】
前記スイッチングユニットが前記挿入位置に到達するか、又は挿入位置にあるとき、
前記第1液圧コネクタの第1バルブ手段および第3液圧コネクタの第3バルブ手段は、第1および第3液圧コネクタの第1および第3通路に沿って前記冷却流体を流すように相互結合および相互作用し、
第2液圧コネクタの第2バルブ手段および第4液圧コネクタの第4バルブ手段は、第2および第4液圧コネクタの第2および第4通路に沿って前記冷却流体を流すように相互結合および相互作用することを特徴とする請求項2に記載のスイッチングデバイス。
【請求項4】
前記スイッチングユニットが、前記挿入位置から前記引き出し位置に向かって移動するとき、前記第1および第3バルブ手段が互に分離され、前記第2および第4バルブ手段が互に分離されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチングデバイス。
【請求項5】
前記スイッチングユニットが前記引き出し位置に向かう移動中に前記挿入位置から離れて少なくとも所定距離を進んだとき、または前記スイッチングユニットが前記引き出し位置にあるとき、
前記第1バルブ手段は、第3バルブ手段から分離されて第1液圧コネクタの第1通路を閉塞し、
前記第2バルブ手段は、第4バルブ手段から分離されて第2液圧コネクタの第2通路を閉塞し、
前記第3バルブ手段は、第1バルブ手段から分離されて第3液圧コネクタの第3通路を閉塞し、
前記第4バルブ手段は、第2バルブ手段から分離されて第4液圧コネクタの第4通路を閉塞する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のスイッチングデバイス。
【請求項6】
前記第1および第3液圧コネクタの少なくとも1つは、前記第1および第3バルブ手段が互いに分離され、かつ、前記スイッチングユニットが、前記引き出し位置への移動中に、前記挿入位置(A)から離れて前記所定距離をまだ行っていないときには、前記冷却流体の流出を防止する第1ガスケット手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のスイッチングデバイス。
【請求項7】
前記第2および第4液圧コネクタの少なくとも1つは、前記第2および第4バルブ手段が互いに分離され、かつ、前記スイッチングユニットが、前記引き出し位置への移動中に、前記挿入位置(A)から離れて前記所定距離をまだ行っていないときには、前記冷却流体の流出を防止する第2ガスケット手段を備えることを特徴とする請求項5または6に記載のスイッチングデバイス。
【請求項8】
前記第1および第2電力接点が前記スイッチングユニットの第1後壁の外側に配置され、前記第3および第4電力接点が前記支持フレームの第2後壁の内側に配置され、前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるとき前記第1および第2後壁は互いに作動的に結合されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項9】
前記第1および第2液圧コネクタが前記スイッチングユニットの第1後壁の後壁ユニットに配置され、前記第3および第4液圧コネクタが前記支持フレームの第2後壁の内側に配置され、前記第1および第2後壁は、前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるとき互に作動的に結合されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項10】
前記支持フレームは、電極ごとに、前記線電流が循環できる第5電力接点および第6電力接点を備え、前記第5および第6電力接点は、それぞれ前記第3および第4電力接点と電気的に接続され、作動中には、それぞれ第1電線部分および第2電線部分と電気的に接続されることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項11】
前記第5および第6電力接点は、前記支持フレームの第2後壁の外側に配置されることを特徴とする請求項9に記載のスイッチングデバイス。
【請求項12】
前記第3液圧コネクタおよび前記第4液圧コネクタは、作動中に、前記冷却流体の流体源と流体力学的に連通することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項13】
前記スイッチングユニットが、前記第1および第2液圧コネクタと流体力学的に連通する中間液圧回路部を備え、前記中間油圧回路部は、互いに流体連通する1つ以上の熱交換部(14)を備え、各熱交換部は、対応する固体スイッチから熱を吸収するための1つ以上の熱交換面を備えることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路遮断器、断路器、接触器などの低電圧スイッチングデバイスの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明においては、「低電圧」(LV)という用語は、1 kV ACおよび1.5 kV DCより低い電圧を意味する。
【0003】
周知のように、低電圧スイッチングデバイスは電気回路またはネットワークで使用され、これらの特定の部品に正しい動作をさせる。
【0004】
たとえば、低電圧スイッチングデバイスは、様々な設備に必要な公称電流の可能性を確保し、電気負荷の適切な挿入と切断を可能にし、送電網と設置された電気負荷(特に回路ブレーカー)を、過負荷や短絡のような障害事故から保護する。
【0005】
前述のスイッチングデバイスに対する種々の工業的な解決策が市場で入手可能である。
【0006】
