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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】放熱構造及び検査デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/046 20180101AFI20240209BHJP
【FI】
G01N23/046
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022210467
(22)【出願日】2022-12-27
(65)【公開番号】P2023099516
(43)【公開日】2023-07-13
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202111681959.2
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】黄 清萍
(72)【発明者】
【氏名】洪 明志
(72)【発明者】
【氏名】王 子楠
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 立国
(72)【発明者】
【氏名】侯 洪▲濱▼
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-137224(JP,A)
【文献】特開2006-204399(JP,A)
【文献】特開2021-142145(JP,A)
【文献】特開2020-028477(JP,A)
【文献】特開2021-112464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0140345(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0089146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0000406(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00030072(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00 - G01N 23/2276
A61B 6/00 - A61B 6/14
G01T 1/00 - G01T 7/12
H05G 1/00 - H05G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中心軸線(O)の回りに回転する支持フレーム(50)と、
支持フレーム上に配置され、支持フレームに伴って回転する発熱源と、
発熱源から発熱源により加熱された流体を受け、冷却された後の流体を前記発熱源に入力するように配置される放熱器(30)と、を含み、
ここで、放熱器は支持フレームにおいて中心軸線に対する外周上に配置され、且つ前記支持フレームがその中心軸線(O)の回りに回転するときに、前記放熱器は空気がその吸気開口(30-I)から入り、排気開口(30-O)から排出されることを可能にし、
前記放熱器は第1のプレート(21)及び第2のプレート(22)を含み、第1のプレート及び第2のプレートが対向して配置されており、両者の間に空気が通過することを可能にして第1のプレート及び第2のプレート上の熱を転移し、第1のプレートが第2のプレートよりも前記中心軸線から離れており、
前記発熱源の内部、及び前記放熱器の前記第1のプレート及び前記第2のプレート内に、ヒートパイプが含まれ、前記流体が前記ヒートパイプを流れることで前記発熱源から発生された熱を前記放熱器に転移する、
放熱構造。
【請求項2】
放熱器は複数の放熱フィン(23)を含み、第1のプレートと第2のプレートとの間の隣接する2つの放熱フィンが、空気が流れることを可能にする通路を規定するように、前記複数の放熱フィンが第1のプレートと第2のプレートとの間に接続され、且つ互いに離間している、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項3】
前記複数の放熱フィンは、第1のプレートと第2のプレートとの間に互いに平行に配置されている、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項4】
前記複数の放熱フィンは、第1のプレートと第2のプレートとの間に延びるように配置され、且つ各々は前記複数の放熱フィンが中心軸線(O)の回りに回転するときの円周軌跡の接線方向に対して角度をなす、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項5】
