(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】注意喚起システム、及び注意喚起装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240213BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2023100723
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2023-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510050557
【氏名又は名称】株式会社 情報システムエンジニアリング
(73)【特許権者】
【識別番号】516013837
【氏名又は名称】株式会社ハシラス
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】黒田 聡
(72)【発明者】
【氏名】安藤 晃弘
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-240362(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111862653(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者に対象物への注意喚起を行う注意喚起システムであって、
前記対象物の対象物画像と、前記対象物画像の撮像に関する設定情報とを取得する取得手段と、
取得した前記対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果により、前記対象物画像に前記注意喚起対象物画像が含まれる場合は、前記設定情報に基づいて前記注意喚起対象物画像の中心の座標情報、及び前記座標情報に表示する注意喚起を指示する指示情報を設定し、複数の前記注意喚起対象物画像が含まれていた場合は、複数の前記注意喚起対象物画像に紐づけられる作業の優先度、又は前記作業者のスキルの少なくとも何れかに基づいて、最優先の前記座標情報と前記指示情報、もしくは順次に前記座標情報と前記指示情報を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記座標情報、及び前記指示情報に基づいて、前記座標情報に前記指示情報を光ビームにより射光する射光手段と、
を備えること
を
特徴とする注意喚起システム。
【請求項2】
前記設定手段により設定される前記指示情報は、十字画像、X字画像、及び図形画像の少なくとも何れかに関する情報を有する画像であること
を特徴とする請求項1記載の注意喚起システム。
【請求項3】
前記設定手段により設定される前記指示情報は、前記指示情報の射光に関する色、及び射光パターンの少なくとも何れかに関する形式を有する情報であること
を特徴とする請求項1又は2記載の注意喚起システム。
【請求項4】
前記設定手段により設定される前記指示情報は、前記指示情報に対応する音声、及びアラートの少なくとも何れかに関する音情報を有すること
を特徴とする請求項1記載の注意喚起システム。
【請求項5】
作業者に対象物への注意喚起を行う注意喚起装置であって、
前記対象物の対象物画像と、前記対象物画像の撮像に関する設定情報とを取得する取得部と、
取得した前記対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別する判別部と、
前記判別部の判別結果により、前記対象物画像に前記注意喚起対象物画像が含まれる場合は、前記設定情報に基づいて前記注意喚起対象物画像の中心の座標情報、及び前記座標情報に表示する指示情報を設定し、複数の前記注意喚起対象物画像が含まれていた場合は、複数の前記注意喚起対象物画像に紐づけられる作業の優先度、又は前記作業者のスキルの少なくとも何れかに基づいて、最優先の前記座標情報と前記指示情報、もしくは順次に前記座標情報と前記指示情報を設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記座標情報、及び前記指示情報を取得し、前記座標情報に前記指示情報を光ビームにより射光する射光部と、
を備えること
を特徴とする注意喚起装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者に対象物への注意喚起を行う注意喚起システム、及び注意喚起装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物に光レーザーを射光して場所を特定する方法として、例えば特許文献1のX線撮影装置が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示されたX線撮影装置は、X線照射野の設定時の操作性を改善して検査時間を短縮することを目的とするものであり、被検体をX線撮影可能なX線撮影手段と、X線照射野を含む被検体の表面を撮影可能な表面撮影手段と、撮像された表面像を表示可能な表示手段とを備え、X線撮影手段は、X線を互いに異なる焦点位置から被検体に向けてそれぞれ照射可能なステレオX線管と焦点位置からのX線の照射範囲をそれぞれ制限可能な2組の絞りとを備える一方、表面撮影手段は、焦点位置とそれぞれ共役な2つの位置に配置されたレーザーマーカーから被検体に向けてレーザーを照射することにより、絞りの開度に対応したレーザーマーカー枠を被検体の表面に形成し、このレーザーマーカー枠が形成された被検体の表面像を撮像可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、作業者が作業を行う対象の機器(例えば医療機器など)や機器操作等を確認する場合、現状では作業者は目視により対象物や操作箇所の確認を行っている。このため、確認結果には、機器が設置されている状況、さらに作業者のスキル、経験等に起因する確認ミスや見落とし等があり、確認作業、操作時の注意不足が懸念として挙げられる。この点、特許文献1の開示技術では、レーザーマーカー枠は近距離の被検体の表面に形成するため、複数の対象物の中から、作業者が作業すべき機器や操作箇所を特定することができない。このような事情により、作業者が作業を行う対象機器や操作対象の確認作業の精度の向上が望まれている。
