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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20210101AFI20240213BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240213BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20240213BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20240213BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240213BHJP
【FI】
G03B17/14
G03B17/18
G03B17/56 J
H04N23/65
H04N23/63
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019142582
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021026083
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】松田 龍英
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-025169(JP,A)
【文献】特開2007-228143(JP,A)
【文献】特開2012-118376(JP,A)
【文献】特開2016-192701(JP,A)
【文献】特開平01-259336(JP,A)
【文献】特開2012-042773(JP,A)
【文献】特開2013-171077(JP,A)
【文献】特開2008-098818(JP,A)
【文献】特開2006-135588(JP,A)
【文献】特開2014-071289(JP,A)
【文献】国際公開第2013/162471(WO,A2)
【文献】特開平02-283173(JP,A)
【文献】特開2014-219473(JP,A)
【文献】特開2004-077660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/14
G03B 17/18
G03B 17/56
H04N 23/65
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセサリが着脱されるマウントの交換が可能な撮像装置であって、
前記撮像装置に対する前記マウントの取り外し/取り付けを検出するマウント検出手段と、
前記撮像装置の電源がオンの状態での前記マウントの取り外しの検出に応じて前記電源をオフする制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記マウントの取り外しの検出に応じて前記電源をオフした状態において交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて前記電源をオンし、前記マウントが取り外される前から前記電源がオフの状態において前記マウントが取り外された後に交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて前記電源をオンしないことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記マウントに対する前記アクセサリの着脱を検出するアクセサリ検出手段を有し、
前記制御手段は、前記マウントの取り外しの検出に応じて前記電源をオフした状態において交換使用されるマウントの取り付けが検出され、さらに該マウントへの前記アクセサリの装着が検出されることに応じて前記電源をオンすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置および該撮像装置に装着された前記アクセサリのうち少なくとも一方の機能を表示する表示手段と、
前記撮像装置に取り付けられた前記マウントに関する情報を取得するマウント情報取得手段を有し、
前記制御手段は、前記マウントの交換前後にそれぞれ取得された前記マウントに関する情報を比較して、交換後に使用不可となった機能に対して前記表示手段に非表示とさせ又は使用不可を示す表示を行わせ、交換後に使用可能となった機能に対して前記表示手段に使用可能を示す表示を行わせることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置とこれに装着された前記アクセサリの機能を表示する表示手段と、
前記マウントに装着された前記アクセサリに関する情報を取得するアクセサリ情報取得手段を有し、
前記制御手段は、前記アクセサリの交換前後にそれぞれ取得された前記アクセサリに関する情報を比較して、交換後に使用不可となった機能に対して前記表示手段に非表示とさせ又は使用不可を示す表示を行わせ、交換後に使用可能となった機能に対して前記表示手段に使用可能を示す表示を行わせることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記撮像装置による画像の再生中または記録中において前記マウントが取り外された場合は前記電源のオンの状態を維持することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
