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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-08
(45)【発行日】2024-02-19
(54)【発明の名称】管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240209BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023570044
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2022032434
【審査請求日】2023-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】田崎 宣明
(72)【発明者】
【氏名】吉村 玄太
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208863(JP,A)
【文献】国際公開第2022/071045(WO,A1)
【文献】特開2010-164245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間における設備機器に対する稼働履歴データを取得する取得部と、
前記取得部で取得した稼働履歴データに基づいて前記所定期間における設備機器の稼働パターンを分類する分類処理部とを備え、
前記分類処理部は、
前記稼働履歴データに基づいて日毎あるいは時刻毎の稼働情報を集計する集計部と、
前記稼働情報に基づいて前記所定期間における設備機器の稼働パターンを特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記算出された特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて稼働パターンを分類する判定部とを含み、
前記特徴量算出部は、前記稼働情報に基づいて時刻毎の稼働率を特徴量として算出し、
前記特徴量算出部は、
時刻毎の稼働率を正規化した第1データを生成し、
前記第1データを二値化した第2データを生成し、
前記第1データおよび第2のデータの平均絶対誤差を特徴量として算出し、
前記判定部は、前記算出された特徴量と前記所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、時刻に対する稼働パターンとして分類する、管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記特徴量である前記第1および第2データの平均絶対誤差が第1の所定値未満であると判断した場合には、ルーチン動作による稼働パターンとして分類する、請求項1記載の管理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記特徴量である前記第1および第2データの平均絶対誤差が第2の所定値以上であると判断した場合には、消し忘れ動作の稼働パターンとして分類する、請求項1記載の管理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記特徴量である前記第1および第2データの平均絶対誤差の最大値が第3の所定値以上であると判断した場合には、スケジュール運転の開始による稼働パターンとして分類する、請求項1記載の管理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記特徴量である前記第1および第2データの平均絶対誤差の最小値が第4の所定値未満であると判断した場合には、スケジュール運転の終了による稼働パターンとして分類する、請求項1記載の管理装置。
【請求項6】
ユーザ操作に従って前記所定の閾値を調整する閾値設定部をさらに備える、請求項1記載の管理装置。
【請求項7】
前記設備機器の稼働バターンの分類結果を表示する表示制御部をさらに備える、請求項1記載の管理装置。
【請求項8】
前記取得部で取得した稼働履歴データに基づいて前記所定期間を分割する期間分割部をさらに備え、
前記分類処理部は、前記取得部で取得した稼働履歴データに基づいて前記所定期間を分割した分割期間における設備機器の稼働パターンを分類する、請求項1記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビル等の施設の電力を管理する管理装置、管理システムおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや工場などの大規模な施設では、空調システムで用いる冷温水すなわち熱量を、熱源となる複数の設備機器を運転することにより一括生成して供給する熱源システムを用いている。
【0003】
このような複数の設備機器を運転制御する設備制御システムでは、省エネ意識の高まりに応じて、これら設備機器を効率よく運転するため、施設の負荷に応じてこれら設備機器を離散的に発停して単独運転または並列運転するものとなっている。
【0004】
これら設備機器の稼働パターンは、オペレータの経験や勘に基づいて意思決定される場合が多い。このため、どのような稼働パターンが実際に効率的か客観的に判断することが難しく、設備機器の運用を改善できる稼働パターンを容易に特定できなかった。
【0005】
この点で、例えば、実開平6-30838号公報においては、各設備機器の一定期間における運転パターンコードを出力する方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平6-30838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記公報は、運転パターンコードを出力しているに過ぎず、各設備機器の稼働パターンの特徴を分析したものではない。
