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特許7433518ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ回路及び半導体メモリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ回路及び半導体メモリ
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20240209BHJP
   G11C 11/406 20060101ALI20240209BHJP
【FI】
G06F12/00 550B
G11C11/406 140
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023514723
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 CN2022072108
(87)【国際公開番号】W WO2023087533
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202111399125.2
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジーシン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-166832(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0186481(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0243338(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/406
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローハンマーリフレッシュ方法であって、
目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定することと、
前記ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にすることであって、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期に前記ローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示する、ことと、
前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を前記第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続することと、を含む、ローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項2】
前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了したことが検出される場合、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を無効状態にすることをさらに含む、
請求項1に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項3】
前記ローハンマーリフレッシュ命令は、前記目標ワードラインの第1隣接ワードラインと前記目標ワードラインの第2隣接ワードラインをリフレッシュすることを指示し、
前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
前記第1リフレッシュ周期において、前記第1隣接ワードラインと前記第2隣接ワードラインがすべてリフレッシュされたか否かを判断することと、
前記第1隣接ワードラインがリフレッシュされ、前記第2隣接ワードラインがリフレッシュされない場合、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないと決定すること、又は、
前記第1隣接ワードラインと前記第2隣接ワードラインがすべてリフレッシュされた場合、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了したと決定することをさらに含む、
請求項2に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項4】
前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
第1目標状態信号と第2目標状態信号を決定することであって、前記第1目標状態信号は前記第1隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、前記第2目標状態信号は前記第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられる、ことと、
前記第1隣接ワードラインをリフレッシュするとき、前記第1目標状態信号を有効状態にし、前記第2目標状態信号を無効状態にすることと、
前記第2隣接ワードラインをリフレッシュするとき、前記第1目標状態信号を無効状態にし、前記第2目標状態信号を有効状態にすることと、をさらに含む、
請求項3に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項5】
前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出された場合、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
ワードライン活性化命令を受信したかどうかを判断することと、
判断結果がYESである場合、前記第1目標状態信号と前記第2目標状態信号の両方を無効状態にすることと、をさらに含む、
請求項4に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項6】
前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効状態にある場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号とを決定することと、
前記第1目標状態信号と前記第2目標状態信号とに基づいて、前記目標ワードラインの隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことと、をさらに含む、
請求項5に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項7】
前記第1目標状態信号と前記第2目標状態信号とに基づいて、前記目標ワードラインの隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことは、
前記第1目標状態信号と前記第2目標状態信号がいずれも無効状態にある場合、前記第1隣接ワードラインと前記第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理をそれぞれ行うことと、
前記第1目標状態信号が有効状態にあり、前記第2目標状態信号が無効状態にある場合、前記第2隣接ワードラインに対して2回ワードラインリフレッシュ処理を行うことと、を含む、
請求項6に記載のローハンマーリフレッシュ方法。
【請求項8】
ローハンマーリフレッシュ回路であって、
検出回路を含み、前記検出回路は、
ローハンマーリフレッシュトリガ信号とリフレッシュ実行信号とを決定し、
前記ローハンマーリフレッシュトリガ信号が目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信したことを指示し、前記リフレッシュ実行信号が前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことを指示する場合、有効状態にある予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を出力するために用いられ、
ここで、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示し、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しない場合に、前記第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続される、ローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項9】
前記リフレッシュ実行信号は、初回リフレッシュ実行信号とリフレッシュパルス信号とを含み、これに対応して、前記検出回路は、第1クロック回路と、第1リフレッシュ状態決定回路と、制御信号出力回路とを含み、
前記第1リフレッシュ状態決定回路は、前記ローハンマーリフレッシュトリガ信号、第1クロック信号及び第1反転クロック信号に基づいて、第1リフレッシュ状態信号及び第2リフレッシュ状態信号を決定するために用いられ、
前記第1クロック回路は、前記第1リフレッシュ状態信号、前記初回リフレッシュ実行信号及び前記リフレッシュパルス信号に基づいて、前記第1クロック信号及び前記第1反転クロック信号を決定するために用いられ、
前記制御信号出力回路は、前記ローハンマーリフレッシュトリガ信号及び前記第2リフレッシュ状態信号に基づいて、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を決定するために用いられ、
ここで、前記ローハンマーリフレッシュ命令は、前記目標ワードラインの第1隣接ワードラインと前記目標ワードラインの第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことを指示し、前記初回リフレッシュ実行信号は、各リフレッシュ周期に初めて発生したワードラインリフレッシュ処理を指示するために用いられ、前記リフレッシュパルス信号は、各リフレッシュ周期に毎回発生したワードラインリフレッシュ処理を指示するために用いられる、
請求項8に記載のローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項10】
前記第1クロック回路は、第1二入力NANDゲートと、第2二入力NANDゲートと、第1NOTゲートとを含み、
前記第1二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ前記第1リフレッシュ状態信号及び前記初回リフレッシュ実行信号に接続され、
前記第2二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ前記第1二入力NANDゲートの出力端及び前記リフレッシュパルス信号に接続され、前記第2二入力NANDゲートの出力端は、前記第1反転クロック信号を出力するために用いられ、
前記第1NOTゲートの入力端は、前記第1反転クロック信号に接続され、前記第1NOTゲートの出力端は、前記第1クロック信号を出力するために用いられる、
請求項9に記載のローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項11】
前記第1リフレッシュ状態決定回路は、第1二入力NORゲートと、第3二入力NANDゲートと、第2NOTゲートと、第1フリップフロップと、第2フリップフロップとを含み、
前記第1二入力NORゲートの入力端は、それぞれ前記第1リフレッシュ状態信号及び前記第2リフレッシュ状態信号に接続され、前記第3二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ前記第1二入力NORゲートの出力端及び前記ローハンマーリフレッシュトリガ信号に接続され、前記第2NOTゲートの入力端は、前記第3二入力NANDゲートの出力端に接続され、
前記第1フリップフロップの入力端は、前記第2NOTゲートの出力端に接続され、前記第1フリップフロップのクロック端は、それぞれ前記第1クロック信号及び前記第1反転クロック信号に接続され、前記第フリップフロップの出力端は、前記第1リフレッシュ状態信号を出力するために用いられ、
前記第2フリップフロップの入力端は、前記第1リフレッシュ状態信号に接続され、前記第2フリップフロップのクロック端は、それぞれ前記第1クロック信号及び前記第1反転クロック信号に接続され、前記第2フリップフロップの出力端は、前記第2リフレッシュ状態信号を出力するために用いられ
前記制御信号出力回路は、第3NOTゲートと、第4二入力NANDゲートと、第4NOTゲートとを含み、
前記第3NOTゲートの入力端は、前記第2リフレッシュ状態信号に接続され、前記第4二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ前記第3NOTゲートの出力端及び前記ローハンマーリフレッシュトリガ信号に接続され、
前記第4NOTゲートの入力端は、前記第4二入力NANDゲートの出力端に接続され、前記第4NOTゲートの出力端は、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を出力するために用いられる、
請求項9に記載のローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項12】
前記ローハンマーリフレッシュ回路は、状態カウント回路をさらに含み、
前記状態カウント回路は、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号及びワードライン状態信号を受信し、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号及びワードライン状態信号に基づいて、第1目標状態信号及び第2目標状態信号を決定するために用いられ、
