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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】遮光具及び遮光具の取付方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20240213BHJP
   F21V 31/03 20060101ALI20240213BHJP
   F21W 131/10 20060101ALN20240213BHJP
【FI】
G09F13/04 D
F21V31/03 400
F21W131:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020073187
(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公開番号】P2021170076
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年1月24日出願人である株式会社オガワから株式会社マツキンに本願発明に係る遮光具が取り付けられた内照式サインを納入
(73)【特許権者】
【識別番号】316016830
【氏名又は名称】株式会社オガワ
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】島崎 正
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-071650(JP,A)
【文献】特開平04-137308(JP,A)
【文献】実開昭58-105587(JP,U)
【文献】実開昭58-069888(JP,U)
【文献】特開2002-353644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/04
F21V 31/03
F21W 131/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内照式サインの筐体フレームに形成される水抜き孔に対し設けられ、前記内照式サイン内部の水を排水可能かつ前記水抜き孔から前記内照式サイン外部への光漏れを防止可能な遮光具であって、
本体部と、前記本体部の上部に設けられた先端部と、前記本体部に設けられた第一爪部と、前記本体部の前記第一爪部の下方に設けられた第二爪部と、を備え、前記水抜き孔において前記筐体フレームを前記第一爪部と前記第二爪部で挟持可能なクリップと、
前記クリップの先端部を圧入可能な孔部が略中央に形成された平面部と、前記平面部の下面からから垂下しそれぞれ離間するとともに略円形に配置されて前記孔部を囲む複数の突起部と、を備える遮光キャップと、からなることを特徴とする遮光具。
【請求項2】
前記複数の突起部を第一円とその内側の第二円の二重の略円状となるように配置され、前記第一円の突起部と前記第二円の突起部を周方向について互い違いに配置したことを特徴とする請求項1に記載の遮光具。
【請求項3】
前記遮光キャップは可撓性を有する軟質材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮光具。
【請求項4】
前記遮光キャップの平面部の上面を白く塗装したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一つに記載の遮光具。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか一つに記載の遮光具の取付方法であって、
前記内照式サインの外側から前記クリップを水抜き孔に対し挿入して前記筐体フレームを前記第一爪部と前記第二爪部で挟持させ、
前記突起部が前記クリップ側になるように前記遮光キャップを前記クリップに対し近付け、前記平面部の孔部に前記クリップの先端部を圧入することを特徴とする遮光具の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内照式サインの筐体フレームに形成される水抜き孔に対し設けられる遮光具及び遮光具の取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内照式サインは屋外に設置されるため雨に晒されることが前提であり、内部に水が浸入し難いように作られている。
しかし、完全に内部への水の浸入を防ぐことはできないので、図12に示すように内照式サイン1の筐体フレーム2下部には水抜き孔3が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし単にこの水抜き孔3を形成するだけでは水抜き孔3を介して虫が内照式サイン1の内部に入ってきてしまう。
また、内照式サイン1内部の光が水抜き孔3から外部へ漏れ出ることで、夜間における内照式サイン1の見栄えが設計通りにならなくなる。
【0004】
そこで、図13及び図14に示すような遮光板210と防虫網220からなる遮光具200が使用されている。
詳しくは、内照式サイン1の設置状態における最下部に水抜き孔3が形成されており、内照式サイン1の内部から防虫網220で水抜き孔3を塞ぎ、その防虫網220の上から遮光板210を被せ、溶接部201を形成し遮光板210が固定されてなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-71650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような遮光具200においては防虫網220が詰まりやすく、それに伴って内照式サイン1内部に雨水が溜まることがある。これにより、内部の汚れやLEDの故障等が発生する。
また、防虫網220や遮光板210の取り付けに手間が掛かってしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、十分な排水機能を有し、しかも取り付けが容易な遮光具及び遮光具の取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の遮光具(100)は、
