(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】情報処理装置及びゲームの制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20240213BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20240213BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240213BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240213BHJP
【FI】
A63F13/80 H
A63F5/04 511D
A63F13/53
A63F13/69 510
(21)【出願番号】P 2020026590
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】598098526
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】汲田 敦司
(72)【発明者】
【氏名】陣内 俊和
(72)【発明者】
【氏名】白石 宗希
(72)【発明者】
【氏名】馬場 智子
(72)【発明者】
【氏名】瓦井 信行
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-182266(JP,A)
【文献】特開2013-240450(JP,A)
【文献】特開2009-201986(JP,A)
【文献】特開2009-201945(JP,A)
【文献】特開2009-000456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00- 5/04
9/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シンボル及び第2シンボルを含む、複数のシンボルを表示可能な、複数の列と複数の段とが交差するようにマトリクス状に配置されたシンボル表示領域を表示する表示装置と、下記(1a)~
(1e)の処理を単位ゲームとして、下記処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を備えた、情報処理装置。
(1a)抽選により、前記シンボル表示領域に表示される、複数のシンボルを決定するシンボル抽選処理、
(1b)前記シンボル抽選処理により決定した前記複数のシンボルを、前記シンボル表示領域に表示する処理、
(1c)前記(1b)の処理後、前記シンボル表示領域に表示されているシンボルの組み合せに応じて特典を付与する処理、
(1d)前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じた個数の、前記シンボル表示領域の前記列に、前記第2シンボルを固定表示する処理、
(1e)前記(1d)の処理により、前記第2シンボルが固定表示された、前記シンボル表示領域を使用して、次の単位ゲームを実行する処理。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記(1c)の処理において、前記シンボル表示領域において、一方側の列から他方側の列にかけて連続して表示された、シンボルの組み合せに応じて特典を付与し、
前記(1d)の処理において、前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じて、前記他方側の列から順番に、前記第2シンボルが固定表示される。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記コントローラは、
(1f)前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に、第3シンボルが表示される毎に、前記シンボル表示領域の何れかの列に、前記第2シンボルを固定表示する処理を実行する。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記(1d)の処理において、前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じた複数の、前記シンボル表示領域の前記列に、前記第2シンボルを固定表示する処理を実行する。
【請求項5】
ゲームの制御方法であって、
第1シンボル及び第2シンボルを含む、複数のシンボルを表示可能な、複数の列と複数の段とが交差するようにマトリクス状に配置されたシンボル表示領域を表示する情報処理装置に、下記(2a)~
(2e)の処理を単位ゲームとして、下記処理を実行させる。
(2a)抽選により、前記シンボル表示領域に表示される、複数のシンボルを決定するシンボル抽選処理、
(2b)前記シンボル抽選処理により決定した前記複数のシンボルを、前記シンボル表示領域に表示する処理、
(2c)前記(2b)の処理後、前記シンボル表示領域に表示されているシンボルの組み合せに応じて特典を付与する処理、
(2d)前記(2b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じた個数の、前記シンボル表示領域の前記列に、前記第2シンボルを固定表示する処理、
(2e)前記(2d)の処理により、前記第2シンボルが固定表示された、前記シンボル表示領域を使用して、次の単位ゲームを実行する処理。
【請求項6】
請求項5に記載のゲームの制御方法であって、
前記(2d)の処理において、前記(2b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じた複数の、前記シンボル表示領域の前記列に、前記第2シンボルを固定表示する処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びゲームの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、据え置きのゲーミングマシン、最近では、ゲームのアプリケーションがインストールされたスマートフォンなどにおいては、プレイヤーが操作パネルやスマートフォンのタッチパネルを操作することによって、ゲームが進行するものが存在する。例えば、画面上に表示されたシンボルの組み合わせ(ゲームの結果)によって特典(配当)が付与されるスロットゲームがある。
【0003】
このようなスロットゲームでは、通常ゲームの結果が所定の条件を満たした場合、通常ゲームとは異なる特別ゲーム(ボーナスゲーム)に移行することがある(特許文献1や特許文献2参照)。
【0004】
例えば、特許文献1のスロットゲームにおいては、シンボル群をスクロール表示させ、画面上に停止表示されたシンボルのコンビネーションが所定のコンビネーションになった場合に、画面上に停止表示されている特定シンボルをプレイヤーに有利な特別シンボルに変化させたシンボル群を使用したボーナスゲームが実行される態様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開2008/200235号明細書
