(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ワークショップの結果をデジタル化するためのスマートボードおよびセット
(51)【国際特許分類】
B43L 1/04 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
B43L1/04 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183440
(22)【出願日】2022-11-16
(62)【分割の表示】P 2021529058の分割
【原出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-11-21
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】519367809
【氏名又は名称】トリホブ、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRIHOW AG
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】ベアト、クヌーセル
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0176780(US,A1)
【文献】特開平04-295879(JP,A)
【文献】特開2018-046559(JP,A)
【文献】特開2017-013251(JP,A)
【文献】米国特許第06648051(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 1/00- 1/12
B43L 5/00- 5/02
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に設計された第1および第2の表面(2、3)を含む、ワークショップの結果をデジタル化するためのスマートボード(1)であって、
これらの表面(2、3)の間に、複数のポケット(4)が互いに平行に配置され、各ポケット(4)に、アレイ状の複数のNFC受信機(7)を含む、1つまたは複数の電気的に相互接続されたプリント板(6)が配置され、強磁性体または永久磁石の形態の複数の磁石(8)も各ポケット(4)にアレイ状に配置され、隣接するポケット(4)の前記プリント板(6)
が互いに電子的に接続され、第1の前記プリント板(6a)には電源(10)用およびデータ出力用のポート(9)が設けられていることを特徴とする、スマートボード(1)。
【請求項2】
前記ポケット(4)が、前記スマートボード(1)が前記ポケット(4)に平行な軸線(12)を有するロール(11)に巻き上げられ得るように、互いにヒンジ式に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のスマートボード(1)。
【請求項3】
前記プリント板(6)が、前記磁石(8)が取り付けられた凹部(13)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のスマートボード(1)。
【請求項4】
前記磁石(8)が、永久磁
石であり、これらの磁石が
列状に並べることができるように取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載のスマートボード(1)。
【請求項5】
前記ポケット(4)が、前記プリント板(6)および前記磁石(8)が配置された耐圧ハウジング(14)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のスマートボード(1)。
【請求項6】
ユーザによってトリガされ得る1つまたは複数のスイッチ(15)を含み、前記スイッチが
、データ出力用の前記ポート(9)に接続されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のスマートボード(1)。
【請求項7】
各NFC受信機(7)には、独自のスイッチ(15)が割り当てられていることを特徴とする、請求項6に記載のスマートボード(1)。
【請求項8】
各スイッチ(15)は、ユーザが
前記各スイッチ(15)を押すことによって前記第1および/または第2の表面(2、3)から任意選択で作動させることができることを特徴とする、請求項7に記載のスマートボード(1)。
【請求項9】
少なくとも前記第1の表面(2)が、可撓性材料
で構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のスマートボード(1)。
【請求項10】
少なくとも前記第2の表面(3)が、耐圧性材料
で構成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のスマートボード(1)。
【請求項11】
前記第2の表面(3)が、前記スマートボード(1)が完全に巻きほどかれたときに、低ギャップ面を形成することを特徴とする、請求項10に記載のスマートボード(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のスマートボード(1)と2つ以上の物体(17)とを含むセット(16)であって、各物体(17)が、永久磁石または強磁性体の形態の少なくとも1つの磁石(8)と、少なくとも1
