(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】シフトレジスタユニットおよびその駆動方法、ゲート駆動回路およびその駆動方法と表示装置
(51)【国際特許分類】
G11C 19/28 20060101AFI20240209BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240209BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240209BHJP
G09G 3/3266 20160101ALI20240209BHJP
G09G 3/3225 20160101ALI20240209BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/20 622E
G09G3/20 612K
G09G3/20 612T
G09G3/20 622D
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 611C
G09G3/36
G09G3/3266
G09G3/3225
(21)【出願番号】P 2020558472
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2019125666
(87)【国際公開番号】W WO2020168798
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】201910135181.1
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519401479
【氏名又は名称】合肥京東方卓印科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hefei BOE Joint Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Block 15 Group-A Zone-E of Industrial Park in Hefei New Station, Xinzhan District, Hefei, Anhui, 230012,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 雪▲歡▼
(72)【発明者】
【氏名】李 永▲謙▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 星
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106683634(CN,A)
【文献】国際公開第2011/114563(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108877636(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108806597(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
G09G 3/36
G09G 3/3266
G09G 3/3225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路と、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と
、制御サブ回路とを含み、前記第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路とが一対一で対応し、ただし、Nは2以上の整数であり、
第nの入力サブ回路は、第nの入力信号端子、第1のレベル信号端子及びプルアップノードに電気的に接続され、前記第nの入力信号端子からの第nの入力信号の制御で前記第1のレベル信号端子からの第1のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置され、
第nの出力サブ回路は、第nのクロック信号端子、前記プルアップノード及び第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第nのクロック信号端子からの第nのクロック信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置され、ただし、n=1,2,…,Nであ
り、
前記制御サブ回路は、前記プルアップノード、第2のレベル信号端子、第3のレベル信号端子及びプルダウンノードに電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第2のレベル信号端子からの第2のレベル信号または前記第3のレベル信号端子からの第3のレベル信号を前記プルダウンノードに伝送するように配置される、
ことを特徴とするシフトレジスタユニット。
【請求項2】
前記制御サブ回路は、第1の制御トランジスタ及び第2の制御トランジスタを含み、
前記第1の制御トランジスタの制御極及び第1の極が前記第3のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第1の制御トランジスタの第2の極が前記プルダウンノードに電気的に接続され、
前記第2の制御トランジスタの制御極が前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第2の制御トランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第2の制御トランジスタの第2の極が前記プルダウンノードに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項
1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項3】
前記制御サブ回路は、第3の制御トランジスタをさらに含み、
前記第3の制御トランジスタの制御極が前記プルダウンノードに電気的に接続され、前記第3の制御トランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第3の制御トランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項
2に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項4】
第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路と、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と
、第1のリセットサブ回路乃至第Nのリセットサブ回路とを含み、前記第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路とが一対一で対応し、
前記第1のリセットサブ回路乃至第Nのリセットサブ回路と第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路とが一対一で対応し、ただし、Nは2以上の整数であり、
第nの入力サブ回路は、第nの入力信号端子、第1のレベル信号端子及びプルアップノードに電気的に接続され、前記第nの入力信号端子からの第nの入力信号の制御で前記第1のレベル信号端子からの第1のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置され、
第nの出力サブ回路は、第nのクロック信号端子、前記プルアップノード及び第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第nのクロック信号端子からの第nのクロック信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置され、ただし、n=1,2,…,Nであ
り、
第nのリセットサブ回路は、第nのリセット信号端子、第2のレベル信号端子及び前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第nのリセット信号端子からの第nのリセット信号の制御で前記第2のレベル信号端子からの第2のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される、
ことを特徴とするシフトレジスタユニット。
【請求項5】
前記第nのリセットサブ回路は、第nのリセットトランジスタを含み、
前記第nのリセットトランジスタの制御極が前記第nのリセット信号端子に電気的に接続され、前記第nのリセットトランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第nのリセットトランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項6】
第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路と、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路
と、総括リセットサブ回路とを含み、前記第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路とが一対一で対応し、ただし、Nは2以上の整数であり、
第nの入力サブ回路は、第nの入力信号端子、第1のレベル信号端子及びプルアップノードに電気的に接続され、前記第nの入力信号端子からの第nの入力信号の制御で前記第1のレベル信号端子からの第1のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置され、
第nの出力サブ回路は、第nのクロック信号端子、前記プルアップノード及び第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第nのクロック信号端子からの第nのクロック信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置され、ただし、n=1,2,…,Nであ
り、
前記総括リセットサブ回路は、総括リセット信号端子、第2のレベル信号端子及び前記プルアップノードに電気的に接続され、前記総括リセット信号端子からの総括リセット信号の制御で前記第2のレベル信号端子からの第2のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される、
ことを特徴とするシフトレジスタユニット。
【請求項7】
前記総括リセットサブ回路は、総括リセットトランジスタを含み、
前記総括リセットトランジスタの制御極が前記総括リセット信号端子に電気的に接続され、前記総括リセットトランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記総括リセットトランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項
6に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項8】
