(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-09
(45)【発行日】2024-02-20
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240213BHJP
H04N 1/193 20060101ALI20240213BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/193
(21)【出願番号】P 2019191579
(22)【出願日】2019-10-18
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】篠原 拓
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-033087(JP,A)
【文献】特開2007-081937(JP,A)
【文献】特開2005-269322(JP,A)
【文献】特開2018-148366(JP,A)
【文献】特開平10-042105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取手段と、
画像データを処理する画像処理手段を有する制御手段と、
前記読取手段によって前記原稿を読み取って生成された画像データを
記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画像データを前記制御手段に転送する読取制御手段と、
前記読取手段が前記原稿を読み取る読取解像度を受け付ける受付手段とを有し、
前記受付手段が第1の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取制御手段は第1の転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送し、
前記受付手段が前記第1の読取解像度より高い第2の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取制御手段は前記第1の転送クロック
速度より
遅い第2の転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記読取手段が前記原稿を読み取るときに、前記画像処理装置で他のジョブが実行されているか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記読取制御手段は、少なくとも前記受付手段によって受け付けた前記読取解像度と前記判定手段による判定結果に基づく転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記読取解像度とは異なる設定について同じ設定値を前記受付手段が受け付け、前記第1の読取解像度を前記受付手段が受け付けたときに、前記読取制御手段は
前記第1の転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送し、
前記読取解像度とは異なる設定について同じ設定値を前記受付手段が受け付け、前記第2の読取解像度を前記受付手段が受け付けたときに、前記読取制御手段は
前記第
2の転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受付手段が所定の読取解像度を受け付けた場合には、前記読取解像度とは異なる他の設定に依存せずに同じ転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受付手段が第1の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取手段は所定の読取速度で前記原稿を読み取り、前記記憶手段は前記画像データを記憶し、前記記憶手段に記憶された前記画像データを前記読取制御手段は前記第1の転送クロック
速度で前記制御手段に転送し、
前記受付手段が前記第1の読取解像度より高い第2の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取手段は、前記所定の読取速度で前記原稿を読み取り、前記記憶手段は前記画像データを記憶し、前記読取制御手段は前記記憶手段に記憶された前記画像データを前記第1の転送クロック
速度より
遅い第2の転送クロック
速度で前記制御手段に転送することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
原稿を読み取る読取手段と、
画像データを処理する画像処理手段を有する制御手段と、
前記読取手段によって前記原稿を読み取って生成された画像データを
記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画像データを前記制御手段に転送する読取制御手段とを有する画像処理装置の制御方法であって、
前記読取手段が前記原稿を読み取る読取解像度を受け付ける受付工程とを有し、
前記受付工程で第1の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取制御手段から第1の転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送し、
前記受付工程で前記第1の読取解像度より高い第2の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取制御手段から前記第1の転送クロック
速度より
遅い第2の転送クロック
