(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ロードバランシングの実現方法、集中型制御ノード及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 28/08 20230101AFI20240209BHJP
H04W 36/22 20090101ALI20240209BHJP
H04W 24/00 20090101ALI20240209BHJP
H04W 88/12 20090101ALI20240209BHJP
【FI】
H04W28/08
H04W36/22
H04W24/00
H04W88/12
(21)【出願番号】P 2021529304
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2019119859
(87)【国際公開番号】W WO2020103890
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】201811408446.2
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンラン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,チャオ
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-259046(JP,A)
【文献】特開2008-270919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0031360(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局に接続される集中型制御ノードに適用される、ロードバランシングの実現方法であって、
バランシング対象のセルを決定するステップと、
前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するユーザ機器UEの数を決定するステップと、
前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を、前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送するステップと、を含
み、
前記ロードバランシング命令を、前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送する前記ステップの後に、
前記バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率を取得するステップと、
前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するステップと、をさらに含む、ロードバランシングの実現方法。
【請求項2】
前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップは、
前記複数の基地局によって伝送されたセル情報を取得するステップと、
前記複数の基地局に属する複数のセルのロードを取得するステップと、
前記複数のセルのロード及び前記セル情報に基づいて、前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のセルのロード及び前記セル情報に基づいて、前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップは、
前記複数のセルのロードに基づいて、前記複数の基地局に属するセルから、ロードが閾値以上の少なくとも1つのターゲットセルを決定するステップと、
前記セル情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットセルの隣接セルを決定するステップと、
前記少なくとも1つのターゲットセルから、ロードが前記閾値未満の隣接セルの存在するターゲットセルを、前記バランシング対象のセルとして選択するステップと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、
前記バランシング対象のセルのロードに基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定するステップをさらに含み、
前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定する前記ステップは、
前記UEの総数に基づいて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルの各々に遷移するUEの数を決定するステップを含み、
前記バランシング対象のセルのロードに基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定する前記ステップは、
前記バランシング対象のセルのロード、及び予め設定されたセルのロードと、UEの遷移数との間の対応関係に基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定するステップを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのターゲットセルの隣接セルを決定する前記ステップの後に、
前記ターゲットセルと前記ターゲットセルの各隣接セルとの間の重複度を取得するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つのターゲットセルから、ロードが前記閾値未満の隣接セルの存在するターゲットセルを、前記バランシング対象のセルとして選択する前記ステップは、
隣接セルのロードが前記閾値未満であり、且つ隣接セルと前記ターゲットセルとの重複度が第1の所定の限界値よりも大きい条件を満たす隣接セルが存在するターゲットセルを、前記少なくとも1つのターゲットセルから、前記バランシング対象のセルとして選択するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、
前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルのロードを取得するステップと、
前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満の隣接セルを、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、
前記バランシング対象のセルと前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルの各々との間の重複度を取得するステップをさらに含み、
前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満の隣接セルを、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択する前記ステップは、
前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが前記設定された閾値未満であり、且つ前記バランシング対象のセルとの重複度が第2の所定の限界値よりも大きい隣接セルを、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、
前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルのロードに基づいて、前記利用可能な隣接セルの残ベアリング容量を決定するステップをさらに含み、
前記UEの総数に基づいて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルの各々に遷移するUEの数を決定する前記ステップは、
前記バランシング対象のセルのいずれか1つの利用可能な隣接セルに対して、前記UEの総数、前記利用可能な隣接セルの残ベアリング容量及び前記利用可能な隣接セルの残ベアリング容量が前記バランシング対象のセルの全ての利用可能な隣接セルの残ベアリング容量合計に占める割合に基づいて、前記利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、
前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに、異周波数の隣接セルが存在するか否かを決定するステップと、
前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに、異周波数の隣接セルが存在する場合、
前記バランシング対象のセルにおける、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数を取得する動作と、
前記異周波数の隣接セルに遷移しようとするUEの数を取得する動作と、
前記バランシング対象のセルにおける、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数、及び前記異周波数の隣接セルに遷移しようとするUEの数のうち小さい方を、前記バランシング対象のセルから前記異周波数の隣接セルに遷移するUEの数とする動作と、を実行するステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定する前記ステップは、
前記特定の利用可能な隣接セルの残ベアリング容量と前記成功率との積である前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量を取得するステップと、
