(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20240209BHJP
H04W 4/021 20180101ALI20240209BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20240209BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20240209BHJP
【FI】
H04W64/00 140
H04W4/021
H04W4/42
H04W64/00 160
H04W64/00 171
G01S5/02 Z
(21)【出願番号】P 2022128884
(22)【出願日】2022-08-12
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】202210191879.7
(32)【優先日】2022-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】文 加圖
(72)【発明者】
【氏名】李 偉
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0078159(KR,A)
【文献】特表2010-531583(JP,A)
【文献】特開2019-090669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
G01S 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理装置によって実行される信号処理方法であって、
被処理信号セットを取得するステップであって、前記被処理信号セット内の信号に基地局情報と基地局へのアクセス時間が載せられるステップと、
第1信号サブセットに関連付けられた基地局に接続されたユーザ端末についての衛星位置決め位置である位置情報が載せられる、前記被処理信号セット内の
前記第1信号サブセットを決定す
るステップと、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定するステップと、
前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定するステップと、を含む、
信号処理方法。
【請求項2】
前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定する前記ステップは、
前記被処理信号セット内の第2信号サブセットを決定するステップであって、前記第2信号サブセット内の信号に同じユーザ識別子が載せられるステップと、
前記第2信号サブセット内の信号に載せられる基地局へのアクセス時間にしたがって、前記第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス及び前記基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔を決定するステップと、
前記第1タイプ基地局の基地局情報及び前記基地局シーケンスにおける基地局情報にしたがって、前記基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び第2タイプ基地局を決定するステップであって、前記第2タイプ基地局は地下鉄トンネル内に配備された基地局であるステップと、
前記基地局シーケンス内の第1タイプ基地局の位置情報及び前記基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔に基づいて、前記基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定するステップと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2信号サブセットの数は、少なくとも2つであり、前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定する前記ステップは、さらに、
少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた各基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を取得するステップと、
前記少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に、複数の位置を有する第2タイプターゲット基地局が存在するか否かを決定するステップと、
前記少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に第2タイプターゲット基地局が存在することに応答して、前記第2タイプターゲット基地局が有する複数の位置に基づいて、前記第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置に関するガウス分布を生成するステップと、
前記ガウス分布の中心点の位置を、前記第2タイプターゲット基地局の実際の位置として決定するステップと、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定する前記ステップは、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、前記第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するステップと、
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記第1タイプ基地局の位置情報を決定するステップと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、前記第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定する前記ステップは、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる位置情報及び基地局情報にしたがって、前記第1信号サブセット内の信号をクラスタリングし、少なくとも1つの基地局信号クラスタを決定するステップと、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタの位置分布情報及び前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するステップと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタの位置分布情報及び前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定する前記ステップは、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタ内の1つの基地局信号クラスタについて、前記基地局信号クラスタの位置分布情報を混合ガウスモデルにより処理し、前記基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスを決定するステップと、
前記基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスに基づいて、前記中心位置と前記基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散を決定するステップと、
前記基地局信号クラスタの中心位置、前記中心位置と前記基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散、及び前記基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、前記基地局信号クラスタが位置する基地局タイプを決定するステップと、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する基地局タイプにより、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するステップと、を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記第1タイプ基地局の位置情報を決定する前記ステップは、
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記地下鉄駅の中心位置を決定するステップと、
前記第1タイプ基地局の位置を前記地下鉄駅の中心位置として決定するステップと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
端末機器の、前記端末機器のアクセス基地局の識別子が載せられる位置決め要求を受信するステップと、
前記アクセス基地局の識別子に対応するアクセス基地局の位置情報を取得するステップと、
前記アクセス基地局の位置情報を前記端末機器の現在位置として決定するステップと、
前記端末機器に前記現在位置を送信するステップと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
基地局情報と基地局へのアクセス時間が載せられる被処理信号セットを取得するため
の第1取得ユニットと、
第1信号サブセットに関連付けられた基地局に接続されたユーザ端末についての衛星位置決め位置である位置情報が載せられる、前記被処理信号セット内の
前記第1信号サブセットを決定するためのスクリーニングユニッ
トと、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定するための第1決定ユニットと、