速度で前記画像データを前記制御手段に転送することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載された画像処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部に複数の読み取り速度を設け、用途に応じて使い分けることが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像読取部で生成された画像データを受け取って処理する制御部には、様々な画像処理部が存在する。各々の画像処理部は共通のメモリを使って、画像データをやり取りすることで画像処理を実行していく。この時、画像データは、同じデータバスを介してデータの受け渡しを行う。
【0005】
画像処理部のデータバスが一定時間に処理できるデータ量には制限がある。さまざまな画像処理を並行して実行するとデータバスの制限を超えてしまい、データ転送処理の遅延や停止が発生してしまう。その場合、画像読取部から続きの画像データが取り込めず、画像読取動作を正常に継続できないおそれがある。
【0006】
画像読取部から取り込む画像データの転送量は画像読取動作の設定によって異なる。例えば、300×300dpiよりも600×600dpiの方が転送されるデータ量は多い。300×300dpiのときも600×600dpiのときも同じ転送速度で転送を行ったとすると、画像読取動作を正常に継続できないおそれがある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、少なくとも読取解像度に基づく転送クロック速度で読取制御手段から制御手段への画像データを転送することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原稿を読み取る読取手段と、画像データを処理する画像処理手段を有する制御手段と、前記読取手段によって前記原稿を読み取って生成された画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画像データを前記制御手段に転送する読取制御手段と、前記読取手段が前記原稿を読み取る読取解像度を受け付ける受付手段とを有し、前記受付手段が第1の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取制御手段は第1の転送クロック速度で前記画像データを前記制御手段に転送し、前記受付手段が前記第1の読取解像度より高い第2の読取解像度を受け付けたある場合に、前記読取制御手段は前記第1の転送クロック速度より遅い第2の転送クロック速度で前記画像データを前記制御手段に転送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、少なくとも受け付けた読取解像度に基づく転送クロック速度で読取制御手段から制御手段への画像データを転送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施例における画像処理装置のシステムブロック図
【
図2】本実施例における自動原稿給紙装置(ADF)図
【
図3】本実施例におけるスキャナ部を制御するための制御部のブロック図
【
図4】本実施例におけるスキャナ部のクロックタイミングチャート図
【
図5】本実施例における読み取り制御のシーケンス図
【
図6】本実施例におけるスキャナ部のRAMの概念図
【
図8】本実施例1における画像処理装置の動作を説明するフローチャート
【
図9】本実施例1における転送クロックの決定条件の図
【
図10】本実施例2における画像処理装置の動作を説明するフローチャート
【
図11】本実施例2における転送クロックの決定条件の図
【
図12】本実施例3における画像処理装置の動作を説明するフローチャート
【
図13】本実施例3における画像処理装置の動作を説明するフローチャート
【
図14】本実施例3における転送クロックの決定条件の図
【
図15】本実施例4における画像処理装置の動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
<実施例1>
図1は、本発明における画像処理装置の構成を説明する制御ユニット115のブロック図である。
【0013】
制御ユニット115内の各構成は、システムバス101及び画像バス110に接続されている。
【0014】
CPU103は、画像処理装置を統括的に制御する。ROM102はRead Only Memoryであり、CPU103によって読み出される各種プログラム(システムのブートプログラムや、システムソフトウェア等)を記憶する。
【0015】
RAM104は、CPU103がソフトウェアを実行するためのシステムワークメモリエリアであり、画像データを処理する際に一時記憶するための画像メモリでもある。
【0016】
蓄積メモリ105は、内部ストレージとして使用される。スキャナ部112から読み取ったデータや、画像データ、システムソフトウェアなどが記憶される。蓄積メモリ105は、HDD(ハードディスク)や、SSD(SolidStateDrive)から構成される。
【0017】
LAN(ローカルエリアネットワーク)I/F部106は、LANと接続するためのI/F部でありLANに接続された各機器との情報の入出力を行う。
【0018】
回線I/F(インタフェース)部107は、WANと接続するためのI/F部でありWANに接続された各機器との情報の入出力を行う。
【0019】
これらのデバイスがシステムバス101上に配置される。
【0020】
IO制御部A109は、システムバス101と画像データを高速で転送する画像バス110を接続し、システムバス101データ構造を変換するバスブリッジである。
【0021】