第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路と、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と
、外部補償駆動サブ回路とを含み、前記第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路とが一対一で対応し、ただし、Nは2以上の整数であり、
第nの入力サブ回路は、第nの入力信号端子、第1のレベル信号端子及びプルアップノードに電気的に接続され、前記第nの入力信号端子からの第nの入力信号の制御で前記第1のレベル信号端子からの第1のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置され、
第nの出力サブ回路は、第nのクロック信号端子、前記プルアップノード及び第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第nのクロック信号端子からの第nのクロック信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置され、ただし、n=1,2,…,Nであ
り、
前記外部補償駆動サブ回路は、補償入力信号端子、ランダム出力イネーブル信号端子、補償クロック信号端子、第2のレベル信号端子及び前記プルアップノードに電気的に接続され、前記ランダム出力イネーブル信号端子からのランダム出力イネーブル信号及び前記補償クロック信号端子からの補償クロック信号の制御で前記補償クロック信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される、
ことを特徴とするシフトレジスタユニット。
【請求項9】
前記外部補償駆動サブ回路は、第1の補償駆動トランジスタ、第2の補償駆動トランジスタ、第3の補償駆動トランジスタ及び補償駆動コンデンサを含み、
前記第1の補償駆動トランジスタの制御極が前記ランダム出力イネーブル信号端子に電気的に接続され、前記第1の補償駆動トランジスタの第1の極が前記補償入力信号端子に電気的に接続され、前記第1の補償駆動トランジスタの第2の極が前記補償駆動コンデンサの第1の極に電気的に接続され、
前記第2の補償駆動トランジスタの制御極が前記補償駆動コンデンサの第1の極に電気的に接続され、前記第2の補償駆動トランジスタの第1の極が前記補償クロック信号端子に電気的に接続され、前記第2の補償駆動トランジスタの第2の極が前記第3の補償駆動トランジスタの第1の極に電気的に接続され、
前記第3の補償駆動トランジスタの制御極が前記補償クロック信号端子に電気的に接続され、前記第3の補償駆動トランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続され、
前記補償駆動コンデンサの第2の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項
8に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項10】
第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と一対一で対応する第1のプルダウンサブ回路乃至第Nのプルダウンサブ回路をさらに含み、
第nのプルダウンサブ回路は、プルダウンノード、第2のレベル信号端子及び前記第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルダウンノードの電圧の制御で前記第2のレベル信号端子からの第2のレベル信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置される、
ことを特徴とする請求項
1乃至9のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項11】
第nのプルダウンサブ回路は、第nのプルダウントランジスタを含み、
前記第nのプルダウントランジスタの制御極が前記プルダウンノードに電気的に接続され、前記第nのプルダウントランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第nのプルダウントランジスタの第2の極が前記第nの出力信号端子に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項
10に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項12】
第nの入力サブ回路は、第nの入力トランジスタを含み、
前記第nの入力トランジスタの制御極が前記第nの入力信号端子に電気的に接続され、前記第nの入力トランジスタの第1の極が前記第1のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第nの入力トランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1
乃至9のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項13】
第nの出力サブ回路は、第nの出力トランジスタ及び第nの記憶コンデンサを含み、
前記第nの出力トランジスタの制御極が前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第nの出力トランジスタの第1の極が前記第nのクロック信号端子に電気的に接続され、前記第nの出力トランジスタの第2の極が前記第nの出力信号端子に電気的に接続され、
前記第nの記憶コンデンサの第1の極が前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第nの記憶コンデンサの第2の極が前記第nの出力信号端子に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1
乃至9のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項14】
請求項1乃至
13のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニットの駆動方法であって、
各々のフレームには、第1の駆動時間帯乃至第Nの駆動時間帯が含まれ、
前記方法は、第nの駆動時間帯の期間に、第nの入力サブ回路及び第nの出力サブ回路により駆動することを含み、ただし、前記第nの駆動時間帯は、第nの入力時間帯及び第nの出力時間帯を含み、
第nの入力時間帯の期間に、前記第nの入力サブ回路により前記プルアップノードを第1の有効レベルに充電し、
第nの出力時間帯の期間に、前記プルアップノードの電圧の制御で、第nのクロック信号を第nの出力信号端子に伝送する、
ことを特徴とする駆動方法。
【請求項15】
各々のフレームには、前記第1の駆動時間帯乃至第Nの駆動時間帯の後に位置するブランク段階がさらに含まれ、
前記方法は、
ランダム出力イネーブル信号の制御で、前記第1の出力時間帯乃至前記第Nの出力時間帯のうちの1つのランダムな時間帯の期間に、補償入力信号端子からの補償入力信号によ
り第2の補償駆動トランジスタをオンにすることと、
ブランク段階の期間に
、補償クロック信号により前記プルアップノードを有効レベルに引き上げて、第1のクロック信号乃至第Nのクロック信号がそれぞれ前記第1の出力信号端子乃至前記第Nの出力信号端子に伝送できるようにすることと、
前記ランダム出力イネーブル信号により、第1のクロック信号乃至第Nのクロック信号のうちの1つのクロック信号が前記ブランク段階の少なくとも一部の時間帯の期間にハイレベルを有させて、前記第1の出力信号端子乃至前記第Nの出力信号端子のうちの1つが前記ブランク段階にハイレベル信号を出力できるようにすることと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
14に記載の駆動方法。
【請求項16】
複数の縦続のシフトレジスタユニット群を含み、各々のシフトレジスタユニット群にはK個の縦続のシフトレジスタユニットが含まれ、ただし、各々のシフトレジスタユニットは請求項1乃至
13のいずれか一項に記載のシフトレジスタユニットであり、ただし、Kは3以上の整数であるゲート駆動回路であって、
各々の段のシフトレジスタユニット群のうちのK個の縦続のシフトレジスタユニットは、隣接するN×K本のゲート線を駆動するためのものであり、ただし、前記N×K本のゲート線は、順番に並べた第1のゲート線群乃至第Nのゲート線群を含み、各々のゲート線群にはK本の順番に並べたゲート線が含まれ、ただし、各々のシフトレジスタユニット群のうちのK個の縦続のシフトレジスタユニットのうちの第nの出力信号端子は、それぞれ第nのゲート線群のうちのK本のゲート線と一対一で対応して電気的に接続され、
第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットの第1の入力信号端子以外、各々の入力信号端子が、該入力信号端子に対応するゲート線よりも1つ前のゲート線に電気的に接続された出力信号端子と電気的に接続され、
第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットの第1の入力信号端子がフレーム起始信号端子に電気的に接続されている、
ことを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項17】
前記ゲート駆動回路のうちの各々の段のシフトレジスタユニット群は、第1のクロック信号線乃至第N×Kのクロック信号線に電気的に接続されて、それぞれ第1のクロック信号乃至第N×Kのクロック信号を受け、
第mのクロック信号線と、前記シフトレジスタユニット群により駆動される前記N×K本のゲート線のうちの第m本のゲート線とが同一の出力サブ回路に接続され、ただし、m=1,2,…,N×Kである、
ことを特徴とする請求項
16に記載のゲート駆動回路。
【請求項18】
最後段のシフトレジスタユニット群のうちの最後段のシフトレジスタユニットの第Nのリセット信号端子以外、各々のリセット信号端子が、該リセット信号端子に対応する出力サブ回路により駆動されるゲート線よりも1つ後のゲート線に電気的に接続された出力信号端子と電気的に接続され、
最後段のシフトレジスタユニット群のうちの最後段のシフトレジスタユニットの第Nのリセット信号端子が、フレーム起始信号端子に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項
16に記載のゲート駆動回路。
【請求項19】
請求項
16乃至
18のいずれか一項に記載のゲート駆動回路の駆動方法であって、
前記第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットのうちの第1の入力信号端子へフレーム起始信号を供給することと、
前記N×K個のクロック信号線により、各段のシフトレジスタユニット群のうちのクロック信号端子へクロック信号を供給することと、を含み、