前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定するための第2決定ユニットと、を含む、
信号処理装置。
【請求項10】
前記第2決定ユニットは、
同じユーザ識別子が載せられる、前記被処理信号セット内の第2信号サブセットを決定するためのスクリーニングモジュー
ルと、
前記第2信号サブセット内の信号に載せられる基地局へのアクセス時間にしたがって、前記第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス及び前記基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔を決定するための第1処理モジュールと、
前記第1タイプ基地局の基地局情報及び前記基地局シーケンスにおける基地局情報にしたがって、前記基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び
地下鉄トンネル内に配備された基地局である第2タイプ基地局を決定するための分類モジュー
ルと、
前記基地局シーケンス内の第1タイプ基地局の位置情報及び前記基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔に基づいて、前記基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定するための第2処理モジュールと、を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2信号サブセットの数は、少なくとも2つであり、前記第2決定ユニットは、さらに、
少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた各基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を取得するための取得モジュールと、
前記少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に、複数の位置を有する第2タイプターゲット基地局が存在するか否かを決定するための判断モジュールと、
前記少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に第2タイプターゲット基地局が存在することに応答して、前記第2タイプターゲット基地局が有する複数の位置に基づいて、前記第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置に関するガウス分布を生成するための生成モジュールと、を含み、
前記第2処理モジュールは、さらに、前記ガウス分布の中心点の位置を、前記第2タイプターゲット基地局の実際の位置として決定するために用いられる、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1決定ユニットは、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、前記第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するための第1決定モジュールと、
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記第1タイプ基地局の位置情報を決定するための第2決定モジュールと、を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1決定モジュールは、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる位置情報及び基地局情報にしたがって、前記第1信号サブセット内の信号をクラスタリングし、少なくとも1つの基地局信号クラスタを決定するためのクラスタリングサブモジュールと、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタの位置分布情報及び前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するための第1決定サブモジュールと、を含む、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1決定サブモジュールは、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタ内の1つの基地局信号クラスタについて、前記基地局信号クラスタの位置分布情報を混合ガウスモデルにより処理し、前記基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスを決定することと、
前記基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスに基づいて、前記中心位置と前記基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散を決定することと、
前記基地局信号クラスタの中心位置、前記中心位置と前記基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散、及び前記基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、前記基地局信号クラスタが位置する基地局タイプを決定することと、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する基地局タイプにより、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定することと、に用いられる、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2決定モジュールは、
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記地下鉄駅の中心位置を決定するための第2決定サブモジュールと、
前記第1タイプ基地局の位置を前記地下鉄駅の中心位置として決定するための第3決定サブモジュールと、を含む、
請求項12に記載の装置。
【請求項16】
端末機器のアクセス基地局の識別子が載せられる
、前記端末機器の位置決め要求を受信するための受信ユニットと、
前記アクセス基地局の識別子に対応するアクセス基地局の位置情報を取得するための第2取得ユニットと、
前記アクセス基地局の位置情報を前記端末機器の現在位置として決定するための第3決定ユニットと、
前記端末機器に前記現在位置を送信するための送信ユニットと、をさらに含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~8のいずれか1項に記載の方法を実行することができる、
電子機器。
【請求項18】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項1~8のいずれか1項に記載の方法を実行させるために用いられる、
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法のステップが実現される、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理技術におけるインテリジェント交通、モノのインターネット、インテリジェント検索技術の分野に関し、特に信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄交通の急速な発展に伴い、地下鉄による移動を選択するユーザが多くなる。ユーザの移動中、特に地下鉄を選択して移動する過程に、基地局位置決めの方法で、現在位置を決定する場合が多い。
【0003】
従来技術では、基地局位置決めは、特定の位置範囲内の基地局、Wi-Fi情報を手動で収集してから、該情報に対して手動処理を行って、地下鉄駅及び地下鉄路線における基地局位置情報を決定する手動のデータ収集方法が一般的に用いられている。しかし、この方式は処理効率が低く、人件費が高いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様によれば、信号処理方法を提供し、当該方法は、
被処理信号セットを取得するステップであって、前記被処理信号セット内の信号に基地局情報と基地局へのアクセス時間が載せられるステップと、
前記被処理信号セット内の第1信号サブセットを決定するステップであって、前記第1信号サブセット内の信号に位置情報も載せられるステップと、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定するステップと、
前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定するステップと、を含む。
【0006】
本開示の第2態様によれば、信号処理装置を提供し、当該装置は、
被処理信号セットを取得するための第1取得ユニットであって、前記被処理信号セット内の信号に基地局情報と基地局へのアクセス時間が載せられる第1取得ユニットと、
前記被処理信号セット内の第1信号サブセットを決定するためのスクリーニングユニットであって、前記第1信号サブセット内の信号に位置情報も載せられるスクリーニングユニットと、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定するための第1決定ユニットと、
前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定するための第2決定ユニットと、を含む。
【0007】