【0006】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる注意喚起システム、及び注意喚起装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る注意喚起システムは、作業者に対象物への注意喚起を行う注意喚起システムであって、前記対象物の対象物画像と、前記対象物画像の撮像に関する設定情報とを取得する取得手段と、取得した前記対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果により、前記対象物画像に前記注意喚起対象物画像が含まれる場合は、前記設定情報に基づいて前記注意喚起対象物画像の中心の座標情報、及び前記座標情報に表示する指示情報を設定し、複数の前記注意喚起対象物画像が含まれていた場合は、複数の前記注意喚起対象物画像に紐づけられる作業の優先度、又は前記作業者のスキルの少なくとも何れかに基づいて、最優先の前記座標情報と前記指示情報、もしくは順次に前記座標情報と前記指示情報を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記座標情報、及び前記指示情報に基づいて、前記座標情報に前記指示情報を光ビームにより射光する射光手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る注意喚起システムは、第1発明において、前記設定手段により設定される前記指示情報は、十字画像、X字画像、及び図形画像の少なくとも何れかに関する情報を有する画像であることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る注意喚起システムは、第1発明又は第2発明において、前記設定手段により設定される前記指示情報は、前記指示情報の射光に関する色、及び射光パターンの少なくとも何れかに関する形式を有する情報であることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る注意喚起システムは、第1発明において、前記設定手段により設定される前記指示情報は、前記指示情報に対応する音声、及びアラートの少なくとも何れかに関する音情報を有することを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る注意喚起装置は、作業者に対象物への注意喚起を行う注意喚起装置であって、前記対象物の対象物画像と、前記対象物画像の撮像に関する設定情報とを取得する取得部と、取得した前記対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別する判別部と、前記判別部の判別結果により、前記対象物画像に前記注意喚起対象物画像が含まれる場合は、前記設定情報に基づいて前記注意喚起対象物画像の中心の座標情報、及び前記座標情報に表示する指示情報を設定し、複数の前記注意喚起対象物画像が含まれていた場合は、複数の前記注意喚起対象物画像に紐づけられる作業の優先度、又は前記作業者のスキルの少なくとも何れかに基づいて、最優先の前記座標情報と前記指示情報、もしくは順次に前記座標情報と前記指示情報を設定する設定部と、前記設定部により設定された前記座標情報、及び前記指示情報を取得し、前記座標情報に前記指示情報を光ビームにより射光する射光部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明~第4発明によれば、取得部手段は、対象物の対象物画像と、対象物画像の撮像に関する設定情報とを取得する。このため、対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0014】
また、第1発明~第4発明によれば、判別手段は、対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別する。このため、対象物画像に前記注意喚起対象物画像が含まれる場合は、設定情報に基づいて注意喚起を指示する情報を設定することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0015】
特に、第2発明によれば、指示情報は、十字画像、X字画像、及び図形画像の少なくとも何れかに関する情報を有する。このため、複数の対象物の中から、作業者が作業すべき機器や操作箇所を特定することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0016】
特に、第3発明によれば、指示情報は、指示情報の射光に関する色、及び射光パターンの少なくとも何れかに関する形式を有する。このため、複数の対象物の中から、作業者が作業すべき機器や操作箇所を特定することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0017】
特に、第4発明によれば、指示情報は、指示情報に対応する音声、及びアラートの少なくとも何れかに関する音情報を有する。このため、複数の対象物の中から、作業者が作業すべき機器や操作箇所があることを確認することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0019】
