(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】乾燥消毒機
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20240209BHJP
A61L 2/06 20060101ALI20240209BHJP
F26B 9/00 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/06
F26B9/00 A
(21)【出願番号】P 2021115969
(22)【出願日】2021-07-13
【審査請求日】2023-08-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520215223
【氏名又は名称】湖州新峰木塑複合材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】沈 水 良
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211022537(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0115716(KR,A)
【文献】中国実用新案第212415216(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00
A17L 15/00
F26B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄した被乾燥消毒物を収納する本体ケースと、
前記本体ケースに対して開閉し、閉鎖された収納空間を形成する蓋体と、
多数の穴が設けられた平面プレートを有し前記被乾燥消毒物を載置する載置台と、
前記載置台の下方に設置された加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された加熱空気を
前記多数の孔から前記収納空間に導入して前記載置台に載置された前記被乾燥消毒物に当てて乾燥させる送風手段と、
前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して前記被乾燥消毒物を消毒する強紫外線照射手段と、
前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して、前記被乾燥殺菌物の菌が増殖するのを防止する弱紫外線照射手段と、
前記加熱手段、前記送風手段、前記強紫外線照射手段及び前記弱紫外線照射手段の動作を制御する乾燥消毒制御手段と
を備えたことを特徴とする乾燥消毒機。
【請求項2】
前記閉鎖された収納空間は半球状であることを特徴とする請求項1記載の乾燥消毒機。
【請求項3】
前記強紫外線照射手段は、紫外線ランプを備え、前記弱紫外線照射手段は、紫外線発光ダイオードを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の乾燥消毒機。
【請求項4】
前記紫外線ランプは、前記収納空間の奥側に配置され、前記紫外線発光ダイオードは、前記収納空間の側方上部に配置されていることを特徴とする請求項3記載の乾燥消毒機。
【請求項5】
前記載置台の下側には、被乾燥消毒物から前記載置台に落下した
後前記長穴から落下して洗浄液を溜める受け皿が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した乾燥消毒機。
【請求項6】
前記強紫外線照射手段及び/又は前記弱紫外線照射手段の動作中に前記蓋体が開いた場合に、前記強紫外線照射手段及び/又は前記弱紫外線照射手段の動作を停止させる安全スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載した乾燥消毒機。
【請求項7】
洗浄した被乾燥消毒物を収納する本体ケースと、
前記本体ケースに対して開閉し、閉鎖された収納空間を形成する蓋体と、
前記被乾燥消毒物を載置する載置台と、
