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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】折り畳み式テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 3/00 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
A47B3/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020101914
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021194185
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501067193
【氏名又は名称】株式会社カウネット
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】神山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】田鍋 有希
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0256610(US,A1)
【文献】特開平11-028122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0288170(US,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2015-0004278(KR,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0305491(US,A1)
【文献】特開昭50-102458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側端部間を天板ヒンジ部を介して接続された第一天板部と第二天板部とにより構成された天板と、板状をなし前記第一天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第一脚体と、板状をなし前記第二天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第二脚体とを備えてなる折り畳み式テーブルであり、
前記第一天板部と前記第二天板部とを展開させて前記天板の上に物品を載置可能にした使用可能姿勢と、前記第一天板部の裏面と前記第二天板部の裏面とが対向するように前記天板ヒンジ部を回転させて前記第一天板部と前記第二天板部との間に前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体を収容させた不使用姿勢とを採り得るように構成されたものであり、
前記脚ヒンジ部が、前記天板ヒンジ部に対して傾斜するように設けられているものであり、
前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体がそれぞれ矩形板状をなしたものであり、
一方の前記第一脚体の内側縁部と一方の前記第二脚体の内側縁部が中間ヒンジ部を介して連結されているものであり、
他方の前記第一脚体の内側縁部と他方の前記第二脚体の内側縁部が中間ヒンジ部を介して連結されている折り畳み式テーブル。
【請求項2】
前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体が、底面視において前記天板の前後方向中間部の仮想中心線を中心に前後対称に配されている請求項記載の折り畳み式テーブル。
【請求項3】
内側端部間を天板ヒンジ部を介して接続された第一天板部と第二天板部とにより構成された天板と、板状をなし前記第一天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第一脚体と、板状をなし前記第二天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第二脚体とを備えてなる折り畳み式テーブルであり、
前記第一天板部と前記第二天板部とを展開させて前記天板の上に物品を載置可能にした使用可能姿勢と、前記第一天板部の裏面と前記第二天板部の裏面とが対向するように前記天板ヒンジ部を回転させて前記第一天板部と前記第二天板部との間に前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体を収容させた不使用姿勢とを採り得るように構成されたものであり、
