(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】開閉器におけるロックカバーの装着構造
(51)【国際特許分類】
H01H 73/02 20060101AFI20240209BHJP
H01H 33/46 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H01H73/02 A
H01H33/46 A
(21)【出願番号】P 2020126692
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-147672(JP,U)
【文献】実開平05-002358(JP,U)
【文献】実開昭55-104208(JP,U)
【文献】実開平04-081342(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0162942(US,A1)
【文献】米国特許第5349145(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/28 - 33/59
H01H 69/00 - 69/01
H01H 71/00 - 83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースの上面に操作窓が開設されているとともに、前記操作窓内に、前記本体ケース内に配設されている電路をON/OFFするためのハンドルの操作部が前後方向へ回動操作可能に設けられており、後側へ傾倒したON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度と、前側へ傾倒したOFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度とが異なっている開閉器に対し、前記操作部を前記ON位置及び前記OFF位置でロックするロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、
前記ロックカバーが、前記操作部に装着される装着部と、前記装着部から前方へ延びており、前記操作部への装着に伴い前記操作窓に係止する係止部とを備え、前記装着部に、左側面及び下面に開口して前記操作部を収納可能な凹部が設けられているとともに、前記凹部内に、左方へ突出する装着突起が設けられている一方、
前記操作部の右側面であって、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第1のロック孔が開口している一方、
前記操作部の左側面であって、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第2のロック孔が開口しており、
前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の右側から前記第1のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第1のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、
前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の左側から前記第2のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第2のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする開閉器におけるロックカバーの装着構造。
【請求項2】
前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも大きくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、
前記装着突起が、左方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に左方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、
前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、
前記操作部の右側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の右側にある右孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、
前記中孔の左側にある左孔には、該左孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の左側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記左孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、
前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、
前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする請求項1に記載の開閉器におけるロックカバーの装着構造。
【請求項3】
前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも小さくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、
前記装着突起が、左方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に左方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、
前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、
前記中孔の右側にある右孔には、該右孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の右側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記右孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、
前記操作部の左側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の左側にある左孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、
前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、
前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする請求項1に記載の開閉器におけるロックカバーの装着構造。
