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特許7433677使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A61M1/00 135
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022548032
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2021077395
(87)【国際公開番号】W WO2021203855
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202010280226.7
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522312470
【氏名又は名称】北京鴻鵠高翔科技開発有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】王兵
(72)【発明者】
【氏名】郭東良
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209060114(CN,U)
【文献】国際公開第2012/002314(WO,A1)
【文献】特開2014-117479(JP,A)
【文献】中国実用新案第207384575(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0121517(US,A1)
【文献】国際公開第2016/132937(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシング・吸引式ドレナージチューブは、フラッシングチューブ(1)と、吸引チューブ(2)と、取り付けスタンド(3)と、を含み、前記取り付けスタンド(3)は、一端に前記フラッシングチューブ(1)及び前記吸引チューブ(2)がそれぞれ取り付けられ、他端にガス継手(4)及び水継手(5)が取り付けられ、前記取り付けスタンド(3)は、チューブスタンド(31)と、制御スタンド(32)と、を含み、前記チューブスタンド(31)は、一端に前記フラッシングチューブ(1)及び前記吸引チューブ(2)が取り付けられ、他端が前記制御スタンド(32)と取り外し可能に接続され、
前記制御スタンド(32)は、制御スタンド本体(321)と、通水インナーパイプ(322)と、止水ピン(323)と、水制御スイッチ(324)と、を含み、前記水制御スイッチ(324)は、前記制御スタンド本体(321)にスライド可能に取り付けられ、前記止水ピン(323)は、前記制御スタンド本体(321)内に可動に取り付けられ、前記通水インナーパイプ(322)は、前記制御スタンド本体(321)内に取り付けられ、前記止水ピン(323)は、前記水制御スイッチ(324)と合わせて前記通水インナーパイプ(322)の通水量を制御し、前記制御スタンド本体(321)に負圧調整口(6)が開設され、
前記チューブスタンド(31)の内部には、通水キャビティ(311)及び第1の通ガスキャビティ(312)がそれぞれ設けられ、前記フラッシングチューブ(1)から離れた前記チューブスタンド(31)の一端には、水接続スタンド(7)及びガス接続スタンド(8)がそれぞれ接続され、
前記制御スタンド(32)は、固定ハウジング(325)をさらに含み、前記固定ハウジング(325)は、前記制御スタンド本体(321)に取り外し可能に取り付けられ、前記固定ハウジング(325)と前記制御スタンド本体(321)との間に取り付け溝が形成され、前記水制御スイッチ(324)が前記取り付け溝内に取り付けられ、
前記固定ハウジング(325)に複数の取り付けプラグ(20)が設けられ、前記制御スタンド本体(321)に前記取り付けプラグ(20)と合せた複数の取り付け位置決め孔(19)が設けられ、
前記通水インナーパイプ(322)は、パイプ本体(3221)と、取り付けヘッド(3222)と、を含み、前記取り付けヘッド(3222)は、インナーパイプ溝(12)の位置決め孔に係着され、パイプ本体(3221)から離れた取り付けヘッド(3222)の一端のキャビティ孔径は、前記水接続スタンド(7)の外径に合わせて水の滲み出しを防止する
ことを特徴とする使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【請求項2】
前記ガス接続スタンド(8)内には、前記第1の通ガスキャビティ(312)と連通する第2の通ガスキャビティ(80)が開設され、前記ガス接続スタンド(8)外には、接続レール(9)と環状の制限突起(10)が設けられ、前記ガス接続スタンド(8)には、前記負圧調整口(6)の位置に対応する切欠き(81)が開設される、ことを特徴とする請求項に記載の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【請求項3】
