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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】防災用制御盤
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240209BHJP
   G08B 25/08 20060101ALI20240209BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
G08B17/00 B
G08B25/08 Z
H04M1/00 U
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020186716
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076348
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 一徳
(72)【発明者】
【氏名】中元 政人
(72)【発明者】
【氏名】榎本 慶介
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-81870(JP,A)
【文献】特開2020-35139(JP,A)
【文献】特開2020-119282(JP,A)
【文献】特開2018-106378(JP,A)
【文献】特開2003-169107(JP,A)
【文献】特開2006-20226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
G08B 17/00-31/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器と、複数の人が聞こえるように音を出力する第1のスピーカーとに接続されている防災用制御盤であって、
第2のスピーカーを有する頭部装着型の機器と無線で通信を行う無線通信機を備え、
前記端末機器から送信された音声信号に応じて前記第1のスピーカーから相手の音声を出力する第1の機能と、前記無線通信機から前記頭部装着型の機器に無線で送信された前記音声信号に応じて前記第2のスピーカーから前記音声を出力する第2の機能とを有する
防災用制御盤。
【請求項2】
前記第1の機能と前記第2の機能とを切り替える切替え部を更に備える
請求項1に記載の防災用制御盤。
【請求項3】
前記切替え部は、前記防災用制御盤に対する保守電話機の接続状況に応じて、前記第1の機能と前記第2の機能とを切り替える
請求項2に記載の防災用制御盤。
【請求項4】
前記切替え部は、前記頭部装着型の機器と前記無線通信機との通信状況に応じて、前記第1の機能と前記第2の機能とを切り替える
請求項2に記載の防災用制御盤。
【請求項5】
前記第1のスピーカーは、前記頭部装着型の機器と前記無線通信機との間の通信が途絶する状況になると、警告音を出力する
請求項1に記載の防災用制御盤。
【請求項6】
前記頭部装着型の機器と前記無線通信機との間の通信が途絶する状況になると、前記状況を示すように表示内容を変化させる表示部を更に備える
請求項1に記載の防災用制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災用制御盤に関する。
【背景技術】
【0002】
防災設備の保守を行う際に、防災用制御盤側の保守員と端末機器側の保守員との少なくとも一方がハンズフリーで通話できるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-231581号公報
【文献】特開2020-35139号公報
【文献】特開平10-304026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防災用制御盤側の保守員は、例えば作業を行いながら通話する場合には、受話器を持たずに無線で通話したい場合がある。しかし、特許文献2や3に記載の技術のように常にヘッドセットを使用して通話する場合には、ヘッドセットを装着している人しか相手の音声を聞くことができないため、相手が話している内容について誤認が生じる虞がある。
【0005】
本発明は、相手の音声を無線で聞いたり、複数人で聞いたりできるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、端末機器と、複数の人が聞こえるように音を出力する第1のスピーカーとに接続されている防災用制御盤であって、第2のスピーカーを有する頭部装着型の機器と無線で通信を行う無線通信機を備え、前記端末機器から送信された音声信号に応じて前記第1のスピーカーから相手の音声を出力する第1の機能と、前記無線通信機から前記頭部装着型の機器に無線で送信された前記音声信号に応じて前記第2のスピーカーから前記音声を出力する第2の機能とを有する防災用制御盤を提供する。
【0007】
前記防災用制御盤は、前記第1の機能と前記第2の機能とを切り替える切替え部を更に備えてもよい。
【0008】
前記切替え部は、前記防災用制御盤に対する保守電話機の接続状況に応じて、前記第1の機能と前記第2の機能とを切り替えてもよい。
【0009】
前記切替え部は、前記頭部装着型の機器と前記無線通信機との通信状況に応じて、前記第1の機能と前記第2の機能とを切り替えてもよい。
【0010】
前記第1のスピーカーは、前記頭部装着型の機器と前記無線通信機との間の通信が途絶する状況になると、警告音を出力してもよい。
【0011】