【0008】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、設備機器の稼働パターンを容易に特定することが可能な管理装置、管理システムおよび管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施形態に従う管理装置は、所定期間における設備機器に対する稼働履歴データを取得する取得部と、取得部で取得した稼働履歴データに基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを分類する分類処理部とを備える。分類処理部は、稼働履歴データに基づいて日毎あるいは時刻毎の稼働情報を集計する集計部と、稼働情報に基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出部と、算出された特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて稼働パターンを分類する判定部とを含む。
【0010】
ある実施形態に従う管理システムは、所定期間における設備機器に対する稼働履歴データを取得する取得部と、取得部で取得した稼働履歴データに基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを分類する分類処理部とを備える。分類処理部は、稼働履歴データに基づいて日毎あるいは時刻毎の稼働情報を集計する集計部と、所定期間における設備機器の稼働パターンを特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出部と、算出された特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて稼働パターンを分類する判定部とを含む。
【0011】
ある実施形態に従う管理方法は、所定期間における設備機器に対する稼働履歴データを取得するステップと、取得した稼働履歴データに基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを分類するステップとを備える。稼働パターンを分類するステップは、稼働履歴データに基づいて日毎あるいは時刻毎の稼働情報を集計するステップと、集計された稼働情報に基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを特徴付ける特徴量を算出するステップと、算出された特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて稼働パターンを分類するステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
ある実施形態に従う管理装置、管理システムおよび管理方法は、設備機器の稼働パターンを容易に特定することが可能である。
【0013】
この開示の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解され、この開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ある実施形態に従う管理システム1の概念図を説明する図である。
図2】ある実施形態に従う管理装置100の機能ブロックについて説明する図である。
図3】ある実施形態に従う管理装置100の分類処理について説明するフロー図である。
図4】ある実施形態に従う設備機器の日ごとの稼働情報について説明する図である。
図5】ある実施形態に従う設備機器の時刻ごとの稼働情報について説明する図である。
図6】ある実施形態に従う特徴量算出部128の特徴量の算出について説明する図である。
図7】ある実施形態に従う表示制御部129の処理について説明する図である。
図8】ある実施形態の変形例1に従う管理装置100の機能ブロックについて説明する図である。
図9】ある実施形態の変形例1に従う設備機器の日ごとの稼働情報について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じであるためそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0016】
<A.システム構成>
図1は、ある実施形態に従う管理システム1の概念図を説明する図である。図1を参照して、管理システム1は、ビル等の施設の設備機器と、当該設備機器を管理する管理装置100とを備える。設備機器2の一例として、センサ、空調、照明、ファン等が挙げられている。なお、当該設備機器は、これに限られず施設に用いられる電力を消費する機器であればどのようなものでもよい。
【0017】
管理装置100は、CPU(Central Processing Unit)12と、記憶部20と、メインメモリ18と、入力部10と、表示部14と、ネットワーク通信部16とを含む。
【0018】
記憶部20は、情報を格納する装置であり、各種プログラムおよびデータ等を格納する。記憶部20は、設備機器に対する稼働履歴データ110を格納する。
【0019】
メインメモリ18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のワーキングメモリである。入力部10は、キーボード、マウスなどであり、ユーザが操作を行うために用いる。入力部10は、他のシステムからデータの入力を受け付けるインターフェース装置を含み得る。表示部14は、ディスプレイであり、液晶あるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。CPU12は、記憶部20に格納されているプログラムを実行することにより各種機能を実現する。他の局面において、各機能は、当該機能を実現するように構成された回路素子その他のハードウェアによって実現されてもよい。ネットワーク通信部16は、ネットワークを介して他の機器と通信可能に設けられている。
