(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20240209BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240209BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20240209BHJP
H05B 47/12 20200101ALI20240209BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20240209BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240209BHJP
G01S 13/52 20060101ALI20240209BHJP
G01S 13/86 20060101ALI20240209BHJP
G01V 3/12 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
H05B47/13
H05B47/19
H05B47/125
H05B47/12
H04W4/02
H04W84/10
G01S13/52
G01S13/86
G01V3/12 A
(21)【出願番号】P 2021507558
(86)(22)【出願日】2019-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019071528
(87)【国際公開番号】W WO2020035429
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-08-10
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ ヒューゴ ホセ
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507522(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0237479(US,A1)
【文献】特表2017-506794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
H04W 4/02
H04W 84/10
G01S 13/52
G01S 13/86
G01V 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのデバイスであって、当該デバイスは、
物体に関連するポータブルセンサによって録られるセンサデータを得る、
前記センサデータから第1のムーブメントパターンを決定する、
前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データを得る、
無線周波数ベースのセンシングを介して前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定する、
前記空間内の物体を検出するために、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定する、及び
マッチを決定した際にアクションを実行する、
ように構成される、プロセッサを含む、デバイス。
【請求項2】
当該デバイスは、前記無線ネットワークの一部であり、当該デバイスは、前記無線ネットワークの少なくとも1つの電子デバイスと通信するための無線周波数トランシーバを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記無線ネットワークは、無線照明ネットワークである、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
当該デバイスは、照明デバイス、壁スイッチ、ブリッジ、スピーカ、サーバ、センサデバイス、HVACデバイス、窓ブラインドコントローラのうちの一つである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のムーブメントパターンは、前記無線通信信号に対する歪みに起因する前記無線通信信号のパラメータの変化を測定することによって決定される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記パラメータは、RSSI値である、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記プロセッサは、無線通信信号を交換することを増やすように前記電子デバイスのうちの少なくとも1つの電子デバイスに指示するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記アクションは、
視覚信号、聴覚信号、又は振動信号を引き起こすこと、
照明デバイスをオンにすること、
物体を検出したという検出信号を提供すること、
物体を位置特定及び識別すること、
HVACを調節すること、
セキュリティシステムの状態を調節すること、
非常照明システムを調節すること、
建物のライフセーフティシステムを調節すること、
物質を投与すること、
緊急停止ボタンを作動させること、
のうちの少なくとも1つである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサは、物体のアイデンティティ及び/又はクラスを識別するための識別データを得るように構成され、前記アクションは、前記物体のアイデンティティ及び/又はクラスに基づいて照明デバイスの照明設定を設定することを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ポータブルセンサは、携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、スマートグラス、アセットタグ、衣服、車両、リストバンド、指輪、マイクロチップインプラント、社員バッジ、病院のクラッシュカートのうちの少なくとも1つに組み込まれる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1のムーブメントパターンは、第1のタイムスタンプに関連付けられ、前記第2のムーブメントパターンは、それぞれの第2のタイムスタンプに関連付けられ、前記プロセッサは、前記第1のタイムスタンプを決定するために使用される第1のクロックと、前記それぞれの第2のタイムスタンプを決定するために使用されるそれぞれの第2のクロックとの同期を促す、並びに、前記第1のムーブメントパターンとそれぞれの第2のムーブメントパターンとを比較すること、及び、前記第1のタイムスタンプと前記それぞれの第2のタイムスタンプとを比較することによって、前記第1のムーブメントパターンが前記それぞれの第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定するように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのシステムであって、当該システムは、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のデバイスと、
物体と関連するポータブルセンサと、
複数の電子デバイスを含む無線ネットワークであって、前記電子デバイスは無線通信信号を交換する、無線ネットワークと、
を含む、システム。
【請求項13】
前記無線ネットワークは、無線照明ネットワークであり、前記デバイスは、前記無線ネットワークの一部であり、前記デバイスは、前記無線照明ネットワークの少なくとも1つの電子デバイスと通信するための無線周波数トランシーバを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
空間内の物体を検出した際にアクションを提供する方法であって、当該方法は、プロセッサを含むデバイスによって実行され、
物体に関連するポータブルセンサによって録られるセンサデータを得るステップと、
前記センサデータから第1のムーブメントパターンを決定するステップと、
前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データを得るステップと、
無線周波数ベースのセンシングを介して前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定するステップと、
