(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】雄ねじ付きスタッドとナットを有するほぞを使用した翼形部シュラウドアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F01D 9/04 20060101AFI20240213BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
F01D9/04
F01D9/02 104
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019157635
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ヴァサンタルバン・スブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・デンマーク
(72)【発明者】
【氏名】プレム・ナヴィン・ダーヤナンダム
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ガッタ
(72)【発明者】
【氏名】サンジェーヴ・クマル・ジャ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02674909(FR,A1)
【文献】特開2018-021549(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0336794(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 1/00-11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
翼形部
及びシュラウ
ドのアセンブリ(102)であって、
当該アセンブリ(102)が、
根元端部(
134)、自由端部(
142)
及び前記自由端部(
142)から延在するほぞ(150)を含む翼形部本体(132)であって、前記ほぞ(150)が、基部(
152)
及び前記基部(
152)から延在する雄ねじ付きスタッド(154)
を含
んでいて、前記ほぞ(150)の前記基部(152)が前記雄ねじ付きスタッド(154)よりも幅が広い、翼形部本体(132)と、
前記ほぞ(150)の前記基部(
152)を受け入れるように構成された開口部(156)を含むシュラウド(
140)と、
前記シュラウド(
140)を前記翼形部
本体(132)に結合するために、前記翼形部本体(132)
の前記ほぞ(150)上の前記雄ねじ付きスタッド(154)に螺合するように構成されたナット(170)
であって、一体型ワッシャ(172)を含むナット(170)と、
ブッシング(160)であって、前記ほぞ(150)の前記基部(152)を受け入れて、前記ほぞ(150)の前記基部(152)を前記シュラウド(140)の前記開口部(156)内に同心に配置するための第1の内部開口部(162)、前記雄ねじ付きスタッド(154)が貫通することができる第2の内部開口部(166)であって、前記第1の内部開口部(162)が前記第2の内部開口部(166)よりも幅が広い、第2の内部開口部(166)、及び前記シュラウド(140)の前記開口部(156)の内面(158)と係合するように構成された外面(164)を有するブッシング(160)と
を含
んでおり、前記ブッシング(160)が、前記一体型ワッシャ(172)の直径と同じ直径を有する半径方向外面(168)を有する、アセンブリ(102)。
【請求項2】
前記根元端部(
134)
が、ターボ機械(100)の外側ケーシング(116)に結合されるように構成され、前記自由端部(
142)
が、前記ターボ機械(100)のロータ(110)に向かって半径方向内向きに延在する、請求項1に記載のアセンブリ(102)。
【請求項3】
前記シュラウド(
140)
が複数の前記開口部(156)を含
んでおり、各開口部(156)がそれぞれの翼形部本体(132)の前記ほぞ(150)の前記基部(
152)を受け入れるように構成される、請求項1
に記載のアセンブリ(102)。
【請求項4】
ターボ機械(100)用のベーン(112)であって、
当該ベーン(112)が、
自由端部(
142)
及び根元端部(
134)を含む翼形部本体(132)であって、前記根元端部(
134)が前記ターボ機械(100)の外側ケーシング(116)に取り付けられるように構成された、翼形部本体(132)と、
前記翼形部本体(132)の前記自由端部(
142)から延在するほぞ(150)であって、シュラウド(
140)の開口部(156)に受け入れられるように構成された基部(
