(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】放射性同位体製造装置、原子炉ユニット及び放射性同位体の製造方法
(51)【国際特許分類】
G21G 1/02 20060101AFI20240209BHJP
G21K 5/08 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
G21G1/02
G21K5/08 R
(21)【出願番号】P 2020113292
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 淳
(72)【発明者】
【氏名】曽田 大輔
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-047935(JP,A)
【文献】特開2010-249815(JP,A)
【文献】特開2009-198500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21G1/00-7/00
G21H1/00-7/00
G21J1/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性同位体の原料であるRI原料が収納された複数のカプセルが、直列で連結されたカプセルユニットを、原子炉内に搬送し、前記原子炉内から回収する放射性同位体製造装置であって、
前記カプセルユニットを搬送する駆動装置と、
前記駆動装置と前記原子炉の間の前記カプセルユニットの搬送経路に配置され、前記カプセルユニットの周囲を遮蔽する遮蔽容器と、
放射化した前記カプセルを外部から隔離する隔離機構と、を備え
、
前記駆動装置は、前記カプセルユニットと着脱可能に接続されるケーブルを有し、
前記遮蔽容器は、放射化前の前記カプセルユニットを収容した状態で、前記駆動装置と対面する位置に搬送され、前記駆動装置が前記カプセルユニットを前記原子炉内に搬送する際に、前記ケーブルが通過する放射性同位体製造装置。
【請求項2】
前記隔離機構は、前記遮蔽容器の前記カプセルユニットが収容される領域を閉塞する閉塞機構を含む請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項3】
前記遮蔽容器は、前記駆動装置に対して着脱可能である請求項2に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項4】
前記隔離機構は、放射化した前記カプセルユニットをカプセルごとに分離する切断機構と、
切断された前記カプセルを収納する収納容器と、を備え、
前記遮蔽容器は、前記収納容器に繋がり、切断された前記カプセルを前記収納容器に移動可能にする貫通孔と、前記貫通孔を開閉させる開閉機構と、を備える請求項1に記載の放射性同位体製造装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射性同位体製造装置と、
原子炉と、
前記原子炉の周囲に配置され、外側の空間と前記原子炉とを遮蔽する原子炉建屋と、を備える原子炉ユニット。
【請求項6】
放射性同位体の原料であるRI原料が収納された複数のカプセルが、直列で連結されたカプセルユニットを、原子炉内に搬送し、前記原子炉内から回収する放射性同位体の製造方法であって、
遮蔽容器に配置された前記カプセルユニットを搬送装置と対面する位置に配置し、前記カプセルユニットと前記搬送装置のワイヤを連結するステップと、
前記ワイヤが前記遮蔽容器を通過した状態で、前記カプセルユニットを前記原子炉内に搬送するステップと、
前記搬送装置と前記原子炉の間の前記カプセルユニットの搬送経路に配置され、前記カプセルユニットの周囲を遮蔽する遮蔽容器に、前記原子炉内に搬送した前記カプセルユニットを移動させるステップと、
前記遮蔽容器に配置された放射化した前記カプセルを外部から隔離した状態で搬送するステップと、を備える放射性同位体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性同位体製造装置、原子炉ユニット及び放射性同位体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用や工業用などの用途に、放射性同位体を用いることが知られている。特許文献1には、原料を原子炉の計装管に挿入して、原料に中性子を照射させることで、放射性同位体を製造する旨が記載されている。特許文献1では、原料が収納された保持構体を送り出しシステムの管から計装管に移動させることで、放射性同位体を製造する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、原料を原子炉に挿入して放射性同位体とする。このように製造した放射性同位体は、周囲に放射線を照射するため、管理する必要がある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、原子炉に原料を挿入し、放射性同位体とし、かつ、製造した放射性同位体を適切に管理することができる放射性同位体製造装置、原子炉ユニット及び放射性同位体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る放射性同位体製造装置は、放射性同位体の原料であるRI原料が収納された複数のカプセルが、直列で連結されたカプセルユニットを、原子炉内に搬送し、前記原子炉内から回収する放射性同位体製造装置であって、前記カプセルユニットを搬送する駆動装置と、前記駆動装置と前記原子炉の間の前記カプセルユニットの搬送経路に配置され、前記カプセルユニットの周囲を遮蔽する遮蔽容器と、放射化した前記カプセルを外部から隔離する隔離機構と、を備える。