前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数、及び前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量が修正総ベアリング容量に占める割合に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するステップと、を含み、
前記修正総ベアリング容量は、前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量と、前記バランシング対象のセルのうち、前記特定の利用可能な隣接セル以外の全ての利用可能な隣接セルの残ベアリング容量との合計である、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
集中型制御ノードに接続される基地局に適用される、ロードバランシングの実現方法であって、
前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するユーザ機器UEの数が含まれるロードバランシング命令であって、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信するステップであって、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移するステップと、を含
み、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移するステップの後に、
前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記集中型制御ノードが、前記バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するように、前記集中型制御ノードに前記成功率を報告するステップ、をさらに含む、ロードバランシングの実現方法。
【請求項12】
前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信する前記ステップの前に、
前記集中型制御ノードにセル情報を伝送するステップをさらに含むか、又は、
前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移する前記ステップの後に、
UE遷移の実行結果を前記集中型制御ノードに伝送するステップをさらに含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項13】
複数の基地局に接続される集中型制御ノードであって、
バランシング対象のセルを決定し、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するユーザ機器UEの数を決定するように構成された処理モジュールと、
前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を、前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送するように構成された伝送モジュールと、を含
み、
前記伝送モジュールが前記ロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送した後に、前記バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率を取得するように構成され、
前記処理モジュールは、前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定することにさらに使用される、集中型制御ノード。
【請求項14】
集中型制御ノードに接続される基地局であって、
前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するユーザ機器UEの数が含まれるロードバランシング命令であって、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信するように構成された受信モジュールと、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移するように構成された処理モジュールと、を含
み、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移した後に、前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記集中型制御ノードが、前記バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するように、前記集中型制御ノードに前記成功率を報告するようにさらに構成されている、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年11月23日に中国特許庁に提出された、出願番号が201811408446.2である中国特許出願について優先権を主張し、その内容の全てが本願の一部として援用される。
【0002】
本願は、通信分野に関し、例えば、ロードバランシングの実現方法、集中型制御ノード、基地局及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの場合(例えば、体育館及びコンサートなどの場合)、複数のユーザが通信サービスを集中して要求する場合が存在する。この場合、トラヒック量が激増してしまい、さらに、非常に短い時間内にロードが急に上がったり、急に下がったりしてしまう。従って、ロードバランシングを実現できる方法を必要とする。
【0004】
関連技術では、ロードバランシングを実現する際、ロードを複数のセルから同じターゲットセルにバランシングする状況が発生し、これにより、ターゲットセルは、ロードが高すぎてしまうため、ロードバランシングの効果が好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、関連技術でロードバランシングの効果が好ましくないという問題を解決するために、ロードバランシングの実現方法、集中型制御ノード、基地局及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例では、本願の実施例は、複数の基地局に接続される集中型制御ノードに適用される、ロードバランシングの実現方法を提供し、前記方法は、
バランシング対象のセルを決定するステップと、
前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定するステップと、
前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送するステップと、を含む。
【0007】
一実施例では、本願の実施例は、集中型制御ノードに接続される基地局に適用される、ロードバランシングの実現方法を提供し、前記方法は、
前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令であって、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信するステップと、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移するステップと、を含む。
【0008】
一実施例では、本願の実施例は、複数の基地局に接続される集中型制御ノードを提供し、前記集中型制御ノードは、
バランシング対象のセルを決定し、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定するように構成された処理モジュールと、
前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送するように構成された伝送モジュールと、を含む。
【0009】
一実施例では、本願の実施例は、集中型制御ノードに接続される基地局を提供し、前記基地局は、
前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令であって、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信するように構成された受信モジュールと、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移するように構成された処理モジュールと、を含む。
【0010】
一実施例では、本願の実施例は、集中型制御ノードを提供し、前記集中型制御ノードは、メモリとプロセッサと、を含み、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記方法を実現する。
【0011】
一実施例では、本願の実施例は、基地局を提供し、前記基地局は、メモリとプロセッサと、を含み、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記方法を実現する。
【0012】
一実施例では、本願の実施例は、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記方法を実現する。
【0013】
一実施例では、本願の実施例は、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行されると、前記方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願の実施例に係るロードバランシングを実現するシステムのアーキテクチャ図である。
【
図2】本願の実施例に係る基地局と集中型制御ノードとの間に接続を作成する模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る基地局が構成更新を開始する模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る集中型制御ノードが構成更新を開始する模式図である。