また、第5発明によれば、取得部は、対象物の対象物画像と、対象物画像の撮像に関する設定情報とを取得する。このため、対象物画像に注意喚起を行う注意喚起対象物画像が含まれているか否かを判別することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態における注意喚起システムの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2(a)は、本実施形態における注意喚起装置で撮像された対象物画像の一例を示す模式図である。
図2(b)は、本実施形態における注意喚起装置の射光動作の一例を示す模式図である。
図2(c)は、本実施形態における注意喚起装置の射光動作の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3(a)は、本実施形態における注意喚起装置の構成の一例を示す模式図であり、
図3(b)は、本実施形態における注意喚起装置の機能の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における参照データベースの一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における注意喚起システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した実施形態における注意喚起システム、及び注意喚起装置の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1を参照して、本実施形態における注意喚起システム100、及び注意喚起装置1の一例について説明する。
【0023】
本実施形態における注意喚起システム100は、例えば
図1に示すように、注意喚起装置1を有する。注意喚起装置1は、例えば通信網5を介して他の端末2やサーバ3に接続されてもよい。
【0024】
注意喚起システム100は、場所Aで作業を行う作業者に対象物4への注意喚起を行う。場所Aは、例えば病院であれば、対象物4は医療機器であり、また例えば工場であれば、対象物4は工作機器となる。対象物4は、場所Aに単体で設置されるほか、例えば対象物4a、対象物4bのように、複数台が設置されてもよい。また対象物4bは、例えば機器の稼働状況を表示するモニター4cを備えてもよい。対象物4には、例えば作業者が作業を行うレバ―、取手、ハンドルなどの他に、状態の確認を行う各種の計器類などを備えるような構成(図示せず)であってもよい。
【0025】
注意喚起装置1は、例えば場所Aに設置される対象物4を対象物画像として撮影するカメラ1aと、対象物4の位置や操作を作業者に対して注意喚起する光ビームを射光する射光口1bを備える。カメラ1aは、例えば公知のカメラであってもよく、端末2、サーバ3との通信を可能とする無線機能を備えたネットワークカメラ、Webカメラ等であってもよい。
【0026】
なお注意喚起システム100は、例えば場所Aで作業を行う作業者を作業者が保持するIDカードの識別情報、あるいは作業者の顔認証、生態認証等(図示せず)により予め判別し、判別の結果により場所Aで作業を行う作業者を特定するようにしてもよい。
【0027】
注意喚起システム100では、例えば
図2に示すように、例えば注意喚起装置1を介して、場所Aに設置される対象物4を撮像した対象物画像50を取得し、作業者が作業する対象物4を判別し、場所Aに設置される対象物4に対して指示情報6を射光し、作業者に対して注意喚起を行う。
【0028】
図2(a)は、注意喚起システム100において、例えば場所A内に設置される注意喚起装置1により撮像された場所A内の空間の画像であって、撮像された対象物画像50には、例えば複数の対象物4a、対象物4bが撮像される。注意喚起装置1は、例えば画像(静止画)の他に、場所A内の状況を動画(ムービー)等で撮像してもよい。
【0029】
また
図2(b)は、注意喚起システム100において、例えば対象物画像50と対象物画像50を撮像した際の各種の設定情報(起点情報、空間情報、差分情報、位置情報、撮影情報、撮影角度など)に基づいて、作業者が作業を行う対象物4aを判別し、判別した対象物4aの中心の箇所を光ビームによる指示情報6で指示したものである。これにより、例えば場所Aの対象者は、自分が作業すべき対象の機器を複数ある機器の中から特定でき、正確に作業すべき機器を確認することが可能となり、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0030】
また
図2(c)は、注意喚起システム100において、例えば対象物画像50と対象物画像50を撮像した際の各種の設定情報(起点情報、空間情報、差分情報、位置情報、撮影情報、撮影角度など)に基づいて、作業者が作業を行う対象物4bを判別し、判別した対象物4bで確認すべきモニター4cの中心の箇所を、光ビームによる指示情報6で指示したものである。これにより、例えば場所Aの対象者は、自分が作業すべき対象の機器は対象物4bであり、さらに対象物4bのモニター4cであるということを正確に確認することが可能となり、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0031】
なお指示情報6の形状は、例えば線(ライン)での射光の他に、十字画像、X字画像、及び図形画像で射光される。指示情報6は、赤色、緑色、青色で射光される他、実線や破線などのパターンであってもよく、指示情報6が点滅するように射光するようにしても よい。さらに、指示情報は、例えば指示情報に対応する音声、及びアラートなどの音情報を合わせて有し、光ビームによる射光と連動して、注意喚起装置1のスピーカー(図示せず)より出力されるようにしてもよい。
