(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】ガスタービンにおける角漏れ防止シール
(51)【国際特許分類】
F01D 11/00 20060101AFI20240213BHJP
F01D 9/04 20060101ALI20240213BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20240213BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20240213BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20240213BHJP
F16J 15/04 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
F01D11/00
F01D9/04
F01D25/00 L
F01D25/00 M
F01D25/00 X
F02C7/00 C
F02C7/00 D
F02C7/28 E
F16J15/04 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016235523
(22)【出願日】2016-12-05
【審査請求日】2019-11-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-11
(32)【優先日】2015-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター・ジョン・モーガン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッド・ウィルソン・ヴァンタッセル
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック・ウッドロー・ロバーツ
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】倉橋 紀夫
【審判官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0118042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 11/00
F01D 25/00
F02C 7/28
F16J 15/02 - 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン(2、102、202)であって、
端面(108)および前記端面(108)に形成されたスロット(112)を含む第2の弧状セグメント(106)と、
前記第2の弧状セグメント(106)に周方向で隣接する第1の弧状セグメント(104)であって、各弧状セグメント(24、104、106)は、端面(108)
、前記端面(108)の両端部から延在する
第1及び第2の面(110)および前記端面(108)に形成されたスロット(112)を含む、第1の弧状セグメント(104)と
、
前記
第1および第2の弧状セグメント(106)の前記スロット(112)内に配置された第1のシール(114)であって、前記第1のシール(114)は、前記端面(108)で前記第1の弧状セグメント(104)と接触し、前記第1の弧状セグメント(104)の前記第1及び第2の面(110)
に接して延在する、前記第1のシール(114)と
を備え、前記第1のシール(114)は、
前記第1の弧状セグメント(104)に沿って配置されるシム(116)と、
前記端面(108)に配置されたセグメント(118B)と前記第1及び第2の面(110)のいずれかに配置されたセグメント(118A、118C)とを含む複数のセグメント(118A、118B、118C)を含み、前記シム(116)の上にありかつ前記シム(116)を覆うラミネート材(118)と、
前記ラミネート材(118)を前記シム(116)に連結する連結部材(120)とを含み、
前記連結部材(120)の材料が、前記ガスタービン(2、102、202)の作動中に、実質的に分解する
温度を有
し、前記ラミネート材(118)の前記複数のセグメント(118A、118B、118C)は、前記連結部材(120)の材料が実質的に分解したときに互いに接触するように移動する、ガスタービン(2、102、202)。
【請求項2】
前記ラミネート材(118)が
3つのセグメント(118A、118B、118C)を含み、各セグメントが前記第1の弧状セグメント(104)の前記端面(108)および前記第1及び第2の面(110)それぞれに対応する請求項1記載のガスタービン(2、102、202)。
【請求項3】
ガスタービン(2、102、202)であって、
端面(108)および前記端面(108)に形成されたスロット(112)を含む第2の弧状セグメント(106)と、
前記第2の弧状セグメント(106)に周方向で隣接する第1の弧状セグメント(104)であって、各弧状セグメント(24、104、106)は、端面(108)
、前記端面(108)の両端部から延在する第1及び第2の面(110)
および前記端面(108)に形成されたスロット(112)を含み、