152)
及び前記基部(
152)から延在する雄ねじ付きスタッド(154)
を含
んでいて、前記ほぞ(150)の前記基部(152)が前記雄ねじ付きスタッド(154)よりも幅が広い、ほぞ(150)と、
前記シュラウド(140)を前記翼形部本体(132)に結合するために、前記翼形部本体(132)の前記ほぞ(150)上の前記雄ねじ付きスタッド(154)に螺合するように構成されたナット(170)であって、一体型ワッシャ(172)を含むナット(170)と、
ブッシング(160)であって、前記ほぞ(150)の前記基部(152)を受け入れて、前記ほぞ(150)の前記基部(152)を前記シュラウド(140)の前記開口部(156)内に同心に配置するための第1の内部開口部(162)、前記雄ねじ付きスタッド(154)が貫通することができる第2の内部開口部(166)であって、前記第1の内部開口部(162)が前記第2の内部開口部(166)よりも幅が広い、第2の内部開口部(166)、及び前記シュラウド(140)の前記開口部(156)の内面(158)と係合するように構成された外面(164)を有するブッシング(160)と
を含
んでおり、前記ブッシング(160)が、前記一体型ワッシャ(172)の直径と同じ直径を有する半径方向外面(168)を有する、ベーン(112)。
【請求項5】
ベー
ン及びシュラウ
ドのアセンブリ(102)であって、
当該アセンブリ(102)が、
根元端部(
134)、自由端部(
142)
及び前記自由端部(
142)から延在するほぞ(150)を含む翼形部本体(132)を含むベーン(112)であって、前記根元端部(
134)が、ターボ機械(100)の外側ケーシング(116)に結合されるように構成され、前記自由端部(
142)が、前記ターボ機械(100)のロータ(110)に向かって半径方向内側に延在し、前記ほぞ(150)が、前記基部(
152)
及び前記基部(
152)から延在する雄ねじ付きスタッド(154)
を含
んでいて、前記ほぞ(150)の前記基部(152)が前記雄ねじ付きスタッド(154)よりも幅が広い、ベーン(112)と、
開口部(156)を含むシュラウド(
140)と、
ブッシング(160)であって、前記ほぞ(150)の前記基部(
152)を受け入れ
て、前記ほぞ(150)の前記基部(152)を前記シュラウド(140)の前記開口部(156)内に同心に配置するための第1の内部開口部(162)
、前記雄ねじ付きスタッド(154)が貫通することができる第2の内部開口部(166)
であって、前記第1の内部開口部(162)が前記第2の内部開口部(166)よりも幅が広い、第2の内部開口部(166)、及び前記シュラウド(
140)の前記開口部(156)の内面(158)と係合するように構成された外面(164)
を有するブッシング(160)
と
前記シュラウド(
140)を前記翼形部に結合するために、前記翼形部本体(132)上の前記ほぞ(150)上の前記雄ねじ付きスタッド(154)に螺合するように構成されたナット(170)
であって、一体型ワッシャ(172)を含むナット(170)と
を含
んでおり、前記ブッシング(160)が、前記一体型ワッシャ(172)の直径と同じ直径を有する半径方向外面(168)を有する、アセンブリ(102)。
【請求項6】
前記ベーン(112)が複数のベーンを含んでおり、前記シュラウド(140)が複数の開口部(156)を含んでおり、各開口部(156)が、それぞれのベーンの翼形部本体の前記ほぞ(150)の前記基部(152)を受け入れるように構成されている、請求項5に記載のアセンブリ(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してターボ機械に関し、より詳細には、ターボ機械において翼形部シュラウドを翼形部に結合するための雄ねじ付きスタッドを有するほぞを含む翼形部シュラウドアセンブリに関する。
【0002】
ターボ機械には、固定翼形部を含むステータベーンと回転する翼形部を含むロータブレードまたはバケットとを含む、1つまたは複数の列の翼形部を含む。ターボ機械は、ガスタービン、ジェットエンジン、蒸気タービン、圧縮機などの様々な形態をとることができる。ガスタービンシステムは、例えば、前部に軸流圧縮機、中央部の周りに1つまたは複数の燃焼器、後部にタービンを含むことができる。軸流圧縮機は、例えば、一連の段を有し、各段は、1列のロータブレードと、それに続く1列の固定ステータベーンと、を含む。したがって、各段は、一般に、一組のロータブレードおよびステータベーンを含む。軸流圧縮機では、ロータブレードは、入口を通って入る流体の運動エネルギーを増加させ、ステータベーンは、流体の増加した運動エネルギーを拡散によって静圧に変換する。したがって、両方の組の翼形部は、流体の圧力を増加させる上で極めて重要な役割を果たす。ステータベーンが作動流体の運動エネルギーをロータブレードに導いて、入口を通ってターボ機械に流入する作動流体の運動エネルギーがロータブレードによって回転エネルギーに変換されるターボ機械の他の形態でも同様の動力学が観察される。どのシステムでも、作動流体のタイプは、ターボ機械のタイプ、例えば圧縮機内の空気、ガスタービン内の燃焼ガス、蒸気タービン内の蒸気などによって異なる。