ただし、前記N×K個のクロック信号線のうちの第1のクロック信号線により供給されたクロック信号の、第1の周期での第1のエッジは、前記フレーム起始信号の第1のエッジよりも、1/N×K個のクロック周期遅くなる、
ことを特徴とする駆動方法。
【請求項20】
前記第1のクロック信号乃至第N×Kのクロック信号のデューティ比は、1/N×Kであり、かつ順次に1/N×K個のクロック周期遅くなる、
ことを特徴とする請求項
19に記載の駆動方法。
【請求項21】
請求項
16乃至
18のいずれか一項に記載のゲート駆動回路を含む、
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2019年2月22日に提出された、発明名称が「シフトレジスタユニットおよびその駆動方法、ゲート駆動回路およびその駆動方法と表示装置」である中国特許出願第201910135181.1号を基礎とする優先権を主張し、ここで、それを本開示にとりこむものとする。
【0002】
本開示は、表示の技術分野に関し、具体的に、シフトレジスタユニットおよびその駆動方法、ゲート駆動回路と表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)に基づく液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Device,LCD)またはアクティブマトリックス有機発光ディスプレイ(Active Matrix Organic Light Emitting Display,AMOLED)では、ゲートを駆動するゲート駆動回路を表示パネル上に形成してアレイ基板ゲート駆動回路(Gate drive On Array,GOA)を構成可能である。該ゲート駆動回路は、複数の縦続のシフトレジスタユニットを含む。各々のシフトレジスタユニットには、それぞれ、入力、プルダウン及びプルダウン制御、出力、リセット及びノイズ減少などの機能を実現するために、複数のTFTが含まれている。しかしながら、解像度などのパネルパラメータに対する要求の向上につれて、トランジスタの数が多いことはパネルに対する改良の障害となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、シフトレジスタユニットおよびその駆動方法、ゲート駆動回路およびその駆動方法と表示装置を提供している。
【0005】
本開示の一態様によれば、シフトレジスタユニットが提供される。前記シフトレジスタは、第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路と、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路とを含み、前記第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と第1の入力サブ回路乃至第Nの入力サブ回路とが一対一で対応し、ただし、Nは2以上の整数である。第nの入力サブ回路は、第nの入力信号端子、第1のレベル信号端子及びプルアップノードに電気的に接続され、前記第nの入力信号端子からの第nの入力信号の制御で前記第1のレベル信号端子からの第1のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される。第nの出力サブ回路は、第nのクロック信号端子、前記プルアップノード及び第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第nのクロック信号端子からの第nのクロック信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置され、ただし、n=1,2,…,Nである。
【0006】
いくつかの実施態様では、前記シフトレジスタユニットは、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と一対一で対応する第1のプルダウンサブ回路乃至第Nのプルダウンサブ回路をさらに含む。第nのプルダウンサブ回路は、プルダウンノード、第2のレベル信号端子及び前記第nの出力信号端子に電気的に接続され、前記プルダウンノードの電圧の制御で前記第2のレベル信号端子からの第2のレベル信号を前記第nの出力信号端子に伝送するように配置される。
【0007】
いくつかの実施態様では、前記シフトレジスタユニットは、制御サブ回路をさらに含む。前記制御サブ回路は、前記プルアップノード、前記第2のレベル信号端子、第3のレベル信号端子及び前記プルダウンノードに電気的に接続され、前記プルアップノードの電圧の制御で前記第2のレベル信号または前記第3のレベル信号端子からの第3のレベル信号を前記プルダウンノードに伝送するように配置される。
【0008】
いくつかの実施態様では、前記シフトレジスタユニットは、第1の出力サブ回路乃至第Nの出力サブ回路と一対一で対応する第1のリセットサブ回路乃至第Nのリセットサブ回路をさらに含む。第nのリセットサブ回路は、第nのリセット信号端子、前記第2のレベル信号端子及び前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第nのリセット信号端子からの第nのリセット信号の制御で前記第2のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される。
【0009】
いくつかの実施態様では、前記シフトレジスタユニットは、総括リセットサブ回路をさらに含む。前記総括リセットサブ回路は、総括リセット信号端子、前記第2のレベル信号端子及び前記プルアップノードに電気的に接続され、前記総括リセット信号端子からの総括リセット信号の制御で前記第2のレベル信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される。
【0010】
いくつかの実施態様では、前記シフトレジスタユニットは、外部補償駆動サブ回路をさらに含む。前記外部補償駆動サブ回路は、補償入力信号端子、ランダム出力イネーブル信号端子、補償クロック信号端子、前記第2のレベル信号端子及び前記プルアップノードに電気的に接続され、前記ランダム出力イネーブル信号端子からのランダム出力イネーブル信号及び前記補償クロック信号端子からの補償クロック信号の制御で前記補償クロック信号を前記プルアップノードに伝送するように配置される。
【0011】
いくつかの実施態様では、第nの入力サブ回路は、第nの入力トランジスタを含む。前記第nの入力トランジスタの制御極が前記第nの入力信号端子に電気的に接続され、前記第nの入力トランジスタの第1の極が前記第1のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第nの入力トランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている。
【0012】
いくつかの実施態様では、第nの出力サブ回路は、第nの出力トランジスタ及び第nの記憶コンデンサを含む。前記第nの出力トランジスタの制御極が前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第nの出力トランジスタの第1の極が前記第nのクロック信号端子に電気的に接続され、前記第nの出力トランジスタの第2の極が前記第nの出力信号端子に電気的に接続されている。前記第nの記憶コンデンサの第1の極が前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第nの記憶コンデンサの第2の極が前記第nの出力信号端子に電気的に接続されている。
【0013】
いくつかの実施態様では、第nのプルダウンサブ回路は、第nのプルダウントランジスタを含む。前記第nのプルダウントランジスタの制御極が前記プルダウンノードに電気的に接続され、前記第nのプルダウントランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第nのプルダウントランジスタの第2の極が前記第nの出力信号端子に電気的に接続されている。
【0014】
いくつかの実施態様では、前記制御サブ回路は、第1の制御トランジスタ及び第2の制御トランジスタを含む。前記第1の制御トランジスタの制御極及び第1の極が前記第3のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第1の制御トランジスタの第2の極が前記プルダウンノードに電気的に接続されている。前記第2の制御トランジスタの制御極が前記プルアップノードに電気的に接続され、前記第2の制御トランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第2の制御トランジスタの第2の極が前記プルダウンノードに電気的に接続されている。
【0015】
いくつかの実施態様では、前記制御サブ回路は、第3の制御トランジスタをさらに含む。前記第3の制御トランジスタの制御極が前記プルダウンノードに電気的に接続され、前記第3の制御トランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第3の制御トランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている。
【0016】
いくつかの実施態様では、前記第nのリセットサブ回路は、第nのリセットトランジスタを含む。前記第nのリセットトランジスタの制御極が前記第nのリセット信号端子に電気的に接続され、前記第nのリセットトランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記第nのリセットトランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている。
【0017】
いくつかの実施態様では、前記総括リセットサブ回路は、総括リセットトランジスタを含む。前記総括リセットトランジスタの制御極が前記総括リセット信号端子に電気的に接続され、前記総括リセットトランジスタの第1の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続され、前記総括リセットトランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている。
【0018】
いくつかの実施態様では、前記外部補償駆動サブ回路は、第1の補償駆動トランジスタ、第2の補償駆動トランジスタ、第3の補償駆動トランジスタ及び補償駆動コンデンサを含む。前記第1の補償駆動トランジスタの制御極が前記ランダム出力イネーブル信号端子に電気的に接続され、前記第1の補償駆動トランジスタの第1の極が前記補償入力信号端子に電気的に接続され、前記第1の補償駆動トランジスタの第2の極が前記補償駆動コンデンサの第1の極に電気的に接続されている。前記第2の補償駆動トランジスタの制御極が前記補償駆動コンデンサの第1の極に電気的に接続され、前記第2の補償駆動トランジスタの第1の極が前記補償クロック信号端子に電気的に接続され、前記第2の補償駆動トランジスタの第2の極が前記第3の補償駆動トランジスタの第1の極に電気的に接続されている。前記第3の補償駆動トランジスタの制御極が前記補償クロック信号端子に電気的に接続され、前記第3の補償駆動トランジスタの第2の極が前記プルアップノードに電気的に接続されている。前記補償駆動コンデンサの第2の極が前記第2のレベル信号端子に電気的に接続されている。