前記防災用制御盤は、前記頭部装着型の機器と前記無線通信機との間の通信が途絶する状況になると、前記状況を示すように表示内容を変化させる表示部を更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、相手の音声を無線で聞いたり、複数人で聞いたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】防災システムの構成の一例を示す図である。
図2】拡声通話機能により実現される通話の様子の一例を示す図である。
図3】無線通話機能により実現される通話の様子の一例を示す図である。
図4】防災受信盤と端末機器の構成の一例を示す図である。
図5】拡声通話機能を利用して通話を行う場合の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6】無線通話機能を利用して通話を行う場合の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図7】警告処理の一例を示す図である。
図8】変形例に係る音声が出力される様子の一例を示す図である。
図9】変形例に係る端末機器の構成の一例を示す図である。
図10】変形例に係るヘッドセットの接続先の切替えの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
構成
図1は、防災システム10の構成の一例を示す図である。防災システム10は、火災を早期発見し、火災による被害を最小限に抑えるためのシステムである。防災システム10は、例えばトンネルに設置される。
【0015】
防災システム10は、防災受信盤100と、複数の端末機器200と、保守電話機250と、アンプ300と、複数のスピーカー350と、ヘッドセット400と、保守電話機500とを含む。なお、防災システム10は、図1に示される装置を全て有していなくてもよく、一部の装置を含まずに構成されてもよい。防災受信盤100は、例えばトンネルの電気室に設置されている。端末機器200は、防災受信盤100とは異なる場所に設置されている。防災受信盤100と端末機器200とは、電話線610と信号線620とを介して接続されている。スピーカー350は、複数の人が出力音を聞くことができるような位置に設置されている。例えばスピーカー350は、防災受信盤100が設置されている部屋の天井の四隅に設置されている。防災受信盤100とアンプ300、アンプ300と複数のスピーカー350とは、それぞれ信号線630を介して接続されている。すなわち、防災受信盤100と複数のスピーカー350とは、アンプ300と信号線630を介して接続されている。
【0016】
防災受信盤100は、端末機器200と信号をやり取りし、端末機器200を制御する。例えば防災受信盤100は、火災検知器や手動通報装置から火災の発生を示す火災信号を受信すると、火災の発生を報知するとともに、消火設備や水噴霧設備を制御する。また、防災受信盤100は、端末機器200と通話する機能を有する。防災受信盤100は、本発明に係る「防災用制御盤」の一例である。
【0017】
防災受信盤100は、拡声通話機能と無線通話機能とを有する。図2は、拡声通話機能により実現される通話の様子の一例を示す図である。拡声通話機能は、スピーカー350を使用して通話する機能である。拡声通話機能では、スピーカー350から相手の音声が出力される。拡声通話機能を利用した場合には、スピーカー350が設置された場所に居る複数の人が相手の音声を聞くことができる。拡声通話機能は、本発明に係る「第1の機能」の一例である。図3は、無線通話機能により実現される通話の様子の一例を示す図である。無線通話機能は、ヘッドセット400を使用して通話する機能である。無線通話機能では、ヘッドセット400から相手の音声が出力される。無線通話機能を利用した場合には、ヘッドセット400を装着した人だけが相手と通話することができる。無線通話機能は、本発明に係る「第2の機能」の一例である。
【0018】
図1に戻り、端末機器200は、防災受信盤100に接続されており、防災受信盤100と信号をやり取りする。端末機器200には、例えばポンプ制御盤が含まれる。なお、端末機器200には、火災検知器、手動通報装置、消火設備、及び水噴霧設備が含まれてもよい。また、端末機器200は、防災受信盤100と通話する機能を有する。なお、全ての端末機器200が防災受信盤100と通話する機能を有さなくてもよい。例えば一部の端末機器200だけが防災受信盤100と通話する機能を有し、その他の端末機器200は防災受信盤100と通話する機能を有していなくてもよい。
【0019】
保守電話機250は、出合試験器と呼ばれる保守用の電話機である。保守電話機250は、端末機器200の保守を行う保守員Bにより持ち運ばれ、保守員Bが防災受信盤100側の保守員Aと通話するのに用いられる。保守電話機250は、プラグ251を有し、プラグ251を用いて端末機器200に接続される。
【0020】
アンプ300は、音声信号を増幅する。スピーカー350は、拡声通話機能が利用される場合に、音声の出力に用いられる。スピーカー350は、拡声器とも呼ばれ、アンプ300により増幅された音声信号に応じて、複数の人が聞こえるように音声を出力する。スピーカー350は、本発明に係る「第1のスピーカー」の一例である。
【0021】
ヘッドセット400は、無線通話機能が利用される場合に、防災受信盤100側に居る保守員Aの頭部に装着され、保守員Aが端末機器200側の保守員Bと無線で通話するのに用いられる。ヘッドセット400は、マイクロフォン401とスピーカー402とを有する。マイクロフォン401は、音声を収集して音声信号に変換する。スピーカー402は、音声信号に応じた音声を出力する。ヘッドセット400は、本発明に係る「頭部装着型の機器」の一例である。スピーカー402は、本発明に係る「第2のスピーカー」の一例である。
【0022】
