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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】内燃機関用ピストン及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F02F 3/00 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
F02F3/00 G
F02F3/00 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019226475
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2020204316
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2019111201
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】増原 真也
(72)【発明者】
【氏名】和泉 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正樹
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-173100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 3/00- 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を用いた鋳造によって内燃機関用ピストンを製造する内燃機関用ピストンの製造方法であって、前記内燃機関用ピストンが、吸気バルブリセスを形成したピストン頂部を有し、前記吸気バルブリセスが、その底を少なくとも形成する吸気底壁と、前記ピストン頂部の外周縁寄りに位置する前記吸気底壁の外方部からテーパをもって立ち上がり、かつ前記ピストン頂部上で前記ピストン頂部の外周縁に向かって突出する円弧形状を形成するように延びる吸気外方側壁とを有する、内燃機関用ピストンの製造方法において、
前記吸気外方側壁の延在方向の中間部に対応する前記金型の領域にショットピーニング処理を施す粗面化処理工程と、
前記金型を用いた鋳造によって前記ピストン頂部を形作る鋳造工程と
を含む内燃機関用ピストンの製造方法。
【請求項2】
前記ピストン頂部には、排気バルブリセスがさらに形成され、前記排気バルブリセスが、その底を少なくとも形成する排気底壁と、前記ピストン頂部の外周縁寄りに位置する前記排気底壁の外方部からテーパをもって立ち上がり、かつ前記ピストン頂部上で前記ピストン頂部の外周縁に向かって突出する円弧形状を形成するように延びる排気外方側壁とを有し、
前記粗面化処理工程にて、前記排気外方側壁の延在方向の中間部に対応する前記金型の領域にショットピーニング処理を施す請求項1に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
【請求項3】
前記粗面化処理工程のショットピーニング処理が、前記吸気及び排気外方側壁の中間部の全体に対応する前記金型の領域に施される、請求項2に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
【請求項4】
前記ピストン頂部が、複数の前記吸気バルブリセスと、複数の前記排気バルブリセスとを有し、
前記ピストン頂部が、前記複数の吸気バルブリセスのうち隣り合う吸気バルブリセスの吸気外方側壁を連結する吸気連結壁と、前記複数の排気バルブリセスのうち隣り合う排気バルブリセスの排気外方側壁を連結する排気連結壁とを有し、
前記粗面化処理工程にて、前記吸気及び排気連結壁に対応する前記金型の領域にショットピーニング処理を施す請求項2又は3に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
【請求項5】
前記粗面化処理工程のショットピーニング処理が、それを施される前記金型の領域の表面粗さをRzjis20μm~50μmとするようになっている、請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
【請求項6】
金型を用いた金属合金の鋳造によって形作られる内燃機関用ピストンであって、
吸気バルブリセスを形成したピストン頂部を備え、
前記吸気バルブリセスが、その底を少なくとも形成する吸気底壁と、前記ピストン頂部の外周縁寄りに位置する前記吸気底壁の外方部からテーパをもって立ち上がり、かつ前記ピストン頂部上で前記ピストン頂部の外周縁に向かって突出する円弧形状を形成するように延びる吸気外方側壁とを有する、内燃機関用ピストンにおいて、