【0032】
(注意喚起装置1)
次に、
図3を参照して、本実施形態における注意喚起装置1の一例を説明する。
図3(a)は、本実施形態における注意喚起装置1の構成の一例を示す模式図であり、
図3(b)は、本実施形態における注意喚起装置1の機能の一例を示す模式図である。
【0033】
注意喚起装置1は、例えば
図3(a)に示すように、筐体10と、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~109とを備える。各構成101~109は、内部バス120により接続される。
【0034】
CPU101は、注意喚起装置1全体を制御する。ROM102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。保存部104は、評価対象情報や参照データベース等の各種情報が保存される。保存部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(Solid State Drive)等のデータ保存装置が用いられる。
【0035】
I/F105は、他の端末2、サーバ3等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースであるほか、例えばインターネット等の通信網5を介して、他の端末2やサーバ3等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースでもよい。
【0036】
I/F106は、射光ユニット113との射光情報を光ビームとして出力するためのインターフェースである。射光ユニット113は、例えば注意喚起装置1に、垂直、水平のラインを射光する射光ユニット113(射光口1b)を、それぞれ個別に、複数方向を射光するように備える(図示せず)ようにしてもよい。
【0037】
I/F107は、カメラユニット112との撮像画像データ、および撮像に関する各種の設定情報等を入力するためのインターフェースである。カメラユニット112は、例えば注意喚起装置1に一体として装着される他、例えば場所Aの天井等に設置されるネットワークカメラ、または操作の作業者や他の作業者が保持、装着する端末等に備わるカメラ(図示せず)であってもよい。
【0038】
I/F108は、入力部111との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部111として、例えばキーボード等が用いられ、注意喚起装置1を利用する評価者等は、入力部111を介して、各種情報又は注意喚起装置1の制御コマンド等を入力する。
【0039】
I/F109は、表示部110との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部110は、保存部104に保存された評価結果等の各種情報、又は注意喚起装置1の処理状況等を出力する。表示部110として、例えばディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式でもよい。
【0040】
なお、I/F105~I/F109として、例えば同一のものが用いられてもよく、各I/F105~I/F109として、例えばそれぞれ複数のものが用いられてもよい。また、カメラユニット112、射光ユニット113、端末2、サーバ3、通信網5、入力部111、及び表示部110の少なくとも何れかは、状況に応じて取り外されてもよい。
【0041】
<データベース>
次に、
図4を参照して、本実施形態におけるデータベースの一例を説明する。データベースは、例えばサーバ3に格納されるほか、例えば保存部104に保存され、データベース、データテーブル等に記憶される各種情報を必要に応じて取り出す。
【0042】
データベースは、例えば
図4に示す通り『ユーザデータテーブル』、『対象物データテーブル』、『注意喚起対象データテーブル』、及び『指示情報データテーブル』を少なくとも含む各種のデータテーブルにより構成される。データベースを構成する各種のデータテーブルは、各々のデータが紐づけられて構成される。
【0043】
<<ユーザデータテーブル>>
ユーザデータテーブルは、例えば作業を行う作業者を識別するためのデータを示す『ユーザID』と、ユーザIDと対応付けて、作業者の氏名を示す『ユーザ名』、作業者に関する詳細情報を示す『ユーザ情報』、注意喚起の対象となる対象物を識別する『対象物ID』等を、各々対応付けて記憶する。
【0044】
<<対象物データテーブル>>
対象物データテーブルは、例えば注意喚起の対象となる対象物を識別するためのデータを示す『対象物ID』と、対象物IDと対応付けて、各場所に設置される対象物の名称や型番等を示す『対象名』、注意喚起の対象となる機器等の対象物を撮像した『対象物画像』、対象物が設置される場所内で注意喚起の起点となる位置、場所内での空間の位置、場所内に設置されるカメラ位置との差分距離等の各種の座標情報を示す『座標情報(起点・空間・差分)』、対象物の注意喚起を行う対象の物や状態等を識別する『注意喚起対象ID』等を、各々対応付けて記憶する。
【0045】
<<注意喚起対象データテーブル>>
注意喚起対象データテーブルは、例えば注意喚起の対象となる対象を識別するためのデータを示す『注意喚起対象ID』と、注意喚起対象IDと対応付けて、各対象物で注意喚起の対象先の名称や型番等を示す『注意喚起対象名』、注意喚起の対象となる機器等の対象物や状態を撮像した『対象物画像』、注意喚起対象物の中心の位置、場所内での空間の位置、対象物が撮影された注意喚起装置1のカメラ1aアングルと注意喚起対象の中心位置との差分等の各種の座標情報を示す『座標情報(中心・空間・差分)』、注意喚起を指示する指示情報6を識別する『指示ID』等を、各々対応付けて記憶する。