内照式サイン(1)の筐体フレーム(2)に形成される水抜き孔(3)に対し設けられ、前記内照式サイン(1)内部の水を排水可能かつ前記水抜き孔(3)から前記内照式サイン(1)外部への光漏れを防止可能な遮光具(100)であって、
本体部(11)と、前記本体部(11)の上部に設けられた先端部(12)と、前記本体部(11)に設けられた第一爪部(13)と、前記本体部(11)の前記第一爪部(13)の下方に設けられた第二爪部(14)と、を備え、前記水抜き孔(3)において前記筐体フレーム(2)を前記第一爪部(13)と前記第二爪部(14)で挟持可能なクリップ(10)と、
前記クリップ(10)の先端部(12)を圧入可能な孔部(21a)が略中央に形成された平面部(21)と、前記平面部(21)の下面からから垂下しそれぞれ離間するとともに略円形に配置されて前記孔部(21a)を囲む複数の突起部(22,22a,22b)と、を備える遮光キャップ(20)と、からなることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の遮光具(100)は、
前記複数の突起部(22,22a,22b)を第一円とその内側の第二円の二重の略円状となるように配置され、前記第一円の突起部(22a)と前記第二円の突起部(22b)を周方向について互い違いに配置したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の遮光具(100)は、
前記遮光キャップ(20)は可撓性を有する軟質材からなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の遮光具(100)は、
前記遮光キャップ(20)の平面部(21)の上面を白く塗装したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の遮光具(100)の取付方法は、
前記内照式サイン(1)の外側から前記クリップ(10)を水抜き孔(3)に対し挿入して前記筐体フレーム(2)を前記第一爪部(13)と前記第二爪部(14)で挟持させ、
前記突起部(22,22a,22b)が前記クリップ(10)側になるように前記遮光キャップ(20)を前記クリップ(10)に対し近付け、前記平面部(21)の孔部(21a)に前記クリップ(10)の先端部(12)を圧入することを特徴とする。
【0013】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遮光キャップが、平面部の下面からから垂下しそれぞれ離間するとともに略円形に配置されて孔部を囲む複数の突起部を備えるので、十分な排水機能を有する。
また、遮光キャップにはクリップの先端部を圧入可能な孔部が形成されているので、筐体フレームに対して遮光具を取り付け容易である。
【0015】
また、本発明によれば、複数の突起部を第一円とその内側の第二円の二重の略円状に配置され、第一円の突起部と第二円の突起部を周方向について互い違いに配置したので、遮光性も高い。
【0016】
なお、本発明の遮光具及び遮光具の取付方法のように、クリップと遮光キャップからなる点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る遮光具におけるクリップを示す三面図である。
図2】本発明の実施形態に係る遮光具におけるクリップを示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る遮光具における遮光キャップを示す底面図である。
図4】本発明の実施形態に係る遮光具における遮光キャップを示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る遮光具における遮光キャップを示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る遮光具におけるクリップと遮光キャップが嵌合した状態を示す断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る遮光具におけるクリップと遮光キャップが嵌合する前の状態を示す斜視図である。
図8図7を下方から見た斜視図である。
図9】本発明の実施形態に係る遮光具におけるクリップと遮光キャップが嵌合した状態を示す斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係る遮光具におけるクリップと遮光キャップが嵌合した状態を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態に係る遮光具を曲面に取り付けた状態を示す断面図である。
図12】内照式サインの筐体フレームを示す斜視図である。
図13】従来例に係る遮光具を筐体フレームに取り付ける前の状態を示す斜視図である。
図14】従来例に係る遮光具を筐体フレームに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1乃至図10、及び図12を参照して、本発明の実施形態に係る遮光具100及び遮光具100の取付方法を説明する。
まず、遮光具100について説明する。
遮光具100とは、図12に示すような内照式サイン1の筐体フレーム2に形成される水抜き孔3に対し設けられ、内照式サイン1内部の水を排水可能かつ水抜き孔3から内照式サイン1内部への光漏れを防止可能とするものである。
この遮光具100は、クリップ10と、遮光キャップ20と、を備える。
【0019】
クリップ10は、本体部11と、先端部12と、第一爪部13と、第二爪部14と、を備え、プラスチック(耐久性及び耐候性に優れるポリカーボネートが好ましい)で成型される。
本体部11は、下方が開口した略コ字状であり、その幅は筐体フレーム2の水抜き孔3の直径と略等しいが若干小さい。なお、幅方向は厚さ方向とは直交する向きである。
【0020】
先端部12は、首部12aと頭部12bからなり、本体部11の上部中央から首部12aが突出し、上方に縮径する略円錐状の頭部12bが首部12aの上に設けられている。
