(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】照明器具のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F21V 29/70 20150101AFI20240209BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240209BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240209BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240209BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20240209BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240209BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240209BHJP
【FI】
F21V29/70
H05K7/20 C
F21S2/00 300
F21V29/503
F21V15/01 330
F21V15/01 370
F21Y115:10
F21Y103:10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022084814
(22)【出願日】2022-05-24
(62)【分割の表示】P 2019567693の分割
【原出願日】2018-05-25
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519433481
【氏名又は名称】フルエンス・バイオエンジニアリング・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FLUENCE BIOENGINEERING,INC.
【住所又は居所原語表記】4129 Commercial Center Drive, Austin, Texas 78744 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ズン・ズオン
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・クラス
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-216216(JP,A)
【文献】特開2016-081897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/70
H05K 7/20
F21S 2/00
F21V 29/503
F21V 15/01
F21Y 115/10
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ及び幅を有する矩形の基板と、
前記基板に埋め込まれ、前記基板の前記幅に沿って複数の列を含む、光源の第1の群と、
前記基板に埋め込まれ、前記基板の前記幅に沿って複数の列を含む、光源の第2の群と、
を含む、照明器具であって、
前記光源の第1の群と前記光源の第2の群との間に空間があり、
スマートモジュールが、前記空間内で前記基板に位置する、照明器具。
【請求項2】
前記スマートモジュールに関連するトレースが、前記基板に直接埋め込まれ、前記トレースは、前記光源の第1の群と、前記光源の第2の群と、前記スマートモジュールに関連する電子部品とを電気的に結合する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記スマートモジュールは、ハウジングを含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記基板は、第1屈曲部と、第2屈曲部と、前記第1屈曲部の近位端部と前記第2屈曲部の近位端部との間に延在する平面部とを含み、前記ハウジングは、前記第1屈曲部の遠位端部から前記第2屈曲部の遠位端部まで延在する、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記ハウジングは、プラスチック又は金属から構成される、請求項3又は4に記載の照明器具。
【請求項6】
当該照明器具は、前記基板に取り付けられるヒートシンクを含み、前記ヒートシンクは、折り畳まれたフィン又は突出部によって形成される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記スマートモジュールは、環境パラメータ又は植物成長パラメータを測定する少なくとも1つのセンサを含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項8】
前記基板は、ヒートシンクと結合される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記スマートモジュールは、データを送信する少なくとも1つのアンテナを含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアンテナは、前記基板内に埋め込まれる、請求項9に記載の照明器具。
【請求項11】
照明器具を形成する方法であって、
長さ及び幅を有する矩形の基板に光源の第1の群を埋め込むことであって、前記光源の第1の群は、前記基板の前記幅に沿って複数の列を含む、ことと、
前記基板に光源の第2の群を埋め込むことであって、前記光源の第2の群は、前記基板の前記幅に沿って複数の列を含み、前記光源の第1の群と前記光源の第2の群との間に空間がある、ことと、
前記空間内で前記基板にスマートモジュールを配置することと、
前記スマートモジュールを前記光源の第1の群及び前記光源の第2の群と電気的に結合することと、
を含む、方法。
【請求項12】
当該方法は、前記基板に直接埋め込まれるトレースを介して前記スマートモジュールを前記光源の第1の群及び前記光源の第2の群と電気的に結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スマートモジュールは、ハウジングを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は、第1屈曲部と、第2屈曲部と、前記第1屈曲部の近位端部と前記第2屈曲部の近位端部との間に延在する平面部とを含み、前記ハウジングは、前記第1屈曲部の遠位端部から前記第2屈曲部の遠位端部まで延在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ハウジングは、プラスチック又は金属から構成される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
当該方法は、前記基板にヒートシンクを取り付けることを含み、前記ヒートシンクは、折り畳まれたフィン又は突出部によって形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記スマートモジュールは、環境パラメータ又は植物成長パラメータを測定する少なくとも1つのセンサを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記基板は、ヒートシンクと結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記スマートモジュールは、データを送信する少なくとも1つのアンテナを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのアンテナは、前記基板内に埋め込まれる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、2017年6月7日に出願された仮出願第62/516,412に対して35U.S.C.119に基づく優先権の利益を主張し、かつ、2017年8月23日に出願された第15684665号、2017年8月28日に出願された第15688358号、2017年9月6日に出願された第15697149号、2017年12月1日に出願された第15829197号、及び2018年1月1日に出願された15859409の一部継続出願である。これらの全体を参照により本明細書において完全に援用する。