【0046】
<<指示情報データテーブル>>
指示情報データテーブルは、例えば指示情報6を識別するためのデータを示す『指示ID』と、指示IDと対応付けて、対象物の注意喚起対象の中心を射光する表示形式を示す『表示形式』、射光する指示情報6の各種の形式を示す『指示形式』、射光する光ビーム(光レーザー)の注意喚起対象物の中心の位置、場所内での空間の位置、対象物が撮影された注意喚起装置1のカメラ1aアングルと注意喚起対象の中心位置との差分等の各種の座標情報を示す『座標情報(中心・空間・差分)』等を、各々対応付けて記憶する。
【0047】
各対象物で注意喚起の対象先の名称や型番等を示す『注意喚起対象名』、注意喚起の対象となる機器等の対象物や状態を撮像した『対象物画像』、注意喚起対象物の中心の位置、場所内での空間の位置、対象物が撮影された注意喚起装置1のカメラ1aアングルと注意喚起対象の中心位置との差分等の各種の座標情報を示す『座標情報(中心・空間・差分)』、注意喚起を指示する指示情報6を識別する『指示ID』等を、各々対応付けて記憶する。
【0048】
また、データベースには、例えば図示しない予め取得された過去の対象物画像50、注意喚起装対象物画像51と、過去の対象物画像50、注意喚起対象物画像51に紐づく参照情報との間における連関性が記憶され、例えば連関性を有する学習モデルが記憶されるようにしてもよい。データベースには、例えば過去の対象物画像50、注意喚起対象物画像51、設定情報、判別結果、座標情報、指示情報評価対象情報、及び参照情報が記憶されてもよい。連関性は、例えば過去の対象物画像、注意喚起対象物画像、及び参照情報を一組の学習データとして、複数の学習データを用いた機械学習により構築されてもよい。学習方法として、例えば畳み込みニューラルネットワーク等の深層学習が用いられるようにしてもよい。
【0049】
過去の評価対象情報は、例えば合成データと、類似度とを含んでもよい。合成データは、過去の画像データ又は過去の判別情報との間における3段階以上の類似度により示される。合成データは、数値、行列、又はヒストグラム等の形式でデータベースに記憶されるほか、例えば画像や文字列等の形式で記憶されてもよい。
【0050】
図3(b)は、注意喚起装置1の機能の一例を示す模式図である。注意喚起装置1は、取得部11と、判別部12と、設定部13と、射光部14とを備え、例えば記憶部15を有してもよい。なお、
図3(b)に示した各機能は、CPU101が、RAM103を作業領域として、保存部104等に保存されたプログラムを実行することにより実現され、例えば人工知能により制御されてもよい。
【0051】
<取得部11>
取得部11は、対象物の対象物画像50と、対象物画像50を撮影した際の設定情報とを取得する。取得部11は、例えば注意喚起装置1のカメラ1aにより場所A内の対象物4の対象物画像50を取得する。取得部11は、例えば注意喚起装置1が場所Aに固定設置されている場合は、固定設置されている位置から対象物を撮像する。なお、注意喚起対装置1は、例えば端末2から通信網5を介してリモート操作され、遠隔で場所A内の対象物4を撮像するようにしてもよい。さらに、例えばカメラ1aが作業者に身に付けられ、作業者目線での対象物4の対象物画像50を取得するようにしてもよい。
【0052】
取得部11は、例えば場所A内で対象物4の対象物画像50を取得する際に、対象物画像50が取得された各種の情報を合わせて取得し、取得した各種の情報を保存部104に記憶する。取得部11は、例えば取得した注意対象物画像50と各種の設定情報とを、通信網5を介してサーバ3のデータベースに記憶するようにしてもよい。
【0053】
取得部11が取得する対象物画像50は、例えば静止画のほか、動画であってもよい。取得部11は、静止画、または動画の取得を、例えば
図4に示す『ユーザデータテーブル』を参照し、取得するほか、例えば作業者の行動や姿勢、発話などの状態により自動的に取得するようにしてもよい。さらに取得部11は、例えば注意喚起を行う対象者が場所Aに入ってきたことを、入退室管装置(図示せず)により検知された作業者のユーザIDを取得し、場所A内の空間の対象物4を撮像するようにしてもよい。
【0054】
取得部11が取得する設定情報は、
図4に示す『対象物データテーブル』に予め記憶され、例えば注意喚起装置1が設置されている位置情報、位置情報から場所A内の空間、カメラ1aが対象物4を撮像した方向や撮像角度(パン・チルト・ズーム)、対象物4までの距離等の各種の設定情報を少なくとも含む。これにより、正確に対象物4を含む対象物画像50を取得することができ、作業者に対象物や操作対象への注意喚起を行うことができ、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0055】
取得部11は、例えば対象物画像50と共に各種の撮影条件を設定情報として取得する。なお、取得部11は、対象物画像50、設定情報の取得を、例えば作業者の業務内容、スキル、場所Aに設置される対象物の形状、仕様(性能、機能、インタフェース、デザイン等)、設置台数等に基づいて取得するようにしてもよく、頻度及び周期は任意である。
【0056】
また取得部11は、注意喚起装置1に送信された各種情報を受信する。取得部11は、例えば通信網5及びI/F105を介して、他の端末2等の外部端末から送信された座標情報や指示情報等の各種情報を受信する。
【0057】
<判別部12>
判別部12は、取得部11により取得した対象物画像50に注意喚起を行う注意喚起対象物画像51が含まれているか否かを判別する。判別部12は、