前記載置台の下方に設置された加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された加熱空気を前記載置台に載置された前記被乾燥消毒物に当てて乾燥させる送風手段と、
前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して前記被乾燥消毒物を消毒する強紫外線照射手段と、
前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して、前記被乾燥殺菌物の菌が増殖するのを防止する弱紫外線照射手段と、
前記加熱手段、前記送風手段、前記強紫外線照射手段及び前記弱紫外線照射手段の動作を制御する乾燥消毒制御手段と
を備え、
前記乾燥消毒制御手段は、
前記加熱手段と前記送風手段を第1の時間動作させ、前記強紫外線照射手段を第2の時間動作させる第1制御手段
、及び/又は、
前記加熱手段と前記送風手段のみを前記第1の時間動作させる第2制御手段
、前記強紫外線照射手段のみを前記第2の時間動作させる第3制御手段
及び前記弱紫外線照射手段のみを一定の間隔で第3の時間動作させる第4制御手段と
を備えたことを特徴とする乾燥消毒機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄した哺乳瓶等のベビー用品、コップ、食器、台所用品等を乾燥させて消毒する乾燥消毒機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
哺乳瓶等のベビー用品、コップ、食器、台所用品等(以下「ベビー用品・コップ等」という。)は、洗浄した後、乾燥し、さらに殺菌してボックス等に保管され、必要なときにボックス等から取り出されて使用される。
この場合、使用者が洗浄したベビー用品・コップ等を乾燥、消毒(殺菌)するための作業をするのは面倒であることから、種々の乾燥消毒(殺菌)機が提案されている。
例えば、特許文献1(実用新案登録第3084859号公報)には、サポートボックス20、加熱機30、底蓋40、側面蓋50、内フレーム60、殺菌灯70を備えたベビー用品の乾燥殺菌ボックスであって、加熱機30はサポートボックス20の導流面21内に設置され、底蓋40はサポートボックス20の下側に結合され、側面蓋50は底蓋40に開閉するように取り付けられ、内フレーム60はサポートボックス20内の下側に設置され、殺菌灯70は、紫外線を利用した殺菌機能を有し、サポートボックス20の内側上部に設置されてたベビー用品の乾燥殺菌ボックスが開示されている。
そして、このベビー用品の乾燥殺菌ボックスにおいては、洗浄したベビー用品(哺乳ビン901、よだれかけ902、哺乳ビン蓋903、哺乳ビン吸い口904等)を、内フレーム60内のフック61に掛け、或いはかご80に入れ、加熱機30及び殺菌灯70を点け、加熱機30により、ボックス内部の温度は上昇し、徐々に加熱乾燥が行われ、殺菌灯70は内部のベビー用品を照射しその殺菌が行われる。
【0003】
しかしながら、特許文献1のベビー用品の乾燥殺菌ボックスでは、加熱機30によりボックス内部の温度は上昇させて、洗浄したベビー用品の加熱乾燥を行うことから、乾燥効率が悪く乾燥に時間がかかるのみならず、ボックス全体が加熱されて熱くなり、加熱乾燥中又は加熱乾燥直後に、使用者が手で乾燥殺菌ボックスに触ることができず、側面蓋50を開けたり、乾燥殺菌ボックスを移動させたりできないのみならず、サポートボックス20に奥行がなく、洗浄したベビー用品の収納スペースが狭いことから、乾燥殺菌でできるベビー用品の形状・大きさや数量が限定されるという問題がある。
この場合、サポートボックス20の奥行を長くし、ベビー用品の収納スペースを広くすると、加熱機30によりボックス内部の温度は上昇させるのに時間がかかり、洗浄したベビー用品の加熱乾燥に長時間を要するという問題が生ずる。
また、特許文献1のベビー用品の乾燥殺菌ボックスでは、殺菌灯70がサポートボックス20内側上部に設置されていることから、サポートボックス20内に収納されたベビー用品の上面に殺菌灯70からの紫外線が直接当たり、ベビー用品の側面に紫外線が直接当たらず、消毒(殺菌)効果が低下し、消毒(殺菌)に時間がかかるという問題がある。