アクセサリが着脱されるマウントの交換が可能な撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置に対する前記マウントの取り外し/取り付けを検出するステップと、
前記撮像装置の電源がオンの状態での前記マウントの取り外しの検出に応じて前記電源をオフするステップと、
前記マウントの取り外しの検出に応じて前記電源をオフした状態において交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて前記電源をオンし、前記マウントが取り外される前から前記電源がオフの状態において前記マウントが取り外された後に交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて前記電源をオンしないステップとを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項7】
アクセサリが着脱されるマウントの交換が可能な撮像装置のコンピュータに、請求項6に記載の制御方法に従う処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズ等のアクセサリが着脱されるマウントの交換が可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ交換式撮像装置には、交換レンズが着脱されるレンズマウントを、装着される交換レンズの種類に応じてユーザが交換可能なものがある。ただし、レンズマウントの交換によって、交換前に使用できた機能が使用できなくなる場合がある。このような場合に、撮像装置が電源オン状態のままレンズマウントが交換されると、撮像装置や交換後のレンズマウントに装着された交換レンズの誤動作を引き起こすおそれがある。またレンズマウントの取り外しによって撮像装置に設けられたレンズマウント用電気端子が通電状態のまま露出すると、該電気端子へのユーザの接触によって撮像装置の故障を引き起こすおそれがある。
【0003】
特許文献1には、レンズマウントの交換が検出された場合に、交換後のレンズマウントでは使用できない機能をメニュー上にて非表示にし、かつ該機能が交換前にユーザにより登録(選択)されていた場合はその登録を解除する撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-192701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、電源オン状態でのレンズマウントの交換によって引き起こされる誤作動や故障を防止することについては言及されていない。
【0006】
本発明は、電源オン状態にてマウントが交換された場合の誤動作や故障を防止できるようにした撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての撮像装置は、アクセサリが着脱されるマウントの交換が可能な 撮像装置である。撮像装置は、該撮像装置に対するマウントの取り外し/取り付けを検出 するマウント検出手段と、撮像装置の電源がオンの状態でのマウントの取り外しの検出に 応じて電源をオフする制御手段とを有し、制御手段は、マウントの取り外しの検出に応じて電源をオフした状態において交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて電源をオンし、マウントが取り外される前から電源がオフの状態においてマウントが取り外された後に交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて電源をオンしないことを特徴とする。
【0008】
また本発明の他の一側面としての制御方法は、アクセサリが着脱されるマウントの交換 が可能な撮像装置に適用される。該制御方法は、撮像装置に対するマウントの取り外し/ 取り付けを検出するステップと、撮像装置の電源がオンの状態でのマウントの取り外しの 検出に応じて電源をオフするステップと、マウントの取り外しの検出に応じて電源をオフした状態において交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて電源をオンし、マウントが取り外される前から電源がオフの状態においてマウントが取り外された後に交換使用されるマウントの取り付けが検出されることに応じて電源をオンしないステップとを有することを特徴とする。
【0009】
なお、アクセサリが着脱されるマウントの交換が可能な撮像装置のコンピュータに上記制御方法に従う処理を実行させるコンピュータプログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像装置の電源オン状態にてマウントが取り外された際に撮像装置を電源オフ状態とすることで誤動作や故障を防止しつつ、その状態からマウントが取り付けられるだけで撮像装置の電源をオン状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1である撮像装置の構成を示すブロック図。
図2】実施例1におけるレンズマウントの交換例を示す図。
図3】実施例1におけるレンズマウントの取り付け/取り外しを検出する回路構成を示す図。
図4】実施例1における電源オン状態でのレンズマウント交換時の処理を示すフローチャート。
図5】実施例1におけるレンズマウント交換時のメニュー表示に関する処理を示すフローチャート。
図6】本発明の実施例2におけるレンズマウント交換時の処理を示すフローチャート。
図7】本発明の実施例3におけるレンズマウント交換時の処理を示すフローチャート。