【文献】特開2009-201986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ボーナスゲームでスクロール表示されるシンボル群の一部だけしか特別シンボルに変化しないため、特別シンボルが必ずしも停止表示されるわけではない。従って、ボーナスゲームに移行した場合、プレイヤーに有利な状況に変わったのか、認識しづらい場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決することができる、情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1シンボル及び第2シンボルを含む、複数のシンボルを表示可能な、複数の列と複数の段とが交差するようにマトリクス状に配置されたシンボル表示領域を表示する表示装置と、下記(1a)~(1c)の処理を単位ゲームとして、下記処理を実行するようにプログラムされたコントローラと、を備えた、情報処理装置である。
(1a)抽選により、前記シンボル表示領域に表示される、複数のシンボルを決定するシンボル抽選処理、
(1b)前記シンボル抽選処理により決定した前記複数のシンボルを、前記シンボル表示領域に表示する処理、
(1c)前記(1b)の処理後、前記シンボル表示領域に表示されているシンボルの組み合せに応じて特典を付与する処理、
(1d)前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じた個数の、前記シンボル表示領域の前記列に、前記第2シンボルを固定表示する処理、
(1e)前記(1d)の処理により、前記第2シンボルが固定表示された、前記シンボル表示領域を使用して、次の単位ゲームを実行する処理。
【0009】
上記構成によれば、抽選の結果、複数の列と複数の段とが交差するようにマトリクス状に配置されたシンボル表示領域に、第1シンボルが表示された場合、表示された第1シンボルの個数に応じた個数の列において、第2シンボルが固定表示される。そして、次の単位ゲームでは、その列に第2シンボルが固定表示された状態で、残りの列に、抽選により決定した複数のシンボルが表示され、列に固定表示された第2シンボルも含めた、シンボルの組み合せに応じて特典が付与されることになる。
これにより、シンボル表示領域に、第1シンボルが表示された場合、次の単位ゲームでは、列に第2シンボルが固定表示されることから、第2シンボルを含むシンボルの組み合わせが成立する確率が向上していることを、プレイヤーに対して認識し易くすることができる。
【0010】
また、本発明は、上記の情報処理装置であって、
前記(1c)の処理において、前記シンボル表示領域において、一方側の列から他方側の列にかけて連続して表示された、シンボルの組み合せに応じて特典を付与し、
前記(1d)の処理において、前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じて、前記他方側の列から順番に、前記第2シンボルが固定表示されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、シンボル表示領域に表示された、第1シンボルの個数に応じて、第2シンボルが固定表示される列は、特典を付与するか否かが判定される最後の列側から順番に設定されることになる。これにより、第2シンボルが固定表示される列の順番をルール化して、プレイヤーに対して認識し易くすることができる。
【0012】
また、本発明は、上記の情報処理装置であって、
前記コントローラは、
(1f)前記(1b)の処理により前記シンボル表示領域に、第3シンボルが表示される毎に、前記シンボル表示領域の何れかの列に、前記第2シンボルを固定表示する処理を実行してもよい。
【0013】
上記構成によれば、シンボル表示領域に、第3シンボルが表示された場合にも、列に第2シンボルを固定表示することができる。
【0014】
また、本発明は、ゲームの制御方法であって、
第1シンボル及び第2シンボルを含む、複数のシンボルを表示可能な、複数の列と複数の段とが交差するようにマトリクス状に配置されたシンボル表示領域を表示する情報処理装置に、下記(2a)~(2c)の処理を単位ゲームとして、下記処理を実行させる。
(2a)抽選により、前記シンボル表示領域に表示される、複数のシンボルを決定するシンボル抽選処理、
(2b)前記シンボル抽選処理により決定した前記複数のシンボルを、前記シンボル表示領域に表示する処理、
(2c)前記(2b)の処理後、前記シンボル表示領域に表示されているシンボルの組み合せに応じて特典を付与する処理、
(2d)前記(2b)の処理により前記シンボル表示領域に表示された、前記第1シンボルの個数に応じた個数の、前記シンボル表示領域の前記列に、前記第2シンボルを固定表示する処理、
(2e)前記(2d)の処理により、前記第2シンボルが固定表示された、前記シンボル表示領域を使用して、次の単位ゲームを実行する処理。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】サーバとスマートフォンとの間のネットワーク環境の説明図である。
【
図2】スマートフォンの電気構成を示すブロック図である。
【
図3】スマートフォンでのスロットゲームの表示状態を示す説明図である。
【
図4】通常スロットゲーム制御処理のフローチャートを示す図である。
【
図5】フリーゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】フリーゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】スマートフォンに表示されるスロットゲームの表示画面の説明図である。
【
図8】スマートフォンに表示されるスロットゲームの表示画面の説明図である。
【
図9】スマートフォンに表示されるスロットゲームの表示画面の説明図である。
【
図10】スマートフォンに表示されるスロットゲームの表示画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
本実施形態の情報処理装置及びゲーム制御方法を図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施形態では、各スマートフォン1は、
図1に示すように、サーバ100とインターネット(通信回線)を介して接続されている。各スマートフォン1には、各スマートフォン1のOS(Operating System)に応じた、サーバ100等からダウンロードされたアプリケーションがインストールされている。本実施形態では、スマートフォン1にインストールされたアプリケーションにおけるゲーム要素としてスロットゲームがプレイ可能にされている。即ち、プレイヤーは、このアプリケーション上でスロットゲームをプレイすることが可能となる。尚、スロットゲームは、アプリケーションのアドインでもよい。即ち、スロットゲームは、アプリケーションの追加機能として、アプリケーションとは別にサーバ10等で提供されるものであってもよい。また、アプリケーションにおいて、演出態様や、ルールの異なる複数種類のスロットゲームがプレイ可能にされていてもよい。なお、アプリケーションは、ウェブブラウザであってもよい。
【0018】
本実施形態では、情報処理装置として、
図1及び
図2に示すスマートフォン1を例に挙げて説明する。尚、情報処理装置としては、スロットゲームを実現する処理(後述する、
図4~
図6の処理)をスマートフォン1とサーバ100の少なくとも一方で実行させる構成であってもよい。即ち、スロットゲームを実現する処理を、スマートフォン1が単独で行ってもよいし、サーバ100が単独で行ってもよいし、スマートフォン1とサーバ100とが連携し、処理を分担して行ってもよい。この場合、サーバ100及びスマートフォン1は、一体制御される情報処理装置とみることができる。また、サーバ100及びスマートフォン1での処理や動作を、ゲームの制御方法や、プログラムや、サーバ100とスマートフォン1との間で実現されるシステムの発明として置き換えることができる。
