(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】電子霧化装置とその加熱制御装置及び加熱制御方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20240209BHJP
【FI】
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2022135581
(22)【出願日】2022-08-29
【審査請求日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202111219777.3
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】文治華
(72)【発明者】
【氏名】譚華
(72)【発明者】
【氏名】陳厚林
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼鳳雷
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特許第6903221(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得し、
前記現在の吸入パラメータに基づいて対応する目標温度の閾値を取得し、前記目標温度の閾値は、吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増し、
発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整することを特徴とする加熱制御方法
であって、
ΔT
1
=(U×I×t-Q
散逸
)/(M×C)の関係に基づいて、発熱体の前記現在の加熱温度値を調整し、
ΔT
1
は、発熱体の前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値であり、Uは加熱電圧であり、Iは加熱電流であり、tは通電加熱時間であり、Q
散逸
は発熱体の散逸エネルギーであり、Mは発熱体で加熱するニコチンキャリアの質量であり、Cは発熱体で加熱するニコチンキャリアの比熱容量であることを特徴とする加熱制御方法。
【請求項2】
前記現在の吸入パラメータは、現在の吸入数又は現在の吸入時間長を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項3】
前記ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入数を取得することには、ユーザの累計吸入回数に基づいて現在の吸入数を取得することが含まれ、
前記ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入時間長を取得することには、ユーザの累計吸入時間長に基づいて現在の吸入時間長を取得することが含まれることを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項4】
前記発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整することには、
発熱体の現在の加熱温度値を検出し、
前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整する、ことが含まれることを特徴とする請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項5】
前記加熱電圧U、前記加熱電流I、前記通電加熱時間tのうちの少なくとも1つの加熱パラメータを調整することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を調整することを特徴とする請求項
1に記載の加熱制御方法。
【請求項6】
前記加熱制御方法は、更に、
吸入パラメータ区間別に、対応する目標温度の閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項7】
前記目標温度の閾値は、10℃を逓増単位として逓増することを特徴とする請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項8】
ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得するための第1取得モジュールと、
前記現在の吸入パラメータに基づいて対応する目標温度の閾値を取得し、前記目標温度の閾値が吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する第2取得モジュールと、
発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整するための温度処理モジュール、を含むことを特徴とする加熱制御装置
であって、
前記温度処理モジュールは、ΔT
1
=(U×I×t-Q
散逸
)/(M×C)の関係に基づいて、発熱体の前記加熱温度値を調整し、
ΔT
1
は、発熱体の前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値であり、Uは加熱電圧であり、Iは加熱電流であり、tは通電加熱時間であり、Q
散逸
は発熱体の散逸エネルギーであり、Mは発熱体で加熱するニコチンキャリアの質量であり、Cは発熱体で加熱するニコチンキャリアの比熱容量であることを特徴とする加熱制御装置。
【請求項9】
前記現在の吸入パラメータは、現在の吸入数又は現在の吸入時間長を含むことを特徴とする請求項
8に記載の加熱制御装置。
【請求項10】
前記第1取得モジュールは、
ユーザの累計吸入回数に基づいて現在の吸入数を取得するための回数取得ユニットと、
ユーザの累計吸入時間長に基づいて現在の吸入時間長を取得するための時間長取得ユニット、を含むことを特徴とする請求項
9に記載の加熱制御装置。
【請求項11】
前記温度処理モジュールは、
発熱体の現在の加熱温度値を検出するための温度検出モジュールと、
前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整するための加熱実行モジュール、を含むことを特徴とする請求項
8に記載の加熱制御装置。
【請求項12】
前記温度処理モジュールは、前記加熱電圧U、前記加熱電流I、前記通電加熱時間tのうちの少なくとも1つの加熱パラメータを調整することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を調整することを特徴とする請求項
8に記載の加熱制御装置。
【請求項13】
前記加熱制御装置は、更に、
吸入パラメータ区間別に対応する目標温度の閾値を設定するための設定モジュールを含むことを特徴とする請求項
8に記載の加熱制御装置。
【請求項14】
前記目標温度の閾値は、10℃を逓増単位として逓増することを特徴とする請求項
8に記載の加熱制御装置。
【請求項15】
上記請求項
8~
14のいずれか1項に記載の加熱制御装置を含むことを特徴とする電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱制御の技術分野に関し、より具体的には、電子霧化装置とその加熱制御装置及び加熱制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、霧化用リキッドには様々なフレーバーがある(例えば、果物味など)。また、フレーバーカプセルやタバコスティックにはタバコ物質が含まれており、加熱すると従来のタバコの風味を放出するとともに、ニコチン等の物質も放出する。よって、霧化用リキッドとフレーバーカプセル/タバコスティックを組み合わせることで、異なるユーザのフレーバーニーズを満足させられる。