図8】本発明の実施例4におけるレンズ交換時のメニュー表示に関する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1である撮像装置(以下、カメラ本体という)100の構成を示している。カメラ本体100には、レンズマウント102がビス等の締結部材によって交換可能に取り付けられる。
【0014】
レンズマウント102には、アクセサリとしての交換レンズ101が交換(着脱)可能に装着される。レンズマウント102は、交換レンズ101と機械的に結合される結合部を有するとともに、交換レンズ101とカメラ本体100(後述するシステム制御部112)が互いに通信できるように電気接点を通じてカメラ本体100および交換レンズ101と電気的に接続される。
【0015】
交換レンズ101は、複数のレンズ群を含む撮像光学系を有し、それぞれアクチュエータによって動作するズーム機能、フォーカス機能、絞り機能、防振機能等の様々な機能を有する。
【0016】
カメラ本体100において、マウント検出部(マウント検出手段)103は、カメラ本体100に対するレンズマウント102の取り付け/取り外しを検出する。システム制御部112は、マウント検出部103からの検出信号の有無によってレンズマウント102の取り付けと取り外しを判定する。システム制御部112は、以下の各構成要素の動作を制御したり不揮発性メモリ114にコンピュータプログラムに従って後述する各処理を実行したりするコンピュータである。
【0017】
シャッタ104は、撮像素子105の露光量を制御する。撮像素子105は、交換レンズ101(撮像光学系)により形成された被写体像を光電変換し、アナログ撮像信号を出力する。A/D変換器106は、アナログ撮像信号をデジタル撮像信号に変換する。画像処理部107は、デジタル撮像信号に対して画素補完処理、リサイズ処理、色変換処理等の各種画像処理を行って画像データを生成する。画像データは、画像処理部107から直接またはメモリ制御部108を介してメモリ111に書き込まれたり、記録媒体I/F部120を介して半導体メモリや光ディスク等の記録媒体121に記録されたりする。
【0018】
メモリ111は画像表示用メモリを兼ねており、D/A変換器109はメモリ111に格納された画像表示用の画像データをアナログ画像信号に変換してLCD等により構成される表示部(表示手段)110に供給する。これにより、表示部110は、画像データに対応する画像(動画)を表示し、電子ビューファインダとして機能する。また表示部110は、記録媒体121に記録された画像データを再生表示することもできる。
【0019】
不揮発性メモリ114は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、EEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ114には、システム制御部112の動作用定数やコンピュータプログラムが格納されている。
【0020】
レンズ通信部113は、交換レンズ101との間でシリアル通信を行う。システム制御部112は、レンズ通信部113を通じたシリアル通信により交換レンズ101の各種情報を取得する。またシステム制御部112は、交換レンズ101内のアクチュエータを制御することで変倍レンズ、フォーカスレンズ、絞りおよび防振レンズの位置を制御する。
【0021】
操作部115は、ユーザ操作を受け付けて、システム制御部112に各種操作信号を入力する。操作部115には、カメラ本体100および交換レンズ101の電源をオン/オフする電源スイッチや各種撮像モードを設定するダイヤル等が含まれる。
【0022】
電源部117は、電池またはACアダプタを含む。電源制御部116は、電池検出回路、DC-DCコンバータおよびスイッチ回路等により構成され、電源部117への電池の装着の有無、装着された電池の種類および電池の残量を検出する。上記スイッチ回路は、操作部115内の電源スイッチ115aのオン/オフ操作に応じて電源のオン/オフ状態を物理的に固定したり、通電するブロックを切り替えたりすることができる。電源制御部116は、電池の種類や残量の検出結果とシステム制御部112からの指示に応じてDC-DCコンバータを制御して必要な電圧をカメラ本体100内の各部と交換レンズ101に供給する。
【0023】
システムタイマ118は、各種制御に用いられる時間や時刻をカウントする。システムメモリ119は、システム制御部112の動作用の定数、変数を保持したり、不揮発性メモリ114から読み出したプログラムを展開したりするために設けられており、RAMが用いられる。
【0024】
図2は、カメラ本体100に対する互いに種類が異なるレンズマウント102a,102b,102cの交換を模式的に示している。カメラ本体100とこれに装着される交換レンズ101a,101b,101cとの間の通信方式や交換レンズ101a~101cのマウント形状によって求められるレンズマウントが異なる。このため、カメラ本体100には、装着される交換レンズに応じてレンズマウントを交換する必要がある。具体的には、交換レンズ101aをカメラ本体100に装着する場合はレンズマウント102aをカメラ本体100に取り付け、交換レンズ101bをカメラ本体100に装着する場合はレンズマウント102bをカメラ本体100に取り付ける。また交換レンズ101cをカメラ本体100に装着する場合はレンズマウント102cをカメラ本体100に取り付ける。
【0025】
