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特許7433112情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
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  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240209BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020060196
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021157732
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】321011767
【氏名又は名称】ジオテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 陽子
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-186794(JP,A)
【文献】特開2014-109950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報と対応付けられた走行記録情報を、複数の車両から取得する走行記録情報取得部と、
前記走行記録情報から、前記複数の車両それぞれについて駐車位置と駐車時間とを含む駐車情報を検出して記録する駐車情報記録部と、
前記駐車情報の統計処理し、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価をする評価部と、を備え
前記駐車情報記録部は、検出された駐車位置が駐車場であるか否かを、地図情報を参照して判定し、駐車場と判定した駐車位置を含んだ駐車情報を記録対象から除外する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記評価部は、所定期間の駐車台数が基準値以上の領域に駐車可を示す属性を付与することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、駐車可を示す属性が付された領域について、平均駐車時間が第1基準時間以下の領域に、駐車許容度低を示す属性をさらに付与することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、駐車可を示す属性が付された領域について、平均駐車時間が第2基準時間以上の領域に、駐車許容度高を示す属性をさらに付与することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
付与された前記属性を地図上に示した情報を出力する出力部をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記走行記録情報は、車両の大きさを示す情報を含み、前記評価部は、車両の大きさ毎に統計処理を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記走行記録情報は、車両の用途を示す情報を含み、前記評価部は、車両の用途毎に統計処理を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が行なう情報処理方法であって、
位置情報と対応付けられた走行記録情報を、複数の車両から取得する走行記録情報取得工程と、
前記走行記録情報から、前記複数の車両それぞれについて駐車位置と駐車時間とを含む駐車情報を検出して記録する駐車情報記録工程と、
前記駐車情報の統計処理し、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価をする評価工程と、
を含み、
前記駐車情報記録工程では、検出された駐車位置が駐車場であるか否かを、地図情報を参照して判定し、駐車場と判定した駐車位置を含んだ駐車情報を記録対象から除外する、ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上の領域に対して車両の駐車位置に関する評価を行なう技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複雑化した道路交通網に対応して、ナビゲーション装置等が発達し、車両のドライバーは、出発点から目的地まで行き来するのは容易になった。だが、車両のドライバーが目的地周辺において路肩等の如何なる位置で駐車するのがよいか否かが、地理に詳しくない場合、困難であった。このような理由から、ドライバーが、頻繁に駐車する駐車位置を、入力して記録登録することが多くなされていた(特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-241178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術をはじめ、多くの従来技術では、1個人の駐車実績を本人のために記録するものであり、その駐車位置が駐車に関して一般にどのように評価されているかは考慮されておらず、駐車の適否の判断材料としては十分ではない。
【0005】