【0019】
本開示の別の態様によれば、上記のいずれかの実施態様に記載のシフトレジスタユニットの駆動方法を提供している。ただし、各々のフレームには、第1の駆動時間帯乃至第Nの駆動時間帯が含まれる。前記方法は、第nの駆動時間帯の期間に、第nの入力サブ回路、第nの出力サブ回路及び第nのリセットサブ回路により駆動することを含み、ただし、前記第nの駆動時間帯は、第nの入力時間帯、第nの出力時間帯及び第nのリセット時間帯を含む。具体的に、第nの入力時間帯の期間に、前記第nの入力サブ回路により前記プルアップノードを第1の有効レベルに充電し、第nの出力時間帯の期間に、前記プルアップノードの電圧の制御で、第nのクロック信号を第nの出力信号端子に伝送し、第nのリセット時間帯の期間に、第nのリセット信号の制御で、第2のレベル信号により前記プルアップノードを無効レベルにリセットする。
【0020】
いくつかの実施態様では、各々のフレームには、前記第1の駆動時間帯乃至第Nの駆動時間帯の後に位置するブランク段階がさらに含まれる。前記方法は、前記ランダム出力イネーブル信号の制御で、前記第1の出力時間帯乃至前記第Nの出力時間帯のうちの1つのランダムな時間帯の期間に、補償入力信号端子からの補償入力信号により前記第2の補償駆動トランジスタをオンにすることと、ブランク段階の期間に、前記補償クロック信号により前記プルアップノードを有効レベルに引き上げて、第1のクロック信号乃至第Nのクロック信号がそれぞれ前記第1の出力信号端子乃至前記第Nの出力信号端子に伝送できるようにすることと、前記ランダム出力イネーブル信号により、第1のクロック信号乃至第Nのクロック信号のうちの1つのクロック信号が前記ブランク段階の少なくとも一部の時間帯の期間にハイレベルを有させて、前記第1の出力信号端子乃至前記第Nの出力信号端子のうちの1つが前記ブランク段階にハイレベル信号を出力できるようにすることと、をさらに含む。
【0021】
本開示の別の態様によれば、ゲート駆動回路を提供している。前記ゲート駆動回路は、複数の縦続のシフトレジスタユニット群を含み、各々のシフトレジスタユニット群にはK個の縦続のシフトレジスタユニットが含まれ、ただし、各々のシフトレジスタユニットは上記のいずれかの実施態様に記載のシフトレジスタユニットであり、ただし、Kは3以上の整数である。各々の段のシフトレジスタユニット群のうちのK個の縦続のシフトレジスタユニットは、隣接するN×K本のゲート線を駆動するためのものであり、ただし、前記N×K本のゲート線は、順番に並べた第1のゲート線群乃至第Nのゲート線群を含み、各々のゲート線群にはK本の順番に並べたゲート線が含まれ、ただし、各々のシフトレジスタユニット群のうちのK個の縦続のシフトレジスタユニットのうちの第nの出力信号端子は、それぞれ第nのゲート線群のうちのK本のゲート線と一対一で対応して電気的に接続されている。第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットの第1の入力信号端子以外、各々の入力信号端子が、該入力信号端子に対応するゲート線よりも1つ前のゲート線に電気的に接続された出力信号端子と電気的に接続されている。第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットの第1の入力信号端子がフレーム起始信号端子に電気的に接続されている。
【0022】
いくつかの実施態様では、前記ゲート駆動回路のうちの各々の段のシフトレジスタユニット群は、第1のクロック信号線乃至第N×Kのクロック信号線に電気的に接続されて、それぞれ第1のクロック信号乃至第N×Kのクロック信号を受ける。第mのクロック信号線と、前記シフトレジスタユニット群により駆動される前記N×K本のゲート線のうちの第m本のゲート線とが同一の出力サブ回路に接続され、ただし、m=1,2,…,N×Kである。
【0023】
いくつかの実施態様では、最後段のシフトレジスタユニット群のうちの最後段のシフトレジスタユニットの第Nのリセット信号端子以外、各々のリセット信号端子が、該リセット信号端子に対応する出力サブ回路により駆動されるゲート線よりも1つ後のゲート線に電気的に接続された出力信号端子と電気的に接続されている。最後段のシフトレジスタユニット群のうちの最後段のシフトレジスタユニットの第Nのリセット信号端子がフレーム起始信号端子に電気的に接続されている。
【0024】
本開示の別の態様によれば、上記のいずれかの実施態様に記載のゲート駆動回路の駆動方法を提供している。前記駆動方法は、前記第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットのうちの第1の入力信号端子へフレーム起始信号を供給することと、前記N×K個のクロック信号線により各段のシフトレジスタユニット群のうちのクロック信号端子へクロック信号を供給することと、を含み、ただし、前記N×K個のクロック信号線のうちの第1のクロック信号線により供給されたクロック信号の、第1個の周期での第1のエッジは、前記フレーム起始信号の第1のエッジよりも、1/N×K個のクロック周期遅くなる。
【0025】
いくつかの実施態様では、前記第1のクロック信号乃至第N×Kのクロック信号のデューティ比が1/N×Kであり、かつ、順次に1/N×K個のクロック周期遅くなる。
【0026】
本開示の別の態様によれば、表示装置を提供している。前記表示装置は、上記のいずれかの実施態様に記載のゲート駆動回路を含む。
【0027】
本開示の実施形態または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以降、実施形態の記述に必要な図面を簡単に説明する。当然ながら、以降の記述における図面は、本開示のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとって、創造性の労働を必要としないことを前提にしてこれらの図面からほかの図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】関連技術のシフトレジスタユニットを示した概略回路図である。
【
図2】本開示の一実施形態によるシフトレジスタユニットを示した概略構成図である。
【
図3】
図2に示すシフトレジスタユニットのさらなる実施形態を示した構成ブロック図である。
【
図4】
図3に示すシフトレジスタユニットを示した例示的な回路図である。
【
図5】
図4に示すシフトレジスタユニットを示したタイミングチャートである。
【
図6】
図3に示すシフトレジスタユニットのさらなる実施形態を示した構成ブロック図である。
【
図7】
図6におけるシフトレジスタユニットを示した例示的な回路図である。
【
図8】
図7に示すシフトレジスタユニットを示したタイミングチャートである。
【
図9】本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットの駆動方法を示したフローチャートである。
【
図10】本開示の実施形態によるゲート駆動回路を示した縦続構成図である。
【
図11】本開示の実施形態によるゲート駆動回路の駆動方法を示したフローチャートである。
【
図12】本開示の実施形態による表示装置を示した概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施形態の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以降、本開示の実施形態例における図面を組み合わせて本開示の実施形態における技術案を明確かつ完全に記述する。当然ながら、記述される実施形態は、本開示の実施形態の一部であるが、全部ではない。記述される本開示の実施形態に基づいて、当業者が創造性の労働を必要としない前提で得られたほかの実施形態のすべては、本開示の保護範囲に属する。図面全体に亘って、同じ要素が同じまたは類似な参照符号で表されていることに注意する必要がある。以降の記述において、いくつかの具体的な実施形態は、記述という目的のためにのみ使用され、本開示を限定するものとして解釈されるべきではなく、本開示の実施形態の例にすぎない。本開示の理解に混乱を生じさせる可能性がある場合、通常の構成または構造は省略される。図に各部材の形状およびサイズは、実際の大きさおよび比率を反映するものではなく、本開示の実施形態の内容を単に例示するものであることに注意する必要がある。
【0030】
別段の定義がない限り、本開示の実施形態で使用される技術用語または科学用語は、当業者にとって理解される通常の意味を有すべきである。本開示の実施形態で使用される「第1の」、「第2の」および類似な用語は、いかなる順序、数または重要性を表すものではなく、異なる組成部分を区別するためにのみ使用される。
【0031】
また、本開示の実施形態の記述において、「接続される」または「電気的に接続される」という用語は、2つの構成要素が直接的に接続されるか電気的に接続されることを意味してもよく、2つの構成要素の間が1つまたは複数の他の構成要素を介して接続されるか電気的に接続されることを意味してもよい。なお、これらの2つの構成要素が有線または無線で接続されるか電気的に接続されてもよい。
【0032】
本開示の実施形態で使用されるトランジスタは、いずれも、薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタまたは同じ特性を有する他のデバイスであってもよい。回路における役割によれば、本開示の実施形態で使用されるトランジスタは、主にスイッチングトランジスタである。本開示で使用されるトランジスタは、「制御極」、「第1の極」および「第2の極」を含む。薄膜トランジスタを使用する実施形態では、「制御極」は、薄膜トランジスタのゲートを意味し、「第1の極」は、薄膜トランジスタのソース及びドレインのうちの一方を意味し、「第2の極」は、薄膜トランジスタのソース及びドレインのうちの他方を意味する。ここで使用される薄膜トランジスタのソース及びドレインが対称であるので、そのソース及びドレインが交換されてもよい。以降の例では、N型の薄膜トランジスタを例に記述する。類似的に、他の実施形態では、P型の薄膜トランジスタで本開示の技術案を実現することもできる。当業者にとって、このような場合、入力信号、クロック信号、定電圧信号などに対して位相を逆にする(および/または他の適応的な補正を行う)ことによって、同様に本開示の技術案を実現できると理解される。
【0033】
本開示の実施形態では、クロック信号は、周期信号である。一つの周期に、2つの信号エッジ(第1のエッジおよび第1のエッジよりも遅くなる第2のエッジ)により、クロック信号を、次々と出現するハイレベル時間帯及びローレベル時間帯に分ける。また、本開示の実施形態の記述において、「有効レベル」および「無効レベル」という用語は、それぞれ、関連するトランジスタをオン及びオフにするレベルである。本開示では、「第1の有効レベル」及び「第2の有効レベル」は、2つの有効レベルの大きさが異なることを区別するためにのみ使用される。以降では、例としてN型の薄膜トランジスタを使用しているので、「有効レベル」がハイレベルであり、「無効レベル」がローレベルであるとする。