従来の電気機械式スイッチングデバイスは、一般に、外部ケースを備え、その外部ケースは、それぞれが電流を遮断および導通するための分離可能な一対の接点を備えた1つ以上の電極(electric pole) を収容する。
【0007】
駆動機構により、可動接点が第1閉鎖位置と第2開放位置の間を移動し、第1閉鎖位置では対応する固定接点に結合し、第2開放位置では対応する固定接点から離れる。
【0008】
このような装置は、直流(「DC」)の用途および主に比較的高電圧(最大1500V)において非常に堅牢で信頼性が高いことが証明されたが、遮断時間が非常に長くなる。
【0009】
結果として、通常、分離中の機械的接点間で生じる電気アークは、比較的長時間続くことになる。
【0010】
したがって、電極の接点の過酷な摩耗が、電気的耐久性の著しい低下、すなわちスイッチングデバイスが実行できるスイッチング動作回数の著しい減少を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような問題に対処するために、いわゆる固体サーキットブレーカー(SSCB)が製作されてきている。
【0012】
これらのスイッチングデバイスには、電極ごとに、電流遮断の目的で1つ以上の固体スイッチが設けられている。
【0013】
通常、固体スイッチは、導通状態と遮断状態とを転換できる半導体ベースのスイッチングデバイスである。
【0014】
SSCBの主な利点は、アークなしの遮断動作により、潜在的に無限の電気的耐久性があることである。
【0015】
さらに、それらの遮断時間は、電気機械的スイッチングデバイスの遮断時間と比較して著しく短い。
【0016】
残念なことには、SSCBは、固体スイッチが導通状態にあるときに、固体スイッチを流れる電流によって生成される熱を除去するために強力な冷却を一般に必要とする。
【0017】
この問題に対処するために、最新技術のいくつかのSSCBには、固体スイッチによって生成された熱を除去する空気流を生成するように構成された通気装置が設けられてきた。
【0018】
この解決策の主な欠点は、SSCBのサイズと重量が増加することと、過剰な熱を除去する効率が比較的低いことである。
【0019】
固体スイッチによって生成された熱を除去するための液圧回路を備えたSSCBが知られている。
【0020】
このタイプの現在利用可能なSSCBは複雑な構造を持ち、スイッチングユニットに搭載された液圧回路に冷却流体が供給されるように液圧接続を手動で配置する必要があるため、現場への設置が困難である。したがって、これらの装置は通常、比較的高い産業コストを示す。
【0021】
さらに、上記の液圧接続を配置するための現在利用可能な解決策は、いわゆる「引き出しタイプ」の、つまり、電気配電盤に固定された支持フレームに対して挿入位置と引き出し位置の間で可逆的に移動可能なスイッチングユニットを備えるSSCBでの実装には一般的に適していない。
【0022】
市場では、上記欠点を解決または軽減できる革新的な技術的解決策の要求が依然として感じられる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、以下の請求項1および関連する従属請求項に基づいて、引き出し可能なタイプの固体スイッチングデバイスを提供する。
【0024】
全般的な定義においては、本発明によるスイッチングデバイスは、スイッチングユニットと、支持フレームとを備える。
スイッチングユニットは、1つ以上の電極 (electric pole) を有し、かつ、線電流が循環できる第1電力接点および第2電力接点を電極ごとに備えると共に、前記第1および第2電力接点に電気的に接続されて前記線電流の流れを許可または阻止するために導通状態または非導通状態に切り替え可能である1つ以上の固体スイッチを備える。
支持フレームは支持構造体に固定されるように構成され、前記線電流が循環できる第3電力接点および第4電力接点を電極ごとに備える。
【0025】
作動時には、スイッチングユニットは、挿入位置と引き出し位置との間で、前記支持フレームに対して可逆的に移動可能である。
【0026】
前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるとき、前記第1電力接点と前記第2電力接点は、それぞれ、前記第3電力接点と前記第4電力接点とに結合される。
【0027】
前記スイッチングユニットが前記引き出し位置にあるとき、前記第1電力接点と前記第2電力接点は、それぞれ前記第3電力接点と前記第4電力接点から分離される。
【0028】
本発明によれば、前記スイッチングユニットは、電極ごとに、少なくとも前記第1液圧コネクタと第2液圧コネクタとを備え、前記固体スイッチにより発生した熱を除去するように作られた冷却流体が、それらに沿って循環できる。
【0029】
本発明によれば、前記支持フレームは、前記冷却流体が循環できる少なくとも第3液圧コネクタおよび第4液圧コネクタを備える。
【0030】
好ましくは、前記第3液圧コネクタおよび前記第4液圧コネクタは、作動時に、前記冷却流体の流体源と流体力学的に連通する。
【0031】
前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるとき、前記第1液圧コネクタおよび前記第2液圧コネクタは、それぞれ前記第3液圧コネクタおよび前記第4液圧コネクタと結合される。
【0032】
前記スイッチングユニットが前記引き出し位置にあるとき、前記第1液圧コネクタおよび前記第2液圧コネクタは、それぞれ前記第3液圧コネクタおよび前記第4液圧コネクタから分離される。
【0033】
本発明の一形態によれば、前記第1液圧コネクタ、第2液圧コネクタ、第3液圧コネクタ、および第4液圧コネクタは、それぞれ、
前記冷却流用の、第1通路、第2通路、第3通路、および第4通路と、