さらに、特許文献1のベビー用品の乾燥殺菌ボックスは、ベビー用品を乾燥殺菌した後、サポートボックス20内にあるベビー用品の菌が増殖するのを防止する機能がないことから、乾燥殺菌後のベビー用品を長時間保管するのに適さないという問題がある。
この場合、殺菌灯70を定期的に点けてベビー用品に紫外線を照射し、殺菌を行うことも考えられるが、殺菌灯70を頻繁に点けると、消費電力量も大きくなり省エネに反し、殺菌灯70の寿命が短くなるという問題が生じる。
【0004】
特許文献2(実用新案登録第3212500号公報)には、ベースユニット20と、ベースユニット20に接続され、第一殻体101と第二殻体102からなる殻体ユニット10と、複数の化粧用ツールが接続される支持ユニット40と、消毒ユニット50と、加熱ユニット60と、第一換気ユニット70と、第二換気ユニット80を備えた消毒ボックスであって、ベースユニット20は、環状の支持座201と第一カバー本体202と第二カバー本体203とを備え、加熱ユニット60は、第一カバー本体202と第二カバー本体203との間に接続され、消毒ユニット50は、第二カバー本体203の上表面に凹設された収納溝2031内に接続された紫外線ランプ501と、ランプシェード502とを備え、殻体ユニット10内に第一チャンバ104が形成され、ベースユニット20内に第二チャンバ2011が形成された消毒ボックスが開示されている。
そして、この消毒ボックスにおいては、洗浄後の化粧用ツールが第一チャンバ104内の支持ユニット40に支持され、第二チャンバ2011内の空気が、加熱ユニット60により加熱され、第一換気ユニット70より第一チャンバ104内に吹き込まれて化粧用ツールの乾燥を行い、その後、第二換気ユニット80より、水蒸気を含有した空気が第一チャンバ104の外部に排出され、同時に、消毒ユニット50により、化粧用ツールの紫外線殺菌消毒処理が行われる。
【0005】
しかしながら、特許文献2の消毒ボックスの支持ユニット40は、下端部がベースユニット20に接続された第一管キット401と、上端部が殻体ユニット10の上端部の内壁に接続された第二管キット402と、第一管キット401に回転可能に接続された第三管キット403を備え、第三管キット403に化粧用ツールが挟持される挟持部材4033が接続されていることから、特許文献2の消毒ボックスにより、乾燥殺菌されるものは、挟持部材4033で挟持できる化粧用ツール等の一定の形状・大きさのものに限定され、種々の形状・大きさを有するベビー用品・コップ等を乾燥殺菌消毒できないという問題がある。
また、特許文献2の消毒ボックスでは、ベースユニット20の第二カバー本体203の上表面に取り付けられた紫外線ランプ501により、その上方に挟持部材4033で挟持された化粧用ツールに紫外線が照射されることから、紫外線が直接当たるのは化粧用ツールの底面であり、化粧用ツールの側面には紫外線が直接当たらないことから、消毒(殺菌)効果が低下する、のみならず、洗浄された化粧用ツールの洗浄液が、紫外線ランプ501をカバーするランプシェード502に垂れてランプシェード502を汚し、紫外線ランプ501から照射される紫外線を弱め、消毒(殺菌)効果が低下し、消毒(殺菌)に時間がかかるという問題がある。
さらに、特許文献2の消毒ボックスでは、特許文献1と同様に、化粧用ツールを乾燥消毒(殺菌)した後、第一チャンバ104内で挟持部材4033に挟持された化粧用ツールの菌が増殖するのを防止する機能がないことから、乾燥消毒(殺菌)後の化粧用ツールを長時間保管するのに適さないという問題がある。
この場合、紫外線ランプ501から定期的に化粧用ツールに紫外線を照射し、消毒(殺菌)を行うことも考えられるが、紫外線ランプ501から頻繁に紫外線を照射すると、紫外線ランプ501の消費電力量が大きくなり省エネに反し、紫外線ランプ501の寿命が短くなるという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3084859号公報
