(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/264 20210101AFI20240209BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240209BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240209BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240209BHJP
H01M 50/287 20210101ALI20240209BHJP
【FI】
H01M50/264
H01M50/211
H01M50/262 S
H01M50/262 P
H01M50/271 B
H01M50/287
(21)【出願番号】P 2021517756
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2021074500
(87)【国際公開番号】W WO2022012025
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】202010694761.7
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520124888
【氏名又は名称】東莞新能安科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Poweramp Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xinghui Road, Songshan Lake Park, Dongguan City, Guangdong Province, 523000, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬飛
(72)【発明者】
【氏名】周 錦兵
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108735938(CN,A)
【文献】中国実用新案第201893394(CN,U)
【文献】特開2007-073509(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111785872(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルアセンブリを含み、前記セルアセンブリのセルがセル本体部及びタブを含む電池モジュールであって、
セルの厚さ方向に沿って、前記セルアセンブリを取り囲む第1の固定テープと、
セルの厚さ方向に沿って、前記セルアセンブリを取り囲む第2の固定テープとをさらに含み、
前記セルの長手方向に沿って、前記セル本体部の長手方向に沿った前記第1の固定テープの投影の中点又は中線又は同側の側辺を計算ベースポイント又はベースラインとし、前記第1の固定テープの投影位置における前記セル本体部の第1の端からの距離が2L/25以上、L/4以下であり、
前記セルの長手方向に沿って、前記セル本体部の長手方向に沿った前記第2の固定テープの投影の中点又は中線又は同側の側辺を計算ベースポイント又はベースラインとし、前記第2の固定テープの投影位置における前記セル本体部の第2の端からの距離が2L/25以上、L/4以下であり、前記Lは、前記セル本体部の長さであ
り、
前記電池モジュールはさらにハウジングを含み、前記ハウジングは、前記固定テープと前記セルアセンブリとの間に設置されたケースを含み、
前記電池モジュールは、2つのエンドプレートをさらに含み、前記セルの積層方向に沿って、
前記エンドプレートは前記
セルアセンブリの最外側のセルと前記固定テープとの間に設置され
、
前記ケースは2つの収容溝を含み、各前記エンドプレートはそれに対応する1つの収容溝内に設置されており、
前記ケースは対向して設置された第3の表面及び第4の表面をさらに含み、1つの前記収容溝は前記第3の表面から前記ケースの内部へ窪むように形成され、もう1つの前記収容溝は前記第4の表面から前記ケースの内部へ窪むように形成される、ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記ケースの外面に溝が設置され、前記ケースは、対向して設置された第1の表面及び第2の表面を含み、前記溝は、前記第1の表面及び前記第2の表面に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記固定テープは、前記溝内に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記固定テープの数は、2本であり、2本の前記固定テープは、間隔を置いて設置され、前記溝は、第1のサブ溝、第2のサブ溝、第3のサブ溝及び第4のサブ溝を含み、前記第1のサブ溝及び前記第2のサブ溝は、前記第1の表面に形成され、前記第3のサブ溝及び前記第4のサブ溝は、前記第2の表面に形成され、一方の前記固定テープは、前記第1のサブ溝及び前記第3のサブ溝内に設置され、他方の前記固定テープは、前記第2のサブ溝及び前記第4のサブ溝内に設置される、ことを特徴とする請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記ケースは、第1のサブケース及び第2のサブケースをさらに含み、前記第1のサブケース及び前記第2のサブケースは、係合されて前記ケースを形成し、前記第1のサブケースには第1の表面が設置され、前記第2のサブケースには第2の表面が設置され、