【0003】
従来のフレーバーカプセル/タバコスティックの加熱方式では、一般的に、霧化用リキッドが加熱により霧化されることで生成されるエアロゾルがフレーバーカプセル/タバコスティックの底部から進入する。エアロゾルは一定の温度を有しているため、フレーバーカプセル/タバコスティック中のタバコ物質を加熱し、ニコチンを放出させて、ユーザに吸入させることが可能である。しかし、この種の加熱方法には、ニコチンの放出量が低く、ニコチン放出量の減少が深刻である等の課題があるため、口当たりに劣り、ユーザエクスペリエンスに支障をきたす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における上記の欠点に対し、電子霧化装置とその加熱制御装置及び加熱制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0006】
加熱制御方法を構成する。当該方法は以下を含む。
【0007】
ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得する。
【0008】
前記現在の吸入パラメータに基づいて対応する目標温度の閾値を取得する。前記目標温度の閾値は、吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する。
【0009】
発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整する。
【0010】
好ましくは、前記現在の吸入パラメータは、現在の吸入数又は現在の吸入時間長を含む。
【0011】
好ましくは、上記のユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入数を取得することには、ユーザの累計吸入回数に基づいて現在の吸入数を取得することが含まれる。
【0012】
上記のユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入時間長を取得することには、ユーザの累計吸入時間長に基づいて現在の吸入時間長を取得することが含まれる。
【0013】
好ましくは、上記の発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整することには、以下が含まれる。
【0014】
発熱体の現在の加熱温度値を検出する。
【0015】
前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整する。
【0016】
好ましくは、ΔT1=(U*I*t-Q散逸)/(M*C)の関係に基づいて、発熱体の前記現在の加熱温度値を調整する。
【0017】
ΔT1は、発熱体の前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値であり、Uは加熱電圧であり、Iは加熱電流であり、tは通電加熱時間であり、Q散逸は発熱体の散逸エネルギーであり、Mは発熱体で加熱するニコチンキャリアの質量であり、Cは発熱体で加熱するニコチンキャリアの比熱容量である。
【0018】
好ましくは、前記加熱電圧U、前記加熱電流I、前記通電加熱時間tのうちの少なくとも1つの加熱パラメータを調整することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を調整する。
【0019】
好ましくは、前記加熱制御方法は更に以下を含む。
【0020】
吸入パラメータ区間別に、対応する目標温度の閾値を設定する。
【0021】
好ましくは、前記目標温度の閾値は、10℃を逓増単位として逓増する。
【0022】
本発明は、更に、加熱制御装置を構成する。当該装置は、ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得するための第1取得モジュールと、前記現在の吸入パラメータに基づいて対応する目標温度の閾値を取得し、前記目標温度の閾値が吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する第2取得モジュールと、発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整するための温度処理モジュール、を含む。
【0023】
好ましくは、前記現在の吸入パラメータは、現在の吸入数又は現在の吸入時間長を含む。
【0024】
好ましくは、前記第1取得モジュールは、ユーザの累計吸入回数に基づいて現在の吸入数を取得するための回数取得ユニットと、ユーザの累計吸入時間長に基づいて現在の吸入時間長を取得するための時間長取得ユニット、を含む。
【0025】
好ましくは、前記温度処理モジュールは、発熱体の現在の加熱温度値を検出するための温度検出モジュールと、前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を前記目標温度の閾値に調整するための加熱実行モジュール、を含む。
【0026】
好ましくは、前記温度処理モジュールは、ΔT1=(U*I*t-Q散逸)/(M*C)の関係に基づいて、発熱体の前記加熱温度値を調整する。
【0027】
ΔT1は、発熱体の前記目標温度の閾値と前記現在の加熱温度値との差分値であり、Uは加熱電圧であり、Iは加熱電流であり、tは通電加熱時間であり、Q散逸は発熱体の散逸エネルギーであり、Mは発熱体で加熱するニコチンキャリアの質量であり、Cは発熱体で加熱するニコチンキャリアの比熱容量である。
【0028】
好ましくは、前記温度処理モジュールは、前記加熱電圧U、前記加熱電流I、前記通電加熱時間tのうちの少なくとも1つの加熱パラメータを調整することで、発熱体の前記現在の加熱温度値を調整する。
【0029】
好ましくは、前記加熱制御装置は、更に、吸入パラメータ区間別に対応する目標温度の閾値を設定するための設定モジュールを含む。
【0030】
好ましくは、前記目標温度の閾値は、10℃を逓増単位として逓増する。
【0031】
本発明は、更に、上記いずれかで述べた加熱制御装置を含む電子霧化装置を構成する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の電子霧化装置とその加熱制御装置及び加熱制御方法を実施することで、以下の有益な効果を有する。
【0033】
発熱体でフレーバーカプセル/タバコスティックを二次加熱することで、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量が効果的に向上する。且つ、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出には高温が有利であるとの原理を利用して、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する際には、吸入動作の進行に伴って、段階的に逓増するよう発熱体の加熱温度を徐々に上昇させる。これにより、異なる吸入段階間で、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出が均一となるため、口当たりが向上する。
【0034】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明における加熱制御方法の第1実施例の概略フローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の加熱制御方法の第1実施例における各吸入数区間と目標温度の閾値との関係を示すグラフである。