【0003】
ステータベーンの場合、一組の翼形部は翼形部の基部で接続されてセグメントを形成し、内側シュラウドによってセグメント内の隣接する翼形部に接続されてもよい。多くの用途では、一体型の基部、ステータベーン、およびベーンシュラウドを製造することは実際的ではない。したがって、セグメント内の各ステータベーンは、しばしば一体の基部セクションを含んで独立して製造され、完全なセットに組み立てられ得る。シュラウドは、ステータベーンの内側に向いた端部に取り付けられる1つまたは複数の別個の構成要素として製造されてもよい。いくつかの実施形態では、各ステータベーンに対して単一のベーンシュラウドが提供される。他の実施形態では、複数の隣接するステータベーンをマルチベーンシュラウドに取り付けることができる。隣接する複数のステータベーンの結合は、渦のバーストまたは破壊に対処するのに役立つことができ、この渦の破裂または破壊は、作動流体がターボ機械を通過する際の旋回作動流体の流れ構造の急激な変化であって、機械に望ましくない振動を引き起こす可能性がある。軸流圧縮機などの一部のターボ機械では、特定の低温環境や部分負荷条件での動作を妨げる可能性があるため、渦のバーストがカンチレバーで支持された固定ベーンに課題をもたらす可能性がある。
【0004】
ステータベーン、ベーンシュラウド、ならびにボルト、ブッシング、ワッシャ、ナット、およびその他の構成要素などの1つまたは複数の追加の取り付け構成要素は、ベーンシュラウドアセンブリと呼ぶことができる。ベーンおよびシュラウドはそれぞれ、互いに係合し取り付けるための機能を含んでもよい。いくつかの配置では、ベーンは、シュラウドの適合開口部の中におよび/または通って延在するほぞまたは翼形部の端部からの延長部を組み込み、ブッシングがシュラウドの開口部に挿入され、ほぞに結合された雄ねじ付きボルトで固定されて、シュラウドをベーンに取り付ける。このタイプの配置で固定ベーンにシュラウドを組み立てると、スペースの制約により簡単にアクセスできないため、小型のターボ機械で課題が生じる可能性がある。現在の手法の一つは、シュラウドをベーンに保持するために、固定ベーン上の雌ねじ付きほぞにねじ込む小さな雄ねじ付きボルトを採用している。この手法は、より小さなターボ機械内の小さなスペースに実装するのが難しく、耐久性に関して懸念がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様は、翼形部およびシュラウドのアセンブリを提供し、アセンブリは、根元端部、自由端部、および自由端部から延在するほぞを含む翼形部であって、ほぞが、基部と、基部から延在する雄ねじ付きスタッドと、を含む、翼形部と、ほぞの基部を受け入れるように構成された開口部を含むシュラウドと、シュラウドを翼形部に結合するために、翼形部上のほぞ上の雄ねじ付きスタッドに螺合するように構成されたナットと、を含む。
【0006】
本開示の第2の態様は、ターボ機械用のベーンを提供し、ベーンは、自由端部および根元端部を含む翼形部本体であって、根元端部がターボ機械の外側ケーシングに取り付けられるように構成された、翼形部本体と、翼形部本体の自由端部から延在するほぞであって、シュラウドの開口部に受け入れられるように構成された基部と、基部から延在する雄ねじ付きスタッドと、を含むほぞと、を含む。
【0007】
本開示の第3の態様は、ターボ機械を提供し、ターボ機械は、ロータを囲む外側ケーシングと、複数のベーンであって、各ベーンが、外側ケーシングに結合され、ロータに向かって半径方向内側端部まで内側に延在する半径方向外側端部と、半径方向内側端部から延在し、基部と基部から延在する雄ねじ付きスタッドとを含むほぞと、を有する翼形部本体を含む、複数のベーンと、一組の複数のベーンの各々のほぞの基部を受け入れるための複数の開口部を含むシュラウドと、シュラウドを一組の複数のベーンに結合するために、ほぞの雄ねじ付きスタッドの各々に螺合されたナットと、を含む。
【0008】