【
図5】本願の実施例に係るロードバランシングの実現方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例に係るロードバランシングを実現する別の方法のフローチャートである。
【
図7】本願の実施例に係るロードバランシングを実現するさらに別の方法の模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る集中型制御ノードの構造ブロック図である。
【
図10】本願の実施例に係る基地局の構造ブロック図である。
【
図11】本願の実施例に係る別の集中型制御ノードの模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る別の基地局の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の実施例及び対応する図面を参照しながら、本願の技術的解決手段について説明する。説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。
【0016】
本願の実施例に係るロードバランシングの実現方法は、基地局及び集中型制御ノード(Centralized Control Node、CCNode)に係るものである。基地局は、複数の異なる種類及び/又は形態の基地局であり、例えば、進化型基地局(Evolved Node B、eNB)などであってもよい。集中型制御ノードは、ロードを集中制御するためのノードであってもよい。集中型制御ノードは、複数の基地局に接続され、例えばXtインタフェースを介して接続されてもよい。
【0017】
本願の実施例では、1つのユーザ機器(User Equipment、UE)の数が多い領域(例えば、体育館など)に1つの集中型制御ノードを設け、異なる領域に設けられた集中型制御ノードは、お互いに影響することなく、複数の集中型制御ノードは、同じ動作メンテナンス管理ノードによって管理されてもよい。複数の基地局セル間のロードバランシングを実現するように、集中型制御ノードは、領域内の複数の基地局とインタラクションしてもよい。
【0018】
図1は、本願の実施例に係るロードバランシングを実現するシステムのアーキテクチャ図である。
図1を参照すると、本願の実施例に係るロードバランシングのシステムは、複数のeNB及び少なくとも1つの集中型制御ノードを設計することができる。複数のeNBの間は、X2インタフェースを介して接続されてもよく、基地局は、S1インタフェースを介してコアネットワークに接続されてもよく、集中型制御ノードは、Xtインタフェースを介して複数の基地局に接続されてもよい。また、集中型制御ノードは、さらに、動作メンテナンス管理ノードに接続されてもよい。
【0019】
図1に示すシステムアーキテクチャでは、各eNBは、セル情報を得ると、直接Xtインタフェースを介して集中型制御ノードにセル情報を伝送してもよく、このように、集中型制御ノードは、セル情報に基づいて、ロードバランシングをすべきバランシング対象のセルを決定してもよい。
【0020】
本願の実施例では、集中型制御ノードの作用は、機能する範囲内において、複数の基地局内の全てのセルがロードに関連するデータを報告する処理を行い、高速ロードバランシングを決定した後に、Xtインタフェースを介してeNBに発送し、eNBがロード決定タスクを実行すること、を含むことができる。集中型制御ノードは、動作メンテナンス管理ノードによって管理されてもよい。
【0021】
本願の実施例では、eNBの作用は、集中制御ポリシーと組み合わせて、高速ロードバランシングにおいてeNBが報告すべき情報(複数のセルのロード情報を含む)を報告することと、セルの全ての隣接セルの構成状況を報告すること(セルによりリアルタイムに記録されたセルの遷移成功率、及びセルにおける特定の周波数ポイントのオンラインUEの数などを報告することを含む)と、を含むことができる。
【0022】
本願の実施例では、Xtインタフェースは、eNBとeNBとの間のロード、及びセルに関連する構成情報の報告を行い、メッセージの発行を制御する。
【0023】
図2は、本願の実施例に係る基地局と集中型制御ノードとの間に接続を作成する模式図である。eNBと集中型制御ノードとが通信する前に、両者の間に通信接続を作成する。
図2を参照すると、eNBと集中型制御ノードとの間に通信接続を作成するプロセスは、1~3である。
【0024】
1.eNB及び集中型制御ノードに、それぞれ、相手端へのストリーム制御伝送プロトコルSCTP(Stream Control Transmission Protocol、SCTP)カップリングが設定された場合、eNBと集中型制御ノードとの間においてSCTPカップリング作成を行う。
【0025】
2.eNBと集中型制御ノードとの間のSCTPカップリングが作成されると、eNBは、集中型制御ノードにXt作成要求メッセージ(Xt SETUP REQUEST)を送信し、Xt接続を作成することを要求し、メッセージには、セル、隣接セルなど、集中型制御ノードにおける複数の機能に必要とされる情報が含まれる。
【0026】
3.集中型制御ノードは、Xt作成要求メッセージを受信した後に、該eNBとXt接続を作成できると判断すると、eNBにXt作成応答メッセージ(Xt SETUP RESPONSE)をフィードバックし、メッセージには、集中型制御ノードにおける複数の機能をオンにするか否かのポリシー情報が含まれる。上記プロセスが完了すると、eNBと集中型制御ノードとの間にXt接続が作成される。
【0027】
eNBと集中型制御ノードとの間にXt接続が作成された後に、Xt作成要求メッセージに含まれる情報送信が変更されると、集中型制御ノードに変更後の情報を送信する。
【0028】
図3は、本願の実施例に係る基地局が構成更新を開始する模式図である。
図3を参照すると、eNBは、Xt作成要求メッセージにおける情報が変更されたことを発見した場合、更新後の情報が含まれるXt構成更新メッセージ(例えば、Xt CONFIGURATION UPDATE)を集中型制御ノードに送信し、eNB側の構成を更新することを要求する。集中型制御ノードは、Xt構成更新メッセージを受信した後に、該eNBの構成更新を受け入れ可能であると判断した場合、eNBにXt更新確認メッセージ(Xt CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE)をフィードバックする。上記プロセスが完了すると、eNBと集中型制御ノードとの間のeNBXt構成は、更新される。
【0029】
本願の実施例では、集中型制御ノードは、構成更新を開始してもよい。
図4は、本願の実施例に係る集中型制御ノードが構成更新を開始する模式図である。
図4を参照すると、集中型制御ノードは、Xt作成応答メッセージにおける情報が変更されたことを発見した場合、eNBに、更新後の情報が含まれるXt構成更新メッセージ(Xt CONFIGURATION UPDATE)を送信し、集中型制御ノード側の構成を更新することを要求する。eNBは、Xt構成更新メッセージを受信した後に、該構成更新を受け入れ可能であると判断した場合、集中型制御ノードにXt構成更新確認メッセージ(Xt CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE)をフィードバックする。上記プロセスが完了すると、集中型制御ノードとeNBとの間のTR Xt構成は更新される。
【0030】
基地局と集中型制御ノードとの間に接続が作成されると、両者間のインタラクションによってロードバランシングを実現することができる。
【0031】
図5は、本願の実施例に係るロードバランシングの実現方法のフローチャートである。
図5に示すロードバランシングの実現方法は、集中型制御ノードによって実行されてもよい。
図5を参照すると、本願の実施例に係るロードバランシングの実現方法は、ステップ510~ステップ530を含むことができる。
【0032】
ステップ510において、バランシング対象のセルを決定する。
本願の実施例では、選択的に、バランシング対象のセルを決定する前記ステップ510は、前記複数の基地局によって伝送されたセル情報を取得するステップと、前記複数の基地局に属する複数のセルのロードを取得するステップと、複数のセルのロード及び前記セル情報に基づいて、バランシング対象のセルを決定するステップと、を含むことができる。
【0033】
基地局によって伝送されたセル情報は、複数の異なる情報を含むことができ、例えば、セルが位置する周波数ポイント、セルが属するeNB、セルの隣接セル、セルの識別子、セルと隣接セルとの間の重複度(degree of overlapping)、セルにおけるオンラインUEの数、セルにおけるオンラインUEのうち、異周波数の周波数ポイント(inter-frequency frequency points)をサポートするUEの数などの情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0034】
本願の実施例では、基地局は、複数のセルのロードを計算し、計算して得られた複数のセルのロードを集中型制御ノードに送信してもよい。基地局が、セルのロードに対する計算に関連するセル情報を集中型制御ノードに送信し、集中型制御ノードが、複数のセルのロードを計算してもよい。
【0035】