本開示の第3態様によれば、電子機器を提供し、当該電子機器は、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、ここで、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに第1態様に記載の方法を実行させることができる。
【0008】
本開示の第4の態様によれば、コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、ここで、コンピュータ命令は前記コンピュータに第1態様に記載の方法を実行させるために用いられる。
【0009】
本開示の第5の態様によれば、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは前記可読記憶媒体から前記コンピュータプログラムを読み取ることができ、前記少なくとも1つのプロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、電子機器に第1態様に記載の方法を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術的解決手段によれば、地下鉄内でのネットワーク位置決めを最適化し、地下鉄内での正確な位置決め能力を実現し、地下鉄で移動するユーザに、地下鉄のステーション到着通知を正確に提供できる。
【0011】
本明細書に記載の内容は、本開示の実施例の肝心な特徴又は重要な特徴を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定するものでもないことを理解するべきである。本開示の他の特徴は、明細書の以下の内容により容易に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は、本解決手段をよりよく理解するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【
図1】ある地下鉄駅の出口位置の分布の概略図である。
【
図2】
図1に示す地下鉄駅内の第1タイプ基地局の位置分布の概略図である。
【
図3】第2タイプ基地局の位置分布の概略図である。
【
図4】第3タイプ基地局の位置分布の概略図である。
【
図5】本開示の第1実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の第2実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
【
図7】第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス内の基地局が順番に現れる時系列関係図である。
【
図8】
図7に示す基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び第2タイプ基地局の位置概略図である。
【
図9】
図8の基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置概略図である。
【
図10】本開示の第3実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
【
図11】
図9の基地局c2のサンプリング位置を利用して確立したガウス分布の概略図である。
【
図12】本開示の第4の実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
【
図13】第1信号サブセット内の信号の分布に対して特徴抽出及び基地局分類を行う概略図である。
【
図14】第1タイプ基地局の実際の位置分布の概略図である。
【
図15】本開示の実施例にて提供されるデータ処理装置の概略構造図である。
【
図16】本開示の実施例を実施するための例示的な電子機器の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を説明するが、理解を容易にするために、本開示の実施例の様々な詳細事項がこの説明に含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者であれば、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができることを理解できるべきである。同様に、分かりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造についての説明を省略する。
【0014】
携帯電話のナビゲーションソフトウェアは、ますます人々の移動に不可欠なツールとなって、ユーザの現在位置、目的位置、及びどのように行くかというニーズを解決する。ナビゲーションソフトウェアが求めてきたのは、常に、究極のユーザ体験である。現在の携帯電話ソフトウェアに使用される位置決め技術は、主に衛星位置決め及びネットワーク位置決め技術である。信号が良好な屋外の広々としたエリアでは、携帯電話のナビゲーションソフトウェアは主に衛星位置決めを使用し、信号が遮蔽されている室内では、衛星信号が到達できない場合が多く、この場合、ネットワーク位置決め技術を使用できる。同様に、地下にある地下鉄は、地面による遮蔽によって、携帯電話も衛星位置決め信号を正常に受信できないため、衛星位置決めも使用できず、この場合にも、ネットワーク位置決めを使用して携帯電話などの端末機器の位置を決定する必要がある。
【0015】
ここで、衛星位置決めは、主に、端末機器上の全地球位置決めシステム(global positioning system,GPS)などの位置決めモジュールを利用して自分の位置参照信号を位置決めバックグラウンドに送信することにより実現される。ネットワーク位置決めとは、特定の位置決め技術で端末機器の位置情報を取得し、該位置情報をマークする技術又はサービスであり、例えば、基地局位置決めは、基地局と端末機器との距離を利用して端末機器の位置を決定する。
【0016】
本開示の実施例の適用シーンは、主に、地下鉄シーンにおける基地局位置の位置決めである。具体的には、科学技術の飛躍的な発展に伴い、地下鉄は、公共交通機関の一形態として、建設されるマイレージ及びカバレッジエリアがますます多くなっている。しかし、地下鉄は、通常、地下に位置しているため、ユーザが地下鉄に乗っているか、又は地下鉄駅に入った後、ユーザが使用している端末機器で衛星位置決め信号(例えば、GPS信号又は北斗衛星ナビゲーションシステムの信号など)を受信できないため、衛星位置決め方式を使用できず、基地局位置決めを使用しなければならず、基地局位置決めの精度は、端末機器によりアップロードされたWi-Fi、基地局などのネットワークアクセス機器の位置決め指紋特徴に依存し、どのように地下鉄シーンにおける基地局の位置を決定するかは、地下鉄シーンにおける端末機器の位置決め精度を保証する鍵になる。
【0017】
関連技術では、地下にある地下鉄などのシーンにおける基地局位置決めには、主に、手動収集方法又はデータのクラウドソーシングによる返送の方法が使用されており、ここで、手動収集方法とは、特定の位置範囲内の基地局、Wi-Fi情報を手動で収集して、手動で処理することにより、地下鉄及び地下鉄の路線における基地局の位置情報を決定することを言い、この方式は、処理効率が低く、人件費が高いという問題があり、データのクラウドソーシングによる返送の方法とは、クラウドソーシングを利用してデータを収集し(大量のユーザがユーザ機器により位置決め情報を取得する際に、データスイッチを開いて、この時、ユーザ機器は基地局との接続が確立され、基地局の位置を決定して、バックエンドサーバに返送し)、機械学習手段により基地局の位置を探すことを言い、しかし、地下鉄シーンでこの方式により決定された基地局の位置が正確ではなく、ユーザが感知した位置決めにジャンプ、バックオフ、位置決め失敗などの現象があり、ユーザ体験が悪い。
【0018】
上記の技術的問題について、本開示の技術的解決手段の技術的思想の過程は、下記のとおりである。地下鉄内基地局信号の分布を研究することで、地下鉄駅内及び地下鉄トンネル内の基地局信号の取得に異なるルールがあることを発見し、例えば、地下鉄駅内の基地局信号に基地局識別子だけでなく位置情報が載せられ、地下鉄トンネル内の信号に基地局識別子のみが載せられ、地下鉄内基地局と地下鉄トンネル内の基地局の分布に一定のルールがあるため、地下鉄基地局のタイプが地下鉄信号の分布に基づいて分類され、地下鉄駅内の基地局が所在する地下鉄ステーションに応じて、当該基地局の位置を地下鉄駅の中心点にバインドし、従来の位置決めする際にジャンプする問題を解決し、地下鉄駅内の基地局の位置に依存して、地下鉄トンネル内の各基地局の位置を最適化し、全ての地下鉄内基地局位置決めの最適化を実現できる。
【0019】
本開示の実施例は、上記の技術的思想のプロセスに基づいて、信号処理方法を提供し、被処理信号セットを取得した後、まず、被処理信号セット内の、位置情報が載せられる第1信号サブセットを決定し、次に、第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定し、最後に、第1タイプ基地局の位置情報及び被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定する。当該技術的解決手段では、地下鉄内でのネットワーク位置決めを最適化し、地下鉄内での正確な位置決め能力を実現し、地下鉄で移動するユーザに、地下鉄のステーション到着通知を正確に提供できる。
【0020】
本開示は、信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体を提供し、データ処理技術におけるインテリジェント交通、モノのインターネット、インテリジェント検索技術の分野に適用されて、地下鉄シーンにおける基地局位置決めの精度を向上させ、基地局位置決めの処理効率を向上させ、地下鉄で移動するユーザに、地下鉄のステーション到着通知を正確に提供する。