つのRFIDトランスポンダ(18)と、を含む、セット(16)。
【請求項13】
前記物体(17)のうちの1つまたは複数が、
ユーザによってトリガされ得るスイッチ
も含むことを特徴とする、請求項12に記載のセット(16)。
【請求項14】
前記物体(17)のうちの1つまたは複数が、カード(19)として実現され
、コーディング(20)を備えることを特徴とする、請求項12または13に記載のセット(16)。
【請求項15】
前記物体(17)のうちの2つが、接続リボン(22)によって互いに接続されて、接続要素(21)を形成することを特徴とする、請求項12または13に記載のセット(16)。
【請求項16】
1つまたは2つのさらなるそのような物体(17)が、前記接続要素(21)のこの接続リボン(22)に移動可能に取り付けられている、請求項15に記載のセット(16)。
【請求項17】
接続要素(21)の各物体(17)が、内部空間(24)を有する缶(23)として実現されていることを特徴とする、請求項15または16に記載のセット(16)。
【請求項18】
これらの物体(17)のすべての磁石(8)が永久磁石の形態で実現され、これらの磁石(8)が自由に
列状に並べることができるように前記内部空間(24)に取り付けられていることを特徴とする、請求項17に記載のセット(16)。
【請求項19】
プレート(26)を有するスマートブック(25)を含み、前記プレート(26)が、前記スマートボード(1)のスイッチ(15)の2つ以上のアレイ距離にわたって延在
する長さを有し、および/または前記プレート(26)が、2つ以上のポケット(4)にわたって延在
する幅を有し、前記プレート(26)が、アレイ状またはグリッド状に配置された強磁性体または永久磁石の形態のいくつかの磁石(8)と、少なくとも2つのRFIDトランスポンダ(18)とを備え、複数ページのノートブック(27)が前記プレート(26)に取り付けられ、その前記ページには指示および選択肢のバリエーションが提供され、各バリエーション(27a)には前記スマートボード(1)のスイッチ(15)が割り当てら
れ、前記スイッチ(15)が、使用時に前記スマートブック(25)が前記スマートボード(1)に取り付けられると、前記スマートブック(25)の周りに直接配置される、請求項7から11のいずれか一項に記載のスマートボード(1)を含むセット(16)、または請求項7を参照するときの請求項12から18のいずれか一項に記載のセット(16)。
【請求項20】
紙シート(30)用およびそのための留め具(29a)用のベース(29)として実現されたクリップボード(28)を備え、前記ベース(29)には、少なくとも1
つのRFIDトランスポンダ(18)と、RFIDトランスポンダ(
18)を有する少なくとも1つの紙シート(30)とが設けられ、前記ベース(29)および前記紙(30)のRFIDトランスポンダ(18)それぞれが通信のために互いに近接するように配置されている
、請求項12から19のいずれか一項に記載のセット。
【請求項21】
実行されたアクションに対するフィードバックを示すことができる少なくとも1つのLED(31)
が前記ベース(29)に設けられていることを特徴とする、請求項
20に記載
のセット(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行に設計された第1および第2の表面を含む、ワークショップの結果をデジタル化するためのスマートボードに関する。本発明はまた、そのようなスマートボードを含む異なるセットに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークショップで使用される作業面には、ホワイトボード、ピンウォール、黒板、テーブルなどがある。例えば、参加者は、自分のアイデアを紙に書き留め、それらを全員が見ることができるようにホワイトボードまたはピンウォールなどの従来の作業面に張り付ける。続いて、評価が実行され、重複したアイデアが削除され、類似したアイデアがプールされ、重要なアイデアがさらなるアイデアで脚色される。ワークショップの目的に応じて、順序が決定され、および/または優先順位が設定され、最終的にタスクおよび責任が割り当てられる。
【0003】
このようなワークショップは、様々な色および形の粘着性のポストイット、色付きのドット、磁気ボタン、マーカ、はさみ、ピンなどが完備されたファシリテータのケースを装備したファシリテータによって付き添われていることが多い。作業結果は、せいぜい写真で記録されることができる程度である。しかしながら、完了後、作業結果は、それ以上使用されず、作業面は再び空にされる。
【0004】
