(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 51/22 20060101AFI20240209BHJP
B65D 53/02 20060101ALI20240209BHJP
B65D 47/08 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
B65D51/22 110
B65D53/02
B65D47/08 100
(21)【出願番号】P 2020062242
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 学
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-289389(JP,A)
【文献】特開2015-67360(JP,A)
【文献】特開2016-43953(JP,A)
【文献】特開2016-101955(JP,A)
【文献】特開2005-212875(JP,A)
【文献】特開2006-44752(JP,A)
【文献】特開2012-51616(JP,A)
【文献】特開2013-203449(JP,A)
【文献】特開2015-34012(JP,A)
【文献】特開平5-16961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0237178(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00 - 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体の口部に装着され、内容物を注出する注出口が形成されたキャップ本体と、
前記キャップ本体にヒンジ部回りに回動可能に連結され、前記注出口を開閉可能に覆う蓋体と、
前記注出口の開口縁部に破断可能な弱化部を介して連結されることで、前記注出口を閉塞する閉塞板と、
前記蓋体と前記閉塞板とを一体に連結する抜栓体と、を備え、
前記蓋体の頂壁には、該頂壁をキャップ軸方向に貫通すると共に、前記抜栓体が前記キャップ軸方向の一方側から挿入される第1挿入孔が形成され、
前記閉塞板には、該閉塞板を前記キャップ軸方向に貫通すると共に、前記抜栓体が前記キャップ軸方向の一方側から挿入される第2挿入孔が形成され、
前記抜栓体は、前記第1挿入孔の内側に嵌合される第1軸部と、前記第2挿入孔の内側に嵌合される第2軸部と、を備え、
前記第1挿入孔と前記第1軸部との間、及び前記第2挿入孔と前記第2軸部との間のうちの少なくともいずれか一方には、シール部が設けられていることを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
請求項1に記載のヒンジキャップにおいて、
前記第1軸部の外周面は、前記第1挿入孔の内周面に対して密に嵌合可能とされ、前記シール部として機能する第1シール面とされ、
前記第2軸部の外周面は、前記第2挿入孔の内周面に対して密に嵌合可能とされ、前記シール部として機能する第2シール面とされている、ヒンジキャップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヒンジキャップにおいて、
前記蓋体には、前記ヒンジ部回りの前記蓋体の開操作に伴って、前記抜栓体に形成された第1被係止部に対して下方から係止可能とされ、前記抜栓体を上方に引き上げる第1係止部が形成され、
前記抜栓体には、該抜栓体の上方への引き上げに伴って、前記閉塞板に形成された第2被係止部に対して下方から係止可能とされた第2係止部が形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項4】
請求項3に記載のヒンジキャップにおいて、
前記第1係止部は、前記第1被係止部との間に間隔をあけた状態で前記第1被係止部よりも下方に配置され、前記ヒンジ部回りに前記蓋体が所定角度回動したときに前記第1被係止部に対して下方から係止され、
前記抜栓体には、前記第1被係止部に対して前記第1係止部が係止したときに、前記蓋体に対して下方から係止する補助係止部が形成されている、ヒンジキャップ。
【請求項5】
請求項4に記載のヒンジキャップにおいて、
前記蓋体には、前記頂壁の上面から下方に凹み、且つ前記第1挿入孔に連通した収容凹部が形成され、
前記第1軸部には、前記収容凹部内に配置される開封プレートが連設され、
前記開封プレートは、前記頂壁の上面に対して面一となるように配置されていると共に、前記ヒンジ部回りに前記蓋体が所定角度回動したときに前記頂壁の上面よりも下方に位置する、ヒンジキャップ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のヒンジキャップにおいて、
前記閉塞板には、前記弱化部が破断された後、前記ヒンジ部回りの前記蓋体の閉操作に伴って前記注出口の開口縁部をシールする環状のシール片が設けられている、ヒンジキャップ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のヒンジキャップにおいて、
前記抜栓体は、前記蓋体及び前記閉塞板よりも硬質な材料で形成されている、ヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器本体の口部に装着されるキャップとして、例えば下記特許文献1に示されるように、内容物が収容される容器本体の口部に装着されると共に、内容物を注出する注出口が形成されたキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ回りに回動可能に連結され、注出口を開閉可能に覆う蓋体と、注出口の開口縁部に弱化部を介して連結されて注出口を閉塞する抜栓部と、を備えるヒンジキャップが知られている。
このように構成されたヒンジキャップでは、抜栓部に設けられたプルリングの引き上げによって弱化部を破断させながら抜栓部を取り外すことで、注出口を開放することが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のヒンジキャップでは、蓋体をキャップ本体から取り外した後にプルリングの引き上げ操作を行う必要があるので、開封時の操作性について改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、開封時の操作性を向上することができるヒンジキャップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るヒンジキャップは、内容物が収容される容器本体の口部に装着され、内容物を注出する注出口が形成されたキャップ本体と、前記キャップ本体にヒンジ部回りに回動可能に連結され、前記注出口を開閉可能に覆う蓋体と、前記注出口の開口縁部に破断可能な弱化部を介して連結されることで、前記注出口を閉塞する閉塞板と、前記蓋体と前記閉塞板とを一体に連結する抜栓体と、を備え、前記蓋体の頂壁には、該頂壁をキャップ軸方向に貫通すると共に、前記抜栓体が前記キャップ軸方向の一方側から挿入される第1挿入孔が形成され、前記閉塞板には、該閉塞板を前記キャップ軸方向に貫通すると共に、前記抜栓体が前記キャップ軸方向の一方側から挿入される第2挿入孔が形成され、前記抜栓体は、前記第1挿入孔の内側に嵌合される第1軸部と、前記第2挿入孔の内側に嵌合される第2軸部と、を備え、前記第1挿入孔と前記第1軸部との間、及び前記第2挿入孔と前記第2軸部との間のうちの少なくともいずれか一方には、シール部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るヒンジキャップによれば、注出口を閉塞している閉塞板と蓋体とが抜栓体を介して一体に連結されているので、蓋体をヒンジ部回りに回動させることで、閉塞板を蓋体と共に回動させることができる。これにより、蓋体の開操作に伴って閉塞板に外力を加えることができ、弱化部を破断しながら閉塞板を引き上げて注出口から徐々に離脱させることができる。これにより、蓋体の開操作を終えた段階で、注出口を開放することができる。このように、蓋体の開操作と同時に注出口の開放操作を行うことができるので、開封時の操作性を向上することができる。