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る原子炉ユニットは、上記に記載の放射性同位体製造装置と、原子炉と、前記原子炉の周囲に配置され、外側の空間と前記原子炉とを遮蔽する原子炉建屋と、を備える。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る放射性同位体製造方法は、放射性同位体の原料であるRI原料が収納された複数のカプセルが、直列で連結されたカプセルユニットを、原子炉内に搬送し、前記原子炉内から回収する放射性同位体製造方法であって、前記カプセルユニットを原子炉内に搬送するステップと、搬送装置と原子炉の間の前記カプセルユニットの搬送経路に配置され、前記カプセルユニットの周囲を遮蔽する遮蔽容器に、前記原子炉内に搬送した前記カプセルユニットを移動させるステップと、前記遮蔽容器に配置された放射化した前記カプセルを外部から隔離した状態で搬送するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば原子炉に原料を挿入し、放射性同位体とし、かつ、製造した放射性同位体を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、原子力発電プラントの一例の概略構成図である。
【
図2】
図2は、計装管及び放射性同位体製造装置を説明する概略側面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る放射性同位体製造装置の概略構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るカプセルユニットの模式図である。
【
図5】
図5は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図6】
図6は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図9】
図9は、他の実施形態に係る放射性同位体製造装置の配置を示す模式図である。
【
図10】
図10は、他の実施形態に係る放射性同位体製造装置の概略構成を示す模式図である。
【
図11】
図11は、カプセルユニット12とケーブルとの接続部分の一例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図13】
図13は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図14】
図14は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図15】
図15は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図16】
図16は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図17】
図17は、放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
【
図18】
図18は、他の実施形態に係る原子炉ユニットの概略構成を示す模式図である。
【
図19】
図19は、他の実施形態に係る原子炉ユニットの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0012】
図1は、原子力発電プラントの一例の概略構成図である。
図1に示す原子力発電プラントは、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)を有する。この原子力発電プラントは、原子炉格納容器100内において、加圧水型原子炉の原子炉容器101、加圧器102、蒸気発生器103および一次冷却水ポンプ104が、一次冷却水管105により順次接続されて、一次冷却水の循環経路が構成されている。
【0013】
原子炉容器101は、内部に燃料集合体120を密閉状態で格納するもので、燃料集合体120が挿抜できるように、原子炉容器本体101aとその上部に装着される原子炉容器蓋101bとにより構成されている。原子炉は、原子炉容器101内に格納した燃料集合体120で放射線を発生させ、核反応を発生させることで、熱エネルギーを発生させる。原子炉容器本体101aは、上部に一次冷却水としての軽水を給排する入口側管台101cおよび出口側管台101dが設けられている。出口側管台101dは、蒸気発生器103の入口側水室103aに連通するように一次冷却水管105が接続されている。また、入口側管台101cは、蒸気発生器103の出口側水室103bに連通するように一次冷却水管105が接続されている。
【0014】