本願の実施例では、選択的に、複数のセルのロード及び前記セル情報に基づいて、バランシング対象のセルを決定する方法は、複数のセルのロードに基づいて、前記複数の基地局に属するセルから、ロードが閾値以上の少なくとも1つのターゲットセルを決定し、前記セル情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットセルの隣接セルを決定し、前記少なくとも1つのターゲットセルから、ロードが前記閾値未満の隣接セルの存在するターゲットセルをバランシング対象のセルとして選択することができる。条件を満たすターゲットセルのみを、バランシング対象のセルとすることが可能で、低いロードの隣接セルがないターゲットセルをベアリングすべきセル(バランシング対象のセルとも呼ばれる)とすることを回避し、それにより、良好なロードバランシング効果を実現し、セルハンドオーバの実行可能性を向上させる。
【0036】
本願の一実施例では、前記ターゲットセルの隣接セルを決定した後に、本願の実施例に係る方法は、前記ターゲットセルと前記ターゲットセルの各隣接セルとの間の重複度を取得するステップをさらに含むことができる。一実施例では、前記少なくとも1つのターゲットセルから、ロードが前記閾値未満の隣接セルの存在するターゲットセルをバランシング対象のセルとして選択するステップは、隣接セルのロードが前記閾値未満であり、且つ隣接セルと前記ターゲットセルとの重複度が第1の所定の限界値よりも大きい条件を満たす隣接セルが存在するターゲットセルを、前記少なくとも1つのターゲットセルから、バランシング対象のセルとして選択するステップを含むことができる。この2つの条件を満たすターゲットセルのみを、バランシング対象のセルとすることが可能で、低いロードの隣接セルがあるが、隣接セルがターゲットセルと重複していないターゲットセルを、ベアリングすべきセルとすることを回避することができ、それにより、良好なロードバランシング効果を実現し、且つセルハンドオーバの効率を向上させる。
【0037】
本願の実施例では、閾値は、必要に応じて設定されてもよく、例えば、0.7又は70%などに設定されてもよい。
【0038】
ステップ520において、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定する。
【0039】
本願の一実施例では、バランシング対象のセルを決定した後に、本願の実施例に係る方法は、前記バランシング対象のセルのロードに基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定するステップをさらに含むことができる。一実施例では、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定する前記ステップ520は、前記UEの総数に基づいて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルの各々に遷移するUEの数を決定するステップを含むことができる。
【0040】
本願の実施例では、セルのロードと、UEの遷移数との間の対応関係を予め設定してもよい。これに応じて、前記バランシング対象のセルのロードに基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定するステップの1つの可能な実施形態は、前記バランシング対象のセルのロード、及び予め設定されたセルのロードと、UEの遷移数との間の対応関係に基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定することであってもよい。
【0041】
ステップ530において、前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送する。
【0042】
バランシング対象のセルの属する基地局は、ロードバランシング命令を受信すると、セル遷移プロセスを開始することができる。
【0043】
本願の一実施例では、選択的に、前記バランシング対象のセルの属する基地局にロードバランシング命令を伝送するステップ530の後に、本願の実施例に係る方法は、前記バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率を取得するステップと、前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するステップと、をさらに含むことができる。このようにして、決定された、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数がより正確になるように確保することができる。
【0044】
選択的に、本願の一実施例では、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定する前記ステップは、前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量(modified bearing capacity)を取得するステップであって、前記修正ベアリング容量は、前記特定の利用可能な隣接セルの残ベアリング容量と前記成功率との積であるステップと、バランシング対象のセルから遷移するUEの総数、及び前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量が修正総ベアリング容量に占める割合に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するステップであって、前記修正総ベアリング容量は、前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量と、前記バランシング対象のセルのうち、前記特定の利用可能な隣接セル以外の全ての利用可能な隣接セルの残ベアリング容量との合計であるステップと、を含むことができる。このようにして、決定された、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数がより正確になるように確保することができる。
【0045】
本願の実施例では、集中型制御ノードは、複数の基地局に接続され、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0046】
本願の実施例では、選択的に、バランシング対象のセルを決定した後に、本願の実施例に係る方法は、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルのロードを取得するステップと、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満の隣接セルを、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するステップと、をさらに含むことができる。このようにして、有効で利用可能な隣接セルを迅速に選択することができる。
【0047】
本願の実施例では、利用可能な隣接セルを選択するプロセスにおいて、重複度を考慮することができる。選択的に、本願の一実施例では、バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、本願の実施例に係る方法は、前記バランシング対象のセルと前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルの各々との間の重複度を取得するステップをさらに含むことができる。一実施例では、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満の隣接セルを、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するステップは、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満であり、且つ前記バランシング対象のセルとの重複度が第2の所定の限界値よりも大きい隣接セルを前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するステップを含むことができる。このようにして、有効で利用可能な隣接セルを迅速に選択することができ、選択された利用可能な隣接セルが高いロードバランシング効果及びセルハンドオーバ効率を有することを確保することができる。
【0048】
本願の実施例では、バランシング対象のセルを決定するとともに、バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルを得た場合、選択的に、本願の一実施例では、本願の実施例に係る方法は、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルのロードに基づいて、前記利用可能な隣接セルの残ベアリング容量を決定するステップをさらに含む。一実施例では、前記UEの総数に基づいて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルの各々に遷移するUEの数を決定するステップは、前記バランシング対象のセルのいずれか1つの利用可能な隣接セルに対して、前記UEの総数、及び該利用可能な隣接セルの残ベアリング容量が前記バランシング対象のセルの全ての利用可能な隣接セルの残ベアリング容量合計に占める割合に基づいて、該利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するステップを含む。
【0049】
以上の方法は、同一周波数の場合に適用することができ、この場合、該利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数は、ステップ520で前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数であり得る。
【0050】