一方、様々な追加機能を実行するための電子機器が装備された、本開示ではスマートボードと呼ばれる電子ホワイトボードが知られている。タブレットのように、タッチスクリーン、文字認識機能などを備えたボードが知られている。これらにより、以前に生成されたグラフィックを手書きの注釈によって補足し、修正された形態で記憶することが可能になる。しかしながら、このようなスマートボードは、非常に高価であり、ファシリテータのケースとは対照的に、ファシリテータにより簡単に持参されることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、携帯可能であり、作業結果をデジタル化された形態でコンピュータに送信してコンピュータが作業結果をさらに処理することができる、ワークショップの結果をデジタル化するための冒頭で述べた種類のスマートボードを説明することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の特徴によって解決される。本発明によると、複数のポケットが、冒頭で説明したスマートボードの第1の表面と第2の表面との間に互いに平行に配置され、各ポケットには、アレイ状の複数のNFC受信機を含む、1つまたは複数の電気的に相互接続されたプリント板が配置されている。さらに、各ポケットには、強磁性体または永久磁石の形態の複数の磁石がアレイ状に配置され、隣接するポケットのプリント板は、好ましくは蛇行して互いに電子的に接続されている。さらに、第1のプリント板には、電源用およびデータ出力用のポートが設けられている。
【0007】
本発明によるセットは、そのようなスマートボードおよび少なくとも2つ以上の物体を含み、各物体は、永久磁石または強磁性体の形態の少なくとも1つの磁石と、少なくとも1つ、好ましくは2つのRFIDトランスポンダと、を含む。
【0008】
本発明は、様々な図面において以下に例示され、以下でさらに説明される参照符号を用いてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1aはコンピュータに接続された本発明のスマートボードの概略図であって、第1の表面を見た図であり、
図1bはコンピュータに接続された本発明のスマートボードの概略図であって、第2の表面を見た図である。
【
図2】そのようなスマートボードの概略内部図である。
【
図3】
図3aおよび
図3bは、代替形態におけるスマートボードの内部図の概略部分図である。
【
図4】異なる地点での、スマートボードの部分的な領域の概略断面図である。
【
図5】巻き上げられたスマートボードの概略断面図である。
【
図6】カードの形態の本発明の物体の概略図である。
【
図7】内部空間を有する缶の形態の本発明の物体の概略図である。
【
図8】
図8aおよび
図8bは、実施形態における本発明の接続要素の概略図である。
【
図9】スマートボード上の本発明のスマートブックの概略図である。
【
図10】
図10aは本発明のクリップボードの概略図であり、
図10bは本発明の適切な紙シートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1aおよび
図1bはそれぞれ、互いに平行に設計された第1の表面2および第2の表面3を含む、ワークショップの結果をデジタル化するための本発明のスマートボード1を示す。
【0011】
このようなスマートボード1は、テーブル上に配置されてもよく、または壁もしくは従来のホワイトボードから吊り下げられてもよく、これは、スマートボード1に設けられたアイレット1aによって達成されてもよい。スマートボード1を用いた作業は、水平または垂直に可能である。
【0012】
図2は、そのようなスマートボード1の内部を示し、
図3aおよび
図3bは、スマートボード1の個々のセグメントの拡大図を示す。これらの表面2、3の間には、複数のポケット4が互いに平行に配置されており、これらのポケットは、接合部5で互いに接続されている。各ポケット4には、1つまたは複数の電気的に相互接続されたプリント板6が配置され、プリント板は、アレイ状の複数のNFC受信機7を含む。また、各ポケット4には、強磁性体または永久磁石の形態の複数の磁石8がアレイ状に配置されている。これらの磁石8は、この目的のためにプリント板6に設けられた凹部13内に取り付けられてもよい。永久磁石、特に棒状の磁石が磁石8として選択される場合、これらの磁石が整列することができるように取り付けられると有利である。NFC受信機7および磁石8は、アレイ内でそれぞれ交互に配置されているのが好ましい。
図3aおよび
図3bに示されるように、ポケット4内のプリント板6は、互いに電子的に接触するように、例えば、電気接続部9aで互いに差し込まれてもよい。
図4は、プリント板6および磁石8の領域における個々のポケット4の断面を示す。
【0013】
隣接するポケット4のプリント板6は、電気接続部9aで、
図2に示されるように好ましくは蛇行して互いに接続されている。第1のプリント板6aには、電源10に接続するためのポート9、および例えばコンピュータ10にデータを送信するためのデータ出力用のポート9が設けられている。
【0014】
さらに、1つまたは複数のスイッチ15、好ましくは、ユーザによってトリガされ得る圧力スイッチが、ポケット4内に配置されていてもよい。好ましい実施形態では、
図3bに示されるように、各NFC受信機7には、独自のスイッチ15が割り当てられている。スイッチ15の構造に応じて、スイッチ15を、ユーザがこれを押すことによって、第1および/または第2の表面2、3から任意選択で作動させることができるように設計されてもよく、あるいは
