(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】圃場管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240209BHJP
A01D 41/127 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01D41/127
(21)【出願番号】P 2020197620
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】林 壮太郎
(72)【発明者】
【氏名】堀 高範
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 直
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-8612(JP,A)
【文献】特開2019-8613(JP,A)
【文献】特開2019-162053(JP,A)
【文献】特開2020-154440(JP,A)
【文献】特開2020-28224(JP,A)
【文献】特開2013-196225(JP,A)
【文献】国際公開第2013/088567(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01D 41/127
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫機の収穫部によって収穫された作物に関するデータである作物データを経時的に取得する作物データ取得部と、
圃場における作物の収穫位置を示す位置情報を経時的に取得する位置情報取得部と、
前記作物データ取得部によって取得された前記作物データ毎に、前記収穫機の作業幅と前記収穫機が単位時間あたり走行した距離とに基づいてポリゴンを構築するポリゴン構築部と、
前記ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、前記位置情報を割り当てる位置情報割当部と、
前記ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、前記作物データまたは前記作物データに基づく作物情報を割り当てるデータ割当部と、
複数の前記ポリゴンの占有領域が重複した状態で前記複数のポリゴンが構築されたときに、後のタイミングに構築されたポリゴンから、先のタイミングに構築されたポリゴンと前記後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新するポリゴン更新部と、が備えられている圃場管理システム。
【請求項2】
前記収穫部によって収穫された作物が前記収穫部の収穫幅方向において前記収穫部のどの範囲に侵入しているかを判定する作業状態判定部と、
前記作業状態判定部による判定結果に基づいて前記作業幅を算出する作業幅算出部と、が備えられている請求項1に記載の圃場管理システム。
【請求項3】
前記ポリゴンを集合させることにより、前記ポリゴンの集合体としての圃場ポリゴンマップを生成する圃場マップ生成部が備えられている請求項1または2に記載の圃場管理システム。
【請求項4】
前記作物データ取得部は、複数種の前記作物データを経時的に取得可能であり、
前記圃場マップ生成部は、前記作物データの種類毎に前記圃場ポリゴンマップを生成する請求項3に記載の圃場管理システム。
【請求項5】
前記圃場ポリゴンマップを、前記ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部を備え、
前記作物データ取得部は、前記作物データとして、作物の収量を経時的に取得可能であり、
前記データ割当部は、前記作物データとして、作物の収量をポリゴンに割り当て、
前記マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる作物の収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量を足し合わせることによって算出する請求項3または4に記載の圃場管理システム。
【請求項6】
前記圃場ポリゴンマップを、前記ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部を備え、
前記作物データ取得部は、前記作物データとして、作物の収量を経時的に取得可能であり、
前記データ割当部は、前記作物情報として、前記作物データ取得部によって取得された作物の収量を割り当て先のポリゴンに対応する圃場面積で除することによって算出された単位面積当たりの収量をポリゴンに割り当て、
前記マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる単位面積当たりの収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量の和を割り当て先の指標区画に対応する圃場面積で除することによって算出する請求項3または4に記載の圃場管理システム。
【請求項7】
前記圃場ポリゴンマップを、前記ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部を備え、
前記作物データ取得部は、前記作物データとして、作物の品質を示す値である品質値を経時的に取得可能であり、
前記データ割当部は、前記作物データとして、前記品質値をポリゴンに割り当て、
前記マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる前記品質値を、各ポリゴンのうち各指標区画と重複するポリゴンに割り当てられた前記品質値の平均値として算出し、
前記マップ変換部は、前記平均値の算出に際して、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積による重み付けを行う請求項3から6の何れか一項に記載の圃場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機によって収穫された作物に関するデータを取得する圃場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような圃場管理システムとして、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この圃場管理システム(特許文献1では「圃場マップ生成システム」)においては、ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、作物データまたは作物データに基づく作物情報が割り当てられる。また、各ポリゴンに、位置情報が割り当てられる。
【0003】
尚、ここでの「ポリゴン」とは、実際の圃場の上に形成されるものではなく、圃場の各収穫位置に対応する各作物データのそれぞれに対応して構築される仮想的なものである。そして、ポリゴンは長方形状である。ポリゴンの幅は、収穫機の作業幅である。ポリゴンの長さは、収穫機の車速と作物データの取得時間間隔との積により算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、複数のポリゴンの占有領域が重複した場合について記載されていない。尚、ポリゴンの占有領域とは、圃場のうち、そのポリゴンに対応する領域を意味する。
【0006】
複数のポリゴンの占有領域が重複した場合、それらのポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しない事態が想定される。
【0007】
例えば、ポリゴンに、作物情報として単位面積当たりの収量が割り当てられると共に、その単位面積当たりの収量が、割り当て先のポリゴンに対応する圃場面積で収量を除することによって算出される場合、占有領域の重複している二つのポリゴンのうち、後のタイミングに構築されたポリゴンに割り当てられる単位面積当たりの収量は、実態に合致しない。
【0008】
これは、圃場のうち、後のタイミングに構築されたポリゴンに対応する領域における収穫が行われた際、その領域のうち、先のタイミングに構築されたポリゴンと後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域に対応する部分は、既に収穫済みであるためである。これにより、後のタイミングに構築されたポリゴンに割り当てられる単位面積当たりの収量は、実態よりも低くなる。
【0009】
本発明の目的は、複数のポリゴンの占有領域が重複した場合であっても、それらのポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しない事態を回避しやすい圃場管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、収穫機の収穫部によって収穫された作物に関するデータである作物データを経時的に取得する作物データ取得部と、圃場における作物の収穫位置を示す位置情報を経時的に取得する位置情報取得部と、前記作物データ取得部によって取得された前記作物データ毎に、前記収穫機の作業幅と前記収穫機が単位時間あたり走行した距離とに基づいてポリゴンを構築するポリゴン構築部と、前記ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、前記位置情報を割り当てる位置情報割当部と、前記ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、前記作物データまたは前記作物データに基づく作物情報を割り当てるデータ割当部と、複数の前記ポリゴンの占有領域が重複した状態で前記複数のポリゴンが構築されたときに、後のタイミングに構築されたポリゴンから、先のタイミングに構築されたポリゴンと前記後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新するポリゴン更新部と、が備えられていることにある。
【0011】