【
図3】
図3は、本発明における加熱制御装置の第1実施例の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、本発明の実施例に係る図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、言うまでもなく、ここで記載する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働を要さないことを前提に取得するその他全ての実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
【0037】
図1は、本発明の加熱制御方法の第1実施例を示している。本実施例の加熱制御方法は、電子霧化装置に応用可能である。電子霧化装置内では、フレーバーカプセル/タバコスティックを2回加熱する。一次加熱では、霧化用リキッドが加熱により霧化されることで生成されるエアロゾルがフレーバーカプセル/タバコスティックの底部から進入し、フレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する。二次加熱では、発熱体がフレーバーカプセル/タバコスティック内に挿入されて、フレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する。理解可能なように、フレーバーカプセル/タバコスティックにはタバコ物質が含まれている。よって、フレーバーカプセル/タバコスティックはニコチン等の物質のキャリアとなり、その内部のタバコ物質が加熱されると、従来のタバコの風味が放出されるとともに、ニコチンやその他の有効物質も放出される。
【0038】
本実施例では、フレーバーカプセル/タバコスティックの二次加熱を制御することで、即ち、発熱体の加熱温度を制御することで、吸入段階別にフレーバーカプセル/タバコスティックに異なる加熱温度を提供する。これにより、異なる吸入段階間で、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出が均一となるため、口当たりが向上する。理解可能なように、本実施例における電子霧化装置の構造は従来技術を参考に実現可能であり、マウスピース、気体経路、電気供給バッテリ等を含む。
【0039】
図1に示すように、本実施例において、加熱制御方法は以下のステップを含む。
【0040】
S1:ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得する。
【0041】
具体的に、当該ステップでは、空気圧スイッチによって吸入動作の有無を識別可能である。吸入動作が識別された場合、空気圧スイッチは閉成することで吸入信号を出力する。そして、吸入信号の出力状況に基づいて、現在の吸入パラメータを取得する。理解可能なように、いくつかの従来技術では、押しボタンスイッチを手動で制御し、押しボタンスイッチの閉成及び開離によって電子霧化装置の起動及び停止を制御している。
【0042】
本実施例では、ユーザが電子霧化装置の起動及び停止を手動で制御しなくともよい。ユーザがマウスピースで吸入すると、気体が気体経路を経由することで、空気圧スイッチが吸入動作を感知する。そして、空気圧スイッチが吸入動作を感知すると、空気圧スイッチの開閉が閉となり、スイッチが1回閉成した時点で吸入信号が1回出力される。また、ユーザが吸入を停止すると、空気圧スイッチは吸入動作を感知し得なくなる。これにより、スイッチが閉成しなくなる結果、吸入信号の出力が停止される。
【0043】
理解可能なように、ユーザが吸入すると、マウスピース内で気体が流動することで、気流及び空気圧が発生する。本実施例において、空気圧スイッチには、気流センサ、空気圧センサのうちの少なくとも1つが含まれ得る。空気圧スイッチが気流センサの場合、気流センサは、気流値が気流の所定閾値に達している気流の存在を感知したときに、吸入動作が存在すると判断する。気流センサはマイクロフォンとしてもよい。また、気流の所定閾値は実情に応じて設定すればよい。当該気流の所定閾値は、気体が自然に流動する際の気流値と区別される。よって、ユーザが電子霧化装置をポケットに入れている際に、自然に流動する気流の存在によって気流センサに誤感知が発生するとの事態が回避される。
【0044】
空気圧スイッチが空気圧センサの場合、空気圧センサは、空気圧値が空気圧の所定閾値に達している気体の存在を感知した場合に、吸入動作が存在すると判断する。また、空気圧の所定閾値は実情に応じて設定すればよい。当該空気圧の所定閾値は、気体が自然に流動する際の空気圧値と区別される。
【0045】
理解可能なように、空気圧スイッチは、気流センサと空気圧センサを同時に含んでもよい。この場合には、マウスピース内の気体が気流の所定閾値及び空気圧の所定閾値に同時に達したときにのみ、空気圧スイッチが吸入動作の存在を感知して、吸入信号を出力する。また、当然ながら、いくつかの実施例では、押しボタンスイッチを使用して吸入動作を識別してもよい。この場合には、ユーザが押しボタンスイッチをオンにしたときに、押しボタンスイッチが閉成して吸入信号を出力する。
【0046】
吸入信号の出力状況に基づいて、現在の吸入パラメータを取得する。理解可能なように、空気圧スイッチが吸入動作を1回感知すると、空気圧スイッチの開閉が1回閉となって、吸入信号が1回出力される。なお、現在の吸入パラメータを現在の吸入数としてもよい。具体的には、吸入信号が出力されるたびに吸入信号の出力回数を累計して、現在の吸入数を取得する。そして、当該現在の吸入数に基づいて、対応する目標温度の閾値を取得する。
【0047】
理解可能なように、1回の吸入動作が進行中の場合には、当該吸入動作を含む吸入回数を現在の吸入数とする。また、1回の吸入動作が終了したが、次の吸入動作は開始していない場合、次の吸入動作を含む吸入回数を現在の吸入数とする。これにより、毎回の吸入が目標温度の閾値に対応するよう確実に保証可能とする。
【0048】
S2:現在の吸入パラメータに基づいて、対応する目標温度の閾値を取得する。目標温度の閾値は、吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する。
【0049】
本実施例において、目標温度の閾値は、吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する。即ち、吸入パラメータの一定区間内では、当該区間内の吸入パラメータが同一の目標温度の閾値に対応する。理解可能なように、本発明の加熱制御方法は、更に以下を含み得る。
【0050】
S0:吸入パラメータ区間別に、対応する目標温度の閾値を設定する。
【0051】
理解可能なように、現在の吸入パラメータが現在の吸入数である場合には、吸入数区間別に対応する目標温度の閾値を予め設定すればよい。ステップS2では、現在の吸入数を取得したあと、当該現在の吸入数が属する吸入数区間を判断し、当該吸入数区間に対応する目標温度の閾値を取得する。具体的な設定方式としては、各吸入数区間と目標温度の閾値との関係曲線を設定するか、対応するテーブルを設定すればよい。理解可能なように、同一のフレーバーカプセル/タバコスティックについては、ステップS0において、その対応関係を1回設定すればよく、繰り返し設定する必要はない。
【0052】
