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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】3Dメモリ構造およびその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 41/30 20230101AFI20240209BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240209BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240209BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240209BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240209BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240209BHJP
【FI】
H10B41/30
H01L29/78 371
H10B41/27
H10B43/27
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022109900
(22)【出願日】2022-07-07
(65)【公開番号】P2023168178
(43)【公開日】2023-11-24
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】17/743,239
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】沈 冠源
(72)【発明者】
【氏名】傅 崇豪
(72)【発明者】
【氏名】邱 家榮
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-174925(JP,A)
【文献】特開2014-027104(JP,A)
【文献】特開2010-192589(JP,A)
【文献】特開2022-020276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/30
H01L 21/336
H10B 41/27
H10B 43/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にエッチング停止層を形成するステップであって、前記基板が能動素子を有する、ステップと、
前記エッチング停止層上に積層体を形成するステップであって、前記積層体が前記エッチング停止層上に交互に積層された複数の絶縁層と複数の犠牲層とを有する、ステップと、
前記積層体に対してパターニング処理を行って、前記能動素子の上方に配置された第1の積層構造、前記第1の積層構造を取り囲む第2の積層構造、および前記第1の積層構造と前記第2の積層構造とを分離して、前記エッチング停止層を露出させるトレンチパターンを形成するステップと、
を含み、
前記トレンチパターンが非対称な内側側壁および外側側壁を含み、前記内側側壁が前記第1の積層構造の側壁を画定し、前記外側側壁が前記第1の積層構造に面する前記第2の積層構造の側壁を画定し、
前記外側側壁が曲線プロファイルを含み、前記内側側壁が階段状プロファイルを有する、3Dメモリ構造を形成する方法。
【請求項2】
前記パターニング処理が第1のパターニング処理および第2のパターニング処理を含み、
前記第1のパターニング処理が、
前記積層体上に第1のマスクパターンを形成するステップと、
前記第1のマスクパターンをマスクとして使用することによって前記積層体の一部を除去して、第1のトレンチを形成するステップであって、前記第1のトレンチが対称な第1の側壁および第2の側壁を有する、ステップと、
前記第1のマスクパターンを除去するステップと、
を含み、
前記第2のパターニング処理が、
前記積層体上に第2のマスクパターンを形成するステップであって、前記第2のマスクパターンが前記第1のトレンチの前記第1の側壁を露出させ、前記第1のトレンチの前記第2の側壁を覆う、ステップと、
前記第2のマスクパターンをマスクとして使用することによって前記積層体の一部を除去して、前記内側側壁および前記外側側壁を有する前記トレンチパターンを形成するステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のパターニング処理が、前記積層体に対する複数のエッチング処理および前記第2のマスクパターンに対する複数のトリミング処理を有する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記トレンチパターンが矩形パターンを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
基板上にエッチング停止層を形成するステップと、
前記エッチング停止層上に積層体を形成するステップであって、前記積層体が前記エッチング停止層上に交互に積層された複数の絶縁層と複数の犠牲層とを有する、ステップと、
前記積層体に対してパターニング処理を行って、複数の積層構造、および複数の前記積層構造を分離して前記エッチング停止層を露出させるトレンチパターンを形成するステップと、
を含み、
前記トレンチパターンが、第1の方向において互いに対向する第1の側壁および第2の側壁、ならびに前記第1の方向に垂直な第2の方向において互いに対向する第3の側壁および第4の側壁を含み、
前記第1の側壁および前記第2の側壁のプロファイルが前記第3の側壁および前記第4の側壁のプロファイルと異なり、
前記第3の側壁および前記第4の側壁が曲線プロファイルを含み、前記第1の側壁および前記第2の側壁が階段状プロファイルを有する、3Dメモリ構造を形成する方法。
【請求項6】
前記パターニング処理が第1のパターニング処理および第2のパターニング処理を含み、
前記第1のパターニング処理が、
前記積層体上に第1のマスクパターンを形成するステップと、
前記第1のマスクパターンをマスクとして使用することによって前記積層体の一部を除去して、複数の第1のトレンチを形成するステップであって、前記第1のトレンチのそれぞれが前記第1の方向に対称な第1のトレンチ側壁および第2のトレンチ側壁、ならびに前記第2の方向に対称な第3のトレンチ側壁および第4のトレンチ側壁を有する、ステップと、
