IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

特許7433791乗客コンベヤのビス保護シールおよび乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】乗客コンベヤのビス保護シールおよび乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20240213BHJP
   B66B 29/06 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
B66B31/00 Z
B66B29/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019133488
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2021017325
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】岩波 隼也
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-133494(JP,U)
【文献】特開平02-209385(JP,A)
【文献】特開平08-175739(JP,A)
【文献】特開平11-037127(JP,A)
【文献】特開2021-127232(JP,A)
【文献】特開2000-272864(JP,A)
【文献】Amazon | カバーキャップ ビス隠しシール ネジ穴カバーシール スクリューカバー ネジカバーキャップ ねじ・キズ・穴の隠す ねじステッカー 木製品 家具 28色選択可能 直径:15 mm 1枚96個 | 補修材 | 産業・研究開発用品 通販,2018年11月29日,https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97-%E3%83%8D%E3%82%B8%E7%A9%B4%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC-%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97-%E3%81%AD%E3%81%98%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%83%BB%E7%A9%B4%E3%81%AE%E9%9A%A0%E3%81%99/dp/B07KZM8MTK
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 31/00
B66B 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
櫛に設けられ、ビス孔に挿入されたビスを上方から覆うシール本体と、前記シール本体に設けられた滑り止め部材とを備え、前記滑り止め部材の形状は、乗客コンベヤの移動方向を示す形状となっている乗客コンベヤのビス保護シールを前記櫛に貼り付ける乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置であって、
巻かれた前記乗客コンベヤのビス保護シールを回転可能に支持する支持部材と、
前記櫛における複数の歯に噛み合う歯車と
を備え
前記歯車が前記複数の歯に噛み合いながら前記櫛に沿って移動することによって、巻かれた前記乗客コンベヤのビス保護シールが前記櫛に貼り付けられる乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置。
【請求項2】
巻かれた前記乗客コンベヤのビス保護シールと前記歯車との間の距離は、前記歯車が前記複数の歯に噛み合った場合に、前記乗客コンベヤのビス保護シールが前記ビス孔を上方から覆う距離となっている請求項に記載の乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置。
【請求項3】
前記滑り止め部材は、前記シール本体の上面に設けられている請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置
【請求項4】
前記滑り止め部材は、前記シール本体の側面に設けられている請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置