画像バス110は、PCIバスやIEEE1394、PCIExなどの汎用バスで構成される。画像バス110上には以下のデバイスが配置される。画像入出力デバイスであるスキャナ部112やプリンタ部113と画像処理部111を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0022】
画像処理部111は、入力及び出力画像データに対し解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換などの画像処理を行う複数のASICから構成される。
【0023】
画像データの操作部制御部B108は、操作部114(User Interface)とのインタフェース部で、操作部に表示する画像データを操作部に対して出力する。また、操作部から本システム使用者が入力した情報を、CPU103に伝える役割をする。表示装置やキーパッド装置を搭載する操作部114をソフトウェアが制御するためのI/F部である。操作部114は、LCDタッチパネルやハードキー等で構成され、操作部制御部B108から出力される、VGA(Video Graphics Array)信号を解釈して表示する。
【0024】
図2はスキャナ部112のDF(Document Feeder)ユニット内部構造を示す側断面図である。DF部には読み取り原稿を積載するための原稿トレイ0200があり、原稿トレイ0200上に原稿有無を検知するためのドキュメントセンサ0202と2つの原稿ガイド0201、原稿サイズ検知センサ0203が設けられている。原稿ガイド0201は原稿縦方向(原稿の搬送方向と垂直)に2つ並んで設けられ、原稿トレイ0200上に積載された原稿はピックアップローラ0204、搬送ローラ0206、排紙ローラ0209等のローラにより搬送される。ピックアップローラ0204は原稿トレイ0200に積載された原稿をDFユニット内部の原稿搬送路内へ搬送するためのローラである。搬送ローラ0206はピックアップローラ0204により原稿搬送路内部に搬送されてきた原稿を搬送し、排紙ローラ0209は搬送ローラ0206により搬送されてきた原稿を排紙トレイ0210に排紙する。また、ピックアップローラ0204により搬送された原稿は、原稿通過検知センサ0205により検出され、検出時間をもとに1枚目の原稿が通過したか否かを判定する。また、図示は省略したが、搬送ローラ0206、ピックアップローラ0204、排紙ローラ0209は全てステッピングモータにより駆動される。DF部での副走査間引き処理は、上記の搬送、ピックアップ、排紙ローラの駆動パルスを倍周波数とすることで実現される。DF部により搬送された原稿は、DF読み取り窓0207を通してその下にあるセンサユニット0211に備えられたCIS(Contact Image Sensor)0208により読み取られる。センサユニット0211は、副走査方向に自由に移動可能であり、搬送ローラ0206から排紙ローラ0209に向かって搬送されてくる原稿の搬送方向と同一方向にも移動可能である。なお、DF読み取り窓0207には副走査方向にある程度の長さがあり、その長さの範囲内では、任意の位置にCIS0208を移動して、その移動位置で原稿読み取りを行うことができる。CIS0208は、CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子によって構成され、各素子の画像を蓄積するためのFIFO、及び、FIFO、CCDを制御するための制御信号生成を同時に行う。CIS0208は一般的に、複数の光電変換素子を一列に並べた形で実現される。
【0025】
図3は、スキャナ部112を制御するためのハードウェアが集結したブロックであり、スキャナ部112に含まれるブロックである。
【0026】
スキャナ制御ユニット300は、CPU301、RAM302、CLK制御部303、ROM304、モータコントローラ部305、CCD制御部307等により構成される。スキャナ部を制御するためのアプリケーションプログラムはROM304に記憶されており、CPU301で実行される。
【0027】
CLK制御部303から各ブロックにクロックが分配される。CLK制御部303は、クロック生成のための、水晶振動子と、水晶振動子が生成したクロックを逓倍、分周するPLL素子により構成される。
【0028】
スキャナ制御ユニット300を制御するスキャナ部制御アプリケーションは、スキャンを行う際の指示に基づき、CLK制御部303より、制御クロックを、モータコントローラ部305、CCD制御部307、RAM302に出力する。CLK制御部303から入力されたクロックに従い、各ブロックでは、さらに逓倍、分周を行い、CCD素子や各種ローラを回転させるモータの制御クロックを生成する。
【0029】
スキャンを行う際の指示には、カラー/モノクロ区別、解像度などの情報が含まれ、スキャナ部を制御するためのアプリケーションは、指示の内容により、CLK制御部303のPLLの設定を変更する。
【0030】
PLLの設定変更により、各種クロックの周波数を変えることで、読み取り速度の変更を行う。RAM304はCIS0208により読み取った画像データを蓄積する。本実施例の場合、RAM302にはA4サイズで4枚分の画像を蓄積できる容量があるものとする。
【0031】
CIS0208からの信号読み出しは、各画素から画像を読みだす読み出しクロックと、読み出した画素を制御ユニット115へ転送するかどうかの転送イネーブルクロックにより読み出しデータ量を制御する。