前記第1の弧状セグメント(104)の前記端面(108)と前記第2の弧状セグメント(106)の前記端面(108)が互いに面し、実質的に
形状が一致している、第1の弧状セグメント(104)と
、
前記
第1および第2の弧状セグメント(106)の前記スロット(112)内に配置された第1のシール(114)であって、前記第1のシール(114)は、前記端面(108)で前記第1の弧状セグメント(104)と接触し、前記第1の弧状セグメント(104)の前記第1及び第2の面(110)
に接して延在する、第1のシール(114)と
を備え、前記第1のシール(114)は、
前記第1の弧状セグメント(104)に沿って配置されるシム(116)と、
前記シム(116)の上にありかつ前記シム(116)を覆うラミネート材(118)であって、
前記端面(108)に配置されたセグメント(118B)と前記第1及び第2の面(110)のいずれかに配置されたセグメント(118A、118C)とを含み、それぞれが前記シム(116)に接触する複数のセグメント(118A、118B、118C)を含むラミネート材(118)と、
前記ラミネート材(118)を前記シム(116)に連結する連結部材(120)とを含み、
前記連結部材(120)の材料が、前記ガスタービン(2、102、202)の作動中に、実質的に分解する
温度を有
し、前記ラミネート材(118)の前記複数のセグメント(118A、118B、118C)は、前記連結部材(120)の材料が実質的に分解したときに互いに接触するように移動する、ガスタービン(2、102、202)。
【請求項4】
前記ラミネート材(118)の前記複数のセグメント(118A、118B、118C)が、3つのセグメント(118A、118B、118C)を含み、各セグメントが前記第1の弧状セグメント(104)の前記端面(108)および前記第1及び第2の面(110)のそれぞれに対応する請求項2または3に記載のガスタービン(2、102、202)。
【請求項5】
前記連結部材(120)が、ゴム、シリコン、プラスチック、ワックス、低温溶融部材、またはそれらの合成物のうち少なくとも1つを含む請求項1乃至4のいずれかに記載のガスタービン(2、102、202)。
【請求項6】
前記連結部材(120)の材料が実質的に分解したときに、前記シム(116)および前記ラミネート材(118)が互いに独立して移動するよう構成された請求項1乃至5のいずれかに記載のガスタービン(2、102、202)。
【請求項7】
前記第1の弧状セグメント(104)の前記端面(108)と
前記第1の弧状セグメント(104)の前記第1及び第2の面(110)それぞれとの間にわたる角部領域(122)を前記シム(116)が実質的に封止する請求項1乃至6のいずれかに記載のガスタービン(2、102、202)。
【請求項8】
タービン(12、102、202)におけるシール(114、214)組立て方法であって、
シール(114、214)を形成することを含み、前記形成することは、その材料が、前記タービン(2、102、202)の作動中に、実質的に分解する
温度を有する連結部材(120)を使用してシム(116)の第1の側(600)にラミネート材(118)を連結すること、および、
前記タービン(12、102、202)に前記シール(114、214)を適用することを含み、前記タービン(12、102、202)が、
端面(108)および前記端面(108)に形成されたスロット(112)を含む第2の弧状セグメント(106)と、
前記第2の弧状セグメント(106)に周方向で隣接する第1の弧状セグメント(104)であって、各弧状セグメント(104、106)は、端面(108)
、前記端面(108)の両端部から延在する第1及び第2の面(110)
および前記端面(108)に形成されたスロット(112)を含む、第1の弧状セグメント(104)と
、
を有し、
前記適用することは、前記シール(114、214)の前記シム(116)の第2の側(602)が
、前記第1の弧状セグメント(104)の前記端面(108)
に沿って配置され、前記第1の弧状セグメント(104)の前記第1及び第2の面(110)
に接して延在するように、前記スロット(112)に前記シール(114、214)を挿し込むことを含み、前記シム(116)の前記第2の側(602)が前記シム(116)の前記第1の側(600)
の反対の側に配置される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された主題はタービンに関する。詳細には、本明細書に開示された主題はガスタービンにおけるシールに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン内の主ガス流路は一般に、圧縮機入口、圧縮機、タービン、およびガス流出の作動構成部品を含む。タービンの熱せられた様々な構成部品を冷却するために使用される2次流もまたある。一般に、2次流とガス漏れが、ガス流路からまたはガス流路へと混ざることによりタービン性能が低下する。
【0003】