前記第1通路、第2通路、第3通路および第4通路にそれぞれ作動的に結合された第1バルブ手段、第2バルブ手段、第3バルブ手段および第4バルブ手段を備える。
【0034】
都合が良いことには、前記第1バルブ手段、第2バルブ手段、第3バルブ手段および第4バルブ手段は、前記冷却流体が前記第1通路、第2通路、第3通路および第4通路に沿って流れることを可能にするか、または前記第1通路、第2通路、第3通路および第4通路を遮断するように構成される。
【0035】
本発明の一形態によれば、前記第1および第2電力接点は、前記スイッチングユニットの第1後壁の外側に配置され、前記第3および第4電力接点は、前記支持フレームの第2後壁の内側に配置される。
【0036】
本発明の一形態によれば、前記第1および第2液圧コネクタは、前記スイッチングユニットの第1後壁の外側に配置され、前記第3および第4液圧コネクタは、前記支持フレームの第2後壁の内側に配置される。
【0037】
都合が良いことには、前記スイッチングユニットが前記挿入位置にあるとき、前記第1および第2後壁は互いに作動的に連結される。
【0038】
本発明の一形態によれば、前記支持フレームは、電極ごとに、前記線電流が循環できる第5電力接点および第6電力接点を備え、前記第5および第6電力接点は、それぞれ前記第3および第4電力接点と電気的に接続されると共に、作動時には、それぞれ第1電線部分および第2電線部分に電気的に接続される。
【0039】
好ましくは、前記第5および第6電力接点は、前記支持フレームの第2後壁の外側に配置される。
【0040】
本発明の一形態によれば、前記スイッチングユニットは、前記第1および第2液圧コネクタと流体力学的に連通する中間液圧回路部を備える。
【0041】
好ましくは、前記中間液圧回路部は、互いに流体連通する1つ以上の熱交換部を備える。好都合なことに、各熱交換部は、対応する固体スイッチから熱を吸収するための1つ以上の熱交換表面を備える。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面に単に例として限定することなく示されている好ましいが排他的ではない実施形態の説明から更に明らかになるであろう。
図1】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図2】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図3】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図4】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図5】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図6】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図7】本発明によるスイッチングデバイスの種々の図の1つを概略的に示している。
図8】本発明によるスイッチングデバイスの、種々の動作位置の1つにおける、異なる部分図を概略的に示している。
図9】本発明によるスイッチングデバイスの、種々の動作位置の1つにおける、異なる部分図を概略的に示している。
図10】本発明によるスイッチングデバイスの、種々の動作位置の1つにおける、異なる部分図を概略的に示している。
図11】本発明によるスイッチングデバイスの、種々の動作位置の1つにおける、異なる部分図を概略的に示している。
図12】本発明によるスイッチングデバイスの、種々の動作位置の1つにおける、異なる部分図を概略的に示している。
図13】本発明によるスイッチングデバイスの、種々の動作位置の1つにおける、異なる部分図を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0043】
引用された図を参照すると、第1実施形態において、本発明は、LV回路遮断器、断路器、接触器などのLV回路用のスイッチングデバイス1に関する。
【0044】
スイッチングデバイス1は、1つ以上の電極 (electric pole)2Aを有するスイッチングユニット2を備える。 スイッチングユニット2の電極の数は、必要に応じて変えてもよい。
【0045】
引用図に示される実施形態では、図6に示すように、スイッチングユニット2は単一の電極2Aを備える。 しかし、本発明の他の実施形態(図示せず)によれば、スイッチングユニット2は2つ以上の電極を備えてもよい。
【0046】
好ましくは、スイッチングユニット2は、箱状の構造で形成され、複数の第1壁を有し、これらは、電極2Aおよび他の構成要素が収容される容積を形成する内側と、内側と反対側の外側とを有する。
【0047】
好ましくは、スイッチングユニット2は、互いに対向する第1前壁24および第1後壁25と、互いに対向し、かつ、壁24および25にほぼ垂直な第1側壁26、27と、互いに対向し、かつ、壁24、25、26、27にほぼ垂直な第1上下壁26A、27Aとを備える。
【0048】
スイッチングデバイス1の通常の動作位置では(引用図に示されているように)、壁24、25、26、27は地面に対して垂直に向けられ、上部および下部壁26A、27Aは水平に向けられている 。
【0049】
電極2Aごとに、スイッチングユニット2は、それに沿って線電流が循環できる第1電力接点21および第2電力接点22を備える。
【0050】
好ましくは、電力接点21、22は、スイッチングユニット2の第1後壁25に、より具体的には前記第1後壁の後壁ユニット25Bに配置される。
【0051】
電力接点21、22は、既知のタイプのものであってもよい。
【0052】