本発明であれば、複数のポリゴンの占有領域が重複した状態で複数のポリゴンが構築されたとき、ポリゴン更新部が、後のタイミングに構築されたポリゴンから、先のタイミングに構築されたポリゴンと後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新する。これにより、それらのポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しやすくなる。
【0012】
例えば、ポリゴンに、作物情報として単位面積当たりの収量が割り当てられると共に、その単位面積当たりの収量が、割り当て先のポリゴンに対応する圃場面積で収量を除することによって算出される場合、占有領域の重複している二つのポリゴンのうち、後のタイミングに構築されたポリゴンから、重複領域が差し引かれて、新たなポリゴンが構築される。そして、新たなポリゴンに対応する圃場面積で収量を除することによって算出された単位面積当たりの収量は、実態に合致することとなる。
【0013】
即ち、本発明であれば、後のタイミングに構築されたポリゴンのうち、そのポリゴンの構築前に既に収穫済みであった部分が考慮されて、新たなポリゴンが構築され、情報更新される。その結果、各ポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しやすくなる。
【0014】
従って、本発明であれば、複数のポリゴンの占有領域が重複した場合であっても、それらのポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しない事態を回避しやすい圃場管理システムを実現できる。
【0015】
さらに、本発明において、前記収穫部によって収穫された作物が前記収穫部の収穫幅方向において前記収穫部のどの範囲に侵入しているかを判定する作業状態判定部と、前記作業状態判定部による判定結果に基づいて前記作業幅を算出する作業幅算出部と、が備えられていると好適である。
【0016】
ポリゴンを構築する際、ポリゴンの幅を作業幅に一致させることが考えられる。この場合、収穫部の左右幅を作業幅としてポリゴンの構築に用いることが考えられる。
【0017】
しかしながら、実際には、収穫部における左半分しか収穫を行っていない等の事態が想定される。即ち、収穫部における一部しか収穫を行っていないことがある。従って、収穫部の左右幅と実際の作業幅とは、必ずしも一致しない。
【0018】
ここで、上記の構成によれば、収穫部の左右幅を作業幅としてポリゴンの構築に用いる場合に比べて、作業幅の精度が良好となる。これにより、ポリゴン構築部により構築されるポリゴンの幅の精度が良好となる。
【0019】
さらに、本発明において、前記ポリゴンを集合させることにより、前記ポリゴンの集合体としての圃場ポリゴンマップを生成する圃場マップ生成部が備えられていると好適である。
【0020】
この構成によれば、圃場ポリゴンマップにより、圃場における作物データまたは作物情報の分布が示されることとなる。これにより、作業者は、圃場における作物データまたは作物情報の分布を示すデータを得ることができる。
【0021】
さらに、本発明において、前記作物データ取得部は、複数種の前記作物データを経時的に取得可能であり、前記圃場マップ生成部は、前記作物データの種類毎に前記圃場ポリゴンマップを生成すると好適である。
【0022】
作物データ取得部が複数種の作物データを経時的に取得可能である場合、圃場マップ生成部の生成できる圃場ポリゴンマップが1種類のみであっても、各種類の作物データを取得するタイミングが一致しているならば、各ポリゴンにそれら複数種の作物データ、または、複数種の作物データに基づく複数種の作物情報を対応付けることによって、各種類の作物データまたは作物情報の圃場における分布を示す1種類の圃場ポリゴンマップを生成することができる。
【0023】
しかしながら、圃場マップ生成部の生成できる圃場ポリゴンマップが1種類のみであり、且つ、各種類の作物データを取得するタイミングが異なっている場合、圃場マップ生成部は、複数種の作物データまたは作物情報のうち、何れか1種類の作物データまたは作物情報についての圃場ポリゴンマップしか生成することができない。これは、各種類の作物データを取得するタイミングが異なっている場合には、構築されるポリゴンも異なるためである。そのため、作業者は、複数種の作物データまたは作物情報のうち、何れか1種類の作物データまたは作物情報の分布しか知ることができない。
【0024】
ここで、上記の構成によれば、圃場マップ生成部は、作物データの種類毎に圃場ポリゴンマップを生成する。従って、各種類の作物データを取得するタイミングが異なっている場合であっても、各種類の作物データまたは作物情報のそれぞれについて、圃場ポリゴンマップを生成することができる。これにより、作業者は、複数種の作物データまたは作物情報のそれぞれについて、圃場における分布を知ることが可能となる。
【0025】
さらに、本発明において、前記圃場ポリゴンマップを、前記ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部を備え、前記作物データ取得部は、前記作物データとして、作物の収量を経時的に取得可能であり、前記データ割当部は、前記作物データとして、作物の収量をポリゴンに割り当て、前記マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる作物の収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量を足し合わせることによって算出すると好適である。
【0026】
1つのポリゴンにおいて、1つの指標区画に含まれる部分の面積按分収量は、そのポリゴンの全体に対応する圃場面積に対する、そのポリゴンにおけるその指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積の比率と、そのポリゴンに割り当てられている作物の収量と、の積によって算出される。
【0027】
そして、1つの指標区画と重複する各ポリゴンについて、その指標区画に含まれる部分の面積按分収量をそれぞれ算出し、それらの面積按分収量を足し合わせることにより、その指標区画における作物の収量を、精度良く算出することができる。
【0028】
ここで、上記の構成によれば、マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる作物の収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量を足し合わせることによって算出する。従って、各指標区画に割り当てられる作物の収量の精度が良好となる。
【0029】
さらに、本発明において、前記圃場ポリゴンマップを、前記ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部を備え、前記作物データ取得部は、前記作物データとして、作物の収量を経時的に取得可能であり、前記データ割当部は、前記作物情報として、前記作物データ取得部によって取得された作物の収量を割り当て先のポリゴンに対応する圃場面積で除することによって算出された単位面積当たりの収量をポリゴンに割り当て、前記マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる単位面積当たりの収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量の和を割り当て先の指標区画に対応する圃場面積で除することによって算出すると好適である。
【0030】
上述の通り、1つの指標区画と重複する各ポリゴンについて、その指標区画に含まれる部分の面積按分収量をそれぞれ算出し、それらの面積按分収量を足し合わせることにより、その指標区画における作物の収量を、精度良く算出することができる。
【0031】
そして、このように算出した作物の収量を、その指標区画に対応する圃場面積で除することにより、その指標区画における単位面積当たりの収量を、精度良く算出することができる。
【0032】
ここで、上記の構成によれば、マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる単位面積当たりの収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量の和を割り当て先の指標区画に対応する圃場面積で除することによって算出する。従って、各指標区画に割り当てられる単位面積当たりの収量の精度が良好となる。
【0033】
さらに、本発明において、前記圃場ポリゴンマップを、前記ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部を備え、前記作物データ取得部は、前記作物データとして、作物の品質を示す値である品質値を経時的に取得可能であり、前記データ割当部は、前記作物データとして、前記品質値をポリゴンに割り当て、前記マップ変換部は、各指標区画に割り当てられる前記品質値を、各ポリゴンのうち各指標区画と重複するポリゴンに割り当てられた前記品質値の平均値として算出し、前記マップ変換部は、前記平均値の算出に際して、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積による重み付けを行うと好適である。
【0034】
1つの指標区画における品質値を、その指標区画と重複する各ポリゴンに割り当てられた品質値の平均値として算出すれば、その指標区画における品質値を精度良く算出することができる。
【0035】
そして、その指標区画と重複する1つのポリゴンに割り当てられた品質値の平均値への影響の大きさは、その指標区画におけるそのポリゴンに含まれる部分に対応する圃場面積の大きさに依存する。
【0036】