【0002】
発明の分野
本発明の例は、照明器具のシステム及び方法に関する。特に、実施形態には、熱的制御、機械的制御及び/又は光学的制御のための金属コアPCB(MCPCB)から構成されるヒートシンク装置の屈曲部を利用する照明器具が記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
米国及び世界中において環境制御農法、特に垂直農法がより一般的になりつつある。垂直農法は、植物被を照らすための照明器具に依拠する。この照明器具は、光源(典型的にはLED)から熱を除去しながら放射束を植物被に均一に分配する。照明器具の有効性及びコストは、垂直農法に関連する運用コストに直接影響を及ぼす。照明器具の高さは、成長体積内の多数の垂直層に直接影響を及ぼすため、照明器具の形状因子又は垂直高さを最小限に抑えることが重要である。
【0004】
垂直成長において高出力の照明を操作することは、温室又は野外で日光を無制限に利用するよりも費用がかかる。これらのコストを克服するために、垂直農法では、収穫量の増加、成長サイクルの短縮、産物の一貫性の向上、水の使用量の削減、農場からプレートまでの時間枠の短縮、栄養素含有量の増加及び他の明確な利点が必要である。
【0005】
垂直農法で使用される発光ダイオード(LED)は、従来の高出力照明よりも効率的であるが、製造コストも高くなる。さらに、それらの性能は熱の上昇に伴い悪影響を受ける。熱の上昇には、照明器具がより効率的に熱を放散することが必要である。この発生した熱は、寿命の低下及び器具の有効性の低下などの問題を引き起こす。熱を放散するための条件を回避するために、いくつかのメーカーが複雑なLED取付器具を構築している。これにより、従来のLED取付器具がヒートシンクに結合されることになった。
【0006】
従来のLED取付器具は、プリント基板上に配置されたLEDを利用する。PCB基板は、FR4、アルミニウム、銅などの様々な材料で作製できる。多くの用途では、FR4などの絶縁基板が必要である。高出力用途では、熱伝導性の高い基板が望ましい。LEDについては、熱放散が最も重要であるため、アルミニウム基板が使用される場合が多い。金属を基板として使用する場合には、メタルコアプリント基板という用語が使用され、一般的にはMCPCBが使用される。
【0007】
従来、線状MCPCBは、発生した熱を放散するためにヒートシンクに結合され、線状ヒートシンクは、熱を放散するためのフィンを備える場合がある。しかし、フィンは熱ブロックとして機能し、空気が高温の表面に到達するのを阻害する場合がある。したがって、フィン付きの線状ヒートシンクは、熱源(LED)と環境との熱伝達が非効率になったり、熱抵抗が増加したりする可能性がある。さらに、LEDをMCPCBに取り付けてからMCPCBをヒートシンクに結合するプロセスには、時間とリソースが必要である。これは、困難で時間がかかり費用のかかる作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、機械的強度、美感、熱的制御及び/又は光学的制御のための1以上の屈曲部を備えるMCPCBに直接統合されたLEDを備える照明器具のための効果的かつ効率的なシステム及び方法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
本明細書で開示される実施形態は、熱的制御、機械的制御及び/又は光学的制御のためにMCPCBを利用する照明器具のためのシステム及び方法を記載する。実施形態では、MCPCBシートなどの基板に、LED、コネクタ、ヒューズなどの電子部品を直接配置することができる。次いで、MCPCBシートを保護のためにコーティングすることができる。次に、MCPCBシートを切断して単一パネルにする。次に、単一パネルのMCPCBを少なくとも1回屈曲させ、この屈曲により、システムの剛性及び機械的強度が向上し、さらに見た目がよくなり、熱的制御及び光学的制御が可能になる。その後、この屈曲MCPCBパネルを照明器具に組み立てることができる。さらに、MCPCBの屈曲を利用することで、照明器具は、加熱空気の気流を、光源の上方にある照明器具の中心軸に向かって制御することができる。これにより、MCPCB照明器具は、MCPCBがヒートシンクであることによりLEDによって生成された熱を効果的かつ効率的に放散させることができるところ、これによって、MCPCBとヒートシンクとの間に界面喪失が生じることはない。
【0010】
光源及び対応する電子回路をMCPCBに直接埋め込むことにより、材料費の削減、人件費の抑制、優れた熱性能が可能になる。具体的には、ヒートシンク、接着剤その他の熱界面材料を必要としないことによってコストが削減できる。さらに、ヒートシンクをMCPCBに結合するための留め具、クリップなどを必要としないことによってコストが削減できる。
【0011】
また、接着剤を分配し又はテープを分配する工程、MCPCBの配置プロセス、及び接着剤又はテープを硬化させる又は設置するのにかかる時間を省くことによって人件費が削減できる。
【0012】
実施形態は、MCPCBパネルと、少なくとも1列のLEDと、該MCPCBパネルの少なくとも1つの屈曲部とを備えることができる。
【0013】
MCPCBパネルは、銅、3003AL、5052AL、及び/又は他の所望の金属から形成できる。実施上、好ましいMCPCBは、放射率が非常に低い金属から形成されない場合がある。MCPCBパネルの放射率を上昇させるために、パネルは、陽極酸化されていてもよく、陽極酸化アルミニウムよりも高い放射率を生じさせるはんだマスクを有していてもよく、及び/又は陽極酸化アルミニウムよりも高い放射率を生じさせる塗装面を有していてもよい。
【0014】
LEDの列は、MCPCBパネルの縦軸に沿って延在することができるMCPCBパネルの第1端部から第2端部まで配置できる。LEDの列は、MCPCBパネルの中心軸から対称又は非対称に間隔を空けて配置できる。LEDの配置を対称的に実施することによって、LEDからの均一で対称的な熱伝達、分配などが可能になり、及び/又は所望の光学的制御が可能になる。
【0015】
MCPCBの屈曲部は、MCPCBパネルの第1端部から第2端部まで延在することができる。屈曲部は、剛性及び/又は機械的強度を追加し、知覚のための形態を追加し、拡散/鏡面反射器などの熱及び光学制御を可能にするように構成できる。MCPCBの屈曲部は、MCPCBパネルの中心軸から下面に向かって離れて延在するように構成された、下向きかつ外側に角度の付いた屈曲部とすることができる。この屈曲部の角度によって、MCPCBパネルの下方の位置からLEDの上方にあるMCPCBの中心軸に向かって空気を流すことができる。
【0016】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の説明及び添付の図面と併せて考慮すれば、さらによく認識及び理解できるであろう。以下の説明は、本発明の様々な実施形態及びその多数の特定の詳細を示すものであるが、限定ではなく例示として与えられるものである。本発明の範囲内で多くの置換、修正、追加又は再配置を行うことができ、本発明はこのような置換、修正、追加又は再配置の全てを包含する。