例えば、宅配便業者等の貨物運送業のドライバーやタクシー業者等の旅客運送業者のドライバーは、複数の目的地があり、広範囲で頻繁に駐車位置の適否を判断しなければならない。それ故に、熟練に時間がかかり、ドライバー不足や、たとえドライバーになったとしてもなかなか育たない要因ともなっていた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、例えば、車両の駐車位置に関する評価を容易に得られるようにすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、位置情報と対応付けられた走行記録情報を、複数の車両から取得する走行記録情報取得部と、前記走行記録情報から、前記複数の車両それぞれについて駐車位置と駐車時間とを含む駐車情報を検出して記録する駐車情報記録部と、前記駐車情報の統計処理し、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価をする評価部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項9に記載の発明は、情報処理装置が行なう情報処理方法であって、位置情報と対応付けられた走行記録情報を、複数の車両から取得する走行記録情報取得工程と、前記走行記録情報から、前記複数の車両それぞれについて駐車位置と駐車時間とを含む駐車情報を検出して記録する駐車情報記録工程と、前記駐車情報の統計処理し、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価をする評価工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の情報処理方法をコンピュータにより実行させることを特徴としている。
【0010】
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の情報処理プログラムを格納したことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施例の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施例の情報処理装置の動作を説明するフローチャートである。
図3】統計処理に基づいた駐車に関する評価の例を示す図である。
図4】属性の付与について説明するフローチャートである。
図5】付与された属性を地図上に示した情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、走行記録情報取得部が、位置情報と対応付けられた走行記録情報を、複数の車両から取得し、駐車情報記録部が、走行記録情報から、複数の車両それぞれについて駐車位置と駐車時間とを含む駐車情報を検出して記録し、評価部が、駐車情報の統計処理し、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価をする。このようにすることにより、車両のドライバーは、地図上の領域に対して駐車に関する評価を容易に目視等で確認することができる。したがって、本実施形態の情報処理装置によれば、ドライバーは、車両の駐車位置に関する評価を容易に得られるようにすることができる。
【0013】
また、駐車情報記録部は、検出された駐車位置が駐車場であるか否かを、地図情報を参照して判定し、駐車場と判定した駐車位置を含んだ駐車情報を記録対象から除外するとよい。例えば、宅配便業者等の貨物運送業のドライバーやタクシー業者等の旅客運送業者のドライバーは、長時間駐車するための駐車場よりも、荷下ろしや乗客探し等のために、短時間だけ駐車できる駐車位置をより知りたいので、この要請に応えることができる。
【0014】
また、評価部は、所定期間の駐車台数が基準値以上の領域に駐車可を示す属性を付与するとよい。所定期間の駐車台数が基準値以上であれば、その領域を駐車可とする情報としての信頼性が高まるからである。
【0015】
なお、「評価部」において、「属性を付与すること」等は、サーバ装置等で自動的に行ってもよいし、オペレータによる手入力等の手動で行ってもよい。
【0016】
また、評価部は、駐車可を示す属性が付された領域について、平均駐車時間が第1基準時間以下の領域に、駐車許容度低を示す属性をさらに付与するとよい。このようにすることにより、例えば、クレーム等を受けて直ぐに他の駐車位置に移動してしまった場合等の駐車位置を、駐車許容度低を示す属性が付与された領域に格下げすることができる。
【0017】
また、評価部は、駐車可を示す属性が付された領域について、平均駐車時間が第2基準時間以上の領域に、駐車許容度高を示す属性をさらに付与するとよい。このようにすることにより、例えば、クレーム等を受けずに駐車できた駐車位置の可能性が高く、駐車可を示す属性が付与された領域の中で、より駐車しやすい場所として採用することができる。
【0018】
また、付与された属性を地図上に示した情報を出力する出力部をさらに備えるとよい。このようにすることにより、出力部が属性を付与した地図情報を表示装置に出力することで、ドライバーは、駐車位置に付与された属性を目視等で容易に確認することができる。
【0019】
また、走行記録情報は、車両の大きさを示す情報を含み、評価部は、車両の大きさ毎に統計処理を行なうとよい。このようにすることにより、ドライバーは、自車の大きさの車両が対象となる駐車位置を選別することができる。
【0020】
また、走行記録情報は、車両の用途を示す情報を含み、評価部は、車両の用途毎に統計処理を行なうとよい。このようにすることにより、例えば、ドライバーは、同業又は類似した業種の車両が対象となる駐車位置を選別することができる。
【0021】
また、本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、走行記録情報取得工程で、位置情報と対応付けられた走行記録情報を、複数の車両から取得し、駐車情報記録工程で、走行記録情報から、複数の車両それぞれについて駐車位置と駐車時間とを含む駐車情報を検出して記録し、評価工程で、駐車情報の統計処理し、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価をする。このようにすることにより、車両のドライバーは、地図上の領域に対して駐車に関する評価を容易に目視等で確認することができる。したがって、本実施形態の情報処理装置によれば、ドライバーは、車両の駐車位置に関する評価を容易に得られるようにすることができる。