前記ケースは第5の表面及び第6の表面をさらに含み、前記第1のサブケースと前記第2のサブケースとの係合面により前記第3の表面、第4の表面、第5の表面及び第6の表面が分割され、前記収容溝は、第1の副溝及び第2の副溝を含み、前記第1の副溝は、前記第1のサブケースに設置され、前記第2の副溝は、前記第2のサブケースに設置される、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記固定テープは、少なくとも1つの圧力調整ユニットを含み、前記圧力調整ユニットは、前記固定テープが前記ケースを押圧するための圧力を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記圧力調整ユニットは、ネジとナットを含み、前記ネジの受けるトルクは1.5NM以上である、ことを特徴とする請求項
6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記固定テープは、帯状であり、間隔を置いて設置された第1の調整部及び第2の調整部を含み、前記圧力調整ユニットは、前記第1の調整部及び前記第2の調整部に可動に接続され、前記第1の調整部と前記第2の調整部との間の距離を調整することにより、前記固定テープによる前記ケースへの圧力を調整する、ことを特徴とする請求項
6に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記固定テープによる前記ケースへの圧力値の範囲は、0kgf~100kgfである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記固定テープの横断面の面積の総和が60mm
2以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記ケースの一端に係合された前蓋と、前記エンドプレートと前記前蓋との間に設置された制御回路と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記ケースの内部に装着溝が設置され、前記セルアセンブリの少なくともの一部は、前記装着溝内に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新エネルギーの分野に関し、特に、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールは、生活のさまざまな分野に広く使用されており、多くの適用場面がある。電池モジュールは、使用するときに、体積が充放電サイクルに伴い膨張して、電池モジュールのサイクル特性の低下を招く。業界でよく使用されている解決手段は、電池モジュールを加圧することであるが、従来の解決手段には加圧均一性の課題が存在する。従来の加圧方式では、電池モジュールが膨張した後、その各部の受ける外部圧力が不均一である。そして、正確な圧力制御ができないと、電池モジュールの領域ごとに圧力値が異なり、これは、電池モジュールの充放電サイクル特性に悪影響を及ぼす。従来の解決手段には、セル短絡や固定装置のズレによる故障の課題も存在する。
【0003】
上記課題を如何に解決するかは当業者が検討すべきものである。
【発明の概要】
【0004】
従来技術における課題を解決するために、本出願は、
セルアセンブリを含み、前記セルアセンブリのセルがセル本体部及びタブを含む電池モジュールであって、
セルの厚さ方向に沿って、前記セルアセンブリを取り囲む第1の固定テープと、
セルの厚さ方向に沿って、前記セルアセンブリを取り囲む第2の固定テープとをさらに含み、
前記セルの長手方向に沿って、前記第1の固定テープの投影位置の、前記セル本体部の第1の端からの距離がL/4以下であり、前記第2の固定テープの投影位置の、前記セル本体部の第2の端からの距離がL/4以下であり、前記Lは前記セル本体部の長さである電池モジュールを提供する。
【0005】
固定テープを設置してセルアセンブリへ圧力を印加することにより、充放電サイクル中のセルアセンブリの膨張が制限され、電池モジュールのサイクル特性が向上する。
【0006】
第1の可能な実施態様では、前記電池モジュールに基づいて、前記第1の固定テープの投影位置の、前記セル本体部の第1の端からの距離は2L/25以上である。この値とすることにより、セルアセンブリの中間領域の圧力が大きすぎることを回避できる。
【0007】
第1の可能な実施形態によれば、第2の可能な実施態様では、前記第2の固定テープの投影位置の、前記セル本体部の第2の端からの距離は2L/25以上である。
【0008】
第1及び第2の可能な実施形態によれば、第3の可能な実施態様では、前記電池モジュールは、ハウジングをさらに含み、前記ハウジングは前記固定テープと前記セルアセンブリとの間に設置されたケースを含む。この所定の領域の値とすることにより、セルアセンブリの外側領域の圧力が大きすぎることを回避できる。
【0009】
第1~第3の可能な実施形態によれば、第4の可能な実施態様では、前記電池モジュールは前記セルの積層方向に沿って前記セルアセンブリの最外側のセルと前記固定テープとの間に設置されたエンドプレートをさらに含む。
【0010】
第1~第4の可能な実施形態によれば、第5の可能な実施態様では、前記ケースの外面に溝が設置され、前記ケースは対向設置された第1の表面及び第2の表面を含み、前記溝は前記第1の表面及び前記第2の表面に形成される。