【0034】
本開示は、図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0035】
図1は、関連技術のシフトレジスタユニット100を示した概略回路図である。
図1に示すように、プルアップノードPUの制御で、クロック信号端子CLK1からのクロック信号が、薄膜トランジスタT8を介して出力信号端子OUTへハイレベルを供給することができ、プルダウンノードPDの制御で、定電圧信号端子VSSからの信号が、薄膜トランジスタT9を介して出力信号端子OUTへローレベルを供給することができる。これにより、プルアップノードPU及びプルダウンノードPDの電位タイミングを制御することにより、出力信号端子OUTから出力される信号の制御を実現することができる。プルアップノードPUの電圧の適当制御を実現するために、入力段階で、入力トランジスタT1を介して、入力信号を使用し、プルアップノードPUをハイレベルに充電する;リセット段階で、リセットトランジスタT2を介して、VSSからのローレベル信号を使用し、プルアップノードPUをローレベルにリセットする;かつ、さらに薄膜トランジスタT3を介してプルアップノードPUのノイズ低減機能を実現する。
【0036】
また、プルダウンノードPDの電圧の適当制御を実現するために、薄膜トランジスタT4、T5、T6及びT7が接続されてなるサブ回路構成により、VDDからのハイレベル及びVSSからのローレベルをそれぞれプルダウンノードPDに伝送する。プルダウンノードPDの最終電圧は、T6及びT7のチャネルのアスペクト比により決定されるものであり、アスペクト比を適当に設定することにより、PD点における電圧の適当設定を実現することができる。
【0037】
これから分かるように、シフトレジスタユニット100には、出力信号端子の出力の制御を実現するために、複数の薄膜トランジスタが使用されており、それぞれ、入力、リセット、ノイズ低減、プルダウン制御などの機能を実現しているが、薄膜トランジスタの数が多くて、後続の設計でのパネル性能の改良に不利である。
【0038】
図2は、本開示の一実施形態によるシフトレジスタユニット200を示した概略構成図である。
【0039】
図2に示すように、シフトレジスタユニット200は、第1の入力サブ回路210-1乃至第Nの入力サブ回路210-Nと、第1の出力サブ回路220-1乃至第Nの出力サブ回路220-Nとを含む。第1の出力サブ回路210-1乃至第Nの出力サブ回路210-Nは、第1の入力サブ回路220-1乃至第Nの入力サブ回路220-Nと一対一で対応する。ただし、Nは、2以上の整数である。シフトレジスタユニット200は、第1の入力信号端子IN1乃至第Nの入力信号端子INNと、第1の出力信号端子OUT1乃至第Nの出力信号端子OUTNと、第1のクロック信号端子CLK1乃至第Nのクロック信号端子CLKNと、第1のレベル信号端子VDDAとをさらに含む。
【0040】
1~Nのうちのいずれか(すなわち、n=1,2,…,N)について、第nの入力サブ回路210-nは、第nの入力信号端子INn、第1のレベル信号端子VDDA及びプルアップノードPUに電気的に接続されている。第nの入力サブ回路210-nは、第nの入力信号端子INnからの第nの入力信号の制御で、第1のレベル信号端子VDDAからの第1のレベル信号をプルアップノードPUに伝送するように配置される。
【0041】
第nの出力サブ回路220-nは、第nのクロック信号端子CLKn、プルアップノードPU及び第nの出力信号端子OUTnに電気的に接続されている。第nの出力サブ回路220-nは、プルアップノードPUの電圧の制御で、第nのクロック信号端子CLKnからの第nのクロック信号を第nの出力信号端子OUTnに伝送するように配置される。
【0042】
他の実施形態では、1~Nのうちのいずれか(すなわち、n=1,2,…,N)について、第nの入力サブ回路210-nは、第1のレベル信号端子VDDAに電気的に接続されておらず、第nの入力信号端子INn及びプルアップノードPUのみに電気的に接続されてもよい。このような実施形態では、第nの入力サブ回路210-nは、第nの入力信号端子INnからの第nの入力信号の制御で、第nの入力信号をプルアップノードPUに伝送するように配置される。
【0043】
図3は、
図2のシフトレジスタユニット200のさらなる実施形態を示した構成ブロック図である。
【0044】
図3に示すように、シフトレジスタユニット200は、第1のプルダウンサブ回路230-1乃至第Nのプルダウンサブ回路230-Nをさらに含み、第1のプルダウンサブ回路230-1乃至第Nのプルダウンサブ回路230-Nは、第1の出力サブ回路220-1乃至第Nの出力サブ回路220-Nと一対一で対応する。
【0045】
第nのプルダウンサブ回路230-nは、プルダウンノードPD、第2のレベル信号端子VSS及び第nの出力信号端子220-nに電気的に接続されている。第nのプルダウンサブ回路230-nは、プルダウンノードPDの電圧の制御で、第2のレベル信号端子VSSからの第2のレベル信号を第nの出力信号端子220-nに伝送するように配置される。
【0046】
図3に示す実施形態では、シフトレジスタユニット200は、制御サブ回路240をさらに含む。
【0047】
制御サブ回路240は、プルアップノードPU、第2のレベル信号端子VSS、第3のレベル信号端子VDDB及びプルダウンノードPDに電気的に接続されている。制御サブ回路240は、プルアップノードPUの電圧の制御で、第2のレベル信号または第3のレベル信号端子VDDBからの第3のレベル信号をプルダウンノードPDに伝送するように配置される。
【0048】
図3に示す実施形態では、シフトレジスタユニット200は、第1のリセットサブ回路250-1乃至第Nのリセットサブ回路250-Nをさらに含み、第1のリセットサブ回路250-1乃至第Nのリセットサブ回路250-Nは、第1の出力サブ回路220-1乃至第Nの出力サブ回路220-Nと一対一で対応する。
【0049】
第nのリセットサブ回路250-nは、第nのリセット信号端子RSTn、第2のレベル信号端子VSS及びプルアップノードPUに電気的に接続されている。第nのリセットサブ回路250-nは、第nのリセット信号端子RSTnからの第nのリセット信号の制御で、第2のレベル信号をプルアップノードPUに伝送するように配置される。
【0050】
図4は、
図3におけるシフトレジスタユニット200を示した例示的な回路図である。説明の便宜上、
図4に、Nが2に等しい場合における回路図のみを示した。本開示はこれに限定されないと理解される。他の実施形態では、Nは、2よりも大きい如何なる整数であってもよい。当業者にとって、以降の説明及び記述のうえで、Nが他の数値である場合における回路構成及び動作フローを知ることができる。
【0051】
図4に示すように、第1の入力サブ回路210-1は、第1の入力トランジスタT11を含む。第1の入力トランジスタT11の制御極が第1の入力信号端子IN1に電気的に接続され、第1の入力トランジスタT11の第1の極が第1のレベル信号端子VDDAに電気的に接続され、第1の入力トランジスタT11の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0052】
類似的に、第2の入力サブ回路210-2は、第2の入力トランジスタT12を含む。第2の入力トランジスタT12の制御極が第2の入力信号端子IN2に電気的に接続され、第2の入力トランジスタT12の第1の極が第1のレベル信号端子VDDAに電気的に接続され、第2の入力トランジスタT12の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0053】
他の実施形態では、第1の入力トランジスタT11及び第2の入力トランジスタT12がダイオード接続形態を有してもよい。具体的に、第1の入力トランジスタT11の制御極及び第1の極がいずれも第1の入力信号端子IN1に電気的に接続され、第1の入力トランジスタT11の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。類似的に、第2の入力トランジスタT12の制御極及び第1の極がいずれも第2の入力信号端子IN2に電気的に接続され、第2の入力トランジスタT12の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0054】
第1の出力サブ回路220-1は、第1の出力トランジスタT21及び第1の記憶コンデンサC1を含む。第1の出力トランジスタT21の制御極がプルアップノードPUに電気的に接続され、第1の出力トランジスタT21の第1の極が第1のクロック信号端子CLK1に電気的に接続され、第1の出力トランジスタT21の第2の極が第1の出力信号端子OUT1に電気的に接続されている。第1の記憶コンデンサC1の第1の極がプルアップノードPUに電気的に接続され、第1の記憶コンデンサC1の第2の極が第1の出力信号端子OUT1に電気的に接続されている。
【0055】
類似的に、第2の出力サブ回路220-2は、第2の出力トランジスタT22及び第2の記憶コンデンサC2を含む。第2の出力トランジスタT22の制御極がプルアップノードPUに電気的に接続され、第2の出力トランジスタT22の第1の極が第2のクロック信号端子CLK2に電気的に接続され、第2の出力トランジスタT22の第2の極が第2の出力信号端子OUT2に電気的に接続されている。第2の記憶コンデンサC2の第1の極がプルアップノードPUに電気的に接続され、第2の記憶コンデンサC2の第2の極が第2の出力信号端子OUT2に電気的に接続されている。
【0056】
第1のプルダウンサブ回路230-1は、第1のプルダウントランジスタT31を含む。第1のプルダウントランジスタT31の制御極がプルダウンノードPDに電気的に接続され、第1のプルダウントランジスタT31の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、第1のプルダウントランジスタT31の第2の極が第1の出力信号端子OUT1に電気的に接続されている。
【0057】
類似的に、第2のプルダウンサブ回路230-2は、第2のプルダウントランジスタT32を含む。第2のプルダウントランジスタT32の制御極がプルダウンノードPDに電気的に接続され、第2のプルダウントランジスタT32の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、第2のプルダウントランジスタT32の第2の極が第2の出力信号端子OUT2に電気的に接続されている。
【0058】
制御サブ回路240は、第1の制御トランジスタTc1及び第2の制御トランジスタTc2を含む。第1の制御トランジスタTc1の制御極及び第1の極が第3のレベル信号端子VDDBに電気的に接続され、第1の制御トランジスタTc1の第2の極がプルダウンノードPDに電気的に接続されている。第2の制御トランジスタTc2の制御極がプルアップノードPUに電気的に接続され、第2の制御トランジスタTc2の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、第2の制御トランジスタTc2の第2の極がプルダウンノードPDに電気的に接続されている。