【0008】
特に抜栓体は、第1挿入孔の内側に嵌合される第1軸部、及び第2挿入孔の内側に嵌合される第2軸部を有し、蓋体及び閉塞板に対して各別に嵌合している。従って、抜栓体による2箇所の嵌合を利用して、蓋体と閉塞板とを強固に連結することが可能である。そのため、例えば蓋体の開封トルクが高い場合であっても、第1挿入孔及び第2挿入孔内から抜栓体が離脱するような不都合を生じさせることなく、抜栓体を介して閉塞板に対して確実に外力を伝えることができる。従って、開封を安定して行うことができる。
【0009】
さらにシール部を有しているので、容器本体にヒンジキャップを装着させた状態において、容器本体の内部と外部との間の密閉性を向上することができる。これにより、外部から容器本体内に外気、水分等が侵入することを抑制することができる。
さらには、ヒンジキャップの製造時等において、抜栓体を、第1挿入孔内及び第2挿入孔内にキャップ軸方向の一方側から挿入するだけの簡便な作業でセットすることができる。従って、抜栓体のセット性に優れ、ヒンジキャップを効率良く製造することが可能である。
【0010】
(2)前記第1軸部の外周面は、前記第1挿入孔の内周面に対して密に嵌合可能とされ、前記シール部として機能する第1シール面とされ、前記第2軸部の外周面は、前記第2挿入孔の内周面に対して密に嵌合可能とされ、前記シール部として機能する第2シール面とされても良い。
【0011】
この場合には、第1シール面及び第2シール面を利用して、上下2箇所で抜栓体をシールすることができるので、容器本体の内部と外部との間の密閉性をより向上することができる。
【0012】
(3)前記蓋体には、前記ヒンジ部回りの前記蓋体の開操作に伴って、前記抜栓体に形成された第1被係止部に対して下方から係止可能とされ、前記抜栓体を上方に引き上げる第1係止部が形成され、前記抜栓体には、該抜栓体の上方への引き上げに伴って、前記閉塞板に形成された第2被係止部に対して下方から係止可能とされた第2係止部が形成されても良い。
【0013】
この場合には、蓋体の開操作に伴って、第1係止部を第1被係止部に対して下方から係止させることができるので、抜栓体を上方に引き上げるように確実に移動させることができる。そして、この抜栓体の引き上げに伴って、第2係止部を第2被係止部に対して下方から係止させることができるので、閉塞板に対して確実に外力を伝えることができる。従って、蓋体の開操作に伴って、弱化部を破断しながら閉塞板をより安定して引き上げることができ、開封時の操作性をより一層向上することができる。
【0014】
(4)前記第1係止部は、前記第1被係止部との間に間隔をあけた状態で前記第1被係止部よりも下方に配置され、前記ヒンジ部回りに前記蓋体が所定角度回動したときに前記第1被係止部に対して下方から係止され、前記抜栓体には、前記第1被係止部に対して前記第1係止部が係止したときに、前記蓋体に対して下方から係止する補助係止部が形成されても良い。
【0015】
この場合には、蓋体を開操作した際、蓋体が所定角度回動したときに第1係止部を第1被係止部に対して下方から係止させることができる。そのため、第1係止部が第1被係止部に係止するまでの間に、抜栓体の第1軸部を第1挿入孔内で相対的に下方移動させることが可能である。そのため、第1被係止部に対する第1係止部の係止後、第1軸部を第1挿入孔内で下方移動させた状態を維持しながら、蓋体のさらなる開操作に伴って抜栓体を引き上げることができる。これにより、弱化部を破断しながら閉塞板を引き上げて、開封を行うことができる。
【0016】
特に、第1被係止部に対する第1係止部の係止後、蓋体に対して補助係止部が下方から係止するので、第1軸部を第1挿入孔内で下方移動させた状態に維持することができる。そのため、その後に蓋体を閉めたとしても、蓋体に対する抜栓体の状態、すなわち第1挿入孔内において第1軸部が下方移動している状態を視認することができ、開封が行われたか否かを把握することができる。このように、蓋体に対する抜栓体の位置関係を視認するだけの簡便な方法で、開封の有無を容易且つ確実に把握することが可能となり、使い易さを向上することができる。
【0017】
(5)前記蓋体には、前記頂壁の上面から下方に凹み、且つ前記第1挿入孔に連通した収容凹部が形成され、前記第1軸部には、前記収容凹部内に配置される開封プレートが連設され、前記開封プレートは、前記頂壁の上面に対して面一となるように配置されていると共に、前記ヒンジ部回りに前記蓋体が所定角度回動したときに前記頂壁の上面よりも下方に位置しても良い。
【0018】
この場合には、開封がされた時に、第1挿入孔内において第1軸部が相対的に下方移動することに伴って、開封プレートを収容凹部内で下方移動させることができる。そのため、開封プレートを、蓋体における頂壁の上面に対して面一の状態から頂壁の上面よりも一段下がった状態に移行させることができる。従って、その後に蓋体を閉めたとしても、収容凹部に対する開封プレートの状態を視認することで、開封状態を把握することが可能となる。特に、開封プレートによって視認可能な面積を増大させることができるので、開封前後における開封プレートの状態を明瞭に視認し易く、開封の有無をより確実に把握することが可能となる。
【0019】
(6)前記閉塞板には、前記弱化部が破断された後、前記ヒンジ部回りの前記蓋体の閉操作に伴って前記注出口の開口縁部をシールする環状のシール片が設けられても良い。
【0020】
この場合には、開封後、ヒンジ部回りに蓋体を閉操作したときに、シール片を利用して注出口の開口縁部をシールしながら蓋体を閉めることができる。そのため、容器本体内を適切に密閉した状態で容器本体の保管等を行うことができる。
【0021】
(7)前記抜栓体は、前記蓋体及び前記閉塞板よりも硬質な材料で形成されても良い。
【0022】
この場合には、抜栓体が蓋体及び閉塞板よりも硬質な材料で形成されているので、蓋体をヒンジ部回りに回動させたときに抜栓体を変形させ難くすることができる。従って、抜栓体を介して蓋体と閉塞板とをより安定して連結させることができ、抜栓体を介して閉塞板に対して外力を安定して伝えることができる。従って、開封時の操作性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るヒンジキャップによれば、開封時の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るヒンジキャップの第1実施形態を示す縦断面図である。
【
図2】
図1に示すA-A線に沿った閉塞板の上面図である。
【
図3】
図1に示す状態から開封を行い、その後に蓋体をキャップ本体に対して閉めた状態を示す縦断面図である。
【
図4】本発明に係るヒンジキャップの第2実施形態を示す縦断面図である。
【
図5】本発明に係るヒンジキャップの第3実施形態を示す縦断面図である。
【
図6】
図5に示す状態から蓋体を開操作して、抜栓体を上方に引き上げ操作しはじめた状態を示す縦断面図である。
【
図7】
図6に示す状態から開封を行い、その後に蓋体をキャップ本体に対して閉めた状態を示す縦断面図である。
【