【0020】
図2は、ある実施形態に従う管理装置100の機能ブロックについて説明する図である。図2を参照して、CPU12は、取得部120と、分類処理部121と、表示制御部129とを含む。分類処理部121は、集計部122と、判定部126と、特徴量算出部128と、閾値設定部127とを含む。
【0021】
取得部120は、記憶部20に格納されている稼働履歴データ110を取得する。
分類処理部121は、取得部120で取得した稼働履歴データ110に基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを分類する。
【0022】
集計部122は、所定期間における設備機器の稼働履歴データ110に基づいて日毎あるいは時刻毎の稼働情報を集計する。
【0023】
集計部122は、日パターン集計部124と、時刻パターン集計部125とを含む。
日パターン集計部124は、所定期間における設備機器の稼働履歴データ110に基づいて日毎の稼働情報を集計する。
【0024】
時刻パターン集計部125は、所定期間における設備機器の稼働履歴データ110に基づいて時刻毎の稼働情報を集計する。
【0025】
特徴量算出部128は、稼働情報に基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを特徴付ける特徴量を算出する。
【0026】
判定部126は、算出された特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて稼働パターンを分類する。
【0027】
閾値設定部127は、ユーザの指示に従って判定部126で利用する閾値の値を設定する。
【0028】
表示制御部129は、設備機器の稼働バターンの分類結果を表示部14に表示する。
<B.処理フロー>
図3は、ある実施形態に従う管理装置100の分類処理について説明するフロー図である。
【0029】
図3を参照して、取得部120は、設備機器の所定期間の稼働履歴データを取得する(ステップS2)。設備機器は、複数の設備機器の中からユーザが指定するようにしてもよいし、複数の設備機器の中から1つずつ指定するようにしてもよい。所定期間について、ユーザが任意の期間を指定するようにしてもよいし、年単位あるいは月単位で期間を指定するようにしてもよい。本例においては1年の場合について説明する。
【0030】
次に、日パターン集計部124は、所定期間における設備機器の稼働履歴データに基づいて日毎の稼働情報を集計する(ステップS4)。
【0031】
次に、時刻パターン集計部125は、所定期間における設備機器の稼働履歴データに基づいて時刻毎の稼働情報を集計する(ステップS6)。
【0032】
次に、特徴量算出部128は、稼働情報に基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを特徴付ける特徴量を算出する(ステップS8)。
【0033】
次に、判定部126は、算出された特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて稼働パターンを分類する(ステップS10)。
【0034】
次に、表示制御部129は、設備機器の稼働バターンの分類結果を表示部14に表示する(ステップS12)。
【0035】
そして、処理を終了する。
上記処理を複数の設備機器についてそれぞれ実行することにより、複数の設備機器の稼働パターンの分類結果を一覧表示することが可能となる。
【0036】
<C.稼働情報>
図4は、ある実施形態に従う設備機器の日ごとの稼働情報について説明する図である。
【0037】
図4を参照して、稼働履歴データ110に基づいて日パターン集計部124により集計された3種類の稼働情報が示されている。一例として設備機器は空調機を例にして説明する。
【0038】
図4(A)は、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)の日ごとの稼働時間の割合を示すものである。ここで、所定期間中の稼働日数は250日であり、一週間当たり平均稼働日数は4.79日である。また、平均稼働時間割合は39.74%である場合が示されている。
【0039】
図4(B)は、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)の日ごとの電源オン、電源オフの回数の値を示すものである。1日当たりの平均電源オン回数は、1.144回である。また、1日当たりの平均電源オフ回数は、1.144回である。
【0040】
図4(C)は、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)の日ごとの設定温度の変更の回数の値を示すものである。1日当たりの平均の設定温度の変更回数は、1.388回である。
【0041】
図5は、ある実施形態に従う設備機器の時刻ごとの稼働情報について説明する図である。
【0042】
図5を参照して、稼働履歴データ110に基づいて時刻パターン集計部125により集計され平均化された稼働情報が示されている。一例として設備機器は空調機を例にして説明する。
【0043】
本例においては、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)の24時間の各時間における平均化された稼働率が示されている。
【0044】
<D.稼働パターンの具体例>
<d1.曜日の稼働パターン>
日パターン集計部124で集計した日ごとの稼働情報に基づいて設備機器の一週間の各曜日の稼働パターンとして分類する。
【0045】
本例においては、各曜日毎の設備機器の稼働日数の割合に基づいて各曜日毎に運転している稼働パターンとして分類する。
【0046】