前記吸気外方側壁の延在方向の中間部における前記金属合金の表面の表面粗さが、Ra4μm以下となっている、内燃機関用ピストン。
【請求項7】
前記金属合金はアルミニウム合金である、請求項6に記載の内燃機関用ピストン。
【請求項8】
前記ピストン頂部には、排気バルブリセスがさらに形成され、
前記排気バルブリセスが、その底を少なくとも形成する排気底壁と、前記ピストン頂部の外周縁寄りに位置する前記排気底壁の外方部からテーパをもって立ち上がり、かつ前記ピストン頂部上で前記ピストン頂部の外周縁に向かって突出する円弧形状を形成するように延びる排気外方側壁とを有し、
前記排気外方側壁の延在方向の中間部における前記金属合金の表面の表面粗さが、Ra4μm以下となっている、請求項6または7に記載の内燃機関用ピストン。
【請求項9】
前記吸気及び排気外方側壁の中間部の全体における前記金属合金の表面の表面粗さが、Ra4μm以下となっている、請求項6~8のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストン。
【請求項10】
前記ピストン頂部が、複数の前記吸気バルブリセスと、複数の前記排気バルブリセスとを有し、
前記ピストン頂部が、前記複数の吸気バルブリセスのうち隣り合う吸気バルブリセスの吸気外方側壁を連結する吸気連結壁と、前記複数の排気バルブリセスのうち隣り合う排気バルブリセスの排気外方側壁を連結する排気連結壁とを有し、
前記吸気及び排気連結壁における前記金属合金の表面の表面粗さが、Ra4μm以下となっている、請求項6~のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を用いた鋳造によって内燃機関用ピストンを製造する方法、すなわち、内燃機関用ピストンの製造方法に関する。本発明はまた、金型を用いた鋳造によって形作られる内燃機関用ピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン等の内燃機関に用いられるピストンは鋳造によって形作られる。具体的には、ピストンは、アルミニウム、アルミニウム合金等のような金属の溶湯を金型に充填し、その後、これを冷却固化することによって形作られる。
【0003】
鋳造時において、金型の表面は、充填される溶湯に接触し、溶湯の冷却固化後に形作られたピストンの鋳肌面に接触する。そのため、金型の表面を保護すること、溶湯の充填中における溶湯の凝固を防ぎ、かつ溶湯の流動性(湯廻り性)を確保するための保温性を確保すること、形作られたピストンを金型から確実に離型させること等を目的として、金型の表面には塗型剤が塗布されている。そして、金型の表面には、この塗型剤から成る層(以下、「塗型層」という)が形成されている。(例えば、特許文献1の段落[0029]を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-178848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記金型を用いて連続して鋳造を繰り返した場合、塗型層が局所的に剥がれることがある。この場合、金型が局所的に窪み、この窪みに対応するようにピストンが隆起する。このようなピストンの隆起は、ピストン及びシリンダによって画定される内燃機関の燃焼室の容積にバラツキを生じさせることとなる。
【0006】
このような実情を鑑みると、内燃機関用ピストンの製造方法においては、鋳造を繰り返した場合であってもピストンの形状バラツキを抑制することが望まれる。また、内燃機関用ピストンにおいては、形状バラツキを抑制することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、一態様に係る内燃機関用ピストンの製造方法は、金型を用いた鋳造によって内燃機関用ピストンを製造する内燃機関用ピストンの製造方法であって、前記内燃機関用ピストンが、吸気バルブリセスを形成したピストン頂部を有し、前記吸気バルブリセスが、その底を少なくとも形成する吸気底壁と、前記ピストン頂部の外周縁寄りに位置する前記吸気底壁の外方部からテーパをもって立ち上がり、かつ前記ピストン頂部上で前記ピストン頂部の外周縁に向かって突出する円弧形状を形成するように延びる吸気外方側壁とを有する、内燃機関用ピストンの製造方法において、前記吸気外方側壁の延在方向の中間部に対応する前記金型の領域にショットピーニング処理を施す粗面化処理工程と、前記金型を用いた鋳造によって前記ピストン頂部を形作る鋳造工程とを含む。