【0019】
(オンライン)
また、本実施形態で実行されるスロットゲームは、オンラインゲームとして実行される。これにより、プレイヤーはスマートフォン1やPC等によって、サーバ100にアクセスすることにより、プレイヤーが所持するキャッシュ(現金、クレジットカード、電子マネー、プリペイドカードなどでの決済可能)から、スロットゲーム内で使用可能な電子情報化されたコイン(クレジット:遊技媒体)への交換や、プレイヤーが所持するコインの管理なども行う。
【0020】
(サーバ100の構成)
図1に示すように、サーバ100は、スロットゲームの管理者等がスロットゲームを運営・管理する際に利用する装置であり、プレイヤーが操作するスマートフォン1から各種のリクエストやゲームデータを受信すると、そのゲームデータを記憶保存したり、スマートフォン1において動作可能なゲームプログラムや、ゲームデータ等をスマートフォン1に送信したりすることができる。本実施形態のサーバ100は、制御部131と、記憶部132と、入力部133と、表示部134と、通信部135とを有している。
【0021】
制御部131は、サーバ100でのコンピュータ制御を行うものである(CPU等:コントローラに相当)。また、制御部131と、記憶部132と、入力部133と、表示部134と、通信部135とのデータ送受信を行う。
記憶部132は、システムプログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリ等によって構成されている(記憶装置に相当)。
入力部133は、管理者等がスロットゲームに関する設定等を入力するための操作機器であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。
表示部134は、制御部131からの指令に基づいて管理者用の操作画面を表示する。
通信部135は、スマートフォン1と通信を行うためのものである。
【0022】
(スマートフォン1の構成)
図2に示すように、スマートフォン1は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F113、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、センサーコントローラ118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを、筐体11内に備えている。また、筐体11の前面には、タッチパネル5が設けられたディスプレイ120(表示装置に相当)が組み込まれている。
【0023】
ディスプレイ120(表示装置に相当)は、画像を表示可能に構成されている。ディスプレイ120の表示方式としては、液晶方式、有機エレクトロルミネッセンス方式、CRT(Cathode Ray Tube)方式、プラズマ方式等の各種の表示方式が例示される。
【0024】
CPU(Central Processing Unit)101は、スマートフォン1全体の動作を制御する(コントローラに相当)。ROM(Read Only Memory)102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。
【0025】
RAM(Random Access Memory)103は、CPU101のワークエリアとして使用される(記憶装置に相当)。フラッシュメモリ104は、本実施形態のゲームを実行するアプリケーションソフトウェア(プログラム)、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。操作ボタン108は、スマートフォン1を初期設定する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、スマートフォン1の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
【0026】
ネットワークI/F(Interface)111は、インターネット等の通信ネットワークを利用して、サーバ100等とデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従ってディスプレイ120に画像データを送信する回路である。センサーコントローラ118は、ディスプレイ120に設けられたタッチパネル5からの入力を受け付ける回路である。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。バスライン110は、CPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0027】
(スロットゲームの概要)
スマートフォン1においてスロットゲームのアプリケーションが実行されると、スロットゲームの演出画像・映像等が、スマートフォン1のディスプレイ120に表示される。その後、「スロットゲーム」を始める選択画像をタッチパネル5により選択すると、スロットゲームが始まる。例えば、スロットゲームを始めると、
図3に示すように、5列×4段のマトリックス状の20個の領域からなるシンボル表示領域21に、複数のシンボルを再配置するスロットゲームが実行可能となる。
【0028】
なお、実行可能なスロットゲームは、複数種類用意されていてもよく、実行される種類のスロットゲームにより、そのルールや配当態様や演出映像が異なっていてもよい。例えば、ある種類の「スロットゲーム」では、3列×3段のマトリックス状の9個の領域からなるシンボル表示領域に複数のシンボルを再配置するスロットゲームが実行される。このスロットゲームでは、シンボル表示領域の中段のみに設定されたペイライン上(入賞判定)に再配置されたシンボルの組み合わせにより入賞が判定される。
【0029】
ここで、本実施形態のスロットゲームを始めるに際しては、基本的には、プレイヤーが所持するコイン(遊技媒体)を所定量消費し、そのコインの消費の対価としてスロットゲームを始めることができる。なお、所定の条件が成立した場合には、コインを消費することなくスロットゲームを始めることができる(フリーゲームの付与条件を満たしたり、一日に所定回数まではコインの消費なしでスロットゲームができるなど)。
【0030】
プレイヤーが所持するコインは電子的な情報であり、プレイヤーが、スマートフォン1からサーバ100にアクセスし、スロットゲームの運営組織が指定する決済方法に従い、キャッシュから、コインに交換することができる。プレイヤーが所持するコインは、スロットゲームに影響を与える効果を得るための対価(アイテムの購入)として消費されたり、プレイヤーを象徴するキャラクタの見た目を変える対価として消費されたり、多種多様に使用される。
【0031】
また、サーバ100で管理されている、各プレイヤーが所持するコイン数は、サーバ100と各スマートフォン1との間で共有される。
【0032】
なお、遊技媒体は、特に限定されるものではなく、電子マネーや、有価情報を含まないゲームポイントであってもよい。
【0033】
(スロットゲーム:定義)
本実施形態で実行されるスロットゲームは、
図3に示すように、複数のシンボルをシンボル表示領域21内で変動させ(リールのスクロール映像)、その後に停止して表示(再配置)し、シンボル表示領域21内に表示されたシンボルの組み合わせにより特典(配当やプレイヤーに有利なアイテムなど)を付与するゲームである。尚、複数のシンボルをシンボル表示領域21内において変動後に停止させて表示した状態を、『再配置』と称している。