本開示の第4の態様は、ベーンおよびシュラウドのアセンブリに関し、アセンブリは、根元端部、自由端部、および自由端部から延在するほぞを含む翼形部本体を含むベーンであって、根元端部が、ターボ機械の外側ケーシングに結合されるように構成され、自由端部が、ターボ機械のロータに向かって半径方向内側に延在し、ほぞが、基部と、基部から延在する雄ねじ付きスタッドと、を含む、ベーンと、開口部を含むシュラウドと、ほぞの基部を受け入れるための第1の内部開口部と、雄ねじ付きスタッドが貫通することができる第2の内部開口部と、シュラウドの開口部の内面と係合するように構成された外面と、を有するブッシングと、シュラウドを翼形部に結合するために、翼形部本体上のほぞ上の雄ねじ付きスタッドに螺合するように構成されたナットと、を含む。
【0009】
本開示の例示的な態様は、本明細書で説明される問題および/または検討されていない他の問題を解決するように設計されている。
【0010】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様の以下の詳細な説明からより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ガスタービンシステムの形態の例示的なターボ機械の概略図である。
【
図2】
図1のガスタービンで使用することができる例示的な圧縮機アセンブリの断面図である。
【
図3】本開示の実施形態による単一の翼形部本体用の翼形部シュラウドアセンブリの正面図である。
【
図4】本開示の実施形態による複数の翼形部本体用の翼形部シュラウドアセンブリの正面図である。
【
図5】本開示の実施形態による翼形部シュラウドアセンブリの拡大断面図である。
【
図6】本開示の別の実施形態による翼形部シュラウドアセンブリの拡大断面図である。
【
図7】本開示の別の実施形態による翼形部シュラウドアセンブリの拡大断面図である。
【
図8】本開示の実施形態による複数の翼形部本体用の翼形部シュラウドアセンブリの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の図面は、原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。図面では、図面間で類似する符号は、類似する要素を表す。
【0013】
最初の問題として、現在の開示を明確に説明するために、ターボ機械内の関連する機械構成要素を参照して説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になる。これを行う場合、可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられた意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載することができるものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0014】
さらに、本明細書ではいくつかの記述上の用語を定常的に使用する場合があり、この点についてこれらの用語を定義することが有用であることが証明されるはずである。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用される「下流」および「上流」は、タービンエンジンを通る作動流体などの流体の流れ、例えば圧縮機を通る空気の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に相当し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前方または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後方またはタービン端部を指す。多くの場合、中心軸線に関して異なる半径方向位置にある部品を記述することが要求される。「半径方向」という用語は、軸線に垂直な移動または位置を指す。このような場合、第1の構成要素が第2の構成要素より軸線に近接して位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向内側」または「内側」にあると述べることになる。一方、第1の構成要素が第2の構成要素より軸線から遠くに位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側」または「外側」にあると述べることができる。「軸方向」という用語は、軸線に平行な移動または位置を指す。最後に、「円周方向」という用語は、軸線周りの移動または位置を指す。このような用語は、タービンの中心軸線に関連して適用することができることが理解されよう。