具体的には、特徴量算出部128は、図4(A)で説明した稼働情報に基づいて所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における曜日毎の稼働日数の割合を設備機器の特徴量として算出する。
【0047】
判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関して対応する曜日に運転している稼働パターンとして分類する。
【0048】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(50%)とを比較して、所定の閾値以上であると判断した場合には設備機器に関して対応する曜日に運転している稼働パターンとして分類する。
【0049】
例えば、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における月曜日の平均稼働日数の割合を特徴量として算出して、所定の閾値(50%)と比較する。月曜日の平均稼働日数の割合が所定の閾値(50%)以上であると判断した場合には設備機器に関して月曜日に運転している稼働パターンとして分類する。他の各曜日についても同様の方式に従って分類することが可能である。
【0050】
<d2.終夜運転あるいは停止の稼働パターン>
日パターン集計部124で集計した日ごとの稼働情報に基づいて設備機器の終夜運転あるいは終夜停止の稼働パターンとして分類する。
【0051】
本例においては、設備機器に関して日ごとの平均稼働時間割合に基づいて終夜運転あるいは終夜停止している稼働パターンとして分類する。
【0052】
具体的には、特徴量算出部128は、図4(A)で説明した稼働情報に基づいて所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における日毎の平均稼働時間の割合を設備機器の特徴量として算出する。
【0053】
判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(99%)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関して終夜運転している稼働パターンとして分類する。
【0054】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(99%)とを比較して、所定の閾値以上であると判断した場合には設備機器に関して終夜運転している稼働パターンとして分類する。
【0055】
判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(1%)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関して終夜停止している稼働パターンとして分類する。
【0056】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(1%)とを比較して、所定の閾値未満であると判断した場合には設備機器に関して終夜停止している稼働パターンとして分類する。
【0057】
例えば、ある設備機器に関して、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における日ごとの平均稼働時間割合(39.74%)を特徴量として算出して、所定の閾値(99%あるいは1%)と比較する。この場合、設備機器に関して終夜運転あるいは終夜停止の稼働パターンではないとして分類する。他の設備機器に関しても同様に分類することが可能である。
【0058】
<d3.操作回数に関する稼働パターン>
日パターン集計部124で集計した日ごとの稼働情報に基づいて設備機器の操作回数に関する稼働パターンとして分類する。
【0059】
本例においては、設備機器に関して日ごとの操作回数(電源オン/電源オフ回数)に基づいて操作回数に関する稼働パターンとして分類する。
【0060】
具体的には、特徴量算出部128は、図4(B)で説明した稼働情報に基づいて所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における日ごとの平均電源オン/電源オフ回数を設備機器の特徴量として算出する。
【0061】
判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(3回)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関して操作回数に関する稼働パターンとして分類する。
【0062】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(3回)とを比較して、所定の閾値以上であると判断した場合には設備機器に関して電源オン/オフ回数の多い稼働パターンとして分類する。
【0063】
例えば、ある設備機器に関して、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における日ごとの平均電源オン回数(1.144回/日)を特徴量として算出して、所定の閾値(3回)と比較する。この場合、設備機器に関して電源オン/オフ回数の多い稼働パターンではないとして分類する。他の設備機器に関しても同様に分類することが可能である。
【0064】
なお、本例においては、電源オン回数および電源オフ回数についてそれぞれ集計する場合について説明したが、いずれか一方であっても良い。
【0065】
<d4.設定温度の操作回数に関する稼働パターン>
日パターン集計部124で集計した日ごとの稼働情報に基づいて設備機器の設定温度の操作回数に関する稼働パターンとして分類する。
【0066】
本例においては、設備機器に関して日ごとの設定温度の操作回数(設定温度変更回数)に基づいて設定温度の操作回数に関する稼働パターンとして分類する。
【0067】