前記制御スタンド本体(321)内に前記第2の通ガスキャビティ(80)と連通する負圧通路(11)が設けられ、前記負圧通路(11)は、一端の内部に前記接続レール(9)と嵌合する位置決め溝(110)及び前記制限突起(10)と嵌合する凹溝が開設され、他端に前記ガス継手(4)が取り付けられる、ことを特徴とする請求項に記載の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【請求項4】
前記制御スタンド本体(321)内にインナーパイプ溝(12)がさらに開設され、前記通水インナーパイプ(322)は前記インナーパイプ溝(12)内に取り付けられ、前記通水インナーパイプ(322)は、一端が前記水接続スタンド(7)に取り付けられ、他端が前記水継手(5)に接続され、前記インナーパイプ溝(12)の両側にいずれも長手方向に開口する第1のガイド溝(13)と第2のガイド溝(14)がそれぞれ設けられ、前記止水ピン(323)は、一端が前記第1のガイド溝(13)内に取り付けられ、他端が前記第2のガイド溝(14)内に取り付けられる、ことを特徴とする請求項に記載の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【請求項5】
前記フラッシング・吸引式ドレナージチューブは、照明装置(21)をさらに含み、前記照明装置(21)は、発光ダイオード(211)と、電池(212)と、光ファイバー(213)と、を含み、前記発光ダイオード(211)、電池(212)は、電気的に接続されるとともに、前記発光ダイオード(211)と、光ファイバー(213)が接続され、前記発光ダイオード(211)及び前記電池(212)は、前記チューブスタンド(31)内に取り付けられ、前記チューブスタンド(31)の前端に光透過孔(22)が設けられ、前記光ファイバー(213)は、一端が前記光透過孔(22)を貫通して前記発光ダイオード(211)に接続され、他端が前記チューブスタンド(31)から離れる方向に延び、
前記発光ダイオード(211)の正負のリード線は、前記電池(212)の正負の電極に対応して接続され、前記発光ダイオード(211)の一方のリード線に弾性リード線(23)が取り付けられ、前記弾性リード線(23)と前記電池(212)との間は絶縁シート(24)により隔てられ、使用時に前記絶縁シート(24)を引き出して前記弾性リード線(23)を電池(212)の正負の電極に接触させることで、電池(212)の電力により発光ダイオード(211)を発光させるように駆動し、
前記チューブスタンド(31)の前記電池(212)に対応する位置にストッパ(25)が取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【請求項6】
前記水制御スイッチ(324)は、操作プレート(3241)と、取り付けスライダー(3242)と、ピン制御ブロック(3243)と、を含み、前記操作プレート(3241)、前記取り付けスライダー(3242)及び前記ピン制御ブロック(3243)は、上から順次に接続され、前記ピン制御ブロック(3243)は、斜め腰面(15)と、下部底面(16)と、を含む逆直角台形のブロックであり、前記ピン制御ブロック(3243)の下方に裂け目(17)が開設される、ことを特徴とする請求項1に記載の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【請求項7】
前記フラッシングチューブ(1)の先端は、前記吸引チューブ(2)の先端から5~35mmの距離にある傾斜開口部であり、前記フラッシングチューブ(1)外に碍管(18)がさらに接続され、前記碍管(18)が前記吸引チューブ(2)外に套設される、ことを特徴とする請求項1に記載の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年04月10日に中国特許庁に提出された、出願番号が「202010280226.7」で、出願名称が「使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ及びその使用方法」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、医療機器の技術分野に関し、具体的には、使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
手術中に無菌生理塩で手術領域又は機器をフラッシングする必要があり、しかも、術野の汚れを清掃し、術野をきれいにし、感染を減らすために、創傷から発生する血色の液体又はフラッシング水をタイムリーに吸引排出する必要もある。手術中のフラッシング及びドレナージは通常アシスタントで補助して行われ、ドレナージ及びフラッシングの過程において、フラッシングとドレナージとの変換を制御する必要があり、ドレナージの排液の大きさを制御する必要がある。