ここで、上記の構成によれば、マップ変換部は、平均値の算出に際して、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積による重み付けを行う。これにより、各ポリゴンに割り当てられた品質値の平均値への影響の大きさを考慮に入れた状態で、平均値を算出することができる。従って、各指標区画に割り当てられる品質値の精度が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図4】圃場管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図6】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図7】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図8】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図9】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図10】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図11】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図12】作業幅とポリゴンとの関係性を示す説明図である。
【
図13】同一位置の作物を異なる走行経路で収穫した際に構築されるポリゴンを比較した説明図である。
【
図14】圃場におけるコンバインの収穫作業走行経路を示す図である。
【
図16】重複処理前の収量ポリゴンマップの一部拡大図である。
【
図17】重複処理後の収量ポリゴンマップの一部拡大図である。
【
図18】メッシュマップ上の各指標区画における反収などを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、
図1、
図2に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」とする。また、
図2に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、
図1に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0039】
〔コンバインの構成〕
図1及び
図2には、本実施形態の圃場管理システムSY(
図4参照)に含まれる自脱型のコンバインC(本発明に係る「収穫機」に相当)が示されている。コンバインCの機体前部には、刈取部1(本発明に係る「収穫部」に相当)が設けられている。刈取部1は、圃場の作物を刈り取る。より具体的には、刈取部1は、圃場の植立穀稈を刈り取る。これにより、刈取部1は、圃場における作物を収穫する。
【0040】
詳述すると、刈取部1は、バリカン型の切断装置100及び刈取搬送装置101を有している。切断装置100は、植立穀稈を切断するように構成されている。
【0041】
刈取部1は、
図1に示す揺動軸芯X周りに、刈取作業を行う際に設定される下降状態と、畦際(畦畔近傍)での旋回時や路上走行時などに設定される上昇状態とに亘って上下揺動可能である。
【0042】
図1に示すように、刈取部1の上側には、運転部2が設けられている。運転部2には、作業者が搭乗可能である。また、
図2に示すように、運転部2の後方には、穀粒タンク3が設けられている。穀粒タンク3の左側には、脱穀装置4が設けられている。
図1及び
図2に示すように、穀粒タンク3及び脱穀装置4の上方には、アンローダ5が設けられている。
【0043】
また、コンバインCの機体下部には、クローラ式の走行装置6が設けられている。コンバインCは、走行装置6によって自走可能である。
【0044】
刈取部1によって刈り取られた穀稈は、刈取搬送装置101により、搬送経路Tに沿って脱穀装置4へ搬送される。
【0045】
コンバインCにおける運転部2の下方に、エンジンEGが備えられている。エンジンEGの動力は、トランスミッション(図示せず)と、刈取HST(図示せず)と、のそれぞれに伝達される。そして、トランスミッションから走行装置6へ動力が伝達され、刈取HSTから刈取搬送装置101へ動力が伝達される。これにより、刈取搬送装置101における刈取穀稈の搬送速度がコンバインCの走行速度に概ね連動して変化することとなる。即ち、刈取搬送装置101は、搬送速度を変更可能に構成されている。
【0046】
また、
図1及び
図2に示すように、コンバインCは、刈取搬送装置101から刈取穀稈を受け取り後方へ搬送するフィードチェーンFCを備えている。フィードチェーンFCは、刈取穀稈の穂先側部分を脱穀装置4に投入した状態で刈取穀稈の株元側部分を挟持して、刈取穀稈を後方へ搬送する。
【0047】
脱穀装置4において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク3に貯留される。穀粒タンク3に貯留された穀粒は、必要に応じて、アンローダ5によって機外に排出される。
【0048】
また、
図1及び
図2に示すように、運転部2のルーフ部2Aに、衛星測位モジュールGが設けられている。衛星測位モジュールGは、人工衛星からのGNSS(Global Navigation Satellite System)の信号を受信して、コンバインCの機体位置を示す衛星測位データを出力する。GNSSの信号として、GPS、QZSS、Galileo、GLONASS、BeiDou、等の信号が含まれる。
【0049】
衛星測位モジュールGは、ルーフ部2Aの前端部における機体中央側(この例では左側)の側部に備えられており、コンバインCにおいて、機体左右方向におけるほぼ中央位置に位置している。
【0050】
図2に示すように、脱穀装置4には、横スクリュー41が設けられている。横スクリュー41は、機体左右方向に延びている。そして、横スクリュー41は、脱穀装置4における脱穀処理により得られた穀粒を、穀粒タンク3へ向かって搬送する。
【0051】
また、
図1及び
図2に示すように、穀粒タンク3と脱穀装置4との間には、揚穀装置9が設けられている。揚穀装置9は、縦スクリュー91を有している。
【0052】
横スクリュー41によって搬送された穀粒は、縦スクリュー91によって上方へ搬送される。そして、縦スクリュー91の上端部まで搬送された穀粒は、縦スクリュー91の上端部に設けられた羽根状部材91aにより、穀粒タンク3の中へ放出される。
【0053】
縦スクリュー91の上端部の近傍には、収量センサM1が設けられている。収量センサM1は、穀粒タンク3の中へ放出される穀粒の量を検知する。
【0054】
詳述すると、収量センサM1は、縦スクリュー91の上端部から放出される穀粒による押圧力を受けるように構成されている。そして、収量センサM1は、この押圧力を検出する。収量センサM1は、検出された押圧力に基づいて、穀粒の収量(本発明に係る「作物データ」に相当)を算出する。これにより、収量センサM1は、穀粒の収量を検知する。
【0055】
収量センサM1は、例えば、ビーム型ロードセルにより構成されていても良い。
【0056】
また、
図2に示すように、穀粒タンク3の内部に、品質センサM2が設けられている。品質センサM2は、上方に開放された箱状の外形を有している。品質センサM2は、羽根状部材91aにより放出された穀粒のうちの一部を受け入れる。そして、品質センサM2は、受け入れた穀粒に対して、例えば分光法を用いることにより、水分値(本発明に係る「作物データ」及び「品質値」に相当)及びタンパク含有率(本発明に係る「作物データ」及び「品質値」に相当)の測定を行うことができるように構成されている。これにより、品質センサM2は、穀粒の水分値及びタンパク含有率を検知する。
【0057】
尚、以下では、水分値及びタンパク含有率を総称して、「品質値」という。
【0058】
〔刈取部の構成について〕
刈取部1は、
図3に示すように、左右方向に並ぶ七つのデバイダ110を有しており、隣り合うデバイダ110の間に六つの導入経路である、第1導入経路R1~第6導入経路R6が形成されている。第1導入経路R1~第6導入経路R6に対応して、六つの引起装置111が備えられている。引起装置111によって植立穀稈を適正な姿勢に引き起こし、切断装置100にて植立穀稈の株元を刈り取る。刈取部1は、6条の植え付け条の植立穀稈を条毎に分草した状態で刈り取ることが可能である。左端のデバイダ110と右端のデバイダ110との間隔が刈取部1の収穫可能幅Wである。
【0059】
刈取搬送装置101は、まずは、第1導入経路R1~第6導入経路R6から導入された刈取穀稈を、第1導入経路R1及び第2導入経路R2、第3導入経路R3及び第4導入経路R4、第5導入経路R5及び第6導入経路R6ごとに刈取穀稈2条分を合流させる。刈取搬送装置101は、その後、第5導入経路R5及び第6導入経路R6の合流分の搬送経路120に、第3導入経路R3及び第4導入経路R4の合流分の搬送経路130を合流させる。刈取搬送装置101は、最終的に、第1導入経路R1及び第2導入経路R2の合流分の搬送経路140を合流させて、6条分の刈取穀稈をひとまとめにしてフィードチェーンFCに受け渡すように構成されている。
【0060】
〔各株元センサについて〕
図3に示すように、第1導入経路R1及び第2導入経路R2の合流分の搬送経路140に、第1株元センサS1(左)が設けられている。第3導入経路R3及び第4導入経路R4の合流分の搬送経路130に、第2株元センサS2(中)が設けられている。第5導入経路R5及び第6導入経路R6の合流分の搬送経路120に、第3株元センサS3(右)が設けられている。
【0061】
第1株元センサS1、第2株元センサS2、第3株元センサS3は、刈取穀稈の株元に接触して揺動する接触式のセンサであり、ONになることで、各搬送経路140,130,120における刈取穀稈の存在を検出する。
【0062】
〔圃場管理システムの全体構成〕
図4に示すように、本実施形態における圃場管理システムSYは、管理サーバ7及び操作端末8を含んでいる。操作端末8は、作業者によって操作される。また、操作端末8は、管理サーバ7と通信可能に構成されている。操作端末8は、例えば、農家等に設置されたパーソナルコンピュータで構成される。
【0063】
コンバインCに備わるECU50は、作業状態判定部11及び作業幅算出部12を有している。また、ECU50は、管理サーバ7と通信可能に構成されている。尚、ECU50は、各機能部に対応するプログラムを記憶するメモリ(HDDや不揮発性RAMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。管理サーバ7についても同様である。
【0064】