図8】本発明に係るヒンジキャップの第4実施形態を示す縦断面図である。
【
図9】
図8に示す状態から蓋体を開操作して、抜栓体を上方に引き上げ操作しはじめた状態を示す縦断面図である。
【
図10】
図9に示す状態から開封を行い、その後に蓋体をキャップ本体に対して閉めた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明に係るヒンジキャップの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のヒンジキャップ1は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2の口部2aに装着され、内容物を注出する注出口11が形成された筒状のキャップ本体10と、キャップ本体10に対してヒンジ部12を介して連結され、注出口11を開閉可能に覆う有頂筒状の蓋体13と、注出口11の開口縁部に弱化部14を介して連結されることで、注出口11を閉塞する閉塞板15と、蓋体13と閉塞板15とを一体に連結する抜栓体16とを備えている。
【0026】
なお、キャップ本体10、蓋体13及び閉塞板15は、一体に形成されている。抜栓体16は、これらキャップ本体10、蓋体13及び閉塞板15とは別体に形成され、蓋体13及び閉塞板15に対して一体に組み合わされている。
【0027】
ヒンジキャップ1及び容器本体2は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態では、この共通軸をキャップ軸O1といい、キャップ軸O1に沿った蓋体13側を上側といい、容器本体2側を下側という。また、キャップ軸O1方向から見た平面視において、キャップ軸O1に交差する方向を径方向といい、キャップ軸O1回りに周回する方向を周方向という。
さらに径方向のうち互いに直交し合う一方向を前後方向L1といい、他方向を左右方向L2という。さらには前後方向L1のうちヒンジ部12側を後方とし、その反対側を前方とする。
【0028】
容器本体2の口部2aの外周面には、径方向の外側に向けて突出した第1係合突起3が形成されている。なお、第1係合突起3は、環状に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
なお、第1係合突起3を形成する場合に限定されるものではなく、例えば容器本体2の口部2aの外周面に第1係合突起3に代えて雄ねじ部を形成しても構わない。
【0029】
容器本体2内に収容される内容物は、特に限定されるものではないが、例えば、液体食品や液体調味料等の流動性を有する内容物等を好適に利用することができる。さらには、内容物として、例えば塩や紛体食品調味料、小麦粉等の紛体状の内容物や、肥料、除草剤等の粒体状の内容物等を用いることも可能である。
【0030】
キャップ本体10は、容器本体2の口部2aの内側を閉塞する有頂筒状の中栓20と、口部2aの内側に嵌合されるシール筒21と、口部2aを径方向の外側から囲む装着筒22と、を備えている。
【0031】
中栓20は、注出口11が形成された円板状の天壁部20aと、天壁部20aの外周縁部に全周に亘って連設され、外周縁部から下方に向かって延びた周壁部20bと、で有頂筒状に形成されている。
図示の例では、中栓20は、容器本体2の口部2aよりも上方側に配置されている。ただし、容器本体2の口部2aに対する中栓20の位置は、この場合に限定されるものではなく、例えば容器本体2の口部2aの内側に位置するように配置されていても構わない。
【0032】
周壁部20bの下端部には、径方向の外側に向けて延びると共に、容器本体2の口部2aの上端開口端上に配置される環状のフランジ部23が形成されている。このフランジ部23には、シール筒21の上端部及び装着筒22の上端部がそれぞれ一体に形成されている。これにより、シール筒21及び装着筒22は、フランジ部23を介して中栓20に一体に連結されている。
【0033】
なお、フランジ部23には、上方に向けて突出すると共に蓋体13を下方から支持する環状の支持筒24が形成されている。さらに装着筒22の上端部には、上方に向けて開口した環状溝22aが形成されている。ただし、この環状溝22aは必須なものではなく、具備しなくても構わない。
また、図示しないが、ヒンジキャップ1を容器本体2の口部2aから分別できる構造を設けてもよい。この場合には、例えばヒンジキャップ1における装着筒22のヒンジ部12の近傍位置に縦弱化部を設けると共に、該縦弱化部(始点)から環状溝22aの底面内に沿って周方向弱化部を約270°(終点)にわたって形成する。なお、周方向弱化部の終点位置には環状溝22aを設けておらず、破断不能な肉厚部となっている。このような構造において分別する際は、縦弱化部(始点)から周方向弱化部(終点)まで弱化部を破断し、蓋体13を引き上げることで、破断不能な肉厚部を介して容器本体2の口部2aからキャップ本体10を取り外すことができ、ヒンジキャップ1の全体を取り外すことができる。
【0034】
シール筒21及び装着筒22は、例えば打栓によって、シール筒21と装着筒22との間に形成された装着溝25内に口部2aが入り込むことで、口部2aに対して嵌合固定されている。この際、シール筒21及び装着筒22は、口部2aを内外から挟み込んでいるので、強固な嵌合力で口部2aに装着されている。なお、シール筒21は、容器本体2の口部2aの内側に例えば気密に嵌合され、容器本体2内を適切に密封している。
【0035】
図示の例では、装着筒22は、容器本体2の口部2aに対してアンダーカット嵌合されている。具体的には、装着筒22の下端部における内周面には、口部2aの外周面に形成された第1係合突起3に係合する第2係合突起26が径方向の内側に向けて突出しており、第2係合突起26が第1係合突起3に対してアンダーカット嵌合されている。
なお、第2係合突起26は、第1係合突起3に対してアンダーカット嵌合可能とされていれば、環状に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
【0036】
ただし、容器本体2の口部2aに対する装着筒22の装着方法は、打栓等によるアンダーカット嵌合に限定されるものではない。例えば先に述べたように、容器本体2の口部2aの外周面に雄ねじ部を形成した場合には、装着筒22の内周面に雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を形成することで、螺着によって容器本体2の口部2aに対して装着筒22を装着しても構わない。
【0037】
中栓20における天壁部20aの外周縁部には、上方に向けて突出する注出筒27が形成されている。注出筒27は、注出口11を通じて容器本体2内に連通している。よって、注出筒27の内側を通じて内容物を外部に吐出することが可能とされている。
注出筒27は、キャップ軸O1と同軸に配置され、上端部側の内径が上方に向かうにしたがって漸次拡径するように形成されている。そのため、注出筒27を通じて内容物を注出することが可能とされている。
【0038】
図示の例では、注出筒27の突出高さは、全周に亘って同一ではなく、周方向に沿って変化している。具体的には、注出筒27は、突出高さが最も高い頂上部27aが前方側に位置し、突出高さが最も低い低位置部27bが後方側に位置するように形成されている。これにより、注出筒27は、頂上部27a及び低位置部27bがキャップ軸O1を挟んで径方向に向かい合うように形成されている。
このように注出筒27が形成されているため、頂上部27aが下向きとなるように容器本体2を前方に向けて傾けることで、内容物を容易に注出することが可能とされている。
【0039】