【請求項4】
本体ケースの上面に操作窓が開設されているとともに、前記操作窓内に、前記本体ケース内に配設されている電路をON/OFFするためのハンドルの操作部が前後方向へ回動操作可能に設けられており、後側へ傾倒したON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度と、前側へ傾倒したOFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度とが異なっている開閉器に対し、前記操作部を前記ON位置及び前記OFF位置でロックするロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、
前記ロックカバーが、前記操作部に装着される装着部と、前記装着部から前方へ延びており、前記操作部への装着に伴い前記操作窓に係止する係止部とを備え、前記装着部に、右側面及び下面に開口して前記操作部を収納可能な凹部が設けられているとともに、前記凹部内に、右方へ突出する装着突起が設けられている一方、
前記操作部の左側面であって、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第1のロック孔が開口している一方、
前記操作部の右側面であって、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第2のロック孔が開口しており、
前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の左側から前記第1のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第1のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、
前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の右側から前記第2のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第2のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする開閉器におけるロックカバーの装着構造。
【請求項5】
前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも大きくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、
前記装着突起が、右方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に右方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、
前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、
前記操作部の左側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の左側にある左孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、
前記中孔の右側にある右孔には、該右孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の右側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記右孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、
前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、
前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする請求項4に記載の開閉器におけるロックカバーの装着構造。
【請求項6】
前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも小さくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、
前記装着突起が、右方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に右方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、
前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、
前記中孔の左側にある左孔には、該左孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の左側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記左孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、
前記操作部の右側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の右側にある右孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、
前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、
前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする請求項4に記載の開閉器におけるロックカバーの装着構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば回路遮断器等の開閉器に設けられている電路をON/OFFするためのハンドルの操作部に対して、当該操作部をON位置やOFF位置でロックするロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉器の一例である回路遮断器には、電路をON/OFFするためのハンドルが、その操作部を本体ケースの上面から上方へ突出させるような状態で設けられている。また、たとえば特許文献1に記載されているように、回路遮断器には、操作部をON位置やOFF位置でロックするためのロックカバーが装着されることがある。そして、そのようなロックカバーとしては、側方へ突出する突起を備えており、操作部の側面に開設されたロック孔に突起を差し込むことで操作部に装着するようなものも考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のロックカバーの装着構造では、ON位置にある操作部の鉛直方向からの傾斜角度と、OFF位置にある操作部の鉛直方向からの傾斜角度とが同じでないことがある。そのような場合、操作部の左右両側面において同じ位置に同形状のロック孔が開設されていると、