【0015】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「係合解除される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接的に上に、係合され、接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が、別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係を記述するために使用される他の単語も同様なやり方(例えば、「間に」に対して「直接間に」、「隣接する」に対して「直接隣接する」など)で解釈するべきである。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つもしくは複数のすべての組み合わせを含む。
【0016】
上述のように、本開示は、根元端部、自由端部、および自由端部から延在するほぞを含む翼形部を含む翼形部およびシュラウドのアセンブリを提供する。従来のアセンブリとは対照的に、ほぞは、基部と、基部から延在する雄ねじ付きスタッドを含む。シュラウドは、ほぞの基部に構成された開口部を含む。ナットは、シュラウドを翼形部に結合するために、翼形部のほぞの雄ねじ付きスタッドに螺合するように構成される。翼形部とシュラウドのアセンブリは、より強力でより耐久性のある結合を提供する。さらに、翼形部シュラウドアセンブリは、渦バーストを低減し、二次流れ振動に対する応答を減衰させ、軸流圧縮機などの特定のターボ機械に対する低温の周囲または部分負荷動作の影響を低減する。
【0017】
図1は、ガスタービンシステム100の形態の例示的なターボ機械の概略図である。システム100は、圧縮機102および燃焼器104を含む。燃焼器104は、燃焼領域105と、燃料ノズルアセンブリ106と、を含む。システム100はまた、タービン108と、共通の圧縮機/タービンシャフト110(ロータ110と呼ばれることもある)と、を含む。一実施形態では、エンジン100は、サウスカロライナ州Greenvilleのゼネラルエレクトリック社から市販されている、9FBエンジンと呼ばれることもある、MS7001FBエンジンである。本開示は、いかなる特定のエンジンに限定されるものではなく、他のガスタービンおよびターボ機械と関連して埋め込まれてもよい。
【0018】
動作中、空気は圧縮機102を通って流れ、圧縮空気が燃焼器104に供給される。具体的には、圧縮空気は、燃焼器104に一体化された燃料ノズルアセンブリ106に供給される。アセンブリ106は、燃焼領域105と流体連通している。燃料ノズルアセンブリ106はまた、燃料源(
図1には示さず)と流体連通しており、燃料および空気を燃焼領域105に導く。燃焼器104は、燃料を点火して燃焼させる。燃焼器104は、ガス熱エネルギーが機械的回転エネルギーに変換されるタービン108と流体連通している。タービン108は、ロータ110に回転可能に結合されてロータ110を駆動する。圧縮機102はまた、シャフト110に回転可能に結合される。
【0019】
図2は、
図1のガスタービンシステム100で使用することができる例示的な圧縮機アセンブリ102の断面図を示す。圧縮機アセンブリ102は、ベーン112およびロータブレード114を含む。各ベーン112は、半径方向外側の根元端部118によって外側ケーシング116に固定された圧縮機アセンブリ108内に保持され、半径方向内側の自由端部122上にシュラウド120を含む。ロータブレード114は、ロータ110に固定された半径方向内側の根元端部または基部124と、半径方向外側の自由端部126と、を含む。本開示の教示は、ベーン112の形態の翼形部自由端部122に関して説明される。この場合、根元端部118は、ターボ機械の外側ケーシング116に結合されるように構成され、自由端部128は、ターボ機械のロータ110に向かって半径方向内側に延在する。しかしながら、本開示の教示は、ロータブレード114用の翼形部にも適用可能であり得ることが強調される。さらに、本開示の教示は圧縮機アセンブリ108に関して説明されるが、本開示の実施形態による翼形部シュラウドアセンブリ130は、例えば、ガスタービンアセンブリ、蒸気タービン、ジェットエンジンなどを含む様々なターボ機械に適用することができる。
【0020】
図3および
図4は、例示的な翼形部シュラウドアセンブリ130を様々な図で示している。翼形部シュラウドアセンブリ130は、翼形部をシュラウドに結合し、設置された翼形部シュラウドアセンブリ130を形成するように組み立てられて取り付けられる様々な構成要素を含む。
図3は、単一の翼形部本体132用の翼形部シュラウドアセンブリ130を示し、
図4は、いくつかの翼形部本体132用の翼形部シュラウドアセンブリ130を示す。各翼形部本体132は、例えば外側ケーシング116(