ここで、前記第1目標状態信号は、前記第1隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、前記第2目標状態信号は、前記第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられる、
請求項9に記載のローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項13】
前記ワードライン状態信号は、リフレッシュ状態有効信号とワードラインオンパルス信号とを含み、前記状態カウント回路は、第2クロック回路と、第2リフレッシュ状態決定回路と、リセット回路とを含み、
前記第2クロック回路は、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号、前記リフレッシュ状態有効信号及び前記ワードラインオンパルス信号に基づいて、第2クロック信号及び第2反転クロック信号を決定するために用いられ、
前記リセット回路は、前記リフレッシュ状態有効信号、前記ワードラインオンパルス信号及び前記第1目標状態信号に基づいて、リセット信号を決定するために用いられ、
前記第2リフレッシュ状態決定回路は、前記第2クロック信号、前記第2反転クロック信号及び前記リセット信号に基づいて、前記第1目標状態信号及び前記第2目標状態信号を決定するために用いられ、
ここで、前記リフレッシュ状態有効信号は、現在の時間メモリアレイが1つのリフレッシュ周期内にあるかどうかを指示し、前記ワードラインオンパルス信号は任意のワードラインのオンを指示する、
請求項12に記載のローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項14】
前記第2クロック回路、第1三入力NANDゲートと、第5NOTゲートとを含み、
前記第1三入力NANDゲートの入力端は、それぞれ前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号、前記リフレッシュ状態有効信号及び前記ワードラインオンパルス信号に接続され、前記第1三入力NANDゲートの出力端は、前記第2反転クロック信号を出力するために用いられ、
前記第5NOTゲートの入力端は、前記第1三入力NANDゲートの出力端に接続され、前記第5NOTゲートの出力端は、前記第2クロック信号を出力するために用いられ
前記第2リフレッシュ状態決定回路は、第3フリップフロップと、第4フリップフロップと、第6NOTゲートとを含み、
前記第3フリップフロップの入力端は、前記第6NOTゲートにより前記第3フリップフロップの出力端に接続され、前記第3フリップフロップの出力端は、前記第1目標状態信号を出力するために用いられ、前記第3フリップフロップのクロック端は、それぞれ前記第2クロック信号及び前記第2反転クロック信号に接続され、
前記第4フリップフロップの入力端は、前記第1目標状態信号に接続され、前記第4フリップフロップのクロック端は、それぞれ前記第2クロック信号及び前記第2反転クロック信号に接続され、前記第4フリップフロップの出力端は、前記第2目標状態信号を出力するために用いられ、
前記第3フリップフロップ及び前記第4フリップフロップのそれぞれのリセット端は、いずれも前記リセット信号に接続され、
前記リセット回路は、第7NOTゲートと、第2三入力NANDゲートとを含み、
前記第7NOTゲートの入力端は、前記リフレッシュ状態有効信号に接続され、前記第2三入力NANDゲートの入力端は、それぞれ前記第7NOTゲートの出力端、前記ワードラインオンパルス信号及び前記第1目標状態信号に接続される、前記第2三入力NANDゲートの出力端は、前記リセット信号を出力するために用いられる、
請求項13に記載のローハンマーリフレッシュ回路。
【請求項15】
請求項8~14のいずれか一項に記載のローハンマーリフレッシュ回路を備える、半導体メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本開示は、出願番号が202111399125.2であり、出願日が2021年11月19日であり、発明名称が「ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ回路及び半導体メモリ」である中国特許出願に基づいて提出され、該中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、集積回路技術分野に関し、特に、ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ回路及び半導体メモリに関する。
【背景技術】
【0003】
動的ランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)は、コンピュータで一般的に使用される半導体記憶装置であり、多くの重複したメモリセルから構成され、異なるメモリセルはワードラインとビットラインにより選択操作を行う必要がある。つまり、DRAMには大量のワードラインが存在し、これらのワードラインは隣接して配列されており、あるワードラインがローハンマー攻撃(Row Hammer)を受けると、該ワードラインに隣接するワードラインにエラーが発生する可能性がある。関連技術では、ローハンマー攻撃が検出された後、影響が受けられたワードラインに対してリフレッシュ処理を行う。しかしながら、該リフレッシュ処理は2つのリフレッシュ命令によって完了する必要があるため、帯域幅リソースを占有し、リフレッシュエラーを招きやすい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ回路及び半導体メモリを提供し、それは、ローハンマーリフレッシュプロセスによって占有される帯域幅リソースを減少させ、リフレッシュの正確性を高めることができる。
【0005】
第1態様では、本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ方法を提供し、該方法は、
目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定することと、
ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にすることであって、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示する、ことと、
第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続することと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、
ローハンマーリフレッシュ命令を完了したことが検出される場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を無効状態にすることをさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、ローハンマーリフレッシュ命令は、目標ワードラインの第1隣接ワードラインと目標ワードラインの第2隣接ワードラインをリフレッシュすることを指示し、
対応して、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、第1リフレッシュ周期において、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインがすべてリフレッシュされたか否かを判断することと、第1隣接ワードラインがリフレッシュされ、第2隣接ワードラインがリフレッシュされない場合、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないと決定すること、又は、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインがすべてリフレッシュされた場合、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了したと決定することをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、第1目標状態信号と第2目標状態信号を決定することであって、第1目標状態信号は第1隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、第2目標状態信号は第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられる、ことと、第1隣接ワードラインをリフレッシュするとき、第1目標状態信号を有効状態にし、第2目標状態信号を無効状態にすることと、第2隣接ワードラインをリフレッシュするとき、第1目標状態信号を無効状態にし、第2目標状態信号を有効状態にすることと、をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出された場合、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、ワードライン活性化命令を受信したかどうかを判断することと、判断結果がYESである場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号の両方を無効状態にすることと、をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記ローハンマーリフレッシュ方法は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効状態にあるかどうかを判断することと、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効状態にある場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号とを決定することと、第1目標状態信号と第2目標状態信号とに基づいて、目標ワードラインの隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことと、をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記第1目標状態信号と第2目標状態信号とに基づいて、目標ワードラインの隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことは、第1目標状態信号と第2目標状態信号がいずれも無効状態にある場合、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理をそれぞれ行うことと、第1目標状態信号が有効状態にあり、第2目標状態信号が無効状態にある場合、第2隣接ワードラインに対して2回ワードラインリフレッシュ処理を行うことと、を含む。
【0012】
第2態様では、本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ回路を提供し、該ローハンマーリフレッシュ回路は、
検出回路を含み、前記検出回路は、
ローハンマーリフレッシュトリガ信号とリフレッシュ実行信号とを決定し、
ローハンマーリフレッシュトリガ信号が目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信したことを指示し、リフレッシュ実行信号がローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことを指示する場合、有効状態にある予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を出力するために用いられ、
【0013】
ここで、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示し、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しない場合に、第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続される。
【0014】
いくつかの実施形態では、リフレッシュ実行信号は、初回リフレッシュ実行信号とリフレッシュパルス信号とを含み、
対応して、検出回路は、第1クロック回路と、第1リフレッシュ状態決定回路と、制御信号出力回路とを含み、
第1リフレッシュ状態決定回路は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号、第1クロック信号及び第1反転クロック信号に基づいて、第1リフレッシュ状態信号及び第2リフレッシュ状態信号を決定するために用いられ、第1クロック回路は、第1リフレッシュ状態信号、初回リフレッシュ実行信号及びリフレッシュパルス信号に基づいて、第1クロック信号及び第1反転クロック信号を決定するために用いられ、制御信号出力回路は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号及び第2リフレッシュ状態信号に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を決定するために用いられ、ここで、ローハンマーリフレッシュ命令は、目標ワードラインの第1隣接ワードラインと目標ワードラインの第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことを指示し、初回リフレッシュ実行信号は、各リフレッシュ周期に初めて発生したワードラインリフレッシュ処理を指示するために用いられ、リフレッシュパルス信号は、各リフレッシュ周期に毎回発生したワードラインリフレッシュ処理を指示するために用いられる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1クロック回路は、第1二入力NANDゲートと、第2二入力NANDゲートと、第1NOTゲートとを含み、第1二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ第1リフレッシュ状態信号及び初回リフレッシュ実行信号に接続され、第2二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ第1二入力NANDゲートの出力端及びリフレッシュパルス信号に接続され、第2二入力NANDゲートの出力端は、第1反転クロック信号を出力するために用いられ、第1NOTゲートの入力端は、第1反転クロック信号に接続され、第1NOTゲートの出力端は、第1クロック信号を出力するために用いられる。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1リフレッシュ状態決定回路は、第1二入力NORゲートと、第3二入力NANDゲートと、第2NOTゲートと、第1フリップフロップと、第2フリップフロップを含み、第1二入力NORゲートの入力端は、それぞれ第1リフレッシュ状態信号及び第2リフレッシュ状態信号に接続され、第3二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ第1二入力NORゲートの出力端及びローハンマーリフレッシュトリガ信号に接続され、第2NOTゲートの入力端は、それぞれ第3二入力NANDゲートの出力端に接続され、第1フリップフロップの入力端は、第2NOTゲートの出力端に接続され、第1フリップフロップのクロック端は、それぞれ第1クロック信号及び第1反転クロック信号に接続され、第1フリップフロップの出力端は、第1リフレッシュ状態信号を出力するために用いられ、第2フリップフロップの入力端は、第1リフレッシュ状態信号に接続され、第2フリップフロップのクロック端は、それぞれ第1クロック信号及び第1反転クロック信号に接続され、第2フリップフロップの出力端は、第2リフレッシュ状態信号を出力するために用いられる。