【0034】
シンボル表示領域21内に表示されたシンボルの組み合わせにより付与される配当は、主にコインの付与である。
【0035】
『単位ゲーム』とは、抽選により、シンボル表示領域21に再配置する複数のシンボルを決定した後、決定した複数のシンボルをシンボル表示領域21に再配置し、再配置されたシンボルの組み合わせに対して入賞判定を行い(本実施形態では、ペイライン上に再配置されたシンボルの組み合わせにより入賞を判定する)、入賞した場合には配当を付与するまでの一連の動作である。
【0036】
(スロットゲーム画面)
次に、スマートフォン1のディスプレイ120に表示される、スロットゲーム画面について説明する。
【0037】
図3に示すように、スロットゲームが実行された場合、ディスプレイ120にスロットゲーム画面が表示される。スロットゲーム画面には、5列×4段のマトリックス状(行列状)の20個の領域からなるシンボル表示領域21(列211、列212、列213、列214、列215)と、スロットゲームの実行に伴って増減する情報(現在の所持コイン数など)等を表示するゲーム情報表示領域22と、スロットゲームの展開に合わせてゲーム関係の動画や静止画やメッセージを表示する演出表示領域23と、プレイヤーがスロットゲームの進行のために操作する操作表示領域24とが表示される。操作表示領域24には、スピンボタン241と、AUTOボタン242と、ITEMボタン243と、ベットボタン244と、WIN表示部245と、ショップボタン246とが表示される。
【0038】
ディスプレイ120の全面には、スロットゲーム画面を透過するタッチパネル5が設けられている。タッチパネル5は、プレイヤーの指等が接触した部位の座標を検出可能にしている。これにより、例えば、スピンボタン241の画像がタッチされることによって、1回のスロットゲーム(単位ゲーム)が実行可能にされている。また、AUTOボタン242の画像がタッチされることによって、連続してスロットゲームが実行可能にされている。また、ITEMボタン243の画像がタッチされると、プレイヤーが、過去に獲得したアイテム(スロットゲームに影響を与える効果が得られる)を選択・使用することができる。また、ショップボタン246の画像がタッチされると、スマートフォン1からサーバ100にアクセスし、キャッシュ(プレイヤーが所持する現金、クレジットカード、電子マネー、プリペイドカードなどでの決済可能なもの)から、コインへの交換や、キャッシュ又はコインからアイテムへの交換をすることができるショップに移動することができる。
【0039】
(入賞判定)
シンボル表示領域21では、複数のシンボルが配列された、5つのビデオリールがそれぞれスクロールされ、所定時間の経過後、再配置する。その結果、それぞれのビデオリールの一部(本実施形態では連続する4個のシンボル)が遊技者に表示される。即ち、シンボル表示領域21の各列(列211~列215)の、上段、中央上段、中央下段、及び、下段の4つの領域にそれぞれ1個のシンボルが表示される。つまり、シンボル表示領域21には、5列×4段の20個のシンボルが表示される(
図7参照)。
【0040】
本実施形態での入賞判定は、各列の、上段、中央上段、中央下段及び下段の4つの領域の何れかを選択し、それぞれを結んで形成されるペイライン上に再配置されたシンボルの組み合わせにより入賞を判定するペイラインタイプを採用している。例えば、各列の中央下段を結んで形成されるペインラインや、列211の上段と列212の中央上段と列213の中央下段と列214の中央上段と列215の上段とを結んで形成されるペイラインなどが挙げられる。このようなペイライン上に、列211から列215に架けて連続して3個以上の同種のシンボルが再配置された場合に入賞(配当が付与される)となる(一方側の列から他方側の列にかけて連続して表示されることに相当)。なお、ペイラインの数については、本実施形態では、30本設定しているが、例えば50本など、任意に採用することができる。
【0041】
また、入賞判定は「LEFT TO RIGHT」タイプを採用してもよい。これは、シンボル表示領域21に再配置された20個のシンボルにおいて、シンボル表示領域21の列211から列215に架けて、同種のシンボルが所定数以上(本実施形態では、3~5個)連続して繋がっていれば入賞となる(特典として配当が付与される)。
【0042】
(ビデオリールのシンボル列)
次に、シンボル表示領域21の列211~215に表示される、5つのビデオリールが有するシンボル列の構成について説明する。なお、ビデオリールは、記憶部132又はRAM103に記憶されている。
【0043】
5つのビデオリール(列211に表示される「REEL1」、列212に表示される「REEL2」、列213に表示される「REEL3」、列214に表示される「REEL4」、列215に表示される「REEL5」)には、複数のシンボルが配列されている。各ビデオリールに配列されるシンボルの種類には、「RED7」、「BLUE7」、「HEART」、「WATERMELON」、「BELL」、「PLUM」、「CHERRY」(第3シンボルに相当)、「A」「K」、「Q」、「J」、「10」、「9」などの通常シンボル、フリーゲームが付与されるトリガーとなる、BONUSの入賞を構成する「BONUS」シンボル(第1シンボルに相当)、他のシンボルの代わりになる万能なシンボル(「BONUS」シンボル以外)である「WILD」シンボル(第2シンボルに相当)などがある。なお、「BONUS」シンボルは、スキャッタシンボルであり、シンボル表示領域21内に再配置された「BONUS」シンボルの数(3つ以上)により「BONUS」の入賞が成立するか否かが判断される。
【0044】
(ペイテーブル)
次に、記憶部132又はRAM103には、スロットゲームのペイテーブルが記憶されている。このスロットゲームのペイテーブルは、入賞(WIN)に係るシンボルの図柄の組合せ(シンボルの配置パターン)に対するコイン(1枚)の払出数(配当)を規定している。スロットゲームでは、5つのビデオリールのスクロールが停止され、シンボル表示領域21のペイライン上に、列211から列215に架けて連続して3個以上の同種のシンボルが再配置された場合に入賞となる(配当が付与される)。そして、入賞に応じて、配当がプレイヤーに付与される。
【0045】
具体的には、「RED7」の5個揃いは、「2000」の配当、「RED7」の4個揃いは、「400」の配当、「RED7」の3個揃いは、「200」の配当が付与される。また、「BLUE7」の5個揃いは、「1500」の配当、「BLUE7」の4個揃いは、「300」の配当、「BLUE7」の3個揃いは、「150」の配当が付与される。また、「HEART」の5個揃いは、「1000」の配当、「HEART」の4個揃いは、「200」の配当、「HEART」の3個揃いは、「100」の配当が付与される。また、「WATERMELON」の5個揃いは、「500」の配当、「WATERMELON」の4個揃いは、「100」の配当、「WATERMELON」の3個揃いは、「50」の配当が付与される。また、「BELL」の5個揃いは、「400」の配当、「BELL」の4個揃いは、「80」の配当、「BELL」の3個揃いは、「40」の配当が付与される。また、「PLUM」の5個揃いは、「250」の配当、「PLUM」の4個揃いは、「50」の配当、「PLUM」の3個揃いは、「25」の配当が付与される。また、「CHERRY」の5個揃いは、「100」の配当、「CHERRY」の4個揃いは、「20」の配当、「CHERRY」の3個揃いは、「10」の配当が付与される。また、「A」「K」、「Q」、「J」、「10」、「9」などの各文字シンボルの5個揃いは、「50」の配当、「A」「K」、「Q」、「J」、「10」、「9」などの各文字シンボルの4個揃いは、「10」の配当、「A」「K」、「Q」、「J」、「10」、「9」などの各文字シンボルの3個揃いは、「5」の配当が付与される。