目標温度の閾値は、10℃を逓増単位として逓増させる。即ち、隣り合う吸入数区間に対応する目標温度の閾値の差は10℃であり、10℃を勾配として昇温させる。このことは、異なる吸入数区間におけるフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を比較的均等にするのに有利である。また、加熱温度50℃を起点とする吸入数区間に対応する加熱温度によれば、加熱温度が高すぎるために焦げ付きが発生するとの欠点や、加熱温度が低すぎるために関連物質の放出に不利になるとの欠点を回避可能となる。
【0053】
S3:発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に調整する。当該ステップは、以下を含む。
【0054】
S31:発熱体の現在の加熱温度値を検出する。
【0055】
理解可能なように、発熱体は、マトリックスと、マトリックス上に設置される発熱デバイスを含み得る。マトリックスは、筒状の本体と、当該筒状の本体の第1端に設置されるテーパー状ヘッド部を含み得る。当該テーパー状ヘッド部を設置することで、発熱体をフレーバーカプセル/タバコスティック内に挿入しやすくなる。発熱デバイスは、筒状の本体に設置される発熱フィルムとしてもよい。筒状の本体が中空構造である場合、発熱フィルムは、筒状の本体の内壁及び/又は外表面に配設可能である。いくつかの実施例において、マトリックスは、一端に尖端構造を有するシート状構造をなしてもよい。いくつかの実施例において、発熱デバイスは、筒状の本体の外周に巻き付けられる発熱線としてもよいし、筒状の本体に配設されるFPCとしてもよい。発熱デバイスを設置することで、発熱体全体に加熱温度を持たせる。
【0056】
理解可能なように、測温デバイスを利用するか、発熱体自体の温度-抵抗特性(TCR)を利用して、発熱体の現在の加熱温度値を測定可能である。測温デバイスは、サーミスタ、熱抵抗器、測温フィルム、熱電対等としてもよく、且つ、従来の方式を参考に実現してもよい。
【0057】
S32:目標温度の閾値と現在の加熱温度値との差分値に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に調整する。当該ステップは、以下を含む。
【0058】
S321:目標温度の閾値と現在の加熱温度値との差分値に基づいて、加熱制御信号を生成する。
【0059】
目標温度の閾値と発熱体の現在の加熱温度値を取得したあと、温度の差分値ΔT1=目標温度の閾値-現在の加熱温度値に基づいて、これらの温度差ΔT1を算出する。
【0060】
理解可能なように、ΔT1>0の場合には、発熱体の加熱温度を上昇させる必要がある。この場合には、昇温制御信号を生成する。
【0061】
ΔT1=0の場合には、発熱体の現在の加熱温度を維持する必要がある。この場合には、温度維持制御信号を生成する。
【0062】
ΔT1<0の場合には、発熱体の加熱温度を低下させる必要がある。この場合には、降温制御信号を生成する。
【0063】
S332:加熱制御信号に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に調整する。
【0064】
理解可能なように、昇温制御信号に基づいて、発熱体に提供する加熱パラメータを調整する。具体的には、加熱温度を上昇可能とする加熱パラメータとなるよう加熱パラメータを調整することで、発熱体の加熱温度を上昇させて目標温度の閾値に到達させる。
【0065】
温度維持制御信号に基づく場合には、発熱体に提供する加熱パラメータを調整する必要はなく、発熱体の加熱温度を目標温度の閾値に維持する。
【0066】
降温制御信号に基づいて、発熱体に提供する加熱パラメータを調整する。具体的には、加熱温度を低下可能とする加熱パラメータとなるよう加熱パラメータを調整することで、発熱体の加熱温度を低下させて目標温度の閾値に到達させる。
【0067】
本実施例において、発熱体をフレーバーカプセル/タバコスティックに挿入して加熱する場合、フレーバーカプセル/タバコスティックの変化温度ΔT2には、ΔT2=ΔQ/(M*C)の関係が存在する。ΔQはフレーバーカプセル/タバコスティックのエネルギー変化であり、Mはフレーバーカプセル/タバコスティックの質量であり、Cはフレーバーカプセル/タバコスティックの比熱容量である。
【0068】
ΔQ=Q加熱-Q散逸である。Q加熱は、発熱体の通電加熱に伴うエネルギーであり、Q散逸は、放熱等の要因により発熱体から散逸するエネルギーである。Q加熱=P*tである。Pは加熱パワーであり、tは通電加熱時間である。P=U*Iである。Uは加熱電圧であり、Iは加熱電流である。
【0069】
以上により、ΔT2=(U*I*t-Q散逸)/(M*C)を取得する。理解可能なように、ΔT2>0の場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度上昇を意味し、ΔT2=0の場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度が維持されていることを意味し、ΔT2<0の場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度低下を意味する。
【0070】
理解可能なように、発熱体がフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する過程において、フレーバーカプセル/タバコスティックの質量M、フレーバーカプセル/タバコスティックの比熱容量Cは変化し得るが、これら2つの値は常に正の値である。よって、ΔQの値の正負を制御することで、ΔT2の値の正負を変化させられる。
【0071】
ΔQ=U*I*t-Q散逸である。また、Q散逸はフレーバーカプセル/タバコスティックの特性及び電子霧化装置の放熱性能に関係するため、同一の電子霧化装置、同一のフレーバーカプセル/タバコスティックにおいて、Q散逸は相対的に固定される。従って、Q加熱=U*I*tの関係からΔT2の数値を変化させられる。
【0072】
本実施例では、ΔT2=(U*I*t-Q散逸)/(M*C)の関係に基づいて、発熱体の現在の加熱温度値を調整する。このとき、加熱電圧U、加熱電流I、加熱時間tのうちの少なくとも1つの加熱パラメータを調整し、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度変化ΔT2を調整することで、発熱体の現在の加熱温度値の調整を実現可能である。理解可能なように、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度変化は、発熱体の温度変化により実現される。ΔT2=ΔT1の場合には、発熱体の現在の加熱温度値が目標温度の閾値に調整されたことを意味する。理解可能なように、従来技術を参考に、MOSFET、バイポーラトランジスタ又はリレー等のデバイスを使用して、加熱電圧U、加熱電流Iの制御を実現してもよい。
【0073】
このとき、温度維持制御信号を生成し、当該温度維持制御信号に基づき、加熱電圧U、加熱電流I、加熱時間tを決定して発熱体に提供すればよい。これにより、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に維持する。
【0074】
理解可能なように、上記のステップS1~S3を加熱制御ステップとして、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する過程、或いは、ユーザの全吸入過程において、上記の加熱制御ステップを繰り返し実行する。
【0075】