図4に示す『対象物データテーブル』、『注意喚起対象物データテーブル』を参照し、例えば取得部11により取得された対象物画像50に、対象物画像50の中に注意喚起対象物4a~4cの画像が含まれているか否かを判別する。
【0058】
判別部12は、例えば取得部11により取得された対象物画像50と、対象物画像50の撮影時の各種の設定情報に基づいて、対象物画像50に注意喚起を行う注意喚起対象物4a~4cが含まれているか否かを判別するようにしてもよい。判別部12は、例えばサーバ3のデータベース等を参照し、公知の類似画像比較技術、類似画像検索技術、人工知能・機械学習等を用いたAI判別処理等により、取得した対象物画像50に注意喚起対象物4a~4cの画像が含まれているか否かを判別する。
【0059】
判別部12は、例えばサーバ3のデータベースを参照し、撮像された対象物画像50に含まれる注意喚起対象物の画像と同一又は類似する画像を選択する。第1データとして、注意喚起対象物と一部一致又は完全一致するデータが選択されるほか、例えば類似するデータが選択されるようにしてもよい。各画像が行列等の数値で表される場合、選択される第1データに含まれる数値範囲を、予め設定してもよい。
【0060】
判別部12は、例えば作業者「ユーザID=002」により取得された対象物4の対象物画像50を判別する場合、データベースの『ユーザデータテーブル』を参照し、「ユーザID=002」が作業を行う対象物(注視すべき対象物)が「対象物ID=B001(例えば対象物4とする)」であると判別する。
【0061】
次に判別部12は、例えば「対象物ID=B001」に紐づく対象物画像50の画像(対象物画像=B001)を取得し、公知の画像判別等の処理により、対象物画像50と「対象物ID=B001」に紐づく「対象物画像=B001」から、各々の画像の類似度、一致度等を公知の画像比較に関する技術等により判別を行う。
【0062】
次に判別部12は、対象物画像50と「対象物ID=B001」に紐づく「対象物画像=B001」による判別結果により、対象物4が対象物画像「B001」であると判別すると、対象物画像「B001」に紐づく注意喚起対象物の有無を「注意喚起対象物ID」のデータレコードを参照して判別する。判別部12は、対象物画像「B001」に紐づく注意喚起対象物として、例えば対象物画像「B001」に対象物画像「B001」に含まれていた場合、注意喚起対象物がありと判断し、「注意喚起対象物ID=BB01」を取得する。ここで、「注意喚起対象物ID=BB01」に対応する注意喚起対象物を
図2に示す注意喚起対象物4cとして、以下説明する。
【0063】
<設定部13>
設定部13は、注意喚起対象物(注意喚起対象物画像)の中心の座標情報、及び表示する指示情報6を設定する。設定部13は、例えば
図4に示す『注意喚起対象物データテーブル』を参照し、対象物画像50に含まれる注意喚起対象ID(例えば「注意喚起対象ID=BB01」)を特定し、注意喚起対象物に対して指示する指示ID(例えば「指示ID=11」)を取得する。
【0064】
指示IDは、例えば作業者に注意喚起する注意喚起対象物4a~4cに対して指示される内容を識別するためのIDである。指示IDに対応する情報として、例えば注意喚起対象物4a~4cに対して、どのような指示情報を射光するか等の各種の設定情報が『指示情報データテーブル』に記憶される。
【0065】
設定部13は、指示IDに基づいて
図4に示す『指示情報データテーブル』を参照する。設定部13は、例えば(例えば「指示ID=11」)に対応する指示情報を取得し、射光部14に送信する情報として設定する。設定部13は、『注意喚起対象物データテーブル』を参照し、「注意喚起対象物ID=BB01」に紐づく「注意喚起対象物画像=BB01(注意喚起対象物4c)」の画像と「座標情報(中心・空間・差分)=***、***、***」を取得する。
【0066】
設定部13は、取得部11で対象物画像50と共に取得された対象物4の設定情報に含まれる位置情報(座標情報)と注意喚起対象物4cの「座標情報(中心・空間・差分)=***、***、***」とを比較し、指示情報が注意喚起対象物4cの中心に位置するように調整された座標を求め、「指示ID=11」に紐づく「座標情報(中心・空間・差分)=***、***、***」に記憶する。
【0067】
設定部13は、「指示ID=11」に紐づく「表示形式=レーザー光」、「表示形式=赤色、十字、実線、方向B(360°)、アラートA、時間、・・・」、「座標情報(中心・空間・差分)=***、***、***」を射光部14により射光される座標情報、および指示情報として設定する。
【0068】
設定部13は、例えば『指示情報データテーブル』を参照し、各種の指示情報6を設定する。設定部13が設定する指示情報は、例えば十字画像、X字画像、及び図形画像の少なくとも何れかに関する情報を有する画像であってもよい。図形画像は、例えば円形の他、矩形等の図形、位置を示すアイコン等の図形であってもよい。設定部13が設定する指示情報は、例えば指示情報の射光に関する色、及び射光パターンの少なくとも何れかに関する形式を有する情報をであってもよい。
【0069】
射光パターンは、例えばパラメータとしては、色、射光パターンとして明滅、十字画像、X字画像、及び図形画像のロール回転角度の他、例えばロール回転角度を含んでもよい。十字画像、X字画像、および図形画像は、設定部13により、例えばロール角の回転速度等をパターンとしてパラメータとするようにしてもよい。設定部15は、例えば、十字画像、X字画像、及び図形画像を固定して表示させるパラメータの他、例えば十字画像の時計回り、反時計回り、時計回りと反時計回りの逆転を交互にする、速く回転させる、ゆっくり回転させる等を、それぞれのパラメータとして設定するようにしてもよい。
