(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】情報生成装置、読取装置及び情報生成システム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240213BHJP
【FI】
G06K7/10 176
G06K7/10 268
(21)【出願番号】P 2019178332
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】515068502
【氏名又は名称】株式会社ソラコム
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】中西 数樹
【審査官】土谷 慎吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-024723(JP,A)
【文献】特開2009-282687(JP,A)
【文献】特開2009-042969(JP,A)
【文献】特開2008-257516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFタグに記憶されたタグ情報を読み取る読取部を備えた
第1読取装置を制御するための制御情報を生成する情報生成装置であって、
前記
第1読取装置
とは異なる第2読取装置の状態、前記第2読取装置が備える前記読取部が前記タグ情報を読み取った読取結果、人の存在を検出する検出機器が前記第1読取装置の周囲において検出した検出結果、及びイベントの開催期間のうちの少なくともいずれかを示す状態情報を取得する取得部と、
前記第1読取装置の前記読取部を、前記RFタグから前記タグ情報を読み取るために電波を放出するスキャンモードと、前記電波を放出しない待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、前記取得部が取得した前記状態情報に基づいて、前記スキャンモードで動作させるスキャン期間と前記待機モードで動作させる待機期間との割合を定めた前記制御情報を生成する制御情報生成部と、
を有する情報生成装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記第2読取装置の状態として、前記第2読取装置の温度を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記第2読取装置の温度が所定の温度閾値以上である場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置の温度が前記所定の温度閾値未満である場合における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より長くすることを定めた前記制御情報を生成する、
請求項
1に記載の情報生成装置。
【請求項3】
前記制御情報生成部は、前記取得部による前記第2読取装置の状態に関する前記状態情報の取得結果に基づいて、前記第2読取装置が動作不能な状態であると判定された場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置が動作可能な状態であると判定された場合における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より長くすることを定めた前記制御情報を生成する、
請求項
1又は
2に記載の情報生成装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記読取結果を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記読取結果が前記第2読取装置によって前記タグ情報が読み取られたことを示す場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取る前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成する、
請求項
1から
3のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項5】
前記タグ情報は、タグIDを含み、
特定の人物に関連付けられた前記タグIDを記憶する記憶部をさらに有し、
前記取得部は、
前記読取結果を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記第2読取装置が前記記憶部に記憶された前記タグIDを含む前記タグ情報を読み取ったことを前記読取結果が示す場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置が前記記憶部に記憶された前記タグIDを含む前記タグ情報を読み取る前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より長くすることを定めた前記制御情報を生成する、
請求項
1から
4のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項6】
前記取得部は
、前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取った読取時刻を含む前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記読取時刻から、前記第1読取装置と前記第2読取装置との位置関係に基づいて定められた所定の期間が経過した後における、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記読取時刻から前記所定の期間が経過する前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成する、
請求項
1から
5のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記検出結果を示す前記状態情報、又は
前記読取結果を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記検出結果によって示される前記検出機器が前記第1読取装置の周囲において検出した人の数、又は前記読取結果によって示される前記第2読取装置が読み取った前記タグ情報の数に基づいて、前記制御情報を生成する、
請求項
1から
6のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項8】
前記第1読取装置の前記読取部が前記タグ情報を読み取ることが可能な範囲と、前記第2読取装置の前記読取部が前記タグ情報を読み取ることが可能な範囲とは、少なくとも一部が重複する、
請求項
1から
7のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項9】
前記取得部は、さらに前記
第1読取装置の温度を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記
第1読取装置の温度が所定の温度閾値以上である場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記
第1読取装置の温度が前記所定の温度閾値未満である場合における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より短くすることを定めた前記制御情報を生成する、
請求項1から
8のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項10】
前記取得部は、
前記検出結果を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記検出結果が前記検出機器によって前記
第1読取装置の周囲において人の存在の変化が検出されたことを示す場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記検出機器が人の存在の変化を検出する前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成する、
請求項1から
9のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項11】
前記検出機器は撮像装置であり、撮像した撮像画像に基づいて人の存在を検出する、
請求項
1から10のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項12】
前記取得部は、
前記イベントの開催期間を示す前記状態情報を取得し、