図4の右側部分に示されるように、2つのスイッチ15が互いに向かい合って配置されていてもよい。各スイッチ15は、データ出力用のポート9にも接続されている。
【0015】
ポケットは、互いにヒンジ式に接続されているため、スマートボード1は、
図5に示されるように、細長いポケット4に平行な軸線12を有するロール11状に巻かれてもよい。ポケット4は、内部にプリント板6および磁石8が保護的に配置された耐圧ハウジング14を備えるのが好ましい。最終的に、スイッチ15は、これらのハウジング14に取り付けられ、例えばこれらのスイッチ15を押すことによって、外部から作動させるようになっている。
【0016】
少なくとも第1の表面2は、この表面2がピンまたは針によって穿孔され得るように、可撓性材料、特にフェルトマット2aなどの繊維材料から構成されているのが好ましい。したがって、紙片に情報を書き込んでこの紙片をスマートボード1にピン止めするのが簡単である。
【0017】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも第2の表面3は、耐圧材料、好ましくはプラスチック板3aから構成されていてもよい。この第2の表面3は、スマートボード1が完全に巻きほどかれたときに低ギャップになるように設計されているのが好ましい。この第2の表面3は、拭き取り式マーカで簡単に書き込まれてもよく、自己粘着性のポストイットが張り付けられてもよい。両方の表面2、3を同じように設計することも可能である。
【0018】
このようなスマートボード1は、今や作業するのに適している。情報は、スマートボード1に様々な仕方で張り付けられてもよい。説明または装備されたスマートボード1は、ここで説明されるさらなるモジュール17、19、21、23、25、28によってモジュール式に拡張されてもよく、これらのモジュールは、スマートボード1と共にセット16を形成する。しかしながら、これらのモジュール17、19、21、23、25、28のそれぞれは、単独で、または他のそのようなモジュール17、19、21、23、25、28と関連して、あるいはここでは言及されていない構成要素と共に使用されてもよい。目的は常に、グループとして、またはプロジェクトで作業している間に、情報を整理、記憶、および転送することである。原則として、コーチは、そのようなグループ作業を先導し、付き添って、参加者にスマートボード1およびモジュール17、21、23、25、28を用いた作業方法を説明する。
【0019】
したがって、情報は、例えば、スマートボード1の磁石8に付着する磁気的に張り付けられたモジュール17、19、21、23、25に書き込まれてもよい。情報はまた、互いに重ねて配置され、グループにまとめられ、または論理的な順序に整理されてもよい。追加情報も、スマートボード1に直接張り付けられてもよい。
【0020】
本発明のセット16は、例えば、スマートボード1と、
図6または
図7に示されるような、モジュールを表す2つ以上の物体17と、を含む。原則として、複数のそのような物体17が使用される。これらの物体17のそれぞれは、永久磁石または強磁性体の形態の少なくとも1つの磁石8と、少なくとも1つ、好ましくは2つのRFIDトランスポンダ18と、を含む。任意選択で、物体17は、スイッチ15、特に圧力スイッチも含むことができる。
【0021】
図6による第1の好ましい実施形態では、これらの物体17のうちの1つまたは複数がカード19として実現されてもよい。カード19は、例えば、クレジットカードまたは名刺のサイズおよび形状を有する。好ましい実施形態では、これらカードは、例えばノッチの形態のコーディング20を含む。このようなコーディング20は、あるグループに属して、すべてが同じコーディング20を含むカード19を他のカード19から分離するのに役立つことができる。このために、カード19は、それぞれのグループのノッチ20に対応する溝を底部に備えた、この目的のために設けられたボックス内に配置される。このグループに属さず、したがって異なるコーディング20を有するカード19は、溝の少なくとも1つに当接し、その結果、これらの地点にノッチ20を備える他のカード19と比較して目立つ。これにより、これらのカードを簡単に仕分けすることができる。
【0022】
側面の追加のカラーコーディングは、後続の各カード19のカラーコーディングが前のカードのカラーコーディングからわずかにずれている場合、例えば、カード19の順序をマーキングすることができる。これにより、順序を制御することが非常に簡単になる。
【0023】
カード19としての設計に代わるものとして、物体17は、
図7に示されるような、ハウジング24および内部空間24を有する缶23として設計されてもよい。缶23は、カード19よりも握りやすい。各缶23の内部空間24は、1つまたは複数のRFIDトランスポンダ18および磁石8を収容することができ、加えてスイッチ15が缶23に取り付けられてもよい。磁石8は、永久磁石として実現され、自由に整列することができるように内部空間24に取り付けられているのが好ましい。いくつかの磁石8を設けることも可能である。さらなる適切な電子部品がプリント板6上に配置されてもよい。缶23は、例えば、スイッチ15の作動後にフィードバックを与えるLED31を有してもよい。このための給電は、スマートボード1からRFIDトランスポンダ18を介して実行されてもよい。缶23は、内部空間24に配置された構成要素を外力の衝撃および汚染から保護する。