前記第1のマスクパターンを除去するステップと、
を含み、
前記第2のパターニング処理が、
前記積層体上に第2のマスクパターンを形成するステップであって、前記第2のマスクパターンが前記第1のトレンチの前記第1のトレンチ側壁および前記第2のトレンチ側壁を露出させ、前記第1のトレンチの前記第3のトレンチ側壁および前記第4のトレンチ側壁を覆う、ステップと、
前記第2のマスクパターンをマスクとして使用することによって前記積層体の一部を除去して、複数の前記積層構造を形成するステップと、
を有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記トレンチパターンがグリッドパターンを有する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
メモリセル領域、および前記メモリセル領域を取り囲む周辺領域を備える基板と、
前記基板上に配置されたエッチング停止層と、
前記メモリセル領域上の前記エッチング停止層上に配置された3Dメモリアレイであって、前記3Dメモリアレイが、互いに積層され、互いに電気的に絶縁された複数のゲート層を有する第1の積層構造を備える、3Dメモリアレイと、
前記エッチング停止層上に配置され、前記3Dメモリアレイの前記第1の積層構造を取り囲む第2の積層構造であって、互いに積層され、互いに電気的に分離された複数のダミーゲート層を有する、第2の積層構造と、
を備え、
前記第1の積層構造が前記第2の積層構造に面する第1の側壁を含み、前記第2の積層構造が前記第1の積層構造に面する第2の側壁を含み、前記第1の側壁がトレンチパターンの内側側壁を画定し、前記第2の側壁が前記トレンチパターンの外側側壁を画定し、
前記トレンチパターンの前記内側側壁および前記外側側壁が非対称であり、
前記外側側壁が曲線プロファイルを含み、前記内側側壁が階段状プロファイルを有する、3Dメモリ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体構造およびその形成方法に関し、詳細には、3次元(3D)メモリ構造およびその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ(フラッシュメモリなど)は、停電時でも記憶データを保持するという利点を有するため、不揮発性メモリは、パーソナルコンピュータおよび他の電子機器に広く採用されるようになっている。プロセス技術、回路設計、およびプログラミングアルゴリズムの発展とともに、メモリデバイスのサイズは、より高い集積度を達成するために著しく縮小されている。しかしながら、製造プロセスの制限に起因して、従来のプレーナメモリデバイスのサイズは、サイズ縮小の要件をもはや満たすことができない。したがって、現在、プレーナメモリが遭遇する上記の問題を解決するために3Dフラッシュメモリデバイスの開発が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電子デバイスのサイズが縮小し続け、電子デバイスの性能に対する使用の要件が増大し続けるにつれて、当業者は、電子デバイスに使用されるメモリデバイスのサイズおよび性能を改善し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、以下のステップを有する3Dメモリ構造を形成する方法を提供する。能動素子を有する基板上にエッチング停止層を形成する。エッチング停止層上に積層体を形成する。積層体は、エッチング停止層上に交互に積層された複数の絶縁層と複数の犠牲層とを有する。積層体に対してパターニング処理を行って、能動素子の上方に配置された第1の積層構造、第1の積層構造を取り囲む第2の積層構造、および第1の積層構造と第2の積層構造とを分離して、エッチング停止層を露出させるトレンチパターンを形成する。トレンチパターンは、非対称の内側および外側側壁を有する。内側側壁は、第1の積層構造の側壁を画定する。外側側壁は、第1の積層構造に面する第2の積層構造の側壁を画定する。
【0005】
本発明の別の実施形態は、以下のステップを有する、3Dメモリ構造を形成する方法を提供する。基板上にエッチング停止層を形成する。エッチング停止層上に積層体を形成する。積層体は、エッチング停止層上に交互に積層された複数の絶縁層と複数の犠牲層とを有する。積層体に対してパターニング処理を行って、複数の積層構造、および複数の積層構造を分離するトレンチパターンを形成し、エッチング停止層を露出させる。トレンチパターンは、第1の方向に互いに対向する第1の側壁および第2の側壁と、第1の方向に垂直な第2の方向に互いに対向する第3の側壁および第4の側壁と、を有する。第1の側壁および第2の側壁のプロファイルは、第3の側壁および第4の側壁のプロファイルと異なる。
【0006】
本発明の一実施形態は、基板と、エッチング停止層と、3Dメモリアレイと、第2の積層構造と、を有する3Dメモリ構造を提供する。基板は、メモリセル領域、およびメモリセル領域を取り囲む周辺領域とを有する。エッチング停止層は、基板上に配置されている。3Dメモリアレイは、メモリセル領域上のエッチング停止層上に配置され、互いに積層され、互いに電気的に絶縁された複数のゲート層を有する第1の積層構造を有する。第2の積層構造は、エッチング停止層上に配置され、3Dメモリアレイの第1の積層構造を取り囲む。第2の積層構造は、互いに積層され、互いに電気的に絶縁された複数のダミーゲート層を有する。第1の積層構造は、第2の積層構造に面する第1の側壁を含み、第2の積層構造は、第1の積層構造に面する第2の側壁を含み、第1の側壁は、トレンチパターンの内側側壁を画定し、第2の側壁は、トレンチパターンの外側側壁を画定する。トレンチパターンの内側側壁および外側側壁は非対称である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、トレンチパターンが非対称の内側側壁および外側側壁を有するように設計され、後続のプロセスにおいてスクライビングされる第2の積層構造の占有面積を減少させ、後続のプロセスにおいて3Dメモリアレイを形成する第1の積層構造の占有面積を増大させる、3Dメモリ構造およびその形成方法を提供する。そのため、これは、メモリ構造のサイズを縮小し、メモリ構造の性能(例えば、メモリ容量)を向上させるため有益である。本発明の3Dメモリ構造は、3D ANDフラッシュメモリに適用することができる。
【0008】