【0004】
現存のフラッシング・ドレナージ装置は一般的に、両手で協調して作業する必要があり、操作が煩雑であり、しかしいくつかの場合に現場の作業者の条件制限により、医者は操作を簡略化する必要があり、例えば医者自身で操作するが、現在のフラッシング・ドレナージ装置の構造は片手でフラッシングとドレナージとの変換及びドレナージの排液の大きさを同時に制御することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、本願は、従来のフラッシング・ドレナージ装置の操作が煩雑で、片手で制御を実現できないなどの問題を解決するために、使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブ及びその使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願の実施例は以下の技術的解決手段を提供する。
本願の実施例の第1の態様にて提供される使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブは、フラッシングチューブと、吸引チューブと、取り付けスタンドと、を含み、前記取り付けスタンドは、一端にフラッシングチューブ及び吸引チューブがそれぞれ取り付けられ、他端にガス継手及び水継手が取り付けられ、前記取り付けスタンドは、チューブスタンドと、制御スタンドと、を含み、前記チューブスタンドは、一端に前記フラッシングチューブ及び前記吸引チューブが取り付けられ、他端が前記制御スタンドと取り外し可能に接続され、
前記制御スタンドは、制御スタンド本体と、通水インナーパイプと、止水ピンと、水制御スイッチと、を含み、前記水制御スイッチは、前記制御スタンド本体にスライド可能に取り付けられ、前記止水ピンは、前記制御スタンド本体に可動に取り付けられ、前記通水インナーパイプは、前記制御スタンド本体内に取り付けられ、前記止水ピンは、前記水制御スイッチと合わせて前記通水インナーパイプの通水量を制御し、前記制御スタンド本体に負圧調整口が開設される。
【0007】
さらに、前記チューブスタンドの内部には、通水キャビティ及び第1の通ガスキャビティがそれぞれ設けられ、前記フラッシングチューブから離れた前記チューブスタンドの一端には、水接続スタンド及びガス接続スタンドがそれぞれ接続される。
【0008】
さらに、前記ガス接続スタンド内には、前記第1の通ガスキャビティと連通する第2の通ガスキャビティが開設され、前記ガス接続スタンド外には、接続レールと環状の制限突起が設けられ、前記ガス接続スタンドには、前記負圧調整口の位置に対応する切欠きが開設される。
【0009】
さらに、前記制御スタンド本体内に前記第2の通ガスキャビティと連通する負圧通路が設けられ、前記負圧通路は、一端の内部に前記接続レールと嵌合する位置決め溝及び前記制限突起と嵌合する凹溝が開設され、他端に前記ガス継手が取り付けられる。
【0010】
さらに、前記制御スタンド本体内にインナーパイプ溝がさらに開設され、前記通水インナーパイプは前記インナーパイプ溝内に取り付けられ、前記通水インナーパイプは、一端が前記水路接続スタンドに取り付けられ、他端が前記水継手に接続され、前記インナーパイプ溝の両側にいずれも長手方向に開口する第1のガイド溝と第2のガイド溝がそれぞれ設けられ、前記止水ピンは、一端が前記第1のガイド溝内に取り付けられ、他端が前記第2のガイド溝内に取り付けられる。
【0011】
さらに、前記フラッシング・吸引式ドレナージチューブは、照明装置をさらに含み、前記照明装置は、発光ダイオードと、電池と、光ファイバーと、を含み、前記発光ダイオード、電池及び光ファイバーは、電気的に接続され、前記発光ダイオード及び前記電池は、前記チューブスタンド内に取り付けられ、前記チューブスタンドの前端に光透過孔が設けられ、前記光ファイバーは、一端が前記光透過孔を貫通して前記発光ダイオードに接続され、他端が前記チューブスタンドから離れる方向に延び、
前記発光ダイオードの正負のリード線は、前記電池の正負の電極に対応して接続され、前記発光ダイオードの一方のリード線に弾性リード線が取り付けられ、前記弾性リード線と前記電池との間は絶縁シートにより隔てられ、使用時に前記絶縁シートを引き出して前記弾性リード線を電池の正負の電極に接触させることで、電池の電力により発光ダイオードを発光させるように駆動し、
前記チューブスタンドの前記電池に対応する位置にストッパが取り付けられる。
【0012】
さらに、前記制御スタンドは、固定ハウジングをさらに含み、前記固定ハウジングは、前記制御スタンド本体に取り外し可能に取り付けられ、前記固定ハウジングと前記制御スタンド本体との間に取り付け溝が形成され、前記水制御スイッチが前記取り付け溝内に取り付けられる。