【0011】
第1~第5の可能な実施形態によれば、第6の可能な実施態様では、前記固定テープのうち前記ケースとの接触部分は前記溝内に設置される。溝は固定テープの移動を制限し、電池モジュールの膨張に起因する固定テープの変位を回避する。
【0012】
第1~第6の可能な実施形態によれば、第7の可能な実施態様では、前記固定テープの数は2本であり、2本の前記固定テープは間隔を置いて設置され、前記溝は第1のサブ溝、第2のサブ溝、第3のサブ溝及び第4のサブ溝を含み、前記第1のサブ溝及び前記第2のサブ溝は前記第1の表面に形成され、前記第3のサブ溝及び前記第4のサブ溝は前記第2の表面に形成され、一方の前記固定テープは前記第1のサブ溝及び前記第3のサブ溝内に設置され、他方の前記固定テープは前記第2のサブ溝及び前記第4のサブ溝内に設置される。間隔を置いて設置された2つの固定テープはセルアセンブリに印加された圧力を均一にする。
【0013】
第1~第7の可能な実施形態によれば、第8の可能な実施態様では、前記電池モジュールは、前記セルの積層方向に沿って前記セルアセンブリの最外側のセルと前記固定テープとの間に設置されたエンドプレートをさらに含む。固定テープとハウジングとの間にエンドプレートが設置され、エンドプレートはハウジングの耐圧縮性を高め、過度の圧力によるハウジングの破損を回避する。
【0014】
第1~第8の可能な実施形態によれば、第9の可能な実施態様では、前記ケースは、対向設置された第3の表面及び第4の表面をさらに含み、前記エンドプレートは前記第3の表面及び前記第4の表面に接触し、前記ケースは少なくとも2つの収容溝を含み、少なくとも2つの前記収容溝は前記第3の表面及び第4の表面に形成され、前記エンドプレートは前記収容溝内に設置される。前記エンドプレートが前記収容溝内に設置されることによって、電池モジュールの膨張に起因するエンドプレートの位置ズレを回避できる。
【0015】
第1~第9の可能な実施形態によれば、第10の可能な実施態様では、前記ケースは第1のサブケース及び第2のサブケースをさらに含み、前記第1のサブケース及び前記第2のサブケースは係合されて前記ケースを形成し、前記第1のサブケースには第1の表面が設置され、前記第2のサブケースには第2の表面が設置され、前記ケースは第5の表面及び第6の表面をさらに含み、前記第1のサブケースと前記第2のサブケースとの係合面により前記第3の表面、第4の表面、第5の表面及び第6の表面が分割され、前記収容溝は第1の副溝及び第2の副溝を含み、前記第1の副溝は前記第1のサブケースに設置され、前記第2の副溝は前記第2のサブケースに設置される。係合された第1のサブケースと第2のサブケースによって、ケースとセルアセンブリの装着をより簡便にする。
【0016】
第1~第10の可能な実施形態によれば、第11の可能な実施態様では、前記固定テープは、前記固定テープが前記ケースを押圧する圧力を調整する少なくとも1つの圧力調整ユニットを含む。圧力調整ユニットを設置することにより、固定テープによるセルアセンブリへの圧力を正確に微調整することができる。
【0017】
第1~第11の可能な実施形態によれば、第12の可能な実施態様では、前記圧力調整ユニットはネジとナットを含み、前記ネジの受けるトルクは1.5NM以上である。
【0018】
第1~第12の可能な実施形態によれば、第13の可能な実施態様では、前記固定テープは帯状であり、間隔を置いて設置された第1の調整部及び第2の調整部を含み、前記圧力調整ユニットは前記第1の調整部及び前記第2の調整部に可動に接続され、前記第1の調整部と前記第2の調整部との間の距離を調整することにより、前記固定テープによる前記ケースへの圧力を調整する。
【0019】
第1~第13の可能な実施形態によれば、第14の可能な実施態様では、前記固定テープによる前記ケースへの圧力値の範囲は、0kgf~100kgfであり、これにより、セルアセンブリの受ける圧力を合理的な範囲にし、電池モジュールのサイクル特性を効果的に高める。
【0020】
第1~第14の可能な実施形態によれば、第15の可能な実施態様では、前記固定テープの横断面の全面積は60mm2以上であり、これにより、固定テープに十分な強度を有することを確保できる。
【0021】
第1~第15の可能な実施形態によれば、第16の可能な実施態様では、前記ハウジングは、前記ケースの一端に係合された前蓋と、前記エンドプレートと前記前蓋との間に設置された制御回路とをさらに含む。
【0022】
第1~第16の可能な実施形態によれば、第17の可能な実施態様では、前記ケースの内部に装着溝が設置され、前記セルアセンブリの少なくともの一部は前記装着溝内に設置される。
【0023】
従来技術に比べて、本出願の電池モジュールは、セルアセンブリの外側に固定テープを周設してセルアセンブリへ圧力を印加することによって、充放電サイクル中のセルアセンブリの膨張を制限し、電池モジュールのサイクル特性を向上させる。さらに、セルの長手方向に沿って、固定テープの少なくとも一部は所定領域内に設置され、所定領域はセル本体部の一端から前記セル本体部の一端からL/4離れたた箇所までであり、これにより、電池モジュールの受ける圧力をより均一にし、電池モジュールの充放電サイクル特性を大幅に向上させる。さらに、セルアセンブリと固定テープとの間にハウジングが設置され、それにより、固定テープとセルアセンブリとの直接接触による破損や短絡を回避する。さらに、固定テープとハウジングとの間にエンドプレートが設置され、エンドプレートはハウジングの耐圧縮性を高め、過度の圧力によるハウジングの破損を回避する。さらに、固定テープはハウジングの溝内に設置され、それにより、電池モジュールの膨張に起因する固定テープの変位を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本出願の一実施例の電池モジュールの模式的斜視図である。