前記脚ヒンジ部が、前記天板ヒンジ部に対して傾斜するように設けられているものであり、
前記使用可能姿勢において、前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体が前記天板の裏面に対して略X字状をなすように配設されている折り畳み式テーブル。
【請求項4】
前記第一脚体の外側縁部と前記第二脚体の外側縁部との間を繋ぎ、前記使用可能姿勢における前記第一脚体及び前記第二脚体の姿勢を補助し得る補助脚部を備えている請求項1、2又は3記載の折り畳み式テーブル。
【請求項5】
前記補助脚部が、複数の板状部材をヒンジ部を介して連結してなる帯状のものであり、前記天板の裏面に対して連結されていないものである請求項4記載の折り畳み式テーブル。
【請求項6】
前記使用可能姿勢における前記天板が、正面視及び背面視において左右方向中央部から外側方に向かって漸次上方に位置する形状をなしている請求項1、2、3、4又は5記載の折り畳み式テーブル。
【請求項7】
前記天板の縁部に前記不使用姿勢を保持するための留め具が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の折り畳み式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、天板に設けたヒンジを折り曲げることでコンパクトに折り畳み可能なテーブルが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、従来のものは、天板の周縁部に連設された六枚の板状部品を使って脚を構成するものとなっている。このような構成のものであると、使用時には、天板を使用可能な状態に展開させた後に、六枚の板状部品における所定の部位同士を接合する作業が強いられるものとなり、不使用時には、天板を折り曲げる前に接合した部分を引き離す作業が強いられるものとなる。
【0004】
換言すれば、従来の折り畳み式テーブルは、使用するための展開作業や収納するための折り畳み作業が極めて煩わしいものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-299456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、不使用時にはコンパクト化された不使用姿勢を採ることができ、且つ、不使用姿勢と使用可能姿勢とを簡単に切り替えることができる折り畳み式テーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、内側端部間を天板ヒンジ部を介して接続された第一天板部と第二天板部とにより構成された天板と、板状をなし前記第一天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第一脚体と、板状をなし前記第二天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第二脚体とを備えてなる折り畳み式テーブルであり、前記第一天板部と前記第二天板部とを展開させて前記天板の上に物品を載置可能にした使用可能姿勢と、前記第一天板部の裏面と前記第二天板部の裏面とが対向するように前記天板ヒンジ部を回転させて前記第一天板部と前記第二天板部との間に前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体を収容させた不使用姿勢とを採り得るように構成されたものであり、前記脚ヒンジ部が、前記天板ヒンジ部に対して傾斜するように設けられているものであり、前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体がそれぞれ矩形板状をなしたものであり、一方の前記第一脚体の内側縁部と一方の前記第二脚体の内側縁部が中間ヒンジ部を介して連結されているものであり、他方の前記第一脚体の内側縁部と他方の前記第二脚体の内側縁部が中間ヒンジ部を介して連結されている折り畳み式テーブルである。
【0010】
請求項に記載の発明は、前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体が、底面視において前記天板の前後方向中間部の仮想中心線を中心に前後対称に配されている請求項記載の折り畳み式テーブルである。
【0011】