ガスタービンの作動構成部品はケーシング内に包含される。タービンは一般に隣接する弧状セグメントによって環状に囲まれる。本明細書で使用されるように、「弧状の」という用語は湾曲したまたは部分的に湾曲した形状を有する部材、構成部品、部品などに言及され得る。隣接する弧状セグメントは、外側シュラウド、内側シュラウド、ノズルブロックおよびダイアフラムを含む。弧状セグメントは、ケーシング単独に加えてガス流路のためのコンテイナを提供することができる。弧状セグメントは、タービンの他の構成部品を固定し、タービン内に空間を画定することができる。ガスタービンの作動により、弧状セグメントが拡大するので、各隣接する対の弧状セグメントの間には、弧状セグメントが拡大することができる空間がある。
【0004】
スロットは、隣接する弧状セグメントの隣接するスロットと協働して、シールを受けるための、各弧状セグメントの側面に画定される。シールはスロット内に配置されて、シールのそれぞれの側のタービンの領域間の漏れを防止する。これらの領域は、主ガス流路および2次冷却流を含み得る。
【0005】
特定の弧状セグメントの端部内のスロットは、互いの方向に曲げられ、スロットは接触することができる。接触した2つのスロットそれぞれに平面のシールが受けられるとき、2つのシールの間に隙間が残る。この隙間によって、ガスタービンの内側領域および外側領域との間に漏れが生じる。この隙間を減らすことにより、ガスタービンの性能が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2014/0348642号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の様々な実施形態は、ガスタービンシールおよびそのようなシールを形成する方法を含む。ある場合において、タービンは、第2の弧状セグメントに隣接する第1の弧状セグメントであって、各弧状セグメントが、端面および端面の両端部から延在する半径方向向き面を含む、第1の弧状セグメントと、第1の弧状セグメントの端面と第2の弧状セグメントの端面との間に位置するスロットと、スロット内に配置された第1のシールであって、第1のシールは端面で第1の弧状セグメントと接触し、第1の弧状セグメントの半径方向向き面の上に延在する、第1のシールとを備え、第1のシールは、第1の弧状セグメントに接触するシムと、シムの上にありかつシムを覆うラミネート材と、ラミネート材をシムに連結するコンフォーミングマテリアルとを含む。
【0008】
本開示の第1の態様は、ガスタービンを含み、ガスタービンは、第2の弧状セグメントに隣接する第1の弧状セグメントであって、各弧状セグメントが、端面および端面の両端部から延在する半径方向向き面を含む、第1の弧状セグメントと、第1の弧状セグメントの端面と第2の弧状セグメントの端面との間に位置するスロットと、スロット内に配置された第1のシールであって、第1のシールは端面で第1の弧状セグメントと接触し、第1の弧状セグメントの半径方向向き面の上に延在する、第1のシールとを備え、第1のシールは、第1の弧状セグメントに接触するシムと、シムの上にありかつシムを覆うラミネート材と、ラミネート材をシムに連結するコンフォーミングマテリアルとを含む。
【0009】
本開示の第2の態様は、ガスタービンを含み、ガスタービンは、第2の弧状セグメントに隣接する第1の弧状セグメントであって、各弧状セグメントは、端面および端面の両端部から延在する半径方向向き面を含み、端面が互いに面し、実質的に一致している、第1の弧状セグメントと、第1の弧状セグメントの端面と第2の弧状セグメントの端面との間に位置するスロットと、スロット内に配置された第1のシールであって、第1のシールは、端面で第1の弧状セグメントと接触し、第1の弧状セグメントの半径方向向き面の上に延在する、第1のシールとを備え、第1のシールは、第1の弧状セグメントに接触するシムと、シムの上にありかつシムを覆うラミネート材であって、それぞれがシムに接触する複数のセグメントを含むラミネート材と、ラミネート材をシムに連結するコンフォーミングマテリアルとを含む。
【0010】
本開示の第3の態様は、タービンにおけるシール組立て方法であって、その方法は、シールを形成することを含み、形成することは、コンフォーミングマテリアルを使用してシムの第1の側にラミネート材を連結すること、および、タービンにシールを適用することを含み、タービンは、第2の弧状セグメントに隣接する第1の弧状セグメントであって、各弧状セグメントは、端面および端面の両端部から延在する半径方向向き面を含む、第1の弧状セグメントと、第1の弧状セグメントの端面と第2の弧状セグメントの端面との間に位置するスロットとを有し、適用することは、シールのシムの第2の側が端面で第1の弧状セグメントと接触し、第1の弧状セグメントの半径方向向き面の上に延在するように、スロットにシールを挿し込むことを含み、シムの第2の側がシムの第1の側に対向する。
【0011】