前記複数の放熱フィンは、各々が第1のプレートと第2のプレートとの間に吸気開口から排気開口に向かって蛇行して延びるように配置される、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項6】
前記複数の放熱フィンは、各々が第1のプレートと第2のプレートとの間に中心軸線(O)に対する径方向に沿って蛇行して延びるように配置される、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項7】
放熱器は、第1のプレートと第2のプレートとの間に固定接続された少なくとも1つの接続プレートをさらに含む、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項8】
少なくとも1つの前記接続プレートは前記第1のプレート及び前記第2のプレートと箱状構造を構成して、前記吸気開口(30-I)及び前記排気開口(30-O)、並びに前記吸気開口から前記排気開口までの間のガス通路を規定する、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項9】
前記第1のプレートの面積は、第2のプレートと等しくない、
請求項に記載の放熱構造。
【請求項10】
流体を発熱源からポンプアウトし、放熱器にポンプインするように配置されることにより、流体を発熱源と放熱器との間に循環させるポンプをさらに含む、
請求項1に記載の放熱構造。
【請求項11】
発熱源と流体接続されるように配置され、且つ発熱源からポンプアウトする流体を貯蔵できる容器をさらに含む、
請求項1に記載の放熱構造。
【請求項12】
流体は水又は油である、
請求項1に記載の放熱構造。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の放熱構造を含む検査デバイスであって、
発熱源は、放射線源であり、支持フレーム上に配置されて放射線を発射し、
前記支持フレームは、その中心軸線(O)を通過する検査通路を規定する、
検査デバイス。
【請求項14】
前記放射線源は、前記支持フレームにより前記検査通路の回りに回転するように支持され、且つ被検査物体の3次元画像を取得するように回転時に被検査物体に向かって放射線を発射する、
請求項13に記載の検査デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安全検査の分野に関する。特に、本発明は、放熱構造及び検査デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
CT検査デバイスは多種類の検査に広く適用され、現在、既に荷物の安全検査に使用されている。CT検査デバイスは、例えばX線発生装置及び検出装置を円形フレーム上に取り付け、且つ転回運動を行うものである。円形フレームの中心孔によって規定された空間が検査通路を構成している。放射線源を使用すると大量の熱が発生してしまうため、放射線源を冷却する必要があるが、既存の検査デバイスは一般的にファンを備えることで検査デバイスの放熱器を冷却し、これにより、検査デバイスの構造が複雑になり、故障が頻発してしまい、使用過程中でファンに安全リスクが発生するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
性能が改善されたCT検査デバイスを提供することで検査効率を向上させることができることが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の1つの局面によれば、その中心軸線の回りに回転する支持フレームと、支持フレーム上に配置され、支持フレームに伴って回転する発熱源と、発熱源から発熱源により加熱された流体を受け、冷却された後の流体を前記発熱源に入力するように配置される放熱器とを含み、ここで、放熱器は支持フレームにおいて中心軸線に対する外周上に配置され、且つ前記支持フレームがその中心軸線の回りに回転するときに、前記放熱器は空気がその吸気開口から入り、排気開口から排出されることを可能にする、放熱構造を提供している。
【0005】
一実施例において、放熱器は第1のプレート及び第2のプレートを含み、第1のプレート及び第2のプレートが対向して配置されており、両者の間に空気が通過することを可能にして第1のプレート及び第2のプレート上の熱を転移し、第1のプレートが第2のプレートよりも前記中心軸線から離れている。
【0006】
一実施例において、放熱器は前記第1のプレート及び前記第2のプレート内に配置されているヒートパイプを含み、前記流体が前記ヒートパイプを流れる。
【0007】
一実施例において、放熱器は複数の放熱フィンを含み、第1のプレートと第2のプレートとの間の隣接する2つの放熱フィンが、空気が流れることを可能にする通路を規定するように、前記複数の放熱フィンが第1のプレートと第2のプレートとの間に接続され、且つ互いに離間している。