具体的には、特徴量算出部128は、図4(C)で説明した稼働情報に基づいて所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における日ごとの平均設定温度変更回数を設備機器の特徴量として算出する。
【0068】
判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(3回)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関して設定温度の操作回数に関する稼働パターンとして分類する。
【0069】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(3回)とを比較して、所定の閾値以上であると判断した場合には設備機器に関して設定温度の操作回数の多い稼働パターンとして分類する。
【0070】
例えば、ある設備機器に関して、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における日ごとの平均設定温度変更回数(1.388回/日)を特徴量として算出して、所定の閾値(3回)と比較する。この場合、設備機器に関して設定温度の操作回数の多い稼働パターンではないとして分類する。他の設備機器に関しても同様に分類することが可能である。
【0071】
<d5.ルーチン動作に関する稼働パターン>
時刻パターン集計部125で集計した時刻ごとの平均化した稼働情報に基づいて設備機器のルーチン動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0072】
本例においては、設備機器に関して時刻ごとの平均化した稼働率に基づいてルーチン動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0073】
具体的には、特徴量算出部128は、図5で説明した稼働情報に基づいて所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における平均絶対誤差を設備機器の特徴量として算出する。
【0074】
図6は、ある実施形態に従う特徴量算出部128の特徴量の算出について説明する図である。
【0075】
図6(A)には、図5で説明した稼働情報が示されている。
特徴量算出部128は、稼働情報に基づいて図6(B)の実線で示されるように時刻ごとの稼働率を最大値で割って正規化(0~1の範囲)した正規化データを生成する。
【0076】
また、特徴量算出部128は、生成した正規化データに基づいて図6(B)の点線で示されるように二値化した二値化データを生成する。具体的には、特徴量算出部128は、生成した正規化データの値が0.5以上であれば「1」とし、正規化データが0.5未満であれば「0」にする二値化データを生成する。
【0077】
判定部126は、正規化データと二値化データとの平均絶対誤差を特徴量として算出し、比較結果に基づいてルーチン動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0078】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(30)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関してルーチン動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0079】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(30)とを比較して、所定の閾値以下であると判断した場合には設備機器に関してルーチン動作に関する稼働パターンとして分類する。他の設備機器に関しても同様に分類することが可能である。
【0080】
<d6.消し忘れ動作に関する稼働パターン>
時刻パターン集計部125で集計した時刻ごとの平均化した稼働情報に基づいて設備機器の消し忘れ動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0081】
本例においては、設備機器に関して時刻ごとの平均化した稼働率に基づいて消し忘れ動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0082】
具体的には、特徴量算出部128は、図5で説明した稼働情報に基づいて所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における平均絶対誤差を設備機器の特徴量として算出する。
【0083】
判定部126は、図6(B)で示される二値化データが1から0に変化してから正規化データが最小値をとるまでの時間帯における正規化データと二値化データとの平均絶対誤差を特徴量として算出し、比較結果に基づいて消し忘れ動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0084】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(10)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関して消し忘れ動作に関する稼働パターンとして分類する。
【0085】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量と所定の閾値(10)とを比較して、所定の閾値以上であると判断した場合には設備機器に関して消し忘れ動作に関する稼働パターンとして分類する。他の設備機器に関しても同様に分類することが可能である。
【0086】
<d7.スケジュール運転に関する稼働パターン>
時刻パターン集計部125で集計した時刻ごとの平均化した稼働情報に基づいて設備機器のスケジュール運転に関する稼働パターンとして分類する。
【0087】