【0013】
さらに、前記水制御スイッチは、操作プレートと、取り付けスライダーと、ピン制御ブロックと、を含み、前記操作プレート、前記取り付けスライダー及び前記ピン制御ブロックは、上から順次に接続され、前記ピン制御ブロックは、斜め腰面と、下部底面と、を含む逆直角台形のブロックであり、前記ピン制御ブロックの下方に裂け目が開設される。
【0014】
さらに、前記フラッシングチューブの先端は、前記吸引チューブの先端から5~35mmの距離にある傾斜開口部であり、前記フラッシングチューブ外に碍管がさらに接続され、前記碍管が前記吸引チューブ外に套設される。
【0015】
本願の実施例の第2の態様にて提供されるフラッシング・吸引式ドレナージチューブの使用方法は、
ガス継手を負圧源に接続し、水継手を水源に接続するステップと、
フラッシングが必要な時、前記水制御スイッチを開端に向かってスライドさせ、前記水制御スイッチは、その下部底面が前記止水ピンに当接してからその斜め腰面が前記止水ピンに当接するまでスライドし、前記止水ピンは、前記通水インナーパイプの弾力により上方に移動し、通水インナーパイプは、閉路から通路に変わり、水が水継手、通水インナーパイプを経て前記フラッシングチューブに達すれば、フラッシング作業を行うことができ、前記水制御スイッチの位置を調整し、前記水制御スイッチの斜め腰面が前記止水ピンに当接する位置を調整し、前記止水ピンの上方への移動距離を制御し、前記通水インナーパイプが圧壊される程度をさらに制御し、水の流速を調整する目的を達成し、フラッシングを停止する必要がある時、前記水制御スイッチを閉端に向かってスライドさせ、前記水制御スイッチは、その斜め腰面が前記止水ピンに当接してからその下部底面が前記止水ピンに当接するまでスライドし、前記止水ピンは下方に移動し、前記通水インナーパイプを圧壊し、通水インナーパイプが通路から閉路に変わり、水の流れを遮断させるステップと、
吸引が必要な時、前記負圧調整口を指で塞いで廃液及びリンス液を吸引し、負圧調整口を塞ぐ程度で前記吸引チューブの吸引力の強さを調整するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本願は、以下の利点を有する。
【0017】
本願の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブは、使い捨ての医療用品であり、フラッシングチューブと、吸引チューブと、取り付けスタンドと、を含み、取り付けスタンドにおける負圧調整口により吸引チューブによる吸引制御を可能にし、取り付けスタンドにおける水制御スイッチによりフラッシングチューブの開閉及び水流量を制御可能にし、且つ負圧調整口の位置が水制御スイッチの位置に近く、片手で操作しやすく、フラッシングとドレナージとの変換及びドレナージの大きさの制御を同時に制御でき、操作しやすい。
【0018】
本願の使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブには、手術部位を照明して手術をよりはっきりにするための照明装置がさらに設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、本願の実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、単に例示的なものであり、当業者であれば、創造的な労力を行わずに、提供された図面に基づき、さらなる実施の図面が得られる。
【0020】
本明細書に示された構造、比率、大きさなどは、いずれも本明細書に開示された内容と合わせて、当業者が理解して読むためのみに用いられるものであり、本願で実施可能な限定条件を限定するものではなく、技術的な実質的な意味を持たず、いずれの構造の修飾、比率関係の変更又は大きさの調整も、本願で生じる効果及び達成可能な目的に影響を与えることなく、いずれも本願に開示された技術内容によりカバー可能な範囲に含まれるべきである。
図1】本願の実施例1にて提供される使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブの全体構造図である。
図2】本願の実施例1にて提供される使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブの分解図である。
図3】本願の実施例1にて提供される使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブの内部構造図である。
図4】本願の実施例1にて提供されるチューブスタンドの立体概略図である。
図5】本願の実施例1にて提供される制御スタンド本体の立体概略図である。