保守電話機500は、保守電話機250と同様に、出合試験器と呼ばれる保守用の電話機である。保守電話機500は、防災受信盤100側の保守員Aが端末機器200側の保守員Bと通話するのに用いられる。保守電話機500は、プラグ501を有し、プラグ501を用いて防災受信盤100に接続される。
【0023】
図4は、防災受信盤100と端末機器200の構成の一例を示す図である。なお、図4では、主に通話に関する構成が示されており、その他の構成については省略されている。端末機器200は、差込み口201を備える。防災受信盤100は、第1の接続検出部101と、制御部102と、スピーカー103と、マイクロフォン104と、差込み口105と、第2の接続検出部106と、切替え部107と、無線通信機108と、表示部109と備える。なお、防災受信盤100と端末機器200とはいずれも、必ずしも図4に示される構成を全て備えていなくてもよく、一部の構成を含まずに構成されてもよい。
【0024】
端末機器200の差込み口201は、保守電話機250のプラグ251が差し込まれる口である。差込み口201は、例えば電話ジャックである。保守員Bは、端末機器200の保守を行う際に、保守電話機250を持ち運ぶ。防災受信盤100側の保守員Aに連絡する場合、保守員Bは、保守電話機250のプラグ251を端末機器200の差込み口105に差し込む。これにより、端末機器200と保守電話機250とが接続される。
【0025】
防災受信盤100の第1の接続検出部101は、端末機器200の差込み口201に保守電話機250のプラグ251が差し込まれると、端末機器200に保守電話機250が接続されたことを検出する。この検出方法としては、例えば差込み口201に保守電話機250のプラグ251が差し込まれることにより通電して、電話線610を介して第1の接続検出部101に電流が流れることにより検出する方法がある。第1の接続検出部101は、例えば回路により実現される。
【0026】
制御部102は、防災受信盤100の各部を制御して各種の処理を行う。例えば制御部102は、第1の接続検出部101により端末機器200に保守電話機250が接続されたことが検出されると、スピーカー103から着信音を鳴らす。また、制御部102は、無線通信機108とヘッドセット400との通信状況を確認し、通信状況に応じて警告処理を行う。制御部102は、例えばプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより実現される。プロセッサには、例えばCPU(Central Processing Unit)が含まれる。メモリには、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリのうち少なくとも一つが含まれる。
【0027】
スピーカー103は、制御部102の制御の下、音響信号に応じた音を出力する。例えばスピーカー103は、着信音信号に応じて着信音を出力する。
【0028】
マイクロフォン104は、拡声通話機能が利用される場合に、防災受信盤100の周囲に居る少なくとも一人の人が相手と話すときに用いられる。マイクロフォン104は、周囲の音声を収集して音声信号に変換する。マイクロフォン104は、音声信号を切替え部107に供給する。
【0029】
差込み口105は、保守電話機500のプラグ501が差し込まれる口である。差込み口105は、例えば電話ジャックである。保守員Aは、保守電話機500を使用して通話する場合には、保守電話機500のプラグ501を差込み口105に差し込む。これにより、防災受信盤100と保守電話機500とが接続される。
【0030】
第2の接続検出部106は、差込み口105に保守電話機500のプラグ501が差し込まれると、防災受信盤100に保守電話機500が接続されたことを検出する。第2の接続検出部106は、例えば回路により実現される。
【0031】
切替え部107は、拡声通話機能と無線通話機能とを切り替える。具体的には、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号の供給先をアンプ300と無線通信機108との間で切り替える。また、切替え部107は、端末機器200に送信する音声信号の供給元をマイクロフォン104と無線通信機108との間で切り替える。切替え部107は、例えばスイッチ、又はプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより実現される。拡声通話機能と無線通話機能とを切り替える方法としては、例えば以下の方法がある。
【0032】
第1の方法は、スイッチ110の操作に応じて、拡声通話機能と無線通話機能とを切り替える方法である。第1の方法が用いられる場合、切替え部107は、防災受信盤100が備えるスイッチ110により実現される。スイッチ110は、拡声通話機能を利用するか否かを切り替える操作を受け付ける。例えば図1に示されるように、防災受信盤100の正面には扉が付けられており、扉を開けたときに露出する面にスイッチ110が設けられる。なお、第1の方法が用いられる場合、保守電話機500は防災受信盤100に接続されていてもよいし、保守電話機500は設けられなくてもよい。
【0033】
保守員Aは、例えば複数人で相手と通話したい場合には、拡声通話機能を利用するために、スイッチ110をオンにする。スイッチ110がオンになると、切替え部107は拡声通話機能に切り替える。具体的には、スイッチ110がオンになると、アンプ300と電話線610とが接続され、端末機器200から受信された音声信号はアンプ300に供給される。また、スイッチ110がオンになると、マイクロフォン104と電話線610とが接続され、マイクロフォン104から供給された音声信号が端末機器200に送信される。なお、スイッチ110がオンになると、無線通信機108と電話線610との接続は解除されるため、端末機器200から受信された音声信号は無線通信機108には供給されない。また、無線通信機108から音声信号が供給されても、この音声信号は端末機器200に送信されない。