【0008】
上記課題を解決するために、一態様に係る内燃機関用ピストンは、金型を用いた金属合金の鋳造によって形作られる内燃機関用ピストンであって、吸気バルブリセスを形成したピストン頂部を備え、前記吸気バルブリセスが、その底を少なくとも形成する吸気底壁と、前記ピストン頂部の外周縁寄りに位置する前記吸気底壁の外方部からテーパをもって立ち上がり、かつ前記ピストン頂部上で前記ピストン頂部の外周縁に向かって突出する円弧形状を形成するように延びる吸気外方側壁とを有する、内燃機関用ピストンにおいて、前記吸気外方側壁の延在方向の中間部における前記金属合金の表面の表面粗さが、Ra4μm以下となっている。
【発明の効果】
【0009】
一態様に係る内燃機関用ピストンの製造方法においては、鋳造を繰り返した場合であってもピストンの形状バラツキを抑制できる。また、一態様に係る内燃機関用ピストンにおいては、ピストンの形状バラツキを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係るピストンにおけるピストン頂部を概略的に示す平面図である。
図2図2は、一実施形態に係るピストン及びそのピストン頂部に対応する金型を、図1のA-A線に沿って切断した状態で概略的に示す断面図である。
図3図3は、図1のB部拡大図である。
図4図4は、図1のC部拡大図である。
図5図5は、一実施形態に係るピストン頂部に対応する金型を概略的に示す底面図である。
図6図6は、図2のD部拡大図である。
図7図7は、図2のE部拡大図である。
図8図8は、一実施形態に係るピストンの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、実施例及び比較例におけるピストンの測定部位1~4の表面粗さを示すグラフである。
図10図10(a)は、実施例において、ピストン頂部の燃焼室容積のバラツキ率と、金型を用いてピストンを鋳造したショット数との関係を示すグラフである。図10(b)は、比較例において、ピストン頂部の燃焼室容積のバラツキ率と、金型を用いてピストンを鋳造したショット数との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施形態に係るピストン及びその製造方法について以下に説明する。本実施形態に係るピストンは、金型を用いた鋳造によって形作られる。すなわち、ピストンは鋳造品である。また、本実施形態に係るピストンは、自動車のエンジンに用いられるものとなっている。しかしながら、ピストンは、自動車のエンジン以外の内燃機関に用いられるものであってもよい。例えば、ピストンは、自動二輪車のエンジン、船外機のエンジン、雪上車のエンジン、小型芝刈り機等に搭載される汎用エンジン等に用いられるものであってもよい。そして、本実施形態に係る製造方法は、金型を用いた鋳造によって、このようなピストンを製造するものである。
【0012】
「ピストンの概略について」
最初に、図1図4を参照して、本実施形態に係るピストン1の概略について説明する。図1図3に示すように、ピストン1は、その頂上側の端に位置するピストン頂部2を有する。ピストン頂部2には吸気バルブリセス3が形成されている。吸気バルブリセス3は、吸気バルブ(図示せず)を避けるようにピストン頂部2から凹んでいる。
【0013】
図1及び図3においては、一例として、ピストン頂部2に、2つの吸気バルブ(図示せず)にそれぞれ対応する2つの吸気バルブリセス3が形成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ピストン頂部に、1つの吸気バルブに対応する1つの吸気バルブリセスが形成されてもよく、又はピストン頂部に、3つ以上の吸気バルブにそれぞれ対応する3つ以上の吸気バルブリセスが形成されてもよい。
【0014】
図3に示すように、各吸気バルブリセス3は、その底を少なくとも形成する吸気底壁31を有する。各吸気バルブリセス3は、ピストン頂部2の外周縁2a寄りに位置するこの吸気バルブリセス3の吸気底壁31の外方部31aからテーパをもって立ち上がる吸気外方側壁32を有する。図1及び図3に示すように、吸気外方側壁32は、ピストン頂部2上でピストン頂部2の外周縁2aに向かって突出する円弧形状を形成するように延びる。
【0015】
さらに、本実施形態に係るピストン1の概略は次のようになっているとよい。図1図4に示すように、ピストン頂部2には排気バルブリセス4が形成されている。排気バルブリセス4は、排気バルブ(図示せず)を避けるようにピストン頂部2から凹んでいる。
【0016】