図6】本願の実施例1にて提供される通水インナーパイプの構造概略図である。
図7】本願の実施例1にて提供されるフラッシングする時の止水ピンと水制御スイッチとの合せた使用図である。
図8】本願の実施例1にて提供されるフラッシングを閉める時の止水ピンと水制御スイッチとの合せた使用図である。
図9】本願の実施例2にて提供されるフラッシング・吸引式ドレナージチューブにおける照明装置の構造概略図である。
図10】本願の実施例2にて提供されるチューブスタンドにおける光ファイバーの取り付け概略図である。
図11】本願の実施例2にて提供されるフラッシング・吸引式ドレナージチューブにおけるチューブスタンドの立体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、特定の具体的な実施例で本願の実施形態を説明するが、当業者は、本明細書に開示した内容により本願の他の利点及び効果を容易に理解することができ、明らかに、説明された実施例は、本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を行わずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0022】
(実施例1)
図1~5に示す使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブは、フラッシングチューブ1と、吸引チューブ2と、取り付けスタンド3と、を含み、前記取り付けスタンド3は、一端に前記フラッシングチューブ1及び前記吸引チューブ2がそれぞれ取り付けられ、他端にガス継手4及び水継手5が取り付けられ、吸引チューブ2は、軟質のステンレス鋼管で作られ、医者が手術の必要に応じて、手で任意の角度及び状態に曲げることができるとともに、患者に傷を付けないように、その先端部が丸く鈍化されており、フラッシングチューブ1は、シリコーンゴム、PVC又はステンレス鋼の材質で作られ、吸引チューブ2と並べて置かれ、フラッシングチューブ1の先端は、前記吸引チューブ2の先端から5~35mmの距離にある傾斜開口部であり、前記フラッシングチューブ1外に碍管18がさらに接続され、前記碍管18が前記吸引チューブ2外に套設される。
【0023】
前記取り付けスタンド3は、チューブスタンド31と、制御スタンド32と、を含み、前記チューブスタンド31は、一端に前記フラッシングチューブ1及び前記吸引チューブ2が取り付けられ、他端が前記制御スタンド32と取り外し可能に接続され、チューブスタンド31は、異なるサイズの吸引チューブ2と合わせて手術に供される複数の仕様を有し、制御スタンド32は、操作者が手に持つ部位であり、機能的な部材である。
【0024】
前記制御スタンド32は、制御スタンド本体321と、通水インナーパイプ322と、止水ピン323と、水制御スイッチ324と、固定ハウジング325と、を含み、前記固定ハウジング325は、前記制御スタンド本体321に取り外し可能に取り付けられ、前記固定ハウジング325に複数の取り付けプラグ20が設けられ、制御スタンド本体321に前記取り付けプラグ20と合せた複数の取り付け位置決め孔19が設けられ、前記固定ハウジング325と前記制御スタンド本体321との間に取り付け溝が形成され、前記水制御スイッチ324が前記取り付け溝内に取り付けられて、取り付け溝に沿って前後にスライド可能であり、前記止水ピン323は、前記制御スタンド本体321内に可動に取り付けられ、前記通水インナーパイプ322は、前記制御スタンド本体321内に取り付けられ、前記止水ピン323は、前記水制御スイッチ324と合わせて前記通水インナーパイプ322の通水量を制御し、止水ピン323の上下の移動により、通水インナーパイプ322を押圧又は解放することで、通水インナーパイプ322の水の通過と遮断、及び通水量の大きさの調整を可能にする。
【0025】
前記制御スタンド本体321には負圧調整口6が開設される。負圧調整口6により吸引チューブ2による吸引制御を可能にし、吸引の効果を達成し、さらに、負圧調整口6を親指の形状に合わせた円弧形状に設計することで、人が操作しやすい。負圧調整口6の位置が水制御スイッチ324に近く、片手で操作しやすい。
【0026】
前記チューブスタンド31の内部には、通水キャビティ311及び第1の通ガスキャビティ312がそれぞれ設けられ、前記フラッシングチューブ1から離れた前記チューブスタンド31の一端には、水接続スタンド7及びガス接続スタンド8がそれぞれ接続される。水接続スタンド7及びガス接続スタンド8により、チューブスタンド31と制御スタンド32の差し込み接続を可能にするとともに、水とガスのそれぞれの流れを保証する。
【0027】