前記空間内の物体を検出するために、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定するステップと、
マッチを決定した際にアクションを実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、請求項14に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのデバイスであって、好ましい例では、デバイスは、照明デバイスである。本発明はさらに、空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのシステムに関する。本発明はさらに、空間内の物体を検出した際にアクションを提供する方法に関する。本発明はさらに、コンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
存在検出及び/又はモーション検出は、当技術分野で広く知られている。存在検出器及び/又はモーション検出器の多くの形態が存在する。例えば、カメラ、サーマルカメラ、アクティブ又はパッシブ(PIR)の赤外線(IR)モーション検出器、ムーブメントを検出するためのマイクロ波センサ、オーディオベースの位置特定(localization)に適したマイクロホン又はマイクロホンアレイ、高周波(RF)センサ、飛行時間センサ(ToF)等が挙げられる。このような技術により、存在検出及び/又はモーション検出はまた、数多くのアプリケーションを提供することができる。例えば、人の検出される存在に基づいてライトが自動的にアクティブ/非アクティブにされ得る、高齢者の転倒が検出され得る、ジェスチャモーションの検出に基づいて装置がコミッショニングされ得る、物体の経路が倉庫内で追跡され得る、等が挙げられる。
【0003】
本発明は、空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのデバイスに関する。このようなデバイス及び対応するシステムは、デバイスフリーのモーション及び存在検出を開示する、US2017/0131125A1から既知であり得る。より具体的には、ここに開示されている対応するシステム及び方法は、関心領域内の人及び他の物体の存在/モーションを検出する及び定量化することができるメッシュネットワーク無線周波数(RF)(ベースの)センシング技術を利用している。
【0004】
しかしながら、このようなRF(ベースの)センシングに基づく存在/モーション検出は、RF(ベースの)センシングが依然として偽陽性又は偽トリガの影響を受けやすいので不利であり得る。このような偽陽性又は偽トリガは、低減又は防止されるべきである。さらに、RFベースのセンシング技術がきめの細かい(fine-grained)場合でも、ユーザを一意に識別できないことに対処することになる。したがって、このようなRFベースのセンシング技術のアプリケーションは、多くの場合、パーソナライズドされない(non-personalized)検出及び応答のみを含むアプリケーションに限定され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも上記の課題を緩和する、改善されたデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明は、空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのデバイスであって、物体に関連するポータブルセンサによって録られるセンサデータを得る、前記センサデータから第1のムーブメントパターン(movement pattern)を決定する、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データを得る、前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定する、前記空間内の物体を検出するために、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチする(match)かどうかを決定する、及び、マッチ(match)を決定した際にアクションを実行するように構成される、プロセッサを含む、デバイスを提供する。
【0007】
当該デバイスは、センサデータを得るように構成されるプロセッサを含む。センサデータは、空間内で検出されるべき物体に関連するポータブルセンサによって録られる。ポータブルデバイスは、例えば、ウェアラブルデバイスであってもよい。センサデータは、例えば、例えば無線通信を介して直接、及び/又は、ブリッジ若しくはゲートウェイを介して、前記ポータブルセンサから又はポータブルセンサが組み込まれるポータブルデバイスから受けてもよい。代替的に、センサデータは、例えば、センサデータが記録されるデータベース、クラウド、メモリデバイス、又はサーバから取得されてもよい。代替的に、前記ポータブルセンサは、ポータブルセンサのセットであってもよい。したがって、ある例では、プロセッサは、物体に関連するポータブルセンサ、又は該ポータブルセンサを含むポータブルデバイスから、ポータブルセンサによって録られるセンサデータを得るように構成されてもよい。
【0008】
前記得られたセンサデータから、第1のムーブメントパターンが決定及び/又は推論されてもよい。斯くして、プロセッサは、前記センサデータを分析し、前記第1のムーブメントパターンを決定するための計算能力を有してもよい。この第1のムーブメントパターンは、前記物体のムーブメント(movement)を特徴付ける。得られたセンサデータは、例えば、加速度計、高度計、心拍数センサ、又はジャイロスコープ、磁力計等のうちの一つで録られた、物体の速度、方向、向き、又は加速度を含んでもよい。さらに、一部の代替例では、センサデータは、ポータブルセンサによってローカルに第1のムーブメントパターンに処理されてもよく、その後、第1のムーブメントパターンが、プロセッサが該第1のムーブメントパターンを直接取得し得るように、プロセッサに提供されてもよい。プロセッサは、単一のプロセッサであっても、分散型のプロセッサであってもよい。
【0009】
さらに、前記プロセッサはまた、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で(時間的に(in time))交換される無線通信信号を含む通信データを得るように構成される。これにより、物体は、前記空間内の無線ネットワークの前記通信信号に干渉している可能性がある。それゆえ、前記得られたセンサデータから(例えば、その分析により)、第2のムーブメントパターンが決定及び/又は推論されてもよい。例えば、前記物体のムーブメントを特徴づける、第2のムーブメントパターンは、RFベースのセンシングを介して決定されてもよい。ある例では、前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定することは、前記通信データから少なくとも1つの第2のムーブメントパターンを決定することであってもよい。したがって、複数の第2のムーブメントパターンが決定され、その後のステップでマッチについて評価されてもよい。
【0010】
その後、無線センシング(例えば、RFベースのセンシング等)と、物体に関連するポータブルセンサによってローカルに録られるセンサデータに基づくセンシングとの組み合わせを有利に利用して、前記空間内の物体が検出されてもよい。すなわち、プロセッサは、第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチする(対応する)かどうかを判断する。(例えばRFベースで感知された)第2のムーブメントパターンを介して検出された物体が、(ウェアラブルセンサで感知された)第1のムーブメントパターンを介して検出された物体と直接相関及び/又は確認され得るので、偽陽性又は偽トリガの影響を受けにくい、正確なマッチが見出され得る。マッチを決定した際にアクションを実行するということは、(第1のムーブメントパターンと前記第2のムーブメントパターンとの)マッチが例えば決定、確認、又は確立される場合にアクションを実行すると表現されてもよい。マッチは、前記空間内の物体を検出する。
【0011】