蒸気発生器103は、半球形状に形成された下部において、入口側水室103aと出口側水室103bとが仕切板103cによって区画されて設けられている。入口側水室103aおよび出口側水室103bは、その天井部に設けられた管板103dによって蒸気発生器103の上部側と区画されている。蒸気発生器103の上部側には、逆U字形状の伝熱管103eが設けられている。伝熱管103eは、入口側水室103aと出口側水室103bとを繋ぐように端部が管板103dに支持されている。そして、入口側水室103aは、入口側の一次冷却水管105が接続され、出口側水室103bは、出口側の一次冷却水管105が接続されている。また、蒸気発生器103は、管板103dによって区画された上部側の上端に、出口側の二次冷却水管106aが接続され、上部側の側部に、入口側の二次冷却水管106bが接続されている。二次冷却水管106a、106bは、蒸気タービンに接続されて、二次冷却水の循環経路が構成されている。蒸気タービンには、発電機が接続されている。また、二次冷却水の循環経路には、二次冷却水を冷却する復水器や、ポンプ等が接続されている。
【0015】
また、原子炉容器本体101aは、下鏡101eを貫通する多数の計装管台が設けられ、この各計装管台は、計装管147Aが連結される。計装管147Aは、炉内計装案内管147と、コンジットチューブ148と、シンブルチューブ151とを含む。計装管台146は、炉内側の上端部に炉内計装案内管が連結される一方、炉外側の下端部にコンジットチューブ148が連結されている。各炉内計装案内管147は、上端部が下部炉心支持板に連結されており、振動を抑制するための上下の連接板が取付けられている。コンジットチューブ148は、下部炉心板に至り設けられており、中性子束を計測可能な中性子束検出器(図示略)が挿入されるシンブルチューブ151が挿通される。シンブルチューブ151は、コンジットチューブ148を介して計装管台146および炉内計装案内管147を通り、下部炉心板128を貫通して燃料集合体120まで挿入可能となっている。
【0016】
計装管147Aは、中性子束検出器が挿入される。計装管147Aは、炉心129まで延在することで、挿入された中性子束検出器が、中性子束に晒されて中性子束を検出する。具体的には、計装管147Aは、シンブルチューブ151が挿通されるコンジットチューブ148が、炉心129まで延在する。
【0017】
図2は、計装管及び放射性同位体製造装置を説明する概略側面図である。
図2に示すように、コンジットチューブ148は、計装管台146の外部まで延出される。
図2に示すように、原子炉容器101は、原子炉格納容器100内に支持されている。原子炉格納容器100は、原子炉容器101の下方に配管室155が形成されている。複数のコンジットチューブ148は、下鏡101eから原子炉容器101の外部に引き出され、配管室155を湾曲して上方に引き回された後、端部が別室のシールテーブル156に固定されている。シンブルチューブ151は、この固定されたコンジットチューブ148の端部から挿通される。そして、このシンブルチューブ151に中性子束検出器が挿入される。
【0018】
シールテーブル156は、
図2に示すように、板状に形成され、コンジットチューブ148の端部が下から上に貫通された状態で固定されている。複数のコンジットチューブ148は、等間隔で並べられてシールテーブル156の上面から林立されている。
【0019】
このように、計装管147Aは、コンジットチューブ148がシンブルチューブ151に挿入される構成であるが、それに限られず、中性子束検出器や後述のカプセルユニット12が挿入される任意の形状の管であってよい。
【0020】
図3は、本実施形態に係る放射性同位体製造装置の概略構成を示す模式図である。
図2及び
図3に示すように、放射性同位体製造装置10は、シールテーブル156が配置されている空間に配置されている。放射性同位体製造装置10は、コンジットチューブ148と並行して配置されたコンジットチューブ30に接続している。放射性同位体製造装置10は、コンジットチューブ30を介して、カプセルユニット12を原子炉の原子炉容器101内に挿入し、原子炉容器内101で原料に放射線を照射し放射性同位体に変換した後、原子炉容器101から回収する。
【0021】
図4は、本実施形態に係るカプセルユニットの模式図である。本実施形態に係るカプセルユニット12は、連結された複数のカプセル212で構成されており、計装管147A内に挿入される。カプセルユニット12は、内部にRI(Radioisotope)原料Mが収納される容器である。
【0022】
RI原料Mは、放射性同位体の原料である。RI原料は、計装管147Aの原子炉容器101内に位置する箇所内で、中性子束に暴露されることで、放射性同位体に変換される。RI原料Mは、粉末が焼き固められたブロック状となっているが、それに限られない。RI原料は、例えば、モリブデン‐98を用いることができる。RI原料は、中性子束が照射されることで、放射性同位体として、モリブデン‐99となる。RI原料は、モリブデンを用いることが好ましいが、これに限定されない。RI原料は、例えば、クロム‐50、銅‐63、ジスプロシウム‐164、エルビウム‐168、ホルミウム‐165、ヨウ素‐130、イリジウム‐191、鉄‐58、ルテチウム‐176、パラジウム‐102、リン‐31、カリウム‐41、レニウム‐185、サマリウム‐152、セレン‐74、ナトリウム‐23、ストロンチウム‐88、イッテルビウム‐168、イッテルビウム‐176、イットリウム‐89、のうち少なくとも1つであってよい。そして、それらのRI原料に中性子束が照射されることで、放射性同位体として、それぞれ、クロム‐51、銅‐64、ジスプロシウム‐165、エルビウム‐169、ホルミウム‐166、ヨウ素‐131、イリジウム‐192、鉄‐59、ルテチウム‐177、パラジウム‐103、リン‐32、カリウム‐42、レニウム‐186、サマリウム‐153、セレン‐75、ナトリウム‐24、ストロンチウム‐89、イッテルビウム‐169、イッテルビウム‐177、イットリウム‐90、が製造される。