引用図に示された実施形態では、各電気接点21、22は複数のプライヤーグループ210-220によって形成され、その各々は互いに向き合う柔軟で導電性形状のアームの複数の重なり合った対を備える。 好都合なことに、各電気接点21、22は平行な接触部分を備え、それぞれが同じ軸に沿って整列した2つ以上のプライヤーグループを形成することができる(図6)。
【0053】
スイッチングユニット2は電極ごとに1つ以上の固体スイッチ20を備え、その固体スイッチ20は、有利には、半導体ベースのスイッチングデバイス、例えば電力MOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、統合ゲート整流サイリスタ(IGCT)などである。
【0054】
引用図に示されるように、各電極に対して、スイッチングユニット2は、必要に応じて既知の方法で直列または並列に電気的に接続される複数の固体スイッチ20を備えることが好ましい。
【0055】
好ましくは、固体スイッチ20は、スタック軸に沿って配置され、適切な支持装置29と、スイッチングユニット2の壁にしっかりと固定された他の支持部品(図示せず)とによって作動位置に固定される。
【0056】
しかしながら、本発明の他の実施形態(図示せず)では、スイッチングユニット2は、電極ごとに単一の固体スイッチングデバイスを備えてもよい。この場合には、前記単一の固体スイッチをその作動位置に固定するための異なる配置が都合よく採用される。
【0057】
本発明によれば、スイッチングユニット2は、電極ごとに、冷却流体が循環して固体スイッチ20により発生した熱を除去することができる液圧回路10を少なくとも備える(図7)。
【0058】
一般的に、冷却流体には、既知のタイプの任意の適切な伝熱液体(例えば水)または既知のタイプの任意の適切な伝熱ガス(例えばR410Aまたは空調システムで使用されるタイプの他の冷媒ガス)を用いることができる。
【0059】
引用図に示される実施形態では、スイッチングユニット2は、各電極(この場合、単一の電極2Aに対して単一の液圧回路10を備える。
【0060】
しかしながら、本発明の他の実施形態(図示せず)によれば、スイッチングユニット2は、電極ごとに2つ以上の液圧回路10を備えることができる。
【0061】
スイッチングユニット2は、対応する液圧回路10の一部である少なくとも第1液圧コネクタ11および第2液圧コネクタ12を備える(図7)。
【0062】
好ましくは、第1液圧コネクタ11は、冷却流体用の第1通路110と、前記第1通路110に作動的に結合して冷却流体が第1通路110に沿って流れることを可能に又は防止する第1バルブ手段111とを備える(図10)。
【0063】
好ましくは、第2液圧コネクタ12は、冷却流体用の第2通路120と、前記第2通路120に作動的に連結して冷却流体が第2通路120に沿って流れることを可能に又は防止する第2バルブ手段121とを備える。
【0064】
液圧コネクタ11、12は既知のタイプのものであってもよい。 例として、それらは、それぞれの通路110、120を形成するために、引用図に示されるように、適切な形状のスリーブ(例えば、雄型の外部形状を有する)を備えてもよい。
【0065】
バルブ手段111、121も、既知のタイプのものであってもよい。 例として、それらは、引用図に示されるような固定形状のピン、または前記液圧コネクタ11、12の固定スリーブ部分、または適切な弾性手段、例えば ばねまたは柔軟な舌片に作動的に結合した可動ピン又はボールを備えてもよい。
【0066】
好ましくは、液圧コネクタ11、12は、スイッチングユニット2の第1後壁25に、より具体的には第1後壁25の後壁ユニット25Bに配置される。
【0067】
好ましくは、液圧回路10は、対応する液圧回路10の一部である中間液圧回路部13を備える。
【0068】
中間液圧回路部13は、前記第1および第2液圧コネクタ11、12と流体力学的に連通している。
【0069】
明確にするために、本発明の範囲内で、スイッチングデバイスのいくつかの部分に引用される「流体力学的に連通する」という表現は、動作状態に関連して用いられる必要があることを明記する。上記の冷却流体は、上記部品間を適切なダクトまたはポートを通過して流れることができる。
【0070】
好ましくは、中間液圧回路部13は、適切なダクト15を介して互いに流体連通する1つ以上の熱交換部14を備える。
【0071】
好ましくは、各熱交換部14は、対応する固体スイッチ20が導通状態にあるときに、対応する固体スイッチ20によって生成される熱を吸収するための1つ以上の熱交換面(図示せず)を備える。
【0072】
各熱交換部14は、対応する固体スイッチ20と熱接触する、いわゆる「コールドプレート」要素を形成するように都合よく配置されることができる。
【0073】
しかしながら、本発明の他の実施形態によれば、熱交換部14は、異なるように構成されてもよい。
【0074】
好ましくは、中間液圧回路部13(例えば、熱交換部14およびダクト15)は、少なくとも部分的に電気絶縁材料、例えば、 プラスチック材料から作られる。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態によれば、中間液圧回路部13の少なくともいくつかの部分は、金属材料、例えばアルミニウムから作られる。
【0076】
本発明によれば、スイッチングデバイス1は、支持構造体、例えば電気配電盤の支持構造体に固定されるように構成された支持フレーム5を備える。
【0077】
好ましくは、支持フレーム5は、オープンボックス状の形状構造で形成され、それは、スイッチングユニット2を少なくとも部分的に収容できる体積を画定する内側側面を有する複数の第2壁と、上記の内側側面に対向する外側とを有する。
【0078】