本開示の上記の特徴および利点をより理解しやすくするために、図面を伴ういくつかの実施形態が、以下のように詳細に説明される。
【0009】
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1B】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1C】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1D】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1E】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1F】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1G】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
図1H】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。
【0011】
図2図1Hの概略上面図である。
【0012】
図3】本発明の別の実施形態による第1の積層構造および第2の積層構造を示す概略断面図である。
【0013】
図4】本発明の一実施形態による3Dメモリ構造の概略断面図である。
【0014】
図5】本発明の一実施形態によるチップ内部の積層構造を示す概略上面図である。
【0015】
図6】本発明によるいくつかの実施形態による3D ANDフラッシュメモリアレイの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示される実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細がなくても実施され得ることは明らかであろう。他の例では、よく知られている構造およびデバイスは、図面を簡略化するために概略的に示されている。
【0017】
本発明は、実施形態のための図面を参照して以下でより包括的に説明される。しかしながら、本発明は、本発明において説明される実施形態によって限定されることなく、異なる形態で実施することも可能である。図面における層および領域の厚さは、分かりやすくするために拡大されている。図面および説明において、同一または類似の部分を示すために同一の参照番号を使用しており、これらは以下の実施形態において繰り返されない。
【0018】
ある要素が別の要素の「上にある」またはそれに「接続されている」と言及される場合、それは他の要素の直接上にあるかまたはそれに接続されていてもよく、または介在する要素が存在していてもよいことが理解されよう。ある要素が別の要素の「直接上にある」またはそれに「直接接続されている」と言及される場合、介在する要素は存在しない。本明細書で使用されるように、「接続」は、物理的および/または電気的接続の両方を指す場合があり、「電気的接続」または「結合」は、2つの要素間に他の要素が存在することを指す場合がある。本明細書で使用される場合、「電気的接続」とは、物理的接続(例えば、有線接続)および物理的切断(例えば、無線接続)を含む概念を指す場合がある。
【0019】
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」または「実質的に」は、言及された値、および当業者が決定することができる許容可能な偏差の範囲内の平均値を含む。測定に関する誤差の具体的な量(すなわち、測定システムの限界)を考慮して、「約」の意味は、例えば、値の1つまたは複数の標準偏差の範囲内、または±30%、±20%、±10%、±5%以内の値を指すことができる。さらに、本明細書で使用される「約」、「およそ」または「実質的に」は、光学特性、エッチング特性または他の特性に基づいて、より許容可能な偏差範囲または標準偏差を選択してもよいが、1つの標準偏差をすべての特性に適用しなくてもよい。
【0020】
本明細書で使用される用語は、単に例示的な実施形態を説明するために使用され、本開示を限定するために使用されるものではない。この場合、文脈上特に断りがない限り、単数形は複数形を含むものとする。
【0021】
図1A図1Hは、本発明の一実施形態による3Dメモリ構造を形成する方法を示す概略断面図である。図2は、図1Hの概略上面図である。図3は、本発明の別の実施形態による第1の積層構造および第2の積層構造を示す概略断面図である。図4は、本発明の一実施形態による3Dメモリ構造の概略断面図である。
【0022】
3Dメモリ構造(例えば、図4に示される3Dメモリ構造1000)を形成する方法は、以下のステップを有する。
【0023】
まず、図1Aを参照すると、基板100上にエッチング停止層200を形成する。基板100は、半導体基板10と、素子分離構造12と、能動素子14と、誘電体層20と、コンタクト22と、相互接続層24と、誘電体層30と、を有する。
【0024】
半導体基板10は、元素半導体、合金半導体または化合物半導体を有する半導体材料を含んでもよい。例えば、元素半導体としては、SiまたはGeが挙げられる。合金半導体としては、SiGe、SiGeCなどが挙げられる。化合物半導体としては、SiC、III-V族半導体材料、またはII-VI族半導体材料が挙げられる。半導体材料は、第1の導電型のドーパントまたは第1の導電型と相補的な第2の導電型のドーパントでドープされてもよい。例えば、第1の導電型は、n型であってもよく、第2の導電型は、p型であってもよい。素子分離構造12は、半導体基板10内に形成されてもよい。素子分離構造12は、シャロートレンチ素子分離構造を含んでもよい。素子分離構造12の材料は、酸化シリコンを含んでもよい。能動素子14は、半導体基板10上に形成されてもよい。能動素子14は、PMOS、NMOS、CMOS、JFET、BJT、またはダイオードを含むことができる。誘電体層20は、半導体基板10上に形成されてよく、能動素子14を覆っていてよい。誘電体層20の材料は、酸化シリコンなどの誘電体材料を含んでもよい。コンタクト22は、誘電体層20内に形成されてもよく、能動素子14に電気的に接続されてもよい。コンタクト22の材料は、金属などの導電性材料を含んでもよい。相互接続層24は、誘電体層20内に形成されてもよく、コンタクト22に電気的に接続されていてもよい。相互接続層24の材料は、金属などの導電性材料を含んでもよい。誘電体層30は、誘電体層20上に形成されてもよい。誘電体層30の材料は、酸化シリコンなどの誘電体材料を含んでもよい。エッチング停止層200の材料は、ポリシリコンを含んでもよい。