【0059】
いくつかの実施形態では(
図4に示すように)、制御サブ回路240は、第3の制御トランジスタTc3をさらに含む。第3の制御トランジスタTc3の制御極がプルダウンノードPDに電気的に接続され、第3の制御トランジスタTc3の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、第3の制御トランジスタTc3の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0060】
第1のリセットサブ回路250-1は、第1のリセットトランジスタT51を含む。第1のリセットトランジスタT51の制御極が第1のリセット信号端子RST1に電気的に接続され、第1のリセットトランジスタT51の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、第1のリセットトランジスタT51の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0061】
類似的に、第2のリセットサブ回路250-2は、第2のリセットトランジスタT52を含む。第2のリセットトランジスタT52の制御極が第2のリセット信号端子RST2に電気的に接続され、第2のリセットトランジスタT52の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、第2のリセットトランジスタT52の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0062】
図5は、
図4に示すシフトレジスタユニット200を示したタイミングチャートである。以降において、
図5を組み合わせて、
図4におけるシフトレジスタユニット200の操作フローを記述する。
【0063】
図5におけるタイミングチャートによれば、一つのクロック周期は、8個の時間帯に均等に分けられ、第2のクロック信号端子CLK2のクロック信号は、第1のクロック信号端子CLK1のクロック信号よりも4個の時間帯、すなわち半分のクロック周期遅くなり、第2の入力信号端子IN2の信号は、第1の入力信号端子IN1のクロック信号よりも4個の時間帯遅くなり、かつ、第2のリセット信号端子RST2の信号は、第1のリセット信号端子RST1の信号よりも4個の時間帯遅くなる。
図5のタイミングチャートにおいて、第1のレベル信号端子VDDA及び第3のレベル信号端子VDDBの信号がいずれも一定のハイレベル信号と示されることに注意する必要がある。他の実施形態では、VDDBのみが設けられ、第1の入力トランジスタT11及び第2の入力トランジスタT12がダイオード接続として実現されてもよい。この場合、第1の入力信号端子IN1及び第2の入力信号端子IN2により、VDDAの作用を奏する。
【0064】
t1時間帯の前に、シフトレジスタユニット200の第1の入力信号端子IN1及び第2の入力信号端子IN2に入力信号が入力されていない。すなわち、シフトレジスタユニット200が時間帯t1から働き始める。
【0065】
t1時間帯の内、入力信号端子IN1の信号がローレベル(例えば、vgl)からハイレベル(例えば、vgh)になり、第1の入力トランジスタT11をオンにする。この場合、第1のレベル信号端子VDDAのハイレベルがプルアップノードPUに伝送されて、プルアップノードPUの電圧を第1の有効レベル、すなわちハイレベルvghにプルアップする。プルアップノードPUのハイレベルの作用で、第1の出力トランジスタT21及び第2の出力トランジスタT22がいずれもオンされるが、この場合、第1のクロック信号端子CLK1及び第2のクロック信号端子CLK2は依然としてローレベルvglを供給するので、第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2が第1のクロック信号端子CLK1及び第2のクロック信号端子CLK2からローレベル信号を受ける。
【0066】
なお、第3の制御トランジスタTc3(リセット後でPUをノイズ低減することを保持するため)が設けられた回路構成において、t1時間帯の開始前に、第3の定電圧信号端子VDDBは、常に第1の制御トランジスタTc1の制御極及び第1の極へハイレベルを供給するので、VDDBからのハイレベル信号は、PD点のレベルをハイレベルに保持する。これは、第3のトランジスタTc3をオンにすることで、VSSからのローレベルがt1の前にPUをローレベルに保持させる。VDDAからのハイレベル信号がPU点を引き上げることができるようにすると、第1の入力トランジスタT11のチャネルのアスペクト比及び第3のトランジスタTc3のチャネルのアスペクト比を設定する必要がある。
【0067】
PUのハイレベルの作用で、第2の制御トランジスタTc2がオンされて、第2のレベル信号端子VSSからのローレベル信号がプルダウンノードPDに伝送することができる。一方、上記の通り、第3のレベル信号端子VDDBは、プルダウンノードPDへハイレベル信号を供給する。このような場合、Tc1とTc2のチャネルのアスペクト比の設定により、プルダウンノードPDが最終にローレベルにセットされるようにしてもよい。さらに、プルダウンノードPDにおけるローレベルは、第1のプルダウントランジスタT31及び第2のプルダウントランジスタT32をオフにする。
【0068】
この場合、第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2の出力信号がいずれもローレベル信号である。
【0069】
t2時間帯の内、第1のクロック信号端子CLK1の信号がハイレベルになり、第2のクロック信号端子CLK2がローレベルに保持され、第1の入力信号端子IN1の信号がローレベルになる。第1のクロック信号端子CLK1の信号のハイレベルによって、第1の出力信号端子OUT1がハイレベル信号を受ける。第1の入力信号端子IN1のローレベルは、第1の入力トランジスタT11をオフにするので、プルアップノードPUがフローティングされる。第1のコンデンサC1のブートストラップ作用により、PU点の電圧がさらに第2の有効レベル、例えば2vghに引き上げられる。なお、第2のクロック信号端子CLK2は依然としてローレベル信号を出力するので、第2の出力信号端子OUT2がローレベル信号を受けるように保持される。
【0070】
この場合、第1のプルダウントランジスタT31及び第2のプルダウントランジスタT32がオフされる。したがって、第1の出力信号端子OUT1は、ハイレベル信号を出力するとともに、第2の出力信号端子OUT2は、ローレベル信号を出力する。
【0071】
t3時間帯の内、第1のクロック信号端子CLK1の信号がローレベルになり、第2のクロック信号端子CLK2の信号がローレベルに保持され、第1のリセット信号端子RST1の信号がハイレベルになる。ハイレベルの第1のリセット信号の作用で、第1のリセットトランジスタT51がオンされ、プルアップノードPUをローレベルに引き下げて、PU点のリセットを実現する。これは、第1の出力トランジスタT21及び第2の出力トランジスタT22をオフにする。また、PU点のリセットにより、第2の制御トランジスタTc2をオフにし、プルダウンノードPDはVDDBからの信号の作用でハイレベルになる。さらに、第1のプルダウントランジスタT31及び第2のプルダウントランジスタT32がいずれもオンされ、VSSのローレベル信号をさらに第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2に伝送して、両者がローレベルを出力させる。
【0072】
t4時間帯の内、第1のクロック信号端子CLK1の信号及び第2のクロック信号端子CLK2の信号がローレベルに保持され、第1のリセット信号端子RST1の信号がローレベルになる。PD点はt3時間帯にハイレベルになったことで、第3の制御トランジスタTc3が設けられた実施形態では、VSSからのローレベル信号は第3の制御トランジスタTc3を介してPU点をノイズ低減する。
【0073】
t5時間帯の内、入力信号端子IN2の信号がローレベル(例えば、vgl)からハイレベル(例えば、vgh)になり、第2の入力トランジスタT12をオンにする。この場合、第1のレベル信号端子VDDAのハイレベルがプルアップノードPUに伝送されて、プルアップノードPUの電圧を第1の有効レベル、すなわちハイレベルvghにプルアップする。プルアップノードPUのハイレベルの作用で、第1の出力トランジスタT21及び第2の出力トランジスタT22がいずれもオンされるが、この場合、第1のクロック信号端子CLK1及び第2のクロック信号端子CLK2は依然としてローレベルvglを供給するので、第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2が第1のクロック信号端子CLK1及び第2のクロック信号端子CLK2からローレベル信号を受ける。
【0074】
なお、第3の制御トランジスタTc3が設けられた回路構成において、t4時間帯に、VSSからのローレベルがPUのノイズ低減を保持して、それがローレベルであるようにする。VDDAからのハイレベル信号がPU点を引き上げることができるようにすると、第2の入力トランジスタT12のチャネルのアスペクト比及び第3のトランジスタTc3のチャネルのアスペクト比を設定する必要がある。
【0075】
PUのハイレベルの作用で、第2の制御トランジスタTc2がオンされて、第2のレベル信号端子VSSからのローレベル信号がプルダウンノードPDに伝送することができる。一方、上記の通り、第3のレベル信号端子VDDBは、プルダウンノードPDへハイレベル信号を供給する。このような場合、Tc1とTc2のチャネルのアスペクト比の設定により、プルダウンノードPDが最終にローレベルにセットされるようにしてもよい。さらに、プルダウンノードPDにおけるローレベルは、第1のプルダウントランジスタT31及び第2のプルダウントランジスタT32をオフにする。
【0076】
この場合、第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2の出力信号がいずれもローレベル信号である。
【0077】
t6時間帯の内、第2のクロック信号端子CLK2の信号がハイレベルになり、第1のクロック信号端子CLK1の信号がローレベルに保持され、第2の入力信号端子IN2の信号がローレベルになる。第2のクロック信号端子CLK2の信号のハイレベルによって、第2の出力信号端子OUT2がハイレベル信号を受ける。第2の入力信号端子IN2のローレベルは、第2の入力トランジスタT12をオフにするので、プルアップノードPUがフローティングされる。第2のコンデンサC2のブートストラップ作用により、PU点の電圧がさらに第2の有効レベル、例えば2vghに引き上げられる。なお、第1のクロック信号端子CLK1は依然としてローレベル信号を出力するので、第1の出力信号端子OUT1がローレベル信号を受けるように保持される。
【0078】
この場合、第1のプルダウントランジスタT31及び第2のプルダウントランジスタT32がオフされる。したがって、第1の出力信号端子OUT1は、ローレベル信号を出力するとともに、第2の出力信号端子OUT2は、ハイレベル信号を出力する。