好ましくは、支持フレーム5は、前部開口部500と、前部開口部500に対向し遠位位置にある第2後壁505と、互いに対向し後壁505にほぼ垂直な第2側壁501、502と、 互いに対向し壁501、502、505にほぼ垂直な第2上壁503および第2下壁504とを備える。
【0079】
引用図に示されるように、スイッチング装置1の通常の動作位置では、壁501、502、505は地面に対して垂直に向けられ、一方、上部および下部壁503、504は水平に向けられる。
【0080】
好ましくは、第2後壁505は、スイッチングユニット2の前部開口部500および第1後壁25の後壁ユニット25Bに概ね面する内側505Aと、支持フレーム5が上述の支持構造に固定されるように構成されている反対側の外側505Bとを有する。
【0081】
支持フレーム5は、スイッチングユニット2の電極ごとに、電力線電流がそれに沿って循環できる第3電力接点51および第4電力接点52を備える。
【0082】
好ましくは、電力接点51、52は、スイッチングユニット2の第2後壁505に、より具体的には第2後壁の内側505Aに配置される。
【0083】
電力接点51、52は、既知のタイプのものであってもよい。一例として、各電力接点51、52は、互いに平行な一対の刃(blade) によって形成され(図4)、電力接点21、22の上記の部分に対して整列し、かつ、相補的な形状を有するように配置される。このようにして、電力接点21、22および51、52は、機械的カップリングで結合することができる。
【0084】
好ましくは、支持フレーム5は、スイッチングユニット2の電極ごとに、第5電力接点57および第6電力接点58を備え、これらに沿って線電流が循環することができる。第5および第6の電力接点57、58は、それぞれ第3および第4電力接点51、52と電気的に接続される。この目的のために、既知のタイプの電気的接続手段が適切に採用される。
【0085】
電力接点57、58は、それぞれ、LV電線の第1電力線部分および第2電力線部分(図示せず)と電気的に接続されるようになっている。この目的のために、既知のタイプの追加の電気的接続手段を適切に採用することができる。
【0086】
好ましくは、電力接点57、58は、スイッチングユニット2の第2後壁505、より具体的には第2後壁505の外側505Bに配置される。
【0087】
電力接点57、58は既知のタイプのものでよい。一例として、各電力接点57、58は、一組の平行なブレードよって形成されてもよい。
【0088】
好ましくは、支持フレーム5は、前記冷却流体がそれに沿って循環できる第3液圧コネクタ53および第4液圧コネクタ54を備える。
【0089】
好ましくは、第3液圧コネクタ53は、冷却流体用の第3通路530と、第3通路530に沿った冷却流体の流れを可能にする又は阻止するために第3通路530に作動的に結合された第3バルブ手段531とを備える。
【0090】
好ましくは、第4液圧コネクタ54は、冷却流体用の第4通路540と、第4通路540に沿った冷却流体の流れを可能にする又は阻止するために第4通路540に作動的に結合された第4バルブ手段541とを備える。
【0091】
液圧コネクタ53、54は、前記冷却流体の流体源(図示せず)と流体力学的に連通するようになっている。この目的のために、それらは、支持フレーム5の第2後壁505を貫通するように配置され、既知のタイプの液圧接続手段90(例えば、液圧コネクタ53、54にねじ留めできるネジ山端部を有するパイプによって)を介して冷却流体源と液圧的に接続される。
【0092】
液圧コネクタ53、54は既知のタイプのものでもよい。一例として、それらは、それぞれの通路530、540を形成する適切な形状のスリーブを備えることができる。液圧コネクタ53、54のスリーブは、引用図に示されるように、液圧コネクタ11、12のスリーブに対して相補的な幾何学的形状(例えば、雄タイプの外部形状)を有することが好都合である。
【0093】
また、バルブ手段531、541は既知のタイプであってもよい。一例として、それらは、適切な弾性手段、例えば、引用図に示されているようなばね又は柔軟な舌片に作動的に結合した可動ピン又はボールを備えるか、又は液圧コネクタ53、54の固定された形状のピンまたは固定されたスリーブ部分を備えてもよい。
【0094】
本発明によれば、スイッチングユニット2は、支持フレーム5に対して、すなわち挿入位置A(図8)と引き出し位置B(図9)との間で移動可能であり、逆もまた同様である。
【0095】
スイッチングユニット2の挿入位置Aと引き出し位置Bとの間の移動は、スイッチングユニット2の引き出し動作を形成し、一方、引き出し位置Bと挿入位置Aとの間のスイッチングユニット2の反対の移動は、スイッチングユニット2の挿入動作を形成する。
【0096】
スイッチングユニット2の引き出し動作は、例えば、保護機能および/または他のネットワーク管理機能を提供するため、またはスイッチングデバイス1のメンテナンス作業を実行するために、外部デバイスまたは電力バスからスイッチングユニット2を電気的に絶縁することを目的とすることができる。
【0097】
スイッチングユニット2の挿入動作は、例えば、保護機能および/または他のネットワーク管理機能を提供するため、又はスイッチングデバイス1のメンテナンス作業の実行後に、スイッチングユニット2と外部デバイスまたは電力バスとの電気接続を再確立することを目的とすることができる。
【0098】
挿入位置Aと引き出し位置Bの間、またはその逆の間の移行中に、スイッチングユニット2は、支持フレーム5の第2後壁505にほぼ垂直な方向に沿って生じる並進運動を行う。好ましくは、スイッチングユニット2の側壁26、27は、支持フレーム5の側壁501、502とそれぞれ摺動可能に結合される。この目的のために、引用図に部分的に示されるように、ローラーやガイドエッジ500Aなどを含む適切な結合手段が、適切に配置されてもよい。