請求項に記載の発明は、内側端部間を天板ヒンジ部を介して接続された第一天板部と第二天板部とにより構成された天板と、板状をなし前記第一天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第一脚体と、板状をなし前記第二天板部の裏面に脚ヒンジ部を介して接続された一対の第二脚体とを備えてなる折り畳み式テーブルであり、前記第一天板部と前記第二天板部とを展開させて前記天板の上に物品を載置可能にした使用可能姿勢と、前記第一天板部の裏面と前記第二天板部の裏面とが対向するように前記天板ヒンジ部を回転させて前記第一天板部と前記第二天板部との間に前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体を収容させた不使用姿勢とを採り得るように構成されたものであり、前記脚ヒンジ部が、前記天板ヒンジ部に対して傾斜するように設けられているものであり、前記使用可能姿勢において、前記一対の第一脚体及び前記一対の第二脚体が前記天板の裏面に対して略X字状をなすように配設されている折り畳み式テーブルである。
【0012】
請求項に記載の発明は、前記第一脚体の外側縁部と前記第二脚体の外側縁部との間を繋ぎ、前記使用可能姿勢における前記第一脚体及び前記第二脚体の姿勢を補助し得る補助脚部を備えている請求項1、2又は3記載の折り畳み式テーブルである。
【0013】
請求項に記載の発明は、前記補助脚部が、複数の板状部材をヒンジ部を介して連結してなる帯状のものであり、前記天板の裏面に対して連結されていないものである請求項4記載の折り畳み式テーブルである。
【0014】
請求項に記載の発明は、前記使用可能姿勢における前記天板が、正面視及び背面視において左右方向中央部から外側方に向かって漸次上方に位置する形状をなしている請求項1、2、3、4又は5記載の折り畳み式テーブルである。
【0015】
請求項に記載の発明は、前記天板の縁部に前記不使用姿勢を保持するための留め具が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の折り畳み式テーブルである。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、不使用時にはコンパクト化された不使用姿勢を採ることができ、且つ、不使用姿勢と使用可能姿勢とを簡単に切り替えることができる折り畳み式テーブルを提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図(不使用姿勢)。
図2】同実施形態における正面図(使用可能姿勢)。
図3】同実施形態における背面図(使用可能姿勢)。
図4】同実施形態における右側面図(使用可能姿勢)。
図5】同実施形態における左側面図(使用可能姿勢)。
図6】同実施形態における平面図(使用可能姿勢)。
図7】同実施形態における底面図(使用可能姿勢)。
図8】同実施形態における不使用姿勢と使用可能姿勢との間の状態を示す底面図。
図9】他の実施形態を示す底面図(使用可能姿勢)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図1~8を参照して説明する。
【0019】
この実施形態は、本発明を、折り畳み式テーブルたる折り畳み式の荷物置きAに適用したものである。
【0020】
荷物置きAは、いわゆる折り畳み式のものである。荷物置きAは、持ち運びや収納時の姿勢すなわち折り畳まれてコンパクト化された不使用姿勢(C)と、天板1が展開された姿勢すなわち天板1の上に鞄等の荷物Nを載せ置くことができるようにした使用可能姿勢(B)とを採り得るように構成されている。
【0021】
荷物置きAは、例えば、飲食店やオフィス等における床面Fや野外における地面等に対して荷物を直接的に載せ置かないようにするために使用されるものである。
【0022】
荷物置きAは、内側端部間を天板ヒンジ部h1tを介して接続された第一天板部11及び第二天板部12により構成された天板1と、板状をなし第一天板部11の裏面に脚ヒンジ部たる前後の第一脚ヒンジ部h1f、h1rを介して接続された一対の第一脚体たる前後の第一脚体2、3と、板状をなし第二天板部12の裏面に脚ヒンジ部たる前後の第二脚ヒンジ部h2f、h2rを介して接続された一対の第二脚体たる前後の第二脚体4、5とを備えたものである。
【0023】
荷物置きAは、縦長矩形板状をなす第一天板部11と当該第一天板部11と略同じ大きさの縦長矩形状をなす第二天板部12とを展開させて、第一天板部11、天板ヒンジ部h1t、第二天板部12によって構成された天板1の上に物品たる荷物Nを載置可能にした使用可能姿勢(B)と、第一天板部11の裏面と第二天板部12の裏面とが対向するように天板ヒンジ部h1tを回転させて第一天板部11と第二天板部12との間に前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5を収容させた不使用姿勢(C)とを採り得るように構成されている。