【0070】
設定部13が設定する指示情報は、例えば指示情報に対応する音声、及びアラートの少なくとも何れかに関する音情報であってもよい。
【0071】
さらに、設定部13は、例えば判別部12の判別結果に複数の注意喚起対象物画像4a~4cが含まれていた場合は、複数の注意喚起対象物画像4a~4cに紐づけられる作業の優先度、又は作業者のスキルに基づいて、最優先の座標情報と指示情報6を設定するようにしてもよい。または設定部13は、順次に座標情報と指示情報6を設定するようにしてもよい。
【0072】
設定部13は、判別部12による判別結果により、対象物画像50に注意喚起対象物画像4cが含まれるので、設定情報に基づいて注意喚起対象物画像4cの中心の座標情報、及び指示情報を設定した設定結果を、例えばI/F106を介して射光ユニットに出力するようにしてもよい。出力は、例えばI/F107を介して表示部110に判別結果を送信するほか、例えばI/F105を介して、他の端末2等に判別結果を送信するようにしてもよい。
【0073】
<射光部14>
射光部14は、『指示情報データテーブル』を参照し、設定部13により設定された座標情報、及び指示情報に基づいて、座標情報に指示情報を光ビームにより射光する。
【0074】
射光部14は、例えば設定部13により設定された座標情報、及び指示情報が複数ある場合は、作業者の順次に射光するようにしてもよい。この場合、設定部13において、作業者に関する設定情報や、作業者が作業する作業の優先度などに基づいて順次に表示されるようにしてもよい。
【0075】
<記憶部15、データベース>
記憶部15は、保存部104に保存されたデータベース等の各種情報を必要に応じて取出す。記憶部15は、各構成11~14により取得又は生成された各種情報を、保存部104に保存する。
【0076】
<カメラ1a(カメラユニット112)>
カメラユニット112は、例えば対象物4を撮像して画像データを生成する公知のカメラである。カメラユニット112として、例えばネットワークカメラ、Webカメラ等が用いられ、複数がリモートで用いられてもよい。カメラユニット112は、例えば注意喚起装置1に内蔵される他、注意喚起装置1と分離されてもよく、さらには作業者が保持するように構成されてもよい。
【0077】
<射光口1b(射光ユニット113)>
射光ユニット113は、指示情報6を射光する座標情報、及び射光する指示情報6の光ビームに関する表示形式、指示形式等を取得し、注意喚起装置1の射光口1bから光ビームを注意喚起対象物の中心に射光する。
【0078】
光ビームの射光は、例えば公知のレーザー墨出し器に関する技術を用いるようにしてもよい。注意喚起装置1の射光口1bは、例えば複数用いられてもよい。射光口1bは、例えば注意喚起装置1に内蔵される他、例えば分離されるように構成されてもよい。
【0079】
<通信網5>
通信網5は、例えば注意喚起装置1等が通信回路を介して接続されるインターネット網等である。通信網5は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、通信網5は、有線通信網のほか、無線通信網等の公知の通信網で実現してもよい。
【0080】
<他の端末2>
他の端末2として、例えば注意喚起装置1と同様に電子機器で具現化されたものが用いられる。他の端末2は、例えば複数の注意喚起装置1と通信可能な中央制御装置等を示す。他の端末2は、例えば複数の注意喚起装置1と接続可能であり、各注意喚起装置1により撮像された対象物画像50を取得することができる。これにより、例えば複数の場所で撮像された対象物画像50に注意喚起を行う注意喚起対象物画像51が含まれているか否かを判別し、その判別の結果により、対象物画像50に注意喚起対象物画像51が含まれる場合は、設定情報に基づいて指示情報6を設定することができ、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0081】
<サーバ3>
サーバ3には、例えば上述した各種情報が記憶される。サーバ3には、例えば通信網5を介して送られてきた各種情報が蓄積される。サーバ3には、例えば保存部104と同様の情報が保存され、通信網5を介して1つ以上の注意喚起装置1と各種情報の送受信が行われてもよい。即ち、注意喚起装置1は、保存部104の代わりにサーバ3を用いてもよい。
【0082】
(注意喚起システム100の動作の一例)
次に、本実施形態における注意喚起システム100の動作の一例について説明する。
図5は、本実施形態における注意喚起システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
<取得手段S110>
図5に示すように、取得部11は、対象物4の対象物画像50と、対象物画像50の撮像に関する設定情報とを取得する(取得手段S110)。取得部11は、例えば対象物の対象物画像50と対象物画像50を撮像した際の各種の設定情報を取得する。取得部11は、例えば記憶部15を介して、取得した対象物4の対象物画像50と、各種の設定時を保存部104に保存する。
【0084】
<判別手段S120>
次に、判別部12は、注意喚起対象物4a~4cの画像が含まれているか否かを判別する(判別手段S120)。判別部12は、取得部11により取得された対象物画像50と、対象物画像50の撮影時の各種の設定情報に基づいて、対象物画像50に注意喚起を行う注意喚起対象物4a~4cが含まれているか否かを判別する。判別部12は、例えばデータベースを参照し、例えば公知の類似画像検索、人工知能・機械学習等を用いた画像処理により、取得した対象物画像50に注意喚起対象物4a~4cの画像が含まれているか否かを判別するようにしてもよい。
【0085】