前記制御情報生成部は、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合であって、前記イベントの開催期間に基づいて特定された人の存在が増加する増加時間帯における前記スキャン期間の割合を、前記増加時間帯以外の時間帯における前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成する、
請求項1から
11のいずれか一項に記載の情報生成装置。
【請求項13】
RFタグに記憶されたタグ情報を読み取る読取装置であって、
前記RFタグから前記タグ情報を読み取る読取部と、
前記読取部を、前記RFタグから前記タグ情報を読み取るために電波を放出するスキャンモードと、前記電波を放出しない待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、前記読取装置
とは異なる他の読取装置の状態、前記他の読取装置が備える前記読取部が前記タグ情報を読み取った読取結果、人の存在を検出する検出機器が前記読取装置の周囲において検出した検出結果、及びイベントの開催期間のうちの少なくともいずれかに基づいて定められた前記スキャンモードで動作させる期間と前記待機モードで動作させる期間との割合に応じて、前記読取部の動作を制御する動作制御部と、
を有する読取装置。
【請求項14】
RFタグに記憶されたタグ情報を読み取る読取部を備えた
第1読取装置を制御するための制御情報を生成する情報生成装置と、前記
第1読取装置が読み取った前記タグ情報を管理する集計装置とを有する情報生成システムであって、
前記情報生成装置は、
前記
第1読取装置
とは異なる第2読取装置の状態、前記第2読取装置が備える前記読取部が前記タグ情報を読み取った読取結果、人の存在を検出する検出機器が前記第1読取装置の周囲において検出した検出結果、及びイベントの開催期間のうちの少なくともいずれかを示す状態情報を取得する取得部と、
前記第1読取装置の前記読取部を、前記RFタグから前記タグ情報を読み取るために電波を放出するスキャンモードと、前記電波を放出しない待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、前記取得部が取得した前記状態情報に基づいて、前記スキャンモードで動作させるスキャン期間と前記待機モードで動作させる待機期間との割合を定めた前記制御情報を生成する制御情報生成部と、
を有し、
前記集計装置は、
所定の期間ごとにイベント会場に存在する人の数を集計する場合において、前記制御情報生成部によって生成された前記制御情報に基づいて動作する前記
第1読取装置が前記所定の期間である第1期間に読み取った一以上のタグ情報と、当該
第1読取装置が前記第1期間以前に読み取った一以上のタグ情報と、当該
第1読取装置が前記第1期間の直前の前記所定の期間である第2期間に読み取ったタグ情報の数とに基づいて、前記第1期間における人の数を集計する集計部と、
前記集計部が前記所定の期間ごとに集計した結果を示す集計情報を生成する集計情報生成部と、
を有する、
情報生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF(Radio Frequency)タグに記憶されたデータを読み取るための動作を制御する情報生成装置、読取装置及び情報生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集積回路(IC:Integrated Circuit)に記憶されたデータを読み取る技術が知られている。特許文献1には、RFタグに記憶されたデータ(以下、「タグ情報」という。)を読み取る読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、継続して複数のRFタグからタグ情報を読み取る場合、読取装置は、RFタグからタグ情報を読み取るための動作を実行する期間が長くなるほど、多くのRFタグからタグ情報を読み取ることができる。しかしながら、読取装置において上記のような動作が長時間続くと、発熱により読取装置の温度が上昇し、読取装置の動作が不安定になったり停止したりする場合があった。そのため、RFタグからタグ情報を読み取るための動作を実行する期間を長くしても、複数のRFタグからタグ情報を読み取る精度が低下する場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数のRFタグからタグ情報を読み取る精度の低下を低減させることができる情報生成装置、読取装置及び情報生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報生成装置は、RFタグに記憶されたタグ情報を読み取る読取部を備えた読取装置を制御するための制御情報を生成する情報生成装置であって、前記読取装置の状態及び前記読取装置の周囲の状態のうちの少なくともいずれかに関する状態情報を取得する取得部と、前記読取部を、前記RFタグから前記タグ情報を読み取るために電波を放出するスキャンモードと、前記電波を放出しない待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、前記取得部が取得した前記状態情報に基づいて、前記スキャンモードで動作させるスキャン期間と前記待機モードで動作させる待機期間との割合を定めた前記制御情報を生成する制御情報生成部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、前記読取装置の周囲の状態として、前記読取装置である第1読取装置とは異なり、前記読取部を備えた他の読取装置である第2読取装置の状態又は前記第2読取装置の周囲の状態に関する前記状態情報を取得してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記第2読取装置の状態として、前記第2読取装置の温度を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記第2読取装置の温度が所定の温度閾値以上である場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置の温度が前記所定の温度閾値未満である場合における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より長くすることを定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0009】
前記制御情報生成部は、前記取得部による前記第2読取装置の状態に関する前記状態情報の取得結果に基づいて、前記第2読取装置が動作不能な状態であると判定された場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置が動作可能な状態であると判定された場合における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より長くすることを定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記第2読取装置の周囲の状態として、前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取った読取結果を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記読取結果が前記第2読取装置によって前記タグ情報が読み取られたことを示す場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取る前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0011】
前記タグ情報は、タグIDを含み、前記情報生成装置は、特定の人物に関連付けられた前記タグIDを記憶する記憶部をさらに有し、前記取得部は、前記第2読取装置の周囲の状態として、前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取った読取結果を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記第2読取装置が前記記憶部に記憶された前記タグIDを含む前記タグ情報を読み取ったことを前記読取結果が示す場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記第2読取装置が前記記憶部に記憶された前記タグIDを含む前記タグ情報を読み取る前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より長くすることを定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0012】