【請求項5】
櫛に設けられ、ビス孔に挿入されたビスを上方から覆うシール本体と、前記シール本体に設けられた滑り止め部材とを備えた乗客コンベヤのビス保護シールを前記櫛に貼り付ける乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置であって、
巻かれた前記乗客コンベヤのビス保護シールを回転可能に支持する支持部材と、
前記櫛における複数の歯に噛み合う歯車と
を備え、
前記歯車が前記複数の歯に噛み合いながら前記櫛に沿って移動することによって、巻かれた前記乗客コンベヤのビス保護シールが前記櫛に貼り付けられる乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗客コンベヤのビス保護シールおよび乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、櫛本体と、櫛本体を櫛支持部材に対して固定するビスと、櫛に設けられ、ビスを上方から覆うカバーとを備えたエスカレーターの櫛が知られている。カバーがビスを上方から覆うことによって、ビスの頭部が保護される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2002-539054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者の足がカバーの上に乗った場合に、利用者の足が櫛に対して滑ってしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、利用者の足が櫛に対して滑ってしまうことを抑制することができる乗客コンベヤのビス保護シールおよび乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置は、櫛に設けられ、ビス孔に挿入されたビスを上方から覆うシール本体と、シール本体に設けられた滑り止め部材とを備え、滑り止め部材の形状は、乗客コンベヤの移動方向を示す形状となっている乗客コンベヤのビス保護シールを櫛に貼り付ける乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置であって、巻かれた乗客コンベヤのビス保護シールを回転可能に支持する支持部材と、櫛における複数の歯に噛み合う歯車とを備え、歯車が複数の歯に噛み合いながら櫛に沿って移動することによって、巻かれた乗客コンベヤのビス保護シールが櫛に貼り付けられる
この発明に係る乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置は、櫛に設けられ、ビス孔に挿入されたビスを上方から覆うシール本体と、シール本体に設けられた滑り止め部材とを備えた乗客コンベヤのビス保護シールを櫛に貼り付ける乗客コンベヤのビス保護シール貼付装置であって、巻かれた乗客コンベヤのビス保護シールを回転可能に支持する支持部材と、櫛における複数の歯に噛み合う歯車とを備え、歯車が複数の歯に噛み合いながら櫛に沿って移動することによって、巻かれた乗客コンベヤのビス保護シールが櫛に貼り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る乗客コンベヤのビス保護シールによれば、櫛に設けられたシール本体がビスを上方から覆う。これにより、利用者の足が櫛に対して滑ってしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係るエスカレーターのビス保護シールが貼り付けられるエスカレーターを示す側面図である。
図2図1のA部を示す拡大図である。
図3図2の櫛を示す平面図である。
図4】この発明の実施の形態1に係るエスカレーターのビス保護シールを示す図である。
図5図4のビス保護シールを示す平面図である。
図6図5のビス保護シールを示す側面図である。
図7図5のビス保護シールを示す斜視図である。
図8図5のビス保護シールの変形例を示す平面図である。
図9図8のビス保護シールを示す側面図である。
図10図8のビス保護シールが櫛に貼り付けられた状態を示す平面図である。
図11図5のビス保護シールの変形例を示す平面図である。
図12図11のビス保護シールを示す斜視図である。
図13図11のビス保護シールを示す側面図である。
図14図11のビス保護シールが櫛に貼り付けられた状態を示す平面図である。
図15】この発明の実施の形態1に係るエスカレーターのビス保護シール貼付装置8を示す正面図である。