【0023】
図4に示すように、カプセル212は、RI原料Mが収納されるケース部220と、ケース部220の端部に取り付けられる被連結部222と、被連結部222に接続される連結部224を有する。カプセルユニット12は、1つのカプセル212の被連結部222に接続された連結部224が、他のカプセル212の被連結部222にも接続されることで、カプセル212同士が直列で連結されている。連結部224は、カプセル212同士を連結する部材である。連結部224は、カプセル212の一方の端部側の被連結部222と、他方の端部側の被連結部222との、それぞれに設けられている。一方の端部側の被連結部222は、別のカプセル212にも接続されており、他方の端部側の被連結部222は、一方の端部側に接続されている別のカプセル212とは異なるカプセル212に接続されている。なお、カプセルユニット12の先頭のカプセル212Sまたは末尾のカプセル212Tについては、一方側の被連結部222にのみ連結部224が接続されており、他方側の被連結部222に連結部224が接続されていなくてもよい。
【0024】
カプセルユニット12は、末尾のカプセル212Tの連結部224が接続されていない側の被連結部222に接続部214が設けられる。接続部214は、放射性同位体製造装置10と接続する。本実施形態の接続部214は、永久磁石で形成されている。
【0025】
カプセルユニット12は、カプセル212の被連結部222と他のカプセル212の被連結部222とに連結部224を接続して、カプセル212と他のカプセル212とを連結することで、組み立てられる。カプセルユニット12は、それぞれのカプセル212が連結部224を介して直列に連結されている。カプセルユニット12は、例えばロール状に巻き取られた状態で保管されていてよい。カプセルユニット12は、カプセル212同士を連結部224で連結しているため、適切に巻き取ることが可能となる。なお、カプセルユニット212は、連結される複数のカプセル212のうちの全てにRI原料Mが収納されていることに限られず、少なくとも一部のカプセル212にRI原料Mが収納されていてよい。例えば、先頭のカプセル212Sや末端のカプセル212Tには、RI原料Mが収納されていなくてもよい。この場合、カプセル212S、212Tのケース部220は、中空でなく中実の部材となっていてよい。カプセル212Sや末端のカプセル212TにRI原料Mを収納しないことで、カプセル212S、212Tの破損によるRI原料Mの露出を抑制しつつ、カプセルユニット12を計装管147A及び計装管147Aに接続されるコンジットチューブ30にスムーズに出し入れ可能となる。
【0026】
図3に戻り、放射性同位体製造装置10の構成について説明する。放射性同位体製造装置10は、搬送装置14と、基台16と、締結装置18と、遮蔽容器20と、閉塞機構22と、を含む。
【0027】
搬送装置14は、カプセルユニット12を搬送する。搬送装置14は、駆動装置40と、ケーブル42と、接続端子44と、を含む。駆動装置40は、ケーブル42の挿入、引き抜きを行う。本実施形態の駆動装置40は、ケーブル42を内部に収納している。ケーブル42は、所定の剛性と、可撓性を有し、コンジットチューブ30及び計装管147Aに沿って移動する。ケーブル42は、所定の剛性を備えることで、カプセルユニット12をコンジットチューブ30及び計装管147Aに沿って、原子炉容器101側つまり原子炉側に押し込むことができる。また、ケーブル42は、可撓性を有することで、コンジットチューブ30及び計装管147Aに沿って変形する。接続端子44は、ケーブル42の先端に固定される。接続端子44は、電磁石である。接続端子44は、接続部214の永久磁石と吸着する極に磁化させることで、接続部214と連結する。接続端子44は、接続部214の永久磁石と吸着する極と反対側の極に磁化させることで、接続部214と離れる。これにより、接続端子44は、接続部214との接続と離脱とを切り替えることができる。
【0028】
基台16は、締結装置18と、遮蔽容器20を支持する。基台16は、カプセルユニット12及びケーブル42が通過する領域に2つの貫通孔52が配置される。1つの貫通孔52は、コンジットチューブ30と、基台16に置かれる遮蔽容器20とを繋げる。もう1つの貫通孔52は、基台16に置かれる遮蔽容器20と搬送装置14とを繋げる。基台16は、貫通孔52の周囲に貫通孔52を通過するカプセルユニット12等から照射される放射線を遮蔽する遮蔽構造を設けることが好ましい。遮蔽構造としては、ボロン、鉛、タングステン等を含有した材料としてもよい。また、金属で遮蔽可能な場合は、金属部材を配置してもよい。
【0029】
締結装置18は、基台16の搬送装置14側の貫通孔52に配置される。締結装置18は、貫通孔52を通過するカプセルユニット12の接続部214と、搬送装置14の接続端子44とを締結する。具体的には、接続部214と接続端子44とは雄ねじと、雌ねじとが形成されており、締結装置18は、永久磁石と電磁石とで連結している接続部214と接続端子44とを相対的に回転させて、接続部214と接続端子44とをねじ構造で締結する。締結機構18は、接続部214と接続端子44との一方、本実施形態では、接続端子44をクランプして固定し、接続部214をクランプして回転させることで、ねじみそに沿って螺合させる。締結装置18は、例えばモータの駆動力で接続部214を回転させる。