本願全般の実施形態に当てはまる、一態様では、第1のムーブメントパターンは、重力との相対的な関係において定義されてもよく、第2のムーブメントパターンは、重力との相対的な関係において定義されてもよく、両方とも、例えば、センサを介したデータ取得及び/又は信号処理の既知の手段によって定義されてもよい。
【0012】
ある態様では、第1のムーブメントパターンは、例えば、ポータブルセンサの軌跡であってもよく、第2のムーブメントパターンは、例えば、前記空間内の物体の軌跡であってもよい。このような軌跡は、例えば、ジグザグ若しくはL字状、又はUターン、上下方向の移動等、当該ムーブメントの形状的特徴を含んでもよい。
【0013】
このようなマッチを決定した際に、プロセッサは、アクションを実行するように構成されてもよい。斯くして、アクションは、どの物体がポータブルセンサに関連付けられているかが、ポータブルセンサから知られ得るので、パーソナライズされたアクションであってもよい。斯くして、プロセッサは、提供されるべきパーソナライズされた効果を開始又は制御してもよい。
【0014】
以上の結果、当該デバイスは、より少ない偽陽性、より少ない偽陰性、及び/又はより少ない偽トリガで特定の物体の存在及び/又はモーションを検出するという目的を満たす。
【0015】
さらに、本発明のデバイスは、存在検出及び/又はモーション検出のための専用のセンサハードウェアを必要とせず、単にデータを通信するためのトランシーバを必要とするだけなので、本発明は、コスト又は美観上の理由から、照明器具ベースの又は照明器具一体型のモーションセンシングハードウェアを含まない、Philips Hue又はPhilips InterAct Pro等、コストに敏感なデバイス/システムにとって魅力的であり得る。
【0016】
より少ない偽陰性に関して、例えば、RFベースのセンシングのみの場合、RFベースのセンシングは、物体のムーブメントパターンとして分類されるには「小さすぎる」パターンを検出し得る。それゆえ、このようなRFベースのセンシングだけでは、検出を結論付け得ない。例えば、これは、前記パターンをノイズとして検出し得る。しかしながら、本発明によれば、ポータブルセンサのセンサデータから決定される第1のムーブメントパターンがまた、物体のムーブメントパターンとして分類されるには「小さすぎる」同様のパターンを(独立して)レンダリングし得る。したがって、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチするので、この場合も物体が検出され得る。なぜなら、RFベースの検出が単独でなされる場合に当初はノイズとみなされたRFベースの検出が、ポータブルセンサのマッチする第1のムーブメントパターンの検出によって有利に確認されるからである。したがって、ノイズに代えて、検出が結論付けられる。斯くして、偽陰性が防止され得、改善されたシステムが提供される。
【0017】
前記ムーブメントパターンは、ムーブメントシグネチャ(movement signature)、ムーブメント若しくはモーションフィンガープリント(movement or motion fingerprint)、又はムーブメントプロファイル(movement profile)と称されてもよい。前記ムーブメントパターンは、軌跡(trajectory)又は経路(path)であってもよい。さらに、機械学習が、例えば、前記ムーブメントパターンを認識するようにデバイスを教育してもよい。前記ムーブメントパターンは、ジェスチャ、例えば、人間のジェスチャであってもよい。
【0018】
斯くして、ある例では、ポータブルセンサは、加速度計、高度計、ジャイロスコープ、向きセンサ、磁力計、温度センサ、圧力センサ、マイクロホンのうちの一つ、又はそれらの任意の組み合わせ等であってもよい。
【0019】
一実施形態では、物体は、人、車両、ロボット及び/又はドローン、動物のうちの一つである。このような物体を検出することは有利であり得る。例えば、人を検出することは、制御アプリケーション及び/若しくはセーフティアプリケーション、並びに/又は快適性(例えば、占有者の数に動的に適合される会議室内の空気の流れ)を改善し得る。例えば、車両、ロボット、又はドローンを検出することは、交通制御若しくは交通安全、又は自律運転において有利であり得る。
【0020】
一実施形態では、デバイスは、無線ネットワークの一部であってもよく、及び/又は、デバイスはさらに、無線ネットワークの少なくとも1つの電子デバイスと通信するための無線周波数トランシーバを含んでもよい。この実施形態は、デバイス自身によって交換される無線通信信号が、第2のムーブメントパターンを決定する及び物体を検出するために利用され得るので、有利である。したがって、デバイスは、前記空間内の無線ネットワークの他の電子デバイスによって交換される無線通信信号に完全に依存しなくてもよい。さらに、デバイスが、無線ネットワークの少なくとも1つの電子デバイスと通信するための無線周波数トランシーバを含んでもよいので、RFベースのセンシングが、第2のムーブメントパターンを決定する際に行われてもよい。
【0021】
本発明による無線ネットワークは、例えば、Wi-Fiネットワーク、ZigBeeネットワーク、Bluetoothネットワーク、GSMネットワーク、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0022】
一実施形態では、前記無線ネットワークは、無線照明ネットワークであってもよい。密なグリッド状のノードを含むことが多い(無線)照明ネットワークの共通的な性質に起因して、ノード間で交換される無線通信信号を含む通信データは、空間に広く存在し得る。例えば、オフィス照明若しくは店舗照明、及び/又は工業/倉庫照明は、複数の無線壁スイッチ及び/又はブリッジデバイスと通信する無線接続性を有する複数の照明器具を含み得る。したがって、無線照明ネットワークでは、無線通信信号の交換は、存在及び/又はモーション検出に関連しない第1の機能又は初期機能を提供するためにすでに存在し得る。このことは、第2のムーブメントパターンの決定及び物体の検出を容易にする。
【0023】
代替的に、前記無線ネットワークは、ビル管理ネットワーク、例えば、HVACデバイス及び/又はその無線センサのネットワークであってもよい。
【0024】
斯くして、ある態様では、前記無線ネットワークは、無線通信に関連し、存在検出及び/又はモーション検出に関連しない第1の機能を含み、無線通信信号は、存在検出及び/又はモーション検出のために当初意図されていないが、無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データは、本発明によるデバイスによって、物体の存在検出及び/又はモーション検出に関連する第2の機能のために有利に使用される。オプションで、存在検出及び/又はモーション検出のために当初意図されていない無線通信信号のタイミングが、RFベースのセンシングの性能を高めるために変更されてもよい。電子デバイス間で交換されるこのような無線通信信号は、例えば、照明設定コマンド、ソフトウェアアップデート、ビーコン情報、セキュリティキー等を含んでもよい。
【0025】
このような照明ネットワークはさらに、複数の照明デバイスを含んでもよい。このような照明デバイスは、照明器具、ランプ、TLED、照明器具のためのプラグイン接続ユニット、壁スイッチ、ブリッジデバイス、コンセントプラグ、HVACアクチュエータ、サーモスタット等のうちの一つを含んでもよい。
【0026】
したがって、上記を一部考慮して、一実施形態では、デバイスは、照明デバイス、例えば、照明器具、壁スイッチ、ブリッジ、スピーカ、サーバ、又はセンサデバイス、サーモスタット、スマートアシスタント、HVAC若しくはビル管理(BM:building management)デバイス、アクセス制御デバイス(例えば、バッジリーダ(badge reader))、窓ブラインドコントローラのうちの一つであってもよい。このようなデバイスは、存在検出及び/若しくはモーション検出のために当初意図されていないかもしれない、又は専用の存在センサ及び/若しくはモーションセンサを備えていないかもしれないが、それでも、無線通信ネットワークを介して無線通信をすることができ、受けるセンサデータ及び/又は(RFベースのセンシングのための)通信データを有利に活用する、本発明によるアクションを実行するように構成されるプロセッサを含むことができる。斯くして、本発明は、前記リストからのデバイスに正確な検出機能性を追加的に提供するので、このようなデバイスは、その主要な機能性に次いで有利であり得る。