前記ガス接続スタンド8内には、前記第1の通ガスキャビティ312と連通する第2の通ガスキャビティ80が開設され、前記ガス接続スタンド8外には、対称に設けられた2つの接続レール9と1つの環状の制限突起10が設けられ、前記ガス接続スタンド8には、前記負圧調整口6の位置に対応する切欠き81が開設される。前記制御スタンド本体321内に前記第2の通ガスキャビティ80と連通する負圧通路11が設けられ、前記負圧通路11は、一端の内部に前記接続レール9と嵌合する位置決め溝110及び前記制限突起10と嵌合する凹溝が開設され、他端に前記ガス継手4が取り付けられる。接続レール9と位置決め溝110、制限突起10と凹溝の合わせにより、チューブスタンド31と制御スタンド32の差し込み接続を完全に可能にするとともに、チューブスタンド31と制御スタンド32との間の回転を防止することができる。
【0028】
前記制御スタンド本体321内にインナーパイプ溝12がさらに開設され、前記通水インナーパイプ322は前記インナーパイプ溝12内に取り付けられ、前記通水インナーパイプ322は、一端が前記水路接続スタンド7に取り付けられ、他端が前記水継手5に接続される。図6に示すように、前記通水インナーパイプ322は、パイプ本体3221と、取り付けヘッド3222と、を含み、取り付けヘッド3222は、前記インナーパイプ溝12の位置決め孔に係着され、パイプ本体から離れた取り付けヘッド3222の一端のキャビティ孔径は、前記水路接続スタンド7の外径に合わせて水の滲み出しを防止する。
【0029】
前記インナーパイプ溝12の両側にいずれも長手方向に開口する第1のガイド溝13と第2のガイド溝14がそれぞれ設けられ、前記止水ピン323は、一端が前記第1のガイド溝13内に取り付けられ、他端が前記第2のガイド溝14内に取り付けられる。本実施例の第1のガイド溝13と第2のガイド溝14は、いずれも内径の大きさが一致する構造であり、止水ピン323の上下の移動を制御することができるが、本願の第1のガイド溝13と第2のガイド溝14の形状は、本実施例の構造に限定されるものではなく、内径の大きさが下から上に向けて徐々に大きくなるような斜め溝に設けられてもよい。
【0030】
前記水制御スイッチ324は、操作プレート3241と、取り付けスライダー3242と、ピン制御ブロック3243と、を含み、前記操作プレート3241、前記取り付けスライダー3242及び前記ピン制御ブロック3243は、上から順次に接続され、取り付けスライダー3242は、前記固定ハウジング325と前記制御スタンド本体321との間に形成された取り付け溝内に取り付けられて、取り付け溝の両端に沿って前後にスライド可能であり、前記ピン制御ブロック3243は、斜め腰面15と、下部底面16と、を含む逆直角台形のブロックであり、前記ピン制御ブロック3243の下方に裂け目17が開設される。操作プレート3241を波形に設計することで、手と操作プレート3241との間の摩擦力を高め、操作時の滑りを防止し、誤操作を低減することができる。裂け目17は、通水インナーパイプ322を通して、通水インナーパイプ322に位置を譲ることができ、斜め腰面15は、機能的なガイド斜面であり、止水ピン323の上下の移動距離を制御して、水流量をさらに制御する目的を達成する。水制御スイッチ324と止水ピン323との合わせ使用による水の流れの大きさの調整原理は、水制御スイッチ324が両端に押されてそれぞれ開端と閉端となり、図7及び図8に示すように、フラッシング時に、ピン制御ブロック3243の斜め腰面15が止水ピン323に当接して、止水ピン323を上下に移動させて通水インナーパイプ322内の水流量の大きさの制御を可能にし、フラッシングを閉める時に、ピン制御ブロック3243の下部底面16が止水ピン323に当接して、止水ピン323を最下部まで移動させ、通水インナーパイプ322を圧壊して閉じて通水を遮断し、水制御スイッチ324を開端と閉端の2つの限界内で移動させると、水の流れを所望の水の流れの大きさに調整することができることである。
【0031】
(実施例2)
本実施例に係る使い捨てのフラッシング・吸引式ドレナージチューブは、実施例1の技術的特徴に加えて、以下の技術的特徴を有する。
【0032】
図9~11に示すように、前記フラッシング・吸引式ドレナージチューブは、手術部位を照明して手術をよりはっきりにするための照明装置21をさらに含み、前記照明装置21は、発光ダイオード211と、電池212と、光ファイバー213と、を含み、前記発光ダイオード211、電池212及び光ファイバー213は、電気的に接続され、前記発光ダイオード211及び前記電池212は、前記チューブスタンド31内に取り付けられ、前記チューブスタンド31の前端に光透過孔22が設けられ、前記光ファイバー213は、一端が前記光透過孔22を貫通して前記発光ダイオード211に接続され、他端が前記チューブスタンド31から離れる方向に延び、電池212の電源がオンになると、発光ダイオード211が発光し、光源が光ファイバー213に従って、光をフラッシング・吸引式ドレナージチューブの先端に伝達し、手術部位を照明する。