理解可能なように、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する際には、現在の吸入数の増加に伴って、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の総量は徐々に減少していく。仮に、発熱体が同じ加熱温度でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱した場合には、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量は徐々に減少してしまう。そこで、本実施例では、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出には高温が有利であるとの原理を利用して、目標温度の閾値が吸入数の増加に伴って徐々に逓増的に変化するよう設定する。これにより、異なる吸入段階間で、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出が均一となる。
【0076】
本実施例では、温度上昇によってフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を増加させられるとの原理に基づき、吸入後期の加熱温度を吸入前期の加熱温度以上とする方式でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する。これにより、吸入数の増加に伴って招来されるニコチン及びその他の有効物質の放出量が徐々に減少するとの課題が解決される。理解可能なように、現在の吸入数と目標温度の閾値との対応関係は、電子霧化装置及びフレーバーカプセル/タバコスティックの違いによって変化する。しかし、目標温度の閾値全体は、吸入後期の温度が吸入前期の温度以上となる形式で変化する。
【0077】
本発明の加熱制御方法の第2実施例は、現在の吸入パラメータ及び吸入パラメータ区間のタイプの違いにおいて上記の第1実施例と異なっている。本実施例では、ステップS1において、現在の吸入パラメータを現在の吸入時間長としてもよい。具体的には、吸入信号が毎回出力する出力時間長に基づき、毎回の吸入信号の出力時間長を累計することで、現在の吸入時間長を取得するとともに、当該現在の吸入時間長に基づいて、対応する目標温度の閾値を取得する。
【0078】
理解可能なように、1回の吸入動作が進行中の場合には、当該吸入動作を含む吸入時間長を現在の吸入時間長とする。また、1回の吸入動作が終了したが、次の吸入動作は開始していない場合、次の吸入動作を含む吸入時間長を現在の吸入時間長とする。これにより、毎回の吸入が目標温度の閾値に対応するよう確実に保証可能とする。
【0079】
理解可能なように、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する際には、現在の吸入時間長の増加に伴って、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の総量は徐々に減少していく。仮に、発熱体が同じ加熱温度でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱した場合には、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量は徐々に減少してしまう。そこで、本実施例では、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出には高温が有利であるとの原理を利用して、目標温度の閾値が吸入時間長の増加に伴って徐々に逓増的に変化するよう設定する。これにより、異なる吸入段階間で、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出が均一となる。
【0080】
ステップS0では、吸入パラメータ区間別に、対応する目標温度の閾値を設定する。
【0081】
理解可能なように、現在の吸入パラメータが現在の吸入時間長である場合には、吸入時間長区間別に対応する目標温度の閾値を予め設定すればよい。ステップS2では、現在の吸入時間長を取得したあと、当該現在の吸入時間長が属する吸入時間長区間を判断し、当該吸入時間長区間に対応する目標温度の閾値を取得する。
【0082】
目標温度の閾値は10℃を逓増単位とする。即ち、隣り合う吸入時間長区間に対応する目標温度の閾値の差は10℃であり、10℃を勾配として昇温させる。このことは、異なる吸入時間長区間におけるフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を比較的均等にするのに有利である。また、加熱温度50℃を起点とする吸入時間長区間に対応する加熱温度によれば、加熱温度が高すぎるために焦げ付きが発生するとの欠点や、加熱温度が低すぎるために関連物質の放出に不利になるとの欠点を回避可能となる。
【0083】
本実施例では、温度上昇によってフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を増加させられるとの原理に基づき、吸入後期の加熱温度を吸入前期の加熱温度以上とする方式でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する。これにより、吸入時間長の増加に伴って招来されるニコチン及びその他の有効物質の放出量が徐々に減少するとの課題が解決される。理解可能なように、現在の吸入時間長と目標温度の閾値との対応関係は、電子霧化装置及びフレーバーカプセル/タバコスティックの違いによって変化する。しかし、目標温度の閾値全体は、吸入後期の温度が吸入前期の温度以上となる形式で変化する。
【0084】
次に、具体的に応用する場合を例示して、本発明の加熱制御方法の第1実施例について説明する。当該方法は、以下のステップを含む。
【0085】
S100:吸入数区間と目標温度の閾値との対応関係を設定する。
図2に示すように、吸入数区間には、1~10口、11~20口、21~30口、31~40口、41~50口、51~60口を設定可能であり、各区間にそれぞれ対応する目標温度の閾値を50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃とする。
【0086】
S101:空気圧スイッチは、吸入動作を1回識別すると、吸入信号を1回出力する。
【0087】
S102:吸入信号の出力回数に基づいて、20口目の吸入動作が完了し、次の吸入(即ち、現在の吸入数)が21口目であることを取得した場合、21口目を含む吸入数区間が21~30口であると判断して、当該区間に対応する目標温度の閾値70℃を取得する。
【0088】
S103:発熱体の現在の加熱温度値が60℃であることを検出する。
【0089】
ΔT1=目標温度の閾値-現在の加熱温度値を算出する。即ち、温度の差分値ΔT1=70℃-60℃=10℃であるため、昇温制御信号を生成する。
【0090】
昇温制御信号に基づき、Q加熱=U*I*tの関係から、発熱体に提供する加熱パラメータのうち、元の加熱電圧U、加熱電流Iは維持し、通電加熱時間tを増加させればよい。これにより、Q加熱を増大させて、ΔQ>0とすることで、ΔT2>0として、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度を上昇させる。
【0091】
ΔT2=ΔT1となるまでステップS103を繰り返し実行する。ΔT2=ΔT1となった場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの上昇温度が目標温度の閾値と現在の加熱温度値との差分値に等しく、発熱体の現在の加熱温度値が目標温度の閾値に調整されたことを意味する。