【0017】
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態を以下の図を参照して説明する。別段の指定がない限り、各種図面全体を通して同様の符号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は一実施形態に係るヒートシンクシステムを示す。
【
図2】
図2は一実施形態に係るヒートシンクシステムの熱性能を示す。
【
図3】
図3は一実施形態に係るヒートシンクシステムの熱性能を示す。
【
図4】
図4は一実施形態に係るヒートシンクシステムの正面図を示す。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る、電気入力ワット数(x軸)に応じた温度変化(y軸)のグラフを示す。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る、電気入力ワット数(x軸)に応じた平方インチ当たりの温度変化(y軸)のグラフを示す。
【
図7】
図7は一実施形態に係るヒートシンクシステムの熱性能のグラフを示す。
【
図8】
図8は一実施形態に係るMCPCB取付器具を示す。
【
図9】
図9は一実施形態に係るMCPCB取付器具を示す。
【
図10】
図10は一実施形態に係るMCPBC取付器具の一実施形態を示す。
【
図11】
図11は一実施形態に係るMCPCB取付器具を示す。
【
図12】
図12は一実施形態に係るMCPCB取付器具を示す。
【
図13】
図13は一実施形態に係るMCPCB取付器具を示す。
【
図14】
図14は一実施形態に係るMCPCB取付器具を示す。
【
図15】
図15は一実施形態に係るブラケット付き照明器具の利用方法を示す。
【
図16】
図16は、一実施形態に係る、光源120から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図17】
図17は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図18】
図18はシステムの下方に位置する関心領域でシステムによって作成された対称的な配光パターンを示す。
【
図19】
図19はシステムの下方に位置する関心領域でシステムによって作成された対称的な配光パターンを示す。
【
図20】
図20は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図21】
図21は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図22】
図22は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図23】
図23は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図24】
図24は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図25】
図25は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図26】
図26は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図27】
図27は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するシステムを示す。
【
図28】
図28は一実施形態に係るスマートモジュールを備えた照明器具システムを示す。
【
図29】
図29は一実施形態に係るスマートモジュールを備えた照明器具システムを示す。
【
図30】
図30は一実施形態に係るスマートモジュールを備えた照明器具システムを示す。
【
図31】
図31は一実施形態に係るスマートモジュールを備えた照明器具システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
対応する符号は、図面のいくつかの図を通して対応する構成要素を示す。当業者であれば、図中の構成要素は、単純化及び明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが分かるであろう。例えば、図中の構成要素のいくつかの寸法は、本発明の様々な実施形態の理解の向上を助けるために、他の構成要素に対して誇張されている場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用な又は必須である、一般的であるが十分に理解されている構成要素は、本発明のこれらの様々な実施形態を妨害なく見ることを容易にするために描かれないことが多い。
【0020】
詳細な説明
以下の説明では、本実施形態を完全に理解させるために、多数の特定の詳細が示されている。しかし、当業者であれば、本実施形態を実施するために特定の詳細を使用する必要がないことは明らかであろう。他の例では、本実施形態を不明瞭にすることを避けるために、周知の材料又は方法は詳細には説明されていない。
【0021】
図1は、一実施形態に係るヒートシンクシステム100を示す。システム100は、熱的制御、機械的制御及び光学的制御のためにMCPCB照明器具の屈曲を利用するように構成できる。システム100は、MCPCB110と、光源120と、屈曲部130とを備えることができる。屈曲部130を利用することで、MCPCB110は実質的に等温的であり、MCPCB110全体にわたっていくらか均一な温度を有することができる。
【0022】
MCPCB110は、銅、3003AL、5052AL、及び/又は他の所望の金属を含めて任意の金属から形成できる。特定の実装形態では、MCPCB110は、放射率が非常に低い金属又は基材から形成できる。しかし、このようなシステムは、高放射率プラットフォームを備えたシステムよりもはるかに大型になる。MCPCB110の放射率を高めるために、MCPCB110は陽極酸化されてよく、陽極酸化アルミニウムよりも高い放射率を生じさせるはんだマスクを有していてよく、及び/又は陽極酸化アルミニウムよりも高い放射率を生じさせる塗装表面を有していてよい。MCPCB110は、横軸よりも縦軸が長いパネルに配置することができる。MCPCB110は、光源120によって生成される熱特性に基づく厚さを有することができる。例えば、MCPCB110は、約1.6mmの厚さを有することができる。MCPCB110は、白色その他の色であることができるはんだマスクから構成される共形コーティングを含むことができる。また、MCPCB110は、鏡面反射器と、拡散反射器と、ビーム制御用に設計された拡散器とを備えることができる。
【0023】
光源120は、発光ダイオード(LED)又は光を発するように構成された他の素子とすることができる。光源120はMCPCB110に直接埋め込むことができ、又はMCPCB110上に配置できるため、MCPCB110、ヒートシンク、又はその両者にテープ又は熱接着剤を貼り付ける追加の操作を必要としない。光源120は、MCPCB110の第1端部からMCPCB110の第2端部まで配置できる。光源120は、光の生成及び放出に応答して熱を生成するように構成できる。光源120は、MCPCB110上に複数の列で配置でき、又はシステム100の下方に位置する関心領域上に所望の配光パターンを生成するための所定のレイアウトで配置できる。実施形態では、光源120の列は対称に配置し、及び/又はMCPCB110の中心軸を介して配置して、均一な配光パターンを放出し、かつ、均一な量の熱を生成させることができる。しかしながら、他の実施形態では、光源120は、関心領域上に所望の配光パターンを生成するために非対称的に配置してもよい。実施形態では、光源130がMCPCB110上に配置された後に、反射器及び拡散器を光源120の周りに配置することができるが、これはMCPCB110上に共形コーティングが積層される前に行うことができる。
