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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】クレセント及び開口部建材
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/08 20060101AFI20240209BHJP
   E05B 41/00 20060101ALI20240209BHJP
   E05B 45/08 20060101ALI20240209BHJP
   E05C 3/04 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
E05B65/08 P
E05B41/00 G
E05B45/08
E05C3/04 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020093361
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021188333
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川西 和昭
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 哲史
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-106221(JP,A)
【文献】特開2003-74241(JP,A)
【文献】実開昭56-16755(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 65/08
E05B 41/00
E05B 45/08
E05B 9/08
E05C 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレセント本体と上部カバー及び下部カバーとセンサーユニットと電池ユニットとを備え、
上部カバー及び下部カバーは、各々クレセント本体の上部及び下部に着脱自在に取り付けられるものであり、
センサーユニットは、クレセント本体の施解錠状態を検知するものであり、クレセント本体の上部カバー又は下部カバーのいずれか一方に収納して取付けてあり、
電池ユニットは、センサーユニットに給電するものであり、クレセント本体の上部カバー又は下部カバーのいずれか他方に収納して取付けてあり、
電池ユニットとセンサーユニットを裏面側で、通電用基板で連結してあることを特徴とするクレセント。
【請求項2】
請求項1に記載のクレセントを備えることを特徴とする開口部建材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレセント及び開口部建材に関する。
【背景技術】
【0002】
引き違い窓等の開口部建材では、クレセント等の錠で施解錠することが知られており、施解錠を検知できるものが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、施解錠を検知できるクレセント及び開口部建材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、クレセント本体と上部カバー及び下部カバーとセンサーユニットと電池ユニットとを備え、上部カバー及び下部カバーは、各々クレセント本体の上部及び下部に着脱自在に取り付けられるものであり、センサーユニットは、クレセント本体の施解錠状態を検知するものであり、クレセント本体の上部カバー又は下部カバーのいずれか一方に収納して取付けてあり、電池ユニットは、センサーユニットに給電するものであり、クレセント本体の上部カバー又は下部カバーのいずれか他方に収納して取付けてあり、電池ユニットとセンサーユニットを裏面側で、通電用基板で連結してあることを特徴とするクレセントである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、錠の施解錠を検知できる。
センサーユニットと電池ユニットは、クレセント本体を挟んで離れて配置してあるから、センサーユニットが電池ユニットから受ける電界による誤動作を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態にかかるクレセントが施錠状態にあるときの図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は裏面図である。
図2図1に示すクレセントを取り付けた開口部建材を室内側から見た正面図であり、(a)はクレセントの施錠状態、(b)はクレセントの解錠状態である。
図3】本発明の実施形態にかかるクレセントの取り付け手順を示す正面図であって、(a)はクレセント本体を取り付けた状態であり、(b)はクレセント本体にセンサーユニットと電池ユニットとを取り付けた状態である。
図4図3(a)に示すクレセント本体を既成のクレセントから取り出す手順を示す斜視図である。
図5図3(b)に示すクレセント本体にセンサーユニットと電池ユニットとを取り付ける手順を示す斜視図である。