【0034】
一方、保守員Aは、例えばヘッドセット400を用いて相手と通話したい場合には、無線通話機能を利用するために、スイッチ110をオフにする。スイッチ110がオフになると、切替え部107は無線通話機能に切り替える。具体的には、スイッチ110がオフになると、無線通信機108と電話線610とが接続され、端末機器200から受信された音声信号は無線通信機108に供給される。また、無線通信機108から供給された音声信号が端末機器200に送信される。なお、スイッチ110がオフになると、アンプ300と電話線610との接続は解除されるため、端末機器200から受信された音声信号はアンプ300には供給されない。また、スイッチ110がオフになると、マイクロフォン104と電話線610との接続は解除されるため、マイクロフォン104から音声信号が供給されても、この音声信号は端末機器200に送信されない。
【0035】
第2の方法としては、保守電話機500の接続状況に応じて、拡声通話機能と無線通話機能とを切り替える方法である。第2の方法が用いられる場合、切替え部107は、例えばプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより実現される。なお、第2の方法が用いられる場合、スイッチ110は設けられなくてもよい。
【0036】
保守員Aは、例えば複数人で相手と通話したい場合には、拡声通話機能を利用するために、差込み口105に保守電話機500のプラグ501が差し込まれていない状態にする。例えば差込み口105に保守電話機500のプラグ501が既に差し込まれている場合には、保守員Aは差込み口105からプラグ501を抜く。第2の接続検出部106により保守電話機500が防災受信盤100に接続されたことが検出されない場合には、差込み口105に保守電話機500のプラグ501が差し込まれていないことを示すため、切替え部107は拡声通話機能に切り替える。具体的には、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号をアンプ300に供給する。また、切替え部107は、マイクロフォン104から供給された音声信号を端末機器200に送信する。なお、差込み口105に保守電話機500のプラグ501が差し込まれていない場合には、切替え部107は無線通信機108には音声信号を供給しない。また、切替え部107は、無線通信機108から音声信号が供給されても、この音声信号を端末機器200に送信しない。
【0037】
一方、保守員Aは、例えばヘッドセット400又は保守電話機500を用いて相手と通話したい場合には、無線通話機能を利用するために、保守電話機500のプラグ501を差込み口105に差し込む。第2の接続検出部106により保守電話機500が防災受信盤100に接続されたことが検出された場合には、保守電話機500のプラグ501が差込み口105に差し込まれたことを示すため、切替え部107は無線通話機能に切り替える。具体的には、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号を無線通信機108と保守電話機500に供給する。また、切替え部107は、無線通信機108から供給された音声信号と保守電話機500から供給された音声信号とを端末機器200に送信する。なお、差込み口105に保守電話機500のプラグ501が差し込まれている場合、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号をアンプ300には供給しない。また、切替え部107は、マイクロフォン104から音声信号が供給されても、この音声信号を端末機器200に送信しない。
【0038】
第3の方法は、ヘッドセット400と無線通信機108との通信状況に応じて、拡声通話機能と無線通話機能とを切り替える方法である。第3の方法が用いられる場合、切替え部107は、例えばプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより実現される。なお、第3の方法が用いられる場合、保守電話機500は防災受信盤100に接続されていてもよいし、保守電話機500は設けられなくてもよい。
【0039】
ヘッドセット400と無線通信機108との通信状況には、例えば接続の状況が含まれる。切替え部107は、所定の時間間隔で、ヘッドセット400と無線通信機108との接続の状況を確認する。例えばヘッドセット400が無線通信機108の通信範囲180外に移動した場合、ヘッドセット400の電源がオフになった場合、又はヘッドセット400が故障して動作しなくなった場合には、ヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除される。ヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除されると、ヘッドセット400と無線通信機108とが通信できない状況であることを示すため、切替え部107は拡声通話機能に切り替える。具体的には、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号をアンプ300に供給する。また、切替え部107は、マイクロフォン104から供給された音声信号を端末機器200に送信する。なお、ヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除された場合、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号を無線通信機108には供給しない。また、切替え部107は、無線通信機108から音声信号が供給されても、この音声信号を端末機器200に送信しない。