【0079】
t7時間帯の内、第2のクロック信号端子CLK2の信号がローレベルになり、第1のクロック信号端子CLK1の信号がローレベルに保持され、第2のリセット信号端子RST2の信号がハイレベルになる。ハイレベルの第2のリセット信号の作用で、第2のリセットトランジスタT52がオンされ、プルアップノードPUをローレベルに引き下げて、PU点のリセットを実現する。これは、第1の出力トランジスタT21及び第2の出力トランジスタT22をオフにする。また、PU点のリセットにより、第2の制御トランジスタTc2をオフにし、プルダウンノードPDはVDDBからの信号の作用でハイレベルになる。さらに、第1のプルダウントランジスタT31及び第2のプルダウントランジスタT32がいずれもオンされ、VSSのローレベル信号をさらに第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2に伝送して、両者がローレベルを出力させる。
【0080】
t8時間帯の内、第1のクロック信号端子CLK1の信号及び第2のクロック信号端子CLK2の信号がローレベルに保持され、第2のリセット信号端子RST2の信号がローレベルになる。PD点はt7時間帯にハイレベルになったことで、第3の制御トランジスタTc3が設けられた実施形態では、VSSからのローレベル信号は第3の制御トランジスタTc3を介してPU点をノイズ低減する。
【0081】
なお、
図5におけるタイミングは例示的なものだけであり、他の実施形態では、シフトレジスタユニット200は、他のタイミングに応じて操作してもよい。例えば、別のタイミングにおいて、一つのクロック周期を6個の時間帯に分け、第2のクロック信号端子CLK2のクロック信号は、第1のクロック信号端子CLK1のクロック信号よりも3個の時間帯、すなわち半分のクロック周期遅くなり、第2の入力信号端子IN2の信号は、第1の入力信号端子IN1のクロック信号よりも3個の時間帯遅くなり、かつ、第2のリセット信号端子RST2の信号は、第1のリセット信号端子RST1の信号よりも3個の時間帯遅くなるようにしてもよい。このタイミングにおいて、
図5におけるt4及びt8に対応する時間帯を有していない。
【0082】
類似的に、別のタイミングにおいて、一般的に、一つのクロック周期を2k個の時間帯(kが4よりも大きい整数)に分け、第2のクロック信号端子CLK2のクロック信号は、第1のクロック信号端子CLK1のクロック信号よりもk個の時間帯、すなわち半分のクロック周期遅くなり、第2の入力信号端子IN2の信号は、第1の入力信号端子IN1のクロック信号よりもk個の時間帯遅くなり、かつ、第2のリセット信号端子RST2の信号は、第1のリセット信号端子RST1の信号よりもk個の時間帯遅くなるようにしてもよい。このタイミングにおいて、t4及びt8の段階は、k-3個の連続の時間帯をそれぞれ亘っている。
【0083】
図6は、
図3に示すシフトレジスタユニット200のさらなる実施形態を示した構成ブロック図である。
図3における構成を比べると、
図6におけるシフトレジスタユニットは、総括リセットサブ回路260及び外部補償駆動サブ回路270をさらに含む。
【0084】
総括リセットサブ回路260は、総括リセット信号端子TRST、第2のレベル信号端子VSS及びプルアップノードPUに電気的に接続されている。総括リセットサブ回路260は、総括リセット信号端子TRSTからの総括リセット信号の制御で、第2のレベル信号をプルアップノードPUに伝送するように配置される。
【0085】
外部補償駆動サブ回路270は、補償入力信号端子INA、ランダム出力イネーブル信号端子OE、補償クロック信号端子CLKA、第2のレベル信号端子VSS及びプルアップノードPUに電気的に接続されている。外部補償駆動サブ回路270は、ランダム出力イネーブル信号端子OEからのランダム出力イネーブル信号及び補償クロック信号端子CLKAからの補償クロック信号の制御で、補償クロック信号CLKAをプルアップノードPUに伝送するように配置される。
【0086】
図7は、
図6におけるシフトレジスタユニットを示した例示的な回路図である。説明の便宜上、
図6に、Nが2に等しい場合における回路図のみを示した。本開示はこれに限定されないと理解される。他の実施形態では、Nは、2よりも大きい如何なる整数であってもよい。当業者にとって、以降の説明及び記述のうえで、Nが他の数値である場合における回路構成及び動作フローを知ることができる。
【0087】
図7に示すように、総括リセットサブ回路260は、総括リセットトランジスタT61を含む。総括リセットトランジスタT61の制御極が総括リセット信号端子TRSTに電気的に接続され、総括リセットトランジスタT61の第1の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続され、総括リセットトランジスタT61の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0088】
外部補償駆動サブ回路270は、第1の補償駆動トランジスタT71、第2の補償駆動トランジスタT72、第3の補償駆動トランジスタT73及び補償駆動コンデンサCAを含む。第1の補償駆動トランジスタT71の制御極がランダム出力イネーブル信号端子OEに電気的に接続され、第1の補償駆動トランジスタT71の第1の極が補償入力信号端子INAに電気的に接続され、第1の補償駆動トランジスタT71の第2の極及び補償駆動コンデンサCAの第1の極がノードHに電気的に接続されている。
【0089】
第2の補償駆動トランジスタT72の制御極がノードHに電気的に接続され、第2の補償駆動トランジスタT72の第1の極が補償クロック信号端子CLKAに電気的に接続され、第2の補償駆動トランジスタT72の第2の極が第3の補償駆動トランジスタT73の第1の極に電気的に接続されている。
【0090】
第3の補償駆動トランジスタT73の制御極が補償クロック信号端子CLKAに電気的に接続され、第3の補償駆動トランジスタT73の第2の極がプルアップノードPUに電気的に接続されている。
【0091】
補償駆動コンデンサCAの第2の極が第2のレベル信号端子VSSに電気的に接続されている。
【0092】
図8は、
図7に示すシフトレジスタユニットを示したタイミングチャートである。以降において、
図8を組み合わせて、
図7におけるシフトレジスタユニットの操作フローを記述する。
図8から分かるように、一つのフレームが2つの段階、すなわち表示段階及びブランク(Blank)段階に分けられる。表示段階はt1~t8を含み、ブランク段階はt9~t11を含む。各入力サブ回路、出力サブ回路、プルダウンサブ回路、制御サブ回路及びリセットサブ回路は、表示段階のタイミングにおいて
図5と同様であり、以降において、総括リセットサブ回路260及び外部補償駆動サブ回路270の操作のみを記述する。
【0093】
総括リセットサブ回路260の操作はt12のみに存在し、総括リセット信号端子TRSTの信号をハイレベルにし、総括リセットトランジスタT61をオンにすることにより、VSSの信号はPUをリセットする。なお、
図7に示すシフトレジスタユニットが位置するゲート駆動回路のうちのすべてのシフトレジスタユニットは、同一のTRSTを共用する。したがって、t12で、ゲート駆動回路のうちのすべてのシフトレジスタユニットを総括リセットする。
【0094】
外部補償駆動サブ回路270の操作はt2時間帯から開始され、t2時間帯に、補償入力信号端子INAはハイレベルを受け始め、ランダム出力イネーブル信号端子OEにハイレベルが入力される。OEのハイレベルの作用で、第1の補償駆動トランジスタT71がオンされて、ノードHをハイレベルに引き上げる。したがって、第2の補償駆動トランジスタT72がオンされて、CLKAの信号を第3の補償駆動トランジスタT73の第1の極に伝送する。この場合、CLKAの信号がローレベルであり、第3の補償駆動トランジスタT73がオフされ、CLKAの信号がプルアップノードPUに伝送されることない。
【0095】
その後のt3~t8時間帯に、補償入力信号端子INAはローレベルを受け、ランダム出力イネーブル信号端子OEにローレベルが入力されることで、T71がオフされ、ノードHがハイレベルに保持され、T72が継続的にオンされる。
【0096】
t9の期間に、CLKAの信号がハイレベルになり、第3の補償駆動トランジスタT73をオンにする。この場合、ハイレベルのCLKA信号は、PU点を第1の有効レベル、例えばハイレベルvghにプルアップする。これは、第1の出力トランジスタT21及び第2の出力トランジスタT22がいずれもオンされるようにする。しかしながら、この場合、第1のクロック信号端子CLK1及び第2のクロック信号端子CLK2の信号がいずれもローレベルであるので、第1の出力信号端子OUT1及び第2の出力信号端子OUT2の出力がいずれもローレベルである。
【0097】
t10の期間に、CLKAの信号がローレベルであり、CLK2の信号がハイレベルになり、CLK1の信号がローレベルに保持される。PU点がフローティング状態にある。ブートストラップ作用により、PU点のレベルを第2の有効レベル、例えばハイレベル2vghに引き上げる。この場合、CLK2のハイレベル信号により、第2の出力信号端子OUT2はハイレベル出力信号を出力する。
【0098】
t11の期間に、CLK2の信号がハイレベルからローレベルになり、第2の出力信号端子OUT2のハイレベル出力信号の出力が終了する。
【0099】
t12の期間に、TRSTの信号によりPUをリセットするのに加え、OEからの信号をハイレベルにすることにより、ローレベルのINA信号がノードHをリセットする。ここまでに、一つのフレームの操作が終了する。
【0100】
なお、t10の期間に、OUT2から出力されるハイレベル信号は、画素回路における外部補償を制御するスイッチングトランジスタをオンにするためのものであり、OUT2に対応する画素行のうちの各々の画素を外部補償できるようにする。OE信号の位相がタイミング制御器によりランダムに確定されるものであるので、各々のフレームには、OE信号が、ランダムにゲート駆動回路のうちのすべてのシフトレジスタユニットのうちのあるシフトレジスタユニットの補償入力信号端子INAの信号と同期し、これは該シフトレジスタユニットにおけるPU点がブランク段階にプルアップされることができるようにする。これによって、OUT2のブランク段階でのハイレベル出力を実現して、外部補償を実現している。当然ながら、OUT2のハイレベル出力は、対応するクロック信号端子(すなわちCLK2)がブランク段階の一部の時間帯(すなわちt10時間帯)にハイレベルを有する必要もある。これは、タイミング制御器によってOE信号をランダムに生成してから設けてもよい。
【0101】
これにより、
図7に示すシフトレジスタユニットでは、外部補償が1ラインずつ順次に行われるものではなく、ランダムに生成されるOE信号によりランダムに行われるものである。これは、1ラインずつ順次に移動する走査線による表示効果の影響を無くすことができる。
【0102】
図9は、本開示の実施形態によるシフトレジスタユニットの駆動方法900を示したフローチャートである。方法900は、
