IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧 ▶ ローム アンド ハース カンパニーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】液体洗濯洗剤配合物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/30 20060101AFI20240209BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240209BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
C11D3/30
C11D17/08
D06L1/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021531149
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2019064577
(87)【国際公開番号】W WO2020123240
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】62/779,050
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペーラ、アシュガー エー.
(72)【発明者】
【氏名】トルチンスキー、マイケル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ドノヴァン、ステファン
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-166599(JP,A)
【文献】特表2016-520148(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00910333(GB,A)
【文献】特開昭51-016480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
C07C217/00
C07C211/00
C08G 65/00- 67/04
C08K 3/00-101/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤配合物であって、
液体担体と、
洗浄界面活性剤と、
(II)のものである洗浄ブースターと、を含み、
【化1】
式中、Rが、C1-4アルキリデン基であり、
式中、各R が、プロピレンオキシド基であり、
式中、各R が、エチレンオキシド基であり、
式中、a≧1、c≧1、e≧1、g≧1、及びa+c+e+gの合計が、4~200であり、
式中、b≧1、d≧1、f≧1、h≧1、及びb+d+f+hの合計が、4~200であり、
式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計が、8~400である、液体洗濯洗剤配合物。
【請求項2】
前記液体洗濯洗剤配合物が、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%の液体担体と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%の洗浄界面活性剤と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%の洗浄ブースターと、を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項3】
前記液体担体が、水を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項4】
が、メチレン基である、請求項に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項5】
前記洗浄ブースターが、4,000~9,500ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項6】
前記洗浄ブースター中の前記プロピレンオキシド基と前記エチレンオキシド基との重量比が、0.25~3である、請求項に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗濯洗剤配合物に関する。特に、本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースターと、を含む液体洗濯洗剤配合物であって、洗浄ブースターが、式(I)のものであり、式中、Rが、C1-4アルキリデン基であり、Rの各出現が、C2-5アルキレンオキシド基から独立して選択され、v+x+y+zの合計が、4~1,600である、液体洗濯洗剤配合物に関する。
【0002】
優れた全体的な洗浄を提供する液体およびゲル形態の洗濯洗剤は、消費者にとって望ましい。そのような洗濯洗剤は、典型的には、消費者が所望の洗浄効果を果たすために、他の成分の中でも界面活性剤を含む。それにもかかわらず、環境への感受性の高まりおよび材料費の上昇により、洗濯洗剤での界面活性剤の利用を減らす動きが高まっている。その結果、洗剤メーカーは、全体的な洗浄性能を維持しながら、洗濯洗剤の単位用量あたりの界面活性剤の量を減らす方法を模索している。
【0003】
界面活性剤の単位用量を減らすための1つのアプローチは、Boutiqueらによって、米国特許出願公開第2009/0005288号に記載されているように、ポリマーを液体洗剤配合物に組み込むことである。Boutiqueらは、約2~約20重量%の界面活性剤を有する液体またはゲル洗濯洗剤配合物で使用するためのポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレンオキシドと酢酸ビニルとの約1:0.2~約1:10の重量比のグラフトコポリマーを開示している。
【0004】
それにもかかわらず、界面活性剤の負荷を減らして一次洗浄性能を維持する液体洗濯洗剤配合物の継続的な必要性が残されており、好ましくは、改善された再付着防止性能も提供する。
【0005】
本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、式(I)のものである洗浄ブースターと、を含む液体洗濯洗剤配合物を提供し、
【化1】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基であり、式中、Rの各出現は、C2-5アルキレンオキシド基から独立して選択され、式中、v+x+y+zの合計は、4~1,600である。
【0006】
本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、式(II)のものである洗浄ブースターと、を含む液体洗濯洗剤配合物を提供し、
【化2】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400である。
【0007】
本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、式(III)のものである洗浄ブースターと、を含む液体洗濯洗剤配合物を提供し、