前記取得部は、前記第2読取装置の周囲の状態として、前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取った読取時刻を含む前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記読取時刻から、前記第1読取装置と前記第2読取装置との位置関係に基づいて定められた所定の期間が経過した後における、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記読取時刻から前記所定の期間が経過する前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0013】
前記取得部は、前記第2読取装置の周囲の状態として、人の存在を検出する検出機器が前記第1読取装置の周囲において検出した検出結果を示す前記状態情報、又は前記第2読取装置が前記タグ情報を読み取った読取結果を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記検出結果によって示される前記検出機器が前記第1読取装置の周囲において検出した人の数、又は前記読取結果によって示される前記第2読取装置が読み取った前記タグ情報の数に基づいて、前記制御情報を生成してもよい。
【0014】
前記第1読取装置の前記読取部が前記タグ情報を読み取ることが可能な範囲と、前記第2読取装置の前記読取部が前記タグ情報を読み取ることが可能な範囲とは、少なくとも一部が重複してもよい。
【0015】
前記取得部は、前記読取装置の状態として、前記読取装置の温度を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記読取装置の温度が所定の温度閾値以上である場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記読取装置の温度が前記所定の温度閾値未満である場合における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合より短くすることを定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0016】
前記取得部は、前記読取装置の周囲の状態として、人の存在を検出する検出機器が前記読取装置の周囲において検出した検出結果を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記検出結果が前記検出機器によって前記読取装置の周囲において人の存在の変化が検出されたことを示す場合に、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合を、前記検出機器が人の存在の変化を検出する前における前記合計期間に対する前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成してもよい。
前記検出機器は撮像装置であり、撮像した撮像画像に基づいて人の存在を検出してもよい。
【0017】
前記取得部は、前記読取装置の周囲の状態として、イベントの開催期間を示す前記状態情報を取得し、前記制御情報生成部は、前記スキャン期間と前記待機期間とを合わせた合計期間に対する前記スキャン期間の割合であって、前記イベントの開催期間に基づいて特定された人の存在が増加する増加時間帯における前記スキャン期間の割合を、前記増加時間帯以外の時間帯における前記スキャン期間の割合とは異なる割合に定めた前記制御情報を生成してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様に係る読取装置は、RFタグに記憶されたタグ情報を読み取る読取装置であって、前記RFタグから前記タグ情報を読み取る読取部と、前記読取部を、前記RFタグから前記タグ情報を読み取るために電波を放出するスキャンモードと、前記電波を放出しない待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、前記読取装置の状態及び前記読取装置の周囲の状態のうちの少なくともいずれかに基づいて定められた前記スキャンモードで動作させる期間と前記待機モードで動作させる期間との割合に応じて、前記読取部の動作を制御する動作制御部と、を有する。
【0019】
本発明の第3の態様に係る情報生成システムは、RFタグに記憶されたタグ情報を読み取る読取部を備えた読取装置を制御するための制御情報を生成する情報生成装置と、前記読取装置が読み取った前記タグ情報を管理する集計装置とを有する情報生成システムであって、前記情報生成装置は、前記読取装置の状態及び前記読取装置の周囲の状態のうちの少なくともいずれかに関する状態情報を取得する取得部と、前記読取部を、前記RFタグから前記タグ情報を読み取るために電波を放出するスキャンモードと、前記電波を放出しない待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、前記取得部が取得した前記状態情報に基づいて、前記スキャンモードで動作させるスキャン期間と前記待機モードで動作させる待機期間との割合を定めた前記制御情報を生成する制御情報生成部と、を有し、前記集計装置は、所定の期間ごとにイベント会場に存在する人の数を集計する場合において、前記制御情報生成部によって生成された前記制御情報に基づいて動作する前記読取装置が前記所定の期間である第1期間に読み取った一以上のタグ情報と、当該読取装置が前記第1期間以前に読み取った一以上のタグ情報と、当該読取装置が前記第1期間の直前の前記所定の期間である第2期間に読み取ったタグ情報の数とに基づいて、前記第1期間における人の数を集計する集計部と、前記集計部が前記所定の期間ごとに集計した結果を示す集計情報を生成する集計情報生成部と、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数のRFタグからタグ情報を読み取る精度の低下を低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施の形態にかかる制御システムの概要を説明するための図である。
【
図6】イベント会場の周囲を模式的に表した図である。
【
図7】読取装置の読取部の動作を制御する処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】第2の実施の形態にかかる制御システムの概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施の形態>
[情報処理システムS1の概要]
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムS1の概要を説明するための図である。情報処理システムS1は、RFタグTを所持する人の数を集計するために用いられるシステムである。情報処理システムS1は、読取装置1と、情報生成装置2と、集計装置3とを有する。
【0023】
RFタグTは、電波を送受信するためのアンテナと、タグ情報を記憶する集積回路とを備える。RFタグTは、外部から電波を受信することにより動作するパッシブ型のRFタグである。RFタグTは、内部に電池を備え、電波の受信の有無に関わらず動作するアクティブ型のRFタグであってもよい。RFタグTは、タグID等を含むタグ情報を記憶しており、読取装置1から放出された電波を受信すると、当該読取装置1にタグ情報を送信する。RFタグTは、例えば、入館証等に用いられるカードに埋め込まれており、イベントの参加者Hに当該カードが配布される。参加者Hは、カードを受け取ると、イベント会場に入場するための経路Lを通行して、イベント会場に入場する。
【0024】
読取装置1は、RFタグTに記憶されたタグ情報を読み取るRFリーダである。読取装置1は、RFタグTに記憶されたタグ情報を読み取る読取部を備える。読取部は、設定された動作モードに応じて動作する。動作モードは、スキャンモード及び待機モードを含む。
【0025】
スキャンモードは、読取部がRFタグTからタグ情報を読み取るための動作を実行する動作モードである。具体的には、スキャンモードは、読取部がRFタグTからタグ情報を読み取るために電波を放出する動作モードである。待機モードは、読取装置1が動作可能な状態である場合において、読取部がRFタグTからタグ情報を読み取るための動作を実行しない動作モードである。具体的には、待機モードは、読取部がRFタグTからタグ情報を読み取るための電波を放出しない動作モードである。
【0026】
読取装置1は、例えば、イベント会場の出入口付近、具体的にはイベント会場に出入りする参加者Hが所持するカードのRFタグTからタグ情報を読み取ることが可能な位置に設置される。なお、イベント会場の中に複数のブースが設けられている場合、各ブースの出入口付近に読取装置1が設置されてもよい。