図2)への固定された結合のための一体型根元端部または基部134を含む。簡単にするために、ほとんどの図面では、リング、隣接する翼形部、および実際の設置で組み立てられる他のターボ機械部品がなく、一体化された根元端部または基部134を有する単一の翼形部本体132を含む単一の翼形部シュラウドアセンブリ130のみが示されている。
【0021】
図5の拡大断面図に示すように、翼形部シュラウドアセンブリ130は、根元端部134(
図3)、自由端部142、および自由端部142から延在するほぞ150を含む翼形部本体132を含む。ほぞ150は、基部152と、従来の構成とは対照的に、基部152から延在する雄ねじ付きスタッド154と、を含む。
図5に示す一実施形態では、シュラウド140は、ほぞ150の基部152、すなわち基部152および/またはそれを貫通する雄ねじ付きスタッド154を受け入れるように構成された開口部156を含む。この実施形態では、基部152は、開口部156の内面158と係合することができる。あるいは、
図6に示すように、翼形部シュラウドアセンブリ130は、ほぞ150の基部152を受け入れるための第1の内部開口部162と、シュラウド140の開口部156の内面158に係合するように構成された外面164と、を有するブッシング160を含むことができる。ブッシング160はまた、雄ねじ付きスタッド154が貫通することができる第2の内部開口部166を含むことができる。ブッシング160は、他の構成要素間の横方向の間隔を提供し、隣接する構成要素間の横方向接触面および非接触面の様々な構成を含むことができる。
図8に最もよく示されているように、シュラウド140は、翼形部本体132のほぞ150の基部152の上に開口部156を配置することにより、自由端部142に設置される。提供される場合、ブッシング160は、開口部156をブッシング160および基部152の周りに横方向(例えば、同心状)に配置するようにほぞ150上に配置され得る。
【0022】
翼形部シュラウドアセンブリ130はまた、翼形部本体132上のほぞ150の雄ねじ付きスタッド154に螺合して、シュラウド140を翼形部本体132に結合するように構成されたナット170を含む。ナット170は、雄ねじ付きスタッド154と嵌合するように構成された雌ねじ付き開口部174を有する任意の部材を含むことができる。一実施形態では、ナット170は一体型ワッシャ172を含むが、しかし、
図7に示すように、ナット170がブッシング160またはシュラウド140に対して圧縮するのに十分な直径を有する場合、一体型ワッシャは必要ではない。
【0023】
開口部156と基部152またはブッシング160との相互作用は、表面係合による応力伝達を可能にするようなサイズにされる。
図6に示す一実施形態では、ブッシング160は、均一な力分布を提供するために、一体型ワッシャ172の直径と同じ直径Dを有する半径方向外面168(ブッシングの中心に対して)を有するが、しかし、これはすべての事例で必要なわけではない。
【0024】
図8を参照すると、言及したように、シュラウド140は複数の開口部156を含むことができ、各開口部156は、それぞれの翼形部本体132のほぞ150を受け入れるように構成される。シュラウド140には5つの開口部156が示されているが、任意の数を採用することができる。当技術分野で理解されているように、複数のシュラウド140は、ロータ110(
図2)の周りに完全なリングを形成し、任意の所望の数の個々の翼形部本体132を翼形部本体132の任意の数のセットに結合するように構成することができる。
【0025】
本開示の実施形態によるターボ機械100は、ロータ110を囲む外側ケーシング116と、その半径方向外側端部134で外側ケーシング116(
図1)に結合され、ロータ110に向かってその半径方向内側の自由端部142まで内側に延在する複数のベーン112(
図2)と、を含むことができる。各ベーン112は、外側ケーシング116に結合され、ロータに向かって半径方向内側の自由端部142まで内側に延在する半径方向外側の根元端部134を有する翼形部本体132と、半径方向内側端部142から延在するほぞ150と、を含む。上述のように、ほぞ150は、基部152と、基部から延在する雄ねじ付きスタッド154と、を含む。シュラウド140は、一組の複数のベーン112の各々のほぞ150の基部152を受け入れるための複数の開口部156を含む。例えば
図6に示すように、翼形部シュラウドアセンブリ130は、ほぞ150の基部152を受け入れる内部開口部162と、シュラウド140の開口部156の内面158と係合するように構成された外面164と、を有するブッシング160も含むことができる。