【0099】
支持フレーム5に対するスイッチングユニット2の相対的な位置に応じて、支持フレーム5の第2後壁505は、その内側面505Aで、第1後壁の後壁ユニット25Bにおいて、スイッチングユニット2の第1後壁25に対して作動的に結合または分離される。
【0100】
スイッチングユニット2が挿入位置Aにあるとき、スイッチングユニット2は、支持フレーム5によって形成される内部容積内に収容され、スイッチングユニット2の後壁ユニット25Bは、支持フレーム5の第2後壁505と作動的に結合される。
【0101】
スイッチングユニット2が挿入位置Aにあるとき、スイッチングユニット2の第1および第2電力接点21、22と、支持フレーム5の第3および第4電力接点51、52は、それぞれ電気的に接続するように互に結合し、電力線電流がそれらの間を流れることができる。
【0102】
スイッチングユニット2が挿入位置Aにあるとき、第1および第2液圧コネクタ11、12は、液圧接続されるように、それぞれ第3および第4液圧コネクタ53、54と接続され、冷却流体はそれらの間を循環することができる。
【0103】
スイッチングユニット2が引き出し位置Bにあるとき、スイッチングユニット2は支持フレーム5によって形成される内部容積から外れて位置し、スイッチングユニット2の後壁ユニット25Bは支持フレーム5の第2後壁505から分離される。スイッチングユニット2が引き出し位置Bにあるとき、スイッチングユニット2の電力接点21、22と支持フレーム5の電力接点51、52は、電気的に非接続されるように分離され、電力線電流はそれらの間を流れることができない。
【0104】
スイッチングユニット2が引き出し位置Bにあるとき、第1および第2液圧コネクタ11、12は、液圧的に非接続されるように第3および第4液圧コネクタ53、54から分離され、冷却流体はそれらの間を循環できない。
【0105】
好ましくは、スイッチングデバイス1は、前述の挿入位置Aと引き出し位置Bとの間でスイッチングユニット2を可逆的に移動させる作動手段3を備える(図7)。
【0106】
スイッチングユニット2を動かすための機械的エネルギーを提供するために、作動手段3は、好ましくは、補助電源により適切に給電され得る少なくとも電気モータ(図示せず)を備える。
【0107】
好ましくは、スイッチングユニット2は手動で操作することもできる。
【0108】
好ましくは、作動手段3は、例えばアクセス可能な適切な操縦シート311に挿入される作動ツール(図示せず、例えばクランク)によって手動で操作できる作動機構(図示せず)を備え、操縦シート311は スイッチングユニット2の前壁24において、ユーザによってアクセス可能である。
【0109】
好ましくは、スイッチングデバイス1は、作動手段3から受け取った、スイッチングユニット2を動かすための機械的エネルギーを伝達するように構成された運動伝達手段を備える。
【0110】
前記運動伝達手段は、スイッチングユニット2の第1後壁25および第1側壁26、27にしっかりと接続されたキャリッジ32と、キャリッジ32つまりスイッチングユニット2の並進運動において作動手段3(特に上記モータまたは作動機構)によって与えられる運動を変換する少なくとも1つの運動チェーン(図示せず)とを備えてもよい。
【0111】
本発明の可能な実施形態(図示せず)では、作動手段3は、スイッチングユニット2(すなわちキャリッジ32)および支持フレーム5に作動的に結合した1つ以上の作動ばね(図示せず)を備えることができる。
【0112】
好都合なことに、前記作動バネは、圧縮時にスイッチングユニット2の挿入動作中に蓄積された弾性エネルギーを解放することにより、スイッチングユニット2の引き出し動作中のみにスイッチングユニット2を動かすように構成される。
【0113】
スイッチングデバイス1は、スイッチングデバイスの動作を制御するように構成された制御手段(図示せず)を備えることが好ましい。
【0114】
好ましくは、前記制御手段は、1つ以上のデジタル処理装置(図示せず)、例えば、マイクロコントローラーを備える。
【0115】
好ましくは、前記制御手段は、スペース節約のために支持フレーム5の側壁501、502の1つに配置され、作動手段3を制御する制御モジュールと、スイッチングユニット2の内部に設置されるか又はスイッチングユニット2から遠隔の位置に設置される、さらなる制御ユニットを備える。
【0116】
好ましくは、上記の制御手段は、補助電源(図示せず)によって給電される。
【0117】
以下では、スイッチングユニット2の挿入動作または引き出し動作時の、第1および第2液圧コネクタ11、12および第3および第4液圧コネクタ53、54の動作を、引用図(図8~13)に示された本発明の実施形態を参照して詳細に説明する。
【0118】
前記スイッチングユニット2が挿入位置Aに達するか、挿入位置Aにあるとき、第1および第2液圧コネクタ11、12は、それぞれ第3および第4液圧コネクタ53、54と結合する(図8、10)。
【0119】
この状況では、冷却流体の供給源から液圧回路10の間(およびその逆)の冷却流体の自由循環は、液圧コネクタ11、12、53、54のバルブ手段111、121、531、541の相互結合と相互作用により達成される。
【0120】
特に、スイッチングユニット2が挿入位置Aに到達するか、挿入位置Aにあるとき:
第1液圧コネクタ11の第1バルブ手段111および第3液圧コネクタ53の第3バルブ手段531は、第1および第3液圧コネクタ11、53の第1および第3通路110、530を空けるように相互結合および相互作用する。このようにして、冷却流体は、第1および第3通路110、530に沿って自由に流れることができる;