図1に示す例において、経路Lを通行する参加者Hが範囲Rに入ると、読取部は、当該参加者Hが所持するカードのRFタグTからタグ情報を読み取る。範囲Rは、読取装置1の読取部がスキャンモードで動作したときに放出した電波が届く範囲、すなわち、読取部がタグ情報を読み取ることが可能な範囲である。
【0027】
情報生成装置2は、制御情報を生成する装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、PC等である。制御情報は、読取装置1を制御するための情報である。
【0028】
スキャンモードにおいては、CPU(Central Processing Unit)をはじめとするリソースの消費量が多いため、読取部がスキャンモードで動作した場合、読取装置1の温度が上昇する。一方、待機モードにおいては、リソースの消費量が少ないため、読取部が待機モードで動作した場合、読取装置1の温度が上昇せず、読取装置1に備えられた冷却機能又は外気等によって読取装置1の温度が下降する。この場合において、読取装置1は、読取部がスキャンモードで動作する期間が長くなると、読取装置1の温度が高くなり、読取装置1の動作が不安定になったり停止したりする蓋然性が高くなる。このような状態になると、読取装置1の読取部がRFタグTからタグ情報を読み取ることができなくなり、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る精度が低下する場合があった。
【0029】
そこで、情報生成装置2は、スキャンモードで読取装置1の読取部を動作させるスキャン期間と待機モードで当該読取部を動作させる待機期間との割合を適宜定めた制御情報を生成する。そして、読取装置1は、情報生成装置2が生成した制御情報に基づき、情報生成装置2または読取装置1により制御される。このようにすることで、読取装置1の動作が不安定になったり停止したりしないように読取装置1の動作が制御される。その結果、情報生成装置2は、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る精度の低下を低減させることができる。
【0030】
読取装置1及び情報生成装置2は、有線又は無線で情報を送受信する。読取装置1は、例えば、有線又は無線を介して、RFタグTから読み取ったタグ情報を情報生成装置2に送信する。また、情報生成装置2は、例えば、有線又は無線を介して、生成した制御情報を読取装置1に送信する。
【0031】
集計装置3は、読取装置1が読み取ったタグ情報を管理する装置であり、例えば、サーバである。集計装置3は、例えば、RFタグTから読み取られたタグ情報を用いてイベントの参加者Hの数を集計し、集計した結果をイベントの管理者に提示する。
【0032】
情報生成装置2及び集計装置3は、ネットワークNを介して情報を送受信する。情報生成装置2は、例えば、ネットワークNを介して、読取装置1から取得したタグ情報を集計装置3に送信する。
以下、各装置の構成について説明する。
【0033】
[読取装置1の構成]
まず、読取装置1の構成について説明する。
図2は、読取装置1の構成を示す図である。読取装置1は、I/F(Interface)部11と、読取部12と、温度測定部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0034】
I/F部11は、情報生成装置2と電気的に接続するためのインターフェイスであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポートである。I/F部11は、Bluetooth(登録商標)をはじめとする近距離無線通信が可能な通信モジュールであってもよい。
【0035】
読取部12は、RFタグTからタグ情報を読み取る。上述のとおり、読取部12は、スキャンモード及び待機モードを含む動作モードに応じて動作する。温度測定部13は、制御部15の温度(以下、「読取装置1の温度」という。)を測定するセンサーである。
【0036】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。
【0037】
制御部15は、例えばCPUである。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、動作制御部151及び送信部152として機能する。詳細については後述するが、動作制御部151は、情報生成装置2が生成した制御情報に基づいて、読取部12の動作を制御する。
【0038】
送信部152は、I/F部11を介して、読取部12が読み取ったタグ情報を情報生成装置2に送信する。具体的には、送信部152は、I/F部11を介して、読取部12が読み取ったタグ情報と、当該タグ情報を読取部12が読み取った読取時刻とを関連付けて情報生成装置2に送信する。
【0039】
送信部152は、例えば、所定の送信間隔(例えば1分おき)で、前回の送信時から今回の送信時までに読取部12が読み取った一以上のタグ情報を情報生成装置2に送信する。送信部152は、読取部12の動作モードがスキャンモードから待機モードに切り替わったときに、前回の送信時から今回の送信時までに読取部12が読み取った一以上のタグ情報を情報生成装置2に送信してもよい。
【0040】
また、送信部152は、情報生成装置2の要求に応じて、I/F部11を介して、温度測定部13が測定した読取装置1の温度を示す情報を情報生成装置2に送信する。送信部152は、温度測定部13によって測定された読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合に、I/F部11を介して、読取装置1の温度を示す情報を情報生成装置2に送信してもよい。所定の温度閾値は、例えば、摂氏70度等の温度を示す数値であり、読取装置1に予め設定されている。
【0041】
[情報生成装置2の構成]
続いて、情報生成装置2の構成について説明する。
図3は、情報生成装置2の構成を示す図である。情報生成装置2は、I/F部21と、通信部22と、記憶部23と、制御部24とを有する。
【0042】
I/F部21は、読取装置1と電気的に接続するためのインターフェイスである。I/F部21は、近距離無線通信が可能な通信モジュールであってもよい。通信部22は、ネットワークNに接続するためのインターフェイスであり、例えば無線LAN(Local Area Network)コントローラを含んで構成されている。
【0043】
記憶部23は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶している。制御部24は、例えばCPUである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、状態情報取得部241、制御情報生成部242、送信部243及びタグ情報転送部244として機能する。
【0044】
状態情報取得部241は、読取装置1の状態及び読取装置1の周囲の状態のうちの少なくともいずれかに関する状態情報を取得する。読取装置1の状態に関する状態情報は、例えば、読取装置1の温度を示す情報である。状態情報取得部241は、例えば、I/F部21を介して、所定の間隔で読取装置1の温度の測定を読取装置1に要求し、当該要求に応じて読取装置1が送信した読取装置1の温度を示す状態情報を、読取装置1の状態に関する状態情報として取得する。
【0045】
読取装置1の周囲の状態に関する状態情報は、読取装置1の読取部12が読み取った読取結果を示す情報であり、例えば、読取部12が読み取ったタグ情報と、当該タグ情報を読み取った読取時刻を含む。また、読取装置1の周囲の状態に関する状態情報は、読取装置1とは異なる他の読取装置1の読取部12が読み取った読取結果を示す情報であってもよい。
【0046】
状態情報取得部241は、例えば、I/F部21を介して、他の読取装置1の読取部12による読取結果の送信を他の読取装置1に関連付けられている他の情報生成装置2に要求し、当該要求に応じて当該他の情報生成装置2が送信した他の読取装置1の読取部12が読み取った読取結果を示す状態情報を、読取装置1の周囲の状態に関する状態情報として取得する。なお、状態情報取得部241は、集計装置3を介して、他の情報生成装置2から状態情報を取得してもよいし、I/F部21が他の読取装置1と接続されている場合、当該他の読取装置1から状態情報を取得してもよい。
【0047】
制御情報生成部242は、読取装置1の読取部12を、スキャンモードと、待機モードと、を交互に切り替えて動作させる場合において、状態情報取得部241が取得した状態情報に基づいて、制御情報を生成する。制御情報生成部242は、例えば、スキャン期間の開始時刻及び終了時刻と、待機期間の開始時刻及び終了時刻とを示す制御情報を生成する。制御情報生成部242は、スキャン期間及び待機期間を合計した期間(以下、「合計期間」という。)が予め定められた固定の期間である場合、合計期間に対するスキャン期間の割合(以下、単に「スキャン期間の割合」という。)と、合計期間に対する待機期間の割合(以下、単に「待機期間の割合」という。)とを示す制御情報を生成してもよい。