作業状態判定部11は、第1株元センサS1、第2株元センサS2、第3株元センサS3による検出結果を受け取る。そして、作業状態判定部11は、受け取った検出結果に基づいて、刈取部1によって収穫された作物が刈取部1の収穫幅方向において刈取部1のどの範囲に侵入しているかを判定する。
【0065】
即ち、圃場管理システムSYは、刈取部1によって収穫された作物が刈取部1の収穫幅方向において刈取部1のどの範囲に侵入しているかを判定する作業状態判定部11を備えている。
【0066】
作業状態判定部11による判定について詳述する。
図5から
図12に示されるA1からA6は、刈取穀稈の侵入範囲を示すものである。範囲A1は、第1導入経路R1に対応するものであり、範囲A2は、第2導入経路R2に対応するものであり、範囲A3は、第3導入経路R3に対応するものであり、範囲A4は、第4導入経路R4に対応するものであり、範囲A5は、第5導入経路R5に対応するものであり、範囲A6は、第6導入経路R6に対応するものである。図示されている〇印付きの範囲は、刈取穀稈が侵入している範囲として判定される範囲である。×印付きの範囲は、刈取穀稈の侵入が無い範囲として判定される範囲である。
【0067】
そして、範囲A1の幅は、第1導入経路R1を挟む二つのデバイダ110の間隔である。範囲A2の幅は、第2導入経路R2を挟む二つのデバイダ110の間隔である。範囲A3の幅は、第3導入経路R3を挟む二つのデバイダ110の間隔である。範囲A4の幅は、第4導入経路R4を挟む二つのデバイダ110の間隔である。範囲A5の幅は、第5導入経路R5を挟む二つのデバイダ110の間隔である。範囲A6の幅は、第6導入経路R6を挟む二つのデバイダ110の間隔である。
【0068】
尚、範囲A1から範囲A6の各幅は、互いに等しくても良いし、異なっていても良い。
【0069】
図5に示されるように、第1株元センサS1、第2株元センサS2及び第3株元センサS3が検出状態(ON)である場合、刈取りが行われている刈取条数が6であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A1から範囲A6の6箇所の範囲であると判定される。
【0070】
図6に示されるように、第1株元センサS1及び第2株元センサS2が検出状態(ON)であり、第3株元センサS3が非検出状態(OFF)である場合、刈取りが行われている刈取条数が4であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A1から範囲A4の4箇所の範囲であると判定される。
【0071】
図7に示されるように、第1株元センサS1が検出状態(ON)であり、第2株元センサS2及び第3株元センサS3が非検出状態(OFF)である場合、刈取りが行われている刈取条数が2であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A1及び範囲A2の2箇所の範囲であると判定される。
【0072】
図8に示されるように、第1株元センサS1が非検出状態(OFF)であり、第2株元センサS2及び第3株元センサS3が検出状態(ON)である場合、刈取りが行われている刈取条数が4であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A3から範囲A6の4箇所の範囲であると判定される。
【0073】
図9に示されるように、第1株元センサS1及び第2株元センサS2が非検出状態(OFF)であり、第3株元センサS3が検出状態(ON)である場合、刈取りが行われている刈取条数が2であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A5及びA6の2箇所の範囲と判定される。
【0074】
図10に示されるように、第1株元センサS1及び第3株元センサS3が非検出状態(OFF)であり、第2株元センサS2が検出状態(ON)である場合、刈取りが行われている刈取条数が2であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A3及びA4の2箇所の範囲と判定される。
【0075】
図11に示されるように、第1株元センサS1及び第3株元センサS3が検出状態(ON)であり、第2株元センサS2が非検出状態(OFF)である場合、刈取りが行われている刈取条数が4であると判定される。また、刈取られた穀稈の侵入範囲は、範囲A1、A2、A5、A6の4箇所の範囲と判定される。
【0076】
図12に示されるように、第1株元センサS1、第2株元センサS2及び第3株元センサS3が非検出状態である場合、刈取りが行われている刈取条数が零であると判定される。また、穀稈の侵入範囲は、無しであると判定される。
【0077】
図4に示すように、作業状態判定部11による判定結果は、作業幅算出部12へ送られる。そして、作業幅算出部12は、作業状態判定部11による判定結果に基づいて、コンバインCの作業幅を算出する。
【0078】
例えば、刈取穀稈の侵入範囲が範囲A1から範囲A6の6箇所の範囲であると判定された場合、コンバインCの作業幅は、範囲A1から範囲A6までの幅として算出される。また、刈取穀稈の侵入範囲が範囲A1から範囲A4の4箇所の範囲であると判定された場合、コンバインCの作業幅は、範囲A1から範囲A4までの幅として算出される。
【0079】
このように、圃場管理システムSYは、作業状態判定部11による判定結果に基づいて作業幅を算出する作業幅算出部12を備えている。
【0080】
また、
図4に示すように、コンバインCは、車速センサS4を備えている。ECU50は、車速取得部13を有している。車速センサS4は、コンバインCの車速を検知する。特に限定されないが、車速センサS4は、例えば、走行装置6の駆動速度を検知することにより、コンバインCの車速を検知するように構成されていても良い。
【0081】
車速取得部13は、車速センサS4の検知結果を受け取る。そして、車速取得部13は、受け取った検知結果に基づいて、コンバインCが単位時間あたり走行した距離を算出する。これにより、車速取得部13は、コンバインCが単位時間あたり走行した距離を取得する。
【0082】
図4に示すように、ECU50は、作物データ取得部14を有している。また、作物データ取得部14には、収量取得部15及び品質取得部16が含まれている。
【0083】
収量取得部15は、収量センサM1の検知結果を経時的に受け取る。これにより、収量取得部15は、穀粒の収量を経時的に取得する。本実施形態においては、収量センサM1は、1秒区切りで穀粒の収量を検知する。即ち、収量取得部15は、1秒毎に穀粒の収量を取得する。また、収量取得部15により取得される収量は、1秒間に収穫された穀粒の量である。
【0084】
また、品質取得部16は、品質センサM2による検知結果を経時的に受け取る。これにより、品質取得部16は、コンバインCによって収穫された穀粒の品質値を経時的に取得する。本実施形態においては、品質センサM2は、2秒毎に穀粒の品質値を検知する。即ち、品質取得部16は、2秒毎に穀粒の品質値を取得する。また、品質取得部16により取得される品質値は、2秒間に収穫された穀粒の品質値である。
【0085】
このように、圃場管理システムSYは、コンバインCの刈取部1によって収穫された作物に関するデータである作物データを経時的に取得する作物データ取得部14を備えている。また、作物データ取得部14は、複数種の作物データを経時的に取得可能である。また、作物データ取得部14は、作物データとして、作物の収量を経時的に取得可能である。また、作物データ取得部14は、作物データとして、作物の品質を示す値である品質値を経時的に取得可能である。
【0086】
図4に示すように、ECU50は、位置情報取得部17を有している。位置情報取得部17は、衛星測位モジュールGから、衛星測位データを経時的に取得する。位置情報取得部17は、取得した衛星測位データに基づいて、コンバインCの機体の位置を経時的に算出する。これにより、位置情報取得部17は、コンバインCの機体の位置を経時的に取得する。
【0087】
また、
図4に示すように、位置情報取得部17は、作業状態判定部11による判定結果を受け取る。そして、位置情報取得部17は、コンバインCの機体の位置と、作業状態判定部11による判定結果と、に基づいて、圃場における作物の収穫位置を示す位置情報を経時的に算出する。これにより、位置情報取得部17は、圃場における作物の収穫位置を示す位置情報を経時的に取得する。
【0088】
例えば、位置情報取得部17は、
図5に示す状態では、作物を収穫した時点でのコンバインCの機体の位置(衛星測位モジュールGの位置)が作物の収穫位置に等しいものとして位置情報を算出し、
図6に示す状態では、作物を収穫した時点でのコンバインCの機体の位置(衛星測位モジュールGの位置)から左側に所定距離離れた位置が作物の収穫位置であるとして位置情報を算出し、
図8に示す状態では、作物を収穫した時点でのコンバインCの機体の位置(衛星測位モジュールGの位置)から右側に所定距離離れた位置が作物の収穫位置であるとして位置情報を算出するように構成されていても良い。
【0089】
即ち、圃場管理システムSYは、圃場における作物の収穫位置を示す位置情報を経時的に取得する位置情報取得部17を備えている。
【0090】
〔管理サーバの構成〕
図4に示すように、管理サーバ7は、収量用ポリゴン構築部21(本発明に係る「ポリゴン構築部」に相当)、収量データ割当部22(本発明に係る「データ割当部」に相当)、収量ポリゴンマップ生成部23(本発明に係る「圃場マップ生成部」に相当)、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24(本発明に係る「ポリゴン構築部」に相当)、単位面積当たりの収量データ割当部25(本発明に係る「データ割当部」に相当)、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ生成部26(本発明に係る「圃場マップ生成部」に相当)、品質用ポリゴン構築部27(本発明に係る「ポリゴン構築部」に相当)、品質データ割当部28(本発明に係る「データ割当部」に相当)、品質ポリゴンマップ生成部29(本発明に係る「圃場マップ生成部」に相当)、位置情報割当部30、ポリゴンマップ格納部31、マップ変換部32を有している。
【0091】