【0024】
そのような物体17またはカード19は、既に書き込まれていてもよく、または作業中に書き込まれてもよい。磁石8のおかげで、それらの物体またはカードは、スマートボード1に付着する。それらのRFIDトランスポンダ18は、NFC受信機7に対応している。これにより、スマートボード1に取り付けられたコンピュータ10に、カード19のID番号と、カード19が付着したスマートボード1上の位置と、を送信することができる。カード19には、コンピュータ10によってアクセスされ得るデータベースに記憶されたさらなるプロパティが割り当てられてもよい。加えて、カード19がスマートボード1に取り付けられる前に、例えばスマートボード1のスイッチ15を作動させた場合は、さらなるアクションが開始されてもよい。視覚的な情報または他の情報が取り出されてもよく、あるいはそれぞれのカード19のID番号に割り当てが行われてもよい。例えば、「スマートボード1に割り当てられたカメラによって撮影された次の写真が、スイッチ15に取り付けられたそのカード19のID番号にデータベース内でリンクされる」などの割り当てが作成されてもよい。したがって、例えば、プロジェクトマネージャとして任命されることになる人物の写真、または現実化することになる建築モデルの写真がカード19に割り当てられてもよい。スイッチ15を再び作動させると、対応する写真がディスプレイに表示されてもよい。いくつかのカード19が上下に配置される場合、それらすべてのカード19の対応する写真が表示される。これらは、ほんの一例である。管理システムは、スマートボード1および異なる物体17、19、21、23、25、28を用いて作業するための様々な命令を実行する複数のプレゼンテーションプログラムを含んでもよい。これに対応して、管理システムは、異なるグループのカード19の1つまたは複数のボックスを含んでもよく、個々のカード19のID番号は、データベースに既に記録されており、特定の情報と相関付けられている。
【0025】
本発明のさらなるセット16もまた、上述されたような、スマートボード1および物体17を含む。加えて、本セットは、
図8aおよび
図8bに示される1つまたは複数の接続要素21を含む。接続要素21は、接続リボン22によって互いに接続された2つの物体17を含む。接続リボン22は、物体17の視覚的および構造的な接続を表しているに過ぎず、弾性であってもよい。物体17は、カード19または、
図8aに示されるような缶23として実現されてもよい。物体17の磁石8と共に、接続リボン22の2つの端点がスマートボード1上に配置されると、これらの端点の2つの場所を互いにリンクする割り当てが作成されてもよい。これは、時系列、階層、一体性などを意味することができる。缶23は、
図7で説明されたように実現されてもよい。特に、缶23は、内部空間24を有するハウジング14を含むことができる。
【0026】
図8bに示されるような、接続要素21の好ましい実施形態では、1つまたは2つのさらなるそのような物体17が接続リボン22に移動可能に取り付けられている。1つの物体17のみが取り付けられている場合は、これは、パーセント値として理解されてもよく、すなわち、接続リボン22の端部間の中央に可動物体17を配置することは50%を意味し、一方の端部へ半分だけ移動させることは、所定の開始位置に応じて、25%または75%をそれぞれ意味する。スケーリングは、ランダムに細かい値に分解されることができず、配置は、RFIDトランスポンダ18の配置に基づいて、NFC受信機7によって検出される。
【0027】
図8bに示されるように、2つの物体17が接続リボン22に移動可能に配置されている場合、これは、例えば、接続リボン22の両端にある物体17によってそれぞれ定義される最小と最大との間の領域として解釈されてもよい。スマートボード1上の位置の検出は、可動である物体17の場合と同じように行われる。接続要素21は、任意選択で、スマートボード1上に直接、またはそのような物体がスマートボード1上に既に配置されている場合はカード17上に配置されてもよい。
【0028】
接続要素21の物体17は、任意選択で、
図6で説明されたようなカード19として、または
図7で説明されたような内部空間24を有する缶23として実現されてもよい。
【0029】
さらなる好ましい実施形態では、セット16またはスマートボード1は、
図9に示されるように、スマートブック25の形態の物体17を含む。前提条件は、スマートボード1の各NFC受信機7には、独自のスイッチ15が割り当てられていることである。スマートブック25は、プレート26を含み、その長さは、スマートボード1のスイッチ15の2つ以上のアレイ距離にわたって延在しており、および/またはその幅は、2つ以上のポケット4にわたって延在している。プレート26は、アレイ状もしくはグリッド状に配置された強磁性体または永久磁石の形態のいくつかの磁石8と、