【0030】
遮蔽容器20は、基台16に着脱可能な状態で設置される。遮蔽容器20は、内部に通路60が形成された部材である。通路60は、両端が開口した直線形状の空間である。なお、通路60は、本実施形態のように直線が好ましいが、両端が開口していればよく、曲がっている部分があってもよい。通路60は、カプセルユニット12及びケーブル42が通過する経路となる。また、通路60は、放射化したカプセルユニット12が保持される空間となる。遮蔽容器20は、通路60に配置されたカプセルユニット12等から照射される放射線を遮蔽する。遮蔽容器としては、ボロン、鉛、タングステン等を含有した材料で形成することで、カプセルユニット12から照射される放射線を遮蔽できる。また、遮蔽容器20は、材料と厚みで遮蔽可能な場合は、ボロン、鉛、タングステン等を配置しなくてもよい。
【0031】
閉塞機構22は、遮蔽容器20の通路60の両端をそれぞれ開閉可能な蓋62を備える。閉塞機構22は、蓋62で通路60の両端を塞ぐことで、通路60を閉塞する。閉塞機構22は、蓋62を通路60と対面する位置から移動させることで、通路60を開放する。本実施形態の閉塞機構22は、蓋62の回転軸を遮蔽容器20の上側に配置し、水平方向を軸として蓋62を回転させ、蓋62を通路60に対して開閉させる。蓋62は、開いている状態では、遮蔽容器20の上側に配置される。なお、蓋62を開閉させる機構は特に限定されない。
【0032】
次に、
図5から
図8を用いて、放射性同位体製造方法について説明する。
図5から
図8は、それぞれ放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
図5から
図8は、放射性同位体製造方法の処理を順番に示している。なお、
図5から
図8の処理は、各種機器を用いて、自動で行うことができる。またオペレータが遠隔で操作して実行してもよい。
【0033】
放射性同位体製造装置(以下、単に製造装置ともいう。)10は、
図5に示すように、遮蔽容器20を基台16から分離した状態とする(ステップS12)。次に、製造装置10は、放射化していないMI原料Mがカプセルに収納されたカプセルユニット12を、遮蔽容器20の通路60に挿入し、蓋62で通路60を閉塞する(ステップS14)。蓋62で通路60を閉塞することで、内部に配置されたカプセル212の放射線を遮蔽することができ、また、遮蔽容器20の搬送時に放射化された物質を外部に飛散させることを防止できる。
【0034】
次に、製造装置10は、遮蔽容器20を、基台16に設置する(ステップS16)。具体的には、遮蔽容器20を基台16の置く場所の上側に移動させ、その後、蓋62を開けて通路60を開放し、遮蔽容器20を基台16に置く。これにより、通路60と、貫通孔52とが繋がった状態となる。
【0035】
次に、製造装置10は、搬送装置14の駆動装置40でケーブル42を送り出し、接続端子44と接続部214とを連結する(ステップS20)。製造装置10は、接続端子44が接続部214を吸着する磁極とした状態で、接続端子44を接続部214に近づけ、接続端子44と接続部214とを磁力で連結する。
【0036】
次に、製造装置10は、ケーブル42とカプセルユニット12とが連結している状態で、駆動装置40でケーブル42を所定距離引き込み、接続端子44と接続部214との接続部分を締結装置18と対面させ、接続端子44の電磁石をOFFにする(ステップS22)。製造装置10は、
図6に示すように、締結装置18で接続端子44と接続部214と締結させる(ステップS24)。具体的には、締結装置18で接続端子44と接続部214とをそれぞれクランプし、接続端子44を固定し、接続部214を回転させることで、接続部214を接続端子44側に螺合させることで、締結する。締結が完了したら、締結装置18のクランプを解除する。
【0037】
次に、製造装置10は、駆動装置40で、ケーブル42を押し出し、カプセルユニット12とケーブル42をコンジットチューブ30側に移動させる(ステップS26、ステップS28)。製造装置10は、ケーブル42を押し出すことで、カプセルユニット12をコンジットチューブ30及び計装管147A内を移動させ、原子炉容器101つまり原子炉の内部に到達させる。製造装置10は、カプセルユニット12を原子炉容器101内に所定期間、例えば、数日から10日間配置する。なお、原子炉容器101内には、使用中の燃料集合体が配置されている。
【0038】
次に、製造装置10は、所定期間が経過した後、駆動装置40でケーブル42を巻き取り、カプセルユニット12を遮蔽容器20に回収する(ステップS30)。遮蔽容器20に回収したカプセルユニット12は、RI原料Mが放射性同位体に変換されている。製造装置10は、遮蔽容器20に回収したカプセルユニット12の続端子44と接続部214との接続部分を締結装置18と対面させる位置まで移動させる(ステップS32)。
【0039】
次に、製造装置10は、締結機構18で、接続端子44と接続部214との締結を解除する(ステップS34)。製造装置10は、締結機構18で螺合時と反対側に、接続端子44と接続部214とを相対回転させて、分離させる。また、接続端子44を、吸着時と逆の極性に着磁して、接続端子44と接続部214とに反発力を発生させる。
【0040】