【0008】
一実施例において、前記複数の放熱フィンは、第1のプレートと第2のプレートとの間に互いに平行に配置されている。
【0009】
一実施例において、前記複数の放熱フィンは、第1のプレートと第2のプレートとの間に延びるように配置され、且つ各々は前記複数の放熱フィンが中心軸線の回りに回転するときの円周軌跡の接線方向に対して角度をなす。
【0010】
一実施例において、前記複数の放熱フィンは、各々が第1のプレートと第2のプレートとの間に吸気開口から排気開口に向かって蛇行して延びるように配置される。
【0011】
一実施例において、前記複数の放熱フィンは、各々が第1のプレートと第2のプレートとの間に中心軸線に対する径方向に沿って蛇行して延びるように配置される。
【0012】
一実施例において、放熱器は、第1のプレートと第2のプレートとの間に固定接続された少なくとも1つの接続プレートをさらに含む。
【0013】
一実施例において、前記少なくとも1つの接続プレートは前記第1のプレート及び前記第2のプレートと箱状構造を構成して、前記吸気開口及び前記排気開口、並びに前記吸気開口から前記排気開口までの間のガス通路を規定する。
【0014】
一実施例において、前記第1のプレートの面積は、第2のプレートと等しくない。
【0015】
一実施例において、放熱構造は、流体を発熱源からポンプアウトし、放熱器にポンプインするように配置されることにより、流体を発熱源と放熱器との間に循環させるポンプをさらに含む。
【0016】
一実施例において、放熱構造は、発熱源と流体接続されるように配置され、且つ発熱源からポンプアウトする流体を貯蔵できる容器をさらに含む。
【0017】
一実施例において、流体は水又は油である。
【0018】
本開示の1つの局面によれば、上記の放熱構造を含む検査デバイスであって、発熱源は、放射線源であり、支持フレーム上に配置されて放射線を発射し、前記支持フレームは、その軸心を通過する検査通路を規定する、検査デバイスを提供している。
【0019】
一実施例において、前記放射線源は、前記支持フレームにより前記検査通路の回りに回転するように支持され、且つ被検査物体の3次元画像を取得するように回転時に被検査物体に向かって放射線を発射する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以降、添付図面を参照して、例を挙げる方式だけで、本発明の1つ又は複数の実施例について、説明する。
【0021】
図1図1は、本開示の一実施例による検査デバイスの模式的な平面図を示している。
図2図2は、本開示の一実施例による放熱構造の模式的な斜視図を示している。
図3図3は、本開示の一実施例による放熱構造の運動模式図を示しており、ただし、右上の模式図は空気が放熱器に入る模式図を表す。
図4図4は、本開示の一実施例による放熱器の模式図を示している。
図5図5は、本開示の一実施例による放熱器の模式図を示している。
図6図6は、本開示の一実施例による放熱器の模式図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施例では、「第1」、「第2」などの用語は、異なる部品を区別するためのものであり、順序付け又は主従を表すものではない。明細書における「上」、「下」などの方位を表す用語は、絶対的な方位を意味するものではなく、部品間の相対的な位置を意味するものである。
【0023】
図1に示すように、本開示の実施例は、その中心軸線Oの回りに回転する支持フレーム50を含む放熱構造を提供する。図1に示す支持フレーム50は、略円筒形状であり、支持フレーム50を貫通する円形通路を規定しており、支持フレーム50上に測定工具や加工工具が支持されてもよく、例えば放熱器30、モータなどの装置が支持されてもよく、支持フレーム50は、その上に支持される工具が操作を行うように回転できる。一実施例において、支持フレーム50は円環であるが、別の実施例において、支持フレーム50は他の形状のフレームであってもよい。
【0024】
一実施例において、放熱構造は発熱源40を含み、支持フレーム50に配置されて支持フレーム50に伴って回転し、発熱源40は測定工具や加工工具であってもよく、例えば発熱源40が放射線源であってもよい。放射線源は放射線を発射でき、動作過程で大量の熱が発生してしまうため、放熱を行う必要がある。発熱源40は他のタイプの発熱源40であってもよく、支持フレーム50の一部に取り付けられる。
【0025】