図3(a),(b)は、図1に示したマウント検出部103の構成を示している。図3(a)に示すようにレンズマウント102(102a~102c)がカメラ本体100に取り付けられると、マウント検出部103に設けられた2つの信号線にレンズマウント102に設けられた短絡線が接続されて上記信号線がグランドに接続される。これにより、マウント検出部103からシステム制御部112に入力される検出信号がロー(無)となり、システム制御部112はレンズマウント102のカメラ本体100への取り付けを判定することができる。
【0026】
一方、図3(b)に示すようにレンズマウント102がカメラ本体100から取り外されると、マウント検出部103に設けられた2つの信号線からレンズマウント102に設けられた短絡線が離れる。これにより、マウント検出部103からシステム制御部112に入力される検出信号がハイ(有)となり、システム制御部112はレンズマウント102のカメラ本体100からの取り外しを判定することができる。
【0027】
図3(a),(b)にはカメラ本体100に対するレンズマウント102の取り付けと取り外しのみを検出するマウント検出部103の構成を示したが、システム制御部112のA/D変換ポートで検出信号を監視することが可能な場合は、電圧Vを抵抗分圧することで取り付けられたレンズマウント102a~102bを識別することが可能である。
【0028】
図4のフローチャートは、カメラ本体100の電源オン状態でのレンズマウント交換に関する処理を示している。制御手段としてのシステム制御部112は上述したコンピュータプログラムに従って本処理を実行する。
【0029】
ステップS401において、システム制御部112は、マウント検出部103を通じて図3(b)に示したようにレンズマウント102が取り外されたか否かを判定し、レンズマウント102が取り外された場合はステップS402に進み、取り外されていない場合はこの判定を繰り返す。
【0030】
ステップS402では、システム制御部112は、操作部115に含まれる電源スイッチがオフ状態か否かを判定し、オフ状態であればステップS404に進み、オン状態であればステップS403に進む。
【0031】
ステップS403では、システム制御部112は、レンズマウント102が取り外されたことを受けて、電源制御部116に含まれるスイッチ回路を電源オフ状態に切り替える。これにより、操作部115内の電源スイッチがオン状態であってもカメラ本体100の電源がオフ状態になる。
【0032】
ステップS404では、システム制御部112は、マウント検出部103を通じてユーザのレンズマウント交換により図3(a)に示すように交換使用されるレンズマウント102がカメラ本体100に取り付けられたか否を判定し、レンズマウント102が取り付けられた場合はステップS405に進み、取り付けられていない場合はこの判定を繰り返す。なお、交換使用されるレンズマウント102は、交換前のレンズマウントと種類が異なるものであってもよいし、同じ種類のものであってもよい。
【0033】
ステップS405では、システム制御部112は、電源スイッチがオフ状態か否かを判定し、オフ状態であれば本処理を終了し、オン状態であればステップS406に進む。
【0034】
ステップS406では、システム制御部112は、レンズマウント102が取り付けられたことを受けて、電源制御部116に含まれるスイッチ回路を電源オン状態に切り替える。これにより、電源スイッチがあらためてオン操作されなくてもカメラ本体100の電源がオン状態になる。この後、システム制御部112は本処理を終了する。
【0035】
図5のフローチャートは、レンズマウント交換時におけるメニュー表示に関する処理を示す。図1に示す表示部110は、上述した画像の表示だけでなく、ユーザが選択可能なメニューを表示することができる。レンズマウント交換はレンズ交換とは異なり、ユーザが頻繁に行うことではなく、レンズ交換よりも時間と手間がかかる。このため、レンズマウント交換によって交換前にカメラ本体100および交換レンズ101のうち少なくとも一方において使用が可能な機能(以下、使用可能機能という)の使用が不可となる場合は、メニューにおいて使用が不可となった機能(以下、使用不可機能)をその使用が不可である(無効である)ことを示すグレーアウト表示にするよりも非表示にすることで、ユーザに使用不可機能をより直感的に認識させることができる。
【0036】
ステップS501において、マウント情報取得手段としてのシステム制御部112は、カメラ本体100に取り付けられた(交換後の)レンズマウント102に関する情報を取得する。レンズマウント102に関する情報は、そのレンズマウント102の種類を示す情報や識別情報等を含む。
【0037】
次にステップS502では、システム制御部112は、不揮発性メモリ114に記憶されている交換前のレンズマウントに関する情報とステップS501で取得した交換後のレンズマウント102に関する情報とを比較し、交換前後のレンズマウントの種類が異なる場合はステップS503に進み、種類が同じである場合は本処理を終了する。
【0038】
ステップS503では、システム制御部112は、システムメモリ119に展開されているプログラムと交換後のレンズマウント102の種類とから、交換前のレンズマウントが取り付けられた状態での使用可能機能と交換後のレンズマウントが取り付けられた状態での使用可能機能とを比較し、使用可能機能に変化があれば(新たな使用不可機能または使用可能機能があれば)ステップS504に進み、変化がなければ本処理を終了する。
【0039】