【0046】
[プログラムの内容]
次に、
図4~
図6を参照して、スマートフォン1で実行されるスロットゲームのプログラム処理について説明する。
【0047】
(通常スロットゲーム制御処理)
まず、
図4を参照して、通常スロットゲーム制御処理について説明する。
【0048】
はじめに、スロットゲームを開始するために、CPU101は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S11)。例えば、前の単位ゲームで有効となったペイラインやBET数記憶領域のベット数カウンタの値や抽選によりシンボル表示領域21に表示することに決定されたシンボルなど、RAM103の作業領域において1回の単位ゲームごとに不要となるデータがクリアされる。
【0049】
次に、CPU101は、ベット・スタートチェック処理を行う(S12)。このベット・スタートチェック処理では、有効にするペイラインを決定する。そして、スマートフォン1のディスプレイ120の操作表示領域24のベットボタン244の「+」ボタン及び「-」ボタン(
図3参照)のタッチ操作などの入力チェックにより、プレイヤーが有効にしたペイラインにベットするコインの総数が決定される。本実施形態では、1回の単位ゲームによって30本全てのペイラインが有効化されることから、1回の単位ゲームを実行するために必要なコイン数は30コインである。従って、入賞による配当に乗算される、ベット倍率は、(ベットしたコインの総数)/(1回の単位ゲームを実行するために必要なコイン数)で計算される。例えば、ベットしたコインの総数が300であれば、ベット倍率は10倍(300/30=10)になり、ベットしたコインの総数が1200であれば、ベット倍率は40倍(1200/30=40)になる。そして、ベットしたコインの総数及びベット倍率が、RAM103のベット数カウンタに記憶される。このように、ベットしたコインの総数に伴うベット倍率が決定されることにより、スロットゲームで入賞した場合、有効になったペイライン上で成立した入賞に対応する配当の合計に、ベット倍率が乗算された値がその単位ゲームでの配当になる。例えば、2つのペイライン上に、「BELL」の3個揃い(3Kinds)の入賞(配当「40」)、及び、「J」の4個揃い(4Kinds)の入賞(配当10)がそれぞれ成立した場合、ベットしたコインの総数が300であればベット倍率は10倍であることから、(40+10)×10=「500」がその単位ゲームで付与される配当になる。
【0050】
また、このベット・スタートチェック処理では、CPU101は、スピンボタン241のタッチ操作が行われたか否かを判定し、スピンボタン241のタッチ操作が行われた場合には、S13の処理に移行して、スロットゲームを進行する。
【0051】
次に、CPU101は、通常シンボル抽選処理を行う(S13)。ここでは、ビデオリールを使用して、各ビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」、「REEL4」、「REEL5」)に配列された複数のシンボルの中から停止予定シンボルを、抽選により決定する。この停止予定シンボルは、各ビデオリールを構成する複数個のシンボルのうち、シンボル表示領域21の各列211~215の中央下段に表示する5個のシンボルのデータである。これにより、シンボル表示領域21に表示される20個のシンボルが決定される。
【0052】
そして、CPU101は、決定した5つの停止予定シンボルをRAM103に設けられているシンボル格納領域に格納する。
【0053】
次に、CPU101は、シンボル表示制御処理を行う(S14)。このシンボル表示制御処理では、
図7に示すように、ビデオリールの各シンボル列(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」、「REEL4」、「REEL5」)のスクロールが開始され、所定時間経過後、S13の通常シンボル抽選処理において決定された5つの停止予定シンボルが、シンボル表示領域21の列211~列215の各中央下段に順次再配置される。つまり、停止予定シンボルを含む20個のシンボルがシンボル表示領域21内に再配置される。例えば、REEL1では、「10」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL2では、「RED7」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL3では、「WATERMELON」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL4では、「BONUS」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL5では、「BELL」のシンボルが停止予定シンボルに決定された場合、シンボル表示領域21の列211~列215の各中央下段に、「10」「RED7」「WATERMELON」「BONUS」「BELL」がそれぞれ再配置される(
図7参照)。また、シンボル表示領域21の列211~列215の各上段、中央上段、及び、下段には、停止予定シンボルに前後に配列されたシンボルが再配置される(
図7参照)。
【0054】
次に、CPU101は、払出数決定処理を行う(S15)。この処理では、RAM103に格納された、ペイテーブルに基づいて、ペイライン上に、列211から列215に架けて連続して3個以上の同種のシンボルが再配置されて入賞が成立したか否かを判断する。そして、入賞が成立した場合には、入賞の種類に応じて配当が付与される。付与された配当は、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0055】
例えば、有効になったペイライン上に、列211から列213に架けて「RED7」シンボルが3つ再配置され、「RED7」の3Kindsの入賞が成立した場合、ペイテーブルが参照され、配当として付与されるコインが200枚(ベットしたコイン数が1枚の場合)に決定され、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0056】
次に、CPU101は払出処理を行う(S16)。CPU101は、RAM103の払出数記憶領域に格納されている値を、RAM103に設けられているコイン数カウンタの値に加算する。例えば、S15の払出数決定処理で、払出数記憶領域に「200」が格納されている場合、コイン数カウンタの値に「200」が加算される。
【0057】
次に、CPU101は、シンボル表示領域21に、3つ以上の「BONUS」シンボルが再配置された場合に成立する、「BONUS」の入賞が成立しているか否かを判断する(S17)。そして、「BONUS」の入賞が成立している場合(S17:YES)、フリーゲーム処理に移行する(S18)。詳細は後述するが、このフリーゲーム処理では、プレイヤーは、コインを消費することなくスロットゲームを、7回実行することができる。例えば、