図9に示すように、操作部51がON位置にあると本体ケース52の上面にロックカバー50が近接する格好となる(
図9(a))ものの、操作部51がOFF位置にあると本体ケース52の上面からロックカバー50が浮き上がってしまい(
図9(b))、結果として操作部51を十分にロックできない、見栄えが悪い等の問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、ON位置にある操作部の鉛直方向からの傾斜角度と、OFF位置にある操作部の鉛直方向からの傾斜角度とが異なっている開閉器に対し、ON位置にある操作部にロックカバーを装着したとしても、OFF位置にある操作部にロックカバーを装着したとしても本体ケースの上面からのロックカバーの浮き上がりを抑制することができる開閉器におけるロックカバーの装着構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、本体ケースの上面に操作窓が開設されているとともに、前記操作窓内に、前記本体ケース内に配設されている電路をON/OFFするためのハンドルの操作部が前後方向へ回動操作可能に設けられており、後側へ傾倒したON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度と、前側へ傾倒したOFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度とが異なっている開閉器に対し、前記操作部を前記ON位置及び前記OFF位置でロックするロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、前記ロックカバーが、前記操作部に装着される装着部と、前記装着部から前方へ延びており、前記操作部への装着に伴い前記操作窓に係止する係止部とを備え、前記装着部に、左側面及び下面に開口して前記操作部を収納可能な凹部が設けられているとともに、前記凹部内に、左方へ突出する装着突起が設けられている一方、前記操作部の右側面であって、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第1のロック孔が開口している一方、前記操作部の左側面であって、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第2のロック孔が開口しており、前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の右側から前記第1のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第1のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の左側から前記第2のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第2のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも大きくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、前記装着突起が、左方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に左方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、前記操作部の右側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の右側にある右孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、前記中孔の左側にある左孔には、該左孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の左側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記左孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする。
一方、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも小さくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、前記装着突起が、左方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に左方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、前記中孔の右側にある右孔には、該右孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の右側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記右孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、前記操作部の左側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の左側にある左孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本体ケースの上面に操作窓が開設されているとともに、前記操作窓内に、前記本体ケース内に配設されている電路をON/OFFするためのハンドルの操作部が前後方向へ回動操作可能に設けられており、後側へ傾倒したON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度と、前側へ傾倒したOFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度とが異なっている開閉器に対し、前記操作部を前記ON位置及び前記OFF位置でロックするロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、前記ロックカバーが、前記操作部に装着される装着部と、前記装着部から前方へ延びており、前記操作部への装着に伴い前記操作窓に係止する係止部とを備え、前記装着部に、右側面及び下面に開口して前記操作部を収納可能な凹部が設けられているとともに、前記凹部内に、右方へ突出する装着突起が設けられている一方、前記操作部の左側面であって、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第1のロック孔が開口している一方、前記操作部の右側面であって、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記装着