【0022】
また、上述した情報処理方法を、コンピュータにより実行させる。このようにすることにより、コンピュータを用いて、ドライバーは、車両の駐車位置に関する評価を容易に得られるようにすることができる。
【0023】
また、上述した情報処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例
【0024】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る情報処理装置100の構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、例えば、演算装置、記憶装置、通信装置、入出力装置等を備えた一般的なサーバ装置等で構成することができる。
【0025】
図1に示すように、情報処理装置100は、複数台の車両200と通信を行なう。ここで、車両200は、走行記録情報生成部210、通信部220を備えている。
【0026】
走行記録情報生成部210は、車両の走行記録である走行記録情報を生成する。走行記録情報は、例えば、車両の時間毎の位置を記録した情報である。走行記録情報に、走行時の映像、エンジン動作情報、加速度情報等を含めるようにしてもよい。また、その車両200に関する情報、例えば、車両の大きさ(小型、普通、大型等)、車両の用途(商用/非商用)等を含めるようにしてもよい。走行記録情報を参照することで、その車両200の時間毎の走行軌跡や、駐車した場合の駐車場所、駐車時間等を把握することができる。
【0027】
通信部220は、走行記録情報を情報処理装置100に送信する。通信部220が行なう通信は無線通信が好ましいが、有線であってもよい。また、可搬型の記憶媒体を介した情報のやり取り等であってもよい。
【0028】
本実施例の情報処理装置100は、走行記録情報取得部110、駐車情報記録部120、地図情報取得部130、評価部140、出力部150を備えている。
【0029】
走行記録情報取得部110は、複数台の車両200からそれぞれの走行記録情報を取得する。上述のように、走行記録情報取得部110は、無線通信、有線通信、記憶媒体等を介して複数台の車両200から走行記録情報を取得することができる。
【0030】
駐車情報記録部120は、それぞれの走行記録情報から、その車両200が駐車している状態を検出し、駐車位置と駐車時間とを駐車情報として記録する。車両200が駐車している状態は、所定時間、例えば、5分以上同じ位置に留まっている場合とすることができる。さらに、エンジン動作が停止していること等を条件としてもよい。駐車位置は、例えば、緯度、経度で示すことができ、駐車時間は、駐車位置に停止してから動き出すまでの時間である。
【0031】
駐車情報記録部120は、車両200が駐車している状態を検出した際、その駐車位置が駐車場である場合には、記録対象から除外することが望ましい。これは、駐車場は本来駐車のために設けられたスペースであり、改めて駐車情報として収集する必要がないためである。
【0032】
駐車位置が駐車場であるかどうかは、例えば、後述する地図情報取得部130が取得する地図情報を参照することで判定することができる。また、駐車位置が、駐車禁止区域として規制されている場合も、駐車情報としてふさわしくないため、記録対象から除外することが望ましい。
【0033】
地図情報取得部130は、情報処理装置100の内部あるいは外部から地図情報を取得する。地図情報は、地図を領域に区分し、領域毎に、道路、建物、駐車場等の情報が付されているものとする。さらに、駐車禁止等区域等の情報も付されていることが望ましい。地図情報を参照することで、例えば、緯度、経度で示された駐車位置と、地図上の駐車位置とを対応させることができる。
【0034】
評価部140は、統計処理部141と属性付与部142とを備えている。統計処理部141は、所定の集計タイミングで、駐車情報記録部120に記録された駐車情報に対して統計処理を行ない、処理結果に基づいて地図上の領域に対して駐車に関する評価を行なう。統計処理の結果に基づく評価としては、例えば、所定期間における駐車台数、平均駐車時間とすることができる。
【0035】
属性付与部142は、統計処理部141の評価結果に基づいて、領域に対して駐車に関する属性を付与する。駐車に関する属性としては、例えば、駐車の可否とすることができる。駐車可の場合には、さらに、長時間の駐車のしやすさを示す駐車許容度の高低の属性を付与してもよい。ただし、属性は、例えば、評価結果に基づいたオペレータの判断に基づいて付与するようにしてもよい。
【0036】
本実施例では、例えば、所定期間における駐車台数が所定の基準台数以上であれば「駐車可」の属性を付与し、基準台数未満であれば「駐車否」の属性を付与する。また、「駐車可」の場合であっても、平均駐車時間が第1基準時間以下であれば「駐車許容度低」とし、「駐車可」の場合であって、平均駐車時間が第2基準時間以上であれば「駐車許容度高」とする。なお、第1基準時間<第2基準時間とする。
【0037】
出力部150は、属性付与部142が付与した領域に対する駐車に関する属性を地図上に示した情報を出力する。この情報を、表示装置に出力することで地図上における駐車位置に関する情報を画面上で確認することができ、印刷装置に出力することで地図上における駐車位置に関する情報を用紙上で確認することができる。
【0038】