首部12aの直径は本体部11の厚さと略等しく、本体部11の幅よりは小さい。また、首部12aの直径は後述する遮光キャップ20の平面部21に形成された孔部21aの直径よりも小さい。
頭部12bの下端の直径は首部12aの直径よりも大きい。
【0021】
第一爪部13は、本体部11の上下方向略中央であって幅方向外側に一対設けられており、それぞれが上方から下方になるにつれ幅方向外側に大きくなるよう傾斜している。
二つの第一爪部13の外側先端間の距離は水抜き孔3の直径よりも長い。
【0022】
第二爪部14は、本体部11の下端の幅方向外側両側に突出するように一対設けられている。
また、第二爪部14は第一爪部13の下方に位置し、第二爪部14と第一爪部13との距離は筐体フレーム2の厚さに略等しい。
そして、水抜き孔3にクリップ10が挿入された状態において、第二爪部14と第一爪部13とで筐体フレーム2を挟持可能となっている。なお、この挟持とは第二爪部14と筐体フレーム2間、また第一爪部13と筐体フレーム2間に隙間が全く無いことを意味するものではない。
【0023】
遮光キャップ20は、平面部21と、複数の突起部22と、を備え、可撓性を有する軟質材からなる。本実施形態においては難燃性及び耐候性に優れるシリコンゴム製とした。
平面部21は、略円盤状で略中央には孔部21aが形成されている。
この孔部21aの直径はクリップ10の首部12aの直径より大きく、クリップ10の頭部12bの直径より小さい。
また、平面部21の上面を白く塗装している。
【0024】
突起部22は、平面部21の下面の縁近傍から複数垂下して、それらが略円形に配置され第一円を形成し、平面部21の孔部21aを囲んでいる。突起部22の一つ一つは略楕円柱状で、それぞれの高さは等しい。
また、第一円のそれぞれの突起部22a同士は等間隔に離間している。
【0025】
この突起部22aからなる第一円の内側に、同様に複数の突起部22bを配置して第二円を形成した。第二円における突起部22b同士も第一円における突起部22aと同様に互いに等間隔に離間している。
そして、第一円の複数の突起部22aと第二円の複数の突起部22bを周方向について互い違いになっている。
【0026】
言い換えると、第一円の複数の突起部22a間の空隙の周方向内側に、第二円の突起部22bをそれぞれ配置することで、平面部21を周方向外側から見たとき、第一円の複数の突起部22a間の空隙を第二円の突起部22bで塞ぐようにしている。
つまり、第一円の突起部22aの周方向の長さは第二円の突起部22b間の空隙の周方向の長さよりも長く、第二円の突起部22bの周方向の長さは第一円の突起部22a間の空隙の周方向の長さよりも長い。
【0027】
また、クリップ10が回転しないように平面部21には回り止め部23が設けられている。
【0028】
次に、このような遮光具100を内照式サイン1の筐体フレーム2に取り付ける取付方法について説明する。
まず、図7及び図8に示すように内照式サイン1の外側(下方)からクリップ10を水抜き孔3に対し挿入する。挿入時にはクリップ10の第一爪部13が水抜き孔3の縁部を乗り越え、圧入するようになる。
そして、第一爪部13が水抜き孔3の縁部を乗り越えたら、筐体フレーム2を第一爪部13と第二爪部14で挟持する状態となる。
【0029】
次に、突出部がクリップ10側になるように遮光キャップ20をクリップ10に対し近付け、平面部21の孔部21aにクリップ10の先端部12を圧入し、図6及び図9に示すように遮光キャップ20に対してクリップ10を嵌合させる。
このようにして筐体フレーム2の水抜き孔3に対して遮光具100が取り付けられる。
ここで、筐体フレーム2の水抜き孔3への遮光具100の取付けに際し、治具等を必要としない。
【0030】
以上のように構成された遮光具100及び遮光具100の取付方法によれば、遮光キャップ20が、平面部21の下面からから垂下しそれぞれ離間するとともに略円形に配置されて孔部21aを囲む複数の突起部22を備えるので、十分な排水機能を有する。
また、遮光キャップ20にはクリップ10の先端部12を圧入可能な孔部21aが形成されているので、筐体フレーム2に対して遮光具100を取り付け容易である。しかも取り付けに際して治具等も必要としない。
【0031】
また、複数の突起部22を第一円とその内側の第二円の二重の略円状に配置され、第一円の突起部22aと第二円の突起部22bを周方向について互い違いに配置したので、遮光性が高く、水抜き孔3から内照式サイン1の外部へ光が漏れ難い。
さらに、遮光キャップ20が可撓性を有する軟質材からなるので、図11に示すように筐体フレーム2が曲面になっている部分であっても遮光具100を取付けることができる。
【0032】
また、遮光キャップ20の平面部21の上面を白く塗装したので、内照式サイン1の表面に光ムラが生じにくく内照式サイン1の外観を損なわない。
【0033】
なお、本実施形態において、遮光キャップ20の複数の突起部22を二重の略円状に配置したが、これに限られるものではなく、複数の突起部22を一重の略円状にしても排水機能が高く、筐体フレーム2への取付けは容易である。また、複数の突起部22の配置が一重でも全く遮光しないわけではない。
【0034】
また、遮光キャップ20は可撓性を有する軟質材からなるとしたが、これに限られるものではない。
【0035】
また、遮光キャップ20の平面部21の上面を白く塗装したが、これに限られるものではない。
さらに、クリップ10の素材をポリカーボネートとしたが、これに限られるものではなく、ポリアセタールやナイロン等であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 内照式サイン
2 筐体フレーム
3 水抜き孔
10 クリップ
11 本体部
12 先端部
12a 首部
12b 頭部
13 第一爪部
14 第二爪部
20 遮光キャップ
21 平面部
21a 孔部
22 突起部
22a 第一円の突起部
22b 第二円の突起部
23 回り止め部
100 遮光具
200 遮光具
201 溶接部
210 遮光板
220 防虫網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14