異周波数の場合、本願の実施例に係る方法は、処理することができる。本願の一実施例では、バランシング対象のセルを決定する前記ステップの後に、本願の実施例に係る方法は、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに、異周波数の隣接セルが存在するか否かを決定するステップと、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに、異周波数の隣接セルが存在する場合、前記バランシング対象のセルにおける、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数を取得する動作と、前記異周波数の隣接セルに遷移しようとするUEの数を取得する動作と、前記バランシング対象のセルにおける、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数、及び前記異周波数の隣接セルに遷移しようとするUEの数のうち小さい方を、前記バランシング対象のセルから前記異周波数の隣接セルに遷移するUEの数とする動作と、を実行するステップと、をさらに含む。
【0051】
本願の実施例では、CCNodeは、eNBによって報告された複数のセルの相関情報を受信すると、高速アルゴリズムに基づいて、1~4の動作を行うことができる。
【0052】
1.該セルのロードが所定の限界値以上である条件1)と、該セルが所定数を満たす低いロードの隣接セルを有する(すなわち、該セルのロードより所定値だけ低い隣接セルが存在する)条件2)とに従って、全ての報告されたセルから、バランシング対象のセルを選択する。
【0053】
2.バランシングする必要性が最も高いセルを順に確認する。
一般的に、バランシング対象のセルをロードに従ってソートし、ロードが最も高いセルを、バランシング処理の必要性が最も高いセルとする。
【0054】
3.バランシング対象のセルの各々から、条件を満たす各隣接セルに、対応する数のUEを遷移する。
1)ロード量に基づいて、所定の限界値に応じて、低、中、高、又は、1、2、3、4などのレベルに分け、各レベルは、予め設定されたUEの遷移数に対応する。
2)残容量が所定値よりも大きい全て又は所定数の隣接セルを選択し、及び各隣接セルの残容量がこれらの選択された隣接セルの合計残容量に占める割合に基づいて、本セルのレベルに対応する遷移すべきUEの数を割り当てる。
3)該セルの異周波数の隣接セルが存在する場合、異周波数の隣接セルに遷移する可能性があるため、該セルによって報告された、異周波数の周波数ポイントをサポートする全てのUEの数を組み合わせることで、以上のステップで割り当てられたUEの遷移数を調整することができる。
【0055】
4.UEの遷移数に対して、リアルタイム且つインタラクティブに修正する。
UEの遷移数に対するリアルタイム且つインタラクティブな修正は、1)、及び2)の場合を含むことができる。
【0056】
1)eNBは、複数のセルの隣接セル情報(同一周波数又は異周波数)をリアルタイム又は周期的に報告し、複数のセルのオンラインUEのうち、異周波数の隣接セルの周波数ポイントをサポートするUEの数を報告する。
【0057】
上記情報を取得した後に、CCNodeは、A及びBを行う。
A.該セルの各異周波数の隣接セルの残容量が該セルの全ての異周波数の隣接セルの合計に占める割合に基づいて、セルのオンラインUEのうち、異周波数の隣接セルの周波数ポイントをサポートするUEの数を割り当て、該バランシングセルから複数の異周波数の隣接セルに遷移可能なUEの数を取得する。
B.予め決定された、該セルから特定の異周波数の隣接セルに遷移するUEの数と、Aで計算された、該異周波数の隣接セルに遷移可能なUEの数とを比較し、両者のうち、小さい方を取る。
【0058】
2)eNBは、複数のセル、及び各セルの複数の隣接セルからUEを遷移するハンドオーバ成功率をリアルタイム又は周期的に報告する。
CCNodeは、各セルと隣接セルとの実際のハンドオーバ成功率に基づいて、次回に該隣接セルに遷移しようとするUEの数を修正する。
例えば、セルと特定の隣接セルとのハンドオーバ成功率を係数とし、隣接セルの残容量を修正し、このようにして、成功率が低いセルは、修正され後に、残容量が低くなる。この後に割り当てる際、割り当てる予め決定されたUEは、少なくなる。次回に、UEをより正確に遷移して割り当てることに有利である。
【0059】
図6は、本願の実施例に係るロードバランシングの実現方法のフローチャートである。
図6に示すロードバランシングの実現方法は、基地局によって実行されてもよい。
図6を参照すると、本願の実施例に係る方法は、ステップ610、及びステップ620を含むことができる。
【0060】
ステップ610において、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信し、前記ロードバランシング命令には、前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれる。
【0061】
ステップ620において、前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に基づいて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移する。
【0062】
本願の実施例では、集中型制御ノードは、複数の基地局に接続され、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0063】
選択的に、本願の一実施例では、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信する前記ステップの前に、前記方法は、前記集中型制御ノードにセル情報を伝送するステップをさらに含む。基地局から集中型制御ノードに報告された内容は、全てのセルのロード情報、全てのセルの隣接セルの構成(例えば、同一周波数・異周波数、カバレッジ割合など)、全てのセルのオンラインUEのうち、異周波数の隣接セルの周波数ポイントをサポートするユーザの数、全てのセル及びセルの複数の隣接セル間のセルレベルのハンドオーバ成功率などのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0064】
基地局は、集中型制御ノードにセル情報を伝送することで、集中型制御ノードがバランシング対象のセルを決定することに寄与することができる。
【0065】
選択的に、本願の一実施例では、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移する前記ステップの後に、前記方法は、UE遷移の実行結果を前記集中型制御ノードに伝送するステップをさらに含む。実行結果は、例えばセルレベルのハンドオーバ成功率を含むことができる。このように、集中型制御ノードは、結果に基づいて、後続の動作をリアルタイムに調整することができる。
【0066】
図7は、本願の実施例に係るロードバランシングを実現するさらに別の方法のフローチャートである。
図7を参照すると、本願の実施例に係る方法は、ステップ710~ステップ790を含むことができる。
【0067】
ステップ710において、集中型制御ノードは、基地局にリソース状態要求メッセージを送信する。
【0068】
本願の実施例では、リソース状態要求メッセージは、複数のeNBがセルのロード情報などのセル情報を報告することを要求するためのものである。
【0069】
ステップ720において、基地局は、集中型制御ノードにリソース状態応答メッセージをフィードバックする。
本願の実施例では、eNBは、複数のセルのロード情報を収集し、Xtリソース状態要求メッセージに指示された周期に従って、Xtリソース状態応答メッセージを介して集中型制御ノードに周期的に報告する。
【0070】
ステップ730において、リソース状態が更新された場合、基地局は、集中型制御ノードにリソース状態更新メッセージを送信する。
【0071】
ステップ740において、集中型制御ノードは、得たセル情報に基づいて、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定する。
【0072】
ステップ750において、集中型制御ノードは、前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送する。
【0073】
ステップ760において、基地局は、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信し、前記ロードバランシング命令には、前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれる。
【0074】
ステップ770において、基地局は、UEを選択し、選択されたUEにロードバランシング測定要求を送信する。
本願の実施例では、基地局は、集中型制御ノードのロードバランシング命令に基づいて、UEを選択することを指示し、選択されたUE1~UEm(mは、1よりも大きい整数である)にロードバランシング測定要求を発行することができる。
【0075】
ステップ780において、基地局は、複数のUEによって報告された測定レポートを受信し、測定レポートに基づいて、前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移する。
【0076】
ステップ790において、基地局は、ロードバランシングフィードバックメッセージによって、UE遷移の実行結果を集中型制御ノードに伝送する。
【0077】
集中型制御ノードは、基地局からフィードバックされた実行結果に基づいて、バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率を計算し、次回のロードバランシング決定に用いる。例えば、前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定する。
【0078】