【0024】
以下、荷物置きAについて詳述する。
【0025】
<天板1>
天板1は、矩形板状をなす第一天板部11と、矩形板状をなす第二天板部12と、第一天板部11と第二天板部12との間に介設された帯状をなす天板ヒンジ部h1tとを備えたものである。
【0026】
第一天板部11と第二天板部12は、略同じ大きさをなしている。第一天板部11と第二天板部12は平面視において縦長長方形状をなしている。第一天板部11と第二天板部12は図示しない芯材の外面に合成樹脂製のシート材を被覆させてなるものである。
【0027】
天板ヒンジ部h1tは、芯材を有しない合成樹脂製のシート材により作られたものである。天板ヒンジ部h1tは、横幅寸法が約1.5~2.0cmに設定された縦長帯状をなしている。天板ヒンジ部h1tは、第一天板部11の内側端部たる右側端部11eと第二天板部12の内側端部たる左側端部12eとの間を繋いでいる。
【0028】
使用可能姿勢(B)の天板1は、正面視及び背面視において左右方向中央部から外側方に向かって漸次上方に位置する形状をなしており、不使用姿勢(C)の天板1は、正面視及び背面視において、コ字状をなしている。
【0029】
なお、天板1の縁部には、荷物置きAにおける不使用姿勢(C)の状態を保持するための留め具Tが設けられている。留め具Tは、帯状に延びてなり基端部が第一天板部11における外側端縁の前後方向中間部に接続するとともに先端部に矩形状をなす第一の面ファスナ要素t1が設けられた帯部材taと、第二天板部12の外側端部における表面側の前後方向中間部に設けられ第一の面ファスナ要素t1に対して接離可能な矩形状をなす第二の面ファスナ要素t2により構成されている。
【0030】
<前後の第一脚体2、3>
前後の第一脚体2、3は、第一天板部11を支持し得るものである。前後の第一脚体2、3は、それぞれ矩形板状をなしたものであり、使用可能姿勢(B)において起立姿勢を採るものとなっている。前後の第一脚体2、3は、芯材の外面に合成樹脂製のシート材を被覆させてなるものである。
【0031】
前の第一脚体2及び後の第一脚体3は、天板1における前後方向中間部の仮想中心線c1を中心に前後対称に配されている。
【0032】
前の第一脚体2における上端縁は、前後方向に延びてなる天板ヒンジ部h1tに対して傾斜するように設けられた前の第一脚ヒンジ部h1fを介して第一天板部11の裏面に接続している。つまり、前の第一脚体2と第一天板部11との間に介設された前の第一脚ヒンジ部h1fは、後方に向かって漸次天板ヒンジ部h1tに近づくように位置するものとなっている。
【0033】
後の第一脚体3における上端縁は、前後方向に延びてなる天板ヒンジ部h1tに対して傾斜するように設けられた後の第一脚ヒンジ部h1rを介して第一天板部11の裏面に接続している。つまり、後の第一脚体3と第一天板部11との間に介設された後の第一脚ヒンジ部h1rは、前方に向かって漸次天板ヒンジ部h1tに近づくように位置するものとなっている。
【0034】
前後の第一脚体2、3における下端縁は、使用可能姿勢(B)において、その略全域が床面Fに対して接し得るようになっている。
【0035】
なお、図において符号v1に示すものは、第一天板部11に対して前後の第一脚体2、3を取り付けるためのリベットである。
【0036】
<前後の第二脚体4、5>
前後の第二脚体4、5は、第二天板部12を支持し得るものである。前後の第二脚体4、5は、それぞれ矩形板状をなしたものであり、使用可能姿勢(B)において起立姿勢を採るものとなっている。前後の第二脚体4、5は、芯材の外面に合成樹脂製のシート材を被覆させてなるものである。
【0037】
前の第二脚体4及び後の第二脚体5は、天板1における前後方向中間部の仮想中心線c1を中心に前後対称に配されている。
【0038】
前の第二脚体4における上端縁は、前後方向に延びてなる天板ヒンジ部h1tに対して傾斜するように設けられた前の第二脚ヒンジ部h2fを介して第二天板部12の裏面に接続している。つまり、前の第二脚体4と第二天板部12との間に介設された前の第二脚ヒンジ部h2fは、後方に向かって漸次天板ヒンジ部h1tに近づくように位置するものとなっている。
【0039】
後の第二脚体5における上端縁は、前後方向に延びてなる天板ヒンジ部h1tに対して傾斜するように設けられた後の第二脚ヒンジ部h2rを介して第二天板部12の裏面に接続している。つまり、後の第二脚体5と第二天板部12との間に介設された後の第二脚ヒンジ部h2rは、前方に向かって漸次天板ヒンジ部h1tに近づくように位置するものとなっている。