本例においては、設備機器に関して時刻ごとの平均化した稼働率に基づいてスケジュール運転に関する稼働パターンとして分類する。
【0088】
具体的には、特徴量算出部128は、図6(B)で説明した所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における稼働情報の正規化データの差分を設備機器の特徴量として算出する。
【0089】
より具体的には、特徴量算出部128は、図6(C)に示されるように、稼働情報の正規化データと10分前の正規化データとの差分を設備機器の特徴量として算出する。
【0090】
判定部126は、図6(C)で示される差分データである算出した特徴量と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関してスケジュール運転に関する稼働パターンとして分類する。
【0091】
判定部126は、算出した特徴量の最大値と所定の閾値(0.5)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関してスケジュール運転の開始による稼働パターンとして分類する。
【0092】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量の最大値と所定の閾値(0.5)とを比較して、所定の閾値以上であると判断した場合には設備機器に関してスケジュール運転の開始による稼働パターンとして分類する。
【0093】
判定部126は、算出した特徴量の最小値と所定の閾値(-0.5)とを比較し、比較結果に基づいて、設備機器に関してスケジュール運転の終了による稼働パターンとして分類する。
【0094】
具体的には、判定部126は、算出した特徴量の最小値と所定の閾値(-0.5)とを比較して、所定の閾値未満であると判断した場合には設備機器に関してスケジュール運転の終了による稼働パターンとして分類する。
【0095】
例えば、ある設備機器に関して、所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における正規化データの差分の最大値(0.9038)および最小値(-0.8846)を特徴量として算出して、所定の閾値(0.5あるいは-0.5)と比較する。この場合、設備機器に関してスケジュール運転の開始およびスケジュール運転の終了の稼働パターンであるとして分類する。他の設備機器に関しても同様に分類することが可能である。
【0096】
<E.分類結果>
図7は、ある実施形態に従う表示制御部129の処理について説明する図である。
【0097】
図7を参照して、表示部14に表示された分類結果画面が示されている。表示制御部129は、分類処理部121で分類された設備機器の稼働パターンの分類結果を表示する。
【0098】
分類結果画面には、一例として所定期間(2018年1月1日~2018年12月31日)における各設備機器毎の稼働状況が示されている。一例として複数の設備機器にそれぞれ対応して設備番号0~24が割り当てられている。
【0099】
各設備機器の稼働パターンに関する情報が示されている。
具体的には、「終夜運転」、「終夜停止」、「設定温度操作回数多い」、「電源オン/オフ回数多い」、「月」、「火」、「水」、「木」、「金」、「土」、「日」、「ルーチン動作」、「スケジュール運転開始」、「スケジュール運転終了」、「消し忘れ動作」の稼働パターンに関する情報(True/False)が示されている。
【0100】
各設備機器の稼働パターンに関する情報(True/False)の一覧表示により各設備機器の稼働パターンを容易に特定することが可能である。ビル等の管理業務に活用することが可能である。
【0101】
(変形例1)
上記においては、所定期間は、ユーザが指定して当該指定された期間における各設備機器の稼働パターンを分類する方式について説明した。
【0102】
一方で、期間毎に稼働パターンは特徴が異なるため特徴のある期間毎に分割して稼働パターンを分類するようにしても良い。
【0103】
図8は、ある実施形態の変形例1に従う管理装置100の機能ブロックについて説明する図である。図8を参照して、本例においては、CPU12をCPU12#に変更した点が異なる。CPU12#は、CPU12と比較して、分類処理部121を分類処理部121#に置換した点が異なる。分類処理部121#は、分類処理部121と比較して、期間分割部123をさらに追加した点が異なる。その他の構成については図2と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0104】
期間分割部123は、取得部120で取得した稼働履歴データに基づいて所定期間を分割する。
【0105】
図9は、ある実施形態の変形例1に従う設備機器の日ごとの稼働情報について説明する図である。
【0106】
図9を参照して、図9(A)~(C)は、図4(A)~(C)で説明したのと同様である。図9(D)は、稼働履歴データ110に基づいて日パターン集計部124により集計された日ごとの運転モードの割合を示すものである。ここで、ハッチングの種類により暖房、冷房等の運転モードの割合が示されている。
【0107】
期間分割部123は、一例として、取得部120で取得した稼働履歴データの運転モードの比率に基づいて所定期間を分割する。
【0108】
一例として、期間分割部123は、所定期間を運転モードの比率に基づいて暖房期と、冷房期と、中間期とに分割する。
【0109】
分類処理部121#は、分割した各分割期間における分割期間における設備機器の稼働パターンを分類する。
【0110】
他の処理については上記で説明したのと同様である。
当該処理により実際の状況に合わせた稼働パターンの分類が可能となり、ビル等の管理業務に活用することが可能である。
【0111】