図16図15のビス保護シール巻物を示す斜視図である。
図17図16のビス保護シール巻物を示す平面図である。
図18図16のビス保護シール巻物の変形例を示す側面図である。
図19図18のビス保護シール巻物の要部を示す拡大図である。
図20図15の歯車を示す斜視図である。
図21図20の歯車を示す正面図である。
図22図20の歯車を示す正面図である。
図23図21の歯を示す正面図である。
図24図21の歯を示す平面図である。
図25図15の第1筒部を示す斜視図である。
図26図15の第2筒部を示す斜視図である。
図27図15の第1ワッシャーを示す斜視図である。
図28図27の第1ワッシャーを示す平面図である。
図29図15のナットを示す側面図である。
図30図15の支持部材およびグリップを示す正面図である。
図31図30の軸部の端部を示す拡大図である。
図32図30の第3棒部を示す正面図である。
図33図30の第3棒部およびグリップを示す平面図である。
図34図15のビス保護シール貼付装置の要部を示す平面図である。
図35図34のビス保護シール貼付装置の要部を示す断面図である。
図36図15のビス保護シール貼付装置を用いてビス保護シールを櫛に貼り付ける手順を示す図である。
図37図15のビス保護シール貼付装置を用いてビス保護シールを櫛に貼り付ける手順を示す図である。
図38図37のビス保護シール貼付装置の要部を示す平面図である。
図39図37のビス保護シール貼付装置を示す側面図である。
図40】この発明の実施の形態1に係るビス保護シール貼付装置が収納される収納装置を示す側面図である。
図41図40の収納装置を示す正面図である。
図42図40の収納装置を示す斜視図である。
図43図40の収納装置を示す平面図である。
図44図40の収納装置の要部を示す側面図である。
図45図44の第1支持板を示す側面図である。
図46図45の第1支持板が回転した状態を示す図である。
図47図46の第1支持板が回転した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターのビス保護シールが貼り付けられるエスカレーターを示す側面図である。乗客コンベヤであるエスカレーターは、下階側階床と上階側階床とに渡って設けられたトラス1と、トラス1に設けられた複数の踏段2と、トラス1に立てられた欄干3と、欄干3に設けられた移動手摺4とを備えている。複数の踏段2および移動手摺4は、図示しない駆動装置が駆動することによって、互いに同期して循環移動する。
【0010】
図2は、図1のA部を示す拡大図である。エスカレーターは、乗降口に設けられた複数の櫛5をさらに備えている。櫛5は、乗降口に配置された踏段2の上端部に対して噛み合うように配置されている。櫛5は、コムプレート6に支持されている。コムプレート6は、トラス1に支持されている。
【0011】
図3は、図2の櫛5を示す平面図である。櫛5は、基部51と、基部51に設けられた複数の歯52とを有している。基部51および歯52から櫛本体が構成されている。基部51は、幅方向に延びている。幅方向とは、エスカレーターの乗降口についての幅方向である。複数の歯52は、基部51における側面に設けられている。複数の歯52は、幅方向に並べて配置されている。基部51には、14個の歯52が設けられている。
【0012】
櫛5は、基部51をコムプレート6に対して固定する複数のビス53を備えている。基部51には、ビス53が挿入されるビス孔511が形成されている。ビス53がビス孔511に挿入されることによって、基部51がコムプレート6に対して固定される。
【0013】
ビス53がビス孔511に挿入された場合に、ビス53の頭部は、基部51の上面よりも下方に配置される。したがって、ビス53がビス孔511に挿入された場合に、ビス53の頭部は、ビス孔511の内部に配置される。
【0014】
互いに隣り合う歯52の間の寸法は、設定された寸法となっている。この例では、互いに隣り合う歯52の間の寸法は、6.2mmとなっている。歯52の幅方向の寸法は、設定された寸法となっている。この例では、歯52の幅方向の寸法は、2.2mmとなっている。奥行方向についての歯52とビス孔511との間の寸法は、設定された寸法となっている。この例では、奥行方向についての歯52とビス孔511との間の寸法は、5.7cmとなっている。奥行方向とは、エスカレーターの乗降口についての奥行方向である。
【0015】