【0040】
前後の第二脚体4、5における下端縁は、使用可能姿勢(B)において、その略全域が床面に対して接し得るようになっている。
【0041】
なお、図において符号v2に示すものは、第二天板部12に対して前後の第二脚体4、5を取り付けるためのリベットである。
【0042】
<前後の中間ヒンジ部cf、cr>
この実施形態では、前の第一脚体2と前の第二脚体4とが中間ヒンジ部たる前の中間ヒンジ部cfを介して相対回転可能に連結されており、後の第一脚体3と後の第二脚体5とが中間ヒンジ部たる後の中間ヒンジ部crを介して相対回転可能に連結されている。
【0043】
前の第一脚体2と前の第二脚体4は、底面視において、天板1における左右方向中間部の仮想中心線c2を中心に左右対称の形態をなしている。
【0044】
後の第一脚体3と後の第二脚体5は、底面視において、天板1における左右方向中間部の仮想中心線c2を中心に左右対称の形態をなしている。
【0045】
すなわち、荷物置きAは、一方の第一脚体である前の第一脚体2の内側縁部2eと一方の第二脚体である前の第二脚体4の内側縁部4eが前の中間ヒンジ部cfを介して連結されている。荷物置きAは、他方の第一脚体である後の第一脚体3の内側縁部3eと他方の第二脚体である後の第二脚体5の内側縁部5eが後の中間ヒンジ部crを介して連結されている。
【0046】
荷物置きAにおける前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5は、使用可能姿勢(B)において、天板1の裏面に対して略X字状をなすように配設されている。換言すれば、使用可能姿勢(B)における荷物置きAは、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5を、底面視においてXの文字を表すように天板1の裏面に配設したものとなっている。
【0047】
<前の補助脚部6・後の補助脚部7>
前の補助脚部6は、前の第一脚体2における外側縁部2gと前の第二脚体4における外側縁部4gとの間を繋ぎ、使用可能姿勢(B)における前の第一脚体2及び前の第二脚体4の姿勢を補助し得るものである。前の補助脚部6は、前の第一脚体2及び前の第二脚体4に沿うようにして前の第一脚体2及び前の第二脚体4の前側に配設されている。前の補助脚部6は、底面視において、天板1における左右方向中間部の仮想中心線c2を中心に左右対称の形態をなしている。
【0048】
前の補助脚部6は、使用可能姿勢(B)において起立姿勢をなし、床面Fと天板1との間に介在して天板1を下支持する脚機能を発揮し得るものである。前の補助脚部6は、天板1の裏面に対して連結されていないものとなっている。換言すれば、前の補助脚部6の上端縁は自由端になっている。
【0049】
前の補助脚部6は、複数の板状部材がヒンジ部を介して連結されてなる(すなわち、左の連結板63、第一ヒンジ部1k、左の補助脚部形成板61、第三ヒンジ部3k、右の補助脚部形成板62、第一ヒンジ部1k、右の連結板64の順に連設された)帯状のものである。より具体的には、前の補助脚部6は、前の第一脚体2及び前の第二脚体4に対応させて当該前の第一脚体2及び前の第二脚体4の前側に配設された前の補助脚部本体6aと、前の補助脚部本体6aの左右両端部にヒンジ部たる第一ヒンジ部1kを介して前端縁が連設されるとともに後端縁がヒンジ部たる第二ヒンジ部2kを介して前の第一脚体2及び前の第二脚体4の外側縁部2g、4gに連結された左右の連結板63、64とを備えている。
【0050】
前の補助脚部本体6aは、矩形状をなし前の第一脚体2の前に位置する左の補助脚部形成板61と矩形状をなし前の第二脚体4の前に位置する右の補助脚部形成板62とをヒンジ部たる第三ヒンジ部3kを介して連結してなるものである。左右の補助脚部形成板61、62は、芯材の外面に合成樹脂製のシート材を被覆させてなるものである。
【0051】
左の連結板63は、三角形状をなし後端縁が第二ヒンジ部2kを介して前の第一脚体2の外側端縁2gに接続するとともに前端縁が第一ヒンジ部1kを介して左の補助脚部形成板61に接続するものとなっている。左の連結板63の上端縁は、使用可能姿勢(B)において、第一天板部11の下面に添接し得るものとなっている。
【0052】
右の連結板64は、三角形状をなし後端縁が第二ヒンジ部2kを介して前の第二脚体4の外側端縁4gに接続するとともに前端縁が第一ヒンジ部1kを介して右の補助脚部形成板62に接続するものとなっている。右の連結板64の上端縁は、使用可能姿勢(B)において、第二天板部12の下面に添接し得るものとなっている。
【0053】