図6】(a)はセンサーユニットのカバーを下から見た斜視図であり、(b)は電池ユニットのカバーを上から見た斜視図である。
図7図1に示すクレセントの通電部分のみを抜き出して示す正面図である。
図8】クレセントの施解錠を管理する管理システムの構成を示すブロックである。
図9】管理システムの制御フローを示すフローチャートである。
図10】制御部において、居住者の状態を判断するフローチャートである。
図11】コントローラを配置した家の間取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る開口部建材1を説明する。
図2に示すように、開口部建材1は、内障子3と外障子5とを備える引き違い窓であり、内障子3の召合せ框(以下「内召合せ框」という)3aには、クレセント9が設けられている。尚、外障子5の召合せ框5aには、クレセント9で施錠するための受け(図示せず)が設けられている。
【0008】
図1に示すように、クレセント9は、クレセント本体11と、センサーユニット13と、電池ユニット15とを備えている。
クレセント本体11には、台座17と、操作部19とが設けてある。
図3(a)(b)に示すように、台座17は、台座本体17aと、一方側ネジ止め部21a及び他方側ネジ止め部21bとを有し、台座本体17aには操作部19が上下に回動自在(図1(b)の矢印E参照)に取り付けてある。一方側ネジ止め部21aは台座本体17aから一方側(上方側)に突出しており、他方側ネジ止め部21bは台座本体17aから他方側(下方側)に突出して台座本体17aに一体に形成されている(図5(a)参照)。一方側ネジ止め部21aは一方側ネジ22aで内召合せ框3aに止めてあり、他方側ネジ止め部21bは他方側ネジ22bで内召合せ框3aに止めてある。一方側ネジ止め部21aと他方側ネジ止め部21bとは、共に略直方体形状を成しており、図5(a)に示すように、対応するネジ22a、22bの軸を挿通する長孔23が形成してあると共に対応するネジ22a、22bの頭を収める凹み25が形成されている。
【0009】
図1(b)に示すように、操作部19には、先端部にマグネット19aが設けてあり、基端部が台座17に回動自在に取り付けてあり、先端部を下に向けた位置(二点鎖線で示す)から上に向けた位置(図1参照)へ180度回動させることで、下に位置する解錠位置から上に位置する施錠位置へ操作するものである。
この操作部19は、下から上に向けて180度回動させることで(矢印E)、掛け金27を外障子5の召合せ框5aに設けてある受け(図示せず)に掛けて、内障子3と外障子5を締め付けて施錠する。
【0010】
図1に示すように、センサーユニット13は、クレセント本体11の上部に取り付けるものであり、台座17の上部に取り付けてある。このセンサーユニット13は、カバー13aを備え、カバー13a内にはマグネットセンサ31と、通信制御部33と、アンテナ35とを搭載した回路基板37が収納されている。
カバー13aは、台座17を止める一方側ネジ止め部21a及び一方側ネジ22aを隠している。図6(a)に示すように、このカバー13aは、全体として略四角筒形状を成しており、下側には裏面と下面とに亘る開口13bが形成されており、開口13bから、回路基板37を脱着自在としてある。また、カバー13aは開口13bから台座17の一方側ネジ止め部21aに被せて、係合されている。
【0011】
図1に示すように、電池ユニット15は、クレセント本体11の下部に取り付けるものであり、台座17の下部に取り付けてある。この電池ユニット15は、カバー15aと、カバー15a内に収納された電池ホルダ39を備えている。
図6(b)に示すように、カバー15aは、全体として略四角筒形状を成しており、上側には裏面と上面とに亘る開口15bが形成されており、外観がセンサーユニット13のカバー13aと略同じ形状及び寸法としてある。
図1に示すように、電池ホルダ39には、乾電池41を収納しており、乾電池41の端を受ける端子45と電池スプリング47が設けてあり、電池ホルダ39は、カバー15aに形成されている開口15b(図6参照)から脱着自在としてあり、電池ユニット15は開口15bから台座17の他方側ネジ止め部21bに被せて係合されている。
【0012】
クレセント本体11と、センサーユニット13の開口13bと、電池ユニット15の開口15bとには、通電用基板16が設けてあり、電池ユニット15とセンサーユニット13は、通電用基板16で連結されている。
図1(c)に示すように、この通電用基板16は、帯状の導電体を樹脂材で被覆してあり、可撓性を有している。また、一方側ネジ止め部21aと他方側ネジ止め部21bからずれた位置に配置してあり、ネジ22a、22bと干渉しないようにしている。
通電用基板16の電池ユニット側端16aは端子45のターミナル48b(図7参照)に接続されており、センサーユニット側端16bは回路基板37のターミナル48aに接続されている。
通電用基板16により、乾電池41から回路基板37を介して通信制御部33に駆動電流を供給している。
マグネットセンサ31は、通信制御部33と接続されており、施解錠状態の検知結果を通信制御部33からアンテナ35を介してコントローラ53(図5参照)に送信している。