本開示の第4の態様は、ガスタービンを含み、ガスタービンは、第2の弧状セグメントに隣接する第1の弧状セグメントであって、各弧状セグメントが、端面および端面の両端部から延在する半径方向向き面を含む、第1の弧状セグメントと、第1の弧状セグメントの端面と第2の弧状セグメントの端面との間に位置するスロットと、スロット内に配置された第1のシールであって、第1のシールは端面で第1の弧状セグメントと接触し、第1の弧状セグメントの半径方向向き面の上に延在する、第1のシールとを有し、第1のシールは、第1の弧状セグメントに接触するラミネート材と、ラミネート材と接触し端面および第1の弧状セグメントの半径方向向き面を封止するコンフォーミングマテリアルとを含む。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付図面とともに本発明の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】公知のガスタービンの一部切欠き斜視図である。
【
図2】環状配置における公知の弧状セグメントの斜視図である。
【
図3】ガスタービンの公知のタービンの長手方向断面図である。
【
図4】本開示の様々な実施形態によるタービンの部分の概略断面側面図である。
【
図5】本開示の様々な追加の実施形態によるタービン部分の概略断面側面図である。
【
図6】本開示の様々な実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の図面は必ずしも原寸に比例したものではないということに留意されたい。図面は本発明の典型的な態様のみを描くことを意図しており、したがって本発明の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。図面において、同様の番号付けは図面間の同様の要素を表す。
【0015】
ここに述べたように、開示された主題はタービンに関する。詳細には、本明細書に開示された主題はガスタービンにおける冷却流体流れに関する。
【0017】
これらの図で示すように、「A」軸は軸方向(詳細は省略するが、タービンロータの軸に沿って)を表す。本明細書で使われるように、「軸上の」および/または「軸方向に」という用語は、ターボ機械(特にロータ部分)の回転軸と実質的に平行である軸Aに沿う対象の相対的な位置/方向に言及する。本明細書でさらに使用されるように、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸Aに実質的に垂直であり、1つの位置のみで軸Aと交わる軸(r)に沿う対象の相対的な位置/方向に言及する。さらに、「円周の」および/または「円周に」という用語は、軸Aを囲むがいかなる位置でも軸Aと交わらない円周(c)に沿う対象の相対的位置/方向に言及する。図面間の共通の番号付けは図面内の実質的に同一の構成部品を示すことができるということがさらに理解される。
【0018】
図1を参照すると、ガスタービン2の1つの実施形態の斜視図が示されている。この実施形態では、ガスタービン2は、圧縮機入口4、圧縮機6、複数の燃焼器8、燃焼器排気(図示せず)、複数のタービンブレード14を含むタービン12、ロータ16、およびガス流出18を含む。圧縮機入口4は圧縮機6に空気を供給する。圧縮機6は、圧縮された空気を燃料と混ぜ合わされる燃焼器8へ供給する。燃焼器8からの燃焼ガスがタービンブレード12を推進させる。推進されたタービンブレード12は、ロータ16を回転させる。ケーシング20は、圧縮機入口4、圧縮機6、複数の燃焼器8、燃焼器排気(図示せず)、タービン12、タービンブレード14、ロータ16、およびガス流出18を囲む外側エンクロージャーを形成する。ガスタービン2は、単なる例示であり、本発明の教示は様々なガスタービンに適用できる。
【0019】
図2を参照すると、ガスタービン2におけるタービン12の弧状セグメント24の環状配置22の1つの実施形態の斜視図が示されている。この図は例示目的のために省略された1つの弧状セグメントとともに7つの弧状セグメント24を示す。各弧状セグメント24の端部はスロット26を有する。各弧状セグメント24の間には空間28がある。当業者は、環状配置22が任意の数の弧状セグメント24を有することができること、弧状セグメント24が様々な形状および大きさであってよいこと、および弧状セグメント24がガスタービン2内で異なる機能を果たすことができることを容易に理解するだろう。例えば、タービン内の弧状セグメントは限定されずに、以下で述べるような外側シュラウド、内側シュラウド、ノズルブロックおよびダイアフラムを含むことができる。
【0020】
図3を参照すると、ガスタービン2(
図1)におけるタービン12の1つの実施形態の断面図が示されている。この実施形態では、ケーシング20は複数の外側シュラウド30、内側シュラウド32、複数のノズルブロック34、複数のダイアフラム36、およびタービンブレード14を囲む。外側シュラウド30、内側シュラウド32、ノズルブロック34、およびダイアフラム36のそれぞれは弧状セグメント24である。外側シュラウド30、内側シュラウド32、ノズルブロック34、およびダイアフラム36のそれぞれはそれらの側にスロット26を有する。この実施形態では、外側シュラウド30はケーシング20に接触し、内側シュラウド32は外側シュラウド30に接触し、ノズルブロック34は外側シュラウド30に接触し、ダイアフラム36はノズルブロック34に接触する。当業者は弧状セグメントの多くの異なる配置および形状が可能であることを容易に理解するだろう。代替実施形態は、異なる弧状セグメント、より多くの弧状セグメント、またはより少ない弧状セグメントを含むことができる。