蓋体13は、周壁30及び頂壁31を備えた有頂筒状に形成され、キャップ本体10における天壁部20a及び注出筒27の全体を上側から覆っていると共に、ヒンジ部12回りに回動することで注出口11を開閉することが可能とされている。
【0040】
周壁30は、下端部側がキャップ本体10における支持筒24に対して着脱可能に嵌合されている。これにより、蓋体13は支持筒24によって位置決めされた状態で支持されている。ヒンジ部12は、蓋体13における周壁30の下端部とキャップ本体10における装着筒22の上端部とを一体に連結している。
【0041】
ヒンジ部12は、周壁30及び装着筒22における後方部分に形成され、注出筒27における低位置部27bに対して周方向位置が同じ位置となるように配置されている。これにより、注出筒27における頂上部27aとは径方向の反対側に向けて、すなわち後方側に向けて蓋体13を開操作することが可能となる。
【0042】
なお、蓋体13の周壁30のうち、キャップ軸O1を挟んでヒンジ部12とは反対側に位置する前方部分には、径方向の外側に向けて突出した摘み片32が形成されている。この摘み片32を利用することで、ヒンジ部12回りに蓋体13を容易に開閉操作することが可能とされている。
【0043】
蓋体13における頂壁31には、下方に向けて突出すると共に、注出筒27の内側に着脱可能に嵌合する閉塞筒33がキャップ軸O1と同軸に形成されている。閉塞筒33が注出筒27の内側に嵌合することで、注出筒27の内側をシールすることが可能とされている。
【0044】
さらに頂壁31のうちキャップ軸O1よりも前方に位置する部分には、下方に向けて突出する第1挿入筒34が抜栓軸O2を中心として形成されている。この第1挿入筒34の内側は、頂壁31を上下方向に貫通する第1挿入孔35とされている。
第1挿入孔35は、抜栓軸O2を中心とした平面視円形状に形成され、閉塞板15の上方に位置するように配置されている。また、第1挿入孔35内には、抜栓体16が下方から挿入されている。
なお、抜栓軸O2方向から見た平面視において、抜栓軸O2に交差する方向を抜栓径方向といい、抜栓軸O2回りに周回する方向を抜栓周方向という。
【0045】
第1挿入筒34における下端部側の内周面には、抜栓径方向の内側に向けて突出した係止突起(本発明に係る第1係止部)36が例えば環状に形成されている。なお、係止突起36は、環状に形成されている必要はなく、例えば抜栓周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
係止突起36は、抜栓軸O2に形成された後述する環状の係止段部(本発明に係る第1被係止部)53に対して下方から係止可能とされている。
【0046】
図1及び
図2に示すように、閉塞板15は、キャップ軸O1と同軸に配設された状態で、注出口11の内側に配置されている。閉塞板15は、先に述べたように弱化部14を介して注出口11における開口縁部に連結されている。また、閉塞板15は抜栓体16を介して蓋体13に一体に連結されており、ヒンジ部12回りの蓋体13の開操作に伴って弱化部14を破断しながら注出口11から離脱可能とされている。
【0047】
閉塞板15は、キャップ軸O1方向から見た平面視で、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い概略楕円形状に形成されている。
詳細に説明する。
閉塞板15のうち前方側に位置する部分は、蓋体13の開操作に伴って、上方に向けて最初に引き上げられることで弱化部14を最初に破断させる破断開始端部15aとされている。これに対して閉塞板15のうち、後方側(ヒンジ部12側)に位置する部分は、蓋体13の開操作に伴って、上方に向けて最後に引き上げられることで弱化部14の破断を終了させる破断終了端部15bとされている。
【0048】
破断開始端部15a及び破断終了端部15bは、前後方向L1に沿って配置されていると共に、キャップ軸O1を挟んで径方向の反対側に位置するように配置されている。図示の例では、破断開始端部15aは、前方に向けて凸に膨らむ円弧状に形成されている。また破断終了端部15bは、後方に向けて凸に膨らむ円弧状に形成されている。なお、破断終了端部15bは、破断開始端部15aの曲率よりも大きな曲率で円弧状に形成されている。
【0049】
閉塞板15のうち、左右方向L2に沿って配置されていると共に、キャップ軸O1を挟んで径方向の反対側に位置する一対の中間部15cは、左右方向L2の外側に向けて凸に膨らむ円弧状に形成されている。従って、閉塞板15は、一対の中間部15cを含む、前後方向L1の中間部分において、左右方向L2に沿った長さが最も幅広とされている。
閉塞板15は、上述した破断開始端部15a、破断終了端部15b及び一対の中間部15cを周方向に沿って滑らか且つ連続的に繋ぐように外形形成されている。
【0050】
さらに閉塞板15のうちキャップ軸O1よりも前方に位置する部分には、上方に向けて突出する第2挿入筒40が抜栓軸O2と同軸に形成されている。この第2挿入筒40の内側は、閉塞板15を上下方向に貫通する第2挿入孔41とされている。第2挿入孔41内には、抜栓体16が下方から挿入されている。つまり、抜栓体16は、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に下方から連続的に挿入可能とされている。
なお、第2挿入孔41は、抜栓軸O2を中心とした平面視円形状に形成され、蓋体13側に形成された第1挿入孔35よりも大きい直径となるように形成されている。
【0051】
閉塞板15の下面には、外周縁部に沿って環状に形成され、且つ下方に向けて突出した環状の枠壁部42が形成されている。
さらに閉塞板15の下面には、第2挿入孔41の開口部を囲むように、下方に向けて突出した保持筒43が抜栓軸O2と同軸に形成されている。図示の例では、保持筒43は、内径が第2挿入孔41の直径よりも大きく、且つ第2挿入筒40の外径と同径となるサイズで形成されている。なお、保持筒43のうち前方部分は、枠壁部42の一部としての機能している。
【0052】
枠壁部42の下端縁には、下方に向けて突出するように環状のシール片44が形成されている。シール片44は、枠壁部42の全周に亘って形成されていると共に、下方に向かうにしたがって径方向の外側に向けて延びるように形成されている。従って、シール片44は、径方向の外側に向けて斜め下向きに突出するように形成されている。この際、シール片44の下端部は、弱化部14を超えて、キャップ本体10における天壁部20aの下方に入り込む程度、突出している。
【0053】
このように構成されたシール片44は、開封後、蓋体13をヒンジ部12回りに閉操作したときに、注出口11の開口縁部に対して上方から接触すると共に、上端部を基点として上下反転するように弾性変形することで注出口11の開口縁部をシールすることが可能とされている(
図3参照)。
【0054】
図2に示すように、キャップ本体10の天壁部20aに形成された注出口11は、閉塞板15の外形形状に対応して開口するように形成されていると共に、閉塞板15の外形サイズよりも僅かに大きい開口サイズとなるように形成されている。
さらに弱化部14は、閉塞板15の外形形状に対応した環状に形成され、閉塞板15の外周縁部と注出口11の開口縁部とを全周に亘って連結している。弱化部14は、天壁部20a及び閉塞板15の厚みよりも薄肉に形成されることで破断容易とされ、例えば全周に亘って均一な厚みで連続して延在している。
【0055】
抜栓体16は、先に述べたようにキャップ本体10、蓋体13及び閉塞板15とは別体に形成され、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に下方(キャップ軸O1方向の一方側)から挿入されることによって、蓋体13及び閉塞板15に対して一体に組み合わされている。