【0013】
マグネットセンサ31は、通信制御部33を介して、施解錠状態が変わったとき及び所定時間ごとに施解錠状態を送信している。マグネットセンサ31及び通信制御部33の詳しい制御については後述する。
【0014】
次に、クレセント9の取り付けについて説明する。
図4(a)に示す既成のクレセント71について、図4(b)に示すように、クレセント本体11から、一方側ネジ止め部21aを覆う一方側カバー72と、他方側ネジ止め部21bを覆う他方側カバー73を外して、クレセント本体11を取り出す。
クレセント本体11の操作部19の先端部の裏側にマグネット19aを取り付けるが、既成のクレセント71が施解錠操検知用のもので、既にマグネット19aが装着されている場合には、そのまま用いることができる。
【0015】
その後、図3(a)に示すように、内障子3(図2参照)の内召合せ框3aの側面に、クレセント本体11を取り付ける。
クレセント本体11の取り付けは、台座本体17aの裏面に通電用基板16を接着し、又は接着しないで台座本体17aの裏面と内召合せ框3aとの間に挟んだまま、一方側ネジ止め部21aと他方側ネジ止め部21bの各長孔23にそれぞれ対応するネジ22a、22bを挿通して、内召合せ框3aに締め付ける。
尚、通電用基板16は、図1(c)に示すように、台座本体17aの裏面において、各長孔23からずれた位置に配置する。
また、図3(a)に示すように、通電用基板16は、電池ユニット側端16aとセンサーユニット側端16bは、クレセント本体11からそれぞれはみ出しておく。
【0016】
次に、図5(a)及び図6(a)に示すように、センサーユニット13の開口13bを、一方側ネジ止め部21aに被せるように配置し、図3(b)に示すように、センサーユニット側端16bを回路基板37のターミナル48aに接続した後、図5(b)に示すように、センサーユニット13を一方側ネジ止め部21aを完全に覆う位置に装着して、クレセント本体11の台座17に取り付ける。これにより、センサーユニット13の装着が完了する。
【0017】
続いて、図3(b)に示すように、電池ホルダ39に乾電池41を装着した後、センサーユニット13と同様に、電池ユニット15の開口13b(図6(b)参照)を、他方側ネジ止め部21bに被せるように配置し、図3(b)に示すように、電池ユニット側端16aを端子45のターミナル48bに接続した後、図5(b)に示すように、電池ユニット15を他方側ネジ止め部21bを完全に覆う位置に配置して、クレセント本体11の台座17に取り付ける。これにより、電池ユニット15の装着が完了する。
このように、センサーユニット13と電池ユニット15をクレセント本体11に取り付けることで、図3(b)に示すようにクレセント9の取り付けが完了する。
一方、図7に示すように、センサーユニット13と電池ユニット15の内部では、マグネットセンサ31、通信制御部33及びアンテナ35を搭載した回路基板37と、乾電池41を装着した電池ホルダ39の端子45とが通電用基板16に接続され、回路基板37に乾電池41の電力が供給される状態になる。
尚、乾電池41の電力が無くなった場合には、電池ユニット15をクレセント本体11から下方に引いて少しずらした後、端子45のターミナル48bから通電用基板16の電池ユニット側端16aを外し、電池ユニット15の端子45を外して乾電池41を取り替えた後、電池ユニット15に端子45を取り付ける。その後、組立時と同様にして再び、電池ユニット15をクレセント本体11の台座17に取り付ける。
【0018】
次にクレセント9の操作について説明する。
図2(b)に示すように、操作部19の先端部が下方にあるときには(図1(a)(b)では二点鎖線で示す)、クレセント9は解錠状態にあり、内障子3及び外障子5が開閉自在である。このクレセントの解錠状態ではマグネットセンサ31は、マグネット19aを検知しないので通信制御部33では、アンテナ35を介して解錠信号を発信する。
図1(b)の符号Eで示すように、操作部19の先端部を下方位置から上方に向けて回動し(図1(b)の符号E参照)、操作部19の先端部を上方位置にしたときには、クレセント9は施錠状態になり、内障子3及び外障子5を締め付けて施錠する(図2(a)参照)。このクレセント9の施錠状態ではマグネットセンサ35は、マグネット19aを検知するので通信制御部33では、アンテナ35を介して施錠信号を発信する。
【0019】
次に、戸締り管理システム51について説明する。
図8に示すように、戸締り管理システム51は、センサーユニット13と、コントローラ53と、Wi-Fiルータ55と、管理サーバ57とから構成されている。管理サーバ57は通信回路を介して通信端末59及びサービスサーバ61に通信により接続されている。
コントローラ53はセンサーユニット13の通信制御部33と無線により接続されており、コントローラ53は、Wi-Fiルータ55を介して宅外に設置されている管理サーバ57に通信回線を介して相互に接続されている。
コントローラ53は、クレセント9が解錠状態にあるのか施錠状態にあるのかを記録する施解錠状態記録部53aと、施解錠状態が変わった回数を記録する施解錠回数記録部53bと、タイマー53cと、制御部53eと、通信部53fを備えている。