図1及び図4においては、一例として、ピストン頂部2に、2つの排気バルブ(図示せず)にそれぞれ対応する2つの排気バルブリセス4が形成されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ピストン頂部に、1つの排気バルブに対応する1つの排気バルブリセスが形成されてもよく、又はピストン頂部に、3つ以上の排気バルブにそれぞれ対応する3つ以上の排気バルブリセスが形成されてもよい。
【0017】
図4に示すように、各排気バルブリセス4は、その底を少なくとも形成する排気底壁41を有する。各排気バルブリセス4は、ピストン頂部2の外周縁2a寄りに位置するこの排気バルブリセス4の排気底壁41の外方部41aからテーパをもって立ち上がる排気外方側壁42を有する。図1及び図4に示すように、排気外方側壁42は、ピストン頂部2上でピストン頂部2の外周縁2aに向かって突出する円弧形状を形成するように延びる。
【0018】
図1図3及び図4に示すように、ピストン頂部2が複数の吸気バルブリセス3と、複数の排気バルブリセス4とを有すると場合において、かかるピストン頂部2は、複数の吸気バルブリセス3のうち隣り合う吸気バルブリセス3の吸気外方側壁32を連結する吸気連結壁5を有する。ピストン頂部2はまた、複数の排気バルブリセス4のうち隣り合う排気バルブリセス4の排気外方側壁42を連結する排気連結壁6を有する。
【0019】
「ピストンの詳細について」
図1図4を参照して、本実施形態に係るピストン1の詳細について説明する。すなわち、ピストン1は詳細には次のようになっているとよい。ピストン1の素材は、アルミニウム合金であるとよい。しかしながら、ピストンの素材はこれに限定されない。例えば、ピストンの素材は、鉄、アルミニウム、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等とすることもできる。
【0020】
図1及び図2に示すように、ピストン1の外周面は、ピストン軸線1aを略中心とすると共にピストン軸線1aを囲むように略円筒形状に形成される。ピストン1の頂上は、ピストン軸線1aに沿ったピストン軸線方向の一方側(矢印P1により示す)に位置する。ピストン1の底は、ピストン軸線1aに沿ったピストン軸線方向の他方側(矢印P2により示す)に位置する。図2に示すように、ピストン頂部2は、ピストン軸線1aに対して略直交すると共にピストン1の頂上に位置するピストン仮想頂面1bに沿って配置される。特に図示はしないが、ピストン1は、エンジンの気筒内でピストン軸線1aに沿って往復移動する。
【0021】
図1に示すように、ピストン頂部2の外周縁2aは略円形状に形成される。吸気及び排気バルブリセス3,4は、互いに対してピストン頂部2の1つの径方向(以下、「リセス対向方向」という)にて対向するように配置される。複数の吸気バルブリセス3は、リセス対向方向にて複数の排気バルブリセス4とそれぞれ対向するように配置されるとよい。
【0022】
吸気バルブリセス3は、ピストン頂部2の境界線2bに対してリセス対向方向の一方側(矢印Q1により示す)に位置する。排気バルブリセス4は、ピストン頂部2の境界線2bに対してリセス対向方向の他方側(矢印Q2により示す)に位置する。なお、境界線2bは、リセス対向方向に略直交すると共にピストン頂部2の略中心を通る直線として定義する。
【0023】
図2に示すように、吸気底壁31は、リセス対向方向にて境界線2bから離れるほどピストン1の底寄りとなるように傾斜する。かかる吸気底壁31は、吸気バルブリセス3の底と、この底に対して境界線2b側でピストン頂部2に連結される壁とを形成する。吸気外方側壁32は、吸気底壁31の外方部31aからピストン頂部2の外周縁2a側に離れるほどピストン1の頂上寄りとなるように傾斜する。ピストン仮想頂面1b対する吸気外方側壁32の傾斜は、ピストン仮想頂面1bに対する吸気底壁31の傾斜よりも大きくなっている。
【0024】
排気底壁41は、リセス対向方向にて境界線2bから離れるほどピストン1の底寄りとなるように傾斜する。排気底壁41は、排気バルブリセス4の底と、この底に対して境界線2b側でピストン頂部2に連結される壁とを形成する。排気外方側壁42は、排気底壁41の外方部41aからピストン頂部2の外周縁2a側に離れるほどピストン1の頂上寄りとなるように傾斜する。
【0025】
ピストン仮想頂面1b対する排気外方側壁42の傾斜は、ピストン仮想頂面1bに対する排気底壁41の傾斜よりも大きくなっている。ピストン仮想頂面1b対する排気外方側壁42の傾斜はまた、ピストン仮想頂面1b対する吸気外方側壁32の傾斜よりも小さくすることができる。しかしながら、ピストン仮想頂面対する排気外方側壁の傾斜はまた、ピストン仮想頂面対する吸気外方側壁の傾斜と略等しくするか、又はピストン仮想頂面対する吸気外方側壁の傾斜よりも大きくすることもできる。