後の補助脚部7は、後の第一脚体3における外側縁部3gと後の第二脚体5における外側縁部5gとの間を繋ぎ、使用可能姿勢(B)における後の第一脚体3及び後の第二脚体5の姿勢を補助し得るものである。後の補助脚部7は、後の第一脚体3及び後の第二脚体5に沿うようにして後の第一脚体3及び後の第二脚体5の後側に配設されている。後の補助脚部7は、底面視において、天板1における左右方向中間部の仮想中心線c2を中心に左右対称の形態をなしている。
【0054】
後の補助脚部7は、使用可能姿勢(B)において起立姿勢をなし、床面Fと天板1との間に介在して天板1を下支持する脚機能を発揮し得るものである。後の補助脚部7は、天板1の裏面に対して連結されていないものとなっている。換言すれば、後の補助脚部7の上端縁は自由端になっている。
【0055】
後の補助脚部7は、複数の板状部材がヒンジ部を介して連結されてなる(すなわち、左の連結板73、第一ヒンジ部4k、左の補助脚部形成板71、第三ヒンジ部6k、右の補助脚部形成板72、第一ヒンジ部4k、右の連結板74の順に連設された)帯状のものである。より具体的には、後の補助脚部7は、後の第一脚体3及び後の第二脚体5に対応させて当該後の第一脚体3及び後の第二脚体5の後側に配設された後の補助脚部本体7aと、後の補助脚部本体7aの左右両端部にヒンジ部たる第一ヒンジ部4kを介して後端縁が連設されるとともに前端縁がヒンジ部たる第二ヒンジ部5kを介して後の第一脚体3及び後の第二脚体5の外側縁部3g、5gに連結された左右の連結板73、74とを備えている。
【0056】
後の補助脚部本体7aは、矩形状をなし後の第一脚体3の後に位置する左の補助脚部形成板71と矩形状をなし後の第二脚体5の後に位置する右の補助脚部形成板72とをヒンジ部たる第三ヒンジ部6kを介して連結してなるものである。左右の補助脚部形成板71、72は、芯材の外面に合成樹脂製のシート材を被覆させてなるものである。
【0057】
左の連結板73は、三角形状をなし前端縁が第二ヒンジ部5kを介して後の第一脚体3の外側端縁3gに接続するとともに後端縁が第一ヒンジ部4kを介して左の補助脚部形成板71に接続するものとなっている。左の連結板73の上端縁は、使用可能姿勢(B)において、第一天板部11の下面に添接し得るものとなっている。
【0058】
右の連結板74は、三角形状をなし前端縁が第二ヒンジ部5kを介して後の第二脚体5の外側端縁5gに接続するとともに後端縁が第一ヒンジ部4kを介して右の補助脚部形成板72に接続するものとなっている。右の連結板74の上端縁は、使用可能姿勢(B)において、第二天板部12の下面に添接し得るものとなっている。
【0059】
なお、前の補助脚部6と後の補助脚部7は、天板1における前後方向中間部の仮想中心線c1を中心に前後対称に配されている。
【0060】
続いて、本実施形態における折り畳み式の荷物置きAの作動について説明する。
【0061】
荷物置きAは、不使用姿勢(C)では、図1に示すように、第一天板部11の裏面と第二天板部12の裏面との間に折り畳まれた脚体すなわち前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5、並びに、折り畳まれた前後の補助脚部6、7が収容されたものとなっている。
【0062】
この状態から、使用者により天板ヒンジ部h1tを介して連結された第一天板部11及び第二天板部12を展開させていく(図8を参照。)。そうすると、第一天板部11及び第二天板部12の展開動作に連動して、天板ヒンジ部h1tに対して傾斜して配設された前後の第一脚ヒンジ部h1f、h1r及び前後の第二脚ヒンジ部h2f、h2rを介して接続された前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が第一天板部11及び第二天板部12に対して倒伏姿勢から起立姿勢に遷移していく。
【0063】
このとき、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が前後の第一脚ヒンジ部h1f、h1r及び前後の第二脚ヒンジ部h2f、h2rを介して第一、第二天板部11、12に対して傾斜して設けられているだけでなく、左右に対称形状をなす前の第一脚体2と前の第二脚体4の内側縁部2e、4e同士は前の中間ヒンジ部cfを介して連結されているとともに左右に対称形状をなす後の第一脚体3と後の第二脚体5の内側縁部3e、5e同士は後の中間ヒンジ部crにより連結されているため、天板ヒンジ部h1tに対して傾斜して配設された前後の第一、第二脚体2、3、4、5は左右対称の姿勢を維持しつつ倒伏姿勢から起立姿勢に遷移するようになっている。
【0064】