制御部53eでは、施解錠状態の変化の有無による居住者の状態を判断する。ここで、図10を参照して、居住者の状態の判断フローについて説明する。
【0020】
ステップS21で、各部屋のクレセント9の少なくとも一つ(リビングのテラス窓を含む)について、施錠又は解錠操作されたか否かを判断し、施錠又は解錠操作されると、ステップS22で操作回数に「1」を加算してステップS23へ移行する。一方、ステップS21で、いずれの部屋のクレセント9も施錠又は解錠操作がされていない場合には、ステップS23に移行する。
ステップS23では、所定の設定日数を経過したか否かを判断し、設定日数を経過している場合には、ステップS24に移行し、設定日数を経過していない場合には、居住者の状態判断フローを終了する。所定の設定日数は、任意の日数であるが、例えば、居住者に旅行等の宿泊を伴う外出の予定がない場合には、2日や3日である。設定に日数は、掃除や換気のため何日に一度は窓を開閉するか、例えば2日に一度は窓を開閉(クレセントを施解錠)することを確認して、2日に設定する。
【0021】
ステップS24では、施錠又は解錠の操作回数がゼロか否かを判断する。施錠又は解錠の操作が一回でも操作された場合には、操作回数がゼロでないので、ステップS25に移行し、正常通知を通知した後、ステップS26でステップS22の操作回数をリセットする。
一方、ステップS24で、操作回数がゼロの場合には、居住者に異常があることを、施解錠情報(図13のステップS4)として通知して、終了する。
【0022】
図11に示すように、コントローラ53は屋内に設けてあり、開口部建材1の他に玄関ドアやその他の窓の開閉信号を受けて集中管理するものである。本実施の形態では、コントローラ53は、リビングに設けてあり、本実施の形態にかかるクレセント9の他に、他の部屋の窓の施解錠検知部54からも施解錠情報を受けて、屋内の集中管理を行っている。
図8に示すように、管理サーバ57は、戸締り管理システム51を管理する管理会社のサーバであり、通信端末59及びサービスサーバ61に通信回路を介して相互に接続されている。
通信端末59は、住宅主等が保持するスマートフォンやモバイルノートパソコン等である。
サービスサーバ61は警備会社等のサーバである。
【0023】
図9を参照して、戸締り管理システム51の制御フローについて説明する。
操作部19の施錠又は解錠操作がされると、マグネットセンサ31はその検知状態が変化するので、ステップS1で、マグネットセンサ31が通信制御部33を介してコントローラ53に施解錠情報発信をする。施解錠情報発信は、施錠信号又は解錠信号の発信である。また、クレセントの通信制御部33は、ステップS2で、状態の定時発信も行う。状態の定時発信は、予め設定された所定時にマグネットセンサ31が受けている施錠信号又は解錠信号の発信である。
定時発信を行う所定時は、家主や家族等からのヒアリングなどにより、通信端末の操作画面などから通知間隔を変更できる。また、家主や家族等が、過去操作状況から月や季節ごとに通知間隔を調整しても良い。更に、各開口部建材1の操作履歴を基に、年間や各月、季節毎、および時間毎の生活(操作)リズムを把握し、各開口部建材1毎に適正な通知間隔を報告し設定間隔などを決定し又は変更しても良い。更に、自動で操作履歴データを分析し、適正な設定間隔に自動で調整するようにしても良い。
【0024】
コントローラ53では、ステップS3で施解錠情報を受信すると、ステップS4でその施解錠情報を管理サーバ57に発信する。ステップS3及びステップS4の施解錠情報は、施解錠状態記録部53a(図8参照)で記録されている現在の施解錠状態の他に、施解錠回数記録部53b(図8参照)で記録されている施解錠操作された回数や、施錠から解錠、解錠から施錠への操作があったか否かの情報及び居住者の状態判断結果(図10参照)の情報も有する。
管理サーバ57では、ステップS5でコントローラ53から施解錠情報を受信すると、ステップS6でその施解錠情報を保存し、ステップS7で保存した施解錠状態の変更がないか否か判断し、変更がなければステップS8で終了し、変更があった場合には、ステップS9で通信端末59及びサービスサーバ61にクレセント9の施解錠に変更があったこと及び居住者の状態判断結果を通知する。
【0025】
一方、ステップT1で、サービスサーバ61からクレセントの施解錠状態の確認通知を受けると、管理サーバ57はステップT2で、保存しているクレセントの施解錠情報(ステップS6参照)に基づいて施解錠状態を発信する。これにより、ステップT3でサービスサーバ61はクレセントの施解錠状態を受信する。
同様に、ステップT4で、通信端末59からクレセントの施解錠状態の確認通知を受けると、管理サーバ57はステップT2で、保存しているクレセントの施解錠情報(ステップS6参照)に基づいて施解錠状態を発信し、ステップT5で通信端末59はその状態を受信する。
【0026】
次に、本実施の形態にかかる開口部建材1及びクレセント9の作用及び効果について説明する。