【0048】
制御情報生成部242は、状態情報取得部241が読取装置1の状態に関する状態情報を取得した場合において、当該状態情報によって示される読取装置1の状態が、読取装置1の動作が不安定になったり停止したりする蓋然性が高い状態である場合に、スキャン期間の割合を短くすることを定めた制御情報を生成する。具体的には、制御情報生成部242は、読取装置1の状態に関する状態情報によって示される読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合に、スキャン期間の割合を、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満である場合におけるスキャン期間の割合より短くすることを定めた制御情報を生成する。所定の温度閾値は、例えば、読取装置1の機種に応じた数値が情報生成装置2に予め設定されている。
【0049】
制御情報生成部242は、例えば、読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合のスキャン期間を、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満である場合のスキャン期間より短くすることを定めた制御情報を生成する。制御情報生成部242は、読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合の待機期間を、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満である場合の待機期間より長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。このようにすることで、情報生成装置2は、読取装置1の温度が上昇することを低減させることができる。制御情報生成部242が、読取装置1の周囲の状態に関する状態情報に基づいて制御情報を生成する処理については後述する。
【0050】
ところで、読取装置1の送信部152がタグ情報を送信する送信処理においても、読取装置1のリソースが消費されるため、読取装置1の温度が高い状態のときに送信処理が実行されると、読取装置1の温度が上昇し得る。そこで、制御情報生成部242は、読取装置1の送信部152に送信処理を実行させる間隔(所定の送信間隔)をさらに定めた制御情報を生成してもよい。
【0051】
具体的には、制御情報生成部242は、読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合に、読取装置1の送信部152に送信処理を実行させる間隔を、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満である場合における当該送信部152に送信処理を実行させる間隔より長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。読取装置1の送信部152は、制御情報によって定められた間隔で、タグ情報を情報生成装置2に送信する。
【0052】
制御情報生成部242は、読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合、送信部152に送信処理を実行させないことを定めた制御情報を生成し、当該制御情報を生成した後において、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満である場合、当該送信部152に送信処理を実行させることを定めた制御情報を生成してもよい。このように、送信処理を実行する間隔を定めた制御情報に基づいて読取装置1の送信部152の動作が制御されることにより、読取装置1の温度が上昇することを低減させることができる。
【0053】
送信部243は、I/F部21を介して、制御情報生成部242が生成した制御情報を読取装置1に送信する。読取装置1の動作制御部151は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて、読取装置1の読取部12の動作を制御する。
【0054】
送信部243は、I/F部21を介して、制御情報に基づく信号を読取装置1に送信してもよい。この場合、読取装置1の動作制御部151は、制御情報に基づく信号としてスキャンモードで動作することを示す信号を受信した場合、読取部12の動作モードを待機モードからスキャンモードに切り替える。一方、読取装置1の動作制御部151は、制御情報に基づく信号として待機モードで動作することを示す信号を受信した場合、読取部12の動作モードをスキャンモードから待機モードに切り替える。
【0055】
タグ情報転送部244は、I/F部21を介して、読取装置1から関連付けてタグ情報と読取時刻とを取得し、通信部22を介して、取得したタグ情報と読取時刻とを関連付けて集計装置3に転送する。
【0056】
[集計装置3の構成]
続いて、集計装置3の構成について説明する。
図4は、集計装置3の構成を示す図である。集計装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。
【0057】
通信部31は、ネットワークNに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。
【0058】
制御部33は、例えばCPUである。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、タグ情報取得部331、集計部332、集計情報生成部333及び出力部334として機能する。タグ情報取得部331は、通信部31を介して、情報生成装置2が転送したタグ情報と読取時刻とを関連付けて取得する。
【0059】
集計部332は、タグ情報取得部331が取得したタグ情報と読取時刻とに基づいて、所定の期間ごと(例えば30分おき)にイベント会場に存在する参加者Hの数を集計する。具体的には、集計部332は、所定の期間ごとにイベント会場に存在する人の数を集計する場合において、読取装置1が第1期間に読み取った一以上のタグ情報と、読取装置1が第2期間に読み取った一以上のタグ情報とに基づいて、第1期間における人の数を集計する。第1期間は、参加者Hの数を集計する対象の所定の期間である。第2期間は、参加者Hの数を集計した所定の期間であって、第1期間の直前の所定の期間である。
【0060】
集計部332は、例えば、第1期間に含まれる読取時刻に関連付けられた一以上のタグ情報(以下、「第1期間のタグ情報」という。)のうち、第1期間以前の読取時刻に関連付けられたタグ情報(以下、「第1期間以前のタグ情報」という。)とは異なるタグ情報の数を、第2期間において集計した参加者Hの数に加算する。第1期間以前のタグ情報とは異なるタグ情報の数は、第1期間以前のタグ情報に含まれるタグIDに一致しないタグIDを含む第1期間のタグ情報の数であり、第1期間にイベント会場に入場した参加者Hの数を示す。
【0061】
また、集計部332は、例えば、第1期間のタグ情報のうち、第1期間以前のタグ情報と同一である第1期間のタグ情報の数を、第2期間において集計した参加者Hの数から減算する。第1期間以前のタグ情報と同一である第1期間のタグ情報の数は、第1期間以前のタグ情報に含まれるタグIDに一致するタグIDを含む第1期間のタグ情報の数であり、第1期間にイベント会場から出た参加者Hの数を示す。このようにすることで、集計装置3は、所定の期間ごとに、当該所定の期間においてイベント会場に存在する参加者Hの数を集計することができる。
【0062】
集計情報生成部333は、集計部332が所定の期間ごとに集計した結果を示す集計情報を生成する。集計情報生成部333は、例えば、所定の期間ごとのイベント会場に存在する参加者Hの数を視覚的に表したヒートマップを集計情報として生成する。出力部334は、集計情報生成部333が生成した集計情報を出力する。出力部334は、例えば、通信部31を介して、イベントの管理者が使用する不図示の管理者端末に集計情報を送信することにより、当該集計情報を管理者端末に出力させる。
【0063】
図5は、集計情報を模式的に表した図である。
図5に示す集計情報は、グラフの色が濃くなるほどイベント会場に存在する参加者Hの数が多いことを示し、グラフの色が薄くなるほどイベント会場に存在する参加者Hの数が少ないことを示すヒートマップである。このようなヒートマップを集計装置3が出力することにより、管理者は、イベント会場に出入りした参加者Hの数の変動を把握することができる。
【0064】
[読取装置1の周囲の状態に基づいて制御情報を生成する処理]
続いて、読取装置1の周囲の状態に基づいて制御情報を生成する処理について説明する。
図6は、イベント会場の周囲を模式的に表した図である。