【0092】
ΔT2=ΔT1の場合には、温度維持制御信号を生成し、現在の加熱電圧U、加熱電流I、通電加熱時間tを決定するとともに、吸入数区間21~30内では当該加熱パラメータの提供を維持する。このとき、ΔQ=Q加熱-Q散逸=0、ΔT1=0となり、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度が維持される。
【0093】
理解可能なように、昇温制御信号に基づき加熱パラメータを発熱体に提供する過程において、現在の加熱温度値が目標温度の閾値70℃よりも大きくなった場合には、現在の吸入数区間21~30内の通電加熱時間tを減少させればよい。このとき、ΔQ<0、ΔT1<0となって、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度が低下する。理解可能なように、加熱電圧U、加熱電流I、通電加熱時間tのうちの1又は複数を調節することでQ加熱を調節してもよい。
【0094】
理解可能なように、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する過程、或いは、ユーザの全吸入過程において、上記のステップS101~S103を繰り返し実行することで、発熱体の加熱制御を実現可能である。理解可能なように、同一のフレーバーカプセル/タバコスティックについては、ステップS100で1回設定すればよく、繰り返し設定する必要はない。
【0095】
次に、具体的に応用する場合を例示して、本発明の加熱制御方法の第2実施例について説明する。本実施例は、現在の吸入パラメータが現在の吸入時間長であり、吸入パラメータ区間が吸入時間長区間である点で上記の第1実施例の具体的応用と異なっている。本実施例のステップは以下の通りである。
【0096】
S200:吸入時間長区間と目標温度の閾値との対応関係を設定する。吸入時間長区間には、0~30秒、31~60秒、61~90秒、91~120秒、121~150秒、151~180秒を設定可能であり、各区間にそれぞれ対応する目標温度の閾値を50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃とする。
【0097】
S201:上記のステップS101と同様である。
【0098】
S202:吸入信号の出力時間長に基づいて、60秒目の吸入動作が完了し、次の秒数(即ち、現在の吸入時間長)が61秒であることを取得した場合、61秒目を含む吸入時間長区間が61~90秒であると判断して、当該区間に対応する目標温度の閾値70℃を取得する。
【0099】
S203:上記のステップS103と同様である。
【0100】
図3は、本発明における加熱制御装置の第1実施例を示している。本実施例の加熱制御装置で実現される機能は、上記の第1実施例の加熱制御方法に対応している。
図3に示すように、当該加熱制御装置は以下を含む。
【0101】
第1取得モジュールは、ユーザの吸入状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得するために用いられる。
【0102】
具体的に、当該モジュールは、空気圧スイッチによって吸入動作の有無を識別可能である。吸入動作が識別された場合、空気圧スイッチは閉成することで吸入信号を出力する。そして、吸入信号の出力状況に基づいて現在の吸入パラメータを取得する。理解可能なように、いくつかの従来技術では、押しボタンスイッチを手動で制御し、押しボタンスイッチの閉成及び開離によって電子霧化装置の起動及び停止を制御している。
【0103】
本実施例では、ユーザが電子霧化装置の起動及び停止を手動で制御しなくともよい。ユーザがマウスピースで吸入すると、気体が気体経路を経由することで、空気圧スイッチが吸入動作を感知する。そして、空気圧スイッチが吸入動作を感知すると、空気圧スイッチの開閉が閉となり、スイッチが1回閉成した時点で吸入信号が1回出力される。また、ユーザが吸入を停止すると、空気圧スイッチは吸入動作を感知し得なくなる。これにより、スイッチが閉成しなくなる結果、吸入信号の出力が停止される。
【0104】
理解可能なように、ユーザが吸入すると、マウスピース内で気体が流動することで、気流及び空気圧が発生する。本実施例において、空気圧スイッチには、気流センサ、空気圧センサのうちの少なくとも1つが含まれ得る。空気圧スイッチが気流センサの場合、気流センサは、気流値が気流の所定閾値に達している気流の存在を感知したときに、吸入動作が存在すると判断する。気流センサはマイクロフォンとしてもよい。また、気流の所定閾値は実情に応じて設定すればよい。当該気流の所定閾値は、気体が自然に流動する際の気流値と区別される。よって、ユーザが電子霧化装置をポケットに入れている際に、自然に流動する気流の存在によって気流センサに誤感知が発生するとの事態が回避される。
【0105】
空気圧スイッチが空気圧センサの場合、空気圧センサは、空気圧値が空気圧の所定閾値に達している気体の存在を感知した場合に、吸入動作が存在すると判断する。また、空気圧の所定閾値は実情に応じて設定すればよい。当該空気圧の所定閾値は、気体が自然に流動する際の空気圧値と区別される。
【0106】
理解可能なように、空気圧スイッチは、気流センサと空気圧センサを同時に含んでもよい。この場合には、マウスピース内の気体が気流の所定閾値及び空気圧の所定閾値に同時に達したときにのみ、空気圧スイッチが吸入動作の存在を感知して、吸入信号を出力する。また、当然ながら、いくつかの実施例では、押しボタンスイッチを使用して吸入動作を識別してもよい。この場合には、ユーザが押しボタンスイッチをオンにしたときに、押しボタンスイッチが閉成して吸入信号を出力する。
【0107】
吸入信号の出力状況に基づいて、現在の吸入パラメータを取得する。理解可能なように、空気圧スイッチが吸入動作を1回感知すると、空気圧スイッチの開閉が1回閉となって、吸入信号が1回出力される。なお、現在の吸入パラメータを現在の吸入数としてもよい。具体的に、第1取得モジュールは回数取得ユニットを含む。回数取得ユニットは、ユーザの累計吸入回数に基づいて現在の吸入数を取得するために用いられる。具体的には、吸入信号が出力されるたびに吸入信号の出力回数を累計して、現在の吸入数を取得する。そして、当該現在の吸入数に基づいて、対応する目標温度の閾値を取得する。
【0108】
理解可能なように、1回の吸入動作が進行中の場合には、当該吸入動作を含む吸入回数を現在の吸入数とする。また、1回の吸入動作が終了したが、次の吸入動作は開始していない場合、次の吸入動作を含む吸入回数を現在の吸入数とする。これにより、毎回の吸入が目標温度の閾値に対応するよう確実に保証可能とする。
【0109】
第2取得モジュールは、現在の吸入パラメータに基づいて対応する目標温度の閾値を取得するために用いられる。目標温度の閾値は、吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する。
【0110】
本実施例において、目標温度の閾値は、吸入パラメータの増大に伴って段階的に逓増する。即ち、吸入パラメータの一定区間内では、当該区間内の吸入パラメータが同一の目標温度の閾値に対応する。理解可能なように、本発明の加熱制御装置は、更に以下を含み得る。
【0111】
設定モジュールは、吸入パラメータ区間別に対応する目標温度の閾値を設定するために用いられる。
【0112】