図1及び図2に示すように、クレセント9は、操作部19に設けたマグネット19aをセンサーユニット13に設けたマグネットセンサ31で検知することで、クレセント9が施錠状態にあるか解錠状態にあるかを検知できる。
図1に示すように、クレセント9において、センサーユニット13と電池ユニット15は、クレセント本体11を挟んで離れて配置してあるから、センサーユニット13が電池ユニット15から受ける電界による誤動作を防止できる。特に、センサーユニット13に設けた通信制御部33が乾電池(電界)41の影響を受けて生じる通信障害を低減できる。
クレセント本体11を挟んで、同様な形状のセンサーユニット13と電池ユニット15を設けたことで、クレセント9は、その全体の形状としてバランスが良く、意匠性が良い。
【0027】
通電用基板16を、クレセント本体11と内召合せ框3aの間に挟んで設けているので、通電用基板16が露出しないで収まりを良くできる。
センサーユニット13にマグネットセンサ31が設けてあり、センサーユニット13を台座17に取り付けるだけでマグネットセンサ31を容易に位置決めできるので、取り付け作業が容易である。
センサーユニット13で、台座17の一方側ネジ22aを隠し、電池ユニット15で台座17の他方側ネジ22bを隠しているので、クレセント9の外観が良い。
【0028】
図9に示すように、マグネットセンサ31は通信制御部33を介して、施解錠状態が変わったとき(ステップS1)及び所定時間毎(ステップS2)に施解錠状態を送信しており、コントローラ53は、所定時間内に施解錠操作された回数又は変化の有無を所定時間ごとに通信端末59に送信している(ステップS9)から、通信端末59の保持者は常時正確な施解錠状態を把握できる。
コントローラ53は、クレセントの施解錠状態に変化があったときに通信端末59に送信している(ステップS9)から、通信端末59の保持者はクレセントの施解錠状態の変化を把握できるので、戸締り管理が安心である。
【0029】
コントローラ53の制御部53eは、クレセントの施解錠状態に変化があったときに、図10に示すように居住者の状態が正常か異常かを判断し、その結果を通信端末59(図9参照)に通知するので、通信端末59を保有している家族や家主が、離れて暮らす祖父母や父母が日々変わりなく暮らしていることを、遠隔地に居ても確認でき、安心であると共にいわゆる見守り介護ができる。
開口部建材1は、例えば、掃除や換気のため2日に一度は開閉していたが、3日経っても操作されず、旅行など長期不在の予定も聞いていない場合には、体調不良で寝込んでいるか、倒れて動けない状態が予想されるので、異常と判断することができる。
更に、通信端末59を保有している家族や家主は、離れて暮らす祖父母や父母が、窓(開口部建材)1のクレセント9を1日又は2日たっても操作しないという、日常の生活リズムから逸脱した大きな変化を確認でき、電話連絡などの手段により早期に安否を確認でき、安全である。
サービスサーバ61が、役所担当者や民生委員、地域包括センター職員等の場合には、地域に住む高齢者が日々変わりなく暮らしていることを、各家を訪問しなくても確認でき、役所担当者等の負担軽減を図ることができる。特に、役所担当者や民生委員、地域包括センター職員等は、日常の生活リズムから逸脱した大きな変化を異常と認知し、早期に訪問確認でき、早期対応を図ることができる。
【0030】
図11に示すように、コントローラ53は屋内に設けてあり、通信制御部33から受けた施解錠信号を通信端末59(図9参照)に送信するので、通信端末59を保持する家主等は自宅にいなくても施解錠状態の変化を通信端末59で容易に確認できる。
サービスサーバ61では、管理サーバ57を通じて、クレセント9の施解錠状態を確認できるので、サービスサーバ61を保持する警備会社や住宅管理会社等は、遠隔であっても戸締り管理が容易にできる。
【0031】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、クレセント9は、電池ユニット15を台座17の上に配置して、センサーユニット13をクレセント本体11の下側に配置して、操作部19が解錠位置にあることを検知しても良い。
センサーユニット13と電池ユニット15は、クレセント本体11の上下に配置することに限らず、例えばクレセント本体11が左右にネジ止め部21a、21bを有する上げ下げ窓のような場合には、左右に配置するものであっても良い。
センサーユニット13のカバー13aは、裏面全体を開口にして、回路基板37を裏面の開口から挿入して、回路基板37を覆うようにしても良い。同様に、電池ユニット15のカバー15aは、裏面全体を開口にして、電池ホルダ39を裏面の開口から挿入して、電池ホルダ39を覆うようにしても良い。この場合、乾電池41の取り換えは、カバー15aを外して、電池ホルダ39を露出することで、乾電池41の脱着が容易にできる。
開口部建材1は、引き違い窓に限らず、片引き窓であっても良い。
【符号の説明】
【0032】
1 窓(開口部建材)
9 クレセント
11 クレセント本体
13 センサーユニット
15 電池ユニット
16 通電用基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11