【0026】
図1及び図3に示すように、吸気連結壁5は、ピストン頂部2上で、隣り合う吸気外方側壁32の延在方向の端間にて略直線状に延びる。吸気連結壁5は、リセス対向方向にて境界線2bから離れるほどピストン1の頂上寄りとなるように傾斜する。特に明確に図示はしないが、ピストン仮想頂面1b対する吸気連結壁5の傾斜は、ピストン仮想頂面1b対する吸気外方側壁32の傾斜よりも小さくなっている。
【0027】
図1及び図4に示すように、排気連結壁6は、ピストン頂部2上で、隣り合う排気外方側壁42の延在方向の端間にて略直線状に延びる。排気連結壁6は、リセス対向方向にて境界線2bから離れるほどピストン1の頂上寄りとなるように傾斜する。特に明確に図示はしないが、ピストン仮想頂面1b対する排気連結壁6の傾斜は、ピストン仮想頂面1b対する排気外方側壁42の傾斜よりも小さくなっている。
【0028】
「金型について」
図2及び図5図8を参照して、本実施形態に係るピストン1の製造にて用いられる金型101について説明する。金型101の素材は、SKD61相当材となっている。しかしながら、金型の素材はこれに限定されない。例えば、金型の素材は、調質鋼とすることができる。金型の素材は、SC材、SCМ材、SUS系等とすることもできる。
【0029】
図2及び図5図7を参照すると、金型101は、ピストン頂部2に対応するピストン頂部領域102を有する。ピストン頂部領域102は、吸気バルブリセス3に対応する吸気バルブリセス領域103を有する。吸気バルブリセス領域103は、吸気底壁31に対応する吸気底壁領域131を有する。吸気バルブリセス領域103はまた、吸気外方側壁32に対応する吸気外方側壁領域132を有する。
【0030】
金型101は、排気バルブリセス4に対応する排気バルブリセス領域104を有する。排気バルブリセス領域104は、排気底壁41に対応する排気底壁領域141を有する。排気バルブリセス領域104はまた、排気外方側壁42に対応する排気外方側壁領域142を有する。
【0031】
金型101は、吸気連結壁5に対応する吸気連結壁領域105を有する。金型101は、排気連結壁6に対応する排気連結壁領域106を有する。
【0032】
このような金型101のピストン頂部領域102には、部分的又は全体的にショットピーニング処理が施される。そのため、金型101は、このようなショットピーニング処理を施した処理領域を有する。処理領域の表面粗さは、約Rzjis20μm~50μmであるとよい。しかしながら、処理領域の表面粗さは、これに限定されない。そして、処理領域に対応するピストン1、特に、ピストン頂部2の処理表面は、このような処理領域の表面粗さに応じた表面粗さを有するように形成されることとなる。かかるピストン1、特に、ピストン頂部2の処理表面の表面粗さは約Ra4μm以下であるとよい。特に、表面粗さを約Ra4μm以下とする処理表面は、表面粗さを約Rzjis20μm~50μmとする処理領域を転写することによってもたらされるとよい。しかしながら、処理表面の表面粗さは、これに限定されない。
【0033】
図6及び図7を参照すると、処理領域は、吸気外方側壁32の延在方向の中間部32aに対応する吸気外方側壁領域132の延在方向の中間区域132aとすることができる。この場合、吸気外方側壁32の中間部32aは、吸気外方側壁領域132の中間区域132aを転写した処理表面を有することとなる。
【0034】
処理領域は、吸気及び排気外方側壁32,42の延在方向の中間部32a,42aにそれぞれ対応する吸気及び排気外方側壁領域132,142の延在方向の中間区域132a,142aとすることができる。この場合、吸気及び排気外方側壁32,42の中間部32a,42aが、吸気及び排気外方側壁領域132,142の中間区域132a,142aを転写した処理表面を有することとなる。
【0035】
処理領域は、吸気及び排気外方側壁領域132,142の全体とすることができる。この場合、吸気及び排気外方側壁32,42の全体が、吸気及び排気外方側壁領域132,142の全体を転写した処理表面を有することとなる。
【0036】
処理領域は、吸気及び排気外方側壁領域132,142の全体、並びに吸気及び排気連結壁領域105,106とすることができる。この場合、吸気及び排気外方側壁32,42の全体、並び吸気及び排気連結壁5,6が、吸気及び排気外方側壁領域132,142の全体、並びに吸気及び排気連結壁領域105,106を転写した処理表面を有することとなる。
【0037】