作業幅算出部12により算出されたコンバインCの作業幅は、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27へ送られる。また、車速取得部13により取得されたコンバインCが単位時間あたり走行した距離は、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27へ送られる。
【0092】
収量用ポリゴン構築部21は、収量取得部15によって取得された作物の収量毎に、収量用のポリゴンを構築する。例えば、コンバインCの走行に伴い、作物の収量が5回取得された場合、収量用ポリゴン構築部21は、5つの収量用のポリゴンを構築する。そして、このとき、収量用ポリゴン構築部21は、コンバインCの作業幅と、コンバインCが単位時間あたり走行した距離と、に基づいて、収量用のポリゴンを構築する。
【0093】
より具体的には、
図5及び
図15に示すように、収量用のポリゴンは長方形状である。そして、各ポリゴンの幅WPは、コンバインCの作業幅である。また、各ポリゴンの長さLは、コンバインCが単位時間あたり走行した距離と作物の収量の取得時間間隔との積により算出される。
【0094】
また、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24は、収量取得部15によって取得された作物の収量毎に、単位面積当たりの収量用のポリゴンを構築する。例えば、コンバインCの走行に伴い、作物の収量が5回取得された場合、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24は、5つの単位面積当たりの収量用のポリゴンを構築する。そして、このとき、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24は、コンバインCの作業幅と、コンバインCが単位時間あたり走行した距離と、に基づいて、単位面積当たりの収量用のポリゴンを構築する。
【0095】
より具体的には、単位面積当たりの収量用のポリゴンは、収量用のポリゴンと同様に、長方形状である。そして、各ポリゴンの幅WPは、コンバインCの作業幅である。また、各ポリゴンの長さLは、コンバインCが単位時間あたり走行した距離と作物の収量の取得時間間隔との積により算出される。
【0096】
また、品質用ポリゴン構築部27は、品質取得部16によって取得された作物の品質値毎に、品質用のポリゴンを構築する。例えば、コンバインCの走行に伴い、作物の品質値が5回取得された場合、品質用ポリゴン構築部27は、5つの品質用のポリゴンを構築する。そして、このとき、品質用ポリゴン構築部27は、コンバインCの作業幅と、コンバインCが単位時間あたり走行した距離と、に基づいて、品質用のポリゴンを構築する。
【0097】
より具体的には、品質用のポリゴンは、収量用のポリゴンと同様に、長方形状である。そして、各ポリゴンの幅WPは、コンバインCの作業幅である。また、各ポリゴンの長さLは、コンバインCが単位時間あたり走行した距離と作物の品質値の取得時間間隔との積により算出される。
【0098】
このように、圃場管理システムSYは、作物データ取得部14によって取得された作物データ毎に、コンバインCの作業幅とコンバインCが単位時間あたり走行した距離とに基づいてポリゴンを構築する収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27を備えている。
【0099】
尚、
図5に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により構築されるポリゴンの幅WPは、範囲A1から範囲A6までの幅に等しい。
【0100】
また、
図6に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により構築されるポリゴンの幅WPは、範囲A1から範囲A4までの幅に等しい。
【0101】
また、
図7に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により構築されるポリゴンの幅WPは、範囲A1及び範囲A2の幅に等しい。
【0102】
また、
図8に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により構築されるポリゴンの幅WPは、範囲A3から範囲A6までの幅に等しい。
【0103】
また、
図9に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により構築されるポリゴンの幅WPは、範囲A5及び範囲A6の幅に等しい。
【0104】
また、
図10に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により構築されるポリゴンの幅WPは、範囲A3及び範囲A4の幅に等しい。
【0105】
また、
図11に示す状態においては、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により、二つのポリゴンが構築される。これらのポリゴンのうち、コンバインCの機体左側に位置するポリゴンの幅WPは、範囲A1及び範囲A2の幅に等しい。コンバインCの機体右側に位置するポリゴンの幅WPは、範囲A5及び範囲A6の幅に等しい。
【0106】
尚、本発明はこれに限定されない。
図11に示す状態において、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により、範囲A1から範囲A6までの幅に等しい幅を有するポリゴンが構築されても良い。
【0107】
また、
図12に示す状態においては、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27により、ポリゴンは構築されない。
【0108】
尚、
図5から
図12においては、コンバインCの走行経路LIが示されている。本実施形態において、コンバインCの走行経路LIは、衛星測位モジュールGの移動経路(軌跡)に等しい。
【0109】
また、
図4に示した位置情報取得部17によって取得された位置情報は、位置情報割当部30へ送られる。上述の通り、この位置情報は、圃場における作物の収穫位置を示している。そして、位置情報割当部30は、位置情報取得部17から受け取った位置情報を、収量用のポリゴン、単位面積当たりの収量用のポリゴン、品質用のポリゴンのそれぞれに割り当てる。
【0110】
このように、圃場管理システムSYは、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27によって構築された各ポリゴンに、位置情報を割り当てる位置情報割当部30を備えている。
【0111】
尚、上述の通り、ポリゴンに割り当てられる位置情報は、コンバインCの機体の位置と、作業状態判定部11による判定結果と、に基づいて算出される。これにより、ポリゴンに割り当てられる位置情報により示される収穫位置が、そのポリゴンに対応する実際の圃場における位置に、精度良く対応することとなる。
【0112】
また、これにより、
図13に示すように、未刈株の列が2条分存在し、その周囲が既刈領域である場合に、コンバインCの刈取部1によってそれら2条分の未刈株の列が刈り取られることによってポリゴンが構築されるとき、そのポリゴンに割り当てられる位置情報は、コンバインCの走行経路LIの位置によらず一定となる。即ち、この場合、コンバインCの走行経路LIの位置がどの位置であっても、同一のポリゴンが構築されることとなる。
【0113】
以上の構成により、圃場における既刈地の各位置に対応する作物の収量に対応して、収量用のポリゴンが順次構築されていく。尚、既刈地とは、圃場においてコンバインCにより刈取走行が行われた部分である。そして、単位面積当たりの収量用のポリゴン及び品質用のポリゴンについても、同様に、順次構築されていく。
【0114】
尚、本明細書における「ポリゴン」は、実際の圃場の上に形成されるものではなく、圃場の各収穫位置に対応する各作物データのそれぞれに対応して構築される仮想的なものである。
【0115】
ただし、本発明はこれに限定されない。圃場管理システムSYは、各種のポリゴンがコンバインCの刈取走行に伴って順次構築されていくのではなく、コンバインCの刈取走行が完了した後に、各ポリゴンが構築されるように構成されていても良い。
【0116】
また、
図4に示すように、コンバインCは、刈脱クラッチセンサS5及び刈取高さセンサS6を備えている。
【0117】
コンバインCは、刈脱クラッチ(図示せず)を備えている。刈脱クラッチが入状態である場合、エンジンEGから刈取部1及び脱穀装置4へ動力が伝達される。刈脱クラッチが切状態である場合、エンジンEGから刈取部1及び脱穀装置4へ動力が伝達されない。刈脱クラッチセンサS5は、刈脱クラッチの入切状態を検知する。
【0118】
刈取高さセンサS6は、揺動軸芯X周りの刈取部1の上下揺動位置を検知する。これにより、刈取高さセンサS6は、刈取部1の高さを検知する。
【0119】
作業状態判定部11は、刈脱クラッチセンサS5及び刈取高さセンサS6による検知結果を受け取る。そして、作業状態判定部11は、受け取った検知結果に基づいて、刈取部1が作業状態であるか非作業状態であるかを判定する。
【0120】
詳述すると、作業状態判定部11は、刈脱クラッチが入状態であり、且つ、刈取部1が下降状態である場合、刈取部1が作業状態であると判定する。一方で、それ以外の場合には、作業状態判定部11は、刈取部1が非作業状態であると判定する。
【0121】
作業状態判定部11による判定結果は、管理サーバ7へ送られる。刈取部1が作業状態であると判定されている場合、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27は、ポリゴンを構築する。また、刈取部1が非作業状態であると判定されている場合、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27は、ポリゴンを構築しない。
【0122】
収量取得部15によって取得された作物の収量は、収量データ割当部22及び単位面積当たりの収量データ割当部25へ送られる。また、品質取得部16によって取得された作物の品質値は、品質データ割当部28へ送られる。