【0017】
いくつかの実施形態では、制御信号出力回路は、第3NOTゲートと、第4二入力NANDゲートと、第4NOTゲートとを含み、第3NOTゲートの入力端は、第2リフレッシュ状態信号に接続され、第4二入力NANDゲートの入力端は、それぞれ第3NOTゲートの出力端及びローハンマーリフレッシュトリガ信号に接続され、第4NOTゲートの入力端は、第4二入力NANDゲートの出力端に接続され、第4NOTゲートの出力端は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を出力するために用いられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ローハンマーリフレッシュ回路は、状態カウント回路をさらに含み、状態カウント回路は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号及びワードライン状態信号を受信し、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号及びワードライン状態信号に基づいて、第1目標状態信号及び第2目標状態信号を決定するために用いられ、ここで、第1目標状態信号は、第1隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、第2目標状態信号は、第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ワードライン状態信号は、リフレッシュ状態有効信号とワードラインオンパルス信号とを含み、状態カウント回路は、第2クロック回路と、第2リフレッシュ状態決定回路と、リセット回路とを含み、第2クロック回路は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号、リフレッシュ状態有効信号及びワードラインオンパルス信号に基づいて、第2クロック信号及び第2反転クロック信号を決定するために用いられ、リセット回路は、リフレッシュ状態有効信号、ワードラインオンパルス信号及び第1目標状態信号に基づいて、リセット信号を決定するために用いられ、第2リフレッシュ状態決定回路は、第2クロック信号、第2反転クロック信号及びリセット信号に基づいて、第1目標状態信号及び第2目標状態信号を決定するために用いられ、ここで、リフレッシュ状態有効信号は1つのリフレッシュ周期内にあるかどうかを指示し、ワードラインオンパルス信号は任意のワードラインのオンを指示する。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2クロック回路、第1三入力NANDゲートと、第5NOTゲートとを含み、第1三入力NANDゲートの入力端は、それぞれ予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号、リフレッシュ状態有効信号及びワードラインオンパルス信号に接続され、第1三入力NANDゲートの出力端は、第2反転クロック信号を出力するために用いられ、第5NOTゲートの入力端は、第1三入力NANDゲートの出力端に接続され、第5NOTゲートの出力端は、第2クロック信号を出力するために用いられる。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2リフレッシュ状態決定回路は、第3フリップフロップと、第4フリップフロップと、第6NOTゲートとを含み、第3フリップフロップの入力端は、第6NOTゲートにより第3フリップフロップの出力端に接続され、第3フリップフロップの出力端は、第1目標状態信号を出力するために用いられ、第3フリップフロップのクロック端は、それぞれ第2クロック信号及び第2反転クロック信号に接続され、第4フリップフロップの入力端は、第1目標状態信号に接続され、第4フリップフロップのクロック端は、それぞれ第2クロック信号及び第2反転クロック信号に接続され、第4フリップフロップの出力端は、第2目標状態信号を出力するために用いられ、第3フリップフロップ及び第4フリップフロップのそれぞれのリセット端は、いずれもリセット信号に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態では、リセット回路は、第7NOTゲートと、第2三入力NANDゲートとを含み、第7NOTゲートの入力端は、リフレッシュ状態有効信号に接続され、第2三入力NANDゲートの入力端は、それぞれ第7NOTゲートの出力端、ワードラインオンパルス信号及び第1目標状態信号に接続される、第2三入力NANDゲートの出力端は、リセット信号を出力するために用いられる。
【0023】
第3態様では、本開示の実施形態は、第2態様に記載のローハンマーリフレッシュ回路を備える、半導体メモリを提供する。
【0024】
本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ方法及び半導体メモリを提供し、該方法は、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定することと、前記ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にすることであって、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期に前記ローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示することと、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を前記第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続することと、を含む。このように、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】関連技術によるローハンマーリフレッシュのプロセス概略図である。
図1B】関連技術による別のローハンマーリフレッシュのプロセス概略図である。
図2】関連技術によるさらなるローハンマーリフレッシュのプロセス概略図である。
図3】本開示の実施形態によるローハンマーリフレッシュ方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施形態によるローハンマーリフレッシュ回路の構造的概略図である。
図5】本開示の実施形態による検出回路の構造的概略図である。
図6】本開示の実施形態による第1クロック回路の具体的な回路構造の概略図である。
図7】本開示の実施形態による第1リフレッシュ状態決定回路の具体的な回路構造の概略図である。
図8】本開示の実施形態による制御信号出力回路の具体的な回路構造の概略図である。
図9】本開示の実施形態による検出回路の信号タイミング概略図である。
図10】本開示の実施形態による別のローハンマーリフレッシュ回路の構造的概略図である。
図11】本開示の実施形態による状態カウント回路の構造的概略図である。
図12】本開示の実施形態による第2クロック回路の具体的な回路構造の概略図である。
図13】本開示の実施形態による第2リフレッシュ状態決定回路の具体的な回路構造の概略図である。
図14】本開示の実施形態によるリセット回路の具体的な回路構造の概略図である。
図15】本開示の実施形態による半導体メモリの構造的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本開示の実施形態における図面を参照しながら本開示の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明し、ここで説明される具体的な実施形態は、関連する出願を説明するためだけのものであり、該出願を限定するものではないことを理解することができる。また、説明を容易にするために、図面には関連する出願に関連する部分のみが示されることを説明すべきである。
【0027】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示の技術分野に属する当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本開示を限定することを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するためだけのものである。
【0028】
以下の説明に係る「いくつかの実施形態」は、全ての可能な実施形態のサブセットが説明されるが、「いくつかの実施形態」は全ての可能な実施形態の同じサブセット又は異なるサブセットであってよく、且つ衝突しない場合に互いに組み合わせることができることが理解され得る。
【0029】
指摘すべきこととして、本開示の実施形態に係る用語「第1/第2/第3」は、類似するオブジェクトを区別するためのものであり、オブジェクトに対する特定の順序を表すものではなく、「第1/第2/第3」は、本明細書で説明される本開示の実施形態が本明細書で図示又は説明される以外の順序で実施できるように、許可された場合に特定の順序又は前後順序を交換することができることが理解され得る。
【0030】
以下、本開示の実施形態に係る英語語彙及びその略語について説明する。
Row Hammer:ハンマー攻撃、又はローハンマーと呼ばれる
Dynamic Random Access Memory(DRAM):動的ランダムアクセスメモリ
Synchronous Dynamic Random Access Memory(SDRAM):同期動的ランダムアクセスメモリ
Memory Array:メモリアレイ
Word Line(WL):ワードライン
Bit Line(BL):ビットライン
RHR:予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号
RHRact1:第1目標状態信号
RHRact2:第2目標状態信号
RHRStart:ローハンマーリフレッシュトリガ信号
Refreshpulse1:初回リフレッシュ実行信号
RefPulseCounter:リフレッシュパルス信号
RHRCk:第1クロック信号
RHRCkN:第1反転クロック信号
RHRState1:第1リフレッシュ状態信号
RHRState2:第2リフレッシュ状態信号
Rfsh:リフレッシュ状態有効信号
RasEnpulse:ワードラインオンパルス信号
RHRCounter:第2クロック信号
RHRCounterN:第2反転クロック信号
ResetN:リセット信号
【0031】
動的ランダムアクセスメモリは、コンピュータにおいて一般的に使用される半導体記憶装置であり、多くの重複するメモリセルからMemory Arrayを構成し、異なるメモリセルはワードラインとビットラインにより選択操作を行う必要があることを理解すべきである。
【0032】
現在、メモリセルがますます密集し、ワードライン間の距離が小さくなるため、隣接するワードライン間のコンデンサカップリングが増大する。この場合、ワードライン(目標ローとも呼ばれる)を繰り返して活性化すると、2つの隣接するワードライン(被害者ローとも呼ばれる)が電磁妨害を受けることを引き起す可能性があり、それによって被害者ローのメモリセルに電荷紛失が発生し、最終的に、これらのメモリセルは、被害者ローの次のリフレッシュの前にデータを失う可能性がある。以上の情況は、Row Hammerと呼ばれる。
【0033】
つまり、1本のワードラインがRow Hammer攻撃を受ける場合、このワードラインに隣接する2本のワードラインが大きな妨害を受けることになる。したがって、ローハンマーの影響を除去するために、目標ローがローハンマーを受けることが検出された場合、目標ローの両側にある被害者ローをリフレッシュする必要があり、それは、ローハンマーリフレッシュ(Row Hammer Refresh)と呼ばれる。
【0034】
説明を便利にするために、この2本のWL(即ち、被害者ロー)のアドレスを対応してRa及びRbと呼び、この2つのアドレスに対するリフレッシュ操作をRHRa及びRHRbと呼ぶ。図1Aを参照すると、関連技術によるローハンマーリフレッシュのプロセス概略図が示される。図1Bを参照すると、関連技術による別のローハンマーリフレッシュのプロセス概略図が示される。図1A及び図1Bにおいて、ActCmdはワードライン活性化コマンドを指し、PreCmdはワードラインプリチャージコマンド(Pre)を指し、REFCmdAは第一のリフレッシュコマンドを指し、REFCmdBは第二のリフレッシュコマンドを指す。また、1つのリフレッシュコマンドを完了するのに必要な時間は、1つのリフレッシュ周期とも呼ばれる。