【0040】
一方、ヘッドセット400と無線通信機108とが接続された場合、ヘッドセット400と無線通信機108とが通信できる状況であることを示すため、切替え部107は無線通話機能に切り替える。具体的には、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号を無線通信機108に供給する。また、切替え部107は、無線通信機108から供給された音声信号を端末機器200に送信する。なお、ヘッドセット400と無線通信機108とが接続された場合、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号をアンプ300には供給しない。また、切替え部107は、マイクロフォン104から音声信号が供給されても、この音声信号を端末機器200に送信しない。
【0041】
拡声通話機能と無線通話機能との切替えは、通話の途中で行われてもよい。例えば、第1の方法が用いられる場合、通話の途中で保守員Aがスイッチ110をオンからオフに切り替えることにより、拡声通話機能から無線通話機能に切り替えられてもよい。同様に、第2の方法が用いられる場合、通話の途中で保守員Aが差込み口105に保守電話機500のプラグ501を差し込むことにより、拡声通話機能から無線通話機能に切り替えられてもよい。また、第3の方法が用いられる場合、例えば保守員Aが通話をしながら無線通信機108の通信範囲180外に移動することにより通話の途中でヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除された場合には、無線通話機能から拡声通話機能に切り替えられてもよい。
【0042】
無線通信機108は、無線通話機能が利用される場合に、無線通信規格に従ってヘッドセット400と無線で通信を行う。例えば無線通信機108は、切替え部107から供給された音声信号をヘッドセット400に送信する。また、無線通信機108は、ヘッドセット400から供給された音声信号を切替え部107に供給する。無線通信規格には、例えばBluetooth(登録商標)が用いられる。ただし、無線通信規格は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、どのような無線通信規格であってもよい。Bluetooth(登録商標)が用いられる場合、無線通信機108とヘッドセット400との間で予めペアリングが行われる。無線通信機108の通信範囲180内に予めペアリングされたヘッドセット400が移動すると、無線通信機108とヘッドセット400との接続が確立する。通信範囲180とは、無線通信機108が通信可能な範囲をいう。
【0043】
表示部109は、制御部102の制御の下、各種の情報を表示する。例えば表示部109は、無線通信機108とヘッドセット400とが接続されている間は、図3に示されるように、接続中であることを示す情報190を表示する。この情報190は、例えば文字や記号で構成されてもよいし、図形や画像で構成されてもよい。表示部109には、例えば液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのうち少なくとも一つが含まれる。
【0044】
動作
図5は、拡声通話機能を利用して通話を行う場合の動作の一例を示すシーケンスチャートである。端末機器200の保守を行う保守員Bは、防災受信盤100側の保守員Aに連絡する場合、保守電話機250のプラグ251を端末機器200の差込み口201に差し込む。ステップS11において、保守電話機250のプラグ251が端末機器200の差込み口201に差し込まれると、端末機器200と保守電話機250とが接続される。ステップS12において、防災受信盤100は、第1の接続検出部101により保守電話機250が端末機器200に接続されたことを検出する。ステップS13において、防災受信盤100は、スピーカー103から着信音を鳴らす。着信音が鳴ると、防災受信盤100側の人は、端末機器200から着信があることに気付く。防災受信盤100側の人が応答を行う操作を行うと、着信音が鳴り止み、通話できる状態になる。この操作は、例えば保守電話機500に設けられたスイッチを切り替える操作、又はヘッドセット400や防災受信盤100に設けられた応答ボタンを押す操作である。
【0045】
保守員Bが保守電話機250を使用して話すと、ステップS14において、保守員Bの音声を示す音声信号が端末機器200に入力される。ステップS15において、端末機器200は、入力された音声信号を電話線610を介して防災受信盤100に送信する。拡声通話機能が利用される場合、端末機器200から受信した音声信号の供給先は切替え部107によりアンプ300に切り替えられる。従って、ステップS16において、防災受信盤100は、端末機器200から受信した音声信号を信号線630を介してアンプ300に送信する。ステップS17において、アンプ300は、防災受信盤100から受信した音声信号を増幅する。ステップS18において、アンプ300は、増幅された音声信号を信号線630を介して複数のスピーカー350に送信する。ステップS19において、複数のスピーカー350は、アンプ300から受信した音声信号に応じた音声を出力する。これにより、図2に示されるように、複数のスピーカー350から保守員Bの音声が出力される。
【0046】