ステップS504では、システム制御部112は、新たな使用不可機能をメニューから削除して非表示とし、ユーザが表示部110を通じて該使用不可機能を確認できないようにする。
【0040】
次にステップS505において、システム制御部112は、新たな使用可能機能をメニューに追加して使用可能であることを表示し、ユーザが表示部110を通じて該使用可能機能を確認したり選択したりすることができる状態にする。この後システム制御部112は本処理を終了する。
【0041】
本実施例によれば、カメラ本体100の電源オン状態にてレンズマウント102が交換された場合の誤動作や故障を防止することができる。また電源オフ状態にてレンズマウント102がカメラ本体100に取り付けられることにより自動で電源オン状態に復帰することができる。
【実施例2】
【0042】
次に本発明の実施例2について説明する。本実施例におけるカメラ本体の構成は実施例1のカメラ本体100の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。
【0043】
図6のフローチャートは、本実施例におけるカメラ本体100の電源オフ状態での交換レンズ装着に関する処理を示している。カメラ本体100が交換レンズ101が装着されなければ良好な撮像を行うことはできない。また交換レンズ101が装着されていない状態ではレンズマウント102の電気端子が露出している。このため、レンズマウント102に交換レンズ101が装着された状態で電源をオンすることが望ましい。
【0044】
ステップS601からの処理は、実施例1における図4のステップS404~S406の処理に代えて行われる。ステップS601とステップS602の処理は、実施例1における図4のステップS404とステップS405の処理と同じである。ステップS602において電源スイッチがオンである場合はシステム制御部112はステップS603に進む。
【0045】
ステップS603において、アクセサリ検出手段としてのシステム制御部112は、レンズマウント102に交換レンズ101が装着されたか否かを判定する。この判定は、図3(a),(b)に示したような回路により行ってもよいが、ここではアクセサリ情報取得手段でもあるシステム制御部112がレンズ通信部113およびレンズマウント102を通じてレンズマウント102に装着された交換レンズ101から該交換レンズ101に関する情報を取得できたか否かにより行う。システム制御部112は、交換レンズ101に関する情報が取得できた、すなわち交換レンズ101がレンズマウント102に装着されている場合はステップS604に進み、交換レンズ101に関する情報が取得できない、すなわち交換レンズ101がレンズマウント102に装着されていない場合はステップS605に進む。
【0046】
ステップS604では、システム制御部112は、レンズマウント102がカメラ本体100に取り付けられ、かつレンズマウント102に交換レンズ101が装着されたことを受けて、電源制御部116に含まれるスイッチ回路を電源オン状態に切り替える。これにより、電源スイッチがあらためてオン操作されなくてもカメラ本体100の電源がオン状態になる。この後、システム制御部112は本処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS605では、システム制御部112は、ユーザによって交換レンズ101がレンズマウント102に装着されるのを待つために一定時間の待機処理を行う。システム制御部112は、システムタイマ118による一定時間のカウントが完了するとステップS603に戻る。
【0048】
本実施例によれば、実施例1と同様に、カメラ本体100の電源オン状態にてレンズマウント102が交換された場合の誤動作や故障を防止することができる。また電源オフ状態にてレンズマウント102がカメラ本体100に取り付けられ、かつ交換レンズ101がレンズマウント102に装着されることにより自動かつ安全に電源オン状態に復帰することができる。
【実施例3】
【0049】
次に本発明の実施例3について説明する。本実施例におけるカメラ本体の構成は実施例1のカメラ本体100の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。図7のフローチャートは、本実施例におけるカメラ本体100の特定状態におけるレンズマウント交換に関する処理を示している。本実施例では、レンズマウント交換による電源オフよりもカメラ本体100の動作を優先する場合について説明する。また、レンズマウント102に通電しておらず、レンズマウントを交換する際に電源オフする必要がない場合についても合わせて説明する。
【0050】
ステップS701からの処理は、実施例1における図4のステップS401~S403の処理に代えて行われる。ステップS701およびステップS702の処理は、実施例1における図4のステップS401およびステップS402の処理と同じである。
【0051】
ステップS703では、システム制御部112は、カメラ本体100の動作モードが記録媒体121に記録された画像データを表示部110に再生表示する再生モードであるか否かを判定し、再生モード(再生中)であれば電源オン状態を維持して本処理を終了し、再生モードではなければステップS704に進む。以下、ステップ704からステップ706では動画記録中にレンズマウントが外れたことを想定して説明する。動画記録中に電源オフするとそれまで記録したコンテンツが失われてしまう可能性がある。このため、動画記録終了処理を先に行ってから電源オフ状態にする。その間、レンズマウントが装着されてないため正常に撮像されていないコンテンツが記録されてしまうことについては許容することとする。