前後の補助脚部6、7における上端縁は、不使用姿勢(C)の時は、第一天板部11及び第二天板部12から離れている。一方で、不使用姿勢(C)から使用可能姿勢(B)に移行すると、前後の補助脚部6、7は前後の第一、第二脚体2、3、4、5の移動に追従して左右方向に拡開しつつその上端縁が第一天板部11及び第二天板部12に当接するようになっている。
【0065】
最終的に、前後の第一、第二脚体2、3、4、5及び前後の補助脚部6、7は、第一天板部11及び第二天板部12に対して起立した姿勢を採るものとなり、天板1を下支持し得る脚機能を発揮し得るものとなっている。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る折り畳み式テーブルたる荷物置きAは、内側端部11e、12e間を天板ヒンジ部h1tを介して接続された第一天板部11と第二天板部12とにより構成された天板1と、板状をなし第一天板部11の裏面に脚ヒンジ部たる前後の第一脚ヒンジ部h1f、h1rを介して接続された一対の第一脚体たる前後の第一脚体2、3と、板状をなし第二天板部12の裏面に脚ヒンジ部たる前後の第二脚ヒンジ部h2f、h2rを介して接続された一対の第二脚体たる前後の第二脚体4、5とを備えてなるものである。
【0067】
そして、第一天板部11と第二天板部12とを展開させて天板1の上に物品たる荷物Nを載置可能にした使用可能姿勢(B)と、第一天板部11の裏面と第二の天板部12の裏面とが対向するように天板ヒンジ部h1tを回転させて第一天板部11と第二天板部12との間に前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5を収容させた不使用姿勢(C)とを採り得るように構成されたものである。荷物置きAは、脚ヒンジ部たる前後の第一脚ヒンジ部h1f、h1r及び前後の第二脚ヒンジ部h2f、h2rが、天板ヒンジ部h1tに対して傾斜するように設けられている。
【0068】
このため、本実施形態に示される荷物置きAは、不使用時にはコンパクト化された不使用姿勢(C)を採ることができ、且つ、不使用姿勢(C)と使用可能姿勢(B)とを簡単に切り替えることができるものとなっている。
【0069】
つまり、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が傾斜して設けられた前後の第一脚ヒンジ部h1f、h1r及び前後の第二脚ヒンジ部h2f、h2rを介して第一天板部11と第二天板部12に設けられている。そのため、第一天板部11及び第二天板部12を不使用姿勢(C)と使用可能姿勢(B)との間で姿勢変更する動作に連動させて、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5を適切に動作させることができるものとなっている。
【0070】
前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5がそれぞれ矩形板状をなしたものである。そして、一方たる前の第一脚体2の内側縁部2eと一方たる前の第二脚体4の内側縁部4eが前の中間ヒンジ部cfを介して連結されているものであり、他方たる後の第一脚体3の内側縁部3eと他方たる後の第二脚体5の内側縁部5eが後の中間ヒンジ部crを介して連結されている。
【0071】
このため、前の第一脚体2と前の第二脚体4、及び、後の第一脚体3と後の第二脚体5とを好適に連動させて不使用姿勢(C)と、使用可能姿勢(B)とを好適に実現し得るものとなっている。
【0072】
前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が、底面視において天板1の前後方向中間部の仮想中心線c1を中心に前後対称に配されている。
【0073】
このため、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が天板1を支持し得る好適な位置に設けられたものとなっている。
【0074】
使用可能姿勢(B)において、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が天板1の裏面に対して略X字状をなすように配設されている。
【0075】
このため、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5が天板1を支持し得る好適な姿勢をなしたものとなっている。換言すれば、天板1の上に荷物Nが載置されても天板1が略X字状をなすように配設された前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5により安定的に支持され得るものとなり、荷物置きA全体がバランスを崩して倒れるようなことが好適に抑制されたものとなっている。