図6のカード19と同様の少なくとも2つのRFIDトランスポンダ18と、を備える。加えて、複数ページのノートブック27がプレート26に取り付けられており、そのページには指示および選択肢のバリエーション27aが提供されている。これらのバリエーション27aのそれぞれには、スマートボード1のスイッチ15が割り当てられてもよく、このスイッチ15は、使用時にスマートブック25がスマートボード1に付着している場合は、スマートブック25の周囲に直接配置される。これらのスイッチ15を作動させると、追加情報が取り出され、その情報は、指示を含んでもよい。加えて、ページが完了したときに作動するスイッチ15が定義されてもよい。次いでページがめくられ、さらなる追加情報が取り出された後、次のページの指示に従う。
このようなスマートブック25は、異なるワークショップまたはプロジェクトのために製造されてもよく、プロセス、例えば決定プロセスを通して、ユーザをガイドすることができる。異なる態様(価格、品質、需要、リスクなど)がページ上にそれぞれ照明されてもよく、選択のためにユーザに利用可能なバリエーションがスマートボード1の周囲のスイッチ15に割り当てられてもよい。スマートボード1は、スマートボード1のNFC受信機に対応する2つのRFIDトランスポンダを用いて、スマートブック25の位置を認識する。ここでも、スイッチ15を作動させることによってユーザによってスマートボード上で入力されたすべての情報がコンピュータに送られ、そこでさらに処理される。
【0030】
さらに、
図10aに示されるようなクリップボード28が、スマートボード1または言及されたセット16と共に追加モジュールとして使用されてもよい。クリップボード28は、
図10bに示されるような紙シート30用の留め具29aを有するベース29から構成され、少なくとも1つ、好ましくは2つのRFIDトランスポンダ18が設けられている。紙シート30自体も、1つまたは2つのRFIDトランスポンダ18を含み、ベース29および紙シート30の少なくとも1つのRFIDトランスポンダ18それぞれは、紙シート30が留め具29aに固定されると、通信のために互いに近接して配置される。ベース29は、紙シート30が正確にどこに配置されるべきかを示すマーキング30aを含むのが好ましい。ベース29はまた、好ましくはマトリクス状に配置された複数のスイッチ15を含むことができる。これらのスイッチ15は、表面の後ろに隠されて、マーキングまたは配置されてもよい。スマートブック25と同様に、紙シート30は、予め製造された紙シート30の集積体の一部であってもよい。シート30がベース29のマーキング30aに固定されると、これらのシート30のそれぞれには、様々な情報、指示、および選択肢のバリエーション27aと、クリップボード28のスイッチ15の位置にそれぞれ配置された、いくつかのマーキングフィールド15aと、が提供される。ユーザは、状況に応じて、例えば、対応するスイッチ15を押すことによって、それらをそれぞれ作動させる。
図10bにおいて、ユーザが選択的に作動させることができるマーキングフィールド15aは、文字A、B、およびCの下に配置された円によってマーキングされている。さらなるマーキングフィールド15aは、下の表の十字の位置にある。適用可能なものに応じて、ユーザは、マーキングフィールド15aを押すことによって、クリップボード28上の対応するスイッチ15を作動させる。
【0031】
クリップボード28は、記録されたデータをコンピュータ10に送信する無線インターフェースであってもよいポート9をさらに含む。
【0032】
クリップボード28はまた、実行されたアクションに対するフィードバックを与えるために、または情報を受信するために、1つまたは複数のLED31を含むことができる。例えば、点灯されたLED31は、特定の主題に関する情報が画面に表示されていることを示すことができる。
【0033】
スマートボード1および物体17を含むセット16であって、物体が、カード19、缶23、接続要素21、またはクリップボード28であるセット16は、図ではそのように示されていない。物体19、21、23、および28は、スマートボード1なしで、単に単独で示されている。スマートボード1およびスマートブック25を含むセット16のみが
図9に示されている。本発明に従ってここに記載されたすべての物体17、19、21、23、25、および28はまた、単独で、または他の物体17、19、21、23、25、および28と組み合わせて使用されてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 スマートボード
1a アイレット
2 第1の表面
2a フェルトマット
3 第2の表面
3a プラスチック板
4 ポケット
5 接合部
6 プリント板
6a 第1のプリント板
7 NFC受信機
8 磁石、強磁性または永久磁石
9 ポート
9a 電気接続部
10 電源、コンピュータ
11 ロール
12 軸線
13 凹部
14 ハウジング
14a ハウジング部
15 スイッチ、圧力スイッチ
15a スイッチのマーキングフィールド
16 セット
17 物体
18 RFIDトランスポンダ
19 カード
20 コーディング、ノッチ
21 接続要素
22 接続リボン
23 缶
24 内部空間
25 スマートブック
26 プレート
27 ノートブック
27a 情報、指示、選択肢のバリエーション
28 クリップボード
29 ベース
29a 留め具
30 紙シート
30a 紙シートのマーキング
31 LED