【
図2】本出願の一実施例の電池モジュールの模式的斜視図である。
【
図3】本出願の一実施例の電池モジュールの模式的分解斜視図である。
【
図4】本出願の一実施例の電池モジュールの部分模式的斜視図である。
【
図5】本出願の一実施例の電池モジュールの部分模式的分解斜視図である。
【
図6】本出願の一実施例の電池モジュールの部分拡大模式図である。
【
図7】本出願の一実施例の電池モジュールの部分拡大模式図である。
【
図8】本出願の一実施例の電池モジュールの斜視模式図である。
【
図9】本出願の一実施例の電池モジュールにおいて、セルの長手方向に沿った第1の固定テープの投影が第1の端からL/4よりも大きく離れ、セルの長手方向に沿った第2の固定テープの投影が第2の端からL/4よりも大きく離れた場合のエンドプレートの変形程度の分布の模式図である。
【
図10】本出願の一実施例の電池モジュールにおいて、セルの長手方向に沿った第1の固定テープの投影の、第1の端からの距離が2L/25未満であり、第2の端に対する第2の固定テープの距離について、第2の固定テープのセルの長手方向に沿った投影の、第2の端からの距離が2L/25未満である場合のエンドプレートの変形程度の分布の模式図である。
【
図11】本出願の一実施例の電池モジュールにおいて、セルの長手方向に沿った第1の固定テープの投影の、第1の端からの距離が2L/25以上、L/4以下であり、第2の固定テープのセルの長手方向に沿った投影の、第2の端からの距離が、2L/25以上、L/4以下である場合のエンドプレートの変形程度の分布の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
下記の特定実施形態によって、上記図面を参照しながらさらに本出願を説明する。
【0026】
以下、図面を参照しながら本出願の内容をより網羅的に説明する。図面には、本出願の例示的な実施例だけが示されている。ただし、本出願はさまざまな別の形態で実施してもよく、ここで説明する例示的な実施例に制限されると理解すべきではない。これらの例示的な実施例は、本出願をより明確かつ完全にし、本出願の範囲を当業者に十分に伝えるために提供されるものである。類似する図面の符号は同一又は類似のアセンブリを表す。
【0027】
本明細書で使用されている用語は特定の例示的な実施例を説明する目的にのみ使用され、本出願を制限することを意図しない。本明細書で使用されるように、文脈から明らかに記載がない限り、単数形の「一」、「1つ」及び「該」は複数形も含む。さらに、本明細書で使用される場合、整数、ステップ、操作、アセンブリ及び/又はアセンブリを「含む」及び/又は「備える」又は「含む」及び/又は「含む」又は「有する」及び/又は「有する」と、1つ又は複数のほかの特徴、領域、整数、ステップ、操作、アセンブリ、アセンブリ及び/又はこれらの組み合わせが存在又は添加される場合を排除しない。
【0028】
別途定義ない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学用語)は、当業者の通常の理解と同じ定義を有する。さらに、ここで明確に定義しない限り、例えば一般辞書で定義されている用語は、関連技術や本出願の内容におけるその定義と同じ定義を有すると解釈すべきであり、理想的又は必要以上に形式的な定義と解釈しない。
【0029】
以下の内容では、図面を参照しながら例示的な実施例を説明する。なお、図面を参照して作成するアセンブリは必ずしも実際のスケールで表示されるわけではなく、同一又は類似のアセンブリには同一又は類似の図面の符号又は類似の技術用語を付する。
【0030】
以下、図面を参照しながら、本出願の特定実施形態をさらに詳細に説明する。
【0031】
図1~
図8に示すように、本出願は電池モジュール1を提供し、電池モジュール1はセルアセンブリ19を含む。
【0032】
図3に示すように、セルアセンブリ19は積層設置された複数のセル190を含み、各セル190は、片状のセル本体部191及びタブ192を含み、複数のセル本体部191はセル本体部191の厚さ方向に積層設置される。一実施例において、セル190同士の間にフォームが設置されてもよく、2つのセルアセンブリ19は積層設置されて容量のより大きなセル全体とすることができ、隣接する2つのセルアセンブリ19の間に加圧フォームが設置されてもよい。
【0033】
一実施例において、電池モジュール1はセル190の厚さ方向に沿ってセルアセンブリ19を取り囲む固定テープ12をさらに含み、本実施例では、固定テープ12は絶縁構造をさらに含み、該絶縁構造は少なくとも固定テープ12とセルアセンブリ19との間に設置され、それにより、固定テープ12の加圧過程に生じるセルアセンブリ19の短絡を回避する。
【0034】
一実施例において、
図1~
図3に示すように、電池モジュール1はハウジング10をさらに含み、ハウジング10はケース11、エンドプレート13、前蓋14及び制御回路15を含み、ケース11は固定テープ12とセルアセンブリ19との間に設置される。
【0035】