【文献】実用新案登録第3212500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、洗浄したベビー用品・コップ等を乾燥し、紫外線により消毒(殺菌)する乾燥消毒機において、一度に種々の形状・大きさのベビー用品・コップ等を多数乾燥消毒(殺菌)でき、紫外線を弱めることなく紫外線をベビー用品・コップ等の側面に直接当てるようにして、消毒(殺菌)効果を低下させずに短時間で消毒(殺菌)でき、乾燥消毒(殺菌)されたベビー用品・コップ等に対して、少ない消費電力で紫外線ランプ等の寿命を短くすることなく、ベビー用品・コップ等の菌が増殖するのを防止して長時間保管できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、洗浄した被乾燥消毒物を収納する本体ケースと、前記本体ケースに対して開閉し、閉鎖された収納空間を形成する蓋体と、多数の穴が設けられた平面プレートを有し前記被乾燥消毒物を載置する載置台と、前記載置台の下方に設置された加熱手段と、
前記加熱手段により加熱された加熱空気を前記多数の孔から前記収納空間に導入して前記載置台に載置された前記被乾燥消毒物に当てて乾燥させる送風手段と、前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して前記被乾燥消毒物を消毒する強紫外線照射手段と、前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して、前記被乾燥殺菌物の菌が増殖するのを防止する弱紫外線照射手段と、前記加熱手段、前記送風手段、前記強紫外線照射手段及び前記弱紫外線照射手段の動作を制御する乾燥消毒制御手段とを備えた乾燥消毒機を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記閉鎖された収納空間は半球状である乾燥消毒機を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記強紫外線照射手段は、紫外線ランプを備え、前記弱紫外線照射手段は、紫外線発光ダイオードを備えている乾燥消毒機を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記紫外線ランプは、前記収納空間の奥側に配置され、前記紫外線発光ダイオードは、前記収納空間の側方上部に配置されている乾燥消毒機を提供して、上課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記載置台の下側には、被乾燥消毒物から前記載置台に落下した後前記長穴から落下して洗浄液を溜める受け皿が配置されている乾燥消毒機を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記強紫外線照射手段及び/又は前記弱紫外線照射手段の動作中に前記蓋体が開いた場合に、前記強紫外線照射手段及び/又は前記弱紫外線照射手段の動作を停止させる安全スイッチが設けられている乾燥消毒機を提供して、上課題を解決するものである。
【0014】
請求項7の発明は、洗浄した被乾燥消毒物を収納する本体ケースと、前記本体ケースに対して開閉し、閉鎖された収納空間を形成する蓋体と、前記被乾燥消毒物を載置する載置台と、前記載置台の下方に設置された加熱手段と、前記加熱手段により加熱された加熱空気を前記載置台に載置された前記被乾燥消毒物に当てて乾燥させる送風手段と、前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して前記被乾燥消毒物を消毒する強紫外線照射手段と、前記載置台に載置された前記被乾燥殺菌物に紫外線を照射して、前記被乾燥殺菌物の菌が増殖するのを防止する弱紫外線照射手段と、前記加熱手段、前記送風手段、前記強紫外線照射手段及び前記弱紫外線照射手段の動作を制御する乾燥消毒制御手段とを備え、前記乾燥消毒制御手段は、前記加熱手段と前記送風手段を第1の時間動作させ、前記強紫外線照射手段を第2の時間動作させる第1制御手段、及び/又は、前記加熱手段と前記送風手段のみを前記第1の時間動作させる第2制御手段、前記強紫外線照射手段のみを前記第2の時間動作させる第3制御手段及び前記弱紫外線照射手段のみを一定の間隔で第3の時間動作させる第4制御手段とを備えた乾燥消毒機を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明の乾燥消毒機においては、洗浄した被乾燥消毒物の乾燥し、紫外線により消毒(殺菌)するに際し、強紫外線照射手段により、消毒(殺菌)効果を低下させずに短時間で被乾燥消毒物を消毒(殺菌)でき、弱紫外線照射手段により、被乾燥消毒物の菌が増殖するのを防止して、被乾燥消毒物を長時間保管できるという効果を奏する。
【0016】
請求項2に記載の発明の乾燥消毒機においては、さらに、一度に種々の形状・大きさの被乾燥消毒物を多数収納して乾燥消毒(殺菌)できるという効果を奏する。
【0017】
請求項3に記載の発明の乾燥消毒機においては、さらに、少ない消費電力で紫外線ランプの寿命を短くすることなく、被乾燥消毒物の菌が増殖するのを防止して、被乾燥消毒物を長時間保管できるという効果を奏する。
【0018】
請求項4に記載の発明の乾燥消毒機においては、さらに、紫外線ランプと紫外線発光ダイオードにより、紫外線を弱めることなく紫外線をベビー用品・コップ等の側面に直接当てるようにして、消毒(殺菌)効果を低下させずに短時間で消毒(殺菌)でき、効果的に被乾燥消毒物の菌が増殖するのを防止できるという効果を奏する。
【0019】
請求項5に記載の発明の乾燥消毒機においては、さらに、被乾燥消毒物に付着した洗浄液が落下した場合に、落下した洗浄液を受け皿に溜めてふき取ることができ、洗浄液を容易に除去できるという効果を奏する。
【0020】
請求項6に記載の乾燥消毒機においては、さらに、強紫外線照射手段及び/又は弱紫外線照射手段の動作中に蓋体が開いた場合に、強紫外線照射手段及び/又は弱紫外線照射手段から紫外線が放出されず、乾燥消毒機の使用者が紫外線を浴びることなく安全であるという効果を奏する。
【0021】
請求項7に記載の乾燥消毒機においては、さらに、被乾燥消毒物の乾燥と消毒、被乾燥消毒物の乾燥のみ、被乾燥消毒物の消毒のみ、被乾燥消毒物の保管のみのいずれかを行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態である乾燥消毒機の斜視図である。
【
図5】
図1に示す乾燥消毒機において蓋体を開いた状態の左側面図である。
【
図10】乾燥消毒機1の動作を制御する乾燥消毒制御部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[乾燥消毒機の構成]
図1は、本発明の実施形態である乾燥消毒機の斜視図、
図2は、
図1に示す乾燥消毒機の平面図、
図3は、
図1に示す乾燥消毒機の正面図、
図4は、
図1に示す乾燥消毒機の左側面図、
図5は、
図1に示す乾燥消毒機において蓋体を開いた状態の左側面図、
図6は、
図1に示す乾燥消毒機の背面図、
図7は、
図2のA-A断面図、
図8は、
図2のB-B断面図、
図9は、
図3のC-C断面図である。
図中、1は乾燥消毒機、2は本体ケース、2aは上部ケース、2a1は球面壁、2a2、2a3は湾曲部、2a4は重合縁部、2bは下部ケース、2cは前ケース、3、4は蓋体回動部、3a、4は頭部、3b、4bは胴部、5は蓋体、5aはカバー、5bは重合縁部、5cは鍔部、5dは摘み、5sはシール体、6は載置台、6aは長穴、6bは開口板、7は受け皿、7aは外面部、8は強紫外線照射部、8aは紫外線ランプ、8bはランプカバー、8cは窓部、8dはランプ台、9は弱紫外線照射部、9a、9bは紫外線LED、9mはLED、10は操作ボタン部、10a~10eは操作ボタン、11は吸入口、11aは孔、12は吹出口、13a~13dは脚、14はファン、15はヒーター、16は安全スイッチ、SPは収納空間であり、シール体5sを灰色で表す。