図6(a)では、複数の読取装置1を用いて、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る例を示す。
図6(a)が示すイベント会場の周囲には、イベント会場の出入口付近に、情報生成装置2が制御する読取装置1(以下、「第1読取装置1a」という。)と、情報生成装置2とは異なる他の情報生成装置2が制御する読取装置1であって、第1読取装置1aとは異なり、読取部12を備えた他の読取装置1(以下、「第2読取装置1b」という。)とが設置されている。
【0065】
第1読取装置1aは、例えば、範囲R1が範囲R2よりイベント会場の出入口側の経路Lの一部を含む位置に設置される。範囲R1は、第1読取装置1aの読取部12がタグ情報を読み取ることが可能な範囲である。範囲R2は、第2読取装置1bの読取部12がタグ情報を読み取ることが可能な範囲である。第2読取装置1bは、例えば、範囲R2が範囲R1よりイベント会場の出入口の反対側の経路Lの一部を含む位置に設置される。範囲R1と、範囲R2とは、少なくとも一部が重複している。第2読取装置1bの読取部12がRFタグTからタグ情報を読み取った読取結果は、第1読取装置1aの周囲の状態を示す情報として用いられる。
【0066】
この場合において、制御情報生成部242は、第1読取装置1aの周囲の状態に基づいて、第1読取装置1aに対応する制御情報を生成する。具体的には、まず、状態情報取得部241は、第1読取装置1aの周囲の状態として、第2読取装置1bの状態又は第2読取装置1bの周囲の状態に関する状態情報を取得する。第2読取装置1bの状態に関する状態情報は、例えば、第2読取装置1bの温度を示す情報である。第2読取装置1bの周囲の状態に関する状態情報は、例えば、第2読取装置1bの読取部12が読み取った読取結果を示す情報であり、第2読取装置1bの読取部12が読み取ったタグ情報と、当該タグ情報を読み取った読取時刻とを含む。そして、制御情報生成部242は、第1読取装置1aの周囲の状態に関する状態情報によって示される第2読取装置1bの温度又は第2読取装置1bの読取部12が読み取った読取結果に基づいて、第1読取装置1aに対応する制御情報を生成する。
【0067】
制御情報生成部242は、例えば、第2読取装置1bの温度が、第2読取装置1bの動作が不安定になったり停止したりする蓋然性が高い温度である場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることを定める。具体的には、制御情報生成部242は、第2読取装置1bの状態に関する状態情報によって示される第2読取装置1bの温度が所定の温度閾値以上である場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bの温度が所定の温度閾値未満である場合における第1読取装置1aのスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成する。
【0068】
制御情報生成部242は、例えば、第2読取装置1bの温度が所定の温度閾値以上である場合における第1読取装置1aのスキャン期間を、第2読取装置1bの温度が所定の温度閾値未満である場合における第1読取装置1aのスキャン期間より長くすることを定めた制御情報を生成する。制御情報生成部242は、第2読取装置1bの温度が所定の温度閾値以上である場合における第1読取装置1aの待機期間を、第2読取装置1bの温度が所定の温度閾値未満である場合における第1読取装置1aの待機期間より短くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0069】
このように、情報生成装置2が、第2読取装置1bの動作が不安定になったり停止したりする蓋然性が高い場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることにより、第1読取装置1aは、第2読取装置1bの動作が安定しているときより多くのRFタグTからタグ情報を読み取ることができる。その結果、情報生成装置2は、第2読取装置1bの動作が不安定になったり停止したりした場合であっても、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る精度が低下することを低減させることができる。
【0070】
制御情報生成部242は、第2読取装置1bが動作不能な状態である場合、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることを定めてもよい。具体的には、制御情報生成部242は、状態情報取得部241による第2読取装置1bの状態に関する状態情報の取得結果に基づいて、第2読取装置1bが動作不能な状態であると判定された場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bが動作可能な状態であると判定された場合における第1読取装置1aのスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0071】
例えば、第2読取装置1bが情報生成装置2による要求に応答せず、状態情報取得部241が第2読取装置1bの状態に関する状態情報を取得できなかった場合に、制御情報生成部242は、第2読取装置1bが動作不能な状態であると判定する。制御情報生成部242は、情報生成装置2から取得された第2読取装置1bの状態に関する状態情報が、第2読取装置1bが動作不能な状態であることを示す場合に、第2読取装置が動作不能な状態であると判定してもよい。このようにすることで、情報生成装置2は、第2読取装置1bが動作不能である場合に第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くさせることができるので、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る精度が低下することを低減させることができる。
【0072】
制御情報生成部242は、参加者Hが第2読取装置1bに対応する範囲R2に入った後に第1読取装置1aに対応する範囲R1に入り得る場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を変更してもよい。具体的には、制御情報生成部242は、第2読取装置1bの周囲の状態に関する状態情報によって示される第2読取装置1bの読取結果が第2読取装置1bによってタグ情報が読み取られたことを示す場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bがタグ情報を読み取る前における第1読取装置1aのスキャン期間の割合とは異なる割合に定めた制御情報を生成してもよい。
【0073】
制御情報生成部242は、例えば、第2読取装置1bがタグ情報を読み取った場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bがタグ情報を読み取る前における第1読取装置1aのスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成する。このようにすることで、参加者Hの動向に応じて第1読取装置1aの動作を制御することができる。
【0074】
なお、
図6(a)に示す第1読取装置1aと第2読取装置1bとの位置関係が反対である場合、制御情報生成部242は、参加者Hが第1読取装置1aに対応する範囲R1から離れるように移動していると判断した場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を変更してもよい。具体的には、制御情報生成部242は、第2読取装置1bがタグ情報を読み取った場合に、スキャン期間の割合を短くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0075】
制御情報生成部242は、参加者Hが範囲R2に留まっている場合、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を短くすることを定めてもよい。具体的には、制御情報生成部242は、複数の読取結果において第2読取装置1bが複数回にわたって同一のタグ情報を読み取ったことを示す場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bによって同一のタグ情報が読み取られる前における第1読取装置1aのスキャン期間の割合より短くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0076】