一実施例において、ハウジング10は複数のユニットを組み合わせたものであってもよく、ケース11は前蓋14に接続される。一実施例において、ケース11は一体化構造としてもよく、別の実施例では、ケース11は複数のブラケットを積層してなるものであってもよい。本実施例では、ハウジング10は複数のユニットを組み合わせたものであり、ケース11は前蓋14に接続され、ケース11は一体化構造としてもよい。
【0036】
セルアセンブリ19はケース11の内部に設置され、固定テープ12はケース11の外側に周設され、エンドプレート13はケース11の外面に設置され、前蓋14はケース11の外側に係合され、制御回路15はケース11と前蓋14との間に設置される。
【0037】
図1、
図2、
図4に示すように、一実施例において、ケース11は略六面体構造であり、第1の表面111、第2の表面112、第3の表面113、第4の表面114、第5の表面115及び第6の表面116を含む。第1の表面111と第2の表面112は対向設置される。第3の表面113と第4の表面114は対向設置される。第5の表面115と第6の表面116は対向設置される。ケース11は第1のサブケース118及び第2のサブケース119をさらに含み、第1のサブケース118及び第2のサブケース119は係合されてケース11となり、第1のサブケース118と第2のサブケース119との係合面117により第3の表面113、第4の表面114、第5の表面115及び第6の表面116が分割される。第1の表面111は第1のサブケース118に設置され、第2の表面112は第2のサブケース119に設置される。
【0038】
一実施例において、第1の表面111及び第2の表面112は、セル本体部191の長さと高さ(厚さ)により囲まれた面に相当し、第3の表面113及び第4の表面114はセル本体部191の長さと幅により囲まれた面に相当し、第5の表面115及び第6の表面116はセル本体部191の幅と高さ(厚さ)により囲まれた面に相当する。
【0039】
図5及び
図6に示すように、ケース11の外面に溝16が形成され、溝16は、ケース11の外面がケース11の内部へ窪んでなるものであり、
図2及び
図3に示すように、一実施例において、溝16は第1の表面111及び第2の表面112に形成される。溝16は第1のサブ溝161、第2のサブ溝162、第3のサブ溝163及び第4のサブ溝164を含む。第1のサブ溝161及び第2のサブ溝162は第1の表面111に形成され、第3のサブ溝163及び第4のサブ溝164は第2の表面112に形成される。
【0040】
固定テープ12はセル本体部191の厚さ方向(即ち、複数のセル190の積層方向)に沿ってケース11の外側に周設され、固定テープ12はケース11へ圧力を印加することでケース11及びセルアセンブリ19を固定し、また、固定テープ12はセルアセンブリ19と接触せず、それにより、加圧過程に生じるセルアセンブリ19の破損やセルアセンブリ19の短絡を回避する。固定テープ12のうちケース11との接触部分が溝16内に設置され、溝16は固定テープ12の位置を限定し、電池モジュール1の膨張に起因する固定テープ12の変位や脱離を回避する。
【0041】
一実施例において、固定テープ12はスチールベルトであってもよく、いくつかの場合、前記スチールベルトの外部に絶縁構造が設置されていてもよく、該絶縁構造は前記スチールベルトの表面に被覆され得る。
【0042】
図4に示すように、各固定テープ12はテープ本体120及び少なくとも1つの圧力調整ユニット123を含み、圧力調整ユニット123はテープ本体120に可動に接続されてテープ本体120を環状構造とし、固定テープ12がケース11を押圧する圧力を調整することに用いられる。本実施例では、圧力調整ユニット123は、ナット及びネジと連携する緩み調整ユニットであってもよく、ネジを締め付けたときのトルクを調整することにより、ケース11に対する固定テープ初期予備圧力を調整し、ネジはM5、M6、M8のモデルとしてもよく、締め付けるときにネジの受けるトルクは1.5NM~50NMの範囲であると推定される。本実施例では、固定テープ12はスチールベルトを含む。
【0043】
別の実施例では、圧力調整ユニット123は別のタイプの調整ユニットも含む。一実施例において、固定テープ12に与える圧力調整ユニット123のトルクの範囲は1.5NM~50NMとしてもよく、トルクが小さすぎると(例えば、1.5NM未満)、固定テープ12が緩んでしまい、セルアセンブリ19が膨張した場合に圧力を提供できず、トルクが大きすぎると(例えば、50NM超)、固定テープ12の締め付け構造が破壊されて、構造が故障する恐れがある。
【0044】
図7に示すように、一実施例において、固定テープ12は帯状であってもよく、間隔を置いて設置された第1の調整部125及び第2の調整部126をさらに含み、第1の調整部125及び第2の調整部126はテープ本体120の両端に位置する。
図7に示すように、一実施例において、圧力調整ユニット123は、第1の調整部125及び第2の調整部126に可動に接続され、第1の調整部125と第2の調整部126との間の距離を調整することでケース11に対する固定テープ12の圧力を調整する。別の実施例では、1つの固定テープ12は、独立した2本サブテープを両端で2つの異なる圧力調整ユニット123により接続したものでもよい。
【0045】
一実施例において、固定テープ12の数は2本であり、各固定テープ12は第1の表面111、第2の表面112、第3の表面113及び第4の表面114に周設される。2本の固定テープ12は間隔を置いて設置され、それぞれ電池モジュール1の両側に設置されてもよく、該構造は、電池モジュール1へバランスのよい支持圧力を提供できる。一方の固定テープ12は第1のサブ溝161及び第3のサブ溝163内に設置され、他方の固定テープ12は第2のサブ溝162及び第4のサブ溝164内に設置される。別の実施例では、固定テープ12の数は2本よりも多くてもよく、複数の固定テープ12は、接触してもよく、例えば交差しており、さらに互いに垂直にしてもよい。