【0033】
前記発光ダイオード211の正負のリード線は、前記電池212の正負の電極に対応して接続され、前記発光ダイオード211の一方のリード線に弾性リード線23が取り付けられ、前記弾性リード線23と前記電池212との間は絶縁シート24により隔てられ、使用時に前記絶縁シート24を引き出して前記弾性リード線23を電池212の正負の電極に接触させることで、電池212の電力により発光ダイオード211を発光させるように駆動する。
【0034】
前記チューブスタンド31の前記電池212に対応する位置にストッパ25が取り付けられる。ストッパ25により電池212をチューブスタンド31内に安定して固定することができる。
【0035】
(実施例3)
実施例1に記載のフラッシング・吸引式ドレナージチューブの使用方法は、
ガス継手4を負圧源に接続し、水継手5を水源に接続するステップと、
フラッシングを行わない時、前記水制御スイッチ324は、閉端にあり、ピン制御ブロック3243の下部底面16が止水ピン323に当接して、止水ピン323を第1のガイド溝13及び第2のガイド溝14の最底部に位置させ、フラッシングが必要な時、操作プレート3241を押して前記水制御スイッチ324を開端にスライドさせ、前記水制御スイッチ324のピン制御ブロック3243が、その下部底面16から前記止水ピン323に当接して、その斜め腰面15が前記止水ピン323に当接するまでスライドし、前記止水ピン323は、前記通水インナーパイプ322の弾力により上方に移動し、通水インナーパイプ322は、閉路から通路に変わり、水が水継手5、通水インナーパイプ322を経て前記フラッシングチューブ1に達すれば、フラッシング作業を行うことができ、前記水制御スイッチ324の位置を調整し、ピン制御ブロック3243の斜め腰面15が前記止水ピン323に当接する位置を調整し、前記止水ピン323の上方への移動距離を制御し、前記通水インナーパイプ322が圧壊される程度をさらに制御し、水の流速を調整する目的を達成し、フラッシングを閉じる必要がある時、操作プレート3241を押して前記水制御スイッチ324を閉端にスライドさせ、前記水制御スイッチ324のピン制御ブロック3243は、その斜め腰面15が前記止水ピン323に当接してからその下部底面16が前記止水ピン323に当接するまでスライドし、前記止水ピン323は最下端まで下方に移動し、前記通水インナーパイプ322を完全に圧壊し、通水インナーパイプ322が通路から閉路に変わり、水の流れを遮断させるステップと、
吸引が必要な時、前記負圧調整口6を指で塞いで廃液及びリンス液を吸引し、負圧調整口6を塞ぐ程度で前記吸引チューブ2の吸引力の強さを調整するステップと、を含む。
【0036】
(実施例4)
実施例2に記載のフラッシング・吸引式ドレナージチューブの使用方法は、実施例3に記載の使用方法に加えて、
前記フラッシング・吸引式ドレナージチューブを使用する時、絶縁シート24を引き出して、リード線に接続された弾性リード線23を電池212の正負の電極に接触させることで、電池212の電力により発光ダイオードを発光させるように駆動し、光源が光ファイバー213に従って、光をフラッシング・吸引式ドレナージチューブの先端に伝達し、手術部位を照明するステップをさらに含む。
【0037】
以上、一般的な説明及び具体的な実施例を用いて本願を詳細に説明したが、本願に基づき、いくつかの修正又は改良を行うことができ、これは当業者にとって明らかである。したがって、本願の精神から逸脱せずに行われたこれらの修正又は改良は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0038】
フラッシングチューブ1、吸引チューブ2、取り付けスタンド3、チューブスタンド31、通水キャビティ311、第1の通ガスキャビティ312、制御スタンド32、制御スタンド本体321、通水インナーパイプ322、パイプ本体3221、取り付けヘッド3222、止水ピン323、水制御スイッチ324、操作プレート3241、取り付けスライダー3242、ピン制御ブロック3243、固定ハウジング325、ガス継手4、水継手5、負圧調整口6、水接続スタンド7、ガス接続スタンド8、第2の通ガスキャビティ80、切欠き81、接続レール9、制限突起10、負圧通路11、位置決め溝110、インナーパイプ溝12、第1のガイド溝13、第2のガイド溝14、斜め腰面15、下部底面16、裂け目17、碍管18、取り付け位置決め孔19、取り付けプラグ20、照明装置21、発光ダイオード211、電池212、光ファイバー213、チューブスタンド31、光透過孔22、弾性リード線23、絶縁シート24、ストッパ25。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11