図7に示すように、シンボル表示領域21に、4つの「BONUS」シンボルが再配置された場合、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立し、フリーゲーム処理に移行する。
【0058】
一方、「BONUS」の入賞が成立していない場合(S17:NO)、又は、S18の処理後、CPU101は、ゲーム結果送信処理を実行する(S19)。このゲーム結果送信処理では、S12の処理でベットしたコイン数(RAM103のベット数カウンタの値)、S13の通常シンボル抽選処理で決定した停止予定シンボル(即ち、シンボル表示領域21に表示される20個のシンボル)、S15の払出数決定処理で成立した入賞の種類(ハズレも含む)、S16の払出処理で更新されたコイン数カウンタの値(所持コイン数)等の、1回のスロットゲーム(単位ゲーム)の結果を、ゲーム結果情報として、サーバ100に送信する。なお、ゲーム結果送信処理は、スマートフォン1とサーバ100との間で、スロットゲームの進行・結果等を共有することにより、不正・不公平を防止したり、スマートフォン1でのスロットゲームの進行をバックアップしたりするために行われる。従って、ゲーム結果送信処理は、所定の処理後に行ってもよいし、所定時間間隔で行ってもよいし、プレイヤーやサーバ100の管理者が設定する任意のタイミングで行ってもよい。
【0059】
そして、S19の処理後、S11の処理に戻る。
【0060】
(フリーゲーム処理)
次に、
図5及び
図6を参照して、フリーゲーム処理について説明する。このフリーゲーム処理は、上記通常スロットゲーム制御処理のS17の処理において、「BONUS」の入賞が成立していると判断された場合に実行される。
【0061】
はじめに、CPU101は、RAM103のFG数カウンタの値に、「7」を加算する(S21)。この際、
図8に示すように、ディスプレイ120のFG数表示領域26に、残りのフリーゲーム数が表示される。例えば、
図8に示すように、現在、7回のフリーゲーム中の1回目のフリーゲームが実行されている場合には、FG数表示領域26には、残りのフリーゲーム数として、「6」が表示される。
【0062】
次に、CPU101は、シンボル表示領域21に、5つの「BONUS」シンボルが再配置されているか否かを判断する(S22)。即ち、上記通常スロットゲーム制御処理のS17の処理において、「BONUS」の5Kindsの入賞が成立したか否かを判断する。そして、「BONUS」の5Kindsの入賞が成立した場合(S22:YES)、CPU101は、
図10に示すように、シンボル表示領域21の、列214の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)、及び、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルを固定表示する(S23)。
【0063】
一方、、「BONUS」の5Kindsの入賞が成立しなかった場合(S22:NO)、CPU101は、シンボル表示領域21に、4つの「BONUS」シンボルが再配置されているか否かを判断する(S24)。即ち、上記通常スロットゲーム制御処理のS17の処理において、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立したか否かを判断する。そして、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立した場合(S24:YES)(
図7参照)、CPU101は、
図9に示すように、シンボル表示領域21の、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルを固定表示する(S25)。
【0064】
なお、S24の処理において、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立しなかった場合は(S24:NO)、上記通常スロットゲーム制御処理のS17の処理において、「BONUS」の3Kindsの入賞が成立したと判断されることになる。
【0065】
次に、S23の処理後、S25の処理後、又は、S24の処理において、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立しなかった場合(S24:NO)、フリーゲームにおけるスロットゲームを開始するために、CPU101は、S11の処理同様に、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S26)。
【0066】
なお、フリーゲーム処理では、通常スロットゲームで有効化されたペイライン(30個)、及びベットしたコイン数が引き継がれる。また、CPU101は、スピンボタン241のタッチ操作が行われたか否かを判定し、スピンボタン241のタッチ操作が行われた場合には、S27の処理に移行して、スロットゲームを進行する。
【0067】
次に、CPU101は、FGシンボル抽選処理を実行する(S27)。ここで、S22の処理において、「BONUS」の5Kindsの入賞が成立していると判断された場合などには、シンボル表示領域21の、列214の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)、及び、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示されていることから、このFGシンボル抽選処理では、3つのビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」)それぞれに配列された複数のシンボルの中から、それぞれ1つの停止予定シンボルを、抽選により決定する。この決定された3つの停止予定シンボルは、シンボル表示領域21の列211~213の中央下段に表示する3個のシンボルのデータである。
【0068】
また、S24の処理において、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立していると判断された場合などには、シンボル表示領域21の、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示されていることから、このFGシンボル抽選処理では、4つのビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」、「REEL4」)それぞれに配列された複数のシンボルの中から、それぞれ1つの停止予定シンボルを、抽選により決定する。この決定された4つの停止予定シンボルは、シンボル表示領域21の列211~214の中央下段に表示する4個のシンボルのデータである。
【0069】
また、S24の処理において、「BONUS」の3Kindsの入賞が成立していると判断された場合(S24:NO)には、このFGシンボル抽選処理では、5つのビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」、「REEL4」、「REEL5」)それぞれに配列された複数のシンボルの中から、それぞれ1つの停止予定シンボルを、抽選により決定する。この決定された5つの停止予定シンボルは、シンボル表示領域21の列211~215の中央下段に表示する5個のシンボルのデータである。
【0070】
そして、CPU101は、決定した停止予定シンボルをRAM103に設けられているシンボル格納領域に格納する。
【0071】