【0046】
一実施例において、2本の固定テープ12はそれぞれ第1の固定テープ121及び第2の固定テープ122であり、第1の固定テープ121及び第2の固定テープ122は同じ構造を持ってもよい。セル本体部191は第1の端193及び第2の端194を含み、第1の端193と第2の端194は、セル本体部191の対向する両側に設置され、第1の端193及び第2の端194は、それぞれセル190の厚さと幅に対応する端面に対応してもよい。
【0047】
一実施例において、電池モジュール1が初期状態にあるとき、前記初期状態は、電池モジュール1が製造された後から、実際に使用されるまでの期間の状態を含み、この状態にある電池モジュール1のセルアセンブリ19は膨張しておらず、ケース11に対する固定テープ12の圧力値の範囲は0kgf~100kgfであり、ケース11に対する固定テープ12の初期圧力は小さく、電池モジュール1のセルアセンブリ19の充放電サイクルが始まると、電池モジュール1は膨張し、ケース11に対する固定テープ12の圧力はそれに伴い増大し、セルのサイクル特性が向上する。固定テープ12の横断面の全面積は60mm2以上であり、一実施例において、固定テープ12のテープ本体120の横断面は長さ19mm、幅0.8mmの矩形であり、4つの固定テープ12の横断面積の和は60mm2よりも大きい。別の実施例では、固定テープ12は円柱状など他の形状であってもよい。
【0048】
一実施例において、
図8に示すように、第1の固定テープ121は第1の端193寄りに設置され、第2の固定テープ122は第2の端194寄りに設置される。セル190の長手方向に沿って、セルアセンブリ19を取り囲む第1の固定テープ121は、セル本体部191の長手方向に沿った投影位置が、セル本体部191の第1の端193からの距離がL/4以下、さらに2L/25以上であり、セルアセンブリ19を取り囲む第2の固定テープ122は、セル本体部191長手方向に沿った投影位置が、セル本体部191の第2の端194からの距離がL/4以下、さらに2L/25以上である。ここで、Lはセル本体部191の長さである。一実施例において、第1の固定テープ121と第2の固定テープ122は対称に設置されてもよく、具体的には、第1の固定テープ121と第2の固定テープ122は、複数のセル190の同一側での長さに対応する辺の中点の連結線を対称軸として対称設置され得る。
【0049】
一実施例において、セル本体部191の長手方向に沿った固定テープ12の投影の中点又は中線又は同側の側辺を、セル本体部191の第1の端193又は第2の端194からのこの投影の長さを計算するベースポイント又はベースラインとすることができる。
【0050】
一実施例において、固定テープ12を収納する溝16は固定テープ12の配置位置に応じて設置できる。
【0051】
エンドプレート13は固定テープ12とセルアセンブリ19との間に設置され、セル190の長手方向に沿った固定テープ12の投影の、第1の端193又は第2の端194からの距離が異なる位置にある場合、充放電サイクルに起因するセルアセンブリ19の膨張により起こるエンドプレート13の変形程度の分布を
図9~
図11所に模式的に示す。
【0052】
図9には、電池モジュール1においてセル190の長手方向に沿った第1の固定テープ121の投影が第1の端193からL/4よりも大きく離れ、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影が、第2の端194よりもL/4大きく離れた場合のエンドプレート13の変形程度の分布の模式図が示されており、本実施例では、第1の固定テープ121は、セル190の長手方向に沿った投影が、第1の端193から離れた長さが、例えばL/3であってもよく、第2の固定テープ122は、セル190の長手方向に沿った投影が、第2の端194から離れた長さが、例えばL/3であってもよい。エンドプレート13は、変形程度に応じて3つの領域に分けられ、第2の変形エリア212はエンドプレート13の中央部の狭い領域及びエンドプレート13の両側縁部に分布し、第5の変形エリア222及び第8の変形エリア232は第2の変形エリア212で2つの部分に分割され、第5の変形エリア222及び第8の変形エリア232は、それぞれエンドプレート13の上下両側の外縁に向かうにしたがって順次変化し、且つ素早く小さくなる。第2の変形エリア212の変形程度は第5の変形エリア222の変形程度より大きく、第5の変形エリア222の変形程度は第8の変形エリア232の変形程度より大きい。具体的には、セル190の厚さ範囲は9~20mm(例えば13mm)であってもよく、セル190の幅の範囲は122~142mmであってもよく、セル190の長さ範囲は265~360mm(例えば360mm)であってもよい。エンドプレート13の厚さ方向に沿って、圧力負荷が5KNである場合、第2の変形エリア212の最大変形量の範囲はδ=5mm~6mm(両端の最大変形の値はδmax=5.506mmであってもよい)であってもよく、第5の変形エリア222の最大変形量の範囲はδ=3mm~4mm(具体的にはδmax=3.75mm)であってもよく、第8の変形エリア232の最大変形量の範囲はδ=1mm~2mm(具体的にはδmax=1.875mm)であってもよい。エンドプレート13の変形程度の分布は不均一である。エンドプレート13の両端は変形程度が大きく、エンドプレート13の両端の圧力は大きく、エンドプレート13は、受ける圧力の分布が不均一であり、反りが発生し、そのため、セルアセンブリ19の受ける圧力分布も不均一である。