【化3】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
驚くべきことに、本明細書に記載されるように洗浄ブースターを有する液体洗濯洗剤配合物は、界面活性剤の負荷を減らして一次洗浄性能の維持を促進すると同時に、従来のブースター添加剤よりも再付着防止性能を大幅に改善することも見出された。
【0009】
特に指示がない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(または重量%)は、乾燥重量の百分率であり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除した百分率である。
【0010】
本明細書で使用される場合、特に指示がない限り、「重量平均分子量」および「M」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPC技術については、Modern Size Exclusion Liquid Chromatography:Practice of Gel Permeation and Gel Filtration Chromatography,Second Edition,Striegel,et al.,John Wiley&Sons,2009で詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0011】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、25~97.9重量%(より好ましくは、50~94.5重量%、さらにより好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体)と、洗浄界面活性剤(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは、7.5~30重量%、さらにより好ましくは、10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤)と、洗浄ブースター(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、0.1~15重量%(より好ましくは、0.5~10重量%、さらにより好ましくは、0.75~7.5重量%、さらにより好ましくは、1~5重量%、最も好ましくは、2~4重量%)の洗浄ブースター)と、を含み、洗浄ブースターは、式(I)のものであり、
【化4】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基(例えば、-CH-、-CH(CH)-、-CH(C)-、-C(CH-)(好ましくは、C1-3アルキリデン基、より好ましくは、C1-2アルキリデン基、最も好ましくは、メチレン基)であり、式中、Rの各出現は、C2-5アルキレンオキシド基(好ましくは、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、およびブチレンオキシド基、より好ましくは、エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基)から独立して選択され、式中、v+x+y+zの合計は、4~1,600である。
【0012】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、50~94.5重量%、より好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体を含む。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、50~94.5重量%、より好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水を含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、50~94.5重量%、より好ましくは、62.5~91.75重量%、さらにより好ましくは、70~89.9重量%、最も好ましくは、76~88重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水である。
【0013】
好ましくは、液体担体は、C1-3アルカノールアミンおよびC1-3アルカノールなどの水混和性液体を含むことができる。より好ましくは、液体担体は、液体担体の重量に基づいて、0~8重量%(好ましくは、0.2~8重量%、より好ましくは、0.5~5重量%)の水混和性液体を含み、水混和性液体は、C1-3アルカノールアミン、C1-3アルカノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0014】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、洗浄界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは7.5~30重量%、さらにより好ましくは10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含む。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは7.5~30重量%、さらにより好ましくは10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは7.5~30重量%、さらにより好ましくは10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含む混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(より好ましくは、5~40重量%、さらにより好ましくは、7.5~30重量%、さらにより好ましくは、10~25重量%、最も好ましくは、10~20重量%)の洗浄界面活性剤を含み、洗浄界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルエトキシ硫酸ナトリウム、および非イオン性アルコールエトキシレートの混合物を含む。