その後、制御情報生成部242は、参加者Hが範囲R2から出た場合、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることを定めてもよい。具体的には、制御情報生成部242は、第2読取装置1bが複数回にわたって同一のタグ情報を読み取った後に取得された状態情報によって示される読取結果が第2読取装置1bによって当該タグ情報が読み取られなかったことを示す場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bによって同一のタグ情報が読み取られていたときにおける第1読取装置1aのスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。このようにすることで、制御情報生成部242は、参加者Hの動向に応じて第1読取装置1aの動作を制御することができる。
【0077】
制御情報生成部242は、第2読取装置1bによって読み取られたRFタグTを含むカードを所持する参加者Hが、経路Lを通行して範囲R1に入り得るタイミングにおける第1読取装置1aのスキャン期間の割合を変更してもよい。具体的には、制御情報生成部242は、第2読取装置1bの周囲の状態に関する状態情報に含まれる読取時刻から、第1読取装置1aと第2読取装置1bとの位置関係に基づいて定められた所定の推定期間が経過した後における第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、読取時刻から所定の推定期間が経過する前における第1読取装置1aのスキャン期間の割合よりも長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0078】
所定の推定期間は、
図6(a)に示す例において、経路Lを通行する参加者Hが、範囲R2に入ってから範囲R1に入るまでにかかる時間である。このようにすることで、情報生成装置2は、人の存在が変化し得るタイミングに応じて第1読取装置1aの動作を制御することができる。
【0079】
制御情報生成部242は、第2読取装置1bの周囲の状態に関する状態情報に含まれる第2読取装置1bが読み取ったタグ情報の数に基づいて、第1読取装置1aに対応する制御情報を生成してもよい。制御情報生成部242は、例えば、ある期間において、第1読取装置1aが読み取ったタグ情報の数より第2読取装置1bが読み取ったタグ情報の数の方が多い場合、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることを定めた制御情報を生成する。このようにすることで、情報生成装置2は、人の存在が変化し得る状況に応じて第1読取装置1aの動作を制御することができる。
【0080】
上記において、制御情報生成部242が、第2読取装置1bの周囲の状態に関する状態情報に基づいて制御情報を生成する例を説明したが、これに限らない。例えば、制御情報生成部242は、人の存在を検出する検出機器Dが検出した検出結果に基づいて制御情報を生成してもよい。検出機器Dは、例えば撮像装置であり、撮像した撮像画像に基づいて人の存在を検出する。検出機器Dは、赤外線センサーをはじめとする人感センサーであってもよい。
【0081】
検出機器Dは、情報生成装置2の要求に応じて、当該要求を受信したときから当該要求の直前の要求を受信したときまでの期間において人の存在を検出した検出結果を示す情報を情報生成装置2に送信する。検出結果を示す情報は、検出機器Dが存在を検出した人の数を示す数値を含む。状態情報取得部241は、例えば、I/F部21を介して、所定の間隔で検出結果の送信を検出機器Dに要求し、読取装置1の周囲の状態として、当該要求に応じて検出機器Dが送信した人の存在を検出した検出結果を示す状態情報を取得する。
【0082】
なお、検出機器Dは、情報生成装置2であってもよい。この場合、情報生成装置2は、撮像画像を撮像する不図示の撮像部と、当該撮像部が撮像した撮像画像に含まれる人を検出する不図示の検出部とを有してもよい。状態情報取得部241は、例えば、検出部が撮像画像に含まれる人を検出した検出結果を状態情報として取得する。
【0083】
図6(b)では、読取装置1と検出機器Dとを用いて、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る例を示す。
図6(b)に示すイベント会場の周囲には、イベント会場の出入口付近に、読取装置1と、検出機器Dとが設置されている。読取装置1は、例えば、範囲R1が範囲R3よりイベント会場の出入口側の経路Lの一部を含む位置に設置されている。範囲R3は、検出機器Dが人の存在を検出することが可能な範囲(例えば撮像範囲)である。検出機器Dは、読取装置1の周囲に存在する人を検出可能な位置、例えば、範囲R3が範囲R1よりイベント会場の出入口の反対側の経路Lの一部を含む位置に設置されている。範囲R1と、範囲R3とは、少なくとも一部が重複してもよい。
【0084】
この場合において、まず、状態情報取得部241は、検出機器Dが読取装置1の周囲において検出した検出結果を示す状態情報を取得する。そして、制御情報生成部242は、検出結果によって示される検出機器Dが読取装置1の周囲において検出した人の数に基づいて、制御情報を生成する。
【0085】
より具体的には、制御情報生成部242は、検出結果が検出機器Dによって読取装置1の周囲において人の存在の変化が検出されたことを示す場合に、スキャン期間の割合を、検出機器Dが人の存在の変化を検出する前におけるスキャン期間の割合とは異なる割合に定めた制御情報を生成してもよい。人の存在の変化は、例えば、検出された人の数が0人から1人以上に変わったとき、又はある期間に検出された人の数が所定の人数閾値を上回ったとき等である。この場合、制御情報生成部242は、検出機器Dが読取装置1の周囲において人の存在の変化を検出した場合に、スキャン期間の割合を、検出機器Dが読取装置1の周囲において人の存在の変化を検出する前におけるスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成する。
【0086】
人の存在の変化は、検出された人の数が1人以上から0人に変わったとき、又はある期間に検出された人の数が所定の人数閾値を下回ったとき等であってもよい。この場合、制御情報生成部242は、検出機器Dが読取装置1の周囲において人の存在の変化を検出した場合に、スキャン期間の割合を、検出機器Dが読取装置1の周囲において人の存在の変化を検出する前におけるスキャン期間の割合より短くすることを定めた制御情報を生成する。このようにすることで、情報生成装置2は、人の存在が変化し得る状況に応じて読取装置1の動作を制御することができる。
【0087】
上記において、制御情報生成部242が、第2読取装置1b又は検出機器Dを用いて、イベント会場の周囲における実際の状況に基づいて制御情報を生成する例を説明したが、これに限らない。例えば、制御情報生成部242は、イベントのスケジュールに基づいて制御情報を生成してもよい。
【0088】
具体的には、制御情報生成部242は、イベントの開催期間に基づいて特定された人の存在が変化し得る時間帯のスキャン期間の割合を変更した制御情報を生成する。より具体的には、まず、状態情報取得部241は、読取装置1の周囲の状態として、イベントの開催期間を示す状態情報を取得する。状態情報取得部241は、例えば、通信部22を介して、集計装置3からイベントの開催期間を示す状態情報を取得する。そして、制御情報生成部242は、イベントの開催期間に基づいて特定された人の存在が増加する増加時間帯におけるスキャン期間の割合を、増加時間帯以外の時間帯におけるスキャン期間の割合とは異なる割合に定めた制御情報を生成する。
【0089】
制御情報生成部242は、例えば、イベントの開始時刻の前後の所定の期間(例えば30分)を含む開始時間帯と、イベントの終了時刻の前後の所定の期間を含む終了時間帯とを増加時間帯として特定する。制御情報生成部242は、例えば、増加時間帯におけるスキャン期間の割合を、増加時間帯以外の時間帯におけるスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成する。このようにすることで、情報生成装置2は、イベントのスケジュールに応じて読取装置1の動作を制御することができる。
【0090】
状態情報取得部241が、読取装置1の状態に関する状態情報と、読取装置1の周囲の状態に関する状態情報とを取得した場合において、読取装置1の状態に関する状態情報によって示される読取装置1の温度が所定の温度閾値以上である場合、制御情報生成部242は、読取装置1の状態を優先した制御情報を生成してもよい。このようにすることで、情報生成装置2は、読取装置1の動作が不安定になったり停止したりすることにより、読取装置1の読取部12が複数のRFタグTからタグ情報を読み取る精度が低下することを低減させることができる。
【0091】
[読取装置1の読取部12の動作を制御する処理]
続いて、情報処理システムS1において、読取装置1の読取部12の動作を制御する処理の流れについて説明する。