図4はその概念を簡単に示したものである。簡単のためにピクセル数を間引かずすべて入力するものと、1/2に間引いて入力する動作についてのみ説明をおこなうが、本発明は1/2の時の動作に限られるものではない。各光電変換素子のデータ読み出しは読み出しクロック401により制御される。読み出しクロック401の立ち上がり時に各素子のデータがCIS0208上から読み出される。読み出された各画素のデータ402はFIFOでバッファに取りこまれる。FIFOでバッファに取り込まれたデータは適宜、RAM302に蓄積される。RAM302に蓄積された画像データは水平同期信号406の制御によって、転送イネーブルクロック404が入力され、転送イネーブルクロックの立ち上がりに同期して、各画素のデータ405が制御ユニット115に転送される。水平同期信号403は、CCD1ラインの取り込み開始を制御するクロック信号であり、この水平同期信号403に同期して、スキャナ部112上の各ピックアップローラを駆動するPWM信号を生成する。つまり、水平同期信号403の周期が短くなれば、ピックアップローラの回転速度は相対的に高速になり、原稿搬送が早くなり、原稿1枚あたりの読み取り速度が向上する。CCD素子の画素数Xが同じであれば、水平同期信号403の周期を短くする場合は、短い時間でCCDからの読み出しを行わなければならないため、読み出しクロック401の周期が短くなる。読み出しクロック401の周期が短くなると、RAM302へのデータの蓄積が早まり、それに同期してRAM302からのデータ出力も短い時間で行う必要がある。その結果、スキャナ部112から、画像バス110を経由して、RAM114、もしくは画像処理部111に転送される単位時間あたりのデータ量が増える。単位時間あたりに転送されるデータ量が増えると、画像処理部111もしくは、画像バス110に係る負荷が大きくなり、たとえば、プリンタ部における印刷ジョブを動作させるための画像処理及び、データ転送に遅延が生じるケースもある。
【0032】
図5のシーケンス図は、読み取り動作のシーケンス図である。このシーケンスは、スキャナ部を制御するスキャナ部制御アプリケーションと、制御ユニット115を制御するジョブ制御アプリケーションによって実行される。両アプリケーションは、ROM、蓄積メモリなどの不揮発領域に格納されており、画像形成装置の電源が入ったのち、RAM上に読みだされて、CPUにて実行される。
【0033】
501で読み取り開始指示を受けたスキャナ部制御アプリケーションは、各種制御クロックを出力し、原稿読み取りを行う。
【0034】
転送イネーブルクロックが高速化になった場合、シーケンス図上の画像転送時間、tv502が短くなり、読み取り速度が向上する。
【0035】
RAM302の容量は有限であるため、スキャナ部は原稿を1枚読み取ると、制御ユニットに1枚分の画像の転送を行う。そのとき、読み出しクロックと転送イネーブルクロックは一致する。しかし、
図5のシーケンス図のように、読み取り部のRAM302に蓄積できる間は制御ユニットへの画像データ転送に同期せず、先行して原稿の読み取りを続けることもできる。
【0036】
図6はスキャナ部のRAM302に画像データがどのように保持されるかを説明するための図である。
図5のシーケンスを用いて説明したように、スキャナ部はRAM302の容量に空きがある場合は、RAM302への画像データの転送を続け、RAM302に画像データを蓄積する。蓄積された画像データは転送イネーブルクロックに合わせ、制御ユニット115に出力され、原稿1枚分のデータが出力されれば、その領域は次の原稿読み取り時に使用される。
【0037】
次に
図7を用いて、
図1の画像処理部111のより詳細な構成を説明する。画像処理部111には入力及び出力画像データに対し解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換などの画像処理を行う複数のASIC701、702、703、704、705が存在する。各ASICは共通のRAM104に対して、画像バス110を介して画像データの入出力を行う。
【0038】
共通の画像バス110を用いているため、さまざまな画像処理が並行して実行され、同時に複数の処理のために画像バス110が使用されるとデータバスの制限をオーバーしてしまい、処理の遅延や停止が発生してしまうことがある。特に、スキャナ部が高速で原稿の読み取りを行い、それに伴い、転送イネーブルクロックも高速で動作する場合、スキャナ部から画像バスに瞬間的に大きなデータが転送されることとなる。
【0039】
次に
図8を用いて、スキャン1ページのスキャン画像処理をスキャンジョブの設定に応じて、転送イネーブルクロックの切り替えを行い実行するフローについて説明する。
図8のフローチャートの処理は、CPU301がROM304に記憶されたプログラムをRAM302に読み出して実行することで実現される。
図8のフローチャートは、操作部114を介してスキャンを伴うジョブの実行指示を受付けたことに従って開始される。スキャンを伴うジョブには、スキャンした画像データを印刷するCOPYジョブ(コピージョブ)がある。また、他にも、スキャンした画像データを蓄積メモリに保存しておくBOXジョブ(ボックスジョブ)や、スキャンした画像データをメールで外部に送信するSENDジョブ(センドジョブ)がある。さらに、スキャンした画像データをFax送信するFaxジョブ(ファクスジョブ)等がある。
【0040】
図8のフローチャートに示す処理はDF部に積載された読み取り原稿枚数分繰り返される。
【0041】
ここでは転送イネーブルクロックとして高速転送クロック、中速転送クロック、低速転送クロックの3段階のクロックがある場合の動きについて説明するが、切り替えるクロックの段階は2段階や、4段階以上あってもよい。
【0042】