【0027】
代替的な態様では、当該デバイスは、前記ポータブルセンサを含むポータブルデバイスであってもよい。したがって、本発明は、ポータブルデバイスが、その第1のムーブメントパターン及びRFベースのセンシングを介してその第2のムーブメントパターンの両方を検出することにより、存在/モーション検出精度を向上させる、デバイス中心の検出に関してもよい。これにより、ポータブルデバイスは、他の電子デバイス(とりわけ、照明デバイスであってもよい)と通信してもよい。
【0028】
上述したように、前記プロセッサはまた、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む、通信データを得るように構成される。これにより、物体は、前記空間内の無線ネットワークの前記通信信号に干渉している可能性がある。一実施形態では、第2のムーブメントパターンは、前記無線通信信号に対する歪み(distortion)に起因する無線通信信号のパラメータの変化を測定することによって決定されてもよい。歪みは、例えば、当該物体又は他の物体によって引き起こされ得る。歪みは、干渉であってもよい。それにもかかわらず、歪み(又は干渉)は、無線通信信号のパラメータの変化をもたらし、これにより、第2のムーブメントパターンの決定のための基礎を形成する。その後、第2のムーブメントパターンは、第1のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定するために評価されことができる。さらに、パラメータの変化の前記測定は、タイムウィンドウの間に実行されてもよい。
【0029】
この実施形態は、無線通信信号のパラメータの変化が、例えばRFベースのセンシング等、ムーブメントパターンを良好に検出し得るので、有利である。ここでの一般的な洞察は、物体が、無線通信信号に影響を与える、無線通信信号に干渉する、無線通信信号に作用する、無線通信信号を反射する、無線通信信号を迂回させる、無線通信信号を吸収する、及び/又は、無線通信信号をブロックする可能性があるということである。したがって、無線通信信号のパラメータのベースラインを確立する、及び、タイムウィンドウ内でその変化を比較することにより、物体のムーブメントの良好なインディケーションが提供され得る。したがって、上記の「歪みに起因する」という表現は、例えば、当該物体若しくはその他の物体、又は前記空間内/前記空間の建築的特徴による無線通信信号の反射、迂回(diversion)、吸収、ブロッキングを含んでもよい。
【0030】
一実施形態では、パラメータは、RSSI値であってもよい。このようなRSSI値は、物体によって相応に影響を受け得、したがって、本発明による測定(すなわち、センシング)を実行するための適切なパラメータを提供し得る。
【0031】
ここで、RFベースのセンシングを適用することは有利であり得る。RFベースのセンシングは、人が息をする、タイピングする、テレビを見る等のささいなムーブメント(minor movement)でさえ検出することができる。したがって、RFベースのセンシングは、ムーブメントシグネチャを検出及び分類することができる。これは、あるタイムウインドウ内で、無線通信信号のパラメータが以前の閾値/ベースラインに対してどれだけ変化したか、これらの変化がチャネルノイズに起因することがあり得ないようなあるレベルを大幅に超えているかどうか、組み合わされる変化がモーションにのみ起因することが知られている特定のパターンとマッチしているかどうか、等を検証することによって達成される。
【0032】
さらに、ムーブメント検出に加えて、RFベースのセンシングは、真の(true)存在検出を行うことができる。真の存在検出のために、RFベースのセンシングは、(例えば、機械学習によって長期間にわたって決定される)人のいない既知のデフォルト背景(すなわちベースライン)と比較したRF妨害(RF disturbance)の半静的なオフセットを分析する。存在は、人がいない前記デフォルト背景(すなわちベースライン)と比較した無線通信信号のパラメータの絶対値のシフトを観察することによって推論されてもよい。なぜなら、(動いていない場合でさえ)人の特性は、無線通信信号に干渉し、そのパラメータの値に作用し得るからである。
【0033】
ある実施形態では、前記パラメータは、CCA(Clear Channel Assessment)に起因する送信の遅延、又はリトライの回数のうちの一つであってもよい。
【0034】
したがって、本発明のある態様では、プロセッサは、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される前記無線信号間に少なくとも1つのベースラインを確立するように構成されてもよく、プロセッサは、前記ベースラインに基づいて前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定するように構成されてもよい。ここで、前記ベースラインに基づいてとは、(その後に)得られた(又は測定された)無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線信号と、前記少なくとも1つのベースラインとの差を決定することによって第2のムーブメントパターンを決定することを示してもよい。
【0035】
さらに、物体が通信データから第2のムーブメントパターンを決定することによってより容易に検出され得るように、物体の空間内の無線通信信号の量を増加させることが有利であり得る。したがって、一実施形態では、プロセッサはさらに、無線通信信号を交換することを増やすように前記電子デバイスのうちの少なくとも1つの電子デバイスに指示するように構成されてもよい。前記電子デバイスは、例えば、ネットワークの一部である場合には、本発明によるデバイス自体であってもよい。さらに、例えば、本発明によるデバイスは、一部の代替的な例では、例えば、メッセージを送出/受信することによって自身の無線通信信号の交換を増やしてもよい。このような信号は、ブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージのいずれかであってもよい。これは、より多くの無線信号が存在する、すなわち無線スペクトル内に存在するので、無線周波数ベースのセンシングにおける検出品質を向上させる。
【0036】
さらに、デバイスは、第2のムーブメントパターンを決定する際の信号品質及び/又はレイテンシ(latency)を決定するための手段を含んでもよい。前記信号品質及び/又はレイテンシが予め定義された閾値を下回る場合に、プロセッサは、無線通信信号を交換することを増やすように前記電子デバイスのうちの少なくとも1つの電子デバイスに指示するのを開始してもよく、又はデバイス自体が無線通信信号の交換を増加させてもよい。前記信号品質及び/又はレイテンシはまた、例えば、有効性(effectiveness)及び/若しくは速度、又は第2のムーブメントパターンを決定する有効性を示す任意の他のメトリックであってもよい。
【0037】
代替的に、プロセッサはさらに、無線通信信号を交換することを増やすように前記空間内の他の無線ネットワークの少なくとも1つの電子デバイスに指示するように構成されてもよい。
【0038】
さらに、代替的な実施形態では、プロセッサはさらに、RFベースのセンシングを向上させるために調節された時点に無線通信信号を送信するように前記電子デバイスのうち少なくとも1つの電子デバイスに指示するように構成されてもよい。前記調節された時点とは、例えば、RFベースのセンシングを介した存在及び/又はモーション検出の必要性が存在する時点中に、大量のデータ転送、例えば、エネルギレポート、ソフトウェアアップデート等を行うタイミングであってもよい。
【0039】
さらに、他の実施形態では、プロセッサはさらに、無線通信信号を交換することを減らすように前記電子デバイスのうちの少なくとも1つの電子デバイスに指示するように構成されてもよい。前記電子デバイスは、例えば、ネットワークの一部である場合には、本発明によるデバイス自体であってもよい。例えば、RFベースのセンシングは、何らかの位置の悪い送受信電子デバイスが無線通信信号の交換を制限するように指示される一方、他の電子デバイスは、例えば、同じままである又は増加する場合に改善され得る。さらに、例えば、無線ネットワーク内の特定の電子デバイスが無線信号の量を減らすように指示される一方、他の電子デバイスは、無線信号の量を増やしてもよい(例えば、室内の複数の照明器具が周囲温度を測定する場合、本発明によるデバイス又はシステムは、RFベースのセンシングを最適化するために、室内の照明器具のうちのどの照明器具がどのくらいの頻度で中央サーバに温度を報告するかを再割当て(reallocate)してもよい)。
【0040】
さらに、代替的な実施形態では、プロセッサはさらに、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される他のデータをスカベンジングする(scavenge)(又はリスニングする、又はサーチする、又はハーベスティングする)ようにして、前記他のデータを通信データに含めるように構成されてもよく、第2のムーブメントパターンは、前記他のデータを含む前記通信データから決定されてもよい。斯くして、このような代替的な実施形態では、デバイスは、RFベースのセンシングを向上させるために、前記電子デバイス間のトラフィック(すなわち、無線通信信号)を必ずしも増加させる必要はなく、代わりに、デバイスは、既に行われているが、例えば、未だ考慮されていない他のトラフィック(すなわち、無線通信信号)から洞察を抽出してもよい。斯くして、これにより、処理効率が、評価内で評価されるべき既に利用可能な信号の量を増やすことにより増加/改善される。デバイスは、例えば、前記空間内に既に存在する残りの信号(leftover signal)をスカベンジングするように指示されてもよい。
【0041】
さらに、代替的な実施形態では、プロセッサはさらに、前記空間内のさらなる無線ネットワークのさらなる電子デバイス間で交換される無線通信信号を含むさらなる通信データを得るように構成されてもよい。したがって、本発明によるデバイスは、他の無線ネットワーク及びそれらの交換される無線通信信号から洞察を抽出してもよい。デバイスは、ここでは先ず、その後に得られる無線通信信号を比較するために使用され得る、ベースラインを確立してもよい。例えば、前記さらなる通信データは、照明制御のためのグループコマンド、又は異なるPAN IDを持つ別のZigBeeネットワーク上のZigBeeメッセージを含んでもよい。
【0042】
前述のように、マッチを決定した際に、プロセッサは、アクションを実行するように構成されてもよい。一実施形態では、アクションは、視覚信号、聴覚信号、又は振動信号を引き起こすこと、照明デバイスをオンにすること、物体を検出したという検出信号を提供すること、物体を位置特定及び識別すること、HVACを調節すること、セキュリティシステムの状態を調節すること、非常照明システムを調節すること、建物のライフセーフティシステム(life safety system)を調節することのうちの少なくとも一つであってもよい。さらに、前記アクションは、例えば香水/匂い等、物質を投与すること、例えば、ドアを閉める又は例えばバッテリを充電するためにリレーを切り替える等、機械的なアクチュエーション(mechanical actuation)、スイッチボードを作動させること、緊急停止ボタンを作動させること(これは、例えば、危険なエリアで検出される人の存在が自動的且つ正確に緊急ボタンを切り替え得る工業設定において有利であり得る)のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0043】
前述のように、アクションは、どの物体がポータブルセンサに関連付けられているかが、ポータブルセンサから知られ得るので、パーソナライズされたアクションであってもよい。したがって、一実施形態では、プロセッサは、物体のアイデンティティ及び/又はクラスを識別するための識別データを得るように構成されてもよい。識別データは、例えば、センサデータと一緒にデータセット内にあってもよく、又は、センサデータの一部であってもよい。識別データは、前記ポータブルセンサを備えるポータブルデバイスによって当該デバイスに送信されてもよい。
【0044】
さらなる実施形態では、アクションはさらに、物体のアイデンティティ及び/又はクラスに基づいて照明デバイスの照明設定を設定することを含む。本発明によるデバイスは、(例えばRFベースのセンシングを介して)第2のムーブメントパターンの決定を介して前記物体を正確に検出することができる及び/又はそのアイデンティティを決定することができる及び/又はその位置を決定することができるので、本発明によるデバイスは、物体のアイデンティティ及び/又はその位置及び/又はそのアクティビティに関連するパーソナライズされた照明設定を提供するために照明デバイスを制御することを含むアクションを行ってもよい。照明設定は、例えば、検出された物体に誂えられる、照明シーン又はHVAC温度であってもよい。
【0045】
例えば、物体のクラスは、病院のクラッシュカート(hospital crash cart)のタイプ、例えば、患者の注射針を刺しやすくするために特定の光設定を必要とする点滴スタンド等であってもよい。前記アクションは、例えば、美術品又は野菜等のデリケートな物体のダメージを最小限に抑えるために照射される光スペクトルを変えることであってもよい。前記クラスは、例えば、物体がトロリー又はクラッシュカート、人間又はロボットであることを示してもよい。
【0046】
一実施形態では、ポータブルセンサは、(スマート)携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、スマートグラス、アセットタグ(asset tag)、衣服、車両、リストバンド、指輪、マイクロチップインプラント(microchip implant)、社員バッジ、病院のクラッシュカートのうちの少なくとも1つに組み込まれてもよい。
【0047】
さらに、一実施形態では、前記第1のムーブメントパターンは、第1のタイムスタンプに関連付けられてもよく、前記第2のムーブメントパターンは、それぞれの第2のタイムスタンプに関連付けられてもよく、前記プロセッサは、前記第1のタイムスタンプを決定するために使用される第1のクロックと、前記それぞれの第2のタイムスタンプを決定するために使用されるそれぞれの第2のクロックとの同期を促す(facilitate)、並びに、前記第1のムーブメントパターンと前記それぞれの第2のムーブメントパターンとを比較すること、及び、前記第1のタイムスタンプと前記それぞれの第2のタイムスタンプとを比較することによって、前記第1のムーブメントパターンがそれぞれの第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定するように構成されてもよい。
【0048】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、改善されたシステムを提供することである。そのために、本発明はさらに、空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのシステムであって、当該システムは、本発明によるデバイスと、物体と関連するポータブルセンサと、複数の電子デバイスを含む無線ネットワークであって、電子デバイスは無線通信信号を交換する、無線ネットワークとを含む、システムを提供する。
【0049】
例えば、当該システムは、照明システムとして有利であり得、デバイスは、照明デバイスであってもよく、無線ネットワークは、無線照明ネットワークであってもよい。斯くして、照明システムは、自身の第1の又は初期機能性を含んでもよいが、さらに又は二次的に、(無線接続性及び処理インテリジェンスの適合性(suitability)が十分であり得るので)追加の存在検出器及び/又はムーブメント検出器を必要とせずに、存在検出及び/又はムーブメント検出機能性を提供してもよい。したがって、一実施形態では、無線ネットワークは、無線照明ネットワークであり、デバイスは、無線ネットワークの一部であり、デバイスはさらに、無線照明ネットワークの少なくとも1つの電子デバイスと通信するための無線周波数トランシーバを含む、本発明によるシステムが提供される。
【0050】
本発明による照明デバイスに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による目下の照明システムにも当てはまり得る。