【0123】
収量データ割当部22は、収量用ポリゴン構築部21によって構築された収量用のポリゴンに、収量取得部15から受け取った作物の収量を割り当てる。
【0124】
尚、この割り当てについて詳述すると、収量取得部15により取得された作物の収量には、取得された順番に応じたナンバーが付与される。そして、収量用ポリゴン構築部21により構築された収量用のポリゴンには、構築された順番に応じたナンバーが付与される。そして、収量用のポリゴンには、そのポリゴンと同一のナンバーが付与された作物の収量が割り当てられる。
【0125】
尚、本発明はこれに限定されない。収量用のポリゴンに作物の収量を割り当てるために、刈取部1により植立穀稈が刈り取られた時点から、その穀稈から得られた穀粒の収量が収量センサM1により検知される時点までの時間である第1遅れ時間を算出する構成であっても良い。収量用のポリゴンに対応する圃場内の位置をコンバインCが通過した時点から第1遅れ時間だけ後に収量センサM1によって検知された収量を、その収量用のポリゴンに割り当てることにより、割り当ての精度が良好となる。
【0126】
尚、上述の通り、刈取搬送装置101における刈取穀稈の搬送速度は、コンバインCの走行速度に概ね連動して変化する。また、本実施形態において、穀稈がフィードチェーンFCに挟持されてから、その穀稈から得られた穀粒が収量センサM1に到達するまでの時間は、コンバインCの走行速度によらず一定である。従って、上記の第1遅れ時間は、刈取搬送装置101における刈取穀稈の搬送速度、または、コンバインCの走行速度に基づいて算出可能である。
【0127】
また、単位面積当たりの収量データ割当部25は、収量取得部15から受け取った作物の収量から、単位面積当たりの収量(本発明に係る「作物情報」に相当)を算出する。そして、単位面積当たりの収量データ割当部25は、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24によって構築された単位面積当たりの収量用のポリゴンに、単位面積当たりの収量を割り当てる。
【0128】
単位面積当たりの収量は、作物の収量を、割り当て先の単位面積当たりの収量用のポリゴンに対応する圃場面積で除することによって算出される。
【0129】
尚、この割り当てについて詳述すると、単位面積当たりの収量データ割当部25により算出された単位面積当たりの収量には、作物の収量と同様に、ナンバーが付与される。そして、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24により構築された単位面積当たりの収量用のポリゴンには、構築された順番に応じたナンバーが付与される。そして、単位面積当たりの収量用のポリゴンには、そのポリゴンと同一のナンバーが付与された単位面積当たりの収量が割り当てられる。
【0130】
尚、本発明はこれに限定されない。単位面積当たりの収量用のポリゴンに単位面積当たりの収量を割り当てるために、上述の第1遅れ時間を算出する構成であっても良い。単位面積当たりの収量用のポリゴンに対応する圃場内の位置をコンバインCが通過した時点から第1遅れ時間だけ後に収量センサM1によって検知された収量を、そのポリゴンに対応する圃場面積で除することによって単位面積当たりの収量を算出し、その単位面積当たりの収量を、そのポリゴンに割り当てることにより、割り当ての精度が良好となる。
【0131】
また、品質データ割当部28は、品質用ポリゴン構築部27によって構築された品質用のポリゴンに、品質取得部16から受け取った作物の品質値を割り当てる。
【0132】
尚、この割り当てについて詳述すると、品質取得部16により取得された作物の品質値には、取得された順番に応じたナンバーが付与される。そして、品質用ポリゴン構築部27により構築された品質用のポリゴンには、構築された順番に応じたナンバーが付与される。そして、品質用のポリゴンには、そのポリゴンと同一のナンバーが付与された作物の品質値が割り当てられる。
【0133】
尚、本発明はこれに限定されない。品質用のポリゴンに作物の品質値を割り当てるために、刈取部1により植立穀稈が刈り取られた時点から、その穀稈から得られた穀粒の品質値が品質センサM2において検知される時点までの時間である第2遅れ時間を算出する構成であっても良い。品質用のポリゴンに対応する圃場内の位置をコンバインCが通過した時点から第2遅れ時間だけ後に品質センサM2において検知された品質値を、その品質用のポリゴンに割り当てることにより、割り当ての精度が良好となる。
【0134】
尚、上述の通り、刈取搬送装置101における刈取穀稈の搬送速度は、コンバインCの走行速度に概ね連動して変化する。また、本実施形態において、穀稈がフィードチェーンFCに挟持されてから、その穀稈から得られた穀粒が品質センサM2に到達するまでの時間は、コンバインCの走行速度によらず一定である。従って、上記の第2遅れ時間は、刈取搬送装置101における刈取穀稈の搬送速度、または、コンバインCの走行速度に基づいて算出可能である。
【0135】
このように、圃場管理システムSYは、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27によって構築された各ポリゴンに、作物データまたは作物データに基づく作物情報を割り当てる収量データ割当部22、単位面積当たりの収量データ割当部25、品質データ割当部28を備えている。
【0136】
また、収量データ割当部22は、作物データとして、作物の収量をポリゴンに割り当てる。また、単位面積当たりの収量データ割当部25は、作物情報として、作物データ取得部14によって取得された作物の収量を割り当て先のポリゴンに対応する圃場面積で除することによって算出された単位面積当たりの収量をポリゴンに割り当てる。また、品質データ割当部28は、作物データとして、作物の品質値をポリゴンに割り当てる。
【0137】
収量ポリゴンマップ生成部23は、
図15に示すように、収量用のポリゴンを集合させることにより、収量用のポリゴンの集合体としての収量ポリゴンマップ(本発明に係る「圃場ポリゴンマップ」に相当)を生成する。生成された収量ポリゴンマップは、ポリゴンマップ格納部31に格納される。
【0138】
作業者は、操作端末8を介して、管理サーバ7にアクセスすることにより、収量ポリゴンマップを見ることができる。上述の通り、収量用のポリゴンには、作物の収量が割り当てられている。従って、作業者は、収量ポリゴンマップを見ることにより、圃場の各収穫位置における作物の収量を知ることができる。
【0139】
また、収量ポリゴンマップ生成部23と同様に、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ生成部26は、単位面積当たりの収量用のポリゴンを集合させることにより、単位面積当たりの収量用のポリゴンの集合体としての単位面積当たりの収量ポリゴンマップ(本発明に係る「圃場ポリゴンマップ」に相当)を生成する。生成された単位面積当たりの収量ポリゴンマップは、ポリゴンマップ格納部31に格納される。
【0140】
作業者は、操作端末8を介して、管理サーバ7にアクセスすることにより、単位面積当たりの収量ポリゴンマップを見ることができる。上述の通り、単位面積当たりの収量用のポリゴンには、単位面積当たりの収量が割り当てられている。従って、作業者は、単位面積当たりの収量ポリゴンマップを見ることにより、圃場の各収穫位置における単位面積当たりの収量を知ることができる。
【0141】
また、収量ポリゴンマップ生成部23と同様に、品質ポリゴンマップ生成部29は、品質用のポリゴンを集合させることにより、品質用のポリゴンの集合体としての品質ポリゴンマップ(本発明に係る「圃場ポリゴンマップ」に相当)を生成する。生成された品質ポリゴンマップは、ポリゴンマップ格納部31に格納される。
【0142】
作業者は、操作端末8を介して、管理サーバ7にアクセスすることにより、品質ポリゴンマップを見ることができる。上述の通り、品質用のポリゴンには、作物の品質値が割り当てられている。従って、作業者は、品質ポリゴンマップを見ることにより、圃場の各収穫位置における作物の品質値を知ることができる。
【0143】
このように、圃場管理システムSYは、収量用のポリゴンを集合させることにより、収量用のポリゴンの集合体としての収量ポリゴンマップを生成する収量ポリゴンマップ生成部23を備えている。また、圃場管理システムSYは、単位面積当たりの収量用のポリゴンを集合させることにより、単位面積当たりの収量用のポリゴンの集合体としての単位面積当たりの収量ポリゴンマップを生成する単位面積当たりの収量ポリゴンマップ生成部26を備えている。また、圃場管理システムSYは、品質用のポリゴンを集合させることにより、品質用のポリゴンの集合体としての品質ポリゴンマップを生成する品質ポリゴンマップ生成部29を備えている。
【0144】
また、このように、収量ポリゴンマップ生成部23及び品質ポリゴンマップ生成部29は、作物データの種類毎に、収量ポリゴンマップ及び品質ポリゴンマップを生成する。
【0145】
〔ポリゴン更新部について〕
図4に示すように、管理サーバ7は、ポリゴン更新部34を備えている。ポリゴン更新部34は、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27とは別に設けられていても良いし、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27の一部として設けられていても良い。以下では、ポリゴン更新部34の機能について説明する。
【0146】
ポリゴン更新部34は、複数のポリゴンの占有領域が重複した状態で複数のポリゴンが構築されたときに、後のタイミングに構築されたポリゴンから、先のタイミングに構築されたポリゴンと後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新するように構成されている。
【0147】
即ち、圃場管理システムSYは、複数のポリゴンの占有領域が重複した状態で複数のポリゴンが構築されたときに、後のタイミングに構築されたポリゴンから、先のタイミングに構築されたポリゴンと後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新するポリゴン更新部34を備えている。