次に、製造装置10は、駆動装置40でケーブル42を押し出すことで、ケーブル42でカプセルユニット12をコンジットチューブ30側に移動させる(ステップS36)。製造装置10は、カプセルユニット12の全体が遮蔽容器20に収納される位置まで、カプセルユニット12を移動させる。製造装置10は、カプセルユニット12の全体が遮蔽容器20に収納される位置まで移動させた後、駆動装置40でケーブル42を回収し、通路60内にケーブル42がない状態とする(ステップS38)。
【0041】
次に、製造装置10は、遮蔽容器20を、基台16から取り外し、蓋62で通路60を閉塞する(ステップS40)。次に、製造装置10は、放射性同位体を取り出すことができる位置まで遮蔽容器20を移動させ(ステップS40)、作業可能な位置で、蓋62を開き、カプセルユニット12を取り出す(ステップS42)。
【0042】
製造装置10は、コンジットチューブ等の、原子炉格納容器と接続される経路に遮蔽容器20を接続し、遮蔽容器20に収納したカプセルユニット12を原子炉容器101内に移動させ、放射性同位体に変換させた後、遮蔽容器20に回収することで、放射性同位体から放射される放射線の影響を抑制しつつ、製造した放射性同位体を回収、搬送することができる。また、本実施形態のように通路60を用いた経路で搬送することで、遮蔽状態を維持しつつ、放射性同位体の製造を行うことができる。
【0043】
図9は、他の実施形態に係る放射性同位体製造装置の配置を示す模式図である。
図10は、他の実施形態に係る放射性同位体製造装置の概略構成を示す模式図である。
図11は、カプセルユニット12とケーブルとの接続部分の一例を示す説明図である。
図9から
図11に示す放射性同位体製造装置10aのうち、放射性同位体製造装置10と同様の構造については、同様の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0044】
図9に示す原子炉ユニットは、シールテーブル156が配置される部屋に隣接する部屋に放射性同位体製造装置10aが配置される。原子炉ユニットは、シールテーブル156が配置される部屋と、放射性同位体製造装置10aが配置される部屋とを仕切る隔壁8に形成された貫通孔312に原子炉容器101と接続し、配管室155を通過したコンジットチューブが挿入されている。なお、
図9では貫通孔312を示すために、コンジットチューブと貫通孔312との間に空間を示したが貫通孔312とコンジットチューブとの間はシール及び遮蔽されている。コンジットチューブは、計装管147Aと同様に、シールテーブル156が配置される部屋から配管室155を通過して、原子炉容器101に挿入されている。
【0045】
放射性同位体製造装置10a(以下単に製造装置10aともいう。)は、原子炉建屋8の外側に配置される。なお、配置位置は、製造装置10と同様でもよい。製造装置10aは、搬送装置14と、基台314と、遮蔽容器20aと、切断装置80と、センサ82と、収納容器84と、を含む。
【0046】
基台314は、搬送装置14と、遮蔽容器20a、切断装置80、センサ82、収納容器84の各部を支える台である。遮蔽容器20aは、本体70と蓋72とを含む。遮蔽容器20aは、蓋72が、本体70の上面に開閉可能な状態で配置される。遮蔽容器20aは、蓋72を開閉してカプセルユニット12を本体70に置くことができる。本体70は、カプセルユニット12を配置する通路が形成される。通路は、遮蔽容器20の通路60と同様に、ケーブル42、カプセルユニット12が通過する。本体70の通路は、一方が貫通孔312と接続し、他方が搬送装置14と接続する。遮蔽装置20aは、貫通孔312側の通路の下面に孔76が形成される。孔76の下には、収納容器84が配置される。また、遮蔽容器20aは、通路と孔76の接続部には、開閉底74が設けられている。開閉底74は、通路と孔76が繋がった状態と、切り離された状態を切り替える。
【0047】
切断機構80は、遮蔽容器20aの通路の開閉底74の上側に配置される。切断機構80は、カプセルユニット12の連結部222を切断する。切断機構80は、裁断器、ハサミ等である。センサ82は、カプセルユニット12の移動経路で、切断機構80よりも貫通孔312、つまり原子炉容器側に配置される。センサ82は、通路にカプセルユニット12があるか否かを検出することで、カプセルユニット12の貫通孔312側の先端を検出する。
【0048】
収納容器84は、RI原料Mを放射性同位体に変換したカプセル212を切断装置80で、1つのカプセルに分断した状態で収納する。収納容器84は、孔76の下側に配置される。収納容器84は、容器本体90と、蓋92と、を含む。容器本体90は、カプセル212を収納する空間が設けられている。蓋92は、容器本体90の開放されている面を塞ぐ。収納容器84は、容器本体90を蓋92で閉塞することで、内部に配置されたカプセル212の放射線を遮蔽することができ、また、収納容器84の搬送時に放射化された物質を外部に飛散させることを防止できる。収納容器84は、ボロン、鉛、タングステン等を含有した材料で形成してもよい。また、収納容器84は、金属で遮蔽可能な場合は、金属部材としてもよい。
【0049】
本実施形態のカプセルユニット12の接続部214aと、搬送機構14の接続端子44aは、
図11に示すように、着脱可能なボールジョイント機構で接続されている。これにより、接続部214aと接続端子44aの接続部分が、ボールジョイントのボール部分を軸として、直交2軸の方向に移動可能となり、原子炉容器への移動時に経路の形状に沿って、より柔軟に変形させることができる。
【0050】
次に、