【0052】
ステップS704では、システム制御部112は、撮像により生成される画像データの記録中(撮像中)であるか否かを判定し、記録中であればステップS705に進み、記録中でなければステップS706に進む。
【0053】
ステップS705では、システム制御部112は、画像データの記録を終了する。このとき、画像データの記録媒体121への書き込みが完了するのを待ってから次のステップS706に進む。
【0054】
ステップS706では、システム制御部112は、レンズマウント102が取り外されたことを受けて、電源制御部116に含まれるスイッチ回路を電源オフ状態に切り替える。これにより、操作部115内の電源スイッチがオン状態であってもカメラ本体100の電源がオフ状態になる。この後、システム制御部112は図4のステップS404または図6のステップS601に進む。
【実施例4】
【0055】
次に本発明の実施例4について説明する。本実施例におけるカメラ本体の構成は実施例1のカメラ本体100の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。図8のフローチャートは、レンズマウント交換時におけるメニュー表示に関する処理を示す。交換レンズのレンズ交換はレンズマウントの交換とは異なり、撮像において頻繁に行われることが多い。このため、本実施例では、ある交換レンズがカメラ本体に装着されることで生じた使用不可機能が他の交換レンズを装着することで使用可能機能となったことがユーザに分かるように表示する。
【0056】
ステップS801において、システム制御部112は、カメラ本体100(レンズマウント102)から交換レンズ101が取り外されたか否かを判定する。この判定は、実施例2における図6のステップS603で説明したように、レンズ情報取得手段としてのシステム制御部112がレンズ通信部113およびレンズマウント102を通じてレンズマウント102に装着された交換レンズ101から該交換レンズ101に関する情報(これについて後述する)を取得できなくなったことで行う。システム制御部112は、交換レンズ101が取り外された場合はステップS802に進み、取り外されていない場合はこの判定を繰り返す。
【0057】
ステップS802では、システム制御部112は、レンズマウント102に交換使用される交換レンズ101が装着されたか否かを判定する。すなわち、レンズ通信部113およびレンズマウント102を通じて交換レンズ101に関する情報を取得できたか否かを判定する。交換レンズ101に関する情報は、その交換レンズ101の種類を示す情報や識別情報等を含む。システム制御部112は、交換レンズ101が装着された場合はステップS803に進み、装着されていない場合はこの判定を繰り返す。なお、交換使用される交換レンズ101は、交換前の交換レンズと種類が異なるものであってもよいし、同じ種類のものであってもよい。ここにいう交換レンズの種類は、焦点距離や最至近撮影距離や絞り値等が異なっていても、同じ機能や通信方式を有するものであれば同じ種類である。
【0058】
ステップS803では、システム制御部112は、取得した交換レンズ101に関する情報の中から該交換レンズ101の種類を示す情報を取得する。
【0059】
次にステップS804では、システム制御部112は、不揮発性メモリ114に記憶されている交換前の交換レンズに関する情報とステップS803で取得した交換後の交換レンズ101に関する情報とを比較し、交換前後の交換レンズの種類が異なる場合はステップS805に進み、種類が同じである場合は本処理を終了する。
【0060】
ステップS805ではて、システム制御部112は、システムメモリ119に展開されているプログラムと交換後の交換レンズ101の種類とから、交換前の交換レンズが装着された状態での使用可能機能と交換後の交換レンズ101が装着された状態での使用可能機能とを比較し、使用可能機能に変化があれば(新たな使用不可機能または使用可能機能があれば)ステップS806に進み、変化がなければ本処理を終了する。
【0061】
ステップS806では、システム制御部112は、新たに使用不可機能となった機能を表示部110上のメニューにおいてグレーアウト表示(無効表示)にする。これにより、ユーザはグレーアウト表示されている機能が使用不可(無効)であることを確認することができる。
【0062】
次にステップS807では、システム制御部112は、新たに使用可能機能となった機能をグレーアウト表示から使用可能を示す通常表示(有効表示)とする。これにより、ユーザは使用可能となった機能を確認したり選択したりすることができる。
【0063】
上記各実施例では交換レンズ用のマウント(レンズマウント)がカメラ本体に対して交換可能である場合について説明したが、交換レンズ以外のアクセサリ用のマウントがカメラ本体に対して交換可能である場合も上記各実施例と同様の処理を行うことができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0064】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
100 カメラ本体
101 交換レンズ
102 レンズマウント
103 マウント検出部
112 システム制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8