図に示すように、乾燥消毒機1は、本体ケース2、蓋体回動部3、4、蓋体5、載置台6、受け皿7、強紫外線照射部8、弱紫外線照射部9、操作ボタン部10、吸入口11、吹出口12、脚13a~13d、ファン14、ヒーター15、安全スイッチ16を備え、さらに、乾燥消毒機1の動作を制御する乾燥消毒制御部(詳細は後述する)を備えている。
【0024】
本体ケース2は、上部ケース2a、下部ケース2b及び前ケース2cを有し、上部ケース2aは、球の4分の1の外形からなる球面壁2a1、対をなし半円筒部の外形を有する湾曲部2a2、2a3、鍔状の重合縁部2a4を有している。
蓋体回動部3、4は、円板状の頭部3a、4と円筒状の胴部3b、4bを有している。
蓋体5は、球の4分の1の外形からなるカバー5aは、鍔状の重合縁部5b、鍔部5c、摘み5d、シール体5sを有し、シール体5s以外は透明である。
この蓋体5においては、シール体5sは、鍔部5cの下面に形成された凹部(図示せず)にはめ込まれている。
蓋体5の左右端部には、蓋体回動部3、4の胴部3b、4bの外側にはめ込まれる透明な円筒部(図示せず)が設けられ、これにより蓋体5の透明な円筒部が胴部3b、4bに沿って回動し、蓋体5が本体ケース2に対して開閉する。
図1~
図4は、蓋体5を閉じた状態を表し、
図5は、蓋体5を開いた状態を表している。
載置台6は、多数の長穴6aが形成された平面プレートを有し、その奥側に水平断面がコの字状で上下方向に傾斜した開口板6bが取り付けられている。
そして、上部ケース2aと載置台6等から、ベビー用品・コップ等の乾燥・消毒される被乾燥消毒物を収納する収納空間SPが形成され、蓋体5を閉じてシール体5sが前ケース2cの上面に押し付けられて密封され、上部ケース2aの重合縁部2a4と蓋体5の重合縁部5bとが隙間をもって重なり合い、閉鎖された収納空間SPが形成される。
閉鎖された収納空間SPは、半球形状となり、種々の形状・大きさのベビー用品・コップ等の被乾燥消毒物を収納することができる。
また、受け皿7は、載置台6の下側に位置し、外部に露出した外面部7aを有し、外面部7aの前側は、前ケース2cと下部ケース2bで挟まれ、外面部7aの前側は、上部ケース2aと下部ケース2bで挟まれている。
【0025】
強紫外線照射部8は、紫外線ランプ8a、ランプカバー8b、窓部8c、ランプ台8d等と、紫外線ランプ8aのオン・オフを制御する紫外線ランプ動作回路を有している。
強紫外線照射部8においては、ランプホルダー(図示せず)に保持された紫外線ランプ8aが、上部ケース2aの内側の下奥側に位置するランプ台8dに取り付けられ、紫外線ランプ8aを覆うランプカバー8bがランプ台8dに取り付けられ、ランプカバー8bには、紫外線ランプ8aからの紫外線を放出する窓部8cが設けられている。これにより、紫外線ランプ8aは、収納空間SPの奥側に配置されることとなる。
紫外線ランプ8aは、UV-C(100nm~280nm)を放射する2ワット~40ワットの紫外線ランプであり、強い殺菌効果を有する。
弱紫外線照射部9は、紫外線LED(発光ダイオード)9a、9b、可視光のLED9mとこれらのLEDのオン・オフを制御するLED動作回路を有し、紫外線LED9a、9bとLED9mは、上部ケース2aの左右の湾曲部2a2、2a3の近傍の内壁面に取り付けられる。これにより、紫外線LED(発光ダイオード)9a、9bは、収納空間SPの側方上部に配置されることとなる。
紫外線LED9a、9bは、UV-Cを放出するLEDであり、紫外線ランプ8aに比べて殺菌効果は弱いが、菌が増殖するのを防止でき、消費電力も少ない。
操作ボタン部10は、操作ボタン10a~10eを有し、下部ケース2bの前面側に取り付けられる。
【0026】
吸入口11は、円板形状であり、多数の花びら形状の孔11aを有し、下部ケース2bの底面の中央部近傍に取り付けられる。
吹出口12は、ランプカバー8bの下側でランプ台8dの正面側に、開口板6bと向き合う位置に設けられる、
脚13a~13dは、円錐台形状であり、下部ケース2bの底面の周縁部付近に取り付けられる。