ここで高速転送クロックとは1分間に250枚分の画像データを転送できるクロック速度とする。中速転送クロックとは1分間に150枚分の画像データを転送できるクロック速度とする。低速転送クロックとは1分間に50枚分の画像データを転送できるクロック速度とする。クロック速度は一例であり、これに限るものではない。クロック速度が速いほど、画像データの転送速度が速くなり、クロック速度が遅いほど、画像データの転送速度が遅くなる。
【0043】
S801では、CPU301は、原稿の読み取り設定を取得する。
【0044】
S802において、CPU301は、S801で取得した読み取り設定に応じてスキャンを実行するために使用するASICを決定し、ASICに読み取り設定に応じた設定を行う。
【0045】
S803において、CPU301は、読み取り設定は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。判断には、
図9のテーブルを用いる。高速転送クロックモードで動作できると判断した場合は、S804へ進む。高速転送クロックモードで動作できないと判断した場合は、S808へ進む。
【0046】
S804において、CPU301は、スキャナ部112に高速転送クロックモードで動作することを通知する。通知を受けたスキャナ部112は、高速転送クロックモードに対応するクロック速度で画像データを制御ユニット115に転送する。
【0047】
S805において、CPU301は、スキャナ部112から画像データを受け取る。
【0048】
S806において、CPU301は、受け取った画像データに対して、画像処理を実行する。
【0049】
S807において、CPU301は、画像データを蓄積メモリ105に保存する。
【0050】
S808において、CPU301は、中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送クロックモードで動作できると判断した場合は、S809へ進む。動作できないと判断した場合は、S810へ進む。
【0051】
S809において、CPU301は、スキャナ部112に中速転送クロックモードで動作することを通知する。通知を受けたスキャナ部112は、中速転送クロックモードに対応するクロック速度で画像データを制御ユニット115に転送する。
【0052】
S810において、CPU301は、スキャナ部112に低速転送クロックモードで動作することを通知する。通知を受けたスキャナ部112は、低速転送クロックモードに対応するクロック速度で画像データを制御ユニット115に転送する。
【0053】
次に
図8で説明したクロック切り替え判断の条件となるスキャンジョブの設定について
図9を用いて説明する。データ転送量に影響するスキャンジョブの設定とはカラー読取/モノクロ読取(901)、片面読取/両面読取(902)、読み取り解像度(903)、原稿のサイズ(904)等の設定である。スキャンジョブの設定は、ジョブの実行指示を受付ける前に操作部114を介してユーザから受付けられ、RAM104等に記憶される。
【0054】
このスキャン設定(読取設定)に応じて、
図9のような転送クロックの切り替え条件が決まる。この条件に応じて、S803、S808では高速転送クロックか中速転送クロックか、低速転送クロックかを判断する。例えば、原稿をカラーで読み取るよう設定され、原稿の片面を読み取るよう設定され、読取解像度が600dpi×600dpiで読み取るよう設定され、画像サイズがA4以上である場合に、CPU301は低速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0055】
図9の条件は一例であり、この条件に限るものではない。例えば、原稿の読取サイズはA4を所定のサイズとし、読取サイズが所定のサイズ以上であるか否かで転送速度を変える例を説明したが、所定のサイズはA4以外のサイズを用いてもよい。これらの基準は、画像データバスが一度に扱えるデータの量に応じて変更されればよい。
【0056】
図5、
図6を用いて説明した通り、スキャナ部112はRAM302の容量に空きがある場合は読み取りを続け、RAM302に画像データを蓄積する。そのため転送クロックを切り替えても、読み取り速度が低下するわけではない。読み取りを続け、RAM302の容量がなくなった場合は、RAM302が空くのを待って、次の読み取りを続ける。
【0057】
以上、説明したように、スキャナ部から制御ユニットへの画像転送を行う転送イネーブルクロックをスキャンジョブの読み取り設定に応じて切り替えることで、スキャナの読み取り速度を向上させることが出来る。
【0058】
<実施例2>
実施例1ではスキャン画像処理の転送イネーブルクロックをスキャンジョブ設定に応じて高速転送クロック、中速転送クロック、低速転送クロックに切り替える方法について説明した。実施例2ではスキャン画像処理を行うジョブの種類(ジョブ種)に基づいて複数の転送クロックを切り替えて並列動作させる方法について説明する。
【0059】
スキャンされた画像データの画像処理を実行するジョブ種として、スキャンした画像データを印刷するCOPYジョブ(コピージョブ)がある。また、他にも、スキャンした画像データを蓄積メモリに保存しておくBOXジョブ(ボックスジョブ)、スキャンした画像データをメールで外部に送信するSENDジョブ(センドジョブ)がある。さらに、スキャンした画像データをFax送信するFaxジョブ(ファクスジョブ)等がある。なお、SENDジョブとFaxジョブは送信ジョブの一例である。ジョブ種によって、スキャン画像処理内で実施する処理は異なり、データ転送量は異なる。
【0060】