なお、本例においては、運転モードの比率を用いて所定期間を分割する場合について説明したが、これに限られず、他の方式により所定期間を分割するようにしてもよい。
【0112】
例えば、設定温度の範囲によって所定期間を分割するようにしてもよいし、あるいは、稼働率の高い期間と低い期間とに所定期間を分割するようにしてもよい。
【0113】
あるいは、稼働パターンの変化を検出して、当該変化に基づいて所定期間を分割するようにしてもよい。
【0114】
(変形例2)
上記においては、閾値設定部127は、ユーザの指示に従って判定部126で利用する閾値の値を設定する場合について説明した。例えば、閾値を調整することが可能なスライダーを設けて当該スライダーを直接ユーザが操作することにより閾値の値を設定するようにしてもよい。
【0115】
また、閾値設定部127は、閾値の値を自動で調整するようにしてもよい。
例えば、図7で説明した分類結果画面の情報(True/False)をユーザは指示操作により変更可能に設けられている。当該情報を変更することにより、当該変更に合わせた分類結果となるように閾値設定部127は、閾値の値を自動で調整するようにしてもよい。
【0116】
(変形例3)
上記の図7においては、設備機器に関する稼働パターンの分類結果を表示する場合について説明したが、それに限られず、他の設備機器に関連する情報を合わせて表示するようにしてもよい。
【0117】
例えば、設備機器に関連する情報として、設備機器の消費電力量、スペック、設置日、部屋面積等の情報を関連付けて表示させるようにしてもよい。
【0118】
当該処理により、設備に関する様々な情報を一覧でユーザが容易に確認することが可能である。
【0119】
(変形例4)
上記の図7の表示に限られず、フィルタ機能あるいはソート機能を設けるようにしてもよい。
【0120】
具体的には、フィルタ機能として特徴有無などの条件で設備機器の絞り込みを可能としてもよい。あるいは、ソート機能として、消費電力量や指標などの降順または昇順で設備機器を並び替えを可能にしてもよい。
【0121】
フィルタ機能あるいはソート機能を設けることにより、大量の設備機器のリストの絞り込みあるいは並び替えを容易にすることが可能である。これにより簡易にユーザが注目したい設備機器の情報を参照することが可能である。
【0122】
(変形例5)
上記の図7の表示に限られず、設備機器の稼働パターンの分類判定の根拠となったデータを表示するようにしてもよい。
【0123】
具体的には、分類判定の根拠として、図4図6等で説明したデータを表示するようにしてもよい。あるいは、設備機器全体に対する閾値の分布,選択した設備機器の閾値等を表示するようにしてもよい。当該表示により、稼働パターンの分類の判断の根拠を示しその妥当性をユーザが容易に確認することが可能である。
【0124】
<F.その他>
上記の実施形態は、記憶部20に予め稼働履歴データが格納された構成を説明したが、当該構成に限られず、例えば、サーバが当該稼働履歴データを格納していてもよい。
【0125】
なお、上記の各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)など)、光磁気ディスク、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。また、記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0126】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムや、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のミドルウェア等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。さらに、各実施形態における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記の各実施形態における処理が実行される場合も本開示における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。なお、各実施形態におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記の各実施形態における各処理を実行するものであって、パーソナルコンピュータ等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0127】
今回開示された実施形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0128】
1 管理システム、2 設備機器、10 入力部、14 表示部、16 ネットワーク通信部、18 メインメモリ、20 記憶部、100 管理装置、110 稼働履歴データ、120 取得部、121 分類処理部、122 集計部、123 期間分割部、124 日パターン集計部、125 時刻パターン集計部、126 判定部、127 閾値設定部、128 特徴量算出部、129 表示制御部。
【要約】
管理装置は、所定期間における設備機器に対する稼働履歴データを取得する取得部と、取得部で取得した稼働履歴データに基づいて所定期間における設備機器の稼働パターンを分類する分類処理部とを備える。分類処理部は、所定期間を単位期間毎に分割した時点の第1期間の第1稼働パターンおよび残りの第2期間の第2稼働パターンをそれぞれ算出する稼働パターン算出部と、所定期間における各単位期間毎に分割した際の第1稼働パターンと、第2稼働パターンとを用いて稼働パターンの変化度合を算出する変化算出部と、所定期間に対して変化度合が所定条件を満たす時点を分割時点として算出する分割点算出部と、所定期間を算出した分割時点で分割する分割処理部とを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9