【0051】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、空間内の物体を検出した際にアクションを提供する改善された方法を提供することである。そのために、本発明はさらに、空間内の物体を検出した際にアクションを提供する方法であって、当該方法は、プロセッサを含むデバイスによって実行され、物体に関連するポータブルセンサによって録られるセンサデータを得るステップと、前記センサデータから第1のムーブメントパターンを決定するステップと、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データを得るステップと、前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定するステップと、前記空間内の物体を検出するために、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定するステップと、マッチを決定した際にアクションを実行するステップとを含む、方法を提供する。
【0052】
本発明によるデバイス及び/又はシステムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による目下の方法にも当てはまり得る。
【0053】
本発明はさらに、コンピュータプログラムプロダクトに関する。したがって、本発明は、コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムプロダクトであって、当該コンピュータプログラムプロダクトがコンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、本発明による方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0054】
斯くして、本発明の態様は、コンピュータにより実行され得るコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されたコンピュータプログラム命令の集合体であってもよいコンピュータプログラムプロダクトにおいて、実施されてもよい。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これらに限定されない任意の解釈可能又は実行可能コードメカニズムであってもよい。命令は、完全な実行可能プログラム、部分実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば更新)、又は既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供され得る。さらに、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータ又はプロセッサにわたって分散されてもよい。
【0055】
本発明のある態様では、空間内の物体を検出した際にアクションを提供するためのデバイスであって、当該デバイスは、物体に関連するポータブルセンサによって録られるセンサデータを得る、前記センサデータから第1のムーブメントパターンを決定する、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データを得る(前記無線ネットワークは、無線通信に関連するが、存在検出及び/又はモーション検出に関連しない機能を有し、無線通信信号は、存在検出及び/又はモーション検出のために当初意図されていない)、前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定する、前記空間内の物体を検出するために、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定する、及び、マッチを決定した際にアクションを実行するように構成される、プロセッサを含む、デバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
ここで、本発明が、概略的で非限定的な図によってさらに述べられる。
【
図1】
図1は、本発明によるデバイスと、物体に関連するポータブルセンサと、複数の電子デバイスを含む無線ネットワークとを含む、本発明によるシステムの一実施形態を概略的に示す。
【
図2】
図2は、
図1に示されるシステムに対応する本発明によるデバイスの一実施形態を概略的に示す。
【
図3】
図3は、本発明によるデバイスと、物体に関連するポータブルセンサと、複数の電子デバイスを含む無線ネットワークとを含む、本発明によるシステムの一実施形態を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本発明による方法の一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
上述したように、本発明によるデバイス及び/又はシステムは、より少ない偽陽性、より少ない偽陰性、及び/又はより少ない偽トリガで特定の物体の存在及び/又はモーションを検出するという目的を満たす。
【0058】
図1は、非限定的な例として、本発明によるシステム100の一実施形態を概略的に示す。システム100は、空間30内の物体20を検出した際にアクションを提供する。空間30は、部屋であるが、代替的に、例えば、小売ドメイン又はオフィスドメインにおける、任意の他の屋内又は屋外環境であってもよい。物体20は、アイデンティティAを有する人である。空間30は、別の物体70も収容している。ここで、前記別の物体70は、人の外観を有する(人型の)清掃ロボットである。代替的に、別の物体は、別の人であってもよく、さらに代替的に、少なくとも1つの別の物体(例えば、人)が、前記空間内に存在してもよい。
【0059】
システム100は、本発明によるデバイス10を含む。デバイス10は、照明デバイスであり、より具体的には、天井取り付け照明器具である。代替的に、デバイスは、壁スイッチ、ブリッジ、例えば音声制御用のスピーカ等の(スマート)スピーカ、サーバ、又はセンサデバイスのうちの一つであってもよい。さらに代替的に、デバイスは、デスクランプ、床に近いつまずき防止用の照明、又はコーブ照明用のLEDストリップであってもよい。本非限定的な例では、デバイス10は、例えばPIRセンサ又はMWセンサ等の存在検出及び/又はモーション検出のための専用ハードウェアを含まず、単に、無線ネットワーク内の他の無線デバイスと無線通信するための高周波(RF)トランシーバ(
図2の参照番号19参照)を含む。
【0060】
システムはさらに、複数の電子デバイス41、42、43、44を含む無線ネットワーク40を含む。デバイス10は、前記無線ネットワーク40の一部である。デバイス10及び前記電子デバイス41、42、43、44は、互いに通信し、無線通信信号を交換してもよい。これは、例えば、ブロードキャストメッセージ又はユニキャストメッセージであってもよい。前記複数の電子デバイス41、42、43、44は、ここでは、前記空間30の天井に取り付けられた、本発明によるデバイス10と同様の2つの照明器具41、42と、室内のこれらの天井に取り付けられた照明器具10、41、42を制御するための無線壁スイッチ43と、無線接続性を有するスタンドアロンの照明デバイス44とを含む。言及された全ての(電子)デバイスが照明デバイス及び/又は照明関連であり、無線ネットワークが複数の照明デバイスを含むので、無線ネットワーク40は、無線照明ネットワークである。ここでは、無線照明ネットワークは、ZigBeeネットワークである。
【0061】
代替的に、上述の電子デバイスは、照明デバイス、ビーコン、センサデバイス、アクチュエータ、スピーカ、スマートアシスタントエンティティ、ブリッジ、コンピュータ、携帯電話、タブレット、スマートウェアラブル、サーバ、テレビ、スマートキッチンアプライアンス、家具、建物要素(building element)、HVACエンティティ等のうちの一つであってもよい。さらに代替的に、本発明による無線ネットワークは、例えば、Wi-Fiネットワーク、ZigBeeネットワーク、Bluetoothネットワーク、GSMネットワーク、異なる周波数帯の独自プロトコル、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0062】