【0056】
図1及び
図2に示すように、抜栓体16は、上下方向に外径が変化した多段軸状に形成され、抜栓軸O2と同軸に配置されている。抜栓体16は、第1挿入孔35内に挿入され、且つ第1挿入孔35の内側に嵌合される第1軸部50と、第2挿入孔41内に挿入され、且つ第2挿入孔41の内側に嵌合される第2軸部51と、を主に備えている。
【0057】
第1軸部50は、中実の円柱状に形成され、上端部側が第1挿入孔35の内側に嵌合され、下端部側が第2挿入筒40の上方に位置している。第1軸部50の上端部の外径は、第1挿入孔35の内径と同径に形成されている。そのため、第1軸部50の上端部側の外周面は、第1挿入孔35の内周面に対して密に嵌合可能とされた第1シール面50aとされている。よって、第1シール面50aは、第1軸部50と第1挿入孔35との間をシールするシール部として機能する。
【0058】
第1軸部50のうち係止突起36の内側に位置する部分から下端部に至る部分は、外径が僅かに縮径している。これにより、第1軸部50には、外径の差異によって、下方を向いた環状の係止段部53が形成されている。蓋体13側に形成された係止突起36は、この係止段部53に対して下方から係止可能とされている。
【0059】
第2軸部51は、上端部が第1軸部50の下端部に連設され、下端部が閉塞板15よりも下方に突出している。第2軸部51の外径は、第2挿入孔41の内径と同径に形成されている。そのため、第2軸部51の外周面は、第2挿入孔41の内周面に対して密に嵌合可能とされた第2シール面51aとされている。よって、第2シール面51aは、第2軸部51と第2挿入孔41との間をシールするシール部として機能する。
また、第2軸部51の外径が第2挿入孔41の内径と同径に形成されているので、第2軸部51は第1軸部50よりも大きい直径で形成されている。
【0060】
第2軸部51における下端部には、抜栓径方向の外側に向かって突出した環状の係止フランジ部(本発明に係る第2係止部)54が形成されている。係止フランジ部54は、保持筒43の内側に配置されると共に、閉塞板15の下面(本発明に係る第2被係止部)55に対して下方から係止可能とされている。
【0061】
なお、第2軸部51には、下方に向けて開口した開口部56が形成されている。これにより、第2軸部51は円筒状に形成され、第2シール面51aを第2挿入孔41の内周面に対して強く押し当て易い構造とされている。そのため、抜栓体16が第2挿入孔41内から容易に抜け難い構造とされているうえ、第2軸部51と第2挿入孔41との間に高いシール性を発揮させることが可能とされている。
ただし、第2軸部51の形状としては、この場合に限定されるものではなく、例えば中実の円柱状に形成しても構わない。
【0062】
上述のように構成された抜栓体16は、キャップ本体10、蓋体13及び閉塞板15よりも硬質な材料で形成されている。例えばキャップ本体10、蓋体13及び閉塞板15を、LLDPEやLDPE等の低密度ポリエチレンで形成した場合には、抜栓体16を、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂材料で形成することが可能である。ただし、抜栓体16の材料としては、この場合に限定されるものではなく、他の樹脂材料等を採用しても構わない。
【0063】
(ヒンジキャップの作用)
上述のように構成されたヒンジキャップ1の作用について説明する。
製品輸送時や製品流通時等の未開封時では、
図1に示すように、注出口11の開口縁部に弱化部14を介して連結された閉塞板15が注出口11を閉塞している。さらに、抜栓体16における第1軸部50と第1挿入孔35との間が第1シール面50aによってシールされ、抜栓体16における第2軸部51と第2挿入孔41との間が第2シール面51aによってシールされている。これにより、上下2箇所で抜栓体16をシールすることができる。
【0064】
以上のことから、容器本体2の内部と外部との間を高い密閉性で密封することができ、外部への内容物の漏出を適切に防止することができると共に、外部から容器本体2内に外気、水分等が侵入することを抑制することができる。
【0065】
次に、内容物の注出を行う場合には、摘み片32等を利用してヒンジ部12回りに蓋体13の開操作を行う。このとき、蓋体13の頂壁31と閉塞板15とが抜栓体16を介して一体に連結されているので、閉塞板15を蓋体13と共にヒンジ部12回りに回動させることができる。
これにより、蓋体13の開操作に伴って閉塞板15に外力を加えることができ、弱化部14を破断しながら閉塞板15を上方に引き上げて、注出口11から徐々に離脱させることができる。
【0066】
具体的には、蓋体13をヒンジ部12回りに開操作した際、閉塞板15のうちキャップ軸O1を挟んでヒンジ部12とは径方向の反対側に位置する破断開始端部15aに対して最初に外力を伝えることができるので、破断開始端部15a側から閉塞板15の引き上げを行うことができる。そのため、破断開始端部15a側に位置する弱化部14を最初に破断させることができ、その後の蓋体13の開操作及び閉塞板15の引き上げ操作に伴って、破断終了端部15b側に向けて弱化部14の破断を徐々に進行させることができる。
その結果、蓋体13の開操作を終えた段階で、注出口11を開放することができる。このように、蓋体13の開操作と同時に注出口11の開放操作を行うことができるので、開封時の操作性を向上することができる。
【0067】
特に抜栓体16は、第1挿入孔35の内側に嵌合される第1軸部50、及び第2挿入孔41の内側に嵌合される第2軸部51を有し、蓋体13及び閉塞板15に対して各別に嵌合している。従って、抜栓体16を介して蓋体13と閉塞板15とを強固に連結することが可能であり、例えば蓋体13の開封トルクが高い場合であっても、第1挿入孔35及び第2挿入孔41内から抜栓体16が離脱するような不都合を生じさせることなく、抜栓体16を介して閉塞板15に対して確実に外力を伝えることができる。従って、開封を安定して行うことができる。
【0068】
さらには、蓋体13の開操作に伴って、係止突起36を係止段部53に対して下方から係止させることができるので、抜栓体16を上方に引き上げるように移動させることができる。そして、この抜栓体16の引き上げに伴って、係止フランジ部54を閉塞板15の下面55に対して下方から係止させることができるので、閉塞板15に対して確実に外力を伝えることができる。
従って、蓋体13の開操作に伴って、弱化部14を破断しながら閉塞板15を安定して引き上げることができ、開封時の操作性をより一層向上することができる。
【0069】
なお、開封後、容器本体2を前方に向けて傾けることで、注出筒27における頂上部27aを下向きにすることができる。これにより、容器本体2内の内容物を注出筒27の頂上部27aから外部に注出することが可能である。
【0070】
また、内容物の注出後、蓋体13をヒンジ部12回りに閉操作することで、閉塞筒33を利用して注出筒27のシールを適切に行うことができる。それに加えて、
図3に示すように、シール片44を上下反転させるように弾性変形させることができ、該シール片44を利用して注出口11の開口縁部をシールしながら蓋体13を閉めることができる。
これにより、容器本体2内を適切に密閉した状態で容器本体2の保管等を行うことができると共に、蓋体13の頂壁31、キャップ本体10の閉塞板15、閉塞筒33及び抜栓体16で囲まれた空間内に内容物が侵入せず汚れを防止することが可能である。
【0071】