【0035】
1つの関連技術では、図1Aに示すように、隣接するワードラインのリフレッシュは2つのリフレッシュコマンドに関わる必要があり、これは帯域幅リソースを占有するだけでなく、いくつかのエラーを引き起こしやすい。別の関連技術では、図1Bに示すように、隣接するワードラインのリフレッシュは1つのリフレッシュコマンドにおいて完了するが、この方法はいくつかの偶発的な場合に、RHRのエラーを引き起こす可能性もある。
【0036】
1つのリフレッシュコマンドによりローハンマーリフレッシュプロセスを完了することを例として、発生する可能性のある偶発的なエラーについて説明する。図2を参照すると、関連技術によるさらなるローハンマーリフレッシュ方法のプロセス概略図が示される。図2に示すように、ローハンマーリフレッシュ命令を受信した後、RHR信号が有効状態になることで、リフレッシュコマンド(REFCmd1など)においてローハンマーリフレッシュを行うようにMemory Arrayを指示する。ここで、リフレッシュコマンドは2回のパルス、即ち1stPulseと2ndPulseに対応し、それによって、2回のパルスによりRHRaとRHRbをそれぞれ実行することで、1つのリフレッシュコマンドにおいてローハンマーリフレッシュを完了する。しかしながら、いくつかの不正な操作によってリフレッシュコマンドREFCmd1の2回目のパルス(2ndPulse)が欠落する場合、RHRaとRHRbが2つのRefreshコマンドにおいて別々に実行される情況が発生し、さらにRHRaとRHRbの間にワードライン活性化(Active)、ワードラインプリチャージ(Precharge)などの操作が発生することを引き起こす可能性があり、つまり、ローハンマーリフレッシュが完了していない場合に、ワードライン活性化又はワードラインプリチャージなどの操作が発生し、このような情況は避ける必要がある。
【0037】
これに基づいて、本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ方法を提供し、該方法は、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定することと、前記ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にすることであって、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期に前記ローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示することと、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を前記第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続することと、を含む。このように、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0038】
以下、図面を参照しながら本開示の各実施形態について詳細に説明する。
本開示の一実施形態では、図3を参照すると、本開示の実施形態によるローハンマーリフレッシュ方法のフローチャートが示される。図3に示すように、該方法は、以下のS101~S103を含むことができる。
【0039】
S101において、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定する。
【0040】
説明すべきこととして、本開示の実施形態が提供するローハンマーリフレッシュ方法は、DRAM、SDRAMなどの半導体記憶装置に適用され、Row Hammer攻撃を受けたワードラインをより良くリフレッシュすることができる。
【0041】
ここで、目標ワードラインはRow Hammer攻撃における目標ローを指し、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインはRow Hammer攻撃における被害者ローを指す。
【0042】
半導体記憶装置については、目標ワードラインに対するRow Hammer攻撃を検出した後、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を生成することで、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインをリフレッシュすることを指示し、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインにデータ紛失が発生する問題を回避する。
【0043】
ここで、Row Hammer攻撃を判定する方法は関連技術を参照することができ、本開示の実施形態では詳細に説明しない。
【0044】
S102において、ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にし、ここで、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示する。
【0045】
説明すべきこととして、半導体記憶装置には、ローハンマーリフレッシュ操作を行うようにメモリアレイ(Memory Array)を指示するための予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が設けられる。言い換えれば、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効であれば、Memory Arrayは指定されたワードラインに対してローハンマーリフレッシュを行う必要があり、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が無効であれば、Memory Arrayはローハンマーリフレッシュを行う必要がない。
【0046】
ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効にすることで、第1リフレッシュ周期にリフレッシュ命令を実行する。ここで、リフレッシュ周期は、リフレッシュ操作を実行するための時間周期と理解することができ、具体的に、リフレッシュコマンドを受信した後、次の操作命令を受信しない前の時間を指し、即ち、1つのリフレッシュ周期が1つのリフレッシュコマンドに対応する。第1リフレッシュ周期は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効状態になってから最も近いリフレッシュ周期を指すことができる。
【0047】
S103において、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続する。
【0048】
説明すべきこととして、正常の場合、第1リフレッシュ周期には第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインをリフレッシュし、ローハンマーリフレッシュ命令を完了することができる。しかし、偶発的なエラーが発生した場合、第1リフレッシュ周期にはローハンマーリフレッシュ命令を完了することができない可能性があり、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続し、それによって2つのリフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了する。
【0049】
半導体記憶装置では、リフレッシュ周期だけでなく、他の操作周期も存在するため、第1リフレッシュ周期と次のリフレッシュ周期は時間的に連続しているわけではないことを理解すべきである。
【0050】
いくつかの実施形態では、ローハンマーリフレッシュ命令を完了したことが検出される場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を無効状態にする。
【0051】
説明すべきこととして、第1リフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を完了すると、第1リフレッシュ周期が終了した後に予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を無効状態にし、このとき1つのリフレッシュコマンドによりローハンマーリフレッシュプロセスを完了する。逆に、第1リフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないと、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続され、それによって次のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュプロセスを続行し、このとき2つのリフレッシュコマンドによりローハンマーリフレッシュプロセスを完了する。
【0052】
つまり、1つの関連技術では、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は2つのリフレッシュ周期を固定して継続し、それによって2つのリフレッシュコマンド内に1つのローハンマーリフレッシュ命令を完成するが、このように占有する帯域幅は大きく、資源を浪費する。別の関連技術では、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は1つのリフレッシュ周期を固定して継続し、1つのリフレッシュコマンド内に1つのローハンマーリフレッシュ命令を完了するが、偶発的なエラーのためリフレッシュ失敗を引き起こす可能性がある。
【0053】
本開示の実施形態では、自動誤り訂正が可能なローハンマーリフレッシュ方法を提供し、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0054】
説明すべきこととして、ローハンマーリフレッシュ命令は、目標ワードラインの第1隣接ワードラインと目標ワードラインの第2隣接ワードラインをリフレッシュすることを指示する。
【0055】
対応して、いくつかの実施形態では、該方法は、さらに、
第1リフレッシュ周期において、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインがすべてリフレッシュされたか否かを判断することと、
第1隣接ワードラインがリフレッシュされ、第2隣接ワードラインがリフレッシュされていない場合、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないと決定すること、又は、
第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインがすべてリフレッシュされた場合、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了したと決定することを含むことができる。
【0056】
つまり、ローハンマーリフレッシュ命令は、目標ワードラインの両側の第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインをそれぞれリフレッシュすることを含む。したがって、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態により、第1リフレッシュ周期内に該ローハンマーリフレッシュ命令が完了するか否かを判断する。
【0057】
いくつかの実施形態では、それぞれ第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインの状態を記録するために用いられる第1目標状態信号と第2目標状態信号を設定する。該方法は、さらに、
第1目標状態信号と第2目標状態信号を決定することであって、第1目標状態信号は第1隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、第2目標状態信号は第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられることと、
第1隣接ワードラインをリフレッシュするとき、第1目標状態信号を有効状態にし、第2目標状態信号を無効状態にすることと、
第2隣接ワードラインをリフレッシュするとき、第1目標状態信号を無効状態にし、第2目標状態信号を有効状態にすることと、を含むことができる。
【0058】
説明すべきこととして、第1目標状態信号と第2目標状態信号の初期状態はいずれも無効であることを理解すべきである。ローハンマーリフレッシュ命令を受信した後、第1隣接ワードラインをリフレッシュし、このとき、第1目標状態信号は有効にジャンプし、第2目標状態信号は依然として無効であり、最後に、第2隣接ワードラインをリフレッシュし、第1目標状態信号は再び無効にジャンプし、第2目標状態信号は有効にジャンプし、ローハンマーリフレッシュ命令が完了する。
【0059】
また、ローハンマーリフレッシュ命令が完了した後、第1目標状態信号と第2目標状態信号は再び無効状態にリセットされ、その具体的なリセットプロセスは複数の原理の回路によって実現され得、本開示の実施形態は説明を省略する。
【0060】
上記の場合に加えて、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ操作との間にワードライン活性化操作が挿入される可能性がある。つまり、第1リフレッシュ周期に第1隣接ワードラインのリフレッシュのみを完了し、第1リフレッシュ周期が終了した後、ワードライン活性化命令を受信して活性化操作周期に入り、その後再び次のリフレッシュ周期に入り、次のリフレッシュ周期内に第2隣接ワードラインに対する操作を完了する。このような場合には処理エラーを招きやすく、本開示の実施形態では、このような場合に対して、後続の処理のために個別に記録する。例示的に、この場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号は共に無効にされる.