ファン14は、本発明の送風手段となるもので、モーター、羽根車、モーター制御回路を有し、羽根車が吹出口12の真上に位置するようにして、下部ケース2bの内側に取り付けられる。
ヒーター15は、本発明の加熱手段となるもので、加熱部品とその加熱動作のオン・オフを制御する加熱動作回路を有し、載置台6の下方の位置に、ファン14と向け合うように下部ケース2bの内側奥に取り付けられる。
安全スイッチ16は、リミットスイッチからなり、蓋体回動部4の近傍であって前ケース2cの上面のシール体4sが重なる位置に取り付けられ、蓋体5を開いたときに動作する。
【0027】
[乾燥消毒制御部の構成]
図10は、乾燥消毒機1の動作を制御する乾燥消毒制御部の構成を示すブロック図であり、図中、8kは紫外線ランプ動作回路、9kはLED動作回路、14mはモーター制御回路、15hは加熱動作回路、20は乾燥消毒制御部、21は第1制御部、22は第2制御部、23は第3制御部、24は第4制御部、25は安全制御部である。
紫外線ランプ動作回路8kは、紫外線ランプ8aのオン・オフを制御し、LED動作回路9kは、紫外線LED9a、9bとLED9mのオン・オフを制御し、モーター制御回路14mは、ファン14のモーターの動作を制御し、加熱動作回路15hは、ヒーター15の加熱動作のオン・オフを制御する。
乾燥消毒制御部20は、第1制御部21、第2制御部22、第3制御部23、第4制御部24及び安全制御部25を備えている。
そして、紫外線ランプ動作回路8k、LED動作回路9k、モーター制御回路14m及び加熱動作回路15hは、乾燥消毒制御部20に接続され、操作ボタン10a~10eと安全スイッチ16は、乾燥消毒制御部20に接続されている。
【0028】
この場合、第1制御部21は、操作ボタン10aのタッチにより、まず、モーター制御回路14mと加熱動作回路15hを制御し、第1の時間T1(例えば45分間)、ファン14とヒーター15を動作させ、その後、紫外線ランプ動作回路8kを制御し、第2の時間T2(例えば15分間)、紫外線ランプ8aを点灯してUV-Cを放射するように制御する。これにより、被乾燥消毒物に対して、第1の時間T1の乾燥と第2の時間T2の消毒が行われる。
第2制御部22は、操作ボタン10bのタッチにより、モーター制御回路14mと加熱動作回路15hのみを制御し、第1の時間T1、ファン14とヒーター15だけを動作させるように制御する。これにより、被乾燥消毒物に対して、第1の時間T1の乾燥のみが行われる。
第3制御部23は、操作ボタン10cのタッチにより、紫外線ランプ動作回路8kのみを制御し、第2の時間T2、紫外線ランプ8aだけを点灯してUV-Cを放射するように制御する。これにより、被乾燥消毒物に対して、第2の時間T2の消毒のみが行われる。
第4制御部24は、操作ボタン10dのタッチにより、LED動作回路9kのみけを制御し、第3の時間T3(例えば24時間)、一定の間隔で(例えば4時間毎に)、一定の時間(例えば10分間)、紫外線LED9a、9bのみからUV-Cを放出するように制御する。これにより、被乾燥消毒物に対して、第3の時間T3の菌の増殖が防止される保管が行われる。この場合、紫外線LED9a、9bからUV-Cが放出してとき、LED9mが点灯し、使用者は、紫外線LED9a、9bからUV-Cが放出していることを確認できる。
また、操作ボタン10aのタッチにより、あるいは新たな操作ボタンのタッチにより、第1制御部21と第4制御部24を動作させ、被乾燥消毒物に対して、第1の時間T1の乾燥、第2の時間T2の消毒、第3の時間T3の保管が行われるようにしてもよい。
安全制御部25は、紫外線ランプ動作回路8k、LED動作回路9k、モーター制御回路14m及び加熱動作回路15hのいずれかが動作しているときに、安全スイッチ16が動作すると、動作している回路の動作を停止させるように制御する。これにより、強紫外線照射部8が動作し紫外線ランプ8aから紫外線が放射されているとき、弱紫外線照射部9が動作し紫外線LED9a、9bから紫外線が放出されているとき、ファン14とヒーター15が動作しているときのいずれかおいて、蓋体5が開かれると、動作している強紫外線照射部8、弱紫外線照射部9、ファン14とヒーター15の動作が停止される。