以上説明したように、本実施形態のヒンジキャップ1によれば、開封時の操作性を向上することができる。
さらに、抜栓体16を蓋体13及び閉塞板15よりも硬質な材料で形成しているので、蓋体13をヒンジ部12回りに回動させたときに抜栓体16を変形させ難くすることができる。従って、抜栓体16を介して蓋体13と閉塞板15とをより安定して連結させることができ、抜栓体16を介して閉塞板15に対して外力を安定して伝えることができる。従って、開封時の操作性をさらに向上させることができる。
【0072】
さらにヒンジキャップ1の製造時において、抜栓体16を、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に下方から挿入するだけの簡便な作業でセットすることができる。従って、抜栓体16のセット性に優れ、ヒンジキャップ1を効率良く製造することが可能である。
特に、第1軸部50は第2軸部51よりも小径に形成されているので、抜栓体16を第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に下方から挿入する際に、第2挿入孔41内を第1軸部50が容易に通過するように挿入作業を行うことができる。従って、抜栓体16のセット性を向上することができる。
【0073】
(第2実施形態)
次に、本発明に係るヒンジキャップの第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体16を下方から挿入可能に構成したが、本実施形態では第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体を上方から挿入可能に構成している。
【0074】
図4に示すように、本実施形態のヒンジキャップ60は、蓋体13における頂壁31の上面には、第1挿入孔35よりも径の大きい平面視円形状の係止凹部61が抜栓軸O2と同軸に形成されている。これにより、係止凹部61は、第1挿入孔35に対して連設されている。また、係止凹部61における底面は、上方を向いた環状の係止面(本発明に係る第1係止部)62とされている。
【0075】
また、第2挿入筒40における上端部側の内周面には、抜栓径方向の内側に向けて突出した係止突起(本発明に係る第2被係止部)65が例えば環状に形成されている。なお、係止突起65は、環状に形成されている必要はなく、例えば抜栓周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
【0076】
本実施形態の抜栓体66は、上下方向に外径が変化した多段軸状に形成され、抜栓軸O2と同軸に配置されている。抜栓体66は、第1挿入孔35内に挿入され、且つ第1挿入孔35の内側に嵌合される第1軸部70と、第2挿入孔41内に挿入され、且つ第2挿入孔41の内側に嵌合される第2軸部71と、を主に備えている。
【0077】
第1軸部70は、外径が第1挿入孔35の内径と同径に形成されている。そのため、第1軸部70の外周面は、第1挿入孔35の内周面に対して密に嵌合可能とされた第1シール面70aとされている。よって、第1シール面70aは、第1軸部70と第1挿入孔35との間をシールするシール部として機能する。
【0078】
第1軸部70における上端部には、抜栓径方向の外側に向かって突出した環状の係止フランジ部(本発明に係る第1被係止部)72が形成されている。係止フランジ部72は、係止凹部61内に配置されると共に、係止面62に対して上方から係止されている。そのため、係止面62は、係止フランジ部72に対して下方から係止可能とされている。
【0079】
なお、第1軸部70には、上方に向けて開口した開口部73が形成されている。これにより、第1軸部70は円筒状に形成され、第1シール面70aを第1挿入孔35の内周面に対して強く押し当て易い構造とされている。そのため、抜栓体66が第1挿入孔35内から容易に抜け難い構造とされているうえ、第1軸部70と第1挿入孔35との間に高いシール性を発揮させることが可能とされている。
ただし、第1軸部70の形状としては、この場合に限定されるものではなく、例えば中実の円柱状に形成しても構わない。
【0080】
第2軸部71は、抜栓軸O2に沿って延びた中実の円柱状に形成され、上端部側が第1軸部70の下端部に連設され、下端部側が第2挿入孔41の内側に嵌合されている。第2軸部71の下端部の外径は、第2挿入孔41の内径と同径に形成されている。そのため、第2軸部71の下端部側の外周面は、第2挿入孔41の内周面に対して密に嵌合可能とされた第2シール面71aとされている。よって、第2シール面71aは、第2軸部71と第2挿入孔41との間をシールするシール部として機能する。
【0081】
第2軸部71のうち係止突起65の内側に位置する部分から上端部に至る部分は、外径が僅かに縮径している。これにより、第2軸部71には、外径の差異によって上方を向いた環状の係止段部(本発明に係る第2係止部)75が形成されている。よって、係止段部75は、蓋体13側に形成された係止突起65に対して下方から係止可能とされている。
なお、第2軸部71の外径は、第1軸部70よりも小さい直径で形成されている。
【0082】
(ヒンジキャップの作用)
上述のように構成された本実施形態のヒンジキャップ60であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
例えば、蓋体13の開操作に伴って、係止凹部61における係止面62を係止フランジ部72に対して下方から係止させることができるので、抜栓体66を上方に引き上げるように移動させることができる。そして、この抜栓体66の引き上げに伴って、係止段部75を係止突起65に対して下方から係止させることができるので、閉塞板15に対して確実に外力を伝えることができる。
従って、蓋体13の開操作に伴って、弱化部14を破断しながら閉塞板15を安定して引き上げることができ、開封時の操作性をより一層向上することができる。
【0083】
さらに、本実施形態の場合であっても、内容物の注出後、蓋体13をヒンジ部12回りに閉操作することで、閉塞筒33を利用して注出筒27のシールを適切に行うことができると共に、シール片44を上下反転させるように弾性変形させることで注出口11の開口縁部をシールしながら蓋体13を閉めることができる。
これにより、容器本体2内を適切に密閉した状態で容器本体2の保管等を行うことができると共に、蓋体13の頂壁31、キャップ本体10の閉塞板15、閉塞筒33及び抜栓体66で囲まれた空間内に内容物が侵入せず汚れを防止することが可能である。
【0084】
さらに第1実施形態と同様に、ヒンジキャップ60の製造時に、抜栓体66を、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に上方から挿入するだけの簡便な作業でセットすることができる。従って、抜栓体66の挿入方向が第1実施形態と異なるだけで、依然として抜栓体66のセット性に優れ、ヒンジキャップ60を効率良く製造することが可能である。
しかも、第2軸部71は第1軸部70よりも小径に形成されているので、抜栓体66を第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に上方から挿入する際に、第1挿入孔35内を第2軸部71が容易に通過するように挿入作業を行うことができる。従って、抜栓体66のセット性を向上することができる。
【0085】
(第3実施形態)