【0148】
以下では、ポリゴン更新部34によって新たなポリゴンが構築される場合の例として、コンバインが
図14に示す圃場において刈取走行を行う場合について説明する。尚、この例では、収量用のポリゴンについて説明するが、以下の説明は、単位面積当たりの収量用のポリゴン及び品質用のポリゴンにも同様に当てはまる。
【0149】
図14に示す圃場は、第1領域E1、第2領域E2、第3領域E3を有している。第1領域E1は、未刈領域である。第2領域E2及び第3領域E3には、未刈の作物が存在しない。尚、第2領域E2及び第3領域E3は、第1領域E1よりも先に作物が刈り取られた領域であっても良いし、作物が植えられていない領域であっても良い。
【0150】
この例において、コンバインCは、
図14に示す矢印の通りに刈取走行を行う。コンバインCは、まず、圃場の外周側の部分において、周回走行を行う。この周回走行において、コンバインCは、αターンによって方向転換を行う。また、周回走行の後、コンバインCは、圃場の内側の部分において、往復走行を行う。この往復走行において、コンバインCは、Uターンによって方向転換を行う。そして、第1領域E1の中央に位置する第4領域E4における刈取走行が終了すると、この圃場での刈取走行が完了する。
【0151】
図14に示す圃場における刈取走行が完了すると、収量ポリゴンマップ生成部23により、
図15に示すような収量ポリゴンマップが生成される。
図15に示すように、周回走行において構築される第1ポリゴンPg1の幅WPに比べて、第4領域E4の一部に対応する第2ポリゴンPg2の幅WPは狭い。これは、第4領域E4が、この圃場での刈取走行の最後にコンバインCが走行する領域であり、第4領域E4の幅が、刈取部1の左右幅よりも狭いためである。
【0152】
図16には、
図15に示した収量ポリゴンマップにおける紙面左下部分の拡大図が示されている。
図16に示すように、第3ポリゴンPg3の占有領域と、第4ポリゴンPg4の占有領域と、が重複している。これらのポリゴンのうち、第3ポリゴンPg3の方が第4ポリゴンPg4よりも先のタイミングに構築される。即ち、これらのポリゴンのうち、先のタイミングに構築されたポリゴンは第3ポリゴンPg3であり、後のタイミングに構築されたポリゴンは第4ポリゴンPg4である。
【0153】
また、
図16には、第3ポリゴンPg3と第4ポリゴンPg4との重複領域である第1重複領域OL1が示されている。
【0154】
この場合、ポリゴン更新部34は、次のような重複処理を行う。即ち、ポリゴン更新部34は、第4ポリゴンPg4から第1重複領域OL1を差し引くことにより、
図17に示すように、新たなポリゴンである重複処理ポリゴンPm4を構築する。これにより、第4ポリゴンPg4が重複処理ポリゴンPm4に情報更新されることとなる。
【0155】
また、
図16に示すように、第5ポリゴンPg5の占有領域と、第6ポリゴンPg6の占有領域と、が重複している。これらのポリゴンのうち、第5ポリゴンPg5の方が第6ポリゴンPg6よりも先のタイミングに構築される。即ち、これらのポリゴンのうち、先のタイミングに構築されたポリゴンは第5ポリゴンPg5であり、後のタイミングに構築されたポリゴンは第6ポリゴンPg6である。
【0156】
また、
図16には、第5ポリゴンPg5と第6ポリゴンPg6との重複領域である第2重複領域OL2が示されている。
【0157】
この場合、ポリゴン更新部34は、次のような重複処理を行う。即ち、ポリゴン更新部34は、第6ポリゴンPg6から第2重複領域OL2を差し引くことにより、
図17に示すように、新たなポリゴンである重複処理ポリゴンPm6を構築する。これにより、第6ポリゴンPg6が重複処理ポリゴンPm6に情報更新されることとなる。
【0158】
尚、以上で説明した重複処理を行う際、ポリゴン更新部34は、互いに重複する複数のポリゴンのそれぞれの長さ、幅、及び、それぞれに割り当てられた位置情報に基づいて、重複領域を算出する。
【0159】
また、本実施形態において、ポリゴン更新部34は、以上で説明した重複処理を行うことにより、後のタイミングに構築されたポリゴンに対応する圃場面積から、重複領域に対応する圃場面積を差し引くことにより、新たなポリゴンの圃場面積を算出する。そして、このように新たなポリゴンの圃場面積を算出することは、本発明に係る「重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新する」に相当する。
【0160】
尚、本発明はこれに限定されない。ポリゴン更新部34は、以上で説明した重複処理を行うことにより、後のタイミングに構築されたポリゴンの形状を、新たなポリゴンの形状へと変化させるように構成されていても良い。この場合、重複処理後の収量ポリゴンマップが、ポリゴンマップ格納部31に格納されても良い。また、この場合、ポリゴン更新部34により構築されるポリゴンは、長方形状とは限らず、様々な形状になり得る。また、後のタイミングに構築された一つのポリゴンが、以上で説明した重複処理により、複数の新たなポリゴンに分断されることもある。
【0161】
ポリゴン更新部34による重複処理が行われた際、重複処理前に各ポリゴンに割り当てられていた作物データや作物情報は、重複処理後の各ポリゴンにそのまま割り当てられていても良いし、重複処理に伴って更新されても良い。本実施形態では、重複処理前に収量用のポリゴンに割り当てられていた収量は、重複処理後の各ポリゴンにそのまま割り当てられる。また、重複処理前に品質用のポリゴンに割り当てられていた品質値は、重複処理後の各ポリゴンにそのまま割り当てられる。また、重複処理前に単位面積当たりの収量用のポリゴンに割り当てられていた単位面積当たりの収量は、重複処理により構築された新たなポリゴンの圃場面積に基づいて更新される。
【0162】
また、
図16及び
図17に示すように、ポリゴン更新部34は、第1重複領域OL1及び第2重複領域OL2だけではなく、収量ポリゴンマップにおける全ての重複領域について、以上で説明した重複処理を行う。その結果、
図17に示すように、ポリゴン更新部34により重複処理が行われた後の収量ポリゴンマップには、重複領域が存在しない。
【0163】
〔変換後マップについて〕
マップ変換部32は、ポリゴンマップ格納部31に格納されている収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップを、ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換する。
【0164】
このように、圃場管理システムSYは、収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップを、ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部32を備えている。
【0165】
尚、図示はしないが、本実施形態において、マップ変換部32は、収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップを、互いに同一の区切り方によって複数の指標区画に区画するように構成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、マップ変換部32は、収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップを、それぞれ異なる区切り方によって複数の指標区画に区画することが可能なように構成されていても良い。
【0166】
また、本実施形態において、マップ変換部32は、上述の重複処理が行われた後の収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップを、変換後マップに変換するように構成されている。
【0167】
以下では、収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップの変換について詳述する。
【0168】
図15に示すように、収量ポリゴンマップは、マップ変換部32によって、複数の指標区画Q1、Q2、Q3、…に区画されたメッシュマップに変換される。尚、メッシュマップは、上述の「変換後マップ」の具体例である。
【0169】
このとき、マップ変換部32は、各指標区画に割り当てられる作物の収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量を足し合わせることによって算出する。
【0170】
詳述すると、1つのポリゴンにおいて、1つの指標区画に含まれる部分の面積按分収量は、そのポリゴンの全体に対応する圃場面積に対する、そのポリゴンにおけるその指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積の比率と、そのポリゴンに割り当てられている作物の収量と、の積である。
【0171】
そして、マップ変換部32は、1つの指標区画と重複する各ポリゴンについて、その指標区画に含まれる部分の面積按分収量をそれぞれ算出し、それらの面積按分収量を足し合わせることにより、その指標区画における作物の収量を算出する。
【0172】
以上では、収量ポリゴンマップの変換について説明したが、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、及び、品質ポリゴンマップの変換についても、基本的には、以上の説明が同様に当てはまる。
【0173】
ただし、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、及び、品質ポリゴンマップの変換は、以下の点で、収量ポリゴンマップの変換とは異なる。
【0174】
単位面積当たりの収量ポリゴンマップは、マップ変換部32によって、複数の指標区画に区画された変換後マップに変換される。このとき、マップ変換部32は、各指標区画に割り当てられる単位面積当たりの収量を、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分の面積按分収量の和を割り当て先の指標区画に対応する圃場面積で除することによって算出する。