次に、CPU101は、FGシンボル表示制御処理を行う(S28)。ここで、S22の処理において、「BONUS」の5Kindsの入賞が成立していると判断された場合などには、シンボル表示領域21の、列214の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)、及び、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示されていることから、このFGシンボル表示制御処理では、
図10に示すように、3つのビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」)のスクロールが開始され、所定時間経過後、S27のFGシンボル抽選処理において決定された3つの停止予定シンボルが、シンボル表示領域21の列211~列213の各中央下段に順次再配置される。つまり、列214の全て、及び、列215の全てに固定表示された、「WILD」シンボルを含む20個のシンボルがシンボル表示領域21内に再配置される。例えば、REEL1では、「RED7」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL2では、「RED7」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL3では、「RED7」のシンボルが停止予定シンボルに決定された場合、シンボル表示領域21の列211~列213の各中央下段に、「RED7」「RED7」「RED7」がそれぞれ再配置される(
図10参照)。
【0072】
また、S24の処理において、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立していると判断された場合などには、シンボル表示領域21の、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示されていることから、このFGシンボル表示制御処理では、
図9に示すように、4つのビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」、「REEL4」)のスクロールが開始され、所定時間経過後、S27のFGシンボル抽選処理において決定された4つの停止予定シンボルが、シンボル表示領域21の列211~列214の各中央下段に順次再配置される。つまり、列215の全てに固定表示された、「WILD」シンボルを含む20個のシンボルがシンボル表示領域21内に再配置される。例えば、REEL1では、「CHERRY」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL2では、「J」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL3では、「BELL」のシンボルが停止予定シンボルに決定され、REEL4では、「10」のシンボルが停止予定シンボルに決定された場合、シンボル表示領域21の列211~列214の各中央下段に、「CHERRY」「J」「BELL」「10」がそれぞれ再配置される(
図9参照)。
【0073】
また、S24の処理において、「BONUS」の3Kindsの入賞が成立していると判断された場合(S24:NO)には、このFGシンボル表示制御処理では、
図8に示すように、5つのビデオリール(「REEL1」、「REEL2」、「REEL3」、「REEL4」、「REEL5」)のスクロールが開始され、所定時間経過後、S27のFGシンボル抽選処理において決定された5つの停止予定シンボルが、シンボル表示領域21の列211~列215の各中央下段に順次再配置される。つまり、停止予定シンボルを含む20個のシンボルがシンボル表示領域21内に再配置される(
図8参照)。
【0074】
次に、CPU101は、払出数決定処理を行う(S29)。この処理では、RAM103に格納された、ペイテーブルに基づいて、ペイライン上に、列211から列215に架けて連続して3個以上の同種のシンボルが再配置されて入賞が成立したか否かを判断する。そして、入賞が成立した場合には、入賞の種類に応じて配当が付与される。付与された配当は、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0075】
例えば、
図10に示すように、列211の中央下段と列212の中央下段と列213の中央下段と列214の中央下段と列215の中央下段を結ぶペイライン上に、列211から列215に架けて、「RED7」シンボル(「WILD」シンボルを含む)が5つ再配置され、「RED7」の5Kindsの入賞が成立した場合、上述したペイテーブルが参照され、2000枚にベット倍率が乗算された値に決定され、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0076】
また、例えば、
図9に示すように、列211の中央上段と列212の中央上段と列213の中央上段と列214の中央上段と列215の中央上段を結ぶペイライン上に、列211から列215に架けて、「HEART」シンボル(「WILD」シンボルを含む)が5つ再配置され、「HEART」の5Kindsの入賞が成立した場合、上述したペイテーブルが参照され、1000枚にベット倍率が乗算された値に決定され、RAM103に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0077】
次に、CPU101は払出処理を行う(S30)。CPU101は、RAM103の払出数記憶領域に格納されている値を、RAM103に設けられているコイン数カウンタの値に加算する。例えば、S29の払出数決定処理で、払出数記憶領域に「2000」が格納されている場合、コイン数カウンタの値に「2000」が加算される。
【0078】
次に、CPU101は、「CHERRY」の1Kindが成立しているか否かを判断する(S31)。即ち、シンボル表示領域21の列211(上段、中央上段、中央下段、及び、下段の何れか)に、「CHERRY」のシンボルが再配置され、列212には、「CHERRY」のシンボルが再配置されていない状態であるか否かが判断される(
図9参照)。
【0079】
そして、「CHERRY」の1Kindが成立している場合(S31:YES)、CPU101は、RAM103のFG数カウンタの値に、「3」を加算する(S32)。この際、ディスプレイ120のFG数表示領域26に表示された、残りのフリーゲーム数に「3」が加算さる。
【0080】
次に、CPU101は、「WILD」シンボルによって固定される列を追加する(S33)。例えば、S24の処理において、「BONUS」の3Kindsの入賞が成立していると判断されている場合(S24:NO)には、どこの列においても「WILD」シンボルが固定表示されていない状態から、シンボル表示領域21の、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示される(
図9参照)。即ち、どこの列においても「WILD」シンボルが固定表示されていない場合には、列215の全てに、「WILD」シンボルが固定表示される。
また、例えば、S24の処理において、「BONUS」の4Kindsの入賞が成立していると判断されている場合(S24:YES)には、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示されている状態から、更に、シンボル表示領域21の、列214の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示される(