本願の実施例では、集中型制御ノードは、複数の基地局に接続され、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0079】
1)UEが遷移された後に、1回で、複数のセルのロードをバランシングすることができ、分散型アーキテクチャのような、ある隣接セルが高すぎるが、ある隣接セルが低すぎる状況が発生することがない。
2)バランシングアルゴリズムをハンドオーバ成功率に十分に組み合わせて自動的に調整することで、セルがユーザ感知度の低いセルに干渉することを回避する。
3)バランシングアルゴリズムは、隣接セルの周波数ポイントの状況を十分に考慮し、ハンドオーバ測定されたUEが短時間にターゲットセルに到達することを最大限に確保することができる。
4)情報インタラクションを迅速に行い、バランシング速度が高いとともに、ロードバランシングにおいて頻繁にハンドオーバすることが多いという問題を防止することができる。
5)集中型のモードで、集中型制御ノードとeNBとの間の情報インタラクション頻度が1~2秒に達することができ、分散型インタラクションに比べてよりリアルタイムであり、また、集中型は、管理範囲内のセル情報を全面的に取得し、全体的に考慮することができる。
【0080】
本願の実施例に係るロードバランシングの実現方法は、1)及び2)の問題を回避することができる。1)繰り返すため効率が低く、基地局の負担が重くなり、対応速度が遅く、2)効果を制御できない。
【0081】
対応速度が遅いという問題1)に対して、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)基地局は、通常、周囲の基地局と32個のX2接続を持っている。従って、理論的に、各基地局は、いずれも、32個の基地局にそれら自体の全てのセルのロード状況を周期的に知らせ、同様に、32個の基地局の全てのセルのロード状況を周期的に取得する。ここで、周期は、長すぎてはいけず、長すぎると、バランシング効果に影響を与えてしまう。周期は、短く設定されれば、基地局の運転負担を大幅に増加させてしまう。
【0082】
効果を制御できないという問題2)に対して、各サービスセルは、それと隣接するセルの状況しか観察できず、このように、複数のセルから同じターゲットセルにバランシングする可能性があるため、ターゲットセルのロードが高すぎてしまう可能性があり、ロードバランシングの本来の目的を実現することができない。
【0083】
以下、例を挙げて説明する。
本例では、以下のように仮定する。
図8に示すように、セルAは、基地局1(eNB1)に属し、周波数ポイントが周波数1であり、隣接セルがセルB、C、D、Eである。セルBは、eNB1に属し、周波数ポイントが周波数1であり、隣接セルがセルA、Cである。セルCは、eNB1に属し、周波数ポイントが周波数2であり、隣接セルがセルA、Bである。セルDは、基地局2(eNB2)に属し、周波数ポイントが周波数2であり、隣接セルがセルA、Eである。セルEは、eNB2に属し、周波数ポイントが周波数2であり、隣接セルがセルA、Dである。
【0084】
プリ構成の使用
CCNodeは、UEの数の割合を用いてロード情報を報告するように、eNB1、eNB2に通知する。
CCNodeは、eNB1、eNB2によって報告されたセル構成情報を受信する。セル構成情報は、例えば以下の内容を含む。
【0085】
セルAは、eNB1に属し、周波数ポイントが周波数1であり、隣接セルがセルB、C、D、Eである。
セルBは、eNB1に属し、周波数ポイントが周波数1であり、隣接セルがセルA、Cである。
セルCは、eNB1に属し、周波数ポイントが周波数2であり、隣接セルがセルA、Bである。
セルDは、eNB2に属し、周波数ポイントが周波数2であり、隣接セルがセルA、Eである。
セルEは、eNB2に属し、周波数ポイントが周波数2であり、隣接セルがセルA、Dである。
【0086】
以下の表に示すように、CCNodeは、eNB1、eNB2によって報告された隣接セル間の重複度情報を受信することができる。
【0087】
【0088】
以下の表に示すように、CCNodeは、eNB1、eNB2によって報告された、全てのセルのオンラインUEのうち、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数を受信する。
【0089】
【0090】
CCNodeは、eNB1、eNB2によって周期的に報告されたセルA、B、C、D、Eのロードを受信する。
【0091】
報告周期内に、CCNodeは、計算することで、セルA、B、C、D、Eのロードがそれぞれ、A:0.82、B:0.6、C:0.3、D:0.7、E:0.4であることが分かる。
【0092】
CCNodeは、バランシング対象のセルを選択する。所定の限界値の0.7に基づいて、セルA及びDをフィルタリングし、確認によれば、Aの隣接セルB、C、Eが低いロードの隣接セル(0.7より低い)であり、確認によれば、Dの隣接セルEが低いロードの隣接セル(0.7より低い)である。それで分かるように、セルA及びセルDは、バランシング対象のセルの条件を満たし、すなわち、それら自体は、高ロードセルであり、低いロードの隣接セルを有する。
【0093】
バランシング対象のセルに遷移するUEの数を決定する。所定のレベルとUEの遷移数との間の対応関係に基づいて、遷移しようとするUEの数を取得してもよい。対応関係は、以下の通りであり得る。レベル1:0.9~1.0から遷移するUEの数は、60であり、レベル2:0.8~0.9から遷移するUEの数は、40であり、レベル3:0.8~0.7から遷移するUEの数は、20である。以上から分かるように、セルAは、0.82として、レベル2に属するため、40だけ遷移する。セルDは、0.7として、レベル3に属するため、20だけ遷移する。
【0094】
重複度が所定の限界値より高い隣接セルを選択する(所定の限界値を20%とする)。Aの隣接セルは、B、C、D、Eであり、重複度フィルタリングによって、生成された利用可能な隣接セルは、C、D、Eである。Dの隣接セルは、A、Eであり、重複度フィルタリングによって、生成された利用可能な隣接セルは、ない。従って、Dは、遷移条件を満たさず、Aのみが、遷移条件を満たす。
【0095】
CCNodeから利用可能な隣接セルのそれぞれに遷移するUEの数を計算する。計算プロセスは、以下の通りである。
【0096】
Aの低いロードの隣接セルは、B、C、Eであり、残容量は、それぞれ、B:0.4、C:0.7、E:0.6である。
【0097】
従って、Cの残容量が合計残容量に占める割合=0.7/(0.7+0.4+0.6)=0.4118で、Bの残容量が合計残容量に占める割合=0.4/(0.7+0.4+0.6)=0.2353で、Eの残容量が合計残容量に占める割合=0.6/(0.7+0.4+0.6)=0.3529である。
【0098】
従って、セルAから隣接セルBに遷移するUEの数は、40*0.2353=9.41≒9であり、セルAから隣接セルCに遷移するUEの数は、40*0.4118=26.25≒16.5≒17であり、セルAから隣接セルEに遷移するUEの数は、40*0.3529=14.11≒14である。
【0099】
UEの遷移数を修正する。
この前に取得された表に基づくと、以下の通りである。
【0100】
【0101】
Aの周波数は、周波数1であり、隣接セルBの周波数は、周波数1であり、隣接セルCの周波数は、周波数2であり、Eの周波数は、周波数2である。
従って、Aから周波数2に遷移可能なユーザは、20個しかない。
【0102】
C、EがAに対して異周波数であり、Aセルにおける、異周波数周波数2をサポートするUEが20個であるため、20個のUEしか遷移することができない。
【0103】
従って、Cに遷移するUEの数を20*(17/(17+14))=10.97≒11、Eに遷移するUEの数を20*(14/(17+14))≒9に修正する。Bに遷移するUEの数は、9である。
【0104】
従って、集中型制御ノード(CCNode)は、実際にAセルの隣接セルBにバランシングするUEの数が9つであり、Aセルの隣接セルCにバランシングするUEの数が11個であり、Aセルの隣接セルEにバランシングするUEの数が9つであることを決定する。
【0105】
CCNodeは、メッセージをeNB1に発行し、それぞれA->Bから9つのUEをハンドオーバし、A->Cから11個のUEをハンドオーバすることを知らせる。また、CCNodeは、メッセージをeNB2に発行し、A->Eから9つのUEをハンドオーバすることを知らせる。
【0106】
この後に、CCNodeは、成功率を修正することができる。プロセスは、以下の通りである。CCNodeは、eNB1、eNB2の複数のセルに発行した遷移すべき(一般的には、ハンドオーバすべき)UEの数を記録する。CCNodeは、eNB1、eNB2の複数のセルから遷移した(一般的には、ハンドオーバした)UEの数を取得する。CCNodeは、特定のターゲットセルに遷移した成功率を計算し、すなわち、特定のターゲットセルに遷移した成功率=ロードバランシングに成功したUEの数/CCNodeがeNBの特定セルに発行した、ロードバランシングを行うUEの数。
【0107】
ある原因(例えば、ユーザの大量入り)のため、Aが再びバランシング対象のセルになり、B、C、Eが低いロードの隣接セルである場合、セルAに遷移する複数の利用可能な隣接セルのUEの数を決定するプロセスを以下のように修正する。
【0108】
Aの低いロードの隣接セルは、B、C、Eであり、残容量は、それぞれB:0.4、C:0.7、E:0.6である。
【0109】
AからCへのバランシング命令を初めて発行した後に、成功率を70%とする場合、AからBへ及びAからEへの成功率を100%に設定すると、バランシング成功率に基づいて修正し、すなわち、Cの残容量が0.7*0.7=0.49になり、Bが依然として0.4であり、Eが依然として0.6である。
【0110】