図4は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターのビス保護シールを示す図である。図4では、2つのエスカレーターのビス保護シール7が2個のビス53を1つずつ上方から覆っている。以下、エスカレーターのビス保護シール7を、ビス保護シール7と記載する。
【0016】
図5は、図4のビス保護シール7を示す平面図である。図6は、図5のビス保護シール7を示す側面図である。図7は、図5のビス保護シール7を示す斜視図である。ビス保護シール7は、円板形状に形成されたシール本体71と、シール本体71の上面に設けられた滑り止め部材72と、シール本体71の下面に設けられた接着部73とを備えている。シール本体71は、接着部73を介して、櫛5に貼り付けられる。滑り止め部材72の形状は、四角錐となっている。1つのシール本体71に対して、1つの滑り止め部材72が設けられている。
【0017】
滑り止め部材72の色は、透明となっている。なお、滑り止め部材72の色は、例えば、赤色、黄色、黒色、白色、青色などであってもよい。滑り止め部材72の形状は、エスカレーターの移動方向を示す形状となっている。
【0018】
図8は、図5のビス保護シール7の変形例を示す平面図である。図9は、図8のビス保護シール7を示す側面図である。図10は、図8のビス保護シール7が櫛5に貼り付けられた状態を示す平面図である。ビス保護シール7は、複数の滑り止め部材72を備えてもよい。この場合に、複数の滑り止め部材72は、シール本体71の側面に設けられている。また、複数の滑り止め部材72は、シール本体71の周囲を囲むように環状に並べて配置されている。また、滑り止め部材72は、シール本体71と接着部73とに渡って配置される。滑り止め部材72は、シール本体71の径方向について外側から内側に向かうにつれて、滑り止め部材72の高さ方向の寸法が大きくなるように形成されている。また、滑り止め部材72は、シール本体71の径方向について外側から内側に向かうにつれて、シール本体71の周方向についての滑り止め部材72の寸法が大きくなるように形成されている。
【0019】
図11は、図5のビス保護シール7の変形例を示す平面図である。図12は、図11のビス保護シール7を示す斜視図である。図13は、図11のビス保護シール7を示す側面図である。図14は、図11のビス保護シール7が櫛5に貼り付けられた状態を示す平面図である。ビス保護シール7は、複数の滑り止め部材72を備えてもよい。この場合に、複数の滑り止め部材72は、シール本体71の上面に設けられている。滑り止め部材72の形状は、四角錐となっている。
【0020】
次に、ビス保護シール7を櫛5に貼り付けるエスカレーターのビス保護シール貼付装置について説明する。図15は、この発明の実施の形態1に係るエスカレーターのビス保護シール貼付装置8を示す正面図である。以下、エスカレーターのビス保護シール貼付装置8をビス保護シール貼付装置8と記載する。
【0021】
ビス保護シール貼付装置8は、複数のビス保護シール7を有するビス保護シール巻物81と、ビス保護シール巻物81を回転可能に支持する支持部材82と、支持部材82に回転可能に支持された歯車83とを備えている。また、ビス保護シール貼付装置8は、ビス保護シール巻物81と歯車83との間で支持部材82に設けられた第1筒部84と、第1筒部84との間にビス保護シール巻物81が挟まれるように支持部材82に支持された第2筒部85とを備えている。
【0022】
また、ビス保護シール貼付装置8は、歯車83を挟むように支持部材82に設けられた一対の第1ワッシャー86と、第2筒部85に隣り合うように支持部材82に設けられた第2ワッシャー87とを備えている。また、ビス保護シール貼付装置8は、支持部材82に設けられたナット88と、支持部材82に設けられたグリップ89とを備えている。
【0023】
図16は、図15のビス保護シール巻物81を示す斜視図である。図17は、図16のビス保護シール巻物81を示す平面図である。ビス保護シール巻物81は、シート形状に形成されて、巻かれたテープ811と、テープ811に設けられた複数のビス保護シール7とを有している。複数のビス保護シール7は、テープ811の長手方向に等間隔に並べて配置されている。互いに隣り合うビス保護シール7の間の寸法は、設定された寸法となっている。また、互いに隣り合うビス保護シール7の間の寸法は、櫛5における互いに隣り合うビス53の寸法に対応している。
【0024】