【0025】
次に、エッチング停止層200上に積層体300を形成する。積層体300は、エッチング停止層200上に交互に積層された複数の絶縁層302と複数の犠牲層304とを有する。絶縁層302は、例えば、酸化シリコン層であってもよい。犠牲層304は、例えば、窒化シリコン層であってもよい。図1Aでは、説明のための例示的な実施形態として、17層の絶縁層302と16層の犠牲層304とを示しているが、これに限定されるものではない。絶縁層302および犠牲層304の数は、設計に応じて調整することができる。
【0026】
次いで、積層体300に対してパターニング処理を行って、能動素子14の上方に配置された第1の積層構造(例えば、図1Hに示す第1の積層構造SC1)、第1の積層構造を取り囲む第2の積層構造(例えば、図1Hに示す第2の積層構造SC2)、および第1の積層構造と第2の積層構造とを分離して、エッチング停止層200を露出させるトレンチパターン(例えば、図1Hに示すトレンチパターンTP1)を形成する。本実施形態では、トレンチパターンは、(図1Hに示すように)非対称の内側側壁および外側側壁を有するように形成され、それにより、後続のプロセスにおいてスクライブされる第2の積層構造の占有面積を減少させることができ、後続のプロセスにおいて3Dメモリアレイを形成する第1の積層構造の占有面積を増大させることができる。そのため、これは、メモリ構造のサイズを縮小し、メモリ構造の性能(例えば、メモリ容量)を向上させるため有益である。
【0027】
いくつかの実施形態では、積層体300に対して行われるパターニング処理は、第1のパターニング処理および第2のパターニング処理を含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のパターニング処理は、以下のステップを含むことができる。まず、図1Aを参照すると、積層体300上に第1のマスクパターンPR1を形成する。次いで、図1Aおよび図1Bを参照すると、第1のマスクパターンPR1をマスクとして使用することによって積層体300の一部を除去して、第1のトレンチ310aを有する積層体310を形成する。第1のトレンチ310aは、非対称な第1の側壁310a1および第2の側壁310a2を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のトレンチ310aは、以下のステップによって形成されてもよい。
【0029】
まず、第1のマスクパターンPR1をマスクとして使用することによって、基板100に垂直な方向(以下、方向D2)に、積層体300の第1の部分を、例えばエッチングにより除去する。第1の部分は、最上層の絶縁層302(以下、n層目の絶縁層302)の一部と、最上層の犠牲層304(以下、k層目の犠牲層304)の一部とを含んでもよい。
【0030】
次いで、第1のマスクパターンPR1に対して基板100と平行な方向(以下、D1方向)に第1のトリミング処理を行うことによって、第1のマスクパターンPR1の一部を横方向に除去する。その後、第1のトリミング処理でトリミングされた第1のマスクパターンPR1をマスクとして使用することによって積層体300の第2の部分をD2方向に除去する。第2の部分は、n番目の絶縁層302およびk番目の犠牲層304の一部と、(n-1)番目の絶縁層302および(k-1)番目の犠牲層304の一部と、を含んでもよい。
【0031】
そして、第1のマスクパターンPR1に対してD1方向に第2のトリミング処理を行うことによって、第1のマスクパターンPR1の一部を横方向に除去する。その後、第2のトリミング処理でトリミングされた第1のマスクパターンPR1をマスクとして使用することによって、積層体300の第3の部分を方向D2に除去する。第3の部分は、n番目の絶縁層302およびk番目の犠牲層304の一部と、(n-1)番目の絶縁層302および(k-1)番目の犠牲層304の一部と、(n-2)番目の絶縁層302および(k-2)番目の犠牲層304の一部と、を含んでもよい。
【0032】
そして、第1のマスクパターンPR1に対してD1方向に第3のトリミング処理を行うことによって、第1のマスクパターンPR1の一部を横方向に除去する。その後、第3のトリミング処理でトリミングされた第1のマスクパターンPR1をマスクとして使用することによって積層体300の第4の部分を方向D2に除去する。第4の部分は、n番目の絶縁層302およびk番目の犠牲層304の一部と、(n-1)番目の絶縁層302および(k-1)番目の犠牲層304の一部と、(n-2)番目の絶縁層302および(k-2)番目の犠牲層304の一部と、(n-3)番目の絶縁層302および(k-3)番目の犠牲層304の一部と、を含んでもよい。
【0033】
前述したステップによって形成された第1のトレンチ310aは、階段状プロファイルを有する第1の側壁310a1および第2の側壁310a2を有することができる。いくつかの実施形態では、上述したように、第1のトレンチ310aを形成するステップは、第1のマスクパターンPR1に対して3回のトリミング処理を行い、これらの第1のマスクパターンPR1をマスクとして使用することによって、積層体300に対して4回のエッチングなどの除去処理を行うことを含むことができるが、本発明はこれに限定されない。トリミング処理および除去処理の回数は、設計に応じて調整することができる。第1のトレンチ310aを形成した後、第1のマスクパターンPR1を除去する。
【0034】
いくつかの実施形態では、第2のパターニング処理は、以下のステップを含むことができる。まず、図1Bおよび図1Cを参照すると、積層体310上に第2のマスクパターンPR2を形成する。第2のマスクパターンPR2は、第1のトレンチ310aの第1の側壁310a1を露出させ、第1のトレンチ310aの第2の側壁310a2を覆う。次いで、図1Cおよび図1Dを参照すると、第2のマスクパターンPR2をマスクとして使用することによって積層体310の一部を除去して、第2のトレンチ320aを有する積層体320を形成する。第2のトレンチ320aは、非対称な第1の側壁320a1および第2の側壁320a2を有する。第2のトレンチ320aを形成した後、第2のマスクパターンPR2を除去する。いくつかの実施形態において、第2のトレンチ320aは、上述した第1のトレンチ310aを形成するステップを使用することによって形成することができ、すなわち、第2のトレンチ320aは、階段状プロファイルを有する第1の側壁320a1および第2の側壁320a2を有することができる。いくつかの実施形態では、第2のトレンチ320aを形成するステップは、第2のマスクパターンPR2に対して3回のトリミング処理を行い、これらの第2のマスクパターンPR2をマスクとして使用することによって、積層体310に対して4回のエッチングなどの除去処理を行うことを有することができるが、本発明はこれに限定されない。トリミング処理および除去処理の回数は、設計に応じて調整することができる。