システム100はさらに、物体20に関連するウェアラブルセンサ22を含む。ウェアラブルセンサ22は、ここでは、人が自身の腕20に装着するブレスレットである、ウェアラブルデバイス21に組み込まれている。代替的に、ウェアラブルセンサは、(スマート)携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、スマートグラス、アセットタグ、衣服、車両、リストバンド、指輪、マイクロチップインプラント、社員バッジのうちの少なくとも1つに組み込まれてもよい。斯くして、ウェアラブルセンサは、代替的に、他の任意のポータブルセンサであってもよい。ウェアラブルセンサ22は、人20(すなわち、物体)のムーブメントを監視/測定することができる。斯くして、ウェアラブルセンサは、加速度計、高度計、ジャイロスコープ、向きセンサ、磁力計、温度センサ、圧力センサ、マイクロホン、又はそれらの任意の組み合わせ等のうちの1つ、又はそれらのセットであってもよい。ウェアラブルデバイス21は、無線接続性を提供し、ウェアラブルセンサ22によって測定されるセンサデータ(
図2の参照番号14参照)をデバイス10に送信する。したがって、ウェアラブルデバイス21は、無線ZigBeeネットワークの一部であってもよい。代替的に、前記センサデータは、サーバ、メモリ、クラウドに送信されてもよく、そこからデバイスが前記センサデータを取得できるようにしてもよい。
【0063】
引き続き
図1を参照し、ここで
図2も参照すると、デバイス10は、プロセッサ13を含む。プロセッサ13は、ワイヤレスセンサ22によって測定された前記ウェアラブルデバイス21の前記センサデータ14を得るように構成される。したがって、プロセッサ13は、デバイス10のRFトランシーバ19と通信又は接続している。センサデータ14は、空間30内で検出されるべき人20である、物体20のウェアラブルセンサ22によって録られる。前述のように、センサデータ14は、ウェアラブルセンサ22が組み込まれている前記ウェアラブルデバイス21から、無線通信を介して、直接受信される。センサデータ14のこの通信は、代替例では、単一又は複数のホップを介して行われてもよい。代替的に、センサデータは、例えば、センサデータが記録されるデータベース、クラウド、メモリデバイス、又はサーバから取得されてもよい。
【0064】
得られた前記センサデータ14から、第1のムーブメントパターン11が、デバイス10のプロセッサ13によって決定される。このような第1のムーブメントパターン11は、例えば、ウェアラブルセンサ21によって録られたセンサデータ14に存在する得られた加速度計及び/又はジャイロスコープデータ(又は、代替的に、前述したような他のセンサからの他のデータ)を分析することによって決定されてもよい。この第1のムーブメントパターン11は、前記人20のムーブメント(movement)を特徴付ける。さらに、一部の代替的な例では、センサデータは、ウェアラブルセンサによってローカルに第1のムーブメントパターンに処理され、当該第1のムーブメントパターンが、その後、プロセッサに提供されて、プロセッサが該第1のムーブメントパターンを直接得るようにしてもよい。
【0065】
物体20の第1のムーブメントパターン11の決定を準用して、別の物体70(すなわち人型ロボット)及び別の物体の第1のムーブメントパターン61も、同様にプロセッサ13によって決定されてもよい。同様に、人型ロボットである、別の物体70は、ウェアラブルセンサ72を含むセンサデバイス71(すなわち、ウェアラブルデバイス)を含んでもよい。プロセッサ13はここで、人20の第1のムーブメントパターン11と人型ロボット70の第1のムーブメントパターン61に関する知識を有するが、人20又は人型ロボット70が前記空間30内のどこに正確に位置しているかは(それぞれのセンサデータ14のみに基づいて)まだ分からない。無線周波数ベースのセンシングは、そのための結果を提供し得るが、一般的なRFベースのセンシング技術は、物体を一意に識別し得ない。
【0066】
したがって、引き続き
図1及び
図2を参照すると、前記プロセッサ13はまた、前記空間30内の無線照明ネットワーク40の(自身を含む)電子デバイス41、42、43、44間で(時間的に)交換される無線通信信号45を含む、通信データ15を得るように構成される。
【0067】
物体20は、そのボディーマス(body mass)及び含水量に起因して前記空間30内の無線ネットワーク40の前記通信信号45に干渉し得るので、通信データ15を分析することは、物体20の第2のムーブメントパターン12を決定するための基礎となる。すなわち、前記物体20のムーブメントを特徴づける、第2のムーブメントパターン12は、無線ZigBee照明ネットワーク40におけるRFベースのセンシングを介して決定されてもよい。同様に、別の物体70(すなわち、人型ロボット)のムーブメントを特徴づける、第2のムーブメントパターン62は、無線ZigBee照明ネットワーク40におけるRFベースのセンシングを介して決定されてもよい。人型ロボット70は、例えば、RFベースのセンシングがその存在及び位置を(例えば、より容易に)決定し得るように、無線ネットワーク40の通信信号45をよりブロック又は反射してもよい。
【0068】
ここで、物体20の第2のムーブメントパターン12は、無線ネットワーク40の無線通信信号45のパラメータRSSIの変化を測定することによって決定される。前記変化は、前記無線通信信号45に対する物体20の歪み(又は干渉)に起因する。歪み(又は干渉)は、(較正された)ベースラインRSSIと比較して、無線通信信号のRSSIの変化をもたらす。この変化は、特定のムーブメントの物体を示し得る。一般的なRFベースのセンシングの作用(working)は、当技術分野で知られているであろう。
【0069】
斯くして、人20及び人型ロボット70の第2のムーブメントパターンが決定され得る。しかしながら、無線(RF)センシングのみに基づいて、センシングされた及び/又は決定された第2のムーブメントパターン12、62のアイデンティティは判明され得ない。したがって、無線センシングと、物体20、70に関連するウェアラブルセンサ22、72によってローカルに録られるセンサデータ14に基づくセンシングとの組み合わせを有利に活用して、当該物体20、70の位置及びアイデンティティが決定され得る。
【0070】
すなわち、人20を検出するために、プロセッサ13は、人20の第1のムーブメントパターン11が、前記空間30内で検出された2つの第2のムーブメントパターン12、62のうちの1つとマッチするか否かを判断する。プロセッサ13は、前記空間30内で決定されたZ字状の第2のムーブメントパターン12が、いずれも物体20(すなわち、人)に関連する、ウェアラブルデバイス21から得られ、ウェアラブルセンサ22で録られたセンサデータ14から決定されたZ字状の第1のムーブメントパターン11とマッチすると判断する。プロセッサ13はここで、物体20、すなわち、人の検出された位置を知り、該位置は、天井取り付け照明器具のうち上側の照明器具41に近い。
【0071】
このようなマッチを決定した際に、プロセッサは、アクションを実行する。斯くして、アクションは、当該物体20が関連していることが、ウェアラブルセンサ22及びそのそれぞれのセンサデータ14から知られるので、パーソナライズされたアクションであってもよい。前述のように、物体20は人であり、斯くして、プロセッサ13は、無線ネットワーク40を介した無線指示信号を介して、人に近い天井取り付け照明器具41にオンするように指示する。これらのメッセージは、ネットワークを混雑させ、さらにRFベースのセンシングを向上させる。また、前述したような他のアクションが提供されてもよい。斯くして、プロセッサ13は、提供されるべきパーソナライズされた効果を開始又は制御してもよい。
【0072】
同様に、準用して、プロセッサ13は、人型ロボット70の第1のムーブメントパターン61が、前記空間30内で検出された2つの第2のムーブメントパターン12、62のうちの1つとマッチするか否かを判断する。プロセッサ13は、人型ロボットの第1のムーブメントパターン61が、天井取り付け照明器具10である、デバイス10の近傍で検出された第2のムーブメントパターン62とマッチすると判断する。このようなマッチを決定した際に、プロセッサ13は、アクションを実行する。プロセッサ13は、人型ロボットにビーコンを提供するために超音波信号を発するように、前記天井取り付け照明器具10内のスピーカに指示する。本発明は正確でパーソナライズされた検出を可能にするので、このようなアクションは、人が検出されたことをマッチが示した場合には提供されない。アクションはまた、人型ロボットを囲むライトを最大の光出力又は特別なスペクトル(例えばUV等)に切り替えて、人型ロボットを囲むハロ(halo)内で、例えばカメラ等の清掃ロボットの検出手段による、例えば汚れ等の物質の可視性を高めることを含んでもよい。