【0053】
図10には、電池モジュール1において固定テープ12がセル本体部191(
図8を参照)に近い一端に設置された場合のエンドプレート13の変形程度の分布の模式図が示されており、第1の端193に対する第1の固定テープ121の距離については、セル190の長手方向に沿った第1の固定テープ121の投影の、第1の端193からの距離が2L/25未満(例えばL/28)であってもよく、第2の端194に対する第2の固定テープ122の距離については、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影の、第2の端194からの距離が2L/25未満(例えばL/28)であってもよい。エンドプレート13は、変形程度に応じて3つの領域に分けられ、第3の変形エリア213はエンドプレート13の中央部の領域に分布し、第6の変形エリア223及び第9の変形エリア233は第3の変形エリア213からエンドプレート13の外縁に向かうに従って変化している。第3の変形エリア213の変形程度は第6の変形エリア223の変形程度より大きく、第6の変形エリア223の変形程度は第9の変形エリア233の変形程度より大きい。具体的には、セル190の厚さ範囲は9~20mm(例えば13mm)であってもよく、セル190の幅範囲は122~142mmであってもよく、セル190の長さ範囲は265~360mm(例えば360mm)であってもよい。エンドプレート13の厚さ方向に沿って、圧力負荷が5KNである場合、第3の変形エリア213の最大変形量の範囲はδ=5mm~6mm(具体的にはδmax=5.941mm)であってもよく、第6の変形エリア223の最大変形量の範囲はδ=4mm~5mm(具体的にはδmax=4.375mm)であってもよく、第9の変形エリア233の最大変形量の範囲はδ=3mm~4mm(具体的にはδmax=3.125mm)であってもよい。エンドプレート13全体の変形程度は、中央部領域から外周領域に向かうに従って徐々に減少し、これにより、エンドプレート13全体の変形がほぼ均一に変化し、変化傾向は均一であり、このため、エンドプレート13の圧力分布も均一である。
図9に示す実施形態に比べて、
図10に示す実施形態では、エンドプレート13は、受ける圧力の分布が均一であり、反りや破損がない。このため、セルアセンブリ19の受ける圧力分布も均一である。
【0054】
本実施例では、固定テープ12の数は2本であり、2本の固定テープ12はそれぞれ両側に設置される。別の実施例では、固定テープ12の数は3本であり、そのうち、2本の固定テープ12は両側に設置され、1本の固定テープ12は中央部領域に設置され、さらにエンドプレート13の中心点を被覆して、エンドプレート13の圧力分布をより均一にしてもよい。
【0055】
図11には、電池モジュール1において、第1の固定テープ121のセル190の長手方向に沿った投影の、第1の端193からの距離が、2L/25以上、L/4以下であり、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影の、第2の端194からの距離が2L/25以上、L/4以下である場合のエンドプレート13の変形程度の分布の模式図が示されており、本実施例では、セル190の長手方向に沿った第1の固定テープ121の投影は、第1の端193からの距離がL/6であってもよく、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影は、第2の端194からの距離がL/6であってもよい。エンドプレート13は、変形程度に応じて3つの領域に分けられ、第1の変形エリア211はエンドプレート13の中央部領域に分布し、第4の変形エリア221及び第7の変形エリア231は第1の変形エリア211からエンドプレート13の外縁に向かうに従って変化している。第1の変形エリア211の変形程度は第4の変形エリア221の変形程度より大きく、第4の変形エリア221の変形程度は第7の変形エリア231の変形程度より大きい。具体的には、セル190の厚さ範囲は9~20mm(例えば13mm)であってもよく、セル190の幅範囲は122~142mmであってもよく、セル190の長さ範囲は265~360mm(例えば360mm)であってもよい。エンドプレート13の厚さ方向に沿って、圧力負荷が5KNである場合、第1の変形エリア211の最大変形量の範囲はδ=5mm~6mm(具体的にはδmax=5.687mm)であってもよく、第4の変形エリア221の最大変形量の範囲はδ=4mm~5mm(具体的にはδmax=4.375mm)であってもよく、第7の変形エリア231の最大変形量の範囲はδ=3mm~4mm(具体的にはδmax=3.75mm)であってもよい。
図9及び
図10に示す実施形態に比べて、
図11に示す実施形態では、エンドプレート13の変形程度の分布がより均一であり、即ち、エンドプレート13で受ける圧力はより均一である。このため、セルアセンブリ19の受ける圧力の分布は均一である。
【0056】
エンドプレート13の変形程度とエンドプレート13の受ける圧力とは正の相関を示し、エンドプレート13の受ける圧力とセルアセンブリ19の受ける圧力とも正の相関を示す。