【0021】
図4は、様々な実施形態によるガスタービン102の断面を示しており、ガスタービン102は第2の弧状セグメント106に隣接する第1の弧状セグメント104を含み、各弧状セグメント104、106は端面108および端面108の両端部から延在する半径方向向き面110を含む。タービン102はまた、第1の弧状セグメント104の端面108と第2の弧状セグメント106の端面108との間に位置するスロット112を含むことができる。様々な実施形態において、タービン102はまた、スロット112に配置された第1のシール114を含むことができ、第1のシール114はその端面108で第1の弧状セグメントと接触し、第1の弧状セグメント104の半径方向向き面110の上に延在する。第1のシール114は、第1の弧状セグメント104に接触するシム116、シム116の上にありかつシム116を覆うラミネート材118、およびラミネート材118をシム116に連結するコンフォーミングマテリアル120を含むことができる。様々な実施形態によると、ラミネート材118は、結合、溶接、さもなければ接合して材料を形成することができる複数の個々の層(例えば、シム)を含むことができるということが理解される。ある場合には、ラミネート材118の個々の層は、1つまたは複数の金属層を含むことができ、ある場合には、ラミネート材118の柔軟性(例えば、ねじり運動)を可能にし、個々の層は互いに溶接(スポット溶接)される。
【0022】
様々な実施形態では、コンフォーミングマテリアル120は、タービン102の作動中に、コンフォーミングマテリアル120が実質的に分解する溶融温度、例えば約65℃(華氏約150度)から約485℃(華氏約900度)の溶融温度を有する。様々な実施形態では、コンフォーミングマテリアル120はゴム、シリコン、プラスチック、ワックス、低温溶融部材、またはそれらの合成物のうち少なくとも1つを含む。
【0023】
ある場合では、
図4に示すように、ラミネート材118は複数のセグメント118A、118B、118Cを含み、各セグメントはその隣接するセグメント(例えば、118Aおよび118B)から分離している。ラミネート材118の各セグメント118A、118B、118Cは第1の弧状セグメント104の別個の面に対応することができ、例えばセグメント118Aは第1の半径方向向き面110に対応し、セグメント118Bは端面108に対応し、セグメント118Cは第2の半径方向向き面110に対応する。
【0024】
本明細書で述べられるように、コンフォーミングマテリアル120は、タービン102の作動中に、それが実質的に分解する溶融温度を有する。様々な実施形態によると、シム116およびラミネート材118(セグメント118A、118B、118Cを含む)は、コンフォーミングマテリアル120(シム116とラミネート材118のセグメントとの間にある)が実質的に分解したとき、互いに独立して移動するよう構成される。様々な実施形態では、シム116は単一の連続的な金属片であり、ある場合では、端面108と各半径方向向き面110との間にわたる角部領域122を実質的に封止する。ある特定の実施形態では、シム116は約0.0025ミリメートルから約1.3ミリメートルの厚さを有する。
【0025】
図5は様々な追加の実施形態によるガスタービン202の代替断面図である。図面間に一般的にラベル付された構成部品は実質的に同一の構成部品(例えば、第2の弧状セグメント106に隣接する第1の弧状セグメント104であって、各弧状セグメント104、106は端面108および端面108の両端部から延在する半径方向向き面110を含む、第1の弧状セグメント104、および、第1の弧状セグメント104の端面108と第2の弧状セグメント106の端面108との間に位置するスロット112)を表すことができることが理解される。様々な実施形態では、タービン202はスロット112内に配置された第2のシール214を含むことができ、第2のシール114はその端面108で第1の弧状セグメント104に接触し、第1の弧状セグメント104の半径方向向き面110の上に延在する。第2のシール114は、第1の弧状セグメント104に接触するラミネート材118と、第1の弧状セグメント104の端面108および半径方向向き面110を封止するコンフォーミングマテリアル120とを含むことができる。
【0026】
様々な実施形態では、コンフォーミングマテリアル120は、タービン102の作動中にコンフォーミングマテリアル120が実質的に分解する溶融温度、例えば、約65℃(華氏約150度)から約485℃(華氏約900度)の溶融温度を有する。様々な実施形態では、コンフォーミングマテリアル120はゴム、シリコン、プラスチック、ワックス、低温溶融部材、またはそれらの合成物のうち少なくとも1つを含む。
【0027】
ある場合では、
図4に示すように、ラミネート材118は複数のセグメント118A、118B、118Cを含み、各セグメントはその隣接するセグメント(例えば118Aおよび118B)から分離している。ラミネート材118の各セグメント118A、118B、118Cは第1の弧状セグメント104の別個の面に対応することができ、例えばセグメント118Aは第1の半径方向向き面110に対応し、セグメント118Bは端面108に対応し、セグメント118Cは第2の半径方向向き面110に対応する。