【0024】
屈曲部130は、MCPCB110の第1端部から第2端部までに配置できる。屈曲部130は、システム100に剛性及び/又は機械的強度を追加し、美観を増し、空気の流れを導くためのヒートシンクとして動作し、及び光学的制御を可能にするように構成できる。屈曲部130は、MCPCB110に対して垂直な角度で配置でき、又はMCPCB110の中心軸から下向きに離間した角度で配置できる。屈曲部130を中心軸から離れて下面に向かって角度を付けることにより、システム100の熱性能を増大させることができる。より具体的には、MCPCB110の下方にある光源120(及び他の電子機器)によって加熱される空気は、屈曲部130の下方遠位端に向かって、屈曲部130の遠位端の周りに、MCPCB110の上方に位置するシステム100の中心軸に向かって移動できる。実施形態では、反射器は屈曲部130上に配置できる。
【0025】
屈曲部130の高さは、MCPCB110の長さに基づくことができ、この場合、屈曲部の高さは、屈曲部130の遠位端部からMCPCB110の上面までの垂直距離とすることができる。MCPCB110の長さがさらに長い実施形態では、屈曲部130の高さはそれよりも高くてよい。MCPCB110の長さがそれよりも短い実施形態では、屈曲部130の高さはそれよりも低くてよい。
【0026】
所定の実施形態では、屈曲部130の幾何学的特性に基づいて、屈曲部130は、光源120から放出される光の光学的制御に利用できる。具体的には、屈曲部130は、光源120から放出される光に対する拡散/投光反射器として使用できる。これにより、システム100は、システム100の下方にある関心領域上で望ましい配光パターンを改変、変更及び/又は作成することができる。
【0027】
実施形態では、屈曲部130の角度、長さ、高さ、及び/又は他の幾何学的特性は、MCPCB110が等温となるように中心軸にわたって対称とすることができる。しかし、他の実施では、屈曲部130の角度、長さ、高さ、及び/又は他の幾何学的特性は非対称であってもよい。例えば、様々なシステムを様々な幾何学的レイアウトで作成できる。例えば、システム100は、MCPCBの中心軸に沿って延びる光源の1列のみを備えることができる。さらに、他のシステムにおける屈曲部の長さはシステム100の長さよりも短く、他のシステムの光の間隔はシステム100の間隔とは異なっていてよい。様々なシステムの幾何学的特性を光学的制御に利用して、異なる関心領域に異なる所望の配光パターンを放射することができる。
【0028】
図2は、一実施形態に係るシステム100の熱性能を示す。
図2に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0029】
図2に示されるように、光源120によって生成された熱は、MCPCB110に対して実質的に等温的に分配され得る。これにより、MCPCB110全体の熱がある程度均一になり得る。光源120によって熱が生成されると、システム100の下方の加熱空気は、屈曲部130の遠位端の周りをMCPCB110の中心軸に向かって流(210)れることができる。屈曲部130の形状のため、流動空気210は、MCPCB110の上方にありかつ離間した周辺環境にさらに効率的に放散できる。
【0030】
図3は、一実施形態に係るシステム100の熱性能を示す。
図3に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0031】
より具体的には、
図3は、システム100の周りに生成されかつ方向付けられた空気流210のより詳細な図を示す。
図3に示すように、システム100の周りはやや等温的な分布である。
【0032】
図4は、一実施形態に係るシステム100の正面図を示す。
図4に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0033】
実施形態では、システム100の上部放熱表面積は、MCPCB110の全高410、上部幅420、及びMCPCB110の平面と屈曲部130との角度430に部分的に基づくことができる。例えば、システム100の上部放熱表面積は、高さ410をsin(180度の角度430)で割った値に幅420を加え、これにMCPCB110の縦軸に沿った長さを乗じたものの2倍に等しくてよい。さらに、システム100の機械的剛性は屈曲部130の高さ410に基づくことができ、その際、高さ410を増すと、MCPCB110の長さに沿って機械的剛性を増大させることができる。したがって、システム100の上部放熱面積は、システム100の機械的強度と相関し得る。
【0034】
実施形態では、全高、全幅、及び角度430は、上部放熱面積に基づいて互いに依存する場合がある一方で、高さ410及び幅420は互いに独立したものであることができる。ここで、高さ410はMCPCB110の望ましい剛性に基づいて変更でき、また、幅420は、MCPCB110の望ましいヒートシンクに基づいて変更できる。したがって、MCPCB110の望ましいヒートシンク定格がある場合には、幅420を選択することができると共に、高さ410を所望の変数まで浮動させて上部放熱表面を最大化することができる。
【0035】
図5は、一実施形態に係る電気入力ワット数(x軸)に応じた温度変化(y軸)のグラフ500を示す。より具体的には、グラフ500は、ワット数に基づくシステム100上のLEDに関連する温度変化を示す。
【0036】
グラフ500に示されるように、システム100及び対応するLEDに加えられるワット数が増加すると、システム100に関連する温度も増加する。
【0037】
図6は、一実施形態による、電気入力ワット数(x軸)の関数としての平方インチ当たりの温度変化(y軸)のグラフ600を示す。具体的には、グラフ600は、ワット数に基づいたシステム100内のLEDに関連する温度の変化を示している。
【0038】
グラフ600に示されるように、システム100及び対応するLEDに加えられるワット数が増加すると、システム100に関連する平方インチ当たりの温度も増加する。
【0039】
実施時に、システム100のLEDのワット数を決定すると、グラフ600に示されるようなメトリックを使用して平方インチ当たりのデルタ温度及びグラフ500を使用したデルタ温度を決定することができる。平方インチ当たりのデルタ温度を上記デルタ温度で割って上部放熱表面積を決定することができる。次に、長さ(又は他の変数)などの制約因子を利用して、他の幾何学的特性を決定することができる。
【0040】
図7は、一実施形態に係るシステム100の熱性能のグラフ700を示す。
図7に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0041】
より具体的には、表700は、システム100の温度上昇(Y軸)を、2つの屈曲を有するシステム100の入力ワット数(X軸)の関数として示す。表700は、システムの中心軸に沿った3つの異なる箇所710、720、730における温度のデータポイントと記録された温度の平均740とを含む。表700に示されるように、MCPCB110の第1端部から第2端部までの温度は、温度記録の位置に関係なく実質的に線形かつ等温的である。さらに、光源に対するワット数が増加すると、対応するデータポイント710、720、730全体の温度は線形に増加する。
【0042】
図8は、一実施形態に係るMCPCB取付器具800を示す。
図8に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0043】