図5に戻り、防災受信盤100の周囲に居る少なくとも一人の人が話すと、ステップS20において、この音声が防災受信盤100のマイクロフォン104に入力される。拡声通話機能が利用される場合、端末機器200に送信される音声信号の供給元は切替え部107によりマイクロフォン104に切り替えられる。従って、ステップS21において、防災受信盤100は、マイクロフォン104に入力された音声を示す音声信号を電話線610を介して端末機器200に送信する。ステップS22において、端末機器200は、防災受信盤100から受信した音声信号を保守電話機250に供給する。ステップS23において、保守電話機250は、この音声信号に応じた音声を出力する。これにより、保守電話機250から防災受信盤100側の人の音声が出力される。
【0047】
図6は、無線通話機能を利用して通話を行う場合の動作の一例を示すシーケンスチャートである。ステップS31~S35の処理は、上述したステップS11~S15の処理と同様である。無線通話機能が利用される場合、端末機器200から受信した音声信号の供給先は切替え部107により無線通信機108に切り替えられる。従って、ステップS36において、防災受信盤100は、端末機器200から受信した音声信号を無線通信機108から無線でヘッドセット400に送信する。ステップS37において、ヘッドセット400は、防災受信盤100から受信した音声信号に応じた音声をスピーカー402から出力する。これにより、図3に示されるように、ヘッドセット400のスピーカー402から保守員Bの音声が出力される。
【0048】
図6に戻り、保守員Aが話すと、ステップS38において、この音声がヘッドセット400のマイクロフォン401に入力される。ステップS39において、ヘッドセット400は、マイクロフォン401に入力された音声を示す音声信号を無線で無線通信機108に送信する。無線通話機能が利用される場合、端末機器200に送信される音声信号の供給元は切替え部107により無線通信機108に切り替えられる。従って、ステップS40において、防災受信盤100は、無線通信機108が受信した音声信号を端末機器200に送信する。続くステップS41~S42の処理は、上述したステップS22~S23の処理と同様である。
【0049】
図7は、警告処理の一例を示す図である。無線通話機能を利用して通話している間に、ヘッドセット400と無線通信機108との通信が途絶する状況になると、警告処理が行われる。通信が途絶する状況には、例えばヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除された状況が含まれる。例えばヘッドセット400が無線通信機108の通信範囲180外に移動した場合、ヘッドセット400の電源がオフになった場合、又はヘッドセット400が故障して動作しなくなった場合には、ヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除される。
【0050】
制御部102は、所定の時間間隔で、ヘッドセット400と無線通信機108との接続の状況を確認する。例えばヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除された場合、制御部102は、防災受信盤100の周囲に居る人に、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったことを警告する。この警告の方法としては、スピーカー103及び350のうち少なくとも一つから音声を出力する第1の方法と、表示部109の表示内容を変化させる第2の方法とがある。
【0051】
第1の方法では、制御部102は、例えばヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったことを示す警告音をスピーカー103及び350のうち少なくとも一つから出力させる。この警告音は、例えばピーピーという所定の音であってもよいし、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったことを示す音声メッセージであってもよい。
【0052】
第2の方法では、制御部102は、ヘッドセット400と無線通信機108との通信が途絶する状況になったことを示すように表示部109の表示内容を変化させる。例えば図3に示されるように、ヘッドセット400と無線通信機108とが接続されている間は、表示部109には接続中であることを示す情報190が表示される。ヘッドセット400と無線通信機108との接続が解除された場合、制御部102は、図7に示されるように、この情報190を非表示にする。或いは、制御部102は、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったことを示す警告メッセージを表示部109に表示させてもよい。これにより、防災受信盤100の周囲に居る人は、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったことが分かる。
【0053】
なお、通信が途絶する状況は、接続が解除された状況に限定されない。例えば通信が途絶する状況には、通信ができなくなる可能性が高い状況が含まれてもよい。例えばヘッドセット400と無線通信機108とが接続されていても、ヘッドセット400が無線通信機108の通信範囲180の端部に移動した場合、ヘッドセット400における無線通信機108の電波強度が所定値以下になった場合、ヘッドセット400の電池残量が所定量以下になった場合、ヘッドセット400が故障する予兆がある場合には、通信ができなくなる可能性が高いと考えられる。このような状況についても通信が途絶する状況に含まれてもよい。
【0054】