修正後の残容量に基づいて、UEの遷移数を計算する。例えば、Cの残容量が合計残容量に占める割合は、0.49/(0.49+0.4+0.6)=0.323であり、Bの残容量が合計残容量に占める割合は、0.4/(0.49+0.4+0.6)=0.268であり、Eの残容量が合計残容量に占める割合は、0.6/(0.49+0.4+0.6)=0.403である。
【0111】
従って、遷移数は、変化した。一実施例では、Bに遷移するUEの数は、40*0.268=10.72≒11であり、Cに遷移するUEの数は、40*0.323=12.92≒13であり、Eに遷移するUEの数は、40*0.403=16.12≒16である。C、EがAに対して異周波数であり、Aセルにおける異周波数周波数2をサポートするUEが20個であるため、20個のUEしか遷移することができない。従って、上記結果を、Cに遷移するUEの数を20*(13/(13+16))=8.97≒9に、Eに遷移するUEの数を20*(16/(13+16))≒11.03に、Bに遷移するUEの数を11に修正することができる。
【0112】
セルAから隣接セルBに遷移するUEの数が11であり、セルAから隣接セルCに遷移するUEの数が9であり、セルAから隣接セルEに遷移するUEの数が11であることを決定することができる。
一実施例では、以上は、例示的な計算形態に過ぎず、限定的なものではない。
【0113】
図9は、本願の実施例に係る集中型制御ノードの構造ブロック図である。集中型制御ノードは、複数の基地局に接続される。
図9を参照すると、本願の実施例に係る集中型制御ノード900は、
【0114】
バランシング対象のセルを決定し、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定するように構成された処理モジュール910と、
【0115】
前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送するように構成された伝送モジュール920と、を含む。
【0116】
本願の実施例では、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0117】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記複数の基地局によって伝送されたセル情報を取得し、前記複数の基地局に属する複数のセルのロードを取得し、複数のセルのロード及び前記セル情報に基づいて、バランシング対象のセルを決定するように構成された。
【0118】
選択的に、本願の一実施例では、複数のセルのロード及び前記セル情報に基づいて、バランシング対象のセルを決定する場合、処理モジュール910は、
複数のセルのロードに基づいて、前記複数の基地局に属するセルから、ロードが閾値以上の少なくとも1つのターゲットセルを決定し、
前記セル情報に基づいて、前記少なくとも1つのターゲットセルの隣接セルを決定し、
前記少なくとも1つのターゲットセルから、ロードが前記閾値未満の隣接セルの存在するターゲットセルをバランシング対象のセルとして選択するように構成された。
【0119】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、さらに、
前記バランシング対象のセルのロードに基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定するように構成されており、
前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定する前記ステップは、前記UEの総数に基づいて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルの各々に遷移するUEの数を決定するステップを含む。
【0120】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記バランシング対象のセルのロード、及び予め設定されたセルのロードと、UEの遷移数との間の対応関係に基づいて、前記バランシング対象のセルから遷移するUEの総数を決定するように構成された。
【0121】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、さらに、前記ターゲットセルと前記ターゲットセルの各隣接セルとの間の重複度を取得し、隣接セルのロードが前記閾値未満であり、且つ隣接セルと前記ターゲットセルとの重複度が第1の所定の限界値よりも大きい条件を満たす隣接セルの存在するターゲットセルを、前記少なくとも1つのターゲットセルから、バランシング対象のセルとして選択するように構成された。
【0122】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルのロードを取得し、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満の隣接セルを、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するように構成された。
【0123】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記バランシング対象のセルと前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルの各々との間の重複度を取得し、前記バランシング対象のセルの複数の隣接セルから、隣接セルのロードが設定された閾値未満であり、且つ前記バランシング対象のセルとの重複度が第2の所定の限界値よりも大きい隣接セルを前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルとして選択するように構成された。
【0124】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルのロードに基づいて、前記利用可能な隣接セルの残ベアリング容量を決定し、前記バランシング対象のセルのいずれか1つの利用可能な隣接セルに対して、前記UEの総数、及び該利用可能な隣接セルの残ベアリング容量が前記バランシング対象のセルの全ての利用可能な隣接セルの残ベアリング容量合計に占める割合に基づいて、該利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するように構成された。
【0125】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに、異周波数の隣接セルが存在するか否かを決定し、前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに、異周波数の隣接セルが存在する場合、前記バランシング対象のセルにおける、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数を取得する動作と、前記異周波数の隣接セルに遷移しようとするUEの数を取得する動作と、前記バランシング対象のセルにおける、異周波数の周波数ポイントをサポートするUEの数、及び前記異周波数の隣接セルに遷移しようとするUEの数のうち小さい方を、前記バランシング対象のセルから前記異周波数の隣接セルに遷移するUEの数とする動作と、を実行するように構成された。
【0126】
選択的に、本願の一実施例では、処理モジュール910は、前記バランシング対象のセルの特定の利用可能な隣接セルに遷移する成功率を取得し、前記特定の利用可能な隣接セルに再び遷移する必要がある場合、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するように構成された。
【0127】
選択的に、本願の一実施例では、前記成功率に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定する場合、処理モジュール910は、前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量を取得し(前記修正ベアリング容量は、前記特定の利用可能な隣接セルの残ベアリング容量と前記成功率との積である)、バランシング対象のセルから遷移するUEの総数、及び前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量が修正総ベアリング容量に占める割合に基づいて、前記特定の利用可能な隣接セルに遷移しようとするUEの数を決定するように構成されており、前記修正総ベアリング容量は、前記特定の利用可能な隣接セルの修正ベアリング容量と、前記バランシング対象のセルのうち、前記特定の利用可能な隣接セル以外の全ての利用可能な隣接セルの残ベアリング容量との合計である。
【0128】
図10は、本願の実施例に係る基地局の構造ブロック図である。集中型制御ノードは、複数の基地局に接続される。
図10を参照すると、本願の実施例に係る基地局1000は、
【0129】
前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するユーザ機器UEの数が含まれるロードバランシング命令であって、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信するように構成された受信モジュール1010と、
前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移するように構成された処理モジュール1020と、を含む。
【0130】
本願の実施例では、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0131】
選択的に、本願の一実施例では、基地局1000は、前記集中型制御ノードにセル情報を伝送するように構成された送信モジュールをさらに含む。
【0132】