図8に示すように、取付器具800は、複数の屈曲したMCPCB110を備えることができる。MCPCB110のそれぞれは、互いに平行に整列することができる。屈曲部130の外側端部は、MCPCB110の上面814に対して平行に延在する平坦な平面812を備えることができる。平面812は、MCPCBの端部をエンドキャップ820、830に結合するために利用できる。
【0044】
エンドキャップ820、830は、複数のMCPCB110の端部を互いに結合するように構成された重合体又は金属(アルミニウム、スチール)製エンドキャップとすることができる。さらに、エンドキャップ820、830は、屈曲部130に対して直交するように配置するように構成できる。エンドキャップ820、830を屈曲部130に対して直交する方向に配置することにより、エンドキャップ820、830は、取付器具800の横軸において取付器具800に対して機械的剛性及び支持を与えることができる。エンドキャップ820、830は、レール822と、上部結合機構824と、下部結合機構826とを備えることができる。
【0045】
レール822は、取付器具800の横軸に沿ってレールエンドキャップ820、830の第1側部からエンドキャップ820、830の第2側部に延在する中空チャネル、チャンバ、通路とすることができる。レール822により、MCPCB110は、エンドキャップ820、830に結合される前に、取付器具800の横軸に沿ってスライドすることができる。レール822は、MCPCB110の対応する端部を受け入れてMCPCBをレール822に結合するように構成できる。さらに、レール822は、電気部品及び取付器具800の他の要素をチャンバ内に収容できるように構成できる。これにより、露出した電気部品及び取付器具800の他の要素の全てを排除することができる。
【0046】
上部結合機構824は、MCPCBの上面814をエンドキャップ820、830に結合するように構成されたシステム及び機構とすることができる。上部結合機構824としては、ネジ、ボルト、留め金などを挙げることができる。
【0047】
下部結合機構826は、平面812をエンドキャップ820、830に結合するように構成されたシステム及び機構とすることができる。下部結合機構826としては、ネジ、ボルト、留め金などを挙げることができる。エンドキャップ820、830に対してMCPCB110を異なる垂直及び水平オフセットで複数の位置に結合することにより、MCPCB110はエンドキャップ820、830にしっかりと固定できる。
【0048】
図9は、一実施形態に係るMCPCB取付器具900を示している。
図9に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。さらに、取付器具900に記載されている構成要素は、取付器具100、200、300などの他の取付器具と併用してもよいし、独立して使用してもよい。
【0049】
図9に示されるように、MCPCB110の第1セットはエンドキャップ820、830を介して互いに結合され、MCPCB110の第2セットはエンドキャップ820、830を介して互いに結合できる。実施形態では、MCPCB110の第1セット及び第2セットは、同じ数又は異なる数のMCPCBを有することができる。MCPCB110の第1及び第2セットは、同じ電源920を利用してもよい。電源920に関連する電子部品930及び配線は、レール820に通してもよい。
【0050】
実施形態において、MCPCB110の第1及び第2セットは、取付器具900の同一側のエンドキャップ820、830の間に配置できるヒンジ910を介して互いに結合できる。ヒンジ910は、取付器具900が長手軸に沿ってそれ自体折り畳まれることを可能にすることができる。これにより、輸送及び設置中に固定具900の幅をさらに小さくすることができる。
【0051】
図10は、一実施形態に係るMCPBC取付器具1000の一実施形態を示す。
図10に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。さらに、取付器具1000において説明される構成要素は、取付器具などの他の取付器具と併用してもよいし、独立して使用してもよい。
【0052】
図10に示すように、電気配線1010をレール830に通すことができる。これにより、器具1000を収容するのに必要な物理的空間を減らすことができる。
【0053】
図11は、一実施形態によるMCPCB取付具1100を示す。
図11に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0054】
図11に示すように、取付具1100は、複数の屈曲MCPCB110と、第1ブラケット1110と、第2ブラケット1120と、ヒンジ1170とを備えることができる。
【0055】
複数の屈曲MCPCB110は、互いに平行に配置できる。しかしながら、他の実施形態では、複数の屈曲MCPCB110は互いに斜めにしてもよい。複数の屈曲MCPCB110は、隣接する屈曲MCPCB110から等距離に配置できる。しかしながら、他の実施形態では、複数の屈曲MCPCB110は、互いに異なる距離に配置してもよい。
【0056】
ブラケット1110、1120は、それぞれ、屈曲MCPCB110の第1セット及び屈曲MCPCB110の第2セットに一緒に構成される重合体又は金属(アルミニウム、スチール)製のブラケット、ブレース、支持構造などとすることができる。ブラケット1110、1120は、屈曲部130に対して直交するように配置されるように構成できる。屈曲部130に対して直交する方向にブラケット1110、1120を配置することにより、ブラケット1110、1120は、取付器具1100の横軸において取付器具1100に対して機械的剛性及び支持を与えることができる。実施形態では、屈曲MCPCB110の第1及び第2セットは、同じ数又は異なる数のMCPCB110を有することができる。さらに、それらのグループ内の屈曲MCPCB110は、同じ光源又は異なる光源を備えた同じ又は異なるサイズとすることができ、互いに対称又は非対称とすることができ、同じ又は異なる配光パターンを放出することができる。これにより、屈曲MCPCB110の第1セットと屈曲MCPCb110の第2セットとの間の特性に基づいて、第1及び第2セットは、配光パターンを、異なる関心領域にわたって同じ及び/又は異なる配光パターンに発するように構成できる。
【0057】
ブラケット1110、1120は、切欠部1115、第1レール1130、第2レール1140、チャネル1114、及び結合オリフィス1112を備えることができる。
【0058】
切欠部1115は、ブラケット1110、1120の下面に配置できる。切欠部1115は、MCPCB110の上面を受け入れるように構成できる。実施形態では、切欠部1115は、MCPCB110の上面に対応する形状とすることができる。したがって、MCPCB110が、切欠部1115に挿入されると、切欠部1115の内面は、MCPCB110の上面に隣接して配置できる。これにより、熱がブラケット1110、1120の側壁の上部周辺に流れる連続面が形成できる。さらに、MCPCB110が切欠部1115内に配置されると、底面MCPCB110は切欠部1115の底面と同一平面になることができる。
【0059】
第1レール1130はブラケット1110、1120の第1側に配置され、第2レール1140はブラケット1110、1120の第2側に配置され、チャネル1114が第1レール1130と第2レール1140の間に配置される。第1レール1130及び第2レール1140の上端は、チャネル1114の上面から垂直にずらすことができる。これにより、光源によって生成された熱を、MCPCB110の長手方向軸に対して直交することができるブラケット1110、1120の長手方向軸に向けて導くことができる。