例えば、COPYジョブのスキャン画像処理の場合、スキャンした画像データはプリント処理で使用され、高解像度のエンジン解像度に合わせ、スキャン画像処理も600×600dpiで動作する。一方、BOXジョブはユーザが蓄積メモリに保存した画像の利用時にプレビューを利用できるように、プレビュー用サムネイル画像を一緒に保存するため、他のスキャン画像処理よりも処理工程が増える。また、SENDジョブでは300×300dpiで動作し、高速で読み取り動作を行うケースがある。
【0061】
このようにジョブ種に応じてデータ転送量が変わるため、ジョブ種に応じて高速転送クロック、中速転送クロック、低速転送クロックに切り替えるフローに
図10を用いて説明する。
図10のフローチャートの処理は、CPU301がROM304に記憶されたプログラムをRAM302に読み出して実行することで実現される。
図10のフローチャートは、操作部114を介してスキャンを伴うジョブの実行指示を受付けたことに従って開始される。
【0062】
S1001では、CPU301は、スキャン画像処理を実行するジョブ種を取得する。
【0063】
S1002では、CPU301は、原稿の読み取り設定を取得する。原稿の読み取り設定は、ジョブの実行指示を受付ける前に操作部114を介してユーザから受付けられ、RAM104等に記憶される。
【0064】
S1003において、CPU301は、S1002で取得した読み取り設定に応じてスキャンを実行するために使用するASICを決定し、ASICに設定を行う。
【0065】
S1004において、CPU301は、
図11のテーブルに基づいて、実行されるジョブのジョブ種は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。高速転送モードで動作できると判断した場合は、S1005へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1009へ進む。
【0066】
S1005において、CPU301は、スキャナ部112に高速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0067】
S1006において、CPU301は、スキャナ部112から画像データを受け取る。
【0068】
S1007において、CPU301は、受け取った画像データ112に対して、画像処理を実行する。
【0069】
S1008において、CPU301は、画像データを蓄積メモリ105に保存する。
【0070】
S1009において、CPU301は、ジョブ種は中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送クロックモードで動作できると判断した場合は、S1010へ進む。動作できないと判断した場合は、S1011へ進む。
【0071】
S1010において、CPU301は、スキャナ部112に中速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0072】
S1011において、CPU301は、スキャナ部112に低速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0073】
ジョブ種に応じて、
図11のような転送クロックの切り替え条件が決まり、この条件に応じて、S1004、S1009では高速転送クロックか中速転送クロックか、低速転送クロックかを切り替える。
【0074】
例えばCOPYジョブであれば低速クロックとなる(1101)。
【0075】
なお、
図11の条件は一例であり、この条件に限るものではない。
【0076】
以上、説明したように、スキャナ部から制御ユニットへの画像転送を行う転送イネーブルクロックを、スキャン画像処理を実行するジョブ種に応じて切り替えることで、スキャナの読み取り速度を向上させることが出来る。
【0077】
<実施例3>
実施例1ではスキャン画像処理の転送イネーブルクロックをスキャンジョブ設定に応じて高速転送クロック、中速転送クロック、低速転送クロックに切り替える方法について説明した。実施例3ではスキャン画像処理のスキャンジョブ設定に加えて、スキャン画像処理が単独か、他の画像処理が並列で動作するかに応じて複数の転送クロックを切り替えて並列動作させる方法について説明する。
【0078】
図12は、COPYジョブのフローである。
図12のフローチャートの処理は、CPU301がROM304に記憶されたプログラムをRAM302に読み出して実行することで実現される。
【0079】
S1201では、CPU301は、操作部114を介して、実行するCOPYジョブの設定を受け付ける。
【0080】
S1202において、CPU301は、S1201で受け付けた設定を基にスキャン処理を原稿1ページ実行する。
【0081】
S1203において、CPU301は、S1201で受け付けた設定を基にプリント処理を1ページ実行する。
【0082】
S1204において、CPU301は、DF部に設置された原稿がなくなったか判断する。原稿がなくなったと判断した場合は、S1205へ進む。まだ原稿が存在すると判断した場合は、S1202へ進む。
【0083】
S1205において、CPU301は、すべての画像データの印刷が完了したか判断する。印刷データなくなったと判断した場合は、処理を終了する。まだ印刷データが存在すると判断した場合は、S1203へ進む。
【0084】
図12を用いて説明したように例えばCOPYジョブであればスキャン画像処理とプリント画像処理の組み合わせでジョブが構成される。画像処理が重なることで画像バス110の処理するデータ量が増え、データバスの制限オーバーする可能性がある。そのため、この画像処理の単位でスキャン画像処理を他の画像処理と並行して実行させるために転送イネーブルクロックの切り替えを行う。加えて、実施例1で説明したようにスキャン画像処理の読み取り設定に応じて、データ量は異なる。そのため、読み取り設定と他の画像処理を考慮して、転送イネーブルクロックを切り替えることで、画像バス110に流れるデータ量を抑えることができる。