次に、本発明に係るヒンジキャップの第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体16を下方からセットした段階で、蓋体13側の係止突起36が抜栓体16側の係止段部53に対して下方から係止されていたが、本実施形態では、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体16をセットした段階で、係止突起36が係止段部53よりも下方に位置して、係止段部53に対して非係止状態とされている。
【0086】
図5に示すように本実施形態のヒンジキャップ80は、蓋体13における第1挿入筒34が第1実施形態よりもさらに下方に向けて延びるように形成されている。これにより、第1挿入筒34の下端部に形成された係止突起36は、抜栓体16における係止段部53との間に間隔をあけた状態で係止段部53よりも下方に配置されている。
従って、係止突起36は、
図6に示すように、蓋体13をヒンジ部12回りに所定角度回動したとき、すなわち上記間隔に対応する角度分だけ回動したときに、係止段部53に対して下方から係止可能とされている。
【0087】
さらに抜栓体16における第1軸部50には、
図5に示すように、係止段部53よりも下方に位置する部分から抜栓径方向の外側に向けて突出した補助係止突起(本発明に係る補助係止部)81が例えば環状に形成されている。なお、補助係止突起81は、環状に形成されている必要はなく、例えば抜栓周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
【0088】
補助係止突起81は、抜栓体16がセットされた段階では、係止段部53と係止突起36との間に位置し、且つ
図6に示すように係止突起36が係止段部53に対して下方から係止したときに、係止突起36に対して下方から係止可能な位置に形成されている。
【0089】
さらに本実施形態の抜栓体16は、第1軸部50と第1挿入孔35との間のシール性、及び第2軸部51と第2挿入孔41との間のシール性を維持しながら、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。
【0090】
さらに本実施形態の第2挿入筒40は、
図5に示すように、第1実施形態よりも上方に向けて延びており、上端部が第1挿入筒34の下端縁に対して下方から接触している。これにより、ヒンジキャップ80の製造時、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体16を下方から挿入してセットするときに、蓋体13の頂壁31及び閉塞板15を上下方向に互いに位置決めすることができるので、頂壁31及び閉塞板15が上下方向に変位することを抑制できる。従って、頂壁31及び閉塞板15に作用する負荷を抑制しながら抜栓体16をセットすることが可能である。
【0091】
さらに第2挿入筒40のうち後方に位置する部分には、補強リブ82が一体に形成されている。補強リブ82は、下端部が閉塞板15の上面に一体に形成されている。図示の例では、補強リブ82は、後端縁が下端部から上端部に向かうにしたがって前方に向けて傾斜した側面視三角形状に形成されている。
【0092】
(ヒンジキャップの作用)
上述のように構成された本実施形態のヒンジキャップ80であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
特に本実施形態の場合には、蓋体13を開操作した際、
図6に示すように、蓋体13が所定角度回動したときに係止突起36を係止段部53に対して下方から係止させることができる。そのため、係止突起36が係止段部53に対して係止するまでの間に、抜栓体16の第1軸部50を第1挿入孔35内において相対的に下方移動させることができる。これにより、第1軸部50の上端面は、蓋体13における頂壁31の上面から下方に移動した状態となる。
【0093】
そして、係止段部53に対する係止突起36の係止後、蓋体13のさらなる開操作を行うことで、第1軸部50を第1挿入孔35内で下方移動させた状態を維持しながら、抜栓体16を上方に引き上げるように移動させることができる。これにより、弱化部14を破断しながら閉塞板15を引き上げて、開封を行うことができる。
【0094】
特に、第2挿入筒40に補強リブ82が形成されているので、第2挿入筒40を変形させ難くすることができる。そのため、蓋体13の開操作によって、閉塞板15の破断開始端部15a側に応力を集中させ易くすることができ、破断開始端部15a側に位置する弱化部14を最初に確実に破断させることが可能となる。
【0095】
さらに、係止段部53に対する係止突起36の係止後、係止突起36に対して補助係止突起81が下方から係止する。これにより、補助係止突起81を蓋体13に対して下方から係止させることができ、第1軸部50を第1挿入孔35内で下方移動させた状態に維持することができる。そのため、
図7に示すように、蓋体13を閉めたとしても、蓋体13に対する抜栓体16の状態、すなわち第1挿入孔35内において第1軸部50が下方移動している状態を視認することで、開封が行われたか否かを把握することができる。
このように、蓋体13に対する抜栓体16の位置関係を視認するだけの簡便な方法で、開封の有無を容易且つ確実に把握することができるので、使い易さを向上することができる。
【0096】
なお、開封後に蓋体13を閉操作した場合には、シール片44が注出口11の開口縁部に対して上方から接触すると共に、上下反転するように弾性変形して注出口11の開口縁部をシールする。そのため、閉塞板15は注出口11よりも下方に移動することが規制される。
これに対して先に述べたように、抜栓体16自体は第1挿入孔35内において下方移動した状態で蓋体13に組み合わされているので、
図7に示すように、閉塞板15の位置が注出口11の位置で規制された後、さらなる蓋体13の閉操作に伴って抜栓体16を第2挿入孔41内において下方移動させることができる。これにより、キャップ本体10に対して蓋体13を適切に閉じることが可能となる。
【0097】
従って、本実施形態の場合であっても、閉塞筒33を利用して注出筒27のシールを適切に行うことができると共に、シール片44を利用して注出口11の開口縁部をシールしながら蓋体13を閉めることができる。これにより、容器本体2内を適切に密閉した状態で容器本体2の保管等を行うことができると共に、蓋体13の頂壁31、キャップ本体10の閉塞板15、閉塞筒33、第1挿入筒34及び第2挿入筒40で囲まれた空間内に内容物が侵入せず汚れを防止することが可能である。
【0098】
(第4実施形態)
次に、本発明に係るヒンジキャップの第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態では、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体66を上方からセットした段階で、蓋体13側の係止面62が抜栓体66側の係止フランジ部72に対して下方から係止されていたが、本実施形態では、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体66をセットした段階で、係止面62が係止フランジ部72よりも下方に位置して、係止フランジ部72に対して非係止状態とされている。
【0099】
図8に示すように本実施形態のヒンジキャップ90は、頂壁31における上面に、該頂壁31から下方に凹む収容凹部91が係止凹部61に連通するように形成されている。従って、収容凹部91内は、第1挿入孔35内に連通している。
なお、収容凹部91は、少なくとも前後方向L1に沿って延びるように形成されていると共に、係止凹部61と同程度の深さとなるように形成されている。
【0100】