理解可能なように、現在の吸入パラメータが現在の吸入数である場合には、吸入数区間別に対応する目標温度の閾値を予め設定すればよい。第2取得モジュールは、現在の吸入数を取得したあと、当該現在の吸入数が属する吸入数区間を判断し、当該吸入数区間に対応する目標温度の閾値を取得する。具体的な設定方式としては、各吸入数区間と目標温度の閾値との関係曲線を設定するか、対応するテーブルを設定すればよい。理解可能なように、同一のフレーバーカプセル/タバコスティックについては、設定モジュールにおいて、その対応関係を1回設定すればよく、繰り返し設定する必要はない。
【0113】
目標温度の閾値は、10℃を逓増単位として逓増させる。即ち、隣り合う吸入数区間に対応する目標温度の閾値の差は10℃であり、10℃を勾配として昇温させる。このことは、異なる吸入数区間におけるフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を比較的均等にするのに有利である。また、加熱温度50℃を起点とする吸入数区間に対応する加熱温度によれば、加熱温度が高すぎるために焦げ付きが発生するとの欠点や、加熱温度が低すぎるために関連物質の放出に不利になるとの欠点を回避可能となる。
【0114】
温度処理モジュールは、発熱体の現在の加熱温度値を検出し、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に調整するために用いられる。当該モジュールは、以下を含む。
【0115】
温度検出モジュールは、発熱体の現在の加熱温度値を検出するために用いられる。
【0116】
理解可能なように、発熱体は、マトリックスと、マトリックス上に設置される発熱デバイスを含み得る。マトリックスは、筒状の本体と、当該筒状の本体の第1端に設置されるテーパー状ヘッド部を含み得る。当該テーパー状ヘッド部を設置することで、発熱体をフレーバーカプセル/タバコスティック内に挿入しやすくなる。発熱デバイスは、筒状の本体に設置される発熱フィルムとしてもよい。筒状の本体が中空構造である場合、発熱フィルムは、筒状の本体の内壁及び/又は外表面に配設可能である。いくつかの実施例において、マトリックスは、一端に尖端構造を有するシート状構造をなしてもよい。いくつかの実施例において、発熱デバイスは、筒状の本体の外周に巻き付けられる発熱線としてもよいし、筒状の本体に配設されるFPCとしてもよい。発熱デバイスを設置することで、発熱体全体に加熱温度を持たせる。
【0117】
理解可能なように、測温デバイスを利用するか、発熱体自体の温度-抵抗特性(TCR)を利用して、発熱体の現在の加熱温度値を測定可能である。測温デバイスは、サーミスタ、熱抵抗器、測温フィルム、熱電対等としてもよく、且つ、従来の方式を参考に実現してもよい。
【0118】
加熱実行モジュールは、目標温度の閾値と現在の加熱温度値との差分値に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に調整するために用いられる。当該モジュールは、以下を含む。
【0119】
信号生成ユニットは、目標温度の閾値と現在の加熱温度値との差分値に基づいて、加熱制御信号を生成するために用いられる。
【0120】
目標温度の閾値と発熱体の現在の加熱温度値を取得したあと、温度の差分値ΔT1=目標温度の閾値-現在の加熱温度値に基づいて、これらの温度差ΔT1を算出する。
【0121】
理解可能なように、ΔT1>0の場合には、発熱体の加熱温度を上昇させる必要がある。この場合には、昇温制御信号を生成する。
【0122】
ΔT1=0の場合には、発熱体の現在の加熱温度を維持する必要がある。この場合には、温度維持制御信号を生成する。
【0123】
ΔT1<0の場合には、発熱体の加熱温度を低下させる必要がある。この場合には、降温制御信号を生成する。
【0124】
パラメータ提供ユニットは、加熱制御信号に基づいて、対応する加熱パラメータを発熱体に提供することで、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に調整するために用いられる。
【0125】
理解可能なように、昇温制御信号に基づいて、発熱体に提供する加熱パラメータを調整する。具体的には、加熱温度を上昇可能とする加熱パラメータとなるよう加熱パラメータを調整することで、発熱体の加熱温度を上昇させて目標温度の閾値に到達させる。
【0126】
温度維持制御信号に基づく場合には、発熱体に提供する加熱パラメータを調整する必要はなく、発熱体の加熱温度を目標温度の閾値に維持する。
【0127】
降温制御信号に基づいて、発熱体に提供する加熱パラメータを調整する。具体的には、加熱温度を低下可能とする加熱パラメータとなるよう加熱パラメータを調整することで、発熱体の加熱温度を低下させて目標温度の閾値に到達させる。
【0128】
本実施例において、発熱体をフレーバーカプセル/タバコスティックに挿入して加熱する場合、フレーバーカプセル/タバコスティックの変化温度ΔT2には、ΔT2=ΔQ/(M*C)の関係が存在する。ΔQはフレーバーカプセル/タバコスティックのエネルギー変化であり、Mはフレーバーカプセル/タバコスティックの質量であり、Cはフレーバーカプセル/タバコスティックの比熱容量である。
【0129】
ΔQ=Q加熱-Q散逸である。Q加熱は、発熱体の通電加熱に伴うエネルギーであり、Q散逸は、放熱等の要因により発熱体から散逸するエネルギーである。Q加熱=P*tである。Pは加熱パワーであり、tは通電加熱時間である。P=U*Iである。Uは加熱電圧であり、Iは加熱電流である。
【0130】
以上により、ΔT2=(U*I*t-Q散逸)/(M*C)を取得する。理解可能なように、ΔT2>0の場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度上昇を意味し、ΔT2=0の場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度が維持されていることを意味し、ΔT2<0の場合には、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度低下を意味する。
【0131】
理解可能なように、発熱体がフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する過程において、フレーバーカプセル/タバコスティックの質量M、フレーバーカプセル/タバコスティックの比熱容量Cは変化し得るが、これら2つの値は常に正の値である。よって、ΔQの値の正負を制御することで、ΔT2の値の正負を変化させられる。
【0132】
ΔQ=U*I*t-Q散逸である。また、Q散逸はフレーバーカプセル/タバコスティックの特性及び電子霧化装置の放熱性能に関係するため、同一の電子霧化装置、同一のフレーバーカプセル/タバコスティックにおいて、Q散逸は相対的に固定される。従って、Q加熱=U*I*tの関係からΔT2の数値を変化させられる。
【0133】
本実施例では、ΔT2=(U*I*t-Q散逸)/(M*C)の関係に基づいて、発熱体の現在の加熱温度値を調整する。このとき、加熱電圧U、加熱電流I、加熱時間tのうちの少なくとも1つの加熱パラメータを調整し、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度変化ΔT2を調整することで、発熱体の現在の加熱温度値の調整を実現可能である。理解可能なように、フレーバーカプセル/タバコスティックの温度変化は、発熱体の温度変化により実現される。ΔT2=ΔT1の場合には、発熱体の現在の加熱温度値が目標温度の閾値に調整されたことを意味する。理解可能なように、従来技術を参考に、MOSFET、バイポーラトランジスタ又はリレー等のデバイスを使用して、加熱電圧U、加熱電流Iの制御を実現してもよい。