図7は、読取装置1の読取部12の動作を制御する処理の流れを示すシーケンス図である。
図7においては、情報生成装置2が制御情報を生成する処理から読取装置1の読取部12の動作を制御する処理までの流れについて説明する。
【0092】
本処理は、読取装置1の送信部152が、情報生成装置2の要求に応じて、I/F部11を介して、温度測定部13が測定した読取装置1の温度を示す情報を情報生成装置2に送信したことを契機として開始する(S1)。情報生成装置2の状態情報取得部241は、I/F部21を介して、読取装置1から送信された読取装置1の状態に関する状態情報を取得する。
【0093】
情報生成装置2の制御情報生成部242は、読取装置1の状態に関する状態情報によって示される読取装置1の温度が所定の温度閾値以上であるか否かを判定する(S2)。制御情報生成部242は、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満であると判定した場合(S2においてNO)、処理を終了する。なお、制御情報生成部242は、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満であると判定した場合(S2においてNO)、スキャン期間の割合を、当該判定をする前におけるスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0094】
一方、制御情報生成部242は、読取装置1の温度が所定の温度閾値以上であると判定した場合(S2においてYES)、スキャン期間の割合を、読取装置1の温度が所定の温度閾値未満である場合におけるスキャン期間の割合より短くすることを定めた制御情報を生成する(S3)。情報生成装置2の送信部243は、I/F21を介して、制御情報生成部242が生成した制御情報を読取装置1に送信する(S4)。
【0095】
そして、読取装置1の動作制御部151は、情報生成装置2から送信された制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて、読取装置1の読取部12の動作を制御する(S5)。
【0096】
[変形例]
上記において、情報処理システムS1が、情報生成装置2を有する例を説明したが、これに限らない。例えば、読取装置1が、状態情報に応じて、スキャン期間と待機期間との割合を定め、定めた割合に基づいて読取部12の動作を制御してもよい。この場合、読取装置1は、ネットワークNと接続するための不図示の通信部を有し、当該通信部を介して、読取部12がRFタグTから読み取ったタグ情報を集計装置3に送信してもよい。また、例えば、集計装置3が、状態情報に応じて、スキャン期間と待機期間との割合を定めた制御情報を生成し、生成した制御情報を読取装置1に送信することにより、当該読取装置1の動作を制御してもよい。
【0097】
[第1の実施の形態における効果]
以上説明したとおり、第1の実施の形態にかかる情報生成装置2は、読取装置1の状態及び読取装置1の周囲の状態のうちの少なくともいずれかに関する状態情報に基づいて、スキャンモードで動作させるスキャン期間と待機モードで動作させる待機期間との割合を定めた制御情報を生成する。このようにすることで、情報生成装置2は、読取装置1の動作が不安定になったり停止したりしないように読取装置1の動作を制御することができる。その結果、情報生成装置2は、複数のRFタグTからタグ情報を読み取る精度の低下を低減させることができる。
【0098】
<第2の実施の形態>
[特定の人物を追跡する]
続いて、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態にかかる情報生成装置2は、複数のRFタグTからタグ情報を読み取るために、読取装置1の読取部12の動作を制御する。これに対して、第2の実施の形態にかかる情報生成装置2は、特定のRFタグTからタグ情報を読み取るために、読取装置1の読取部12の動作を制御する。以下、第1の実施の形態とは異なる部分について説明する。第1の実施の形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0099】
図8は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムS2の概要を説明するための図である。第2の実施の形態にかかる情報処理システムS2は、複数の参加者Hが存在するイベント会場内において特定の参加者Hを追跡するために用いられるシステムである。第2の実施の形態にかかる情報処理システムS2は、複数の読取装置1を有する。
図8に示す例においては、2つの読取装置1(第1読取装置1a及び第2読取装置1b)がイベント会場内に設置されているが、これに限らず、3つ以上の読取装置1がイベント会場内に設置されてもよい。
【0100】
情報処理システムS2は、ある読取装置1が特定の参加者Hが所持するカードのRFタグTからタグ情報を読み取った場合、当該読取装置1に隣接する他の読取装置1のスキャン期間の割合を長くすることにより、特定の参加者Hを追跡する。
図8に示す第2読取装置1bは、第1読取装置1aに隣接する他の読取装置1である。
【0101】
第2の実施の形態に係る情報生成装置2の記憶部23は、特定の人物(特定の参加者H)に関連付けられたタグIDを記憶している。なお、情報生成装置2は、所定の間隔で、特定の人物に関連付けられたタグIDを集計装置3から取得してもよい。この場合において、まず、状態情報取得部241は、第2読取装置1bの周囲の状態として、第2読取装置1bがタグ情報を読み取った読取結果を示す状態情報を取得する。そして、制御情報生成部242は、第2読取装置1bが記憶部23に記憶されたタグIDを含むタグ情報を読み取ったことを読取結果が示す場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を、第2読取装置1bが記憶部23に記憶されたタグIDを含むタグ情報を読み取る前における第1読取装置1aのスキャン期間の割合より長くすることを定めた制御情報を生成する。
【0102】
制御情報生成部242は、範囲R2に留まっている特定の参加者Hが範囲R2から出た場合に、スキャン期間の割合を長くすることを定めてもよい。具体的には、制御情報生成部242は、状態情報取得部241が所定の間隔で取得した複数の状態情報によって示される読取結果が、記憶部23に記憶されたタグIDを含むタグ情報を第2読取装置1bが読み取ったことを示す読取結果から、記憶部23に記憶されたタグIDを含むタグ情報を第2読取装置1bが読み取らなかったことを示す読取結果に変わった場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることを定めた制御情報を生成してもよい。
【0103】
集計装置3は、複数の読取装置1それぞれが特定の人物に関連付けられたタグIDを含むタグ情報を読み取った読取結果に基づいて、イベント会場内において特定の人物が移動した経路を示す経路情報を生成してもよい。具体的には、まず、集計装置3の集計部332は、タグ情報取得部331が複数の情報生成装置2それぞれから取得した複数のタグ情報の中から特定の人物に関連付けられたタグIDを含むタグ情報を選択する。そして、集計情報生成部333は、集計部332によって選択されたタグ情報を読み取った読取装置1が設置されたイベント会場内における位置と、当該タグ情報に関連付けてタグ情報取得部331が取得した読取時刻とに基づいて、経路情報を生成する。その後、出力部334は、経路情報を管理者端末に出力させる。このようにすることで、イベントの管理者は、イベント会場内において特定の人物が移動した経路を確認することができる。
【0104】
[第2の実施の形態における効果]
以上説明したとおり、第2の実施の形態に係る情報生成装置2は、第2読取装置1bが特定の参加者Hに関連付けられたタグIDを含むタグ情報を読み取った場合に、第1読取装置1aのスキャン期間の割合を長くすることを定めた制御情報を生成する。このようにすることで、情報生成装置2は、イベント会場内に複数の参加者Hが存在する場合であっても、特定の参加者Hを追跡することができる。
【0105】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0106】
1 読取装置
11 I/F部
12 読取部
13 温度測定部
14 記憶部
15 制御部
151 動作制御部
152 送信部
2 情報生成装置
21 I/F部
22 通信部
23 記憶部
24 制御部
241 状態情報取得部
242 制御情報生成部
243 送信部
244 タグ情報転送部
3 集計装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 タグ情報取得部
332 集計部
333 集計情報生成部
334 出力部
D 検出機器
H 参加者
S 制御システム
T RFタグ