【0085】
他の画像処理としてPDLデータの処理を行う、Rip処理、蓄積メモリに保存した画像データをJPEGやPDFなどに変換するSend処理、Fax送信を行うための画像フォーマット変換などを行うFax処理などがある。
【0086】
次に
図13を用いて、スキャン画像処理を他の画像処理と並列で実行させるためのフローについて説明する。
図13のフローチャートの処理は、CPU301がROM304に記憶されたプログラムをRAM302に読み出して実行することで実現される。
【0087】
S1301では、CPU301は、原稿の読み取り設定を取得する。
【0088】
S1302において、CPU301は、S1301で取得した読み取り設定に応じてスキャンを実行するために使用するASICを決定し、ASICに設定を行う。
【0089】
S1303において、CPU301は、スキャン以外の実行中画像処理が存在するか、また、待機中の画像処理が存在するか判断する。スキャン以外の実行中画像処理が存在するか、また、待機中の画像処理が存在する場合は、S1310へ進む。スキャン以外の実行中画像処理が存在しないか、また、待機中の画像処理が存在しない場合は、S1304へ進む。
【0090】
S1304において、CPU301は、スキャン単独動作時で読み取り設定は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。高速転送モードで動作できると判断した場合は、S1305へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1309へ進む。
【0091】
S1305において、スキャナ部に高速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0092】
S1306において、CPU301は、スキャナ部112から画像データを受け取る。
【0093】
S1307において、CPU301は、受け取った画像データに対して、画像処理を実行する。
【0094】
S1308において、CPU301は、画像データを蓄積メモリ105に保存する。
【0095】
S1309において、CPU301は、スキャン単独動作時でスキャン読み取り設定から中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送クロックモードで動作できると判断した場合は、S1311へ進む。動作できないと判断した場合は、S1313へ進む。
【0096】
S1310において、CPU301は、スキャン画像処理以外の画像処理がある状態で読み取り設定は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。高速転送モードで動作できると判断した場合は、S1305へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1312へ進む。
【0097】
S1312において、CPU301は、スキャン画像処理以外の画像処理がある状態で読み取り設定は中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送モードで動作できると判断した場合は、S1311へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1313へ進む。
【0098】
S1311において、CPU301は、スキャナ部112に中速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0099】
S1313において、CPU301は、スキャナ部112に低速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0100】
次に
図13で説明したクロックの切り替え判断の条件となる他の画像処理の有無とスキャンジョブの設定について
図14を用いて説明する。
【0101】
図14のような転送クロックの切り替え条件が決まり、この条件に応じて、S1304、S1309、S1310、S1312では高速転送クロックか中速転送クロックか、低速転送クロックかを判断する。
【0102】
例えばスキャンジョブ設定がカラースキャン、両面、300×300dpi、A4サイズ原稿の場合、スキャン以外の画像処理があれば、低速クロック(1402)、なければ高速クロック(1403)となる。
【0103】
なお、
図14の条件は一例であり、この条件に限るものではない。
【0104】
以上、説明したように、スキャナ部から制御ユニットへの画像転送を行う転送イネーブルクロックをスキャン画像処理が単独か、他の画像処理が並列で動作するかの判定結果に加えて、スキャンジョブ設定に応じて複数段で切り替える。それによって、スキャナの読み取り速度を向上させながら、他の画像処理を並行して実行することが出来る。
【0105】
<実施例4>
実施例3ではスキャン画像処理のスキャンジョブ設定に加えて、スキャン画像処理が単独か、他の画像処理が並列で動作するかに応じて複数の転送クロックを切り替えて並列動作させる方法について説明した。
【0106】
実施例4では実施例2で説明したジョブ種の判断も加えて、転送クロックを切り替える方法について説明する。
【0107】