巻かれたテープ811には、軸方向に延びた貫通孔812が形成されている。隣り合うビス保護シール7の間にあるテープ811の部分には、切り取り線813が形成されている。切り取り線813は、テープ811の幅方向に延びている。ビス保護シール7が櫛5に貼り付けられた後、ビス保護シール7からテープ811が切り離されて、テープ811のみが櫛5から取り外される。
【0025】
図18は、図16のビス保護シール巻物81の変形例を示す側面図である。図19は、図18のビス保護シール巻物81の要部を示す拡大図である。図18では、ビス保護シール巻物81が櫛5に貼り付けられた状態が示されている。ビス保護シール巻物81は、1つのビス保護シール7から構成されてもよい。図18および図19では、ビス保護シール7は、シール本体71と滑り止め部材72とが一体となった滑り止め付シール本体74と、接着部73とを有している。シート形状の滑り止め付シール本体74とシート形状の接着部73とが互いに貼り付けられた状態で、滑り止め付シール本体74および接着部73が巻かれている。
【0026】
図20は、図15の歯車83を示す斜視図である。歯車83は、円筒形状に形成された円筒部831と、円筒部831の外周面に設けられた複数の歯832とを有している。複数の歯832は、周方向に並べて配置されている。円筒部831には、軸方向に延びる貫通孔833が形成されている。歯車83は、プラスチックから構成されている。
【0027】
図21は、図20の歯車83を示す正面図である。周方向に互いに隣り合う一対の歯832のそれぞれの先端部の間の寸法L1は、設定された寸法となっている。この例では、周方向に互いに隣り合う一対の歯832のそれぞれの先端部の間の寸法は、9.5mmとなっている。周方向に互いに隣り合う一対の歯832のそれぞれの先端部の間の寸法L1は、櫛5における互いに隣り合う歯52の間の寸法に対応している。
【0028】
図22は、図20の歯車83を示す正面図である。周方向に互いに隣り合う一対の歯832のそれぞれの先端部と円筒部831の中心軸との間の成す角度R1は、設定された寸法となっている。この例では、周方向に互いに隣り合う一対の歯832のそれぞれの先端部と円筒部831の中心軸との間の成す角度R1は、12.8度となっている。
【0029】
図23は、図21の歯832を示す正面図である。図24は、図21の歯832を示す平面図である。歯832の形状は、四角錐となっている。歯832の高さ方向の寸法は、設定された寸法となっている。この例では、歯832の高さ方向の寸法は、5mmとなっている。歯832の頂部は、平面であってもよい。
【0030】
図25は、図15の第1筒部84を示す斜視図である。第1筒部84の形状は、円筒形状となっている。第1筒部84には、軸方向に延びる貫通孔841が形成されている。第1筒部84の軸方向の寸法は、設定された寸法となっている。この例では、第1筒部84の軸方向の寸法は、45mmとなっている。第1筒部84の軸方向の寸法は、ビス保護シール巻物81と歯車83との間の寸法が櫛5における歯52とビス53との間の寸法に対応するようになっている。
【0031】
図26は、図15の第2筒部85を示す斜視図である。第2筒部85の形状は、円筒形状となっている。第2筒部85には、軸方向に延びる貫通孔851が形成されている。第2筒部85の軸方向の寸法は、設定された寸法となっている。この例では、第2筒部85の軸方向の寸法は、30mmとなっている。
【0032】
図27は、図15の第1ワッシャー86を示す斜視図である。図28は、図27の第1ワッシャー86を示す平面図である。第1ワッシャー86は、鉄から構成されている。第1ワッシャー86の形状は、円筒形状となっている。第1ワッシャー86には、軸方向に延びる貫通孔861が形成されている。一対の第1ワッシャー86が歯車83を挟むことによって、歯車83が容易に回転可能となる。なお、図示していないが、第2ワッシャー87は、第1ワッシャー86と同様である。
【0033】
図29は、図15のナット88を示す側面図である。ナット88は、支持部材82に着脱可能となっている。ナット88が支持部材82から取り外されることによって、ビス保護シール巻物81が支持部材82に対して容易に着脱される。
【0034】
図30は、図15の支持部材82およびグリップ89を示す正面図である。支持部材82は、円柱形状に形成された軸部821と、軸部821に一体に形成された棒部材822とを備えている。軸部821と歯車83との間には、磁力が発生するようになっている。これにより、歯車83の不要な転がりが防止される。この例では、軸部821は、磁石と鉄とから構成されている。なお、軸部821が鉄から構成され、棒部材822が磁石と鉄とから構成されてもよい。