【0061】
したがって、いくつかの実施形態では、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出された場合、該方法は、さらに、
ワードライン活性化命令を受信したかどうかを判断することと、
判断結果がYESである場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号の両方を無効状態にすることと、を含むことができる。
【0062】
このように、あるリフレッシュ周期の開始時に、第1目標状態信号と第2目標状態信号が無効であれば、前のローハンマーリフレッシュ命令が正常に完了する可能性と、前のローハンマーリフレッシュ命令が完了しておらず、かつワードライン活性化命令を受信する可能性との2つの可能性がある。上記の2つの可能性に対して、後続で同様の処理を行うことができるため、細分化は行われないことを理解すべきである。あるリフレッシュ周期の開始時に、第1目標状態信号が有効で、第2目標状態信号が無効であれば、前のローハンマーリフレッシュ命令が完了しておらず、かつワードライン活性化命令を受信しない。
【0063】
このように、第1目標状態信号と第2目標状態信号により、後続で的確な処理を行うために、偶発的なエラー時にワードライン活性化命令が挿入されるか否かを区別することができる。
【0064】
説明すべきこととして、ワードライン活性化命令は、Memory Arrayのいずれかのワードラインに対する活性化命令であってもよく、目標ワードライン、第1隣接ワードライン、第2隣接ワードラインに限定されるものではない。
【0065】
いくつかの実施形態では、該方法は、さらに、
予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効状態にある場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号とを決定することと、
第1目標状態信号と第2目標状態信号とに基づいて、目標ワードラインの隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことと、を含むことができる。
【0066】
説明すべきこととして、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号が有効である場合、第1目標状態信号と第2目標状態信号に基づいてリフレッシュ処理を行う具体的なステップを決定する必要がある。
【0067】
具体的に、前記第1目標状態信号と第2目標状態信号とに基づいて、目標ワードラインの隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことは、
第1目標状態信号と第2目標状態信号がいずれも無効状態にある場合、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理をそれぞれ行うことと、
第1目標状態信号が有効状態にあり、第2目標状態信号が無効状態にある場合、第2隣接ワードラインに対して2回ワードラインリフレッシュ処理を行うことと、を含むことができる。
【0068】
説明すべきこととして、偶発的なエラーが発生した場合、次のリフレッシュ周期の開始時に、第1目標状態信号と第2目標状態信号がいずれも無効であれば、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ中にワードライン活性化操作が挿入されることを回避するために、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインをそれぞれリフレッシュする。第1目標状態信号が有効で第2目標状態信号が無効であれば、第2隣接ワードラインを2回リフレッシュする。
【0069】
言い換えれば、あるリフレッシュ周期に対して、少なくとも次の2つのケースがある。
【0070】
ケース1において、あるリフレッシュ周期の開始時に、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号は有効状態にあり、第1目標状態信号と第2目標状態信号はいずれも無効であり、この場合には2つの可能性がある。(1)の可能性では、現在のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を受信する。(2)の可能性では、前のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を受信したが、前のリフレッシュ周期に偶発的なエラーのためローハンマーリフレッシュ命令を完了できず、前のリフレッシュ周期と現在のリフレッシュ周期の間にワードライン活性化命令が発生する。以上の2つの可能性に対して、いずれも現在のリフレッシュ周期に第1隣接ワードラインのリフレッシュと第2隣接ワードラインのリフレッシュを実行する必要がある。
【0071】
ケース2において、あるリフレッシュ周期の開始時に、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号は有効状態にあり、第1目標状態信号は有効であり、第2目標状態信号は無効であり、現在のリフレッシュ周期の前のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を受信したことが説明されるが、偶発的なエラーのため前のリフレッシュ周期に第1隣接ワードラインに対するリフレッシュのみを実行し、前のリフレッシュ周期と現在のリフレッシュ周期の間にワードライン活性化命令を受信していない。このとき、第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を直接繰り返して、前のリフレッシュ周期における完了していないローハンマーリフレッシュ命令を完了することができる。
【0072】
ここで、ケース2について、2つのワードラインに対してそれぞれ1回のリフレッシュを行うことを選択しない理由は、あるワードラインに対して2回のリフレッシュを行うには1つのワードラインのみを開く(オンにする)必要があり、プロセスが簡単で、消費電力が低く、回路設計の複雑さが低下し、この部分については、後続のローハンマーリフレッシュ回路についての説明を参照することができる。
【0073】
もちろん、別の実施形態では、ケース2では、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインをそれぞれリフレッシュする方式を採用してもよい。
【0074】
また、本開示の実施形態では、有効状態と無効状態の定義は、実際の適用シーンに応じて選択することができる。例えば、ある信号の有効状態とは、該信号がハイレベル状態にあることを意味することができ、ある信号の無効状態とは、該信号がローレベル状態にあることを意味することができ、又は、ある信号の有効状態とは、該信号がローレベル状態にあることを意味することができ、ある信号の無効状態とは、該信号がハイレベル状態にあることを意味することができる。
【0075】
以上をまとめると、本開示の実施例は、自動誤り訂正の機能を有するローハンマーリフレッシュ方法を提供する。ローハンマーリフレッシュ方法は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号、第1目標状態信号及び第2目標状態信号によって完成する。このように、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了することができ、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの円滑な完了を保証することもできる。一方、第1目標状態信号と第2目標状態信号は、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、第1隣接ワードラインがリフレッシュされた後、且つ第2隣接ワードラインがリフレッシュされる前にワードライン活性化命令を受信したかどうかを記録するために用いられることで、後続で的確な処理を行い、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュの間にワードライン活性化命令が挿入されることを回避し、ローハンマーリフレッシュの正確性を高める。
【0076】
本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ方法を提供し、該方法は、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定することと、ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にすることであって、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示することと、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続することと、を含む。このように、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了することができ、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0077】
本開示の別の実施形態では、図4を参照すると、本開示の実施形態によるローハンマーリフレッシュ回路20の構造的概略図が示される。図4に示すように、ローハンマーリフレッシュ回路20は、検出回路21を含み、該検出回路21は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartとリフレッシュ実行信号とを決定し、
ローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartが目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信したことを指示し、リフレッシュ実行信号がローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことを指示する場合、有効状態にある予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRを出力するために用いられる。
【0078】
説明すべきこととして、本開示の実施形態が提供するローハンマーリフレッシュ回路20は、DRAM、SDRAMなどの半導体記憶装置に適用され、Row Hammer攻撃を受けたワードラインをより良くリフレッシュすることができる。
【0079】
本開示の実施形態では、ローハンマーリフレッシュ回路20は、検出回路21を含み、検出回路21の入力端は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartとリフレッシュ実行信号であり、その出力端は予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRである。ここで、ローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartの異なる状態は、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信したか否かを指示することができ、リフレッシュ実行信号の異なる状態は、ローハンマーリフレッシュ命令が完了したかどうかを指示することができる。
【0080】