第2液圧コネクタ12の第2バルブ手段121および第4液圧コネクタ54の第4バルブ手段541は、第2および第4液圧コネクタ12、54の第2および第4通路120、540を空けるように相互連結および相互作用する。このようにして、冷却流体は、第2および第4通路120、540に沿って自由に流れることができる。
【0121】
前記スイッチングユニット2が挿入位置Aから引き出し位置Bに向かって移動するとき、第1および第2液圧コネクタ11、12は、それぞれ第3および第4液圧コネクタ53、54から分離される(図11~13)。
【0122】
この状況では、液圧コネクタ11、12、53、54からの冷却流体の流出を防止する必要がある。
【0123】
好ましくは、スイッチングユニット2が挿入位置Aから離れて少なくとも所定距離Dを進んだときに、液圧コネクタ11、12、53、54からの冷却流体の流出はバルブ手段111、121、531、541自体によって防止される。
【0124】
特に、スイッチングユニット2が、引き出し位置Bへの移動中に(図12-13)、挿入位置Aから離れて少なくとも所定距離D(図11)を進んだときに:
・第1バルブ手段111は、第3バルブ手段531から分離され、第1液圧コネクタ11の第1通路110を閉塞する。このようにして、第1液圧コネクタ11からの冷却流体の流出が防止される;
・第2バルブ手段121は、第4バルブ手段541から分離され、第2液圧コネクタ12の第2通路120を閉塞する。このようにして、第2液圧コネクタ12からの冷却流体の流出が防止される;
・第3バルブ手段531は、第1バルブ手段111から分離され、第3液圧コネクタ53の第3通路530を閉塞する。このようにして、第3液圧コネクタ53からの冷却流体の流出が防止される;
・第4バルブ手段541は、第2バルブ手段121から分離され、第4液圧コネクタ54の第4通路540を閉塞する。このようにして、第4液圧コネクタ54からの冷却流体の流出が防止される。
【0125】
都合のよいことに、所定距離Dは数mm、例えば10~20mmの範囲にある。
【0126】
明らかに、前記スイッチングユニット2が引き出し位置Bにあるとき(図9、13):
・第1バルブ手段111は、第3バルブ手段531から分離され、第1液圧コネクタ11の第1通路110を閉塞する。このようにして、第1液圧コネクタ11からの冷却流体の流出が防止される;
・第2バルブ手段121は、第4バルブ手段541から分離され、第2液圧コネクタ12の第2通路120を閉塞する。このようにして、第2液圧コネクタ12からの冷却流体の流出が防止される;
・第3バルブ手段531は、第1バルブ手段111から分離され、第3液圧コネクタ53の第3通路530を閉塞する。このようにして、第3液圧コネクタ53からの冷却流体の流出が防止される;
・第4バルブ手段541は、第2バルブ手段121から分離され、第4液圧コネクタ54の第4通路540を閉塞する。このようにして、第4液圧コネクタ54からの冷却流体の流出が防止される。
【0127】
スイッチングユニット2が挿入位置Aから所定距離Dをまだ進んでいない場合、液圧コネクタ11、12、53、54からの冷却流体の流出は、液圧コネクタ11、12、53、54(図11)の1つ以上のガスケット手段535、545によって防止されることが好ましい。
【0128】
好ましくは、第1液圧コネクタ11および第3液圧コネクタ53の少なくとも一方は第1ガスケット手段535を備え、スイッチングユニット2が前記引き出し位置Bへの移動中に所定距離Dをまだ進んでいないとき、第1ガスケット手段535は第1および第3液圧コネクタ11、53からの冷却流体の流出を防止するようになっている。
【0129】
スイッチングユニット2が所定距離Dをまだ進んでいない場合、実際には、対応する第1および第3バルブ手段111、531は互いに分離されるが、それらはまだ、対応する液圧コネクタ11、53の通路110、530の閉塞を完了していない。
【0130】
好ましくは、第1ガスケット手段535は、第3液圧コネクタ53に配置されたOリングによって形成される。
【0131】
しかしながら、本発明の異なる実施形態(図示せず)によれば、上述の第1ガスケット手段は、異なるタイプのものであってもよいし、或いは第1液圧コネクタ11又は液圧コネクタ11、53のそれぞれに備えられてもよい。
【0132】
好ましくは、第2液圧コネクタ12および第4液圧コネクタ54の少なくとも一方は、スイッチングユニット2が前記引き出し位置Bへの移動中に、所定距離Dをまだ進んでいない時に、第2および第4液圧コネクタ12および54からの冷却流体の流出を防止するようになっている第2ガスケット手段(図示せず)を備える。
【0133】
スイッチングユニット2がまだ所定距離Dを進んでいない場合、実際には、対応する第2および第4バルブ手段121、541は互いに分離されるが、対応する液圧コネクタ12および53の通路120、540の閉塞はまだ完了していない。
【0134】
好ましくは、第2ガスケット手段は、第4液圧コネクタ54内に配置されたOリングによって形成される。
【0135】
しかしながら、本発明の異なる実施形態(図示せず)によれば、上記の第2ガスケット手段は、異なるタイプのものであってもよく、或いは第2液圧コネクタ12又は液圧コネクタ12、54のそれぞれに備えられてもよい。
【0136】
以下では、例示の目的で、第1液圧コネクタ11と第3液コネクタ53の結合および分離をより詳細に説明する(図10~13)。明らかに、第2液圧コネクタ12および第4液圧コネクタ54は同じように挙動する。
【0137】
図10は、挿入位置Aにあるスイッチングユニット2を示している。
【0138】