【0060】
チャネル1114は、第1レール1130と第2レール1140との間に延在することができ、チャネル1114の上面は、第1レール1130及び第2レール1140の上面よりも下にある。チャネル1114は、チャネル1114の本体を通って延在する結合オリフィス1112を備えることができる。結合オリフィス1112は、MCPCB110をブラケット1110、1120に結合させるための結合機構(すなわち、ネジ、ボルトなど)を受け入れるように構成できる。
【0061】
ヒンジ1170は、第1ブラケット210と第2ブラケット1120との間に配置でき、その際、ヒンジ1170は、第1ブラケット1110と第2ブラケット1120とを結合するように構成される。ヒンジ1170は、取付器具1100がブラケット1110、1120の長手方向軸に沿ってそれ自体を折り畳むことを可能にするように構成できる。具体的には、ヒンジ1170は、第1ブラケット1110が第2ブラケット1120に対して回転できるように構成できる。これにより、第1ブラケット1110及び第2ブラケット1120は、完全に延在したときに第1モードで同じ平面に配置でき、第1ブラケット1110及び第2ブラケット1120は、完全に折り畳まれたときに第2モードで2つの平行な平面に配置できる。これにより、取付器具1100の幅を、輸送及び設置中に小さくすることができる。実施形態では、ヒンジ1170は、ブラケット1110、1120の長手方向軸の中心にある箇所に配置できる。これにより、システム1100は、折り畳まれたとき又は展開されたときに対称になることができる。なお、システム1100は2個以上のヒンジを含むことができる。これにより、システム1100を延在させたときにはシステム1100の長さがさらに長くなり、システム1100をヒンジの周りに折り畳むときには同じサイズになる。
【0062】
実施形態では、結合オリフィス1112は、ブラケット1110、1120が壁、天井などの支持構造に結合することも可能にする。第1ブラケット1110を支持構造に結合することに応答して、第2ブラケット1120が回転することができるのに対し、第1ブラケットは所定位置に固定されたままである。これにより、システム1100が支持構造に取り付けられたときに、システム1100のプロファイルを縮小及び/又は変更することを可能にすることができる。さらに、第2ブラケット1120の回転に応答して、第1ブラケット1110及び第2ブラケットに関連する光源による関心領域の配光パターンは、回転に基づいて変化することができる。
【0063】
図12は、一実施形態に係るMCPCB取付器具1100を示す。
図12に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0064】
図12に示されるように、ヒンジ1170は、第1ブラケット1110が第2ブラケット1120に対して回転することを可能にする機械的軸受として機能することができる。これにより、システム1100の角度は180度未満に減少することができるが、ただし90度よりも大きい。
【0065】
図13及び
図14は、一実施形態に係るMCPCB取付器具1100を示す。
図13及び
図14に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0066】
図13に示されるように、ヒンジ1170は、第1ブラケット1110及び/又は第2ブラケット1120が互いに回転することを可能にすることができる。
【0067】
図14に示すように、第2ブラケット1120に対する第1ブラケット1110の回転に応答して、MCPCB110の第1セットに関連する屈曲部の端部は、MCPCB110の第2セットに関連する屈曲部の端部に隣接して配置できる。さらに、第1ブラケット1110の下面は、第2ブラケット1120の下面に隣接又は近接して配置できる。これにより、システム1100が占めるプロファイルを最小化することができる。さらに、MCPCB110の端部を互いに隣接して配置することにより、MCPCB110に関連する光源を保護することができる。さらなる実施形態では、ヒンジ1170は、システム1100を第1延在モード又は第2折り畳みモードで解放可能に配置できるようにするロックを備えることができる。
【0068】
図15は、一実施形態に係る、ブラケット付き照明器具を利用する方法1500を示す。以下に示される方法1500の操作は、例示を目的とするものである。いくつかの実施形態では、方法1500は、説明されていない1以上の追加操作によって、及び/又は説明した1以上の操作なしで達成できる。さらに、方法1500の操作を
図15に示しかつ以下で説明される順序は、限定することを意図するものではない。
【0069】
操作1510では、ブラケット付き照明器具を折り畳みモードで配置できる。折り畳みモードでは、屈曲パネルの第1セットを、ヒンジを中心に回転させて、屈曲パネルの第2セットに隣接して配置することができる。折り畳みモードでは、屈曲パネルの本体が、関連する光源を構成要素から保護する。これは、輸送及び設置中に光源を保護するのに役立つ。
【0070】
操作1520では、屈曲パネルの第1セットは、ヒンジを中心として回転できる。
【0071】
操作1530では、屈曲パネルの第1セットは、屈曲パネルの第1セットが屈曲パネルの第2セットと同一平面にあるように、延在モードで配置できる。
【0072】
図16は、一実施形態に係る、光源120から放射される配光パターンを光学的に制御するシステム1600を示す。
図16に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0073】
システム1600に示されるように、MCPCB110は、個々のパネルを形成する複数の屈曲部を備える場合がある。具体的には、
図2に示されるシステム100は、4つの屈曲部を備え、2つの屈曲部1612、1622は光源120が配置される中央パネル1605の両側に配置される。しかしながら、他の実施形態では、システム1600は、中央パネル1605の異なる側面上で同じ又は異なる数とすることができる任意の数の屈曲部を備えることができる。
【0074】
第1屈曲部1612は、中央パネル1605と第1パネル1610との間に配置でき、第2屈曲部1622は、第2パネル1620と第1パネル1610との間に配置できる。実施形態では、第1屈曲部1612は、第2屈曲部1622と同一の又は異なる角度とすることができ、第1パネル1610は、第2パネル1620と同一の又は異なる長さとすることができる。
【0075】
実施形態では、最も外側のパネル(第2パネル1620)の遠位端部に対する基板の中心から第1屈曲部1612までの傾斜角度は、システム1600の光学的制御のレベルを決めることができる。光学的制御のレベルは、システム1600の下方に位置する関心領域の光強度、均一性、広がり、パターンなどを決めることができる。傾斜角度を大きくすると、光源120の光学的制御のレベルが増加するのに対し、傾斜角度を小さくすると、光源120の光学的制御のレベルが減少する。LED光源(ほとんどの光源と同様)は、ランベルトエミッタである。MCPCBシステムでは、側壁反射器がLambertianからの放射強度分布を変更する。最大中心ビーム放射強度は、次の輝度方程式から算出できる:
【数1】
ここで、φは光束であり、nは屈折率であり、Aは面積であり、Ωはシステムの立体角である。光源及び関心領域の開始屈折率が同一であると仮定すると(空気の場合はn=1)、方程式は次のようになる:
【数2】
【0076】
放射強度は、光束を立体角で割ったものである。
【数3】
【0077】