ここで、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRの有効状態は、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示し、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRの有効状態は、第1リフレッシュ周期内にローハンマーリフレッシュ命令を完了しない場合に、第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続される。
【0081】
つまり、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信し、該ローハンマーリフレッシュ命令の実行が完了しない場合、検出回路21は、関連するローハンマーリフレッシュ処理を実行するようにメモリアレイを指示するために、有効状態にある予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRを出力し続ける。また、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信しない場合、又はローハンマーリフレッシュ命令が完了した場合、検出回路21は、無効状態にある予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRを出力し続ける。このように、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了することができ、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0082】
ここで、ローハンマーリフレッシュ命令は、目標ワードラインの第1隣接ワードラインと目標ワードラインの第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を行うことを指示する。即ち、1つのローハンマーリフレッシュ命令は、2回のワードラインリフレッシュ処理を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、リフレッシュ実行信号は、初回リフレッシュ実行信号Refreshpulse1とリフレッシュパルス信号RefPulseCounterを含む。初回リフレッシュ実行信号Refreshpulse1は、各リフレッシュ周期に初めて発生したワードラインリフレッシュ処理を指示するために用いられ、リフレッシュパルス信号RefPulseCounterは、各リフレッシュ周期に毎回発生したワードラインリフレッシュ処理を指示するために用いられる。
【0084】
対応して、図5を参照すると、本開示の実施形態による検出回路21の構造的概略図が示される。図5に示すように、検出回路21は、第1クロック回路211と、第1リフレッシュ状態決定回路212と、制御信号出力回路213と、を含む。
【0085】
第1リフレッシュ状態決定回路212は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStart、第1クロック信号RHRCk及び第1反転クロック信号RHRCkNに基づいて、第1リフレッシュ状態信号RHRState1及び第2リフレッシュ状態信号RHRState2を決定するために用いられる。
【0086】
第1クロック回路211は、第1リフレッシュ状態信号RHRState1、初回リフレッシュ実行信号Refreshpulse1及びリフレッシュパルス信号RefPulseCounterに基づいて、第1クロック信号RHRCk及び第1反転クロック信号RHRCkNを決定するために用いられる。
【0087】
制御信号出力回路213は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStart及び第2リフレッシュ状態信号RHRState2に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRを決定するために用いられる。
【0088】
説明すべきこととして、検出回路21は、少なくとも第1クロック回路211、第1リフレッシュ状態決定回路212及び制御信号出力回路213の3つの部分を含む。
【0089】
(1)第1クロック回路211は、主に第1クロック信号RHRCk及び第1反転クロック信号RHRCkNを出力するために用いられ、後続の第1リフレッシュ状態決定回路212に必要な信号サポートを提供する。
【0090】
例示的に、図6を参照すると、本開示の実施形態による第1クロック回路211の具体的な回路構造の概略図が示される。図6に示すように、第1クロック回路は、第1二入力NANDゲート2111と、第2二入力NANDゲート2112と、第1NOTゲート2113とを含む。
【0091】
第1二入力NANDゲート2111の入力端は、それぞれ第1リフレッシュ状態信号RHRState1及び初回リフレッシュ実行信号Refreshpulse1に接続される。第2二入力NANDゲート2112の入力端は、それぞれ第1二入力NANDゲート2111の出力端及びリフレッシュパルス信号RefPulseCounterに接続され、第2二入力NANDゲート2112の出力端は、第1反転クロック信号RHRCkNを出力するために用いられる。第1NOTゲート2113の入力端は、第1反転クロック信号RHRCkNに接続され、第1NOTゲート2113の出力端は、第1クロック信号RHRCkを出力するために用いられる。
【0092】
(2)第1リフレッシュ状態決定回路212は、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するように、主に第1リフレッシュ状態信号RHRState1及び第2リフレッシュ状態信号RHRState2を出力するために用いられ、後続の制御信号出力回路213に必要な信号サポートを提供する。
【0093】
例示的に、図7を参照すると、本開示の実施形態による第1リフレッシュ状態決定回路212の具体的な回路構造の概略図が示される。図7に示すように、第1リフレッシュ状態決定回路212は、第1二入力NORゲート2121と、第3二入力NANDゲート2122と、第2NOTゲート2123と、第1フリップフロップ2124と、第2フリップフロップ2125とを含む。
【0094】
第1二入力NORゲート2121の入力端は、それぞれ第1リフレッシュ状態信号RHRState1及び第2リフレッシュ状態信号RHRState2に接続され、第3二入力NANDゲート2122の入力端は、それぞれ第1二入力NORゲート2121の出力端及びローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartに接続され、第2NOTゲート2123の入力端は、それぞれ第3二入力NANDゲート2122の出力端に接続される。第1フリップフロップ2124の入力端は、第2NOTゲート2123の出力端に接続され、第1フリップフロップ2124のクロック端は、それぞれ第1クロック信号RHRCk及び第1反転クロック信号RHRCkNに接続され、第1フリップフロップ2124の出力端は、第1リフレッシュ状態信号RHRState1を出力するために用いられる。第2フリップフロップ2125の入力端は、第1リフレッシュ状態信号RHRState1に接続され、第2フリップフロップ2125のクロック端は、それぞれ第1クロック信号RHRCk及び第1反転クロック信号RHRCkNに接続され、第2フリップフロップ2125の出力端は、第2リフレッシュ状態信号RHRState2を出力するために用いられる。
【0095】
また、第1フリップフロップ2124及び第2フリップフロップ2125のそれぞれのリセット端は、第1リフレッシュ状態信号及び第2リフレッシュ状態信号のリセットのために、信号RSTに接続される。
【0096】
(3)制御信号出力回路213は、主に予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRに用いられる。
【0097】
例示的に、図8を参照すると、本開示の実施形態による制御信号出力回路213の具体的な回路構造の概略図が示される。図8に示すように、制御信号出力回路213は、第3NOTゲート2131と、第4二入力NANDゲート2132と、第4NOTゲート2133とを含む。
【0098】
第3NOTゲート2131の入力端は、第2リフレッシュ状態信号RHRState2に接続され、第4二入力NANDゲート2132の入力端は、それぞれ第3NOTゲート2131の出力端及びローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartに接続される。第4NOTゲート2133の入力端は、第4二入力NANDゲート2132の出力端に接続され、第4NOTゲート2133の出力端は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRを出力するために用いられる。
【0099】
以上から、第1リフレッシュ状態決定回路212、第1クロック回路211及び制御信号出力回路213により、リフレッシュ実行信号Refreshpulse1、リフレッシュパルス信号RefPulseCounter及びローハンマーリフレッシュトリガ信号RHRStartに基づいて、第1リフレッシュ状態信号RHRState1及び第2リフレッシュ状態信号RHRState2を決定し、最終的に予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRを出力することができる。
【0100】
1つの具体的な実施形態では、以上の回路に対して、初回リフレッシュ実行信号Refreshpulse1は、リフレッシュ周期内の1回目のパルス(該パルスはワードラインを開くために用いられる)の時に有効状態にあり、それ以外の時に無効状態にある。リフレッシュパルス信号RefPulseCounterは、リフレッシュ周期内の各パルスの時に1つの方形波が発生し、RHRStartはローハンマーリフレッシュ命令を受信した後に立ち上がりエッジが発生し、ローハンマーリフレッシュ命令が終了した後に立ち下がりエッジが発生し、他の信号の変化方式は具体的な回路素子により推定することができる。
【0101】
例示的に、以下、第1クロック回路211、第1リフレッシュ状態決定回路212及び制御信号出力回路213の信号処理論理を説明するために、具体的なシーンを提供する。
【0102】
シーンの説明:ローハンマーリフレッシュ命令に対して、第1リフレッシュ周期(即ちREFCmd1に対応するリフレッシュ周期)内に1回目のパルス(1stpulse)は正常に実行されるが、2回目のパルス(2ndpulse)は偶発的なエラーにより欠落するため、第1リフレッシュ周期にRHRaのみが実行され、次のリフレッシュ周期にRHRaとRHRbを再び実行する必要がある。
【0103】
信号処理論理:図9を参照すると、本開示の実施形態による検出回路21の信号タイミング概略図が示される。図9に示すように、
【0104】
まず、ローハンマーリフレッシュ命令を受信した後、RHRStartはハイレベル(即ち有効状態)に変化し、それに伴ってRHRはハイレベルに変化して、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインに対してリフレッシュ処理を行うことを指示する。
【0105】
次に、第1リフレッシュ周期の1stPulseのときに、第1隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理、即ちRHRaを行う。また、1stPulseの間、Refreshpulse1はハイレベルであり、RefPulseCounterは各Pulseのアドレスがラッチされた後に1つの方形波が発生し、それによって第1クロック回路が出力するRHRCkN(図示せず)とRHRCkは状態変化が発生し、RHRCkNとRHRCkが第1リフレッシュ状態回路により処理された後、RHRState1の状態は変化する。具体的に、RHRState1は、RHRaの過程でローレベルからハイレベルに変化して、第1隣接ワードラインに対するリフレッシュの完了を記録する。