また判別部12は、例えば保存部104に保存された出力用フォーマット等の形式データを用いて、判別結果を生成する。判別部12は、例えば記憶部15を介して、判別結果を保存部104に保存するようにしてもよい。
【0086】
<設定手段S130>
次に、設定部13は、中心の座標情報、及び表示する指示情報を設定する(設定手段S130)。設定部13は、例えば判別結果を表示部110等に出力するようにしてもよい。設定部13は判別結果を、例えば通信網5を介して他の端末2又はサーバ3に出力してもよい。
【0087】
設定部13は、例えば対象物画像50に注意喚起対象物画像が含まれる場合は、設定情報に基づいて注意喚起対象物画像の中心の座標情報、及び座標情報に表示する注意喚起を指示する指示情報6を設定する。設定部13は、例えば判別部12の判別結果に基づいて、データベースを参照し、対応する各種の座標情報、指示情報6を取得し、注意喚起対象物の中心の座標情報に指示情報6が表示されるように設定情報を生成する。
【0088】
<射光手段S140>
射光部14は、設定部13により設定された座標情報と指示情報6により注意監視対象物の中心を光ビームにより射光する(射光手段S140)。射光部14は、例えば場所Aに注意喚起対象装置1として設置されるが、例えば射光部14(射光ユニット113)が複数設置されるようにしてもよい。この場合、例えば設定部13において、注意喚起対象物4a~4c毎に、それぞれの座標情報、及び指示情報6が設定され、各射光部14(射光口1b)から射光されることになる。
【0089】
射光部14は、設定部13により設定された指示情報6を、例えば公知のレーザー墨出し器等に関する射光技術を用いて注意喚起対象物4a~4c射光するようにしてもよい。注意喚起装置1の射光口1bは、例えば複数用いられてもよく、射光口1bは、例えば注意喚起装置1に内蔵される他、例えば分離されるように構成されてもよい。
【0090】
射光部14は、例えば設定部13により設定された座標情報、及び指示情報が複数ある場合は、作業者の順次に射光するようにしてもよい。この場合、設定部13において、作業者に関する設定情報や、作業者が作業する作業の優先度などに基づいて順次に表示されるようにしてもよい。
【0091】
これにより、本実施形態における注意喚起システム100の動作が終了する。
【0092】
本実施形態によれば、取得部11は、対象物の対象物画像50と、対象物画像50の撮像に関する各種の設定情報とを取得する。設置情報には、作業者に関する各種の情報や作業者を識別する認証情報などを場所Aにて取得するほか、『ユーザデータテーブル』などを参照し、作業者のユーザIDに紐づく各種の情報を取得し、設定情報に含ませて取得するようにしてもよい。このため、複数の対象物の中から、作業者が作業すべき機器や操作箇所があることを確認することができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、ユーザ情報は、部門に関する情報、業務に関する情報、役割に関する情報、スキル(熟練~初級など)、入社歴などの作業者の注意喚起を評価する各種の情報を含む。このため、作業者の業務や作業対応等に適応した指示を行うことができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、設定情報は指示情報を含む。指示情報は、場所Aの広さ、明るさ、設置される機器の台数などを含む。このため、場所の空間や空間に設置される機器(対象物)、作業者の業務や作業対応等に適応した指示を行うことができる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、表示形式はパターンを含む。パターンは、例えばアニメーションやテキスト、メッセージなどであってもよい。このため、場所Aの空間(壁面など)に指示や対応をメッセージで伝えることも可能となる。これにより、作業者に対象物や操作対象に関する対応など伝えることが可能となる。これにより、作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる。
【0096】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1 :注意喚起装置
1a :カメラ
1b :射光口
2 :端末
3 :サーバ
4 :対象物
4a :対象物
4b :対象物
4c :モニター
5 :通信網
6 :指示情報
10 :筐体
11 :取得部
12 :判別部
13 :設定部
14 :射光部
15 :記憶部
50 :対象物画像
51 :注意喚起対象物画像
100 :注意喚起システム
101 :CPU
102 :ROM
103 :RAM
104 :保存部
105 :I/F
106 :I/F
107 :I/F
108 :I/F
109 :I/F
110 :表示部
111 :入力部
112 :カメラユニット
113 :射光ユニット
A :場所
S110 :取得手段
S120 :判別手段
S130 :設定手段
S140 :射光手段
【要約】
【課題】作業者に対象物や操作対象の注意喚起を行い、確認作業の精度の向上を図ることができる注意喚起システム、及び注意喚起装置を提供する。
【解決手段】作業者に対象物への注意喚起を行う注意喚起システム100であって、対象物4の対象物画像50と対象物画像50の撮像に関する設定情報とを取得し、対象物画像50に注意喚起対象物画像51が含まれているか否かを判別し、対象物画像50に注意喚起対象物画像51が含まれる場合は、設定情報に基づいて注意喚起対象物画像51の中心の座標情報、及び座標情報に表示する注意喚起を指示する指示情報6を設定し、座標情報、及び指示情報6を取得し、光ビームにより射光することを特徴とする。
【選択図】
図1