次に、本実施例の情報処理装置100の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
走行記録情報取得部110は、通信対象の車両200から走行記録情報を収集する(S101)。走行記録情報の収集は各車両200からリアルタイムに収集してもよいし、バッチ処理的に収集してもよい。
【0040】
走行記録情報を収集すると、駐車情報記録部120が、走行記録情報から駐車情報を検出する(S102)。駐車情報は、駐車位置と駐車時間とを含んでいる。上述のように、駐車は、所定時間、例えば、5分以上同じ位置に留まっている場合とすることができる。走行記録情報にエンジン動作情報が含まれている場合には、エンジン動作が停止していることを条件としてもよい。
【0041】
次いで、検出された駐車位置が、駐車場であるかどうかを判定する(S103)。上述のように、駐車場であるかどうかは、地図情報取得部130が取得する地図情報を参照することで判定することができる。この結果、駐車場での駐車でない場合(S103:No)には、その駐車情報を記録する(S104)。一方、駐車場での駐車の場合(S103:Yes)には、その駐車情報を記録対象から除外する。
【0042】
以上に示した、走行記録情報を収集して(S101)、必要な駐車情報を記録する(S104)までの処理を、所定の集計タイミングになるまで繰り返す(S105)。集計タイミングは、例えば、1日毎、1週間毎、1月毎等と任意に設定することができる。この結果、駐車情報記録部120に複数車両200の所定期間の駐車情報が蓄積されることになる。
【0043】
集計タイミングになると(S105:Yes)、評価部140の統計処理部141は、蓄積された所定期間の駐車情報を対象に統計処理を行なう(S106)。走行記録情報に車両の大きさ、車両の用途に関する情報が含まれている場合には、車両の大きさ、車両の用途毎に統計処理を行なうことができる。また、車両の大きさ、車両の用途毎に後述する属性付与を行なうこともできる。
【0044】
そして、統計処理に基づいて駐車に関する評価を算出する(S107)。駐車に関する評価は、領域毎の駐車台数、平均駐車時間とする。図3は、統計処理に基づいた駐車に関する評価の例を示す図である。ここでは、地図を所定の大きさのメッシュで区分したものを領域とし、それぞれの領域にX1Y1、X1Y2等の識別子を付している。
【0045】
図3の例では、各領域に対して、統計処理で得られた評価として所定期間における駐車台数と平均駐車時間とを対応付けている。例えば、領域X1Y1は、駐車台数8台で、平均駐車時間25分という具合である。これにより、駐車位置に関する評価を容易に得ることができる。なお、領域は、メッシュに限られず、地番等の区切りや、道路リンク等であってもよい。
【0046】
次いで、属性付与部142が、統計処理部141の評価結果に基づいて領域に対して駐車に関する属性を付与する(S108)。駐車に関する属性は、例えば、図4に示すような手順で付与することができる。
【0047】
図4の例では、処理対象としている領域について、駐車台数が所定の基準値P以上であれば(S201:Yes)、駐車の実績が十分あるとして「駐車可」の属性を付与する(S202)。一方、駐車台数が基準値P以上でなければ(S201:No)、駐車の実績が不十分であるとして「駐車否」の属性を付与する(S203)。
【0048】
「駐車可」の属性が付与された場合は、さらに、平均駐車時間が所定の基準時間Q1以下であれば(S204:Yes)、駐車可であっても長時間の駐車がしにくいことが想定されるため、「許容度低」の属性を付与する(S205)。
【0049】
一方、平均駐車時間が所定の基準時間Q2(>Q1)以上であれば(S206:Yes)、長時間の駐車がしやすいことが想定されるため、「許容度高」の属性を付与する(S207)。
【0050】
図2のフローチャートの説明に戻って、領域に駐車に関する属性が付与されると(S108)、出力部150が、地図上の領域に駐車に関する属性を示した情報を出力する(S109)。図5は、地図上の領域に駐車に関する属性を示した情報の例を示す図である。図5の例では、地図上に形成されたメッシュ状の領域に対して、「駐車可」の属性を示す「可」、「許容度低」の属性を示す「低」、「許容度高」の属性を示す「高」を表示している。何も表示していないメッシュは「駐車否」を意味している。勿論、文字に限られず、色、濃淡、網掛け等で駐車に関する属性を表示してもよい。これにより、領域毎の駐車に関する属性が視覚化され、領域毎の駐車に関する属性を容易に知ることができる。
【0051】
以上説明したように、本実施例の情報処理装置100によれば、複数の車両200から収集した走行記録情報に基づいて駐車情報を検出し、検出された駐車情報に基づいた統計処理を行なっているため、車両の駐車位置に関する評価を容易に得ることができる。
【0052】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の情報処理装置を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0053】
例えば、上記した実施例では、情報処理装置1の初期設定については詳述しなかったが、全く空の初期設定でもよいが、これに限定されず、ある程度サンプルを有する状態の初期設定として実施してもよい。
【0054】
この場合、例えば、事業者又は新規事業者に代わって、ある程度の期間サンプルを取得し、この状態で更に付加価値を付けて情報処理装置1のプログラム等を販売すること等もできる。
【符号の説明】
【0055】
100 情報処理装置
110 走行記録情報取得部
120 駐車情報記録部
130 地図情報取得部
140 評価部
141 統計処理部
142 属性付与部
150 出力部
200 車両
図1
図2
図3
図4
図5