図12から
図17を用いて、放射性同位体製造方法について説明する。
図12から
図17は、それぞれ放射性同位体製造方法を説明するための説明図である。
図12から
図17は、放射性同位体製造方法の処理を順番に示している。
【0051】
製造装置10aは、
図12に示すように遮蔽容器20aの蓋72を開放し、本体70にカプセルユニット12を配置する。また、カプセルユニット12の接続部214と、搬送装置14の接続端子とを接続する。カプセルユニット12を配置し、搬送装置14と接続する。カプセルユニット12を収納容器20aに配置したら、蓋72を閉じる。
【0052】
次に、製造装置10aは、
図13に示すように、搬送装置14で、ケーブル42を送ることで、カプセルユニット12を貫通孔312に挿入し、コンジットチューブ内を移動させる(ステップS102、104)。製造装置10aは、ケーブル42を押し出すことで、カプセルユニット12をコンジットチューブ内で移動させ、原子炉容器101の内部に到達させる。製造装置10aは、カプセルユニット12を原子炉容器101内に所定期間、例えば、数日から10日間配置する。なお、原子炉容器101内には、使用中の燃料集合体が配置されている。
【0053】
次に、製造装置10aは、所定期間が経過した後、駆動装置40でケーブル42を巻き取り、
図14に示すように、カプセルユニット12を、貫通孔312を通過させ(ステップS106)、遮蔽容器20a側に回収する。製造装置10aは、センサ82で、カプセルユニット12の回収時に、先端(原子炉側の端部)が通過したことを検知したら、収納容器20a内へのカプセルユニット12の移動が完了したとして、巻き取りを終了する(ステップS108)。
【0054】
次に、製造装置10aは、センサ82でカプセルユニットの位置を検出しつつ、搬送機構14でカプセルユニット12を移動させ、切断機構80と対面する位置に、最も原子炉側の連結部224を移動させる(ステップS110)。製造装置10aは、移動が完了したら、切断機構80で、連結部224を切断し、原子炉側の1つのカプセル212を、カプセルユニット12から分離する(ステップS112)。
【0055】
次に、製造装置10aは、開閉底74を開くことで、分離した1つのカプセル212を孔76から収納容器84の容器本体90に落下させる(ステップS114)。その後、製造装置10aは、開閉底74を閉じて、孔76を塞ぐ(ステップS116)。
【0056】
次に、製造装置10aは、センサ82でカプセルユニットの位置を検出しつつ、搬送機構14でカプセルユニット12を移動させ、切断機構80と対面する位置に、最も原子炉側の連結部224を移動させ、切断機構80で切断する(ステップS118)。次に、製造装置10aは、開閉底74を開くことで、分離した1つのカプセル212を孔76から収納容器84の容器本体90に落下させる(ステップS120)。その後、
図16に示すように、製造装置10aは、開閉底74を閉じて、孔76を塞ぐ(ステップS121)。製造装置10aは、ステップS118からステップS121の処理を繰り返し、カプセルユニット12からカプセルを1つずつ分離する。
【0057】
次に、製造装置10aは、ステップS118からステップS121の処理を繰り返し、収納容器84内にカプセル212が所定数蓄積された場合、容器本体90を蓋92で覆い閉塞し、別の収納容器84を孔76の下に配置する(ステップS124)。製造装置10aは、上記処理を繰り返し、カプセルユニット12のカプセル212を1つずつに分離して、収納容器84に収納する(ステップS128)。
【0058】
製造装置10aは、
図17に示すように、遮蔽容器20aの蓋72を開き、カプセルを分離した接続部214aを接続端子44aからと外し、別のカプセルユニット12を装填する。遮蔽容器20aの孔76の下に、内部にカプセル212が配置されていない収納容器84を配置する。製造装置10aは、上記処理を繰り返すことで、放射性同位体を製造することができる。
【0059】
製造装置10aは、切断機構を設け、遮蔽容器20a内で、カプセルごとに分離し、収納容器に収納することで、省スペースで放射化したカプセルを収納することができる。これにより、放射性同位体に変換したカプセルを収納する容器を小さくすることができる。また、遮蔽容器20a内で処理ができるため、放射線を照射する物体を適切な環境で処理することができる。本実施形態では、遮蔽容器の通路の下側に貫通孔312を設け、収納容器84にカプセルを移動させたが、貫通孔の位置はこれに限定されない。遮蔽容器は、収納容器に繋がり、切断されたカプセルを前記収納容器に移動可能にする貫通孔を備えていればよい。また、カプセルの移動方法も落下に限定されず、カプセルユニットで移動させても別途カプセルを移動させる機構、例えばロボットアームを備えていてもよい。
【0060】
上記実施形態では、収納容器84を蓋92が分離する図で示したが、開閉する蓋でもよく、上面の一部が開放した蓋でもよい。
【0061】
図18は、他の実施形態に係る原子炉ユニットの概略構成を示す模式図である。
図19は、他の実施形態に係る原子炉ユニットの概略構成を示す模式図である。
図18に示す原子炉ユニットは、放射性同位体製造装置10に加え、カプセルユニット12を回収する遮蔽容器401と、遮蔽容器401とコンジットチューブ30を接続する接続経路410と、コンジットチューブ30と接続経路410とを切り替える通路切替機構450と、を備える。遮蔽容器401は、放射化されたカプセルユニット12を収容する。接続経路410は、配管室155が設けられている建屋の外に配置される。カプセル供給装置401は、車両402に搭載されている。車両402は、駆動部404と、載置部406と、を有し、載置部406に遮蔽容器401を搭載する。遮蔽容器401は、放射化されたカプセルユニット12等から照射される放射線を遮蔽する。