上述した実施形態によれば、防災受信盤100が無線通話機能と拡声通話機能とを有するため、相手の音声を無線で聞いたり、複数人で聞いたりできるようにすることができる。また、無線通話機能と拡声通話機能とを切り替えて利用することができるため、状況に応じて相手の音声を無線で聞いたり、複数人で聞いたりできるようにすることができる。無線通話機能を利用する場合には、ヘッドセット400を装着している保守員Aしか通話相手の保守員Bの音声が聞こえないため、相手の話している内容が防災受信盤100の周囲の人に聞かれるのを防ぐことができる。拡声通話機能を利用する場合には、スピーカー350の設置場所に居る複数の人で通話相手の保守員Bが話した内容を確認することができる。このように、複数人で相手の話した内容を確認することにより、相手が話している内容について誤認が生じ難くなる。
【0055】
また、仮に保守電話機500を使用した通話しかできない場合には、保守員Aは、通話している間は防災受信盤100の前から離れることができない。しかし、無線通話機能を利用する場合には、保守員Aは、通話中であっても防災受信盤100の前から離れて、例えば隣接した部屋に設置された端末機器200の前に移動することができる。この場合、保守員Aは防災受信盤100と隣接した部屋に設置された端末機器200との両方を監視することができる。そうすると、隣接した部屋に設置された端末機器200の前に保守員Aとは別の保守員を配置しなくてもよいため、保守員の人数を削減することができる。
【0056】
変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態は、以下の変形例のように変形して実施されてもよい。実施形態と変形例とは、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。同様に、以下の変形例は、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。
【0057】
上述した実施形態において、拡声通話機能と無線通話機能とは必ずしも切り替えられなくてもよい。例えば拡声通話機能と無線通話機能とが併せて利用されてもよい。この場合、ヘッドセット400とスピーカー350の両方から音声が出力されるとともに、ヘッドセット400を装着した保守員Aの音声と防災受信盤100の周囲に居る人の音声の両方が端末機器200側で聞こえる。この変形例では、切替え部107は、端末機器200から受信した音声信号をアンプ300と無線通信機108との両方に供給する。また、切替え部107は、無線通信機108から供給された音声信号とマイクロフォン104から供給された音声信号の両方を端末機器200に送信する。
【0058】
また、特定の状況においては、ヘッドセット400とスピーカー350の両方から音声が出力されてもよい。図8は、この変形例に係る音声が出力される様子の一例を示す図である。例えば火災検知器により火災の発生が検知され、防災受信盤100が火災検知器から信号線620を介して火災信号を受信した場合には、スピーカー350とヘッドセット400の両方から「火事です。火事です。」という火災の発生を知らせる音声が出力されてもよい。この音声には、火災の発生場所を示す情報が含まれてもよい。また、火災の発生を知らせる音声だけでなく、端末機器200側に居る相手の音声もスピーカー350とヘッドセット400の両方から出力されてもよい。さらに、ヘッドセット400を装着した保守員Aの音声と防災受信盤100の周囲に居る人の音声の両方が端末機器200側で聞こえるようにしてもよい。この変形例によれば、ヘッドセット400を装着している人と防災受信盤100の周囲に居る人との両方が火災の発生や通話相手の話している内容を認識することができる。また、ヘッドセット400を装着している人と防災受信盤100の周囲に居る人とを含む複数の人が端末機器200側に居る人と通話することができる。
【0059】
上述した実施形態において、無線通話機能を利用して通話している間に、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったときに、防災受信盤100側で警告を行うのに加えて又はこれに代えて、通話相手の保守員Bにこの状況を通知してもよい。例えばヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になると、制御部102は、この状況を示す信号を信号線620を介して端末機器200に送信する。端末機器200は、この信号を受信すると警告処理を行う。例えば端末機器200がスピーカーを有する場合には、このスピーカーから警告音が出力されてもよい。端末機器200が表示部を有する場合には、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になったことを示す警告メッセージがこの表示部に表示されてもよい。或いは、ヘッドセット400と無線通信機108との間の通信が途絶する状況になると、制御部102は、電話線610を介して、警告音を示す警告音信号を端末機器200に送信して、端末機器200に接続された保守電話機250のスピーカーから警告音を出力させてもよい。この変形例によれば、保守員Bは、通話相手の保守員Aと通話できなくなることが分かる。
【0060】
上述した実施形態において、端末機器200側の保守員Bも、無線で通話できるようにしてもよい。この場合、保守電話機250は使用されなくてもよい。図9は、この変形例に係る端末機器200の構成の一例を示す図である。この変形例では、端末機器200は、無線通信機108と同様の無線通信機202を備える。保守員Bは、ヘッドセット400と同様のヘッドセット260を装着する。無線通信機202は、ヘッドセット260と無線で通信を行う。この変形例によれば、保守員Bもヘッドセット260を使用して無線で通話を行うことができる。