【0015】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリエトキシスルフェート、アルコキシル化アルコール、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、オレフィンスルホン酸、オレフィンスルホネート、アルファ-スルホカルボキシレート、アルファ-スルホカルボキシレートのエステル、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、脂肪酸のスルフェート、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、アルキルフェノール、アルキルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホン酸、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホネート、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホン酸、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホネート、アミンオキシド、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましいアニオン性界面活性剤としては、C8-20アルキルベンゼンスルフェート、C8-20アルキルベンゼンスルホン酸、C8-20アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホン酸、アルファ-オレフィンスルホネート、アルコキシル化アルコール、C8-20アルキルフェノール、アミンオキシド、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、C8-10アルキルポリエトキシスルフェート、およびそれらの混合物が挙げられる。より好ましいアニオン性界面活性剤としては、C12-16アルキルベンゼンスルホン酸、C12-16アルキルベンゼンスルホン酸、C12-18パラフィンスルホン酸、C12-18パラフィンスルホン酸、C12-16アルキルポリエトキシスルフェート、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0016】
非イオン性界面活性剤としては、アルコキシレート(例えば、ポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、末端基キャップされたポリグリコールエーテル、混合エーテル、ヒドロキシ混合エーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルが挙げられる。より好ましい非イオン性界面活性剤としては、第二級アルコールエトキシレート、エトキシル化2-エチルヘキサノール、エトキシル化された種子油、ブタノールキャップされたエトキシル化2-エチルヘキサノール、およびそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい非イオン性界面活性剤としては、第二級アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0017】
カチオン性界面活性剤は、第四級界面活性化合物を含む。好ましいカチオン性界面活性剤としては、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ヨードニウム基、およびアルソニウム基のうちの少なくとも1つを有する第四級表面活性化合物が挙げられる。より好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのうちの少なくとも1つが挙げられる。さらにより好ましいカチオン性界面活性剤としては、C16-18ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、C8-18アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびジメチルジタロウ塩化アンモニウムのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジメチルジタロウ塩化アンモニウムが挙げられる。
【0018】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミンオキシド、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミンオキシド、アシル化アミノ酸、脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい両性界面活性剤としては、脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。より好ましい両性界面活性剤としては、8~18個の炭素原子を有する長鎖基を有する脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。さらにより好ましい両性界面活性剤としては、C12-14アルキルジメチルアミンオキシド、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシル-アンモニオ)プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロパン-1-スルホネートのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましい両性界面活性剤としては、C12-14アルキルジメチルアミンオキシドのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0019】
好ましくは、洗浄ブースターは、式(I)のものである。
【化5】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基(例えば、-CH-、-CH(CH)-、-CH(C)-、-C(CH-)(好ましくは、C1-3アルキリデン基、より好ましくは、C1-2アルキリデン基、最も好ましくは、メチレン基)であり、式中、Rの各出現は、C2-5アルキレンオキシド基(好ましくは、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、およびブチレンオキシド基、より好ましくは、エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基)から独立して選択され、式中、v+x+y+zの合計は、4~1,600(好ましくは、8~1,000、より好ましくは、52~752、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは80~160)である。
【0020】
好ましくは、洗浄ブースターは、370~93,200ダルトン(好ましくは、500~60,000ダルトン、より好ましくは、2000~44,000ダルトン、さらにより好ましくは、3,000~23,500ダルトン、さらにより好ましくは、3,500~12,000ダルトン、最も好ましくは、4,000~9,500ダルトン)の重量平均分子量を有する。
【0021】
好ましくは、一次洗浄ブースターは、式(I)のものであり、式中、Rの各出現は、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、およびブチレンオキシド基から独立して選択され、洗浄ブースターは、370~93,200ダルトン(好ましくは500~60,000ダルトン、より好ましくは2,000~44,000ダルトン、さらにより好ましくは3,000~23,500ダルトン、さらにより好ましくは3,500~12,000ダルトン、最も好ましくは、4,000~9,500ダルトン)の重量平均分子量を有する。
【0022】
好ましくは、洗浄ブースターは、式(II)のものである。