【0035】
積層体において互いに積層された絶縁層302と犠牲層304の数が少ない場合は、第2のトレンチ320aは、第1の積層構造SC1と第2の積層構造SC2とを分離し、エッチング停止層200を露出させるトレンチパターンTP1を図1Hに示すように形成することができる。しかしながら、本実施形態では、層数の多い絶縁層302および犠牲層304を例として説明しているため、第1の積層構造SC1と第2の積層構造SC2とを分離して、エッチング停止層200を露出させるトレンチパターンTP1を形成するためには、図1D図1Hに示すパターニング処理を行う必要がある。すなわち、本実施形態では、積層体300に対して行われるパターニング処理は、上述した第1のパターニング処理および第2のパターニング処理と、後述する第3のパターニング処理および第4のパターニング処理とを有することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第3のパターニング処理は、以下のステップを有することができる。まず、図1Dおよび図1Eを参照すると、積層体320上に第3のマスクパターンPR3を形成する。第3のマスクパターンPR3は、第2のトレンチ320aの第1の側壁320a1を露出させ、第2のトレンチ320aの第2の側壁320a2を覆う。次いで、図1Eおよび図1Fを参照すると、第3のマスクパターンPR3をマスクとして使用することによって積層体320の一部を除去して、第3のトレンチ330aを有する積層体330を形成する。第3のトレンチ330aは、非対称な第1の側壁330a1および第2の側壁330a2を有する。第3のトレンチ330aを形成した後、第3のマスクパターンPR3を除去する。いくつかの実施形態では、第3のトレンチ330aは、上述の第1のトレンチ310aを形成するステップを使用することによって形成されてもよく、すなわち、第3のトレンチ330aは、階段状プロファイルを有する第1の側壁330a1および第2の側壁330a2を有することができる。いくつかの実施形態では、第3のトレンチ330aを形成するステップは、第3のマスクパターンPR3に対して3回のトリミング処理を行い、これらの第3のマスクパターンPR3をマスクとして使用することによって、積層体320に対して4回のエッチングなどの除去処理を行うことを含むことができるが、本発明はこれに限定されない。トリミング処理および除去処理の回数は、設計に応じて調整することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、第4のパターニング処理は、以下のステップを含むことができる。まず、図1Gを参照すると、積層体330上に第4のマスクパターンPR4を形成する。第4のマスクパターンPR4は、第3のトレンチ330aの第1の側壁330a1を露出させ、第3のトレンチ330aの第2の側壁330a2を覆う。次いで、図1Gおよび図1Hを参照すると、第4のマスクパターンPR4をマスクとして使用することによって、積層体330の一部を除去して、能動素子14の上方に配置された第1の積層構造SC1と、第1の積層構造SC1を取り囲む第2の積層構造SC2と、第1の積層構造SC1と第2の積層構造SC2とを分離し、エッチング停止層200を露出させるトレンチパターンTP1と、を形成する。トレンチパターンTP1は、非対称の内側側壁TP1aおよび外側側壁TP1bを有する。トレンチパターンTP1を形成した後、第4のマスクパターンPR4を除去する。いくつかの実施形態では、トレンチパターンTP1は、上述した第1のトレンチ310aを形成するステップを使用することによって形成されてもよく、すなわち、トレンチパターンTP1は、階段状プロファイルを有する内側側壁TP1aおよび外側側壁TP1bを有することができる。いくつかの実施形態では、トレンチパターンTP1は、上から見たときに、図2に示されるような矩形パターンを有する。いくつかの実施形態では、トレンチパターンTP1を形成するステップは、第4のマスクパターンPR4に対して3回のトリミング処理を行い、これらの第4のマスクパターンPR4をマスクとして使用することによって、積層体330に対して4回の、エッチングなどの除去処理を行うことを有することができるが、本発明はこれに限定されない。トリミング処理および除去処理の回数は、設計に応じて調整することができる。例えば、積層体の層数が多い場合には、積層体の最上層の表面形状が大きな高低差を示し(例えば、波状の表面形状を含む)、それにより、積層体上に塗布されたフォトレジストの厚さの差も高い位置と低い位置とで大きくなる。例えば、フォトレジストの厚さは、表面形状がより高い位置ではより薄くなり、それにより、トリミングに利用可能な層数が減少する。そのため、積層体の層数がある数を超えると、一般に、前方部でトリミング処理および除去処理を行う回数が、後方部でトリミング処理および除去処理を行う回数よりも多くなる。
【0038】
図1Hおよび図2を参照すると、第1の積層構造SC1は、階段構造を有することができ、後続のプロセスにおいて3Dメモリアレイを形成することができ、したがって、第1の積層構造SC1は、アレイ階段(array staircase)とも呼ばれることがある。第2の積層構造SC2は、階段構造を有することができ、後続のプロセスにおいてスクライブラインを第2の積層構造SC2の領域SLRに形成することができるため、第2の積層構造SC2は、スクライブライン階段(scribe-line staircase)とも呼ばれることがある。トレンチパターンTP1は、上述したようなステップを使用することによって非対称な内側側壁TP1aおよび外側側壁TP1bを有するように形成されてもよく、それにより、スクライブライン階段の占有面積を減少させことができ、一方で、アレイ階段の占有面積を増大させることができる。したがって、これは、メモリ構造のサイズを縮小し、メモリ構造の性能を向上させるのに有益である。