突起までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記装着突起を差し込み可能な第2のロック孔が開口しており、前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の左側から前記第1のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第1のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の右側から前記第2のロック孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記装着突起の周面と前記第2のロック孔の内面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも大きくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、前記装着突起が、右方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に右方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、前記操作部の左側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の左側にある左孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、前記中孔の右側にある右孔には、該右孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の右側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記右孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする。
一方、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ON位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度が、前記OFF位置における前記操作部の鉛直方向からの傾斜角度よりも小さくなる開閉器に対してロックカバーを装着するための開閉器におけるロックカバーの装着構造であって、前記装着突起が、右方へ突出する第1の凸部と、前記第1の凸部の先端下部から更に右方へ突出する前記第1の凸部よりも上下幅の小さな第2の凸部とを有しているとともに、前記操作部に左右方向へ貫通するロック孔が設けられ、前記ロック孔の左右方向での中央部分に、前記ロック孔の上面から下方へ突出する仕切り壁が設けられて、前記仕切り壁の先端と前記ロック孔の下面との隙間が中孔とされており、前記中孔の左側にある左孔には、該左孔の上面から下方へ突出するスペーサ段部が設けられており、前記操作部の左側面では、前記ON位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第1の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に、前記スペーサ段部の下面と前記左孔の下面との隙間が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっている一方、前記操作部の右側面では、前記OFF位置における前記本体ケースの上面からの高さが、前記装着部における前記装着部の下面開口から前記第2の凸部上面までの上下方向での距離と同じとなる位置に前記中孔が開口するように、前記中孔の右側にある右孔が開口して、前記装着突起を差し込み可能となっており、前記操作部が前記ON位置にあると、前記操作部の左側から前記左孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第1の凸部の上面と前記スペーサ段部の下面とが当接した状態で、前記操作部を前記ON位置でロック可能に前記ロックカバーが装着される一方、前記操作部が前記OFF位置にあると、前記ロックカバーの姿勢を、前記装着部の後側に前記係止部が位置する姿勢とした上で、前記操作部の右側から前記右孔に前記装着突起を差し込むことにより、前記第2の凸部の上面と前記中孔の上面とが当接した状態で、前記操作部を前記OFF位置でロック可能に前記ロックカバーが装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び4に係る発明によれば、ロックカバーの装着突起が差し込まれるロック孔を、操作部の左右側面においてON位置やOFF位置に夫々対応させた適位置に設けているため、ON位置にある操作部にロックカバーを装着しても、OFF位置にある操作部にロックカバーを装着しても、本体ケースの上面からのロックカバー(特に装着部)の浮き上がりを抑制することができる。
また、特に請求項2、3、5、6に記載の発明によれば、左右に貫通するロック孔に仕切り壁やスペーサ段部を設けることで、傾斜角度の違いによるロック孔の適位置の違いに対応しているため、製造コストの抑制を図ることができる上、装着突起として第1の凸部と第2の凸部とを設け、ON位置とOFF位置との一方では第2の凸部の上面と中孔の上面とを当接させるようにし、他方では第1の凸部の上面とスペーサ段部の下面とを当接させるようにしているため、操作部を確実にロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ON位置にて操作部がロックされた状態にある回路遮断器を示した斜視説明図である。
【
図2】OFF位置にて操作部がロックされた状態にある回路遮断器を示した斜視説明図である。
【
図3】ロックカバーの斜視説明図であり、(a)は右側を上斜め方向から、(b)は左側を下斜め方向から夫々示している。
【
図4】ロックカバーの説明図であり、(a)は前方から、(b)は下方から、(c)は左側方から、(d)は右側方から夫々示している。
【
図5】(a)は、ON位置にある操作部を右方から示した説明図であり、(b)は、ON位置において操作部にロックカバーを装着した状態を右方から示した説明図である。
【
図6】
図5(b)のL-L線断面を示した説明図である。
【
図7】(a)は、OFF位置にある操作部を左方から示した説明図であり、(b)は、OFF位置において操作部にロックカバーを装着した状態を左方から示した説明図である。
【
図8】
図7(b)のM-M線断面を示した説明図である。
【
図9】従来のロックカバーが装着された回路遮断器を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態となる回路遮断器におけるロックカバーの装着構造について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0013】