処理領域は、吸気及び排気バルブリセス領域103,104、並びに吸気及び排気連結壁領域105,106とすることができる。この場合、吸気及び排気バルブリセス3,4、並びに吸気及び排気連結壁5,6が、吸気及び排気バルブリセス領域103,104、並びに吸気及び排気連結壁領域105,106を転写した処理表面を有することとなる。
【0038】
処理領域は、ピストン頂部領域102とすることができる。この場合、ピストン頂部2が、ピストン頂部領域102を転写した処理表面を有することとなる。
【0039】
「ピストンの製造方法について」
図8を参照して、本実施形態に係るピストン1の製造方法について説明する。すなわち、上記金型101を用いたピストン1の製造方法は次のとおりである。上記金型101の処理領域にショットピーニング処理を施す(粗面化処理工程S1)。金型101を用いたアルミニウム合金の鋳造によってピストン頂部2を形作る(鋳造工程S2)。
【0040】
鋳造工程S2は、具体的には次のとおりである。金型101にアルミニウム合金の溶湯を流し込む。溶湯を、ピストン頂部領域102の全体に流し込むように金型101に充填する。ピストン頂部2の形状が定まるように溶湯が冷却固化されるまで、溶湯を充填した金型101を一定時間置く。その後、形作られたピストン1を金型101から取り出す。
【0041】
さらに、粗面化処理工程S1の後かつ鋳造工程S2の前に、金型101の処理領域に対して、摩耗を抑制するための表面処理を施してもよい(表面処理工程)。例えば、表面処理は、溶融塩による炭化処理、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、DLC(Diamond-Like Carbon)コーティング等とすることができる。かかる表面処理によって、アルミニウム合金等のようにピストン1の素材に基づく物質が、離型し難い金型101の部分に移着することを抑制できる。その結果、金型101の研掃、再処理等の頻度を低減できる。
【0042】
以上、本実施形態に係るピストン1の製造方法においては、金型101のピストン頂部領域102に、部分的又は全体的にショットピーニング処理が施され、金型101が、ショットピーニング処理を施した処理領域を有する。また、本実施形態に係るピストン1においては、ピストン頂部2の表面が、ショットピーニング処理を部分的又は全体的に施したピストン頂部領域102を転写した処理表面となっている。そのため、金型101を用いて連続して鋳造を繰り返した場合であっても、金型101の処理領域において、従来のように金型の塗型層が剥がれることがない。そのため、金型101の変形を防ぐことができて、その結果、製造されるピストン1の形状バラツキを抑制できる。
【0043】
ここで、本発明者は、従来のように金型の表面に塗型剤が塗布される場合における塗型層の剥離原理について、次のような新たな知見に辿り着いている。一般的に、ピストン頂部には凹部分が形成され、金型の表面には、ピストン頂部の凹部分に対応する凸部分が形成される。特に、ピストン頂部における凹部分の底壁から立ち上がる側壁は抜き勾配等をもたらすために傾斜し、この側壁に対応する金型における凸部分の側壁もまた傾斜する。そして、このような金型の凸部分の側壁面における傾斜が増加するほど、金型の凸部分の側壁に塗型剤を塗布することが難しくなる。その結果、金型の凸部分の側壁における塗型層が、金型の他の部分における塗型層よりも薄くなるおそれがある。また、塗型層の厚さを一定にすることが難しくなり、塗型層の厚さが不均一になるおそれがある。
【0044】
この場合、凸部分の側壁においては、塗型層の断熱性能が低下して、凸部分の側壁の温度が他の部分の温度よりも上昇し易くなる。特に、金型の凸部分における溶湯との接触面積は、金型の他の部分における溶湯との接触面積よりも大きいので、凸部分の温度は他の部分の温度よりも高くなり易い。このような金型を用いて連続して鋳造を繰り返した場合、金型の凸部分の側壁及び塗型層間における密着性が低下し、この密着性の低下に起因して、金型の凸部分の側壁における塗型層が剥がれ易くなる。また、上述のような金型の凸部分の側壁における薄い塗型層、不均一な厚さを有する塗型層等においては、アンダーカットが生じるおそれがあり、かかるアンダーカットによって、ピストンの離型時に塗型層を剥がすような抵抗が掛かるおそれがある。
【0045】
そして、上述のような外形を有するピストン1、特に、ピストン頂部2内の傾斜を比較すると、次のようになる。ピストン頂部2における吸気及び排気外方側壁32,42の傾斜、並びに吸気及び排気連結壁5,6の傾斜は、ピストン頂部2における他の部分の傾斜よりも大きくなる。吸気及び排気外方側壁32,42の傾斜は、ピストン頂部2における他の部分の傾斜よりも大きくなる。吸気及び排気外方側壁32,42における延在方向の中間部32a,42aの傾斜は、ピストン頂部2における他の部分の傾斜よりも大きくなる。吸気外方側壁32における延在方向の中間部32aの傾斜は、ピストン頂部2における他の部分の傾斜よりも大きくなる。