なお、操作ボタン10eは、紫外線ランプ動作回路8k、LED動作回路9k、モーター制御回路14m及び加熱動作回路15hの電源ボタンである。
【0029】
[乾燥消毒機1の使用方法等]
乾燥消毒機1の使用方法等を説明する。
まず、蓋体5を開いて、洗浄されたベビー用品・コップ等の被乾燥消毒物を、載置台6の上に載せ、あるいは、フック等に引っ掛けた状態で載置台6の上に載せ、収納空間SPに収納する。
次いで、摘み5dを摘まんで蓋体5を閉じる。このとき、シール体5sが前ケース2cの上面に押し付けられて密封され、上部ケース2aの重合縁部2a4と蓋体5の重合縁部5bとが隙間をもって重なり合い、閉鎖された収納空間SPが形成される。
閉鎖された収納空間SPは、半球形状となり、種々の形状・大きさの被乾燥消毒物を収納することができる。
次いで、操作ボタン10eをタッチして電源を入れ、操作ボタン10a~10dのいずれかをタッチして、被乾燥消毒物の乾燥、消毒、保管(菌を増殖させない状態での保管)を行う。各操作ボタン10a~10dをタッチしたときの動作は上述のとおりであり、使用者は、被乾燥消毒物の乾燥、消毒、保管、あるいはその組み合わせを任意に選択できる。
この場合、被乾燥消毒物の乾燥においては、ファン14が動作して吸入口11から空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は、ヒーター15を通過して加熱され、加熱された空気は、 吹出口12と長穴6aから収納空間SPに入り、被乾燥消毒物に当たって付着した洗浄液を蒸発させ、蒸気を含んだ空気は、上部ケース2aの重合縁部2a4と蓋体5の重合縁部5bとの隙間から外部に放出され、効果的に被乾燥消毒物の乾燥が行われる。
また、被乾燥消毒物に付着した洗浄液の一部は載置台6に落下し、長穴6aから落下してその下にある受け皿7に溜まり、溜まった洗浄液をふき取ることができる。このとき、受け皿7は、外側に傾斜しており、受け皿7に溜まった洗浄液を容易にふき取ることができる。
さらに、強紫外線照射部8は、上部ケース2aの内側の下奥側に取り付けられていることから、紫外線ランプ8aからの紫外線が被乾燥消毒物の側面に直接当たり、消毒(殺菌)効果を低下させずに短時間で被乾燥消毒物を消毒(殺菌)できる
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の乾燥消毒機は、一度に種々の形状・大きさの被乾燥消毒物を多数乾燥消毒(殺菌)でき、紫外線を弱めることなく紫外線を被乾燥消毒物の側面に直接当てるようにして、消毒(殺菌)効果を低下させずに短時間で消毒(殺菌)でき、乾燥消毒(殺菌)された被乾燥消毒物に対して、少ない消費電力で紫外線ランプ等の寿命を短くすることなく、被乾燥消毒物の菌が増殖するのを防止でき長時間保管でき、哺乳瓶等のベビー用品、コップ、食器、台所用品等の乾燥、消毒、保管に利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 乾燥消毒機
2 本体ケース
2a 上部ケース
2a1 球面壁
2a2、2a3 湾曲部
2a4 重合縁部
2b 下部ケース
2c 前ケース
3、4 蓋体回動部
3a、4 頭部
3b、4b 胴部
5 蓋体
5a カバー
5b 重合縁部
5c 鍔部
5d 摘み
5s シール体
6 載置台
6a 長穴
6b 開口板
7 受け皿
7a 外面
8 強紫外線照射部
8a 紫外線ランプ
8b ランプカバー
8c 窓部
8d ランプ台
8k 紫外線ランプ動作回路
9 弱紫外線照射部
9a、9b 紫外線LED
9k LED動作回路
9m LED
10 操作ボタン部
10a~10e 操作ボタン
11 吸入口
11a 孔
12 吹出口
13a~13d 脚
14 ファン
14m モーター制御回路
15 ヒーター
15h 加熱動作回路
16 安全スイッチ
20 乾燥消毒制御部
21 第1制御部
22 第2制御部
23 第3制御部
24 第4制御部
25 安全制御部
SP 収納空間