上記式から、放射強度は光学部品の面積に比例する。この場合、光学部品はMCPCB反射器であり、面積は屈曲部の遠位端にある開口である。放射強度を増加させるために、光学部品の出口開口サイズを比例して増加させる必要がある。
【0078】
さらに、パネル1610、1620のそれぞれの長さは、システム1600の全体的な配光に及ぼすパネル1610、1620のそれぞれの影響を決めることができる。パネル1610、1620の長さを長くすることにより、そのパネルはシステム1600の全体的な配光に大きな影響を与えることになる。逆に、パネル1610、1600の長さを短くすると、システム1600の配光のパネルの効果が減少することがある。同様に、屈曲部1612、1622の特定の角度は、システム1600の配光に影響を与える可能性があり、屈曲部1612、1622の角度を大きくすると、全体的な配光の効果が増加する。
【0079】
図17は、一実施形態に係る、光源1702、1704、1706、1708から放射される配光パターンを光学的に制御するシステム1700を示す。
図17に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0080】
具体的には、
図17は、より厳密な光学的制御のための8個の屈曲システムを示しており、4個の屈曲部1712、1714、1716、1718が光源1702、1704、1706、1708の両側に配置されている。4個の屈曲部1712、1714、1716、1718を利用して、反射面を有する4個のパネル1710、1720、1730、1740を作製することができる。
図17に示されるように、4個のパネル1710、1720、1730、1740は等しい長さを有し得る。さらに、光源1702、1704、1706、1708は、光源1702、1704、1706、1708の両側に位置する第1パネル1712から等距離に配置できる。
【0081】
図18~19は、システム1700の下方に位置する関心領域1820上にシステム1700によって生成された対称配光パターン1810を示す。さらに、システム1700によって生成された配光パターン1810は、実質的に均一な放射強度を有することができる。
【0082】
図20~
図22は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するためのシステム2000を示す。
図20~22に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0083】
システム2000では、光源2002、2004、2006、2008は、光源2002、2004、2006、2008の右側又は左側のいずれかにある第1屈曲部200の1つの近くに配置できる。これを利用して、関心領域に非対称放射強度2020を持つ非対称配光パターン610を生成することができる。システム2000では、システム2000の左側及び右側にある屈曲部及びパネル2010、2020、2030、2040の特性は同じものとすることができる。しかし、中央パネル上にある光源2002、2004、2006、2008の非対称的な配置のため、配光パターン2010と放射強度2020とは非対称になることがある。しかし、他の実施形態では、非対称の配光パターン2010又は放射強度2020を生成するために、光源2002、2004、2006、2008の左側及び右側のパネルの長さ、パネルの数、及び屈曲角度は異なっていてもよい。
【0084】
図23~25は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するためのシステム2300を示す。
図23~25に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0085】
図23~25に示されるように、システム2300は、2個のパネル2310、2320を形成する2個の屈曲部を有することができる。システム2300に関連付けられた光源は、光源の各側のパネル2310に関連付けられた第1屈曲部から等しい距離に配置でき、その際、パネル2310、2320及びライトシステムの両側の屈曲部の角度は同一とすることができる。このレイアウトを利用して、システム2300の下方に位置する関心領域に対称的な配光パターンを実質的に均一な放射強度で生成することができる。
【0086】
図26~27は、一実施形態に係る、光源から放射される配光パターンを光学的に制御するためのシステム2600を示す。
図26~
図27に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0087】
システム2600に示されるように、システム2600は、4個の屈曲部が光源2605の両側に配置された8個の屈曲部2602、2604、2606、2608を備えることができる。これにより、システム2600内に8個のパネル2610、2620、2630、2640が生成される。光源2605の位置が第1屈曲部2602までの距離に等しく、屈曲部2602、2604、2606、2608の角度の特性と光源の両側のパネル2610、2620、2630、2640の長さが等しいため、システム2600の下方にある関心領域での配光パターンと放射強度は対称的となる場合がある。
【0088】
図28は、一実施形態に係る、スマートモジュール2840を備えた照明器具システム2800を示す。システム2800は、ヒートシンク2810、MCPCB2820、光源2830、及びスマートモジュール2840を備えることができる。
【0089】
ヒートシンク2810は、アルミニウムなどの金属を一体に折り畳んだシートから構成できる。この金属シートは、ヒートシンク2810の第1端部からヒートシンク2810の第2端部までそれ自体が折り畳まれてフィンを形成することができる。次いで、フィンを押し出してMCPCB2820を受け入れることができ、その際、MCPCB2820は、折り畳まれて突出したヒートシンク2810の本体内に埋め込まれてもよい。他の実施形態では、ヒートシンク2810は、アルミニウムなどの金属の一体ブロックを押し出すことによりフィンを生成することによって形成できる。突出部は、金属の一体ブロックの上面から基部に向かって又は基部に延在するフィンからなり、その際、突出部は、フィン部分を含むダイを通して金属の一体ブロックを挿入することによって形成できる。金属の一体ブロックの残りの部分は、ダイのネガを介してフィンを形成することができる。さらなる実施形態では、ヒートシンク2810は、MCPCB2820を受け入れるように構成されたチャンバを備えた任意のタイプのヒートシンクとすることができる。しかしながら、他の実施形態は、ヒートシンク2810を含まなくてもよい。
【0090】
MCPCB2820は、銀、スズ、金、銅、3003AL、5052AL、及び/又は他の所望の金属を含めて、任意の金属又はプラスチックから形成できる。特定の実施形態では、MCPCB2820は、放射率が非常に低い金属又は基板から形成できる。しかし、このようなシステムは、高放射率プラットフォームを備えたシステムよりもはるかに大型になる。さらに、MCPCB2820は、システム2800の電子部品を直接配置又は埋め込むことができる任意の材料から形成でき、かつ、ヒートシンク内に固定して埋め込むことができ、その際、ヒートシンクは、折り畳まれたフィン及び/又は突出物から構成される。
【0091】