【0061】
また、複数の端末機器200がそれぞれ無線通信機202を有する場合において、保守員Bが複数の端末機器200の保守を行うために、ヘッドセット260を装着したまま、複数の端末機器200の間を移動する場合がある。このとき、保守員Bの移動に伴って、ヘッドセット260の接続先が自動的に切り替えられてもよい。図10は、この変形例に係るヘッドセット260の接続先の切替えの一例を示す図である。図10に示されるように、ヘッドセット260を装着した保守員Bが端末機器200Aの無線通信機202の通信範囲280Aに居る場合には、ヘッドセット260と端末機器200Aの無線通信機202とが接続される。ヘッドセット260を装着した保守員Bが端末機器200Aの無線通信機202の通信範囲280Aから端末機器200Bの無線通信機202の通信範囲280Bに移動すると、ヘッドセット260と端末機器200Aの無線通信機202との接続が解除され、ヘッドセット260と端末機器200Bの無線通信機202とが新たに接続される。これにより、ヘッドセット260の接続先が端末機器200Aの無線通信機202から端末機器200Bの無線通信機202に切り替えられる。この接続先の切替えは、既知のローミング機能を用いて行われてもよい。この変形例によれば、保守員Bは、複数の端末機器200の間を移動する場合にも、手動で接続先の切替えを行うことなく、無線通話を継続することができる。
【0062】
上述した実施形態において、複数のヘッドセット400が設けられてもよい。この変形例では、無線通信機108は複数のヘッドセット400と無線通信を行う。この変形例によれば、防災受信盤100側の複数の人が、それぞれヘッドセット400を使用して相手と通話することができる。また、この変形例において、複数のヘッドセット400の少なくとも一つが無線通信機108の通信範囲180外に移動した場合には、そのヘッドセット400が特定され、特定されたヘッドセット400と無線通信機108との間で通信が途絶する状況になったことが警告されてもよい。例えば無線通信機108は、接続が確立した際にヘッドセット400の識別情報を取得する。無線通信機108は、ヘッドセット400が通信範囲180外に移動すると、そのヘッドセット400の識別情報を制御部102に供給する。制御部102は、無線通信機108から供給されたヘッドセット400の識別情報を示す音声をスピーカー103及び350のうち少なくとも一つから出力し、又はこの識別情報を表示部109に表示させる。この変形例によれば、複数のヘッドセット400のうちどのヘッドセット400が通信範囲180外に移動したかが分かる。
【0063】
上述した実施形態において、頭部装着型の機器はヘッドセット400に限定されない。頭部装着型の機器は、人の頭部に装着され、スピーカー402を有する機器であれば、どのような機器であってもよい。例えば無線通話機能が利用される場合において通話相手の音声が聞こえるだけで足りるときは、ヘッドセット400に代えて、マイクロフォン401を有していないヘッドフォンやイヤホンが用いられてもよい。このヘッドフォンやイヤホンも頭部装着型の機器に含まれる。
【0064】
上述した実施形態において、防災用制御盤は、トンネルに設置された防災受信盤100に限定されない。防災用制御盤は、端末機器200とスピーカー350とに接続されており、端末機器200と通話する機能を有する装置であれば、どのような装置であってもよい。例えば防災システム10がビルなどの建物に設けられる場合には、防災受信盤100に代えて火災受信機が用いられる。この火災受信機も防災用制御盤に含まれる。
【0065】
上述した実施形態において、防災システム10の構成は上述した例に限定されない。防災システム10は、上述した装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。例えば拡声通話機能が利用される場合において通話相手の音声が聞こえるだけで足りるときは、防災受信盤100はマイクロフォン104を備えなくてもよい。また、防災システム10の機能を有する主体は、上述した例に限定されない。例えば防災受信盤100の機能は、複数の装置が協働することにより実現されてもよい。アンプ300とスピーカー350とは一体の装置であってもよい。
【0066】
上述した実施形態において、防災システム10の動作は上述した例に限定されない。防災システム10の処理手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。また、防災システム10の一部の処理手順が省略されてもよい。
【0067】
本発明の別の形態は、防災システム10、防災受信盤100、又は端末機器200において行われる処理のステップを有する方法を提供してもよい。また、本発明の更に別の形態は、防災受信盤100又は端末機器200において実行されるプログラムを提供してもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等を介したダウンロードによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10:防災システム、100:防災受信盤、101:第1の接続検出部、102:制御部、103:スピーカー、104:マイクロフォン、105:差込み口、106:第2の接続検出部、107:切替え部、108:無線通信機、109:表示部、110:スイッチ、200:端末機器、201:差込み口、250:保守電話機、300:アンプ、350:スピーカー、400:ヘッドセット、401:マイクロフォン、402:スピーカー、500:保守電話機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10