【0106】
また、第1リフレッシュ周期の2ndPulseが欠落するため、RefPulseCounterは再び方形波が発生しないため、RHRState1とRHRState2はいずれも変化せず、RHRStartとRHRの有効状態は次のリフレッシュ周期(即ち、REFCmd2コマンドを受信した後、新しいコマンドを受信しない前)まで継続される。
【0107】
さらに、次のリフレッシュ周期の1stPulseと2ndPulseでそれぞれRHRaとRHRbを1回実行する。このとき、Refreshpulse1は1stPulse期間のみにハイレベル状態にあり、RefPulseCounterはPulseごとに1回方形波が発生し、それによってRHRCkN、RHRCkは、いずれもそれに伴って変化し、このとき、RHRState1は、RefPulseCounterの2回目の方形波の立ち下がりエッジでハイレベルからローレベルに変化し、逆にRHRState2は、RefPulseCounterの2回目の方形波の立ち下がりエッジでローレベルからハイレベルに変化することで、第2隣接ワードラインに対するリフレッシュの完了を指示する。
【0108】
最後に、RHRStartは依然としてハイレベルのままであり、RHRState2はローレベルからハイレベルに変化するため、RHR信号はハイレベルからローレベルに変化し、RHRStartは2ndPulseの立ち下がりエッジとともにハイレベルからローレベルに変化する。
【0109】
このように、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHRの有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0110】
ローハンマーリフレッシュ命令に対して、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ操作との間にワードライン活性化命令を避ける必要があることを理解すべきである。つまり、第1隣接ワードラインをリフレッシュした後、第2隣接ワードラインをリフレッシュする前にワードライン活性化命令を受信した場合、記録して後続で処理を行う必要がある。
【0111】
したがって、いくつかの実施形態では、図10を参照すると、本開示の実施形態による別のローハンマーリフレッシュ回路20の構造的概略図が示される。図10に示すように、ローハンマーリフレッシュ回路20は、状態カウント回路22をさらに含む。
【0112】
状態カウント回路22は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHR及びワードライン状態信号を受信し、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHR及びワードライン状態信号に基づいて、第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2を決定するために用いられる。
【0113】
説明すべきこととして、状態カウント回路22は、第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2を出力するために用いられ、それによって現在のローハンマーリフレッシュプロセスを記録する。具体的に、第1目標状態信号RHRAct1は、第1隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられ、第2目標状態信号RHRAct2は、第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するために用いられる。
【0114】
いくつかの実施形態では、ワードライン状態信号は、リフレッシュ状態有効信号Rfshとワードラインオンパルス信号RasEnpulseとを含み、リフレッシュ状態有効信号Rfshは1つのリフレッシュ周期内にあるかどうかを指示し、ワードラインオンパルス信号RasEnpulseは任意のワードラインのオンを指示する。
【0115】
つまり、現在の時間Memory Arrayが1つのリフレッシュ周期内にあれば、リフレッシュ状態有効信号Rfshは有効状態にあり、現在の時間メモリアレイが活性化、プリチャージ、スタンバイなどの他の操作周期内にあれば、リフレッシュ状態有効信号Rfshは無効状態にある。また、任意のワードラインのオン期間にワードラインオンパルス信号RasEnpulseは1つの方波が発生する。
【0116】
対応して、図11を参照すると、本開示の実施形態による状態カウント回路22の構造的概略図が示される。図11に示すように、状態カウント回路22は、第2クロック回路221と、第2リフレッシュ状態決定回路222と、リセット回路223とを含む。
【0117】
第2クロック回路221は、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHR、リフレッシュ状態有効信号Rfsh及びワードラインオンパルス信号RasEnpulseに基づいて、第2クロック信号RHRCounter及び第2反転クロック信号RHRCounterNを決定するために用いられる。
【0118】
リセット回路223は、リフレッシュ状態有効信号Rfsh、ワードラインオンパルス信号RasEnpulse及び第1目標状態信号RHRAct1に基づいて、リセット信号ResetNを決定するために用いられる。
【0119】
第2リフレッシュ状態決定回路222は、第2クロック信号RHRCounter、第2反転クロック信号RHRCounterN及びリセット信号ResetNに基づいて、第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2を決定するために用いられる。
【0120】
説明すべきこととして、状態カウント回路22は、少なくとも第2クロック回路221と、第2リフレッシュ状態決定回路222と、リセット回路223との3つの部分を含む。
【0121】
(1)第2クロック回路221は、主に第2クロック信号RHRCounter及び第2反転クロック信号RHRCounterNを出力するために用いられ、後続の第2リフレッシュ状態決定回路222に必要な信号サポートを提供する。
【0122】
例示的に、図12を参照すると、本開示の実施形態による第2クロック回路221の具体的な回路構造の概略図が示される。図12に示すように、第2クロック回路221は、第1三入力NANDゲート2211と、第5NOTゲート2212とを含む。
【0123】
第1三入力NANDゲート2211の入力端は、それぞれ予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号RHR、リフレッシュ状態有効信号Rfsh及びワードラインオンパルス信号RasEnpulseに接続され、第1三入力NANDゲート2211の出力端は、第2反転クロック信号RHRCounterNを出力するために用いられる。第5NOTゲート2212の入力端は、第1三入力NANDゲート2211の出力端に接続され、第5NOTゲート2212の出力端は、第2クロック信号RHRCounterを出力するために用いられる。
【0124】
(2)第2リフレッシュ状態決定回路222は、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を記録するように、主に第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2を出力するために用いられる。
【0125】
例示的に、図13を参照すると、本開示の実施形態による第2リフレッシュ状態決定回路222の具体的な回路構造の概略図が示される。図13に示すように、第2リフレッシュ状態決定回路222は、第3フリップフロップ2221と、第4フリップフロップ2222と、第6NOTゲート2223とを含む。
【0126】
第3フリップフロップ2221の入力端は、第6NOTゲート2223により第3フリップフロップ2221の出力端に接続され、第3フリップフロップ2221の出力端は、第1目標状態信号RHRAct1を出力するために用いられ、第3フリップフロップ2221のクロック端は、それぞれ第2クロック信号RHRCounter及び第2反転クロック信号RHRCounterNに接続される。第4フリップフロップ2222の入力端は、第1目標状態信号RHRAct1に接続され、第4フリップフロップ2222のクロック端は、それぞれ第2クロック信号RHRCounter及び第2反転クロック信号RHRCounterNに接続され、第4フリップフロップ2222の出力端は、第2目標状態信号RHRAct2を出力するために用いられる。第3フリップフロップ2221及び第4フリップフロップ2222のそれぞれのリセット端は、いずれもリセット信号ResetNに接続される。
【0127】
(3)リセット回路223は、主にリセット信号ResetNを出力するために用いられ、第2リフレッシュ状態決定回路222に必要な信号サポートを提供する。
【0128】
例示的に、図14を参照すると、本開示の実施形態によるリセット回路223の具体的な回路構造の概略図が示される。図14に示すように、リセット回路223は、第7NOTゲート2231と、第2三入力NANDゲート2232とを含む。
【0129】
第7NOTゲート2231の入力端は、リフレッシュ状態有効信号Rfshに接続され、第2三入力NANDゲート2232の入力端は、それぞれ第7NOTゲート2231の出力端、ワードラインオンパルス信号RasEnpulse及び第1目標状態信号RHRAct1に接続される、第2三入力NANDゲート2232の出力端は、リセット信号ResetNを出力するために用いられる。
【0130】
特に、本開示の実施形態では、リセット信号ResetNはローレベルで有効であり、即ちリセット信号ResetNがローレベルである場合、第3フリップフロップ2221と第4フリップフロップ2222はリセットされる。
【0131】
第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2の初期状態はいずれも無効状態であることを理解すべきである。第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2について、その変化論理は、以下のとおりである。
【0132】
正常の場合、ローハンマーリフレッシュ命令を完了するために、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインに対するリフレッシュを第1リフレッシュ周期内に順次完了する必要がある。このとき、第1ワードラインを開く場合、第1目標状態信号RHRAct1は有効に変化し、第2目標状態信号RHRAct2は依然として無効であり、第2ワードラインを開く場合、第1目標状態信号RHRAct1は無効に変化し、第2目標状態信号RHRAct2は有効に変化する。
【0133】
偶発的なエラーが発生した場合、第1リフレッシュ周期内に第1隣接ワードラインに対するリフレッシュのみを完了する。具体的に、第1ワードラインを開く場合、第1目標状態信号RHRAct1は有効状態に変化し、第2目標状態信号RHRAct2は依然として無効状態にある。次に、次の2つの可能性が存在する。(1)の可能性では、第1リフレッシュ周期と次のリフレッシュ周期との間にワードライン活性化命令が受信されなく、即ち第1リフレッシュ周期と次のリフレッシュ周期との間にワードラインオンが存在しなく、この場合、次のリフレッシュ周期の開始時に、第1目標状態信号RHRAct1は依然として有効のままであり、第2目標状態信号RHRAct2は無効のままである。(2)の可能性では、第1リフレッシュ周期と次のリフレッシュ周期との間にワードライン活性化命令が受信され、第1リフレッシュ周期と次のリフレッシュ周期との間にワードラインオンが存在し、この場合、リセット信号ResetNは有効となり、第1目標状態信号RHRAct1と第2目標状態信号RHRAct2はいずれも無効となる。