【0028】
本明細書で述べられるように、コンフォーミングマテリアル120は、タービン120の作動中に、それが実質的に分解する溶融温度を有することができる。様々な実施形態によると、ラミネート材118(セグメント118A、118B、118Cを含む)は、コンフォーミングマテリアル120が実質的に分解したときに移動するよう構成され、例えば、コンフォーミングマテリアル120が分解するときに半径方向向き面110により近づくように移動し、それによって互いに接触する(例えば、コンフォーミングマテリアルが分解し、角部領域122で隙間を塞ぐとき、セグメント118Aおよびセグメント118Cそれぞれが118Bに接触する)。
【0029】
図6は、本開示の様々な実施形態による、シール(例えば、第1のシール114および/または第2のシール214)を形成する方法を示すフローチャートである。残りの図面についてもまた同時に参照する。その方法は以下の工程を含むことができる。
【0030】
工程P1:シール(例えば、第1のシール114または第2のシール214)を形成することであって、形成することは、コンフォーミングマテリアル120(
図4)を使用して、シム116の第1の側600にラミネート材118(例えば、セグメント118A、118B、118C)を連結することを含む。様々な実施形態では、シム116の第1の側600にラミネート材118を連結することは、ラミネート材118およびシム116の上にコンフォーミングマテリアル120を滑らかに動かすことを含む。
【0031】
工程P2:シール(例えば第1のシール114または第2のシール214)をタービン(例えば、ガスタービン102、
図4)に適用することであって、適用することは、シール114、214のシム116の第2の側602が、端面108で第1の弧状セグメント104と接触し、第1の弧状セグメント104の半径方向向き面110の上に延在するように、スロット112にシール114、214を挿し込むことを含み、シム116の第2の側602がシム116の第1の側600に対向する。
【0032】
本明細書で示され述べられるフローチャートの中で、図示してはいないが、他の工程が実施されてもよく、工程の順序は様々な実施形態によって再構成することができる。さらに、中間の工程は、1つまたは複数の上記工程の間で実施されてもよい。本明細書で示され述べられた工程の流れは、様々な実施形態を限定するものと解釈されるべきではない。
【0033】
本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけに用いられ、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で用いられるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに複数形を示していない限り、複数形も同様に含むことを意図している。「含む」および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で用いる場合は、記載の特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成部品の存在を特定するものであって、1つまたは複数の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成部品、および/またはそれらの群の存在または追加を除外するものではないことがさらに理解されよう。
【0034】
この明細書は、最良の態様を含む本発明を開示し、また任意の装置またはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み入れられた方法の実施を含め、当業者が本発明を実施できるように実施例を用いている。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違ない構成要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違ない等価の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図されている。
【符号の説明】
【0035】
2 ガスタービン
4 圧縮機入口
6 圧縮機
8 燃焼器
12 タービン
14 タービンブレード
16 ロータ
18 ガス流出
20 ケーシング
22 環状配置
24 弧状セグメント
26 スロット
28 空間
30 外側シュラウド
32 内側シュラウド
34 ノズルブロック
36 ダイアフラム
102 ガスタービン
104 第1の弧状セグメント
106 第2の弧状セグメント
108 端面
110 半径方向向き面
112 タービンスロット
114 第1のシール
116 シム
118 ラミネート材
120 コンフォーミングマテリアル
122 角部領域
202 ガスタービン
202 タービン
214 第2のシール
600 第1の側
602 第2の側
118A ラミネート材セグメント
118B ラミネート材セグメント
118C ラミネート材セグメント