【0134】
このとき、温度維持制御信号を生成し、当該温度維持制御信号に基づき、加熱電圧U、加熱電流I、加熱時間tを決定して発熱体に提供すればよい。これにより、発熱体の現在の加熱温度値を目標温度の閾値に維持する。
【0135】
理解可能なように、上記の第1取得モジュール、第2取得モジュール、温度処理モジュールで実行する動作を加熱制御ステップとして、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する過程、或いは、ユーザの全吸入過程において、上記の加熱制御ステップを繰り返し実行する。
【0136】
理解可能なように、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する際には、現在の吸入数の増加に伴って、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の総量は徐々に減少していく。仮に、発熱体が同じ加熱温度でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱した場合には、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量は徐々に減少してしまう。そこで、本実施例では、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出には高温が有利であるとの原理を利用して、目標温度の閾値が吸入数の増加に伴って徐々に逓増的に変化するよう設定する。これにより、異なる吸入段階間で、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出が均一となる。
【0137】
本実施例では、温度上昇によってフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を増加させられるとの原理に基づき、吸入後期の加熱温度を吸入前期の加熱温度以上とする方式でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する。これにより、吸入数の増加に伴って招来されるニコチン及びその他の有効物質の放出量が徐々に減少するとの課題が解決される。理解可能なように、現在の吸入数と目標温度の閾値との対応関係は、電子霧化装置及びフレーバーカプセル/タバコスティックの違いによって変化する。しかし、目標温度の閾値全体は、吸入後期の温度が吸入前期の温度以上となる形式で変化する。
【0138】
本発明の加熱制御装置の第2実施例は、現在の吸入パラメータ及び吸入パラメータ区間のタイプの違いにおいて上記の第1実施例と異なっている。本実施例では、第1取得モジュールにおいて、現在の吸入パラメータを現在の吸入時間長としてもよい。具体的に、第1取得モジュールは時間長取得ユニットを含む。時間長取得ユニットは、ユーザの累計吸入時間長に基づいて現在の吸入時間長を取得するために用いられる。具体的には、吸入信号が毎回出力する出力時間長に基づき、毎回の吸入信号の出力時間長を累計することで、現在の吸入時間長を取得するとともに、当該現在の吸入時間長に基づいて、対応する目標温度の閾値を取得する。
【0139】
理解可能なように、1回の吸入動作が進行中の場合には、当該吸入動作を含む吸入時間長を現在の吸入時間長とする。また、1回の吸入動作が終了したが、次の吸入動作は開始していない場合、次の吸入動作を含む吸入時間長を現在の吸入時間長とする。これにより、毎回の吸入が目標温度の閾値に対応するよう確実に保証可能とする。
【0140】
理解可能なように、発熱体が同一のフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する際には、現在の吸入時間長の増加に伴って、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の総量は徐々に減少していく。仮に、発熱体が同じ加熱温度でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱した場合には、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量は徐々に減少してしまう。そこで、本実施例では、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出には高温が有利であるとの原理を利用して、目標温度の閾値が吸入時間長の増加に伴って徐々に逓増的に変化するよう設定する。これにより、異なる吸入段階間で、フレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出が均一となる。
【0141】
設定モジュールでは、吸入パラメータ区間別に対応する目標温度の閾値を設定する。
【0142】
理解可能なように、現在の吸入パラメータが現在の吸入時間長である場合には、吸入時間長区間別に対応する目標温度の閾値を予め設定すればよい。第2取得モジュールでは、現在の吸入時間長を取得したあと、当該現在の吸入時間長が属する吸入時間長区間を判断し、当該吸入時間長区間に対応する目標温度の閾値を取得する。
【0143】
目標温度の閾値は10℃を逓増単位とする。即ち、隣り合う吸入時間長区間に対応する目標温度の閾値の差は10℃であり、10℃を勾配として昇温させる。このことは、異なる吸入時間長区間におけるフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を比較的均等にするのに有利である。また、加熱温度50℃を起点とする吸入時間長区間に対応する加熱温度によれば、加熱温度が高すぎるために焦げ付きが発生するとの欠点や、加熱温度が低すぎるために関連物質の放出に不利になるとの欠点を回避可能となる。
【0144】
本実施例では、温度上昇によってフレーバーカプセル/タバコスティック中のニコチン及びその他の有効物質の放出量を増加させられるとの原理に基づき、吸入後期の加熱温度を吸入前期の加熱温度以上とする方式でフレーバーカプセル/タバコスティックを加熱する。これにより、吸入時間長の増加に伴って招来されるニコチン及びその他の有効物質の放出量が徐々に減少するとの課題が解決される。理解可能なように、現在の吸入時間長と目標温度の閾値との対応関係は、電子霧化装置及びフレーバーカプセル/タバコスティックの違いによって変化する。しかし、目標温度の閾値全体は、吸入後期の温度が吸入前期の温度以上となる形式で変化する。
【0145】
本発明の電子霧化装置は、マウスピース、気体経路、電気供給バッテリ、上記いずれかの実施例における加熱制御装置、及びその他の構造を含む。理解可能なように、各構造の組み立て及び選択については、従来技術の電子霧化装置を参考に実現可能であり、当該分野における公知の常識であるため、ここでは詳述しない。
【0146】
理解可能なように、以上の実施例は本発明における好ましい実施形態を示したにすぎず、比較的具体的且つ詳細に記載したが、これにより本発明の権利範囲が制限されると解釈すべきではない。指摘すべき点として、当業者であれば、本発明の構想を逸脱しないことを前提に、上記の技術的特性を自由に組み合わせることも、若干の変形及び改良を行うことも可能であり、これらはいずれも本発明の保護の範囲に属する。従って、本発明の特許請求の範囲で行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の請求項がカバーする範囲に属する。