いくつかの実施形態では、スクライビング処理を行う前に、アレイ階段を取り囲むようにトレンチパターンTP1内にシールリング(図示せず)を形成して、スクライビング処理中にアレイ階段が損傷するのを防止することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、トレンチパターンTP1の外側側壁TP1bの傾きの絶対値は、トレンチパターンTP1の内側側壁TP1aの傾きの絶対値よりも大きい。いくつかの実施形態では、トレンチパターンTP1の外側側壁TP1bは、第1の階段状プロファイルを有することができ、一方、トレンチパターンTP1の内側側壁TP1aは、第2の階段状プロファイルを有することができ、第1の階段状プロファイルの段数は、第2の階段状プロファイルの段数よりも少ない。いくつかの実施形態では、基板100の表面に垂直な方向D2において、第1の階段状プロファイルの各段の高さは、第2の階段状プロファイルの各段の高さよりも大きい。いくつかの代替の実施形態では、図3に示すように、トレンチパターンTP2は、非対称な内側側壁TP2aおよび外側側壁TP2bを含み、内側側壁TP2aが階段状プロファイルを含み、一方、外側側壁TP2bが曲線プロファイルを有する。
【0040】
その後、第1の積層構造SC1に対して、垂直チャネル(図示せず)の形成、ソース/ドレインピラー(図示せず)の形成、犠牲層304を除去して横方向開口部(図示せず)の形成、横方向開口部内の電荷蓄積層の形成(図示せず)、横方向開口部内の電荷蓄積層体上のワード線(WL)として機能するゲート層GLの形成などのプロセスを行って、図4に示す3DメモリアレイMSCを形成することができる。
【0041】
以下、図4を参照して、本実施形態の3Dメモリ構造1000について説明する。加えて、本実施形態における3Dメモリ構造1000は、3Dメモリ構造を形成する前述の方法によって形成されるが、これに限定されない。
【0042】
図4を参照すると、3Dメモリ構造1000は、基板100、エッチング停止層200、3DメモリアレイMSC、および第2の積層構造SC2を有する。基板100は、メモリセル領域R1、およびメモリセル領域R1を取り囲む周辺領域R2を有する。エッチング停止層200は、基板100上に配置されてもよい。3DメモリアレイMSCは、メモリセル領域R1上のエッチング停止層200上に配置されてもよい。3DメモリアレイMSCは、第1の積層構造SC1を有することができる。第1の積層構造SC1は、互いに積層され、互いに電気的に絶縁された複数のゲート層GLを有することができる。いくつかの実施形態では、ゲート層GLは、例えば、それらの間に配置された(図1Hに示すような)絶縁層302によって互いに電気的に絶縁されてもよい。ゲート層GLは、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、コバルトシリサイド(CoSix)などの導電性材料を含むことができる。第2の積層構造SC2は、エッチング停止層200上に配置されてもよく、3DメモリアレイMSCの第1の積層構造SC1を取り囲むことができる。第2の積層構造SC2は、互いに積層され、互いに電気的に絶縁された複数のダミーゲート層DGLを有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ダミーゲート層DGLは、それらの間に配置された(図1Hに示すような)絶縁層302によって互いに電気的に絶縁されてもよい。いくつかの実施形態では、垂直チャネルおよびソース/ドレインピラーが第2の積層構造SC2に形成されないため、ダミーゲート層DGLは、電気的に浮いていてもよい。ダミーゲート層DGLは、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、タングステンシリサイド(WSix)、コバルトシリサイド(CoSix)などの導電性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ダミーゲート層DGLおよびゲート層GLは、同じステップで同時に形成されてもよいため、ダミーゲート層DGLおよびゲート層GLは、同じ材料を有することができる。
【0043】
第1の積層構造SC1は、第2の積層構造SC2に面する第1の側壁を有することができる。第2の積層構造SC2は、第1の積層構造SC1に面する第2の側壁を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の側壁は、トレンチパターンTP1の内側側壁TP1aを画定し、第2の側壁は、トレンチパターンTP1の外側側壁TP1bを画定する。内側側壁TP1aと外側側壁TP1bは、非対称である。いくつかの実施形態では、外側側壁TP1bの傾斜の絶対値は、内側側壁TP1aの傾斜の絶対値よりも大きくてもよい。例えば、図1Hに示すように、第1の積層構造SC1および第2の積層構造SC2のそれぞれにおける1つの絶縁層と1つの犠牲層(以下、ON層)の厚さの合計が0.1μmであり、第1の積層構造SC1および第2の積層構造SC2のそれぞれにおけるON層間のピッチが0.5μmである場合、外側側壁TP1bの傾きは0.8(0.1×16/0.5×4)であり、内側側壁TP1aの傾きは0.2(0.1×16/0.5×16)である。いくつかの実施形態では、外側側壁TP1bは、曲線プロファイルを有することができ、内側側壁TP1aは、階段状プロファイルを有することができる。いくつかの実施形態では、外側側壁TP1bは、第1の階段状プロファイルを有することができ、内側側壁TP1aは、第2の階段状プロファイルを有することができ、第1の階段状プロファイルの段数は、第2の階段状プロファイルの段数より少なくてもよい。いくつかの実施形態では、基板100の表面に垂直な方向D2において、第1の階段状プロファイルの各段の高さは、第2の階段状プロファイルの各段の高さよりも大きい。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態によるチップ内部の積層構造を示す概略上面図である。
【0045】