【0035】
棒部材822は、基端部が軸部821の一端部に設けられた第1棒部823と、基端部が第1棒部823の先端部に設けられた第2棒部824と、基端部が第2棒部824の先端部に設けられた第3棒部825とを有している。
【0036】
第1棒部823は、軸部821から径方向に延びている。第2棒部824は、第1棒部823の先端部から第1棒部823に対して傾斜して延びている。第3棒部825は、第2棒部824の先端部から径方向に延びている。グリップ89は、第3棒部825に設けられている。
【0037】
図31は、図30の軸部821の端部を示す拡大図である。軸部821の他端部には、ナット88が取り付けられるねじ溝826が形成されている。ねじ溝826にナット88が取り付けられることによって、ビス保護シール巻物81、歯車83、第1筒部84、第2筒部85、一対の第1ワッシャー86および第2ワッシャー87が軸部821から外れることが防止される。
【0038】
図32は、図30の第3棒部825を示す正面図である。第3棒部825には、貫通孔827が形成されている。貫通孔827は、第3棒部825の長手方向に延びた長穴となっている。貫通孔827に図示しないフックが掛けられることによって、ビス保護シール貼付装置8がフックに支持される。
【0039】
図33は、図30の第3棒部825およびグリップ89を示す平面図である。第3棒部825の形状は、板形状となっている。グリップ89の外周の形状は、円形状となっている。第3棒部825の周囲にグリップ89が設けられることによって、作業者は、ビス保護シール貼付装置8を容易に把持することができる。
【0040】
図34は、図15のビス保護シール貼付装置8の要部を示す平面図である。図35は、図34のビス保護シール貼付装置8の要部を示す断面図である。軸部821には、ビス保護シール巻物81、歯車83、第1筒部84、第2筒部85、一対の第1ワッシャー86、第2ワッシャー87およびナット88が取り付けられている。軸部821は、ビス保護シール巻物81の貫通孔812、歯車83の貫通孔833、第1筒部84の貫通孔841、第2筒部85の貫通孔851、第1ワッシャー86の貫通孔861および第2ワッシャー87の貫通孔に挿入されている。
【0041】
次に、ビス保護シール貼付装置8を用いてビス保護シール7を櫛5に貼り付ける手順について説明する。図36は、図15のビス保護シール貼付装置8を用いてビス保護シール7を櫛5に貼り付ける手順を示す図である。図37は、図15のビス保護シール貼付装置8を用いてビス保護シール7を櫛5に貼り付ける手順を示す図である。図36では、櫛5を上方から視た場合を示しており、図37では、櫛5をエスカレーターの奥行方向について視た場合を示している。
【0042】
まず、作業者は、歯車83が櫛5の互いに並ぶ歯52の間に挿入されるように、ビス保護シール貼付装置8を櫛5の歯52上に載せる。これにより、ビス保護シール巻物81が基部51の上に載せられる。このとき、ビス保護シール7がビス53を上方から覆うようにする。
【0043】
図38は、図37のビス保護シール貼付装置8の要部を示す平面図である。図39は、図37のビス保護シール貼付装置8を示す側面図である。作業者は、グリップ89を把持した状態で、ビス保護シール貼付装置8をエスカレーターの間口方向に移動させる。これにより、歯車83が回転し、かつ、ビス保護シール巻物81が回転する。ビス保護シール巻物81が回転することによって、ビス保護シール7が櫛5に貼り付けられる。ビス保護シール7が櫛5に貼り付けられた後、作業者は、ビス保護シール7を踏む。これにより、ビス保護シール7の櫛5への貼り付けがより確実となる。
【0044】
歯車83とビス保護シール巻物81との間の距離は、歯52とビス53との間の距離に対応している。したがって、複数のビス保護シール7は、櫛5の複数のビス53を順に上方から覆う。ビス保護シール貼付装置8が複数の櫛5の全てにビス保護シール7を貼り付けることによって、ビス保護シール貼付装置8を用いてビス保護シール7を櫛5に貼り付ける手順が終了する。
【0045】
次に、ビス保護シール貼付装置8が収納される収納装置について説明する。図40は、この発明の実施の形態1に係るビス保護シール貼付装置8が収納される収納装置9を示す側面図である。図41は、図40の収納装置9を示す正面図である。収納装置9は、ビス保護シール貼付装置8の要部が収納される箱91を有している。箱91の内部には、ビス保護シール巻物81、歯車83、第1筒部84、第2筒部85、一対の第1ワッシャー86、第2ワッシャー87、ナット88、軸部821および第1棒部823が配置される。第2棒部824、第3棒部825およびグリップ89は、箱91の外部に配置される。