【0021】
なお、本実施例における被処理信号セットは、オープンデータセットに由来し、かつ、被処理信号セット内の各信号に載せられる情報は、ある特定のユーザに対するものではないため、ある特定のユーザの個人情報を反映することができない。
【0022】
本開示の技術的解決手段では、係るユーザの個人情報の収集、記憶、使用、加工、伝送、提供、及び開示などの処理は、いずれも関連する法的規制に準拠し、公序良俗に反することがない。
【0023】
本開示の実施例は、処理機器に適用でき、当該処理機器は、端末機器であっても、サーバ又は仮想マシンなどであってもよく、また、1つ又は複数のサーバ及び/又はコンピュータなどからなる分散型コンピュータシステムなどであってもよい。ここで、当該端末機器は、スマートフォン、ノートパソコン、デスクトップパソコン、プラットフォームパソコン、車載機器、スマートウェアラブル機器などを含むが、これらに限定されず、本開示の実施例では限定しない。サーバは、通常のサーバ又はクラウドサーバであってもよく、クラウドサーバは、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービス体系におけるホスト製品である。サーバは、分散型システムのサーバであっても、ブロックチェーンを結合したサーバであってもよい。
【0024】
なお、本開示の製品の実施形態は、プラットフォームソフトウェアに含まれ、処理機器(コンピューティングクラウド又はモバイル端末などのコンピューティング能力を有するハードウェアでもよい)に配備されたプログラムコードである。例えば、本開示のプログラムコードは、処理機器の内部に記憶されてもよい。実行時、プログラムコードは、処理機器のホストメモリ及び/又はGPUメモリで実行される。
【0025】
本開示の実施例では、「複数」は、2つ以上を意味する。「及び/又は」は、関連するオブジェクトの関連関係を説明し、3つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aだけ存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bだけ存在する場合の3つの場合を表すことができる。文字「/」は、通常、前後関連するオブジェクトが「又は」という関係であることを示す。
【0026】
本開示の技術的解決手段を紹介する前に、まず、本実施例における地下鉄基地局のタイプについて説明することを理解できる。
【0027】
第1タイプ基地局について
第1タイプ基地局信号は、地下鉄駅内に分布し、このタイプの基地局は、ユーザが地下鉄駅内でモバイルネットワークを使用する際に使用する基地局であり、一意の基地局IDを備える。ユーザは、地下鉄駅の出口の近くでも依然として当該基地局に接続してネットサーフィンでき、この時、ユーザの携帯電話は衛星位置決め信号を同時に取得することができ、この時、当該基地局ID及び当時の衛星位置決め位置は「基地局ID-位置」の組み合わせを構成できる。多くのユーザが地下鉄駅出入口で携帯電話を使用すると、複数の「基地局ID-位置」の組み合わせが形成され、この時、基地局識別子と位置との関係に応じて、地下鉄駅内の基地局を決定できる。
【0028】
例示的に、
図1は、ある地下鉄駅の出口位置の分布の概略図である。
図2は、
図1に示す地下鉄駅内の第1タイプ基地局の位置分布の概略図である。例示的に、
図1に示す概略図において、当該地下鉄駅出入口の分布には、いずれも地下鉄路線に位置するA1、A2、A3、C、及びDが含まれ得る。
図2に示す基地局位置の分布の概略図では、地下鉄駅出入口の近くには地下鉄位置の信号が密集しており、かつ、第1タイプ基地局の位置は主に地下鉄駅出入口の位置に分布している。
【0029】
本実施例では、ユーザ端末が地下鉄駅内の基地局を使用する際に発生する返送信号は、「基地局ID-位置」の組み合わせの特徴を持ち、多くの返送信号によって指示される基地局の位置分布ルールは、地下鉄駅出入口の分布ルールに似ているため、本実施例では、第1タイプ基地局を「地下鉄駅内の基地局」又は「信頼できる基地局」とも呼び得ることを理解できる。
【0030】
第2タイプ基地局について
第2タイプ基地局信号は、地下鉄トンネル内に分布し、このタイプの基地局は、トンネル内でしかスキャンできないことがよくあり、この時、地面による遮蔽により、トンネル内では、ユーザ端末が衛星位置決め信号を正常に受信することができないため、衛星位置決め結果を使用できない。
【0031】
例示的に、
図3は、第2タイプ基地局の位置分布の概略図である。
図3に示すように、このタイプの基地局(地下鉄トンネル内の基地局)は、有効な「基地局ID-位置」の組み合わせを形成できないか、又は組み合わせの位置が不規則に現れることがよくある。したがって、本実施例では、第2タイプ基地局を「地下鉄トンネル内の基地局」又は「信頼できない基地局」とも呼び得る。
【0032】
第3タイプ基地局について
第3タイプ基地局信号は、地下鉄の沿線に分布しているが、地下鉄内基地局ではなく、ユーザは、地下鉄トンネルの上方の地上、又は地下鉄駅の近くででもスキャンでき、これもユーザが日常生活でよく使用する基地局である。
【0033】
例示的に、
図4は、第3タイプ基地局の位置分布の概略図である。
図4に示すように、このタイプの基地局信号は、地面などの遮蔽物に拘束されないため、その基地局の位置分布は非常に広くて、地下鉄路線と直接関係がないことがよくある。選択可能に、本実施例では、このタイプの基地局を「地上基地局」又は「地下鉄外基地局」とも呼び得る。
【0034】
以下、上記の3つのタイプの基地局と合わせて、具体的な実施例で本開示の技術的解決手段を詳細に説明する。なお、以下のいくつかの具体的な実施例は、互いに組み合わられてもよく、同じ又は類似の概念又はプロセスについては、一部の実施例では、説明を省略する場合もある。
【0035】
例示的に、
図5は、本開示の第1実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。当該方法では、処理機器を実行主体として解釈説明する。
図5に示すように、当該データ処理方法は、S501~S504を含んでもよい。
【0036】
S501において、被処理信号セットを取得し、前記被処理信号セット内の信号に基地局情報と基地局へのアクセス時間が載せられる。
【0037】
本開示の実施例では、処理機器は、他の機器からの信号セットを受信してもよいし、自分に記憶されているデータベースから信号セットを読み出してもよいし(この時、処理機器にはデータベースが配備されている)、さらに、ユーザ端末がナビゲーションアプリケーションを使用する際に、当該ユーザ端末から報告される信号セットであってもよい。
【0038】
本開示の実施例では、処理機器により取得された信号セットは、前処理されたデータセットであっても、未処理のデータセットであってもよく、本実施例ではこれに対して限定しないことを理解できる。
【0039】
例示的に、本実施例における信号セットは、基ユーザ端末による地局位置収集点での返送信号を含んでもよく、当該返送信号はユーザ端末がアクセス基地局に基づいて発生したサーフィンアクセス信号であり、当該基地局位置収集点とは、基地局信号だけでなくGPSも受信できる位置である。
【0040】
選択可能に、本実施例における信号セットには、地下鉄の沿線でユーザ端末により報告される返送信号がさらに含まれてもよく、当該地下鉄の沿線には、地下鉄駅だけでなく地下鉄駅間の地下鉄トンネル位置も含み、地下鉄駅内の返送信号は、通常、基地局の情報以外に、位置情報が載せられるが、地下鉄トンネル内の返送信号は、通常、位置情報が載せられない。
【0041】
S502において、被処理信号セット内の第1信号サブセットを決定し、当該第1信号サブセット内の信号に位置情報も載せられる。
【0042】
例示的に、本実施例では、地下鉄内基地局信号の分布を分析研究することにより、地下鉄駅内及び地下鉄トンネル内の異なる基地局信号の取得ルールを発見したので、地下鉄内基地局のタイプを分類することができる。
【0043】
ユーザ端末が地上又は地下鉄駅内でモバイルネットワークを使用してネットサーフィンをする時、使用される基地局信号は一意の基地局識別子を備えており、かつ、ユーザ端末は衛星位置決めを受信できるため、この時、ユーザ端末の返送信号は基地局識別子、基地局へのアクセス時間以外に、位置情報が載せられる。したがって、本実施例では、信号に位置情報が載せられるか否かに基づき、被処理信号セットから位置情報が載せられる第1信号サブセットを決定することもできる。
【0044】
S503において、第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定する。
【0045】
実際の適用では、ユーザ端末が地下鉄駅内で基地局信号を使用することによって発生される返送信号と、ユーザ端末が地上で基地局信号を使用することによって発生される返送信号とは、分布ルールが異なるので、まず、第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定し、次に、第1タイプ基地局の位置情報を決定することができる。
【0046】
S504において、第1タイプ基地局の位置情報及び被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定する。
【0047】