【0046】
これらの傾斜比較のいずれかに基づいて、ピストン頂部2の大傾斜部分を、ピストン頂部2の他の部分よりも大きな傾斜を有する部分として定義した場合において、ピストン頂部2に塗型剤を塗布すると、塗型剤により形成される大傾斜部分の塗型層は、他の部分の塗型層よりも剥がれ易くなる。
【0047】
これに対して、本実施形態に係る製造方法においては、ピストン頂部2の大傾斜部分に、塗型剤を塗布する代わりに、ショットピーニング処理を施す。また、本実施形態に係るピストン1においては、ピストン頂部2の大傾斜部分の表面が、ショットピーニング処理を施したピストン頂部領域102を転写した処理表面となっている。そのため、金型を用いて連続して鋳造を繰り返した場合であっても、従来のような金型の塗型層の剥がれに起因して金型の形状が変化するのを防ぐことができて、金型の形状変化に起因するピストン1の形状バラツキを抑制できる。
【0048】
また、一般的に、金型の領域に塗型剤を塗布しない場合においては、金型の領域の粗さに起因する凹凸によって断熱層が形成される。そのため、金型の領域の表面粗さが小さ過ぎると、この断熱層が十分に形成されず、その結果、鋳造時における湯廻り不良が発生するおそれがある。これに対して、本実施形態に係る製造方法においては、金型101の処理領域の表面粗さを約Rzjis20μm以上とするので、断熱層を十分に形成することができ、その結果、鋳造時における湯廻り不良の発生を防止できる。
【0049】
さらに、一般的に、金型を用いて連続して鋳造を繰り返した場合、金型の領域の表面粗さが悪化し、その結果、ピストンの鋳肌面の表面粗さが悪化するおそれある。これに対して、本実施形態に係る製造方法においては、金型101の処理領域の表面粗さを約Rzjis50μm以下とするので、金型101を用いて連続して鋳造を繰り返した場合であっても、ピストン1の鋳肌面の表面粗さを悪化させるように金型101の処理領域の表面粗さが悪化することを防ぐことができる。
【0050】
加えて、本実施形態に係るピストン1においては、ピストン1、特に、ピストン頂部2の処理表面の表面粗さを約Ra4μm以下とすることができる。そのため、かかるピストン1のための金型101を用いて連続して鋳造のショットを繰り返した場合であっても、金型101の劣化を防いで、これによって、ピストン1の形状バラツキを小さな範囲に抑えることができる。特に、従来のように金型の表面に塗型層を形成する場合、かかる金型を用いて鋳造されたピストンの表面粗さを約Ra4μm以下とすることが困難であったが、これに対して、本実施形態に係るピストン1、特に、ピストン頂部2の処理表面の表面粗さは約Ra4μm以下とすることができ、その結果、本実施形態に係るピストン1の形状バラツキを、従来よりも小さな範囲に抑えることができる。
【0051】
なお、ピストン1、特に、ピストン頂部2の処理表面の表面粗さは、ショットピーニング処理を施した金型の表面を転写することによって得ることができる限界値以上であるものと定義することができる。また、ピストン1、特に、ピストン頂部2の処理表面の表面粗さは、約0(ゼロ)よりも大きいものと定義することもできる。
【0052】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【0053】
「実施例」
実施例について説明する。実施例においては、上記実施形態に係る金型101を用いて、上記実施形態に係るピストン1を製造した。具体的には、金型101を用いピストン1の鋳造を4500ショット実施した場合であっても、ピストン1のピストン頂部2において、2つの吸気バルブリセス3及び2つの排気バルブリセス4のそれぞれにおける処理表面の表面粗さを約Ra4μm以下に維持することを目標として、金型101のピストン頂部領域102において、2つの吸気バルブリセス領域103及び2つの排気バルブリセス領域104にショットピーニング処理を施した。かかる金型101を用いて4500ショットの鋳造を実施し、これによって、4500個のピストン1を製造した。
【0054】
このような実施例において、4500ショット目の鋳造によって得られたピストン1のピストン頂部2にて、2つの吸気バルブリセス3及び2つの排気バルブリセス4のそれぞれにおける処理表面の表面粗さを測定した。なお、以下においては、2つの吸気バルブリセス3の一方を「測定部位1」と呼び、2つの吸気バルブリセス3の他方を「測定部位2」と呼び、2つの排気バルブリセス4の一方を「測定部位3」と呼び、かつ2つの排気バルブリセス4の他方を「測定部位4」と呼ぶ。かかる表面粗さの測定条件について、測定は、「JIS B 0633:2001」に基づいて実施された。表面粗さの測定におけるさらなる条件について、測定に用いる触針の先端のラウンド(R)を2μmとし、触針の送り速さを0.5mm/secとし、カットオフ値λcを0.8mmとし、かつ測定長さを2.5mmとした。