図1は、ON位置にて操作部7がロックされた状態にある回路遮断器1を示した斜視説明図である。
図2は、OFF位置にて操作部7がロックされた状態にある回路遮断器1を示した斜視説明図である。
【0014】
回路遮断器1は、基台2上にカバー部材3を組み付けてなる合成樹脂製の本体ケースを有するものであって、本体ケースの後部には電源側端子5が、前部には負荷側端子4が夫々備えられている。また、本体ケース内には、負荷側端子4から後方へ延びる前側電路(図示せず)、電源側端子5から前方へ延びる後側電路(図示せず)、前側電路と後側電路とを接続/遮断させる可動接点部材(図示せず)、及び電路を遮断する方向へ可動接点部材を作動させるための遮断機構部(図示せず)等が設けられている。さらに、本体ケースの上面で、負荷側端子4と電源側端子5との間となる位置には、操作窓6が開設されておいる。加えて、本体ケース内には、前後方向への回動操作によって電路をON/OFF操作するためのハンドルが、操作部7を操作窓6内から上方へ突出させるような状態で設けられている。そして、このような回路遮断器1に対しては、操作部7をON位置(電路がONとなる位置)やOFF位置(電路がOFFとなる位置)でロックするためのロックカバー10が装着可能となっている。
【0015】
ここで、本発明の要部となるロックカバー10の操作部7への装着構造について、
図3~
図9をもとに説明する。なお、ロックカバー10については、後述する装着部11を後側、係止部12を前側として説明する。
図3は、ロックカバー10の斜視説明図であり、(a)は右側を上斜め方向から、(b)は左側を下斜め方向から夫々示している。
図4は、ロックカバー10の説明図であり、(a)は前方から、(b)は下方から、(c)は左側方から、(d)は右側方から夫々示している。
図5(a)は、ON位置にある操作部7を右方から示した説明図であり、
図5(b)は、ON位置において操作部7にロックカバー10を装着した状態を右方から示した説明図である。
図6は、
図5(b)のL-L線断面を示した説明図である。
図7(a)は、OFF位置にある操作部7を左方から示した説明図であり、
図7(b)は、OFF位置において操作部7にロックカバー10を装着した状態を左方から示した説明図である。
図8は、
図7(b)のM-M線断面を示した説明図である。
【0016】
まずロックカバー10について説明すると、ロックカバー10は、操作部7に装着するための装着部11と、操作部7への装着に伴い操作窓6を被覆するとともに、該操作窓6の開口縁に係止する係止部12とを一体的に備えた合成樹脂製の部材である。装着部11は、前面、上面、後面、及び右側面を有するとともに、左側面及び下面に開口する略方体箱状に形成されており、前面、上面、後面、及び右側面で囲まれた空間は、操作部7を収納可能な凹部13とされている。また、凹部13内には、左方へ突出する装着突起14が設けられている。該装着突起14は、第1の凸部14Aと、凸部14Aよりも上下幅が小さく形成され、凸部14Aの先端下部から更に左方へ突出する第2の凸部14Bとを有しており、後述するように凸部14Aの上面が第1の当接面として、凸部14Bの上面が第2の当接面として夫々機能するようになっている。
【0017】
また、係止部12は、装着部11の前面上端から前斜め下方へ延びる舌片であって、前方へ向かって下る階段状に折り曲げられている。そして、当該係止部12の左右幅は、操作窓6の左右幅と略同じとされている。また、係止部12の左側縁には、下方へ突出するリブ15が設けられている。さらに、係止部12の前後方向で略中央位置には、先端が係止部12の右側縁よりも右方へ突出しているとともに、係止部12とは独立して上下方向へ撓むことのできる係止爪16が設けられている。
【0018】
一方、操作部7側の構造について説明すると、操作部7は、従来同様に前後方向へ回動操作可能となっており、後側へ傾倒した位置がON位置、前側へ傾倒した位置がOFF位置となっている。そして、ON位置にある操作部7の鉛直方向からの傾斜角度α(
図5(a)、後方への傾斜角度)は13.38度、OFF位置にある操作部7の鉛直方向からの傾斜角度β(
図7(a)、前方への傾斜角度)は11.94度となっている。また、操作部7には、左右両側面にかけて貫通するロック孔21が穿設されている。ロック孔21は、操作部7の右側面に開口する右孔21Aと、操作部7の左側面に開口する左孔21Cと、右孔21Aと左孔21Cとを連通させる中孔21Bとからなる。右孔21Aは、操作部7の突出方向に沿って延びる長孔ととして形成されており、ON位置における右孔21A上面の高さ(本体ケース上面からの高さ)は、装着部11における装着部11の下面開口から装着突起14の凸部14A上面までの上下方向での距離よりも高くなっている。また、左孔21Cは、右孔21Aと同位置で且つ同形状に設けられた長孔であるが、該左孔21C内には、その上面から下方(操作部7の基端側)へ突出するスペーサ段部22が設けられ、OFF位置におけるスペーサ段部22下面の高さ(本体ケース上面からの高さ)が、装着部11における装着部11の下面開口から装着突起14の凸部14A上面までの上下方向での距離と同じとなっている。すなわち、操作部7の左側面において、後述するように装着突起14を差し込み可能とされた開口は、操作部7の右側面における開口(右孔21A)よりも操作部7の基端側へ寄っている。さらに、中孔21Bは、ロック孔21の左右方向での中央部分においてスペーサ段部22を超えて下方(操作部7の基端側)へ突出する仕切り壁23の先端とロック孔21の下面との間の隙間であり、右孔21A及び左孔21Cよりも小さな孔とされている(
図6、
図8)。そして、ON位置における中孔21B上面の高さ(本体ケース上面からの高さ)は、装着部11における装着部11の下面開口から装着突起14の凸部14B上面までの上下方向での距離と同じとなっている。
【0019】
さらに、右孔21A及び左孔21Cの左右方向での深さ(開口面から仕切り壁23の表面までの深さ)は、装着突起14における凸部14Aの突出量と略同じとなっている(厳密に言うと、凸部14Aの突出量よりも僅かに深くなっている)。また、右孔21Aにおける上面から仕切り壁23の先端までの段差は、装着突起14における凸部14Aの上面から凸部14Bの上面までの段差よりも高さのある段差とされている。さらに、左孔21Cにおける下面からスペーサ段部22の下面までの上下幅は、装着突起14の上下幅と略同じとなっている。さらにまた、操作部7の左部における操作部7上面から左孔21Cのスペーサ段部22の下面までの厚みは、ロックカバー10の凹部13上面から凸部14Aの上面までの上下距離と略同じとなっている。加えて、中孔21Bの上下長さは、装着突起14における凸部14Bの上下方向での厚みよりも長くなっている。
【0020】