図2~4及び6~7に示すシフトレジスタユニットを駆動するために用いられる。上記の通り、1つのフレームには表示段階及びブランク段階が含まれる。表示段階で、異なる駆動時間帯により、順次にシフトレジスタユニットにおける各々の出力信号端子を介して対応するゲート線を駆動するので、表示段階は、第1の駆動時間帯乃至第Nの駆動時間帯を含んでもよい。例えば、以上の実施形態では、
図5に示すN=2のような場合について、t1~t4が第1の駆動時間帯に対応してもよく、t5~t8が第2の駆動時間帯に対応してもよい。
【0103】
第nの駆動時間帯に、第nの入力サブ回路、第nの出力サブ回路及び第nのリセットサブ回路を介して対応するゲート線を駆動する。ただし、前記第nの駆動時間帯は、さらに、第nの入力時間帯、第nの出力時間帯及び第nのリセット時間帯に分けられてもよい。例えば、
図5に示すN=2のような場合について、第1の駆動時間帯は、第1の入力時間帯t1、第1の出力時間帯t2及び第1のリセット時間帯t3を含む。
【0104】
具体的に、ステップS910では、第nの入力時間帯の期間に、前記第nの入力サブ回路により前記プルアップノードを第1の有効レベル(例えば、vgh)に充電する。
【0105】
ステップS920では、第nの出力時間帯の期間に、プルアップノードの電圧の制御で、第nのクロック信号を第nの出力信号端子に伝送する。
【0106】
ステップS930では、第nのリセット時間帯の期間に、第nのリセット信号の制御で、第2のレベル信号により前記プルアップノードを無効レベル(例えば、vgl)にリセットする。
【0107】
いくつかの実施形態では、前記方法は、
ランダム出力イネーブル信号の制御で、第1の出力時間帯乃至第Nの出力時間帯のうちの1つのランダムな時間帯の期間に、補償入力信号端子からの補償入力信号により前記第2の補償駆動トランジスタをオンにすることと、
ブランク段階の期間に、前記補償クロック信号によりプルアップノードを有効レベルに引き上げて、第1のクロック信号乃至第Nのクロック信号がそれぞれ前記第1の出力信号端子乃至前記第Nの出力信号端子に伝送できるようにすることと、
前記ランダム出力イネーブル信号により、第1のクロック信号乃至第Nのクロック信号のうちの1つのクロック信号が前記ブランク段階の少なくとも一部の時間帯の期間にハイレベルを有させて、前記第1の出力信号端子乃至前記第Nの出力信号端子のうちの1つが前記ブランク段階にハイレベル信号を出力できるようにすることと、をさらに含む。
【0108】
駆動方法900が上記の各実施形態に記載のシフトレジスタユニットを駆動するように用いられると理解される。したがって、以上に述べた解釈及び説明はここで同様に適用されるので、繰り返さない。
【0109】
本開示の実施形態によるゲート駆動回路は、複数の縦続のシフトレジスタユニット群を含み、各々のシフトレジスタユニット群にはK個の縦続のシフトレジスタユニットが含まれ、ただし、各々のシフトレジスタユニットは上記のいずれかの実施形態に記載のシフトレジスタユニットであり、ただし、Kは3以上の整数である。
【0110】
図10は、本開示の実施形態によるゲート駆動回路を示した縦続構成図である。
図10に、例として、ゲート駆動回路のうちの1つのシフトレジスタユニット群のみが示され、かつ、
図10に、例として、K=4とする。したがって、
図10に示すように、シフトレジスタユニット群は、4個の縦続のシフトレジスタユニットSR1、SR2、SR3及びSR4を含む。これらのシフトレジスタユニットのうちの各々は、上記のいずれかの実施形態に記載のシフトレジスタユニットにより実現されてもよい。
【0111】
図10に、各々の段のシフトレジスタユニット群のうちの4個の縦続のシフトレジスタユニットは、隣接する2×4=8本のゲート線を駆動するためのものであり、ただし、前記8本のゲート線は、順番に並べた第1のゲート線群乃至第2のゲート線群を含み、各々のゲート線群において順番に並べた4本のゲート線が含まれる。例えば、
図10に、2つのゲート線群が含まれ、第1のゲート線群はGATE1~GATE4を含み、第2のゲート線群はGATE5~GATE8を含む。
【0112】
各々のシフトレジスタユニット群のうちの4個の縦続のシフトレジスタユニットのうちの第nの出力信号端子は、それぞれ第nのゲート線群のうちのK本のゲート線と一対一で対応して電気的に接続されている。例えば、SR1~SR4にそれぞれ第1の出力信号端子OUT1が含まれ、これらの4個のOUT1は、それぞれ第1のゲート線群のうちの4本のゲート線GATE1~GATE4に電気的に接続されている。
【0113】
仮に、
図10に示したシフトレジスタユニット群がゲート駆動回路における第1の段のシフトレジスタユニット群であると、SR1における第1の入力信号端子IN1以外、各々の入力信号端子が、該入力信号端子に対応するゲート線よりも1つ前のゲート線に電気的に接続された出力信号端子と電気的に接続されている。例えば、SR2の第1の入力信号端子IN1は、対応するゲート線GATE2よりも1つ前のゲート線GATE1に電気的に接続された出力信号端子(すなわち、SR1のOUT1)と電気的に接続されている。また例えば、SR1の第2の入力信号端子IN2は、対応するゲート線GATE5よりも1つ前のゲート線GATE4に電気的に接続された出力信号端子(すなわち、SR4のOUT1)と電気的に接続されている。ここで、入力信号端子に対応するゲート線とは、入力信号端子に対応する出力信号端子と電気的に接続されたゲート線である。例えば、SR2の第1の入力信号端子IN1に対応する出力信号端子がOUT1であり、出力信号端子OUT1がゲート線GATE2に電気的に接続されるので、SR2の第1の入力端IN1に対応するゲート線がゲート線GATE2である。
【0114】
例外として、SR1の第1の入力信号端子IN1がフレーム起始信号端子STVに電気的に接続されている。
【0115】
図10に示すように、各々のシフトレジスタユニット群は、第1のクロック信号線CK1乃至第8のクロック信号線CK8(8=2×4(すなわち、N×K))に電気的に接続されて、それぞれ第1のクロック信号乃至第8のクロック信号を受け、第mのクロック信号線と前記シフトレジスタユニット群により駆動される前記8本のゲート線のうちの第m本のゲート線とが同一の出力サブ回路に接続され、ただし、m=1,2,…,8である。例えば、第1のクロック信号線CK1及び第1本のゲート線GATE1がいずれもSR1における第1の出力サブ回路に電気的に接続され、すなわち、第1のクロック信号線CK1がSR1のCLK1に電気的に接続され、第1本のゲート線GATE1がOUT1に電気的に接続されている。
【0116】
図10に示すシフトレジスタユニット群に、各々のリセット信号端子が該リセット信号端子に対応する出力サブ回路により駆動されるゲート線よりも1つ後のゲート線に電気的に接続された出力信号端子と電気的に接続されている。例えば、SR1の第1のリセット信号端子RST1は、対応するSR1における第1の出力サブ回路により駆動されるゲート線GATE1よりも1つ後のゲート線GATE2に電気的に接続された出力信号端子(すなわち、SR2のOUT1)と電気的に接続されている。また例えば、SR4の第1のリセット信号端子RST1は、対応するSR4における第1の出力サブ回路により駆動されるゲート線GATE4よりも1つ後のゲート線GATE5に電気的に接続された出力信号端子(すなわち、SR1のOUT2)と電気的に接続されている。
【0117】
例外として、ゲート駆動回路の最後段のシフトレジスタユニット群のうちの最後段のシフトレジスタユニットの第2のリセット信号端子がフレーム起始信号端子に電気的に接続されている。
【0118】
図11は、本開示の実施形態によるゲート駆動回路の駆動方法1100を示したフローチャートである。前記方法1100は、
図10に示すゲート駆動回路1000を駆動するために用いられる。
【0119】
ステップS1110では、第1の段のシフトレジスタユニット群のうちの第1の段のシフトレジスタユニットのうちの第1の入力信号端子へフレーム起始信号を供給する。
【0120】
ステップS1120では、前記N×K(例えば、2×4=8)個のクロック信号線により各段のシフトレジスタユニット群のうちのクロック信号端子へクロック信号を供給し、ただし、前記N×K個のクロック信号線のうちの第1のクロック信号線により供給されたクロック信号の、第1の周期での第1のエッジは、前記フレーム起始信号の第1のエッジよりも、1/N×K個のクロック周期遅くなる。
【0121】
いくつかの実施形態では、前記第1のクロック信号乃至第Nの×Kクロック信号のデューティ比が1/N×Kであり、かつ、順次に1/N×K個のクロック周期遅くなる。
【0122】
図12は、本開示の実施形態による表示装置を示した概略ブロック図である。
図12に示すように、表示装置1200は、ゲート駆動回路1210を含む。前記ゲート駆動回路1210は、本開示のいずれかの実施形態によるゲート駆動回路により実現されてもよい。本開示の実施形態による表示装置1200は、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノート型パソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなどの、表示機能を備えた任意の製品または部品であってもよい。
【0123】
上記の詳細な記述は、模式図、フローチャートおよび/または例を使用することによって、多くの実施形態を記述している。このような模式図、フローチャートおよび/または例が1つまたは複数の機能および/または操作を含む場合、当業者にとって、このような模式図、フローチャートおよび/または例における各々の機能および/または操作は、様々な構成、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの実質的に任意の組み合わせにより、個別におよび/または共同に実現することができると理解される。
【0124】
本開示は、いくつかの典型的な実施形態を参照して記述されてきたが、使用される用語は、制限的ではなく、説明的かつ例示的であると理解される。本開示は、開示の精神または本質から逸脱することなく様々な形態で具体的に実施することができるので、上記の実施形態は、如何なる前述の記述に限定されず、添付の特許請求の範囲によって限定される精神および範囲内で広く解釈されるべきであると理解される。したがって、請求項またはそれと同等の範囲内にあるすべての変更および修正は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。範囲は、様々な変更および修正が加えられてよい。 本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0125】
200 シフトレジスタユニット
210-1 第1の入力サブ回路
210-N 第Nの入力サブ回路
220-1 第1の出力サブ回路
220-N 第Nの出力サブ回路
230-1 第1のプルダウンサブ回路
230-N 第Nのプルダウンサブ回路
240 制御サブ回路
250-1 第1のリセットサブ回路
250-N 第Nのリセットサブ回路
260 総括リセットサブ回路
270 外部補償駆動サブ回路
1200 表示装置
1210 ゲート駆動回路