図5を参照すると、チップ1100内部の積層構造SC11は、例えば図1A図1Hに示されるプロセスと同様のプロセスによって形成することができる。例えば、積層構造SC11は、以下のステップによって形成されてもよい。まず、基板(図示せず)上にエッチング停止層200を形成する。次に、エッチング停止層200上に積層体(図1Aに示す積層体300と同様の積層体)を形成する。積層体は、エッチング停止層200上に交互に積層された複数の絶縁層(図示しないが、図1Aに示す絶縁層302と同様のもの)と複数の犠牲層(図示しないが、図1Aに示す犠牲層304と同様のもの)とを有することができる。次いで、この積層体に対してパターニング処理を行い、複数の積層構造SC11、および複数の積層構造SC11を分離してエッチング停止層200を露出させるトレンチパターンTP3を形成する。トレンチパターンTP3は、第1の方向D1に互いに対向する第1の側壁TP3aおよび第2の側壁TP3bと、第1の方向D1に垂直な第2の方向D2に互いに対向する第3の側壁TP3cおよび第4の側壁TP3dと、を有する。いくつかの実施形態では、第1の側壁TP3aおよび第2の側壁TP3bは、例えば、後続のプロセスにおいてコンタクトが形成される側壁であってもよい。第3の側壁TP3cおよび第4の側壁TP3dは、例えば、後続のプロセスにおいてコンタクトが形成されない側壁であってもよい。コンタクトは、例えば、ゲート層を電気的に接続するためのワード線コンタクトであってもよい。トレンチパターンTP3は、上から見たときに格子状のパターンを有することができる。
【0046】
図5に示すように、第1の側壁TP3aおよび第2の側壁TP3bのプロファイルは、第3の側壁TP3cおよび第4の側壁TP3dのプロファイルと異なってもよく、それにより、積層構造SC11においてコンタクトが形成されない側壁の占有面積を減少させることができ、したがて、後続のプロセスにおいて3Dメモリアレイを形成する積層構造SC11の占有面積を増大させることができる。そのため、これは、メモリ構造のサイズを縮小し、メモリ構造の性能(例えば、メモリ容量)を向上させるため有益である。いくつかの実施形態では、第3の側壁TP3cおよび第4の側壁TP3dの傾斜の絶対値は、第1の側壁TP3aおよび第2の側壁TP3bの傾斜の絶対値よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第3の側壁TP3cおよび第4の側壁TP3dは、曲線プロファイルを有することができ、一方、第1の側壁TP3aおよび第2の側壁TP3bは、階段状プロファイルを有することができる。いくつかの実施形態では、第3の側壁TP3cおよび第4の側壁TP3dは、第1の階段状プロファイルを有することができ、一方、第1の側壁TP3aおよび第2の側壁TP3bは、第2の階段状プロファイルを有することができる。第1の階段状プロファイルの段数は、第2の階段状プロファイルの段数よりも少ない。いくつかの実施形態では、第1の方向D1および第2の方向D2に垂直な第3の方向(例えば、基板に垂直な方向)において、第1の階段状プロファイルの各段の高さは、第2の階段状プロファイルの各段の高さよりも大きい。
【0047】
いくつかの実施形態では、積層構造SC11は、図1A図1Hに示されるプロセスと同様のプロセスによって形成することができる。すなわち、積層構造SC11を形成するためのパターニング処理は、第1のパターニング処理および第2のパターニング処理を含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1のパターニング処理は、以下のステップを含むことができる。まず、積層体上に第1のマスクパターン(図示せず)を形成する。次いで、第1のマスクパターンをマスクとして使用することによって積層体の一部を除去して、複数の第1のトレンチを形成する(図示せず)。第1のトレンチのそれぞれは、第1の方向D1に対称な第1のトレンチ側壁および第2のトレンチ側壁と、第2の方向D2に対称な第3のトレンチ側壁および第4のトレンチ側壁と、を有することができる。第1のトレンチを形成した後、第1のマスクパターンを除去する。
【0049】
いくつかの実施形態では、第2のパターニング処理は、以下のステップを含むことができる。まず、積層体上に第2のマスクパターン(図示せず)を形成する。第2のマスクパターンは、第1のトレンチの第1のトレンチ側壁および第2のトレンチ側壁を露出させ、第1のトレンチの第3のトレンチ側壁および第4のトレンチ側壁を覆う。次いで、第2のマスクパターンをマスクとして使用することによって積層体の一部を除去して、積層構造SC11およびトレンチパターンTP3を形成する。複数の積層構造SC11およびトレンチパターンTP3を形成した後、第2のマスクパターンを除去する。いくつかの実施形態では、上述したトレンチパターンTP1を形成するステップは、トレンチパターンTP3を形成するために使用することができるが、本発明はこれに限定されない。トリミング処理の回数、除去処理の回数、および処理に使用されるマスクパターンの数は、設計に応じて調整されてもよい。
【0050】
以下、図6を参照して、本実施形態の3DメモリアレイMSCについて説明する。図6は、本開示によるいくつかの実施形態による3D ANDフラッシュメモリアレイの回路図を示す。
【0051】
図6は、行および列に配置された垂直ANDメモリアレイMSCの2つのブロックBLOCK(i)およびBLOCK(i+1)の概略図を示す。ブロックBLOCK(i)は、メモリアレイMSC1を有する。メモリアレイMSC1の行(例えば(m+1)番目の行)は、共通のワード線(例えばWL(i) m+1)を有するANDメモリセルMCの集合である。各行(例えば、(m+1)番の行)のメモリアレイMSC1のANDメモリセルMCは、共通のワード線(例えば、WL(i) m+1)に対応し、異なるソースピラー(例えば、SP(i) nおよびSP(i) n+1)およびドレインピラー(例えば、DP(i) nおよびDP(i) n+1)に結合され、それにより、ANDメモリセルMCは、共通のワード線(例えば、WL(i) m+1)に沿って論理的に一行に配置されている。
【0052】
メモリアレイMSC1の列(例えばn番目の列)は、共通のソースピラー(例えばSP(i) n)および共通のドレインピラー(例えばDP(i) n)を有するANDメモリセルMCの集合である。各列(例えば、n番目の列)のメモリアレイMSC1のANDメモリセルMCは、異なるワード線(例えば、WL(i) m+1およびWL(i) m)に対応し、共通のソースピラー(例えば、SP(i) n)および共通のドレインピラー(例えば、DP(i) n)に結合されている。したがって、メモリアレイMSC1のANDメモリセルMCは、共通のソースピラー(例えば、SP(i) n)および共通のドレインピラー(例えば、DP(i) n)に沿って論理的に一列に配置されている。物理的レイアウトでは、適用される製造方法に従って、列または行をねじって、高密度化または他の理由のためハニカムパターンまたは他のパターンで配置することができる。