【化6】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基(好ましくは、C1-3アルキリデン基、より好ましくは、C1-2アルキリデン基、最も好ましくは、メチレン基)であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400(好ましくは、8~400、より好ましくは、52~400、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは、80~160)である。より好ましくは、洗浄ブースターは、式(II)のものであり、式中、Rは、メチレン基であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400(好ましくは、8~400、より好ましくは、52~400、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは、80~160)であり、洗浄ブースターは、4,000~9,500ダルトンの重量平均分子量を有する。最も好ましくは、洗浄ブースターは、式(II)のものであり、式中、Rは、メチレン基であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400(好ましくは、8~400、より好ましくは、52~400、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは、80~160)であり、洗浄ブースターは、4,000~9,500ダルトンの重量平均分子量を有し、洗浄ブースター中のプロピレンオキシド基とエチレンオキシド基との重量比は、0.25~3(好ましくは、0.5~2.75、より好ましくは、0.75~2.5、最も好ましくは、1.0~2.25)である。
【0023】
好ましくは、洗浄ブースターは、式(III)のものである。
【化7】
式中、Rは、C1-4アルキリデン基(好ましくは、C1-3アルキリデン基、より好ましくは、C1-2アルキリデン基、最も好ましくは、メチレン基)であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400(好ましくは、8~400、より好ましくは、52~400、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは、80~160)である。より好ましくは、洗浄ブースターは、式(III)のものであり、式中、Rは、メチレン基であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400(好ましくは、8~400、より好ましくは、52~400、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは、80~160)であり、洗浄ブースターは、4,000~9,500ダルトンの重量平均分子量を有する。最も好ましくは、洗浄ブースターは、式(III)のものであり、式中、Rは、メチレン基であり、式中、各Rは、プロピレンオキシド基であり、式中、各Rは、エチレンオキシド基であり、式中、a+c+e+gの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、b+d+f+hの合計は、0~200(好ましくは、4~200、より好ましくは、10~150、さらにより好ましくは、25~125、最も好ましくは、50~100)であり、式中、a+b+c+d+e+f+g+hの合計は、4~400(好ましくは、8~400、より好ましくは、52~400、さらにより好ましくは、60~400、さらにより好ましくは、72~200、最も好ましくは、80~160)であり、洗浄ブースターは、4,000~9,500ダルトンの重量平均分子量を有し、洗浄ブースター中のプロピレンオキシド基とエチレンオキシド基との重量比は、0.25~3(好ましくは、0.5~2.75、より好ましくは、0.75~2.5、最も好ましくは、1.0~2.25)である。
【0024】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、構造化剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%、より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤をさらに含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%、より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤をさらに含み、構造化剤は、その場で結晶化されたときに、液体洗濯洗剤配合物全体にわたって糸状の構造化システムを形成することができる非ポリマーの結晶性ヒドロキシ官能性材料である。
【0025】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、ヒドロトロープをさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~7.5重量%、より好ましくは、0.2~5重量%、最も好ましくは、0.5~2.5重量%)のヒドロトロープをさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~7.5重量%、より好ましくは、0.2~5重量%、最も好ましくは、0.5~2.5重量%)のヒドロトロープをさらに含み、ヒドロトロープは、水酸化アルキル、グリコール、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、およびクメンスルホン酸のカルシウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびアルカノールアンモニウム塩、それらの塩ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.1~7.5重量%、より好ましくは、0.2~5重量%、最も好ましくは、0.5~2.5重量%)のヒドロトロープをさらに含み、ヒドロトロープは、エタノール、プロピレングリコール、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カルシウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0026】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、香料をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.001~5重量%、より好ましくは、0.005~3重量%、最も好ましくは、0.01~2.5重量%)の香料をさらに含む。