図10参照)。即ち、既に、列215の全てに、「WILD」シンボルが固定表示されている場合には、更に、列214の全てに、「WILD」シンボルが固定表示される。
なお、例えば、S22の処理において、「BONUS」の5Kindsの入賞が成立していると判断されている場合(S22:YES)には、列214の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)、及び、列215の全て(上段、中央上段、中央下段、及び、下段)に、「WILD」シンボルが固定表示されている状態が維持される(
図10参照)。即ち、既に、列214の全て、及び、列215の全てに、「WILD」シンボルが固定表示されている場合には、、「WILD」シンボルによって固定される列は追加されない。
【0081】
これにより、「CHERRY」の1Kindが成立する毎に、列215の全部又は列214の全部に、「WILD」シンボルが固定表示される。これにより、「BONUS」の入賞が成立した場合だけでなく、シンボル表示領域21に、「CHERRY」のシンボルが再配置され、「CHERRY」の1Kindが成立した場合にも、列215の全部又は列214の全部に、「WILD」シンボルを固定表示することができる。
【0082】
次に、S33の処理後、又は、S31の処理で「CHERRY」の1Kindが成立しなかった場合(S31:NO)、CPU101は、RAM103のFG数カウンタの値から「1」を減算する(S34)。
【0083】
次に、CPU101は、RAM103のFG数カウンタの値が「0」か否かを判断する(S35)。そして、FG数カウンタの値が「0」でない場合(S35:NO)、S26の処理に戻る。
【0084】
一方、FG数カウンタの値が「0」であった場合(S35:YES)、CPU101は、本処理を終了する。
【0085】
上記構成によれば、S13の通常シンボル抽選処理の結果、5つの列211~215と4つの段(上段、中央上段、中央下段、下段)とが交差するようにマトリクス状に配置されたシンボル表示領域21に、4個以上の「BONUS」シンボルが表示された場合、表示された「BONUS」シンボルの個数に応じた個数の列において、「WILD」シンボルが固定表示される。そして、フリーゲームでは、その列に「WILD」シンボルが固定表示された状態で、残りの列に、S27のFGシンボル抽選処理により決定した複数のシンボルが表示され、列に固定表示された「WILD」シンボルも含めた、シンボルの組み合せに応じた配当が付与されることになる。
これにより、シンボル表示領域21に、4個以上の「BONUS」シンボルが表示された場合、フリーゲームでは、列214及び列215の両方、又は、列215に「WILD」シンボルが固定表示されることから、「WILD」シンボルを含む入賞のシンボルの組み合わせが成立する確率が向上していることを、プレイヤーに対して認識し易くすることができる。
【0086】
また、上記構成によれば、通常スロットゲーム制御処理において、シンボル表示領域21に表示された、「BONUS」シンボルの数が4つの場合は、他方側の列215の全てに「WILD」シンボルが固定表示され、シンボル表示領域21に表示された、「BONUS」シンボルの数が5つの場合は、他方側の列215の全て及び列214の全てに「WILD」シンボルが固定表示される。即ち、シンボル表示領域21に表示された、「BONUS」シンボルの個数に応じて、「WILD」シンボルが固定表示される列は、ペイライン上の最後の列215側から列211に架けて順番に追加されて設定されることになる。これにより、「WILD」シンボルが固定表示される列の順番をルール化して、プレイヤーに対して認識し易くすることができる。
【0087】
また、通常スロットゲーム制御処理において、シンボル表示領域21に「BONUS」シンボルが4つ表示された場合、フリーゲームにおいて、列215の全てに「WILD」シンボルが固定表示されることから、4つのビデオリールだけでスクロール及び再配置が行われる。これにより、フリーゲームでは、通常スロットゲームに比べて、スクロール及び再配置させるビデオリールの数が減ることから(5列-1列(固定する列数)=4列となる)、単位ゲームの消化スピードを向上させることができる。更に、通常スロットゲーム制御処理において、シンボル表示領域21に「BONUS」シンボルが5つ表示された場合、フリーゲームにおいて、列214の全て及び列215の全てに「WILD」シンボルが固定表示されることから、3つのビデオリールだけでスクロール及び再配置が行われる。これにより、フリーゲームでは、通常スロットゲームに比べて、スクロール及び再配置させるビデオリールの数が減ることから(5列-2列(固定する列数)=3列となる)、単位ゲームの消化スピードを向上させることができる。このように、フリーゲーム中は、単位ゲームを消化するスピードを向上させることによって、複数回(本実施形態では7回)の単位ゲームからなるフリーゲームの結果(幾らの配当を得たか)を比較的早く提供することができる。
【0088】
(その他の実施形態)
上記実施形態で実行されるスロットゲームは、ゲームソフトウェア(プログラム、ゲームデータ)として、スマートフォン等の携帯情報機器、ポータブルコンピュータやラップトップコンピュータ、ノートパソコン、タブレット型パソコン、ハンドヘルド型パソコン、PDA(Personal Data Assistant)などに例示される情報処理装置にインストールされて実行されてもよい。この場合、スロットゲームを実行するゲームソフトウェアは、サーバ等から通信手段によりダウンロードされて携帯情報機器内の記憶装置(フラッシュメモリ等)に格納される。なお、通信手段は、インターネットやケーブルテレビ等の双方向に通信可能な伝送路であってもよいし、一方向にだけ情報を送信する放送であってもよい。
【0089】
また、スロットゲームを実行するゲームソフトウェアは、CD-ROM、DVD-ROM、MO(光磁気ディスク)、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納され、必要に応じて記憶媒体から読み出されて、サーバ100やスマートフォン1等の情報処理装置内の記憶装置にインストールされてもよい。
【0090】
また、上記実施形態での説明内容は、インターネット(通信回線)を介して各スマートフォン1とサーバ100との間で実行されるゲームプログラムとして実施されてもよい。この場合、ゲームプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、MO(光磁気ディスク)、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納され、必要に応じて記憶媒体から読み出されてもよい。
【0091】
また、上記実施形態で実行される処理は、スマートフォン1にインストールされるゲームプログラムであってもよい。また、上記ゲームプログラムは記憶媒体(MEDIUM)に記憶されていてもよい。
【0092】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0093】
1 スマートフォン
5 タッチパネル
21 シンボル表示領域
24 操作表示領域
100 サーバ
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 フラッシュメモリ
120 ディスプレイ
131 制御部
132 記憶部