【0055】
さらに、実施例において、500、1000、1500、2000、及び2500ショット目の鋳造によって得られたピストン1のピストン頂部2の燃焼室容積を、レーザー測定機によって測定し、燃焼室容積の設計値に対するこれらの燃焼室容積の測定値の比率(以下、必要に応じて「燃焼室容積のバラツキ率」という)を算出した。
【0056】
「比較例」
比較例について説明する。比較例においては、従来の金型を用いてピストンを製造した。具体的には、従来のように、金型のピストン頂部領域において、2つの吸気バルブリセス領域及び2つの排気バルブリセス領域に塗型層を形成した。かかる金型を用いて4500ショットの鋳造を実施し、これによって、4500個のピストンを製造した。
【0057】
このような比較例において、100ショット目の鋳造によって得られたピストンのピストン頂部にて、2つの吸気バルブリセス及び2つの排気バルブリセスのそれぞれにおける処理表面の表面粗さを測定した。なお、比較例1においても、実施例1と同様に「測定部位1」~「測定部位4」の呼称を用いる。また、比較例1の表面粗さの測定条件は、実施例1の表面粗さの測定条件と同じである。
【0058】
さらに、比較例において、500、1000、1500、2000、及び2500ショット目の鋳造によって得られたピストンのピストン頂部の燃焼室容積を、レーザー測定機によって測定し、燃焼室容積の設計値に対するこれらの燃焼室容積の測定値の比率、すなわち、燃焼室容積のバラツキ率を算出した。
【0059】
このような実施例及び比較例の表面粗さの測定結果は、図9のグラフに示すようになった。なお、図9のグラフにおいて、縦軸Raは表面粗さの測定値(μm)を示し、かつ横軸のM1、M2、M3、及びM4は、それぞれ、測定部位1、2、3、及び4を示す。
【0060】
図9のグラフにおいて斜線によりハッチングされた棒要素を用いて示すように、実施例の測定部位1、2、3、及び4における表面粗さの測定値は、それぞれ、Ra2.452μm、Ra2.386μm、Ra3.503μm、及びRa3.137μmであった。これに対して、図9のグラフにおいて白抜きの棒要素を用いて示すように、比較例の測定部位1、2、3、及び4における表面粗さの測定値は、それぞれ、Ra5.989μm、Ra4.620μm、Ra5.567μm、及びRa4.543μmであった。そのため、比較例においては、測定部位1~4の表面粗さを4μm以下に維持することが困難であることが確認でき、その一方で、ピストン1の表面粗さを4μm以下に維持するためには、実施例のように、ショットピーニング処理を施した金型101を用いることが有効であることが確認できた。
【0061】
次に、実施例及び比較例の表面粗さの測定結果は、図10(a)及び図10(b)のグラフに示すようになった。なお、図10(a)及び図10(b)のグラフにおいて、縦軸Yは、燃焼室容積のバラツキ率を示し、かつ横軸Xは、金型を用いた鋳造のショット数を表す。
【0062】
図10(a)のグラフにおいて実線L1によって示すように、実施例において、金型101を用いて2500ショットの鋳造を実施した場合であっても、このような鋳造によって得られたピストン1の燃焼室容積のバラツキ率は、0.995~1.005の範囲内にあった。これに対して、図10(b)のグラフにおいて実線L2によって示すように、比較例において、金型を用いて2500ショットの鋳造を実施した場合、このような鋳造によって得られたピストンの燃焼室容積のバラツキ率は、0.990~1.010の範囲内にあった。よって、ショットピーニング処理を施した金型を用いて鋳造されるピストンの形状バラツキが、従来のように塗型層を形成した金型を用いて鋳造されるピストンの形状バラツキよりも小さくできることが確認できた。
【符号の説明】
【0063】
1…ピストン
2…ピストン頂部、2a…外周縁
3…吸気バルブリセス、31…吸気底壁、31a…外方部、32…吸気外方側壁、32a…中間部
4…排気バルブリセス、41…排気底壁、41a…外方部、42…排気外方側壁、42a…中間部
5…吸気連結壁
6…排気連結壁
101…金型
S1…粗面化処理工程
S2…鋳造工程
図1
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