例示的に、第2タイプ基地局信号は地下鉄トンネル内に分布し、このタイプの基地局は、トンネル内でしかスキャンされないことがよくあるが、あるユーザが乗車中にネットサーフィンをする時、アクセスする基地局は特定の順序を有するので、本実施例では、処理機器は、被処理信号セットから、あるユーザが地下鉄に乗っている間に使用する基地局シーケンスを決定することができ、そのため、基地局シーケンスの各基地局にアクセスする時間、及び当該基地局シーケンスのうち決定された第1タイプ基地局の位置情報にしたがって、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を推定できる。
【0048】
本開示の実施例では、被処理信号セットを取得することにより、被処理信号セットから位置情報が載せられる第1信号サブセットを決定し、第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定し、最後に、第1タイプ基地局の位置情報及び被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定する。当該技術的解決手段では、地下鉄内でのネットワーク位置決めを最適化し、地下鉄内での正確な位置決め能力を実現し、地下鉄で移動するユーザに、地下鉄のステーション到着通知を正確に提供できる。
【0049】
以下、
図5に示す実施例を基に、本開示の実施例にて提供されるデータ処理方法をより詳細に説明する。
【0050】
例示的に、
図6は、本開示の第2実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
図6に示すように、本開示の実施例では、上記のS504は、S601~S604によって実現され得る。
【0051】
S601において、被処理信号セット内の第2信号サブセットを決定し、当該第2信号サブセット内の信号に同じユーザ識別子が載せられる。
【0052】
例示的に、ユーザが地下鉄内で携帯電話を使用する時、地下鉄内の基地局信号をスキャンし続け、異なる基地局信号のカバレージ内で、ユーザの携帯電話によりスキャンされる基地局識別子は異なる。したがって、処理機器は、信号が同じユーザ識別子を有するか否かに基づいて、被処理信号セットから同じユーザ識別子を有する第2信号サブセットを決定することができる。
【0053】
例えば、ユーザが地下鉄に乗っている間に、ユーザ端末がアクセス基地局を使用してネットサーフィンをする時に、発生される返送信号に基地局情報、基地局へのアクセス時間以外に、ユーザ識別子も載せられ、そのため、ユーザ識別子に基づいて同じユーザにより順番にスキャンされた基地局シーケンスを決定することができる。
【0054】
S602において、第2信号サブセット内の信号に載せられる基地局へのアクセス時間にしたがって、第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス及び基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔を決定する。
【0055】
例示的に、第2信号サブセットについて、信号に載せられる基地局へのアクセス時間にしたがって、第2信号サブセットに関連付けられた基地局をソートして、第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンスを決定し、隣接する2つの基地局の間のアクセス時間間隔を算出することができる。
【0056】
例示的に、
図7は、第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス内の基地局が順番に現れる時系列関係図である。
図7に示すように、第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンスは、c1、c2、c3、c4、c5であると仮定する。この場合、ユーザ端末が基地局c1、基地局c2、基地局c3、基地局c4、基地局c5にそれぞれアクセスする時間に基づいて、基地局c1、基地局c2、基地局c3、基地局c4、基地局c5のうちの任意の隣接する2つの基地局間へのアクセス時間間隔を決定することができ、例えば、基地局c1と基地局c2とのアクセス時間間隔はt1、基地局c2と基地局c3とのアクセス時間間隔はt2、基地局c3と基地局c4とのアクセス時間間隔はt3、基地局c4と基地局c5とのアクセス時間間隔はt4である。
【0057】
S603において、第1タイプ基地局の基地局情報及び基地局シーケンスにおける基地局情報にしたがって、基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び第2タイプ基地局を決定する。
【0058】
ここで、第2タイプ基地局は、地下鉄トンネル内に配備された基地局である。
【0059】
選択可能に、本実施例では、処理機器は、S503で決定された第1タイプ基地局の基地局情報(基地局識別子)に基づいて、基地局シーケンス内の第1タイプ基地局、及び信号には位置情報が載せられない第2タイプ基地局を決定することができる。
【0060】
例示的に、
図8は、
図7に示す基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び第2タイプ基地局の位置概略図である。
図8を参照すると、ユーザが今回の乗車で合計A、B、C、D、Eの5個のステーション(地下鉄駅)を通過したと仮定し、かつ、基地局シーケンスc1、c2、c3、c4、c5のうち、基地局c1はユーザ端末がステーションAでアクセスする基地局、基地局c5はユーザ端末がステーションEでアクセスする基地局であり、基地局c1の位置をステーションAにバインドすることができ、基地局c5の位置をステーションEにバインドすることができると仮定すると、基地局c2、基地局c3、基地局c4はステーションA~ステーションEとの確実な対応関係がなく、即ち、基地局c1及び基地局c5は当該基地局シーケンス内の第1タイプ基地局であり、基地局c2、基地局c3、基地局c4は当該基地局シーケンス内の第2タイプ基地局である。
【0061】
S604において、基地局シーケンス内の第1タイプ基地局の位置情報及び基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔にしたがって、基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定する。
【0062】
本実施例では、処理機器は、第1タイプ基地局の位置情報及び基地局へのアクセス時間に基づいて、2つの第1タイプ基地局の間の距離情報及びアクセス時間間隔を決定し、次に、隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔に基づいて、2つの第1タイプ基地局の間の各第2タイプ基地局の予測された位置を決定することができる。
【0063】
例示的に、
図9は、
図8の基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置概略図である。
図9を参照すると、処理機器は、第1タイプ基地局c1及び第1タイプ基地局c5の位置情報と隣接する基地局の間のアクセス時間間隔とにしたがって、基地局c2、基地局c3、及び基地局c4の位置をサンプリングした後、基地局c2、基地局c3、及び基地局c4の位置を大まかに推定することができる。
【0064】
本開示の実施例では、被処理信号セット内の同じユーザ識別子を有する第2信号サブセットを決定することにより、第2信号サブセット内の信号に載せられる基地局へのアクセス時間に基づいて、第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス及び当該基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔を決定し、さらに基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局を決定し、最後に、基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定する。当該技術的解決手段では、地下鉄駅内の第1タイプ基地局の位置情報に基づいて地下鉄トンネル内の第2タイプ基地局の位置情報を推定することにより、地下鉄基地局位置の最適化が実現され、ユーザ端末の位置決めの精度を向上させるために基礎を築く。
【0065】
上記の
図6に示す実施例に加え、
図10は、本開示の第3実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
図10に示すように、本開示の実施例では、上記の第2信号サブセットの数は、少なくとも2つであり、それに対応して、上記のS504は、S1001~S1004をさらに含んでもよい。
【0066】
S1001において、少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた各基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を取得する。
【0067】
選択可能に、被処理信号セットは、ユーザ端末の返送信号セットであるため、被処理信号セットには、複数の異なるユーザ端末によってアップロードされた信号サブセットが含まれる。したがって、信号に同じユーザ識別子が載せられるか否かに基づいて、被処理信号セットから少なくとも2つの第2信号サブセットをスクリーニングすることができ、各第2信号サブセット内の信号は、同じユーザ識別子が載せられる。
【0068】
本実施例では、上記の
図6に示す実施例は、1つの第2信号サブセットについて、当該第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定する解決手段を提供したため、処理機器は、少なくとも2つの第2信号サブセット内の各第2信号サブセットについて、各第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定することもできる。
【0069】