上述したような操作部7へのロックカバー10の装着について説明すると、ON位置にある操作部7をロックする際には、ロックカバー10を、係止部12が装着部11の前側にある姿勢とした上で、ON位置にある操作部7の右側から、装着突起14をロック孔21の右孔21Aへ差し込むといった態様で、ロックカバー10を装着する(
図1)。すると、
図6に示すように、凸部14Bの上面が仕切り壁23の先端面に当接し、且つ、凸部14Bの先端が左孔21C内まで突出するような格好で操作部7が凹部13内に収納される。また、係止部12が操作窓6内に入り込み、リブ15が操作窓6の左縁に押し当てられた状態で係止爪16の先端が操作窓6の右縁に係止する等して、ロックカバー10が装着されることになる。この装着状態にあっては、ロックカバー10(特に装着部11)の下面が、本体ケースの上面に略当接した状態となる(
図5(b))。なお、ON位置にある操作部7をロックした状態にあっては、装着突起14の下面は、ロック孔21の下面(右孔21A、中孔21B、及び左孔21Cの下面)から浮いている。また、操作部7の上面と凹部13の上面との間にも隙間が生じている。さらに、凸部14Aの上面は、その端部が右孔21Aの上面に線接触した状態となっている。
【0021】
一方、OFF位置にある操作部7をロックする際には、ロックカバー10を、上記姿勢から上下方向を軸として180度回転させ、係止部12が装着部11の後側にある姿勢とした上で、OFF位置にある操作部7の左側から、装着突起14をロック孔21の左孔21Cへ差し込むといった態様で、ロックカバー10を装着する(
図2)。すると、
図8に示すように、凹部13の上面と操作部7の上面とが当接するとともに、スペーサ段部22の下面と凸部14Aの上面とが当接し、且つ、凸部14Bの先端が右孔21A内まで突出するような格好で操作部7が凹部13内に収納される。また、ON位置にある操作部7をロックする場合と同様に係止部12が操作窓6内に入り込み、リブ15が操作窓6の右縁に押し当てられた状態で係止爪16の先端が操作窓6の左縁に係止する等して、ロックカバー10が装着されることになる。このように操作部7がOFF位置にあると、操作部7の鉛直方向からの傾斜角度の違いからロック孔21が上方に位置しているものの、左孔21C内に設けられたスペーサ段部22によって、ON位置にある場合と略同じ高さ位置で操作部7とロックカバー10とを干渉させることができる。したがって、該装着状態において、ロックカバー10の装着部11の下面を、本体ケースの上面に極めて近接させることができる(
図7(b))。なお、OFF位置にある操作部7をロックした状態にあっては、凸部14Bの上面と仕切り壁23の先端とが離隔しているものの、装着突起14の下面が、ロック孔21の下面(右孔21A、中孔21B、及び左孔21Cの下面)に当接している。
【0022】
以上のような構成を有する回路遮断器1によれば、操作部7に左右方向へ貫通するロック孔21を設けており、ON位置にて使用する右孔21A及び中孔21Bに関しては、装着突起14が差し込まれると、装着突起14の上面(特に凸部14Bの上面)と中孔21Bの上面とが当接するようにしている。一方、OFF位置にて使用する左孔21Cに関しては、左孔21C内に、その上面から下方へ突出するスペーサ段部22を設けている。すなわち、操作部7の右側面と比べると、操作部7の左側面では、装着突起14を差し込み可能な空間を操作部7の基端寄りに位置させており、左孔21Cに装着突起14が差し込まれると、装着突起14の上面とスペーサ段部22の下面とが当接するようにしている。したがって、ON位置における操作部7の傾斜角度αと、OFF位置における操作部7の傾斜角度βとが異なっているにも拘わらず、操作部7にロックカバー10を装着した際、ロックカバー10(特に装着部11)が本体ケースの上面から浮き上がってしまう事態を抑制することができる。
【0023】
また、装着突起14として、凸部14Aと、凸部14Aよりも上下幅が小さく、凸部14Aの先端下部から更に突出する凸部14Bとを設けるとともに、ロック孔21の左右方向での中央に下方へ突出する仕切り壁23を設けて中孔21Bを形成しており、ON位置にて操作部7にロックカバー10を装着した際には、凸部14Bの上面が中孔21Bの上面(仕切り壁23の先端面)に当接するようにしている。また、OFF位置にて操作部7にロックカバー10を装着した際には、凹部13の上面と操作部7の上面とが当接し、且つ、スペーサ段部22の下面と凸部14Aの上面とが当接するようにしている。したがって、ON位置においても、OFF位置においても、操作部7とロックカバー10とがしっかりと干渉し、操作部7を確実にロックすることができる。
【0024】
なお、本発明に係る開閉器におけるロックカバーの装着構造は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、開閉器の全体的な構成は勿論、操作部やロックカバーに係る構成等についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0025】
たとえば、上記実施形態では、ON位置においてロックカバーを操作部の右側から差し込むように構成しているが、ON位置においてロックカバーを操作部の左側から差し込むように構成することも可能であり、その場合には、ロック孔の左孔ではなく、右孔内にスペーサ段部を設ける一方、ロックカバーの装着部に、右側面及び下面に開口する凹部を設けるとともに、該凹部内に、左側面から右方へ突出する装着突起を設けるとすればよい。
【0026】
また、上記実施形態では、ON位置における傾斜角度αがOFF位置における傾斜角度βよりも大きくなるタイプの開閉器について説明しているが、本発明は、ON位置における傾斜角度αがOFF位置における傾斜角度βよりも小さくなるタイプの開閉器に対しても好適に採用することができる。そして、その場合には、ON位置において装着突起が差し込まれる側の孔内にスペーサ段部を設けるとすればよい。
【0027】
さらに、上記実施形態では、左右方向に貫通するロック孔を操作部に設けるとしているが、そのようなロック孔を設けるのではなく、操作部の左右両側面において夫々異なる高さ位置に装着突起を差し込み可能な有底のロック孔(第1のロック孔、第2のロック孔)を穿設するという構成を採用することも可能であり、その場合には、第1の凸部や第2の凸部を有する装着突起ではなく、ただの柱状の装着突起としても何ら問題はない。
加えて、上記実施形態では回路遮断器について説明しているが、単に電路をON/OFFするのみの開閉器についても、本発明は好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1・・回路遮断器(開閉器)、2・・基台(本体ケース)、3・・カバー部材(本体ケース)、6・・操作窓、7・・操作部、10・・ロックカバー、11・・装着部、12・・係止部、13・・凹部、14・・装着突起、14A・・第1の凸部、14B・・第2の凸部、21・・ロック孔、21A・・右孔、21B・・中孔、21C・・左孔、22・・スペーサ段部、23・・仕切り壁。