この場合、第1液圧コネクタ11は第3液圧コネクタ53に結合される。第1液圧コネクタ11の第1バルブ手段111と第3液圧コネクタ53の第3バルブ手段531とは相互に結合され、第1および第3液圧コネクタ11、53の第1および第3通路110、530を空にするように相互に作用する。従って、冷却流体は、第1および第3通路110、530に沿って流れることができる。
【0139】
図11は作動位置A1にあるスイッチングユニット2を示し、ここではスイッチングユニット2は、引き出し位置Bへの移動中に、挿入位置Aから所定距離Dをまだ進んでいない。
【0140】
第1液圧コネクタ11と第3液圧コネクタ53は、互いに切り離し始める。
【0141】
この場合、第1液圧コネクタ11の第1バルブ手段111と第3液圧コネクタ53の第3バルブ手段531とは互いに分離される。しかしながら、それらは、冷却流体のための対応する通路110、530をまだ完全に塞ぐことができない。ガスケット手段535は、第1および第3液圧コネクタ11、53からの冷却流体の流出を防ぐ。
【0142】
図12は、さらなる作動位置A2にあるスイッチングユニット2を示しており、この場合、スイッチングユニット2は、引き出し位置Bに向かう移動中に、挿入位置Aから所定距離Dを既に進んでいる。
【0143】
第1液圧コネクタ11と第3液圧コネクタ53は、互いに分離し続ける。
【0144】
この場合、第1液圧コネクタ11の第1バルブ手段111と第3液圧コネクタ53の第3バルブ手段531とは互いに分離されている。さらに、それらは、冷却流体用の対応する通路110、530の閉塞を完了し、それにより、この冷却流体が第1および第3油圧コネクタ11、53から流出するのを防ぐ。
【0145】
図13は、引き出し位置Bにあるスイッチングユニット2を示している。
【0146】
第1および第3液圧コネクタ11、13は完全に分離されている。第1液圧コネクタ11の第1バルブ手段111と第3液圧コネクタ53の第3バルブ手段531は相互に分離され、冷却流体用の対応する通路110、530を閉塞し、それにより第1および第3液圧コネクタ11、53からの冷却流体の流出を防止する。
【0147】
スイッチングデバイス1は、上記のものとは異なる可能性がある。例えば、電力接点21、22、51、52、57、58は、引用図に示された実施形態に対して異なるように構成されてもよい。
【0148】
液圧コネクタ11、12、53、54は、引用図に示された実施形態に対して異なるように構成されてもよい。
【0149】
バルブ手段111、121、531、541は、引用図に示された実施形態に対して、冷却流体の流れを許可または阻止するために、異なるように配置され、異なるように動作してもよい。
【0150】
支持フレーム5は、液圧コネクタ53、54を冷却流体源と流体力学的に連通させるための1つ以上の追加の液圧接続を備えることができる。
【0151】
本発明のスイッチングデバイス1は、最新技術の解決策に関して重要性のある利点を提供する。
【0152】
スイッチングデバイス1では、スイッチングユニット2が液圧コネクタ11、12を備え、それらは前記スイッチングユニットの引き出し位置Bから挿入位置Aへの対向する並進運動の際に、支持フレーム5の対応する液圧コネクタ53、54と自動的に結合または分離できるように配置されている。
【0153】
従って、スイッチングデバイス1は同様の方法で、つまり、引き出し位置Bから挿入位置Aへのスイッチングユニット2の適切な単一の動きを利用することによるプラグ・アンド・プレイ・アプローチ (plug & play approach) によって、スイッチングユニット2の電気接続および液圧接続を管理することができる。
【0154】
実際には、スイッチングユニット2の電極と外部電線部分との電気的接続または絶縁、ならびにスイッチングユニット2に搭載された液圧回路10の冷却流体源との接続または分離が、追加の専用の電気的および液圧的接続を用いることなく、スイッチングユニット2の1回の挿入または引き出し操作によって実行される。
【0155】
この方法では、特にスイッチングユニット2の液圧接続を調整するために、専門の人員による時間のかかる手動の介入は必要としない。
【0156】
統合された電気的および液圧的な接続/分離機能を実行するこの機能により、スイッチングデバイス1は、使用の容易性、使用の柔軟性、および動作の信頼性に関して顕著な利点を有する。
【0157】
スイッチングデバイス1は簡単な構造で比較的小さなサイズであるという特徴を有し、産業レベルで比較的容易に低コストで実現され、現場で実用的な実装が可能であることが証明された。
【符号の説明】
【0158】
1 スイッチングデバイス、2 スイッチングユニット、2A 電極、3 作動手段、5 支持フレーム、10 液圧回路、11 第1液圧コネクタ、12 第2液圧コネクタ、13 中間液圧回路部、14 熱交換部、15 ダクト、20 個体スイッチ、21 第1電力接点、22 第2電力接点、24 第1前壁、25 第1後壁、25B 後壁ユニット、26、27 第1側壁、26A 第1上部壁、27A 第1下部壁、29 支持装置、32 キャリッジ、51 第3電力接点、52 第4電力接点、53 第3液圧コネクタ、54 第4液圧コネクタ、57 第5電力接点、58 第6電力接点、 90 液圧接続手段、110 第1通路、111 第1バルブ手段、311 操縦シート、500A ガイドエッジ、500 前部開口部、501、502 第2側壁、503 第2上壁、504 第2下壁、505 第2後壁、505A 内壁、505B 対向外壁 530 第3通路、531 第3バルブ手段、535 ガスケット手段、540 第4通路、541 第4バルブ手段、A 挿入位置、B 引き出し位置、D 所定距離、A1、A2 作動位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13