S1002において、少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に第2タイプターゲット基地局が存在するか否かを決定し、そうであれば、S1003とS1004を実行し、そうでなければ、終了する。
【0070】
ここで、当該第2タイプターゲット基地局は、複数の位置を有する。
【0071】
例示的に、少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた全ての第2タイプ基地局を決定した後、各第2タイプ基地局識別子に基づいて、全ての第2タイプ基地局に同じ識別子を有する第2タイプ基地局が複数存在するか否かを判断でき、存在すれば、本実施例では、複数の同じ識別子を有する第2タイプ基地局を第2タイプターゲット基地局と呼ぶ。即ち、S1001で決定された各第2タイプ基地局の位置情報にしたがって、本ステップは、主に第2タイプ基地局の複数の位置情報を決定するために用いられる。
【0072】
S1003において、第2タイプターゲット基地局が有する複数の位置に基づいて、第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置に関するガウス分布を生成する。
【0073】
一例示として、少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に第2タイプターゲット基地局が存在することに応答して、このとき、第2タイプターゲット基地局に対応する複数の位置情報に基づいて、当該第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置をモデル化し、当該第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置に関するガウス分布を生成することができる。
【0074】
例示的に、
図11は、
図9の基地局c2のサンプリング位置を利用して確立したガウス分布の概略図である。
図11に示すように、本実施例の位置推定方法は、時系列サンプリング法であり、基地局c2の複数のサンプリング位置を利用して
図11に示すようなガウス分布図を生成することができる。
【0075】
S1004において、当該ガウス分布の中心点の位置を第2タイプターゲット基地局の実際の位置として決定する。
【0076】
本解決手段に採用された推定方法は「時系列サンプリング法」であり、例えば、基地局c2が現れるサンプリング位置のガウス分布は
図11に示すとおりであり、ここで、中空ドットは基地局c2のサンプリング位置であり、この場合、ガウス分布の中心点の位置にある確率が最大と見なすことができ、これを基地局c2の実際の位置とすることができる。
【0077】
本開示の実施例では、第2信号サブセットの数は少なくとも2つであり、この場合、少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた各基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を取得し、かつ、複数の位置を有する第2タイプターゲット基地局について、当該第2タイプターゲット基地局が有する複数の位置に基づいて、第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置に関するガウス分布を生成し、当該ガウス分布の中心点の位置を第2タイプターゲット基地局の実際の位置として決定することもできる。当該技術的解決手段では、決定された第2タイプ基地局の位置の正確率を向上させる。
【0078】
例示的に、
図12は、本開示の第4の実施例にて提供されるデータ処理方法のフローチャートである。
図12に示すように、本開示の実施例では、上記のS503は、S1201とS1202により実現され得る。
【0079】
S1201において、第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定する。
【0080】
実際の適用では、第1信号サブセット内の信号は、ユーザ端末が基地局位置収集点で収集点して報告した信号である可能性があるため、当該第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局には、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局だけでなく、地上に配備された第3タイプ基地局も含まれる可能性がある。したがって、本ステップでは、第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定する必要がある。
【0081】
本実施例の1つの可能な実施形態では、当該ステップS1201は、ステップB1とステップB2により実現されることができる。
【0082】
B1において、第1信号サブセット内の信号に載せられる位置情報及び基地局情報にしたがって、第1信号サブセット内の基地局信号をクラスタリングし、少なくとも1つの基地局信号クラスタを決定する。
【0083】
B2において、少なくとも1つの基地局信号クラスタの位置分布情報及び少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定する。
【0084】
例示的に、第1信号サブセットについて、信号分布(基地局位置分布)により分類することができ、例えば、クラスタリングアルゴリズムを用いて第1信号サブセット内の基地局信号に対して位置クラスタリングを行って、第1信号サブセットに対応する少なくとも1つの基地局信号クラスタを決定し、次に、基地局信号クラスタの位置分布情報及び当該基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報を利用して、第1信号サブセットに関連付けられた基地局における第1タイプ基地局を決定する。
【0085】
例えば、少なくとも1つの基地局信号クラスタにおける1つの基地局信号クラスタについて、混合ガウスモデルに基づいて、基地局信号クラスタの位置分布情報を処理し、基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスを決定し、次に、基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスにしたがって、当該中心位置と基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散を決定し、続いて、当該基地局信号クラスタの中心位置、中心位置と基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散、及び基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、当該基地局信号クラスタが位置する基地局タイプを決定し、最後に、少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する基地局タイプにしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定することができる。
【0086】
例示的に、
図13は、第1信号サブセット内の信号の分布に対して特徴抽出及び基地局分類を行う概略図である。
図13に示すように、第1タイプ基地局信号分布及び第3タイプ基地局信号分布からなる第1信号サブセットについて、混合ガウスモデル(gaussian mixed model,GMM)により特徴抽出を行った後、サポートベクターマシン(support vector machines,SVM)で分類することにより、第1タイプ基地局及び第3タイプ基地局を決定することができる。
【0087】
選択可能に、GMMとは、複数のガウス分布関数の線形結合であり、理論上、GMMは、一般的に同じセット内のデータが異なる分布を複数含む状況を解決するための任意のタイプの分布にフィッティングできる。したがって、本実施例では、GMMを使用して各基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスを推定し、さらに、当該中心位置と基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散を求めてから、SVM方法で基地局のタイプを分類することができ、当該SVMは、本質的には2分類モデルであり、基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報と結合して、第1信号サブセットに関連付けられた基地局を、第1タイプ基地局及び第3タイプ基地局(地上基地局)に分類することができる。
【0088】
S1202において、当該地下鉄駅の位置情報にしたがって、第1タイプ基地局の位置情報を決定する。
【0089】
選択可能に、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定した後、位置決め位置のジャンプの問題を改善するために、第1タイプ基地局の位置に対して「基地局バインド」処理を行うことができる。
【0090】
例示的に、まず、地下鉄駅の位置情報にしたがって、地下鉄駅の中心位置を決定し、次に、第1タイプ基地局の位置を地下鉄駅の中心位置として決定することができる。
【0091】
例えば、
図14は、第1タイプ基地局の実際の位置分布の概略図である。
図14に示すように、現在の地下鉄駅内の基地局の位置分布により、当該地下鉄駅の実際の範囲が図中の黒色の四角枠内の部分であると決定でき、ここで、黒色実点に対応する位置は、地下鉄駅の中心位置であり、本実施例では、ユーザの地下鉄駅内での位置決め位置がジャンプすることを回避するために、当該黒色実点に対応する位置を、当該地下鉄駅内の基地局の実際の位置として決定することができる。