一実施例において、放熱構造は放熱器30を含み、放熱器30は発熱源40から発熱源40により加熱された流体を受け、冷却された後の流体を前記発熱源40に入力するように配置される。流体を用いる放熱器30は有利であり、これにより、流体が熱源及び放熱器30を循環することによって熱源から発生された熱を放熱器30に転移することを可能にするとともに、放熱器30と発熱源40との分離を実現することができ、デバイスの配置をより柔軟にする。流体の循環は、ヒートパイプにより実現することができ、ヒートパイプは発熱源40及び放熱器30の内部に含まれ、流体がヒートパイプを流れる。代替的に、ポンプ31により流体を駆動して熱源及び放熱器30の内部のヒートパイプを流れることによって循環を実現することができる。ヒートパイプは、金属パイプ、セラミックパイプ、又は他の熱伝導性材料から形成されるパイプであってもよい。図1に示す実施例において、ポンプ31はヒートパイプ内の流体がポンプ31を通過することを可能にするように設けられ、ポンプ31は流体の流れを駆動する。具体的に、ポンプ31は、流体を発熱源40からポンプアウトし、放熱器30にポンプインするように配置されることにより、流体を発熱源40と放熱器30との間に循環させる。一実施例において、放熱構造は、発熱源40と流体接続されるように配置され、且つ発熱源40からポンプアウトする流体を貯蔵できる容器をさらに含む。容器内の流体がポンプの作用で、放熱器に流入して冷却される。例えば、発熱源により加熱された流体はポンプ31の作用で水タンク32のような容器に流入してから放熱器30に流入し、冷却された後で発熱源に流し戻す。一実施例において、ポンプ31は、構造がよりコンパクトになるように、水タンク32上に固定される。水タンク32を設けることで、ヒートパイプ内の流体の流れをより均一にするすることができ、ポンプによる衝撃を緩衝することができる。他の実施例において、ポンプ31は他の位置に設けられてもよく、又は水タンク32から分離して設けられてもよい。他の実施例において、容器はガラス容器などであってもよい。一実施例において、放熱用の流体は水、水溶液、油又は他の液体である。
【0026】
一実施例において、放熱器30は支持フレーム50において中心軸線Oに対する外周上に配置され、且つ前記支持フレーム50がその中心軸線Oの回りに回転するときに、前記放熱器30は、空気がその吸気開口30-Iから入り、排気開口30-Oから排出されることを可能にする。図3は、放熱器30が支持フレーム50に伴って円周運動をする模式図を示している。図3に示すように、放熱器30が支持フレーム50において中心軸線Oに対する外周上に配置されることは有利であり、このように、支持フレーム50が回転するときに、放熱器30は最も大きい線速度を有し、空気が吸気開口30-Iに入る相対的線速度(つまり、放熱器30に対する線速度)は大きく、これにより、空気が放熱器30の熱を奪うことを可能にする。ここで理解されるように、支持フレーム50は必ずしも円環形ではなく、支持フレーム50が機能の需要により他の形状を有するように設置されても、支持フレーム50の「外周」については、放熱器30の位置は放熱器30が支持フレーム50の回転時に支持フレーム50の他の部位に対して大きな線速度を備えることを可能にすることを示すことができる。一実施例において、支持フレーム50は円環形を有してもよく、又は、支持フレーム50は円筒形などを有してもよい。
【0027】
図1~3に示すように、放熱器30は直方体の形状を有し、その一方端が吸気開口30-Iであり、対向する他方端が排気開口30-Oであり、空気が吸気開口30-Iと排気開口30-Oとの間の通路を通過し、放熱器30の熱を奪うことで、冷却の目的を実現している。放熱器30は他の形状を有してもよい。放熱器30は、第1のプレート21及び第2のプレート22によって接続プレートを介して構成される。例えば、接続プレートが2つであり、これにより、第1のプレート21及び第2のプレート22と2つの接続プレートとを含んで一緒に箱状の構造を構成し、換言すれば、内部通路の構造を規定している。理解されるように、第1のプレート21、第2のプレート22及び接続プレートは様々な形態を構成することができる。接続プレートと第1のプレート21及び第2のプレート22とは箱状構造を構成して、前記吸気開口30-I(30-I)及び前記排気開口30-O、並びに前記吸気開口30-Iから前記排気開口30-Oまでの間のガス通路を規定する。
【0028】
図2に示す実施例において、第1のプレート21の面積は第2のプレート22と等しくない。このような設置は、放熱器30の形状を支持フレーム50の形状に適合させることができ、第1のプレート21が支持フレーム50の外周の外部に張り出さず、支持フレーム50の全体構造をコンパクトにすることができる。理解できるように、これは必須ではなく、第1のプレート21及び第2のプレート22は等しい面積又は形状を有してもよく、ひいては、第1のプレート21は第2のプレート22よりも大きな面積を有してもよく、これにより空気が放熱器30に入って流量をさらに改善することができる。