【0073】
追加的に、プロセッサ13は、第2のムーブメントパターン12、62を決定するためにいくらかの時間(some time)又はいくらかの努力(some effort)をかけてもよい。第2のムーブメントパターン12、62の検出を改善するために、プロセッサはさらに、無線通信信号の交換を増やすように壁スイッチ43(又は代替的に前記電子デバイス41、42、44のうちの別の1つ又は自身10)に指示するように構成される。壁スイッチ43は、例えば、その制御下にあるすべてのデバイスにパイロット信号又はテストメッセージを送信してもよい。さらに、代替的な態様では、デバイスは、第2のムーブメントパターンを決定する有効性及び/又は速度を決定する手段(図示せず)を含んでもよい。前記有効性及び/又は速度が予め定義された閾値を下回る場合に、プロセッサは、無線通信信号を交換することを増やすように前記電子デバイスのうちの少なくとも1つの電子デバイスに指示するのを開始してもよく、又はデバイス自体が無線通信信号の交換を増加させてもよい。
【0074】
図示されていない、一実施形態では、前記第1のムーブメントパターンは、第1のタイムスタンプと関連付けられてもよい。また、前記第2のムーブメントパターンは、それぞれの第2のタイムスタンプと関連付けられてもよい。これは、ウェアラブルデバイス及びデバイスが、同期したクロックを含むことを意味する。この場合、プロセッサは、前記第1のムーブメントパターンとそれぞれの第2のムーブメントパターンとを比較すること、及び、前記第1のタイムスタンプと前記それぞれの第2のタイムスタンプとを比較することによって、前記第1のムーブメントパターンが前記それぞれの第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定してもよい。
【0075】
図3は、非限定的な例として、
図1及び
図2の実施形態と部分的に類似しているが、ここでは物体80が前記空間30内に位置せず、その外部に位置している、本発明によるシステム200の一実施形態を概略的に示している。物体80は、人である。人は、そのモーションを感知するウェアラブルセンサ92を備えたスマートフォン91を装着している。人80は立ち止まっており、したがって、ウェアラブルセンサ92は、静止ムーブメント(stationary movement)を検出する。スマートフォン91は、ウェアラブルセンサ92の測定値に基づいて第1のムーブメントパターン81を決定する。これにより、第1のムーブメントパターン81は、センサデータ93として、
図1及び
図2に示される実施形態と同様に天井取り付け照明器具である、本発明によるデバイス210のプロセッサ213に送信される。また、スマートフォン91は、センサデータ93とともに、識別データ94をプロセッサ213に送信する。この場合、プロセッサ213は、センサデータ93から第1のムーブメントパターン81を受けることによりセンサデータ93から第1のムーブメントパターン81を決定する。
【0076】
プロセッサはさらに、前記空間30内の無線ネットワーク40の電子デバイス41、42、43、44の間で交換される無線通信信号45を含む通信データ(図示せず)を得る。前述したように、
図1及び
図2に示される実施形態と同様に、RFベースのセンシングに基づいて、第2のムーブメントパターン82が、前記通信データから決定される。この第2のムーブメントパターン82は、空間30内で検出され、ジグザグムーブメント(zig-zagging movement)の検出に関連する。このムーブメントは、決して人80によってもたらされていなく、誤検出、前記空間内の他の物体、等によってもたらされている可能性がある。
【0077】
一般的に知られているRFベースのセンシングは、前記第2のムーブメントパターン82を検出し、それに関連するアクションを実行するであろう。例えば、ライトをオンにする。しかしながら、特定の人80が空間30内にいる場合にのみライトをオンにすることが要求され得るところ、ここではその場合ではない。斯くして、一般的に知られているRFベースのセンシング技術は、望ましくない検出をレンダリングするだろう。
【0078】
本発明に関して、プロセッサ213は、前記空間30内の物体80を検出するために、前記第1のムーブメントパターン91が前記第2のムーブメントパターン82とマッチするかどうかを決定する。しかしながら、静止している第1のムーブメントパターン81は、ジグザグに検出された第2のムーブメントパターン82とマッチしないので、マッチはない。マッチがないので、アクションは実行されない。
【0079】
図示されていない、さらなる実施形態では、
図3に示される実施形態が提供されるが、ここでは人80が前記空間30に入る。プロセッサ213は、人80を識別する識別データ94を受信しているので、プロセッサ213のアクションは、前記空間30内の全ての照明デバイス41、42、44、210の照明設定を、人80のアイデンティティに対応する照明シーンに設定することである。例えば、人が、デバイス210及び/又はシステム200が人80の入室を具体的に検出した際の前記空間30内のウェルカム(welcoming)照明シーンを予め定義(コミッショニング)している場合、デバイス210及び/又はシステム200は、前記照明デバイスに前記予め定義された(又はパーソナライズされた)シーンを提供するように指示してもよい。さらに、例えば、別の人が前記部屋に入る場合、デバイス210及び/又はシステム220は、入室する当該別の人のアイデンティティに対応する、別のアクションを提供してもよい。
【0080】
このような実施形態は、例えば以下のような例で有利であり得る。ある家族の住宅は、複数のライトが空間中に配されたリビングルームを有する。彼らのPhilips Hue及び対応するPhilips Hueシステムは、本発明によるデバイス及び対応するシステムである。Philips Hueデバイスは、(ZigBeeネットワークを介した)RFベースのセンシングに基づいてモーションセンシングをアクティブにしている。すなわち、人が部屋に入るたびに、ライトが自動的に点灯する。なぜなら、すべての異なるリンクのRSSIが、周りを動く人のものとマッチすることが知られているパターンに従って変化するからである。しかしながら、デフォルトの設定が誰にも適さないため、家族は、どのライト設定を用いるか意見がまとまらない。本発明では、例えばスマートウォッチを担持している各ユーザが、当該スマートウォッチが各ユーザの第1のムーブメントパターンを決定するために必要なセンサデータを送信することができるので、部屋に入る際に一意に識別され、当該ユーザが事前に選択したシーンをトリガすることができる。
【0081】
図4は、非限定的な例として、空間内の物体を検出した際にアクションを提供する方法900の一実施形態を概略的に示している。方法は、プロセッサを含む本発明によるデバイスによって実行される。方法は、物体に関連するウェアラブルセンサによって録られるセンサデータを得るステップ901と、前記センサデータから第1のムーブメントパターンを決定するステップ902とを含む。その結果、物体のムーブメントが、特徴付けられ得る。しかしながら、その位置は依然として不明であり得る。したがって、方法はさらに、前記空間内の無線ネットワークの電子デバイス間で交換される無線通信信号を含む通信データを得るステップ903と、前記通信データから第2のムーブメントパターンを決定するステップ904とを含む。したがって、第2のムーブメントパターンは、位置を提供し得るが、異なる物体のアイデンティティ間の調停(arbitrate)を行えないであろう。したがって、方法は、前記空間内の物体を検出するために、前記第1のムーブメントパターンが前記第2のムーブメントパターンとマッチするかどうかを決定するステップ905と、マッチを決定した際にアクションを実行するステップ906とを含む。