【0062】
原子炉ユニットは、遮蔽容器401と、コンジットチューブ30とを接続する接続経路410を備える。接続経路410は、隔離壁430に固定されており、遮蔽容器401に対して着脱可能である。遮蔽容器401は、内部に配置されたカプセル212の放射線を遮蔽する。遮蔽容器401は、筐体をボロン、鉛、タングステン等を含有した材料で形成してもよい。また、遮蔽容器401は、筐体が金属で遮蔽可能な場合は、金属材料としてもよい。
【0063】
接続経路410は、コンジットチューブ412、418と、シャッタ414、420と、を含む。コンジットチューブ412は、建屋の外側に配置され、遮蔽容器401と建屋とを接続する。コンジットチューブ418は、シャッタ414を介してコンジットチューブ412と接続し、他方の端部が、放射性同位体製造装置10のカプセルユニットの移動経路であるコンジットチューブ30と接続する。コンジットチューブ418には、シャッタ420が配置される。シャッタ414、420は、コンジットチューブの経路の閉塞と開放を切り替える構造物である。シャッタ414、420は、閉塞することでコンジットチューブの経路が遮断され、内部の雰囲気が外部に漏れない状態となる。シャッタ414、420は、開放することで、内部にカプセルユニットが通過できる状態となる。コンジットチューブ412、418は、配管430と、配管430の内部に配置され、通過する部材の移動を補助する案内機構432を備える。案内機構432は、ローラである。案内機構432は、駆動源に接続され、回転することで、カプセルユニットを移動させる。案内機構432は、カプセルユニットの12をコンジットチューブ30から遮蔽容器401に案内する。案内機構432は、カプセルユニットの12を遮蔽容器401に向けて搬送する搬送機能を備えていてもよい。
【0064】
通路切替機構450は、コンジットチューブ30と接続経路410との接続部に配置される。通路切替機構450は、カプセルユニット12が、コンジットチューブ30を通過する経路と、コンジットチューブ30から接続経路410に移動する経路と、を切り替える。
【0065】
原子炉ユニットは、放射性同位体製造装置10の駆動装置40で遮蔽容器20に供給されたカプセルユニット12を原子炉容器101に搬送する。この時、通路切替機構450は、カプセルユニット12がコンジットチューブ30を通過する経路を繋げている。原子炉ユニットは、原子炉容器101で放射化されたカプセルユニット12を、駆動装置40でケーブル42を回収することで、放射性同位体製造装置10に移動させる。
【0066】
通路切替機構450は、原子炉容器101で放射化されたカプセルユニット12が通路切替機構450よりも放射性同位体製造装置10に移動された後、コンジットチューブ30から接続経路410に移動する経路に切り替える。これにより、原子炉ユニットは、駆動装置40でカプセルユニット12を遮蔽容器401に移動させることができる。
【0067】
原子炉ユニットは、建屋の外に接続する接続経路410を設け、かつ、遮蔽容器401と着脱可能とすることで、遮蔽容器401を分離することができる。また、原子炉ユニットは、遮蔽容器401を車両402に搭載することで、カプセルユニット12を収納した遮蔽容器401を簡単に搬送することができる。
【0068】
原子炉ユニットは、遮蔽容器401を車両402に搭載し搬送可能とすることで、処理を実行する間のみ遮蔽容器401を原子炉ユニットの施設内に配置し、使用していない間は別の場所に置くことができる。
【0069】
原子炉ユニットは、放射性同位体製造装置10の遮蔽容器20に変えて、遮蔽容器401を用いる。これにより、放射性同位体製造装置10の構成を簡単にでき、放射化したカプセルを、原子炉は配置された敷地から移動させやすくできる。本実施形態の放射性同位体製造装置10は、遮蔽容器20を放射性同位体製造装置10に固定し、通路60に放射化されていないカプセルユニット12を供給するようにしてもよい。これにより、遮蔽容器20で放射化したカプセルユニット12を搬送する必要がなくなり、遮蔽容器20を固定することができる。
【0070】
原子炉ユニットは、放射化前のカプセルユニット12を遮蔽容器401に搭載し、駆動装置40で、遮蔽容器401のカプセルユニット12を放射性同位体製造装置10の遮蔽容器20に搬送するようにしてもよい。これにより、遮蔽容器20に放射化していないカプセルユニット12を供給するための機構、例えば、遮蔽容器20の開閉機構が不要となり、装置構成を簡単にすることができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
10、10a、10b 放射性同位体製造装置
12 カプセルユニット
14 搬送装置
16 基台
18 締結装置
20 遮蔽容器
22 閉塞機構(隔離機構)
30 コンジットチューブ
40 駆動装置
42 ケーブル
44 接続端子
52 貫通孔
60 通路
62 蓋
70 本体
72 蓋
80 切断装置
82 センサ
90 収納容器
92 蓋
212 カプセル
214 接続部
220 ケース部
222 被連結部
224 連結部
M RI原料