【0076】
前の第一脚体2の外側縁部2gと前の第二脚体4の外側縁部4gとの間、及び、後の第一脚体3の外側縁部3gと後の第二脚体5の外側縁部5gとの間を繋ぎ、使用可能姿勢(B)における前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5の姿勢を補助し得る前後の補助脚部6、7を備えている。
【0077】
このため、前後の第一脚体2、3及び前後の第二脚体4、5だけでなく前後の補助脚部6、7も利用して天板1を好適に支持し得るものとなっている。
【0078】
前後の補助脚部6、7が、複数の板状部材すなわち左の補助脚部形成板61、71、右の補助脚部形成板62、72、左右の連結板63、73、64、74をヒンジ部すなわち第一、第二、第三ヒンジ部1k、4k、2k、5k、3k、6kを介して連結された帯状のものであり、各第一脚体2、3の外側縁部2g、3g、及び、各第二脚体4、5の外側縁部4g、5gと連結しているだけであり、天板1の裏面に対して連結されていないものである。
【0079】
このため、前の補助脚部6が、前の第一脚体2及び前の第二脚体4に対して無理なく連動し得るものとなり、後の補助脚部7が、後の第一脚体3及び後の第二脚体5に対して無理なく連動し得るものとなっている。
【0080】
使用可能姿勢(B)における天板1が、正面視及び背面視において左右方向中央部から外側方に向かって漸次上方に位置する形状をなしている。
【0081】
このため、使用可能姿勢(B)における天板1の形状に基づいて、使用者に対して、天板1の左右方向中央部に荷物Nを載置するように誘導し易いだけでなく、天板1に載置された荷物Nを天板1から落下しないように適切に支持し得るものとなっている。
【0082】
天板1の縁部に不使用姿勢(C)を保持するための留め具Tが設けられている。このため、不使用姿勢(C)を留め具Tによって好適に保持し得るものとなっている。
【0083】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0084】
折り畳み式テーブルは、テーブルに属するものであればよい。すなわち、折り畳み式テーブルは、天板の上に荷物を置くようにした荷物置きに限られるものではなく、使用者が、天板の上を執務に使用し得る領域として使用し得るものであってもよい。
【0085】
脚ヒンジ部は、天板ヒンジ部に対して傾斜するように設けられているものであればよく、上述した実施形態に示された態様に限られるものではない。
【0086】
例えば、図9に示す折り畳み式テーブルたる荷物置きAは、使用可能姿勢(B)において、前の第一脚体2及び前の第二脚体4によって底面視においてくの字状をなす形態を採るとともに後の第一脚体3及び後の第二脚体5によって底面視においてくの字状をなす形態を採るものとなっている。そして、底面視においてくの字状をなす両者が、双方の谷折り側を対向させるように配設されたものである。このようなものであっても、所期の目的を達成し得るものとなっている。
【0087】
一対の第一脚体や一対の第二脚体は、底面視において前後対称に配されていないものであってもよい。また、一方の第一脚体及び第二脚体や他方の第一脚体及び第二脚体は、底面視において左右対称に配されていないものであってもよい。
【0088】
天板を構成する第一天板部と第二天板部は縦長矩形状をなすものに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の形状のものを採用することができる。
【0089】
折り畳み式テーブルは、補助脚部を備えていないものであってもよい。
【0090】
使用可能姿勢における天板が、正面視及び背面視において略水平姿勢をなすように構成されたものであってもよい。
【0091】
折り畳み式テーブルの留め具は、種々の構成のものと適用し得るものであり、上述した実施形態に示されたものに限られないのは言うまでもない。
【0092】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0093】
A…荷物置き(折り畳み式テーブル)
1…天板
11…第一天板部
12…第二天板部
2…前の第一脚体(一方の第一脚体)
3…後の第一脚体(他方の第一脚体)
4…前の第二脚体(一方の第二脚体)
5…後の第二脚体(他方の第二脚体)
6…前の補助脚部
7…後の補助脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9