【0175】
詳述すると、上述の通り、1つのポリゴンにおいて、1つの指標区画に含まれる部分の面積按分収量は、そのポリゴンの全体に対応する圃場面積に対する、そのポリゴンにおけるその指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積の比率と、そのポリゴンに割り当てられている作物の収量と、の積である。
【0176】
そして、1つのポリゴンにおいて、1つの指標区画に含まれる部分の面積按分収量は、そのポリゴンにおけるその指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積と、そのポリゴンに割り当てられている単位面積当たりの収量と、の積に等しい。
【0177】
マップ変換部32は、1つの指標区画と重複する各ポリゴンについて、その指標区画に含まれる部分の面積按分収量をそれぞれ算出し、それらの面積按分収量の和を割り当て先の指標区画に対応する圃場面積で除することにより、その指標区画における単位面積当たりの収量を算出する。
【0178】
また、品質ポリゴンマップは、マップ変換部32によって、複数の指標区画に区画された変換後マップに変換される。このとき、マップ変換部32は、各指標区画に割り当てられる品質値を、各ポリゴンのうち各指標区画と重複するポリゴンに割り当てられた品質値の平均値として算出する。そして、マップ変換部32は、平均値の算出に際して、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積による重み付けを行う。
【0179】
詳述すると、1つの指標区画における品質値は、その指標区画と重複する各ポリゴンに割り当てられた品質値の平均値として算出することができる。
【0180】
そして、その指標区画と重複する1つのポリゴンに割り当てられた品質値の平均値への影響の大きさは、その指標区画におけるそのポリゴンに含まれる部分に対応する圃場面積の大きさに依存する。
【0181】
そのため、マップ変換部32は、平均値の算出に際して、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積による重み付けを行う。これにより、各ポリゴンに割り当てられた品質値の平均値への影響の大きさを考慮に入れた状態で、平均値を算出することができる。
【0182】
より具体的には、マップ変換部32は、1つの指標区画に割り当てられる品質値を算出する際、まず、その指標区画と重複する各ポリゴンのそれぞれについて、ポリゴンにおけるその指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積と、そのポリゴンに割り当てられている品質値と、の積を算出する。そして、算出されたそれぞれの積を足し合わせた上で、その指標区画に対応する圃場面積で除する。
【0183】
これにより、品質値の平均値の算出に際して、圃場面積による重み付けが行われることとなる。
【0184】
また、本実施形態におけるマップ変換部32は、収量ポリゴンマップをメッシュマップに変換すると共に、
図18に示す表を出力可能である。
図18に示す表では、メッシュマップ上の指標区画Q1、Q2、Q3、…のそれぞれにおける総収量、刈取面積、反収が示される。尚、この表において、総収量、刈取面積、反収だけでなく、品質値等が示されていても良い。
【0185】
作業者は、操作端末8を介して、管理サーバ7にアクセスすることにより、メッシュマップ(変換後マップ)及び
図18に示す表を見ることができる。
【0186】
尚、上述のポリゴン更新部34による重複処理は、収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップが生成される際に行われても良いし、収量ポリゴンマップ、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ、品質ポリゴンマップがメッシュマップ(変換後マップ)に変換される際に行われても良い。
【0187】
以上で説明した構成によれば、複数のポリゴンの占有領域が重複した状態で複数のポリゴンが構築されたとき、ポリゴン更新部34が、後のタイミングに構築されたポリゴンから、先のタイミングに構築されたポリゴンと後のタイミングに構築されたポリゴンとの重複領域を差し引いて新たなポリゴンを構築して情報更新する。これにより、それらのポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しやすくなる。
【0188】
例えば、ポリゴンに、作物情報として単位面積当たりの収量が割り当てられると共に、その単位面積当たりの収量が、割り当て先のポリゴンに対応する圃場面積で収量を除することによって算出される場合、占有領域の重複している二つのポリゴンのうち、後のタイミングに構築されたポリゴンから、重複領域が差し引かれて、新たなポリゴンが構築される。そして、新たなポリゴンに対応する圃場面積で収量を除することによって算出された単位面積当たりの収量は、実態に合致することとなる。
【0189】
即ち、以上で説明した構成であれば、後のタイミングに構築されたポリゴンのうち、そのポリゴンの構築前に既に収穫済みであった部分が考慮されて、新たなポリゴンが構築され、情報更新される。その結果、各ポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しやすくなる。
【0190】
従って、以上で説明した構成であれば、複数のポリゴンの占有領域が重複した場合であっても、それらのポリゴンに対応する作物データや作物情報が実態に合致しない事態を回避しやすい圃場管理システムSYを実現できる。
【0191】
〔その他の実施形態〕
(1)品質センサM2は、穀粒の水分値を検知できないように構成されていても良い。また、品質センサM2は、穀粒のタンパク含有率を検知できないように構成されていても良い。
【0192】
(2)穀粒のタンパク含有率や水分値等に基づいて、穀粒の食味を算出するように構成されていても良い。この場合、食味用ポリゴン構築部、食味データ割当部、食味ポリゴンマップ生成部を備え、食味ポリゴンマップを生成するように構成することができる。
【0193】
(3)収量センサM1は、1秒以外の所定期間区切りで穀粒の収量を検知するように構成されていても良いし、収量の検知の間隔が不定期であるように構成されていても良い。また、収量取得部15は、1秒以外の所定期間毎に穀粒の収量を取得するように構成されていても良いし、不定期に穀粒の収量を取得するように構成されていても良い。
【0194】
(4)品質センサM2は、2秒以外の所定期間毎に穀粒の品質値を検知するように構成されていても良いし、不定期に穀粒の品質値を検知するように構成されていても良い。また、品質取得部16は、2秒以外の所定期間毎に穀粒の品質値を取得するように構成されていても良いし、不定期に穀粒の品質値を取得するように構成されていても良い。
【0195】
(5)マップ変換部32は、操作端末8を介して作業者によって設定された大きさに応じて指標区画の大きさを決定するように構成されていても良い。
【0196】
(6)マップ変換部32は、品質値の平均値の算出に際して、各ポリゴンのうち各指標区画に含まれる部分に対応する圃場面積による重み付けを行わないように構成されていても良い。
【0197】
(7)作物データ取得部14は、1種類のみの作物データを経時的に取得するように構成されていても良い。例えば、作物データ取得部14は、穀粒の収量のみを経時的に取得するように構成されていても良い。
【0198】
(8)収量用ポリゴン構築部21、収量データ割当部22、収量ポリゴンマップ生成部23、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、単位面積当たりの収量データ割当部25、単位面積当たりの収量ポリゴンマップ生成部26、品質用ポリゴン構築部27、品質データ割当部28、品質ポリゴンマップ生成部29、位置情報割当部30、ポリゴンマップ格納部31、マップ変換部32、ポリゴン更新部34のうち、一部または全てがコンバインCに備えられていても良い。
【0199】
(9)作物データ取得部14は、作物の外観(例えば色)を示す値を取得するように構成されていても良い。作物の外観を示す値は、本発明に係る「品質値」に相当する。
【0200】
(10)作業幅算出部12は設けられていなくても良い。この場合、収量用ポリゴン構築部21、単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部24、品質用ポリゴン構築部27は、コンバインCの作業幅が一定値であるとして、ポリゴンを構築するように構成されていても良い。
【0201】
(11)上記実施形態においては、収量用のポリゴン、単位面積当たりの収量用のポリゴン、品質用のポリゴンが構築される。即ち、3種類のポリゴンが構築される。しかしながら、本発明はこれに限定されない。構築されるポリゴンの種類は2種類以下でも良いし、4種類以上でも良い。また、構築されるポリゴンの種類が1種類であると共に、そのポリゴンに、複数種類の作物データや作物情報が割り当てられる構成であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、自脱型のコンバインだけではなく、普通型のコンバイン、トウモロコシ収穫機、ジャガイモ収穫機、ニンジン収穫機等、種々の収穫機に利用可能である。
【符号の説明】
【0203】
1 刈取部(収穫部)
11 作業状態判定部
12 作業幅算出部
14 作物データ取得部
17 位置情報取得部
21 収量用ポリゴン構築部(ポリゴン構築部)
22 収量データ割当部(データ割当部)
23 収量ポリゴンマップ生成部(圃場マップ生成部)
24 単位面積当たりの収量用ポリゴン構築部(ポリゴン構築部)
25 単位面積当たりの収量データ割当部(データ割当部)
26 単位面積当たりの収量ポリゴンマップ生成部(圃場マップ生成部)
27 品質用ポリゴン構築部(ポリゴン構築部)
28 品質データ割当部(データ割当部)
29 品質ポリゴンマップ生成部(圃場マップ生成部)
30 位置情報割当部
32 マップ変換部
34 ポリゴン更新部
C コンバイン(収穫機)
Q1~Q3 指標区画
SY 圃場管理システム