図8に示すように、シュラウド140は、翼形部本体132のほぞ150の基部152上に開口部156を配置することにより、自由端部142に設置される。提供される場合、ブッシング160は、開口部156をブッシング160および基部152の周りに横方向(例えば、同心状)に配置するようにほぞ150上に配置され得る。ナット170は、シュラウド140を一組の複数のベーン112に結合するために、ほぞ150上の雄ねじ付きスタッド154の各々に螺合する。ナット170は、一体型ワッシャ172を含むことができる。
【0026】
シュラウド140、基部152およびスタッド154を含むほぞ150などの部品の表面は、取り付けの容易さおよび/または嵌合面を通る応力伝達のために所望される任意の方向に角度を付けることができることが理解されよう。翼形部シュラウドアセンブリ130の部品は、それらの機能に適した任意の材料、例えば、超合金、合金などで作製することができる。ほぞ150、ブッシング160およびシュラウド140の開口部156はほぼ円形であるように示されているが、構成要素の任意の2つの間の嵌合面は、例えば正方形、長方形、六角形などの多角形、楕円形または長円形などの種々の嵌合形状を有してもよいことが理解される。さらに、ブッシング160の基部152および嵌合する第1の内部開口部162は、図示するように六角形であってもよく、あるいは、例えば正方形、長方形、六角形などの多角形、楕円形または長円形などの種々の嵌合形状を有してもよい。
【0027】
本開示の実施形態は、十分な耐久性および強度を備えた小型システムに使用できる翼形部シュラウドアセンブリを提供し、さらに二次流れ振動による渦バーストおよび減衰応答を低減する。
【0028】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことが意図される。「含む(comprise)」および/または「含んでいる(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意の(optional)」または「任意に(optionally)」は、続いて記載された事象または状況が生じてもよいし、また生じなくてもよいことを意味し、かつ、その説明が、事象が起こる場合と、事象が起こらない場合と、を含むことを意味する。
【0029】
本明細書および特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動できる任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」および「実質的に」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせおよび/または置き換えが可能であり、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両方の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0030】
添付の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を遂行するための、一切の構造、材料または動作を包含することが意図されている。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されたもので、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。多くの変更および変形は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本開示の原理および実際の応用を最もよく説明し、想定される特定の使用に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために、実施形態を選択し説明した。
【符号の説明】
【0031】
100 ガスタービンシステム、ターボ機械、エンジン
102 圧縮機、圧縮機アセンブリ
104 燃焼器
105 燃焼領域
106 燃料ノズルアセンブリ
108 タービン、圧縮機アセンブリ
110 ロータ、タービンシャフト
112 ベーン
114 ロータブレード
116 外側ケーシング
118 根元端部
120 シュラウド
122 自由端部
124 基部
126 自由端部
128 自由端部
130 翼形部シュラウドアセンブリ
132 翼形部本体
134 根元端部、基部、半径方向外側端部
140 シュラウド
142 自由端部、半径方向内側端部
150 ほぞ
152 基部
154 雄ねじ付きスタッド
156 開口部
158 内面
160 ブッシング
162 第1の内部開口部
164 外面
166 第2の内部開口部
168 半径方向外面
170 ナット
172 一体型ワッシャ
174 雌ねじ付き開口部