【0046】
箱91は、一対の箱片911と、一対の箱片911に渡って設けられた蝶番912とを有している。一対の箱片911は、1つの箱を2つに分割することによって構成されている。蝶番912は、一対の箱片911のそれぞれの底板に接続されている。
【0047】
図42は、図40の収納装置9を示す斜視図である。図43は、図40の収納装置9を示す平面図である。箱91の上板には、貫通孔913が形成されている。貫通孔913には、第1棒部823の先端部が挿入される。
【0048】
図44は、図40の収納装置9の要部を示す側面図である。収納装置9は、箱91の内部に設けられた一対の第1支持板92と、箱91の内部に設けられた一対の第2支持板93とを備えている。
【0049】
一対の第1支持板92のそれぞれは、箱91の底板に支持されている。一対の第1支持板92は、第1筒部84および第2筒部85を支持する。これにより、ビス保護シール巻物81と箱91の底板との間に隙間が形成される。言い換えれば、ビス保護シール巻物81と箱91の底板とが互いに接触しない。
【0050】
一対の第2支持板93のそれぞれは、箱91の底板に支持されている。一対の第2支持板93は、一対の第1ワッシャー86を支持する。これにより、歯車83と箱91の底板との間に隙間が形成される。言い換えれば、歯車83と箱91の底板とが互いに接触しない。
【0051】
図45は、図44の第1支持板92を示す側面図である。第1支持板92は、一対の箱片911のそれぞれに固定された一対の支持片921を有している。図46および図47に示すように、一対の箱片911が蝶番912を中心に回転することによって、一対の支持片921が蝶番912を中心に回転する。なお、図示していないが、第2支持板93は、第1支持板92と同様である。
【0052】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るビス保護シール7によれば、ビスを上方から覆うシール本体71と、シール本体71に設けられた滑り止め部材72とを備えている。これにより、利用者の足が櫛に対して滑ってしまうことを抑制することができる。
【0053】
また、この発明の実施の形態1に係るビス保護シール貼付装置8によれば、ビス保護シール7を回転可能に支持する支持部材82を備えている。これにより、ビス保護シール7を櫛5に容易に貼り付けることができる。
【0054】
また、ビス保護シール貼付装置8は、櫛5における複数の歯52に噛み合う歯車83をさらに備え、歯車83が複数の歯52に噛み合いながら櫛5に沿って移動することによって、ビス保護シール7が櫛5に貼り付けられる。これにより、ビス保護シール7を櫛5に容易に貼り付けることができる。
【0055】
また、ビス保護シール7と歯車83との間の距離は、歯車83が複数の歯52に噛み合った場合に、ビス保護シール7がビス孔511を上方から覆う距離となっている。これにより、ビス保護シール7を櫛5に容易に貼り付けることができる。
【0056】
なお、実施の形態1では、乗客コンベヤとしてエスカレーターを例に説明した。しかしながら、乗客コンベヤとして動く歩道であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 トラス、2 踏段、3 欄干、4 移動手摺、5 櫛、6 コムプレート、7 ビス保護シール、8 ビス保護シール貼付装置、9 収納装置、51 基部、52 歯、53 ビス、71 シール本体、72 滑り止め部材、73 接着部、74 滑り止め付シール本体、81 ビス保護シール巻物、82 支持部材、83 歯車、84 第1筒部、85 第2筒部、86 第1ワッシャー、87 第2ワッシャー、88 ナット、89 グリップ、91 箱、92 第1支持板、93 第2支持板、511 ビス孔、811 テープ、812 貫通孔、813 切り取り線、821 軸部、822 棒部材、823 第1棒部、824 第2棒部、825 第3棒部、826 ねじ溝、827 貫通孔、831 円筒部、832 歯、833 貫通孔、841 貫通孔、851 貫通孔、861 貫通孔、911 箱片、912 蝶番、913 貫通孔、921 支持片。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47