【0029】
一実施例において、放熱器30は第1のプレート21及び第2のプレート22を含み、第1のプレート21及び第2のプレート22が対向して配置されており、両者の間に空気が通過することを可能にして第1のプレート21及び第2のプレート22上の熱を転移する。支持フレーム50において、第1のプレート21が第2のプレート22よりも中心軸線Oから離れ、換言すれば、第1のプレート21が支持フレーム50における中心から離れた外側にあり、第2のプレート22が支持フレーム50における中心に近い内側にある。第1のプレート21及び第2のプレート22が平行であってもよいが、これは必須ではない。
【0030】
一実施例において、放熱器30は前記第1のプレート21及び前記第2のプレート22内に配置されたヒートパイプを含み、前記流体が前記ヒートパイプを流れる。ヒートパイプは、その内を流れる液体の熱を第1のプレート21及び第2のプレート22に伝達する。ヒートパイプは、第1のプレート21及び第2のプレート22の少なくとも1つに分布し、例えば第1のプレート21及び第2のプレート22の少なくとも1つに蛇行して分布することにより、できるだけ長いヒートパイプが第1のプレート21及び/又は第2のプレート22内に延びるようにし、より十分な熱伝達を達成するようにする。
【0031】
図2は、ヒートパイプの一部を示している。図2に示すように、ヒートパイプは、第1のプレート21のヒートパイプ入口11から第1のプレート21に入り、第1のプレート21と第2のプレート22との間に接続されたヒートパイプ部分13を介して第2のプレート22に入り、第2のプレート22内を循環した後、ヒートパイプ出口12より第2のプレート22から排出し、その後、冷却された流体が熱源内に入る。
【0032】
一実施例において、第1のプレート21及び第2のプレート22、並びにヒートパイプは、金属パイプ、セラミックパイプ又は他の材料から形成されてもよい。第1のプレート21及び第2のプレート22内のヒートパイプは省略することができ、例えば第1のプレート21及び第2のプレート22の内部に管路が形成されてもよく、ヒートパイプは、第1のプレート21及び第2のプレート22の外部で第1のプレート21及び第2のプレート22を接続するだけで、液体が発熱源40からヒートパイプを介して第1のプレート21及び第2のプレート22に流入することを可能にする。第1のプレート21と第2のプレート22との間はヒートパイプにより接続される。
【0033】
一実施例において、図4図6に示すように、放熱器30は複数の放熱フィン23を含み、第1のプレート21と第2のプレート22との間の隣接する2つの放熱フィン23が、空気が流れることを可能にする通路を規定するように、前記複数の放熱フィン23が第1のプレート21と第2のプレート22との間に接続され、且つ互いに離間している。放熱フィン23は、例えば溶接により第1のプレート21及び第2のプレート22に接続する。放熱フィン23は、例えばアルミニウム、銅、鉄鋼などの金属シートであってもよく、セラミックシートなどの他の熱伝導材料から形成されたシート又はプレートであってもよい。放熱フィン23の両端はそれぞれ第1のプレート21及び第2のプレート22に接続され、放熱フィン23と放熱フィン23との間は互いに離間されており、このように、第1のプレート21及び第2のプレート22、並びに隣接する放熱フィン23の間には両端が開口する小さい通路が形成されている。第1のプレート21と第2のプレート22との間の複数の放熱フィン23が第1のプレート21と第2のプレート22との間には複数の小さい通路を構成している。ここで小さい通路は、放熱器30の通路に対するものであり、つまり、放熱器30の第1のプレート21と第2のプレート22との間の吸気開口30-Iと排気開口30-Oとの間の通路は、放熱フィン23の間の複数の小さい通路で構成されている。以降、小さい通路をサブ通路と言う。理解されるように、通路とサブ通路とは包含関係を有し、通路は空気に対して誘導作用を有し、サブ通路も空気に対する誘導作用を有する。
【0034】
一実施例において、図4に示すように、複数の放熱フィン23は、第1のプレート21と第2のプレート22との間に互いに平行に配置されているが、これは必須ではない。複数の放熱フィン23が互いに平行に配置されていることは、製造プロセスを簡単にすることができ、且つ、空気が放熱フィン23の間の隙間から通過するときに放熱フィン23上の熱を奪うことができ、これにより放熱器30の冷却を実現している。本実施例において、放熱器30が支持フレーム50に伴って一緒に回転するため、放熱器30が空気に対して線速度を有するので、放熱ファンを配置する必要がなく、放熱器30は空気と効果的に熱を交換することもでき、簡単な構造及び良好な冷却効果を実現している。