図15を用いて、ジョブ種の判断も加え、スキャン画像処理を他の画像処理と並列で実行させるためのフローについて説明する。
図15のフローチャートの処理は、CPU301がROM304に記憶されたプログラムをRAM302に読み出して実行することで実現される。
【0108】
S1501では、CPU301は、スキャン画像処理を実行するジョブ種を取得する。
【0109】
S1502では、CPU301は、原稿の読み取り設定を取得する。
【0110】
S1503において、CPU301は、S1502で取得した読み取り設定に応じてスキャンを実行するために使用するASICを決定し、ASICに設定を行う。
【0111】
S1504において、CPU301は、ジョブ種は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。高速転送モードで動作できると判断した場合は、S1505へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1511へ進む。
【0112】
S1505において、スキャン以外の実行中画像処理が存在するか、また、待機中の画像処理が存在するか判断する。スキャン以外の実行中画像処理が存在するか、また、待機中の画像処理が存在する場合は、S1515へ進む。スキャン以外の実行中画像処理が存在しないか、また、待機中の画像処理が存在しない場合は、S1506へ進む。
【0113】
S1506において、CPU301は、スキャン単独動作時で読み取り設定は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。高速転送モードで動作できると判断した場合は、S1507へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1513へ進む。
【0114】
S1507において、CPU301は、スキャナ部112に高速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0115】
S1508において、CPU301は、スキャナ部112から画像データを受け取る。
【0116】
S1509において、CPU301は、受け取った画像データに対して、画像処理を実行する。
【0117】
S1510において、CPU301は、画像データを蓄積メモリ105に保存する。
【0118】
S1511において、CPU301は、ジョブ種は中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送クロックモードで動作できると判断した場合は、S1512へ進む。動作できないと判断した場合は、S1517へ進む。
【0119】
S1512において、CPU301は、スキャン以外の実行中画像処理が存在するか、また、待機中の画像処理が存在するか判断する。スキャン以外の実行中画像処理が存在するか、また、待機中の画像処理が存在する場合は、S1516へ進む。スキャン以外の実行中画像処理が存在しないか、また、待機中の画像処理が存在しない場合は、S1513へ進む。
【0120】
S1513において、CPU301は、スキャン単独動作時でスキャン読み取り設定から中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送クロックモードで動作できると判断した場合は、S1514へ進む。動作できないと判断した場合は、S1517へ進む。
【0121】
S1515において、CPU301は、スキャン画像処理以外の画像処理がある状態で読み取り設定は高速転送クロックモードで動作できるか判断する。高速転送モードで動作できると判断した場合は、S1507へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1516へ進む。
【0122】
S1516において、CPU301は、スキャン画像処理以外の画像処理がある状態で読み取り設定は中速転送クロックモードで動作できるか判断する。中速転送モードで動作できると判断した場合は、S1514へ進む。動作出来ないと判断した場合は、S1517へ進む。
【0123】
S1514において、CPU301は、スキャナ部112に中速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0124】
S1517において、CPU301は、スキャナ部112に低速転送クロックモードで動作することを通知する。
【0125】
図15で説明したクロックの切り替え判断の条件となるジョブ種や他の画像処理の有無とスキャンジョブの設定についての条件は
図11、
図14を用いて説明したものとする。
【0126】
図11のようにCOPYジョブであれば低速クロックしかないため、他の画像処理の有無とスキャンジョブの設定を確認することなく、低速クロックと確定できる。一方で、SENDジョブのように高速クロックがある場合、その中で他の画像処理の有無とスキャンジョブの設定に応じて、
図14の条件に従って、クロックを切り替える。
【0127】
なお、この条件は一例であり、本発明はこの条件に限られるものではない。
【0128】
以上のように、スキャナ部から制御ユニットへの画像転送を行う転送イネーブルクロックを、スキャンを実行するジョブ種、スキャン画像処理が単独か、他の画像処理が並列で動作するか、さらに、スキャンジョブ設定もすべて考慮して切り替える。この切り替えにより、スキャナの読み取り速度を向上させながら、他の画像処理を並行して実行することが出来る。
【0129】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0130】
103 CPU
104 RAM
112 スキャナ部