選択的に、本願の一実施例では、基地局1000は、UE遷移の実行結果を前記集中型制御ノードに伝送するように構成された送信モジュールをさらに含む。
【0133】
図11は、本願の実施例に係る別の集中型制御ノード(CCNode)の模式図である。
図11を参照すると、本願の実施例に係る集中型制御ノード1100は、メモリ1110と、プロセッサ1120と、を含むことができ、前記メモリ1110にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサ1120によって実行されると、以上に集中型制御ノードに基づいて説明された、ロードバランシングを実現するいずれかの方法のステップを実現することができる。
【0134】
例えば、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサ1120によって実行されると、バランシング対象のセルを決定する動作と、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定する動作と、前記バランシング対象のセルから前記利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令を前記バランシング対象のセルの属する基地局に伝送する動作と、を実行することができる。
【0135】
本願の実施例では、集中型制御ノードは、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0136】
図12は、本願の実施例に係る別の基地局の模式図である。
図12を参照すると、本願の実施例に係る基地局1200は、メモリ1210とプロセッサ1220と、を含むことができ、前記メモリ1210にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサ1220によって実行されると、以上に基地局に基づいて説明されたいずれかの方法を実現することができる。
【0137】
例えば、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサ1220によって実行されると、前記基地局のバランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数が含まれるロードバランシング命令であって、前記集中型制御ノードによって伝送されたロードバランシング命令を受信する動作と、前記ロードバランシング命令に含まれるUEの数に応じて、前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルにUEを遷移する動作と、を実行することができる。
【0138】
本願の実施例では、集中型制御ノードは、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0139】
また、本願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行されると、以上のいずれかの方法を実現する。
【0140】
本願の実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、バランシング対象のセル、及び前記バランシング対象のセルから前記バランシング対象のセルの利用可能な隣接セルに遷移するUEの数を決定し、バランシング対象のセル及びUEの遷移数を得た後に、直接、バランシング対象のセルにロードバランシング命令を伝送することができる。このようにして、集中型制御ノードがロード統括を行うことで、複数のセルのロードが相対的にバランシングされることを確保し、良好なロードバランシング効果を実現することができる。
【0141】
本願の実施例は、方法、装置、又はコンピュータプログラム製品として提供できる。このため、本発明は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態としてもよい。さらに、本発明は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、Compact Disc Read Only Memory、CD-ROM)、光学メモリなどを含む)において実施されるコンピュータプログラム製品の形態としてもよい。
【0142】
本願は、本願の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明される。なお、コンピュータプログラム命令によってフローチャート及び/又はブロック図における各工程及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図における工程及び/又はブロックの組み合わせを実現できる。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して1つのマシンを生成し、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令によって、フローチャートの1つ以上の工程及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能を実現するための装置を生成する。
【0143】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器に特定の方式で動作するように指示することができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶することもでき、それによって、このコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令は、命令装置を含む製品を生成し、この命令装置は、フローチャートの1つ以上の工程及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能を実現する。
【0144】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラマブルデータ処理機器にインストールすることもでき、それによって、コンピュータ又はその他のプログラマブル機器で一連の動作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を発生させ、それによって、コンピュータ又はその他のプログラマブル機器で実行される命令は、フローチャートの1つ以上の工程及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0145】
典型的な構成では、コンピューティング機器には、1つ以上のプロセッサ(Central Processing Unit、CPU)、入力/出力インタフェース、ネットワークインタフェース及びメモリが含まれている。
【0146】
メモリには、コンピュータ読み取り可能な媒体のうちの非永続メモリ、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)及び/又は不揮発性メモリなどの形態が含まれる。読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)又はフラッシュメモリ(flash RAM)である。メモリは、コンピュータ読み取り可能な媒体の例である。
【0147】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、複数の方法又は技術を使用することによって情報記憶を実施することができる持続的、非持続的、移動可能、及び移動不能の媒体を含む。情報は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムのモジュール又は他のデータとすることができる。
【0148】
コンピュータの記憶媒体の例は、相変化メモリ(Phase-change memory、PRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory、DRAM)、他の種類のRAM、ROM、電気的プログラム可能な読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタルビデオディスク(Digital Video Disk、DVD)又は他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶デバイス又は複数の他の非伝送媒体を含み、コンピューティング機器がアクセス可能な情報を記憶するように構成される。
【0149】
本明細書で限定される通り、コンピュータ読み取り可能な媒体は、変調されたデータ信号及びキャリアなどの一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体(transitory media)を含まない。
【0150】
用語「含む」、「備える」又はそれらの変形は、非排他的包含をカバーすることを意図し、このため、一連の要素を含むプロセス、方法、商品又は機器は、これら要素を含むだけでなく、明らかなに挙げられていない他の要素を含むか、又はこのようなプロセス、方法、商品又は機器固有の要素を含む。さらなる制限がない限り、語句「1つの…を含む」により限定された要素は、要素を含むプロセス、方法、商品又は機器に別の同じ要素が含まれる場合を除外しない。
【0151】
以上に、本願の実施例について説明される。他の実施例は、添付の特許請求の範囲の範囲に属する。一部の場合、上記実施例に記載の動作又はステップは、実施例と異なる順序で実行されてもよく、望まれる結果を実現することができる。また、図面に記載されたプロセスは、望まれる結果を実現するのには、必ずしも、示される特定の順序又は連続的な順序ではなくてもよい。一部の実施の形態では、マルチタスク処理及び並行処理が有利であってもよいし、又は、有利である可能性がある。