【0027】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、ビルダーをさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、5~50重量%、より好ましくは、7.5~30重量%)のビルダーをさらに含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、5~50重量%、より好ましくは、7.5~30重量%)のビルダーをさらに含み、ビルダー、ビルダーは、無機ビルダー(例えば、トリポリホスフェート、ピロホスフェート)、アルカリ金属炭酸塩、ホウ酸塩、重炭酸塩、水酸化物、ゼオライト、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、ポリカルボキシレート、モノカルボン酸塩、アミノトリスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸の塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸の塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)の塩、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸の塩、オリゴマーホスホネート、ポリマーホスホネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、柔軟仕上げ剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤をさらに含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤をさらに含み、柔軟仕上げ剤は、カチオン性共硬化性ポリマー(例えば、カチオン性ヒドロキシルエチルセルロース、ポリクオタニウムポリマー、およびそれらの組み合わせ)である。
【0029】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、pH調整剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択で、pH調整剤をさらに含み、液体洗濯洗剤配合物は、6~12.5(好ましくは、6.5~11、より好ましくは、7.5~10)のpHを有する。pHを調整するための塩基としては、水酸化ナトリウム(ソーダ灰を含む)および水酸化カリウムなどのミネラル塩基、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、ならびに有機塩基(例えば、モノ-、ジ-、またはトリ-エタノールアミン、および2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(DMAMP))が挙げられる。pHを調整するための酸としては、鉱酸(例えば、塩酸、リン酸、および硫酸)ならびに有機酸(例えば、酢酸)が挙げられる。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態をこれより以下の実施例において詳細に説明する。
【0031】
合成Q1-Q2:洗浄ブースター
合成Q1-Q2は、48個の反応器を収容するSymyx PPR(登録商標)セットアップで実施した。各反応器には、ガラスインサートおよび取り外し可能なPEEK撹拌パドルを装備した。セルごとの取り外し可能なPEEK撹拌パドルと一緒にガラスインサートを125℃の真空オーブンで乾燥させた。合成に使用されたプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドは、ロボット制御の針および圧縮ガスマイクロバルブを装備したISCOシリンジポンプを介して反応器に送った。
【0032】
次いで、16個の反応器のそれぞれに窒素下で4,4’-メチレンジアニリン(PMDA)(1.98g)を充填した。次いで、反応器を密閉し、プロピレンオキシド(PO)(2.32g)を充填した。次いで、反応器の温度設定点を140℃に設定し、反応器の内容物を、温度に達した後、24時間撹拌した。次いで、熱源を除去し、次いで反応器を冷却し、ベントし、窒素でパージして、反応器からあらゆる残留プロピレンオキシドを除去し、PMDA-POスターターを提供した。16個の反応器からの内容物を合わせ、次いでNMR分析のために少量の試料を採取した。
【0033】
PMDA-POスターター(10g)を、丸底フラスコ中で計算された量の50重量%のKOH溶液と混合して、スターターに対して20重量%のKOH混合物を作製した。次いで、100~150mLのトルエンを添加し、ディーンスタークトラップを使用して110℃で共沸的に水を除去した。残りのトルエンを真空で蒸発させた。KOH触媒を含有するドライスターターを、表1に示された量でガラスインサートに量り入れた。撹拌パドルと一緒にガラスインサートを対応するPPRウェルに装填し、反応器を密閉した。表1に示す計算された量のプロピレンオキシド(PO)をロボットによって、セルに充填した。温度を115℃に上げ、プロセス温度に達した後、反応混合物を48時間撹拌した。反応器内の圧力は、徐々に横ばいになり、これは、反応が完了したことを示している。セルを冷却し、ベントし、窒素でパージして、あらゆる残留POを除去した。
【0034】
次いで、反応器の内容物を50℃に加熱し、エチレンオキシド(EO)を表1に記載されている量で添加した。次いで、反応器の温度設定点を130℃に設定し、反応器の内容物を、温度に達した後、4時間撹拌した。次いで、熱源を除去し、反応器を冷却し、ベントし、窒素でパージして、製品の洗浄ブースターを提供した。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された製品洗浄ブースターの数平均および重量平均分子量を、表1に提供する。
【表1】
【0035】
比較例C1~C2および実施例1~2:液体洗濯洗剤
後続の実施例での再付着防止試験で使用される液体洗濯洗剤配合物は、表3に記載されるように洗浄ブースターを用いて表2に記載されるような一般配合物を有して調製し、標準的な液体洗濯配合物調製手順によって調製した。
【表2】
【表3】
【0036】
再付着防止
比較例C1~C2および実施例1~2の液体洗濯洗剤配合物の再付着防止性能を、毎分90サイクルで撹拌されたTerg-o-tometerモデル7243ESで、表4に記載の条件で評価した。
【表4】
【0037】
布地を5サイクル連続して洗濯し、HunderLab UltraScan VIS比色計を使用して460nmで白色度指数を測定し、ASTM E313に従って布地の白色度を決定した。きれいな未洗浄の布地の白色度指数を陽性対照として使用した。液体洗濯製剤のそれぞれについての陽性対照に対する白色度指数の変化を表5に提供する。
【表5】
【0038】
比較例C3および実施例3:液体洗濯洗剤配合物
後続の実施例での一次洗浄性能試験で使用される液体洗濯洗剤配合物は、表7に記載されるように洗浄ブースターを用いて表6に記載されるように一般配合物を有して調製し、標準的な液体洗濯配合物調製手順によって調製した。
【表6】
【表7】
【0039】
一次洗浄性能
比較例C3および実施例3の液体洗濯洗剤配合物の一次洗浄性能は、表8に記載された条件で毎分90サイクルで撹拌されたSR Lab Instruments(6×1Lウェル)から入手可能なTerg-o-tometerモデルTOM-52-Aで評価した。
【表8】
【0040】
汚れ除去指数(SRI)は、ASTMメソッドD4265-14を使用して計算した。ΔSRIは、洗浄ブースターがない場合と同じ界面活性剤濃度の対照洗剤を参照して決定した。結果を表9に提供する。
【表9】