光源2830は、発光ダイオード(LED)又は光を発するように構成された他の任意の素子とすることができる。光源2830は、MCPCB2820に直接埋め込み又は配置することができ、例えばMCPCB2820、ヒートシンク、又はその両方にテープ又は熱接着剤を貼り付けるための追加の操作が不要になる。光源2830は、MCPCB2810の第1端部からMCPCB2820の第2端部まで配置できる。光源2830は、光の生成及び放出に応じて熱を生成するように構成できる。光源2830は、システム2800の下方に位置する関心領域上に所望の配光パターンを生成するために、MCPCB2820上に複数の列で、又は任意の所定のレイアウトで配置できる。実施形態では、光源2830は、空間2836によって区画できる複数の小区分化群2832、2834に配置できる。実施形態において、光源2830の各群2832、2834は、MCPCB2820上に直接配置されて、下部構造を形成することができ、その際、光源2830は、MCPCB2820上に配置されたトレースによって結合される。したがって、光源2830は、MCPCB2820の電気特性を利用して、システム2800の電気相互接続の数を制限する上部構造を形成することができる。
【0092】
スマートモジュール2840は、光源2830の群間とMCPCB2820の屈曲部間との空間2836内に配置されたハウジング2842及びセンサ2844を備えた装置とすることができる。
【0093】
ハウジング2842は、MCPCB2820の第1屈曲部の遠位端部からMCPCB2820の第2屈曲部の遠位端部まで延在するケーシングであり、屈曲部間の平坦面まで延びる側壁も備える。ハウジング2842は、センサ2844の回路を、構成要素、環境、及び光源2830から発生する熱から保護するように構成できる。実施形態では、ハウジング2842は、プラスチックカバー又は金属カバーとすることができる。
【0094】
センサ2844及び対応する回路は、ハウジング2842内に配置されるように構成できる。センサ2844としては、電源、アンテナ、コントローラー、及びCO2センサ、温度センサ、湿度センサ、光合成フォトンフラックスセンサ、放射計、可視カメラ、分光計、蛍光計、高温計、ボロメータなどのセンサが挙げられる。光源2830の群間にあるMCPCB2820上にセンサ2844を直接配置することにより、センサ2844は、光源2830によって直接影響を受けるデータを決定できる可能性がある。さらに、MCPCB2820の特性を利用してセンサ2844を備えた上部構造を形成することにより、システム100の電気的相互接続の数を減らすことができる。
【0095】
さらに、センサ2844を光源2830間のMCPCB2820上に直接配置することにより、センサ144は、放射光の箇所で照明器具2800に関連するデータを直接決定でき、及び/又は放射光の影響を受ける関心領域を直接監視できる。例えば、センサ2844がカメラを備える実施形態では、カメラは、光源2830の下方の関心領域のデータ、画像、記録などを直接決定することができる場合がある。これにより、オペレータは、観察された関心領域に基づいて、強度、間隔持続時間、動作時間などの光源2830の特性を遠隔で変更することができる。
【0096】
スマートモジュールの追加の実施形態は、光源2830と、スマートモジュール2840に関連付けられたトランシーバとに結合されるように構成された回路基板を含むことができる。回路基板は、上部構造としてのMCPCB2820に直接埋め込まれてもよく、MCPCB2820に直接埋め込まれたトレースを介してスマートモジュール140の他の構成要素と結合してもよい。回路基板は、トランシーバを介してリモートコンピューティングデバイスからデータを受信し、受信したデータに関連するデータを通信して光源2830を制御するように構成できる。例えば、回路基板は、リモートコンピューティングデバイスからデータを受信して、光源2830を暗くし、光源2830に関連するデューティサイクルを修正し、当該データに基づいて光源2830を局所的に制御することができる。
【0097】
図29は、一実施形態に係る、スマートモジュール2840を備えた照明器具システム2800を示す。
図29に示される構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0098】
図29に示されるように、センサモジュール2840は、センサ2844を電気的に接続するようにMCPCB2820上に直接配置されるトレースを備えることができる複数のセンサ2844を含むことができる。実施形態では、トレースを、ハウジング2842によって覆われるMCPCB2820の部分内に配置して、露出したトレースの量を制限し、システム100のトレースの量を制限することができる。
【0099】
図29にさらに示されるように、MCPCB2820の屈曲部2822の遠位端部は、ヒートシンク2810のフィン2812の遠位端の下方に配置できる。この配置は、センサモジュール2840内の部品を構成要素からさらに遮蔽するように利用できる。
【0100】
図30及び
図31は、一実施形態に係る、スマートモジュール140を備えた照明器具システム300を示す。
図3に示された構成要素は上で説明されており、簡潔にするために、これらの構成要素の追加説明は省略する。
【0101】
図30及び31に示されるように、スマートモジュール2840は、ヒートシンク2810なしで、MCPCB2820上に直接配置されるように構成できる。これにより、スマートモジュール2840を備えた照明器具システム3000を有することが必要な部品の数が限定できる。スマートモジュール140は、トレースが照明器具の配線3010に結合された、MCPCB2820に直接埋め込まれた上部構造として形成できる。
【0102】
具体的には、スマートモジュール2840に関連付けられたセンサ2844は、MCPCBに直接埋め込まれたBLEその他のタイプのアンテナ及びCOZIRセンサとすることができる。
【0103】
今のところ最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて、例示の目的で本技術を詳細に説明してきたが、このような詳細は専ら例示であり、当該技術は開示された実施形態に限定されず、また、逆に、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内にある修正及び均等の配置を網羅するものであると解すべきである。例えば、本技術は、可能な限り、任意の実施形態の1以上の特徴を任意の他の実施形態の1以上の特徴と組み合わせることができることを意図すると解すべきである。
【0104】
本明細書を通して「一実施形態」、「実施形態」、「一例」又は「例」への言及は、実施形態又は実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「一実施形態では」、「実施形態では」、「一例」又は「例」という語句の出現は、必ずしも全て同一の実施形態又は実施例を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1以上の実施形態又は実施例において、任意の適切な組み合わせ及び/又はサブコンビネーションで組み合わせることができる。なお、ここで提供される図は、当業者に対する説明目的のためであり、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0105】
フロー図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施の構成、機能、及び動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、特定の論理機能を実装するための1以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。なお、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は作用を実行する専用ハードウェアベースのシステム又は専用ハードウェアとコンピューターの指示との組み合わせによって実施できるものとする。