【0134】
また、ローハンマーリフレッシュ命令が完了した後、第1目標状態信号RHRAct1と第2目標状態信号RHRAct2はいずれも無効状態にリセットされ、その具体的なリセットプロセスは複数の原理の回路により実現され得、本開示の実施形態は説明を省略する。
【0135】
このように、第1目標状態信号RHRAct1と第2目標状態信号RHRAct2により、第1隣接ワードラインと第2隣接ワードラインのリフレッシュ状態を正確に記録することができ、後続で的確にリフレッシュ処理を行い、第1隣接ワードラインのリフレッシュと第2隣接ワードラインのリフレッシュの間にワードライン活性化命令が挿入されてエラーを引き起こす問題を回避することができる。
【0136】
前述のローハンマーリフレッシュ回路に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュRHR、第1目標状態信号RHRAct1及び第2目標状態信号RHRAct2を決定し、さらにこれらの信号に基づいて、具体的なローハンマーリフレッシュ処理プロセスを決定することができ、少なくとも以下の2つのケースを含む。
【0137】
ケース1において、あるリフレッシュ周期の開始時に、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号は有効状態にあり、第1目標状態信号は無効であり、第2目標状態信号は無効であり、この場合には、2つの可能性がある。(1)の可能性では、現在のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を受信する。(2)の可能性では、前のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を受信したが、前のリフレッシュ周期に偶発的なエラーのためローハンマーリフレッシュ命令を完了できず、前のリフレッシュ周期と現在のリフレッシュ周期の間にワードライン活性化命令が発生する。以上の2つの可能性に対して、いずれも現在のリフレッシュ周期に第1隣接ワードラインのリフレッシュと第2隣接ワードラインのリフレッシュを実行する必要がある。
【0138】
ケース2において、あるリフレッシュ周期の開始時に、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号は有効状態にあり、第1目標状態信号は有効であり、第2目標状態信号は無効であり、現在のリフレッシュ周期の前のリフレッシュ周期にローハンマーリフレッシュ命令を受信したことが説明されるが、偶発的なエラーのため前のリフレッシュ周期に第1隣接ワードラインに対するリフレッシュのみを実行し、前のリフレッシュ周期と現在のリフレッシュ周期の間にワードライン活性化命令を受信していない。このとき、第2隣接ワードラインに対してワードラインリフレッシュ処理を直接繰り返して、前のリフレッシュ周期における完了していないローハンマーリフレッシュ命令を完了することができる。
【0139】
つまり、本開示の実施形態が提供するローハンマーリフレッシュ回路に基づいて、1つのRefreshコマンド(1つのリフレッシュ周期に相当する)においてRow Hammerリフレッシュを完了する自動誤り訂正つきの方法を提供することができる。
【0140】
(1)において、第一のRefreshコマンドにおけるRHRbが欠落する場合、Row Hammer Refreshを表す信号RHRを次のRefreshコマンドまで継続する。
【0141】
(2)において、2回のRefreshコマンドの間にActiveコマンドが発生した場合、RHR状態カウンタ(第1フリップフロップと第2フリップフロップ)をリセットし、具体的に、第一のRefreshコマンドにおけるRHRbが欠落する場合、2回のRefreshコマンドの間にActiveコマンドが発生した場合、このときRHRAct1=1、Rfsh=0であり、同時にメモリアレイはActiveコマンドを実行するときにWL Pulseを開く必要があり、それによってRasEnPulseをトリガし、さらにResetNの状態を変更し、RHR状態カウンタをリセットする。
【0142】
(3)において、第2のRefreshコマンドにおいてRHRaとRHRbを完了する。
【0143】
また、第一のRefreshコマンドにおけるRHRbが欠落し、2回のRefreshコマンドの間にActiveコマンドが発生しない場合、第2のRefreshコマンドにおいてRHRbを2回実行する。
【0144】
また、図6~8、図11図13は対応する回路の1つの可能な構造だけであり、当業者は異なる回路の実際の応用シーンに基づいて対応する回路素子を追加し、削除し及び修正することができる。
【0145】
このように、検出回路により予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を提供することができ、状態カウント回路により第1目標状態信号と第2目標状態信号を提供することができ、それによって前述のローハンマーリフレッシュ方法を実現する。
【0146】
本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ回路を提供し、該ローハンマーリフレッシュ回路は、検出回路を含み、該検出回路は、ローハンマーリフレッシュトリガ信号とリフレッシュ実行信号とを決定し、前記ローハンマーリフレッシュトリガ信号が目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を受信したことを指示し、前記リフレッシュ実行信号が、前記ローハンマーリフレッシュ命令が完了しないことを指示する場合、有効状態にある予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を出力するように用いられる。ここで、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示し、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令が完了しない場合に、前記第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続される。このように、検出回路により予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を提供することができ、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了することができ、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0147】
本開示のさらなる実施形態では、図15を参照すると、本開示の実施形態による半導体メモリ30の構造的概略図が示される。図15に示すように、該半導体メモリ30は、少なくともローハンマーリフレッシュ回路20を備える。
【0148】
半導体メモリ30は、少なくともローハンマーリフレッシュ回路20を備えるため、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を出力することができ、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了することができ、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
【0149】
以上は、本開示の好適な実施形態だけであり、本開示の保護範囲を限定するためのものではない。
【0150】
本開示では、「含む」、「備える」という用語又はそのいかなる変形が非排他的な包含をカバーすることを図ることを説明すべきであり、それによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素だけでなく、明確にリストされない他の要素も含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有な要素も含む。更なる制限がない場合、語句「1つ…を含む」によって限定された要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0151】
上記の本開示の実施形態の番号は、説明のためだけであり、実施形態の優劣を表すものではない。
【0152】
本開示によって提供される幾つかの方法の実施形態で開示される方法は、衝突しない場合、任意に組み合わせられて新しい方法の実施形態を得ることができる。
【0153】
本開示によって提供される幾つかの製品の実施形態で開示される特徴は、衝突しない場合、任意に組み合わせられて新しい製品の実施形態を得ることができる。
【0154】
本開示によって提供される幾つかの方法又は機器の実施形態で開示される特徴は、衝突しない場合、任意に組み合わせられて新しい方法又は機器の実施形態を得ることができる。
【0155】
上記は、本開示の具体的な実施形態だけであるが、本開示の保護範囲は、これに限定されず、いかなる当業者が本開示で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化又は入れ替えは、全て本開示の保護範囲に含まれるべきである。従って、本開示の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に準拠すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本開示の実施形態は、ローハンマーリフレッシュ方法、ローハンマーリフレッシュ回路及び半導体メモリを提供し、該方法は、目標ワードラインに対するローハンマーリフレッシュ命令を決定することと、前記ローハンマーリフレッシュ命令に基づいて、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号を有効状態にすることであって、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、第1リフレッシュ周期に前記ローハンマーリフレッシュ命令を実行することを指示することと、前記第1リフレッシュ周期内に前記ローハンマーリフレッシュ命令を完了しないことが検出される場合、前記予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態を前記第1リフレッシュ周期の次のリフレッシュ周期まで継続することと、を含む。このように、正常の場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は、1つのリフレッシュ周期を継続するため、1つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、偶発的なエラーが発生した場合、予め設定されたローハンマーリフレッシュ信号の有効状態は次のリフレッシュ周期まで継続されるため、2つのリフレッシュ周期によってローハンマーリフレッシュ命令を完了し、帯域幅リソースを節約することができるだけでなく、ローハンマーリフレッシュの正確性を高めることもできる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15