【0092】
本開示の実施例では、第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定し、当該地下鉄駅の位置情報にしたがって、第1タイプ基地局の位置情報を決定する。当該技術的解決手段では、地下鉄内の第1タイプ基地局がある位置を地下鉄ステーションの中心位置として設置し、地下鉄駅内で位置決めする際にジャンプする問題を改善し、ユーザの使用体験を向上させる。
【0093】
例示的に、本開示の実施例では、当該信号処理方法は、さらに、
端末機器の位置決め要求を受信し、当該位置決め要求には端末機器のアクセス基地局識別子が載せられ、当該アクセス基地局識別子に対応するアクセス基地局の位置情報を取得し、当該アクセス基地局の位置情報を端末機器の現在位置として決定し、最後に、当該現在位置を当該端末装置に送信する。
【0094】
選択可能に、実際の適用では、ユーザが端末機器のナビゲーションアプリケーションを開いて、アクセス基地局によって提供されるネットワークを使用して位置決めを要求するとき、当該端末機器はナビゲーションアプリケーションにより処理機器に位置決め要求を送信し、この場合、当該位置決め要求には当該アクセス基地局の識別子が載せられる。これに対応して、処理機器は、当該位置決め要求を受信すると、当該位置決め要求を分析することによって、当該アクセス基地局の識別子を決定でき、さらに、上記の各実施例にて提供される技術的解決手段で決定された各タイプ基地局の実際の位置と結合することにより、当該アクセス基地局の位置情報を端末機器の現在位置として決定することができ、最後に、端末機器のナビゲーションアプリケーションに表示されるように、当該現在位置を端末機器に送信し、それにより、ユーザが正確な位置決め位置を適時に取得することができる。
【0095】
本実施例の技術的解決手段では、位置決め要求に載せられる具体的な内容を限定せず、例えば、ユーザ識別子などがさらに含まれてもよく、ここで限定しないことを理解できる。
【0096】
図15は、本開示の実施例にて提供されるデータ処理装置の概略構造図である。本実施例にて提供されるデータ処理装置は、処理機器であっても、処理機器内の装置であってもよい。
図15に示すように、本開示の実施例にて提供されるデータ処理装置1500は、
被処理信号セットを取得するための第1取得ユニット1501であって、前記被処理信号セット内の信号に基地局情報と基地局へのアクセス時間が載せられる第1取得ユニット1501と、
前記被処理信号セット内の第1信号サブセットを決定するためのスクリーニングユニット1502であって、前記第1信号サブセット内の信号に位置情報も載せられるスクリーニングユニット1502と、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局の位置情報を決定するための第1決定ユニット1503と、
前記第1タイプ基地局の位置情報及び前記被処理信号セット内の信号に載せられる基地局情報と基地局へのアクセス時間に基づいて、地下鉄トンネル内に配備された第2タイプ基地局の位置情報を決定するための第2決定ユニット1504と、を含んでもよい。
【0097】
本開示の実施例の1つの可能な実施形態では、前記第2決定ユニット1504は、
前記被処理信号セット内の第2信号サブセットを決定するためのスクリーニングモジュールであって、前記第2信号サブセット内の信号に同じユーザ識別子が載せられるスクリーニングモジュールと、
前記第2信号サブセット内の信号に載せられる基地局へのアクセス時間にしたがって、前記第2信号サブセットに関連付けられた基地局シーケンス及び前記基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔を決定するための第1処理モジュールと、
前記第1タイプ基地局の基地局情報及び前記基地局シーケンスにおける基地局情報にしたがって、前記基地局シーケンス内の第1タイプ基地局及び第2タイプ基地局を決定するための分類モジュールであって、前記第2タイプ基地局は地下鉄トンネル内に配備された基地局である分類モジュールと、
前記基地局シーケンス内の第1タイプ基地局の位置情報及び前記基地局シーケンス内の隣接する2つの基地局へのアクセス時間間隔に基づいて、前記基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を決定するための第2処理モジュールと、を含む。
【0098】
選択可能に、前記第2信号サブセットの数は、少なくとも2つであり、前記第2決定ユニット1504は、さらに、
少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた各基地局シーケンス内の第2タイプ基地局の位置情報を取得するための取得モジュールと、
前記少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に、複数の位置を有する第2タイプターゲット基地局が存在するか否かを決定するための判断モジュールと、
前記少なくとも2つの第2信号サブセットに関連付けられた第2タイプ基地局に第2タイプターゲット基地局が存在することに応答して、前記第2タイプターゲット基地局が有する複数の位置に基づいて、前記第2タイプターゲット基地局のサンプリング位置に関するガウス分布を生成するための生成モジュールと、を含み、
前記第2処理モジュールは、さらに、前記ガウス分布の中心点の位置を、前記第2タイプターゲット基地局の実際の位置として決定するために用いられる。
【0099】
本開示の実施例の1つの可能な実施形態では、前記第1決定ユニット1503は、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる基地局情報及び位置情報にしたがって、前記第1信号サブセットに関連付けられた全ての基地局から、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するための第1決定モジュールと、
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記第1タイプ基地局の位置情報を決定するための第2決定モジュールと、を含む。
【0100】
選択可能に、前記第1決定モジュールは、
前記第1信号サブセット内の信号に載せられる位置情報及び基地局情報にしたがって、前記第1信号サブセット内の信号をクラスタリングし、少なくとも1つの基地局信号クラスタを決定するためのクラスタリングサブモジュールと、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタの位置分布情報及び前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するための第1決定サブモジュールと、を含む。
【0101】
選択可能に、前記第1決定サブモジュールは、具体的には、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタ内の1つの基地局信号クラスタについて、前記基地局信号クラスタの位置分布情報を混合ガウスモデルにより処理し、前記基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスを決定することと、
前記基地局信号クラスタの中心位置及び特徴値マトリックスに基づいて、前記中心位置と前記基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散を決定することと、
前記基地局信号クラスタの中心位置、前記中心位置と前記基地局信号クラスタ内の他の位置との共分散、及び前記基地局信号クラスタが位置する地下鉄駅出入口の分布情報にしたがって、前記基地局信号クラスタが位置する基地局タイプを決定することと、
前記少なくとも1つの基地局信号クラスタが位置する基地局タイプにより、地下鉄駅内に配備された第1タイプ基地局を決定するすることと、に用いられる。
【0102】
本開示の実施例の1つの可能な実施形態では、前記第2決定モジュールは、
前記地下鉄駅の位置情報にしたがって、前記地下鉄駅の中心位置を決定するための第2決定サブモジュールと、
前記第1タイプ基地局の位置を前記地下鉄駅の中心位置として決定するための第3決定サブモジュールと、を含む。
【0103】
本開示の実施例の1つの可能な実施形態では、前記信号処理装置は、さらに、
端末機器の、前記端末機器のアクセス基地局の識別子が載せられる位置決め要求を受信するための受信ユニット(不図示)と、
前記アクセス基地局の識別子に対応するアクセス基地局の位置情報を取得するための第2取得ユニット(不図示)と、
前記アクセス基地局の位置情報を前記端末機器の現在位置として決定するための第3決定ユニット(不図示)と、
前記端末機器に前記現在位置を送信するための送信ユニット(不図示)と、を含む。
【0104】
本実施例にて提供されるデータ処理装置は、上記の方法の実施例のいずれかにおいて処理機器により実行されるデータ処理方法を実行するために使用でき、その実現原理と技術的効果は類似しており、ここでは詳しい説明を省略する。
【0105】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器、可読記憶媒体、及びコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0106】
本開示の実施例によれば、本開示は、コンピュータプログラムをさらに提供し、コンピュータプログラムは可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは可読記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサがコンピュータプログラムを実行すると、電子機器に上記の実施例のいずれか1つにて提供される解決手段を実行させる。