本実施形態の抜栓体66は、第1軸部70が中実の円柱状に形成されている。さらに第1軸部70の上端部には、係止フランジ部72に対して開封プレート92が一体に形成されている。開封プレート92は、頂壁31に沿って延びるように形成され、収容凹部91内に配置されている。この際、係止フランジ部72及び開封プレート92は、蓋体13における頂壁31の上面に対して面一となるように配置されている。
【0101】
収容凹部91及び係止凹部61の深さは、係止フランジ部72及び開封プレート92との間に隙間が確保されるように形成されている。これにより、係止凹部61における係止面62は、係止フランジ部72との間に間隔をあけた状態で係止フランジ部72よりも下方に配置されている。
従って、係止面62は、
図9に示すように、蓋体13をヒンジ部12回りに所定角度回動したとき、すなわち上記間隔に対応する角度分だけ回動したときに、係止フランジ部72に対して下方から係止可能とされている。
【0102】
さらに抜栓体66における第1軸部70には、
図8に示すように、係止面62よりも下方に位置する部分から抜栓径方向の外側に向けて突出した補助係止突起(本発明に係る補助係止部)93が例えば環状に形成されている。
なお、補助係止突起93は、環状に形成されている必要はなく、例えば抜栓周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
【0103】
補助係止突起93は、抜栓体66がセットされた段階では、係止面62よりも下方に位置し、且つ
図9に示すように係止面62が係止フランジ部72に対して下方から係止したときに、第1挿入筒34の下端縁に対して下方から係止可能な位置に形成されている。
【0104】
さらに本実施形態の抜栓体66は、第1軸部70と第1挿入孔35との間のシール性、及び第2軸部71と第2挿入孔41との間のシール性を維持しながら、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。
【0105】
(ヒンジキャップの作用)
上述のように構成された本実施形態のヒンジキャップ90であっても、第2実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
特に本実施形態の場合には、蓋体13を開操作した際、
図9に示すように、蓋体13が所定角度回動したときに係止面62を係止フランジ部72に対して下方から係止させることができる。そのため、係止面62が係止フランジ部72に対して係止するまでの間に、抜栓体66の第1軸部70を第1挿入孔35内において相対的に下方移動させることができると共に、開封プレート92を収容凹部91内で相対的に下方移動させることができる。これにより、開封プレート92の上面を、蓋体13における頂壁31の上面よりも一段下がった状態に移行させることができる。
【0106】
そして、係止フランジ部72に対する係止面62の係止後、蓋体13のさらなる開操作を行うことで、開封プレート92が下がった状態を維持しながら抜栓体66を上方に引き上げるように移動させることができる。これにより、弱化部14を破断しながら閉塞板15を引き上げて、開封を行うことができる。
【0107】
さらに、係止フランジ部72に対する係止面62の係止後、第1挿入筒34に対して補助係止突起93が下方から係止する。これにより、補助係止突起93を蓋体13に対して下方から係止させることができ、開封プレート92を収容凹部91内で下方移動させた状態に維持することができる。そのため、
図10に示すように、蓋体13を閉めたとしても、収容凹部91に対する開封プレート92の状態を視認することで、開封が行われたか否かを把握することができる。特に、開封プレート92によって視認可能な面積を増大できるので、開封前後における開封プレート92の状態を明瞭に視認し易く、開封の有無を容易且つ確実に把握することができる。
【0108】
なお、開封後に蓋体13を閉操作した場合には、第3実施形態と同様に、シール片44が注出口11の開口縁部をシールするので、閉塞板15は注出口11よりも下方に移動することが規制される。そのため、閉塞板15の位置が注出口11の位置で規制された後、蓋体13のさらなる閉操作に伴って抜栓体66を第2挿入孔41内において下方移動させることができる。これにより、キャップ本体10に対して蓋体13を適切に閉じることが可能となる。
【0109】
従って、本実施形態の場合であっても、閉塞筒33を利用して注出筒27のシールを適切に行うことができると共に、シール片44を利用して注出口11の開口縁部をシールしながら蓋体13を閉めることができる。これにより、容器本体2内を適切に密閉した状態で容器本体2の保管等を行うことができると共に、蓋体13の頂壁31、キャップ本体10の閉塞板15、閉塞筒33及び抜栓体66で囲まれた空間内に内容物が侵入せず汚れを防止することが可能である。
【0110】
なお本実施形態において、第3実施形態と同様に、第1挿入筒34の下端部と第2挿入筒40の上端部とが接触するように構成しても構わない。これにより、第1挿入孔35内及び第2挿入孔41内に抜栓体66を上方から挿入してセットするときに、頂壁31及び閉塞板15が上下方向に変位することを抑制できるので、これら頂壁31及び閉塞板15に作用する負荷を抑制しながら抜栓体66をセットすることが可能である。
【0111】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
【0112】
例えば、上記各実施形態では、キャップ本体が注出筒を具備していたが、注出筒は必須なものではなく、具備しなくても構わない。また、上記各実施形態では、全周に亘って均一な厚みで弱化部を形成したが、この場合に限定されるものではなく、例えば厚みを変化させても構わない。
【0113】
さらに上記各実施形態では、第1軸部と第1挿入孔との間、及び第2軸部と第2挿入孔との間をそれぞれシールする構造としたが、この場合に限定されるものではなく、いずれか一方をシールするように構成しても構わない。
またシールに関し、第1軸部の外周面である第1シール面、及び第2軸部の外周面である第2シール面をシール部として機能させたが、この場合に限定されるものではなく、例えばラビリンス構造、他のシール構造を採用しても構わない。
【0114】
また、上記第3実施形態では、第2挿入筒40に補強リブ82を一体に形成し、補強リブ82を介して第2挿入筒40と閉塞板15とを一体形成したが、第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態においても補強リブ82と同様の役割を果たす補強リブを設けても構わない。このようにすることで、これら各実施形態においても、閉塞板15の破断開始端部15a側に応力を集中させ易くすることができ、破断開始端部15a側に位置する弱化部14を最初に確実に破断させることが可能となる。
【符号の説明】
【0115】
O1…キャップ軸
1、60、80、90…ヒンジキャップ
2…容器本体
2a…容器本体の口部
10…キャップ本体
11…注出口
12…ヒンジ部
13…蓋体
14…弱化部
15…閉塞板
31…蓋体の頂壁
35…第1挿入孔
36…係止突起(第1係止部)
41…第2挿入孔
44…シール片
50、70…第1軸部
50a、70a…第1シール面(シール部)
51、71…第2軸部
51a、71a…第2シール面(シール部)
53…係止段部(第1被係止部)
55…閉塞板の下面(第2被係止部)
54…係止フランジ部(第2係止部)
81、93…補助係止突起(補助係止部)
91…収容凹部
92…開封プレート
62…係止面(第1係止部)
65…係止突起(第2被係止部)
72…係止フランジ部(第1被係止部)
75…係止段部(第2係止部)