図9から分かるように、電池モジュール1において、セル190の長手方向に沿った第1の固定テープ121の投影の、第1の端193からの距離がL/4より大きく、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影の、第2の端194からの距離がL/4より大きい場合、エンドプレート13の中央部の狭い領域及びエンドプレート13の両側縁部領域は変形程度が大きく、エンドプレート13の両側縁部は変形程度が大きすぎ、残りの両側領域縁は変形程度が小さすぎ、このため、エンドプレート13全体の受ける圧力は明らかに不均一であり、セルアセンブリ19の受ける圧力の分布は明らかに不均一である。
図10から分かるように、固定テープ12がセル本体部191(
図8を参照)に近い一端に設置された場合、第1の端193に対する第1の固定テープ121の距離については、セル190の長手方向に沿った第1の固定テープ121の投影の、第1の端193からの距離が2L/25未満であり、第2の端194に対する第2の固定テープ122の距離については、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影の、第2の端194からの距離が2L/25未満であり、エンドプレート13の中央部領域は変形程度が適切であり、縁部領域は変形程度の分布が均一であり、これにより、エンドプレート13全体の受ける圧力は均一であり、セルアセンブリ19の受ける圧力の分布は均一である。
図11から分かるように、セル190に沿う長手方向に沿った第1の固定テープ121の投影の、第1の端193からの距離が2L/25以上、L/4以下であり、セル190の長手方向に沿った第2の固定テープ122の投影の、第2の端194からの距離が2L/25以上、L/4以下である場合、エンドプレート13の中央部は変形程度が大きく、高変形を示す領域の面積が適切であり、エンドプレート13の変形程度は中央部から外周領域に向かうに従って合理的に順次減少し、
図10に示す実施形態に比べて、
図11に示す実施形態では、エンドプレート13の受ける圧力はより均一であり、セルアセンブリ19の受ける圧力分布もより均一である。
【0057】
一実施例において、セルアセンブリ19と固定テープ12との間にエンドプレート13が設置されなくてもよく、この実施形態では、前述のように
図9~
図11に示す変形程度、圧力分布及び変化傾向は、セルアセンブリ19の最外側のセル190の変形程度、圧力分布及び変化傾向に対応する。即ち、
図9及び
図10に示す実施形態では、セルアセンブリ19の最外側のセル190での圧力分布は均一であり、
図11に示す実施形態では、セルアセンブリ19の最外側のセル190での圧力分布は均一である。
【0058】
エンドプレート13は、セル190の積層方向に沿って固定テープ12とケース11の最外側との間に設置され、エンドプレート13は第3の表面113及び第4の表面114と接触する。
【0059】
一実施例において、エンドプレート13の材料は金属、例えばアルミであり得、ケース11の材料は絶縁材質、例えば絶縁プラスチックであり得る。エンドプレート13はケース11の一側に設置されると、固定テープ12による加圧過程に生じるケース11の破損を回避できる。
【0060】
図3に示すように、ケース11は少なくとも2つの収容溝18をさらに含み、少なくとも2つの収容溝18は第3の表面113及び第4の表面114に形成される。一実施例において、収容溝18はそれぞれ第3の表面113及び第4の表面114がケース11の内部へ窪んでなるものであり、エンドプレート13は収容溝18内に設置される。圧力調整ユニット123はケース11から離れたエンドプレート13の一方の側に設置される。
【0061】
一実施例において、収容溝18は第1の副溝181及び第2の副溝182を含み、第1の副溝181は第1のサブケース118に設置され、第2の副溝182は第2のサブケース119に設置される。
【0062】
ケース11の内部に装着溝17が設置され、セルアセンブリ19の少なくとも一部は装着溝17内に設置される。一実施例において、装着溝17の数は複数であり、1つの装着溝17は1つのセル本体部191に対応しており、セル190は装着溝17に配置された接着剤でケース11に固定され得る。
【0063】
以上、図面を参照しながら本出願の特定の実施形態を説明した。ただし、当業者にとって自明なように、本出願の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本出願の具体的な実施形態についてさまざまな変更や置換を行ってもよい。
【符号の説明】
【0064】
電池モジュール1
ハウジング10
ケース11
第1の表面111
第2の表面112
第3の表面113
第4の表面114
第5の表面115
第6の表面116
係合面117
第1のサブケース118
第2のサブケース119
固定テープ12
第1の固定テープ121
第2の固定テープ122
テープ本体 120
第1の調整部125
第2の調整部126
圧力調整ユニット123
エンドプレート13
前蓋14
制御回路15
溝16
第1のサブ溝161
第2のサブ溝162
第3のサブ溝163
第4のサブ溝164
装着溝17
収容溝18
第1の副溝181
第2の副溝182
セルアセンブリ19
セル190
セル本体部191
第1の端193
第2の端194
タブ192
第1の変形エリア211
第2の変形エリア212
第3の変形エリア213
第4の変形エリア221
第5の変形エリア222
第6の変形エリア223
第7の変形エリア231
第8の変形エリア232
第9の変形エリア233