【0035】
一実施例において、前記複数の放熱フィン23は、第1のプレート21と第2のプレート22との間に延びるように配置され、且つ各々は前記複数の放熱フィン23が中心軸線Oの回りに回転するときの円周軌跡の接線方向に対して角度をなす。図5に示すように、図5は放熱器30の平面図(第1のプレート21から第2のプレート22に向かって見た)であり、円周軌跡の接線方向は図5に示す空気吸気方向に近いように見えるが、放熱フィン23が延びる方向は空気吸気方向に対して傾斜するものであり、放熱フィン23は空気吸気方向と角度をなすので、空気が放熱器30に入った後、放熱フィン23の阻害を受けて、放熱フィン23の表面に沿って流れる。放熱フィン23と空気との間に一定の圧力が発生することで、放熱フィン23と空気との間の熱交換効果が増加した。そして、放熱フィン23が傾斜した後、長さが増加するため、空気との接触面積が増大する。図5に示す放熱フィン23は右へ傾斜するが、放熱フィン23は左へ傾斜してもよいことを知られるべきである。別の実施例において、放熱フィン23は互いに平行でなくてもよい。図5における放熱器30は回転過程では、放熱フィン23の傾斜配置によりサイクロンの効果が生じ、放熱効果が大幅に増加した。
【0036】
一実施例において、図6に示すように、図6は、放熱器30の平面図(第1のプレート21から第2のプレート22に向かって見た)を示している。図6に示す放熱器30において、複数の放熱フィン23は各々が第1のプレート21と第2のプレート22との間に吸気開口30-Iから排気開口30-Oに向かって蛇行して延びるように配置され、換言すれば、前記複数の放熱フィン23は各々がその中心軸線Oの回りに回転するときの円周軌跡に対して蛇行して延びるように配置される。図4における放熱フィン23の設置と異なり、放熱フィン23は空気の吸気方向に平行に設けられるものではないため、空気が放熱器30に入った後、放熱フィン23により伝播方向が変更されるので、空気と放熱フィン23との間に力の作用が発生し、空気が放熱フィン23の間のサブ通路内に乱流が形成され、空気と放熱フィン23との間の熱交換が強化され、放熱器30の放熱効果が改善される。理解されるように、放熱フィン23は、他の蛇行の形態を有してもよい。ここで、蛇行は放熱フィン23の非直線的な形状を表す。
【0037】
一実施例において、複数の放熱フィン23は吸気入口から排気出口まで蛇行して延びてもよく、複数の放熱フィン23は各々が第1のプレート21から第2のプレート22まで中心軸線Oに対する径方向に沿って蛇行して延びるように配置されてもよい。本実施例において、空気が放熱フィン23の間のサブ通路内に乱流又は乱気流が形成されることで、空気と放熱フィンとの間の熱転移の効果をさらに改善している。
【0038】
本開示の1つの局面は、上記の放熱構造を含む検査デバイスを提供している。本実施例において、発熱源40が放射線源であり、支持フレーム50上に配置されて放射線を発射する。支持フレーム50はその軸心を通過する検査通路を規定する。実際な応用において、図1に示すように、被検査物体が支持フレーム50により規定された検査通路を通過して、放射線源が放射線を発射する。被検査物体を透過した放射線を検出することにより、物体の構造及び成分情報を取得することができる。検査デバイスは検出器をさらに含む。
【0039】
検査デバイスが検査するときに、支持フレーム50を所定速度で回転させながら、放射線源から放射線を発射させるように制御することで、複数の角度から物体に向けて放射線を放射し、物体を透過した放射線信号を収集し、コンピュータにより物体の3次元画像を再構成することができる。検査デバイスはCT検査デバイスであってもよい。
【0040】
当業者は、添付の請求の範囲から逸脱することなく、他のコンポーネント、自動射出装置及びその特徴を想定することができる。特に、当業者に理解されるように、1つ又は複数の図面に含まれる1つ又は複数の特徴は、他の図面に示される自動射出装置に集積されてもよいことに注意すべきである。詳細な説明および特定の例示は、説明のみで提供されるものであり、該説明により、本開示の精神および範囲内の様々な変更および修正が当業者にとって明らかになるからであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0041】
11 ヒートパイプ入口
12 ヒートパイプ出口
13 ヒートパイプ部分
21 第1のプレート
22 第2のプレート
23 放熱フィン
30 放熱器
30-I 吸気開口
30-O 排気開口
31 ポンプ
32 水タンク
40 発熱源
50 支持フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6