【0107】
図16は、本開示の実施例を実施するための例示的な電子機器の概略的なブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを意図している。電子機器は、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器、他の類似するコンピューティング装置などの様々な形態のモバイル装置を表すこともできる。本明細書で示される部材、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例にすぎず、本明細書に記述及び/又は要求される本開示の実現を制限することを意図したものではない。
【0108】
図16に示すように、電子機器1600は、コンピューティングユニット1601を含み、これは、読み取り専用メモリ(ROM)1602に記憶されたコンピュータプログラム、又は記憶ユニット1608からランダムアクセスメモリ(RAM)1603にロードされたコンピュータプログラムにしたがって、様々な適切なアクション及び処理を実行することができる。RAM1603には、電子機器1600の操作に必要な様々なプログラム及びデータを記憶することもできる。コンピューティングユニット1601、ROM1602、及びRAM1603は、バス1604により互いに接続される。入力/出力(I/O)インタフェース1605もバス1604に接続される。
【0109】
キーボード、マウスなどの入力ユニット1606と、様々なタイプのディスプレイ、スピーカなどの出力ユニット1607と、磁気ディスク、光ディスクなどの記憶ユニット1608と、ネットワークカード、モデム、無線通信トランシーバなどの通信ユニット1609とを含む電子機器1600内の複数の部材は、I/Oインタフェース1605に接続される。通信ユニット1609は、インターネットなどのコンピュータネットワーク及び/又は様々な電気通信ネットワークを介して、電子機器1600が他の機器と情報/データを交換することを可能にする。
【0110】
コンピューティングユニット1601は、処理及びコンピューティング能力を有する様々な汎用及び/又は専用処理コンポーネントであってもよい。コンピューティングユニット1601のいくつかの例は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、様々な特定用途向け人工知能(AI)コンピューティングチップ、機械学習モデルアルゴリズムを実行する様々なコンピューティングユニット、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラなどを含むが、これらに限定されない。コンピューティングユニット1601は、上述した各方法及び処理、例えば信号処理方法を実行する。例えば、一部の実施例では、信号処理方法は、記憶ユニット1608などの機械可読媒体に有形に組み込まれたコンピュータソフトウェアプログラムとして実現され得る。一部の実施例では、コンピュータプログラムの一部又は全部は、ROM1602及び/又は通信ユニット1609を介して電子機器1600にロード及び/又はインストールされてもよい。コンピュータプログラムがRAM1603にロードされ、コンピューティングユニット1601によって実行されると、上述した信号処理方法の1つ以上のステップを実行できる。選択的に、他の実施例では、コンピューティングユニット1601は、他の任意の適切な方法で(例えば、ファームウェアを介して)信号処理方法を実行するように構成されてもよい。
【0111】
本明細書に説明したシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、複雑なプログラマブル論理機器(CPLD)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現され得る。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施されることを含み、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行及び/又は解釈されてもよく、当該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、かつ、データ及び命令を当該記憶システム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0112】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで編集されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、特定用途向けコンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図で定義された機能/操作が実施される。プログラムコードは、完全に機械上で実行されても、部分的に機械上で実行されてもよく、独立型ソフトウェアパッケージとして、一部が機械上で実行されるとともに、一部がリモート機械上で実行されてもよいし、完全にリモート機械もしくはサーバ上で実行されてもよい。
【0113】
本開示の文脈において、機械可読媒体は、命令実行システム、装置或いは機器の使用に提供されるか、又は命令実行システム、装置或いは機器と結合して使用されるプログラムを含むか、又は記憶することができる有形媒体であり得る。機械可読媒体は、機械可読信号媒体又は機械可読記憶媒体であり得る。機械可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置或いは機器、又は上記内容の任意の適切な組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。機械可読記憶媒体のさらなる具体的な例示は、1つ又は複数のワイヤに基づく電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光ストレージ機器、磁気ストレージ機器、又は上記内容のいずれの適切な組み合わせを含む。
【0114】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に説明したシステム及び技術をコンピュータ上で実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって、コンピュータに入力することが可能になる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、そして、任意の形態(音響入力、音声入力、又は触覚入力を含む)でユーザからの入力を受信できる。
【0115】
本明細書に説明されるシステム及び技術は、バックエンド部材を含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェア部材を含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンド部材を含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザにより本明細書に説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションする)、又はこのようなバックエンド部材、ミドルウェア部材、フロントエンド部材の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)を介してシステムの部材を互に接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットが含まれる。
【0116】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含んでもよい。クライアント及びサーバは、一般に、互いに離れており、通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアントとサーバとの関係は、対応するコンピュータ上で実行されるとともに、互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって生成される。サーバは、従来の物理ホスト及びVPSサービス(「Virtual Private Server」又は単に「VPS」と呼ぶ)に存在する管理が難しく、サービスの拡張性が弱いという欠点を解決するための、クラウドコンピューティングサービスシステムにおけるホスト製品の1つである、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれるクラウドサーバであってもよい。サーバは、分散型システムのサーバであっても、ブロックチェーンと結合したサーバであってもよい。
【0117】
上記に示される様々な形態のフローを使用して、ステップの並べ替え、追加、又は削除を行うことができることを理解すべきである。例えば、本開示に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本願に開示されている技術的解決手段が所望の結果を実現する限り、本明細書に限定しない。
【0118】
上記の具体的な実施形態は、本開示の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に応じて、様々な修正、コンビネーション、サブコンビネーション、及び置換を行うことができることを理解すべきである。本開示の精神と原則の範囲内で行われる修正、等価置換、及び改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。