【0053】
図6において、ブロックBLOCK(i)では、メモリアレイMSC1のn番目の列のANDメモリセルMCは、共通のソースピラー(例えば、SP(i) n)および共通のドレインピラー(例えば、DP(i) n)を共有する。(n+1)番目の列のANDメモリセルMCは、共通のソースピラー(例えば、SP(i) n+1)および共通のドレインピラー(例えば、DP(i) n+1)を共有する。
【0054】
共通のソースピラー(例えば、SP(i) n)は、共通のソース線(例えば、SLn)に結合され、共通のドレインピラー(例えば、DP(i) n)は、共通ビット線(例えば、BLn)に結合されている。共通のソースピラー(例えば、SP(i) n+1)は、共通のソース線(例えば、SLn+1)に結合され、共通のドレインピラー(例えば、DP(i) n+1)は、共通のビット線(例えば、BLn+1)に結合されている。
【0055】
同様に、ブロックBLOCK(i+1)は、ブロックBLOCK(i)のメモリアレイMSC1と同様のメモリアレイMSC2を有する。メモリアレイMSC2の行(例えば(m+1)番目の行)は、共通のワード線(例えばWL(i+1) m+1)を有するANDメモリセルMCの集合である。各行(例えば、(m+1)番目の行)のメモリアレイMSC2のANDメモリセルMCは、共通のワード線(例えば、WL(i+1) m+1)に対応し、異なるソースピラー(例えば、SP(i+1) nおよびSP(i+1) n+1)およびドレインピラー(例えば、DP(i+1) nおよびDP(i+1) n+1)に結合されている。メモリアレイMSC2の列(例えばn番目の列)は、共通のソースピラー(例えばSP(i+1) n)および共通のドレインピラー(例えばDP(i+1) n)を有するANDメモリセルMCの集合である。ANDメモリセルMCは、集積されて並列に接続されているため、メモリストリングと呼ばれることもある。各列(例えば、n番目の列)のメモリアレイMSC2のANDメモリセルMCは、異なるワード線(例えば、WL(i+1) m+1およびWL(i+1) m)に対応し、共通のソースピラー(例えば、SP(i+1) n)および共通のドレインピラー(例えば、DP(i+1) n)に結合されている。したがって、メモリアレイMSC2のANDメモリセルMCは、共通のソースピラー(例えば、SP(i+1) n)および共通のドレインピラー(例えば、DP(i+1) n)に沿って論理的に一列に配置されている。
【0056】
ブロックBLOCK(i+1)とブロックBLOCK(i)は、ソース線(例えばSLnとSLn+1)およびビット線(例えばBLnとBLn+1)を共有している。したがって、ソース線SLnおよびビット線BLnは、ブロックBLOCK(i)のANDメモリアレイMSC1のn番目の列のANDメモリセルMCに結合され、ブロックBLOCK(i+1)のANDメモリアレイMSC2のn番目の列のANDメモリセルMCに結合されている。同様に、ソース線SLn+1およびビット線BLn+1は、ブロックBLOCK(i)のANDメモリアレイMSC1の(n+1)番目の列のANDメモリセルMCに結合され、ブロックBLOCK(i+1)のANDメモリアレイMSC2の(n+1)番目の列のANDメモリセルMCに結合されている。
【0057】
上記に基づいて、上記の実施形態において提供される3Dメモリ構造およびその形成方法は、非対称の内側側壁および外側側壁を有するトレンチパターンを有するように設計され、後続のプロセスにおいてスクライブされる第2の積層構造の占有面積を減少させ、後続のプロセスにおいて3Dメモリアレイを形成する第1の積層構造の占有面積を増大させる。そのため、これは、メモリ構造のサイズを縮小し、メモリ構造の性能(例えば、メモリ容量)を向上させるため有益である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
上記の実施形態で提供された3Dメモリ構造およびその形成方法は、前述の3D ANDフラッシュメモリだけでなく、他の様々な3Dメモリおよびその形成方法に適用することができる。前述の様々な3Dメモリは、例えば、3D NANDフラッシュメモリ、3D NORフラッシュメモリ、または以下のメモリ構造、すなわち、メモリアレイの周囲にCMOSが配置されたメモリ構造(CMOS and Array、CNA)、メモリアレイの下にCMOSが配置されたメモリ構造(CMOS under Array、CUA)、あるいはXおよび/またはY方向に階段構造を有するメモリ構造を含むメモリであってもよい。
【0059】
開示された実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例示的なものとしてのみ考慮されることが意図されており、本開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示される。
【符号の説明】
【0060】
10:半導体基板
12:素子分離構造
14:能動素子
20:誘電体層
22:コンタクト
24:相互接続層
30:誘電体層
100:基板
200:エッチング停止層
300、310、320、330:積層体
302:絶縁層
304:犠牲層
310a:第1のトレンチ
320a:第2のトレンチ
330a:第3のトレンチ
310a1、320a1、330a1:第1の側壁
310a2、320a2、330a2:第2の側壁
1000:3Dメモリ構造
1100:チップ
D1:方向/第1の方向
D2:方向/第2の方向
GL:ゲート層
DGL:ダミーゲート層
MC:メモリセル
MSC:3Dメモリアレイ/メモリアレイ
MSC1、MSC2:メモリアレイ
PR1:第1のマスクパターン
PR2:第2のマスクパターン
PR3:第3のマスクパターン
PR4:第4のマスクパターン
R1:メモリセル領域
R2:周辺領域
SC1:第1の積層構造
SC2:第2の積層構造
SC11:積層構造
SLR:領域
TP1、TP2、TP3:トレンチパターン
TP1a、TP2a:内側側壁
TP1b、TP2b:外側側壁
TP3a:第1の側壁
TP3b:第2の側壁
TP3c:第3の側壁
TP3d:第4の側壁
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3
図4
図5
図6